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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075513
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】接続アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/24 20060101AFI20240527BHJP
   F16L 25/06 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
F16L37/24
F16L25/06
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023197168
(22)【出願日】2023-11-21
(31)【優先権主張番号】22208887
(32)【優先日】2022-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】515246465
【氏名又は名称】ティーアイ オートモーティブ テクノロジー センター ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】TI Automotive Technology Center GmbH
【住所又は居所原語表記】Lochfeldstr. 31, 76437 Rastatt, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト ベッカー
(72)【発明者】
【氏名】トルステン シェーファー
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン ダイベル
(72)【発明者】
【氏名】マテュー オクチュリエ
【テーマコード(参考)】
3J106
【Fターム(参考)】
3J106AA06
3J106AB06
3J106BA01
3J106BB01
3J106BC04
3J106BD01
3J106BE21
3J106CA01
3J106EA01
3J106EB04
3J106EB12
3J106EC08
3J106ED22
3J106EE01
3J106EF02
3J106EF12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コンパクトであると共に簡単に組み付けることができる接続アセンブリを提供する。
【解決手段】それぞれ少なくとも2つの通路(4,5)を有する第1の管アセンブリ(2)と第2の管アセンブリ(3)との流体密な接続部を形成するための接続アセンブリ(1)であって、第1の管アセンブリ(2)に割り当てられた第1の継手要素(6)と、第2の管アセンブリ(3)に割り当てられた第2の継手要素(7)とを備え、第1の継手要素(6)と第2の継手要素(7)とは、ロック要素(8)によって互いに接続可能であり、ロック要素(8)は通路(4,5)を取り囲んでいる、接続アセンブリ(1)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ少なくとも2つの通路(4,5)を有する第1の管アセンブリ(2)と第2の管アセンブリ(3)との流体密な接続部を形成するための接続アセンブリ(1)であって、前記第1の管アセンブリ(2)に割り当てられた第1の継手要素(6)と、前記第2の管アセンブリ(3)に割り当てられた第2の継手要素(7)とを備える、接続アセンブリ(1)において、前記第1の継手要素(6)と前記第2の継手要素(7)とは、ロック要素(8)によって互いに接続可能であり、該ロック要素(8)は前記通路(4,5)を取り囲んでいることを特徴とする、接続アセンブリ(1)。
【請求項2】
少なくとも1つの継手要素(6,7)が、前記ロック要素(8)を取り付けるための円筒形の外側輪郭(9)を有することを特徴とする、請求項1記載の接続アセンブリ。
【請求項3】
前記ロック要素(8)はユニオンリングとして形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載の接続アセンブリ。
【請求項4】
第1の継手要素(6)および/または第2の継手要素(7)の前記外側輪郭(9)に、前記ロック要素(8)のロック手段(11)内に係合するように構成されたロック輪郭(10)が割り当てられていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の接続アセンブリ。
