(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075624
(43)【公開日】2024-06-04
(54)【発明の名称】内皮細胞因子およびその方法
(51)【国際特許分類】
C12N 5/10 20060101AFI20240528BHJP
C12N 5/071 20100101ALI20240528BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20240528BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240528BHJP
C12N 5/0789 20100101ALI20240528BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20240528BHJP
C12M 3/00 20060101ALI20240528BHJP
A61K 35/28 20150101ALI20240528BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
C12N5/10 ZNA
C12N5/071
C12N15/12
C12N15/63 Z
C12N5/0789
C12M1/00 A
C12M3/00 Z
A61K35/28
A61P7/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024037742
(22)【出願日】2024-03-12
(62)【分割の表示】P 2020550792の分割
【原出願日】2019-03-22
(31)【優先権主張番号】62/647,433
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.スタイロフォーム
(71)【出願人】
【識別番号】596115687
【氏名又は名称】ザ チルドレンズ メディカル センター コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ゾーン レオナルド アイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヘッジドーン エリオット ジェイ.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】内皮ニッチ細胞を生成する組成物および方法を提供する。
【解決手段】本願に記載される技術の態様は、内皮ニッチ細胞の生成または改変に関連する組成物、キット、ベクターおよび方法を含む。1つの局面は、内皮ニッチ細胞を生成/改変する方法であって、内皮細胞において1つまたは複数の転写因子を発現させる工程を含み、1つまたは複数の転写因子が、Etsファミリー、Soxファミリー、および/または核ホルモン(NHR)ファミリーに由来する、方法を含む。
【選択図】
図4F
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内皮ニッチ細胞を生成/改変する方法であって、内皮細胞において1つまたは複数の転写因子を発現させる工程を含み、1つまたは複数の転写因子が、Etsファミリー、Soxファミリー、および/または核ホルモン受容体ファミリーに由来する、方法。
【請求項2】
内皮ニッチ細胞が、sele、exoc312a、snx8a、cltca、aqp7、ap1b1、lgmn、prcp、cldn11a、lyve1b、adra1d、hya12a、hya12b、tll1、i113ra2、glu1a、hexb、slc16a9aまたはsepp1aを含む1つまたは複数の遺伝子を発現する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
内皮細胞がヒトである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
転写因子が、ヒト転写因子ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAまたはNR2F2のうち少なくとも1つを含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
転写因子が、Etsファミリー由来の少なくとも1つの転写因子、Soxファミリー由来の少なくとも1つの転写因子、および核ホルモン受容体ファミリー由来の少なくとも1つの転写因子を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
転写因子が、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAおよびNR2F2を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
転写因子が、少なくとも1つのベクターから発現される、請求項1記載の方法。
【請求項8】
ベクターが、1つまたは複数の転写因子をコードする外因性核酸配列を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
外因性核酸配列が、内皮細胞のゲノムに組み込まれる、請求項1記載の方法。
【請求項10】
1つまたは複数の転写因子をコードする1つまたは複数の外因性核酸配列を含む改変された内皮ニッチ細胞であって、1つまたは複数の転写因子が、Etsファミリー、Soxファミリー、および/または核ホルモンファミリーに由来する、改変された内皮ニッチ細胞。
【請求項11】
請求項10記載の改変された内皮ニッチ細胞を含む、組成物。
【請求項12】
治療剤である、または薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
培養皿、3D細胞システムまたは懸濁システムをさらに含む、請求項11記載の組成物。
【請求項14】
スキャホールドを含む、請求項11記載の組成物。
【請求項15】
HSPCを培養するための方法であって、改変された内皮ニッチ細胞の集団の存在下でHSPCを培養する工程を含む、方法。
【請求項16】
インビトロで実施される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
改変された内皮ニッチ細胞が、HSPC細胞の成長および/または拡張に影響する因子を分泌する、請求項15記載の方法。
【請求項18】
改変された内皮ニッチ細胞の存在下で培養されるHSPCが、そのような改変された内皮ニッチ細胞の非存在下で培養されるHSPCよりも少なくとも3(例えば、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7)日間長く培養され得る、請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記細胞が、生物学的に適合するスキャホールド上で培養される、請求項15記載の方法。
【請求項20】
改変された内皮ニッチ細胞の存在下で培養されたHSPCが、対象に投与されたときに、改変された内皮ニッチ細胞と共に培養されなかった実質的に類似するHSPCの生着と比較して向上した生着を示す、請求項15記載の方法。
【請求項21】
対象を処置する方法であって、HSPCおよび改変された内皮ニッチ細胞の集団を含む組成物を対象に移植する工程を含む、方法。
【請求項22】
HSPCの生着を向上させるための方法であって、HSPCおよび改変された内皮ニッチ細胞の集団を含む組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、方法。
【請求項23】
HSPCの生着が、改変された内皮ニッチ細胞の非存在下での実質的に類似するHSPCの生着と比較して少なくとも10%向上する、請求項22記載の方法。
【請求項24】
改変された内皮ニッチ細胞およびHSPCを含む、共培養物。
【請求項25】
内皮細胞が、請求項1~9の方法によって生成される、請求項24記載の共培養物。
【請求項26】
改変された内皮ニッチ細胞の集団、試薬、およびその使用説明書を含む、HSPCを培養するためのキット。
【請求項27】
Etsファミリー、Soxファミリー、または核ホルモンファミリーの1つまたは複数の転写因子をコードする1つまたは複数の外因性核酸配列を含むベクター、およびその使用説明書を含む、改変された内皮ニッチ細胞を生成するためのキット。
【請求項28】
異所性血管ニッチを生成するための方法であって、改変された内皮ニッチ細胞を、それを必要とする対象内の標的部位に投与する工程を含む、方法。
【請求項29】
骨髄外造血のための方法であって、改変されたニッチ内皮細胞を、対象における骨髄の外側の部位(例えば、前腕部)に移植し、それによって人工ニッチを作製する工程を含む、方法。
【請求項30】
内皮細胞が、前記請求項の方法のいずれかによって作られる、請求項29記載の方法。
【請求項31】
プロモーターに機能的に連結された、Etsファミリー、Soxファミリー、または核ホルモンファミリーの1つまたは複数の転写因子をコードする1つまたは複数の外因性核酸配列を含む、ベクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、35 U.S.C.§119(e)の下で、2018年3月23日出願の米国仮出願第62/647,433号の恩典を主張し、その内容の全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
政府による支援
本発明は、National Institutes of Healthにより授与された助成金第DK111790号および同第HL048801号の下で政府による支援を受けてなされたものである。政府は、本発明に関して一定の権利を有している。
【0003】
配列表
本願は、EFS-Webを通じてASCII形式で提出された配列表を含んでおり、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。2019年3月22日に作成されたこのASCIIコピーは、701039-091810-seq_ST25.txtという名前で、32,536バイトのサイズである。
【0004】
技術分野
本明細書に記載される技術は、内皮ニッチ細胞を生成する組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0005】
背景
造血幹・前駆細胞(HSPC)は、移植後に血液系全体を再構築することができる希少細胞集団である。骨髄移植の機能的要素として、これらの細胞は、多くの血液および免疫疾患に対して治癒的処置を提供する。残念ながら、移植は、多くの個体、特に免疫適合ドナーを欠いている個体にとって実行可能な処置選択肢ではない。血液学的研究の長期的目標は、移植および/または遺伝的修飾において使用するために、インビトロでHSPCを培養および拡張することである。臍帯血由来HSPCはある程度インビトロ拡張が可能であるが、成体由来HSPCの維持および自己再生の誘導は、ニッチシグナルの非存在下では困難であることが示されている。
【0006】
インビトロ拡張を目的とする戦略は、インビボでHSPCを支持する微小環境または「ニッチ」の局面を再現するために、支持細胞と共にHSPCを共培養した。成体骨髄においては、複数の細胞型が協力してHSPCニッチを構成しており、その主要な寄与因子は内皮細胞(EC)および血管周囲性間葉系間質細胞であると考えられている。骨髄内の異なる内皮細胞サブタイプは異なる様式でHSPCのホメオスタシスを調節し得る。動脈EC(AEC)は、透過性が低く、HSPCの静止を促進すると考えられており、一方、類洞EC(SEC)は、漏出性が高く、HSPCの分化および動員を支援する。加えて、骨髄抑制後の造血系回復の間、ECはニッチの再構築および多血球系造血の再構成において重要な役割を果たす。HSPCはまた、胚発生時に、および肝臓、脾臓および頭蓋骨等の組織において骨髄外造血を誘導するストレス条件下で、骨髄外で支持され得る。骨髄におけるように、ECは、これらの組織におけるHSPCニッチの重要な中心的要素として機能すると考えられている。
【0007】
研究者らは、その後の移植における使用のためにHSPCの維持または拡張を支持する他の細胞型と共にHSPCを研究室内で成長させることができるインビトロ培養の開発に着目してきた。しかし、今日まで、これらのインビトロ培養は、部分的な成功にとどまっている。
【発明の概要】
【0008】
概要
ゼブラフィッシュ胚内での血管HSPCニッチの研究の中で、通常内因性ニッチ内皮細胞において発現される(Ets、Soxおよび核ホルモンファミリーの)転写因子の組み合わせを調査した。これらの同一の転写因子のヒトオルソログを異所的に発現させたところ、ゼブラフィッシュ胚において異所的な血管ニッチが生成され、これにHSPCが動員され維持された。
【0009】
これらの発見を臨床応用に昇華する工程として、(ゼブラフィッシュ研究において最初に同定された)転写因子をヒト内皮細胞において発現させ、これらの細胞をHSPCニッチ様体に再プログラムすることができる。これらのニッチ内皮細胞は、その後の移植における使用のためにHSPCメンバーを拡張するまたは培養時間を延長するために、HSPCとの共培養において使用することができる。
【0010】
例えば、Ets、Soxおよび核ホルモンモチーフに結合することが知られている転写因子が、ニッチ内皮細胞で発現され得る。Etsファミリーにおいて、これらの因子はetv2、fli1aおよびets1を含み、対応するヒト因子はETV2、FLI1およびETS1である。Soxファミリーにおいて、これらの転写因子はsox18およびsox7を含み、対応するヒト因子はSOX7およびSOX18である。核ホルモンファミリーにおいて、これらの転写因子はrxraaおよびnr2f2を含み、対応するヒト因子はRXRAおよびNR2R2である。
【0011】
本発明は、血液幹細胞を刺激するために、人工ニッチ内皮細胞を生成する方法を提供する。転写因子は、Etsファミリー、etv2、fli1aおよびets1;SOXファミリー:sox18、sox7、および核ホルモンファミリー:rxraa、nr2f2ならびにそれに対応するヒト因子:ETV2、FLI1、ETS1、SOX7、SOX18、RXRAおよびNR2F2を含む。
【0012】
この方法は、内皮細胞(例えば、ヒト)において転写因子を発現させ、これらの細胞をHSPCニッチ様体に再プログラムする工程を含む。
【0013】
別の態様において、ニッチ内皮細胞は、その後の移植における使用のために、HSPC数を増やすまたは培養時間を延長するためのHSPCとの共培養において使用される。
【0014】
1つの局面は、内皮ニッチ細胞を生成/改変する方法であって、内皮細胞において1つまたは複数の転写因子を発現させる工程を含み、1つまたは複数の転写因子が、Etsファミリー、Soxファミリー、および/または核ホルモン受容体ファミリーに由来する、方法を提供する。
【0015】
別の局面は、1つまたは複数の転写因子をコードする1つまたは複数の外因性核酸配列を含む改変された内皮ニッチ細胞であって、1つまたは複数の転写因子が、Etsファミリー、Soxファミリー、および/または核ホルモンファミリーに由来する、細胞を提供する。
【0016】
別の局面は、本明細書に記載される改変された内皮ニッチを含む組成物を提供する。
【0017】
別の局面は、HSPCを培養するための方法であって、改変された内皮ニッチ細胞の集団の存在下でHSPCを培養する工程を含む方法を提供する。
【0018】
別の局面は、対象を処置する方法であって、HSPCおよび改変された内皮ニッチ細胞の集団を含む組成物を対象に移植する工程を含む方法を提供する。
【0019】
別の局面は、HSPCの生着を向上させるための方法であって、HSPCおよび改変された内皮ニッチ細胞の集団を含む組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0020】
別の局面は、改変された内皮ニッチ細胞およびHSPCを含む共培養物を提供する。
【0021】
別の局面は、改変された内皮ニッチ細胞の集団、試薬、およびその使用説明書を含む、HSPCを培養するためのキットを提供する。
【0022】
別の局面は、Etsファミリー、Soxファミリー、または核ホルモンファミリーの1つまたは複数の転写因子をコードする1つまたは複数の外因性核酸配列を含むベクター、およびその使用説明書を含む、改変された内皮ニッチ細胞を生成するためのキットを提供する。
【0023】
別の局面は、異所性血管ニッチを生成するための方法であって、改変された内皮ニッチ細胞を、それを必要とする対象の標的部位に投与する工程を含む方法を提供する。
【0024】
別の局面は、骨髄外造血のための方法であって、改変されたニッチ内皮細胞を、対象の骨髄の外側の部位(例えば、前腕部)に移植し、それによって人工ニッチを作製する工程を含む方法を提供する。
【0025】
別の局面は、プロモーターに機能的に連結された、Etsファミリー、Soxファミリー、または核ホルモンファミリーの1つまたは複数の転写因子をコードする1つまたは複数の外因性核酸配列を含むベクターを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1A】
図1A~
図1Eは、胎児HSPCニッチにおける内皮発現シグネチャーを示す画像・グラフ集である。(
図1A)概要図は、ゼブラフィッシュ胚の造血組織(上)およびCHTにおいてRNAトモグラフィー(tomo-seq)を行うのに使用した切片化戦略(下、HSPCマーカーであるcd41:GFPおよびrunx1:mCherryを有する二重トランスジェニック胚が示されている)を示している。(
図1B)断面概要図および(
図1B続)階層的クラスタリングヒートマップは、ゼブラフィッシュ尾の背腹軸に沿う異なる組織に対応する遺伝子発現のクラスターを明らかにする。(
図1C)概要図は、RNA-seqによる分析のために全胚からECを単離するためにkdr1:GFPトランスジェニック胚およびFACSを使用する戦略を示している。(
図1D)内皮共通発現遺伝子(左)およびCHT ECエンリッチ遺伝子(右)についての、個々のtomo-seq発現トレースが示されている。(
図1E)画像は、内皮共通遺伝子kdr1(上)ならびにtomo-seqおよび組織特異的RNA-seqにより同定されたCHT ECエンリッチ遺伝子のホールマウントインサイチューハイブリダイゼーション(WISH)を示している。矢印は背側血管における発現を示し、矢じり印はCHTにおける発現を示している。別途注記されていない限り、スケールバーは250μmを表している。
【
図2A】
図2A~
図2Cは、内皮ニッチ特異的シス調節エレメントを示す画像・グラフ集である。(
図2A)画像および概要図は、ATAC-seqによる分析のためにmrc1a:GFP, kdr1:mCherry二重陽性胚から単離された4つの細胞集団を示している。(
図2B)遺伝子トラックは、mCherry
+; GFP
+ CHT EC画分において独特に開放型であったクロマチンの領域を示している(ボックスおよび矢印)。(
図2C)画像は、
図2Bのボックス領域に対応するCHT ECエンハンサー-GFPレポーター構築物を注入された胚を示している。矢じり印は、CHT ECにおけるGFP発現を示している。別途注記されていない限り、スケールバーは250μmを表している。
【
図3A】
図3A~
図3Fは、Ets、SoxおよびNHR結合部位がニッチECにおける選択的発現に必要とされることを示す画像・グラフ集である。(
図3A)遺伝子トラックは、二重陽性CHT EC画分において独特に開放型であるが他の3つの細胞集団ではそうでなかったmrc1aの上流のクロマチンの領域(ボックスおよび下の矢印)を示している。バーは、mrc1l:GFPレポーター導入遺伝子を作製するために使用された125 bpエンハンサー配列および1.3 kb配列の位置を示している。(
図3B)画像は、最小プロモーターおよびGFPに連結された125 bpエンハンサー配列を注入されたF0胚における一過的なGFP発現を示している。(
図3C)画像は、kdr1:mCherryおよびmrcla 125 bp:GFPプラスミドを同時注入したF0胚を示している。(
図3D)画像は、安定的に組み込まれたmrc1a 125 bp:GFP導入遺伝子を発現する胚を示している。(
図3E)Ets、SoxおよびNHR結合モチーフを強調表示するアノテーションが付された、125 bp mrc1aエンハンサーの野生型配列が示されている(例えば、SEQ ID NO:12を参照のこと)。概要図は、各クラスのモチーフまたは制御領域が変異によって標的化された、エンハンサー・レポーター構築物を示している。Xは、標的化された部位の位置を示している。GFPに融合されたmp-GFP:マウスベータ・グロビン最小プロモーター。(
図3F)グラフは、mrc1a 125 bp(上)またはsele 158 bp(下)エンハンサーの野生型配列または変異変種の注入後にCHT ECにおいてGFP発現を示す胚の出現率を示している。データは、各実験において各々の野生型対照に対して正規化されている(mrc1a 125 bpエンハンサーについては44%(155/356)およびsele 158 bpエンハンサーについては23%(176/775)。平均+/-標準誤差(s.e.m.)、一元配置ANOVA;
