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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075536
(43)【公開日】2024-06-04
(54)【発明の名称】用紙検出装置及びその検出方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/02 20060101AFI20240528BHJP
   B65H 1/00 20060101ALI20240528BHJP
   B65H 1/04 20060101ALN20240528BHJP
【FI】
B65H7/02
B65H1/00 501A
B65H1/04 324
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001034
(22)【出願日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】202211473594.9
(32)【優先日】2022-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】514176398
【氏名又は名称】金寶電子工業股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張子承
(72)【発明者】
【氏名】趙偉淳
【テーマコード(参考)】
3F048
3F343
【Fターム(参考)】
3F048AB01
3F048BA07
3F048BB09
3F048BB10
3F048CA03
3F048CC05
3F048DB02
3F048DB13
3F048DC19
3F048EB02
3F343FA01
3F343FB01
3F343FC11
3F343HE20
3F343HE23
3F343LD22
3F343MA26
3F343MB02
3F343MC05
(57)【要約】
【課題】用紙検出装置及びその検出方法を提供する。
【解決手段】用紙検出装置は、用紙ガイドに配置され、用紙ガイドが移動方向に沿って移動すると、用紙ガイドに駆動されて第1位置又は第2位置に移動する感磁素子と、用紙トレイに配置され、第1位置に対応する第1磁気素子と、用紙トレイに配置され、第1磁気素子と間隔を置いて配置され、第2位置に対応する第2磁気素子と、感磁素子と電気的に接続された処理部と、を含み、処理部は、感磁素子が第1磁気素子に対応して第1の電圧信号を出力する場合、第1の電圧信号に基づいて用紙ガイドが第1位置にあることを判断し、感磁素子が第2磁気素子に対応して第1の電圧信号とは異なる第2の電圧信号を出力する場合、第2の電圧信号に基づいて用紙ガイドが第2位置にあることを判断ように構成されている。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙ガイドを有する用紙トレイと協働する用紙検出装置であって、
前記用紙ガイドに配置され、前記用紙ガイドが移動方向に沿って移動すると、前記用紙ガイドに駆動されて第1位置又は第2位置に移動する、少なくとも1つの感磁素子と、
前記用紙トレイに配置され、前記第1位置に対応する第1磁気素子と、
前記用紙トレイに配置され、前記第1磁気素子と間隔を置いて配置され、前記第2位置に対応する第2磁気素子と、
前記感磁素子と電気的に接続された処理部と、を含み、
前記処理部は、前記感磁素子が前記第1磁気素子に対応して第1の電圧信号を出力する場合、前記第1の電圧信号に基づいて前記用紙ガイドが前記第1位置にあることを判断し、前記感磁素子が前記第2磁気素子に対応して前記第1の電圧信号とは異なる第2の電圧信号を出力する場合、前記第2の電圧信号に基づいて前記用紙ガイドが前記第2位置にあることを判断ように構成されている、
用紙検出装置。
【請求項2】
前記用紙ガイドが前記第1位置にある場合、前記感磁素子は前記第1磁気素子に隣接し、前記感磁素子と前記第1磁気素子との間は第1距離であり、前記感磁素子は、前記第1距離及び前記第1磁気素子の磁気強度に対応して前記第1の電圧信号を出力する、請求項1に記載の用紙検出装置。
【請求項3】
前記用紙ガイドが前記第2位置にある場合、前記感磁素子は前記第2磁気素子に隣接し、前記感磁素子と前記第2磁気素子との間は第2距離であり、前記感磁素子は前記第2距離及び前記第2磁気素子の磁気強度に対応して前記第2の電圧信号を出力する、請求項2に記載の用紙検出装置。
【請求項4】
前記第1磁気素子の磁気強度と前記第2磁気素子の磁気強度とが異なり、前記第1距離と前記第2距離とが同一又は異なる、請求項3に記載の用紙検出装置。
【請求項5】
前記第1磁気素子の磁気強度と前記第2磁気素子の磁気強度とが同一であり、前記第1距離と前記第2距離とが異なる、請求項3に記載の用紙検出装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記第1の電圧信号に基づいて前記第1位置に対応する第1用紙サイズ信号を出力し、前記第2の電圧信号に基づいて前記第2位置に対応する第2用紙サイズ信号を出力する、請求項1に記載の用紙検出装置。
【請求項7】
前記第1磁気素子の磁気モーメント方向と前記第2磁気素子の磁気モーメント方向は互いに平行し、前記第1磁気素子の磁気モーメント方向と前記第2磁気素子の磁気モーメント方向は前記移動方向に垂直する、請求項1に記載の用紙検出装置。
【請求項8】
前記移動方向に互いにずれて前記用紙ガイドに配置される2つの感磁素子を含む、請求項1に記載の用紙検出装置。
【請求項9】
前記第1磁気素子及び前記第2磁気素子は、前記2つの感磁素子の対向する両側に位置する、請求項8に記載の用紙検出装置。
【請求項10】
前記用紙ガイドが前記第1位置にある場合、前記2つの感磁素子のうち一方の感磁素子は前記第1磁気素子に隣接し、前記一方の感磁素子と前記第1磁気素子との間は第1距離であり、前記一方の感磁素子は、前記第1距離及び前記第1磁気素子の磁気強度に対応して前記第1の電圧信号を出力する、請求項8に記載の用紙検出装置。
【請求項11】
