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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075540
(43)【公開日】2024-06-04
(54)【発明の名称】シートベルトエアバッグ
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/18 20060101AFI20240528BHJP
   B60R 21/2338 20110101ALI20240528BHJP
【FI】
B60R21/18
B60R21/2338
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068631
(22)【出願日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】10-2022-0158601
(32)【優先日】2022-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】507098483
【氏名又は名称】ヒュンダイ・モービス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン,イル チャン
(72)【発明者】
【氏名】コ,ソク フン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ミン ジュン
【テーマコード(参考)】
3D054
【Fターム(参考)】
3D054AA07
3D054AA25
3D054CC04
3D054CC11
3D054DD14
3D054FF13
(57)【要約】
【課題】シートベルトからエアバッグクッションを展開させて乗客の着座形態や乗客類型などに関係なく一定の乗客保護領域を確保できるシートベルトエアバッグを提供する。
【解決手段】本発明によるシートベルトエアバッグは、シートベルトから展開するエアバッグクッションと、エアバッグクッションの下部において乗客の前方に向かって広がる形状に形成され、乗客の太ももに支持される第1支持部と、エアバッグクッションの上部において乗客に向かって広がる形状に形成され、乗客の頭部が支持される第2支持部と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートベルトから展開するエアバッグクッションと、
エアバッグクッションの下部において乗客の前方に向かって広がる形状に形成され、乗客の太ももに支持される第1支持部と、
エアバッグクッションの上部において乗客に向かって広がる形状に形成され、乗客の頭部が支持される第2支持部と、を含むことを特徴とするシートベルトエアバッグ。
【請求項2】
前記第1支持部は、エアバッグクッションの底面が乗客方向から乗客の前方に向かって左右に広がるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項3】
前記第2支持部は、エアバッグクッションの上面が乗客の前方から乗客に向かって左右に広がるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項4】
前記エアバッグクッションの両内側面の間にテザー(tether)が連結されたことを特徴とする請求項1に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項5】
前記エアバッグクッションの上部前端からエアバッグクッションの下部前端に向かって左右が広がる形状の前面領域が形成され、
前記前面領域の両側に繋がる側面領域の間にテザーが連結されるが、前記テザーは、前面領域の左右が狭く形成された方向に偏って連結されることを特徴とする請求項1に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項6】
前記エアバッグクッションの下部後端からエアバッグクッションの上部後端に向かって左右が広がる形状の後面領域が形成され、
前記後面領域の両側に繋がる側面領域の間にテザーが連結されるが、前記テザーは、後面領域の左右が狭く形成された方向に偏って連結されることを特徴とする請求項1に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項7】
前記テザーがエアバッグクッションの前面と上面のうちの少なくとも一部にさらに連結されたことを特徴とする請求項4に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項8】
インフレータから供給されるガスが通過してエアバッグクッションに供給され、気密性を有する素材で形成された内部ホースと、
前記内部ホースを包む形状をし、内部ホースよりも強度の高い素材で形成された外部ホースと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項9】
前記内部ホースの周方向の周長が外部ホースの周方向の周長よりも長く形成されたことを特徴とする請求項8に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項10】
前記インフレータと前記内部ホースとが第1締結具によって締結され、
前記外部ホースが前記内部ホースよりも前記インフレータに向かって長く形成されて前記インフレータと前記外部ホースとが第2締結具によって締結されることを特徴とする請求項8に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項11】
前記外部ホースの端部にその長手方向に沿ってホース固定部が部分的に延設され、