**P<0.01、
***P<0.001。別途注記されていない限り、スケールバーは250μmを表している。
【
図4A】
図4A~
図4Fは、定義された因子の過剰発現がCHT外での異所性血管遺伝子発現を誘導することを示す画像・グラフ集である。(
図4A)概要図は、転写因子の過剰発現実験に使用した戦略を示している。(
図4B)画像は、対照DNA(左)またはEts、SoxおよびNHRファミリーからの7つの転写因子(FLI1、ETV2、ETS1、SOX7、Sox18、Nr2f2およびRXRA)のプール(右)を注入し、その後にmrc1a(上)またはsele(下)についてWISHにより染色した胚を示している。
図4A~
図4Eのすべてのパネルにおいて、矢印は異所性発現の領域を示し、矢じり印は正常な発現のドメインを示している。(
図4C)画像は、対照DNAまたは7因子プールを注入されたmrc1a:GFP; kdr1:mCherry二重トランスジェニック胚を示している。(
図4D)ETV2、SOX7およびNr2f2を含む3因子プールの注入は、mrc1a:GFPの異所性発現をもたらす(矢印)。(
図4E)画像は、対照胚(上)におけるまたはETV2、SOX7およびNr2f2(中)もしくはETS1、SOX7およびNr2f2(下)を含む3因子プールの注入後のmrc1aについてのWISHを示している。(
図4F)グラフは、転写因子の過剰発現後に異所性mrc1a発現を示した注入された胚の比率の定量を報告している。カイ二乗検定;
**P<0.01、
***P<0.001。スケールバーは、
図4Bおよび
図4Eにおいては250μm、
図4Cおよび
図4Dにおいては100μmを表している。
【
図5A】
図5A~
図5Eは、HSPCが異所性ニッチ内皮遺伝子発現の領域に局在化することを示す画像・グラフ集である。(
図5A)画像は、runx1:mCherry
+ HSPCが、ETV2、SOX7およびNr2f2のプール(上)またはETS1、SOX7およびNr2f2のプール(下)を注入した胚において、mrc1a:GFP発現の背側異所性領域内のCHTの外側に局在化したことを示している。各チャンネルについて、グレイスケール画像の拡大挿入図が右側に示されている。
図5A~
図5Eのすべてのパネルにおいて、矢印は異所性の発現または局在化を示しており、矢じり印は正常な発現または局在化を示している。(
図5B)runx1についてのWISHは、対照(上)および3因子を注入した胚(下)におけるHSPCの局在化を示している。(
図5C)mrc1a:GFPを異所的に発現するECは、CHT内のECと同様、cxcl12a:DsRed2
+間質細胞と結合する。アスタリスクは、cxcl12a:DsRedの脊索発現を示している。(
図5D)経時的撮像集は、runx1:mCherry
+ HSPCがまずCHTに到達し、その後に分裂することを示している。時間は、hh:mmで示されている。(
図5E)
図5Dのものとは異なる胚の経時的撮像集は、runx1:mCherry
+ HSPCが分裂し、循環へと出ていくことを示している。スケールバーは、
図5A~
図5Cにおいては100μm、
図5D~
図5Eにおいては30μmを表している。
【
図6A】
図6A~6Bは、HSPCニッチにおいて保存された内皮発現シグネチャーを示す画像・グラフ集である。(
図6A)ヒートマップは、成体ゼブラフィッシュ腎髄(kidney marrow)を含む、異なる細胞集団における29種のCHT EC遺伝子の発現を示している。スペクトルスケールは、0(低)~1(高)の間の正規化された発現を示している。(
図6B)ヒートマップは、異なる発生および生後の成体移行の段階のマウスの異なる器官由来のECにおけるCHT EC遺伝子のオルソログの発現を示している。矢印は各発生段階における造血組織を示している。黒色の角括弧は、E14~17段階の胎児肝臓ECにおいておよびその後の成体骨髄においてエンリッチされている遺伝子を示している。スペクトルバーは、z-スコアを報告する。BM:骨髄。
【
図7A】
図7A~
図7Bは、RNAトモグラフィーおよびニッチ特異的内皮遺伝子発現を示す画像・グラフ集である。(
図7A)グラフは、個々の組織特異的遺伝子についてのtomo-seq発現トレースを示している。35種のCHTエンリッチ遺伝子についてのホールマウントインサイチューハイブリダイゼーション(WISH)を示す画像が、ワールドワイドウェブのzfin.orgにおいて入手可能である。(
図7B)WISHは、tomo-seqおよび組織特異的RNA-seqの組み合わせを用いて同定されたCHT EC遺伝子のCHTエンリッチな発現(矢じり印)を検証している。別途注記されていない限り、スケールバーは250μmを表している。
【
図8A】
図8A~
図8Eは、GFPレポーター導入遺伝子がHSPCニッチにおいてECを選択的に標識することを示す画像・グラフ集である。(
図8A)画像は、CHT ECにおいて選択的に発現される、内皮共通マーカーkdr1:mCherryおよびmrc1a:GFP導入遺伝子を有する二重トランスジェニック胚を示している。ボックス領域の拡大図が、右側に示されている。(
図8B)画像は、CHTニッチ内でmrc1a:GFP
+ ECと直接的に相互作用するrunx1:mCherry
+ HSPCを示している(矢印)。中央パネルは、ボックス領域の拡大図を示している。さらなる拡大図(下)は、mrc1a:GFP
+ ECのポケット内のHSPCを示している。(
図8C)cxcl12a:DsRed2
+間質細胞は、CHTにおいてmrc1a:GFP
+ ECと密着する。(
図8D)画像は、CHT ECにおいて選択的に発現される、内皮共通マーカーkdr1:mCherryおよびsele:GFP導入遺伝子を有する二重トランスジェニック胚を示している。ボックス領域の拡大図が、右側に示されている。(
図8E)画像は、CHTニッチ内でsele:GFP+ ECと直接的に相互作用するrunx1:mCherry+ HSPCを示している(矢印)。ボックス領域の拡大図が右側に示されている。スケールバーは、
図8Aおよび
図8Dにおいては250μm、
図8B、
図8Cおよび
図8Eにおいては100μmを表している。
【
図9A】
図9A~
図9Cは、内皮共通調節エレメントおよびゲノムワイドモチーフエンリッチメント分析を示す画像・グラフ集である。(
図9A)遺伝子トラックは、mCherry
+GFP
+(CHT EC)およびmCherry
+GFP
-(非CHT EC)の両集団において開放型であったクロマチンの領域を示している(ボックスおよびまっすぐな矢印)。(
図9B)画像は、
図9Aのボックス領域に対応する内皮共通エンハンサー-GFPレポーター構築物を注入された胚を示している。矢印は非CHT ECにおけるGFP発現を示し、矢じり印はCHT ECにおける発現を示している。(
図9C)画像は、CHT EC領域(上)または内皮共通領域(下)において最もエンリッチされている転写因子結合モチーフを示している。別途注記されていない限り、スケールバーは250μmを表している。
【
図10A】
図10A~
図10Eは、CHT内皮シス調節エレメントを示す画像・グラフ集である。(
図10A)グラフは、mrc1a 125 bp:GFPおよびkdr1:mCherryプラスミドを注入されたF0胚における内皮発現の解剖学的部位を報告している。(
図10B)遺伝子トラックは、二重陽性CHT EC画分においては独特に開放型であったが他の3つの細胞集団ではそうでなかったseleの上流のクロマチンの領域を示している(ボックスおよび下の矢印)。バーは、sele:GFPレポーター導入遺伝子を作製するために使用された158 bpエンハンサー配列および5.3 kb配列の位置を示している。(
図10C)画像は、sele 158bp:GFP構築物の一過的F0(上)および安定的F2発現(下)を示している。(
図10D)Ets、SoxおよびNHR結合モチーフを強調表示するアノテーション(上)が付された、158 bp seleエンハンサーの野生型配列が示されている(例えば、SEQ ID NO:13を参照のこと)。概要図は、各クラスのモチーフまたは制御領域が変異によって標的化された、配列変種を示している。Xは、標的化された部位の位置を示している。GFPに融合されたmp-GFP:マウスベータ・グロビン最小プロモーター。(
図10E)画像は、125 bp mrc1a(左2つのゲル)または158 bp sele(右のゲル)エンハンサー配列に存在するNHRモチーフを網羅するDNA配列と共にインキュベートされた組み換えNr2f2-GSTを用いた電気泳動移動度シフトアッセイを示している。矢印はDNA:タンパク質結合を示し、矢じり印はスーパーシフトしたDNA:タンパク質複合体を示している。標識されたDNA:タンパク質複合体は、非標識野生型プローブによって打ち消された(レーン4)が、変異によってNHRモチーフが破壊されたプローブによってはそうはならなかった(アスタリスク付きの矢印)。別途注記されていない限り、スケールバーは250μmを表している。
【
図11A】
図11A~
図11Cは、転写因子の過剰発現が異所性CHT内皮プログラムを誘導することを示す画像・グラフ集である。(
図11A)画像は、対照(左)および7因子を注入した胚(右)の卵黄球におけるmrc1aについてのWISHを示している。
図11A~
図11Cのすべてのパネルにおいて、矢印は異所的な発現を示し、矢じり印は正常な発現ドメインを示している。(
図11B)画像は、7因子を注入した胚の卵黄伸長部(yolk extension)におけるmrc1a:GFPおよびkdr1:mCherry導入遺伝子の異所性発現を示している。ボックス領域の拡大図が下に示されている。(
図11C)画像は、対照胚(左)ならびにETV2、SOX7およびNr2f2の組み合わせを注入した胚(右)におけるsele、gpr182およびlgmnについてのWISHを示している。
図11A~
図11Cにおけるスケールバーは、100μmを表している。
【
図12A】
図12A~
図12Dは、CHTニッチ内皮遺伝子発現が転写因子の過剰発現により異所的に誘導されることを示す画像・グラフ集である。(
図12A~
図12B)ETV2単独の注入は、内因性mrc1a遺伝子(
図12A)およびmrc1a:GFP導入遺伝子(
図12B)の異所性発現を誘導する。
図12A~
図12Dのすべてのパネルにおいて、矢印は異所性発現を示し、黒色の矢じり印は正常な発現ドメインを示している。(
図12C)ヒトETV2単独の注入は、sox7、sox18、fli1aおよびetv2を含むゼブラフィッシュ転写因子の異所性発現を誘導する。(
図12D)ETS1、SOX7およびNr2f2を含む3因子プールの注入は、mrc1a:GFPの異所性発現をもたらす。スケールバーは、
図12Aおよび
図12Cにおいては250μm、
図12Bおよび
図12Dにおいては50μmを表している。
【
図13A】
図13A~13Bは、成体腎臓ECにおけるニッチ内皮導入遺伝子発現を示す画像・グラフ集である。(
図13A)画像は、kdr1:mCherry, mrc1a:GFP二重トランスジェニック成体ゼブラフィッシュの腎臓から切り出された血管セグメント(白色の矢印)を示している。(
図13B)画像は、sele:GFPトランスジェニック魚から単離された成体腎臓の連続する切片を示している。切片を、H&E(左)およびGFPに対する抗体(右)で染色した。黒色の矢印は、GFP
+血管内皮細胞を示している。スケールバーは、
図13Aにおいては50μm、
図13Bにおいては100μmを表している。
【
図14】造血幹細胞の自己再生および分化を示す概要図である。LT-HSCは、長期造血幹細胞を示している。CMPは、骨髄共通前駆体を示している。MEPは、巨核球・赤芽球前駆体を示している。GMPは、顆粒球・マクロファージ前駆体を示している。CLPは、リンパ共通前駆体を示している。
【
図15A】
図15A~
図15Bは、インビボでのHSPCによるニッチコロニー形成の可視化を示す画像集である。
図15Aは、背側大動脈および尾側造血組織の可視化を示している。
図15Bは、5つの内皮細胞に囲まれ間質細胞に付着したHSPCを示している。
【
図16】HSPCニッチにおける遺伝子発現を試験するためのRNAトモグラフィー(tomo-seq)の使用を示す画像集である。
【
図17】Tomo-seq + 内皮RNA-seqがどのようにしてニッチ内皮細胞に選択的にエンリッチされている約20の遺伝子を同定したかを示す画像・グラフ集である。
【
図18】seleおよびmrc1aプロモーター-GFP融合体がHSPCニッチにおいて内皮細胞を標識することを示す画像集である。
【
図19】もとの20個の遺伝子の付近の特定のATAC-seqピークがニッチ内皮細胞において発現を行うことができることを示す画像集である。19個のクローン化されたATAC-seqピークのうちの13個が、(最小プロモーターに連結されたときに)CHT内皮細胞においてGFP発現を行うことができる。
【
図20】ニッチ内皮細胞の開放型クロマチンに最もエンリッチされているTF結合モチーフを示す画像である。6,710個の特有のATAC-seqピークに対してHOMERを用いてモチーフエンリッチメント分析を行った。
【
図21】Ets、SoxおよびNHR部位が、158 bp seleエンハンサー(例えば、SEQ ID NO:14を参照のこと)のニッチ発現に必要とされることを示す画像・グラフ集である。
【
図22】Ets、SoxおよびNHRモチーフが、125 bp mrc1aエンハンサー(例えば、SEQ ID NO:15を参照のこと)のニッチ発現に必要とされることを示す画像・グラフ集である。
【
図23】マウスTFが、インビトロでゼブラフィッシュ配列に結合することができることを示す画像集である。エンハンサー:GFP発現を破壊する同じ変異が、TF結合を打ち消す。
【
図24】Ets、SoxおよびNHモチーフに結合することが知られている転写因子が、ニッチ内皮細胞において発現されることを示す画像である。
【
図25】ニッチ内皮細胞の再プログラミングを示す画像集である。
【
図26】3つのTFのプールの注入が異所性のニッチ内皮遺伝子発現をもたらすことを示す画像・グラフ集である。
【
図28】HSPCニッチ内皮シグネチャーが成体髄(adult marrow)にも見られることを示す画像・ヒートマップ集である。
【
図29】類似するニッチ内皮シグネチャーが哺乳類胎児肝臓および骨髄において見いだされたことを示すヒートマップである。
【
図30】HSPCニッチのRNAトモグラフィーから以下のデータが得られたことを示す図である:約20個の遺伝子がHSPCニッチ内皮細胞に選択的にエンリッチされたこと;3つのみのTFの異所性発現で、ニッチ内皮遺伝子発現を誘導し、HSPCを動員することができること;ならびにEts、Soxおよび核ホルモンモチーフがニッチ内皮細胞における発現に必要とされること。
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な説明
本明細書に記載される技術の態様は、内皮ニッチ細胞の生成または改変に関連する組成物、キット、ベクターおよび方法を含む。1つの局面は、内皮ニッチ細胞を生成/改変する方法であって、内皮細胞において1つまたは複数の転写因子を発現させる工程を含み、1つまたは複数の転写因子が、Etsファミリー、Soxファミリー、および/または核ホルモン受容体(NHR)ファミリーに由来する、方法を含む。
【0028】
いくつかの態様において、少なくとも1つの転写因子は、Etsファミリーから選択される。いくつかの態様において、少なくとも1つの転写因子は、Soxファミリーから選択される。いくつかの態様において、少なくとも1つの転写因子は、NHRファミリーから選択される。
【0029】
いくつかの態様において、少なくとも1つの転写因子は、Etsファミリーから選択され、かつ少なくとも1つの転写因子は、Soxファミリーから選択される。いくつかの態様において、少なくとも1つの転写因子は、Etsファミリーから選択され、かつ少なくとも1つの転写因子は、NHRファミリーから選択される。いくつかの態様において、少なくとも1つの転写因子は、Soxファミリーから選択され、かつ少なくとも1つの転写因子は、NHRファミリーから選択される。
【0030】
いくつかの態様において、少なくとも1つの転写因子は、Etsファミリーから選択され、少なくとも1つの転写因子は、Soxファミリーから選択され、かつ少なくとも1つの転写因子は、NHRファミリーから選択される。いくつかの態様において、少なくとも1つの転写因子は、Etsファミリーから選択されるか、少なくとも1つの転写因子は、Soxファミリーから選択されるか、または少なくとも1つの転写因子は、NHRファミリーから選択される。
【0031】
ETSファミリー
任意の局面のいくつかの態様において、内皮ニッチ細胞は、ETSファミリーの転写因子を発現する。ETS(E26形質転換特異的またはE-26)ファミリーは、最も大きな転写因子ファミリーの1つであり、動物に特有である。ETSファミリーは、12のサブファミリーに分類される:(1)ELF(例えば、ELF1、ELF2/NERF、ELF4/MEF);(2)ELG(例えば、GABPα、ELG);(3)ERG(例えば、ERG、FL1、FEV);(4)ERF(例えば、ERF/PE2、ETV3/PE1);(5)ESE(例えば、ELF3/ESE1/ESX、ELF5/ESE2、ESE3/EHF);(6)ETS(例えば、ETS1、ETS、POINTED)(7)PDEF(例えば、SPDEF/PDEF/PSE);(8)PEA3(例えば、ETV4/PEA3/E1AF、ETV5/ERM、ETV1/ER81);(9)ERF71(例えば、ETV2/ER71);(10)SPI(例えば、SPI1/PU.1、SPIB、SPIC);(11)TCF(例えば、ELK1、ELK4/SAP1、ELK3/NET/SAP2、LIN);(12)TEL(例えば、ETV6/TEL、ETV7/TEL2、YAN)。
【0032】
すべてのETSファミリーメンバーは、中央GGA(A/T)DNA配列を有するDNA部位に結合するウィングドヘリックス・ターン・ヘリックス構造であるETSドメインである高度に保存されたDNA結合ドメインを通じて特定される。EtsファミリーのDNAモチーフはまた、(例えば、その第1モチーフに相補的なDNA鎖上に)中央TTCCT配列を含み得る。DNA結合機能と共に、証拠は、ETSドメインがタンパク質・タンパク質相互作用にも関与することを示唆している。
【0033】
ETSファミリーは、体全体に存在し、細胞分化の調節、細胞周期の制御、細胞の遊走、細胞の増殖、アポトーシス(プログラムされた細胞死)および血管新生を含む、幅広い様々な機能に関与する。
【0034】
内皮ニッチ細胞に関連するヒトEtsファミリーのメンバーの非限定的な例は、ETV2、FLI1およびETS1を含む。ゼブラフィッシュにおける対応する因子は、etv2、fli1およびets1を含む。
【0035】
ETV2はまた、本明細書で、ETS変種2、ETS転座変種2、Ets関連タンパク質71、Ets変種遺伝子2、ETSRP71またはER71とも表され得る。
【0036】
転写因子ERGBとしても公知の、フレンド白血病インテグレーション1転写因子(FLI1)は、ヒトにおいてFLI1遺伝子によりコードされるタンパク質である。FLI1はまた、本明細書で、Fli-1、がん原遺伝子、ETS転写因子、フレンド白血病インテグレーション1転写因子、フレンド白血病ウイルスインテグレーション1、転写因子ERGB、ユーイング肉腫ブレークポイント領域、がん原遺伝子Fli-1、BDPLT21、EWSR2またはSIC-1とも表され得る。
【0037】
ETS1またはタンパク質C-ets-1は、ヒトにおいてETS1遺伝子によりコードされるタンパク質である。この遺伝子によりコードされるタンパク質は、ETS転写因子ファミリーに属する。ETS1はまた、本明細書で、ETSがん原遺伝子1転写因子、鳥類赤芽球症ウイルスE26(V-Ets)がん原遺伝子ホモログ-1、V-Ets鳥類赤芽球症ウイルスE26がん原遺伝子ホモログ1、タンパク質C-Ets-1、EWSR2、P54、V-Ets鳥類赤芽球症ウイルスE26がん原遺伝子ホモログ1、Etsタンパク質、C-Ets-1またはETS-1とも表され得る。
【0038】
任意の局面のいくつかの態様において、ETV2、FLI1およびETS1からなる群より選択されるEtsファミリーメンバーを発現する細胞が生成されるまたはそのように改変される。
【0039】
いくつかの態様において、Ets遺伝子またはタンパク質は、ETV2または対応するゼブラフィッシュetv2であり得る。いくつかの態様において、Ets遺伝子またはタンパク質は、FLI1または対応するゼブラフィッシュfli1であり得る。いくつかの態様において、Ets遺伝子またはタンパク質は、ETS1または対応するゼブラフィッシュets1であり得る。
【0040】
