(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075604
(43)【公開日】2024-06-04
(54)【発明の名称】電池パック及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/242 20210101AFI20240528BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20240528BHJP
H01M 50/231 20210101ALI20240528BHJP
H01M 50/282 20210101ALI20240528BHJP
H01M 50/276 20210101ALI20240528BHJP
H01M 50/224 20210101ALI20240528BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20240528BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/209
H01M50/231
H01M50/282
H01M50/276
H01M50/224
H01M50/271 Z
【審査請求】有
【請求項の数】37
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024033496
(22)【出願日】2024-03-06
(62)【分割の表示】P 2022528577の分割
【原出願日】2020-10-19
(31)【優先権主張番号】201911128539.4
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】何▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼▲華▼▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】朱燕
(72)【発明者】
【氏名】▲譚▼亮▲穏▼
(72)【発明者】
【氏名】万▲龍▼
(57)【要約】 (修正有)
【課題】構造が簡単で、組み立てやすく、かつ高い構造強度、高い空間利用率、エネルギー密度を有する電池パック及び電気自動車の提供。
【解決手段】電池パックは、ケースと、ケース内に位置する電池モジュールと、を含み、電池モジュールは電池ユニット及び補強部材を含み、電池ユニットはN個の単電池を含み、電池ユニットにおける少なくとも一部の単電池はM個の補強部材により接続され、単電池の外表面は、ケース内の底面に面する底面とケース内の頂面に面する頂面と側面とを含み、側面は、第1側面及び2つの反対側に位置する第2側面を含み、側面のうち第1側面の面積が最大であり、第1側面の面積は底面の面積より大きくかつ頂面の面積より大きく、N個の単電池は、順に配列され、2つの隣接する単電池の第2側面は対向して設置される。補強部材は、Q個の隣接する単電池の各電池の第1側面に固定して貼り付けられ、Qは、N>Q≧2を満たす整数である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面及び頂面を有するケースと、ケース内に位置する電池モジュールとを含み、
前記電池モジュールは、電池ユニット及び補強部材を含み、前記電池ユニットは、N個
の単電池を含み、Nは2より大きい整数であり、前記補強部材は、M個あり、Mは1より
大きい整数であり、前記電池ユニットにおける少なくとも一部の前記単電池は、M個の前
記補強部材により接続され、1つの前記補強部材は、Q個の隣接する単電池のうちの少な
くとも一部の単電池の第1側面に固定して貼り付けられ、Qは整数であり、N>Q≧2を
満たし、
前記単電池の外表面は、前記ケースの底面に面する底面と、前記ケースの頂面に面する
頂面と、側面とを含み、前記側面は、第1側面及び2つの互いに反対側に位置する第2側
面を含み、前記側面のうち、前記第1側面の面積が最大であり、前記第1側面の面積は、
前記単電池の底面の面積より大きく、かつ、前記単電池の頂面の面積より大きく、前記N
個の単電池は順に配列され、2つの隣接する単電池の第2側面が対向して設置され、前記
単電池の配列方向が第1方向である、ことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
前記補強部材の第2方向に沿う寸法は、D0であり、前記第2方向が第1方向と垂直で
あり、Q個の隣接する単電池のうちの、補強部材に接続された1つの単電池の第2方向に
沿う寸法は、D1であり、D0とD1とは、0.006≦D0/D1≦0.5を満たし、
D1=10~90mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
0.012≦D0/D1≦0.4である、ことを特徴とする請求項2に記載の電池パッ
ク。
【請求項4】
Q個の隣接する単電池のうちの、補強部材に接続された単電池の数は、Q/2以上であ
る、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項5】
前記M個の補強部材は、N個の単電池を接続して電池ユニットを形成し、1つの前記補
強部材は、Q個の隣接する単電池のうちの各単電池の第1側面に固定して貼り付けられる
、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記電池モジュールの第1方向に沿う長さは、400~2500mmであり、前記電池
モジュールは、前記ケース内の底面に当接して前記ケース内の底面に支持される、ことを
特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項7】
少なくとも1つの単電池の第1側面に貼り付けられた補強部材の該単電池の第1側面へ
の投影の第1方向に沿う長さは、Sであり、該単電池の第1方向に沿う長さは、Pであり
、ここで、SとPとは、S=0.1P~0.5Pを満たす、ことを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項8】
前記M個の補強部材は、前記電池モジュールの一側に位置し、所定の方向に沿って順に
配列され、1番目の補強部材は、1番目~Q番目の単電池のうちの各単電池の第1側面に
固定して貼り付けられ、2番目の補強部材は、Q番目~2Q-1番目の単電池のうちの各
単電池の第1側面に固定して貼り付けられ、3番目の補強部材は、2Q-1番目~3Q-
2番目の単電池のうちの各単電池の第1側面に固定して貼り付けられ、同様にして、M番
目の補強部材は、M×Q-(M-1)-(Q-1)番目~M×Q-(M-1)番目の単電
池のうちの各単電池の第1側面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1~
7のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項9】
1つの前記補強部材は、2つの隣接する単電池の第1側面に固定して貼り付けられる、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項10】
前記側面は、2つの反対側に位置する第1側面を含み、前記M個の補強部材は、前記電
池モジュールの両側に分配され、前記電池モジュールの一側に位置する補強部材は、Q個
の隣接する単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、前記電池
モジュールの他側に位置する補強部材は、Q個の隣接する単電池のうちの各単電池の他方
の第1側面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に
記載の電池パック。
【請求項11】
前記電池モジュールの一側に位置する補強部材は、Q個の隣接する単電池のうちの各単
電池の一方の第1側面の少なくとも一部の表面に固定して貼り付けられ、前記電池モジュ
ールの他側に位置する補強部材は、Q個の隣接する単電池のうちの各単電池の他方の第1
側面の少なくとも一部の表面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項10に
記載の電池パック。
【請求項12】
前記電池モジュールの両側に位置する補強部材は、所定の方向に沿って順に配列され、
前記電池モジュールの一側に位置する1番目の補強部材は、1番目~Q番目の単電池のう
ちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材は、Q番目~
2Q-1番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、同様
にして、M番目の補強部材は、M×Q-(M-1)-(Q-1)番目~M×Q-(M-1
)番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、
前記電池モジュールの他側に位置する1番目の補強部材は、1番目~Q番目の単電池の
うちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材は、Q番目
~2Q-1番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられ、こ
のように類推して、M番目の補強部材は、M×Q-(M-1)-(Q-1)番目~M×Q
-(M-1)番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられる
、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の電池パック。
【請求項13】
前記電池モジュールの両側に位置する補強部材は、所定の方向に沿って順に配列され、
前記電池モジュールの一側に位置する1番目の補強部材は、1番目~Q番目の単電池のう
ちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、前記電池モジュールの他側に位
置する1番目の補強部材は、Q番目~2Q-1番目の単電池のうちの各単電池の他方の第
1側面に固定して貼り付けられ、前記電池モジュールの一側の2番目の補強部材は、2Q
-1番目~3Q-2番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付け
られ、前記電池モジュールの他側の2番目の補強部材は、3Q-2番目~4Q-3番目の
単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられ、このように類推して
、前記電池モジュールの一側に位置するM番目の補強部材は、2×M×Q-(2M-1)
-2(Q-1)番目~2×M×Q-(2M-1)-(Q-1)番目の単電池のうちの各単
電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、前記電池モジュールの他側に位置するM
番目の補強部材は、2×M×Q-(2M-1)-(Q-1)番目~2×M×Q-(2M-
1)番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられる、ことを
特徴とする請求項10~12のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項14】
前記電池モジュールの両側に位置する補強部材は、所定の方向に沿って順に配列され、
前記電池モジュールの一側に位置する1番目の補強部材は、1番目~Q番目の単電池のう
ちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材は、Q+1番
目~2Q番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、同様
にして、M番目の補強部材は、M×Q-(Q-1)番目~M×Q番目の単電池のうちの各
単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、
前記電池モジュールの他側に位置する1番目の補強部材は、2番目~Q+1番目の単電
池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材は、Q
+2番目~2Q+1番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付け
られ、同様にして、M番目の補強部材は、M×Q-(Q-1)+1番目~M×Q+1番目
の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とす
る請求項10~13のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項15】
前記補強部材の一端に延在部が設置され、前記延在部が各単電池の頂面又は底面に貼り
付けられる、ことを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項16】
前記補強部材の反対側に位置する両端に延在部が設置され、一方の前記延在部が各単電
池の頂面に貼り付けられ、他方の前記延在部が各単電池の底面に貼り付けられる、ことを
特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項17】
前記ケースは、互いに垂直なX方向、Y方向及びZ方向を有し、前記電池モジュールは
、複数設置され、複数の前記電池モジュールは、X方向に沿って前記ケース内に配列され
、N個の単電池は、Y方向に沿って順に配列され、前記単電池の頂面と底面は、Z方向に
沿って反対側に位置して設置され、第1方向は、Y方向と平行である、ことを特徴とする
請求項1~16のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項18】
前記単電池は、略直方体であり、長さL、幅H及び厚さDを有し、前記単電池の長さL
が幅H以上であり、前記単電池の幅Hが厚さDより大きく、ここで、X方向は、前記単電
池の厚さ方向であり、Y方向は、前記単電池の長さ方向及び幅方向のいずれか一方であり
、Z方向は、前記単電池の長さ方向及び幅方向の他方である、ことを特徴とする請求項1
7に記載の電池パック。
【請求項19】
前記単電池は、それぞれ底面、頂面、2つの第1側面及び2つの第2側面の6つの表面
を含み、2つの第1側面が厚さ方向に沿って反対側に位置し、2つの第2側面が長さ方向
に沿って反対側に位置し、底面と頂面が幅方向に沿って反対側に位置する、ことを特徴と
