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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075524
(43)【公開日】2024-06-04
(54)【発明の名称】止血器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/135 20060101AFI20240528BHJP
【FI】
A61B17/135
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059146
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大内 竜也
(72)【発明者】
【氏名】可部 みづき
(72)【発明者】
【氏名】入本 優奈
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD33
4C160DD35
(57)【要約】
【課題】可動部位や凹凸が多い足等に形成した穿刺部位を圧迫止血する場合においても、穿刺部位から押圧部材が位置ズレすることを防止できる止血器具を提供する。
【解決手段】止血器具100は、第1穿刺部位p1を圧迫するように構成された押圧部材150と、押圧部材と接続可能に構成された複数の帯体110、120、130、140と、を備え、押圧部材は、第1穿刺部位を圧迫するように構成されたバルーン部160と、バルーン部が固定された支持部材170と、を有し、バルーン部は、支持部材の平面部171に位置し、複数の帯体は、支持部材の帯体保持部173に接続された状態で、平面部に位置する回転軸R1を中心にして、隙間部の範囲でバルーン部の周囲を回転可能であり、帯体保持部は、同一平面上に位置し、かつ、平面部の回転軸に対して回転対称である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に形成された穿刺部位を圧迫するように構成された押圧部材と、
前記押圧部材と接続可能に構成された複数の帯体と、を備え、
前記押圧部材は、前記穿刺部位を圧迫するように構成された押圧部と、前記押圧部が固定された支持部材と、を有し、
前記支持部材は、平面部と、前記平面部よりも外側に位置し、前記複数の帯体が接続可能に構成された帯体保持部と、前記平面部と前記帯体保持部を連結し、前記複数の帯体の周方向の移動を規制する規制部と、前記平面部、前記帯体保持部、及び前記規制部に囲まれた隙間部と、を備え、
前記押圧部は、前記平面部に位置し、
前記複数の帯体は、前記帯体保持部に接続された状態で、前記平面部に位置する回転軸を中心にして、前記隙間部の範囲で前記押圧部の周囲を回転可能であり、
前記帯体保持部は、同一平面上に位置し、かつ、前記平面部の前記回転軸に対して回転対称である、止血器具。
【請求項2】
前記平面部は、第1仮想平面上に位置し、
前記帯体保持部は、前記第1仮想平面とは異なる第2仮想平面上に位置し、
前記第2仮想平面は、前記第1仮想平面に対して直交する垂線方向において、前記第1仮想平面よりも前記押圧部から離れている、請求項1に記載の止血器具。
【請求項3】
前記第1仮想平面は、前記第2仮想平面と平行である、請求項2に記載の止血器具。
【請求項4】
前記帯体保持部は、隣り合う前記規制部の間で、前記平面部側に湾曲領域を備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の止血器具。
【請求項5】
前記帯体保持部は、リング形状である、請求項1~4のいずれか1項に記載の止血器具。
【請求項6】
前記規制部は、第1規制部と、前記平面部を挟んで前記第1規制部と対向する第2規制部と、前記第1規制部及び前記第2規制部と異なる位置に位置する第3規制部と、前記平面部を挟んで前記第3規制部と対向する第4規制部と、を有し、
前記回転軸は、前記第1規制部と前記第2規制部を繋ぐ直線と前記第3規制部と前記第4規制部を繋ぐ直線の交点に位置し、
前記帯体保持部は、4回転対称である、請求項1~5のいずれか1項に記載の止血器具。
【請求項7】
前記押圧部は、流体により拡張可能なバルーン部であり、
前記押圧部材は、前記バルーン部に流体を注入するように構成された注入部と、前記注入部と前記バルーン部を接続するチューブと、を備え、
前記帯体保持部は、前記チューブを固定可能に構成されたチューブ固定部を備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の止血器具。
【請求項8】
前記複数の帯体は、第1方向に延びる第1帯体と、前記第1方向と異なる第2方向に延びる第2帯体と、前記第1方向及び前記第2方向と異なる第3方向に延びる第3帯体と、を有し、
前記第1帯体、前記第2帯体、及び前記第3帯体は、前記回転軸を中心にして前記隙間部の範囲で前記押圧部の周囲を回転可能である、請求項1~7のいずれか1項に記載の止血器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、止血器具に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテル手技の1つとして、患者の腕や足等の肢体の血管を穿刺して形成された穿刺部位を介して各種の医療用長尺体を血管内に導入し、病変部位に対する処置や治療を行う手技が知られている。例えば、特許文献1には、手を走行する血管(遠位橈骨動脈を含む)へのアクセスを可能にするために形成された穿刺部位を止血する止血器具が開示されている。
【0003】
特許文献1の止血器具は、患者の手に形成された穿刺部位に圧迫力を付与する押圧部材と、押圧部材を患者の手に固定するための複数の帯体と、を備えている。また、特許文献1には、各帯体の接続位置や配置を調整することにより、止血器具を患者の足に装着する方法を開示している。医師等の術者(以下、「術者」とする)は、特許文献1の止血器具を患者の足に装着させることにより、患者の手のみならず、足に形成された穿刺部位を圧迫止血することも可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0133602号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、患者の身体の足首付近は、可動部位が多い。そのため、特許文献1の止血器具を患者の足に装着した場合、押圧部材が穿刺部位からズレやすくなる。また、患者の身体の足首は踵などで凹凸が大きい。そのため、穿刺部位が踵付近に形成されている場合、押圧部材と穿刺部位との間に隙間ができやすい。それにより、特許文献1の止血器具は、押圧部材が穿刺部位に対して効果的に圧迫力を付与することが難しい。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑み、可動部位や凹凸が多い足等に形成した穿刺部位を圧迫止血する場合においても、穿刺部位から押圧部材がズレることを防止できる止血器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る止血器具は、患者に形成された穿刺部位を圧迫するように構成された押圧部材と、前記押圧部材と接続可能に構成された複数の帯体と、を備え、前記押圧部材は、前記穿刺部位を圧迫するように構成された押圧部と、前記押圧部が固定された支持部材と、を有し、前記支持部材は、平面部と、前記平面部よりも外側に位置し、前記複数の帯体が接続可能に構成された帯体保持部と、前記平面部と前記帯体保持部を連結し、前記複数の帯体の周方向の移動を規制する規制部と、前記平面部、前記帯体保持部、及び前記規制部に囲まれた隙間部と、を備え、前記押圧部は、前記平面部に位置し、前記複数の帯体は、前記帯体保持部に接続された状態で、前記平面部に位置する回転軸を中心にして、前記隙間部の範囲で前記押圧部の周囲を回転可能であり、前記帯体保持部は、同一平面上に位置し、かつ、前記平面部の前記回転軸に対して回転対称である。