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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075531
(43)【公開日】2024-06-04
(54)【発明の名称】鶏卵および納豆パックカッター
(51)【国際特許分類】
   B26B 27/00 20060101AFI20240528BHJP
【FI】
B26B27/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186976
(22)【出願日】2022-11-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】398061119
【氏名又は名称】山中 厚三
(72)【発明者】
【氏名】山中厚三
【テーマコード(参考)】
3C061
【Fターム(参考)】
3C061AA02
3C061AA26
3C061BA29
3C061EE28
(57)【要約】
【課題】 折り返し部8付きの鶏卵または納豆パックのパック蓋9をパック封止部10から開けると、パック封止部10が接着テープ、溶着などで閉じられパックが開けづらく、鶏卵パックは開けた時パック蓋9が大きく開き広いスペースを必要とし、納豆パックは開けたパック蓋9が納豆を攪拌する時に邪魔になる難点があった。
【解決手段】
折り返し部8を鶏卵または納豆パックカッターで切り離せば、折り返し部8側からパック蓋9を容易に開けられる。
そして、閉じたパック封止部10を簡単に取り外せる。
パック蓋9が取り外された鶏卵または納豆パックは、パック本体7だけとなり、邪魔なパック蓋9から解放される。
さらに取り外した鶏卵パック蓋9をパック本体7の下に重ねると柔軟なパックを強化出来、取り外した納豆パック蓋9は、添付調味料の置き場に利用出来る。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鶏卵を収納するパック本体7と蓋部を形成するパック蓋9を有し、パック本体7に対しパック蓋9を開閉自在に連結する断面コの字型あるいはC字型の折り返し部8を有する鶏卵パックにおいて、折り返し部8を切断するカッターであって、このカッターは、A、B、Cで構成されていることを特徴とする鶏卵パックカッター。
A.鶏卵パックの折り返し部8をカッター本体1の側面の折り返し挿通孔2に挿通させ、折り返し部8に連結する薄いフランジ部11を咥えながら摺動案内する隙間部Sを有する平面が多角形で厚みのあるカッター本体1。
B.刃部3が、挿通孔底部5の横幅中央に垂直で、刃幅が折り返し挿通孔2の長手方向に平行に取り付けられ、刃先は内側に傾き、切っ先3aが狭い隙間部S近くまで延伸し、刃先が折り返し部8に正確に当たり、カッター本体1が折り返し部8に沿って摺動することによって折り返し部8全域を切断する刃部3。
C.左右対称な上下隙間壁部6a、6bは、刃部3の切っ先3aを覆い、切っ先3aから指をガードし、フランジ部11を咥え込みながら摺動する。そして、隙間部Sの隙間より大きな折り返し部8を折り返し挿通孔2内に抱え込み、パックの一端から他端まで外れないよう切り開くのを案内する上下隙間壁部6a、6bと隙間部Sとによって構成されているガイド兼ガード6。
【請求項2】
納豆を収納するパック本体7と蓋部を形成するパック蓋9を有し、パック本体7に対しパック蓋9を開閉自在に連結する断面コの字型あるいはU字型の折り返し部8を有する納豆パックにおいて、折り返し部8を切断するカッターであって、このカッターは、A、B、C、Dで構成されていることを特徴とする納豆パックカッター。
A.納豆パックの折り返し部8をカッター本体1の側面の折り返し挿通孔2に挿通させ、折り返し部8に連結するフランジ部11を噛み込みながら摺動を案内する隙間部Sを有する、平面が多角形で厚みのあるカッター本体1。