前記ホース固定部がエアバッグクッションに連結されることを特徴とする請求項8に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項12】
前記ホース固定部とエアバッグクッションとが連結部によって連結されるか、或いはホース固定部がエアバッグクッションに直接連結されることを特徴とする請求項11に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項13】
前記エアバッグクッションは、
一端から他端に向かって左右が広がる形状の第1領域が形成され、第1領域の両側に第2領域が折り畳まれて形成され、第1領域の他端に第3領域が折り畳まれて形成された第1パネルと、
一端から他端に向かって左右が狭まる形状の第4領域が形成され、第4領域の両側に第5領域が折り畳まれて形成され、第4領域の一端に第6領域が折り畳まれて形成された第2パネルと、を含み、
第1パネルの縁と第2パネルの縁とが連結されてエアバッグクッションを形成することを特徴とする請求項1に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項14】
前記エアバッグクッションは、
エアバッグクッションの前面領域の両側に第1側面領域が折り畳まれて形成され、前面領域の下端に底面領域が折り畳まれて形成された第1パネルと、
エアバッグクッションの後面領域の両側に第2側面領域が折り畳まれて形成され、後面領域の上端に上面領域が折り畳まれて形成された第2パネルと、を含み、
第1パネルの縁と第2パネルの縁とが連結されてエアバッグクッションを形成することを特徴とする請求項1に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項15】
前記第1側面領域は、上端から下端に左右が狭まる形状に形成され、
前記第2側面領域は、上端から下端に左右が広がる形状に形成されたことを特徴とする請求項14に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項16】
前記底面領域の端部に第1流入口領域が延設され、
前記第2側面領域の端部に第2流入口領域が延設され、第1流入口領域の縁と第2流入口領域の縁とが連結されてガス流入口が形成されることを特徴とする請求項14に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項17】
前記エアバッグクッションの端部にガス流入口が形成され、
前記ガス流入口とインフレータとの間にディフューザが連結され、
前記ディフューザは、インフレータ側からガス流入口側に向かって通路の断面積が広がる形状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項18】
前記エアバッグクッションが展開するシートベルトのウェビングとエアバッグクッションとの間に外部テザーが連結されたことを特徴とする請求項1に記載のシートベルトエアバッグ。
【請求項19】
インフレータから供給されるガスをエアバッグクッションに供給するホース部と、
前記ホース部の外面に突設され、シートベルトのウェビングを包む形状に固定されるウェビング固定部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシートベルトエアバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートベルトからエアバッグクッションを展開させて乗客の着座形態や乗客類型などに関係なく一定の乗客保護領域を確保するシートベルトエアバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
エアバッグは、インフレータで発生した高圧のガスがエアバッグクッションを満たすことにより、車両の衝突時に乗客の身体に加わる衝撃を吸収するか、或いは身体の動きを拘束する方式で作動する。エアバッグのモジュールは、ガスを発生させるインフレータと、ガスが満たされて乗客を拘束及び保護するエアバッグクッションと、インフレータとエアバッグクッションを収容及び固定するハウジング或いはマウントプレートとから構成される。このようなエアバッグモジュールは、ステアリングホイールのアーマチュア(armature)やカウルクロスバーなどのように十分にしっかりと固定することができる部位に設置される。
【0003】
しかし、エアバッグの設置スペースとクッションの展開経路の確保を必要とするため、インテリア設計の自由度を阻害するという問題点がある。また、インテリア構造の変更、着座姿勢及びシート位置の変動に対応し難いだけでなく、運転者の性別、年齢による身体条件の違いによって保護領域の差が激しいため、様々な状況で優れた保護性能を確保し難いという問題点もある。
【0004】
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解を深めるためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならないだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2022-0000128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、その目的は、シートベルトからエアバッグクッションを展開させて乗客の着座形態及び乗客類型などと関係なく一定の乗客保護領域を確保するシートベルトエアバッグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明によるシートベルトエアバッグは、シートベルトから展開するエアバッグクッションと、エアバッグクッションの下部において乗客の前方に向かって広がる形状に形成され、乗客の太ももに支持される第1支持部と、エアバッグクッションの上部において乗客に向かって広がる形状に形成され、乗客の頭部が支持される第2支持部と、を含むことを特徴とする。