【請求項5】
前記ロック輪郭(10)と前記ロック手段(11)とが螺旋状に形成されていることを特徴とする、請求項4記載の接続アセンブリ。
【請求項6】
前記ロック輪郭(10)と前記ロック手段(11)とがバヨネット接続機構として構成されていることを特徴とする、請求項4記載の接続アセンブリ。
【請求項7】
前記通路(4,5)同士が、少なくとも1つの継手要素(6,7)内に部分的に同心に配置されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の接続アセンブリ。
【請求項8】
前記継手要素(6,7)から移行領域が形成されており、前記通路(4,5)は前記移行領域内で相並んで延びていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の接続アセンブリ。
【請求項9】
少なくとも1つの挿入体(16)が設けられており、前記通路(4,5)は前記継手要素(6,7)の領域内で前記挿入体(16)を通って延びていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の接続アセンブリ。
【請求項10】
前記第1の管アセンブリ(2)および/または前記第2の管アセンブリ(3)は、少なくとも3つの通路(4,5,13)を有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の接続アセンブリ。
【請求項11】
前記継手要素(6,7)に、前記通路(4,5,13)を互いに密封するシール(14)が割り当てられていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の接続アセンブリ。
【請求項12】
前記第1の管アセンブリ(2)および/または前記第2の管アセンブリ(3)が、ブロー成形部材として形成されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の接続アセンブリ。
【請求項13】
前記第1の管アセンブリ(2)、前記第2の管アセンブリ(3)、前記第1の継手要素(6)、前記第2の継手要素(7)および/または前記ロック要素(8)が、ポリマー材料から形成されていることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の接続アセンブリ。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項記載の少なくとも1つの接続アセンブリ(1)を備える、温度調整媒体を搬送するための温度調整回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ少なくとも2つの通路を有する第1の管アセンブリと第2の管アセンブリとの流体密な接続部を形成するための接続アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
このような接続アセンブリは、エレクトロモビリティにおいて温度調整媒体を搬送するために使用されることが多い。電気車両のバッテリは、最適な出力を限定された温度範囲内にしか有していない。したがって、周辺温度に応じて、蓄電池を加熱するかまたは冷却する必要があり得る。このため、電気車両の駆動ユニットは、一般に、蓄電池のセルに温度調整媒体を案内することができる、管アセンブリを備えた温度調整回路を有しており、セルを所望の温度範囲内に温度調整している。構成スペースに限りがあることから、温度調整装置は可能な限りコンパクトであることが望ましい。
【0003】
さらに、電気車両の駆動ユニット全体の構成要素を温度調整する、特に冷却する必要がある場合がある。構成要素には、蓄電池のほか、パワーエレクトロニクスおよび電気モータが含まれる。充電エレクトロニクスおよび対応する差込み接続手段ならびに線路も同様に温度調整装置によって冷却することができる。これは、特に急速充電プロセスに関連して重要となる。
【0004】
駆動ユニットにおける使用のほか、その他の車両エレクトロニクス、ここでは特にセンサおよび車載コンピュータに関連して更なる使用分野が生じる。
【0005】
