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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075543
(43)【公開日】2024-06-04
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240528BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20240528BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K1/02 A
H01L23/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089048
(22)【出願日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】10-2022-0158147
(32)【優先日】2022-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】池 潤▲ジェ▼
(72)【発明者】
【氏名】金 容勳
(72)【発明者】
【氏名】李 承恩
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 注奐
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA12
5E316AA22
5E316AA38
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD12
5E316DD23
5E316DD24
5E316EE33
5E316FF05
5E316FF07
5E316FF08
5E316FF10
5E316FF13
5E316FF14
5E316GG15
5E316GG17
5E316HH40
5E316JJ02
5E316JJ03
5E316JJ13
5E316JJ25
5E338AA03
5E338AA16
5E338BB03
5E338BB19
5E338BB63
5E338BB75
5E338EE60
(57)【要約】
【課題】基板上に実装される半導体チップと受動素子との間の距離を最小限に抑えることのできるプリント回路基板を提供する。
【解決手段】本発明は、複数の第1絶縁層、及び前記複数の第1絶縁層上又は内にそれぞれ配置された複数の第1配線層を含む第1基板部と、1層以上の第2絶縁層、及び前記1層以上の第2絶縁層上又は内にそれぞれ配置された1層以上の第2配線層を含む第2基板部と、前記第1及び第2基板部内に内蔵された第1受動素子とを含み、前記第2基板部は、前記第1基板部上に配置され、前記第1基板部は、積層方向を基準として前記第1受動素子上の前記複数の第1絶縁層の少なくとも一部を貫通する第2キャビティを有する、プリント回路基板に関する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1絶縁層、及び前記複数の第1絶縁層上又は内にそれぞれ配置された複数の第1配線層を含む第1基板部と、
1層以上の第2絶縁層、及び前記1層以上の第2絶縁層上又は内にそれぞれ配置された1層以上の第2配線層を含む第2基板部と、
前記第1基板部及び前記第2基板部内に内蔵された第1受動素子とを含み、
前記第2基板部は、前記第1基板部上に配置され、
前記第1基板部は、積層方向を基準として前記第1受動素子上の前記複数の第1絶縁層の少なくとも一部を貫通する第2キャビティを有する、プリント回路基板。
【請求項2】
前記第1基板部は、前記積層方向を基準として前記複数の第1絶縁層の他の少なくとも一部を貫通する第1キャビティをさらに有し、
前記第1受動素子は、前記第1キャビティに配置され、
前記1層以上の第2絶縁層の少なくとも1つは、前記第1受動素子の少なくとも一部を覆って前記第1キャビティの少なくとも一部を充填する、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第1キャビティ及び前記第2キャビティは、前記積層方向を基準としてそれぞれの少なくとも一部が互いに重なるように配置される、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第1受動素子は、第1電極パッドが配置された第1前面、及び前記第1前面の反対側である第1背面を有する、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記第1受動素子は、IPD(Integrated Passive Device)を含む、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記第1受動素子は、前記第1前面が前記第2基板部を向くように配置され、前記第1背面の少なくとも一部が前記第2キャビティにより露出する、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第1電極パッドは、前記1層以上の第2絶縁層の少なくとも1つを貫通するビアを介して、前記1層以上の第2配線層の少なくとも1つに接続される、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記積層方向を基準として前記第1キャビティと前記第2キャビティとの間には、前記複数の第1絶縁層及び前記1層以上の第2絶縁層の少なくとも一部が配置されない、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記第2キャビティの内側壁面のうち底面に隣接する領域には、凹部が形成される、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第1受動素子は、前記第1前面が前記第1基板部を向くように配置され、前記第1背面の少なくとも一部が前記1層以上の第2絶縁層の少なくとも1つにより覆われる、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記複数の第1配線層の少なくとも1つは、前記第1キャビティから少なくとも一部が露出し、前記第1電極パッドは、第1半田バンプを介して、前記複数の第1配線層の少なくとも1つの前記露出した少なくとも一部に接続される、請求項10に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記積層方向を基準として前記第1キャビティと前記第2キャビティとの間には、前記複数の第1絶縁層の少なくとも1つが配置される、請求項10に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