【0008】
前記第1支持部は、エアバッグクッションの底面が乗客方向から乗客の前方に向かって左右に広がるように形成されてもよい。
【0009】
前記第2支持部は、エアバッグクッションの上面が乗客の前方から乗客に向かって左右に広がるように形成されてもよい。
【0010】
前記エアバッグクッションの両内側面の間にテザー(tether)が連結されてもよい。
【0011】
前記エアバッグクッションの上部前端からエアバッグクッション部の下部前端に向かって左右が広がる形状の前面領域が形成され、前記前面領域の両側に繋がる側面領域の間にテザーが連結されるが、前記テザーは、前面領域の左右が狭く形成された方向に偏って連結されてもよい。
【0012】
前記エアバッグクッションの下部後端からエアバッグクッションの上部後端に向かって左右が広がる形状の後面領域が形成され、前記後面領域の両側に繋がる側面領域の間にテザーが連結されるが、前記テザーは、後面領域の左右が狭く形成された方向に偏って連結されてもよい。
【0013】
前記テザーがエアバッグクッションの前面と上面のうちの少なくとも一部にさらに連結されてもよい。
【0014】
インフレータから供給されるガスが通過してエアバッグクッションに供給され、気密性を有する素材で形成された内部ホースと、前記内部ホースを包む形状をし、内部ホースよりも強度の高い素材で形成された外部ホースと、を含むことができる。
【0015】
前記内部ホースの周方向の周長が外部ホースの周方向の周長よりも長く形成されてもよい。
【0016】
インフレータと内部ホースとが第1締結具によって締結され、外部ホースが内部ホースよりもインフレータに向かって長く形成されてインフレータと外部ホースとが第2締結具によって締結されることができる。
【0017】
前記外部ホースの端部にその長手方向に沿ってホース固定部が部分的に延設され、前記ホース固定部がエアバッグクッションに連結されてもよい。
【0018】
前記ホース固定部とエアバッグクッションとの間が連結部によって連結されるか、或いはホース固定部がエアバッグクッションに直接連結されてもよい。
【0019】
前記エアバッグクッションは、一端から他端に向かって左右が広がる形状の第1領域が形成され、第1領域の両側に第2領域が折り畳まれて形成され、第1領域の他端に第3領域が折り畳まれて形成された第1パネルと、一端から他端に向かって左右が狭まる形状の第4領域が形成され、第4領域の両側に第5領域が折り畳まれて形成され、第4領域の一端に第6領域が折り畳まれて形成された第2パネルと、を含み、第1パネルの縁と第2パネルの縁とが連結されてエアバッグクッションを形成することができる。
【0020】
前記エアバッグクッションは、エアバッグクッションの前面領域の両側に第1側面領域が折り畳まれて形成され、前面領域の下端に底面領域が折り畳まれて形成された第1パネルと、エアバッグクッションの後面領域の両側に第2側面領域が折り畳まれて形成され、後面領域の上端に上面領域が折り畳まれて形成された第2パネルと、を含み、第1パネルの縁と第2パネルの縁とが連結されてエアバッグクッションを形成することができる。
【0021】
前記第1側面領域は、上端から下端に左右が狭まる形状に形成され、前記第2側面領域は、上端から下端に左右が広がる形状に形成されてもよい。
【0022】
前記底面領域の端部に第1流入口領域が延設され、前記第2側面領域の端部に第2流入口領域が延設され、第1流入口領域の縁と第2流入口領域の縁とが連結されてガス流入口が形成されてもよい。
【0023】
前記エアバッグクッションの端部にガス流入口が形成され、前記ガス流入口とインフレータとの間にディフューザが連結され、前記ディフューザは、インフレータ側からガス流入口側に向かって通路の断面積が広がる形状に形成されてもよい。
【0024】
前記エアバッグクッションが展開するシートベルトのウェビングとエアバッグクッションとの間に外部テザーが連結されてもよい。
【0025】
インフレータから供給されるガスをエアバッグクッションに供給するホース部と、前記ホース部の外面に突設され、シートベルトのウェビングを包む形状に固定されるウェビング固定部と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、エアバッグクッションの下端が乗客の前方に向かって広がる形状に展開することにより、エアバッグクッションが乗客の太ももに支持されて乗客の上体を安定的に拘束するという効果がある。また、エアバッグクッションの上端が乗客に向かって広がる形状に展開することにより、乗客の頭部が支持される範囲を広げて乗客を安全に保護するという効果もある。また、本発明は、エアバッグクッションの上部と下部において左右が狭まる形状に形成されることにより、乗客の十分な保護領域を確保しながらもエアバッグクッションの全体サイズとボリュームを減らすことができる。したがって、エアバッグクッションがシートベルトに収まった状態でシートベルトの着用感が低下することを防止し、インフレータの容量を減少させるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明によるシートベルトにエアバッグクッションが展開した状態を示す図である。
図2】本発明によってシートに乗客が着座した状態でエアバッグクッションが展開した状態を示す図である。