いくつかの態様において、Ets遺伝子またはタンパク質は、ETV2およびFLI1または対応するゼブラフィッシュ因子であり得る。いくつかの態様において、Ets遺伝子またはタンパク質は、ETV2およびETS1または対応するゼブラフィッシュ因子であり得る。いくつかの態様において、Ets遺伝子またはタンパク質は、ETS1およびFLI1または対応するゼブラフィッシュ因子であり得る。いくつかの態様において、Ets遺伝子またはタンパク質は、ETV2、FLI1およびETS1または対応するゼブラフィッシュ因子であり得る。いくつかの態様において、Ets遺伝子またはタンパク質は、ETV2、FLI1もしくはETS1または対応するゼブラフィッシュ因子であり得る。
【0041】
本明細書に記載されるポリペプチドのアミノ酸配列は、様々な種、例えばヒト、マウス、ラットおよびゼブラフィッシュで、NCBIアクセッション番号が割り当てられている。具体的に、ヒトEVT2(例えば、SEQ ID NO:1)、ヒトFLI1(例えば、SEQ ID NO:2)およびヒトETS1(例えば、SEQ ID NO:3)のアミノ酸配列の非限定的な例のNCBIアクセッション番号を本明細書に含める。
【0042】
SEQ ID NO:1(ホモ・サピエンス(Homo sapiens)ETV2、NCBIアクセッション番号AAI40747、342アミノ酸(aa)):
【0043】
SEQ ID NO:2(ホモ・サピエンスFLI1、NCBIアクセッション番号AAH10115.1、452 aa):
【0044】
SEQ ID NO:3(ホモ・サピエンスETS1、NCBIアクセッション番号CAG47050.1、441 aa):
【0045】
いくつかの態様において、ETV2アミノ酸またはDNA配列は、ネイティブまたは参照配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれ以上同一であり得る。いくつかの態様において、FLI1アミノ酸またはDNA配列は、ネイティブまたは参照配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれ以上同一であり得る。いくつかの態様において、ETSアミノ酸またはDNA配列は、ネイティブまたは参照配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれ以上同一であり得る。
【0046】
SOXファミリー
Sox遺伝子は、DNA内の副溝に結合する転写因子のファミリーをコードし、HMGボックス(高移動度群;high mobility group)と呼ばれる相同配列により特徴づけられる遺伝子のスーパーファミリーに属する。このHMGボックスは、真核生物種を通じて高度に保存されているDNA結合ドメインである。ホモログは、昆虫、線形動物、両生類、爬虫類、鳥類および一部の哺乳類において同定されている。
【0047】
Sox遺伝子は、Y染色体上に存在するSRYと呼ばれる性決定に関与する遺伝子のHMGボックスを含む点で定義される(Soxは、Sry-related HMG boxの略である)。ヒトおよびマウスには20種のSOX遺伝子が存在する。このファミリーは、HMGドメインおよび他の構造モチーフ内の相同性にしたがい、ならびに機能的アッセイにしたがい細分類される。ヒトにおいて、SOXグループのメンバーは、(1)SoxA(例えば、SRY);(2)SoxB1(例えば、SOX1、SOX2、SOX3);(3)SoxB2(例えば、SOX14, SOX21);(4)SoxC(例えば、SOX4、SOX11、SOX12);(5)SoxD(例えば、SOX5、SOX6、SOX13);(6)SoxE(例えば、SOX8、SOX9、SOX10);(7)SoxF(例えば、SOX7、SOX17、SOX18);(8)SoxG(例えば、SOX15);(9)SoxH(例えば、SOX30)を含む。
【0048】
発生上重要なSoxファミリーは、単一機能を有するのではなく、多くのメンバーは、発生の様々な異なる局面を調節する能力を有する。多くのSox遺伝子は性決定に関与するが、いくつかは神経発生等のプロセスにおいても重要である。Soxタンパク質は、配列WWCAAWおよび類似の配列(W=AまたはT)に結合する。SoxファミリーのDNAモチーフはまた、(例えば、その第1モチーフに相補的なDNA鎖上に)中央ATTGT配列を含み得る。
【0049】
内皮ニッチ細胞に関連するヒトSoxファミリーのメンバーの非限定的な例は、SOX18およびSOX7を含む。ゼブラフィッシュまたはアフリカツメガエル(Xenopus)における対応する因子は、sox18およびsox7を含む。
【0050】
SOX18は、本明細書で、SRY-ボックス18、SRY(性決定領域Y)-ボックス18、転写因子SOX-18、SRYボックス18、HLTRSまたはHLTSとも称され得る。
【0051】
SOX7は、本明細書で、SRY-ボックス7、SRY(性決定領域Y)-ボックス7、転写因子SOX-7またはSRYボックス7とも称され得る。
【0052】
任意の局面のいくつかの態様において、SOX18およびSOX7からなる群より選択されるSoxファミリーメンバーを発現する細胞が生成されるまたはそのように改変される。いくつかの態様において、Sox遺伝子またはタンパク質は、SOX18または対応するゼブラフィッシュsox18もしくはアフリカツメガエルSOX18であり得る。いくつかの態様において、Ets遺伝子またはタンパク質は、SOX7または対応するゼブラフィッシュsox7であり得る。いくつかの態様において、Sox遺伝子またはタンパク質は、SOX18およびSOX7または対応するゼブラフィッシュもしくはアフリカツメガエル因子であり得る。いくつかの態様において、Sox遺伝子またはタンパク質は、SOX18もしくはSOX7または対応するゼブラフィッシュもしくはアフリカツメガエル因子であり得る。
【0053】
本明細書に記載されるポリペプチドのアミノ酸配列は、様々な種、例えばヒト、マウス、ラットおよびゼブラフィッシュについて、NCBIアクセッション番号が割り当てられている。具体的に、ヒトSOX18(例えば、SEQ ID NO:4)、ヒトSOX7(例えば、SEQ ID NO:5)およびアフリカツメガエルSOX18(例えば、SEQ ID NO:8)のアミノ酸配列の非限定的な例のNCBIアクセッション番号を本明細書に含める。
【0054】
SEQ ID NO:4(ホモ・サピエンスSOX18、NCBIアクセッション番号BAA94874.1、384aa)
【0055】
SEQ ID NO:5(ホモ・サピエンスSOX7、NCBIアクセッション番号CAC84226.1、388aa)
【0056】
SEQ ID NO:8(ネッタイツメガエル(Xenopus tropicalis)SOX18、NCBIアクセッション番号AAI67402.1、362aa)
【0057】
いくつかの態様において、SOX7アミノ酸またはDNA配列は、ネイティブまたは参照配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれ以上同一であり得る。いくつかの態様において、SOX18アミノ酸またはDNA配列は、ネイティブまたは参照配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれ以上同一であり得る。
【0058】
NHRファミリー
核受容体とも称される、核ホルモン受容体(NHR)ファミリーは、ステロイドおよび甲状腺ホルモンならびに特定の他の分子の感知を担う細胞内で見いだされるタンパク質のクラスである。応答する際、これらの受容体は、他のタンパク質と共に、特定の遺伝子の発現を調節するよう作用し、それによって生物の発生、ホメオスタシスおよび代謝を制御する。それらを他のクラスの受容体と区別する核受容体の固有の性質は、ゲノムDNAと直接相互作用しその発現を制御するそれらの能力である。結果として、核受容体は、胚発生および成体ホメオスタシスの両方において鍵となる役割を果たす。NHRファミリーメンバーのDNAモチーフの非限定的な例は、RRGGTCAを含み、ここでRはプリン(例えば、AまたはG)を表す。
【0059】
少なくとも48種の核受容体がヒトにおいて同定され、以下のサブファミリーに分類されている:(1)甲状腺ホルモン受容体様(例えば、甲状腺ホルモン受容体、レチノイン酸受容体、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体、Rev-ErbA RAR関連オーファン受容体、肝臓X受容体様、ビタミンD受容体様、2つのDNA結合ドメインを有するNR、RORA);(2)レチノイドX受容体様(例えば、肝細胞核因子4、レチノイドX受容体、精巣受容体、TLX、PNR、COUP、EAR、RXRA、NR2F2);(3)エストロゲン受容体様(例えば、エストロゲン受容体、エストロゲン関連受容体、3-ケトステロイド受容体);(4)神経成長因子IB様(例えば、NGFIB、NURR1、NOR1);(5)ステロイド産生因子様(例えば、SF1、LRH1);(6)生殖細胞核因子様(例えば、GCNF);(7)その他の核受容体(例えば、DX、SHP1)。
【0060】
内皮ニッチ細胞に関連するヒトNHRファミリーのメンバーの非限定的な例は、RXRAおよびNR2F2を含む。ゼブラフィッシュにおける対応する因子は、rxraaおよびnr2f2を含む。
【0061】
RXRAは、RXR転写因子グループに属する核受容体である。RXRAは、本明細書で、レチノイドX受容体アルファ、核受容体サブファミリー2グループBメンバー1、レチノイン酸受容体RXR-アルファ、NR2B1、レチノイドX核受容体アルファまたはレチノイドX受容体アルファとも表され得る。
【0062】
レチノイドX受容体(RXR)は、主要な内因性哺乳類RXR選択的アゴニストであると考えられる、9-cisレチノイン酸および9-cis-13,14-ジヒドロ-レチノイン酸により活性化される核受容体の一タイプである。3種のレチノイン酸X受容体(RXR):それぞれRXRA、RXRB、RXRG遺伝子によりコードされる、RXR-アルファ、RXR-ベータおよびRXR-ガンマが存在する。RXRは、CAR、FXR、LXR、PPAR、PXR、RAR、TRおよびVDRを含むサブファミリー1核受容体とヘテロ二量体化する。他のII型核受容体と同様、RXRヘテロ二量体は、リガンドの非存在下で、コリプレッサータンパク質と複合体化したホルモン応答エレメントに結合される。RXRに対するアゴニストリガンドの結合は、コリプレッサーの解離およびコアクチベータータンパク質の動員をもたらし、これにより、下流の標的遺伝子の、mRNAへの、そして最終的にタンパク質への転写を促進する。
【0063】
NR2F2は、COUP転写因子グループに属する核受容体である。NR2F2は、本明細書で、核受容体サブファミリー2グループFメンバー2、アポリポタンパク質A-I調節タンパク質1、COUP転写因子II、COUP転写因子2、TFCOUP2、ARP-1、ARP1、ニワトリオボアルブミン上流プロモーター転写因子2、ニワトリオボアルブミン上流プロモーター転写因子I、核受容体サブファミリー2グループFメンバー2、ADP-リボシル化因子関連タンパク質1、アポリポタンパク質AI調節タンパク質1、COUP-TF II、COUPTFII、COUP-TF2、COUPTF2、COUPTFB、CHTD4、NF-E3またはSVP40としても表され得る。
【0064】
ニワトリオボアルブミン上流プロモーター転写因子(COUP-TF)タンパク質は、細胞内転写因子の核受容体ファミリーのメンバーである。COUP-TFには、それぞれNR2F1およびNR2F2によりコードされる、COUP-TFIおよびCOUP-TFIIと呼ばれる2つの変種が存在する。COUP-TFは、生物の発生において重要な役割を果たす。
【0065】
任意の局面のいくつかの態様において、RXRAおよびNR2F2からなる群より選択されるNHRファミリーメンバーを発現する細胞が生成されるまたはそのように改変される。いくつかの態様において、NHR遺伝子またはタンパク質は、RXRAまたは対応するゼブラフィッシュrxraaであり得る。いくつかの態様において、NHR遺伝子またはタンパク質は、NR2F2または対応するゼブラフィッシュnr2f2であり得る。いくつかの態様において、NHR遺伝子またはタンパク質は、RXRAおよびNR2F2または対応するゼブラフィッシュ因子であり得る。いくつかの態様において、NHR遺伝子またはタンパク質は、RXRAもしくはNR2F2または対応するゼブラフィッシュ因子であり得る。
【0066】
本明細書に記載されるポリペプチドのアミノ酸配列は、様々な種、例えばヒト、マウス、ラットおよびゼブラフィッシュについて、NCBIアクセッション番号が割り当てられている。具体的に、ヒトRXRA(例えば、SEQ ID NO:6)、ヒトNR2F2(例えば、SEQ ID NO:7)およびゼブラフィッシュNr2f2(例えば、SEQ ID NO:9)のアミノ酸配列の非限定的な例のNCBIアクセッション番号を本明細書に含める。
【0067】
SEQ ID NO:6(ホモ・サピエンスRXRAアイソフォームA、NCBIアクセッション番号NP_002948.1、462aa)
【0068】
SEQ ID NO:7(ホモ・サピエンスNR2F2アイソフォームA、NCBIアクセッション番号NP_066285.1、414aa)
【0069】
SEQ ID NO:9(ゼブラ・ダニオ(Danio rerio)NR2F2、NCBIアクセッション番号AAI62484.1、428aa)
【0070】
いくつかの態様において、RXRAアミノ酸またはDNA配列は、ネイティブまたは参照配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれ以上同一であり得る。いくつかの態様において、NR2F2アミノ酸またはDNA配列は、ネイティブまたは参照配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれ以上同一であり得る。
【0071】
いくつかの態様において、転写因子は、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAおよびNR2F2ならびに対応するゼブラフィッシュまたはアフリカツメガエル因子からなる群より選択され得る。いくつかの態様において、転写因子は、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2または対応するゼブラフィッシュもしくはアフリカツメガエル因子であり得る。いくつかの態様において、転写因子は、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAおよびNR2F2または対応するゼブラフィッシュもしくはアフリカツメガエル因子であり得る。
【0072】
いくつかの態様において、転写因子は、ETV2、SOX7およびNR2F2または対応するゼブラフィッシュもしくはアフリカツメガエル因子であり得る。いくつかの態様において、転写因子は、ETS1、SOX7およびNR2F2または対応するゼブラフィッシュもしくはアフリカツメガエル因子であり得る。いくつかの態様において、転写因子は、ETV2単独または対応するゼブラフィッシュもしくはアフリカツメガエル因子であり得る。
【0073】
いくつかの態様において、転写因子は、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAおよびNR2F2または対応するゼブラフィッシュもしくはアフリカツメガエル因子からなる群より選択される少なくとも1つの因子、少なくとも2つの因子、少なくとも3つの因子、少なくとも4つの因子、少なくとも5つの因子、少なくとも6つの因子または少なくとも7つの因子であり得る。
【0074】
いくつかの態様において、転写因子は、ETV2ならびにFLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAおよびNR2F2または対応するゼブラフィッシュもしくはアフリカツメガエル因子からなる群より選択される少なくとも1つの因子であり得る。いくつかの態様において、転写因子は、ETS1ならびにETV2、FLI1、SOX18、SOX7、RXRAおよびNR2F2または対応するゼブラフィッシュもしくはアフリカツメガエル因子からなる群より選択される少なくとも1つの因子であり得る。
【0075】
造血系発生
造血系の発生は、その細胞集団および分子経路を含めて、魚類と哺乳類の間で高度に保存されている。HSPCは、大動脈・性腺・中腎(AGM)領域において誕生し、一過的な胎児ニッチ、哺乳類の胎児肝臓または尾側造血組織(CHT)と呼ばれる魚類の尾の血管網に移動する。HSPCは、これらの発生部位に数日間とどまり拡張した後、成体ニッチ - 哺乳類における骨髄または魚類における腎髄に移動する。
【0076】
CHTは、主として、間葉系間質細胞に囲まれた低血流類洞(low-flow sinusoid)から構成される。HSPCは、最初に、血管網内にとどまり、cxcl12a+間質細胞と直接的に相互作用することによってCHTニッチに入る。特徴的な血管再モデリング工程において、内皮細胞(EC)は、HSPC周囲に支持ポケットを形成するよう再編成し、これが、間質細胞およびおそらく他の細胞型と共に、幹細胞のためのニッチを形成する(HSPCを取り囲む内皮細胞は、本明細書で、内皮ニッチ細胞と称され得る)。哺乳類およびゼブラフィッシュにおいて、特定のシグナル伝達分子、接着性タンパク質および転写因子が、このニッチにおける幹細胞とECの間のコミュニケーションおよび物理的相互作用の媒介に関与する。まとめると、これらの研究は、造血器官の血管ニッチ内のECがニッチ特異的遺伝子プログラムを発現することを示唆している。しかし、今日まで、HSPCニッチにおけるECのニッチ特性を決定する転写回路の総合的な調査は行われていない。この調節を理解することは、骨髄移植療法の効果および利用性を改善する新しい戦略につながる。
【0077】
内皮ニッチ細胞
本明細書に記載される場合、内皮ニッチ細胞は、HSPCの分化にとって有益なニッチを提供する内皮細胞である。内皮ニッチ細胞は典型的に、骨髄で見いだされる。しかし、本明細書に記載されるように、特定の転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRA、NR2F2)の外因性発現は、内皮ニッチ細胞を非骨髄組織において見いだされるようにし、それによって骨髄外造血を提供し得る。
【0078】
任意の局面のいくつかの態様において、内皮ニッチ細胞は、sele、exoc312a、snx8a、cltca、aqp7、ap1b1、lgmn、prcp、cldn11a、lyve1b、adra1d、hya12a、hya12b、tll1、i113ra2、glu1a、hexb、slc16a9aおよびsepp1aからなる群より選択される1つまたは複数の遺伝子を発現する細胞を含む。いくつかの態様において、内皮細胞はヒトである。
【0079】
任意の局面のいくつかの態様において、内皮ニッチ細胞は、ヒト転写因子ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAまたはNR2F2のうち少なくとも1つを含む転写因子を発現するよう生成または改変される。いくつかの態様において、転写因子は、Etsファミリー由来の少なくとも1つの転写因子、Soxファミリー由来の少なくとも1つの転写因子、および核ホルモン受容体ファミリー由来の少なくとも1つの転写因子を含む。いくつかの態様において、転写因子は、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAおよびNR2F2を含む。
【0080】
任意の局面のいくつかの態様において、転写因子は、少なくとも1つのベクターから発現される。いくつかの態様において、ベクターは、1つまたは複数の転写因子をコードする外因性核酸配列または配列群を含む。いくつかの態様において、外因性核酸配列は、内皮細胞のゲノムに組み込まれる。非限定的な例として、外因性核酸配列は、ウイルスベクター(例えば、AAV、レンチウイルス)またはCRISPR技術を用いてゲノムに組み込まれ得る。
【0081】
1つの局面は、1つまたは複数の転写因子をコードする1つまたは複数の外因性核酸配列を含む改変された内皮ニッチ細胞を含む組成物を提供し、1つまたは複数の転写因子は、Etsファミリー、Soxファミリー、および/または核ホルモンファミリーに由来する。任意の局面のいくつかの態様において、組成物は、改変された内皮ニッチ細胞を含み得る。いくつかの態様において、組成物は治療剤である、または組成物は薬学的に許容される担体をさらに含む。いくつかの態様において、組成物は、培養皿、3D細胞システムまたは懸濁システムをさらに含む。いくつかの態様において、組成物はスキャホールドを含む。
【0082】
別の局面は、改変された内皮ニッチ細胞の集団の存在下でHSPCを培養する工程を含む、HSPCを培養するための方法を提供する。任意の局面のいくつかの態様において、この方法はインビトロで実施される。いくつかの態様において、改変された内皮ニッチ細胞は、HSPC細胞の成長および/または拡張に影響する因子(例えば、成長因子)を分泌する。
【0083】
