IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

特開2024-75574サポートプログラム、情報処理装置、および印刷方法
<>
  • 特開-サポートプログラム、情報処理装置、および印刷方法 図1
  • 特開-サポートプログラム、情報処理装置、および印刷方法 図2
  • 特開-サポートプログラム、情報処理装置、および印刷方法 図3
  • 特開-サポートプログラム、情報処理装置、および印刷方法 図4
  • 特開-サポートプログラム、情報処理装置、および印刷方法 図5
  • 特開-サポートプログラム、情報処理装置、および印刷方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075574
(43)【公開日】2024-06-04
(54)【発明の名称】サポートプログラム、情報処理装置、および印刷方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240528BHJP
【FI】
G06F3/12 328
G06F3/12 304
G06F3/12 329
G06F3/12 331
G06F3/12 353
G06F3/12 356
G06F3/12 374
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024027277
(22)【出願日】2024-02-27
(62)【分割の表示】P 2023060615の分割
【原出願日】2019-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】垣鍔 亮太
(57)【要約】
【課題】OS標準の汎用印刷プログラムが組み込まれた情報処理装置において、印刷指示に基づく処理に関する情報を、ユーザが簡単に入手できる技術を提供すること。
【解決手段】汎用印刷プログラム41に対して、画像の印刷をプリンタ2に行わせる印刷指示があった場合に、補助プログラム42が、プリンタ2の現況情報をプリンタ2から取得し、取得した現況情報に基づいて、現況情報に基づくメッセージを出力する表示条件を満たすか否かを判断し、表示条件を満たすと判断した場合に、メッセージをPC1のUI20に表示させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータによって実行可能であり、前記情報処理装置と接続するプリンタに対応するサポートプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記情報処理装置のオペレーティングシステムにあらかじめ組み込まれた汎用印刷プログラムに対して、画像の印刷を前記プリンタに行わせる印刷指示があったことに基づいて、取得処理と、判断処理と、表示処理とを実行させ、
前記取得処理では、
前記情報処理装置の通信インタフェースを介して前記プリンタに問い合わせ、前記プリンタの情報を取得し、
前記判断処理では、
前記取得処理にて取得した前記プリンタの情報に基づいて、前記情報に基づくメッセージを出力する表示条件を満たすか否かを判断し、
前記表示処理では、
前記判断処理にて前記表示条件を満たすと判断した場合に、前記メッセージを前記情報処理装置の表示デバイスに表示させる、
ことを特徴とするサポートプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載するサポートプログラムにおいて、
前記汎用印刷プログラムが印刷データを生成した後、前記コンピュータに、前記取得処理と、前記判断処理と、前記表示処理とを実行させ、
前記取得処理にて取得される前記プリンタの情報には、前記プリンタのステータスを示すステータス情報が含まれ、
前記表示条件を、前記ステータス情報が前記印刷指示に対応する印刷ジョブを実行できないステータスを示していることとする、
ことを特徴とするサポートプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載するサポートプログラムにおいて、
前記表示処理では、
前記メッセージを表示した後、前記印刷指示に対応する前記印刷ジョブを実行できるステータスを示す前記ステータス情報を取得した場合、前記メッセージの表示を終了する、
ことを特徴とするサポートプログラム。
【請求項4】
請求項1に記載するサポートプログラムにおいて、
前記印刷指示に対応する印刷ジョブの印刷パラメータを受け付けた後、前記コンピュータに、前記取得処理と、前記判断処理と、前記表示処理とを実行させ、
前記取得処理にて取得される前記プリンタの情報には、前記プリンタに設定されている設定情報が含まれ、
前記表示条件を、前記印刷パラメータの値と、前記印刷パラメータに対応する前記設定情報に示される値と、が合致しないこととする、
ことを特徴とするサポートプログラム。
【請求項5】
請求項1に記載するサポートプログラムにおいて、
前記取得処理にて取得される前記プリンタの情報には、前記プリンタにて実行される印刷ジョブの状態を示すジョブ情報が含まれ、
前記表示条件を、前記印刷指示に対応する印刷ジョブの前記ジョブ情報が、前記印刷ジョブの終了を示していることとする、
ことを特徴とするサポートプログラム。
【請求項6】
請求項1に記載するサポートプログラムにおいて、
前記取得処理にて取得される前記プリンタの情報の種類には、前記汎用印刷プログラム
が対応していない第1情報と、前記汎用印刷プログラムが対応している第2情報とが含ま
れ、
前記表示条件を、前記第1情報を取得したこととする、
ことを特徴とするサポートプログラム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載するサポートプログラムにおいて、
前記表示処理では、
前記メッセージを表示した後、所定の時間が経過すると、前記メッセージの表示を終
了する、
ことを特徴とするサポートプログラム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載するサポートプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記汎用印刷プログラムが生成した印刷データの前記プリンタへの送信に基づいて、
前記取得処理の定期的な実行を開始させる、
ことを特徴とするサポートプログラム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載するサポートプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記表示処理による前記メッセージの表示中、前記印刷指示に対応する印刷ジョブの
キャンセルを受け付けるキャンセル受付処理と、
前記キャンセル受付処理にて前記印刷ジョブのキャンセルを受け付けた場合に、前記
印刷ジョブのキャンセルコマンドを前記プリンタに送信する送信処理と、
を実行させる、