B.刃部3が、挿通孔底部5の横幅中央に垂直で、刃幅が折り返し挿通孔2の長手方向に平行に取り付けられ、刃先は外側に傾き、切っ先3aが隙間部S近くまで延伸し、刃先が折り返し部8に正確に当たり、カッター本体1が折り返し部8に沿って摺動することによって折り返し部8全域を切断する刃部3。
C.左右対称な上下隙間壁部6a、6bは、刃部3の切っ先3aを覆い、切っ先3aから指をガードし、フランジ部11を軽く押し潰しながら摺動する。
そして、隙間部Sの隙間を、コの字型より薄いU字型のフランジ部11よりさらに0.1~1mm狭くし、折り返し挿通孔2内に折り返し部8を抱え込み、折り返し部8をコの字型は挿通孔中段底部5aに、U字型は挿通孔底部5に当てて沿わし、パックの一端から他端まで外れないよう直線状の道をフランジ部11に作りながら案内する上下隙間壁部6a、6bおよび隙間部Sとによって構成されているガイド兼ガード6。
D. 折り返し挿通孔2の横断面の形状が、納豆パックの折り返し部8の断面形状コの字型およびU字型を組み合わせた形で、断面コの字型あるいはU字型の折り返し部8をカッター本体1の折り返し挿通孔2に通すことにより、納豆パックの折り返し部8がスムーズに通り抜け出来る形の折り返し挿通孔2。
【請求項3】
上部が(請求項1)の鶏卵パックカッターで下部が(請求項2)の納豆パックカッターを1つに組み合わせたカッターで、カッター本体1と刃部3を共用していることを特徴とする複合パックカッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋の折り返し付きの鶏卵パックおよび納豆パックの蓋の折り返し部を切り離すカッターに関するものである 。
【背景技術】
【0002】
従来、鶏卵パックあるいは納豆パックの折り返し部などを切る各種のカッターが考案されている。
しかし、これらのカッターの構造は、ガイドが広く開き、刃で指を傷つけるおそれがある、刃が素材を末端まで切り離せないあるいは用途が違うなど、安全上および実用上に問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-334290″シート材折り返し部切断具″は、シート材専用であり、V字溝の底に刃がある構造で鶏卵パックおよび納豆パックの折り返し部を切る構造ではない。
【0004】
【特許文献2】特開2018-117863″納豆パックカッター″は、案内溝両サイドが平面で平行に広く開いているため指が案内溝に入り、指を傷つけるおそれがあった。また、折り返し部がU字型の納豆パックに対し、折り返し部をカッターの刃で切れる構造ではなかった。
【0005】
【特許文献3】公開実用 昭和60-175006(実願昭59-64270)″鶏卵パック用カッター″は、L字形鉤の内側に刃を持ち、このL字形鉤を鶏卵パックの折り曲げ部(折り返し部)一端の内側に引っ掛けて、折り曲げ部に沿って切断するものであり、ナイフ片とL字形鉤との間にパックの素材が挟まり、切断途中で切れなくなり、進めなくなるおそれがあった。
【0006】
【特許文献4】実用新案登録3180842″フードパッケージ開封器″の構造は、カッターの刃先がU字形切断溝のUの口部両端に斜めに、刃幅が切断溝長手方向平行に取り付けられており、鶏卵パックおよびフードパッケージのパック開口部(封止部)またはマチ部(折り返し部)を切り取るもので、刃先が上向きで斜めになったカッターの刃とカッター本体上部の間にパック素材が食い込み切れなくなるおそれがあった。
【0007】
【特許文献5】実全昭62-152907″食品パックカッター″は、袋状の食品パックの一方のサイドから他方のサイドに切り込んでいくV字状のVの溝の内側に刃先のある刃を柄の先端に持つカッターで、刃の両サイドに安全ガードを取り付けたものも含んでいる。両サイドに安全ガードがあっても、刃を覆い隠す構造ではなく、指を傷つける危険性がある。また、切られた食品パックの切り口が柄に当たり途中で切り込めなくなる問題があった。
