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特開2024-75569超ハイスループット付加製造のためのシステム、方法、及び材料
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075569
(43)【公開日】2024-06-04
(54)【発明の名称】超ハイスループット付加製造のためのシステム、方法、及び材料
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/129 20170101AFI20240528BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20240528BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240528BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240528BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20240528BHJP
【FI】
B29C64/129
B29C64/393
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024026300
(22)【出願日】2024-02-26
(62)【分割の表示】P 2021543337の分割
【原出願日】2020-01-24
(31)【優先権主張番号】62/796,545
(32)【優先日】2019-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】520375804
【氏名又は名称】ボイト、ウォルター
(71)【出願人】
【識別番号】521325880
【氏名又は名称】ルンド、ベンジャミン、アール.
(71)【出願人】
【識別番号】520375778
【氏名又は名称】ルンド、カレブ
(71)【出願人】
【識別番号】521325891
【氏名又は名称】カイ、スティーブン
(71)【出願人】
【識別番号】521325905
【氏名又は名称】パーカー、エリック
(71)【出願人】
【識別番号】520375745
【氏名又は名称】サモラーノ、ダニエル
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボイト、ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】ルンド、ベンジャミン、アール.
(72)【発明者】
【氏名】ルンド、カレブ
(72)【発明者】
【氏名】カイ、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】パーカー、エリック
(72)【発明者】
【氏名】サモラーノ、ダニエル
(57)【要約】
【課題】超ハイスループット付加製造のためのシステム、方法、及び材料を提供すること。
【解決手段】流体媒体から三次元オブジェクトを生成するためのシステムは、画像処理ユニットを含む。流体媒体は、所定の光刺激にさらされたときに固化するように構成される。各画像処理ユニットは、光を発するように構成された少なくとも1つの発光源と、発光源によって発せられた光を反射するように構成された少なくとも1つの鏡システムとを含む。鏡システムは、発せられた光の方向を調整するための操作システムと、操作システムを制御するための制御システムと、発せられた光を操作し、発せられた光を流体媒体の表面のエリア上に投影して表面上に画像を形成するように構成された少なくとも1つの光学要素とを含む。画像処理ユニットは、対応する画像を表面上に形成するように構成され、表面に対して少なくとも横方向に可動であるように構成される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の光刺激にさらされたときに固化するように構成された流体媒体から三次元オブジェクトを生成するためのシステムであって、複数の画像処理ユニットを備え、前記複数の画像処理ユニットのそれぞれは、
光を発するように構成された少なくとも1つの発光源と、
前記少なくとも1つの発光源によって発せられた光を反射するための少なくとも1つの鏡システムであって、前記発せられた光の方向を調整するための操作システムと、前記操作システムを制御するための制御システムとを備える、少なくとも1つの鏡システムと、
前記発せられた光を操作し、前記発せられた光を前記流体媒体の表面のエリア上に投影して前記表面上に画像を形成するように構成された少なくとも1つの光学要素とを備え、
前記複数の画像処理ユニットが、対応する複数の画像を前記表面上に形成するように構成され、
前記複数の画像処理ユニットが、前記表面に対して少なくとも横方向に可動であるように構成される、システム。
【請求項2】
前記複数の画像のそれぞれが、前記複数の画像の少なくとも1つの他のものと重複する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムが、前記流体媒体の前記表面上の少なくとも1つの領域が、少なくとも2つの画像処理ユニットから発せられた光を受容するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの光学要素が、レンズ、回折格子、プリズム、選択された形状のアパーチャ、屈折率分布型レンズ、鏡、放物線反射型、全内部反射レンズ、可動レンズ、形状変形レンズ、流体を含む光学要素、波長フィルタ、及び波長選択的アブソーバの1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記選択された形状が、実質的に矩形又は実質的に円形の形状を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
ビルド・テーブルであって、
三次元オブジェクトを支持し、
前記流体媒体が前記三次元オブジェクトの上部分上に延びることができるように移動するように構成される、ビルド・テーブルをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記三次元オブジェクトの前記上部分上に形成されたフィルムを平滑化し、前記フィルムの厚さを調整するように構成されたリコータをさらに備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の画像処理ユニットのそれぞれ内に含まれる前記少なくとも1つの発光源が、250~480nmの範囲の波長で光を発するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の画像処理ユニットのそれぞれが、複数の発光源を備え、前記複数の発光源の少なくとも1つは、第1の波長で光を発するように構成され、前記複数の発光源の少なくとも別のものが、前記第1の波長とは異なる第2の波長で光を発するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の画像処理ユニットのそれぞれ内に含まれる前記少なくとも1つの光学要素が、前記第1の波長で発せられた光を操作するように構成された第1の光学要素と、前記第2の波長で発せられた光を操作するように構成された第2の光学要素とを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数の画像処理ユニットのそれぞれ内に含まれる前記少なくとも1つの発光源が、第1の波長で光パルス、その後前記第1の波長とは異なる第2の波長で別の光パルスを発するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数の画像の少なくとも1つに関連する形状が、前記複数の画像の少なくとも別のものに関連する形状とは異なる、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの鏡システムが、前記発光源の1つ又は複数から発せられた前記光の強度を経時的に変化させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの鏡システムが、前記発光源の1つ又は複数から発せられた前記光の強度を前記流体媒体の前記表面に対して空間的に変化させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の画像処理ユニットが、走査テーブルに対して格子パターンで配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の画像のそれぞれが、少なくとも1つの画像境界部を含み、前記少なくとも1つの画像境界部は、閾値発光強度レベルによって規定され、前記少なくとも1つの境界部の第1の側部の強度レベルが、前記少なくとも1つの境界部の前記第1の側部の反対側の前記少なくとも1つの境界部の第2の側部の強度レベルより低い、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の側部の前記強度レベルが、前記複数の画像の中から1つの画像を形成するために使用される前記発せられた光の最大強度の10パーセント未満である、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記画像が、1つだけの画像境界部によって画定される、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数の画像処理ユニットが、少なくとも予め決定された横方向距離ステップだけ前記表面に対して横方向に可動であるように構成され、前記複数の画像の平均サイズに対する前記横方向距離ステップの比は、無理数である、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数の画像処理ユニットが、少なくとも予め決定された横方向距離ステップだけ前記表面に対して横方向に可動であるように構成され、前記複数の画像の平均サイズに対する前記横方向距離ステップの比は、予め決定された値である、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記複数の画像からの画像のサイズが、内側領域の面積の平方根、前記画像境界部の長さ、又は画像の最大寸法の少なくとも1つによって規定される、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
第1の画像が、第2の画像に実質的に平行に投影され、前記第1の画像及び前記第2の画像が、前記複数の画像から選択される、請求項15に記載のシステム。
【請求項23】
第1の画像が、第2の画像に対して角度を付けて投影され、前記角度は、数度から数十度の範囲であり、前記第1の画像及び前記第2の画像が、前記複数の画像から選択される、請求項15に記載のシステム。
【請求項24】
コンピュータ・システムであって、
三次元オブジェクトを形成するためにパターンに従って前記流体媒体の前記表面の領域を照射し、
前記流体媒体の固化を引き起こすのに十分なエネルギーの量を、前記発せられた光を介して前記領域に送出するように構成される、コンピュータ・システムをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記コンピュータ・システムが、
正方形領域に対応する四分木ノードを有する四分木を使用して前記領域を仕切り、
各正方形領域に対して、前記複数の画像から、前記正方形領域のエリアのサイズに類似するエリアサイズを有する画像を投影するように構成される、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記複数の画像からの各画像が、実質的に矩形形状を有する、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記コンピュータ・システムが、
前記複数の画像から選択された少なくとも1つの画像を、前記少なくとも1つの画像の側部を前記領域の境界部と位置合わせするように配向するように構成される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記複数の画像処理ユニットが、横方向走査テーブル・サイズを有する移動する走査テーブル上に装着され、前記走査テーブルの動きのスピード及び前記複数の画像処理ユニットによって発せられる前記光の強度が選択され、それにより、選択された領域は、前記領域上の前記走査テーブルの単一パス中、前記流体媒体の固化を引き起こすために必要とされるエネルギー量に取って代わる量を前記発せられた光を介して受容する、請求項24に記載のシステム。
【請求項29】