図3図2を乗客の側面から見た図である。
図4図2を乗客の正面から見た図である。
図5】本発明によるエアバッグクッションの下端部を切開した図である。
図6】本発明によるテザーが設けられた第1実施形態の構成を示す図である。
図7】本発明によるテザーが設けられた第2実施形態の構成を示す図である。
図8】本発明によるテザーが設けられた第3実施形態の構成を示す図である。
図9】本発明によるホース部の第1実施形態の連結構成を示す図である。
図10】本発明による内部ホースの展開前後の形状を示す図である。
図11】本発明によるホース部の第2実施形態の連結構成を示す図である。
図12】本発明によるホース部の第3実施形態の連結構成を示す図である。
図13】本発明によるホース固定部と連結部を用いた外部ホースの連結構成を示す図である。
図14】本発明によるホース固定部を用いた外部ホースの連結構成を示す図である。
図15】本発明によるパイプ部材が折り曲げられて形成された形状を示す図である。
図16】本発明のエアバッグクッションを構成する第1パネルと第2パネルを分離して示す図である。
図17】本発明によるエアバッグクッションにディフューザが結合した構成を示す図である。
図18】本発明によるエアバッグクッションとウェビングとの間に外部テザーが連結された構成を示す図である。
図19】本発明によるホース部にウェビング固定部が形成された形状を示す図である。
図20】本発明によるウェビング固定部を介してホース部とウェビングを固定した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0029】
図面符号に関係なく同一又は類似する構成要素は、同一の参照符号を付し、これについての重複説明は省略する。以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」及び「部」は、明細書作成の容易さのみが考慮されて付与又は混用されるものであって、それ自体で互いに区別される意味又は役割を有するものではない。本明細書に開示された実施形態を説明するにあたり、関連する公知の技術についての具体的な説明が、本明細書に開示された実施形態の要旨を不明確にするおそれがあると判断された場合、その詳細な説明を省略する。また、添付図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解するためのものに過ぎず、添付図面によって、本明細書に開示された技術的思想が制限されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物又は代替物を含むと理解されるべきである。
【0030】
「第1」、「第2」等のように序数を含む用語は、多様な構成要素の説明に使用できるが、これらの構成要素はこれらの用語によって限定されるものではない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる或いは「接続されて」いると記載された場合には、該他の構成要素に直接連結又は接続されていることも意味するが、それらの間に別の構成要素が介在する場合も含むと理解されるべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる或いは「直接接続されて」いると記載された場合には、それらの間に別の構成要素が介在しないと理解されるべきである。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味を有しない限り、複数の表現を含む。
【0031】
本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0032】
図1は、本発明によるシートベルト10にエアバッグクッション100が展開した状態を示す図、図2は、本発明によってシートに乗客が着座した状態でエアバッグクッション100が展開した状態を示す図である。
【0033】
図1図2を参照すると、本発明のシートベルトエアバッグは、シートベルト10から展開するエアバッグクッション100と、エアバッグクッション100の下部において乗客の前方に向かって広がる形状に形成され、乗客の太ももに支持される第1支持部110と、エアバッグクッション100の上部において乗客に向かって広がる形状に形成され、乗客の頭部が支持される第2支持部120と、を含んで構成される。例えば、乗客が向かい合う着座状態の場合、乗客の前にエアバッグを設置する構造物がなくなる。このため、乗客の腰を包むシートベルト10のラップウェビング11からエアバッグクッション100が展開することにより、エアバッグクッション100が乗客の前方から展開して乗客を保護する。
【0034】
特に、エアバッグクッション100の下部が乗客の前方に向かって広がる形状に展開することにより、広く展開したエアバッグクッション100部分が乗客の太ももに支持され、これによりエアバッグクッション100が乗客の両脚の間から抜け出すのを防止する。さらに、乗客の前方に隔壁がある場合、エアバッグクッション100が乗客と隔壁との間で展開して乗客を保護する必要がある。このため、エアバッグクッション100の上部が乗客に向かって広がる形状に展開することにより、広く展開したエアバッグクッション100部分に乗客の頭部が支持されて乗客を保護する。
【0035】
図3は、図2を乗客の側面から見て示す図、図4は、図2を乗客の正面から見た図、図5は、本発明によるエアバッグクッション100の下端部を切開した図である。図3~5を参照すると、前記第1支持部110は、エアバッグクッション100の底面が乗客方向から乗客の前方に向かって左右に広がるように形成できる。例えば、第1支持部110が乗客の太ももに支持されて乗客の上体を拘束する。具体的には、衝突が発生すると、一次的にシートベルト10によって身体が拘束される。