【0008】
【特許文献6】実用新案登録第3227631号公報″飲料用紙パック容器の開閉具″は、上部が牛乳パックなどの注ぎ口の封止部を切り開くための錐を出し入れ収納出来る構造で、下部が容器の注ぎ口封止部を咥えるクリップの働きをするものである。本発明とは開封方法が全く違い、またクリップの形状が本発明の折り返し挿通孔2の横断面の形状と似てはいるが、一方はクリップ、本発明はカッターのガイドと、働きは全く違う。
【0009】
【特許文献7】公開実用 昭和55-172166(実願昭54-072560号)″安全カッター″は、長方形の平板にロート形の切断溝を持ち、ロート底部に刃先を開口部に向け平板に平行なカッターで、切断溝の形状は本発明の折り返し挿通孔2の横断面形状と似ている。しかし、″安全カッターは刃先がロート状の溝面に対し平行であるが、本発明は横断面に対し垂直である。また、″安全カッター″は、ビニールや紐の切断に使用するもので、本発明のパックの折り返し部の切断とは用途が全く異なる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
鶏卵パックおよび納豆パックは、パック封止部10を開けると折り返し部8が有るため、パック蓋9がついた状態で開く。
鶏卵パックは、パック封止部10が、溶着、接着テープ、ホッチキスなどで閉じられ固定されているため、開けるのに一苦労する、そして、パックの封止部10を開けると折り返し部8がバネとなり、パック蓋9がパック本体7に対し大きく開き、開いたパック蓋9が、開いたままなので冷蔵庫やテーブルに置くには邪魔になっていた。
また、納豆パックは、パック封止部10が、溶着されており開け辛く、開いたパック蓋9が中途半端に開き、納豆をかき混ぜるのに邪魔になり、邪魔な蓋を取り外すという手間がかかる難点があった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
折り返し部8を切り開くことにより、折り返し部8側からパック蓋9を開くことが出来、パック蓋9を容易にパック封止部10から取り除くことが出来る。
折り返し部8を切る手段として、この発明の鶏卵パックカッターは、A、B、Cの3つ、納豆パックカッターは、A、B、C、Dの4つ、の部位で構成されているパックカッターが考案された。
以下、A、B、C、Dについて説明する。
A.折り返し挿通孔2と隙間部Sが両側面を貫通している正面が多角形で厚みのあるカッター本体1
B.隙間部Sと対向する刃部3が挿通孔底部5の横幅中央垂直に、かつ刃幅が折り返し挿通孔2の長手方向と平行に、切っ先3aが隙間部Sより内側に設けられ、パックの折り返し部8を切断する刃先は、鶏卵パックカッターが内側向き、納豆パックカッターが外側向きの刃部3
C.ガイド兼ガード6は、左右対称な上下隙間壁部6a、6bおよび隙間部Sによって作られており、上下隙間壁部6a、6bがフランジ部11を咥え込み、隙間部Sの隙間より大きな折り返し部8を折り返し挿通孔2内に抱きかかえ、カッター本体1の走行をガイドし、1端から他端まで外れることなく摺動し、かつ刃部3の切っ先3aを覆い、指が切っ先3aに触れないようガードするガイド兼ガード6
D.納豆パックカッターについては、折り返し挿通孔2の横断面形状が納豆パックのコの字型およびU字型の折り返し部8を組み合わせた形で、納豆パックの折り返し部8がスムーズに通り抜け出来る構造の折り返し挿通孔2
【0012】
ガイド兼ガード6は、左右対称な上下隙間壁部6a、6bそれぞれの厚さS1とS2を等しくして隙間部Sを折り返し挿通孔2の横幅中央にするとともに、上下隙間壁部6a、6bが薄いフランジ部11を咥え込み、挿通孔底部5の横幅中央垂直にあるカッターの刃部3の切っ先3aが隙間部S手前まで突き出し、刃先が折り返し部8の中央に当接し、この折り返し部8を確実に切断する。
