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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075515
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】ドーム型カバー構造
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/02 20210101AFI20240527BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20240527BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240527BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20240527BHJP
【FI】
G03B17/02
G03B30/00
G03B15/00 S
H04N23/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023197445
(22)【出願日】2023-11-21
(31)【優先権主張番号】P 2022186758
(32)【優先日】2022-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】510067038
【氏名又は名称】株式会社インタニヤ
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】奥村 正己
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA03
5C122DA04
5C122EA55
5C122GE01
5C122GE09
5C122GE20
5C122GE21
(57)【要約】
【課題】 機器側の設計に制約がなく、密閉性も容易に確保することのできるドーム型カバー構造を提供すること。
【解決手段】 センサを覆うためのドーム型カバー構造であって、ドーム型カバー10は、凸曲面で成形されるドーム部11と、ドーム部11と一体的に平面で成形される鍔部12と、鍔部12の形状に対応する環状のスペーサ部材13とを備える。そして、センサが設けられる機器本体の装着面にスペーサ部材13を接してドーム型カバー10を装着する構成において、スペーサ部材13の装着面と対向する面14にリング溝15を設け、リング溝15にOリング16を嵌入することによりスペーサ部材13と機器本体の平面部分20とを密閉することを特徴とするドーム型カバー構造を提供する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサを覆うためのドーム型カバー構造であって、
ドーム型カバーは、凸曲面で成形されるドーム部と、該ドーム部と一体的に平面で成形される鍔部と、該鍔部の形状に対応する環状のスペーサ部材とを備え、
該センサが設けられる機器本体の装着面に該スペーサ部材を接して該ドーム型カバーを装着する構成において、
該スペーサ部材の該装着面と対向する面にリング溝を設け、該リング溝にOリングを嵌入することにより該スペーサ部材と機器本体の平面部分とを密閉する
ことを特徴とするドーム型カバー構造。
【請求項2】
前記スペーサ部材が、前記鍔部の前記ドーム部の凸側と反対面に備えられ、
該鍔部と前記機器本体の平面部分とを、間に該スペーサ部材を挟んだ状態で、ボルト固定する
請求項1に記載のドーム型カバー構造。
【請求項3】
前記スペーサ部材が、前記鍔部の前記ドーム部の凸側と同じ面に備えられ、
該鍔部と前記機器本体の平面部分とを、間に該スペーサ部材を挟んだ状態で、ボルト固定する
請求項1に記載のドーム型カバー構造。
【請求項4】
前記スペーサ部材が、前記鍔部と溶着又は接着される
請求項1ないし3のいずれかに記載のドーム型カバー構造。
【請求項5】
前記スペーサ部材が、前記鍔部と一体成形される
請求項1ないし3のいずれかに記載のドーム型カバー構造。
【請求項6】
請求項1に記載のドーム型カバー構造における前記ドーム型カバー。
【請求項7】
センサを覆うためのドーム型カバー構造であって、