【0036】
このとき、身体の重心に近い骨盤部を中心に乗客の上体が回転する運動をすることにより、エアバッグクッション100が乗客上体の回転運動を拘束する。そして、上体を拘束する際に十分な支持力を提供しなければならず、左右揺れが発生して拘束力を失ってはならない。特に、衝突発生時に乗客の膝が広がる可能性があるので、骨盤から前方に離れるほどエアバッグクッション100の底面が広がる形状に形成される。このように、エアバッグクッション100の膝側が広く展開することにより、エアバッグクッション100が膝同士の間から抜け出したり左右に揺れたりする現象を防ぐとともに、回転中心から遠い部分で拘束力を提供することにより、さらに強力な支持力を提供する。
【0037】
また、前記第2支持部120は、エアバッグクッション100の上面が乗客の前方から乗客に向かって左右に広がるように形成されて乗客の頭部が支持できる。例えば、第2支持部120が乗客の頭部に支持される。具体的には、乗客の前方に構造物がある状態で衝突が発生するとき、乗客の上体が回転運動をすると、頭部が構造物と衝突する危険が高くなるので、構造物と頭部の衝突を防ぐためにエアバッグクッション100が構造物と頭との間の空間で展開しなければならない。このため、エアバッグクッション100の前後長さを維持するが、乗客の頭部が接触するエアバッグクッション100の後面を左右に広く形成して、上体が左右に一部揺れてもエアバッグクッション100によって乗客の頭部を安定して拘束することができる。そして、エアバッグクッション100の乗客方向から乗客の前方に向かって左右が狭まる形状に形成されることにより、十分な保護領域を提供しながらもエアバッグクッション100の全体的なボリュームを減らす。したがって、エアバッグクッション100の大きさを減らすことにより、エアバッグクッション100がシートベルト10に収まった状態でシートベルト10の着用感低下を防止し、インフレータ300の容量を減少させることができる。
【0038】
一方、本発明は、前記エアバッグクッション100の両内側面の間にテザー200が連結されてもよい。すなわち、エアバッグクッション100は、織物材質であって、ガスによってエアバッグクッション100が膨張すると、全ての面が丸く膨らむことになり、エアバッグクッション100の上部と下部を左右が狭まる形状に展開させることが難しい可能性がある。したがって、エアバッグクッション100の内面の左右でテザー200を連結することにより、エアバッグクッション100が左右に過度に膨らむことを防止し、これによりエアバッグクッション100の上部と下部を左右が狭まる形状に展開させることができる。
【0039】
また、図6は、本発明によるテザー200が設置された第1実施形態の構成を示す図であり、テザー200が設置される位置に応じてエアバッグクッション100が膨張する形状が変更できる。図6を参照すると、前記エアバッグクッション100の上部前端からエアバッグクッション100の下部前端に向かって左右が広がる形状の前面領域a1が形成され、前記前面領域a1の両側に繋がる側面領域の間にテザー200が連結されるが、前記テザー200は、前面領域a1の左右が狭く形成された方向に偏って連結されることができる。
【0040】
例えば、乗客の前方を向くエアバッグクッション100の前面領域a1が三角形の面に形成され、三角形に形成された前面領域a1の左側と右側に左側面領域と右側面領域が繋がるが、前記左側面と右側面に面状に形成されたテザー200の両端がそれぞれ固定されることができる。このとき、前面領域a1の上下高さで中間位置を基準に三角形が狭まる側に位置した左側面の上端と右側面の上端にテザー200の両端が固定される。したがって、エアバッグクッション100の左右が狭まる側でガスが過度に膨らむことを防止することにより、テザー200の形状を効果的に制御することができる。さらに、エアバッグクッション100の下部後端からエアバッグクッション100の上部後端に向かって左右が広がる形状の後面領域b1が形成され、前記後面領域b1の両側に繋がる側面領域の間にテザー200が連結されるが、前記テザー200は、後面領域b1の左右が狭く形成された方向に偏って連結される。
【0041】
例えば、乗客を向くエアバッグクッション100の後面領域b1が逆三角形状の面に形成され、逆三角形状に形成された後面領域b1の左側と右側に左側面領域と右側面領域が繋がるが、前記左側面と右側面に面状に形成されたテザー200の両端がそれぞれ固定されることができる。このとき、後面領域b1の上下高さで中間位置を基準に三角形が狭まる側に位置した左側面の下端と右側面の下端にテザー200の両端が固定される。したがって、エアバッグクッション100の左右が狭まる側でガスが過度に膨らむことを防止することにより、テザー200の形状を効果的に制御することができる。
【0042】
図7は、本発明によるテザー200が設置された第2実施形態の構成を示す図であり、図8は、本発明によるテザー200が設置された第3実施形態の構成を示す図である。図7図8を参照すると、前記テザー200がエアバッグクッション100の前面と上面のうちの少なくとも1つにさらに連結されてもよい。例えば、テザー200の一部分が帯状に長く延設され、その端部がエアバッグクッション100の内面にさらに連結されてもよい。すなわち、図6に示すように、テザー200の両端が前面領域a1の左側面と右側面に固定され、帯状のテザー200の端部がエアバッグクッション100の前面領域a1に固定されてもよい。
【0043】