いくつかの態様において、改変された内皮ニッチ細胞の存在下で培養されるHSPCは、そのような改変された内皮ニッチ細胞の非存在下で培養されるHSPCよりも少なくとも3日間長く培養され得る。いくつかの態様において、改変された内皮ニッチ細胞の存在下で培養されるHSPCは、そのような改変された内皮ニッチ細胞の非存在下で培養されるHSPCよりも少なくとも1日間長く、少なくとも2日間長く、少なくとも3日間長く、少なくとも4日間長く、少なくとも5日間長く、少なくとも6日間長く、少なくとも7日間長く、少なくとも8日間長く、少なくとも9日間長く、少なくとも10日間長く、少なくとも11日間長く、少なくとも12日間長く、少なくとも13日間長くまたは少なくとも14日間長く培養され得る。
【0084】
いくつかの態様において、細胞は、生物学的に適合するスキャホールド上で培養される。生物学的に適合するスキャホールドの非限定的な例は、ヒドロゲル、バイオポリマーまたは移植準備においてインビトロで細胞を成長させる能力を示す他の生体材料を含む。いくつかの態様において、改変された内皮ニッチ細胞の存在下で培養されたHSPCは、対象に投与されたときに、改変された内皮ニッチ細胞と共に培養されなかった実質的に類似するHSPCの生着と比較して向上した生着を有する。本明細書で使用される場合、「生着」は、移植されたHSPCが成長を始め、健常な血液細胞を生成するプロセスを表す。生着は、HSPC移植からの回復における重要なマイルストーンである。
【0085】
別の局面は、改変された内皮ニッチ細胞の集団を含む組成物を対象に移植する工程を含む、対象を処置する方法を提供する。非限定的な例として、この方法は、骨髄線維症またはその非限定的な例が本明細書に開示されている内因性骨髄ニッチを故障させる他の造血系疾患を処置するために使用され得る。いくつかの態様において、この方法は、HSPCの集団を含む組成物を対象に移植する工程を含み得る。いくつかの態様において、この方法は、HSPCの集団および改変された内皮ニッチ細胞を含む組成物を対象に移植する工程を含み得る。
【0086】
別の局面は、HSPCおよび改変された内皮ニッチ細胞の集団を含む組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、HSPCの生着を増進する方法を提供する。任意の局面のいくつかの態様において、HSPCの生着は、改変された内皮ニッチ細胞の非存在下の実質的に類似するHSPCの生着と比較して少なくとも10%増加する。任意の局面のいくつかの態様において、HSPCの生着は、改変された内皮ニッチ細胞の非存在下の実質的に類似するHSPCの生着と比較して、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも100%増加する。
【0087】
別の局面は、改変された内皮ニッチ細胞およびHSPCを含む共培養物を提供する。任意の局面のいくつかの態様において、内皮細胞は、本明細書に記載される方法により作られる。
【0088】
別の局面は、改変された内皮ニッチ細胞を、それを必要とする対象の標的部位に投与する工程を含む、異所性血管ニッチを生成するための方法を提供する。本明細書で使用される場合、「異所性血管ニッチ」は、非定型的な内皮ニッチ細胞の部位を表す。例えば、血管ニッチは、骨髄の外側で見いだされ得る。生成または改変された内皮ニッチ細胞を含む異所性血管ニッチは、身体の任意の場所に存在し得る。異所性血管ニッチは、HSPC、生成もしくは改変された内皮ニッチ細胞および/またはそれらに関連する転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)が注入された部位で見いだされ得る。
【0089】
別の局面は、改変されたニッチ内皮細胞を対象の骨髄の外側の部位(例えば、前腕部)に移植し、それによって人工ニッチを作製する工程を含む、骨髄外造血のための方法を提供する。本明細書で使用される場合、「骨髄外造血」は、骨髄の外側の器官において行われる造血を表す。任意の局面のいくつかの態様において、内皮細胞は、本明細書に記載される方法により作られる。
【0090】
骨髄線維症
任意の局面のいくつかの態様において、生成または改変された内皮ニッチ細胞またはそれらに関連する転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)は、骨髄線維症を処置するために使用され得る。
【0091】
骨髄線維症は、珍しいタイプの慢性白血病である。骨髄線維症は、多くの場合、慢性形態の、骨髄増殖性障害と呼ばれる疾患グループに属する。慢性骨髄増殖性障害は、骨髄が、多すぎる数の異常な赤血球、白血球または血小板を生成し、これが血液中に蓄積する、ゆるやかに進行する血液がんのグループである。慢性骨髄増殖性新生物の非限定的な例は、慢性骨髄性白血病、真性多血症、原発性骨髄線維症(慢性突発性骨髄線維症とも呼ばれる)、本態性血小板血症、慢性好中球性白血病および慢性好酸球性白血病を含む。
【0092】
骨髄線維症は、身体の正常な血液細胞産生を妨害する深刻な骨髄障害である。その結果は、重度の貧血、虚弱、倦怠感およびしばしば脾臓肥大をもたらす骨髄における広範囲の瘢痕化である。骨髄線維症を有する多数の対象または患者は、徐々に悪化し、一部の対象または患者は、最終的に、より深刻な形態の白血病を発症し得る。骨髄線維症は、血液幹細胞(例えば、HSPC)が遺伝的変異を示す場合に起こり得る。いくつかの特定の遺伝的変異が、骨髄線維症を有する人々において同定されている。最も一般的なものは、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)遺伝子である。
【0093】
骨髄線維症の原因は多くの例で不明であるが、特定の因子がリスクを高めることが知られている。高年齢化は、骨髄線維症の発症に関連し得る。骨髄線維症は、誰もが発症し得るが、50歳以上の人々において診断されることが最も多い。別の血液細胞障害を有する患者は、骨髄線維症を発症するリスクがより高い。少数の骨髄線維症を有する人々は、本態性血小板血症または真性多血症の合併症としてこの状態を発症する。特定の化学物質への暴露は、骨髄線維症のリスクを増加させ得る。骨髄線維症は、トルエンおよびベンゼン等の工業化学物質への暴露と関連付けられている。放射線への暴露は、骨髄線維症のリスクを増加させ得る。高レベルの放射線に暴露された人々、例えば原子爆弾攻撃の生存者は、骨髄線維症のリスクが高い。1950年代まで使用されていたThorotrastと呼ばれる放射性造影剤を投与された一部の人々は、骨髄線維症を発症した。
【0094】
骨髄線維症から複数の合併症が引き起こされ得る。骨髄線維症の合併症は、患者の肝臓への血液の流れに対する圧力の増加を含み得る。通常、脾臓からの血流は、門脈と呼ばれる大きな血管を通って肝臓に入る。肥大した脾臓からの血流の増加は、門脈における高い血圧(例えば、門脈高血圧)を引き起こし得る。これは、その後、過剰な血液を胃および食道の小さな静脈に無理やり送り、これはこれらの静脈を破裂および出血させるおそれがある。痛みは、骨髄線維症の別の合併症であり得る。重度に肥大した脾臓は、腹痛および背痛を引き起こし得る。骨髄線維症は、身体の他の領域において成長を促し得る。骨髄線維症は、出血性合併症と関連し得る。この疾患が進行すると、血小板数が正常以下に低下する傾向があり(血小板減少症)、血小板機能が損なわれる。不十分な数の血小板は、容易な出血をもたらし得る。骨髄線維症はまた、骨および関節の痛みと関連し得る。骨髄線維症は、骨髄の硬化および骨の周囲で見られる結合組織の炎症を引き起こし得る。これは、骨および関節の痛みを引き起こし得る。骨髄線維症はまた、急性白血病の発症に関連し得る。骨髄線維症を有する一部の患者は、急速に進行する血液・骨髄がんの一タイプである急性骨髄性白血病を発症する。
【0095】
骨髄移植は、骨髄線維症に対する現時点で唯一の承認されている処置である。さらなる処置は、骨髄線維症の症状(例えば、貧血、脾臓肥大)を改善するのみであり得る。骨髄線維症の大部分の例で見られる遺伝子変異を標的とするJAK阻害剤であるルキソリチニブが、脾臓肥大の症状を軽減するために使用され得る。
【0096】
処置方法
本明細書に記載されるように、機能的造血のレベルは、骨髄線維症においておよび/または骨髄線維症を有する対象において減少し得る。本明細書で使用される場合、「機能的造血」は、正常レベルおよび比率の血液細胞(例えば、赤血球、白血球、血小板)を生成する造血を表す。任意の局面のいくつかの態様において、造血のレベルは、骨髄線維症もしくは骨髄増殖性障害においておよび/または骨髄線維症もしくは骨髄増殖性障害を有する対象において減少し得る。したがって、任意の態様の1つの局面において、参照と比較して減少した機能的造血のレベルを有すると決定された対象にHSPC、改変された内皮細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)を投与する工程を含む、それを必要とする対象において骨髄線維症または骨髄増殖性障害を処置する方法が、本明細書に記載される。任意の態様の1つの局面において、(a)対象から得られたサンプルにおいて機能的造血のレベルを決定する工程、および(b)機能的造血のレベルが参照と比較して減少している場合、対象にHSPC、改変された内皮細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)を投与する工程を含む、それを必要とする対象において骨髄線維症または骨髄増殖性障害を処置する方法が、本明細書に記載される。
【0097】
任意の局面のいくつかの態様において、この方法は、参照と比較して減少した機能的造血のレベルを有すると以前に決定された対象にHSPC、改変された内皮細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)を投与する工程を含む。任意の局面のいくつかの態様において、(a)最初に、対象から得られたサンプルにおいて機能的造血のレベルを決定する工程、および(b)その後に、機能的造血のレベルが参照と比較して減少している場合、対象にHSPC、改変された内皮細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)を投与する工程を含む、それを必要とする対象において骨髄線維症または骨髄増殖性障害を処置する方法が、本明細書に記載される。
【0098】
任意の態様の1つの局面において、(a)対象が低下した造血のレベルを有するかどうかを決定する工程、ならびに(b)機能的造血のレベルが参照と比較して低下している場合、対象にHSPC、改変された内皮細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)を投与する工程を含む、それを必要とする対象において骨髄線維症または骨髄増殖性障害を処置する方法が、本明細書に記載される。任意の局面のいくつかの態様において、対象が低下した機能的造血のレベルを有するかどうかを決定する工程は、(i)対象からサンプルを得るまたは得ておく工程、および(ii)対象における造血のレベルを決定/測定するよう対象から得られたサンプルに対してアッセイを行うまたは行っておく工程を含み得る。任意の局面のいくつかの態様において、対象が低下した機能的造血のレベルを有するかどうかを決定する工程は、対象における造血のレベルを決定/測定するよう対象から得られたサンプルに対してアッセイを行うまたは行っておく工程を含み得る。任意の局面のいくつかの態様において、対象が低下した機能的造血のレベルを有するかどうかを決定する工程は、対象における造血のレベルを決定/測定するよう対象から得られたサンプルに対するアッセイを注文または依頼する工程を含み得る。任意の局面のいくつかの態様において、対象が低下した機能的造血のレベルを有するかどうかを決定する工程は、対象における造血のレベルを決定/測定する対象から得られたサンプルに対するアッセイの結果を受け取る工程を含み得る。任意の局面のいくつかの態様において、対象が低下した機能的造血のレベルを有するかどうかを決定する工程は、低下した機能的造血のレベルを有する対象として該対象を特定する報告、結果または他の手段を受け取る工程を含み得る。
【0099】
任意の態様の1つの局面において、(a)対象が低下した機能的造血のレベルを有することを決定する工程、ならびに(b)機能的造血のレベルが参照と比較して低下している場合、対象にHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)を投与するよう指示するまたは指導する工程を含む、それを必要とする対象において骨髄線維症または骨髄増殖性障害を処置する方法が、本明細書に記載される。任意の局面のいくつかの態様において、対象が低下した機能的造血のレベルを有するかどうかを決定する工程は、(i)対象からサンプルを得るまたは得ておく工程、および(ii)対象における機能的造血のレベルを決定/測定するよう対象から得られたサンプルに対してアッセイを行うまたは行っておく工程を含み得る。任意の局面のいくつかの態様において、対象が低下した機能的造血のレベルを有するかどうかを決定する工程は、対象における機能的造血のレベルを決定/測定するよう対象から得られたサンプルに対してアッセイを行うまたは行っておく工程を含み得る。任意の局面のいくつかの態様において、対象が機能的造血の機能的レベルを有するかどうかを決定する工程は、対象における機能的造血のレベルを決定/測定するよう対象から得られたサンプルに対するアッセイを注文または依頼する工程を含み得る。任意の局面のいくつかの態様において、対象に特定の処置を投与するよう指示するまたは指導する工程は、アッセイ結果の報告を提供する工程を含み得る。任意の局面のいくつかの態様において、対象に特定の処置を投与するよう指示するまたは指導する工程は、アッセイ結果の報告および/またはアッセイ結果を考慮した処置の推奨を提供する工程を含み得る。
【0100】
投与
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法は、骨髄線維症または骨髄増殖性障害を有するまたは有すると診断された対象の処置に関する。骨髄線維症または骨髄増殖性障害を有する対象は、骨髄線維症または骨髄増殖性障害を診断する現行法を用いて医師によって特定され得る。これらの状態を特徴づけ、診断の補助となる骨髄線維症または骨髄増殖性障害の症状および/または合併症は、当技術分野で周知であり、貧血、巨脾症(すなわち、肥大した、痛みをもたらす脾臓)、倦怠感、虚弱もしくは息切れ、左側肋骨下の痛みもしくは膨満感、あざの出来易さ、出血のし易さ、睡眠中の過剰な発汗(寝汗)、発熱および/または骨痛を含むがこれらに限定されない。骨髄線維症または骨髄増殖性障害の診断を補助し得る検査は、血液検査(例えば、全血球計算)または骨髄生検を含むがこれらに限定されない。骨髄線維症または骨髄増殖性障害はまた、身体検査、画像化検査または遺伝子検査を用いて検出され得る。骨髄線維症もしくは骨髄増殖性障害の家族歴、または骨髄線維症もしくは骨髄増殖性障害のリスク因子(例えば、工業化学物質、放射線)への暴露もまた、対象が骨髄線維症もしくは骨髄増殖性障害を有している可能性があるかどうかの決定または骨髄線維症もしくは骨髄増殖性障害の診断の実施を補助し得る。
【0101】
本明細書に記載される組成物および方法は、骨髄線維症または骨髄増殖性障害を有するまたは有すると診断された対象に投与され得る。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法は、骨髄線維症または骨髄増殖性障害の症状を緩和するよう有効量の本明細書に記載される組成物、例えば、HSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)を対象に投与する工程を含む。本明細書で使用される場合、「骨髄線維症または骨髄増殖性障害の症状を緩和する」は、骨髄線維症または骨髄増殖性障害に関連する任意の状態または症状を改善することである。同等の未処置対照と比較して、そのような減少は、任意の標準的技術による測定で、少なくとも5%、10%、20%、40%、50%、60%、80%、90%、95%、99%またはそれ以上のものである。本明細書に記載される組成物を対象に投与する様々な手段が、当業者に公知である。そのような方法は、経口、非経口、静脈内、筋内、皮下、経皮、気道(エアゾール)、肺、皮膚、局所、注射または腫瘍内投与を含み得るがこれらに限定されない。投与は、局所性または全身性であり得る。
【0102】
「有効量」という用語は、本明細書で使用される場合、疾患または障害の少なくとも1つまたはそれ以上の症状を緩和するのに必要となるHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)の量を表し、所望の効果を提供する薬理学的組成物の十分な量に関する。「治療有効量」という用語は、したがって、典型的な対象に投与されたときに一定の抗骨髄線維症または抗骨髄増殖性障害効果を提供するのに十分なHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)の量を表す。本明細書で使用される有効量はまた、様々な文脈で、疾患の症状の発生を遅らせる、疾患の症状の経過を変化させる(例えば、非限定的に、疾患の症状の進行を遅くする)、または疾患の症状を好転させるのに十分な量も含むであろう。したがって、正確な「有効量」を特定することは、通常、実現可能でない。しかし、任意の与えられた例において、適当な「有効量」は、従来的な実験のみを用いて当業者によって決定され得る。
【0103】
有効量、毒性および治療効果は、例えばLD50(集団の50%に対して致死性の用量)およびED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定するために、細胞培養物または実験動物において標準的な薬学的手順により決定され得る。用量は、用いられる投薬形態および利用される投与経路に依存して異なり得る。毒性と治療効果の間の用量比が治療指数であり、LD50/ED50の比として表され得る。高い治療指数を示す組成物および方法が好ましい。治療有効用量は、最初に細胞培養アッセイから概算され得る。また、用量は、細胞培養物においてまたは適当な動物モデルにおいて決定されたIC50(すなわち、症状の最大半量阻害を達成するHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するよう動物モデルにおいて決定され得る。血漿中レベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定され得る。任意の特定の用量の効果は、適切なバイオアッセイによって観察され得る。用量は、医師によって決定され得、必要な場合、観察される処置の効果に適するよう調節され得る。
【0104】
いくつかの態様において、本明細書に記載される技術は、本明細書に記載されるHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)、ならびに任意で薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物に関連する。いくつかの態様において、薬学的組成物の活性成分は、本明細書に記載されるHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)を含む。いくつかの態様において、薬学的組成物の活性成分は、本明細書に記載されるHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)から本質的になる。いくつかの態様において、薬学的組成物の活性成分は、本明細書に記載されるHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)からなる。
【0105】
薬学的に許容される担体および希釈剤は、生理食塩水、水性緩衝溶液、溶媒および/または分散媒を含む。そのような担体および希釈剤の使用は、当技術分野で周知である。薬学的に許容される担体として機能し得る物質のいくつかの非限定的な例は、(1)糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;(2)デンプン、例えばトウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン;(3)セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、微結晶セルロースおよび酢酸セルロース;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルク;(8)賦形剤、例えばココアバターおよび坐剤ワックス;(9)油、例えばピーナツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油;(10)グリコール、例えばプロピレングリコール;(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール(PEG);(12)エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)発熱物質非含有水;(17)等張性生理食塩水;(18)リンガー溶液;(19)エチルアルコール;(20)pH緩衝溶液;(21)ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ無水物;(22)バルク剤、例えばポリペプチドおよびアミノ酸(23)血清成分、例えば血清アルブミン、HDLおよびLDL;(22)C2~C12アルコール、例えばエタノール;ならびに(23)薬学的配合物において用いられる他の非毒性適合物質を含む。湿潤剤、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、フレーバー剤、芳香剤、保存剤および抗酸化物質もまた、配合物中に存在し得る。「賦形剤」、「担体」、「薬学的に許容される担体」等の用語は、本明細書で言い換え可能に使用される。いくつかの態様において、担体は、活性作用物質、例えば本明細書に記載されるHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)の分解を阻害する。