前記流体媒体が、光にさらされたときに固化するように構成された2つ以上の成分を含む、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によって本明細書に全体的に組み込まれている、2019年1月24日出願の米国仮出願第62/796,545号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、超ハイスループット付加製造のためのシステム、方法、及び材料に関する。
【背景技術】
【0003】
レーザベースのステレオリソグラフィ(SLA)及びデジタル光処理(DLP)3D印刷プロセスが、過去20年にわたり付加製造の選択方法となっている。SLA及びDLPのいずれのプリンタも、光反応性液体樹脂を、光源にこの樹脂を選択的に暴露することによって層ごとに固体部分に変換する。2つのプロセスは、樹脂がどのように光に暴露されるかという点で異なる。SLAは、レーザ・ビームを使用して各層を描く。他方で、DLPプリンタは、デジタル投影スクリーンを使用して各層の平坦画像に同時に光をあてる。各層の画像は、正方形画素で構成され、その結果、ボクセルと呼ばれる小さい矩形れんが状のものから形成された層が得られる。これらの既存の3D印刷技術は、試作用途ではうまく使用されている。しかし、さまざまな制限事項が、大量製造用途に対するその使用を妨げている。
【0004】
SLA印刷は、構築量が増加しても良好な解像度及び表面仕上げを維持する。しかし、構築量が大きくなるにつれ、各層を描き出さなければないために製造時間は法外に長くなってくる。製造スピードをあげるために、SLA樹脂はその印刷スピードを最適化するように調整されているが、これにより、望ましくない材料特性が生じている。SLA印刷材料は、脆弱で脆いことが多い。したがって、印刷時間が遅くなり、材料特性が良好でないことにより、SLAシステムは、生産部分ではなく試作品の印刷にしか使用されていない。
【0005】
DLP印刷は、樹脂の層全体を投影された光に暴露できるためにより高速の印刷時間を達成することができるが、印刷サイズ、解像度、及び表面仕上げには妥協点がある。DLPを使用してより大きいサイズの部分を印刷するには、プロジェクタからの画像サイズを増大させる必要があり、これは、拡大光学系を使用して達成され得る。しかし、現在利用可能なDLP印刷システムは通常、固定された数の画素を有するシングルチップ・プロジェクタを利用しているため、画像サイズが増大すると画素サイズが増大し、印刷物の解像度はより粗くなる。したがって、DLPシステムは通常、27.94cm(11インチ)×17.78cm(7インチ)未満の有効製造面積に限られている。従来のDLPシステムをこれより大きい製造面積に使用すると、約200マイクロメートル(μm)のフィーチャ・サイズが結果として生じる。チップ技術における改善により、投影された画像内の画素数は増大しているが、その改善は製造ニーズを満たすには不十分である。複数の画像を一緒にスティッチングすることによって製造面積を増大させる代替の努力もなされてきているが、DLPチップがどのように製造されるかの性質及び関与する公差により、画像のスティッチングは事実上不可能となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示する実施例と一貫して、所定の光刺激にさらされたときに固化するように構成された流体媒体から三次元オブジェクトを生成するためのシステムが、提供される。システムは、複数の画像処理ユニットを含むことができる。各画像処理ユニットは、光を発するように構成された少なくとも1つの発光源と、少なくとも1つの発光源によって発せられた光を反射するための少なくとも1つの鏡システムであって、発せられた光の方向を調整するための操作システムと、操作システムを制御するための制御システムとを備える、少なくとも1つの鏡システムと、発せられた光を操作し、発せられた光を流体媒体の表面のエリア上に投影して表面上に画像を形成するように構成された少なくとも1つの光学要素とを含むことができる。画像処理ユニットは、対応する複数の画像を表面上に形成するように構成することができ、表面に対して少なくとも横方向に可動であるように構成することができる。
【0007】
前述の概要説明及び以下の詳細な説明は、例示的及び説明的にすぎず、特許請求の範囲を制限するものではない。
【0008】
添付の図は、必ずしも原寸通りではなく、又は網羅的ではない。そうではなく、本明細書に説明する実施例の原理を示すことに、全体的に重きが置かれる。本明細書に組み込まれ、その一部を構成するこれらの図面は、本開示と一貫するいくつかの実施例を示し、詳細な説明と一緒になって、本開示の原理を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】開示する実施例と一貫する、三次元印刷のための走査及び投影システムの実例の図である。
図1B】開示する実施例と一貫する、三次元印刷のための走査及び投影システムの他の実例を示す図である。
図1C】開示する実施例と一貫する、三次元印刷のための走査及び投影システムの他の実例を示す図である。
図1D】開示する実施例と一貫する、例示的な走査テーブルを示す図である。
図1E】開示する実施例と一貫する、走査テーブルの別の実例を提供する図である。
図1F】開示する実施例と一貫する、画像処理ユニットの実例を示す図である。
図1G】開示する実施例と一貫する、領域を放射に暴露するための使用することができる光学要素及び光源を示す図である。
図1H】開示する実施例と一貫する、画像処理ユニットによって投影された画像の例示的な強度分布を示す図である。
図1I】開示する実施例と一貫する、画像処理ユニットによって投影された画像の例示的な強度分布を示す図である。
図1J】開示する実施例と一貫する、画像処理ユニットによって投影された画像形状の実例を示す図である。
図1K】開示する実施例と一貫する、鏡システムの実例を示す図である。
図2A】開示する実施例と一貫する、走査テーブル上に装着された複数の画像処理ユニットを示す図である。
図2B】開示する実施例と一貫する、複数の画像処理ユニット及び結果として生じる投影された画像を示す図である。
図2C】開示する実施例と一貫する、画像処理ユニットが移動しているときの投影された画像の重複の実例を示す図である。
図3A】開示する実施例と一貫する、照射を必要とするエリア上の例示的な画像を示す図である。
図3B】開示する実施例と一貫する、三次元オブジェクトに対する横断平面の場所を示す図である。
図3C】開示する実施例と一貫する、暗い領域がより多くの線量によって特徴付けられた、設計エリア上の光度エネルギー線量分布の実例を示す図である。
図4】開示する実施例と一貫する、照射を受容するための例示的なドメイン及びドメインの境界部に近接する例示的な暴露領域を示す図である。
図5】開示する実施例と一貫する、領域を放射に暴露する例示的なプロセスを表す図である。
図6A】開示する実施例と一貫する、照射を必要とするエリアの境界部と位置合わせされた画像を結果として生じさせるために鏡を回転させる例示的なプロセスを表す図である。
図6B】開示する実施例と一貫する、光の異なる波長の時変強度の光で表面のパッチを照射する例示的なプロセスを表す図である。
図7】開示する実施例と一貫する、異なる複雑性の部分への三次元ジオメトリの仕切りの実例を示す図である。
図8A】開示する実施例と一貫する、樹脂のボクセルを照射するための例示的なプロセスを表す図である。
図8B】開示する実施例と一貫する、樹脂のボクセルを照射するための例示的なプロセスを表す図である。
図9】開示する実施例と一貫する、三次元印刷のためのパラメータを選択又は最適化するための例示的なプロセスを表す図である。
図10】開示する実施例と一貫する、複数の三次元システムを使用して大きい三次元オブジェクトを製作するための例示的なプロセスを表す図である。
図11】開示する実施例と一貫する、三次元オブジェクトを印刷するための複数の樹脂の使用を示す図である。
図12】開示する実施例と一貫する、例示的な階段関数及び例示的な強度分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
付加製造システム、方法、及び材料が説明される。システムは、大量製造を行うことができ、サイズ及びスピードにおいて特定の妥協を有さずに高速の製造スピードで高解像度部分を生成することができる。
【0011】
次に図1~11に示す例示的な実施例を詳細に参照する。別途規定されない限り、技術的及び/又は科学的用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有する。開示する実施例は、開示する実施例を当業者が実施できるように十分詳細に説明される。他の実施例が使用されてもよく、開示する実施例の範囲から逸脱することなく変更が加えられてもよいことを理解されたい。したがって、材料、方法、及び実例は、例証的にすぎず、必ずしも限定的であることを意図しない。
【0012】
図1Aは、所定の光シミュレーションにさらされたときに固化できる流体媒体から三次元オブジェクトを生成するためのシステム101の例示的な実施例を示す。システム101は、ステレオリソグラフィ(SLA)及びデジタル光処理(DLP)三次元(3D)印刷の利点を組み合わせることができる。システム101は、ポリマーベースの3D印刷されたオブジェクトを生成するために、先進の走査テーブル、ビルド・テーブル、並びに流体ハンドリング及びリコータシステムと組み合わせた画像処理ユニット(IPU)の配列されたセットを組み込む。
【0013】
図1Aに示すように、システム101は、バット112内に位置決めされたビルド・テーブル118を含む。バット112は、流体媒体(たとえば光硬化性樹脂)を含むように構成される。(重合性液体とも称される)光硬化性樹脂は、所定の光に暴露されると固化する任意の適切な流動性樹脂を含むことができる。たとえば、光硬化性樹脂は、チオール-アクリレート光重合性樹脂を含むことができる。いくつかの場合、樹脂は、チオール、少なくとも1つの二官能性モノマー、少なくとも1つの単官能性モノマー、及びチオールを含むことができる。二官能性モノマーは、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、CN9782、CN9167、CN9004、ビスアクリルアミド、トリシクロ(5.2.1.0.2,6)デカンジメタノールジアクリレートの少なくとも1つを含むことができる。単官能性モノマーは、2-エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、イソボルニルアクリレート、ブチルアクリレート、N,N-ジメチルアクリルアミド、又は2-ヒドロキシエチルメタクリレートの少なくとも1つを含むことができる。樹脂は、さらに、トリメチロールプロパントリアクリレートなどの三官能性モノマーを含むことができる。チオールは、ペンタエリトリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジンなどの少なくとも1つの二次チオールを含むことができる。樹脂はまた、ポリ(エチレングリコール)、ポリブタジエン、ポリジメチルシロキサンアクリレートコポリマー、ポリ(スチレン-CO-マレイン酸無水物)の少なくとも1つを含むこともできる。
【0014】
樹脂は、密封された光重合性イソシアネート樹脂を含むことができる。たとえば、樹脂は、ブロックイソシアネート及び多官能性求核剤、又はブロックイソシアネート及び1つ又は複数のモノマーの混合物を含むことができる。ブロッキング剤は、たとえば、二量体イソシアネート、三量体イソシアネート、アルコールの由来物、ヒンダードアミン、カプロラクタム、フェノール、オキシム、ピラゾールマロネートを含む。イソシアネートは、たとえば、HDI、IDI、MDI、HMDI又はTDIを含む。ブロックイソシアネートは、たとえば、ウレトジオン、ビウレット、アロファネート、又はイソシアヌレートを含む。
【0015】
樹脂は、任意選択により、開始剤、阻害剤、染料、又は充填剤の少なくとも1つを含むことができる。開始剤は、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、ビス-アシルホスフィンオキシド、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、2,2’-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンの少なくとも1つを含むことができる。阻害剤は、ヒドロキノン、2-メトキシヒドロキノン、ブチルヒドロキシトルエン、ジアリルチオ尿素、ジアリルビスフェノールAの少なくとも1つを含むことができる。染料は、2,5-ビス(5-tert-ブチル-ベンゾオキサゾル-2-イル)チオフェン、カーボンブラック、ディスパースレッド1の少なくとも1つを含むことができる。充填剤は、二酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム、粘土、アルミノケイ酸塩、結晶性分子、結晶性又は半結晶性オリゴマー、約1000Daから約20000Daの間の分子量のポリマーの少なくとも1つを含むことができる。室温又は室温以上において、樹脂は、約1000センチポアズ未満、約750センチポアズ未満、約500センチポアズ未満、約250センチポアズ未満、又は約100センチポアズ未満の粘性を有することができる。代替的には、樹脂は、0℃から80℃の間の1つ又は複数の温度において測定された、約100センチポアズ、500センチポアズ、又は1000センチポアズ未満の粘性を有することができる。