該センサを内側に格納するケースは、凸曲面で成形されるドーム部と、該ドーム部と一体的に平面で成形される鍔部と、少なくとも内周が該鍔部の形状に対応するスペーサ部材とを備え、
該スペーサ部材の装着面と該鍔部が接する構成において、
該スペーサ部材の該装着面の該鍔部と対向する部位にリング溝を設け、該リング溝にOリングを嵌入することにより該スペーサ部材と該鍔部とを密閉する
ことを特徴とするドーム型カバー構造。
【請求項8】
前記スペーサ部材が、前記ケースの内側に備えられ、
前記鍔部の前記ドーム部の凸側と同じ面を該ケースの内側と密着させて固定する
請求項7に記載のドーム型カバー構造。
【請求項9】
前記スペーサ部材が、前記ケースの外側に備えられ、
前記鍔部の前記ドーム部の凸側と反対面を該ケースの外側と密着させて固定する
請求項7に記載のドーム型カバー構造。
【請求項10】
前記スペーサ部材が、前記ケースと溶着又は接着される
請求項7ないし9のいずれかに記載のドーム型カバー構造。
【請求項11】
前記スペーサ部材が、前記ケースと一体成形される
請求項7ないし9のいずれかに記載のドーム型カバー構造。
【請求項12】
請求項7に記載のドーム型カバー構造における前記ケース。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサや赤外線センサなど各種センサを覆うドーム型カバーに関し、特にその密閉構造に係る。
【背景技術】
【0002】
全周囲のデジタルカメラや、監視カメラ、赤外線センサなどの機器において、ドーム型カバーで内部のレンズやセンサを覆った構造がよく知られている。
ドーム型カバーはガラスや樹脂等によって成形されており、機器本体と密閉するために間にOリングを挟んでいることが多い。
【0003】
従来、このOリングを設けるのは機器側に溝を設けてその中に嵌入し、その上からドーム型カバーを被せて機器とドーム型カバーとの機密を保つことが一般的である。
例えば、特許文献1では、金属筐体の筐体凹部の開口周囲が円形の開口端面であり、開口端面には、ドームブロックが固定される。ドームブロックは、ガラスドームカバーを有し、金属筐体に固定されるが、このとき開口端面には、ドームブロックを螺着するための複数のドームブロック固定雌ネジが穿設されると共に、開口端面には、Oリングを収容するためのOリング収容溝が開口端面と同心円で形成されることが開示されている。
【0004】
また、特許文献2でも、カメラユニット、支持部、及びベース部は、ケース内に配置される構成において、ケースには、ドーム型カバーがシーリング部材であるOリングを介して取り付けられることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-13531号公報
【特許文献2】特開2019-123160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のドーム型カバーを用いる機器では、ドーム型カバー側に特別な加工を行わず、機器側にOリングを嵌入する溝を形成するか、あるいは単にOリング等の弾性部材を挟むことで密閉を確保していた。前者の場合、機器側に溝を形成しなければならないので、ドーム型カバーと機器とを予め専用に設計する必要があり、機器側の設計の複雑化や高コスト化を招いていた。後者では十分な密閉を確保しにくく、厚みが増してしまう問題があった。
また、薄い平板形状のケース等には取り付けがしにくい問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の有する課題を解決するものであり、機器側の設計に制約がなく、密閉性も容易に確保することのできるドーム型カバー構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は次のようなドーム型カバー構造を提供する。
本発明の第1の実施態様によれば、センサを覆うためのドーム型カバー構造であって、ドーム型カバーは、凸曲面で成形されるドーム部と、ドーム部と一体的に平面で成形される鍔部と、鍔部の形状に対応する環状のスペーサ部材とを備える。そして、センサやレンズが設けられる機器本体の装着面にスペーサ部材を接してドーム型カバーを装着する構成において、スペーサ部材の装着面と対向する面にリング溝を設け、リング溝にOリングを嵌入することによりスペーサ部材と機器本体の平面部分とを密閉することを特徴とするドーム型カバー構造を提供する。