ことを特徴とするサポートプログラム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1つに記載するサポートプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記印刷指示があった場合に、前記印刷指示の対象となる印刷ジョブの印刷パラメー
タの設定を受け付ける設定受付処理を実行させ、前記汎用印刷プログラムは、前記設定受
付処理にて受け付けた前記印刷パラメータの設定に基づいて印刷データを生成し、
さらに前記コンピュータに、
前記表示処理にて前記メッセージを表示した場合に、前記設定受付処理を再実行させ
る、
ことを特徴とするサポートプログラム。
【請求項11】
情報処理装置のコンピュータによって実行可能であり、前記情報処理装置と接続するプ
リンタに対応するサポートプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記情報処理装置のオペレーティングシステムにあらかじめ組み込まれた汎用印刷プ
ログラムに対して、画像の印刷を前記プリンタに行わせる印刷指示があったことに基づい
て、前記印刷指示に対応する印刷ジョブの印刷パラメータを受け付ける場合に、判断処理
と、表示処理とを実行させ、
前記判断処理では、
前記印刷指示に対応する印刷ジョブの印刷パラメータに特定の設定があるか否かを判
断し、
前記表示処理では、
前記判断処理にて前記特定の設定があると判断した場合に、前記特定の設定に基づくメッセージを前記情報処理装置の表示デバイスに表示させる、
ことを特徴とするサポートプログラム。
【請求項12】
通信インタフェースと、表示デバイスと、コンピュータとを備える情報処理装置であって、
前記情報処理装置のオペレーティングシステムは、あらかじめ組み込まれたプログラムである汎用印刷プログラムを有しており、
前記情報処理装置には、前記情報処理装置と接続するプリンタに対応するサポートプログラムが組み込まれており、
前記コンピュータは、
前記汎用印刷プログラムに対して、画像の印刷を前記プリンタに行わせる印刷指示があったことに基づいて、前記サポートプログラムによって、取得処理と、判断処理と、表示処理とを実行し、
前記取得処理では、
前記通信インタフェースを介して前記プリンタに問い合わせ、前記プリンタの情報を取得し、
前記判断処理では、
前記取得処理にて取得した前記プリンタの情報に基づいて、前記情報に基づくメッセージを出力する表示条件を満たすか否かを判断し、
前記表示処理では、
前記判断処理にて前記表示条件を満たすと判断した場合に、前記メッセージを前記表示デバイスに表示させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
表示デバイスと、コンピュータとを備える情報処理装置であって、
前記情報処理装置のオペレーティングシステムは、あらかじめ組み込まれたプログラムである汎用印刷プログラムを有しており、
前記情報処理装置には、前記情報処理装置と接続するプリンタに対応するサポートプログラムが組み込まれており、
前記コンピュータは、
前記汎用印刷プログラムに対して、画像の印刷を前記プリンタに行わせる印刷指示があったことに基づいて、前記サポートプログラムによって、前記印刷指示に対応する印刷ジョブの印刷パラメータを受け付ける場合に、判断処理と、表示処理とを実行し、
前記判断処理では、
前記印刷指示に対応する印刷ジョブの印刷パラメータに特定の設定があるか否かを判断し、
前記表示処理では、
前記判断処理にて前記特定の設定があると判断した場合に、前記特定の設定に基づくメッセージを前記表示デバイスに表示させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
情報処理装置にプリンタが接続され、
前記情報処理装置のオペレーティングシステムは、あらかじめ組み込まれたプログラムである汎用印刷プログラムを有しており、
前記情報処理装置には、前記情報処理装置と接続するプリンタに対応するサポートプログラムが組み込まれており、
前記情報処理装置で生成された印刷データに基づく印刷を、前記プリンタに実行させる印刷方法において、
前記汎用印刷プログラムに対して、画像の印刷を前記プリンタに行わせる印刷指示があったことに基づいて、前記サポートプログラムによって行うステップとして、取得ステ
ップと、判断ステップと、表示ステップとを含み、
前記取得ステップでは、
前記情報処理装置の通信インタフェースを介して前記プリンタに問い合わせ、前記プ
リンタの情報を取得し、
前記判断ステップでは、
前記取得ステップにて取得した前記プリンタの情報に基づいて、前記情報に基づくメ
ッセージを出力する表示条件を満たすか否かを判断し、
前記表示ステップでは、
前記判断ステップにて前記表示条件を満たすと判断した場合に、前記メッセージを前
記情報処理装置の表示デバイスに表示させる、
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項15】
情報処理装置にプリンタが接続され、
前記情報処理装置のオペレーティングシステムは、あらかじめ組み込まれたプログラム
である汎用印刷プログラムを有しており、
前記情報処理装置には、前記情報処理装置と接続するプリンタに対応するサポートプロ
グラムが組み込まれており、
前記情報処理装置で生成された印刷データに基づく印刷を、前記プリンタに実行させる
印刷方法において、
前記汎用印刷プログラムに対して、画像の印刷を前記プリンタに行わせる印刷指示が
あったことに基づいて、前記印刷指示に対応する印刷ジョブの印刷パラメータを受け付け
る場合に前記サポートプログラムによって行うステップとして、判断ステップと、表示ス
テップとを含み、
前記判断ステップでは、
前記印刷指示に対応する印刷ジョブの印刷パラメータに特定の設定があるか否かを判
断し、
前記表示ステップでは、
前記判断ステップにて前記特定の設定があると判断した場合に、前記特定の設定に基
づくメッセージを前記情報処理装置の表示デバイスに表示させる、
ことを特徴とする印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
パーソナルコンピュータ等の情報処理装置からプリンタを制御する技術として、情報処理装置にプリンタドライバをインストールし、プリンタドライバによって印刷データを生成し、その印刷データをプリンタに送信する構成が広く知られている(例えば、特許文献1)。プリンタドライバは、プリンタのメーカから提供され、そのプリンタが有する各種の機能に対応しており、そのプリンタを十分に利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開2017-134718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、前述したプリンタドライバを利用せず、オペレーティングシステム(OS)に標準に組み込まれている汎用印刷プログラムによってプリンタを制御する技術が実用化されている。この技術では、OSがプリンタを検知するとOS標準の汎用印刷プログラムとの関連付けを行い、以後、そのプリンタに対する印刷指示を受け付けた場合に、プリンタドライバを用いずに、OS標準の汎用印刷プログラムによる印刷が可能になる。