前記用紙ガイドが前記第2位置にある場合、前記2つの感磁素子のうち他方の感磁素子は前記第2磁気素子に隣接し、前記他方の感磁素子と前記第2磁気素子との間は第2距離であり、前記他方の感磁素子は、前記第2距離及び前記第2磁気素子の磁気強度に対応して前記第2の電圧信号を出力する、請求項10に記載の用紙検出装置。
【請求項12】
用紙ガイドを移動方向に沿って移動可能に用紙トレイに配置し、処理部及び記憶素子と協働する用紙検出装置の検出方法であって、
感磁素子を前記用紙ガイドに配置し、第1磁気素子を前記用紙トレイに配置し、前記記憶素子に磁気電圧比較表を記憶させることと、
前記用紙ガイドが前記移動方向に沿って移動する場合に、前記用紙ガイドに配置される前記感磁素子により、前記用紙トレイに配置される前記第1磁気素子に対応して第1の電圧信号を生成することと、
前記処理部により前記第1の電圧信号を受信することと、
前記処理部により、前記第1の電圧信号及び前記磁気電圧比較表に基づいて、前記用紙ガイドが第1位置にあると判断することと、
を含む検出方法。
【請求項13】
前記処理部により前記用紙ガイドが前記第1位置にあると判断することは、前記処理部により前記第1の電圧信号に基づいて前記第1位置に対応する第1用紙サイズ信号を出力することをさらに含む、請求項12に記載の検出方法。
【請求項14】
第2磁気素子を前記用紙トレイに配置することと、
前記感磁素子により、前記用紙トレイに配置される前記第2磁気素子に対応して第2の電圧信号を生成することと、
前記処理部により、前記第2の電圧信号を受信することと、
前記処理部により、前記第1の電圧信号とは異なる前記第2の電圧信号及び前記磁気電圧比較表に基づいて、前記用紙ガイドが第2位置にあると判断することと、をさらに含む、請求項12に記載の検出方法。
【請求項15】
前記処理部により前記用紙ガイドが前記第2位置にあることを判断することは、前記処理部により前記第2の電圧信号に基づいて前記第2位置に対応する第2用紙サイズ信号を出力することをさらに含む、請求項14に記載の検出方法。
【請求項16】
前記磁気電圧比較表は、第1の電圧情報と、前記第1の電圧情報に対応する第1用紙サイズ情報とを含み、
前記処理部により前記用紙ガイドが前記第1位置にあると判断することは、前記処理部により前記第1の電圧信号が前記第1の電圧情報に対応すると判断した場合に、前記処理部により前記第1用紙サイズ情報に基づいて前記第1位置に対応する第1用紙サイズ信号を出力することをさらに含む、請求項12に記載の検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置に関し、特に用紙検出装置及びその検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の用紙検出機構の主な構造は、給用紙トレイ(input tray)と用紙ガイド(paper guide)上に配置されるラスターセンサモジュールとを含み、用紙ガイドの移動によって光センサを所望の位置に変位させ、光センサが読み取った位置により、用紙幅サイズを取得する。
【0003】
その他、台湾特許公開第201402343A号明細書において、プリンタの用紙サイズ検出装置は、用紙トレイと、幅調節器と、長さ調節器と、論理ユニットとを含み、幅調節器と長さ調節器は用紙トレイの底板の正面に配置され、幅調節器、長さ調節器及び底板は共同で用紙排出エリアを構成している。用紙サイズ検出装置は、幅調節器に設けられた第1磁気素子と、長さ調節器に設けられた第2磁気素子、と底板裏面に設けられた複数の感磁素子とを含む。各感磁素子は、第1磁気素子又は第2磁気素子を検出したときに位置信号を生成し、論理ユニットは、複数の感磁素子によって生成された位置信号の組合せによって用紙収納エリアの用紙サイズを確定する。
【0004】
しかし、このような従来技術の設計思想では、光センサも感磁素子も信号の有無を検出するだけで構成されている。そのため、用紙ガイドや調節器が予め設定された用紙サイズの位置からわずかにずれた場合、光センサや感磁素子が信号を生成するが、信号強度が予め設定された強度に対応していない可能性があるため、信号判断の誤り、ひいては用紙サイズの判断の誤りを引き起こしやすい。
【0005】
そこで、用紙のサイズをより正確に検出できる用紙検出装置をどのように提供するかが、本願発明者によって検討された重要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、用紙サイズをより正確に検出できる用紙検出装置及びその検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る用紙検出装置は、用紙ガイドを有する用紙トレイと協働し、前記用紙ガイドに配置され、前記用紙ガイドが移動方向に沿って移動すると、前記用紙ガイドに駆動されて第1位置又は第2位置に移動する、少なくとも1つの感磁素子と、前記用紙トレイに配置され、前記第1位置に対応する第1磁気素子と、前記用紙トレイに配置され、前記第1磁気素子と間隔を置いて配置され、前記第2位置に対応する第2磁気素子と、前記感磁素子と電気的に接続された処理部と、を含み、前記処理部は、前記感磁素子が前記第1磁気素子に対応して第1の電圧信号を出力する場合、前記第1の電圧信号に基づいて前記用紙ガイドが前記第1位置にあることを判断し、前記感磁素子が前記第2磁気素子に対応して前記第1の電圧信号とは異なる第2の電圧信号を出力する場合、前記第2の電圧信号に基づいて前記用紙ガイドが前記第2位置にあることを判断ように構成されている。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記用紙ガイドが前記第1位置にある場合、前記感磁素子は前記第1磁気素子に隣接し、前記感磁素子と前記第1磁気素子との間は第1距離であり、前記感磁素子は、前記第1距離及び前記第1磁気素子の磁気強度に対応して前記第1の電圧信号を出力する。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記用紙ガイドが前記第2位置にある場合、前記感磁素子は前記第2磁気素子に隣接し、前記感磁素子と前記第2磁気素子との間は第2距離であり、前記感磁素子は前記第2距離及び前記第2磁気素子の磁気強度に対応して前記第2の電圧信号を出力する。