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成された止血器具は、複数の帯体が支持部材の平面部に位置する回転軸を中心にして押圧部の周囲を回転可能に構成されている。そのため、上記の止血器具は、患者の足等の肢体に形成した穿刺部位に押圧部を配置した状態において、押圧部の位置を変更せずに、複数の帯体を患者の肢体に巻き付ける位置を調整できる。それにより、上記の止血器具は、穿刺部位から押圧部がズレることを防止できる。また、上記の止血器具は、押圧部が位置し、回転軸を備える平面部と、回転軸に対して回転対称である帯体保持部と、平面部と帯体保持部を繋ぎ、複数の帯体の周方向の位置を規制する規制部と、を備える支持部材を有する。止血器具は、帯体保持部が平面部の回転軸に対して回転対称であるため、足首付近に複数の帯体を固定した際、各帯体が支持部材を引っ張る力を効率的に分散でき、平面部が穿刺部位付近の皮膚表面と平行になるように平面部を安定して配置できる。そのため、上記の止血器具は、押圧部と穿刺部位の間に隙間ができることのないように、平面部に位置する押圧部を穿刺部位に配置することができる。それにより、上記の止血器具は、押圧部が穿刺部位に対して効果的に圧迫力を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る止血器具を示す図であって、平面部の外面側から見た平面図である。
図2】第1実施形態に係る止血器具を示す図であって、平面部の内面側から見た平面図である。
図3】支持部材の平面部の外面側から見た止血器具の一部を拡大して示す図である。
図4】支持部材の平面部の内面側から見た止血器具の一部を拡大して示す図である。
図5】支持部材の平面部の外面側から見た止血器具の一部を拡大して示す平面図である。
図6図5に示す矢印6A-6Aに沿う止血器具の部分断面図であって、押圧部(バルーン部)が拡張した際の様子を示す図である。
図7】支持部材の外面側から見た斜視図である。
図8】支持部材の内面側から見た斜視図である。
図9】止血器具の使用対象となる患者の足を示す図である。
図10】第1実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。
図11】第1実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。
図12】第1実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。
図13】第1実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。
図14】第1実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。
図15】第1実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。
図16図15に示す矢印16A-16Aに沿う部分断面図である。
図17】第1実施形態の変形例1に係る止血器具を示す図であって、平面部の外面側から見た平面図である。
図18】第1実施形態の変形例1に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。
図19】第1実施形態の変形例1に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。
図20】第1実施形態の変形例2に係る止血器具を示す図であって、平面部の外面側から見た平面図である。
図21】第1実施形態の変形例2に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。
図22】第1実施形態の変形例3に係る止血器具を示す図であって、平面部の外面側から見た平面図である。
図23】第1実施形態の変形例3に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。
図24】第2実施形態に係る止血器具の一部を拡大して示す平面図である。
図25図24に示す矢印25A-25Aに沿う部分断面図である。
図26】第2実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。
図27】第2実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0011】
<第1実施形態>
図1図8は、本実施形態に係る止血器具100を説明するための図、図9図16は、止血器具100の使用例及び作用効果を説明するための図である。
【0012】
止血器具100は、例えば、図9図16に示すように、患者の足Fに位置する各血管B1、B2、B3、B4に形成された穿刺部位(例えば、後述する各穿刺部位p1、p2)に留置していたイントロデューサー200のシースチューブを抜去する際、その穿刺部位を止血するために使用することができる。
【0013】
止血器具100の止血対象となる穿刺部位を形成する血管は特に限定されないが、本実施形態では下記の血管を例示する。
【0014】
図9に示すように、穿刺部位を形成する血管は、例えば、足背動脈B1、脛骨動脈B2、後脛骨動脈B3、及び腓骨動脈B4の中から選択することができる。また、足Fは、左足及び右足のいずれの足でもよい。
【0015】
本実施形態では、右足の足背動脈B1に形成した穿刺部位p1(以下、「第1穿刺部位p1」とも記載する)を止血器具100により止血する止血方法を説明する(図15及び図16を参照)。また、後述する変形例では、後脛骨動脈B3に形成した穿刺部位p2(以下、「第2穿刺部位p2」とも記載する)を止血器具100Aにより止血する止血方法を説明する(図18を参照)。
【0016】
以下、止血器具100について詳述する。
【0017】
<止血器具>
止血器具100は、概説すると、図1図2図15図16に示すように、第1穿刺部位p1を圧迫するように構成された押圧部材150と、押圧部材150と接続可能に構成された複数の帯体110、120、130、140と、を備える。
【0018】
<押圧部材>
押圧部材150は、図16に示すように、第1穿刺部位p1を圧迫するように構成された押圧部160と、押圧部160が固定された支持部材170と、を有する。
【0019】
<押圧部>
押圧部160は、例えば、図6に示すように、空気等の流体を流入することが可能な内腔163を備えるバルーン部で構成することができる。本実施形態では、押圧部160をバルーン部で構成した例を説明する。
【0020】
バルーン部160は、例えば、内腔163を備えるように袋状に形成された一枚の膜状の部材で構成することができる。ただし、バルーン部160は、略矩形形状に形成された二つのシート状の膜材の間に内腔163を形成した状態で、二つのシート状の膜材の縁部を接合することにより形成してもよい。
【0021】
バルーン部160は、内腔163への流体の供給により拡張し、内腔163に供給した流体の排出により収縮する。図6では、バルーン部160に流体を供給して、バルーン部160が拡張した際の断面図を示している。
【0022】
バルーン部160を構成する膜材は、例えば、所定の厚みを備える樹脂材料で構成することができる。バルーン部160の内腔163には、後述するチューブ169(図1図2を参照)を接続している。
【0023】
バルーン部160を構成する膜状の部材の材料は、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、ナイロン、ナイロンエラストマー、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)を使用することができる。