する請求項17又は18に記載の電池パック。
【請求項20】
前記ケースは、Y方向に沿って対向して設置された第1フレーム及び第2フレームを含
み、前記電池モジュールは、前記第1フレームと第2フレームとの間に設置され、前記電
池モジュールの一端が前記第1フレームに支持され、前記電池モジュールの他端が前記第
2フレームに支持される、ことを特徴とする請求項17~19のいずれか1項に記載の電
池パック。
【請求項21】
前記補強部材は、構造用接着剤によりQ個の隣接する単電池のうちの各単電池の第1側
面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1~20のいずれか1項に記載の
電池パック。
【請求項22】
前記構造用接着剤は、熱伝導性を有する構造用接着剤である、ことを特徴とする請求項
21に記載の電池パック。
【請求項23】
前記補強部材は、補強板である、ことを特徴とする請求項1~22のいずれか1項に記
載の電池パック。
【請求項24】
前記補強板は、鋼板、アルミニウム板又はガラス繊維板である、ことを特徴とする請求
項23に記載の電池パック。
【請求項25】
前記電池モジュールは、複数設置され、2つの隣接する前記電池モジュールの間に隙間
がある、ことを特徴とする請求項1~24のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項26】
前記電池ユニットにおける2つの隣接する単電池の第2側面は、互いに貼り合わせられ
る、ことを特徴とする請求項1~25のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項27】
前記電池モジュールは、複数設置され、少なくとも2つの隣接する前記電池モジュール
の間に強化部材が設置される、ことを特徴とする請求項1~26のいずれか1項に記載の
電池パック。
【請求項28】
前記強化部材は、前記強化部材の両側に位置する電池モジュールに固定して貼り付けら
れる、ことを特徴とする請求項27に記載の電池パック。
【請求項29】
前記強化部材は、アルミニウム板又は鋼板である、ことを特徴とする請求項28に記載
の電池パック。
【請求項30】
前記ケースは、共に収容空間を画定するトレイ及び上部カバーを含み、前記電池モジュ
ールは、前記収容空間内に位置し、前記電池モジュールにおける単電池は、頂面が前記上
部カバーの内表面に固定して貼り付けられ、底面が前記トレイの内表面に固定して貼り付
けられる、ことを特徴とする請求項1~29のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項31】
前記トレイ及び/又は前記上部カバーは、多層複合構造である、ことを特徴とする請求
項30に記載の電池パック。
【請求項32】
前記多層複合構造は、2層のアルミニウム板と、前記2層のアルミニウム板の間に挟ま
れた、鋼板又は発泡アルミニウム板とを含む、ことを特徴とする請求項31に記載の電池
パック。
【請求項33】
前記多層複合構造は、2層の繊維複合層と、前記2層の繊維複合層の間に挟まれた発泡
材料層とを含む、ことを特徴とする請求項31又は32に記載の電池パック。
【請求項34】
前記繊維複合層は、ガラス繊維層及び/又は炭素繊維層を含む、ことを特徴とする請求
項33に記載の電池パック。
【請求項35】
電池モジュールは、複数設置され、1つの電池モジュールにおける2つの隣接する単電
池の第2側面は、互いに貼り合わせられ、該貼り合わせ位置が第1位置と表記され、隣接
する他の電池モジュールにおける2つの隣接する単電池の第2側面は、互いに貼り合わせ
られ、該貼り合わせ位置が第2位置と表記され、第1位置と第2位置は、第1方向に沿っ
て間隔を隔てて設置される、ことを特徴とする請求項1~34のいずれか1項に記載の電
池パック。
【請求項36】
電池モジュールは、複数設置され、1つの電池モジュールにおける2つの隣接する単電
池は、第1区間を隔てて設置され、隣接する他の電池モジュールにおける2つの隣接する
単電池は、第2区間を隔てて設置され、第1区間の第1方向での投影と第2区間の第1方
向での投影とは、重ならない、ことを特徴とする請求項1~35のいずれか1項に記載の
電池パック。
【請求項37】
2つの隣接する電池モジュールにおける単電池の数は、異なり、一方の電池モジュール
が第1電池モジュールと表記され、他方の電池モジュールが第2電池モジュールと表記さ
れ、第1電池モジュールにおける単電池の数は、第2電池モジュールにおける単電池の数
より大きく、第2電池モジュールに、第2電池モジュールにおける単電池に接続される補
強ブロックが設置される、ことを特徴とする請求項35又は36に記載の電池パック。
【請求項38】
請求項1~37のいずれか1項に記載の電池パックを含む、ことを特徴とする電気自動
車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディー カンパニー リミテッドが2019年11月18日に出願し
た、発明の名称「電池パック及び電気自動車」の中国特許出願第20191112853
9.4号の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれ
るものとする。
【0002】
本願は、電池の技術分野に関し、特に電池パック及び電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、電気自動車に適用される動力電池パックは、主にパック本体と、パック本体内に
取り付けられた複数の電池モジュールとを含み、電池モジュールは、順に配列された複数
の電池で構成された電池アレイと、電池アレイの両側に設置された側板と、電池アレイの
両端に設置された端板とを含む。側板と端板は、電池アレイに対する固定を実現するため
に、ねじ又はタイロッド又は溶接の方式で接続される。電池モジュールは、組立が終了し
た後にねじなどの締結具によりパック本体内に取り付けられ、かつ電池パックの強度を向
上させるために、一般的に電池パック内に補強ビームを設置する必要がある。端板、側板
、補強ビーム及び締結具などの構造部材を増設するため、電池パック全体の重量が大きく
、また、パック本体の内部空間の利用率が低下し、そのエネルギー密度がユーザの電気自
動車の航続能力に対する需要を満たすことができない。また、このような構造は、組立過
程が煩雑であり、組立工程が複雑であり、まず電池を電池モジュールに組み立て、次に電
池モジュールをパック本体内に取り付ける必要があるため、手間や物資などのコストが増
加する。
【0004】
上記問題を解決するために、従来の実用新案CN201822274851.1には、
第1電池ブロック、第2電池ブロック及び液冷板を含む電池モジュールが提供され、第1
電池ブロック及び第2電池ブロックは、いずれも水平方向に沿って配列された複数の単電
池を含み、かつ電池ブロックにおける各単電池が横になって配置される(すなわち、単電
池の反対側に位置する2つの大きい面が垂直方向に沿って配列される)。液冷板は、垂直
方向に沿って、第1電池ブロックと第2電池ブロックとの間に設置され、かつ液冷板の2
つの側面がそれぞれ熱伝導性を有する接着剤により第1電池ブロックと第2電池ブロック
に接着される。該電池モジュールについて、単電池を取り付け固定するための構造部材が
省略されるため、組立プロセスが簡略化されるが、このような電池モジュールの全体的な
構造強度が低い。そして、液冷板の冷却効果を保証するために、液冷板の内部に冷却液を
収容するための収容キャビティが設置され、かつ収容キャビティは、一定の厚さを有する
必要がある。しかしながら、このような構造の液冷板は、その強度が低いため、それが破
損して冷却液が流出することによる単電池の短絡を回避するための大きすぎる構造的な力
に耐えることができず、したがって、液冷板は、電池モジュールに対して補強及び支持の
作用を果たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、構造が簡単で、組み立てやすく、かつ高い構造強度、高い空間利用率及びエネ
ルギー密度を有する電池パック及び電気自動車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的問題を解決するために、一態様において、本願の実施例に係る電池パックは
、
内部に底面及び頂面を有するケースと、ケース内に位置する電池モジュールとを含み、
前記電池モジュールは、電池ユニット及び補強部材を含み、前記電池ユニットは、N個
の単電池を含み、N>2で、整数であり、前記補強部材は、M個あり、M>1で、整数で
あり、前記電池ユニットにおける少なくとも一部の前記単電池は、M個の前記補強部材に
より接続され、1つの前記補強部材は、Q個の隣接する単電池のうちの少なくとも一部の
単電池の第1側面に固定して貼り付けられ、QがN>Q≧2で、整数であることを満たし
、
前記単電池の外表面は、前記ケース内の底面に面する底面と、前記ケース内の頂面に面
する頂面と、側面とを含み、前記側面は、第1側面及び2つの反対側に位置する第2側面
を含み、前記側面のうち、前記第1側面の面積が最大であり、前記第1側面の面積は、前
記単電池の底面の面積より大きく、かつ前記単電池の頂面の面積より大きく、前記N個の
単電池は、順に配列され、2つの隣接する単電池の第2側面が対向して設置され、前記単
電池の配列方向が第1方向である。
【0007】
好ましくは、前記補強部材の第2方向に沿う寸法は、D0であり、前記第2方向が第1
方向と垂直であり、Q個の隣接する単電池のうちの、補強部材に接続された少なくとも1
つの単電池の第2方向に沿う寸法は、D1であり、D0とD1とは、0.006≦D0/
D1≦0.5を満たし、D1=10~90mmである。
【0008】
好ましくは、0.012≦D0/D1≦0.4である。
【0009】
好ましくは、Q個の隣接する単電池のうちの、補強部材に接続された単電池の数は、Q
/2以上である。
【0010】
好ましくは、前記M個の補強部材は、N個の単電池を接続して電池ユニットを形成し、
1つの前記補強部材は、Q個の隣接する単電池のうちの各単電池の第1側面に固定して貼
り付けられる。
【0011】
好ましくは、前記電池モジュールの第1方向に沿う長さは、400~2500mmであ
り、前記電池モジュールは、前記ケース内の底面に当接して前記ケース内の底面に支持さ
れる。
【0012】
好ましくは、少なくとも1つの単電池の第1側面に貼り付けられた補強部材の該単電池
の第1側面への投影の第1方向に沿う長さは、Sであり、該単電池の第1方向に沿う長さ
は、Pであり、ここで、SとPとは、S=0.1P~0.5Pを満たす。
【0013】
好ましくは、前記M個の補強部材は、前記電池モジュールの一側に位置し、所定の方向
に沿って順に配列され、1番目の補強部材は、1番目~Q番目の単電池のうちの各単電池
の第1側面に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材は、Q番目~2Q-1番目の単電
池のうちの各単電池の第1側面に固定して貼り付けられ、3番目の補強部材は、2Q-1
番目~3Q-2番目の単電池のうちの各単電池の第1側面に固定して貼り付けられ、この
ように類推して、M番目の補強部材は、M×Q-(M-1)-(Q-1)番目~M×Q-
(M-1)番目の単電池のうちの各単電池の第1側面に固定して貼り付けられる。
【0014】
好ましくは、1つの前記補強部材は、2つの隣接する単電池のうちの各単電池の第1側
面に固定して貼り付けられる。
【0015】
好ましくは、前記側面は、2つの反対側に位置する第1側面を含み、前記M個の補強部
材は、前記電池モジュールの両側に分布し、前記電池モジュールの一側に位置する補強部
材は、Q個の隣接する単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ
、前記電池モジュールの他側に位置する補強部材は、Q個の隣接する単電池のうちの各単
電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられる。
【0016】
好ましくは、前記電池モジュールの一側に位置する補強部材は、Q個の隣接する単電池
のうちの各単電池の一方の第1側面の少なくとも一部の表面に固定して貼り付けられ、前
記電池モジュールの他側に位置する補強部材は、Q個の隣接する単電池のうちの各単電池
の他方の第1側面の少なくとも一部の表面に固定して貼り付けられる。
【0017】
好ましくは、前記電池モジュールの両側に位置する補強部材は、所定の方向に沿って順
に配列され、前記電池モジュールの一側に位置する1番目の補強部材は、1番目~Q番目
の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材
は、Q番目~2Q-1番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付
けられ、このように類推して、M番目の補強部材は、M×Q-(M-1)-(Q-1)番
目~M×Q-(M-1)番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り
付けられ、
前記電池モジュールの他側に位置する1番目の補強部材は、1番目~Q番目の単電池の
うちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材は、Q番目
~2Q-1番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられ、こ
のように類推して、M番目の補強部材は、M×Q-(M-1)-(Q-1)番目~M×Q
-(M-1)番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられる
。
【0018】
好ましくは、前記電池モジュールの両側に位置する補強部材は、所定の方向に沿って順
に配列され、前記電池モジュールの一側に位置する1番目の補強部材は、1番目~Q番目
の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、前記電池モジュー
ルの他側に位置する1番目の補強部材は、Q番目~2Q-1番目の単電池のうちの各単電
池の他方の第1側面に固定して貼り付けられ、前記電池モジュールの一側の2番目の補強
部材は、2Q-1番目~3Q-2番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定