温度調整媒体は、さらに、空調装置に使用される。空調装置、特にポータブル空調装置は、空調装置の個々のユニット間での温度調整媒体の搬送を可能にする管アセンブリを備えている。ポータブル空調装置、例えば自動車の内室の空調用の空調装置の場合、管アセンブリは比較的複雑な構造体であり、種々異なる材料から成る管、例えば金属から成る管、熱可塑性プラスチックから成る管区分およびゴム状の材料から成る管区分を含むことが多い。確かにこの場合、これらの管区分の使用条件は、その都度の要求に合わせて最適に調整されているが、この管アセンブリはコストを要し、組付けに手間を要し、リサイクルし難い。このユニットの場合、主として水ベースの温度調整媒体、例えば水・グリコールベースの冷却媒体が対象となる。
【0006】
全ての用途において、大抵の場合、管アセンブリは特にコンパクトであることが望ましいという要求が存在する。第1の装置の管アセンブリの複数の通路と、第2の装置の管アセンブリの複数の通路とを接続しなければならないが、その際に極めて少ない構成スペースしか提供されていないという事態が起こり得る。狭い構成スペースで複数の通路を互いに接続しなければならない場合、組付け時間は長引き、かつ狭い構成スペースによる諸問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の根底にある課題は、コンパクトであると共に簡単に組み付けることができる接続アセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1の特徴によって解決される。従属請求項は有利な構成に関する。
【0009】
流体密な接続部を形成するための本発明に係る接続アセンブリは、それぞれ少なくとも2つの通路を有する第1の管アセンブリと第2の管アセンブリとを有しており、第1の管アセンブリに割り当てられた第1の継手要素と、第2の管アセンブリに割り当てられた第2の継手要素とを備え、第1の継手要素と第2の継手要素とは、ロック要素によって互いに接続可能であり、ロック要素は通路を取り囲んでいる。
【0010】
これに対応して、本発明に係る接続アセンブリでは、両方の管アセンブリを接続するための唯一のロック要素しか設けられていない。このロック要素は、両方の管アセンブリの複数の通路を同時に互いにロックする。この場合、ロック要素はこれらの通路を取り囲んでいて、特にコンパクトで構成スペースを節約する接続アセンブリが得られる。この接続アセンブリを組み付けるために必要なのは、ロック要素を操作すること、そして、その際に両方の管アセンブリの複数の通路を互いに同時に連結することだけである。これによって、組付け時間は短縮され、組付けエラー、例えば個々の通路が接続されないことまたは不十分にしか接続されないことを回避することができる。
【0011】
少なくとも1つの継手要素は、ロック要素を取り付けるための円筒形の外側輪郭を有していてよい。好ましくは、第1の継手要素および第2の継手要素のそれぞれが、ロック要素を取り付けるための円筒形の外側輪郭を有している。この構成では、ロック要素が環状に形成されていてよく、それにより、ロック要素は簡単かつ廉価に製造可能となる。さらに、円筒形の外側輪郭によって、ロック要素が回動可能な状態で継手要素を取り囲むように把持することができるので、ロック要素によって継手要素を特に簡単にロックすることが可能となる。
【0012】
ロック要素はユニオンリングとして形成されていてよい。これにより、ロック要素は特に簡単かつ廉価に製造可能となる。特に、ロック要素をプラスチックから、例えば射出成形可能なプラスチックから形成することが可能である。
【0013】
第1の継手要素および/または第2の継手要素の外側輪郭に、ロック要素のロック手段内に係合するように構成されたロック輪郭が割り当てられていてよい。これにより、ロック要素は、両方の継手要素を互いに不動に位置固定することができるので、両方の管アセンブリは互いに失われることがないように固定されている。ロック要素が継手要素を取り囲むように把持することにより、特に簡単な固定が可能となる。
【0014】
接続アセンブリの構成に応じて、ロック要素による継手要素のロックを工具なしで行うことが可能となる。
【0015】
ロック輪郭は、継手要素の外側輪郭から突出する凸部および/または外側輪郭に突入する凹部の形態で形成されていてよい。ロック要素のロック手段は、好ましくは、ロック輪郭に正確に合致するように形成されている。これに対応して、ロック要素の内周面に配置されたロック手段は、表面を越えて内方に突出するかまたは代替的に凹部の形態で形成されていてよい。好ましくは、継手要素のロック輪郭は外方に突出しており、ロック要素のロック手段は内周面から内方に突出している。
【0016】