【0024】
バルーン部160は、図6に示すように、支持部材170の平面部171の内面171a側に配置している。バルーン部160は、例えば、接着剤や融着により平面部171の内面171aに接続することができる。
【0025】
平面部171の内面171aは、止血器具100を患者の足Fに装着した際に、患者の足Fの皮膚表面側に配置される面である(図16を参照)。また、平面部171の外面171bは、内面171aの反対側に位置する面である。
【0026】
バルーン部160は、図5図6に示すように、平面部171に位置している。つまり、バルーン部160は、図5に示す平面視において、平面部171と重なる位置に配置されている。
【0027】
バルーン部160は、図1図5に示す平面視において、円形を有する。ただし、バルーン部160の平面視における形状は円形に限定されない。また、バルーン部160の拡張前後における断面形状やバルーン部160の具体的な構造等について特に制限はない。
【0028】
バルーン部160には、図6図15図16に示すように、バルーン部160を第1穿刺部位p1に位置合わせするためのマーカー部165を配置している。
【0029】
マーカー部165は、図6に示すように、バルーン部160の外面に配置している。なお、マーカー部165は、バルーン部160の内腔163に面する内面に配置してもよい。
【0030】
マーカー部165は、例えば、マーカー部165全体が有色で形成された矩形形状のマーカーで形成することができる。なお、マーカー部165の具体的な形状、色、形成方法、バルーン部160に形成する位置等は特に限定されない。例えば、マーカー部165は、透明な中心部と、その中心部を囲む有色の線状の枠部とから構成されてもよい。
【0031】
<支持部材>
支持部材170は、図5図6図7図8に示すように、平面部171と、平面部171よりも外側に位置し、複数の帯体110、120、130、140が接続可能に構成された帯体保持部173と、平面部171と帯体保持部173を連結し、複数の帯体110、120、130、140の周方向の移動を規制する複数の規制部174a、174b、174c、174dと、平面部171、帯体保持部173、及び複数の規制部174a、174b、174c、174dに囲まれた複数の隙間部176a、176b、176c、176dと、を備える。
【0032】
平面部171は、図5に示すように、円形の平面形状を有している。
【0033】
平面部171の平面視における略中心には、複数の帯体110、120、130、140の回転中心となる回転軸R1が位置する。
【0034】
帯体保持部173は、図7図8に示すように、平面部171の外周を囲むように平面部171と同心円状に配置されている。
【0035】
帯体保持部173は、支持部材170の外周に沿って連続的に繋がっている。帯体保持部173の各部は、同一平面上に位置する。つまり、帯体保持部173の各部は、図6に示す断面図上において、高さ方向(上下方向)の位置が同一である。
【0036】
帯体保持部173は、平面部171に位置する回転軸R1に対して回転対称の形状を有する。本実施形態では、帯体保持部173は、円形の平面部171の周囲を囲むリング形状を有する。
【0037】
平面部171は、図6図7図8に示すように、第1仮想平面S1上に位置する。第1仮想平面S1は、平面部171と平行な平面である。
【0038】
帯体保持部173は、図6図7図8に示すように、第1仮想平面S1とは異なる第2仮想平面S2上に位置する。第2仮想平面S2は、帯体保持部173と平行な平面である。
【0039】
第2仮想平面S2は、図6に示すように、第1仮想平面S1に対して直交する垂線方向(図6の上下方向)において、第1仮想平面S1よりもバルーン部160から離れている。つまり、第2仮想平面S2は、第1仮想平面S1よりも、図6に示す断面図上において、上方側に位置する。そのため、第2仮想平面S2に位置する帯体保持部173は、第1仮想平面S1に位置する平面部171よりも、図6に示す断面図上において、上方側に位置する。
【0040】
第1仮想平面S1は、図5図7図8に示すように、第2仮想平面S2と平行である。そのため、第1仮想平面S1に位置する平面部171と第2仮想平面S2に位置する帯体保持部173は平行に配置されている。なお、支持部材170は、帯体保持部173が同一平面上に位置し、かつ、平面部171の回転軸R1に対して回転対称であれば、平面部171が位置する第1仮想平面S1と帯体保持部173が位置する第2仮想平面S2が同一の平面であってもよい。
【0041】
各規制部174a、174b、174c、174dは、図6図7図8に示すように、支持部材170の外周に沿って互いに所定の間隔を空けて配置されている。各規制部174a、174b、174c、174dの間には、各隙間部176a、176b、176c、176dが位置する。
【0042】
第1規制部174aと第2規制部174bは、平面部171を挟んで対向している。
【0043】
第3規制部174cは、第1規制部174a及び第2規制部172bとは異なる位置に位置する。
【0044】
第4規制部174dは、平面部171を挟んで第3規制部174cと対向している。
【0045】
第1規制部174aと第3規制部174cの間には、第1隙間部176aが位置する。第3規制部174cと第2規制部174bの間には、第2隙間部176bが位置する。第2規制部174bと第4規制部174dの間には、第3隙間部176cが位置する。第4規制部174dと第1規制部174aの間には、第4隙間部176dが位置する。
【0046】
各隙間部176a、176b、176c、176dは、支持部材170の外周に沿って互いに所定の間隔を空けて配置されている。各隙間部176a、176b、176c、176dは、図5に示すように、円弧状に延びる長孔を構成している。
【0047】
回転軸R1は、図7に示すように、第1規制部174aと第2規制部174bを繋ぐ直線L1と第3規制部174cと第4規制部174dを繋ぐ直線L2の交点に位置する。
【0048】
帯体保持部173は、回転軸R1を基準にして4回転対称である。また、各隙間部176a、176b、176c、176dは、支持部材170の回転方向において帯体保持部173と対応した位置に配置されている。そのため、各隙間部176a、176b、176c、176dは、帯体保持部173と同様に4回転対称である。
【0049】
帯体保持部173は、図7に示すように、隣り合う各規制部174a、174b、174c、174dの間で、平面部171側(回転軸R1が位置する平面部171の中心側)に湾曲領域178を備える。
【0050】
湾曲領域178は、各隙間部176a、176b、176c、176dと隣接している。湾曲領域178は、各隙間部176a、176b、176c、176dの外周縁に沿って円弧状に延びている。
【0051】
帯体保持部173は、図7図15に示すように、バルーン部160が備えるチューブ169を固定可能に構成されたチューブ固定部190を備える。
【0052】
チューブ固定部190は、平面部171の外面171bに配置されている。チューブ固定部190は、チューブ169を着脱可能に嵌め込むことが可能な溝部191を有する。
【0053】
支持部材170の各部は、バルーン部160よりも硬質な材料で構成することができる。バルーン部160を例示した前述の材料で構成する場合、支持部材170の各部は、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(特に硬質ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ-(4-メチルペンテン-1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)等で構成することができる。