【0016】
図1Aはまた、ビルド・テーブル118上に位置決めされた走査テーブル114上に装着された複数の画像処理ユニット(IPU)119を示す。IPU119からの個々のIPUは、図1Aに示すようにIPU113として参照される。IPU113は、1つ又は複数のDLPチップを含むことができる。DLPチップは、さまざまな光学系構成要素(たとえばレンズ、鏡、プリズムなど)と、発光源とを含むことができる。IPU113は、単独ユニットとして設計されてもよく、複数のIPU113を組み合わせてシステムのスケーラビリティを可能にし、また、ツールの稼働時間を最大限にし、制御された保全を可能にすることができるシステムの冗長性レベルを提供することができる。IPU119を図1Aに示すように配列することにより、システム101は、3Dオブジェクトの断面の画像を樹脂の表面上に投影するために必要とされる拡大量を制御することができる。拡大の制御は、印刷されている3Dオブジェクトの解像度と表面品質の両方を改善するために使用することができる。解像度における改善はまた、マイクロトラス又は格子構造を印刷するなどの新しい能力を可能にすることもできる。これらの能力は、新しい製品のための次世代の構造的サポートを可能にすることができ、また、これらの製品の重量低減及び(たとえば、スニーカーなどの衣料品における)目的とされるエネルギー減衰特性を可能にすることができる。システム101は、衣料品、自動車、及び宇宙産業などの市場において、低減されたコストでの3D印刷を可能にすることができる。
【0017】
さまざまな実施例では、IPU113は光源を含むことができ、その光は、設計エリア(光暴露を必要とする流体媒体の表面上のエリア)上に照射される。さまざまな実施例では、光源は、深紫外(UV)発光ダイオード(LED)、UV LED、近UV LED、青色LED、波長フィルタを備えたキセノン・ランプ、及び/又はそのようなものを含むことができる。例示的なLEDは、210から500ナノメートル(nm)の波長範囲の光を発するように構成することができる。いくつかの場合、LEDは、355nm、370nm、380nm、385nm、390nm、400nm、405nmなどで光を発することができる。(本明細書では光度エネルギー線量、又は閾値線量として規定される)適切な線量の放射を受容した後、所定の厚さを有するフィルム又は(樹脂の層とも称される)樹脂は、固化(硬化)する。固化したフィルムの厚さは、照射の波長、照射の強度及び持続時間、樹脂のタイプ、並びに樹脂内の光吸収添加剤の存在によって決まる。これらのパラメータは、三次元オブジェクトの印刷中に制御され得る。いくつかの実施例では、これらのパラメータは、時間に応じて変化することができ、いくつかの場合では、これらのパラメータは、流体媒体の表面に対して横方向に変化することができる。
【0018】
IPU113の例示的なDLPチップが、図1Kに示され、これは、発せられた光を反射するための複数の鏡システム(たとえば198A及び198B)を含むことができる。例示的な鏡システムは、発せられた光の方向を調整するための操作システムを含むことができる。鏡システムはまた、操作システムを制御するための制御システムを含むこともできる。例示的な実施例では、操作システムは、デジタル・マイクロミラー・デバイス、又は鏡システムの例示的な鏡を回転させることによって発せられた光の方向を調整する(たとえば鏡の表面に対して描かれた法線ベクトルの方向を変更する)ように設計された任意の適切なマイクロ光電気機械(MOEM)要素を含むことができる。これらの変更は、鏡のピッチ及びロール運動として特徴付けられ得る。加えて、鏡は、鏡表面の法線ベクトルに対して平行な軸の周りで回転することができる(鏡のヨー運動)。操作システムは、デジタル光処理に使用されるマイクロ電気機械鏡システムに類似していてもよい。例示的な実施例では、MOEM要素は、柔軟なねじれヒンジによって2つの支持ポストに連結された、図1Kに示すようなヨーク199を含むことができる。ヨークは、光源に向かう(ON)又は光源から離れる(OFF)鏡の回転及び/又は傾斜を可能にすることができる。MOEM要素上に装着された鏡は、光の所望の出力強度を作り出すために、所定の周波数(たとえば1秒あたり5000回の場合が多い)で回転/傾斜させることができる。制御システムは、プロセッサと、操作システムのMOEM要素との複数の電気接続とを含むことができる。電気接続は、静電引力によってヨークの位置を制御することができる。
【0019】
さまざまな実施例では、鏡によって発せられた光は、適切な1つ又は複数の光学要素(たとえば図1Fに示すような要素171、173、及び175)を使用して、表面のエリア上にさらに向けられ得る。光学要素は、レンズ、プリズム、導波管、回折格子、さまざまな形状及びサイズのアパーチャ、屈折率分布型レンズ、鏡、放物線型反射板(たとえば、図1Fに示すような反射板178)、全内部反射レンズ、可動レンズ、形状変形レンズ、流体を含む光学要素、波長フィルタ、波長選択的アブソーバなどを含むことができる。例示的な実施例では、アパーチャの選択された形状は、任意の適切なジオメトリ形状(たとえば、矩形、楕円形、円形、三角形など)であってもよい。光学要素は、表面のエリア上に光を集束又は拡散させるように構成することができ、その結果エリアの所望の照射が得られる。(画像又は光のパッチとも称される)照明されたエリア。
【0020】
例示的な実施例では、少なくとも1つのIPUから照明されたエリアは、少なくとも別のIPUの画像と重複するように構成することができる。重複エリアは、画像処理ユニットの鏡(及び光学要素)を操作することによって調整され得る。いくつかの場合、複数の画像処理ユニットからのいくつかの画像は、重複するように構成することができる。追加的に、又は代替的には、同じIPUの異なる鏡からの画像が、重複することができる。たとえば、IPUのいくつかの鏡が故障する場合、同じIPUの他の鏡を使用して所与のエリアを照明することができる。たとえば、鏡の1つが故障する場合、システム101は、照明を必要としているエリアを適切にカバーするために他の鏡を使用するように構成することができる。例示的な実施例では、システム101は、DLPの鏡の1パーセントが故障するとき、鏡の数パーセントが故障するとき、鏡の5、10、15、20、30、40、50パーセントが故障するとき、又はさらにそれ以上の鏡が故障するときに機能するように構成することができる。
【0021】
異なるIPUからの画像の重複は、システム101に冗長性を提供することができる。たとえば、IPUのいくつが故障する場合、システム101は、照明を必要とするエリアを適切にカバーするために他のIPUを使用するように構成することができる。例示的な実施例では、システム101は、IPUの1パーセントが故障するとき、IPUの数パーセントが故障するとき、IPUの5パーセントが故障するとき、IPUの10パーセントが故障するとき、IPUの15パーセントが故障するとき、又はさらにそれ以上のIPUが故障するときに機能するように構成することができる。いくつかの場合、システム101は、3D印刷に必要とされる時間を増大させることにより、重大なIPU故障の場合に動作することができる。たとえば、IPUの50パーセントが故障する場合、システム101は、照明された光に表面エリアを暴露するのに必要とされる時間を2倍にすることが必要とされ得る。代替的には、システム101は、故障したIPUを考慮するためにIPUの光について、輝度、波長、又は任意の他の適切な照明パラメータ(たとえば、表面上の光の分布、光の集束など)を調整するように構成することができる。
【0022】
図1Aは、ビルド・テーブル118に対して移動するように構成された走査テーブル114を示す。たとえば、走査テーブル114は、モータ(たとえば線形モータ)を使用して移動され得る。さまざまな実施例では、走査テーブル114は、高い位置正確度を有するように構成することができる。たとえば、走査テーブル114は、数ミクロン未満の誤差を有するパス間の(from pass to pass)の位置正確度を有することができる。位置正確度は、精密な電気モータを使用して達成され得る。そのような位置正確度は、パス間の必要とされる位置合わせを提供することができる。走査テーブル114は、位置正確度を維持しながら任意の適切な速度で移動するように構成することができる。たとえば、テーブル114は、1秒あたり1ミクロンから1秒あたり1メートルの速度で移動するように構成することができる。テーブル114の動きの速度は、印刷される3Dオブジェクトの属性によって決まり得る(たとえば、動きの速度は、3Dオブジェクトの複雑性によって決まり得る)。
【0023】
さまざまな実施例では、3D印刷のスピードは、暴露エリアのサイズによって制約されなくてもよく、その理由は、印刷される部分のサイズに基づいて、暴露エリアにわたって配列されるIPUの数を拡張することが可能であるためである。これにより、システム101をスケーラブルにし、モジュール式にすることが可能になる。たとえば、大きい部分が印刷される場合、走査テーブル114は、より多くのIPU119を組み込むことによってより大きくすることができる。3D印刷を制御するためのさまざまなパラメータは、走査テーブル114のスピード、放射の強度、放射波長、並びに使用されるIPUの数及びタイプを含む。
【0024】
システム101は、二重方向走査用に構成することができる。システム101は、個々のIPU内に位置するDLPチップの配列されたセットを含むことができ、IPU119は、ポリマー表面を走査するために移動される。システム101の走査テーブル114が移動しながら、配列されたIPU113から画像が投影され得る。DLPチップは高速のスピード(23kHzバイナリ/1.7kHz8ビット・グレイスケール)で画像を伝送することができるため、また、システム101は複数のIPUを有しているため、システム101は、1層あたり1から10秒の間で個々の層を暴露することができ得る。
【0025】
図1Aはまた、システム101が、走査テーブル114の位置、さまざまなIPU119の鏡及びレンズの配向、走査テーブル114のスピード、ビルド・テーブル118の垂直位置などの3D印刷のためのさまざまな側面を制御するためのコンピュータ・システム105を含むことができることを示す。コンピュータ・システム105は、1つ又は複数のプロセッサ107と、命令110を記憶するためのメモリ109と、システム105のさまざまなパラメータ及び命令を入力/受信するためのインターフェース108とを含むことができる。さまざまな実施例では、コンピューティング・システム105は、3D印刷プロセスに関連する任意の適切な情報を記憶するためのデータベース111を有することができる。たとえば、データベース111は、3Dオブジェクトのジオメトリを表現するコンピュータ支援設計(CAD)ファイルを記憶することができる。
【0026】
図1Bは、レール135に沿って横方向に(たとえばx方向に)移動するように構成された走査テーブル114を備えたシステム101の例示的な実施例を示す。走査テーブル114は、ホイール、ベアリング、又は任意の他の適切な手段を使用して(たとえば磁気浮上を使用して)レール135に連結することができ、モータ(たとえば電気線形モータなど)を使用してレール135に沿って案内され得る。レール135は、静止状態にあるか、又は横方向に(たとえばy方向に)移動するように構成することができる。たとえば、図1Cは、レール134に取り付けられ、y方向にレール134に沿ってスライドするように構成されたレール135を示す。さまざまな実施例では、走査テーブル114は、少なくとも予め決定された横方向距離ステップだけ表面に対して横方向に可動であってもよい。いくつかの場合、予め決定されたステップは、数ミクロン、数ミリメートル、数センチメートルなどであってもよい。いくつかの場合、IPU119によって投影された画像の平均サイズに対する横方向距離ステップの比は、無理数又は予め決定された任意の適切な値(たとえば、0.1、0.2、0.5、1、5、10、20など)であってもよい。画像のサイズは、画像面積の平方根、画像の境界部の長さ、画像の最大寸法などの任意の適切な尺度を使用して決定することができる。
【0027】