【0009】
本発明の第2の実施態様によれば、前記のスペーサ部材が、鍔部のドーム部の凸側と反対面に備えられ、鍔部と機器本体の平面部分とを、間にスペーサ部材を挟んだ状態で、ボルト固定することができる。
【0010】
本発明の第3の実施態様によれば、前記のスペーサ部材が、鍔部のドーム部の凸側と同じ面に備えられ、鍔部と機器本体の平面部分とを、間にスペーサ部材を挟んだ状態で、ボルト固定することもできる。
【0011】
本発明の第4の実施態様によれば、前記のスペーサ部材が、鍔部と溶着又は接着される構成でもよい。
【0012】
本発明の第5の実施態様によれば、前記のスペーサ部材が、鍔部と一体成形される構成でもよい。
【0013】
本発明の第6の実施態様によれば、本発明に係るドーム型カバー構造におけるドーム型カバーだけを提供することもできる。
【0014】
本発明の第7の実施態様によれば、センサを覆うためのドーム型カバー構造であって、センサを内側に格納するケースは、凸曲面で成形されるドーム部と、ドーム部と一体的に平面で成形される鍔部と、少なくとも内周が鍔部の形状に対応するスペーサ部材とを備え、スペーサ部材の装着面と鍔部が接する構成において、スペーサ部材の装着面の鍔部と対向する部位にリング溝を設け、リング溝にOリングを嵌入することによりスペーサ部材と鍔部とを密閉することを特徴とするドーム型カバー構造を提供する。
【0015】
本発明の第8の実施態様によれば、上記のスペーサ部材が、ケースの内側に備えられ、鍔部のドーム部の凸側と同じ面をケースの内側と密着させて固定する構成でもよい。
【0016】
本発明の第9の実施態様によれば、上記のスペーサ部材が、ケースの外側に備えられ、鍔部のドーム部の凸側と反対面をケースの外側と密着させて固定する構成でもよい。
【0017】
本発明の第10の実施態様によれば、上記のスペーサ部材が、上記ケースと溶着又は接着される構成でもよい。
【0018】
本発明の第11の実施態様によれば、上記のスペーサ部材が、上記ケースと一体成形される構成でもよい。
【0019】
本発明の第12の実施態様によれば、第7ないし第11の実施態様のドーム型カバー構造におけるケースを提供することもできる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、スペーサ部材を用い、スペーサ部材の装着面と対向する面にリング溝を設け、リング溝にOリングを嵌入する構成を提案することによって、機器側の設計に制約がなく、密閉性も容易に確保することができる。
また、ドーム型カバーと機器側を加工することなく、様々な固定方法を採用することができる。
【0021】
さらに、センサを内側に格納するケースにスペーサ部材を備え、スペーサ部材の装着面の鍔部と対向する部位にリング溝を設け、リング溝にOリングを嵌入する構成を提案することによって、ケースの密閉性も容易に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る機器の一例を示す斜視図である。
図2】本発明に係るドーム型カバーの断面図である。
図3】本発明に係るスペーサ部材の正面図及び右断面図である。
図4】本発明に係るドーム型カバー構造(第1実施例)の斜視図である。
図5】本発明に係るドーム型カバー構造(第2実施例)の斜視図である。
図6】本発明に係るドーム型カバー構造(第3実施例)の斜視図である。
図7】本発明に係るドーム型カバー構造(第4実施例)の斜視図である。
図8】本発明に係るドーム型カバー構造を有するケース(第5実施例)の斜視図である。
図9】第5実施例の分解説明図である。
図10】第5実施例の断面図である。
図11】本発明に係るドーム型カバー構造を有するケース(第6実施例)の分解斜視図である。
図12】第6実施例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を、図面に示す実施例を基に説明する。なお、実施形態は下記に限定されるものではない。
図1は本発明に係る機器の一例として撮像機器を示す斜視図である。図示する撮像機器(1)は、内部にイメージセンサ(2)を備えた基板(3)等を収容し、ドーム型カバー(4)をケース(5)に固定して構成される。ドーム型カバー(4)とケース(5)との間にOリング(6)を備えて密閉性を確保している。