して貼り付けられ、前記電池モジュールの他側の2番目の補強部材は、3Q-2番目~4
Q-3番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられ、このよ
うに類推して、前記電池モジュールの一側に位置するM番目の補強部材は、2×M×Q-
(2M-1)-2(Q-1)番目~2×M×Q-(2M-1)-(Q-1)番目の単電池
のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、前記電池モジュールの他側
に位置するM番目の補強部材は、2×M×Q-(2M-1)-(Q-1)番目~2×M×
Q-(2M-1)番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けら
れる。
【0019】
好ましくは、前記電池モジュールの両側に位置する補強部材は、所定の方向に沿って順
に配列され、前記電池モジュールの一側に位置する1番目の補強部材は、1番目~Q番目
の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材
は、Q+1番目~2Q番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付
けられ、このように類推して、M番目の補強部材は、M×Q-(Q-1)番目~M×Q番
目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、
前記電池モジュールの他側に位置する1番目の補強部材は、2番目~Q+1番目の単電
池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材は、Q
+2番目~2Q+1番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付け
られ、このように類推して、M番目の補強部材は、M×Q-(Q-1)+1番目~M×Q
+1番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられる。
【0020】
好ましくは、前記補強部材の一端に延在部が設置され、前記延在部が少なくとも1つの
単電池の頂面又は底面に貼り付けられる。
【0021】
好ましくは、前記補強部材の反対側に位置する両端に延在部が設置され、一方の前記延
在部が少なくとも1つの単電池の頂面に貼り付けられ、他方の前記延在部が少なくとも1
つの単電池の底面に貼り付けられる。
【0022】
好ましくは、前記ケースは、互いに垂直なX方向、Y方向及びZ方向を有し、前記電池
モジュールは、複数設置され、複数の前記電池モジュールは、X方向に沿って前記ケース
内に配列され、前記N個の単電池は、Y方向に沿って順に配列され、前記単電池の頂面と
底面は、Z方向に沿って反対側に位置して設置され、第1方向は、Y方向と平行である。
【0023】
好ましくは、前記単電池は、略直方体であり、長さL、幅H及び厚さDを有し、前記単
電池の長さLが幅H以上であり、前記単電池の幅Hが厚さDより大きく、ここで、X方向
は、前記単電池の厚さ方向であり、Y方向は、前記単電池の長さ方向及び幅方向のいずれ
か一方であり、Z方向は、前記単電池の長さ方向及び幅方向の他方である。
【0024】
好ましくは、前記単電池は、それぞれ底面、頂面、2つの第1側面及び2つの第2側面
の6つの表面を含み、2つの第1側面が厚さ方向に沿って反対側に位置し、2つの第2側
面が長さ方向に沿って反対側に位置し、底面と頂面が幅方向に沿って反対側に位置する。
【0025】
好ましくは、前記ケースは、Y方向に沿って対向して設置された第1フレーム及び第2
フレームを含み、前記電池モジュールは、前記第1フレームと第2フレームとの間に設置
され、前記電池モジュールの一端が前記第1フレームに支持され、前記電池モジュールの
他端が前記第2フレームに支持される。
【0026】
好ましくは、前記補強部材は、構造用接着剤によりQ個の隣接する単電池のうちの各単
電池の第1側面に固定して貼り付けられる。
【0027】
好ましくは、前記構造用接着剤は、熱伝導性を有する構造用接着剤である。
【0028】
好ましくは、前記補強部材は、補強板である。
【0029】
好ましくは、前記補強板は、鋼板、アルミニウム板又はガラス繊維板である。
【0030】
好ましくは、前記電池モジュールは、複数設置され、2つの隣接する前記電池モジュー
ルの間に隙間がある。
【0031】
好ましくは、前記電池ユニットにおける2つの隣接する単電池の第2側面は、互いに貼
り合わせられる。
【0032】
好ましくは、前記電池モジュールは、複数設置され、少なくとも2つの隣接する前記電
池モジュールの間に強化部材が設置される。
【0033】
好ましくは、前記強化部材は、前記強化部材の両側に位置する電池モジュールに固定し
て貼り付けられる。
【0034】
好ましくは、前記強化部材は、アルミニウム板又は鋼板である。
【0035】
好ましくは、前記ケースは、共に収容空間を画定するトレイ及び上部カバーを含み、前
記電池モジュールは、前記収容空間内に位置し、前記電池モジュールにおける単電池は、
頂面が前記上部カバーの内表面に固定して貼り付けられ、底面が前記トレイの内表面に固
定して貼り付けられる。
【0036】
好ましくは、前記トレイ及び/又は前記上部カバーは、多層複合構造である。
【0037】
好ましくは、前記多層複合構造は、2層のアルミニウム板と、前記2層のアルミニウム
板の間に挟まれた鋼板又は発泡アルミニウム板とを含む。
【0038】
好ましくは、前記多層複合構造は、2層の繊維複合層と、前記2層の繊維複合層の間に
挟まれた発泡材料層とを含む。
【0039】
好ましくは、前記繊維複合層は、ガラス繊維層及び/又は炭素繊維層を含む。
【0040】
好ましくは、電池モジュールは、複数設置され、1つの電池モジュールにおける2つの
隣接する単電池の第2側面は、互いに貼り合わせられ、該貼り合わせ位置が第1位置と表
記され、隣接する他の電池モジュールにおける2つの隣接する単電池の第2側面は、互い
に貼り合わせられ、該貼り合わせ位置が第2位置と表記され、第1位置と第2位置は、第
1方向に沿って間隔を隔てて設置される。
【0041】
好ましくは、電池モジュールは、複数設置され、1つの電池モジュールにおける2つの
隣接する単電池は、第1区間を隔てて設置され、隣接する他の電池モジュールにおける2
つの隣接する単電池は、第2区間を隔てて設置され、第1区間の第1方向での投影と第2
区間の第1方向での投影とは、重ならない。
【0042】
好ましくは、2つの隣接する電池モジュールにおける単電池の数は、異なり、一方の電
池モジュールが第1電池モジュールと表記され、他方の電池モジュールが第2電池モジュ
ールと表記され、第1電池モジュールにおける単電池の数は、第2電池モジュールにおけ
る単電池の数より大きく、第2電池モジュールに、第2電池モジュールにおける単電池に
接続される補強ブロックが設置される。
【0043】
他の態様では、本願の実施例に係る電気自動車は、上記電池パックを含む。
【発明の効果】
【0044】
本願の実施例に係る電池パック及び電気自動車によれば、補強部材は、Q個の隣接する
単電池のうちの少なくとも一部の単電池の第1側面に固定して貼り付けられ、このように
類推して、M個の補強部材により電池モジュールにおける少なくとも一部の単電池を一体
に接続することができ、単電池の側面、頂面及び底面のうち、第1側面の面積が比較的大
きく(すなわち、第1側面は、面積が大きい面である)、このようにして、補強部材と単
電池との接着面積を保証することができ、両者の接着強度を保証することに役立つ。従来
特許における単電池は、大きい面がケースの頂面及び底面に面し、すなわち、横になって
配置される。単電池を水平方向に沿って順に配列されて、電池ブロックを形成する。電池
ブロックが垂直方向の作用力を受けると、該垂直方向の作用力により電池モジュールが垂
直方向に沿って変形する。つまり、ケースが一定の構造強度を有することを保証するよう
に、ケースの底部を厚くするか又はケースの底部に補強リブを設置する必要がある。しか
しながら、これは、電池パックの重量エネルギー密度又は体積エネルギー密度を低下させ
る。本願の単電池は、頂面がケース内の頂面に面し、底面がケース内の底面に面し、すな
わち、単電池は、ケース内に立てて配置され、補強部材も同様に立てて配置される。電池
モジュールは、垂直方向の作用力を受けると、該垂直方向の作用力により水平方向に沿っ
て変形しやすいが、ケースの周囲の周壁は、該変形の発生を制限することができる。また
、補強部材により電池モジュールにおける少なくとも一部の単電池を一体に接続すること
ができ、補強部材の補強及び支持作用により、電池モジュールの全体的な強度を向上させ
ることができる。該電池モジュールがケース内に補強ビームの作用を果たすことができる
ため、ケース内に補強ビームを別途設置する必要がなく(従来技術においてケース内に設
置された補強ビームの厚さが少なくとも十数ミリメートルである)、このようにして、ケ
ースの構造を大幅に簡略化することができ、電池パックの空間利用率を向上させることに
役立つ。そして、本願における補強部材は、電池モジュールが十分な強度を有することを
保証するとともに、その厚さが比較的小さいため、電池パックの重量を軽減することに役
立ち、電池パックのエネルギー密度を向上させることに役立つ。また、電池モジュールは
、ケース内に直接的に配置・配列され、このような構造設計により、単電池を取り付け固
定するための構造部材が省略され、電池パック全体の重量を軽減することに役立つだけで
なく、組立プロセスを簡略化することができ、生産コストを低減することに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本願の実施例に係る電池パックの概略構成図である。
【
図2】本願の実施例に係る電池モジュールの概略構成図である。
【
図5】本願の実施例に係る電池モジュールの平面図である。
【
図7】本願の実施例に係る電池モジュールの概略構成図である。
【
図8】本願の実施例に係る電池モジュールの平面図である。
【
図9】本願の実施例に係る電池モジュールの平面図である。
【
図10】本願の実施例に係る電池モジュールの平面図である。
【
図11】本願の実施例に係る電池モジュールの平面図である。
【
図12】本願の実施例に係る電池モジュールの平面図である。
【
図13】本願の実施例に係る電池モジュールの平面図である。
【
図14】本願の実施例に係る電池モジュールの概略構成図である。
【
図15】本願の実施例に係る電池モジュールの概略構成図である。
【
図16】本願の実施例に係る単電池の概略構成図である。
【
図17】本願の実施例に係るケースの概略構成図である。
【
図18】本願の実施例に係る電池モジュールの概略構成図である。
【
図19】本願の実施例に係る電池パックの他の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は図面に示され、全体を通して同
一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示
す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものに過ぎず、本願を解釈
するためのものであり、本願を限定するためのものとして理解してはならない。
【0047】
図1~
図19に示すように、本願の実施例は、内部に底面及び頂面を有するケース10
0と、ケース100内に位置する電池モジュール200とを含む電池パック10を提供す
る。電池モジュール200は、電池ユニット201及び補強部材300を含み、電池ユニ
ット201は、N個の単電池202を含み、N>2で、整数であり、補強部材300は、
M個あり、M>1で、整数である。電池ユニット201における少なくとも一部の単電池
202は、M個の補強部材300により接続され、単電池202の外表面は、ケース10
0内の底面に面する底面206と、ケース100内の頂面に面する頂面205と、側面と
を含み、側面は、第1側面203及び2つの反対側に位置する第2側面204を含み、側
面のうち、第1側面203の面積が最大であり、第1側面203の面積は、単電池202
の底面206の面積より大きく、かつ単電池202の頂面205の面積より大きく、N個
の単電池202は、順に配列され、2つの隣接する単電池202の第2側面204が対向
して設置され、単電池202の配列方向が第1方向である。1つの補強部材300は、Q
個の隣接する単電池202のうちの少なくとも一部の単電池202の第1側面203に固
定して貼り付けられ、QがN>Q≧2で、整数であることを満たす。
【0048】
例えば、1つの補強部材300は、3つの隣接する単電池202のうちの1つの単電池
202の第1側面203に固定して貼り付けられ、他の2つの単電池202の第1側面2
03に貼り付けられない。或いは、1つの補強部材300は、3つの隣接する単電池20
2のうちの2つの単電池202の第1側面203に固定して貼り付けられ、他の1つの単
電池202の第1側面203に貼り付けられない。
【0049】
また、例えば、1つの補強部材300は、4つの隣接する単電池202のうちの1つの
単電池202の第1側面203に固定して貼り付けられ、他の3つの単電池202の第1
側面203に貼り付けられない。或いは、1つの補強部材300は、4つの隣接する単電
池202のうちの2つの単電池202の第1側面203に固定して貼り付けられ、他の2
つの単電池202の第1側面203に貼り付けられない。
【0050】
なお、単電池202の2つの反対側に位置する第2側面204の形状、寸法及び構造は
、同じであってもよく、異なってもよい。そして、第1側面203は、第1側面203の
表面全体であってもよく、第1側面203の一部の表面であってもよい。本願の実施例に
係る電池パック10において、補強部材300は、Q個の隣接する単電池202のうちの
少なくとも一部の単電池202の第1側面203に固定して貼り付けられ、このように類
推して、M個の補強部材300により電池モジュール200における少なくとも一部の単
電池202を一体に接続することができ、単電池202の側面、頂面及び底面のうち、第
1側面203の面積が比較的大きく(すなわち、第1側面203は、面積が大きい大きい
面である)、このようにして、補強部材300と単電池202との接着面積を保証するこ
とができ、両者の接着強度を保証することに役立つ。従来特許における単電池202は、
大きい面がケースの頂面及び底面に面し、すなわち、横になって配置され、単電池202