図1Bは、IPU113ユニットを備えた走査テーブル114を示し、走査テーブル114は、電力及び/又はデータをテーブル114のさまざまな構成要素に提供するように構成されたアンビリカル・コード121(たとえば1つ又は複数の電気ワイヤ)に連結されている。さまざまな場合、コード121は、テーブル114の動きを可能にするように可動であり、屈曲可能であるように構成される。アンビリカル・コード121は、電力及びデータをテーブル114に伝達する可能な方法の1つにすぎず、任意の他の適切な方法が使用されてもよい(たとえば、導体レール、磁気誘導、無線送信など)。走査テーブル114は、硬化を必要とする樹脂の表面上に光を集束させるように位置決めされた、図1Bに示すようなレンズ・アセンブリ129を含むことができる。図1Bは、例示的なレンズ・アセンブリ129を通過するIPU113からの光によって照射され得る例示的な領域131を示す。さまざまな実施例では、レンズ・アセンブリ129は、複数のレンズ(たとえば、凸レンズ、凹レンズ、屈折率分布を有するレンズなど)を含むことができる。レンズ・アセンブリ129は、アセンブリ129内のレンズの相対的な動きを可能にするように構成することができ、その結果、照射されたエリア上の光強度の制御が得られる(たとえば、レンズの動きは、照射されたエリアの領域内に光を集束させるか、又は照射されたエリア上に光を拡散させることを可能にすることができる)。走査テーブル114は、樹脂層の領域の照射のためにIPUを装着するように構成することができる。3D印刷プロセスの開始時、樹脂層を図1Bに示すようにビルド・テーブル118上に堆積させることができ、3D印刷プロセス中、樹脂層を3Dオブジェクトの上部分(上部分は、3Dオブジェクトの断面エリアである)上に堆積させることができ、このとき3Dオブジェクトは、ビルド・テーブル118上に載置している状態である。さまざまな実施例では、樹脂は、任意の適切な手段を使用して堆積され得る。たとえば、樹脂は、テーブル118が樹脂を含むバット内に特定の量だけ浸されたとき、テーブル118及び3Dオブジェクトの上面上を流れることを可能にされ得る。テーブル118がバット内に浸される深さは、樹脂の層の厚さを決定することができる。3Dオブジェクトが構築されているとき、ビルド・テーブル118は、3Dモデルの最も上の部分と走査テーブル114との間の距離が一定のままであるように下方向に(図1Bに示すように-z方向に)移動するように構成される。例示的な実施例では、ビルド・テーブル118は、図1Bに示すようなレール125と、テーブル118がレール125に沿って移動することを可能にするように構成されたモータ123とを使用して下方向に移動され得る。例示的な実施例では、モータ123は、任意の適切なモータ(たとえば電気モータ)であってもよい。モータ123は、ビルド・テーブル118の精密な動きを可能にするために複数のトランスミッション歯車を含むことができる。
【0028】
システム101は、リコータ・デバイスを含むこともできる。リコータ・デバイスは、樹脂層の表面が平坦であることを光への暴露前に確実にするように働く。平らでない樹脂表面は、付加製造法によって生成された3Dオブジェクト又はコーティングのジオメトリの忠実度を低減させる可能性がある。リコータ・デバイスは、3Dモデルの最も上部の断面エリアを樹脂の層でリコーティングするために使用することができる。例示的なリコータ115A及び115Bが図1Aに示され、リコータ137が図1B及び1Cに示される。リコータ137は、3Dモデルの最も上部の断面エリア上に制御された厚さを有する樹脂の層を提供するように構成されたブレードを含むことができる。いくつかの場合、リコータ137は、2つ以上のブレードを含むことができる。リコータ137のブレードは、ビルド・テーブルに対して垂直及び横方向に移動するように構成することができる。たとえば、ビルド・テーブル上に樹脂を堆積した後、ブレードは、樹脂層の表面と係合するために下方に移動することができる。ブレードの表面は、複数のブリッスルを有することができる。ブリッスルの端部は、図1Bに示すように、領域139によって示すような三角断面を有することができる。いくつかの場合、ブレードの表面は、マイクロ針を有することができる。さまざまな実施例では、ブレードは、液体樹脂を平滑化するために、流体媒体が固化する前に流体媒体を除去するように構成される。
【0029】
例示的な実施例では、3Dオブジェクトは、最初に樹脂の層でコーティングされ得る(たとえば、樹脂を含むバット内に3Dオブジェクトを沈め、次いで、暴露される層厚さに対応する樹脂の表面のすぐ下の地点まで上昇させることができる)。続いて、3Dモデル上に形成された樹脂の層は、リコータ137を使用して平滑化及び/又は薄化され得る。たとえば、リコータ137は、リコータ137の下側縁が上面から過剰な樹脂を除去することができるように3Dオブジェクトの上方の樹脂の表面上で水平に移動することができ、それによって樹脂層の上側表面を平滑化し、樹脂層の選択された厚さを提供することができる。たとえば、樹脂層の厚さは、リコータ137と3Dオブジェクトの上側表面との間の距離を制御することによって制御され得る。3Dオブジェクトの上側表面とリコータ縁137との間の距離は、任意の適切な手段を使用して(たとえばマイクロメータ、カメラ及び/又はレーザを使用する三角測量技術などを使用して)決定することができる。リコータ137は、所望の適切なスピードで移動させることができ、1つ又は複数のパスを完了して樹脂の平滑層を提供することができる。追加的に、又は代替的には、リコータ137は、移動する走査テーブルより前で横方向に移動することができる。例示的な実施例では、リコータ137の各パスは、(パスごとに異なり得る)所望の適切なスピードで完了され得る。リコータ137の例示的なスピードは、1秒あたり約1ミリメートルから数十センチメートルの範囲であることができる。
【0030】
いくつかの場合、リコータ137は、樹脂の層を平滑化するために3Dオブジェクトの表面上を複数回通過することができる。例示的な実施例では、リコータ137の第1のパスは、第1のスピードで行うことができ、リコータ137の第2のパスは、第1のスピードより速い(又は遅い)第2のスピードで行うことができる。いくつかの場合、第2のスピードは、第1のスピードより、10%、20%、50%、100%、200%、1000%など速くてもよい。いくつかの実施例では、リコータ137の第1のパスは、3Dオブジェクトの表面の上方に第1の距離にあってもよく、リコータ137の第2のパスは、3Dオブジェクトの表面の上方に第2の距離にあってもよい。たとえば、第2の距離は、第1の距離より小さくてもよい(たとえば、第2の距離は、第1の距離の99%、95%、90%、80%などであってもよい)。いくつかの場合、リコータ137は、パス間の遅延を含むことができる。たとえば、第1と第2のリコーティング・パス間の遅延は、第2のリコーティング・パスの前にならす(smooth out)ための樹脂表面における変動を可能にすることができる。遅延時間は、樹脂の粘性特性及び樹脂の他のパラメータ(たとえば、樹脂の表面張力、樹脂の密度など)に比例することができる。いくつかの場合、リコータ137は、樹脂の層の表面上に圧力を及ぼすことができる。追加的に、又は代替的には、リコータ137は、樹脂の層の平滑化を容易にするために樹脂層上に振動を誘発するための機構を含むことができる。さまざまな場合、リコータ137が樹脂の層を平滑化した後、層は、図1Aに示すようにIPU119によって照明され得る。
【0031】
図1Dは、走査テーブル114の例示的な実施例を示し、IPU113A~113Fは、IPUの配列を形成している。走査テーブル114は、図1Dの矢印によって示すx及びy方向に沿って走査するように構成することができる。例示的なIPU(たとえばIPU113A)は、1つ又は複数の電気ポート(たとえばポート141)と、IPU113Aを冷却するための冷却液を連結するためのポートとを有することができる。たとえば、ポート143Aは、冷却液をIPU113Aに流入させるために使用することができ、ポート143Bは、冷却液をIPU113Aから流出させるために使用することができる。例示的な実施例では、IPU113Aは、IPU113Aから熱を抽出するために冷却液と接触するヒートシンクを含むことができる。
【0032】
図1Dに示すように、レンズ・アセンブリ129A~129Eが、それぞれのIPU113A~113Fに関連付けられ得る。レンズ・アセンブリ129A~129Eは、上記で説明したように複数のレンズを含むことができ、IPUによって発せられた光を樹脂の表面の選択されたエリア上に集束させることができる。たとえば、図1Dに示すように、IPU113Eのレンズ・アセンブリ129Eは、任意の適切な形状(正方形、円形、平行四辺形、三角形、プラス形状、ダイヤモンドなど)であってもよい画像150を投影するように光を集束させる。例示的な実施例では、図1Dに示すように、形状は、平行四辺形の画像150を含むことができ、この画像は、平行四辺形の側部が横方向x又はyに対して角度を形成するように配向され得る。たとえば、平行四辺形画像150の側部151は、図1Dに示すように、方向xと共に角度143を形成する。角度143は、任意の適切な角度であってもよく、他のIPUによって投影された他の画像との重複を可能にするように構成することができる。例示的な実施例では、角度143は、無理数であってもよい。
【0033】
図1Eは、IPU163A及び163Bの配列を有する走査テーブル114の別の図である。図1Eは2列のIPU163A及び163Bを示すが、2列のIPUより多い(又は少ない)列のIPUが使用されてもよい。追加的に、又は代替的には、IPUは、以下でさらに論じるように任意の適切な方法で分布され得る。図1Eはまた、図1Bに示すように走査テーブル114をレール135に連結するために使用することができる要素161を示す。
【0034】
図1Fは、光のパッチ(たとえば画像150)を投影するための例示的なIPU170のさまざまな構成要素を概略的に示す。上記で説明したように、例示的なIPUは、図1Fに示すように、異なる形状及びサイズを有する画像150を結果として得るためにさまざまな鏡及び/又は光学構成要素を有することができる。IPU170は、発光源178(たとえば1つ又は複数の発光ダイオード)と、光源178から1つ又は複数の光学要素(たとえば要素171及び173)に向かって光を向けるための反射板172とを含むことができる。反射板172は、放物線型反射板、曲面鏡、平面鏡、プリズムなどを含むことができる。光学要素171は、曲面鏡を含むことができ、光学要素173は、凸レンズ又は凹レンズを含むことができる。反射板172並びに光学要素171及び173は、点光源からの光を光のビーム176に変換することができる。ビーム176を例示的なDLPチップ174上に投影することができ、このDLPチップは、少なくともビーム176からの光の部分を集束光学系175上に向け直すことができる。集束光学系175は、1つ又は複数のレンズ又は鏡を含むことができる。さまざまな実施例では、上記で説明したように、DLPチップ174は、DLPチップ174によって反射された光177を制御するための鏡を含むことができる。たとえば、DLPチップ174は、DLPチップ174の複数の鏡を使用して光177の空間的強度分布を制御することができる。光177が集束光学系175を通過した後、光ビーム179をIPU170から発することができ、樹脂の表面であってもよい表面180上に投影することができる。1つのDLPチップ174が図1Fに示されるが、IPU170は、(各チップが何百万もの鏡を含む)複数のDLPチップを含むことができる。DLPチップの鏡は、数平方ミクロン、数十平方ミクロン、数百平方ミクロンの面積内に光を集束させることができる。さらに、IPU170は、異なる波長の光源を含むことができる。たとえば、図1Gは、それぞれの波長λ及びλを有する光源178A及び178B(たとえばLED光源)などの2点光源を示す。これらの光源からの光は、対応する反射板172A及び172Bから反射させることができ、DLPチップ174に向かって凹レンズ173を透過する前に曲面鏡要素171に衝突することができる。
【0035】
図1H及び1Iは、光191及び192によって生み出された画像193及び194についての光の強度の例証的なプロットを示す。画像193は、鋭角の境界部195を有することができ、画像194は、拡散境界部196を有することができる。例示的な実施例では、境界部の鋭角性は、距離S(画像194のサイズを特徴付ける距離)に対する距離B(光の強度が最小値から実質的な最大値まで変化する距離)の比によって特徴付けられ得る。たとえば、B/S=0.1の比の場合、画像194は、鋭角の境界部を有することができ、B/S=0.5の割合の場合、画像195は、平滑な境界部を有することができる。B/Sの比は1つの基準にすぎず、任意の他の適切な基準が使用されてもよい。
【0036】