【0024】
本発明が適用可能な機器としては、イメージセンサを有する一般的なデジタルカメラ、全周囲を撮影可能な超広角レンズを備えたデジタルカメラ、内部に赤外線センサ等各種の光学センサを備えたセンサー機器など、任意のセンサを備える様々な機器が考えられる。
ドーム型カバーを備えた機器として提供してもよいし、機器を収納するケース、あるいはドーム型カバー単体で提供してもよい。
【0025】
図2は本発明に係るドーム型カバー(10)の断面図である。また、図3は、本発明に係るスペーサ部材の正面図(a)及び右断面図(b)である。
ドーム型カバー(10)は、凸曲面で成形されるドーム部(11)と、ドーム部(11)と一体的に平面で成形される鍔部(12)と、鍔部(12)の形状に対応する環状のスペーサ部材(13)とを備える。
ドーム部の凸曲面は図示のような半球状の他、わずかに膨出している程度の凸曲面でもよいし、略全球形の凸曲面でもよい。本発明は少なくとも凸曲面とその周縁に平面の鍔部が設けられたいかなるドーム型カバー(10)に適用することができる。
【0026】
レンズ、センサが設けられる機器本体の装着面(図2では図示しない)にスペーサ部材(13)を接してドーム型カバー(10)を装着する構成において、スペーサ部材の装着面と対向する面(14)にリング溝(15)を設け、リング溝(15)にOリング(16)を嵌入することによりスペーサ部材(13)と機器本体の平面部分とを密閉することができる。
【0027】
鍔部(12)とスペーサ部材(13)には機器本体にボルトで固定するためのボルト孔(17)が円周上に複数穿孔されている。ボルトで機器本体に対して締め付けることでOリング(16)が圧縮され、スペーサ部材(13)と機器本体との間が密閉される。
【0028】
鍔部(12)とスペーサ部材(13)との間の密閉性は材料同士の溶着または接着によって確保する。加工工程としては、まず環状のスペーサ部材(13)を成形してリング溝(15)を形成した後、鍔部(12)とスペーサ部材(13)を溶着又は接着し、その後にボルト孔(17)を穿孔することが好ましい。
【0029】
また、スペーサ部材(13)の凸側角部(13a)は面取り加工をしている。これによってスペーサ部材(13)の内径を大きくとってリング溝(15)のスペースを確保しつつ、ドーム部(11)方向からの光が遮られにくくしている。
【0030】
図3に示すように本実施例のボルト孔(17)は45度毎に8個設けられている。このとき、ドーム型カバー(10)の鍔部(12)、スペーサ部材(13)共に外形を円形で構成している。一方、図1に示す実施例では、ケース(5)の外形を六角形状とし、その各角をボルトで固定する構成である。このように、鍔部やスペーサ部材の形状は任意であるが、好ましい形態としてはボルトが5本又は6本の場合は設置スペースを抑えるために5角形や6角形、それ以上の場合は、円形とすることができる。
また、ボルト孔(17)の数は任意であるが、Oリング(16)の締め付け上、直径60mm程度までのドーム部(11)であれば8個程度、直径60を超えて300mm程度までは30度毎に12個程度が好ましい。
【0031】
スペーサ部材(13)の厚みは3mmないし10mm程度が好ましく、特に5mm程度が適している。そして、リング溝(15)の深さはスペーサ部材の強度を維持するためにスペーサ部材(13)の厚みの60%以下が好ましい。本実施例では厚み5.5mmに対してリング溝(15)の深さは2.4mmであり、嵌合するOリングは直径3.1mm程度としている。なお、本発明に係るドーム型カバー(10)は温度差の激しい屋外に設置されることがあるので、熱膨張に備えて通常よりもやや大径のOリングを用いることもできる。
鍔部(12)が十分に厚みがあって鍔部(12)と溶着または接着することによって十分に強度が保てる場合にはリング溝(15)をさらに深くしてもよい。
【0032】
図4は、本発明に係るドーム型カバー構造(第1実施例)の斜視図であり、図5は同、第2実施例の斜視図である。