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記第1磁気素子の磁気強度と前記第2磁気素子の磁気強度とが異なり、前記第1距離と前記第2距離とが同一又は異なる。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記第1磁気素子の磁気強度と前記第2磁気素子の磁気強度とが同一であり、前記第1距離と前記第2距離とが異なる。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記処理部は、前記第1の電圧信号に基づいて第1位置に対応する第1用紙サイズ信号を出力し、前記第2の電圧信号に基づいて前記第2位置に対応する第2用紙サイズ信号を出力する。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記第1磁気素子の磁気モーメント方向と前記第2磁気素子の磁気モーメント方向は互いに平行し、前記第1磁気素子の磁気モーメント方向と前記第2磁気素子の磁気モーメント方向は前記移動方向に垂直する。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記移動方向に互いにずれて前記用紙ガイドに配置される2つの感磁素子を含む。
【0015】
本発明に係る用紙検出装置は、前記第1磁気素子及び前記第2磁気素子は、前記2つの感磁素子の対向する両側に位置する。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記用紙ガイドが前記第1位置にある場合、前記2つの感磁素子のうち一方の感磁素子は前記第1磁気素子に隣接し、前記一方の感磁素子と前記第1磁気素子との間は第1距離であり、前記一方の感磁素子は、前記第1距離及び前記第1磁気素子の磁気強度に対応して前記第1の電圧信号を出力する。
【0017】
いくつかの実施形態において、前記用紙ガイドが前記第2位置にある場合、前記2つの感磁素子のうち他方の感磁素子は前記第2磁気素子に隣接し、前記他方の感磁素子と前記第2磁気素子との間は第2距離であり、前記他方の感磁素子は、前記第2距離及び前記第2磁気素子の磁気強度に対応して前記第2の電圧信号を出力する。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記処理部と電気的に接続され、磁気電圧比較表を記憶する記憶素子をさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記磁気電圧比較表は、第1の電圧情報と、前記第1の電圧情報に対応する第1用紙サイズ情報とを含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、前記第1の電圧情報は、電圧値と、前記電圧値に対応する許容範囲とを含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、前記処理部は、前記第1の電圧信号が前記第1の電圧情報に対応すると判断した場合、前記処理部は、前記第1用紙サイズ情報に基づいて前記第1位置に対応する第1用紙サイズ信号を出力する。
【0022】
本発明に係る用紙検出装置の検出方法は、用紙ガイドを移動方向に沿って移動可能に用紙トレイに配置し、処理部及び記憶素子と協働する用紙検出装置の検出方法であって、感磁素子を前記用紙ガイドに配置し、第1磁気素子を前記用紙トレイに配置し、前記記憶素子に磁気電圧比較表を記憶させることと、前記用紙ガイドが前記移動方向に沿って移動する場合に、前記用紙ガイドに配置される前記感磁素子により、前記用紙トレイに配置される前記第1磁気素子に対応して第1の電圧信号を生成することと、前記処理部により前記第1の電圧信号を受信することと、前記処理部により、前記第1の電圧信号及び前記磁気電圧比較表に基づいて、前記用紙ガイドが第1位置にあると判断することと、を含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、前記処理部により前記用紙ガイドが前記第1位置にあると判断することは、前記処理部により前記第1の電圧信号に基づいて前記第1位置に対応する第1用紙サイズ信号を出力することをさらに含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、前記検出方法は、第2磁気素子を前記用紙トレイに配置することと、前記感磁素子により、前記用紙トレイに配置される前記第2磁気素子に対応して第2の電圧信号を生成することと、前記処理部により、前記第2の電圧信号を受信することと、前記処理部により、前記第1の電圧信号とは異なる前記第2の電圧信号及び前記磁気電圧比較表に基づいて、前記用紙ガイドが第2位置にあると判断することと、をさらに含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、前記処理部により前記用紙ガイドが前記第2位置にあることを判断することは、前記処理部により前記第2の電圧信号に基づいて前記第2位置に対応する第2用紙サイズ信号を出力することをさらに含む。
【0026】
いくつかの実施形態において、前記磁気電圧比較表は、第1の電圧情報と、前記第1の電圧情報に対応する第1用紙サイズ情報とを含み、前記処理部により前記用紙ガイドが前記第1位置にあると判断することは、前記処理部により前記第1の電圧信号が前記第1の電圧情報に対応すると判断した場合に、前記処理部により前記第1用紙サイズ情報に基づいて前記第1位置に対応する第1用紙サイズ信号を出力することをさらに含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る用紙検出装置は、第1磁気素子及び第2磁気素子をそれぞれ第1位置及び第2位置に配置し、感磁素子は第1磁気素子及び第2磁気素子に対応してそれぞれ異なる第1の電圧信号及び第2の電圧信号を生成する。これにより、用紙ガイドが感磁素子を駆動して異なる位置に移動させ、感磁素子が異なる磁気素子に対応して異なる電圧信号を生成する場合、処理部は正確に感磁素子の位置を判断することができる。従来技術が信号の有無のみを検出する構成であるのに対し、本発明に係る用紙検出装置の感磁素子は、位置が多少ずれていても対応する電圧信号を生成することで、信号判断の誤りを回避し、用紙ガイドが突き当たる用紙のサイズを正確に判断することができる。