前記第1キャビティ及び前記第2キャビティのそれぞれの内側壁面のうち底面に隣接する領域には、第1及び第2凹部がそれぞれ形成される、請求項10に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
複数の接続パッドを有する活性面、及び前記活性面の反対側である不活性面を有し、前記活性面が前記第1基板部を向くように、前記第1基板部における前記第2基板部が配置された側の反対側上に配置された半導体チップと、
第2電極パッドが配置された第2前面、及び前記第2前面の反対側である第2背面を有し、前記第2前面が前記半導体チップを向くように、前記半導体チップの活性面上に配置された第2受動素子とをさらに含み、
前記第2受動素子は、前記第2キャビティに配置され、
前記複数の接続パッドは、第2及び第3半田バンプを介して、前記第2電極パッド及び前記複数の第1配線層のうちの最外側に配置された第1配線層にそれぞれ接続される、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
前記半導体チップは、SoC(System on Chip)を含み、
前記第1受動素子及び前記第2受動素子は、IPD(Integrated Passive Device)を含む、請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
前記第1受動素子及び前記第2受動素子は、前記複数の第1配線層と前記1層以上の第2配線層と前記半導体チップを経由する経路を介して、互いに電気的に接続される、請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項17】
複数の絶縁層及び複数の配線層を含み、積層方向を基準として前記複数の絶縁層の少なくとも一部を貫通する第1キャビティ、及び前記積層方向を基準として前記複数の絶縁層の他の少なくとも一部を貫通する第2キャビティを有する基板部と、
前記第1キャビティに配置され、少なくとも一部が前記複数の絶縁層に埋め込まれる第1受動素子とを含み、
前記第1キャビティ及び前記第2キャビティのそれぞれの内側壁面は、互いに逆方向にテーパを有する、プリント回路基板。
【請求項18】
前記基板部上に配置された半導体チップと、
前記基板部と前記半導体チップとの間に配置された第2受動素子とをさらに含み、
前記第2受動素子は、前記第2キャビティに配置され、
前記第2受動素子は、前記基板部から物理的に離隔している、請求項17に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板、例えばIPD(Integrated Passive Device)などの受動素子が基板に内蔵されたプリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体パッケージ用プリント回路基板には、PI(Power Integrity)特性の確保のために、例えばLSC(Land Side Capacitor)などが基板の表面に実装されており、近年、EPS(Embedded Passive Substrate)構造が盛んに採用されている。
【0003】
ただし、LSCを基板の表面に実装する場合は、半田ボールの数に制約が生じ、基板が厚くなるほど基板に実装される半導体チップとLSCとの間の距離が遠くなることがある。また、EPS構造の場合は、受動素子の厚さとCCLの厚さとを合わせなければならないという困難が生じるおそれがあり、受動素子間の並列接続にも困難が生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の様々な目的の1つは、基板上に実装される半導体チップと受動素子との間の距離を最小限に抑えることのできるプリント回路基板を提供することにある。
【0005】
本発明の様々な目的の他の1つは、複数の受動素子間の並列接続が容易なプリント回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により提案される様々な解決手段の1つは、基板に第1受動素子を内蔵し、かつ基板を構成する複数の絶縁層のうち第1受動素子上に配置された少なくとも一部を貫通する第2キャビティを形成して、第2受動素子が取り付けられた半導体チップが基板に実装される際に第2受動素子が第2キャビティに内蔵されるようにすることである。
【0007】
例えば、一例によるプリント回路基板は、複数の第1絶縁層、及び前記複数の第1絶縁層上又は内にそれぞれ配置された複数の第1配線層を含む第1基板部と、1層以上の第2絶縁層、及び前記1層以上の第2絶縁層上又は内にそれぞれ配置された1層以上の第2配線層を含む第2基板部と、前記第1及び第2基板部内に内蔵された第1受動素子とを含み、前記第2基板部は、前記第1基板部上に配置され、前記第1基板部は、積層方向を基準として前記第1受動素子上の前記複数の第1絶縁層の少なくとも一部を貫通する第2キャビティを有するものであってもよい。
【0008】
本発明により提案される様々な解決手段の他の1つは、基板に積層方向を基準として基板を構成する複数の絶縁層の互いに異なる少なくとも一部をそれぞれ貫通して互いに逆方向にテーパを有する第1及び第2キャビティを形成し、第1キャビティに第1受動素子を配置及び内蔵して、第2受動素子が取り付けられた半導体チップが基板に実装される際に第2受動素子が第2キャビティに内蔵されるようにすることである。
【0009】
例えば、一例によるプリント回路基板は、複数の絶縁層及び複数の配線層を含み、積層方向を基準として前記複数の絶縁層の少なくとも一部を貫通する第1キャビティ、及び前記積層方向を基準として前記複数の絶縁層の他の少なくとも一部を貫通する第2キャビティを有する基板部と、前記第1キャビティに配置され、少なくとも一部が前記複数の絶縁層に埋め込まれる第1受動素子とを含み、前記第1及び第2キャビティのそれぞれの内側壁面は、互いに逆方向にテーパを有するものであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の様々な効果の一効果として、基板上に実装される半導体チップと受動素子との間の距離を最小限に抑えることのできるプリント回路基板を提供することができる。
【0011】
本発明の様々な効果の他の一効果として、複数の受動素子間の並列接続が容易なプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
図3】プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
図4図3のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