を水平方向に沿って順に配列して形成された電池ブロックが垂直方向の作用力を受けると
、該垂直方向の作用力により電池モジュール200が垂直方向に沿って変形しやすいため
、ケースが一定の構造強度を有することを保証するように、ケースの底部を厚くするか又
はケースの底部に補強リブを設置する必要がある。しかしながら、これは、電池パック1
0の重量エネルギー密度又は体積エネルギー密度を低下させる。本願の単電池202は、
頂面がケース内の頂面に面し、底面がケース内の底面に面し、すなわち、単電池202は
、ケース内に立てて配置され、補強部材も同様に立てて配置される。電池モジュール20
0は、垂直方向の作用力を受けると、該垂直方向の作用力により水平方向に沿って変形し
やすいが、ケースの周囲の周壁は、該変形の発生を制限することができる。また、補強部
材により電池モジュール200における少なくとも一部の単電池202を一体に接続する
ことができ、補強部材の補強及び支持作用により、電池モジュール200の全体的な強度
を向上させることができる。該電池モジュール200がケース内に補強ビームの作用を果
たすことができるため、ケース内に補強ビームを別途設置する必要がなく(従来技術にお
いてケース内に設置された補強ビームの厚さが少なくとも十数ミリメートルである)、こ
のようにして、ケースの構造を大幅に簡略化することができ、電池パック10の空間利用
率を向上させることに役立つ。そして、本願における補強部材は、電池モジュール200
が十分な強度を有することを保証するとともに、その厚さが比較的小さく、数ミリメート
ルだけであるため、電池パック10の重量を軽減することに役立ち、電池パック10のエ
ネルギー密度を向上させることに役立つ。また、電池モジュール200は、ケース内に直
接的に配置・配列され、このような構造設計により、単電池202を取り付け固定するた
めの構造部材が省略され、電池パック10全体の重量を軽減することに役立つだけでなく
、組立プロセスを簡略化することができ、生産コストを低減することに役立つ。
【0051】
なお、本明細書において、電池パック10のケース100は、電池モジュール200を
収容するためのケースとして理解されてもよく、それは、トレイ101及び上部カバー(
図示せず)を含んでもよく、トレイ101及び上部カバーは、共に電池モジュール200
を収容するための収容空間を画定する。例えば、トレイと上部カバーとは、密封接続され
て収容空間を形成する。電池モジュール200は、トレイ101に設置され、かつ上部カ
バーでカバーされる。ケース100内の電池モジュール200の数は、実際の必要に応じ
て設定されてもよく、例えば、2つ又は3つである。電池パック10は、電池管理システ
ム(BMS)、電池コネクタ、電池サンプラー及び電池熱管理システムのうちの少なくと
も1つを含む。
【0052】
一実施例において、補強部材300の第2方向に沿う寸法は、D0であり、第2方向が
第1方向と垂直であり、該補強部材300に固定して貼り付けられたそのうちの1つの単
電池202の重量は、Gであり、D0とGとは、0.15mm・kg-1<D0/G<7
mm・kg-1を満たし、D0=0.5~5mmである。このように設置することにより
、電池モジュール200が十分な強度を有することを保証するだけでなく、補強部材30
0の厚さを減少させることができ、電池パック10の重量を軽減し、電池パック10のエ
ネルギー密度を向上させることに役立つ。
【0053】
さらに、0.25mm・kg-1≦D0/G≦5.8mm・kg-1である。このよう
に設置することにより、電池モジュールの強度をさらに向上させることができるとともに
、補強部材300の厚さを減少させることができ、電池パック10の重量を軽減し、電池
パック10のエネルギー密度を向上させることに役立つ。
【0054】
実施例において、補強部材の第2方向に沿う寸法は、D0であり、第2方向が第1方向
と垂直である。Q個の隣接する単電池202のうちの、補強部材300に接続された1つ
の単電池202の第2方向に沿う寸法は、D1であり、D0とD1とは、0.006≦D
0/D1≦0.5を満たし、D1=10~90mmである。このように設置することによ
り、単電池202の厚さが大きすぎることを回避するだけでなく、補強部材300と単電
池202との高い接着強度を保証することができる。
【0055】
さらに、0.012≦D0/D1≦0.4であり、それにより、単電池202の厚さが
大きすぎることがなく、また単電池202と補強部材300とのより高い接着強度を保証
することができる。
【0056】
実施例において、Q個の隣接する単電池202のうちの補強部材300に接続された単
電池202の数は、Q/2以上である。例えば、3つの隣接する単電池202のうちの補
強部材300に接続された単電池202の数は、2つ又は3つである。4つの隣接する単
電池202のうちの補強部材300に接続された単電池202の数は、2つ又は3つ又は
4つである。
【0057】
一実施例において、M個の補強部材300は、N個の単電池202を接続して電池ユニ
ット201を形成し、1つの補強部材300は、Q個の隣接する単電池202のうちの各
単電池202の第1側面203に固定して貼り付けられる。
【0058】
1つの補強部材300は、Q個の隣接する単電池202のうちの各単電池202の第1
側面203に固定して貼り付けられ、このように類推して、M個の補強部材300により
電池ユニット201におけるN個の単電池202を一体に接続することができ、それによ
り電池モジュール200の全体的な強度をさらに向上させる。該電池モジュール200が
ケース100内に補強ビームの作用を果たすことができるため、ケース100の構造を大
幅に簡略化し、かつ補強リブが占める空間を減少させることができ、電池パック10の空
間利用率及び電池パック10のエネルギー密度を向上させることに役立つ。また、電池モ
ジュール200は、ケース100内に直接的に配置・配列され、このような構造設計によ
り、単電池202を取り付け固定するための構造部材が省略され、電池パック10全体の
重量を軽減することに役立つだけでなく、組立プロセスを簡略化することができ、生産コ
ストを低減することに役立つ。
【0059】
一実施例において、電池モジュール200の第1方向に沿う長さは、400~2500
mmであり、電池モジュール200は、ケース100内の底面に当接してケース100内
の底面に支持される。
【0060】
補強部材300により電池モジュール200における単電池202を一体に接続するこ
とができ、補強部材300の補強及び支持作用により、電池モジュール200の全体的な
強度を向上させることができる。該電池モジュール200がケース100内に補強ビーム
の作用を果たすことができるため、ケース100の構造を大幅に簡略化し、かつ補強リブ
が占める空間を減少させることができ、電池パック10の空間利用率及び電池パック10
のエネルギー密度を向上させることに役立つ。また、電池モジュール200は、ケース1
00内に直接的に配置・配列され、このような構造設計により、単電池202を取り付け
固定するための構造部材が省略され、電池パック10全体の重量を軽減することに役立つ
だけでなく、組立プロセスを簡略化することができ、生産コストを低減することに役立つ
。
【0061】
さらに、電池モジュール200の第1方向に沿う長さは、使用の需要を満たすために、
600~2500mmである。
【0062】
一実施例において、電池ユニット201は、4つの単電池202を含む。当然のことな
がら、電池ユニット201に含まれる単電池202の数は、実際の必要に応じて設定され
てもよく、例えば、3つ又は5つ以上である。
【0063】
一実施例において、
図2に示すように、1つの補強部材300は、2つの隣接する単電
池202のうちの各単電池202の第1側面203に固定して貼り付けられる。
【0064】
別の実施例において、
図8に示すように、1つの補強部材300は、3つの隣接する単
電池202のうちの各単電池202の第1側面203に固定して貼り付けられる。
【0065】
一実施例において、補強部材300は、Q個の隣接する単電池202のうちの各単電池
202の第1側面203の少なくとも一部の表面に固定して貼り付けられる。
【0066】
図2に示すように、補強部材300は、2つの隣接する単電池202のうちの各単電池
202の第1側面203の少なくとも一部の表面に固定して貼り付けられる。そして、該
2つの隣接する単電池202の第1側面203の一部の表面に補強部材300が固定して
貼り付けられる。当然のことながら、補強部材300は、一方の単電池202の第1側面
203の表面全体及び他方の単電池202の第1側面203の一部の表面に固定して貼り
付けられてもよい。
【0067】
しかしながら、別の実施例において、
図8に示すように、補強部材300は、3つの隣
接する単電池202のうちの各単電池202の第1側面203の少なくとも一部の表面に
固定して貼り付けられる。そして、該3つの隣接する単電池202のうちの2つの単電池
202の第1側面203の一部の表面及び1つの単電池202の第1側面203の表面全
体に補強部材300が固定して貼り付けられる。当然のことながら、該3つの隣接する単
電池202の第1側面203の一部の表面に補強部材300が固定して貼り付けられても
よい。
【0068】
一実施例において、
図2及び
図8に示すように、M個の補強部材300は、電池モジュ
ール200の一側に位置し、所定の方向に沿って順に配列され、1番目の補強部材300
は、1番目~Q番目の単電池202のうちの各単電池202の第1側面203に固定して
貼り付けられ、2番目の補強部材300は、Q番目~2Q-1番目の単電池202のうち
の各単電池202の第1側面203に固定して貼り付けられ、3番目の補強部材300は
、2Q-1番目~3Q-2番目の単電池202のうちの各単電池202の第1側面203
に固定して貼り付けられ、このように類推して、M番目の補強部材300は、M×Q-(
M-1)-(Q-1)番目~M×Q-(M-1)番目の単電池202のうちの各単電池2
02の第1側面203に固定して貼り付けられる。
【0069】
所定の方向は、第1方向と平行であってもよく、第1方向と一定の角度をなしてもよい
。
【0070】
図2に示すように、電池ユニット201は、4つの単電池202を含み、3つの補強部
材300は、電池モジュール200の一側に位置し、各補強部材300は、2つの隣接す
る単電池202のうちの各単電池202の第1側面203に固定して貼り付けられる。1
番目の補強部材300は、1番目~2番目の単電池202のうちの各単電池202の第1
側面203に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材300は、2番目~3番目の単電
池202のうちの各単電池202の第1側面203に固定して貼り付けられ、3番目の補
強部材300は、3番目~4番目の単電池202のうちの各単電池202の第1側面20
3に固定して貼り付けられる。
【0071】
図8に示すように、電池ユニット201は、5つの単電池202を含み、2つの補強部
材300は、電池モジュール200の一側に位置し、各補強部材300は、3つの隣接す
る単電池202のうちの各単電池202の第1側面203に固定して貼り付けられる。1
番目の補強部材300は、1番目~3番目の単電池202のうちの各単電池202の第1
側面203に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材300は、3番目~5番目の単電
池202のうちの各単電池202の第1側面203に固定して貼り付けられる。
【0072】
一実施例において、
図6及び
図7に示すように、側面は、2つの反対側に位置する第1
側面203を含み、M個の補強部材300は、電池モジュール200の両側に分布し、電
池モジュール200の一側に位置する補強部材300は、Q個の隣接する単電池202の
うちの各単電池202の一方の第1側面203に固定して貼り付けられ、電池モジュール
200の他側に位置する補強部材300は、Q個の隣接する単電池202のうちの各単電
池202の他方の第1側面203に固定して貼り付けられ、それにより、電池ユニット2
01の強度をさらに向上させる。Qの数は、具体的に限定されず、2つ、3つ以上であっ
てもよい。
【0073】
なお、電池モジュール200の一側に位置する補強部材300がQ個の隣接する単電池
202のうちの各単電池202の一方の第1側面203に固定して貼り付けられることは
、補強部材300がQ個の隣接する単電池202のうちの各単電池202の一方の第1側
面203の表面全体又は一部の表面に固定して貼り付けられると理解されてもよい。同様
に、電池モジュール200の他側に位置する補強部材300がQ個の隣接する単電池20
2のうちの各単電池202の他方の第1側面203に固定して貼り付けられることは、補
強部材300がQ個の隣接する単電池202のうちの各単電池202の他方の第1側面2
03の表面全体又は一部の表面に固定して貼り付けられると理解されてもよい。
【0074】
一実施例において、電池モジュール200の一側に位置する補強部材300は、Q個の
隣接する単電池202のうちの各単電池202の一方の第1側面203の少なくとも一部
の表面に固定して貼り付けられ、電池モジュール200の他側に位置する補強部材300
は、Q個の隣接する単電池202のうちの各単電池202の他方の第1側面203の少な
くとも一部の表面に固定して貼り付けられる。
【0075】
図6に示すように、電池モジュール200の一側に位置する補強部材300は、2つの
隣接する単電池202のうちの各単電池202の一方の第1側面203の少なくとも一部
の表面に固定して貼り付けられる。電池モジュール200の他側に位置する補強部材30
0は、2つの隣接する単電池202のうちの各単電池202の他方の第1側面203の少
なくとも一部の表面に固定して貼り付けられる。
【0076】
しかしながら、別の実施例において、
図9に示すように、電池モジュール200の一側
に位置する補強部材300は、3つの隣接する単電池202のうちの各単電池202の一
方の第1側面203の少なくとも一部の表面に固定して貼り付けられる。電池モジュール
200の他側に位置する補強部材300は、3つの隣接する単電池202のうちの各単電
池202の他方の第1側面203の少なくとも一部の表面に固定して貼り付けられる。
【0077】
図5、
図6及び
図9に示すように、電池モジュール200の両側に位置する補強部材3