【0028】
また、本発明に係る用紙検出装置の検出方法は、処理部により記憶素子に記憶されている磁気電圧比較表に基づいて、複数の磁気素子の位置を正確に設定することにより、上記用紙検出装置の構造及び効果を明確に得ることができる。
【0029】
以下の添付図面及び説明において本明細書に記載された主題の1つ又は複数の実施形態の詳細を説明する。本明細書、添付図面及び特許請求の範囲から、本明細書の主題のその他の特徴、態様及び長所が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に係る第1実施形態の用紙検出装置と用紙トレイの組み合わせを示す概略分解図である。
図2】本発明に係る第1実施形態の用紙検出装置を示す概略図である。
図3A】本発明に係る第1実施形態の用紙検出装置の使用状態を示す概略図である。
図3B】本発明に係る第1実施形態の用紙検出装置の使用状態を示す概略図である。
図4】本発明に係る第2実施形態の用紙検出装置を示す概略図である。
図5】本発明に係る第3実施形態の用紙検出装置を示す概略図である。
図6】本発明に係る第4実施形態の用紙検出装置と用紙トレイの組み合わせを示す概略分解図である。
図7】本発明に係る第4実施形態の用紙検出装置を示す概略図である。
図8A】本発明に係る第4実施形態の用紙検出装置の使用状態を示す概略図である。
図8B】本発明に係る第4実施形態の用紙検出装置の使用状態を示す概略図である。
図9】本発明に係る用紙検出装置の検出方法のフローチャートである。
図10】本発明に係る用紙検出装置の検出方法の別のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の他の利点及び効果をより理解するために、具体的な実施形態と添付の図面を組み合わせて本発明に係る技術内容を詳細に説明するが、本発明の特許請求の範囲は限定されない。本発明は、他の異なる具体的な実施形態を有してもよい。本発明の明細書の詳細は、異なる見解及び用途に応じて、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変化又は付加することが可能である。
【0032】
図1は、本発明に係る第1実施形態の用紙検出装置1と用紙トレイ9の組み合わせを示す概略分解図である。図2は、本発明に係る第1実施形態の用紙検出装置1を示す概略図である。図3A及び図3Bは、本発明に係る第1実施形態の用紙検出装置1の使用状態を示す概略図である。
【0033】
図1図2及び図3Aを参照すると、本実施形態の用紙検出装置1は、例えば、プリンタ(図示せず)の用紙トレイ9と協働して配置されることができる。用紙トレイ9は、例えば、用紙ガイド91を有していてもよい。用紙ガイド91は、用紙トレイ9内に設けられ、移動方向Dに移動可能である。なお、用紙ガイド91は、片側(左側、右側、又は下側)の用紙ガイド(図1に示す)、左右両側に連動する用紙ガイド(後述の図4に示す)、左側(又は右側)及び下側に連動する用紙ガイド(図示せず)、或いは、その他の連動する又は連動しない用紙ガイドであってもよいが、本発明はこれらに限定されない。上記左側、右側又は下側は、用紙トレイ9がプリンタの給用紙口に接続されている側を上側として説明する。
【0034】
本実施形態の用紙検出装置1は、感磁素子11と、第1磁気素子12と、第2磁気素子13と、処理部14とを含む。
【0035】
感磁素子11は、用紙ガイド91に配置され、例えばホールセンサ(Hall sensor)であってもよいが、これに限定されない。用紙ガイド91が移動方向Dに沿って移動する場合、用紙ガイド91は、感磁素子11を駆動して第1位置P1又は第2位置P2に移動させる。第1位置P1及び第2位置P2は、検出しようとする用紙サイズに応じて設定される。即ち、感磁素子11が第1位置P1及び第2位置P2に隣接する場合に、用紙ガイド91はそれぞれ異なるサイズの用紙に対応して突き当たる。
【0036】
第1磁気素子12は、用紙トレイ9に配置され、第1位置P1に対応している。第1磁気素子12は例えば磁石であり、その磁気強度(又は磁力)が限定されず、例えば3200ガウス(G)、2560G、1300G、又は他の適切な磁気強度であってもよい。また、第1磁気素子12の磁気モーメント方向(南極Sから北極Nへ向かう方向)の配置態様は限定されない。ここで、南極Sが感磁素子11に近い側に配置される態様を例に説明する。
【0037】
第2磁気素子13は、用紙トレイ9に配置され、第1磁気素子12と間隔を置いて配置され、第2位置P2に対応している。第2磁気素子13は例えば磁石であり、その磁気強度(又は磁力)が限定されず、例えば3200G、2560G、1300G、又は他の適切な磁気強度であってもよい。同様に、第2磁気素子13の磁気モーメント方向の配置態様は限定されない。ここで、南極Sが感磁素子11に近い側に配置される態様を例に説明する。なお、第1磁気素子12及び第2磁気素子13の磁気モーメント方向の配置態様は、一致であっても不一致であってもよく、限定されない。いくつかの実施形態において、第1磁気素子12の磁気モーメント方向と第2磁気素子13の磁気モーメント方向は互いに平行し、かつ第1磁気素子12の磁気モーメント方向と第2磁気素子13の磁気モーメント方向は移動方向Dに垂直する。
【0038】
なお、第1磁気素子12及び第2磁気素子13が同一又は異なる磁気強度の磁石であってもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において、第1磁気素子12と第2磁気素子13は、感磁素子11が対応して電圧信号を生成できれば、感磁素子11の同じ側(図3Aのように示す)に位置してもよく、感磁素子の対向する両側(図4のように示す)に位置してもよく、或は、感磁素子の底側(図示せず、即ち上から見たときに磁気素子と用紙ガイド91が重なる)に位置してもよいが、これらに限定されない。
【0040】