【0004】
前述したOS標準の汎用印刷プログラムによる印刷であっても、プリンタドライバによる印刷と同様に、印刷データがOSのプリントキューに蓄積されることで印刷指示に対する処理が終了する。その後の印刷データに関する情報をユーザが入手する場合、OSのユーザインタフェースを操作する必要があり、ユーザにとって手間になる。
【0005】
本明細書は、OS標準の汎用印刷プログラムが組み込まれた情報処理装置において、印刷指示に基づく処理に関する情報を、ユーザが簡単に入手できる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題の解決を目的としてなされたサポートプログラムの一態様は、情報処理装置のコンピュータによって実行可能であり、前記情報処理装置と接続するプリンタに対応するサポートプログラムであって、前記コンピュータに、前記情報処理装置のオペレーティングシステムにあらかじめ組み込まれた汎用印刷プログラムに対して、画像の印刷を前記プリンタに行わせる印刷指示があったことに基づいて、取得処理と、判断処理と、表示処理とを実行させ、前記取得処理では、前記情報処理装置の通信インタフェースを介して前記プリンタに問い合わせ、前記プリンタの情報を取得し、前記判断処理では、前記取得処理にて取得した前記プリンタの情報に基づいて、前記情報に基づくメッセージを出力する表示条件を満たすか否かを判断し、前記表示処理では、前記判断処理にて前記表示条件を満たすと判断した場合に、前記メッセージを前記情報処理装置の表示デバイスに表示させる、ことを特徴とする。
【0007】
上記サポートプログラムは、サポートプログラムがプリンタからそのプリンタの情報を取得し、表示条件を満たしている場合に、取得した情報に基づくメッセージを表示デバイスに表示する。このようなサポートプログラムによれば、ユーザがOSのユーザインタフェースを操作することなく、そのメッセージをユーザが確認することで、ユーザが印刷ジョブに関する情報を簡単に入手できる。
【0008】
上記装置の機能を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、および当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用であ
る。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に開示される技術によれば、OS標準の汎用印刷プログラムが組み込まれた情
報処理装置において、印刷指示に基づく処理に関する情報を、ユーザが簡単に入手できる
技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】印刷システムの電気的構成を示すブロック図である。
図2】各プログラムによる動作の順序の例を示すシーケンス図である。
図3】データ構造の例を示す説明図であって、(a)は印刷データを示し、(b)は現況情報を示す。
図4】メッセージの一例を示すUI図である。
図5】各プログラムによる動作の順序の例を示すシーケンス図である。
図6】各プログラムによる動作の順序の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態のプログラムを利用する印刷システムについて、添付図面を参照しつ
つ詳細に説明する。本形態は、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」とする)とプリ
ンタとを含む印刷システムを具体化した実施の形態を開示するものである。
【0012】
本形態のプログラムが実行される印刷システムの構成の例を、図1に示す。図1に示す
システムには、PC1と、プリンタ2と、プリンタ3と、が含まれる。PC1は、情報処
理装置の一例である。プリンタ2およびプリンタ3は、印刷機能を有する装置であり、ロ
ーカル通信またはネットワーク通信を介して、PC1と通信可能である。なお、PC1に
は、複数のプリンタ2が接続されてもよい。
【0013】
PC1は、例えば、図1に示すように、コントローラ10と、ユーザインタフェース(
以下、「UI」とする)20と、通信インタフェース(以下、「通信IF」とする)30
と、を備えている。UI20及び通信IF30は、コントローラ10に電気的に接続され
ている。
【0014】
UI20は、各種の表示を行い、ユーザの指示入力を受け付けるハードウェアを含む。
UI20は、表示機能と入力受付機能との両方の機能を有するタッチパネルであっても良
いし、表示機能を有するディスプレイと入力受付機能を有するキーボードやマウス等との
組合せであっても良い。
【0015】
通信IF30は、プリンタ2やプリンタ3との通信を行うためのハードウェアや、イン
ターネットへのアクセスを行うためのハードウェアを含む。通信IF30は、通信方式の
異なる複数のインタフェースを含んでいても良い。通信方式としては、例えば、ネットワ
ーク通信、USB通信がある。また、有線通信であっても無線通信であってもよい。
【0016】
コントローラ10は、CPU11と、メモリ12と、を含む。CPU11は、コンピュ
ータの一例である。メモリ12は、ROMと、RAMと、不揮発性メモリと、CPU11
のバッファと、を含み、各種のアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」とする)
などのプログラムや各種のデータなどを記憶する。なお、本明細書では、メモリの詳細を
区別しない。CPU11は、メモリ12から読み出したプログラムに従って、また、ユー
ザの指示に基づいて、各種の処理を実行する。なお、図1中のコントローラ10は、PC
1の制御に利用されるハードウェアやソフトウェアを纏めた総称であって、実際にPC1
に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。
【0017】
メモリ12の一例は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。
コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0018】
メモリ12には、例えば、図1に示すように、汎用印刷プログラム41を含むオペレーティングシステム(以下、「OS」とする)21と、補助プログラム42と、編集アプリ43と、が記憶されている。補助プログラム42は、サポートプログラムの一例である。
補助プログラム42は、例えば、マイクロソフト社が公開した仕様に基づいてプリンタベンダによって作成された、ハードウェアサポートアプリ(略称、HSA)である。OS21は、例えば、マイクロソフトウィンドウズ(登録商標)、MacOS(登録商標)、Linux(登録商標)である。なお、メモリ12には、図示したもの以外にも、接続されているプリンタの情報を含む各種のデータや、ブラウザ等の各種のプログラムが記憶されている。