00は、所定の方向に沿って順に配列され、電池モジュール200の一側に位置する1番
目の補強部材300は、1番目~Q番目の単電池202のうちの各単電池202の一方の
第1側面203に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材300は、Q番目~2Q-1
番目の単電池202のうちの各単電池202の一方の第1側面203に固定して貼り付け
られ、このように類推して、M番目の補強部材300は、M×Q-(M-1)-(Q-1
)番目~M×Q-(M-1)番目の単電池202のうちの各単電池202の一方の第1側
面203に固定して貼り付けられ、
電池モジュール200の他側に位置する1番目の補強部材300は、1番目~Q番目の
単電池202のうちの各単電池202の他方の第1側面203に固定して貼り付けられ、
2番目の補強部材300は、Q番目~2Q-1番目の単電池202のうちの各単電池20
2の他方の第1側面203に固定して貼り付けられ、このように類推して、M番目の補強
部材300は、M×Q-(M-1)-(Q-1)番目~M×Q-(M-1)番目の単電池
202のうちの各単電池202の他方の第1側面203に固定して貼り付けられる。
【0078】
本実施例において、
図5及び
図6に示すように、電池ユニット201は、4つの単電池
202を含む。3つの補強部材300は、電池モジュール200の一側に位置し、各補強
部材300は、2つの隣接する単電池202のうちの各単電池202の一方の第1側面2
03に固定して貼り付けられる。3つの補強部材300は、電池モジュール200の他側
に位置し、各補強部材300は、2つの隣接する単電池202のうちの各単電池202の
他方の第1側面203に固定して貼り付けられる。電池モジュール200の一側に位置す
る1番目の補強部材300は、1番目~2番目の単電池のうちの各単電池202の一方の
第1側面203に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材300は、2番目~3番目の
単電池202のうちの各単電池202の一方の第1側面203に固定して貼り付けられ、
3番目の補強部材300は、3番目~4番目の単電池202のうちの各単電池202の一
方の第1側面203に固定して貼り付けられ、電池モジュール200の他側に位置する1
番目の補強部材300は、1番目~2番目の単電池のうちの各単電池202の他方の第1
側面203に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材300は、2番目~3番目の単電
池202のうちの各単電池202の他方の第1側面203に固定して貼り付けられ、3番
目の補強部材300は、3番目~4番目の単電池202のうちの各単電池202の他方の
第1側面203に固定して貼り付けられる。
【0079】
しかしながら、別の実施例において、
図9に示すように、電池ユニット201は、5つ
の単電池202を含む。2つの補強部材300は、電池モジュール200の一側に位置し
、各補強部材300は、3つの隣接する単電池202のうちの各単電池202の一方の第
1側面203に固定して貼り付けられる。2つの補強部材300は、電池モジュール20
0の他側に位置し、各補強部材300は、3つの隣接する単電池202のうちの各単電池
202の他方の第1側面203に固定して貼り付けられる。電池モジュール200の一側
に位置する1番目の補強部材300は、1番目~3番目の単電池202のうちの各単電池
202の一方の第1側面203に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材300は、3
番目~5番目の単電池202のうちの各単電池202の一方の第1側面203に固定して
貼り付けられ、電池モジュール200の他側に位置する1番目の補強部材300は、1番
目~3番目の単電池202のうちの各単電池202の他方の第1側面203に固定して貼
り付けられ、2番目の補強部材300は、3番目~5番目の単電池202のうちの各単電
池202の他方の第1側面203に固定して貼り付けられる。
【0080】
図10及び
図11に示すように、電池モジュール200の両側に位置する補強部材30
0は、所定の方向に沿って順に配列され、電池モジュール200の一側に位置する1番目
の補強部材300は、1番目~Q番目の単電池202のうちの各単電池202の一方の第
1側面203に固定して貼り付けられ、電池モジュール200の他側に位置する1番目の
補強部材300は、Q番目~2Q-1番目の単電池202のうちの各単電池202の他方
の第1側面203に固定して貼り付けられ、電池モジュール200の一側の2番目の補強
部材300は、2Q-1番目~3Q-2番目の単電池202のうちの各単電池202の一
方の第1側面203に固定して貼り付けられ、電池モジュール200の他側の2番目の補
強部材300は、3Q-2番目~4Q-3番目の単電池202のうちの各単電池202の
他方の第1側面203に固定して貼り付けられ、このように類推して、電池モジュール2
00の一側に位置するM番目の補強部材300は、2×M×Q-(2M-1)-2(Q-
1)番目~2×M×Q-(2M-1)-(Q-1)番目の単電池202のうちの各単電池
202の一方の第1側面203に固定して貼り付けられ、電池モジュール200の他側に
位置するM番目の補強部材300は、2×M×Q-(2M-1)-(Q-1)番目~2×
M×Q-(2M-1)番目の単電池202のうちの各単電池202の他方の第1側面20
3に固定して貼り付けられる。
【0081】
本実施例において、
図10に示すように、電池ユニット201は、5つの単電池202
を含む。2つの補強部材300は、電池モジュール200の一側に位置し、各補強部材3
00は、2つの隣接する単電池202のうちの各単電池202の一方の第1側面203に
固定して貼り付けられる。2つの補強部材300は、電池モジュール200の他側に位置
し、各補強部材300は、2つの隣接する単電池202のうちの各単電池202の他方の
第1側面203に固定して貼り付けられる。電池モジュール200の一側に位置する1番
目の補強部材300は、1番目~2番目の単電池のうちの各単電池202の一方の第1側
面203に固定して貼り付けられ、電池モジュール200の他側に位置する1番目の補強
部材300は、2番目~3番目の単電池202のうちの各単電池202の他方の第1側面
203に固定して貼り付けられる。電池モジュール200の一側に位置する2番目の補強
部材300は、3番目~4番目の単電池202のうちの各単電池202の一方の第1側面
203に固定して貼り付けられ、電池モジュール200の他側に位置する2番目の補強部
材300は、4番目~5番目の単電池202のうちの各単電池202の他方の第1側面2
03に固定して貼り付けられる。
【0082】
しかしながら、別の実施例において、
図11に示すように、電池ユニット201は、7
つの単電池202を含み、2つの補強部材300は、電池モジュール200の一側に位置
し、各補強部材300は、3つの隣接する単電池202のうちの各単電池202の一方の
第1側面203に固定して貼り付けられる。1つの補強部材300は、電池モジュール2
00の他側に位置し、該補強部材300は、3つの隣接する単電池202のうちの各単電
池202の他方の第1側面203に固定して貼り付けられる。電池モジュール200の一
側に位置する1番目の補強部材300は、1番目~3番目の単電池のうちの各単電池20
2の一方の第1側面203に固定して貼り付けられ、電池モジュール200の他側に位置
する1番目の補強部材300は、3番目~5番目の単電池202のうちの各単電池202
の他方の第1側面203に固定して貼り付けられる。電池モジュール200の一側に位置
する2番目の補強部材300は、5番目~7番目の単電池202のうちの各単電池202
の一方の第1側面203に固定して貼り付けられる。
【0083】
図12及び
図13に示すように、電池モジュール200の両側に位置する補強部材30
0は、所定の方向に沿って順に配列され、電池モジュール200の一側に位置する1番目
の補強部材300は、1番目~Q番目の単電池202のうちの各単電池202の一方の第
1側面203に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材300は、Q+1番目~2Q番
目の単電池202のうちの各単電池202の一方の第1側面203に固定して貼り付けら
れ、このように類推して、M番目の補強部材300は、M×Q-(Q-1)番目~M×Q
番目の単電池202のうちの各単電池202の一方の第1側面203に固定して貼り付け
られ、
電池モジュール200の他側に位置する1番目の補強部材300は、2番目~Q+1番
目の単電池202のうちの各単電池202の他方の第1側面203に固定して貼り付けら
れ、2番目の補強部材300は、Q+2番目~2Q+1番目の単電池202のうちの各単
電池202の他方の第1側面203に固定して貼り付けられ、このように類推して、M番
目の補強部材300は、M×Q-(Q-1)+1番目~M×Q+1番目の単電池202の
うちの各単電池202の他方の第1側面203に固定して貼り付けられる。
【0084】
本実施例において、
図12に示すように、電池ユニット201は、5つの単電池202
を含み、2つの補強部材300は、電池モジュール200の一側に位置し、各補強部材3
00は、2つの隣接する単電池202のうちの各単電池202の一方の第1側面203に
固定して貼り付けられる。2つの補強部材300は、電池モジュール200の他側に位置
し、各補強部材300は、2つの隣接する単電池202のうちの各単電池202の他方の
第1側面203に固定して貼り付けられる。電池モジュール200の一側に位置する1番
目の補強部材300は、1番目~2番目の単電池のうちの各単電池202の一方の第1側
面203に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材300は、3番目~4番目の単電池
202のうちの各単電池202の一方の第1側面203に固定して貼り付けられ、電池モ
ジュール200の他側に位置する1番目の補強部材300は、2番目~3番目の単電池2
02のうちの各単電池202の他方の第1側面203に固定して貼り付けられ、2番目の
補強部材300は、4番目~5番目の単電池202のうちの各単電池202の他方の第1
側面203に固定して貼り付けられる。
【0085】
しかしながら、別の実施例において、
図13に示すように、電池ユニット201は、4
つの単電池202を含み、2つの補強部材300は、電池モジュール200の一側に位置
し、各補強部材300は、2つの隣接する単電池202のうちの各単電池202の一方の
第1側面203に固定して貼り付けられる。1つの補強部材300は、電池モジュール2
00の他側に位置し、該補強部材300は、2つの隣接する単電池202のうちの各単電
池202の他方の第1側面203に固定して貼り付けられる。電池モジュール200の一
側に位置する1番目の補強部材300は、1番目~2番目の単電池のうちの各単電池20
2の一方の第1側面203に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材300は、3番目
~4番目の単電池202のうちの各単電池202の一方の第1側面203に固定して貼り
付けられ、電池モジュール200の他側に位置する1番目の補強部材300は、2番目~
3番目の単電池202のうちの各単電池202の他方の第1側面203に固定して貼り付
けられる。
【0086】
一実施例において、
図2及び
図14に示すように、補強部材300の一端に延在部40
0が設置され、延在部400が少なくとも1つの単電池202の頂面205又は底面20
6に貼り付けられることにより、電池ユニット201の強度をさらに向上させる。例えば
、延在部400は、1つの単電池202の頂面205又は底面206に貼り付けられても
よく、1つの単電池202の頂面205又は底面206に貼り付けられてもよい。
【0087】
本実施例において、補強部材300は、延在部400と一体成形される。当然のことな
がら、補強部材300と延在部400は、単独で製造され、次に接続されてもよい。
【0088】
一実施例において、
図2及び
図15に示すように、補強部材300の反対側に位置する
両端に延在部400が設置され、一方の延在部400が少なくとも1つの単電池202の
頂面205に貼り付けられ、他方の延在部400が少なくとも1つの単電池202の底面
206に貼り付けられることにより、電池ユニット201の強度をさらに向上させる。例
えば、一方の延在部400は、1つの単電池202の頂面205に貼り付けられ、他方の
延在部400は、1つの単電池202の底面206に貼り付けられる。或いは、一方の延
在部400は、2つの単電池202の頂面205に貼り付けられ、他方の延在部400は
、2つの単電池202の底面206に貼り付けられる。
【0089】
一実施例において、
図1及び
図2に示すように、ケース100は、互いに垂直なX方向
、Y方向及びZ方向を有し、電池モジュール200は、複数設置され、複数の電池モジュ
ール200は、X方向に沿ってケース100内に配列され、N個の単電池202は、Y方
向に沿って順に配列され、単電池202の頂面205と底面206は、Z方向に沿って反
対側に位置して設置され、第1方向は、Y方向と平行であり、第2方向は、X方向と平行
である。
【0090】
一実施例において、
図2、
図16及び
図17に示すように、単電池202は、略直方体
であり、長さL、幅H及び厚さDを有し、単電池202の長さLが幅H以上であり、単電
池202の幅Hが厚さDより大きく、ここで、X方向は、単電池202の厚さ方向であり
、Y方向は、単電池202の長さ方向及び幅方向のいずれか一方であり、Z方向は、単電
池202の長さ方向及び幅方向の他方である。単電池202の第2方向に沿う寸法は、単
電池202の厚さであり、すなわち、D1=Dである。
【0091】
なお、本明細書における単電池202が略直方体であることはは、単電池202が直方
体状又は立方体状であってもよく、局所に異形があるが、ほぼ直方体状又は立方体状であ
ってもよく、一部に切り欠き、突起、面取り、弧度、及び曲げ部位があるが、全体的な形
がほぼ直方体状又は立方体状であってもよいと理解されてもよい。
【0092】
単電池202は、それぞれ底面206、頂面205、2つの第1側面203及び2つの
第2側面204の6つの表面を含み、2つの第1側面203は、厚さ方向に沿って反対側