この2つの実施例は、スペーサ部材(13)が、鍔部(12)のドーム部の凸側と反対面に備えられ、鍔部(12)と機器本体の平面部分(20)とを、間にスペーサ部材(13)を挟んだ状態で、ボルト(21)で固定するものである。図示ではナット(22)も図示しているが、機器本体側の構造は任意である。
【0033】
第1実施例では、Oリング(16)をボルト(21)よりも内周側に配置しており、第2実施例では、Oリング(16)をボルト(21)よりも外周側に配置している。本発明は機器本体の平面部分(20)に溝を設ける必要がないので、このようにスペーサ部材(13)を自由に形成することによって任意の平面に多様な方法でドーム型カバーを設置することができる。
【0034】
図6は、本発明に係るドーム型カバー構造(第3実施例)の斜視図であり、図7は同、第4実施例の斜視図である。
この2つの実施例は、スペーサ部材(13’)が、鍔部(12)のドーム部の凸側と同じ面に備えられ、鍔部(12)と機器本体の平面部分(20)とを、間にスペーサ部材(13)を挟んだ状態で、ボルト(21)で固定するものである。図示ではナット(22)も図示しているが、機器本体側の構造は任意である。
【0035】
第3実施例では、Oリング(16)をボルト(21)よりも内周側に配置しており、第4実施例では、Oリング(16)をボルト(21)よりも外周側に配置している。上記同様、本発明は機器本体の平面部分(20)に溝を設ける必要がないので、このようにスペーサ部材(13)を自由に形成することによって任意の平面に多様な方法でドーム型カバーを設置することができる。
【0036】
ドーム型カバー(20)を装着する面は機器のケースに限定されず、壁、ドア、窓など任意の平面に装着することができる。
【0037】
本実施例ではボルト(21)及びナット(22)における密閉性も重要である。一般的にパッキンをボルトに嵌めて締めることもできるが、シールドリングをボルト頭のネジ山側に備えた大丸鋲螺製作所製シールビス(登録商標)や、シール座金、NOK製シールワッシャーなどを用いることもできる。
【0038】
以上の実施例では、スペーサ部材(13)と、鍔部(12)とを別体で構成した例を示したが、本発明はこれらを一体成形してもよい。
また、ドーム型カバー(10)の単体で提供してもよい。
【0039】
図8は、本発明の第5実施例に係るドーム型カバー構造を有するケース(30)の斜視図である。ケースは上ケース部(300)と下ケース部(301)とから構成され、内部には図示しないイメージセンサや基板等を備える撮像機器を収容する。
また、図9は本実施例の上ケース部(300)とドーム部(31)、鍔部(32)、Oリング(33)、ドーム保持部材(34)、スペーサ部材(302)の分解説明図を示す。
【0040】
ドーム部(31)は凸曲面で成形され、鍔部(32)はドーム部(31)の円周に一体的に平面で成形される。そして、少なくとも内周が該鍔部の形状に対応するスペーサ部材(302)とを有する。本実施例において、スペーサ部材(302)は上ケース部(300)と一体的に成形されており、上ケース部(300)の内側に形成された環状の領域である。もちろん本発明の実施においてスペーサ部材は、上記第1ないし第4実施例で図示したような環状の部材で別体で構成し、上ケースの内側に接着又は溶着してもよい。
【0041】
図10に断面図を示すように、上ケース部(300)にはドーム部(31)の外径に対応する開口部(303)が開口し、開口部(303)から凸曲面部分がケース(30)の外側に露出する一方、鍔部(32)の図中上面は上ケース部(300)の内側の面と密着する。
この内側の面にはスペーサ部材(302)の領域が形成され、スペーサ部材における鍔部(32)が装着される面、すなわち装着面にリング溝(304)が設けられる。
【0042】
リング溝(304)にはOリング(33)が嵌入されて、図示のようにスペーサ部材(302)と鍔部(32)とが密閉される。
スペーサ部材(302)と鍔部(32)との密閉を確保するために、鍔部(32)の図中下側から上ケース部(300)に向けて保持するドーム保持部材(34)を複数のボルト(35)で固定する。
【0043】
本実施例においてドーム保持部材(34)は鍔部(32)の形状と略同一な内径及び外径を有する円環部(340)と、円環部(340)の外周から放射状に外方に向けて8個設けられた爪部(341)とを備える。