【0054】
バルーン部160のマーカー部165が設けられた部分、支持部材170の平面部171においてマーカー部165と重なる部分は、透明に形成することができる。このように各部材160、171を構成した場合、図10図15に示すように、止血器具100を患者の足Fに装着する際、術者が各部材160、171を介してマーカー部165及び/又は第1穿刺部位p1の位置を目視で簡単に確認することが可能になる。なお、上記「透明」には、有色透明、無色透明、半透明が含まれる。
【0055】
<注入部>
押圧部材150は、図1図2に示すように、バルーン部160に流体を注入するように構成された注入部167と、注入部167とバルーン部160を接続するチューブ169と、を有する。
【0056】
注入部167は、逆止弁(図示せず)を内蔵するコネクタで構成している。注入部167にはシリンジ300(図14を参照)を接続することができる。
【0057】
注入部167とバルーン部160との間には、拡張可能な空間を有する緩衝部材168を配置している。緩衝部材168は、内部に空間が形成された可撓性を備える袋状の部材で構成している。なお、緩衝部材168には注入部167へのシリンジ300の挿入方向を示す矢印状のマーカーを設けてもよい。
【0058】
緩衝部材168の一端側には注入部167を接続している。注入部167の内腔は、緩衝部材168の空間と連通している。ただし、注入部167に内蔵された逆止弁が閉じている間は、注入部167の内腔と緩衝部材168の空間との連通は遮断されている。
【0059】
緩衝部材168の他端側にはチューブ169が接続されている。チューブ169の内腔は、緩衝部材168の空間と連通している。また、チューブ169は、緩衝部材168と接続された一端部と反対側の他端部がバルーン部160に接続されている。チューブ169の内腔は、バルーン部160の内腔163と連通している。
【0060】
術者は、バルーン部160を拡張させる際、注入部167にシリンジ300の先筒部を挿入して逆止弁を開く(図14を参照)。術者は、注入部167の逆止弁を開いた状態で、シリンジ300の押し子を押すことにより、シリンジ300内の空気をバルーン部160の内腔163に注入する。
【0061】
バルーン部160の内腔163に空気が注入されると、バルーン部160が拡張する。バルーン部160が拡張すると、チューブ169を介してバルーン部160の内腔163と連通する緩衝部材168が膨張する。術者は、緩衝部材168の膨張を目視により確認することにより、空気が漏れること無く、バルーン部160が拡張したことを簡単に把握することができる。
【0062】
術者は、バルーン部160を収縮させる際、注入部167にシリンジ300の先筒部を挿入して、シリンジ300の押し子を引く。術者は、上記の操作を行うことにより、バルーン部160の内腔163の空気をシリンジへ排出することができる。
【0063】
なお、注入部167、緩衝部材168、及びチューブ169は、バルーン部160と連結された状態で準備及び提供されるようにしてもよいし、バルーン部160とは分離された状態で準備及び提供されるようにしてもよい。
【0064】
<帯体>
止血器具100は、図1図2に示すように、第1方向に延びる第1帯体110と、第1方向と異なる第2方向に延びる第2帯体120と、第1方向及び第2方向と異なる第3方向に延びる第3帯体130と、第1方向、第2方向、及び第3方向と異なる方向に延びる第4帯体140と、を有する。
【0065】
各帯体110、120、130、140は、図5中の矢印で示すように、帯体保持部173に接続された状態で、平面部171に位置する回転軸R1を中心にして、各隙間部176a、176b、176c、176dの範囲でバルーン部160の周囲を回転可能に構成している。
【0066】
第1帯体110は、図1図2図5に示すように、第4隙間部176dに隣接する帯体保持部173と接続可能に構成された一端部111と、支持部材170とは接続されていない他端部113と、一端部111と他端部113との間に延在する本体部115と、を有する。
【0067】
第1帯体110は、回転軸R1を中心にして第4隙間部176dの範囲でバルーン部160の周囲を回転可能である。
【0068】
第2帯体120は、図1図2図5に示すように、第2隙間部176bに隣接する帯体保持部173と接続可能に構成された一端部121と、支持部材170とは接続されていない他端部123と、一端部121と他端部123との間に延在する本体部125と、を有する。
【0069】
第2帯体120は、回転軸R1を中心にして第2隙間部176bの範囲でバルーン部160の周囲を回転可能である。
【0070】
第3帯体130は、図1図2図5に示すように、第1隙間部176aに隣接する帯体保持部173と接続可能に構成された一端部131と、支持部材170とは接続されていない他端部133と、一端部131と他端部133との間に延在する本体部135と、を有する。
【0071】
第3帯体130は、回転軸R1を中心にして第1隙間部176aの範囲でバルーン部160の周囲を回転可能である。
【0072】
第4帯体140は、図1図2図5に示すように、第3隙間部176cに隣接する帯体保持部173と接続可能に構成された一端部141と、支持部材170とは接続されていない他端部143と、一端部141と他端部143との間に延在する本体部145と、を有する。
【0073】
第4帯体140は、回転軸R1を中心にして第3隙間部176cの範囲でバルーン部160の周囲を回転可能である。
【0074】
図1図2に示すように、第1帯体110及び第4帯体140は略同一の長さを有する。第2帯体120と第3帯体130は略同一の長さを有する。第1帯体110及び第4帯体140は、第2帯体120及び第3帯体130よりも短く形成されている。
【0075】
術者は、止血器具100を使用して第1穿刺部位p1を止血する際、図10図11に示すように、第2帯体120と第4帯体140を患者の足首付近に巻き付けることができる。また、術者は、図12図13に示すように、第1帯体110と第3帯体130を患者の足Fの甲及び足Fの裏に巻き付けることができる。
【0076】
図4図5図6に示すように、各帯体110、120、130、140の各一端部111、121、131、141は、支持部材170の各隙間部176a、176b、176c、176dに挿通及び巻き付けるようにして配置することができる。
【0077】
なお、各帯体110、120、130、140の各一端部111、121、131、141を帯体保持部173に接続するための構造は特に限定されず、例えば、各一端部111、121、131、141には、帯体保持部173に巻き付けた状態を保持及び解除することが可能な部材(例えば、面ファスナー)を配置することができる。
【0078】
止血器具100は、各帯体110、120、130、140が帯体保持部173に対して接続分離可能である。そのため、後述する各変形例で示すように、各帯体110、120、130、140の接続位置を任意に入れ替えたり、支持部材170に接続する帯体の数を変更したりすることができる(図17図20図22を参照)。また、止血器具100は、各帯体110、120、130を支持部材170から取り外すことにより、後述する第2実施形態で示すように、支持部材170を別の形状や構造のものと取り換えることができる(図24を参照)。
【0079】
各帯体110、120、130、140の構成材料は特に限定されないが、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等で構成することができる。また、各帯体各帯体110、120、130、140の形状、長さ、厚み等について特に制限はない。
【0080】
止血器具100は、図1図2に示すように、第1固定部位181、第2固定部位182、第3固定部位183、第4固定部位184の4つの固定部位を備える。