例示的な実施例では、(図1Iに示すような)画像194は、線181、曲線182又は曲線183によって示す境界部を有することができる。境界部の内側の画像の領域(たとえば領域184)は、画像の内側領域として規定される。画像境界部は、連続した閉曲線(たとえば、図1Jに示すような画像197A~197Cの境界部などの任意のループ)であってもよく、この閉曲線は、樹脂の表面を発せられた光の強度が閾値より高い内側領域(たとえば図1Iに示すような領域184)と、発せられた光の強度が閾値より低い外側領域とに分割することができ、この場合、閾値は、任意の適切な値であってもよい(たとえば、発せられた光の強度182の最大値の5パーセント、10パーセント、20パーセントなどであってもよい)。図1Iに示すように、画像194は、曲線182によって画定された第1の境界部と、曲線183によって画定された第2の境界部とを有することができる。
【0037】
例示的な実施例では、境界領域(たとえば領域195及び196)は、小さい値からより大きい値まで強度が増大する領域として規定され得る。たとえば、境界領域は、最大強度と最小強度との間の相違が、画像内の放射の最大強度の5パーセント、10パーセント、15パーセント、20パーセント、30パーセント、40パーセント、50パーセント、60パーセント、70パーセント、80パーセント、90パーセント、100パーセントなどである領域として規定され得る。画像は、穴を含むことができない(たとえば、放射の強度は、上記のように規定され得る内部境界領域が画像内に存在することを示すような十分小さい値まで画像内で減少できない)。いくつかの場合、画像内の放射の強度は、画像境界部の外側の放射の強度の0.01~1000倍高くてもよい。
【0038】
図1Jは、樹脂の表面上にIPUによって投影され得るさまざまな画像を示す。たとえば、画像197Aは実質的に平行四辺形(たとえば、画像197Aの側部が、許容可能な誤差内で互いに平行である)であり、画像197Bは実質的に楕円形であり、画像197Dは実質的に三角形である。さまざまな実施例では、対応する精密なジオメトリ形状からの画像の逸脱は、任意の適切な尺度において1から数十パーセントであってもよい。
【0039】
図1Jは、画像187Aの最大寸法に対応する大きさを有するベクトル186Aを有する実質的に矩形の画像187Aと、画像187Bの最大寸法に対応する大きさを有するベクトル186Bを有する実質的に矩形の画像187Bとを示す。例示的な実施例では、画像187Aは、ベクトル187Aがベクトル187Bに実質的に平行である場合に画像187Bに実質的に平行であるように規定され得る。いくつかの場合、画像187Aは、ベクトル187Aがベクトル187Bに対して角度を付けて位置決めされる場合に画像187Bに対して角度を付けるように規定され得る。いくつかの場合、画像187Aと画像187Bとの間の角度は、数度、数十度などであってもよい。図1Jはまた、画像187A及び画像187Bがそれぞれの最小寸法188A及び188Bを有することができることも示す。
【0040】
図2Aは、複数のIPU119の例示的な実施例を示す。IPU119は、格子を形成するようにIPU119が配置された状態で配列210を形成することができる。たとえば、図2Aは、4×11の格子を形成するように配置されたIPUを示す。図示するように、IPUは、走査方向の軸からオフセットされた角度(図2Aに示すような角度143)で走査テーブル114上に装着される。IPUがオフセットされる角度143は、暴露エリアのサイズ、走査方向のIPUの数、及び所望の画像忠実度を達成するための所望の重複によって決定することができる。角度は、有理数又は無理数であってもよい。例示的な実施例では、角度は、数度又は数十度であってもよい(たとえば、角度143は、13度、13.28度であってもよく、又は任意の他の適切な値を有してもよい)。
【0041】
付加製造のためのシステムは、モジュール式であり柔軟であるように構成することができる。個々のIPUは、単独ユニットであってもよい。IPUが損傷を受けるか、又は保全を必要とする場合、特定のIPUだけ交換又は修理するだけでよい。そのようなモジュール式設計は、システム101の稼働時間を増大させ、より制御された保全を可能にすることができる。複数のIPUの使用は、必要とされる拡大の量を低減することができ、それによって印刷された部分の解像度と表面品質の両方を改善する。改善された解像度により、マイクロトラス又は格子構造を含むことができるより入り組んだ3Dオブジェクトの生成が、可能になる。これらの能力により、衣料品、自動車、及び宇宙産業向けの製品の生産が可能になる。図2Aは、走査テーブル114が、3Dオブジェクトの幅に対応する幅211(y方向)を有し、矢印212によって示すようにx方向に走査するように構成することができることを示す。
【0042】
図2Bは、樹脂の表面上に光強度照射パターンPを結果として生じさせるIPU119の例示的な配列210を示す。パターンPは、画像(たとえば画像I及びI)を含む。画像は、図2Bに示すように、特徴的な格子ベクトルa及びbを有する格子を形成することができる。図2Cは、時間TにおけるパターンPに対応する強度照射パターンP(T)と、時間TにおけるパターンPに対応するパターンP(T)とを示す。走査テーブル114は図2Aに示すように横方向に(たとえばx方向に)移動することができるため、P(T)は、図2Cに示すようにP(T)に対して横方向にシフトすることができる。時間Tにおける画像I(本明細書ではI(T)として示す)は、移動することができ、時間Tにおいて、これは、I(T)によって示す位置に位置する。図2Cが示すように、時間差(T-T)が十分に小さい場合、I(T)は、重複場所OにおいてI(T)と重複し得る。さらに、画像I(T)は、重複場所Oに示すように、時間Tにおける別の画像(たとえばI(T))の場所と重複し得る。照射線量は経時的に積算される光の全受光強度によって決まるため、樹脂の所与のボクセルに対する線量は、硬化プロセス中のさまざまな要因(たとえば、画像間の重複の量、走査テーブル114が横方向にいかにすばやく移動するか、照射の強度、照射の波長など)によって決まり得る。これらの要因の任意の1つ又はその組み合わせは、3D印刷プロセス中に制御され得る。走査テーブル114が走査方向に沿って横方向に移動しているときの画像の重複の結果、個々の画像間の境界部をぼやかすか、又は平均化することができ、それによってスティッチングに関する問題を解消する。したがって、そのような重複は、印刷された3Dオブジェクトの平滑な表面を提供することができる。
【0043】
重複画像の別の利点は、所与のIPU内の個々のDLPチップの故障、又はDLPチップのグループの故障であっても、部分品質に大きな影響を与えることがないことである。たとえば、図2Aに示すような複数のIPU119の場合、IPU全体は、部分品質に大きな影響を与えることなく故障することができる。システム101のそのような設計は、さらに複数のIPUのモジュール式構成と組み合わされたとき、システムの稼働時間を最大限にし、予期せぬ修理をより少なくし、保全間隔をより長くすることを可能にし、こうして生産時間を増大させる。
【0044】
図1Aに戻れば、システム101は、光116を使用してビルド・テーブル118を照射するように構成される。ビルド・テーブル118は、(バット112とも称される)樹脂浴112内に載置することができる。例示的な実施例では、第1の固体層をビルド・テーブル118上で製作する前に、ビルド・テーブル118は、解放層でコーティングされ得る。解放層は、製作が完了した後に、印刷された3Dオブジェクトがビルド・テーブル118からテーブル118に付着することなく持ち上がることを確実にする。さまざまな場合、3Dオブジェクトが完成したとき、システム101は、システム101から3Dオブジェクトを取り出すための機構を含むことができる。
【0045】
バット112内に3Dオブジェクトを印刷すること以外に、システム101は、基板用のコーティング層を製作するように構成することができる。そのような構成の場合、基板(たとえば、衣服、又は木製、金属、若しくはプラスチック形状の物品)を最初にビルド・テーブル118上に置くことができ、樹脂の層を受容する前に基板の表面を処理(たとえばアルコール又は他の化学剤を使用して洗浄)することができる。いくつかの場合、基板が平滑でない場合、樹脂の初期層は可変の厚さを有することがあり、この可変の厚さは、硬化のために可変の横方向放射線量を必要とし得る(たとえば、樹脂の層がより厚い領域では、より大きい放射線量が必要とされ得る)。
【0046】
さまざまな実施例では、システム101は、大きい複雑な3Dオブジェクトを印刷するように構成することができ、複雑な3Dオブジェクト(たとえば、200μm解像度未満、おそらく10μm解像度未満でもあるオブジェクト)を生成するために1秒あたり数テラビットの情報の処理を必要とし得る。IPU113のDLPチップは、多くの数の鏡(たとえば200万から1000万の間の鏡)を含むことができ、これらの鏡は、高周波数(たとえば、2分の1kHz、数kHz、10kHz、15kHzなど)で作動する。数十又は数百のDLPチップをシステム101に使用することができる。IPU119は、樹脂の大きい溶にわたって(たとえば1秒あたり最大数十メートルのスピードで)移動して、数千の異なる鏡を使用して1つのボクセルを硬化するのに必要な光子エネルギーを分配しながら、光樹脂の各ボクセルを硬化するように構成することができる。さまざまな実施例では、感知システム(たとえばカメラ)が、以下でさらに説明するようにフィードバックを提供するために使用されて、改善された3D印刷のために局所的製造条件(たとえば、温度、湿度、製造設備における外部放射など)を考慮するようにリアルタイムの調整を可能にすることができる。
【0047】
流体媒体(樹脂)が、任意の適切な手段(たとえば、ポンプ、スプレー器、ホース、ローラ、又はノズル)を使用してビルド・テーブル118上に堆積され得る。代替的には、ビルド・テーブル118は、バット112に対して可動であってもよく、それにより、ビルド・テーブル118がバット112内に下げられたとき、樹脂はその表面上に堆積される。前に説明したように、堆積後、流体媒体は、リコータ(たとえばリコータ137)によって平滑化され得る。
【0048】
バット112は、樹脂、及び任意選択によりZ流体及び/又はA流体を含むことができる。Z流体は、樹脂より密度が高くなることができ(したがって樹脂の下方に沈むことができ)、樹脂と非混和性となり得る(したがって樹脂から分離される)。Z流体は、印刷物に必要とされる樹脂の量を低減するために樹脂の一部分を変位させるように構成することができる。Z流体は、樹脂がバット112内に載置している間樹脂のリフレッシュ速度を増大させ、樹脂の劣化を低減することができる。さらなる利益により、印刷物に必要とされる支持部の数を低減することを可能にすることができ、さらに、印刷された部分の後処理時間の短縮をもたらすことができる。例示的なZ流体は、水性流体、小分子アルコールベース流体(たとえば、メタノール、エタノール、又はプロパノール)、半フッ化流体、半フッ化ポリエーテル流体、半フッ化シリコーン含有ポリマー流体、フッ化ポリマー、ペルフルオロポリエーテル(PFPE)、ペルフルオロアルキルエーテル(PFAE)、ペルフルオロポリアルキルエーテル(PFPAE)、又はフッ化油(たとえば、クライトックス(Krytox)、フォンブリン(Fomblin)、及びデムナム(Demnum))を含む。任意選択により、Z流体は、ペルフルオロ流体、半フッ化流体及び/又は半フッ化シリコーン含有ポリマー流体の混合物を含むこともできる。
【0049】
A流体は、樹脂より軽くなることができ、樹脂表面上に載置することができる。A流体は、不活性であり、粘性が低く、密度が低い。A流体は、樹脂内外のガス種の拡散を低減するために使用される。A流体は、樹脂のための保護境界部として作用することができる。
【0050】
前に説明したように、図2Bに示すIPU119は、画像(たとえば、図3Aに示すような画像309A及び309B)の形態の光の領域を投影するように構成することができる。画像は、重複することができ、照射を(少なくとも部分的に)必要とするエリアと一致することができ、上記で説明したような異なる形状を有することができる。さまざまな実施例では、画像のセットが、照射を必要とする(たとえば領域309A及び309Bによって示すような)エリア301上に、及びそれに近接して、(暴露時間としても規定される)所与の持続時間の間、エリア301内の樹脂が固化される(すなわち硬化される)ように投影され得る。図3Aに示すように、画像309A及び309Bは重複することができ、その結果、重複領域内での光への暴露は増大する。複数の重複画像を使用することにより、光への暴露は、ほとんどの時間画像が重複する領域内で最も高くなることができ、重複が小さくなる領域に向かって減少する。図3Aは、強度輪郭を有する例示的な暴露された円形エリア310を示し、この場合暴露は、エリアの中間において最大となり、エリアの縁に向かって減少する。エリア301は、画像処理ユニットからの光によって照射されている、図3Bに示すような3Dオブジェクト311の断面切断部321であってもよい。さまざまな実施例では、システム101は、流体固化に必要とされる閾値線量より大きい光度エネルギー線量をエリア301内に提供し、流体固化に必要とされる閾値線量より小さい光度エネルギー線量をエリア301の外側に提供するように構成することができる。たとえば、図3Aに示す点A1及びA2において、線量は、流体媒体の固化だけに十分なものであることができ、光度エネルギー線量は、ガウス分布307によって特徴付けられ得る。図3Cは、暗い領域がより大きい線量によって特徴付けられた、エリア301上の光度エネルギー線量分布325の実例を示す。