に位置し、2つの第2側面204は、長さ方向に沿って反対側に位置し、底面206と頂
面205は、幅方向に沿って反対側に位置する。
【0093】
ケース100は、Y方向に沿って対向して設置された第1フレーム102及び第2フレ
ーム103を含み、電池モジュール200は、第1フレーム102と第2フレーム103
との間に設置され、電池モジュール200の一端が第1フレーム102に支持され、電池
モジュール200の他端が第2フレーム103に支持される。すなわち、電池モジュール
200は、Y方向に沿って第1フレーム102から第2フレーム103に延在する。換言
すれば、電池モジュール200は、Y方向に沿ってケース100の一側から他側に延在し
、ケース100内にY方向に沿って1つの電池モジュール200が設置される。
【0094】
補強部材300を単電池202の第1側面203に固定して貼り付けることにより、単
電池202を一体に接続し、補強部材300の補強及び支持作用により、電池モジュール
200の全体的な強度を向上させることができる。該電池モジュール200がケース10
0内に補強ビームの作用を果たすことができるため、ケースの構造を大幅に簡略化し、か
つ補強リブが占める空間を減少させることができ、電池パック10の空間利用率及び電池
パック10のエネルギー密度を向上させることに役立つ。また、電池モジュール200は
、ケース100内に直接的に配置・配列され、このような構造設計により、単電池202
を取り付け固定するための構造部材が省略され、電池パック10全体の重量を軽減するこ
とに役立つだけでなく、組立プロセスを簡略化することができ、生産コストを低減するこ
とに役立つ。
【0095】
本実施例において、電池モジュール200の一端は、第1フレーム102に直接的又は
間接的に支持されてもよく、電池モジュール200の他端は、第2フレーム103に直接
的又は間接的に支持されてもよい。直接とは、電池モジュール200の一端が第1フレー
ム102に直接的に接触し嵌合支持され、電池モジュール200の他端が第2フレーム1
03に直接的に接触し嵌合支持されることを意味し、間接とは、例えば、いくつかの実施
例において、電池モジュール200の一端が中間部材により第1フレーム102に嵌合支
持され、電池モジュール200の他端が中間部材により第2フレーム103に嵌合支持さ
れることを意味する。さらに、電池モジュール200の両端は、第1フレーム102及び
第2フレーム103に固定されてもよく、具体的な固定方式は、以下に詳細に説明され、
特定の支持及び固定方式について、本願は限定しない。
【0096】
本願の技術的思想では、一実施例において、Y方向に沿って、第1フレーム102と第
2フレーム103との間の距離は、電池モジュール200の寸法とマッチングし、ここで
、マッチングは、2つのフレームの間の間隔に1つの電池モジュール200を嵌合して取
り付けることができることであり、本願の目的を達成するために、このような嵌合は、隙
間嵌め、締り嵌め、締結嵌合、固定嵌合などの様々な配合方式であってもよい。
【0097】
さらに、ケース100は、X方向に沿って対向して設置された第3フレーム104及び
第4フレーム105をさらに含み、複数の電池モジュール200は、X方向に沿って第3
フレーム104と第4フレーム105との間に並列に配列される。
【0098】
ケース100は、共に収容空間を画定するトレイ101及び上部カバーを含み、電池モ
ジュール200は、収容空間内に位置し、電池モジュール200における単電池202は
、頂面が上部カバーの内表面に固定して貼り付けられ、底面がトレイ101の内表面に固
定して貼り付けられる。それにより、電池モジュール200と上部カバー及びトレイ10
1は、一体型構造を形成することができ、該一体型構造は、高い機械的強度を有し、すな
わち、電池パック10は、高い構造強度を有するため、外力の衝撃によく耐えることがで
きる。該電池パック10は、使用時に、十分な構造強度を有するため、車両全体の構造強
度の一部とすることができる。換言すれば、従来の設計思想とは逆であり、車両全体に電
池パック10を保護するための構造部材を別途設計する必要がなく、該電池パック10に
より車両全体の構造強度を向上させることができ、このような設計を用いると、車両全体
のフレームにおける電池パック10の構造強度を保護するための設計構造を簡略化し、さ
らに除去することができ、車両全体の軽量化の設計要件を実現し、車両全体の設計及び製
造コストを低減し、かつ車両全体の生産効率を向上させることに役立つ。
【0099】
なお、上部カバーの内表面は、上部カバーの単電池202に近い側の表面を指し、トレ
イ101の内表面は、トレイ101の単電池202に近い側の表面を指す。なお、電池モ
ジュール200における単電池202の頂面は、上部カバーの内表面に直接的に固定して
貼り付けられてもよく、上部カバーの内表面に間接的に固定して貼り付けられてもよく、
例えば、電池モジュール200における単電池202の頂面は、接続板の一側に固定して
貼り付けられ、接続板の他側は、上部カバーの内表面に固定して貼り付けられる。同様に
、電池モジュール200における単電池202の底面は、トレイ101の内表面に直接的
に固定して貼り付けられてもよく、トレイ101の内表面に間接的に固定して貼り付けら
れてもよく、例えば、電池モジュール200における単電池202の底面は、接続板の一
側に固定して貼り付けられ、接続板の他側は、トレイ101の内表面に固定して貼り付け
られる。
【0100】
本実施例において、トレイ101は、Y方向に沿って対向して設置された第1フレーム
102及び第2フレーム103と、X方向に沿って対向して設置された第3フレーム10
4及び第4フレーム105とを含む。
【0101】
一実施形態において、ケース100を矩形又は正方形に形成するために、第1フレーム
102及び第2フレーム103は、第3フレーム104及び第4フレーム105に垂直に
接続される。他の実施形態において、ケース100を台形、平行四辺形などに形成するた
めに、第1フレーム102と第2フレーム103は、互いに平行であってもよく、第3フ
レーム104及び第4フレーム105は、第1フレーム102及び第2フレーム103と
角度をなして設置されてもよい。本願は、第1フレーム102、第2フレーム103、第
3フレーム104及び第4フレーム105で構成されたケース100の具体的な形状を限
定しない。
【0102】
本願のいくつかの実施例において、第3フレーム104は、第3フレーム104に隣接
して設置された電池モジュール200に対して第4フレーム105に向かう作用力を印加
し、第4フレーム105は、第4フレーム105に隣接して設置された電池モジュール2
00に対して第3フレーム104に向かう作用力を印加することにより、複数の電池モジ
ュール200は、X方向に沿って第3フレーム104と第4フレーム105との間に密に
配列することができ、複数の電池モジュール200は、互いに貼り合わせることができる
。また、第3フレーム104及び第4フレーム105は、X方向において複数の電池モジ
ュール200を位置規制することができ、特に電池モジュール200がわずかに膨張する
場合、電池モジュール200に対して緩衝し内向きの圧力を提供するという作用を果たし
、電池モジュール200の膨張量及び変形量が大きすぎることを防止することができる。
【0103】
電池パック10の構造強度をさらに向上させるために、上部カバーは、多層複合構造で
ある。多層複合構造は、2層のアルミニウム板と、2層のアルミニウム板の間に挟まれた
鋼板とを含み、或いは、多層複合構造は、2層のアルミニウム板と、2層のアルミニウム
板の間に挟まれた発泡アルミニウム板とを含み、或いは、多層複合構造は、2層の繊維複
合層と、2層の繊維複合層の間に挟まれた発泡材料層とを含む。繊維複合層は、ガラス繊
維層及び/又は炭素繊維層を含む。
【0104】
電池パック10の構造強度をさらに向上させるために、トレイ101も多層複合構造で
ある。多層複合構造は、2層のアルミニウム板と、2層のアルミニウム板の間に挟まれた
鋼板とを含み、或いは、多層複合構造は、2層のアルミニウム板と、2層のアルミニウム
板の間に挟まれた発泡アルミニウム板とを含み、或いは、多層複合構造は、2層の繊維複
合層と、2層の繊維複合層の間に挟まれた発泡材料層とを含む。繊維複合層は、ガラス繊
維層及び/又は炭素繊維層を含む。
【0105】
一実施例において、補強部材300は、補強板であり、補強部材300の第2方向に沿
う寸法は、補強板の厚さである。なお、補強部材300は、板状構造に限定されず、他の
形状であってもよく、強度をさらに向上させるために、板状構造に補強リブを設置しても
よい。
【0106】
さらに、補強板は、鋼板、アルミニウム板又はガラス繊維板である。
【0107】
一実施例において、
図2及び
図3に示すように、補強部材300は、構造用接着剤50
0によりQ個の隣接する単電池202のうちの各単電池202の第1側面203に固定し
て貼り付けられる。ここで、Qの数は、具体的に限定されず、例えば、3つ又は4つであ
る。
【0108】
さらに、構造用接着剤500は、熱伝導性を有する構造用接着剤500である。熱伝導
性を有する構造用接着剤500は、補強部材300と単電池202の第1側面203との
高い接着効果を保証するだけでなく、単電池202の動作中に発生した熱を伝導すること
ができる。
【0109】
図2~
図4に示すように、少なくとも1つの単電池202の第1側面203に貼り付け
られた補強部材300の該単電池202の第1側面203への投影の第1方向に沿う長さ
は、Sであり、該単電池202の第1方向に沿う長さは、Pであり、ここで、SとPとは
、S=0.1P~0.5Pを満たす。このように設定することにより、補強部材300と
単電池202の第1側面203との間の高い接着効果を保証することができる。また、2
つの隣接する補強部材300の間にいずれも一定の距離Wがあることを保証することがで
き、該距離Wにより、単電池202の動作中の膨張を緩衝することができる。したがって
、このようにして、隣接する電池モジュール200の間に隙間を予め残す必要がなく、電
池パック10の空間利用率を向上させることに役立つ。
【0110】
第1方向は、Y方向と平行である。単電池202の第1方向に沿う長さPは、単電池2
02の長さLである。
【0111】
本実施例において、電池ユニット201は、4つの単電池202を含み、補強部材30
0の各単電池202の第1側面203への投影の第1方向に沿う長さは、Sである。当然
のことながら、実際の必要に応じて、1つの単電池202のみ又は2つの単電池202の
みの第1側面203への投影の第1方向に沿う長さは、Sであってもよい。
【0112】
一実施例において、2つの隣接する電池モジュール200の間に隙間があり、該隙間は
、単電池202の動作中に発生した膨張を許す。なお、単電池202に対して冷却及び放
熱を行うために、該隙間が冷却風路として機能してもよく、該隙間に液冷板を設置しても
よい。
【0113】
一実施例において、実際の使用需要を満たすために、電池ユニット201は、直列接続
、並列接続又は直並列接続され、電池ユニット201における単電池202は、直列接続
、並列接続又は直並列接続される。
【0114】
一実施例において、
図1及び
図2に示すように、電池パック10は、動力接続部材60
0をさらに含み、電池ユニット201における単電池202は、動力接続部材600によ
り直列接続又は並列接続される。
【0115】
さらに、電池モジュール200をケース100内に容易に配置するために、単電池20
2の電極端子207は、単電池202の頂面205に設置される。単電池202の電極端
子207は、2つ設置され、一方が正極端子であり、他方が負極端子である。
【0116】
一実施例において、電池モジュール200は、複数設置され、少なくとも2つの隣接す
る電池モジュール200の間に強化部材が設置される。このように設置することにより、
強化部材により電池モジュール200の強度をさらに向上させることができ、さらに電池
パック10の構造強度を向上させることができる。電池モジュール200の数は、実際の
必要に応じて設定されてもよく、例えば、2つ、3つ又は4つである。例えば、電池モジ
ュール200は、3つ設置され、電池モジュール200の配列方向に沿って1番目の電池
モジュール200と2番目の電池モジュール200との間に強化部材が設置され、或いは
、電池モジュール200の配列方向に沿って2番目の電池モジュール200と3番目の電
池モジュール200との間に強化部材が設置され、或いは、1番目の電池モジュール20
0と2番目の電池モジュール200との間、及び2番目の電池モジュール200と3番目
の電池モジュール200との間にいずれも強化部材が設置される。さらに、強化部材は、
強化部材の両側に位置する電池モジュール200に固定して貼り付けられる。構造用接着
剤は、強化部材の両側に強固に貼り付けられる。構造用接着剤は、両者の高い接着強度を
保証するだけでなく、熱伝導の機能を果たすことができる。
【0117】
さらに、強化部材は、強化板であり、該強化板は、中実構造であり、例えば、中実のア
ルミニウム板又は鋼板である。
【0118】
一実施例において、電池モジュール200は、複数設置され、1つの電池モジュール2
00における2つの隣接する単電池202は、第1区間を隔てて設置され、隣接する他の
電池モジュール200における2つの隣接する単電池202は、第2区間を隔てて設置さ
れ、第1区間の第1方向での投影と第2区間の第1方向での投影とは、重ならない。第1
区間の大きさと第2区間の大きさとは、同じであっても異なってもよい。このような配列
方式により、1つの電池モジュールの構造強度が比較的低い位置(つまり第1区間内の位
置)と隣接する他の電池モジュールの構造強度が比較的低い位置(つまり第2区間内の位
置)とは、互いにずれることができ、このようにして、1つの電池モジュールの構造強度
が比較的低い位置を隣接する他の電池モジュールにより補うことを実現することができ、
電池パックの全体的な強度を向上させることに役立つ。
【0119】
例えば、1つの電池モジュール200において第1方向に沿って配列された1番目の単
電池202と2番目の単電池202は、第1区間を隔てて設置され、該電池モジュール2
00に隣接する他の電池モジュール200において第1方向に沿って配列された1番目の
単電池202と2番目の単電池202は、第2区間を隔てて設置され、第1区間の第1方
向での投影と第2区間の第1方向での投影とは、重ならない。或いは、1つの電池モジュ