【0081】
図1に示すように、第1帯体110の外面には第1固定部位181を配置している。第4帯体140の外面には第2固定部位182を配置している。
【0082】
図2に示すように、第2帯体120の内面には第3固定部位183を配置している。第3帯体130の内面には第4固定部位184を配置している。
【0083】
各帯体110、120、130、140の「内面」は、止血器具100を患者に装着した際に患者の皮膚表面側に配置される面であり、各帯体110、120、130、140の「外面」は、内面と反対側に位置する面である。
【0084】
第1固定部位181及び第2固定部位182は、面ファスナーの雄側で構成している。第3固定部位183及び第4固定部位184は、面ファスナーの雌側で構成している。本明細書における面ファスナーは、面的に着脱可能なファスナーであり、例えば、Magic Tape(登録商標)やVelcro(登録商標)である。
【0085】
各固定部位181、182、183、184は、止血器具100を患者の足Fに配置した状態で各帯体110、120、130、140同士を選択的に接続することにより、支持部材170を患者の足Fに固定することが可能な限り、具体的な構造は限定されない。例えば、一部の固定部位の設置の省略や各帯体110、120、130、140において固定部位を配置する位置の変更等は任意に行うことができる。また、各固定部位181、182、183、184を面ファスナーで構成する場合、面ファスナーの雄側と雌側を入れ替えた構成としてもよい。また、各固定部位181、182、183、184は、例えば、スナップ、ボタン、クリップ、孔や突起が形成された枠部と当該枠部に対して係合可能な孔部が形成された被係合部を備える連結機構等で構成してもよい。
【0086】
<止血器具の使用例>
次に、図10図16を参照して、止血器具100の使用例を説明する。
【0087】
以下の使用例では、図10に示す第1穿刺部位p1を止血する際の止血器具100の使用手順を説明する。
【0088】
図10には、第1穿刺部位p1にイントロデューサー200のシースチューブを挿入して各種の手技を実施し終えた状態を示している。
【0089】
術者は、止血器具100を患者の足Fに装着するに際し、図10に示すように、第1穿刺部位p1にバルーン部160及び平面部171(図5を参照)を重ねるように配置する。この際、術者は、バルーン部160に配置されたマーカー部165を第1穿刺部位p1に配置することにより、バルーン部160及び平面部171を第1穿刺部位p1に適切に位置決めすることができる。
【0090】
止血器具100は、平面部171が位置する第1仮想平面S1よりも帯体保持部173が位置する第2仮想平面S2の方がバルーン部160から離れている(図6を参照)。そのため、平面部171と帯体保持部173の間には、支持部材170の側面方向から平面部171側に向けて光を差し込むことができる空間が形成される。止血器具100は、支持部材170の側面方向から差し込む光により、支持部材170を介して目視する際のマーカー部165及び第1穿刺部位p1の視認性が向上する。そのため、術者は、マーカー部165を第1穿刺部位p1に対して簡単に位置決めすることができる。また、術者は、第1穿刺部位p1からの出血状態を簡単に確認することが可能になる。なお、このような支持部材170の視認性をさらに高めるために、支持部材170を光が反射しづらい材料で構成したり、支持部材170に光が反射しづらい加工を施したりすることができる。
【0091】
術者は、図11に示すように、第2帯体120を患者の足首に沿って巻き付ける。術者は、第4帯体140の外面に配置された第2固定部位182(図1を参照)に第2帯体120の内面に配置された第3固定部位183(図2を参照)を接触させることにより、各固定部位182、183を介して第2帯体120と第4帯体140を接続することができる。
【0092】
術者は、図12図13に示すように、第3帯体130を足の裏側を通して第1帯体110が配置された足Fの甲まで巻き付ける。術者は、第1帯体110の外面に配置された第1固定部位181(図1を参照)に第3帯体130の内面に配置された第4固定部位184(図2を参照)を接触させることにより、各固定部位181、184を介して第1帯体110と第3帯体130を接続することができる。
【0093】
術者は、各帯体110、120、130、140を接続させる際、各帯体110、120、130、140を回転させることにより、バルーン部160の位置を変更せずに、各帯体110、120、130、140の位置を調整することができる。
【0094】
止血器具100は、平面部171に位置する回転軸R1に対して帯体保持部173が回転対称である。そのため、術者は、各帯体110、120、130、140を足首付近に固定した際、各帯体110、120、130、140が支持部材を引っ張る力を効率的に分散でき、平面部171が第1穿刺部位p1付近の皮膚表面と平行になるように平面部171を安定して配置できる。そのため、止血器具100は、バルーン部160と第1穿刺部位p1の間に隙間ができることを防止できる。
【0095】
止血器具100は、帯体保持部173が隣り合う各規制部174a、174b、174c、174dの間で、平面部171側に湾曲領域178(図7を参照)を有する。そのため、止血器具100は、各帯体110、120、130、140が帯体保持部173に保持された状態で回転する際、湾曲領域178に沿って弧を描くように移動することができる。止血器具100は、湾曲領域178が形成されていない直線的な形状で帯体保持部173が形成されている場合と比較して、平面部171を基準にした各帯体110、120、130、140の配置角度の自由度が高くなる。そのため、止血器具100は、バルーン部160及び平面部171を第1穿刺部位p1に簡単に配置することができる。
【0096】
止血器具100は、帯体保持部173がリング形状を有する。そのため、各帯体110、120、130、140を患者の足Fに固定する際、帯体保持部173を押さえ付ける力が帯体保持部173の各部で偏りづらくなる。例えば、帯体保持部173が四角形の形状を有する場合、各辺を各帯体110、120、130、140で押さえ付けるときと、各頂点を各帯体110、120、130、140で押さえ付けるときとでは、支持部材170を押さえ付ける力に偏りが生じる。それにより、支持部材170に傾きが生じてしまう。止血器具100は、上記のような課題が生じることを防止できる。
【0097】
止血器具100は、それぞれが異なる方向に延びる複数の帯体110、120、130、140を備える。また、各帯体110、120、130、140は、平面部171に位置する回転軸R1を中心にして各隙間部176a、176b、176c、176dの範囲でバルーン部160の周囲を回転可能である。止血器具100は、バルーン部160を中心として各帯体110、120、130、140を回転させることにより、各帯体110、120、130、140の配置角度を個別に調整することができる。そのため、止血器具100は、術者が第1穿刺部位p1にバルーン部160を正確に位置決めできるため、第1穿刺部位p1にバルーン部160を配置した後、バルーン部160が第1穿刺部位p1からズレることをより一層効果的に防止することができる。
【0098】
術者は、注入部167にシリンジ300を接続する。術者は、シリンジ300を使用してバルーン部160に空気を注入することにより、バルーン部160を拡張させる。止血器具100は、図16に示すように、バルーン部160が拡張すると、バルーン部160が第1穿刺部位p1に対して圧迫力を付与する。
【0099】
術者は、バルーン部160を拡張させた状態で、シリンジ300を注入部167から取り外す。
【0100】
