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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075577
(43)【公開日】2024-06-04
(54)【発明の名称】飲料水精製装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/42 20230101AFI20240528BHJP
   C02F 9/00 20230101ALI20240528BHJP
【FI】
C02F1/42 A
C02F9/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024027425
(22)【出願日】2024-02-27
(62)【分割の表示】P 2020540474の分割
【原出願日】2019-01-23
(31)【優先権主張番号】202018100396.8
(32)【優先日】2018-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】520033638
【氏名又は名称】インストラクション・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】INSTRACTION GMBH
【住所又は居所原語表記】Augustaanlage 7-11,68165 Mannheim(DE)
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルター,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ルンクフィール,クリスティアン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】バイオフィルムの形成を抑制する、飲料水の多段式モジュラー精製装置を提供する。
【解決手段】飲料水の多段式モジュラー精製装置であって、一つのモジュールが、重金属の除去、または、重金属および細菌の除去のための、キレートゲル、または、キレート性および殺菌性ゲルを含む、装置である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料水の多段式モジュラー精製装置であって、
一つのモジュールが、重金属の除去、または、重金属および細菌の除去のための、キレ
ートゲル、または、キレート性および殺菌性ゲルを含むことを特徴とする、
飲料水の多段式モジュラー精製装置。
【請求項2】
重金属除去のための前記モジュールが、粒子フィルタ、水軟化モジュール、活性炭フィ
ルタ、およびフィルタ膜のような他のモジュールに直列に接続されることを特徴とする、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記モジュールである粒子フィルタ、活性炭、水軟化剤、キレートゲル、RO膜、が直
列に接続される、または、
前記モジュールである粒子フィルタ、活性炭、水軟化剤、キレートゲル、UF膜、が直
列に接続される、または、
前記モジュールである粒子フィルタ、活性炭、水軟化剤、キレート性および殺菌性ゲル
、が直列に接続される、または、
前記モジュールである粒子フィルタ、活性炭、キレートゲル、RO膜、が直列に接続さ
れる、または、
前記モジュールである粒子フィルタ、活性炭、キレートゲル、UF膜、が直列に接続さ
れる、または、
前記モジュールである粒子フィルタ、活性炭、キレート性および殺菌性ゲル、が直列に
接続される、
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記装置は、ROモジュールが使用されない場合には水道水システムに直接接続され、
パイプライン圧で作動可能であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載
の装置。
【請求項5】
前記装置は、ROモジュールが使用される場合にはポンプを追加的に具備することを特
徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記モジュールは、互いに独立して交換可能または再生可能であることを特徴とする、
請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記水軟化モジュールは、自動再生、半自動再生、または手動再生のための装置を備え
ることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、pHセンサ、導電率センサ、UVセンサ、または細菌測定用センサを備え
ることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