【0106】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)を含む薬学的組成物は、非経口投薬形態であり得る。非経口投薬形態の投与は典型的に混入物質に対する患者の自然防御を迂回するので、非経口投薬形態は好ましくは滅菌性であるかまたは患者への投与前に滅菌され得るものである。非経口投薬形態の例は、注射可能な溶液、注射用の薬学的に許容されるビヒクルに溶解または懸濁可能な乾燥物、注射可能な懸濁物および乳濁物を含むがこれらに限定されない。加えて、DUROS(登録商標)型投薬形態およびドーズ・ダンピング(dose-dumping)を含むがこれらに限定されない制御放出非経口投薬形態が、患者への投与のために調製され得る。
【0107】
開示されるHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)の非経口投薬形態を提供するために使用され得る適切なビヒクルは、当業者に周知である。例は、非限定的に、滅菌水;注射用水USP;生理食塩水溶液;グルコース溶液;水性ビヒクル、例えば、非限定的に、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、デキストロース注射液、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射液ならびに乳酸加リンガー注射液;水混和性ビヒクル、例えば、非限定的に、エチルアルコール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコール;ならびに非水性ビヒクル、例えば、非限定的に、トウモロコシ油、綿実油、ピーナツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピルおよび安息香酸ベンジルを含む。
【0108】
任意の局面のいくつかの態様において、本明細書に記載されるHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)は、単剤療法として投与される、例えば、骨髄線維症または骨髄増殖性障害に対する別の処置は対象に行われない。
【0109】
任意の局面のいくつかの態様において、本明細書に記載される方法はさらに、例えば併用療法の一部として、対象に第2の薬剤を投与するおよび/または処置を行う工程を含み得る。第2の薬剤および/または処置の非限定的な例は、放射線療法、手術、ゲムシタビン、シスプラチン、パクリタキセル、カルボプラチン、ボルテゾミブ、AMG479、ボリノスタット、リツキシマブ、テモゾロミド、ラパマイシン、ABT-737、PI-103;アルキル化剤、例えばチオテパおよびCYTOXAN(登録商標)シクロホスファミド;アルキルスルホネート、例えばブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファン;アジリジン、例えばベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパおよびウレドーパ;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミドおよびトリメチロールメラミン(trimethylolomelamine)を含むエチレンイミンおよびメチルメラミン(methylamelamine);アセトゲニン(特に、ブラタシンおよびブラタシノン);カンプトテシン(合成アナログであるトポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC-1065(アドゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成アナログを含む);クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成アナログKW-2189およびCB1-TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン(sarcodictyin);スポンギスタチン(spongistatin);ナイトロジェンマスタード、例えばクロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシド、メルファラン、ノブエンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソ尿素、例えばカルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチンおよびラニムスチン(ranimnustine);抗生物質、例えばエンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特にカリケアマイシンガンマ1IおよびカリケアマイシンオメガI1(例えば、Agnew, Chem. Intl. Ed. Engl., 33: 183-186 (1994)を参照のこと));ジネマイシンA(dynemicin A)を含むジネマイシン;ビスホスホネート、例えばクロドロネート;エスペラマイシン;ならびにネオカルジノスタチンクロモフォアおよび関連色素タンパク質エンジイン抗生物質クロモフォア)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カミノマイシン(caminomycin)、カルジノフィリン、クロモマイシン(chromomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)ドキソルビシン(モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、例えばマイトマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗剤、例えばメトトレキサートおよび5-フルオロウラシル(5-FU);葉酸アナログ、例えばデノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキセート;プリンアナログ、例えばフルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジンアナログ、例えばアンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン;アンドロゲン、例えばカルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗副腎剤、例えばアミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補充剤、例えば、フォリン酸;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート;デホファミン;デメコルチン;ジアジクオン;エルホルミチン(elformithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium acetate);エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン(lonidainine);メイタンシノイド、例えばメイタンシンおよびアンサミトシン(ansamitocin);ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products, Eugene, Oreg.);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特に、T-2毒素、ベラキュリンA、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えばTAXOL(登録商標)パクリタキセル(Bristol-Myers Squibb Oncology, Princeton, N.J.)、ABRAXANE(登録商標)クレモホールフリー・アルブミン改変パクリタキセルナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners, Schaumberg, Ill.)およびTAXOTERE(登録商標)ドセタキセル(Rhone-Poulenc Rorer, Antony, France);クロラムブシル;GEMZAR(登録商標)ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金アナログ、例えばシスプラチン、オキサリプラチンおよびカルボプラチン;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE(登録商標)ビノレルビン;ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;イリノテカン(Camptosar、CPT-11)(5-FUおよびロイコボリンを用いるイリノテカンの処置レジメンを含む);トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例えばレチノイン酸;カペシタビン;コンブレタスタチン;ロイコボリン(LV);オキサリプラチン処置レジメン(FOLFOX)を含むオキサリプラチン;ラパチニブ(Tykerb(登録商標));細胞増殖を減少させるPKC-アルファ、Raf、H-Ras、EGFR(例えば、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))およびVEGF-Aの阻害剤、ならびに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体を含み得る。
【0110】
加えて、処置方法はさらに、放射線または放射線療法の使用を含み得る。さらに、処置方法はさらに、手術的処置の使用を含み得る。
【0111】
本明細書に記載される方法はさらに、例えば併用療法の一部として、対象に第2の薬剤を投与するおよび/または処置を行う工程を含み得る。非限定的な例として、対象を本明細書に記載される方法にしたがい疼痛または炎症に関して処置する場合、対象にはまた、疼痛または炎症を患った対象に有益であることが公知の第2の薬剤が投与され得るおよび/または処置が行われ得る。いくつかの態様において、第2の薬剤は抗炎症剤である。そのような薬剤および/または処置の例は、非ステロイド抗炎症薬(NSAID、例えばアスピリン、イブプロフェンまたはナプロキセン);グルココルチコイドを含むコルチコステロイド(例えば、コルチゾール、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロンおよびベクロメタゾン);メトトレキサート;スルファサラジン;レフルノミド;抗TNF薬;シクロホスファミド;消炎(pro-resolving)薬;ミコフェノール酸塩;または鎮静剤(例えば、エンドルフィン、エンケファリンおよびダイノルフィン)、ステロイド、鎮痛剤、バルビツール酸塩、オキシコドン、モルヒネ、リドカイン等を含むがこれらに限定されない。
【0112】
特定の態様において、有効用量の本明細書に記載されるHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)を含む組成物は、患者に一度投与され得る。特定の態様において、有効用量のHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)を含む組成物は、患者に繰り返し投与され得る。全身投与の場合、対象は、治療量のHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)を含む組成物、例えば0.1 mg/kg、0.5 mg/kg、1.0 mg/kg、2.0 mg/kg、2.5 mg/kg、5 mg/kg、10 mg/kg、15 mg/kg、20 mg/kg、25 mg/kg、30 mg/kg、40 mg/kg、50 mg/kgまたはそれ以上を投与され得る。
【0113】
いくつかの態様において、初回処置レジメンの後に、処置はより低頻度基準で実施され得る。例えば、3ヶ月の間の隔週の処置の後に、処置は、6ヶ月または1年またはそれ以上の間、1ヶ月に1度繰り返され得る。本明細書に記載される方法にしたがう処置は、状態のマーカーまたは症状、例えばHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)のレベルを、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%またはそれ以上、減少させ得る。
【0114】
本明細書に記載される組成物の用量は、医師によって決定され得、そして必要な場合、観察される処置の効果に適するよう調節され得る。処置の期間および頻度に関して、処置がいつ治療的利益を提供するかを決定するために、および用量を増加もしくは減少させるかどうか、投与頻度を増加もしくは減少させるかどうか、処置を中断するかどうか、処置を再開するかどうかまたはその処置レジメンに対する他の代替案を作成するかどうかを決定するために、医師が対象を観察するのが典型的である。投薬スケジュールは、多くの臨床的因子、例えばHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)に対する対象の感受性に依存して、週に1回から毎日まで様々であり得る。所望の用量または活性化量は、一度に投与され得、または分割量、例えば2~4分割量に分割され、一定期間にわたって、例えば一日を通じて適切な間隔でもしくは他の適当なスケジュールで投与され得る。いくつかの態様において、投与は、長期的、例えば数週または数ヶ月にわたる毎日の1回または複数回の投薬および/または処置であり得る。投薬および/または処置スケジュールの例は、1週、2週、3週、4週、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月もしくは6ヶ月またはそれ以上の期間にわたる、毎日、1日2回、1日3回、または1日4回もしくはそれ以上の回数の投与である。HSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)を含む組成物は、一定期間にわたり、例えば5分間、10分間、15分間、20分間または25分間の時間にわたり投与され得る。
【0115】
本明細書に記載される方法にしたがうHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)の投与の用量範囲は、例えば、その形態、その効能および本明細書に記載される状態の症状、マーカーまたは指標がどの程度減少することが望まれるか、例えば、例えば骨髄線維症または骨髄増殖性障害がどの程度軽減されることが望まれるか、機能的造血がどの程度誘導されることが望まれるかに依存する。用量は、有害な副作用、例えば過剰な造血または過剰な骨髄外造血を引き起こすほど多くすべきではない。一般に、用量は、患者の年齢、状態および性別によって異なり、それは当業者によって決定され得る。用量はまた、任意の合併症が発生した際に個々の医師によって調節され得る。
【0116】
例えば本明細書に記載される状態の処置におけるまたは本明細書に記載される応答(例えば、機能的造血)を誘導する、HSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)の効果は、医師によって決定され得る。しかし、処置は、本明細書に記載される状態の兆候または症状の1つまたは複数が有益な様式で変化する、他の臨床的に受け入れられる症状が改善されるもしくは向上さえする、または本明細書に記載される方法にしたがう処置の後に所望の応答が例えば少なくとも10%誘導される場合に、本明細書で使用される意味での「有効な処置」であるとみなされる。効果は、例えば、本明細書に記載される方法にしたがい処置される状態のマーカー、指標、症状および/もしくは発生または任意の他の測定可能な適当なパラメータ、例えば血球数、を測定することによって評価され得る。効果はまた、入院によって評価される個人の悪化または医学的介入の必要性の欠如(すなわち、疾患の進行が停止すること)によって測定され得る。これらの指標を測定する方法は、当業者に公知であり、かつ/または本明細書に記載されている。処置は、個体または動物(いくつかの非限定的な例は、ヒトまたは動物を含む)における疾患の任意の処置を含み、(1)疾患の阻害、例えば、症状(例えば、疼痛もしくは炎症)の悪化の防止;または(2)疾患の重篤度の緩和、例えば、症状の後退を含む。疾患の処置のための有効量は、それを必要とする対象に投与された場合に、その疾患に対して、本明細書で定義される意味での有効な処置をもたらすのに十分である量を意味する。作用物質の効果は、状態の物理的指標または所望の応答を評価することによって決定され得る。そのようなパラメータの任意の1つまたはパラメータの任意の組み合わせを測定することによって投与および/または処置の効果を観察することは、十分に当業者の能力の範囲内である。効果は、本明細書に記載される状態の、例えば、骨髄線維症または骨髄増殖性障害の処置用の動物モデルにおいて評価され得る。実験動物モデルを使用する場合、処置の効果は、マーカーに関して統計的に有意な変化が観察される場合に証明される。
【0117】
キット
本明細書に記載される1つの局面は、改変された内皮ニッチ細胞の集団、試薬、およびその使用説明書を含む、HSPCを培養するためのキットを提供する。別の局面は、Etsファミリー、Soxファミリー、または核ホルモンファミリーの1つまたは複数の転写因子をコードする1つまたは複数の外因性核酸配列を含むベクター、ならびにその使用説明書を含む、改変された内皮ニッチ細胞を生成するためのキットを提供する。本明細書に記載されるキットの1つまたは複数に含まれ得るキット成分は、本明細書に記載されている。
【0118】
いくつかの態様において、キットは、HSPCおよび/または内皮ニッチ細胞を培養するための有効量の試薬を含む。当業者に理解されているように、試薬は、使用前に培養された細胞と共に希釈され得る凍結乾燥形態または濃縮形態で供給され得る。好ましい配合物は、その細胞にとって非毒性である、および/または成長速度もしくは生存率等に影響しないものを含む。試薬は、アリコートまたは単位用量で供給され得る。
【0119】
いくつかの態様において、キットはさらに、プロモーターの制御下に、Etsファミリー、Soxファミリー、または核ホルモンファミリーの1つまたは複数の転写因子の遺伝子をコードする核酸を含むベクターを含む。
【0120】
いくつかの態様において、本明細書に記載される成分は、単独でまたはキットとして任意の組み合わせで提供され得る。キットは、本明細書に記載される成分、例えば、本明細書を通じて記載される、HSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)を含む組成物、例えばプロモーターの制御下にEtsファミリー、Soxファミリー、または核ホルモンファミリーの1つまたは複数の転写因子の遺伝子を含むベクターを含む組成物を含む。加えて、キットは、任意で、情報資料を含む。キットはまた、培養皿および/または培養皿をコーティングするための基質、例えばラミニン、フィブロネクチン、ポリ-L-リジンもしくはメチルセルロースを含み得る。
【0121】
いくつかの態様において、キット内の組成物は、いくつかの態様においてそのキットの他の成分を実質的に含まない水密または気密容器で提供され得る。例えば、HSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)成分は、2つ以上の容器で供給され得る、例えば、既定回数、例えば1、2、3回またはそれ以上の実験のための十分な試薬を含む容器で供給され得る。本明細書に記載される1つまたは複数の成分は、任意の形態、例えば、液体、乾燥または凍結乾燥形態で提供され得る。本明細書に記載される成分は、実質的に純粋および/または滅菌性であることが好ましい。本明細書に記載される成分が液体溶液で提供される場合、その液体溶液は、好ましくは水溶液であり、滅菌水溶液が好ましい。
【0122】