第1の構成によれば、ロック輪郭とロック手段とは螺旋状に形成されていてよい。このために、ロック輪郭とロック手段とは、部分的にねじ山状に形成されていてよく、例えば継手要素およびロック要素の表面から突出して傾斜して延びるリブの形態で形成されていてよい。継手要素とロック要素との位置固定は、この場合、継手要素に対するロック要素の螺合運動によって行われる。
【0017】
ロック要素が継手要素から望ましくない形で緩んでしまうことを防止するために、ロック要素を継手要素に位置固定する係止手段が設けられていてよい。係止要素は、例えばラチェット機構の形態で構成されていてよい。このラチェット機構は、ロック要素から形成された可動の舌片と、少なくとも1つの継手要素に加工された凹部とを備えていてよい。この場合、舌片はラチェット機構のように凹部内に係合して、開放方向でのロック要素の回動運動を阻止する。接続を緩めるためには、舌片を凹部から離間させる必要がある。
【0018】
ロック輪郭とロック手段とは、バヨネット接続機構として構成されていてよい。バヨネット接続機構は、特に簡単に接合することができ、規定された角度範囲を有していて、この角度範囲内でロック要素と継手要素との間の接続部を開閉することができる。接続が自動的に緩んでしまうことを防止するために、係止手段が設けられていてよい。例えば、ロック手段から半径方向内向きに突出した1つ以上の突出部が形成されており、この突出部が、少なくとも1つの継手要素に加工された正確に合致する凹部内に係合することが可能である。係止手段が互いに係合すると直ちに、この係止プロセスによって同時に接続要素と継手要素との間の接続部が完全に形成されたことが報知される。これによって、組付けが簡単となる。
【0019】
接続アセンブリは、接続状態を識別するための装置を備えていてよい。この種の装置により、接続アセンブリの構成要素同士が互いに不動に密に接続されている状況を簡単な手段で識別することができるので、品質チェックが容易になる。この装置は、光学的かつ/または電子的な手段を有していてよい。
【0020】
光学的な手段は、接続アセンブリが正確に接続されている場合にのみこの手段が認識可能であるように備えられ、配置されていてよい。このために、一方または両方の継手要素に、光学的に読取り可能なコードが取り付けられていてよい。このコードは覆い隠されていて、接続後に初めて露出する。これは、ロック要素に加工された窓によって実現することができる。光学的なコードはQRコード(登録商標)またはバーコードであってよく、これによって、コードは付加的に製品情報を担うことができる。カラーコードも可能である。
【0021】
電子的な手段は、接続アセンブリが正確に接続されている場合にのみ読取り可能であるように備えられていてよい。このために、一方または両方の継手要素にトランスポンダが配置されていてよい。このトランスポンダは差し当たり遮蔽されていて、接続後に初めて読取り可能となる。接続後にトランスポンダの状態が変化するようにすることも可能である。電子的な手段は、RFIDチップとして構成されていてよい。
【0022】
第1の構成によれば、通路同士は、少なくとも1つの継手要素内で部分的に同心に配置されていてよい。この構成では、通路は互いに内外に配置されており、この場合、1つの通路が中心で接続アセンブリを貫通して延びていてよく、他の通路は、この中心に配置された通路を周面側で、例えば取囲み通路の形態で取り囲む。これによって、特にコンパクトな接続アセンブリが得られる。
【0023】
代替的な構成によれば、継手要素から移行領域が形成されており、通路はこの移行領域内で相並んで延びている。例えば、通路が移行領域内で扇形に延びていることが可能である。この構成では、漏れを特に簡単に防止することができる。
【0024】
上記2つの構成では、接続アセンブリの領域内で通路が互いに開口することが可能である。例えば、接続アセンブリの領域内で3つの通路のうちの2つの通路を一体化することが可能である。
【0025】
少なくとも1つの挿入体が設けられており、通路は継手要素の領域内でこの挿入体を通って延びていてよい。これによって、継手要素の領域内で管アセンブリを特に簡単かつ廉価に構成することができる。この場合、特に、挿入体が継手要素の一構成部分を成していることが可能であり、特にロック輪郭を備えた外側輪郭がこの挿入体から形成されていてよい。ここで、挿入体は複数の部分から、特に2つの部分から構成されていてよく、管アセンブリのそれぞれに1つの挿入体部分が割り当てられている。管アセンブリ同士の間の密な接続は、この場合、挿入体の挿入体部分を介して行われる。継手要素の領域内に複雑に成形された複数の通路の形状は、挿入体内に成形されている。挿入体は、好ましくはプラスチック部材であり、好ましくは射出成形可能なプラスチックから成る。