規定値を超えた際、または規定値を下回った際にセンサが警告を発することを特徴とす
る、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記装置が追加の要素を備えることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載
の装置。
【請求項11】
前記追加の要素が、水タンク、水加熱システム、(UV)消毒システム、酸化還元フィ
ルタ、二酸化炭素供給ユニット、または塩素処理ユニットから選択される、請求項10に
記載の装置。
【請求項12】
請求項1~11に記載の装置の、飲料水の精製のための使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一つのモジュールが重金属の除去、または、重金属および細菌の除去のため
の、キレートゲル、または、キレート性および殺菌性ゲルを含む、飲料水の多段式モジュ
ラー精製装置に関する。
【0002】
世界人口の増加による需要の高まり、地球規模での環境汚染の増加、および水質に対す
る要求の高まり等により、水精製の重要性を過小評価することはできない。
【0003】
水(特に飲料水)の質は、非常に多くの異なった、部分的に有害な、汚染物質によって
影響を受け得る。特に、パイプシステムからの重金属(特に鉛)、農業からの重金属(例え
ばカドミウム)、石炭ベースの電力からの重金属(水銀)、または自然発生源からの重金属(
亜鉛、ウラン、ランタニド)が、幾度も懸念の原因となっている。
【0004】
一方飲料水中には、主に人為起源の多数の有機微小汚染物質が検出されている。ここで
最も代表的なものは、ホルモン(当初は避妊に用いられた)、医薬品の残留物やその分解生
成物、または農薬等である。
【0005】
細菌は飲料水中の望ましくない物質の第三のグループを構成する。それらはしばしば家
庭用の水処理装置自体から、または特に世界のより温暖な地域では配管システムから生じ
る。
【0006】
これらの細菌がもたらす最大の危険は、乳児や幼い子供、または例えば高齢者のように
免疫機能が低下している人々に対するものである。
【0007】
一部の国では、消毒および殺菌のために飲料水に「塩素」(次亜塩素酸塩)が添加されて
いる。これは無菌状態を確実にするものの、水の味に大きく影響する。
【0008】
有害ではないものの他の望ましくない水の成分は、硬度ミネラルとして水を硬くする原
因となる高濃度のカルシウムおよびマグネシウムである。低濃度のカルシウムおよびマグ
ネシウムは安全であるばかりでなく、逆に人間の健康にも有益である。しかし、高濃度(
高い水の硬度)では、カルシウムおよびマグネシウムは、味に著しい劣化をもたらすだけ
ではなく、キッチンおよびバスルームでの不要な「水汚れ」、または給湯器(ボイラー)
および調理器具でのいわゆる「ボイラースケール」を生成する。
【0009】
飲料水の精製のための様々な、部分的に補完的な装置が市販されている。いくつかのケ
ースでは、提供される装置は水の精製のさまざまな方法を組み合わせているが、個々の汚
染物質または汚染物質の種を完全に除去または除去するという点では溝が残っている。同
時に確立された技術の多くには、低容量、低収率、追加の汚染、高エネルギー消費、ポン
プからの騒音汚染等の明確な欠点が存在する。
【0010】
逆浸透(RO)は膜を用い、高圧にポンプされた精製される水を該膜に通すことにより
、汚染物質を除去する。汚染物質だけでなく重要な無機物も取り残され、再び残留物中に
濃縮される。この方法は、飲料水処理には多くの欠点がある。例えば、高い水損失(80
%を超える残留物)、追加のポンプによって供給する必要がある高い運転圧力(高いエネ
ルギー消費と騒音汚染と共に)、そして、特に脱灰(これはカルシウムとマグネシウムのそ
の後の添加によって部分的に逆転されなければならない)等である。これらの多くの欠点
にもかかわらず、逆浸透は家庭用浄水器での水の精製に広く使用されている。
【0011】
工業的食品加工用途(ワインおよびビール製造)で頻繁に使用される限外濾過は、浮遊物
質および細菌を比較的確実に除去するが、重金属または「塩素」の除去には適さない。有
機微小汚染物質も扱えず、扱えたとしても極めて不十分である。
【0012】
多くの家庭用浄水器では、主に「塩素」の味を除去し、同時に有機微小汚染物質を除去
するために活性炭が使用されている。活性炭は重金属を結合せず、水の硬度を低下させず
、その構造上、細菌の成長(バイオフィルムの形成)を非常に招きやすく、その結果飲料水
が細菌やその代謝物(エンテロトキシン)により汚染される可能性がある。
【0013】
例えば、重金属の除去のためにMetCap-Tという名称で市販されているカートリ
ッジはキレート樹脂(instrAction製のMetCap)で満たされており、該キ