【0019】
汎用印刷プログラム41は、PC1からプリンタ2等の各種のプリンタで印刷を実行させるためのアプリであり、OS21にあらかじめ組み込まれているOS標準の印刷プログラムである。本形態の汎用印刷プログラム41は、印刷対象の画像データに基づいて、プリンタが対応可能な印刷データを生成するプログラムである。
【0020】
汎用印刷プログラム41は、各プリンタのベンダによって提供される複数種類のモデルのプリンタに適用可能な汎用のアプリであり、各モデルに共通する動作を各プリンタに行わせるプログラムである。あるいは、汎用印刷プログラム41は、OS21にあらかじめ組み込むために、各プリンタのベンダによってOS21のベンダに提供されるプログラム、例えば、OS21にあらかじめ組み込むために提供されるプリンタドライバの一種であっても良い。
【0021】
補助プログラム42は、汎用印刷プログラム41の起動に付随してOS21からの指示に基づいて処理を実行するプログラムであり、対象のハードウェア、例えばプリンタ2等の制御をサポートするアプリである。補助プログラム42は、例えば、汎用印刷プログラム41から起動される。補助プログラム42は、プリンタ2等のベンダによってプリンタのタイプごとに用意されるプログラムである。例えば、インクジェットプリンタ用の補助プログラム42やレーザプリンタ用の補助プログラム42が用意される。プリンタのタイプごとに限らず、プリンタのモデルごとやプリンタのモデルのシリーズごとに用意される補助プログラム42が有っても良い。
【0022】
プリンタのベンダは、OS21のベンダが指定する手順に従って、補助プログラム42をOS21のベンダが提供するプラットフォームに登録する。OS21は、PC1に新たにプリンタ2が接続され、そのプリンタ2に対応する補助プログラム42がプラットフォームに登録されている場合には、当該補助プログラム42を補助プログラム42が格納されているサーバからダウンロードしてPC1に組み込む。
【0023】
そして、OS21は、組み込んだ補助プログラム42の識別情報を新たに接続されたプリンタのプリンタ情報に対応付けて、メモリ12に記憶させる。複数のモデルのプリンタが接続されているPC1では、各モデルのタイプに対応するそれぞれの補助プログラムが
組み込まれ、各プリンタと各補助プログラムとを対応付ける情報がメモリ12に記憶され
る。つまり、メモリ12には、PC1に接続されている各プリンタのプリンタ情報として
、当該プリンタのモデル情報やアクセス情報とともに、対応する補助プログラム42の情
報が記憶される。
【0024】
編集アプリ43は、例えば、画像データや文書データの作成や編集を行うためのアプリ
である。編集アプリ43は、例えば、マイクロソフト ワード(登録商標)、パワーポイ
ント(登録商標)である。また、プリンタ2やプリンタ3のベンダから提供されるアプリ
であってもよい。編集アプリ43は、プリンタ2に所定の動作を行わせる指示を含むユー
ザ操作を受け付ける。具体的には、編集アプリ43は、UI20を介して、例えば、プリ
ンタ2に印刷を実行させる印刷指示を受け付ける。
【0025】
なお、実施の形態における各処理は、基本的に、補助プログラム42などのプログラム
に記述された命令に従ったCPU11の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判
断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制
御」等の処理は、CPU11の処理を表している。CPU11による処理は、OS21の
APIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OS21の詳細な記載を省略し
て各プログラムの動作を説明する。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハ
ードウェアCを制御する」という趣旨の記載は、「プログラムBがOS21のAPIを用
いてハードウェアCを制御する」ことを指してもよい。また、プログラムに記述された命
令に従ったCPU11の処理を、省略した文言で記載することがある。例えば、「CPU
11が行う」のようにプログラムを省略して記載することがある。また、プログラムに記
述された命令に従ったCPU11の処理を、「プログラムAが行う」のようにCPUを省
略した文言で記載することがある。
【0026】
なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU11が要求す
ることなくデータを受信するという処理も、「CPU11がデータを取得する」という概
念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列
で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一の
データとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、
「要求する」、「指示する」とは、要求していることを示す情報や、指示していることを
示す情報を相手に出力することを示す概念である。また、要求していることを示す情報や
指示していることを示す情報のことを、単に、「要求」、「指示」とも記載する。
【0027】
また、CPU11による、情報Aは事柄Bであることを示しているか否かを判断する処
理を、「情報Aから、事柄Bであるか否かを判断する」のように概念的に記載することが
ある。CPU11による、情報Aが事柄Bであることを示しているか、事柄Cであること
を示しているか、を判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか事柄Cであるかを判
断する」のように概念的に記載することがある。
【0028】
次に、本形態の補助プログラム42の構成、および補助プログラム42の動作を含む印
刷手順の一例について、図2図6を参照して説明する。なお、図2図5図6のうち
、共通処理には同じ符号を使用する。
【0029】
補助プログラム42は、編集アプリ43等を介して、補助プログラム42に対応するプ
リンタが指定された状態で汎用印刷プログラム41を使用して印刷する印刷指示を受け付
けた場合に、汎用印刷プログラム41から実行指示されるプログラムである。以下では、
PC1がUI20を介して、例えば、編集アプリ43にて、印刷対象の画像データが指定
された状態で、汎用印刷プログラム41を介してのプリンタ2での印刷実行の指示を受け
付けた場合であって、プリンタ2のモデルのタイプに対応する補助プログラム42がPC1に組み込まれている場合について説明する。
【0030】
図2に示すように、まず、編集アプリ43は、UI20を介して、印刷対象の画像の指定と、印刷実行の指示入力を受け付ける(矢印A)。編集アプリ43が表示した画像は、印刷対象の画像の例である。編集アプリ43は、例えば、編集アプリ43にて編集された文書や、編集アプリ43にて読み込んだ写真などを画像として表示する。そして、印刷指示を受け付けた編集アプリ43は、受け付けた印刷指示の内容を示す印刷実行通知をOS21に渡す。なお、図2、及び、後述する図5図6では、OS21の動作を省略して示している。