図5図3のプリント回路基板及び図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6図3のプリント回路基板及び図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図7図3のプリント回路基板及び図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図8図3のプリント回路基板及び図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図9図3のプリント回路基板及び図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図10図3のプリント回路基板及び図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図11図3のプリント回路基板及び図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図12図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図13】プリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
図14図13のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
図15図13のプリント回路基板及び図14のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図16図13のプリント回路基板及び図14のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図17図13のプリント回路基板及び図14のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図18図13のプリント回路基板及び図14のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図19図13のプリント回路基板及び図14のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図20図13のプリント回路基板及び図14のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図21図13のプリント回路基板及び図14のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図22図14のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明について説明する。図面において、要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張又は縮小することがある。
【0014】
電子機器
図1は電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0015】
図面を参照すると、電子機器1000は、メインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に接続されている。それらは、後述する他の電子部品とも結合されて様々な信号ライン1090を形成する。
【0016】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップや、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップや、アナログ/デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、それらに限定されるものではなく、それら以外にも、その他の異なる形態のチップ関連電子部品が含まれてもよいことは言うまでもない。また、それらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージの形態であってもよい。
【0017】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE802.16ファミリなど)、IEEE802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びその後のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、それらに限定されるものではなく、それら以外にも、その他の異なる複数の無線又は有線標準やプロトコルのうちの任意のものが含まれてもよい。また、ネットワーク関連部品1030をチップ関連部品1020と共に互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0018】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。ただし、それらに限定されるものではなく、それら以外にも、その他の異なる様々な用途のために用いられるチップ部品形態の受動素子などが含まれてもよい。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0019】
電子機器1000の種類によって、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に接続されてもよく接続されなくてもよい他の電子部品を含んでもよい。他の電子部品の例としては、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリ1080などが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、コンパス、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)などであってもよい。それら以外にも、電子機器1000の種類によって様々な用途のために用いられるその他の電子部品などが含まれてもよいことは言うまでもない。
【0020】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニタ(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであってもよい。ただし、それらに限定されるものではなく、それら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0021】
図2は電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0022】