【0051】
図4は、境界部422を有する領域411を照射するための例示的なプロセス401を示す。流体媒体の照明のためのシステムは、プロセス401の異なる照明ステップ1~Nに合わせて異なって位置決めされ回転される(図4に示す)複数の画像430を使用することにより、境界部内の領域を照明することができる。例示的な実施例では、ステップ1において、システム101の1つ又は複数のIPUは、画像430がステップ1に示すように位置決めされた状態で、持続時間Tの間領域401を照明することができる。同様に、ステップ2において、画像430は、画像430がステップ2に示すように位置決めされた状態で、持続時間Tの間1つ又は複数のIPUによって投影され得る。照明ステップ2は、照明ステップ1に続くことができる。画像430のさまざまな他の配向及び持続時間が、ステップ3~Nに示される。照射ステップ1~Nの完了後、領域422内のエネルギー線量は、図4に示すように関数423によって説明することができ、このときEは、境界部上の点A1における流体媒体の固化のための最小線量である。
【0052】
図5は、例示的な画像の横方向の特徴的サイズに対応する線の長さを有する(線501A及び501Bによって表す)画像のサイズを示す。重複画像に対する領域の複数の暴露の結果、分布510Aによって示す高速減衰及び分布510Bによって示す低速減衰を有する正規分布によって示すような光度エネルギー線量の分布が、生じ得る。例示的な実施例では、高速減衰510Aの分布は、画像501Aによる照射に対応することができ、低速減衰510Bは、画像501Bによる照射に対応することができる。照射を必要とするエリアの境界部近くで解像度を正確にするために、急な減衰を有する光度エネルギー線量を使用することができ、したがって小さい特徴的サイズを有する画像が必要となる。画像(L)の特徴的サイズは、FWHM=2.355σとする標準偏差σに関連するガウス分布の最大半量(FWHM)(たとえば、L=FWHM)における最大幅に基づいて算出することができる。したがって、ガウス分布の標準偏差が与えられると、境界部上に投影するための特徴的画像を算出することができる。
【0053】
図6Aは、3Dオブジェクトの断面エリア610上に画像(たとえば画像617~620及び画像621~627)を投影するプロセス601の例示的な実施例を示す。図6Aは、さまざまな画像を投影するために使用される複数のIPU(たとえばIPU611~613)を示す。たとえば、IPU611及び612は、重複画像617及び618を投影することができ、IPU613は、画像619又は画像620を投影することができる。例示的な実施例では、IPU613は、鏡(たとえば、IPU613のDLPチップの鏡、又はIPU613内に存在し得る他の鏡)の位置、又はIPU613の光学要素の位置(たとえばレンズの位置)を変更することによって、画像の形状及び/又は位置を変更することができる(たとえば、投影画像619から投影画像620に変更することができる)。
【0054】
さまざまな実施例では、さまざまなIPUによって投影された画像は、断面エリア610と位置合わせする形状及び配向を有するように構成することができる。たとえば、IPUによって形成された画像は、画像の側部がエリア610の側部と位置合わせされるように(たとえば鏡又は光学要素を使用して)配向され得る。例示的な実施例では、プロセス601中、画像は、図6Aに示すようないくつかのステップ(たとえばステップ1~4)を使用して投影され得る。たとえば、ステップ1(時間T)において、(1つ又は複数のIPUから投影された光の結果生じ得る)画像621は、エリア610の側部と位置合わせすることができ、それにより、画像の側部に対して構築された正規方向ベクトル(N)は、設計エリアの境界部に対して構築された正規方向ベクトルNと平行になり得る。ステップ2(時間T)において、IPUからの光は、画像621とは異なる場所にあってもよい新しい画像623に投影することができ、図6Aに示すようなジオメトリ610と位置合わせすることもできる。例示的な実施例では、画像621を投影するためのIPU(たとえばIPU611)は、IPU611の鏡又は光学要素を調整することによって画像623を投影するために使用することができる。追加的に、又は代替的には、異なるIPU(たとえばIPU612)を使用して画像623を投影することができる。ステップ3(時間T)において、1つ又は複数のIPUからの光を、図6Aに示すように、エリア610の異なる部分と位置合わせされ得る画像625に投影することができ、ステップ4(時間T)において、1つ又は複数のIPUからの光を、画像627に投影することができる。図6Aは特徴的な矩形形状を有する画像621~627を示すが、任意の適切な形状の画像が使用されてもよい(たとえば円形画像、平行四辺形画像など)。さらに、画像の形状及び/又はサイズは、光がエリア610の異なる場所上に投影されるときに変化することができる。
【0055】
図6Bは、樹脂の例示的なボクセルについて、表面のパッチ上での時間の関数とする放射強度の例示的な分布を示す。たとえば、グラフ651は、波長λを有する光源についての時間の関数とするI(t,λ)の第1の強度分布を示し、グラフ652は、波長λを有する別の光源についての時間の関数とするI(t,λ)の第2の強度分布を示す。両方の光源は、単一のIPUの一部であってもよく、又は異なるIPUからのものであってもよい。図6Bに示すように、表面のパッチ上の光の強度は、時間的に一定でなくてもよい。たとえば、システム101は、表面のパッチ上にパルス化された光を送出するように構成することができ、それによって樹脂の表面のパッチが照明中及び照明サイクル間において部分的に硬化することを可能にする。分布I及びIは、特性又は照明されている樹脂に基づいて決定することができる(たとえば、樹脂が持続時間τの間照明された後に硬化する場合、光のパルスは、τの程度である時間期間だけ隔てられ得る)。例示的な実施例では、第1の光源は、第1の波長で光パルスを発し、その後第2の光源が、第2の波長で別の光パルスを発することができる。
【0056】
図7は、高い複雑性の領域722(たとえば、多くの表面がすばやい曲率変動を有する境界部を有する領域)を含むことができる3Dオブジェクト710の例示的な断面上面図を示す。たとえば、領域722は、空白711A及び711Bを含むことができる。追加的に、3Dオブジェクト710は、複雑性がより低い領域723を含むことができる。たとえば、領域713は、表面がほとんど一定の曲率を有する1つの大きい空白712を有することができる(空白712のコーナ以外、空白712の表面はゼロ曲率を有する)。例示的な実施例では、ジオメトリ710は、四分木を使用して、四分木ノート(たとえば、正方形領域又はボクセルとも称される、図7に示すような正方形セル)に仕切られ得る。図7は、大きいボクセル735及びこれより小さなボクセル736の例を示す。小さい方のボクセルは、複雑な領域(たとえば領域722)内の3Dオブジェクト710のジオメトリを表すために使用することができ、大きい方のボクセルは、それほど複雑でない領域(たとえば領域723)内のオブジェクト710のジオメトリを表すために使用することができる。いくつかの場合、ボクセルは、3D印刷プロセスの開始前に3DオブジェクトのCAD図に基づいて算出することができ、他の場合(特に3Dオブジェクトが複雑なジオメトリを含む場合)、ボクセルは、3D印刷プロセス中に算出することができる。ボクセルは、任意の適切なメッシュ生成アルゴリズム(たとえばカート3Dキューブ・アルゴリズム)を使用して算出することができる。
【0057】
各ボクセルに対して、3D印刷プロセス中、システム101は、照射線量を算出するように構成することができる。たとえば、大きいボクセルは、より小さいボクセルよりも大きい放射線量を受容することができる。より小さいボクセルに放射線量を送出するために、小さいサイズの画像をより小さいボクセル上に投影することができ、より大きいボクセルに照射線量を送出するために、より大きい画像を使用することができる。例示的な実施例では、画像サイズは、照射されているボクセルのサイズに比例することができる。いくつかの場合、他のパラメータ(たとえば、光の波長、画像の重複の量、時間の関数とする強度)は、異なるボクセルに対して異なっていてもよい。
【0058】
図8Aは、ボクセルを照射するための例示的なプロセス801を示す。プロセス801のステップ811において、3Dオブジェクトの多くのボクセルVのうちの1つが、これらのボクセルのための照射線量を決定するために選択され得る。例示的な実施例では、ボクセルVの選択は、(図1Aに示すような)コンピュータ・システム105によって行われる。ステップ813において、コンピュータ・システム105は、ボクセルVのための線量及びボクセルVのいずれか/いくつか/すべてにわたる強度分布を決定することができる(たとえば、コンピューティング・システムは、ボクセルの中央部分がボクセルの境界部に近接するボクセルの部分より高い強度を必要とすることを決定することができる)。ステップ815において、コンピュータ・システム105は、走査テーブル114が樹脂の表面上を移動するときのさまざまなIPUからの照明を決定することができ、それにより、ボクセルVは、樹脂の表面上の走査テーブル114の1つ又は複数のパスに対して決定された線量の放射を受容する(放射の線量は、たとえばボクセルのサイズに応じてボクセルごとに異なり得る)。樹脂の表面の照明を制御するために使用することができる多様なパラメータが存在するため、コンピュータ・システム105は、さまざまなIPUに対する放射光源のオン/オフの切り替えを最小限にし、光学要素の運動を最小限にするように構成することができる。例示的な実施例では、コンピュータ・システム105は、IPU内に含まれるDLPチップのさまざまな鏡の位置を制御し、必要なときにIPUの光源のオン/オフを切り替えることによって、樹脂の表面上の強度分布をIPUから制御するように構成することができる。ステップ817において、コンピューティング・システム105は、ボクセルVの照射のために走査テーブル114のIPUにコマンドを送ることができ、走査テーブルのIPUは、表面又は樹脂を照射して必要とされる照射線量をボクセルに送出することによって、これらのコマンドを実行することができる。
【0059】
図8Bは、プロセス801のすべてのステップ及び追加のステップ819を含むことができる例示的なプロセス802を示す。追加のステップ819は、樹脂のボクセルをどのようにうまく硬化させたかについてのフィードバック情報をコンピューティング・システム105によって受信し、記憶することを含むことができる。そのような情報は、樹脂の硬化された部分からの光を検出するための(たとえば可視、UV、又は赤外線カメラを使用する)光学手段を使用して得られ得る。いくつかの場合、フィードバック情報に基づいて、コンピュータ・システム105は、照射を必要とする樹脂の次の層のために照明を再算出するように構成することができる。たとえば、樹脂の現在の層が硬化されなかった1つ又は複数のボクセルを有する場合、コンピュータ・システム105は、樹脂の次の層が、照射を必要とするより多くのボクセルを含み得ることを決定することができる。そのような決定は、たとえば、ポアを含む材料を3D印刷するときに行われ得る。樹脂の層が、事前に決定されたものより大きいサイズのポアを有する場合、次の1つ又は複数の層は、コンピュータ・システム105によって事前に決定されたものより小さいサイズのポアを有するように決定することができる。ポアの正確な数及びサイズは、ポアを含む領域の機能的特性に基づいて(たとえば、領域の熱伝導性、導電性、機械的弾性、音透過などに基づいて)算出することができる。
【0060】