ール200において第1方向に沿って配列された2番目の単電池202と3番目の単電池
202は、第1区間を隔てて設置され、該電池モジュール200に隣接する他の電池モジ
ュール200において第1方向に沿って配列された2番目の単電池202と3番目の単電
池202は、第2区間を隔てて設置され、第1区間の第1方向での投影と第2区間の第1
方向での投影とは、重ならない。
【0120】
いくつかの実施例において、
図2、
図18及び
図19に示すように、電池モジュール2
00は、複数設置され、1つの電池モジュール200における2つの隣接する単電池20
2の第2側面204は、互いに貼り合わせられ、該貼り合わせ位置が第1位置と表記され
、隣接する他の電池モジュール200における2つの隣接する単電池202の第2側面2
04は、互いに貼り合わせられ、該貼り合わせ位置が第2位置と表記され、第1位置と第
2位置は、第1方向に沿って間隔を隔てて設置される。理解できるように、このような配
列方式により、2つの隣接する電池モジュール200の構造強度が比較的低い位置は、互
いにずれ、すなわち、第1位置と第2位置は、互いにずれることにより、電池パック10
の全体的な強度を向上させることに役立つ。また、電池モジュール200における2つの
隣接する単電池202の第2側面204が互いに貼り合わせられるため、電池パック10
の占め空間を減少させることに役立ち、電池パック10の体積利用率を向上させる。
【0121】
例えば、1つの電池モジュール200において第1方向に沿って配列された1番目の単
電池202の第2側面204と2番目の単電池202の第2側面204は、互いに貼り合
わせられ、該貼り合わせ位置が第1位置と表記され、該電池モジュール200に隣接する
他の電池モジュール200において第1方向に沿って配列された1番目の単電池202の
第2側面204と2番目の単電池202の第2側面204は、互いに貼り合わせられ、該
貼り合わせ位置が第2位置と表記され、第1位置と第2位置は、第1方向に沿って間隔を
隔てて設置される。或いは、1つの電池モジュール200において第1方向に沿って配列
された2番目の単電池202の第2側面204と3番目の単電池202の第2側面204
は、互いに貼り合わせられ、該貼り合わせ位置が第1位置と表記され、該電池モジュール
200に隣接する他の電池モジュール200において第1方向に沿って配列された2番目
の単電池202の第2側面204と3番目の単電池202の第2側面204は、互いに貼
り合わせられ、該貼り合わせ位置が第2位置と表記され、第1位置と第2位置は、第1方
向に沿って間隔を隔てて設置される。
【0122】
さらに、2つの隣接する電池モジュール200における単電池202の数は、異なり、
一方の電池モジュール200が第1電池モジュールと表記され、他方の電池モジュール2
00が第2電池モジュールと表記され、第1電池モジュールにおける単電池202の数は
、第2電池モジュールにおける単電池202の数より大きく、第2電池モジュールに、第
2電池モジュールにおける単電池202に接続される補強ブロック700が設置される。
理解できるように、2つの隣接する電池モジュール200における単電池202が上記配
列方式で配列された後、第2電池モジュールの電池ユニット201のある位置に空きが形
成され、この場合に空き位置に補強ブロック700が設置され、かつ補強ブロック700
が単電池202に接続され、このようにして、該電池モジュール200の強度をさらに向
上させることができ、また電池パック10の全体的な強度を向上させることもできる。例
えば、第2電池モジュールの電池ユニットの第1方向に沿う一端又は両端に空きが形成さ
れ、或いは、第2電池モジュールの電池ユニットの中間位置に空きが形成される。この場
合、該空き位置に補強ブロックが設置される。補強ブロックが単電池の第2側面に固定し
て貼り付けられてもよく、補強ブロックが補強部材に固定して貼り付けられ、補強部材が
単電池の第1側面に固定して貼り付けられる。
【0123】
例えば、第1電池モジュールにおける単電池202の数は、4つであり、第2電池モジ
ュールにおける単電池202の数は、3つであり、第2電池モジュールの電池ユニット2
01の第1方向に沿う一端又は両端にいずれも補強ブロック700が設置される。或いは
、第1電池モジュールにおける単電池202の数は、3つであり、第2電池モジュールに
おける単電池202の数は、2つであり、第2電池モジュールの電池ユニット201の第
1方向に沿う一端又は両端にいずれも補強ブロック700が設置される。
【0124】
さらに、第1電池モジュールの第1方向に沿う寸法は、第2電池モジュールの第1方向
に沿う寸法と同じであり、第1電池モジュールと第2電池モジュールは、ケース100内
にX方向に沿って順に交互に配列される。このように設置することにより、電池モジュー
ル200のケース100内での配列に役立つだけでなく、電池パック10の空間利用率を
向上させることができる。
【0125】
上記実施形態における単電池202同士の間、単電池202とケース100との間に構
造用接着剤を用いて接着し、電池パック10の内部が一体にしっかりと形成されるために
、好ましくは、接着剤注入の方式で接着することにより、電池パックの全体的な強度を向
上させることに役立つ。
【0126】
他の態様では、本願は、上記電池パック10を含む電気自動車をさらに提供する。上記
電池パック10は、高い構造強度を有し、この構造の電池パック10は、自動車の底部に
設置され、車両全体の構造強度をよく支持し、車両全体の強度設計を容易にすることがで
き、それにより車両全体の設計コスト及び難易度を低下させ、周期を短くする。
(具体的な実施例1~14)
【0127】
図2に示される方式で4つの直方体状の単電池202をY方向に沿って配列し、3つの
補強部材300により接続し、各補強部材300は、それぞれ2つの単電池202に接続
され、電池モジュール200の一側に位置し、補強部材300の形状は、
図2に示すよう
に平板状であり、この4つの単電池202を1つの電池モジュール200に組み立て、こ
のような12個の電池モジュール200をX方向に沿って
図17に示すようなトレイ10
1に配列・配置し、各電池モジュール200の両端を第1フレーム102と第2フレーム
103に支持し、次に上部カバーで密封して電池パックを形成する。各実施例における補
強部材300及び単電池202は、表1を満たし、GB/T 31467.3-2015
「電動自動車用リチウムイオン動力蓄電池パック及びシステム 第3部分:安全性要求と
テスト方法」に基づくテスト結果は、表1に示すとおりである。
【0128】
表1 実施例1~14の電池モジュールを含む電池パックの耐振動及び耐押圧性能のテ
スト結果
【表1】
(具体的な実施例15~28)
【0129】
図7に示される方式で4つの直方体状の単電池202をY方向に沿って配列し、3つの
補強部材300により接続する。電池モジュール200の一側に2つの補強部材300が
設置され、電池モジュール200の他側に1つの補強部材300が設置され、各補強部材
300は、2つの単電池202に接続され、補強部材300の形状は、
図7に示すように
平板状であり、この4つの単電池202を1つの電池モジュール200に組み立て、この
ような12個の電池モジュール200をX方向に沿って
図17に示すようなトレイ101
内に配列・配置し、各電池モジュール200の両端を第1フレーム102と第2フレーム
103に支持し、次に上部カバーで密封して電池パックを形成する。各実施例における補
強部材300及び単電池202は、表2を満たし、GB/T 31467.3-2015
「電動自動車用リチウムイオン動力蓄電池パック及びシステム 第3部分:安全性要求と
テスト方法」に基づくテスト結果は、表2に示すとおりである。
【0130】
表2 実施例15~28の電池モジュールを含む電池パックの耐振動及び耐押圧性能の
テスト結果
【表2】
【0131】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅
」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」
、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径
方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づ
くものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置
又は部品が特定の方位を有し、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを指
示するか又は示唆するものではないため、本願を限定するものとして理解してはならない
。
【0132】
また、用語「第1」、「第2」は、目的の説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性
を指示するか又は示唆するか、或いは示された技術的特徴の数を暗示的に指示するものと
して理解してはならない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なく
とも1つの該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本願の説明において、「複数」と
は、別に明らかかつ具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを
意味する。
【0133】
本願において、別に明らかな規定及び限定がない限り、用語「取付」、「連結」、「接
続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、別に明らかな限定がない
限り、固定接続であってもよく、着脱可能な接続であってもよく、一体的な接続であって
もよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的な連結であ
ってもよく、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品の内部の連通又
は2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて
本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0134】
本願において、別に明らかな規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又
は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴が直接的に接触することであってもよく、第
1特徴と第2特徴が中間媒体を介して間接的に接触することであってもよい。そして、第
1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の
真上又は斜め上にあることであってもよく、第1特徴の水平方向の高さが第2特徴より高
いことのみを示してもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にある
ことは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下にあることであってもよく、第1特徴の水
平方向の高さが第2特徴より低いことのみを示してもよい。
【0135】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体
的な例」又は「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説
明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含
まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも
同一の実施例又は例に限定されるものではない。そして、説明された具体的な特徴、構造
、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることがで
きる。また、互いに矛盾しない限り、当業者であれば、本明細書において説明された異な
る実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、かつ組み合わせることができ
る。
【0136】
以上、本願の実施例を示し、説明したが、理解できるように、上記実施例は、例示的な
ものであり、本願を限定するものとして理解してはならず、当業者であれば、本願の範囲
において上記実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0137】
10、電池パック;100、ケース;101、トレイ;102、第1フレーム;103
、第2フレーム;104、第3フレーム;105、第4フレーム;200、電池モジュー
ル;201、電池ユニット;202、単電池;203、第1側面;204、第2側面;2
05、頂面;206、底面;207、電極端子;300、補強部材;400、延在部;5
00、構造用接着剤;600、動力接続部材;700、補強ブロック。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面及び頂面を有するケースと、ケース内に位置する電池モジュールとを含み、
前記電池モジュールは、電池ユニット及び補強部材を含み、前記電池ユニットは、N個の単電池を含み、Nは2より大きい整数であり、前記補強部材は、M個あり、Mは1より大きい整数であり、前記電池ユニットにおける少なくとも一部の前記単電池は、M個の前記補強部材により接続され、
前記単電池の外表面は、前記ケースの底面に面する底面と、前記ケースの頂面に面する頂面と、側面とを含み、前記側面は、第1側面及び2つの互いに反対側に位置する第2側面を含み、前記側面のうち、前記第1側面の面積が最大であり、前記第1側面の面積は、前記単電池の底面の面積より大きく、かつ、前記単電池の頂面の面積より大きく、前記N個の単電池は順に配列され、2つの隣接する単電池の第2側面が対向して設置され、前記単電池の配列方向が第1方向であり、
前記補強部材の第2方向に沿う寸法は、D0であり、前記第2方向が第1方向と垂直であり、Q個の隣接する単電池のうちの、補強部材に接続された1つの単電池の第2方向に沿う寸法は、D1であり、D0とD1とは、0.006≦D0/D1≦0.5を満たし、D1=10~90mmである、ことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