また、図7に示すように、テザー200の両端が前面領域a1の左側面と右側面に固定され、帯状のテザー200の端部がエアバッグクッション100の上面に固定されてもよい。また、図8に示すように、テザー200の両端が前面領域a1の左側面と右側面に固定され、帯状のテザー200の端部がエアバッグクッション100の前面領域a1と上面にそれぞれ固定されてもよい。
【0044】
一方、図9は、本発明によるホース部の第1実施形態の連結構成を示す図である。
図9を参照すると、インフレータ300から供給されるガスが通過してエアバッグクッション100に供給され、気密性を有する素材で形成された内部ホース400と、前記内部ホース400を包む形状をし、内部ホース400よりも強度の高い素材で形成された外部ホース500と、を含んで構成される。具体的には、エアバッグクッション100にホース部の一端が連結され、インフレータ300にホース部の他端が連結される。ホース部は、2重以上に構成されるもので、内部ホース400を外部ホース500が包み込む形状に形成され、内部ホース400と外部ホース500は互いに異なる材質で構成される。
【0045】
そして、内部ホース400は、フレキシブルでありながらも、ガスが抜け出さないように外部ホース500に比べて気密性の高い素材で形成される。参考として、内部ホース400は、エアバッグクッション100と一体になり、エアバッグクッション100の一部が延びる形状に形成される。内部ホースは、例えば、低い通気性のために内部面がコーティングされたPET、ナイロンなどの材質で形成できる。外部ホース500は、フレキシブルでありながらも、インフレータ300から噴出されるガスの強力な圧力に耐えるために内部ホース400に比べて高い引張強度を有する素材で形成される。外部ホースは、例えば、コーティングされていないPET、ナイロン、アラミドなどの材質或いは十分に厚い綿生地が適用できる。また、外部ホース500は円筒状に形成される。但し、外部ホース500は、平面の生地を縫製加工して円筒状を作るのではなく、外部ホース500自体が円筒状に形成されて強度を向上させる。
【0046】
上述した構成について敷衍すると、ホースの構造における最も重要なことは、ガスの強力な圧力に耐えることである。エアバッグに適用するガスホースは、フレキシブルでありながらも強力な強度を有する素材を使用しなければならない。また、ガスの損失なしにエアバッグクッション100にガスを伝達するためにホース面を介してガスが流出してはならない。しかし、強度が高くて通気性が低い素材は、高価であるか、或いは加工性が良くないという問題点がある。そこで、本発明では、通気性の低い内部ホース400の外部に高い強度の外部ホース500を結合してホース部を構成することにより、ガスの圧力に耐えながらもガスの流出を防止する。
【0047】
また、図10は、本発明による内部ホース400の展開前後の形状を示す図である。
図10を参照すると、前記内部ホース400の周方向の周長は、外部ホース500の周方向の周長と同じか或いはそれより長く形成されることができる。これにより、インフレータ300のガスが内部ホース400に流入すると、内部ホース400の気密性によってガスが外部に流出せずに内部ホース400が膨張する。
【0048】
このとき、内部ホース400の断面上の周長は、外部ホース500と同じか或いはそれより長く形成されるので、内部ホース400が膨張して張り切る前に外部ホース500によって膨張が制限され、ガスの膨張圧力が外部ホース500に伝達される。また、外部ホース500は、強力な膨張圧力に耐えるが、高い気密性を有する内部ホース400によりガス流出を防止しながらガスを供給することができる。
【0049】
図11は、本発明によるホース部の第2実施形態の連結構成を示す図である。図11を参照すると、インフレータ300、内部ホース400及び外部ホース500が締結具600によって締結されることができる。すなわち、内部ホース400と外部ホース500がインフレータ300或いは硬いパイプ部材310の端部に挿入され、この部分にクランプ等の締結具600を締結することにより、内部ホース400と外部ホース500とを一つの締結具600を用いて締結することができる。ただし、内部ホース400と外部ホース500とを同一の締結具600で締結する場合、内部ホース400の皺くちゃ等により、ガス流出の原因となる孔が生じることがあり、また、締結具600によって締め付けられるホースの厚さが厚い場合、締結が不安定になることがある。したがって、本発明では、内部ホース400と外部ホース500とを互いに異なる締結具を用いて締結することができる。
【0050】
図12は、本発明によるホース部の第3実施形態の連結構成を示す図である。図12を参照すると、インフレータ300と内部ホース400とが第1締結具610によって締結され、外部ホース500が内部ホース400よりもインフレータ300に向かって長く形成されてインフレータ300と外部ホース500とが第2締結具620によって締結されることができる。すなわち、内部ホース400がインフレータ300或いはパイプ部材310の端部に挿入された状態で、インフレータと内部ホースとをクランプ等の第1締結具610を用いて締結する。また、外部ホース500が内部ホース400よりも長く形成されてインフレータ300或いはパイプ部材310の端部に挿入された状態で、インフレータと外部ホースとを第2締結具620を用いて締結する。これにより、内部ホース400の損傷を懸念することなくホース部とインフレータ300とを安定的に締結することができる。
【0051】
一方、本発明は、前記外部ホース500の端部にその長手方向に沿ってホース固定部510が部分的に延設され、前記ホース固定部510がエアバッグクッション100に連結されることができる。また、前記ホース固定部510とエアバッグクッション100とが連結部520によって連結されるか、或いはホース固定部510がエアバッグクッション100に直接連結されることができる。