処理部14は、感磁素子11に電気的に接続されている。処理部14は、例えば、センサ集積回路、マイクロコントローラ(MCU)、マイクロプロセッサ(MPU)、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、グラフィックスプロセッサ(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はシステムオンチップ(SoC)等を含んでもよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、用紙検出装置1は、記憶素子15をさらに含んでもよい。記憶素子15は、処理部14に電気的に接続され、磁気電圧比較表Tを記憶している。記憶素子15は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ(例えばNANDフラッシュ又は制御チップを含むSSD等)等の不揮発性記憶媒体であってもよいが、これらに限定されない。
【0042】
このようにして、ユーザが用紙トレイ9内で用紙ガイド91を移動方向Dに沿って移動させて用紙に突き当てると、感磁素子11が用紙ガイド91とともに移動することになる。感磁素子11が第1磁気素子12に対応して第1の電圧信号V1を出力する場合に、処理部14は、第1の電圧信号V1及び磁気電圧比較表Tに基づいて用紙ガイド91が第1位置P1にあることを判断できる。具体的に言えば、感磁素子11は、下記の式(1)に示すように、第1磁気素子12に対応して第1の電圧信号V1(即ち、下記の式(1)のVout)を生成する。
【0043】
【数1】
【0044】
【数2】
【0045】
VQは感磁素子11の最低出力電圧である。A1/Z1は感磁素子11の磁気感度オプションであり、例えば200mV/mTとしてもよいが、これに限定されない。Bは残留磁界であり、第1磁気素子12(例えば磁石)の形状に依存しない(物理磁石データ参考)。Zは対称軸上の極面の距離である。Dは第1磁気素子12の厚さである。Rは第1磁気素子12(例えば円形の磁石)の半径である。なお、上記計算は、例えば、常温23℃の状態での計算評価であり、これらに限定されない。
【0046】
さらに言えば、用紙ガイド91が第1位置P1にある場合、感磁素子11は第1磁気素子12に隣接し、感磁素子11と第1磁気素子12との間は第1距離Z1(即ち、上記式(2)におけるパラメータZ)であり、感磁素子11は、第1距離Z1及び第1磁気素子12の磁気強度に対応して第1の電圧信号V1を出力する。なお、感磁素子11が第1磁気素子12に隣接することは、例えば、感磁素子11の中心軸が第1磁気素子12の中心軸と揃えること、感磁素子11の中心点と第1磁気素子12の中心軸が最短距離であること、又はその他の感磁素子11が第1磁気素子12に隣接して第1の電圧信号V1を生成することを意味してもよいが、これらに限定されない。なお、第1距離Z1は、感磁素子11と第1磁気素子12との間が最短距離の場合に限定されず、感磁素子11が第1磁気素子12に対応して第1の電圧信号V1を生成できる距離である。
【0047】
したがって、処理部14は、第1の電圧信号V1及び磁気電圧比較表Tに基づいて用紙ガイド91が第1位置P1にあると判断した場合に、処理部14は、第1の電圧信号V1に基づいて第1位置P1に対応する第1用紙サイズ信号X1を出力する。
【0048】
また、図3Bに示すように、ユーザが用紙トレイ9内で移動方向Dに沿って用紙ガイド91を移動させて用紙に突き当て、感磁素子11が第2磁気素子13に対応して第2の電圧信号V2(即ち、上記式(1)のVout)を出力する場合、処理部14は、第2の電圧信号V2及び磁気電圧比較表Tに基づいて用紙ガイド91が第2位置P2にあると判断できる。なお、第1の電圧信号V1(図3Aに示す)と第2の電圧信号V2は異なる。
【0049】
具体的に言えば、用紙ガイド91が第2位置P2にある場合、感磁素子11は第2磁気素子13に隣接し、感磁素子11と第2磁気素子13との間は第2距離Z2(即ち上記式(2)におけるパラメータZ)であり、感磁素子11は、第2距離Z2及び第2磁気素子13の磁気強度に対応して第2の電圧信号V2を出力する。なお、感磁素子11が第2磁気素子13に隣接することは、例えば、感磁素子11の中心軸が第2磁気素子13の中心軸と揃えること、感磁素子11の中心点と第2磁気素子13の中心軸が最短距離であること、又はその他の感磁素子11が第2磁気素子13に隣接して第2の電圧信号V2を生成することを意味してもよいが、これらに限定されない。また、第2距離Z2は、感磁素子11と第2磁気素子13との間が最短距離の場合に限定されず、感磁素子11が第2磁気素子13に対応して第2の電圧信号V2を生成できる距離である。
【0050】
したがって、処理部14は、第2の電圧信号V2に基づいて用紙ガイド91が第22位置P2にあると判断した場合に、処理部14は、第2の電圧信号V2に基づいて第2位置P2に対応する第1用紙サイズ信号X1を出力する。
【0051】
なお、第1磁気素子12の磁気強度と第2磁気素子13の磁気強度とが異なる場合、第1距離Z1と第2距離Z2とが同一又は異なってもよい。一方、第1磁気素子12の磁気強度と第2磁気素子13の磁気強度とが同一である場合、第1距離Z1と第2距離Z2とが異なる。
【0052】
上述したように、本実施形態の用紙検出装置1では、第1磁気素子12及び第2磁気素子13がそれぞれ第1位置P1と第2位置P2に配置され、感磁素子11は第1磁気素子12及び第2磁気素子13に対応してそれぞれ異なる第1の電圧信号V1と第2の電圧信号V2を生成する。これにより、用紙ガイド91が感磁素子11を駆動して異なる位置に移動させ、感磁素子11が異なる磁気素子12、13に対応して異なる電圧信号V1、V2を生成する場合、処理部14は正確に感磁素子11の位置を判断することができる。従来技術が信号の有無のみを検出する構成であるのに対し、本発明に係る用紙検出装置1の感磁素子11は、位置が多少ずれていても対応する電圧信号V1、V2を生成することで、信号判断の誤りを回避し、用紙ガイド91が突き当たる用紙のサイズを正確に判断することができる。
【0053】
図4は、本発明に係る第2実施形態の用紙検出装置2を示す概略図である。本実施形態の用紙検出装置2は、用紙ガイド91が左右両側連動の用紙ガイドである点、及び第1磁気素子22及び第2磁気素子23は感磁素子21の対向する両側に位置する点で、上記用紙検出装置1とは相違している。