レート樹脂の製造はドイツ公開公報第10 2014 012 566号(特許文献1)お
よびドイツ公開公報第10 2016 007 662号(特許文献2)に示されている。
カートリッジ内への適用は、ドイツ公開公報第10 2016 007 662号(特許文
献3)に例示されている。
【0014】
そのキレート特性のため、MetCap-T樹脂は重金属とほぼ独占的に結合する。ア
ルカリ金属およびアルカリ土類金属はそれらの非常に低い複雑な結合定数のため、全く結
合していないか、または非常に弱く結合しているに過ぎず、重金属の存在下ではそれらに
よって置換される。この選択性は、軟化に用いられるイオン交換体の選択性とは正反対で
ある。
【0015】
MetCap-T樹脂型の全ての重金属を高容量で不可逆的に結合する特性に加えて、
MetCap-T変異体(ドイツ出願第10 2017 007 273.6号(特許文献
4)に示されている)は同時に細菌を除去する。すなわち、重金属吸収体としての機能に
加えて、殺菌効果を有する。
【0016】
水道水から浮遊物質や粒子を除去するために、粒子フィルタが水精製装置の入力側にし
ばしば設置され、水道水から浮遊物質や粒子を除去する。これらは主に、装置の残りの部
分を閉塞から保護し、そして圧力の増加および生産性の低下を防止するために使用される
【0017】
水軟化モジュールの一部としてのイオン交換体は、カルシウムとマグネシウムを除去す
ることにより水硬度を低下させるために使用される。しかしこれらのイオン交換体は、塩
素や細菌を扱わないように、微小汚染物質を扱わない。逆に、それらはしばしばバイオフ
ィルム形成の影響を受ける。もう1つの欠点は、特に硬水中では容量が小さいことである
【0018】
水軟化モジュールの使用が特に示されている場所では、イオン交換樹脂の容量はかなり
速く枯渇する。全ての水精製技術の中で、イオン交換体は再生を必要とする可能性が最も
高い。これは通常、濃縮生理食塩水で洗浄することによって行われる。
【0019】
カルシウムやマグネシウムに加えて、イオン交換体は重金属とも結合する。しかし、結
合能が枯渇するほど、後者は遥かに高濃度のカルシウムイオンおよびマグネシウムイオン
によって置換され、結果として溶出液中で最終的に濃縮される。結局、イオン交換体はカ
ルシウムおよびマグネシウムと比較して重金属に対する選択性を欠く。後者は重金属と直
接競合するので、単純なイオン交換では濃度が遥かに高いため、結合サイトの点で優れて
いる。
【0020】
対照的に、前述のMetCap-T樹脂は、重金属を選択的かつ優先的に拘束し、健康
に有害なカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンをほとんど拘束せず通過させる。
【0021】
ここに、全てのカチオンを非選択的に拘束するイオン交換体と、溶液から重金属を選択
的に、または優先的に拘束するMetCap-Tキレート樹脂との、中心的かつ本質的な
相違がある。
【0022】
上記の説明に示されるように、列挙された構成要素のいずれも、複雑で多層の不純物プ
ロファイルに対処するにはそれ自体では適しておらず、逆浸透(RO)のように深刻な欠
点を伴う。
【0023】
このため、記載された様々な技術を組み合わせた装置を備えた様々な製造品が、すでに
市場に出回っている。一例として中国実用新案第206359334号(特許文献5)に
は、粒子フィルタ、キレート樹脂、および限外濾過ユニットを組み合わせた装置が示され
ている。この場合、「塩素」の味や有機微量汚染物質は除去されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】ドイツ公開公報第10 2014 012 566号
【特許文献2】ドイツ公開公報第10 2016 007 662号
【特許文献3】ドイツ公開公報第10 2016 007 662号
【特許文献4】ドイツ出願第10 2017 007 273.6号
【特許文献5】中国実用新案第206359334号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
装置の多くは、入力側に粗い粒子フィルタを有する。これは、接続されたデバイスを汚
れ粒子から保護し、そして詰まり、圧力の増加、および関連する生産性の低下から保護す
る。ここに挙げた精製モジュールの多くの深刻な欠点は、バイオフィルムの形成である。
バイオフィルム形成は(活性炭およびイオン交換体の場合と同様に)多くの負の結果をもた
らす可能性がある。そのいくつかはここで言及することができ、容量の減少、ろ過性能の
損失、圧力の増加、生産性の低下、飲料水の有害な細菌および/またはそれらの毒性代謝
物による汚染、一般に飲料水の水質の低下、である。従って、既存の技術の前述の欠点を
克服する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記のタスクは、飲料水の多段式モジュラー精製装置であって、一つのモジュールが、