図面を参照すると、電子機器は、例えばスマートフォン1100であってもよい。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、そのようなマザーボード1110には、様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に接続されている。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカ1140のように、マザーボード1110に物理的及び/又は電気的に接続されてもよく接続されなくてもよい他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であってもよく、例えば部品パッケージ1121であってもよいが、それに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面実装配置されたプリント回路基板の形態であってもよい。あるいは、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であってもよい。一方、電子機器は、必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように、他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0023】
プリント回路基板
図3はプリント回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
【0024】
図4図3のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
【0025】
図面を参照すると、一例によるプリント回路基板500Aは、積層方向を基準として互いに異なるレベルに形成された第1及び第2キャビティC1、C2を有する基板部100と、第1キャビティC1に配置されて基板部100に内蔵される第1受動素子210とを含んでもよい。また、その変形例によるプリント回路基板500Bは、基板部100上に配置された半導体チップ310と、基板部100と半導体チップ310との間の第2キャビティC2に配置された第2受動素子220とをさらに含んでもよい。
【0026】
一方、半導体パッケージ用プリント回路基板には、PI(Power Integrity)特性の確保のために、例えばLSC(Land Side Capacitor)などが基板の表面に実装されており、近年、EPS(Embedded Passive Substrate)構造が盛んに採用されている。ただし、LSCを基板の表面に実装する場合は、半田ボールの数に制約が生じ、基板が厚くなるほど基板に実装される半導体チップとLSCとの間の距離が遠くなることがある。また、EPS構造の場合は、受動素子の厚さとCCLの厚さとを合わせなければならないという困難が生じるおそれがあり、受動素子間の並列接続にも困難が生じ得る。
【0027】
それに対して、一例によるプリント回路基板500A及びその変形例によるプリント回路基板500Bは、別のコア層がなく、例えばコアレス構造の基板部100のビルドアップ工程過程で第1キャビティC1を形成した後に第1受動素子210を内蔵してもよく、また、積層方向を基準として第1キャビティC1上に第2キャビティC2をさらに形成してもよい。この場合、変形例によるプリント回路基板500Bのように、基板部100上に半導体チップ310が実装される場合、第2受動素子220は、半導体チップ310の活性面上に取り付けられて第2キャビティC2に配置されてもよい。よって、半導体チップ310と第1受動素子210及び/又は第2受動素子220との間の距離を最小限に抑えることができる。また、第1及び第2受動素子210、220間の並列接続を容易にすることができる。よって、PI(Power Integrity)特性をより改善することができる。
【0028】
一方、第1及び第2キャビティC1、C2は、積層方向を基準としてそれぞれの少なくとも一部が互いに重なるように配置されてもよい。この場合、工程過程において、第1及び第2キャビティC1、C2の形成のためのバリア層を共有することができる。また、第1及び第2キャビティC1、C2に配置される第1及び第2受動素子210、220間の距離をより最小限に抑えることができる。さらに、基板部100の反り制御の観点からより有利である。
【0029】
一方、第1及び第2キャビティC1、C2は、それぞれテーパ状の内側壁面を有してもよく、ここで、第1及び第2キャビティC1、C2のそれぞれの内側壁面は、互いに逆方向にテーパを有してもよい。例えば、後述する工程過程のように、第1キャビティC1はビルドアップ工程過程で形成し、第2キャビティC2はビルドアップ工程の完了後に形成することにより、傾斜面の方向を互いに逆にすることができる。この場合、第1及び第2キャビティC1、C2をより容易に形成することができ、また、第1及び第2キャビティC1、C2に第1及び第2受動素子210、220をより容易に配置することができる。必要に応じて、第2キャビティC2の内側壁面のうち底面に隣接する領域には、凹部Hが形成されてもよい。凹部Hは、後述する工程のように、バリア層が除去されて形成されたものであってもよい。ただし、それに限定されるものではなく、凹部Hは、バリア層の配置形態や材料などによって省略することもできる。
【0030】
一方、第1受動素子210は、第1電極パッド211が配置された第1前面、及び第1前面の反対側である第1背面を有し、第2受動素子220は、第2電極パッド221が配置された第2前面、及び第2前面の反対側である第2背面を有してもよい。例えば、第1及び第2受動素子210、220は、IPD(Integrated Passive Device)を含んでもよい。よって、PI(Power Integrity)特性をより効果的に確保することができる。また、第1及び第2キャビティC1、C2のそれぞれに第1及び第2受動素子210、220をより最適化された形態で配置することができる。半導体チップ310は、そのIPD(Integrated Passive Device)に電気的に接続されるSoC(System on Chip)を含んでもよいが、それに限定されるものではない。
【0031】
一方、第1受動素子210は、第1前面が基板部110、より具体的には第2基板部120を向くように配置されてもよく、また、第1背面の少なくとも一部が第2キャビティC2により露出してもよい。例えば、積層方向を基準として第1及び第2キャビティC1、C2間には、基板部110を構成する絶縁層111、121が配置されなくてもよい。また、第1及び第2受動素子210、220は、第1及び第2背面が対向するように配置されてもよい。例えば、第1受動素子210の第1電極パッド211は、第2基板部120に形成されたビアVを介して、第2基板部120に形成された第2配線層122の少なくとも1つに接続されてもよい。そのような構造により、第1及び第2受動素子210、220間の第1及び第2電気的接続経路P1、P2をより最小限に抑えることができる。一方、第1及び第2電気的接続経路P1、P2は、基板部110内の配線層112、122と半導体チップ310を経由してもよく、それにより、第1及び第2受動素子210、220を並列に接続することができる。一方、第1及び第2電気的接続経路P1、P2は、それぞれグランド経路及びパワー経路であってもよいが、それに限定されるものではない。