また、納豆パックカッターについては、隙間部Sの隙間がコの字型より薄いU字型のフランジ部11の厚さより0.1~1mm狭くし、折り返し部8をコの字型は挿通孔中段底部5a、U字型は挿通孔底部5に当てて沿わし、フランジ部11を軽く押し潰しながらパックの一端から他端まで外れないよう直線状の道を作りながら折り返し部8を切断する。
【発明の効果】
【0013】
本発明は以上の構造となっているので、それぞれのカッターは、鶏卵パックあるいは納豆パックの折り返し部8を容易に1端から他端まで確実に切り離すことが出来、切断後パック蓋9を持ち上げることによりパック蓋9が開き、パック封止部10を容易に取り外すことが出来る。
【0014】
パック封止部10から開けていた時に大きく広がるなど邪魔になっていたパック蓋9がパック本体7から取り除かれるとパック本体7だけとなり、パック蓋9の付いている煩わしさが無くなると共に、パック本体7はパック蓋9が付いていて開いた時の広さの約半分になり、省スペースとなる。
【0015】
鶏卵および納豆パックカッターの刃部3は、狭い隙間部Sの内側にあるため、子供の指も刃部3に触れず、指を傷つけることもなく安全である。
【0016】
鶏卵パックの取り外したパック蓋9は、パック本体7の下に重ねれば、柔軟なパック本体7を強化することが出来、また納豆パックの取り外したパック蓋9は、添付調味料の袋置きなどに利用出来る。
さらに、鶏卵パックを廃棄する場合には、パック蓋9をパック本体7の下に重ねると面積は開いている時の半分になり、体積も半分なのでコンパクトになり、省スペースでゴミ袋にも入れやすい。
また、納豆パックの蓋は、本体から取り外されているため、パック本体7で掻き混ぜられた納豆の汚れがつかず、洗わずそのままプラスチックごみとして再資源化できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】鶏卵パックカッターの正面図(実施例1)
図2】鶏卵パックカッターの側面図(実施例1)
図3】鶏卵パックカッターのA-A断面図(実施例1)
図4】鶏卵パックカッターの上面図(実施例1)
図5】鶏卵パック折り返し部8切断開始時の立体図(全体図)(実施例1)
図6】鶏卵パック折り返し部8切断開始時の立体図(拡大図)(実施例1)
図7】鶏卵パック切断時の状態を示す側面図(実施例1)
図8】鶏卵パック切断時のB-B断面図(実施例1)
図9】納豆パックカッターの正面図(実施例2)
図10】納豆パックカッターの側面図(実施例2)
図11】納豆パックカッターの上面図(実施例2)
図12】納豆パックカッターのC-C断面図(実施例2)
図13】納豆パックカッターのD-D断面図(D-D断面は図14参照)(実施例2)
図14】納豆パックカッターのコの字型折り返し部8切断時の状態側面図(実施例2)
図15】納豆パックカッターのU字型折り返し部8切断時の状態側面図(実施例2)
図16】複合パックカッター側面図(実施例3)
図17】複合パックカッターE-E断面図(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1図17に基づいて実施例1~3を順次詳述する。
【実施例0019】
図1図8は、本発明に係る鶏卵パックカッターの構造と使用状態を示す。
鶏卵パックカッターは、以下3つの部位で構成されている。
A. 折り返し挿通孔2と隙間部Sが両側面を貫通しているカッター本体1
B.折り返し部8を切り開く刃部3
C.上下隙間壁部6a、6bと狭い寸法の隙間部Sを持つガイド兼ガード6。(図7参照)
【0020】
図1は、鶏卵パックカッター本体1の正面を示す。
カッター本体1の表裏表面の中央にマグネット4を設置している。