さまざまな実施例では、3Dオブジェクトの製作のプロセスは決定論的であるため、数値シミュレーションを使用して、3Dオブジェクトの製作に使用することができる最適なパラメータを特定することができる。たとえば、パラメータは、放射の強度、IPUによって形成される画像の位置決め、画像に対する暴露の持続時間、画像の形状、IPUの横方向運動方向、IPUの横方向スピードなどを含むことができる。例示的な実施例では、コンピュータ・システム105は、3Dジオメトリを受信し、数値シミュレーションを使用して流体媒体を仮想上で硬化させることによって仮想の3Dオブジェクトを製作することができる。たとえば、コンピュータ・システム105は、必要とされる光度エネルギー線量を設計エリアに送出するために、設計エリアを照射に暴露するための画像の位置及び持続時間を選択することができる。例示的な実施例では、コンピュータ・システム105は、IPUの動き、光学要素の位置決め、及び/又はそのようなものを含む、製作の側面のすべてをシミュレーションすることができる。図9は、親Aで標識された例示的なプロセスを実証しており、この場合、コンピュータ・システム105は、ステップ901Aにおいて3Dジオメトリを受信し、ステップ902Aにおいて仮想3Dオブジェクトを製作するプロセスをシミュレーションし、ステップ903Aにおいて結果を評価する。結果の評価は、プロセス親Aのパフォーマンスを決定する測定関数を計算することを含むことができる。たとえば、第1の測定関数は、製作された仮想3Dオブジェクトと3Dジオメトリとの間の相違を算出することを含むことができる。例示的な実施例では、そのような測定関数は、仮想3Dオブジェクトの体積から3Dジオメトリを引くことを含むことができ、2つのジオメトリの体積間の相違の2乗の合計積分を算出することができる。第2の測定関数は、仮想3Dオブジェクトを構築するために必要とされる時間を評価することを含むことができる。第3の測定関数は、第1及び第2の測定関数の重みが付けられた平均を含むことができる。測定関数の実例は、例証的にすぎず、他の測定関数が使用されてもよい。
【0061】
例示的な実施例では、複数のシミュレーションが、さまざまなセットのパラメータに対して同時に行われ得る(たとえば、パラメータのセットはプロセス親AのSAであってもよい)。複数のシミュレーションが、3Dオブジェクトの製作を最適化するための遺伝的アルゴリズムの一部として使用することができる。対応するパラメータ・セットSA~SDを有するプロセス親A~親Dによって概略的に示される複数のシミュレーション。例示的な実施例では、適切な測定関数を結果として得るプロセスが、さらに組み合わせられ得る(たとえば、プロセス親A及び親Bを組み合わせて、親Aからのいくつかのパラメータ及び親Bからのいくつかのパラメータを組み込むパラメータ・セットSABを有する子プロセスの子ABを生成することができる。同様に、他のプロセスが子プロセス(たとえば図9に示すような子CD)を生み出すことができる。(たとえば、三次元オブジェクトを製作するために各子プロセスに使用されるパラメータを組み合わせることによる)子プロセスの組み合わせの結果、その後の子プロセス(たとえば子ABCD)は、改善された測定関数を有することができる。
【0062】
図10は、大きい3Dオブジェクトのために、3D要素が別個のシステム(たとえばシステムA~B)を使用して平行に製作され得ることを示す。これらの要素は、次いで、アセンブラ・システム1001を使用して組み合わせられ得る。システムA~Bは、三次元要素を製作するための任意のシステムであってもよい。いくつかの実施例では、これらのシステムは、複数のIPU、可動式IPU、複数の鏡システムを有するIPU、走査テーブル上に装着されたIPU、及び/又はそのようなものを含むことができる。さまざまな実施例では、システムA~Bによって製作された要素A~Bは、支持用ホルダ1015内に要素を位置決めするために使用することができる取り外し可能な位置決め支持領域1012を含むことができる。三次元要素及び支持用ホルダは、図10に示すように、アセンブリ・システム1001内に組み立てられた3Dオブジェクトを製作するために使用することができる。たとえば、三次元要素A~Bは、アセンブラ・システム1001を使用して製作された三次元領域1025に取り付けられ得る。組み立てられた三次元オブジェクトが完成した後、支持ホルダ1015及び位置決め支持領域1012を取り外すことができ、その結果、組み立てられたオブジェクト1030が得られる。
【0063】
図11は、いくつかの異なるタイプの樹脂を、異なる材料(たとえばポリマー)から構成された3Dオブジェクトを製作するために使用することができる場合のプロセス1100の例示的な実施例を示す。プロセス1100のステップ1において、3Dオブジェクト1111は、第1のタイプの樹脂の層1123でカバーされ得る。ステップ2において樹脂を照明した後、結果として生じる3Dオブジェクト1112が、形成され得る。ステップ3において、3Dオブジェクト1112は、第1のタイプの樹脂とは異なり得る第2のタイプの樹脂の層1125でカバーされ得る。ステップ4において樹脂を照明した後、結果として生じる3Dオブジェクト1115を形成することができ、このオブジェクトは、第1のタイプの樹脂から形成された少なくとも1つの部分(たとえば部分1112)と、第2のタイプの樹脂から形成された少なくとも1つの部分(たとえば部分1113)とを有することができる。複数のタイプの樹脂を使用することにより、目的に合わせて適合された複雑な特性(たとえば、目的に合わせて適合された熱的、導電的、又は機械的特性)を有する3Dオブジェクトが可能になる。例示的な実施例では、第2のタイプの樹脂は、第1のタイプの樹脂の後続層のための支持を提供することができ、完全な3Dオブジェクトの製作後に溶解させることができ、したがって3Dオブジェクト内に空洞が形成され得る。
【0064】
上記で説明したように、図1Aに示すようなコンピュータ・システム105は、プロセッサ、メモリ・デバイス、入力デバイス、及びデータベースなどの構成要素を含むことができる。いくつかの実施例では、システム105は、複数の動作を同時に取り扱うために複数のコア・プロセッサを含むことができる。たとえば、システム105は、図1Aに示すように、IPU119のそれぞれに対する照明を算出するための平行の処理ユニットを含むことができる。コンピューティング・システム105の1つ又は複数のプロセッサ(たとえば、図1Aに示すようなプロセッサ107)は、それだけに限定されないが、インテル(Intel)(商標)によって製造されたペンティアム(Pentium)(商標)若しくはキセノン(Xeon)(商標)ファミリ、AMD(商標)によって製造されたテュリオン(Turion)(商標)ファミリからのマイクロプロセッサ、又は他の製造者からのさまざまなプロセッサの任意のものなどの1つ又は複数の知られている処理デバイスを含むことができる。しかし、他の実施例では、プロセッサ107は、本開示と一貫する機能を実行するために結合され、そのように構成された複数のデバイスであってもよい。たとえば、プロセッサ107は、複数のコプロセッサを含むことができ、そのそれぞれは、浮動小数点数演算、グラフィックス、信号処理、ストリング処理、暗号化、又はI/Oインターフェーシングなどの特有の動作を行うように構成される。いくつかの実施例では、プロセッサは、フィールドプログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、中央処理ユニット(CPU)、グラフィカル・プロセッシング・ユニット(GPU)などを含むことができる。
【0065】
データベース111は、コンテンツをサーバ110に提供するために動作を実行するための適切なソフトウェアで構成された1つ又は複数のコンピューティング・デバイスを含むことができる。データベース111は、たとえば、オラクル(商標)データベース、サイベース(商標)データベース、又はハドゥープ(Hadoop)(商標)シーケンス・ファイル、HBase(商標)若しくはカサンドラ(Cassandra)(商標)などの他のリレーショナル・データベース若しくは非リレーショナル・データベースを含むことができる。例証的な実施例では、データベース111は、データベースのメモリ・デバイス内に記憶されたデータに関するリクエストを受信及び処理し、データベースからデータを提供するように構成されたコンピューティング構成要素(たとえば、データベース管理システム、データベース・サーバなど)を含むことができる。
【0066】
さまざまな実施例では、コンピュータ・システム105は、図1Aに示すようなソフトウェア110を含むことができる。ソフトウェア110は、CADデータを処理し、データ陰関数表現を使用して3Dジオメトリを表現するためのモジュール、ディープ・ラーニング・ネットワーク、及び付加製造における製品開発の設計寿命サイクルを最適化し、加速させることができる適応階層型データ構造(adaptive,hierarchical data structure)を含むことができる。ソフトウェア110は、小さいファイル・サイズ(たとえば1秒あたり10テラビットを必要とし得る3D印刷のための1メガバイト未満のデータ)の複雑な情報を符合化するように構成することができる。いくつかの場合、ソフトウェア110は、マイクロトラス構造を含む3Dオブジェクトを製作するように構成することができる。例示的な実施例では、ソフトウェア110は、例示的な3Dオブジェクトのための各縁部、頂部、及びトポロジカル構造を設計者が手動で加えることを必要としなくてよく、その代わりに普及している(broad sweeping)設計ガイドライン及びニューラル・ネットワークを使用して3Dオブジェクトの縁部及び頂部を決定することができる。例示的な3Dオブジェクトのさまざまな詳細が、ソフトウェア110によって、印刷時間又はレンダリング時間において、印刷物の特有の解像度に合わせて決定することができる。ソフトウェア110は、最適化処理を設計するためのアダプティブ・ニューラル・ネットワーク・インフラストラクチャ(Adaptive Neural Network Infrastructure)(商標)、超高速レンダリング及び印刷のためのアダプティブ・ディファレンス-フィールド・エンジン(Adaptive Difference-Field Engine)(商標)、及び応答性、適応性の現代のグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)設計を計算負荷が高い動作(compute-heavy operation)から分離することを容易にするためにデータ・フロー・アーキテクチャを介して反応性プログラミングを可能にし得るpythonラッパを含むことができる。ソフトウェア110は、.STL、.WAV、.3MF、.AMF、.DXF、.IGES、.ISFFを含む複数のコンピュータ支援設計(CAD)ファイル・タイプを認識するように構成することができ、第三者の統合及びサポートに応じて、.CGR、.CKD、.CKT、.EASM、.EDRW、.IAM、.IDW、.PAR、.PRT、.SKP、.SLDASM、.SLDDRW、.SLDPRT、.TCT、.WRL、.X_B、.X_T及び.XEなどのファイル・タイプをサポートするまで成長することができる。
【0067】
さまざまな実施例では、樹脂の所与のボクセルによって受容されたエネルギーの線量を推定するために、ソフトウェア110は、
【数1】

の積分を使用することができ、この場合、D(t)は、時間tにおいて送出された線量であり、S(r)は、ボクセルの場所における単位階段関数であり、I(t,r)は、時間t及び空間r(r={x,y})の関数とする強度分布である。総線量は、たとえば走査テーブル114が樹脂の表面上に1つのパスを作製するために必要とされる時間であってもよい適切な時間間隔Tにわたって線量
【数2】

を積算することによって算出することができる。図12は、1213で標識された例示的な階段関数(Sr)と、1215で標識された実例I(t=t,r)とを示す。図12は、経時的な強度Iの動きを表す矢印1217を示す。
【0068】
説明の便宜上、本明細書ではシステム101の構成要素の構成及び機能を規定したことを理解されたい。明記する機能及びその関係が適切に実行される限り、代替の構成を規定することができる。(本明細書において説明するものの等価物、拡張、変形、逸脱などを含む)代替策が、明らかになるであろう。そのような代替策は、開示する実施例の範囲及び趣旨内に含まれる。
【0069】
例証の目的のために前述の説明を提示してきた。これは、網羅的ではなく、開示する形態又は実施例そのものに限定されない。実施例の改変及び適合が、開示する実施例の仕様及び実施の考慮から明らかになるであろう。たとえば、特定の構成要素を互いに結合されるものとして説明してきたが、そのような構成要素は、互いに組み込まれてもよく、又は任意の適切な形で分散されてもよい。
【0070】
さらに、本明細書において例証的な実施例を説明してきたが、その範囲は、本開示に基づいて等価の要素、改変、省略、(たとえばさまざまな実施例にわたる態様の)組み合わせ、適合、及び/又は変更を有するあらゆるすべての実施例を含む。特許請求の範囲における要素は、特許請求の範囲に使用される言語に基づいて広範に解釈されるものであり、本明細書において、又は本出願の手続き遂行中に説明する実例に限定されない。そのような実例は、非排他的であると解釈されるものである。さらに、開示する方法のステップは、順序変更ステップ及び/又は挿入若しくは削除ステップを含む、任意の方法で改変することができる。