重金属の除去、または、重金属および細菌の除去のための、キレートゲル、または、キレ
ート性および殺菌性ゲルを含む装置、により達成される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、粒子フィルタ、活性炭モジュール、水軟化モジュール、MetCapモジュール、およびRO膜モジュールを備えた水精製装置の概略構造を示す図である。
図2図2は、粒子フィルタ、活性炭モジュール、MetCapモジュール、およびRO膜モジュールを備えた水精製装置の概略構成を示す図である。
図3図3は、粒子フィルタ、活性炭モジュール、水軟化モジュール、MetCapモジュール、およびUF膜モジュールを備えた水精製装置の概略構造を示す図である。
図4図4は、粒子フィルタ、活性炭モジュール、MetCapモジュール、およびUF膜モジュールを備えた水精製装置の概略構成を示す図である。
図5図5は、粒子フィルタ、水精製装置、活性炭モジュール、水軟化モジュール、および、殺菌機能を付加したMetCapモジュールを備えた水精製装置の概略構成を示す図である。
図6図6は、粒子フィルタ、活性炭モジュール、および殺菌機能を追加したMetCapモジュールを備えた水精製装置の概略構造を示す図である。
図7図7は、粒子フィルタ、水軟化モジュール、および殺菌機能を追加したMetCapモジュールを備えた水精製装置の概略構造を示す図である。
図8図8は、粒子フィルタ、および殺菌機能を追加したMetCapモジュールを備えた水精製装置の概略構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
一実施形態によれば前記装置は、パイプを介して互いに接続された、または直接接続さ
れた、異なる独立したモジュールまたはカートリッジの組み合わせから形成され得る。
【0029】
この装置は様々な直交する水精製技術を組み合わせて簡素化し、様々な汚染スペクトル
を連続して処理することにより最高品質の要求を満足する。
【0030】
カートリッジは入口開口を有し、該開口を通してパイプシステム/タップまたは上流の
カートリッジからの水がカートリッジに入り、それぞれのカートリッジ充填物と接触する
。更にカートリッジは出口開口を有し、該開口を通して、処理され精製された水が次のカ
ートリッジに流入するか、または除去ポイントに到達する。
【0031】
好ましくは、カートリッジは、互いに接続され、それらが別々に取り外され、交換され
、または再生され得るように装置内で固定される。
【0032】
装置は、好ましくは0.5~6バール、より好ましくは1~5バール、最も好ましくは
2~4バールのパイプライン圧力で作動する。
【0033】
本明細書で説明する装置のコアは、殺菌機能の有無に関わらず有害な重金属を除去する
ためのキレートMetCap-T樹脂を充填したカートリッジである。ドイツ出願第10
2017 007 273.6号に示されているように、MetCap-T樹脂の殺菌性
変異体が使用される場合、細菌を除去するための追加のユニットは不要である。
【0034】
中央カートリッジは、キレート樹脂では処理されない特定の汚染スペクトルをそれぞれ
処理する他の多くのカートリッジと組み合わせ得る。これらのカートリッジは、中央のM
etCap-Tカートリッジの上流または下流に配置され得る。
【0035】
更に、装置全体をタンクに接続することも、装置全体を抽出弁に直接接続することも可
能である。また、本装置は、給湯システムの構成要素として使用され得る。
【0036】
イオン交換樹脂を備えたカートリッジは頻繁に再生が必要となるため、再生を容易にす
るための装置を備える。これは、濃縮生理食塩水で洗浄することにより達成される。好ま
しい実施形態では、再生の必要性は、適切なセンサ(例えば、水の硬度、導電率、フロー
セル等)によって決定され、警告灯によって示される。
【0037】
それぞれの実施形態において、装置が適切なセンサ、および、塩または生理食塩水の貯
蔵タンクを備えているかどうかに応じて、再生は手動、半自動、または自動とすることが
できる。好ましい実施形態では、軟水化モジュールがこの目的のために適切な接続部とバ
ルブとを備えて設けられる。余剰の塩は、注ぎ口から下水に直接、または抽出弁を通して
廃棄される。
【0038】
他の全てのカートリッジについては、再生は不可能であり、および/または、家庭用製
品では技術的に不可能である。
【0039】
装置の好ましい実施形態では、粒子フィルタの入力は水供給システムに接続され、粒子
フィルタの出力は活性炭フィルタの入力に接続され、活性炭フィルタの出力は次いで水軟
化モジュールの入力に接続され、水軟化モジュールの出力はMetCapカートリッジに
接続され、MetCapカートリッジの出力は次いでROモジュールに接続され、その出