このマグネット4により、鶏卵パックカッターを冷蔵庫表面に取り付けられ、鶏卵パックを取り出した時、その場で折り返し部8を切り開くことが出来る。
図2は、鶏卵パックカッターの側面を示す。
カッター本体1は、プラスチックあるいは木などの素材で構成され、両側面を貫通する折り返し挿通孔2および隙間部Sが上部中央に設けられている。
折り返し挿通孔2は鶏卵パックの折り返し部8の通り道を、隙間部Sはフランジ部11の通り道を、形成している。
刃部3は、挿通孔底部5の横断面中央に垂直に、その切っ先3aは隙間部Sの手前まで延びて、その刃は壁紙などの切断に使う折れ刃カッターの刃などを使用している。
また、ガイド兼ガード6は、刃部3から指を守るように、刃部3を覆い隠している。
そして、このガイド兼ガード6は、フランジ部11を咥え、スライドする時に隙間部Sの隙間より大きな折り返し部8を折り返し挿通孔2内に抱え1端から他端まで外れないようにガイドしている。
【0021】
図3に鶏卵パックカッターのA-A断面を示しており、刃部3の刃幅方向はカッター本体の長手方向を向いている。
刃部3の刃先は、折り返し部8に確実に入り切れ味を良くするように内側に傾き、刃部3は両端部どちらからでも折り返し部8を切れるよう2枚の刃先をVの字型に設置している。(刃部3を1枚使用の場合は、片側からしか切断することが出来ないため。)
【0022】
図4は、鶏卵パックカッターの上面図で、両サイド入口部の折り返し挿通孔2および隙間部Sは、大きく開いて折り返し部8とフランジ部11が入りやすくしている。
【0023】
図5は鶏卵パック切断開始時の立体全体図で折り返し部8の反対側にパック封止部10がある。
図6は、鶏卵パック切断開始時の立体拡大図である。
カッター本体1が、パックの折り返し部8を入れ、切り始める状態を示している。
【0024】
図7は、鶏卵パックカッターが折り返し部8を切り開いている状態を示す側面図である。
ガイド兼ガード6がフランジ部11を咥え、隙間部Sより大きな折り返し部8を折り返し挿通孔2内に抱えた状態で、カッターの刃部3が折り返し部8を切り開いている状態を示す。
さらに、このガイド兼ガード6は、上下隙間壁部厚さS1、S2を等しくし、カッターの刃部3が折り返し部8の中央に来るよう規制し、折り返し部8の切断を確実なものとしている。
カッターが摺動し折り返し部8を一端から他端まで外れることなく全て切り開くことにより、折り返し部8側からパック蓋9を開けられ、パック封止部10を簡単に取り外すことが出来、邪魔になっていたパック蓋9を取り除くことが出来る。
【0025】
1例として、隙間部Sの寸法を挙げれば、図7で約2mmと狭い。
このため、ガイド兼ガード6は、刃部3の切っ先3aを両側から覆い、指が切っ先3aに触れないよう守っている。
【0026】
折り返し部8を切断する時は、まず折り返し部8のいずれかの一端を折り返し挿通孔2に挿入する。
次にカッター本体1を折り返し部8に沿って摺動させると、カッター本体1はフランジ部11を隙間部Sで咥え込みながら、折り返し挿通孔2内に折り返し部8を抱え、折り返し稜線部8aは走行する刃部3によって切断され、折り返し部8を通過後、パックの折り返し部8全ての切り離しが完了する。
図8は、B-B断面図でカッターが鶏卵パックを切り始めた状態を示している。
【実施例0027】
納豆パックカッターは、以下4つの部位で構成されている。
A. 折り返し挿通孔2と隙間部Sが両側面を貫通しているカッター本体1
B.折り返し部8を切り開く刃部3
C.上下隙間壁部6a、6bと狭い寸法の隙間部Sを持つガイド兼ガード6。
D. 折り返し挿通孔2の形状が納豆パックの折り返し部8のコの字型およびU字型を組み合わせた形の折り返し挿通孔2。
【0028】
図9図15は、本発明に係る納豆パックカッターの構造と使用状態を示す。
図9は、納豆パックカッターの正面を示す。