【0052】
図13は、本発明によるホース固定部510と連結部520を用いた外部ホース500の連結構成を示す図である。図13を参照すると、エアバッグクッション100を向く外部ホース500の端部縁に沿って部分的に突出する形状にホース固定部510が形成される。このとき、前記ホース固定部510は、織物材質であって、1つ以上形成されてもよく、鋸歯状に形成されてもよい。また、前記ホース固定部510を向くエアバッグクッション100の外面に連結部520が連結される。ここで、前記連結部520は、エアバッグクッション100に一体的に形成されてもよい。このため、前記連結部520がホース固定部510に縫製されることにより、エアバッグクッション100と外部ホース500との連結が簡便に行われる。外部ホース500とエアバッグクッション100を固定する他の例示として、図14は、本発明によるホース固定部510を用いた外部ホース500の連結構成を示す図である。
【0053】
図14を参照すると、エアバッグクッション100を向く外部ホース500の端部縁に沿って部分的に突出する形状にホース固定部510が形成される。特に、前記ホース固定部510は、エアバッグクッション100の外面まで延びる形状に形成され、エアバッグクッション100の外面に直接縫製されることができる。このような構成の場合、エアバッグクッション100に連結部520を形成する必要がないため、エアバッグクッション100と外部ホース500との連結がより簡便に行われる。
【0054】
図15は、本発明によるパイプ部材310が折り曲げられて形成された形状を示す図である。図15を参照すると、ホース部が屈曲して設置される場合、当該屈曲部でガスの流れが停滞して停滞部位の圧力を上昇させ、ホース部の破損を誘発するおそれがある。このため、屈曲部分に硬いパイプ部材310を設置して前記パイプ部材310にホース部を連結することにより、ホース部の破損を防止することができる。例えば、パイプ部材310の一端がインフレータ300に連結され、パイプ部材310の他端がホース部に連結されることにより、パイプ部材310とホース部とをクランプで締結することにより、ガスが漏れることなくエアバッグクッション100に供給されることができる。
【0055】
一方、図16は、本発明のエアバッグクッション100を構成する第1パネルAと第2パネルBを分離して示す図である。図16を参照すると、前記エアバッグクッション100は、一端から他端に向かって左右が広がる形状の第1領域が形成され、第1領域の両側に第2領域が折り畳まれて形成され、第1領域の他端に第3領域が折り畳まれて形成された第1パネルAと、一端から他端に向かって左右が狭まる形状の第4領域が形成され、第4領域の両側に第5領域が折り畳まれて形成され、第4領域の一端に第6領域が折り畳まれて形成された第2パネルBと、を含み、第1パネルAの縁と第2パネルBの縁とが連結されてエアバッグクッション100を形成することができる。このように、第1領域~第6領域が面状に形成され、これらが繋がって多面体形状にエアバッグクッション100を形成することができる。
【0056】
例えば、前記エアバッグクッション100は、エアバッグクッション100の前面領域a1の両側に第1側面領域a2が折り畳まれて形成され、前面領域a1の下端に底面領域a3が折り畳まれて形成された第1パネルAと、エアバッグクッション100の後面領域b1の両側に第2側面領域b2が折り畳まれて形成され、後面領域b1の上端に上面領域b3が折り畳まれて形成された第2パネルBと、を含み、第1パネルAの縁と第2パネルBの縁とが連結されてエアバッグクッション100を形成することができる。このとき、前記第1側面領域a2は、上端から下端に左右が狭まる形状に形成され、前記第2側面領域b2は、上端から下端に左右が広がる形状に形成されることができる。具体的には、第1パネルAの前面領域a1、第1側面領域a2、底面領域a3が三角形の面状に形成される。
【0057】
前面領域a1の両側の斜辺に第1側面領域a2の一側の斜辺が繋がり、前面領域a1と第1側面領域a2とが繋がる部分に折り畳み線FLが形成されることにより、前記折り畳み線FLを基準として前面領域a1に対して第1側面領域a2が折り畳まれる。また、前面領域a1の底辺に底面領域a3の底辺が繋がり、前面領域a1と底面領域a3が繋がる部分に折り畳み線FLが形成されることにより、前記折り畳み線FLを基準として前面領域a1に対して底面領域a3が折り畳まれる。このように、前面領域a1の3辺に第1側面領域a2と底面領域a3が繋がりながら折り畳まれて第1パネルAを形成する。また、第2パネルBの後面領域b1、第2側面領域b2、上面領域b3が三角形の面状に形成される。
【0058】
後面領域b1の両側の斜辺に第2側面領域b2の一側の斜辺が繋がり、後面領域b1と第2側面領域b2とが繋がる部分に折り畳み線FLが形成されることにより、前記折り畳み線FLを基準として後面領域b1に対して第2側面領域b2が折り畳まれる。また、後面領域b1の底辺に上面領域b3の底辺が繋がり、後面領域b1と上面領域b3とが繋がる部分に折り曲げ線FLが形成されることにより、前記折り畳み線FLを基準として後面領域b1に対して上面領域b3が折り畳まれる。このように、後面領域b1の3辺に第2側面領域b2と上面領域b3が繋がりながら折り畳まれて第2パネルBを形成する。特に、第1側面領域a2の他方の斜辺と第2側面領域b2の他方の斜辺とが縫製方式で連結され、両側の第1側面領域a2の底辺と上面領域b3の両側の斜辺とが縫製方式で連結され、両側の第2側面領域b2の底辺と底面領域a3の両側の斜辺とが縫製方式で連結される。