【0031】
OS21は、汎用印刷プログラム41を使用する印刷実行通知を受け付けた場合、汎用印刷プログラム41を実行させ、汎用印刷プログラム41に印刷実行通知を渡す(矢印B)。汎用印刷プログラム41は、印刷実行通知にて、印刷指示に含まれる各種の情報、例えば、印刷させるプリンタを示す情報、アプリにて設定された印刷パラメータを示す情報、印刷対象となる画像データを示す情報、印刷を指示したユーザを識別する情報を、取得できる。なお、後述するように、これらの情報は、補助プログラム42でも使用可能とされる。
【0032】
汎用印刷プログラム41は、印刷実行通知に含まれる画像データの形式を中間画像データの形式に変換することで中間画像データを生成し、中間画像データを含む印刷ジョブを生成する(矢印C)。編集アプリ43に含まれる画像データは種々のタイプのものであり、汎用印刷プログラム41は、受け取った画像データを、印刷データの生成に適した中間画像データに変換する。なお、印刷実行通知に含まれる画像データが印刷データの生成に適したデータであれば、中間画像データの生成を省略し、そのまま中間画像データとしても良い。中間画像データは、例えば、XPSデータである。
【0033】
さらに、汎用印刷プログラム41は、印刷実行通知に含まれる情報に基づいて、印刷を実行させる装置として指定されているプリンタを特定する。汎用印刷プログラム41は、例えば、プリンタ2が指定されている場合、メモリ12に記憶されているプリンタ情報に含まれるプリンタのモデル情報に基づいて、プリンタ2のモデルを特定する。そして、印刷指示にて指定されたプリンタであるプリンタ2に対応する補助プログラム42がメモリ12に記憶されていることから、汎用印刷プログラム41は、補助プログラム42の処理の実行命令を出力し、汎用印刷プログラム41による印刷データの生成を開始する前に、補助プログラム42を動作させる(矢印D)。なお、汎用印刷プログラム41は、汎用印刷プログラム41による印刷データを生成した後に、補助プログラム42を動作させてもよい。
【0034】
補助プログラム42は、実行命令に応じて、印刷パラメータに特定の設定があるか否かを判断する(矢印E)。矢印Eは判断処理の一例であり、矢印Eの判断条件は表示条件の一例である。印刷パラメータは、汎用印刷プログラム41が編集アプリ43から取得して実行命令に付した印刷パラメータであってもよいし、補助プログラム42が、例えば、印刷パラメータ編集画面を表示して受け付けた印刷パラメータであってもよい。
【0035】
印刷パラメータの種類には、用紙サイズなど、汎用印刷プログラム41が対応可能な汎用パラメータと、用紙種類など、プリンタに固有であって汎用印刷プログラム41が対応できない固有パラメータとがある。編集アプリ43がプリンタ2のベンダから提供されるアプリでない場合、汎用パラメータのみが実行命令に付されるが、編集アプリ43がプリンタ2のベンダから提供されるアプリである場合、汎用パラメータとプリンタ2の固有パラメータが実行命令に付される可能性がある。なお、実行命令に汎用パラメータのみが付される場合でも、補助プログラム42側で固有パラメータを付加し、印刷パラメータを加
工してもよい。
【0036】
印刷パラメータの中には、用紙種類がはがきなどの高級紙である場合のように、印刷前
にユーザに印刷の実施を確認するのが好ましい場合がある。そこで、補助プログラム42
は、設定可能な印刷パラメータのうち、印刷前に印刷の実施を確認する特定の設定を指定
している。
【0037】
例えば、補助プログラム42は、用紙種類の設定の1つである「はがき」を特定の設定
に指定している場合、印刷パラメータの用紙種類の設定値が「はがき」であるか否かを判
断する。補助プログラム42は、用紙種類の設定値が「はがき」である場合、印刷パラメ
ータが特定の設定を含むと判断し、メッセージを表示する(矢印F)。矢印Fは表示処理
の一例である。
【0038】
具体的に、例えば、補助プログラム42は、図4(a)に示すダイアログ110をUI
20に表示させる。ダイアログ110には、はがきに印刷することを確認する確認用のメ
ッセージ114が表示される。また、ダイアログ110には、印刷の続行を指示する印刷
続行ボタン111と、印刷をキャンセルすることを指示するキャンセルボタン112が表
示されている。
【0039】
ユーザがキャンセルボタン112を操作した場合(矢印G)、補助プログラム42は、
キャンセル通知を汎用印刷プログラム41に出力する(矢印H)。汎用印刷プログラム4
1は、キャンセル通知に応じて印刷を中止し(矢印I)、印刷キャンセル通知を編集アプ
リ43に出力する(矢印J)。確認用のメッセージ114を表示したことにより、特定の
設定がなされていることに気付いたユーザが、設定値を変更し、改めて印刷を指示してく
ることを期待できる。
【0040】
なお、設定値の変更を、補助プログラム42が受け付けてもよいし、編集アプリ43が
受け付けてもよい。また、後述する図4(b)のダイアログ120と同様に、ダイアログ
110にも再設定ボタン123を設け、再設定ボタン123の操作を契機に、後述する図
5の矢印R~T、Dと同様の処理を行ってもよい。
【0041】
一方、ユーザが印刷続行ボタン111を操作した場合(矢印G)、補助プログラム42
は、実行命令に付された中間画像データを、印刷パラメータに基づいて編集する編集処理
を実行し(矢印K)、終了通知を汎用印刷プログラム41に渡す(矢印L)。汎用印刷プ
ログラム41は、補助プログラム42から出力された終了通知に含まれる中間画像データ
に基づいて印刷データを生成する(矢印M)。つまり、汎用印刷プログラム41は、用紙
種類の設定値が「はがき」のまま、印刷データを生成する。なお、中間画像データは、汎
用印刷プログラム41が生成した中間画像データでもよい。汎用印刷プログラム41によ
って生成される印刷データは、各種のプリンタにて印刷に使用できる形式の印刷データで
ある。印刷データは、例えば、PWGRasterデータまたはPDFデータである。
【0042】
なお、補助プログラム42は、印刷続行ボタン111又はキャンセルボタン112の操
作に応じて、ダイアログ110を消去し、メッセージの表示を終了する。なお、補助プロ
グラム42は、ダイアログ110に印刷続行ボタン111又はキャンセルボタン112を
表示せず、所定の時間が経過した場合に、メッセージの表示を終了し、印刷を続行するよ
うにしてもよい。
【0043】
印刷データの生成後、汎用印刷プログラム41は、生成した印刷データを含む印刷命令
をプリンタ2へ送信する(矢印N)。なお、補助プログラム42は、プリンタ2に特有な
機能を実行させるためのコマンドを印刷データに付加するなど、印刷データを加工する機能を有してもよい。この場合、汎用印刷プログラム41は、加工済み印刷データをプリンタ2に送信してもよい。印刷データは、例えば図3(a)に示すように、印刷ジョブを実行するプリンタを特定するプリンタ特定情報と、印刷する画像の印刷画像データと、印刷パラメータとを含む。