【0026】
第1の管アセンブリおよび/または第2の管アセンブリは、少なくとも3つの通路を有していてよい。3つ以上の通路を備える構成は、複雑な配管構造と、全体としてコンパクトなアセンブリとを可能にする。
【0027】
継手要素に、通路を互いに密封するシールが割り当てられていてよい。これによって、内部漏れのリスクを低減することができる。
【0028】
第1の管アセンブリおよび/または第2の管アセンブリは、ブロー成形部材として形成されていてよい。これに対応して、第1の管アセンブリと第2の管アセンブリとは、好ましくはポリマー材料から形成されている。ブロー成形法により、複雑な形状を有する一体形の管アセンブリを廉価に製造することが可能となる。
【0029】
温度調整媒体を搬送するための本発明に係る温度調整回路は、本発明に係る少なくとも1つの接続アセンブリを備えている。温度調整回路は、特に電気車両の構成要素の温度調整に適しており、車両の構成要素を加熱または冷却するための温度調整媒体、例えば水を、通路を通して案内することができる。接続アセンブリの特にコンパクトな構成と、接続アセンブリの構成要素をプラスチックから形成することとによって、特に軽量かつコンパクトな温度調整回路の製造が可能となる。
【0030】
以下に、本発明に係る接続アセンブリの幾つかの構成を図面に基づき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】接続アセンブリを概略的に示す立体図である。
図2図1に示した接続アセンブリを概略的に示す断面図である。
図3図1に示した接続アセンブリを概略的に示す断面図である。
図4図1に示した接続アセンブリを概略的に示す部分透視図である。
図5図1に示した接続アセンブリを概略的に示す部分断面図である。
図6】螺旋状のロック手段を備えた接続アセンブリを概略的に示す図である。
図7図6に示した接続アセンブリ用のロック要素を概略的に示す図である。
図8図6に示した接続アセンブリの係止手段を概略的に示す詳細図である。
図9図6に示した接続アセンブリのロック要素の領域を概略的に示す詳細断面図である。
図10】バヨネット接続機構を備えた接続アセンブリを概略的に示す図である。
図11図10に示した接続アセンブリ用のロック要素を概略的に示す図である。
図12図10に示した接続アセンブリの係止手段を概略的に示す詳細図である。
図13図10に示した接続アセンブリのロック要素の領域を概略的に示す詳細断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
各図は接続アセンブリ1を示している。この接続アセンブリ1は、温度調整媒体を搬送するための温度調整回路の構成部材を成す。具体的には、接続アセンブリ1は、電気車両の電気モータ式の駆動装置の温度調整回路内に組み込まれており、温度調整回路に導入された媒体の体積流を、電気的なエネルギー蓄え器および電気モータにもパワーエレクトロニクスにも導く。
【0033】
図1は、第1の管アセンブリ2と第2の管アセンブリ3との流体密な接続部を形成するための接続アセンブリ1を示している。第1の管アセンブリ2および第2の管アセンブリ3は、それぞれ3つの通路4,5,13を有している。第1の管アセンブリ2には第1の継手要素6が、第2の管アセンブリ3には第2の継手要素7が割り当てられており、通路4,5,13は、継手要素6,7の領域内で同心に配置されている。
【0034】
代替的な構成によれば、通路4,5,13は、継手要素6,7の領域内の移行領域内で相並んで延びている。
【0035】
第1の継手要素6と第2の継手要素7とは、ロック要素8によって互いに接続されており、ロック要素8は通路4,5,13を取り囲んでいる。両方の継手要素6,7は、ロック要素8を取り付けるための円筒形の外側輪郭9を有している。ロック要素8はユニオンリングとして形成されている。
【0036】
接続アセンブリ1は、接続状態を識別するための装置を備えている。このために、両方の継手要素6,7には、光学的に読取り可能な手段がQRコード(登録商標)の形態で取り付けられている。光学的な手段は、接続アセンブリ1が正確に形成されている場合にのみこの手段が認識可能であるように配置されている。このために、この手段は差し当たり覆い隠されていて、接続後に初めて露出する。この場合、この手段は、ロック要素8に加工された窓を通して認識可能となる。
【0037】
代替的な構成によれば、この手段は電子的に読取り可能である。このために、両方の継手要素6,7にはRFIDチップが取り付けられており、このチップは、接続アセンブリが正確に形成されている場合にのみ読取り可能となる。