情報資料は、本明細書に記載される方法に関する説明、指示、広告または他の資料であり得る。キットの情報資料は、その形態に関して限定されない。1つの態様において、情報資料は、内皮ニッチ細胞および/またはHSPCの生成、濃度、使用期限日、バッチまたは製造場所情報等についての情報を含み得る。1つの態様において、情報資料は、キットの成分の使用または投与方法に関する。
【0123】
キットは、HSPCの分化および/または内皮ニッチ細胞の分化のマーカーの検出のための成分を含み得る。さらに、キットは、細胞マーカーに結合する1つもしくは複数の抗体、またはRT-PCRもしくはPCR反応、例えば半定量もしくは定量RT-PCRもしくはPCR反応のためのプライマーを含み得る。そのような成分は、内皮ニッチ細胞および/またはHSPCの成熟マーカーの活性化または未成熟細胞マーカーの消失を評価するために使用され得る。検出試薬が抗体である場合、それは、乾燥調製物、例えば凍結乾燥物、または溶液で供給され得る。抗体または他の検出試薬は、検出において使用するために、標識、例えば放射線、蛍光(例えば、GFP)または比色標識に連結され得る。検出試薬がプライマーである場合、それは、乾燥調製物、例えば凍結乾燥物、または溶液で供給され得る。
【0124】
キットは典型的に、その様々な要素と共に、1つのパッケージ、例えば、繊維ベースの、例えば厚紙製の、またはポリマー製の、例えばスタイロフォーム製のボックスに入れられて提供されるであろう。同封物は、内部と外部の間の温度差を維持するように構成され得る、例えば、それは、予め選択された時間、予め選択された温度で試薬を維持する断熱特性を提供し得る。
【0125】
ベクター
いくつかの態様において、本明細書に記載される因子の1つまたは複数は、組み換え発現ベクターまたはプラスミドにおいて発現される。本明細書で使用される場合、「ベクター」という用語は、導入遺伝子を宿主細胞に移入するのに適したポリヌクレオチド配列を表す。「ベクター」という用語は、プラスミド、ミニ染色体、ファージ、ネイキッドDNA等を含む。例えば、米国特許第4,980,285号;同第5,631,150号;同第5,707,828号;同第5,759,828号;同第5,888,783号および同第5,919,670号、ならびにSambrook et al, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Press (1989)を参照のこと。ベクターの1つのタイプは、追加のDNAセグメントがその中に連結される環状の二本鎖DNAループを表す「プラスミド」である。ベクターの別のタイプはウイルスベクターであり、この場合、追加のDNAセグメントはウイルスゲノムに連結される。特定のベクターは、それらを導入した宿主細胞内で自律複製することができる(例えば、細菌複製起点を有する細菌ベクターおよびエピソーム性哺乳類ベクター)。さらに、特定のベクターは、それらに機能的に連結された遺伝子の発現を誘導することができる。そのようなベクターは、本明細書で、「発現ベクター」と称される。一般に、組み換えDNA技術において有用な発現ベクターは、多くの場合、プラスミドの形態である。本明細書において、「プラスミド」および「ベクター」は、ベクターの最も一般的に使用される形態がプラスミドであるため、言い換え可能に使用される。しかし、本発明は、等価な機能を提供するそのような他の形態の発現ベクター、例えばウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス)を含むことが意図されている。
【0126】
クローニングベクターは、自律的に複製するまたは宿主細胞のゲノムに組み込まれることが可能であり、かつ1つまたは複数のエンドヌクレアーゼ制限部位によってさらに特徴づけられ、その部位でベクターが決定可能な様式で切断され得かつ新たな組み換えベクターが宿主細胞内で複製するその能力を保持しているようその部位に所望のDNA配列が連結され得るものである。プラスミドの場合、所望の配列の複製は、プラスミドが宿主細胞、例えば宿主細菌内でコピー数を増加させることにより複数回、または宿主が有糸分裂により複製される前に宿主につき1回限り起こり得る。ファージの場合、複製は、溶菌フェーズの間能動的にまたは溶原フェーズの間受動的に起こり得る。
【0127】
発現ベクターは、所望のDNA配列が、調節配列に機能的に接続されるよう制限および連結により挿入され得、かつRNA転写物として発現され得るものである。ベクターはさらに、そのベクターで形質転換またはトランスフェクトされたまたはされなかった細胞の識別において使用するのに適した1つまたは複数のマーカー配列を含み得る。マーカーは、例えば、抗生物質または他の化合物に対する耐性または感受性のいずれかを増加または減少させるタンパク質をコードする遺伝子、その活性が当技術分野で公知の標準的アッセイにより検出可能である酵素(例えば、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼまたはアルカリホスファターゼ)をコードする遺伝子、および形質転換またはトランスフェクトされた細胞、宿主、コロニーまたはプラークの表現型に視覚的に影響する遺伝子(例えば、緑色蛍光タンパク質)を含む。特定の態様において、本明細書で使用されるベクターは、自律複製およびそれらが機能的に接続されたDNAセグメントに存在する構造遺伝子産物の発現を行うことができる。
【0128】
本明細書で使用される場合、コード配列および調節配列は、コード配列の発現または転写が調節配列の影響または制御下に置かれるよう共有結合により連結される場合、「機能的に」接続されていると言われる。コード配列が機能的タンパク質に翻訳されることが望まれる場合、2つのDNA配列は、5’調節配列内プロモーターの誘導がコード配列の転写をもたらすとき、およびその2つのDNA配列の間の連結の性質が(1)フレームシフト変異の導入をもたらさない、(2)コード配列の転写を誘導するプロモーター領域の能力と干渉しない、または(3)タンパク質に翻訳される対応するRNA転写物の能力と干渉しないとき、機能的に接続されていると言われる。したがって、プロモーター領域は、生成される転写物が所望のタンパク質またはポリペプチドに翻訳され得るようにそのDNA配列の転写をもたらすことができる場合、コード配列に機能的に接続されているであろう。
【0129】
本明細書に記載される因子/ポリペプチドのいずれかをコードする核酸分子が細胞内で発現される場合、その発現を誘導するために様々な転写制御配列(例えば、プロモーター/エンハンサー配列)が使用され得る。プロモーターは、その遺伝子の発現の通常の調節を提供する天然プロモーター、すなわち内因的関係にあるその遺伝子のプロモーターであり得る。いくつかの態様において、プロモーターは、構成性であり得る、すなわち、プロモーターは調節されず、それに結合した遺伝子の継続的転写が行われる。様々な条件付きプロモーター、例えば、ある分子の存在または非存在により制御されるプロモーターも使用され得る。
【0130】
遺伝子発現に必要とされる調節配列の正確な性質は、種または細胞型の間で異なり得るが、一般に、必要に応じて、それぞれ転写および翻訳の開始に関与する5’非転写および5’非翻訳配列、例えば、TATAボックス、キャッピング配列、CAAT配列等を含み得る。特に、そのような5’非転写調節配列は、機能的に接続された遺伝子の転写制御のためのプロモーター配列を含む、プロモーター領域を含むであろう。調節配列はまた、所望の場合、エンハンサー配列または上流アクチベーター配列を含み得る。本発明のベクターは、任意で、5’リーダーまたはシグナル配列を含み得る。適切なベクターの選択および設計は、当業者の能力および裁量の範囲内で行われることである。
【0131】
発現に必要な要素をすべて含む発現ベクターは市販されており、当業者に公知である。例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989を参照のこと。細胞は、異種DNA(RNA)の細胞への導入によって遺伝的に改変される。その異種DNA(RNA)は、宿主細胞内での異種DNAの発現を実現するよう転写要素の機能的制御下に置かれる。
【0132】
いくつかの態様において、ベクターはpME Gatewayベクター(Invitrogen(商標))である。いくつかの態様において、ベクターはp5E Gateway(商標)ベクターである。いくつかの態様において、ベクターはpGEX2TK(商標)ベクターである。いくつかの他の態様において、ベクターはTOPO-TA(商標)ベクターである。
【0133】
非限定的に、本明細書に記載される遺伝子は、1つのベクターまたは別個のベクターに含まれ得る。例えば、Etsファミリー由来の少なくとも1つの遺伝子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1)およびSOXファミリー由来の少なくとも1つの遺伝子(例えば、SOX18、SOX7)およびNHRファミリー由来の少なくとも1つの遺伝子(例えば、RXRA、NR2F2)は、同じベクターに含まれ得る。
【0134】
いくつかの態様において、Etsファミリー由来の少なくとも1つの遺伝子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1)およびSOXファミリー由来の少なくとも1つの遺伝子(例えば、SOX18、SOX7)は第1のベクターに含まれ得、NHRファミリー由来の少なくとも1つの遺伝子(例えば、RXRA、NR2F2)は第2のベクターに含まれ得る。
【0135】
いくつかの態様において、NHRファミリー由来の少なくとも1つの遺伝子(例えば、RXRA、NR2F2)およびSOXファミリー由来の少なくとも1つの遺伝子(例えば、SOX18、SOX7)は第1のベクターに含まれ得、Etsファミリー由来の少なくとも1つの遺伝子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1)は第2のベクターに含まれ得る。
【0136】
いくつかの態様において、Etsファミリー由来の少なくとも1つの遺伝子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1)およびNHRファミリー由来の少なくとも1つの遺伝子(例えば、RXRA、NR2F2)は第1のベクターに含まれ得、SOXファミリー由来の少なくとも1つの遺伝子(例えば、SOX18、SOX7)は第2のベクターに含まれ得る。
【0137】
いくつかの態様において、Etsファミリー由来の少なくとも1つの遺伝子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1)は第1のベクターに含まれ得、SOXファミリー由来の少なくとも1つの遺伝子(例えば、SOX18、SOX7)は第2のベクターに含まれ得、NHRファミリー由来の少なくとも1つの遺伝子(例えば、RXRA、NR2F2)は第3のベクターに含まれ得る。
【0138】
いくつかの態様において、遺伝子に機能的に連結されるプロモーターは、ゼブラフィッシュubiプロモーターであり得る。
【0139】
いくつかの態様において、組み換え発現される遺伝子の1つまたは複数は、細胞のゲノムに組み込まれ得る。
【0140】
本発明の酵素をコードする核酸分子は、当技術分野において標準的な方法および技術を用いて細胞または細胞群に導入され得る。例えば、核酸分子は、標準的プロトコル、例えば化学的形質転換を含む形質転換およびエレクトロポレーション、形質導入、粒子衝突等によって導入され得る。本発明の酵素をコードする核酸分子の発現はまた、核酸分子をゲノムに組み込むことによっても達成され得る。
【0141】
定義
便宜上、本明細書、実施例および添付の特許請求の範囲で使用される一部の用語およびフレーズの意味を以下に提供する。それ以外のことが示されていない限り、または文脈から暗示されていない限り、以下の用語およびフレーズは、以下に提供される意味を含む。定義は、具体的実施態様の説明を補助するために提供され、特許請求の範囲に記載の発明を限定することは意図されておらず、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定される。それ以外のことが定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術および科学用語は、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者によって広く理解されているのと同じ意味を有する。当技術分野における用語の用法と本明細書に提供されるその定義の間に明らかな食い違いがある場合、本明細書内に提供される定義が優先されるべきである。
【0142】
便宜上、本願の明細書、実施例および添付の特許請求の範囲において用いられる特定の用語をここにまとめる。
【0143】
「減少(decrease)」、「減少(reduced)」、「減少(reduction)」または「阻害」という用語はすべて、統計的に有意な量の減少を意味するよう本明細書で使用される。いくつかの態様において、「減少(reduce)」、「減少(reduction)」または「減少(decrease)」または「阻害」は典型的に、参照レベル(例えば、特定の処置または作用物質の非存在)と比較して少なくとも10%の減少を意味し、例えば、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%またはそれ以上の減少を含み得る。本明細書で使用される場合、「減少」または「阻害」は、参照レベルと比較しての完全な阻害または減少を包含しない。「完全な阻害」は、参照レベルと比較しての100%阻害である。減少は好ましくは、特定の障害を有さない個体にとって正常範囲内として受け入れられるレベルへの低下であり得る。
【0144】
「増加(increased)」、「増加(increase)」、「増強」または「活性化」という用語はすべて、統計的に有意な量の増加を意味するよう本明細書で使用される。いくつかの態様において、「増加(increased)」、「増加(increase)」、「増強」または「活性化」という用語は、参照レベルと比較して少なくとも10%の増加、例えば、参照レベルと比較して少なくとも約20%、もしくは少なくとも約30%、もしくは少なくとも約40%、もしくは少なくとも約50%、もしくは少なくとも約60%、もしくは少なくとも約70%、もしくは少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%、もしくは100%を含む最大100%の増加、もしくは10~100%の間の任意の増加、または参照レベルと比較して少なくとも約2倍、もしくは少なくとも約3倍、もしくは少なくとも約4倍、もしくは少なくとも約5倍、もしくは少なくとも約10倍の増加、もしくは2倍~10倍の間の任意の増加もしくはそれ以上を意味し得る。マーカーまたは症状との関係で、「増加」は、そのようなレベルの統計的に有意な増加である。
【0145】
本明細書で使用される場合、「対象」は、ヒトまたは動物を意味する。通常、動物は脊椎動物、例えば霊長類、げっ歯類、家畜動物または狩猟動物である。霊長類は、チンパンジー、カニクイザル、クモザル、およびマカク、例えばアカゲザルを含む。げっ歯類は、マウス、ラット、ウッドチャック、フェレット、ウサギおよびハムスターを含む。家畜および狩猟動物は、ウシ、ウマ、ブタ、シカ、バイソン、バッファロー、ネコ種、例えばイエネコ、イヌ種、例えばイヌ、キツネ、オオカミ、トリ種、例えばニワトリ、エミュー、ダチョウ、およびサカナ、例えばマス、ナマズおよびサケを含む。いくつかの態様において、対象は哺乳類、例えば霊長類、例えばヒトである。「個体」、「患者」および「対象」という用語は、本明細書において言い換え可能に使用される。
【0146】
好ましくは、対象は哺乳類である。哺乳類は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマまたはウシであり得るが、これらの例に限定されない。ヒト以外の哺乳類は、骨髄線維症または骨髄増殖性障害の動物モデルに相当する対象として使用することができる利点がある。対象は、雄性または雌性であり得る。
【0147】
対象は、処置を必要とする状態(例えば、骨髄線維症もしくは骨髄増殖性障害)またはそのような状態に関係する1つもしくは複数の合併症を患っているまたは有すると以前に診断または特定されており、かつ任意で、骨髄線維症もしくは骨髄増殖性障害または骨髄線維症もしくは骨髄増殖性障害に関係する1つもしくは複数の合併症に対する処置を既に受けた者であり得る。あるいは、対象は、骨髄線維症もしくは骨髄増殖性障害または骨髄線維症もしくは骨髄増殖性障害に関係する1つもしくは複数の合併症を有すると以前に診断されていない者でもあり得る。例えば、対象は、骨髄線維症もしくは骨髄増殖性障害または骨髄線維症もしくは骨髄増殖性障害に関係する1つもしくは複数の合併症に関する1つまたは複数のリスク因子を示す者またはリスク因子を示さない対象であり得る。
【0148】
特定の状態に対する処置を「必要とする対象」は、その状態を有する対象、その状態を有すると診断された対象、またはその状態が発生するリスクがある対象であり得る。
【0149】
本明細書で使用される場合、「タンパク質」および「ポリペプチド」という用語は、隣接する残基のアルファ-アミノ基とカルボキシ基との間のペプチド結合によって相互に接続された一連のアミノ酸残基を示すよう本明細書において言い換え可能に使用される。「タンパク質」および「ポリペプチド」という用語は、そのサイズまたは機能に関わらず、修飾アミノ酸(例えばリン酸化、糖化、グリコシル化等)およびアミノ酸アナログを含むアミノ酸のポリマーを表す。「タンパク質」および「ポリペプチド」は、多くの場合、比較的大きなポリペプチドに対して使用され、一方「ペプチド」という用語は、多くの場合、小さなポリペプチドに対して使用されるが、当技術分野におけるこれらの用語の使用は重複している。遺伝子産物およびそのフラグメントを表す場合、「タンパク質」および「ポリペプチド」という用語は、本明細書において言い換え可能に使用される。したがって、例示的なポリペプチドまたはタンパク質は、遺伝子産物、天然タンパク質、ホモログ、オルソログ、パラログ、フラグメント、ならびに前記の他の等価物、変種、フラグメントおよびアナログを含む。
【0150】
本明細書に記載される様々な態様において、記載される特定のポリペプチドのいずれかの変種(天然に存在するもしくはそれ以外の)、対立遺伝子、ホモログ、保存的修飾変種および/または保存的置換変種が包含されることがさらに意図されている。アミノ酸配列に関して、当業者は、コードされる配列中の単一のアミノ酸または小さい比率のアミノ酸を変化させる核酸、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質配列に対する個々の置換、欠失または付加が、その変化があるアミノ酸を化学的に類似するアミノ酸と置換しつつそのポリペプチドの所望の活性を維持する「保存的修飾変種」であることを理解するであろう。そのような保存的修飾変種は、本開示にしたがう多型変種、種間ホモログおよび対立遺伝子を加えたものであり、これらを排除するものではない。
【0151】
特定のアミノ酸は、類似の生理化学的特性を有する残基によって、例えば、1つの脂肪族残基を別の脂肪族残基で(例えばIle、Val、LeuまたはAlaを相互に)置換することによって、または1つの極性残基と別の極性残基の(例えば、LysとArg;GluとAsp;またはGlnとAsnの間の)置換によって、置き換えられ得る。他のそのような保存的置換、例えば類似の疎水性特性を有する領域全体の置換、は周知である。保存的アミノ酸置換を含むポリペプチドは、所望の活性、例えばネイティブまたは参照ポリペプチドの転写因子活性および特異性が維持されていることを確認するために、本明細書に記載されるアッセイのいずれか1つにおいて試験され得る。
【0152】
アミノ酸は、(A. L. Lehninger, in Biochemistry, second ed., pp. 73-75, Worth Publishers, New York (1975)における)それらの側鎖の特性の類似性にしたがいグループ分けされ得る:(1)非極性:Ala(A)、Val(V)、Leu(L)、Ile(I)、Pro(P)、Phe(F)、Trp(W)、Met(M);(2)非荷電極性:Gly(G)、Ser(S)、Thr(T)、Cys(C)、Tyr(Y)、Asn(N)、Gln(Q);(3)酸性:Asp(D)、Glu(E);(4)塩基性:Lys(K)、Arg(R)、His(H)。あるいは、天然に存在する残基は、共通の側鎖の特性に基づきグループに分類され得る:(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;(3)酸性:Asp、Glu;(4)塩基性:His、Lys、Arg;(5)鎖の向きに影響する残基:Gly、Pro;(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーと別のクラスのメンバーとの交換を伴うものである。具体的な保存的置換は、例えば、AlaからGlyもしくはSerへ;ArgからLysへ;AsnからGlnもしくはHisへ;AspからGluへ;CysからSerへ;GlnからAsnへ;GluからAspへ;GlyからAlaもしくはProへ;HisからAsnもしくはGlnへ;IleからLeuもしくはValへ;LeuからIleもしくはValへ;LysからArg、GlnもしくはGluへ;MetからLeu、TyrもしくはIleへ;PheからMet、LeuもしくはTyrへ;SerからThrへ;ThrからSerへ;TrpからTyr;TyrからTrpへ;および/またはPheからVal、IleもしくはLeuへ、を含む。