術者は、シリンジ300から注入部167を取り外した後、チューブ169をチューブ固定部190に固定する。止血器具100は、チューブ固定部190にチューブ169が固定されることにより、患者の足Fの動き等に追従して、チューブ169が移動することを軽減できる。そのため、止血器具100は、止血器具100が患者の足Fに装着された状態で、チューブ169に外力が掛かり(例えば、術後移動時の車いすやベッド周辺での布団類などにチューブが引っ掛かり)、バルーン部160に不本意な外力が加わることで、止血器具100の位置がずれることを防止できる。また、止血器具100は、チューブ固定部190が支持部材170の外周に位置する帯体保持部173に配置されているため、術者がチューブ固定部190にチューブ169を固定するとき、注入部167及び緩衝部材168を平面部171の外側に位置するように配置できるように構成される。そのため、止血器具100は、注入部167及び緩衝部材168によって、平面部171に位置するバルーン部160及びバルーン部160が配置される第1穿刺部位p1の視認性が損なわれることを防止できる。
【0101】
支持部材170は、止血器具100が患者の足Fに装着された状態で、バルーン部160が拡張すると、バルーン部160を患者の足Fに押さえ付ける。それにより、止血器具100は、バルーン部160が患者の足Fから浮き上がることを防止できる。バルーン部160は、支持部材170によって押さえ付けられることにより、第1穿刺部位p1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。
【0102】
止血器具100は、平面部171が位置する第1仮想平面S1と帯体保持部173が位置する第2仮想平面S2が平行である(図6図7図8を参照)。そのため、止血器具100は、各帯体110、120、130、140を足Fに巻き付けた際、各帯体110、120、130、140の各一端部111、121、131、141が帯体保持部173の面方向と平行な方向に引っ張られる。止血器具100は、各帯体110、120、130、140の各一端部111、121、131、141が帯体保持部173の面方向と平行な方向に引っ張られることにより、各一端部111、121、131、141が帯体保持部173上で位置ずれすることを防止できる。そのため、止血器具100は、バルーン部160及び平面部171を第1穿刺部位p1に安定した状態で配置することができる。
【0103】
止血器具100は、平面部171に位置する回転軸R1が第1規制部174aと第2規制部174bを繋ぐ直線L1と第3規制部174cと第4規制部174dを繋ぐ直線L2の交点に位置しており(図7を参照)、帯体保持部173が4回転対称である。そのため、止血器具100は、支持部材170に接続された各帯体110、120、130、140が各規制部174a、174b、174c、174dによって規制された所定の範囲内のみで回転可能に構成される。それにより、止血器具100は、各帯体110、120、130、140を患者の足Fに固定する際、各帯体110、120、130、140同士が干渉することによって各帯体110、120、130、140にズレが生じることを防止できる。そのため、止血器具100は、第1穿刺部位p1に平面部171を安定的に配置することができる。
【0104】
術者は、以上の手順により、止血器具100を使用して患者の足Fに形成された第1穿刺部位p1を止血することができる。
【0105】
(作用効果)
以上説明したように、本実施形態に係る止血器具100は、第1穿刺部位p1を圧迫するように構成された押圧部材150と、押圧部材150と接続可能に構成された複数の帯体110、120、130、140と、を備える。押圧部材150は、第1穿刺部位p1を圧迫するように構成されたバルーン部160と、バルーン部160が固定された支持部材170と、を有する。支持部材170は、平面部171と、平面部171よりも外側に位置し、複数の帯体110、120、130、140が接続可能に構成された帯体保持部173と、平面部171と帯体保持部173を連結し、複数の帯体110、120、130、140の周方向の移動を規制する複数の規制部174a、174b、174c、174dと、平面部171、帯体保持部173、及び複数の規制部174a、174b、174c、174dに囲まれた複数の隙間部176a、176b、176c、176dと、を備える。バルーン部160は、平面部171に位置する。複数の帯体110、120、130、140は、帯体保持部173に接続された状態で、平面部171に位置する回転軸R1を中心にして、各隙間部176a、176b、176c、176dの範囲でバルーン部160の周囲を回転可能である。帯体保持部173は、同一平面上に位置し、かつ、平面部171の回転軸R1に対して回転対称である。
【0106】
上記のように、止血器具100は、複数の帯体110、120、130、140が支持部材170の平面部171に位置する回転軸R1を中心にしてバルーン部160の周囲を回転可能に構成されている。そのため、止血器具100は、第1穿刺部位p1にバルーン部160を配置した状態において、バルーン部160の位置を変更せずに、複数の帯体110、120、130、140を患者の足Fに巻き付ける位置を調整できる。それにより、止血器具100は、第1穿刺部位p1からバルーン部160が位置ズレすることを防止できる。
【0107】
また、上記のように、止血器具100は、バルーン部160が位置し、回転軸R1を備える平面部171と、回転軸R1に対して回転対称である帯体保持部173と、平面部171と帯体保持部173を繋ぎ、複数の帯体110、120、130、140の周方向の位置を規制する複数の規制部174a、174b、174c、174dと、を備える支持部材170を有する。止血器具100は、帯体保持部173が平面部171の回転軸R1に対して回転対称であるため、患者の足首付近に複数の帯体110、120、130、140を固定した際、各帯体110、120、130、140が支持部材170を引っ張る力を効率的に分散でき、平面部171が第1穿刺部位p1付近の皮膚表面と平行になるように平面部171を安定して配置できる。そのため、止血器具100は、バルーン部160と第1穿刺部位p1の間に隙間ができることのないように、平面部171に位置するバルーン部160を第1穿刺部位p1に配置することができる。それにより、止血器具100は、バルーン部160が第1穿刺部位p1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。
【0108】
また、平面部171は、第1仮想平面S1上に位置する。帯体保持部173は、第1仮想平面S1とは異なる第2仮想平面S2上に位置する。第2仮想平面S2は、第1仮想平面S1に対して直交する垂線方向において、第1仮想平面S1よりもバルーン部160から離れている。
【0109】
上記のように構成された止血器具100によれば、平面部171と帯体保持部173の間に支持部材170の側面方向から平面部171側に向けて光を差し込むことができる空間が形成される。止血器具100は、支持部材170の側面方向から差し込む光により、支持部材170を介して目視する際のマーカー部165及び第1穿刺部位p1の視認性が向上する。そのため、術者は、マーカー部165を第1穿刺部位p1に対して簡単に位置決めすることができる。また、術者は、第1穿刺部位p1からの出血状態を簡単に確認することが可能になる。
【0110】
また、第1仮想平面S1は第2仮想平面S2と平行である。
【0111】