【0044】
印刷命令を受信したプリンタ2では、印刷命令に付された印刷データに基づいて、印刷データの画像の印刷が実行される。プリンタ2は、コマンドが付加された印刷データを受信した場合、印刷の実行に際して、コマンドによって示される動作を行う。なお、印刷データを編集する処理の終了後、補助プログラム42が、通信IF30を介して、汎用印刷プログラム41を介さずにプリンタ2に対して印刷命令を送信してもよい。
【0045】
上述した矢印E、Fの処理は、1つの印刷ジョブに対して1回だけ行えばよい。矢印E、Fの処理を行うタイミングは、上記に限らず、印刷データがプリンタ2に送信される前であれば、例えば、編集処理後や、印刷データが生成される前や、印刷データが生成された後でもよい。ただし、編集処理前に実行することで、印刷に結びつかない無駄な処理を未然に回避できる。
【0046】
また、例えば図5に示すように、補助プログラム42は、印刷指示に対応する印刷パラメータを受け付けた後、プリンタ2の情報である現況情報を問い合わせ、現況情報を取得する(矢印O)。矢印Oは、取得処理の一例である。印刷パラメータの受け付けは、実行命令に付された印刷パラメータを受信することにより行ってもよいし、中間画像データの編集処理にて印刷パラメータの設定を受け付けることにより行ってもよい。なお、補助プログラム42は、汎用印刷プログラム41から出力された実行命令によって示されるプリンタの識別情報を取得し、取得した識別情報が示すプリンタに対し、現況情報を問い合わせる。
【0047】
現況情報は、例えば図3(b)に示すように、ステータス情報や設定情報など多数の情報を含む。
【0048】
ステータス情報は、印刷ジョブを実行するプリンタ2の状態を示す情報である。ステータス情報には、例えば、印刷ジョブを蓄積する蓄積ジョブ用のメモリの空き状態を示す情報や、印刷ジョブの進捗状態を示すジョブ情報や、着色剤の残量や、フィニッシャの有無や、ステープルの針の有無などを示す情報などが含まれる。
【0049】
ジョブ情報には、印刷ジョブの印刷を実行中であることを示す「印刷実行中」、印刷ジョブの印刷が終了していることを示す「印刷終了」、印刷ジョブの印刷が停止していることを示す「印刷停止中」、他の印刷ジョブの印刷終了を待っていることを示す「待機中」の何れかが含まれる。プリンタ2は、操作部を介して印刷を中止するキャンセル操作を受け付けることができる。プリンタ2がキャンセル操作を受け付けた場合、ジョブ情報には「印刷終了」「キャンセル操作:あり」を示す情報が含まれる。一方、プリンタ2が、キャンセル操作を受け付けずに印刷を終了した場合には、ジョブ情報には、「キャンセル操作:あり」が含まれず、「印刷終了」が含まれる。
【0050】
「印刷停止中」の情報には、紙詰まりや用紙切れ、着色剤切れなどのエラーの種類を示す情報が付加される。プリンタ2は、複数の印刷データを受信する場合、内部メモリに記憶した印刷データを順番に処理する。よって、プリンタ2にて実行される印刷ジョブの状態には、印刷実行中の状態と、印刷終了の状態と、待機中の状態とがある。また、印刷ジョブの状態には、用紙切れや紙詰まりなどのエラー、あるいは、キャンセル操作によって、印刷を終了された状態がある。プリンタ2は、PC1からの問い合わせに応じて、自装置の状態を検知し、現況情報を返信する。
【0051】
なお、「印刷停止中」は、印刷指示に対応する印刷ジョブを実行できないステータスを
示すステータス情報の一例である。「印刷終了」は、印刷指示に対応する印刷ジョブを実
行できるステータスを示すステータス情報の一例である。
【0052】
補助プログラム42は、プリンタ2から現況情報を受信できた場合、すなわち、プリン
タ2との通信が可能である場合、プリンタ2がPC1と通信可能であることを示す情報で
ある「オンライン」をステータス情報に含ませた現況情報を、メモリ12に記憶させる。
また、補助プログラム42は、通信エラーや電源オフによってプリンタ2との通信が不可
能である場合、「印刷停止中」を示す情報と、「オフライン」を示す情報とを含むステー
タス情報をメモリ12に記憶させる。
【0053】
蓄積ジョブ用のメモリは、プリンタ2における蓄積印刷のための記憶領域である。蓄積
ジョブ用のメモリの空き状態を示す情報には、例えば、蓄積ジョブ用のメモリが空いてい
ない場合、「メモリフル」が設定され、空いている場合、その空き具合が設定される。
【0054】
設定情報は、プリンタ2に設定されている設定値を含む情報である。プリンタ2は、各
種設定の入力を受け付ける操作部を有する。プリンタ2は、操作部を介して、例えば、各
トレイにセットされる用紙の用紙サイズや用紙種類の設定値、カラー/モノクロ印刷の設
定値の入力を受け付け、内部メモリに記憶する機能を有する。プリンタ2は、PC1から
の問い合わせに応じて用紙サイズと用紙種類の設定値を返す場合、内部メモリに設定され
た用紙サイズや用紙種類をPC1に返してもよいし、用紙サイズや用紙種類を検出する機
能があれば、検出結果をPC1に返してもよい。
【0055】
なお、上記現況情報の種類には、固有情報と汎用情報がある。固有情報は、汎用印刷プ
ログラム41が対応していない情報、つまり、プリンタ2に固有のステータス情報又は設
定情報である。例えば、ステータス情報に含まれるフィニッシャの有無、ステープラの針
の有無、ステープラの成否などのオプションユニットに関する情報、メモリフルなど蓄積
ジョブ用のメモリに関する情報、プリンタ2側のキャンセル操作に関する情報、設定情報
に含まれる用紙種類の設定値などは、固有情報の一例である。
【0056】
一方、汎用情報は、汎用的な情報であって、汎用印刷プログラム41に対応している情
報、つまり、OS21が理解できる汎用的な情報である。例えば、ステータス情報に含ま
れる印刷ジョブの状態、エラー、通信状態、着色剤の残量、設置情報に含まれる用紙サイ
ズ、カラー/モノクロ印刷の設定値などは、汎用情報の一例である。なお、固有情報は第
1情報の一例であり、汎用情報は第2情報の一例である。
【0057】
図5に戻り、補助プログラム42は、プリンタ2から取得した現況情報をメモリ12に
記憶すると、印刷指示に対応する印刷ジョブの印刷パラメータの値と、プリンタ2から取
得した現況情報に含まれ、印刷パラメータに対応する設定情報に示される値とが、合致し
ないか否かを判断する(矢印P)。なお、矢印Pは判断処理の一例であり、矢印Pの判断
条件は表示条件の一例である。
【0058】
例えば、補助プログラム42は、印刷パラメータの値と、現況情報に含まれる設定情報
に示される設定値と、を比較する。例えば、印刷パラメータの用紙種類の設定値が「光沢
紙」であり、プリンタ2から取得した現況情報に含まれる用紙種類の設定値が「普通紙」
である場合、補助プログラム42は、印刷パラメータの値と設定情報の設定値とが合致し
ないと判断し、メッセージをUI20に表示する(矢印Q)。矢印Qは表示処理の一例で
ある。
【0059】