【0038】
図2および図3は、図1に示した接続アセンブリ1を断面図で示している。2つの部分から構成された挿入体16が継手要素6,7に割り当てられており、通路4,5,13はこの挿入体16内で延びていることを認めることができる。第1の挿入体要素16’は第1の継手要素6に、第2の挿入体要素16は第2の継手要素7に割り当てられている。挿入体16の両方の要素は、正確に合致するように成形された端面を有し、シール14が設けられていて、通路4,5,13を互いに密封している。
【0039】
さらに、挿入体要素16,16’の端面は、漏れのリスクをさらに低減するラビリンス構造を有している。図1図3に図示した構成では、ロック要素8を取り付けるための外側輪郭9は挿入体16から形成されており、これによって、挿入体16は部分的に継手要素6,7を形成している。
【0040】
挿入体16内で通路4,5,13は同心に延びている。管アセンブリ2,3内に延在する通路4,5,13への移行領域には、端面に向かって斜めに延びる走入輪郭が形成されており、これによって、挿入体16も接続アセンブリ1全体も特にコンパクトに構成することができる。
【0041】
第1の管アセンブリ2および第2の管アセンブリ3は、ブロー成形部材として形成されており、ポリマー材料から成る。挿入体16およびロック要素8は、射出成形部材として形成されており、同様にポリマー材料から成る。材料は、好ましくはポリアミドまたはポリオレフィンの群から選択されている。
【0042】
図4は、図1に示した接続アセンブリ1を部分透視図で示している。特に、ロック要素8から構成された係止手段15を認めることができる。この係止手段15は、継手要素6,7からロック要素が自動的に緩んでしまうことを防止する。
【0043】
図5は、図1に示した接続アセンブリを部分断面図で示している。特に挿入体16と、この挿入体16の、接続アセンブリ1外での通路ガイドと接続アセンブリ1内での通路ガイドとの間の移行領域内での構成とを認めることができる。通路4が挿入体16の外側の取囲み通路を通流し、通路13が中間の取囲み通路を通流し、通路5が中心に配置された内側の円形の通路を通流することを認めることができる。通路13の、中間の取囲み通路の方向での挿入体16への走入部は、斜めに延びるように形成されているので、通路13は通路4に対して平行に、対応する取囲み通路に開口することができる。これによって、接続アセンブリ1全体は特にコンパクトに構成することが可能であり、特に僅かな延在長さしか有していない。
【0044】
さらに、挿入体16の開口領域に配置されたシール14を認めることができる。シール14は、挿入体16を通路4,5,13に対して密封することによって、内部漏れが生じることを防止する。シール14は、好ましくは射出成形可能な弾性材料から形成されているので、挿入体16を例えば二成分射出成形部材として形成することができる。
【0045】
図6は、図1に示した接続アセンブリ1の第1の構成を示している。第1の継手要素6および第2の継手要素7の外側輪郭9は、ロック輪郭10に割り当てられている。ロック輪郭10は、ロック要素8のロック手段11内に係合するように構成されている。図6に示す構成では、ロック輪郭10とロック手段11とは螺旋状に形成されている。このために、継手要素6,7の外側輪郭9から、継手要素6,7の端面に対して斜めに延びるリブ状の突出部が形成されている。本構成では、第1の継手要素6のロック輪郭と第2の継手要素7のロック輪郭とが、矢印形を成すように互いに近づく方向に延びている。
【0046】
図7は、図6に示した接続アセンブリ1用のロック要素8を示している。ロック要素8が、内方に突出したリブ状の突出部を有していることを認めることができる。この突出部がロック手段11を形成し、このロック手段11がロック輪郭10内に係合する。ロック手段11も矢印形を成すように配置されている。位置固定するためには、ユニオンリングを成すこのロック要素を接続アセンブリ1に被せ嵌めて回動させ、ロック手段11がロック輪郭10内に係合して継手要素6,7が互いに位置固定されるようにする。
【0047】
ロック要素8が自動的に緩んでしまうことを防止するために、ロック要素8および一方の継手要素6に、係止手段15,15’が加工されている。係止手段15,15’は、ロック要素8に枢動式に取り付けられた舌片を備えており、この舌片が、継手要素6に加工された凹部15’内にラチェット機構の形式で係合する。アセンブリを緩めるためには、係止手段15の舌片を凹部15’から離間させる必要がある。