前記補強部材に固定して貼り付けられたそのうちの1つの前記単電池の重量は、Gであり、D0とGとは、0.15mm・kg
-1
<D0/G<7mm・kg
-1
を満たし、D0=0.5~5mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
0.012≦D0/D1≦0.4である、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項4】
Q個の隣接する単電池のうちの、補強部材に接続された単電池の数は、Q/2以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項5】
前記M個の補強部材は、N個の単電池を接続して電池ユニットを形成し、1つの前記補強部材は、Q個の隣接する単電池のうちの各単電池の第1側面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項6】
前記電池モジュールの第1方向に沿う長さは、400~2500mmであり、前記電池モジュールは、前記ケース内の底面に当接して前記ケース内の底面に支持される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項7】
少なくとも1つの単電池の第1側面に貼り付けられた補強部材の該単電池の第1側面への投影の第1方向に沿う長さは、Sであり、該単電池の第1方向に沿う長さは、Pであり、ここで、SとPとは、S=0.1P~0.5Pを満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項8】
前記M個の補強部材は、前記電池モジュールの一側に位置し、所定の方向に沿って順に配列され、1番目の補強部材は、1番目~Q番目の単電池のうちの各単電池の第1側面に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材は、Q番目~2Q-1番目の単電池のうちの各単電池の第1側面に固定して貼り付けられ、3番目の補強部材は、2Q-1番目~3Q-2番目の単電池のうちの各単電池の第1側面に固定して貼り付けられ、同様にして、M番目の補強部材は、M×Q-(M-1)-(Q-1)番目~M×Q-(M-1)番目の単電池のうちの各単電池の第1側面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項9】
1つの前記補強部材は、2つの隣接する単電池の第1側面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項10】
前記側面は、2つの反対側に位置する第1側面を含み、前記M個の補強部材は、前記電池モジュールの両側に分配され、前記電池モジュールの一側に位置する補強部材は、Q個の隣接する単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、前記電池モジュールの他側に位置する補強部材は、Q個の隣接する単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項11】
前記電池モジュールの一側に位置する補強部材は、Q個の隣接する単電池のうちの各単電池の一方の第1側面の少なくとも一部の表面に固定して貼り付けられ、前記電池モジュールの他側に位置する補強部材は、Q個の隣接する単電池のうちの各単電池の他方の第1側面の少なくとも一部の表面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
前記電池モジュールの両側に位置する補強部材は、所定の方向に沿って順に配列され、前記電池モジュールの一側に位置する1番目の補強部材は、1番目~Q番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材は、Q番目~2Q-1番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、同様にして、M番目の補強部材は、M×Q-(M-1)-(Q-1)番目~M×Q-(M-1)番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、
前記電池モジュールの他側に位置する1番目の補強部材は、1番目~Q番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材は、Q番目~2Q-1番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられ、このように類推して、M番目の補強部材は、M×Q-(M-1)-(Q-1)番目~M×Q-(M-1)番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項10に記載の電池パック。
【請求項13】
前記電池モジュールの両側に位置する補強部材は、所定の方向に沿って順に配列され、前記電池モジュールの一側に位置する1番目の補強部材は、1番目~Q番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、前記電池モジュールの他側に位置する1番目の補強部材は、Q番目~2Q-1番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられ、前記電池モジュールの一側の2番目の補強部材は、2Q-1番目~3Q-2番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、前記電池モジュールの他側の2番目の補強部材は、3Q-2番目~4Q-3番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられ、このように類推して、前記電池モジュールの一側に位置するM番目の補強部材は、2×M×Q-(2M-1)-2(Q-1)番目~2×M×Q-(2M-1)-(Q-1)番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、前記電池モジュールの他側に位置するM番目の補強部材は、2×M×Q-(2M-1)-(Q-1)番目~2×M×Q-(2M-1)番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項10に記載の電池パック。
【請求項14】
前記電池モジュールの両側に位置する補強部材は、所定の方向に沿って順に配列され、前記電池モジュールの一側に位置する1番目の補強部材は、1番目~Q番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材は、Q+1番目~2Q番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、同様にして、M番目の補強部材は、M×Q-(Q-1)番目~M×Q番目の単電池のうちの各単電池の一方の第1側面に固定して貼り付けられ、
前記電池モジュールの他側に位置する1番目の補強部材は、2番目~Q+1番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられ、2番目の補強部材は、Q+2番目~2Q+1番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられ、同様にして、M番目の補強部材は、M×Q-(Q-1)+1番目~M×Q+1番目の単電池のうちの各単電池の他方の第1側面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項10に記載の電池パック。
【請求項15】
前記補強部材の反対側に位置する両端に延在部が設置され、一方の前記延在部が各単電池の頂面に貼り付けられ、他方の前記延在部が各単電池の底面に貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項16】
前記ケースは、互いに垂直なX方向、Y方向及びZ方向を有し、前記電池モジュールは、複数設置され、複数の前記電池モジュールは、X方向に沿って前記ケース内に配列され、N個の単電池は、Y方向に沿って順に配列され、前記単電池の頂面と底面は、Z方向に沿って反対側に位置して設置され、第1方向は、Y方向と平行である、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項17】
前記単電池は、略直方体であり、長さL、幅H及び厚さDを有し、前記単電池の長さLが幅H以上であり、前記単電池の幅Hが厚さDより大きく、ここで、X方向は、前記単電池の厚さ方向であり、Y方向は、前記単電池の長さ方向及び幅方向のいずれか一方であり、Z方向は、前記単電池の長さ方向及び幅方向の他方である、ことを特徴とする請求項16に記載の電池パック。
【請求項18】
前記単電池は、それぞれ底面、頂面、2つの第1側面及び2つの第2側面の6つの表面を含み、2つの第1側面が厚さ方向に沿って反対側に位置し、2つの第2側面が長さ方向に沿って反対側に位置し、底面と頂面が幅方向に沿って反対側に位置する、ことを特徴とする請求項16に記載の電池パック。
【請求項19】
前記ケースは、Y方向に沿って対向して設置された第1フレーム及び第2フレームを含み、前記電池モジュールは、前記第1フレームと第2フレームとの間に設置され、前記電池モジュールの一端が前記第1フレームに支持され、前記電池モジュールの他端が前記第2フレームに支持される、ことを特徴とする請求項16のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項20】
前記補強部材は、構造用接着剤によりQ個の隣接する単電池のうちの各単電池の第1側面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項21】
前記構造用接着剤は、熱伝導性を有する構造用接着剤である、ことを特徴とする請求項20に記載の電池パック。
【請求項22】
前記補強部材は、補強板である、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項23】
前記補強板は、鋼板、アルミニウム板又はガラス繊維板である、ことを特徴とする請求項22に記載の電池パック。
【請求項24】
前記電池モジュールは、複数設置され、2つの隣接する前記電池モジュールの間に隙間がある、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項25】
前記電池ユニットにおける2つの隣接する単電池の第2側面は、互いに貼り合わせられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項26】
前記電池モジュールは、複数設置され、少なくとも2つの隣接する前記電池モジュールの間に強化部材が設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項27】
前記強化部材は、前記強化部材の両側に位置する電池モジュールに固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項26に記載の電池パック。
【請求項28】
前記強化部材は、アルミニウム板又は鋼板である、ことを特徴とする請求項27に記載の電池パック。
【請求項29】
前記ケースは、共に収容空間を画定するトレイ及び上部カバーを含み、前記電池モジュールは、前記収容空間内に位置し、前記電池モジュールにおける単電池は、頂面が前記上部カバーの内表面に固定して貼り付けられ、底面が前記トレイの内表面に固定して貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項30】
前記トレイ及び/又は前記上部カバーは、多層複合構造である、ことを特徴とする請求項29に記載の電池パック。
【請求項31】
前記多層複合構造は、2層のアルミニウム板と、前記2層のアルミニウム板の間に挟まれた、鋼板又は発泡アルミニウム板とを含む、ことを特徴とする請求項30に記載の電池パック。
【請求項32】
前記多層複合構造は、2層の繊維複合層と、前記2層の繊維複合層の間に挟まれた発泡材料層とを含む、ことを特徴とする請求項31に記載の電池パック。
【請求項33】
前記繊維複合層は、ガラス繊維層及び/又は炭素繊維層を含む、ことを特徴とする請求項32に記載の電池パック。
【請求項34】
電池モジュールは、複数設置され、1つの電池モジュールにおける2つの隣接する単電池の第2側面は、互いに貼り合わせられ、該貼り合わせ位置が第1位置と表記され、隣接する他の電池モジュールにおける2つの隣接する単電池の第2側面は、互いに貼り合わせられ、該貼り合わせ位置が第2位置と表記され、第1位置と第2位置は、第1方向に沿って間隔を隔てて設置される、ことを特徴とする請求項1~33のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項35】
電池モジュールは、複数設置され、1つの電池モジュールにおける2つの隣接する単電池は、第1区間を隔てて設置され、隣接する他の電池モジュールにおける2つの隣接する単電池は、第2区間を隔てて設置され、第1区間の第1方向での投影と第2区間の第1方向での投影とは、重ならない、ことを特徴とする請求項1~33のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項36】
2つの隣接する電池モジュールにおける単電池の数は、異なり、一方の電池モジュールが第1電池モジュールと表記され、他方の電池モジュールが第2電池モジュールと表記され、第1電池モジュールにおける単電池の数は、第2電池モジュールにおける単電池の数より大きく、第2電池モジュールに、第2電池モジュールにおける単電池に接続される補強ブロックが設置される、ことを特徴とする請求項35に記載の電池パック。
【請求項37】
請求項1~33のいずれか1項に記載の電池パックを含む、ことを特徴とする電気自動車。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
一実施例において、
図2及び
図14に示すように、補強部材300の一端に延在部400が設置され、延在部400が少なくとも1つの単電池202の頂面205又は底面206に貼り付けられることにより、電池ユニット201の強度をさらに向上させる。例えば、延在部400は、1つの単電池202の頂面205又は底面206に貼り付けられてもよ
い。
【外国語明細書】