具体的に、例えば、補助プログラム42は、図4(b)に示すダイアログ120をUI20に表示させる。ダイアログ120は、用紙種類の設定がプリンタ2に対応していないことを通知するメッセージ124が表示される。また、ダイアログ120には、印刷の続行を指示する印刷続行ボタン121と、印刷をキャンセルすることを指示するキャンセルボタン122と、印刷の設定を変更することを指示する再設定ボタン123と、が表示されている。
【0060】
例えば図5に示すように、ユーザがUI20を介して再設定ボタン123を操作した場合(矢印R)、補助プログラム42は、リターン通知を汎用印刷プログラム41に出力する(矢印S)。汎用印刷プログラム41は、リターン通知に応じて、実行命令を再出力する(矢印T、D)。例えば、補助プログラム42の編集処理にて、印刷パラメータを設定する設定画面を表示することにより、印刷パラメータの用紙種類は、「光沢紙」から「普通紙」に変更される可能性が高いので、プリンタ2がユーザの意図しない印刷を実行することが抑制される。
【0061】
なお、ユーザがUI20を介して印刷続行ボタン121を操作した場合(矢印R)、補助プログラム42は、編集処理を行い(矢印K)、印刷を続行する(矢印K~矢印N)。
ユーザは、ダイアログ120により、あえて普通紙への印刷を許可しているので、印刷をやり直す可能性は低い。すなわち、印刷のやり直しが抑制される。
【0062】
また、ユーザがUI20を介してキャンセルボタン122を操作すると(矢印R)、補助プログラム42は、キャンセル通知を汎用印刷プログラム41に出力する(矢印H)。
汎用印刷プログラム41は、キャンセル通知に応じて印刷を中止し(矢印I)、印刷キャンセル通知を編集アプリ43に出力する(矢印J)。これにより、ユーザが意図しない印刷物が抑制される。
【0063】
なお、矢印P、Qの処理は、印刷パラメータの設定を受け付けるごとに、1回だけ行ってもよい。また、矢印P、Qの処理を実行するタイミングは、上記に限らず、例えば、編集処理の後でも、印刷データを生成する前でも、印刷データを生成した後でもよい。
【0064】
図6に示すように、汎用印刷プログラム41が補助プログラム42の終了通知に応じて印刷データを生成し、プリンタ2に印刷データを送信すると(矢印N)、プリンタ2は、その印刷データを内部メモリに記憶し、印刷を実行する(矢印V)。補助プログラム42は、汎用印刷プログラム41に終了通知を出力した後(図5の矢印L)、プリンタ2に現況情報を定期的に問い合わせ、プリンタ2から返信された現況情報を受信する(矢印U)。補助プログラム42は、受信した現況情報をリスト化してメモリ12に記憶する。
【0065】
補助プログラム42は、プリンタ2から現況情報に基づいて、表示条件を満たすか否か、例えば、「印刷停止中」であるか否か、または、「印刷終了」であるか否か、を判断し(矢印W)、表示条件を満たす場合にメッセージを表示する(矢印X)。なお、矢印Uは取得処理の一例であり、矢印Wは判断処理の一例であり、矢印Xは表示処理の一例である。矢印Uの判断条件は表示条件の一例である。
【0066】
補助プログラム42は、現況情報を定期的に取得して更新することで、最新の現況情報に基づくメッセージを表示することが可能になる。なお、補助プログラム42は、例えば、設定情報については、汎用印刷プログラム41がプリンタ2に印刷データを送信する場合に1回だけプリンタ2から取得してメッセージを表示し、その他の現況情報については定期的に取得してメッセージを表示するようにしてよい。これによれば、現況情報を定期的に取得する際の通信負荷を軽減することができる。
【0067】
補助プログラム42は、例えば図3(b)に示すように、「印刷停止中」、「用紙切れ
」のステータス情報をプリンタ2から受信した場合、メッセージを表示する(矢印X)。
【0068】
具体的には、例えば、補助プログラム42は、図4(c)に示すダイアログ130をU
I20に表示させる。ダイアログ130は、プリンタ2が印刷を停止している情報、エラ
ー内容、エラー解消策を通知するエラーメッセージ134が表示される。また、ダイアロ
グ130には、印刷ジョブの進捗状況を示す情報135が表示される。なお、エラーメッ
セージ134は、エラー内容、エラー対応策を含まなくてもよい。また、情報133が表
示されなくてよい。
【0069】
プリンタ2は、用紙が補充されると、印刷を再開する。プリンタ2は、印刷再開すると
、PC1からの問い合わせに応じて、「印刷実行中」を含むステータス情報をPC1に返
す。補助プログラム42は、ステータス情報が「印刷停止中」から「印刷実行中」になっ
たことにより、エラーが解消したと判断し、ダイアログ130の表示を終了する。なお、
補助プログラム42は、ダイアログ130を表示した後、所定の時間が経過した場合に、
ダイアログ130の表示を終了してもよい。
【0070】
プリンタ2の印刷が終了し、現況情報が「印刷終了」のステータス情報を含む場合、補
助プログラム42は、メッセージを表示して(矢印X)、現況情報の監視処理(矢印W~
Xの繰り返し)の処理を終了し、所定時間経過後、メッセージの表示を終了する。
【0071】
具体的には、例えば、補助プログラム42は、図4(d)に示すダイアログ140をU
I20に表示させる。ダイアログ140には、印刷終了を通知する印刷終了メッセージ1
44と、進捗状況を示す情報145が、表示される。なお、情報145は表示しなくても
よい。補助プログラム42は、ダイアログ140を表示した後、所定の時間が経過すると
、ダイアログ140の表示を終了する。なお、印刷終了に関するメッセージは、印刷が正
常に終了した場合だけでなく、例えば、プリンタ2の操作部を用いて印刷を強制終了する
など異常な状態で印刷を終了する場合にも、表示してよい。
【0072】
なお、上記図2の矢印F、図5の矢印Q、図6の矢印Xの表示処理では、固有情報と汎
用情報の両方に基づいてメッセージを表示してもよいし、固有情報に基づくメッセージだ
けを表示し、汎用情報に基づくメッセージは表示しないようにしてもよい。固有情報は、
印刷ジョブを実行する上で重要性が高い傾向にあり、メッセージを表示する必要性が高い
からである。
【0073】
また、所定の時間の経過によりエラーメッセージや印刷終了メッセージの表示を終了す
る場合、表示条件に応じて所定の時間を変えてもよい。例えば、用紙切れや用紙詰まりな
どで印刷ジョブが実行できない報知など警告レベルの報知を行う場合は、長時間にわたっ
て表示する、あるいはエラー解消まで表示するが、印刷ジョブは実行できるが、着色剤不
足でもうすぐ印刷を実行できなくなる予告など注意レベルの報知を行う場合、短時間で表
示を止めてもよい。
【0074】
また、補助プログラム42は、現況情報の問い合わせ(図5の矢印O、図6の矢印Uに
相当)の定期的な繰り返しを、汎用印刷プログラム41に対してプリンタ2に印刷を実行
させる印刷指示があったことを契機に(図2図5図6の矢印A)開始してもよいし、
汎用印刷プログラム41から実行命令を受け付けたことを契機に(図2図5図6の矢
印D)開始してもよい。この場合、補助プログラム42は、開始した定期的な問い合わせ