【0153】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるポリペプチド(またはそのようなポリペプチドをコードする核酸)は、本明細書に記載されるアミノ酸配列の1つの機能的フラグメントであり得る。本明細書で使用される場合、「機能的フラグメント」は、本明細書中以下に記載されるアッセイにしたがい野生型参照ポリペプチドの活性の少なくとも50%を保持するペプチドのフラグメントまたはセグメントである。機能的フラグメントは、本明細書に開示される配列の保存的置換を含み得る。
【0154】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるポリペプチドは、本明細書に記載される配列の変種であり得る。いくつかの態様において、変種は、保存的修飾変種である。保存的置換変種は、例えば、ネイティブヌクレオチド配列の変異によって取得され得る。「変種」は、本明細書で言及される場合、ネイティブまたは参照ポリペプチドと実質的に相同であるが、1つまたは複数の欠失、挿入または置換によりネイティブまたは参照ポリペプチドのそれと相違するアミノ酸配列を有するポリペプチドである。変種ポリペプチドをコードするDNA配列は、ネイティブまたは参照DNA配列と比較して1つまたは複数のヌクレオチドの付加、欠失または置換を含むが、活性を保持している変種タンパク質またはそのフラグメントをコードする配列を含む。幅広い様々なPCRベースの部位特異的変異誘発アプローチが、当技術分野で公知となっており、当業者によって適用され得る。
【0155】
変種アミノ酸またはDNA配列は、ネイティブまたは参照配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれ以上同一であり得る。ネイティブ配列と変異配列の間の相同性の程度(パーセント同一性)は、例えば、この目的で一般的に用いられるワールドワイドウェブ上で自由に利用可能なコンピュータプログラム(例えば、デフォルト設定のBLASTpまたはBLASTn)を用いて2つの配列を比較することによって、決定され得る。
【0156】
ネイティブアミノ酸配列の変更は、当業者に公知の任意の多くの技術によって達成され得る。変異は、例えば、ネイティブ配列のフラグメントへの連結を可能にする制限部位に隣接して変異配列を含むオリゴヌクレオチドを合成することによって、特定の座に導入され得る。連結後、得られる再構築された配列は、所望のアミノ酸挿入、置換または欠失を有するアナログをコードする。あるいは、必要とされる置換、欠失または挿入により変更された特定のコドンを有する変更されたヌクレオチド配列を提供するために、オリゴヌクレオチド部位特異的変異誘発手順が用いられ得る。そのような変更を行う技術は、十分に確立されており、例えば、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる、Walder et al. (Gene 42:133, 1986);Bauer et al. (Gene 37:73, 1985);Craik (BioTechniques, January 1985, 12-19);Smith et al. (Genetic Engineering: Principles and Methods, Plenum Press, 1981);ならびに米国特許第4,518,584号および同第4,737,462号に開示されるものを含む。また、そのポリペプチドの適切な立体構造の維持に関与しない任意のシステイン残基が、その分子の酸化安定性を改善し、異常な架橋を防ぐために、通常セリンで、置換され得る。逆に、システイン結合は、その安定性を改善するためまたはオリゴマー化を促進するために、そのポリペプチドに付加され得る。
【0157】
本明細書で使用される場合、「核酸」または「核酸配列」という用語は、リボ核酸、デオキシリボ核酸またはそのアナログのユニットが組み込まれた任意の分子、好ましくはポリマー分子を表す。核酸は、一本鎖または二本鎖のいずれかであり得る。一本鎖核酸は、変性された二本鎖DNAの一方の核酸鎖であり得る。あるいは、それは、任意の二本鎖DNA由来でない一本鎖核酸であり得る。1つの局面において、核酸は、DNAであり得る。別の局面において、核酸はRNAであり得る。適当なDNAは、例えば、ゲノムDNAまたはcDNAを含み得る。適当なRNAは、例えば、mRNAを含み得る。
【0158】
「発現」という用語は、RNAおよびタンパク質の産生、ならびに適当な場合、タンパク質の分泌に関与する細胞プロセスを表し、適当な場合、例えば、転写、転写物プロセシング、翻訳ならびにタンパク質のフォールディング、修飾およびプロセシングを含むがこれらに限定されない。発現は、本発明の核酸フラグメントもしくはフラグメント群に由来するセンス(mRNA)もしくはアンチセンスRNAの転写および安定的蓄積ならびに/またはmRNAからポリペプチドへの翻訳を表し得る。
【0159】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるバイオマーカー、標的または遺伝子/ポリペプチドの発現は、組織特異的である。いくつかの態様において、本明細書に記載されるバイオマーカー、標的または遺伝子/ポリペプチドの発現は、広域的である。いくつかの態様において、本明細書に記載されるバイオマーカー、標的または遺伝子/ポリペプチドの発現は、全身的である。
【0160】
「発現産物」は、遺伝子から転写されるRNA、および遺伝子から転写されるmRNAの翻訳により得られるポリペプチドを含む。「遺伝子」という用語は、適切な調節配列に機能的に連結されているときに、インビトロまたはインビボで(DNAから)RNAに転写される核酸配列である。遺伝子は、そのコード領域に先行するおよび後続する領域、例えば、5’非翻訳(5’UTR)または「リーダー」配列および3’UTRまたは「トレイラー」配列、ならびに個々のコードセグメント(エクソン)間の介在配列(イントロン)を含む場合または含まない場合がある。
【0161】
本発明との関係において、「マーカー」は、対照対象(例えば、健常対象)から採取された同等のサンプルと比較して、骨髄線維症または骨髄増殖性障害を有する対象から採取されたサンプル中に示差的に存在する発現産物、例えば核酸またはポリペプチドを表す。「バイオマーカー」という用語は、「マーカー」という用語と言い換え可能に使用される。
【0162】
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法は、少なくとも1つのマーカーのレベルの測定、検出または決定に関する。本明細書で使用される場合、「検出」または「測定」という用語は、サンプル中に分析物が存在することを示す、例えばプローブ、標識または標的分子からの、シグナルの観察を表す。特定の標識部分を検出する当技術分野で公知の任意の方法が、検出のために使用され得る。例示的な検出方法は、分光分析、蛍光、光化学、生化学、免疫化学、電気、光学または化学的方法を含むがこれらに限定されない。任意の局面のいくつかの態様において、測定は、定量的観察であり得る。
【0163】
任意の局面のいくつかの態様において、本明細書に記載されるポリペプチド、核酸または細胞は、改変され得る。本明細書で使用される場合、「改変」は、人の手によって操作されたという局面を表す。例えば、ポリペプチドは、そのポリペプチドの少なくとも1つの局面、例えばその配列が、それが自然界で存在するときの局面と相違するよう人の手によって操作された場合、「改変された」とみなされる。一般的な実務であり、当業者によって理解されているように、改変された細胞の子孫は、典型的に、実際の操作が以前の細胞に対して行われていたとしても、「改変された」と称される。
【0164】
任意の局面のいくつかの態様において、本明細書に記載されるHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)は、外因性である。任意の局面のいくつかの態様において、本明細書に記載されるHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)は、異所性である。任意の局面のいくつかの態様において、本明細書に記載されるHSPC、改変された内皮ニッチ細胞および/または転写因子(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAもしくはNR2F2)は、内因性でない。
【0165】
「外因性」という用語は、その天然供給源以外の細胞に存在する物質を表す。「外因性」という用語は、本明細書で使用される場合、人の手が関与するプロセスによって、生物学的システム、例えばそれが通常見いだされずかつそのような細胞または生物に核酸またはポリペプチドを導入することが望まれる細胞または生物に導入された核酸(例えば、ポリペプチドをコードする核酸)またはポリペプチドを表し得る。あるいは、「外因性」は、例えば異所性発現またはレベルが確立されるよう、人の手が関与するプロセスによって、生物学的システム、例えばそれが比較的少量で見いだされかつその細胞または生物内の核酸またはポリペプチドの量を増加させることが望まれる細胞または生物に導入された核酸またはポリペプチドを表し得る。これに対して、「内因性」という用語は、その生物学的システムまたは細胞にとって生来的である物質を表す。本明細書で使用される場合、「異所性」は、通常でない場所および/または量で見いだされる物質を表す。異所性物質は、特定の細胞において通常見いだされるが、それはずっと少ない量でおよび/または異なる時点で見いだされるものであり得る。異所性はまた、特定の細胞においてその自然環境で本来的に見いだされないまたは発現されない物質、例えばポリペプチドまたは核酸を含む。
【0166】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるポリペプチド(例えば、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAまたはNR2F2ポリペプチド)をコードする核酸は、ベクターに含まれる。本明細書に記載される局面のいくつかにおいて、本明細書に記載される特定のポリペプチドをコードする核酸配列、またはその任意のモジュールは、ベクターに機能的に連結される。「ベクター」という用語は、本明細書で使用される場合、宿主細胞への送達または異なる宿主細胞間の移動のために設計された核酸構築物を表す。本明細書で使用される場合、ベクターは、ウイルスまたは非ウイルスであり得る。「ベクター」という用語は、適切な制御エレメントに結合されているときに複製することが可能であり、かつ遺伝子配列を細胞に移入することができる任意の遺伝子エレメントを包含する。ベクターは、クローニングベクター、発現ベクター、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体、ウイルス、ビリオン等を含み得るがこれらに限定されない。
【0167】
任意の局面のいくつかの態様において、ベクターは、組み換えである、例えば、それは、少なくとも2つの異なる供給源に由来する配列を含む。任意の局面のいくつかの態様において、ベクターは、少なくとも2つの異なる種に由来する配列を含む。任意の局面のいくつかの態様において、ベクターは、少なくとも2つの異なる遺伝子に由来する配列を含む、例えば、それは、融合タンパク質または少なくとも1つの非ネイティブ(例えば、異種)遺伝的制御エレメント(例えば、プロモーター、サプレッサー、アクチベーター、エンハンサー、応答エレメント等)に機能的に連結された発現産物をコードする核酸を含む。
【0168】
任意の局面のいくつかの態様において、本明細書に記載されるベクターまたは核酸は、コドン最適化される、例えば、その核酸配列のネイティブまたは野生型配列は、変更または改変された核酸がネイティブ/野生型配列と同じポリペプチド発現産物をコードするが、所望の発現システムにおいて改善された効率で転写および/または翻訳されるよう代替コドンを含むよう変更または改変される。任意の局面のいくつかの態様において、発現システムは、ネイティブ/野生型配列の供給源以外の生物(またはそのような生物から得られる細胞)である。任意の局面のいくつかの態様において、本明細書に記載されるベクターおよび/または核酸配列は、哺乳類または哺乳類細胞、例えばマウス、マウス細胞またはヒト細胞における発現のためにコドン最適化される。任意の局面のいくつかの態様において、本明細書に記載されるベクターおよび/または核酸配列は、ヒト細胞における発現のためにコドン最適化される。任意の局面のいくつかの態様において、本明細書に記載されるベクターおよび/または核酸配列は、酵母または酵母細胞における発現のためにコドン最適化される。任意の局面のいくつかの態様において、本明細書に記載されるベクターおよび/または核酸配列は、細菌細胞における発現のためにコドン最適化される。任意の局面のいくつかの態様において、本明細書に記載されるベクターおよび/または核酸配列は、大腸菌(E.coli)細胞における発現のためにコドン最適化される。
【0169】
本明細書で使用される場合、「発現ベクター」という用語は、そのベクター上の転写調節配列に連結された配列からのRNAまたはポリペプチドの発現を誘導するベクターを表す。発現される配列は、必ずそうであるとは限らないが、多くの場合、その細胞にとって異種のものであろう。発現ベクターは、さらなるエレメントを含み得る、例えば、発現ベクターは、2つの複製システムを有し得、したがってそれは2種の生物、例えば発現のためにヒト細胞においておならびにクローニングおよび増幅のために原核生物宿主において維持され得る。
【0170】
本明細書で使用される場合、「ウイルスベクター」という用語は、ウイルス起源の少なくとも1つのエレメントを含み、ウイルスベクター粒子にパッケージされる能力を有する核酸ベクター構築物を表す。ウイルスベクターは、非必須ウイルス遺伝子の位置に、本明細書に記載されるポリペプチドをコードする核酸を含み得る。ベクターおよび/または粒子は、インビトロまたはインビボのいずれかで任意の核酸を細胞に移入する目的で利用され得る。多くの形態のウイルスベクターが、当技術分野で公知である。
【0171】
本明細書に記載されるベクターは、いくつかの態様において、他の適切な組成物および治療と組み合わされ得ることが理解されるべきである。いくつかの態様において、ベクターは、エピソーム性である。適切なエピソーム性ベクターの使用は、対象において関心対象のヌクレオチドを高コピー数の染色体外DNAとして維持し、それによって染色体組み込みの潜在的影響を排除する手段を提供する。
【0172】
本明細書で使用される場合、「処置(treat)」、「処置(treatment)」、「処置(treating)」または「軽減」という用語は、その目的が疾患または障害、例えば骨髄線維症または骨髄増殖性障害に関連する状態の進行または重篤度を好転させる、緩和する、軽減する、阻害する、鈍化させるまたは停止させることである治療的処置を表す。「処置」という用語は、骨髄線維症または骨髄増殖性障害に関連する状態、疾患または障害の少なくとも1つの有害な影響または症状の減少または緩和を含む。処置は、通常、1つまたは複数の症状または臨床マーカーが減少する場合に「有効」である。あるいは、処置は、疾患の進行が低下または停止する場合に「有効」である。すなわち、「処置」は、処置の非存在下で予想されるものと比較しての、症状またはマーカーの改善だけでなく、症状の進行または悪化の停止または少なくとも鈍化も含む。有益または望ましい臨床結果は、検出可能であろうが検出不可能であろうが、1つもしくは複数の症状の緩和、疾患の規模の縮小、疾患の安定化(すなわち、悪化しない)状態、疾患の進行の遅延もしくは鈍化、疾患状態の軽減もしくは緩和、寛解(部分的か完全かによらず)、および/または死亡率の低下を含むがこれらに限定されない。疾患の「処置」という用語はまた、(緩和処置を含む)その疾患の症状または副作用からの解放の提供を含む。
【0173】
本明細書で使用される場合、「薬学的組成物」という用語は、薬学的に許容される担体、例えば製薬業界において広く使用されている担体と組み合わされた活性物質を表す。「薬学的に許容される」というフレーズは、本明細書において、妥当な医学的判断の範囲で、合理的な利益/リスク比の下、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適している化合物、物質、組成物および/または投薬形態を表すために使用される。任意の局面のいくつかの態様において、薬学的に許容される担体は、水以外の担体であり得る。任意の局面のいくつかの態様において、薬学的に許容される担体は、クリーム、乳濁物、ジェル、リポソーム、ナノ粒子および/または軟膏であり得る。任意の局面のいくつかの態様において、薬学的に許容される担体は、人工または改変担体、例えば、自然界ではその中に活性成分が見いだされないであろう担体であり得る。
【0174】
本明細書で使用される場合、「投与」という用語は、所望の部位への作用物質の少なくとも部分的な送達を達成する方法または経路による対象への本明細書に開示される化合物の投入を表す。本明細書に開示される化合物を含む薬学的組成物は、対象において有効な処置をもたらす任意の適当な経路によって投与され得る。いくつかの態様において、投与は、身体的なヒトの活動、例えば、注射、摂取行動、適用行動および/または送達デバイスもしくは機器の操作を含む。そのような活動は、例えば、医師および/または処置される対象により行われ得る。
【0175】
本明細書で使用される場合、「接触」は、少なくとも1つの細胞に作用物質を送達するまたは少なくとも1つの細胞に作用物質を暴露する任意の適切な手段を表す。例示的な送達方法は、細胞培養培地への直接送達、灌流、注入または当業者に周知の他の送達方法を含むがこれらに限定されない。いくつかの態様において、接触は、身体的なヒトの活動、例えば、注射、分配、混合および/もしくは注ぎ行動、ならびに/または送達デバイスもしくは機器の操作を含む。
【0176】
「統計的に有意」または「有意」という用語は、統計的有意性を表し、通常、2標準偏差(2SD)またはそれ以上の差を意味する。
【0177】
実施例を実施する以外では、またはそうでないことが示されていない限り、本明細書で使用される成分の量または反応条件を表すすべての数値は、すべての例において、「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。「約」という用語は、百分率に関連して使用される場合、±1%を意味し得る。
【0178】
本明細書で使用される場合、「含む」という用語は、定義された要素が存在することに加えて他の要素も存在し得ることを意味する。「含む」の使用は、限定ではなく包括を示している。
【0179】
「からなる」という用語は、その態様の説明の中で言及されていないあらゆる要素に対して排他的である、本明細書に記載される組成物、方法およびそれらの各要素を表す。
【0180】
本明細書で使用される場合、「から本質的になる」という用語は、特定の態様に必要とされる要素を表す。この用語は、本発明の態様の基本的かつ新規または機能的な特徴に実質的に影響しない追加の要素の存在を許容する。
【0181】
本明細書で使用される場合、「対応する」という用語は、第1のポリペプチドもしくは核酸における示されている位置のアミノ酸またはヌクレオチド、または第2のポリペプチドもしくは核酸における示されているアミノ酸もしくはヌクレオチドと等価なアミノ酸もしくはヌクレオチドを表す。等価な示されているアミノ酸またはヌクレオチドは、当技術分野で公知の相同性検索プログラム、例えばBLASTを用いる候補配列のアラインメントにより決定され得る。
【0182】
本明細書で使用される場合、「特異的結合」という用語は、第1の物体が非標的である第3の物体に結合するよりも高い特異性および親和性で第2の標的物体に結合する2つの分子、化合物、細胞および/または粒子間の化学的相互作用を表す。いくつかの態様において、特異的結合は、第3の非標的物体に対する親和性よりも少なくとも10倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍またはそれ以上高い第2の標的物体に対する第1の物体の親和性を表し得る。ある標的に特異的な試薬は、使用されるアッセイの条件下で標的に対する特異性を示すものである。
【0183】