【0032】
以下、図面を参照して、一例によるプリント回路基板500A及びその変形例によるプリント回路基板500Bの構成要素についてより詳細に説明する。
【0033】
基板部100は、第1及び第2キャビティC1、C2を有する第1基板部110と、第1基板部110上に配置された第2基板部120とを含んでもよい。第1及び第2基板部110、120は、それぞれコア層のないコアレス基板構造を有してもよい。
【0034】
第1基板部110は、複数の第1絶縁層111と、複数の第1絶縁層111上又は内にそれぞれ配置された複数の第1配線層112と、複数の第1絶縁層111をそれぞれ貫通して複数の第1配線層112間の電気的接続経路を提供する複数の第1ビア層113とを含んでもよく、また、積層方向を基準として複数の第1絶縁層111の少なくとも一部を貫通する第1キャビティC1と、積層方向を基準として複数の第1絶縁層111の他の少なくとも一部を貫通する第2キャビティC2とを有してもよい。第1基板部110は、ETS(Embedded Trace Substrate)の形態であってもよい。
【0035】
第1絶縁層111は、絶縁物質を含んでもよく、絶縁物質としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂やポリイミドのような熱可塑性樹脂などの絶縁樹脂、又はそれらの樹脂がシリカなどの無機フィラーと混合された材料、もしくは無機フィラーと共にガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えばABF(Ajinomoto Build-up Film)、プリプレグ(Prepreg)などが用いられてもよいが、それらに限定されるものではない。複数の第1絶縁層111は、同じタイプの材料を含んでもよいが、それに限定されるものではない。
【0036】
第1配線層112は、金属物質を含んでもよく、金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はそれらの合金などが用いられてもよいが、それらに限定されるものではない。第1配線層112は、無電解めっき層及び電解めっき層を含んでもよく、必要に応じて、銅箔をさらに含んでもよい。第1配線層112は、当該層の設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含んでもよい。ここで、信号パターンは、グランドパターン、パワーパターンなどを除く各種信号、例えばデータ信号などを含んでもよい。それらのパターンは、それぞれトレース(Trace)、プレーン(Plane)及び/又はパッド(Pad)を含んでもよい。複数の第1配線層112のうちの最上側の第1配線層112は、複数の第1絶縁層111のうちの最上側の第1絶縁層111に上面が露出するように埋め込まれてもよい。
【0037】
第1ビア層113は、金属物質を含んでもよく、金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はそれらの合金などが用いられてもよいが、それらに限定されるものではない。第1ビア層113は、第1配線層112と共に形成されてもよく、また、無電解めっき層及び電解めっき層を含んでもよい。第1ビア層113は、ビアホールに金属物質が充填されたフィルドタイプのビアを含んでもよいが、それに限定されるものではなく、ビアホールの壁面に沿って金属物質が配置されたコンフォーマルタイプのビアを含んでもよい。第1ビア層113は、断面上において上面の幅が下面の幅より狭いテーパ形状を有してもよい。第1ビア層113は、当該層の設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含んでもよい。ここで、信号ビアは、グランドビア、パワービアなどを除く各種信号、例えばデータ信号などを伝達するためのビアを含んでもよい。必要に応じて、いずれかの第1ビア層113のビアの少なくとも1つは、複数の第1絶縁層111を貫通してもよい。
【0038】
第2基板部120は、1層以上の第2絶縁層121と、1層以上の第2絶縁層121上又は内にそれぞれ配置された1層以上の第2配線層122と、1層以上の第2絶縁層121をそれぞれ貫通して1層以上の第2配線層122間の電気的接続経路及び/又は複数の第1配線層112と1層以上の第2配線層122間の電気的接続経路及び/又は第1電極パッド211と1層以上の第2配線層122間の電気的接続経路を提供する1層以上の第2ビア層123とを含んでもよい。第2基板部120は、ビルドアップ基板の形態であってもよい。
【0039】
第2絶縁層121は、絶縁物質を含んでもよく、絶縁物質としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂やポリイミドのような熱可塑性樹脂などの絶縁樹脂、又はそれらの樹脂がシリカなどの無機フィラーと混合された材料、もしくは無機フィラーと共にガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えばABF(Ajinomoto Build-up Film)、プリプレグ(Prepreg)などが用いられてもよいが、それらに限定されるものではない。1層以上の第2絶縁層121は、同じタイプの材料を含んでもよいが、それに限定されるものではない。1層以上の第2絶縁層121の少なくとも1つは、第1受動素子210の少なくとも一部を覆い、第1キャビティC1の少なくとも一部を充填してもよい。
【0040】
第2配線層122は、金属物質を含んでもよく、金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はそれらの合金などが用いられてもよいが、それらに限定されるものではない。第2配線層122は、無電解めっき層及び電解めっき層を含んでもよく、必要に応じて、銅箔をさらに含んでもよい。第2配線層122は、当該層の設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含んでもよい。ここで、信号パターンは、グランドパターン、パワーパターンなどを除く各種信号、例えばデータ信号などを含んでもよい。それらのパターンは、それぞれトレース(Trace)、プレーン(Plane)及び/又はパッド(Pad)を含んでもよい。
【0041】