【0054】
第1磁気素子22及び第2磁気素子23の磁気モーメント方向の配置態様は限定されないが、ここでは南極Sが感磁素子21に近い側に配置する態様を例として説明する。
【0055】
同様に、用紙ガイド91が第1位置P1にある場合、感磁素子21は、第1磁気素子22に隣接し、それに対応して第1の電圧信号V1を出力する。用紙ガイド91が第2位置P2にある場合、感磁素子21は、第2磁気素子23に隣接し、それに対応して第2の電圧信号V2を出力する。これにより、処理部14は、第1の電圧信号V1又は第2の電圧信号V2、及び磁気電圧比較表Tに基づいて、第1用紙サイズ信号X1又は第2用紙サイズ信号X2を出力することができる。
【0056】
上述したように、第1磁気素子22及び第2磁気素子23を同じ側に配置することに対して、第1磁気素子22及び第2磁気素子23を感磁素子21の対向する両側に配置することで、第1磁気素子22と第2磁気素子23との互いの間隔を保つことができる。これにより、感磁素子21は、第1磁気素子22と第2磁気素子23との距離が近すぎて両方の影響を同時に受けることを回避でき、用紙ガイド91が突き当たる用紙サイズをより正確に判断することができる。
【0057】
図5は、本発明に係る第3実施形態の用紙検出装置3を示す概略図である。本実施形態の用紙検出装置3は、用紙検出装置3が2つの感磁素子31A、31Bを有する点、及び感磁素子31A、31Bが移動方向Dにおいて互いにずれて左右に連動する用紙ガイド91のうちの1つに配置される点で、上記用紙検出装置2とは相違している。また、処理部14は、感磁素子31A、31Bに電気的に接続されている。
【0058】
なお、ずれて配置されることは、感磁素子31A、31Bの中心軸が互いに間隔(例えば、10mm)ずれていることを意味するが、感磁素子31A、31Bは全く重なっていなくてもよいし、感磁素子31A、31B同士が部分的に重なっていてもよい。感磁素子31A、31Bのずらす間隔は限定されず、異なる需要に応じて異なる設計されることが可能である。なお、感磁素子31A、31Bは、左右に連動する用紙ガイド91のうち、それぞれ異なる用紙ガイド91に配置されてもよい。
【0059】
同様に、用紙ガイド91が第1位置P1にある場合に、感磁素子31Aは、第1磁気素子32に隣接し、それに対応して第1の電圧信号V1を出力する。用紙ガイド91が第2位置P2にある場合に、感磁素子31Bは、第2磁気素子33に隣接し、それに対応して第2の電圧信号V2を出力する。これにより、処理部14は、第1の電圧信号V1又は第2の電圧信号V2、及び磁気電圧比較表Tに基づいて、第1用紙サイズ信号X1又は第2用紙サイズ信号X2を出力することができる。
【0060】
上述したように、1つの感磁素子を配置することに対し、2つの感磁素子31A、31Bをずらして配置することにより、移動方向Dにおける第1磁気素子32と第2磁気素子33との間隔を小さくすることができ、用紙検出装置3全体の構造をコンパクトにすることができる。
【0061】
図6は、本発明に係る第4実施形態の用紙検出装置4と用紙トレイ9の組み合わせを示す概略分解図である。図7は、本発明に係る第4実施形態の用紙検出装置4を示す概略図である。図8A及び図8Bは、本発明に係る第4実施形態の用紙検出装置4の使用状態を示す概略図である。
【0062】
図6図7及び図8Aに示すように、本実施形態の用紙検出装置4は、用紙検出装置4が有する磁気素子42A、42B、42C、42D、42E、42F、42Gの数が、検出しようとする用紙サイズの種類の数に対応している点で、上記用紙検出装置3とは相違している。本実施形態では、用紙検出装置4が7つの磁気素子42A、42B、42C、42D、42E、42F、42Gを有し、それぞれ用紙サイズLT LEF(レター長辺給用紙)、LT SEF(レター短辺給用紙)、B5 SEF(B5短辺給用紙)、A3 SEF(A3短辺給用紙)、B4 SEF(B4短辺給用紙)、A4 SEF(A4短辺給用紙)、A5 SEF(A5短辺給用紙)に対応することを例として説明するが、これらに限定されない。なお、本実施形態では2つの感磁素子41A、41Bを例に説明するが、これらに限定されず、需要に応じて2つ以上の感磁素子を配置してもよい。
【0063】
磁気素子42Aは、用紙トレイ9に設けられ、用紙サイズLT LEFに対応する位置P1に対応している。磁気素子42Bは、用紙トレイ9に設けられ、用紙サイズLT SEFに対応する位置P2に対応している。磁気素子42Cは、用紙トレイ9に設けられ、用紙サイズB5 SEFに対応する位置P3に対応している。磁気素子42Dは、用紙トレイ9に設けられ、用紙サイズA3 SEFに対応する位置P4に対応している。磁気素子42Eは、用紙トレイ9に設けられ、用紙サイズB4 SEFに対応する位置P5に対応している。磁気素子42Fは、用紙トレイ9に設けられ、用紙サイズA4 SEFに対応する位置P6に対応している。磁気素子42Gは、用紙トレイ9に設けられ、用紙サイズA5 SEFに対応する位置P7に対応している。
【0064】
いくつかの実施形態において、磁気素子42A、42B、42C、42D、42E、42F、42Gは例えば磁石である。下記の表1は、例えば磁気電圧比較表Tの1つの実施形態であり、磁気素子42A、42B、42C、42D、42E、42F、42Gの磁気強度(又は磁力)、感磁素子41A、41Bとの距離Z(感磁素子が磁気素子に隣接する距離、例えば図8Aの第1距離Z1及び図8Bの第2距離Z2)、感磁素子41A、41Bが対応して生成する電圧情報(電圧値Vout及び許容範囲を含む)、及び電圧情報に対応する用紙サイズ情報を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0065】
【表1】
【0066】
なお、磁石は通常、磁力のバラツキが±10%程度で製造されるため、感磁素子41A、41Bが磁気素子に対応して生成する電圧値Voutにも±10%の許容範囲がある。
【0067】