力は次いで抽出ポイントに流入する(図1参照)。装置の入力側の水圧が低い場合には、
ポンプが接続される。
【0040】
あるいは、粒子フィルタを活性炭フィルタに直接接続し、次いでMetCapカートリ
ッジに接続し、最後にROモジュールに接続することもできる(図2参照)。最後の2つ
の実施形態では、MetCapカートリッジと水軟化剤との順序を逆にすることもできる
【0041】
更に好ましい実施形態では、粒子フィルタは水軟化モジュールに接続された活性炭カー
トリッジに接続され、次にMetCapカートリッジに接続され、続いてUF膜に接続さ
れる(図3参照)。あるいは、粒子フィルタを活性炭カートリッジ、MetCapカート
リッジ、およびUF膜に直接接続することもできる(図4参照)。必要に応じて、水軟化
モジュールをMetCapカートリッジの上流に設置することもできる。この実施形態の
利点は、装置の背圧が低いためパイプラインの圧力が通常運転のためには十分であり、通
常はポンプを必要としないことにある。
【0042】
更に好ましい実施形態では、粒子フィルタは活性炭カートリッジおよび水軟化カートリ
ッジに接続され、次いで、キレート性および殺菌性ゲルを含むMetCapカートリッジ
に接続される(図5参照)。あるいは、粒子フィルタを活性炭カートリッジに直接接続し
、次いで活性炭カートリッジをキレート性および殺菌性ゲルを充填したMetCapカー
トリッジに直接接続することもできる(図6参照)。この実施形態では、更なる細菌除去
膜を省略し得る。
【0043】
更に好ましい態様において、粒子フィルタは水軟化カートリッジに直接接続され、次い
で水軟化カートリッジはキレート性および殺菌性ゲルを充填したMetCapカートリッ
ジに直接接続される(図7参照)。
【0044】
本装置のさらなる実施形態では、粒子フィルタはキレート性および殺菌性ゲルを充填し
たMetCapカートリッジに直接接続される(図8参照)。この実施形態は、ドイツ公
開公報第10 2016 007 662号に示されているカートリッジに類似しているが
、キレート性および殺菌性ゲルを充填する点でそれとは異なる。
【0045】
本装置は、精製水を貯蔵するための隣接するタンクのような、全ての一般的な精製また
は貯蔵モジュールと組み合わせることができ、またはUV消毒(タンク内またはオンライ
ン)や酸化還元フィルタ等の他の精製技術と組み合わせることができ、または温水の準備
、炭酸水製造用のための二酸化炭素添加剤モジュール、その後の消毒または保存のための
可能な塩素化または過酸化水素添加剤等と組み合わせることができる。
【0046】
本装置は、その後の水抽出や水処理の種類に影響を与えたり、または妨げたりするもの
ではない。
【0047】
装置の性能は、適切な位置(抽出ポイントまたは個々のモジュール間のポイントのいず
れか)にある適切なセンサにより監視することができる。適切なセンサの例としては、p
Hセンサ、導電率センサ、細菌濃度検出センサ、イオン選択センサ、UVセンサ等が挙げ
られるが、これらに限定されない。フローセルは、処理される水の量を測定することがで
きる。
【0048】
好ましい実施形態ではセンサは、測定値に基づいて個々のモジュールの機能を監視し、
カートリッジを交換または再生しなければならないときに適切なメッセージを発するデー
タ処理システムに接続される。センサの補助により、モジュールの交換を純粋な時間制御
または容積制御で行い得る。実施形態に応じて、継続する動作の必要条件として、データ
処理システムは水軟化モジュールの自動再生を開始するかまたはモジュールの交換を強制
するためにバルブを閉じることができる。
【0049】
本明細書に記載された装置は、家庭用の簡単な解決策として飲料水の包括的な精製を初
めて可能にする。これは、精製水の品質および収率またはエネルギー消費の点で、全ての
既知のシステムよりも優れている。一方で本装置は、本当に有害な、部分的に有毒な物質
を除去することに重点を置き、他方では味を改善することによる(例えば、「塩素」を除
去することによる)水質の全般的な改善に重点を置く。
【0050】
最小バージョンでは、本装置は家庭での使用に適しており、一般的な消費量に基づいて
いる。より大きなバージョンでは、本装置は、集合住宅、住宅団地、レストラン、病院、
船舶、または高品質の飲料水を必要とする他の施設で使用し得る。
【0051】
したがって本発明の別の目的は、飲料水の精製のための前述の装置の使用である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料水の多段式モジュラー精製装置であって、
一つのモジュールが、重金属の除去、または、重金属および細菌の除去のための、キレートゲル、または、キレート性および殺菌性ゲルを含むことを特徴とする、
飲料水の多段式モジュラー精製装置。
【外国語明細書】