【0048】
係止手段15,15’は、図8に詳細図で示してあり、図8では断面図で描かれている。
【0049】
図9は、接続アセンブリ1のロック要素8の領域を詳細断面図で示している。
【0050】
図10は、図1に示した接続アセンブリ1の代替的な構成を示している。この構成では、ロック輪郭10とロック手段11とがバヨネット接続機構として構成されている。このために、継手要素6,7およびロック要素8から突出部が形成され、これらの突出部がロック輪郭10とロック手段11とを形成している。接続が自動的に緩んでしまうことを防止するために、この構成も係止手段15を備えている。この係止手段15は、ロック要素8から半径方向内向きに突出した突出部から形成されており、この突出部が、継手要素6に加工された正確に合致する凹部15’内に係合する。
【0051】
図11は、図10に示した接続アセンブリ1用のロック要素8を示している。
【0052】
図12は、図10に示した接続アセンブリ1のロック要素8および係止手段15の領域を詳細図で示している。
【0053】
図13は、接続アセンブリ1のロック要素8の領域を詳細断面図で示している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ少なくとも2つの通路(4,5)を有する第1の管アセンブリ(2)と第2の管アセンブリ(3)との流体密な接続部を形成するための接続アセンブリ(1)であって、前記第1の管アセンブリ(2)に割り当てられた第1の継手要素(6)と、前記第2の管アセンブリ(3)に割り当てられた第2の継手要素(7)とを備える、接続アセンブリ(1)において、前記第1の継手要素(6)と前記第2の継手要素(7)とは、ロック要素(8)によって互いに接続可能であり、該ロック要素(8)は前記通路(4,5)を取り囲んでいることを特徴とする、接続アセンブリ(1)。
【請求項2】
少なくとも1つの継手要素(6,7)が、前記ロック要素(8)を取り付けるための円筒形の外側輪郭(9)を有することを特徴とする、請求項1記載の接続アセンブリ。
【請求項3】
前記ロック要素(8)はユニオンリングとして形成されていることを特徴とする、請求項1記載の接続アセンブリ。
【請求項4】
第1の継手要素(6)および/または第2の継手要素(7)の前記外側輪郭(9)に、前記ロック要素(8)のロック手段(11)内に係合するように構成されたロック輪郭(10)が割り当てられていることを特徴とする、請求項1記載の接続アセンブリ。
【請求項5】
前記ロック輪郭(10)と前記ロック手段(11)とが螺旋状に形成されていることを特徴とする、請求項4記載の接続アセンブリ。
【請求項6】
前記ロック輪郭(10)と前記ロック手段(11)とがバヨネット接続機構として構成されていることを特徴とする、請求項4記載の接続アセンブリ。
【請求項7】
前記通路(4,5)同士が、少なくとも1つの継手要素(6,7)内に部分的に同心に配置されていることを特徴とする、請求項1記載の接続アセンブリ。
【請求項8】
前記継手要素(6,7)から移行領域が形成されており、前記通路(4,5)は前記移行領域内で相並んで延びていることを特徴とする、請求項1記載の接続アセンブリ。
【請求項9】
少なくとも1つの挿入体(16)が設けられており、前記通路(4,5)は前記継手要素(6,7)の領域内で前記挿入体(16)を通って延びていることを特徴とする、請求項1記載の接続アセンブリ。
【請求項10】
前記第1の管アセンブリ(2)および/または前記第2の管アセンブリ(3)は、少なくとも3つの通路(4,5,13)を有することを特徴とする、請求項1記載の接続アセンブリ。
【請求項11】
前記継手要素(6,7)に、前記通路(4,5,13)を互いに密封するシール(14)が割り当てられていることを特徴とする、請求項1記載の接続アセンブリ。
【請求項12】
前記第1の管アセンブリ(2)および/または前記第2の管アセンブリ(3)が、ブロー成形部材として形成されていることを特徴とする、請求項1記載の接続アセンブリ。
【請求項13】
前記第1の管アセンブリ(2)、前記第2の管アセンブリ(3)、前記第1の継手要素(6)、前記第2の継手要素(7)および/または前記ロック要素(8)が、ポリマー材料から形成されていることを特徴とする、請求項1記載の接続アセンブリ。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項記載の少なくとも1つの接続アセンブリ(1)を備える、温度調整媒体を搬送するための温度調整回路。
【外国語明細書】