上記のように構成された止血器具100によれば、各帯体110、120、130、140を足Fに巻き付けた際、各帯体110、120、130、140の各一端部111、121、131、141が帯体保持部173の面方向と平行な方向に引っ張られる。止血器具100は、各帯体110、120、130、140の各一端部111、121、131、141が帯体保持部173の面方向と平行な方向に引っ張られることにより、各一端部111、121、131、141が帯体保持部173上で位置ずれすることを防止できる。そのため、止血器具100は、バルーン部160及び平面部171を第1穿刺部位p1に安定した状態で配置することができる。
【0112】
また、帯体保持部173は、隣り合う複数の規制部174a、174b、174c、174dの間で、平面部171側に湾曲領域178を備える。
【0113】
上記のように構成された止血器具100は、各帯体110、120、130、140が帯体保持部173に保持された状態で回転する際、湾曲領域178に沿って弧を描くように移動することができる。止血器具100は、湾曲領域178が形成されていない直線的な形状で帯体保持部173が形成されている場合と比較して、平面部171を基準にした各帯体110、120、130、140の配置角度の自由度が高くなる。そのため、止血器具100は、バルーン部160及び平面部171を第1穿刺部位p1に簡単に配置することができる。
【0114】
また、帯体保持部173はリング形状である。
【0115】
上記のように構成された止血器具100は、各帯体110、120、130、140を患者の足Fに固定する際、帯体保持部173を押さえ付ける力が帯体保持部173の各部で偏りづらくなる。そのため、止血器具100は、バルーン部160及び平面部171が第1穿刺部位p1からズレすることを防止できる。
【0116】
また、止血器具100は、第1規制部174aと、平面部171を挟んで第1規制部174aと対向する第2規制部174bと、第1規制部174a及び第2規制部174bと異なる位置に位置する第3規制部174cと、平面部171を挟んで第3規制部174cと対向する第4規制部174dと、を有する。回転軸R1は、第1規制部174aと第2規制部174bを繋ぐ直線L1と第3規制部174cと第4規制部174dを繋ぐ直線L2の交点に位置する。帯体保持部173は、4回転対称である。
【0117】
上記のように構成された止血器具100は、支持部材170に接続された各帯体110、120、130、140が各規制部174a、174b、174c、174dによって規制された所定の範囲内のみで回転可能に構成される。それにより、止血器具100は、各帯体110、120、130、140を患者の足Fに固定する際、各帯体110、120、130、140同士が干渉することによって各帯体110、120、130、140にズレが生じることを防止できる。そのため、止血器具100は、第1穿刺部位p1に安定的に平面部171を配置することができる。
【0118】
また、押圧部160は、流体により拡張可能なバルーン部160である。押圧部材150は、バルーン部160に流体を注入するように構成された注入部167と、注入部167とバルーン部160を接続するチューブ169と、を備える。帯体保持部173は、チューブ169を固定可能に構成されたチューブ固定部190を備える。
【0119】
上記のように構成された止血器具100によれば、チューブ固定部190にチューブ169を固定することにより、患者の足Fの動き等に追従して、チューブ169が移動することを軽減できる。そのため、止血器具100は、止血器具100が患者の足Fに装着された状態で、チューブ169に外力が掛かり(例えば、術後移動時の車いすやベッド周辺での布団類などにチューブが引っ掛かり)、バルーン部160に不本意な外力が加わることで、止血器具100の位置がずれることを防止できる。また、止血器具100は、チューブ固定部190が支持部材170の外周に位置する帯体保持部173に配置されているため、術者がチューブ固定部190にチューブ169を固定するとき、注入部167及び緩衝部材168を平面部171の外側に位置するように配置できるように構成される。そのため、止血器具100は、注入部167及び緩衝部材168によって、平面部171に位置するバルーン部160及びバルーン部160が配置される第1穿刺部位p1の視認性が損なわれることを防止できる。
【0120】
また、複数の帯体は、第1方向に延びる第1帯体110と、第1方向と異なる第2方向に延びる第2帯体120と、第1方向及び前記第2方向と異なる第3方向に延びる第3帯体130と、を有する。第1帯体110、第2帯体120、及び第3帯体130は、回転軸R1を中心にして各隙間部176a、176b、176c、176dの範囲でバルーン部160の周囲を回転可能である。
【0121】
上記のように構成された止血器具100によれば、バルーン部160を中心として各帯体110、120、130を回転させることにより、各帯体110、120、130の配置角度を個別に調整することができる。そのため、止血器具100は、術者が第1穿刺部位p1にバルーン部160を正確に位置決めできるため、第1穿刺部位p1にバルーン部160を配置した後、バルーン部160が第1穿刺部位p1からズレることをより一層効果的に防止することができる。
【0122】
次に、第1実施形態に係る止血器具の変形例及び第2実施形態に係る止血器具を説明する。以下の説明では、第1実施形態で既に説明した部材、止血器具の使用手順、作用効果等についての説明は適宜省略する。また、各変形例及び第2実施形態において特に説明の無い内容は、第1実施形態と同様のものとすることができる。また、各変形例同士においても同一の内容については説明を適宜省略する。
【0123】
<変形例1>
図17には、変形例1に係る止血器具100Aを示す。
【0124】
止血器具100Aは、帯体保持部173に第1帯体110、第2帯体120、第3帯体130の三つの帯体を接続している。
【0125】
第1帯体110は、第3隙間部176cに隣接する帯体保持部173に接続している。
【0126】
第2帯体120は、第1隙間部176aに隣接する帯体保持部173に接続している。第2帯体120の外面には、面ファスナーの雄側で構成された第5固定部位を配置している。
【0127】
第3帯体130は、第4隙間部176dに隣接する帯体保持部173に接続している。
【0128】
図18及び図19には、止血器具100Aの使用例を示している。この使用例では、止血器具100Aを使用して第2穿刺部位p2を止血している。
【0129】
バルーン部160は、図18図19に示すように、患者の足Fの内側に位置する踝付近に形成された第2穿刺部位p2に配置することができる。
【0130】
第2帯体120は、患者の足首に巻き付けて配置される。第1帯体110と第2帯体120は、第1帯体110の外面に配置された第1固定部位181と第2帯体120の内面に配置された第3固定部位183により接続することができる。
【0131】
第3帯体130は、患者の足Fの内側に位置する踝側から患者の足Fの裏を通して、患者の足Fの外側に位置する踝付近まで巻き付けることができる。第2帯体120と第3帯体130は、第2帯体120の外面に配置された第5固定部位185と第3帯体130の内面に配置された第4固定部位184により接続することができる。
【0132】
以上のように、止血器具100Aは、帯体の数や各帯体110、120、130を接続する帯体保持部173の位置を調整することにより、第2穿刺部位p2の止血に好適に使用することができる。
【0133】
<変形例2>
図20には、変形例2に係る止血器具100Bを示す。
【0134】
止血器具100Bは、第2帯体120Bの本体部125に、本体部125の長手方向に沿って形成されたスリット129を有する。第2帯体120Bは、スリット129が形成された位置で第1部位129a及び第2部位129bに分割することができる。
【0135】
図21には、止血器具100Bの使用例を示している。この使用例では、止血器具100Aを使用して第1穿刺部位p1を止血している。
【0136】