第2ビア層123は、金属物質を含んでもよく、金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はそれらの合金などが用いられてもよいが、それらに限定されるものではない。第2ビア層123は、第2配線層122と共に形成されてもよく、また、無電解めっき層及び電解めっき層を含んでもよい。第2ビア層123は、ビアホールに金属物質が充填されたフィルドタイプのビアを含んでもよいが、それに限定されるものではなく、ビアホールの壁面に沿って金属物質が配置されたコンフォーマルタイプのビアを含んでもよい。第2ビア層123は、断面上において上面の幅が下面の幅より狭いテーパ形状を有してもよい。第2ビア層123は、当該層の設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含んでもよい。ここで、信号ビアは、グランドビア、パワービアなどを除く各種信号、例えばデータ信号などを伝達するためのビアを含んでもよい。必要に応じて、いずれかの第2ビア層123のビアの少なくとも1つは、1層以上の第2絶縁層121を貫通してもよい。
【0042】
第1及び第2受動素子210、220は、インダクタ、コンデンサなどのチップタイプの部品であってもよく、IPD(Integrated Passive Device)であることが好ましいが、それに限定されるものではない。第1及び第2受動素子210、220は、第1及び第2電極パッド211、221を有してもよい。第1及び第2電極パッド211、221は、金属物質を含んでもよく、金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はそれらの合金などが用いられてもよいが、それらに限定されるものではない。第1及び第2電極パッド211、221は、突出パッドであってもよいが、それに限定されるものではなく、図面に示すものとは異なり、埋め込みパッドであってもよい。
【0043】
半導体チップ310は、数百~数百万個以上の素子が1つのチップ内に集積化された集積回路(IC:Integrated Circuit)形態のダイ(Die)を含んでもよい。ここで、集積回路は、例えば、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、アプリケーションプロセッサ(例えば、AP)、アナログ/デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップであってもよいが、それらに限定されるものではない。半導体チップ310は、SoC(System on Chip)であることが好ましいが、それに限定されるものではない。
【0044】
半導体チップ310は、アクティブウエハに基づいて形成されたものであってもよく、その場合、それぞれの本体となる母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが用いられてもよい。本体には、様々な回路が形成されていてもよい。本体は、接続パッド311が配置された活性面、及びその反対側である不活性面を有してもよい。接続パッド311は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)などの導電性物質を含んでもよい。接続パッド311は、突出パッドであってもよいが、それに限定されるものではなく、図面に示すものとは異なり、埋め込みパッドであってもよい。半導体チップ310は、ベアダイ(bare die)であってもよく、必要に応じて、接続パッド311上に金属バンプがさらに配置されてもよい。半導体チップ310は、パッケージダイ(packaged die)であってもよく、その場合、接続パッド311上に再配線層がさらに形成され、再配線層上に金属バンプが配置されてもよい。
【0045】
半導体チップ310は、活性面が第1基板部110を向くように、第1基板部110における第2基板部120が配置された側の反対側上に配置されてもよい。半導体チップ310の活性面には、第2半田バンプ412を介して、第2受動素子220が取り付けられてもよい。例えば、半導体チップ310の接続パッド311の一部は、第2半田バンプ412を介して、第2受動素子220の第2電極パッド221に接続されてもよい。半導体チップ310は、第3半田バンプ413を介して、第1基板部110に実装されてもよい。例えば、半導体チップ310の接続パッド311の他の一部は、第3半田バンプ413を介して、第1基板部110の複数の第1配線層112のうちの最上側の第1配線層112に接続されてもよい。第2及び第3半田バンプ412、413は、低融点金属、例えば錫(Sn)-アルミニウム(Al)-銅(Cu)などからなってもよく、また、ボールタイプであってもよいが、それに限定されるものではない。
【0046】
図5図12図3のプリント回路基板及び/又は図4のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0047】
図5を参照すると、ETS(Embedded Trace Substrate)形成工法でキャリア基板710上に第1基板部110を形成する。このとき、複数の第1絶縁層111の少なくとも1つ上又は内にバリア層Bを形成する。バリア層Bは、金属物質を含んでもよく、また、ビルドアップ工程過程で当該層の第1配線層112を形成する際にめっき工程で共に形成してもよい。バリア層Bは、第1配線層112と同じ金属物質を含んでもよいが、それに限定されるものではなく、エッチング率が異なる他の金属物質を含んでもよい。あるいは、バリア層Bは、絶縁物質を含んでもよく、また、ビルドアップ工程過程でドライフィルムなどを用いて形成してもよい。
【0048】
図6を参照すると、バリア層Bをストッパとして用いて第1基板部110に第1キャビティC1を形成する。第1キャビティC1は、積層方向を基準として複数の第1絶縁層111の少なくとも一部を貫通してもよい。第1キャビティC1は、ブラスト工法で形成してもよいが、それに限定されるものではなく、レーザ工法などで形成してもよい。
【0049】
図7を参照すると、バリア層B上の第1キャビティC1に第1受動素子210を配置する。第1受動素子210は、第1背面がバリア層Bに取り付けられるように、第1キャビティC1に配置されてもよい。必要に応じて、DAF(Die Attach Film)などの接着剤を用いて取り付けてもよく、その場合、接着剤の少なくとも一部がビルドアップ工程の後に基板部100内に残っていることがあるが、それに限定されるものではない。
【0050】
図8を参照すると、ビルドアップ工程で第1基板部110上に第2基板部120を形成する。それにより、基板部100が形成される。ここで、第1受動素子210は、第2基板部120に少なくとも一部が埋め込まれてもよく、また、ビアVを介して、第1及び第2基板部110、120内の配線層112、122に電気的に接続されてもよい。例えば、第1受動素子210は、埋め込み技術で第1キャビティC1に配置されてもよい。