【0059】
したがって、第1パネルAの縁と第2パネルBの縁とが連結されてエアバッグクッション100の形状を形成することにより、パネルの数を最小化し、エアバッグクッション100の縫製作業を容易に行う。さらに、前記底面領域a3の端部に第1流入口領域a4が延設され、前記第2側面領域b2の端部に第2流入口領域b4が延設されることにより、第1流入口領域a4の縁と第2流入口領域b4の縁とが連結されてガス流入口130が形成されることができる。すなわち、第1流入口領域a4が底面領域a3に形成され、第2流入口領域b4は後面領域b1とその両側の第2側面領域b2とが繋がる部分に形成されることにより、第1流入口領域a4と第2流入口領域b4との縫製の際に、エアバッグクッション100の内部と連通するホース状のガス流入口130が形成される。
【0060】
一方、図17は、本発明によるエアバッグクッション100にディフューザ140が結合した構成を示す図である。図17を参照すると、前記エアバッグクッション100の端部にガス流入口130が形成され、前記ガス流入口130とインフレータ300との間にディフューザ140が連結され、前記ディフューザ140は、インフレータ300側からガス流入口130側に向かって通路の断面積が広がる形状に形成されることができる。ここで、前記ディフューザ140は、エアバッグクッション100の内部に1つ以上の吐出口141が形成されることにより、インフレータ300に提供されるガスをエアバッグクッション100の内部に吐出することができる。また、ディフューザ140が上述した内部ホース400として機能し、ディフューザ140を包む形状に別途の外部ホース500を構成することもできる。
【0061】
一方、図18は、本発明によるエアバッグクッション100とウェビングとの間に外部テザー700が連結された構成を示す図である。図18を参照すると、前記エアバッグクッション100が展開するシートベルト10のウェビングとエアバッグクッション100との間に外部テザー700が連結されることができる。例えば、エアバッグクッション100の底面を形成するパネルの両側に外部テザー700の一端が連結され、外部テザー700の他端をラップウェビング11に連結することにより、エアバッグクッション100をラップウェビング11に安定的に固定することができる。
【0062】
この時、外部テザー700は、エアバッグクッション100を形成するパネルに一体的に形成されてもよいが、外部テザー700を別物として製造してエアバッグクッション100のパネルとラップウェビング11との間に連結してもよい。一方、図19は、本発明によるホース部にウェビング固定部800が形成された形状を示す図であり、図20は、本発明によるウェビング固定部800を介してホース部とウェビングを固定した状態を示す図である。
【0063】
図19を参照すると、インフレータ300から供給されるガスをエアバッグクッション100に供給するホース部と、前記ホース部の外面に突設され、シートベルト10のウェビングを包む形状に固定されるウェビング固定部800と、を含んで構成される。すなわち、インフレータ300から発生したガスがホース部を介してエアバッグクッション100内に流入する過程で、高圧のガスによって不安定な流動が発生する可能性がある。このため、本発明では、ホース部の長手方向と直交する両側方向に複数のウェビング固定部800が突設される。前記ウェビング固定部800によってラップウェビング11が包まれて環状に縫製結合される。これにより、ホース部がラップウェビング11から一定距離の外に外れることを防止することにより、ホース部の離脱を防止する。
【0064】
このように、本発明は、エアバッグクッション100の下端が乗客の前方に向かって広がる形状に展開することにより、エアバッグクッション100が乗客の太ももに支持されて乗客の上体を安定的に拘束するとともに、エアバッグクッション100の上端が乗客に向かって広がる形状に展開することにより、乗客の頭部が支持される範囲を広げて乗客を安全に保護する。しかも、エアバッグクッション100の上部と下部において左右が狭まる形状に形成されることにより、乗客の十分な保護領域を確保しながらもエアバッグクッション100の全体サイズとボリュームを減らす。したがって、エアバッグクッション100がシートベルト10に収まった状態でシートベルト10の着用感が低下することを防止し、インフレータ300の容量を減少させる。
【0065】
一方、本発明は上述した具体的な例について詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲内で様々な変形及び修正が可能であるのは明らかであり、それらの変形及び修正も添付された特許請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0066】
10 シートベルト
11 ラップウェビング
100 エアバッグクッション
110 第1支持部
120 第2支持部
130 ガス流入口
140 ディフューザ
141 吐出口
200 テザー
300 インフレータ
310 パイプ部材
400 内部ホース
500 外部ホース
510 ホース固定部
520 連結部
600 締結具
610 第1締結具
620 第2締結具
700 外部テザー
800 ウェビング固定部
A 第1パネル
a1 前面領域
a2 第1側面領域
a3 底面領域
a4 第1流入口領域
B 第2パネル
b1 後面領域
b2 第2側面領域
b3 上面領域
b4 第2流入口領域
FL 折り畳み線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20