図8Aに示すように、ユーザが用紙トレイ9内で移動方向Dに沿って用紙ガイド91を移動させて用紙に突き当てると、感磁素子41Aが用紙ガイド91とともに移動することになる。感磁素子41Aが磁気素子42Aに対応して電圧信号V1を出力すると、処理部14は、表1(例えば磁気電圧比較表Tであり、処理部14と電気的に接続された記憶素子15に記憶されている)及び電圧信号V1(例えば、表1の磁気素子42A(P1)に対応する電圧情報3.07V~3.62Vの範囲)に基づいて、用紙ガイド91が位置P1に位置していると判断することができる。なお、このとき、感磁素子41Bは他の磁気素子に対応して電圧信号を出力することがあるが、処理部14は、表1に基づいて、感磁素子41Bがいずれの予め設定された位置にも対応していないと判断することができる。
【0068】
さらに、用紙ガイド91が位置P1にあり、感磁素子41Aが磁気素子42Aに隣接し、感磁素子41Aと磁気素子42Aとの間が距離Z1(即ち上記式(2)におけるパラメータZ、例えば表1の2mm)である場合、感磁素子41Aは、距離Z1及び磁気素子42Aの磁気強度(例えば表1の3200G)に対応して電圧信号V1を出力する。なお、感磁素子41Aが磁気素子42Aに隣接することは、例えば、感磁素子41Aの中心軸が磁気素子42Aの中心軸と揃えること、感磁素子41Aの中心点と磁気素子42Aの中心軸とが最短距離であること、又はその他の感磁素子41Aが磁気素子42Aに隣接して電圧信号V1を生成することを意味してもよいが、これらに限定されない。また、距離Z1は、感磁素子41Aと磁気素子42Aとの間が最短距離の場合に限定されず、感磁素子41Aが磁気素子42Aに対応して電圧信号V1を生成できる距離である。
【0069】
したがって、処理部14は、電圧信号V1に基づいて用紙ガイド91が位置P1にあると判断すると、表1に基づいて電圧信号V1に対応する用紙サイズ情報(例えば用紙サイズLT LEFを示す)を判断して、位置P1に対応する用紙サイズ信号Xsを出力することができる。
【0070】
また、図8Bに示すように、ユーザが用紙トレイ9内で用紙ガイド91を移動方向Dに沿って移動させて用紙に突き当て、感磁素子41Bが磁気素子42Dに対応して電圧信号V2を出力すると、処理部14は、表1及び電圧信号V2(例えば、表1の磁気素子42D(P4)に対応する電圧情報1.33V~1.50Vの範囲)に基づいて、用紙ガイド91が位置P4にあると判断することができる。なお、このとき、感磁素子41Aは他の磁気素子に対応して電圧信号を出力することがあるが、処理部14は、表1に基づいて、感磁素子41Aがいずれの予め設定された位置にも対応していないと判断することができる。
【0071】
さらに、用紙ガイド91が位置P4にあり、感磁素子41Bが磁気素子42Dに隣接し、感磁素子41Bと磁気素子42Dとの間が距離Z2(即ち上記式(2)におけるパラメータZ、例えば表1の3mm)である場合、感磁素子41Bは、距離Z2及び磁気素子42Dの磁気強度(例えば表1の2560G)に対応して電圧信号V2を出力する。なお、感磁素子41Bが磁気素子42Dに隣接することは、例えば、感磁素子41Bの中心軸が磁気素子42Dの中心軸と揃えること、感磁素子41Bの中心点が磁気素子42Dの中心軸とが最短距離であること、又は、その他の感磁素子41Bが磁気素子42Dに隣接して電圧信号V2を生成することを意味してもよいが、これらに限定されない。また、距離Z2は、感磁素子41Bと磁気素子42Dとの間が最短距離の場合に限定されず、感磁素子41Bが磁気素子42Dに対応して電圧信号V2を生成できる距離である。
【0072】
したがって、処理部14は、表1及び電圧信号V2に基づいて用紙ガイド91が位置P4にあると判断すると、表1に基づいて電圧信号V2に対応する用紙サイズ情報(例えば、用紙サイズA3 SEFを示す)を判断して、位置P4に対応する用紙サイズ信号Xsを出力することができる。
【0073】
なお、磁気素子42A、42B、42C、42D、42E、42F、42Gの磁気強度が異なる場合、距離Zは、同じであっても異なってもよい(例えば、表1における磁気素子42A、42B又は磁気素子42A、42C)。一方、磁気素子42A、42B、42C、42D、42E、42F、42Gの磁気強度が同じである場合、距離Zは異なる(例えば、表1における磁気素子42A、42E又は磁気素子42B、42F)。
【0074】
上述したように、本実施形態の用紙検出装置4は、磁気素子42A~42Gをそれぞれ異なる位置P1~P7に配置し、感磁素子41A、41Bは、それぞれ磁気素子42A~42Gに対応して異なる電圧信号(上述した電圧信号V1、V2)を生成する。これにより、用紙ガイド91が感磁素子41A、41Bを異なる位置P1~P7に移動させ、感磁素子41A、41Bが異なる磁気素子42A~42Gに対応してそれぞれ異なる電圧信号を生成すると、処理部14は、感磁素子41A、41Bの位置を正確に判断することができる。従来技術が信号の有無のみを検出する構成であるのに対し、本実施形態の用紙検出装置4の感磁素子41A、41Bは、位置が多少ずれていても対応する電圧信号を生成することができるので、信号判断の誤りを回避し、用紙ガイド91が突き当たる用紙サイズを正確に判断することができる。
【0075】
また、磁気素子42A~42Gを感磁素子41A、41Bの対向する両側に配置することで、磁気素子42A~42Gの互いの間隔を保つことができる。これにより、感磁素子41A、41Bは、磁気素子42A~42G間の距離が近すぎて、2つの磁気素子の影響を同時に受けることを回避でき、用紙ガイド91が突き当たる用紙サイズをより正確に判断することができる。
【0076】
さらに、2つの感磁素子41A、41Bをずらして配置することにより、移動方向Dにおける磁気素子42A~42Gの間隔を小さくすることができ、用紙検出装置4全体の構造をコンパクトにすることができる。
【0077】
以下、上記第4実施形態における磁気電圧比較表Tの選択方法を説明するが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、選択された磁気素子の磁気強度が3200G、2560G、及び1300Gである磁気電圧比較表Ttotal(表2)は、以下のように示すが、これに限定されない。異なる磁気素子の選択に対応して、磁気電圧比較表Ttotalも異なるパラメータを含んでもよい。