【0051】
図9を参照すると、キャリア基板710を除去する。例えば、キャリア基板710から基板部100を分離してもよい。例えば、キャリア基板710の複数の金属層を分離してもよく、また、分離後に基板部100に残っているキャリア基板710の金属層はエッチング工程で除去してもよい。一方、そのようなエッチング工程過程において、複数の第1配線層112のうちの最外側の第1配線層112は、複数の第1絶縁層111のうちの最外側の第1絶縁層111とリセス段差を有してもよい。
【0052】
図10を参照すると、バリア層Bをストッパとして用いて第1基板部110に第2キャビティC2を形成する。第2キャビティC2は、積層方向を基準として複数の第1絶縁層111のうち第1キャビティC1が貫通した一部以外の他の少なくとも一部を貫通してもよい。第2キャビティC2は、ブラスト工法で形成してもよいが、それに限定されるものではなく、レーザ工法などで形成してもよい。一方、第2キャビティC2は、第1キャビティC1の形成とは逆に、基板部100を上下反転させてから形成してもよい。例えば、第1及び第2キャビティC1、C2は、互いに逆方向に加工されてもよい。よって、第1及び第2キャビティC1、C2は、互いに逆方向の傾斜面を有し得る。
【0053】
図11を参照すると、バリア層Bを除去する。バリア層Bが金属物質を含む場合、エッチング工程で除去してもよい。バリア層Bが絶縁物質を含む場合、剥離工程で除去してもよい。剥離工程には剥離液が用いられてもよい。一連の過程により、上述した一例によるプリント回路基板500Aを製造することができる。
【0054】
図12を参照すると、第2半田バンプ412を用いて半導体チップ310の活性面に第2受動素子220を取り付け、その後、第2受動素子220が基板部100の第2キャビティC2に配置されるように、第3半田バンプ413を用いて基板部100に半導体チップ310を実装する。一連の過程により、上述した変形例によるプリント回路基板500Bを製造することができる。
【0055】
その他の内容は、上述した一例によるプリント回路基板500A及びその変形例によるプリント回路基板500Bにおける説明と実質的に同様であり、よって、その重複する説明は省略する。
【0056】
図13はプリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【0057】
図14図13のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
【0058】
図面を参照すると、他の一例によるプリント回路基板500Cは、積層方向を基準として互いに異なるレベルに形成された第1及び第2キャビティC1、C2を有する基板部100と、第1キャビティC1に配置されて基板部100に内蔵される第1受動素子210とを含んでもよい。また、その変形例によるプリント回路基板500Dは、基板部100上に配置された半導体チップ310と、基板部100と半導体チップ310との間の第2キャビティC2に配置された第2受動素子220とをさらに含んでもよい。
【0059】
他の一例によるプリント回路基板500C及びその変形例によるプリント回路基板500Dも、別のコア層がなく、例えばコアレス構造の基板部100のビルドアップ工程過程で第1キャビティC1を形成した後に第1受動素子210を内蔵してもよく、また、積層方向を基準として第1キャビティC1上に第2キャビティC2をさらに形成してもよい。この場合、変形例によるプリント回路基板500Dのように、基板部100上に半導体チップ310が実装される場合、第2受動素子220は、半導体チップ310の活性面上に取り付けられて第2キャビティC2に配置されてもよい。よって、半導体チップ310と第1受動素子210及び/又は第2受動素子220との間の距離を最小限に抑えることができる。また、第1及び第2受動素子210、220間の並列接続を容易にすることができる。よって、PI(Power Integrity)特性をより改善することができる。
【0060】
一方、第1及び第2キャビティC1、C2の内側壁面のうち底面に隣接する領域には、必要に応じて、第1及び第2凹部H1、H2がそれぞれ形成されてもよい。第1及び第2凹部H1、H2は、後述する工程のように、バリア層が除去されて形成されたものであってもよい。ただし、それに限定されるものではなく、第1及び第2凹部H1、H2は、バリア層の配置形態や材料などによって省略することもできる。
【0061】
一方、第1受動素子210は、第1前面が第1基板部110を向くように配置されてもよく、また、第1背面の少なくとも一部が第2基板部120の1層以上の第2絶縁層121の少なくとも1つにより覆われてもよい。例えば、第1及び第2受動素子210、220は、第1前面及び第2背面が対向するように配置されてもよい。また、第1基板部110の複数の第1配線層112の少なくとも1つは、第1キャビティC1から少なくとも一部が露出してもよく、第1受動素子210の第1電極パッド211は、第1半田バンプ411を介して、複数の第1配線層112の少なくとも1つの露出した少なくとも一部に接続されてもよい。露出した第1配線層112の少なくとも一部は、埋め込みパターンであってもよいが、それに限定されるものではなく、突出パターンであってもよい。また、積層方向を基準として第1及び第2キャビティC1、C2間には、第1基板部110の複数の第1絶縁層111の少なくとも1つが配置されてもよい。そのような配置により、第1受動素子210の信頼性がより優れたものとなり得る。一方、第1半田バンプ411は、低融点金属、例えば錫(Sn)-アルミニウム(Al)-銅(Cu)などからなってもよく、また、ボールタイプであってもよいが、それに限定されるものではない。
【0062】
その他の内容は、上述した一例によるプリント回路基板500A及びその変形例によるプリント回路基板500Bにおける説明と実質的に同様であり、よって、その重複する説明は省略する。
【0063】
図15図22図13のプリント回路基板及び/又は図14のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0064】
図15を参照すると、ETS(Embedded Trace Substrate)形成工法でキャリア基板710上に第1基板部110を形成する。このとき、複数の第1絶縁層111のいずれか及び他のいずれか上又は内に第1及び第2バリア層B1、B2をそれぞれ形成する。第1及び第2バリア層B1、B2は、金属物質を含んでもよく、また、ビルドアップ工程過程で当該層の第1配線層112を形成する際にめっき工程で共に形成してもよい。第1及び第2バリア層B1、B2は、第1配線層112と同じ金属物質を含んでもよいが、それに限定されるものではなく、エッチング率が異なる他の金属物質を含んでもよい。あるいは、第1及び第2バリア層B1、B2は、絶縁物質を含んでもよく、また、ビルドアップ工程過程でドライフィルムなどを用いて形成してもよい。