長方形のカッター本体1の表裏表面には、中央にマグネット4が埋め込まれている。
図10は、納豆パックカッターの側面を示す。
カッターの刃部3が、挿通孔底部5の横断面中央に垂直に立ち、その切っ先3aは、隙間部Sの幅中央に向かい、隙間部Sより内側にある。
折り返し挿通孔2は、納豆パックの折り返し部8の形状がコの字型およびU字型両方を組み合わせた形で、両形状どちらでも通り抜け出来る形に作られている。
隙間部Sが左右対称な上下隙間壁部6a、6bの中央にあるため、挿通孔底部5の横幅中央垂直にある刃部3は、確実に折り返し部8を切り開くことが出来る。
また、隙間部Sの幅は、コの字型フランジ部11より薄いU字型のフランジ部11の厚さよりわずかに狭く作られており、カッターが摺動すると、上下隙間壁部6a、6bがフランジ部11を噛み込み、フランジ部11に折り返し部8の長手方向に平行な筋道を付け、カッターが折り返し部8全域を切り終わるまでカッターがパックから離れないよう保持している。
【0029】
図11は、納豆パックカッターの上面を示す。
両サイド入口部の折り返し挿通孔2および隙間部Sは、大きく開いて折り返し部8とフランジ部11が入りやすくしている。隙間部Sは狭く平行な直線部を持ちその幅は、U字型のフランジ部11の厚さ(約4mm)より0.1~1mm狭くし、子供の指も入らないよう、安全性を確保している。
【0030】
図12は、納豆パックカッターのC-C断面を示す。
カッター本体1の中央に刃先が上向きで刃面がカッター本体1の長手方向平行にあり、その刃部3は2枚の刃先を逆Vの字型に取り付けられている。また刃部3の切っ先3aは、隙間部Sより内側にある。
刃部3の刃先が上向きなのは、切り離す納豆パックの素材が発泡材で切りやすく、また素材が刃部3と挿通孔底部5に噛み込まなくするためである。
【0031】
図13は、図14で示すD-D断面でカッターが納豆パックを切り込み始めている状態を示している。
【0032】
図14は、納豆パックの折り返し部8がコの字型のものを切断している時の側面を示す。
コの字型折り返し部8の先端面を挿通孔中段底部5aに当てて沿わせ摺動している。
左右対称な上下隙間壁部6a、6bがフランジ部11を噛み込み、刃部3が折り返し部8の中央部に当たり、折り返し部8を確実に切断することが出来る。
【0033】
図15は、納豆パックの折り返し部8がU字型のものを切断している時の側面を示す。
挿通孔底部5は半円形で、折り返し部8のU字型先端の半円形が入る形になっておりU字型折り返し部8を挿通孔底部5に当てて沿わせ摺動している、さらに左右対称な上下隙間壁部6a、6bがフランジ部11を噛み込み、U字型の折り返し部8を半円形の挿通孔底部5に沿って動かしながら道を作ると、刃部3が折り返し部8先端の折り返し稜線部8aに入り、折り返し稜線部8aを確実に切り離すことが出来る。
【実施例0034】
図16および図17は、鶏卵パックが上部カッターそして納豆パックが下部カッターで、1つのカッターを使いそれぞれの折り返し部8を切断出来る複合パックカッターの構造を示す。
カッター本体1と刃部3が鶏卵パックカッターと納豆パックカッターの共通なものとして使われている。
図16は、複合パックカッターの側面図である。
図17は、複合パックカッターのE-E断面を示す。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明は、折り返し付きの食品パックの折り返し部分を切る、あるいは樹脂などで出来た袋状の食品パッケージなどの1辺を折り返して鶏卵パックカッターでその折り返した部分を切るなど応用の可能性が高く、今後の産業への発展に寄与出来ると考えている。
【符号の説明】
【0036】
1 カッター本体
2 折り返し挿通孔
3 刃部
3a 切っ先
4 マグネット
5 挿通孔底部
5a 挿通孔中段底部
6 ガイド兼ガード