の結果に基づいて、図5の矢印P、図6の矢印Wの判断を行えばよい。また、この場合、
補助プログラム42は、キャンセル操作されたことを(図2図5の矢印Hの契機)や、
プリンタが印刷を終了したこと(図6の矢印Xの契機)を契機に、現況情報の問い合わせの繰り返しを終了すればよい。
【0075】
以上説明したように、補助プログラム42は、補助プログラム42がプリンタ2からそのプリンタ2の現況情報を取得し、表示条件を満たしている場合に、取得した現況情報に基づくメッセージをUI20に表示する。このような補助プログラム42によれば、ユーザがOS21のUI20を操作することなく、そのメッセージをユーザが確認することで、ユーザが印刷ジョブに関する現況情報を簡単に入手できる。
【0076】
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。
例えば、PC1に接続される装置は、プリンタに限らず、複合機、複写機、FAX装置、等印刷機能を有する装置であればよい。また、PC1に接続されるプリンタは、図示の例に限らず、1台でも良いし、3台以上でもよい。
【0077】
また、本形態の各処理を実行するモジュールは、補助プログラム42に限らず、OS21の汎用印刷プログラム41にて印刷を行う際に、OS21から指示を受け付けるプログラムであればよい。例えば、マイクロソフト社が仕様公開した印刷ワークフローアプリ(Print workflow)でも良い。
【0078】
また、補助プログラム42が、図6の矢印Xで表示したメッセージをUI20を介した操作に応じて消去してもよい。また、補助プログラム42が、図6の矢印Xでメッセージを表示した後、現況情報の問い合わせ(図6の矢印W)の定期的な繰り返しを続行し、プリンタから「印刷停止中」とは異なるステータス情報を受信した場合、例えば、「印刷実行中」または「待機中」を示すステータス情報を受信した場合に、メッセージを自動的に消去してもよい。これにより、表示の必要性が低くなった情報が自動的に消去されるため、ユーザに煩わしさを与えることを抑制できる。
【0079】
図6の矢印Xにおいて、印刷終了を示すメッセージを表示しなくてもよい。ただし、印刷終了メッセージを表示することにより、印刷終了という有用な事項をユーザが認識しやすくなる。
【0080】
図4の(c)にキャンセルボタンを設け、エラー発生時にユーザが印刷をキャンセルできるようにしてもよい。この場合、後続の印刷ジョブの実行が可能になり、使い勝手がよい。また、図4に示す情報135,145は、印刷指示があってから、その印刷指示に対応する印刷ジョブが終了するまでの間、表示し続けてもよい。
【0081】
また、実施の形態に開示されている任意のシーケンス図において、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0082】
また、実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0083】
1 PC
2 プリンタ
11 CPU
20 UI
21 OS
30 通信IF
41 汎用印刷プログラム
42 補助プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータによって実行可能であり、前記情報処理装置と接続するプリンタに対応するサポートアプリであって、
前記コンピュータに、
前記情報処理装置のオペレーティングシステムにあらかじめ組み込まれた汎用印刷プログラムに対して、画像の印刷を前記プリンタに行わせる印刷指示があったことに基づいて、
前記汎用印刷プログラムから第1印刷データを取得する印刷データ取得処理と、
前記印刷データ取得処理にて取得された前記第1印刷データに基づく第2印刷データが前記プリンタに送信されるよう処理する印刷データ対応処理と、
前記プリンタから前記情報処理装置の通信インタフェースを介して現況情報を取得する現況情報取得処理と、
前記現況情報取得処理により取得された前記現況情報に応じて、前記現況情報に応じたメッセージと、前記印刷指示に対応する印刷ジョブをキャンセルする操作を受け付けるための操作ボタンと、を含むメッセージ画面を前記情報処理装置の表示デバイスに表示する表示処理と、
前記操作ボタンが操作されることで前記印刷ジョブのキャンセルを受け付けるキャンセル受付処理と、
前記キャンセル受付処理にて前記印刷ジョブのキャンセルを受け付けた場合に、前記印刷ジョブのキャンセルを実行するための処理を実行するキャンセル実行処理と、
を実行させる、
よう構成されていることを特徴とするサポートアプリ。
【請求項2】
請求項1に記載するサポートアプリにおいて、
前記メッセージはエラー内容及びエラー解消策を含む、
よう構成されていることを特徴とするサポートアプリ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載するサポートアプリにおいて、
前記現況情報取得処理は前記印刷データ対応処理がされる前に実行される
よう構成されていることを特徴とするサポートアプリ。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載するサポートアプリにおいて、
前記現況情報取得処理は前記印刷データ対応処理がされた後に実行される
よう構成されていることを特徴とするサポートアプリ。
【請求項5】
請求項4に記載するサポートアプリにおいて、
前記コンピュータに、
前記印刷データ対応処理の後、定期的に前記現況情報取得処理を実行させる、
よう構成されていることを特徴とするサポートアプリ。
【請求項6】
通信インタフェースと、表示デバイスと、コンピュータとを備える情報処理装置であって、
前記情報処理装置のオペレーティングシステムは、あらかじめ組み込まれたプログラムである汎用印刷プログラムを有しており、
前記情報処理装置には、前記情報処理装置と接続するプリンタに対応するサポートアプリが組み込まれており、
前記サポートアプリは、前記コンピュータに、
前記汎用印刷プログラムに対して、画像の印刷を前記プリンタに行わせる印刷指示があったことに基づいて、
前記汎用印刷プログラムから第1印刷データを取得する印刷データ取得処理と、
前記印刷データ取得処理にて取得された第1印刷データに基づく第2印刷データが前記プリンタに出力されるよう処理する印刷データ対応処理と、
前記プリンタから前記情報処理装置の通信インタフェースを介して現況情報を取得する現況情報取得処理と、
前記現況情報取得処理により取得された前記現況情報に応じて、前記現況情報に応じたメッセージと、前記印刷指示に対応する印刷ジョブをキャンセルする操作を受け付けるための操作ボタンと、を含むメッセージ画面を前記情報処理装置の表示デバイスに表示する表示処理と、
前記操作ボタンが操作されることで前記印刷ジョブのキャンセルを受け付けるキャンセル受付処理と、
前記キャンセル受付処理にて前記印刷ジョブのキャンセルを受け付けた場合に、前記印刷ジョブのキャンセルを実行するための処理を実行するキャンセル実行処理と、
を実行させる、
ことを特徴とする情報処理装置。