【0065】
図16を参照すると、第1バリア層B1をストッパとして用いて第1基板部110に第1キャビティC1を形成する。第1キャビティC1は、積層方向を基準として複数の第1絶縁層111の少なくとも一部を貫通してもよい。第1キャビティC1は、ブラスト工法で形成してもよいが、レーザ工法などで形成してもよい。
【0066】
図17を参照すると、第1バリア層B1を除去する。第1バリア層B1が金属物質を含む場合、エッチング工程で除去してもよい。第1バリア層B1が絶縁物質を含む場合、剥離工程で除去してもよい。剥離工程には剥離液が用いられてもよい。次に、第1キャビティC1に第1受動素子210を配置する。第1受動素子210は、第1前面が第1基板部110を向くように、フェイスダウン状に配置されてもよい。第1受動素子210は、第1半田バンプ411を介して、第1キャビティC1から露出した第1基板部110の複数の第1配線層112の少なくとも1つの少なくとも一部に接続されてもよい。例えば、第1受動素子210は、SMT(Surface Mounter Technology)で第1基板部110の第1キャビティC1に配置されてもよい。
【0067】
図18を参照すると、ビルドアップ工程で第1基板部110上に第2基板部120を形成する。それにより、基板部100が形成される。ここで、第1受動素子210は、第2基板部120に少なくとも一部が埋め込まれてもよい。例えば、第2基板部120の1層以上の第2絶縁層121の少なくとも1つは、第1受動素子210の少なくとも一部が埋め込まれ、第1キャビティC1の少なくとも一部を充填してもよい。
【0068】
図19を参照すると、キャリア基板710を除去する。例えば、キャリア基板710から基板部100を分離してもよい。例えば、キャリア基板710の複数の金属層を分離してもよく、また、分離後に基板部100に残っているキャリア基板710の金属層はエッチング工程で除去してもよい。一方、そのようなエッチング工程過程において、複数の第1配線層112のうちの最外側の第1配線層112は、複数の第1絶縁層111のうちの最外側の第1絶縁層111とリセス段差を有してもよい。
【0069】
図20を参照すると、第2バリア層B2をストッパとして用いて第1基板部110に第2キャビティC2を形成する。第2キャビティC2は、積層方向を基準として複数の第1絶縁層111のうち第1キャビティC1が貫通した一部以外の他の少なくとも一部を貫通してもよい。第2キャビティC2は、ブラスト工法で形成してもよいが、それに限定されるものではなく、レーザ工法などで形成してもよい。一方、第2キャビティC2は、第1キャビティC1の形成とは逆に、基板部100を上下反転させてから形成してもよい。例えば、第1及び第2キャビティC1、C2は、互いに逆方向に加工されてもよい。よって、第1及び第2キャビティC1、C2は、互いに逆方向の傾斜面を有し得る。
【0070】
図21を参照すると、第2バリア層B2を除去する。第2バリア層B2が金属物質を含む場合、エッチング工程で除去してもよい。第2バリア層B2が絶縁物質を含む場合、剥離工程で除去してもよい。剥離工程には剥離液が用いられてもよい。一連の過程により、上述した他の一例によるプリント回路基板500Cを製造することができる。
【0071】
図22を参照すると、第2半田バンプ412を用いて半導体チップ310の活性面に第2受動素子220を取り付け、その後、第2受動素子220が基板部100の第2キャビティC2に配置されるように、第3半田バンプ413を用いて基板部100に半導体チップ310を実装する。一連の過程により、上述した変形例によるプリント回路基板500Dを製造することができる。
【0072】
その他の内容は、上述した一例によるプリント回路基板500A及びその変形例によるプリント回路基板500Bと他の一例によるプリント回路基板500C及びその変形例によるプリント回路基板500Dにおける説明と実質的に同様であり、よって、その重複する説明は省略する。
【0073】
本発明において、「接続される」とは、直接接続されることだけでなく、間接的に接続されることを含む概念である。また、「第1」、「第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために用いられるものであり、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定するものではない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲で、第1構成要素を第2構成要素と命名してもよく、同様に、第2構成要素を第1構成要素と命名してもよい。
【0074】
本発明において用いられた「一例」という表現は、同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と組み合わせられて実現されることを排除するものではない。例えば、特定の一例に説明されている事項が他の一例に説明されていないとしても、他の一例にその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の一例に関する説明と理解され得る。
【0075】
本発明において用いられた用語は、単に一例を説明するために用いられたものであり、本発明を限定する意図ではない。ここで、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味でない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0076】
1000 電子機器
1010 メインボード
1020 チップ関連部品
1030 ネットワーク関連部品
1040 その他の部品
1050 カメラモジュール
1060 アンテナモジュール
1070 ディスプレイ
1080 バッテリ
1090 信号ライン
1100 スマートフォン
1110 マザーボード
1120 部品
1121 部品パッケージ
1130 カメラモジュール
1140 スピーカ
500A、500B、500C、500D プリント回路基板
110、120 基板部
111、121 絶縁層
112、122 配線層
113、123 ビア層
210、220 受動素子
211、221 電極パッド
310 半導体チップ
311 接続パッド
411、412、413 半田バンプ
710 キャリア基板
C1、C2 キャビティ
H、H1、H2 凹部
B、B1、B2 バリア層
V ビア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
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図22