図21に示すように、止血器具100Bを患者の足Fに装着する際、第1部位129aと第2部位129bの間隔を広げることにより、第1部位129aと第2部位129bの間に隙間gを形成することができる。止血器具100Bは、この隙間gに患者の足Fの踵を配置することにより、第1部位129aと第2部位129bを患者の足Fの踵に引っ掛けて配置することができる。そのため、術者は、止血器具100Bを患者の足Fに安定的に装着させることができる。
【0137】
術者は、図21に示すように止血器具100Bを患者の足Fに装着させる場合、第2帯体120と第4帯体140を接続することができ、第1帯体110と第3帯体130を接続することができる。具体的な装着手順は第1実施形態で説明した手順と略同一である。
【0138】
<変形例3>
図22には、変形例3に係る止血器具100Cを示す。
【0139】
変形例3では、支持部材170に第1帯体110及び第2帯体120Bの二つの帯体を接続している。
【0140】
術者は、止血器具100Cを使用して第1穿刺部位p1を止血する場合においても、図23に示すように、第1部位129aと第2部位129bの間に形成した隙間gに患者の足Fの踵を配置することにより、止血器具100Cを患者の足Fに安定的に装着させることができる。
【0141】
図23に示すように止血器具100Cを患者の足Fに装着する場合、第1帯体110と第2帯体120を足首に巻き付けるようにして配置することができる。第1帯体110と第2帯体120は、第1帯体110の外面に配置した第1固定部位181と第2帯体120Bの内面に配置した第3固定部位183により接続することができる。
【0142】
<第2実施形態>
図24及び図25には、第2実施形態に係る止血器具100Dを示す。
【0143】
止血器具100Dは、バルーン部160Dが楕円形の平面形状を有する。なお、バルーン部160Dの形状は楕円形に限定されないが、親指で穿刺部位を圧迫する状態を再現できるように縦長の形状を有することが好ましい。
【0144】
止血器具100Dの支持部材170Dは、図24に示すように、リング形状の帯体保持部173と、十字型の枠状に配置された複数の規制部174a、174b、174c、174dと、を備える。帯体保持部173と各規制部174a、174b、174c、174dで囲まれた領域には、複数の隙間部176a、176b、176c、176dが形成されている。
【0145】
バルーン部160Dは、回転軸R2を中心にして支持部材170Dに対して回転可能に構成されている。回転軸R2は、各帯体110、120、130、140の回転中心となる回転軸R1と重なる位置に配置している。
【0146】
支持部材170Dは、図25に示すように、各規制部174a、174b、174c、174dが交差する位置に配置された中心部179を有する。
【0147】
中心部199には、軸部材195が回転可能に取り付けられている。軸部材195の一端部側には、支持部材170Dからの軸部材195の抜けを防止する抜け止めが配置されている。軸部材195の他端部側には、平面部171を構成する回転板198が配置されている。回転板198にはバルーン部160Dが接続されている。
【0148】
回転板198は、軸部材195の回転軸R2を中心にして回転可能である。回転板198に接続されたバルーン部160Dは、回転板198の回転に連動して、回転軸R2を中心にして回転可能である。
【0149】
図26及び図27には、止血器具100Dの使用例を示す。
【0150】
図26に示す止血器具100Dの使用例では、止血器具100Dを使用して第1穿刺部位p1を止血している。この使用例では、患者の足Fの甲側から足首側に沿って楕円形のバルーン部160Dの長軸方向を配置している。術者は、バルーン部160Dの長軸方向に沿ってバルーン部160Dを第1穿刺部位p1に配置することで、親指を模倣した縦長形状のバルーン部160Dで穿刺部位p1を圧迫することができる。
【0151】
図27に示す止血器具100Dの使用例では、止血器具100Dを使用して第2穿刺部位p2を止血している。術者は、止血器具100Dを使用して第2穿刺部位p2を止血する際、図27中の矢印で示すように、バルーン部160Dを回転させる。術者は、バルーン部160Dを回転させることにより、バルーン部160Dの長軸方向を患者の足首付近に位置する血管B3(図9を参照)の延在方向に一致させるように配置することができる。そのため、術者は、バルーン部160Dが患者の足首付近に位置する血管B3の延在方向に対して斜めに配置されることを防止できる。それにより、術者は、バルーン部160Dの長軸方向に沿ってバルーン部160Dを第2穿刺部位p2に配置することで、親指を模倣した縦長形状のバルーン部160Dで穿刺部位p2を圧迫することができる。
【0152】
術者は、止血器具100Dを使用することにより、第1穿刺部位p1を止血する際、及び第2穿刺部位p2を止血する際、親指を模倣した縦長形状のバルーン部160Dで穿刺部位を適切に圧迫することができる。
【0153】
以上、実施形態及び変形例を通じて本発明に係る止血器具を説明したが、本発明は明細書において説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
【0154】
実施形態の説明では、患者の足に形成した穿刺部位を止血するための止血器具を例示した。ただし、止血器具は、患者の手の甲や手の掌、前腕部等に形成した穿刺部位を止血するために使用することも可能である。
【0155】
例えば、支持部材には、実施形態で例示した異なる穿刺部位(第1穿刺部位~第4穿刺部位)の止血を実施する際に、支持部材の適正な向きを示すマーカー等を配置することができる。また、支持部材の平面部に、止血時間を計測可能にする文字盤を含む時計等を配置してもよい。
【0156】
例えば、押圧部材が備える押圧部はバルーン部に限定されることはない。ただし、押圧部がバルーン部のような可撓性を備える部材で構成されている場合、足の凹凸に合わせて押圧部を密着させることができ、圧迫力を効果的に高めることができる。
【0157】
止血器具の各部の形状や寸法等は、穿刺部位に配置した押圧部材により穿刺部位を圧迫止血可能な限り、特に限定されることはなく、適宜変更することが可能である。
【0158】
例えば、支持部材は、帯体保持部が同一平面上に位置し、かつ、平面部の回転軸に対して回転対称であれば、平面部が位置する第1仮想平面と帯体保持部が位置する第2仮想平面が同一の平面であってもよい。
【符号の説明】
【0159】
100、100A、100B、100C、100D 止血器具
110 第1帯体
120、120B 第2帯体
129 スリット
129a 第1部位
129b 第2部位
130 第3帯体
140 第4帯体
150 押圧部材
160、160D バルーン部(押圧部)
163 内腔
167 注入部
169 チューブ
170、170D 支持部材
171 平面部
173 帯体保持部
174a 第1規制部
174b 第2規制部
174c 第3規制部
174d 第4規制部
176a 第1隙間部
176b 第2隙間部
176c 第3隙間部
176d 第4隙間部
178 湾曲領域
179 中心部
181 第1固定部位
182 第2固定部位
183 第3固定部位
184 第4固定部位
185 第5固定部位
190 チューブ固定部
191 溝部
195 軸部材
198 回転板
200 イントロデューサー
300 シリンジ
B1 足背動脈(血管)
B2 脛骨動脈(血管)
B3 後脛骨動脈(血管)
B4 腓骨動脈(血管)
F 足
R1 平面部に位置する回転軸
R2 バルーン部の回転軸
S1 第1仮想平面
S2 第2仮想平面
g 隙間
p1 第1穿刺部位(穿刺部位)
p2 第2穿刺部位(穿刺部位)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27