そして、ボルト(35)・・を、爪部(341)・・に開けたボルト孔(342)・・を通して上ケース部(300)の固定ネジ(305)・・に締結して鍔部(32)をOリング(33)を挟んでスペーサ部材(302)に対して押圧し密閉する。
【0044】
本構成により、ケース(30)内に防水、防じん等を目的として撮像機器を内装すると共に、ドーム部(31)をケース外方に凸設しても十分な密閉性を確保することができる。
また、ケース(30)内において密閉を確保する構成とするとによりすっきりとした、良好な外観を呈することができる。
【0045】
図11は、本発明の第6実施例に係るドーム型カバー構造を有するケース(40)の分解斜視図である。
ケースは上ケース部(400)と下ケース部(401)とから構成され、内部には図示しないイメージセンサや基板等を備える撮像機器を収容する。上ケース部(400)の上方にはドーム部(41)、鍔部(42)、Oリング(43)、ドーム保持部材(44)、スペーサ部材(402)が分解された状態で示されている。
【0046】
ドーム部(41)は凸曲面で成形され、鍔部(42)はドーム部(41)の円周に一体的に平面で成形される。そして、少なくとも内周が該鍔部の形状に対応するスペーサ部材(402)とを有する。本実施例において、スペーサ部材(402)は上ケース部(400)と一体的に成形されており、上ケース部(400)の上面に環状に抉設された環状の領域である。もちろん本発明の実施においてスペーサ部材は、上記第1ないし第4実施例で図示したような環状の部材で別体で構成し、上ケースの上面に接着又は溶着してもよい。
【0047】
図12に断面図を示すように、上ケース部(400)にはドーム部(41)の内径に対応する開口部(403)が開口し、開口部(403)の外周にスペーサ部材(402)の領域が形成される。ケース(40)内側からは開口部(403)を通してドーム部(41)に向けてイメージセンサが外部をセンシングできるように構成される。
【0048】
スペーサ部材(402)における鍔部(42)が装着される面、すなわち装着面にリング溝(404)が設けられる。
リング溝(404)にはOリング(43)が嵌入されて、図示のようにスペーサ部材(402)と鍔部(42)とが密閉される。
【0049】
スペーサ部材(402)と鍔部(42)との密閉を確保するために、鍔部(42)の図中上側から上ケース部(300)に向けて保持するドーム保持部材(44)を複数のボルト(45)で固定する。
【0050】
本実施例においてドーム保持部材(44)は鍔部(42)の形状と略同一な内径及び外径を有する円環状である。ボルト(45)・・を、ドーム保持部材(44)のボルト孔(440)・・及び鍔部(42)のボルト孔(420)を通して上ケース部(400)の固定ネジ(405)・・に締結して鍔部(42)をOリング(43)を挟んでスペーサ部材(402)に対して押圧し密閉する。
【0051】
本構成により、ケース(40)内に防水、防じん等を目的として撮像機器を内装すると共に、ドーム部(41)をケース外方に凸設しても十分な密閉性を確保することができる。
また、ケースの外側から内側に向けてボルト固定することで、例えば水中などに設置した場合でも外からの圧力に対する耐圧性を高めることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 撮像機器
2 イメージセンサ
3 基板
4 ドーム型カバー
5 ケース
6 Oリング
10 ドーム型カバー
11 ドーム部
12 鍔部
13 スペーサ部材
14 装着面と対向する面
15 リング溝
16 Oリング
17 ボルト孔
20 平面部分
21 ボルト
22 ナット
30 ケース
31 ドーム部
32 鍔部
33 Oリング
34 ドーム保持部材
35 ボルト
40 ケース
41 ドーム部
42 鍔部
43 Oリング
44 ドーム保持部材
45 ボルト
300 上ケース部
301 下ケース部
302 スペーサ部材
303 開口部
304 リング溝
305 固定ネジ
340 円環部
341 爪部
342 ボルト孔
400 上ケース部
401 下ケース部
402 スペーサ部材
403 開口部
404 リング溝
405 固定ネジ
420 ボルト孔
440 ボルト孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12