6a 上隙間壁部
6b 下隙間壁部
7 パック本体
8 折り返し部
8a 折り返し稜線部
9 パック蓋
10 パック封止部
11 フランジ部
S 隙間部
S1 上隙間壁部厚さ
S2 下隙間壁部厚さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2023-06-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鶏卵を収納するパック本体と蓋部を形成するパック蓋を有し、パック本体7に対しパック蓋9を開閉自在に連結する断面コの字型あるいはC字型の折り返し部8を有する鶏卵パックにおいて、折り返し部8を切断するカッターであって、このカッターは、下記A、B及びCの構成により構成されていることを特徴とする鶏卵パックカッター。
A.鶏卵パックの折り返し部8をカッター本体1の側面の折り返し挿通孔2に挿通させ、折り返し部8に連結する薄いフランジ部11を咥えながら摺動案内する隙間部Sを有する平面が多角形で厚みのあるカッター本体1
B.刃部3が、挿通孔底部5の横幅中央に垂直で、刃幅が折り返し挿通孔2の長手方向に平行に取り付けられ、刃先は内側に傾き、切っ先3aが狭い隙間部S近くまで延伸し、刃先が折り返し部8に正確に当たり、カッター本体1が折り返し部8に沿って摺動することによって折り返し部8全域を切断する刃部3
C.左右対称な上下隙間壁部6a、6bは、刃部3の切っ先3aを覆い、切っ先3aから指をガードし、フランジ部11を咥え込みながら摺動する。そして、隙間部Sの隙間より大きな折り返し部8を折り返し挿通孔2内に抱え込み、パックの一端から他端まで外れないよう切り開くのを案内する上下隙間壁部6a、6bと隙間部Sとによって構成されているガイド兼ガード6
【請求項2】
納豆を収納するパック本体と蓋部を形成するパック蓋9を有し、パック本体に対しパック蓋9を開閉自在に連結する断面コの字型あるいはU字型の折り返し部8を有する納豆パックにおいて、折り返し部8を切断するカッターであって、このカッターは、下記A、B、C及びDの構成により構成されていることを特徴とする納豆パックカッター。
A.納豆パックの折り返し部8をカッター本体1の側面の折り返し挿通孔2に挿通させ、折り返し部8に連結するフランジ部11を噛み込みながら摺動を案内する隙間部Sを有する、平面が多角形で厚みのあるカッター本体1
B.刃部3が、挿通孔底部5の横幅中央に垂直で、刃幅が折り返し挿通孔2の長手方向に平行に取り付けられ、刃先は外側に傾き、切っ先3aが隙間部S近くまで延伸し、刃先が折り返し部8に正確に当たり、カッター本体1が折り返し部8に沿って摺動することによって折り返し部8全域を切断する刃部3
C.左右対称な上下隙間壁部6a、6bは、刃部3の切っ先3aを覆い、切っ先3aから指をガードし、フランジ部11を軽く押し潰しながら摺動する。
そして、隙間部Sの隙間を、コの字型より薄いU字型のフランジ部11よりさらに0.1~1mm狭くし、折り返し挿通孔2内に折り返し部8を抱え込み、折り返し部8をコの字型は挿通孔中段底部5aに、U字型は挿通孔底部5に当てて沿わし、パックの一端から他端まで外れないよう直線状の道をフランジ部11に作りながら案内する上下隙間壁部6a、6b)と隙間部Sとによって構成されているガイド兼ガード6
D. 折り返し挿通孔2の横断面の形状が、納豆パックの折り返し部8の断面形状コの字型およびU字型を組み合わせた形で、断面コの字型あるいはU字型の折り返し部8をカッター本体1の折り返し挿通孔2に通すことにより、納豆パックの折り返し部8がスムーズに通り抜け出来る形の折り返し挿通孔2
【請求項3】
請求項1に記載の鶏卵パックカッターを上部とし、請求項2に記載の納豆パックカッターを下部として1つに組み合わせたカッターで、カッター本体1と刃部3を共用していることを特徴とする複合パックカッター。