【0071】
本開示の特徴及び利点は、詳細な明細書から明らかであり、したがって添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨及び範囲内に含まれるすべてのシステム及び方法を対象とすることが意図される。本明細書では、不定冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、「1つ又は複数の」を意味する。同様に、複数用語の使用は、これが所与の文脈において明白でない限り、必ずしも複数を示すものではない。「及び」又は「又は」などの言葉は、別途明示的に指示されない限り、「及び/又は」を意味する。さらに、数多くの改変形態及び変形形態が本開示を検討することから容易に想到されるため、図示し説明した正にその構造及び動作に本開示を限定することは望まれず、したがって、採られ得るすべての適切な改変形態及び等価物は、本開示の範囲内に含まれる。
【0072】
本明細書に開示する実施例の仕様及び実施を考慮することから、他の実施例が明らかになるであろう。本明細書及び実例を単なる例として考慮すべきであることが意図され、開示する実施例の真の範囲及び趣旨は、特許請求項の範囲によって示される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の光刺激にさらされたときに固化するように構成された流体媒体から三次元オブジェクトを生成するためのシステムであって、複数の画像処理ユニット(119)を備え、前記複数の画像処理ユニットのそれぞれは、
光を発するように構成された少なくとも1つの発光源と、
前記少なくとも1つの発光源によって発せられた光を反射するための少なくとも1つの鏡システムであって、前記発せられた光の方向を調整するための操作システムと、前記操作システムを制御するための制御システムとを備える、少なくとも1つの鏡システムと、
前記発せられた光を操作し、前記発せられた光を前記流体媒体の表面のエリア上に投影して前記表面上に画像を形成するように構成された少なくとも1つの光学要素とを備え、
前記複数の画像処理ユニットが、対応する複数の画像を前記表面上に形成するように構成され、
前記複数の画像処理ユニットが、走査テーブル(114)に対して格子パターンで配置され前記操作テーブル(114)が、前記表面に対し横方向の走査方向に可動であるように構成され
前記複数の画像処理ユニットが、前記走査方向の軸からオフセットされた角度(143)で装着される、システム。
【請求項2】
前記角度は、有理数である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記角度は、無理数である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記角度は、13度又は13.28度である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の画像のそれぞれが、前記複数の画像の少なくとも1つの他のものと重複する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムが、前記流体媒体の前記表面上の少なくとも1つの領域が、少なくとも2つの画像処理ユニットから発せられた光を受容するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの光学要素が、レンズ、回折格子、プリズム、選択された形状のアパーチャであって、選択的に前記選択された形状が、実質的に矩形又は実質的に円形の形状を含むアパーチャ、屈折率分布型レンズ、鏡、放物線反射型、全内部反射レンズ、可動レンズ、形状変形レンズ、流体を含む光学要素、波長フィルタ、及び波長選択的アブソーバの1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
ビルド・テーブルであって、
三次元オブジェクトを支持し、
前記流体媒体が前記三次元オブジェクトの上部分上に延びることができるように移動するように構成される、ビルド・テーブルをさらに含み、選択的に前記三次元オブジェクトの前記上部分上に形成されたフィルムを平滑化し、前記フィルムの厚さを調整するように構成されたリコータをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の画像処理ユニットのそれぞれ内に含まれる前記少なくとも1つの発光源が、250~480nmの範囲の波長で光を発するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の画像処理ユニットのそれぞれが、複数の発光源を備え、前記複数の発光源の少なくとも1つは、第1の波長で光を発するように構成され、前記複数の発光源の少なくとも別のものが、前記第1の波長とは異なる第2の波長で光を発するように構成され、選択的に前記複数の画像処理ユニットのそれぞれ内に含まれる前記少なくとも1つの光学要素が、前記第1の波長で発せられた光を操作するように構成された第1の光学要素と、前記第2の波長で発せられた光を操作するように構成された第2の光学要素とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数の画像処理ユニットのそれぞれ内に含まれる前記少なくとも1つの発光源が、第1の波長で光パルス、その後前記第1の波長とは異なる第2の波長で別の光パルスを発するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数の画像の少なくとも1つに関連する形状が、前記複数の画像の少なくとも別のものに関連する形状とは異なる、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの鏡システムが、前記発光源の1つ又は複数から発せられた前記光の強度を経時的に変化させるように構成され、又は前記少なくとも1つの鏡システムが、前記発光源の1つ又は複数から発せられた前記光の強度を前記流体媒体の前記表面に対して空間的に変化させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の画像のそれぞれが、少なくとも1つの画像境界部を含み、前記少なくとも1つの画像境界部は、閾値発光強度レベルによって規定され、前記少なくとも1つの境界部の第1の側部の強度レベルが、前記少なくとも1つの境界部の前記第1の側部の反対側の前記少なくとも1つの境界部の第2の側部の強度レベルより低く、選択的に、(a)前記第1の側部の前記強度レベルが、前記複数の画像の中から1つの画像を形成するために使用される前記発せられた光の最大強度の10パーセント未満である、(b)前記画像が、1つだけの画像境界部によって画定される、(c)前記複数の画像処理ユニットが、少なくとも予め決定された横方向距離ステップだけ前記表面に対して横方向に可動であるように構成され、前記複数の画像の平均サイズに対する前記横方向距離ステップの比は、無理数であり、選択的に、前記複数の画像からの画像のサイズが、内側領域の面積の平方根、前記画像境界部の長さ、又は画像の最大寸法の少なくとも1つによって規定される、又は(d)前記複数の画像処理ユニットが、少なくとも予め決定された横方向距離ステップだけ前記表面に対して横方向に可動であるように構成され、前記複数の画像の平均サイズに対する前記横方向距離ステップの比は、予め決定された値である、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
コンピュータ・システムであって、
三次元オブジェクトを形成するためにパターンに従って前記流体媒体の前記表面の領域を照射し、
前記流体媒体の固化を引き起こすのに十分なエネルギーの量を、前記発せられた光を介して前記領域に送出するように構成される、コンピュータ・システムをさらに備え、選択的に、(a)前記コンピュータ・システムが、
正方形領域に対応する四分木ノードを有する四分木を使用して前記領域を仕切り、
各正方形領域に対して、前記複数の画像から、前記正方形領域のエリアのサイズに類似するエリアサイズを有する画像を投影するように構成される、又は(b)前記複数の画像からの各画像が、実質的に矩形形状を有し、前記コンピュータ・システムが、
前記複数の画像から選択された少なくとも1つの画像を、前記少なくとも1つの画像の側部を前記領域の境界部と位置合わせするように配向するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記流体媒体が、光にさらされたときに固化するように構成された2つ以上の成分を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
3D印刷システム内のボクセルに照射するプロセスであって、前記システムは、コンピュータ・システム(105)、走査テーブル(114)に対して格子パターンで配置される複数の画像処理ユニット、樹脂を備え、
前記プロセスは、
(a)樹脂のボクセルVを選択するステップと、
(b)前記ボクセルVのための線量を決定するステップと、
(c)前記ボクセルVが、前記樹脂の表面上の前記走査テーブルの1つ又は複数のパスに対して決定された線量の放射を受容するように、光を積算するステップと、及び
(d)積算された光を使用して、前記1つ又は複数のパスに対して前記ボクセルVを照射するステップとを含むプロセス。
【請求項18】
前記ステップ(b)は、付加的に前記ボクセルVのいずれか/いくつか/すべてにわたる強度分布を決定するステップを含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
(e)樹脂のボクセルをどのようにうまく硬化させたかについてのフィードバック情報を受信し、記憶するステップの付加的なステップを含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項20】
ステップ(c)では、前記ボクセルVが、前記樹脂の表面上の前記走査テーブルの1より多いパスに対して決定された線量の放射を受信するように、光が積算され、ステップ(d)では、積算された光を使用して、前記1より多いパスに対して前記ボクセルVが
照射される、請求項17~19のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項21】
所定の光刺激にさらされたときに固化するように構成された流体媒体から三次元オブジェクトを生成するためのシステムであって、複数の画像処理ユニットを備え、前記複数の画像処理ユニットのそれぞれは、
光を発するように構成された少なくとも1つの発光源と、
前記少なくとも1つの発光源によって発せられた光を反射するための少なくとも1つの鏡システムであって、前記発せられた光の方向を調整するための操作システムと、前記操作システムを制御するための制御システムとを備える、少なくとも1つの鏡システムと
前記発せられた光を操作し、前記発せられた光を前記流体媒体の表面のエリア上に投影して前記表面上に画像を形成するように構成された少なくとも1つの光学要素と
コンピュータ・システムであって
三次元オブジェクトを形成するためにパターンに従って前記流体媒体の前記表面の領域を照射し
前記流体媒体の固化を引き起こすのに十分なエネルギーの量を、前記発せられた光を介して前記領域に送出するように構成される、コンピュータ・システムとを備え、
前記複数の画像処理ユニットが、対応する複数の画像を前記表面上に形成するように構成され、
前記複数の画像処理ユニットが、前記表面に対して少なくとも横方向に可動であるように構成され、
前記複数の画像処理ユニットが、横方向走査テーブル・サイズを有する移動する走査テーブル上に装着され、前記走査テーブルの動きのスピード及び前記複数の画像処理ユニットによって発せられる前記光の強度が選択され、それにより、選択された領域は、前記領域上の前記走査テーブルの単一パス中、前記流体媒体の固化を引き起こすために必要とされるエネルギーの量に取って代わるエネルギーの量を前記発せられた光を介して受容する、システム
【請求項22】
前記複数の画像処理ユニットは、前記樹脂の少なくとも1つの浴を横切って移動する間に、少なくとも1つの前記ボクセルVを硬化するのに必要な光子エネルギーを分配するように、数千の鏡を使用するように構成される、請求項17に記載のプロセス。
【請求項23】
前記複数の画像処理ユニットは、前記樹脂の少なくとも1つの浴を、1秒あたり最大数十メートルのスピードで横切って移動する間に、少なくとも1つの前記ボクセルVを硬化するのに必要な光子エネルギーを分配するように、数千の鏡を使用するように構成される、請求項22に記載のプロセス。
【外国語明細書】