【0078】
【表2】
【0079】
具体的には、繰り返し出力される電圧信号、近距離にある磁石の種類、用紙サイズ等の条件に基づいて、使用できない電圧信号を排除し、適切な磁気素子とその配置位置を選定する。上記図8Aの第4実施形態を例にとると、磁力が3200Gの磁気素子は、感磁素子との距離Zが2mmの場合、感磁素子が生成する電圧値Voutは3.34Vとなる。この値は磁気電圧比較表Ttotalの中で唯一のものであるため、他の状況では同じ電圧信号が生成されないため、第1磁気素子(例えば磁力が3200Gの磁気素子)を用紙トレイの第1位置(例えばLT LEFに対応する位置P1)に配置することができる。同様に、第2磁気素子(例えば磁力が2560Gの磁気素子)を用紙トレイの第2位置(例えばLT SEFに対応する位置P2)に配置することができる。
【0080】
なお、第1磁気素子の磁気強度と第2磁気素子の磁気強度とが同一である場合、磁気電圧比較表Ttotalに基づいて第2距離を第1距離と異なるように設定できる。上記図8Aの第4実施形態を例にとると、異なる磁気素子42A、42Eを選択し、異なる電圧信号に対応するように異なる距離Zを設定してもよい。
【0081】
したがって、感磁素子の異なる位置の電圧信号が磁気電圧比較表Tの要件を満たすことをテストした後、本発明に係る用紙検出装置の設定を完了することができる。
【0082】
図9は、本発明に係る用紙検出装置の検出方法のフローチャートである。図9に示すように、本発明に係る用紙検出装置の検出方法は、ステップS10~ステップS13を含む。ステップS10において、感磁素子を用紙ガイドに配置し、第1磁気素子を用紙トレイに配置し、記憶素子に磁気電圧比較表を記憶させる。ステップS11において、用紙ガイドが移動方向に沿って移動する場合に、用紙ガイドに配置される磁気感応素子により、用紙トレイに配置される第1磁気素子に対応して第1の電圧信号を生成する。ステップS12において、処理部により第1の電圧信号を受信する。ステップS13において、処理部により、第1の電圧信号及び磁気電圧比較表に基づいて、用紙ガイドが第1位置にあることを判断する。
【0083】
いくつかの実施形態において、磁気電圧比較表は、第1の電圧情報と、第1の電圧情報に対応する第1用紙サイズ情報とを含む。ステップS13において、処理部により用紙ガイドが第1位置にあると判断ことは、処理部により第1の電圧信号が第1の電圧情報に対応すると判断した場合に、処理部により第1用紙サイズ情報に基づいて第1位置に対応する第1用紙サイズ信号を出力する。
【0084】
なお、本実施形態の検出方法は、異なる用紙検出装置、例えば、上記第1実施形態~第4実施形態の用紙検出装置1~4に適用可能であり、ここでは説明を省略する。
【0085】
図10は、本発明に係る用紙検出装置の検出方法の別のフローチャートである。本発明に係る用紙検出装置の検出方法は、ステップS14~ステップS17をさらに含んでもよい。ステップS14において、第2磁気素子を用紙トレイに配置する。ステップS15において、感磁素子により用紙トレイに配置される第2磁気素子に対応して第2の電圧信号を生成する。ステップS16において、処理部により第2の電圧信号を受信する。ステップS17において、処理部により第2の電圧信号及び磁気電圧比較表に基づいて、用紙ガイドが第2位置にあることを判断する。
【0086】
いくつかの実施形態において、ステップS17において、処理部により用紙ガイドが第2位置にあると判断ことは、処理部により第2の電圧信号に基づいて第2位置に対応する第2用紙サイズ信号を出力することをさらに含む。
【0087】
なお、本実施形態の検出方法は、異なる用紙検出装置、例えば、上記第1実施形態~第4実施形態の用紙検出装置1~4に適用可能であり、ここでは説明を省略する。
【0088】
以上をまとめると、本発明に係る用紙検出装置は、第1磁気素子及び第2磁気素子をそれぞれ第1位置及び第2位置に配置し、感磁素子は第1磁気素子及び第2磁気素子に対応してそれぞれ異なる第1の電圧信号及び第2の電圧信号を生成する。これにより、用紙ガイドが感磁素子を駆動して異なる位置に移動させ、感磁素子が異なる磁気素子に対応して異なる電圧信号を生成する場合、処理部は正確に感磁素子の位置を判断することができる。従来技術が信号の有無のみを検出する構成であるのに対し、本発明に係る用紙検出装置の感磁素子は、位置が多少ずれていても対応する電圧信号を生成することで、信号判断の誤りを回避し、用紙ガイドが突き当たる用紙のサイズを正確に判断することができる。
【0089】
また、磁気素子を感磁素子の対向する両側に配置することで、磁気素子同士間の間隔を保つことができる。これにより、磁気素子間の距離が近すぎて、2つの磁気素子の影響を同時に受けることを回避でき、用紙ガイドが突き当たる用紙サイズをより正確に判断することができる。
【0090】
さらに、感磁素子をずらして配置することで、移動方向における磁気素子の間隔を小さくすることができ、用紙検出装置全体の構造をコンパクトにすることができる。
【0091】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもなく、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の全ての範囲は以下の特許請求の範囲に基づくものであり、本発明の特許請求の範囲に合致する精神とその類似の変形例は、本発明の範囲に含まれるべきであり、当業者であれば、本発明の技術的範囲内において、容易に思いつくことができ、また、その変形例や修正例も、以下の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1、2、3、4 用紙検出装置
11、21、31A、31B、41A、41B 感磁素子
12、13、22、23、32、33、42A~42G 磁気素子
14 処理部
15 記憶素子
9 用紙トレイ
91 用紙ガイド
T 磁気電圧比較表
D 移動方向
P1~P7 位置
V1、V2 電圧信号
X1、X2、Xs 用紙サイズ信号
Z1、Z2 距離
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10