単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈がそうでないことを明確に示していない限り、複数の参照を含む。同様に、「または、もしくは」という単語は、文脈がそうでないことを明確に示していない限り、「および、ならびに」を含むことが意図されている。本開示を実施または試験する際には本明細書に記載されているのと同様または同等の方法および材料を使用することができるが、以下には適切な方法および材料が記載されている。「例えば(e.g.)」という略語は、ラテン語のexempli gratiaに由来し、本明細書で非限定的な例を示すために使用される。したがって、「例えば(e.g.)」という略語は、「例えば(for example)」という用語と同義である。
【0184】
本明細書に開示される発明の択一的要素または態様のグループ化は、限定をなすものではない。各グループのメンバーは、個別にまたはグループの他のメンバーもしくは本明細書で見いだされる他の要素との任意の組み合わせで参照され、特許請求され得る。グループの1つまたは複数のメンバーは、便宜上および/または特許性の理由から、グループに包含され、またはグループから排除され得る。いかなるそのような包含または排除が行われたとしても、本明細書は、変更されたグループを含んでいる、したがって、添付の特許請求の範囲において使用されるすべてのマーカッシュグループの書面上の説明をなしているものとみなされる。
【0185】
本明細書でそれ以外の定義がなされていない限り、本願と関連して使用される科学および技術用語は、本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されている意味を有する。本発明は、本明細書に記載される特定の方法論、プロトコルおよび試薬等に限定されず、したがってそれらは変更され得ることが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明するためのものにすぎず、本発明の範囲を限定することを意図したものではなく、本発明の範囲はもっぱら特許請求の範囲によって定義されるものである。免疫学および分子生物学における一般用語の定義は、The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, 20th Edition, published by Merck Sharp & Dohme Corp., 2018 (ISBN 0911910190, 978-0911910421); Robert S. Porter et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Cell Biology and Molecular Medicine, published by Blackwell Science Ltd., 1999-2012 (ISBN 9783527600908);およびRobert A. Meyers (ed.), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference, published by VCH Publishers, Inc., 1995 (ISBN 1-56081-569-8); Immunology by Werner Luttmann, published by Elsevier, 2006; Janeway's Immunobiology, Kenneth Murphy, Allan Mowat, Casey Weaver (eds.), W. W. Norton & Company, 2016 (ISBN 0815345054, 978-0815345053); Lewin's Genes XI, published by Jones & Bartlett Publishers, 2014 (ISBN-1449659055); Michael Richard Green and Joseph Sambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 4th ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., USA (2012) (ISBN 1936113414); Davis et al., Basic Methods in Molecular Biology, Elsevier Science Publishing, Inc., New York, USA (2012) (ISBN 044460149X); Laboratory Methods in Enzymology: DNA, Jon Lorsch (ed.) Elsevier, 2013 (ISBN 0124199542); Current Protocols in Molecular Biology (CPMB), Frederick M. Ausubel (ed.), John Wiley and Sons, 2014 (ISBN 047150338X, 9780471503385), Current Protocols in Protein Science (CPPS), John E. Coligan (ed.), John Wiley and Sons, Inc., 2005; and Current Protocols in Immunology (CPI) (John E. Coligan, ADA M Kruisbeek, David H Margulies, Ethan M Shevach, Warren Strobe, (eds.) John Wiley and Sons, Inc., 2003 (ISBN 0471142735, 9780471142737)において見いだされ得、これらの内容はすべて、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0186】
他の用語は、本明細書において、本発明の様々な局面の説明の中で定義されている。
【0187】
本願を通じて引用されている、参考文献、発行された特許、公開された特許出願および同時係属中の特許出願を含む、すべての特許およびその他の刊行物は、明示的に、例えば本明細書に記載される技術と関連して使用され得るそのような刊行物に記載される方法論を、説明および開示する目的で、参照により本明細書に組み入れられる。これらの刊行物は、それらの開示が本願の出願日より以前に行われたために提供されるにすぎない。これに関するいかなる事情も、本発明者らが、それが先行発明であるためまたは任意のその他の理由によりそのような開示よりも先の日付を主張する資格を有さないことの承認とみなされるべきではない。これらの書類の日付に関する言及または内容に関する表示はすべて、出願人が入手し得た情報に基づいており、これらの書類の日付または内容の正確性に関する承認とはならない。
【0188】
本開示の態様の説明は、排他的であることまたは本開示を開示された正確な形態に限定することを意図していない。本開示の個々の態様および実施例は例示目的で本明細書に記載されるにすぎず、関連技術分野の当業者が認識するように、本開示の範囲内で様々な等価な変更が可能である。例えば、方法の工程または機能はある順で示されているが、代替の態様は異なる順で機能を実施し得、または機能は実質的に同時に実施され得る。本明細書に提供される開示の技術は、適当な場合、他の手順または方法に適用することができる。本明細書に記載される様々な態様は、さらなる態様を提供するよう組み合わせることができる。本開示の局面は、必要に応じて、本開示のなおさらなる態様を提供するために、上記参考文献および出願の組成、機能および技術思想を利用するよう変更され得る。さらに、生物学的機能の等価性を考慮して、種類および量の面でその生物学的または化学的作用に影響を与えずに、一定の変更がタンパク質構造に加えられ得る。これらおよびその他の変更は、詳細な説明に照らして本開示に対して行うことができるものである。すべてのそのような変更は、添付の特許請求の範囲内に包含されることが意図されている。
【0189】
上記態様のいずれかの個々の要素は、他の態様の要素と組み合わせることができまた他の態様の要素で置き換えることができる。さらに、本開示の特定の態様に関連する利点は、これらの態様との関係で記載されているが、他の態様もまたそのような利点を示し得、そしてすべての態様が本開示の範囲に包含されるためにそのような利点を示すことを必要とするものではない。
【0190】
本明細書に記載される技術は、以下の実施例によってさらに例証されるが、これらはいかなる事情によってもさらなる限定とみなされるべきでない。
【0191】
本明細書に記載される技術のいくつかの態様は、以下の番号が付された段落のいずれかにしたがい定義することができる。
1.
内皮ニッチ細胞を生成/改変する方法であって、内皮細胞において1つまたは複数の転写因子を発現させる工程を含み、1つまたは複数の転写因子が、Etsファミリー、Soxファミリー、および/または核ホルモン受容体ファミリーに由来する、方法。
2.
内皮ニッチ細胞が、sele、exoc312a、snx8a、cltca、aqp7、ap1b1、lgmn、prcp、cldn11a、lyve1b、adra1d、hya12a、hya12b、tll1、i113ra2、glu1a、hexb、slc16a9aまたはsepp1aを含む1つまたは複数の遺伝子を発現する、前記パラグラフのいずれか1つの方法。
3.
内皮細胞がヒトである、前記パラグラフのいずれか1つの方法。
4.
転写因子が、ヒト転写因子ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAまたはNR2F2のうち少なくとも1つを含む、前記パラグラフのいずれか1つの方法。
5.
転写因子が、Etsファミリー由来の少なくとも1つの転写因子、Soxファミリー由来の少なくとも1つの転写因子、および核ホルモン受容体ファミリー由来の少なくとも1つの転写因子を含む、前記パラグラフのいずれか1つの方法。
6.
転写因子が、ETV2、FLI1、ETS1、SOX18、SOX7、RXRAおよびNR2F2を含む、前記パラグラフのいずれか1つの方法。
7.
転写因子が、少なくとも1つのベクターから発現される、前記パラグラフのいずれか1つの方法。
8.
ベクターが、1つまたは複数の転写因子をコードする外因性核酸配列を含む、前記パラグラフのいずれか1つの方法。
9.
外因性核酸配列が、内皮細胞のゲノムに組み込まれる、前記パラグラフのいずれか1つの方法。
10.
1つまたは複数の転写因子をコードする1つまたは複数の外因性核酸配列を含む改変された内皮ニッチ細胞であって、1つまたは複数の転写因子が、Etsファミリー、Soxファミリー、および/または核ホルモンファミリーに由来する、改変された内皮ニッチ細胞。
11.
パラグラフ10の改変された内皮ニッチ細胞を含む、組成物。
12.
治療剤である、または薬学的に許容される担体をさらに含む、前記パラグラフのいずれか1つの組成物。
13.
培養皿、3D細胞システムまたは懸濁システムをさらに含む、前記パラグラフのいずれか1つの組成物。
14.
スキャホールドを含む、前記パラグラフのいずれか1つの組成物。
15.
HSPCを培養するための方法であって、改変された内皮ニッチ細胞の集団の存在下でHSPCを培養する工程を含む、方法。
16.
インビトロで実施される、前記パラグラフのいずれか1つの方法。
17.
改変された内皮ニッチ細胞が、HSPC細胞の成長および/または拡張に影響する因子を分泌する、前記パラグラフのいずれか1つの方法。
18.
改変された内皮ニッチ細胞の存在下で培養されるHSPCが、そのような改変された内皮ニッチ細胞の非存在下で培養されるHSPCよりも少なくとも3(例えば、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7)日間長く培養され得る、前記パラグラフのいずれか1つの方法。
19.
前記細胞が、生物学的に適合するスキャホールド上で培養される、前記パラグラフのいずれか1つの方法。
20.
改変された内皮ニッチ細胞の存在下で培養されたHSPCが、対象に投与されたときに、改変された内皮ニッチ細胞と共に培養されなかった実質的に類似するHSPCの生着と比較して向上した生着を示す、前記パラグラフのいずれか1つの方法。
21.
対象を処置する方法であって、HSPCおよび改変された内皮ニッチ細胞の集団を含む組成物を対象に移植する工程を含む、方法。
22.
HSPCの生着を向上させるための方法であって、HSPCおよび改変された内皮ニッチ細胞の集団を含む組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、方法。
23.
HSPCの生着が、改変された内皮ニッチ細胞の非存在下での実質的に類似するHSPCの生着と比較して少なくとも10%向上する、前記パラグラフのいずれか1つの方法。
24.
改変された内皮ニッチ細胞およびHSPCを含む、共培養物。
25.
内皮細胞が、前記パラグラフのいずれか1つの方法によって生成される、パラグラフ24の共培養物。
26.
改変された内皮ニッチ細胞の集団、試薬、およびその使用説明書を含む、HSPCを培養するためのキット。
27.
Etsファミリー、Soxファミリー、または核ホルモンファミリーの1つまたは複数の転写因子をコードする1つまたは複数の外因性核酸配列を含むベクター、およびその使用説明書を含む、改変された内皮ニッチ細胞を生成するためのキット。
28.
異所性血管ニッチを生成するための方法であって、改変された内皮ニッチ細胞を、それを必要とする対象内の標的部位に投与する工程を含む、方法。
29.
骨髄外造血のための方法であって、改変されたニッチ内皮細胞を、対象における骨髄の外側の部位(例えば、前腕部)に移植し、それによって人工ニッチを作製する工程を含む、方法。
30.
内皮細胞が、前記パラグラフの方法のいずれかによって作られる、前記パラグラフのいずれか1つの方法。
31.
プロモーターに機能的に連結された、Etsファミリー、Soxファミリー、または核ホルモンファミリーの1つまたは複数の転写因子をコードする1つまたは複数の外因性核酸配列を含む、ベクター。
【実施例0192】
実施例1
インビボにおける血管血液幹細胞ニッチの転写因子の誘導
造血ニッチは、造血幹・前駆細胞(HSPC)と直接相互作用し幹細胞機能を促進する特化した血管内皮細胞を含む様々な細胞型から構成される支援的なインビボ微小環境である。ニッチ内皮細胞およびそれらの造血促進活性を決定する分子的因子は、大部分が不明のままである。多次元遺伝子発現分析およびクロマチンアクセス性アッセイを用いて、HSPCニッチ内の類洞内皮細胞に固有の、保存された遺伝子発現シグネチャーおよびシス調節の概要を、本明細書で定義する。エンハンサーの変異および転写因子の過剰発現を用いて、インビボでHSPCを動員しそれらのホメオスタシスを支持する異所性ニッチ内皮細胞を誘導するのに十分な、Ets、Soxおよび核ホルモン受容体ファミリーのメンバーを含む転写コードを解明した。まとめると、これらの研究は、治療状況下での、血液幹細胞のためのより効果的な人工血管ニッチの生成またはそのニッチの調整に関する重要な示唆を含んでいる。
【0193】
結果
胎児性HSPCニッチに固有の内皮遺伝子発現シグネチャー
異なる器官由来のECは異なる遺伝子を発現するが、これが器官特異的な転写プログラムによって調節されているかどうかは、ほとんど理解されていない。CHTニッチにおける遺伝子発現の調節を調査するため、受精後72時間(hpf;例えば、
図1Aを参照のこと)のゼブラフィッシュ尾に対してRNAトモグラフィー(tomo-seq)を行った。このtomo-seq分析は、脊髄、脊索、筋肉および表皮を含む、尾の背腹軸に沿う個々の組織ならびに個々の血液および免疫細胞集団に対応する遺伝子発現クラスターを明らかにした(例えば、
図1B、
図7A、
図7Bを参照のこと)。合計で、144個の遺伝子が、CHTをまたぐいくつかの凍結切片内でのエンリッチされている発現を示した(例えば、表3を参照のこと)。ホールマウントインサイチューハイブリダイゼーション(WISH)を用いて、これらの遺伝子のうちの35個のCHT発現を確認した(例えば、表3を参照のこと;ワールドワイドウェブ上のzfin.orgで入手可能な画像)。144個の遺伝子のいずれがECによって発現されたものであるかどうかを決定するため、内皮共通導入遺伝子kdr1:GFPおよび蛍光活性化細胞選別(FACS)を用いて、バルクおよび単一細胞RNA-seqのためにECを単離した(例えば、
図1Cを参照のこと)。加えて、これらの遺伝子を、マクロファージおよび好中球RNA-seqデータセット(例えば、Theodore et al. Distinct Roles for Matrix Metalloproteinases 2 and 9 in Embryonic Hematopoietic Stem Cell Emergence, Migration, and Niche Colonization. Stem cell reports 8, 1226-1241, 2017を参照のこと)と相互参照させた。29個の遺伝子が、CHT ECに選択的にエンリッチされたと同定された(例えば、表1を参照のこと)。内皮共通遺伝子とは対照的に、これらのCHT内皮遺伝子のtomo-seq発現トレースは、背側血管における発現に対応する強いピークを欠いていた(例えば、
図1Dを参照のこと)。29個の遺伝子のうちの25個について、CHT ECエンリッチ発現がWISHにより確認された(例えば、
図1E、
図7A、
図7Bおよび表1を参照のこと)。
【0194】
CHT ECを選択的に単離するため、これらの細胞を標識するようトランスジェニック株を設計した。GFPレポーター導入遺伝子を作製するために、2つのCHT内皮遺伝子mrc1aおよびseleについて、1.3または5.3 kbの上流調節配列をクローン化し、ついでこれを内皮共通マーカーkdr1:mCherryと組み合わせた。mrc1a:GFPおよびsele:GFP導入遺伝子の両方について、最も高いレベルの発現がCHTの静脈性類洞血管において観察され、低いレベルのGFP発現が、卵黄伸長部上の後主静脈および頭部の少数の血管において観察された(例えば、
図8A~
図8Eを参照のこと)。GFP発現は外側尾ひれの間葉系細胞においても観察されたが、これらの細胞は、異所性導入遺伝子発現の頻発部位であり、これらの遺伝子の内因性発現を表すものではない。注目すべきは、確かなGFP発現が、HSPCと直接相互作用する類洞ECにおいて観察されたことであり、これにより、mrc1a:GFPおよびsele:GFP導入遺伝子がHSPCニッチ内のECを標識したことが確認された(例えば、
図8A~
図8Eを参照のこと)。これらのGFP
+ ECは、cxcl12a:DsRed2
+間質細胞に密着し、HSPCを囲むポケットを形成すること - CHTニッチ内のECに特徴的な細胞挙動、が観察された(例えば、
図8A~8Eを参照のこと)。
【0195】
内皮ニッチ特異的シス調節エレメント
CHT EC内でのニッチ特異的遺伝子発現の転写制御を調査するため、二重陽性mrc1a:GFP/kdr1:mCherry胚を解体し、RNA-seqおよびATAC-seq分析のためにFACSを使用して4つの異なる集団:GFP
+/mCherry
+(CHT EC)、GFP
-/mCherry
+(CHT外のEC)、GFP
+/mCherry
-(尾ひれの間葉系細胞)、およびGFP
-/mCherry
-(この胚の陰性の残りの部分、例えば、
図2Aを参照のこと)を単離した。4つの集団の間でクロマチンアクセス可能領域を比較することによって、CHT ECにおいて6,848個の独特に開放型となっている領域を同定した。29個のCHT EC遺伝子のうち、29個中26個が、CHT EC内でのみ見いだされた転写開始部位の100 kb内にATAC-seqエレメントを有していた(例えば、
図2B、表1を参照のこと)。これらの領域が組織特異的エンハンサーであり得るかどうかを試験するため、これらのエレメントのうちの15個について配列をクローン化し、ついでこれを最小プロモーターおよびGFPに融合し、ゼブラフィッシュ胚に注入した。15個の構築物のうちの12個が、60~72 hpfでCHT ECにエンリッチされているGFP発現を示した(例えば、
図2C、表2を参照のこと)。対照として、以前にアノテーション付けされた血管特異的遺伝子に対する近さ、ならびにCHTおよび非CHT ECの両方の画分におけるそれらのアクセス性に基づき、内皮共通調節エレメントを含むと予想されたクロマチンの領域をクローン化した(例えば、
図9A~9C、表2を参照のこと)。これらの領域の多数は、内皮エンハンサーを含むことが以前に示されている(例えば、Quillien et al. Robust Identification of Developmentally Active Endothelial Enhancers in Zebrafish Using FANS-Assisted ATAC-Seq. Cell reports 20, 709-720, 2017を参照のこと)。6つの内皮共通領域のうちの6つについて、ECにおけるモザイク様のGFP発現が、CHTに拘束されていない胚を通じて観察された(例えば、
図9A~9Cを参照のこと)。したがって、このゼブラフィッシュシステムは、ATAC-seq分析により予測されたニッチ特異的内皮エンハンサーを、インビボで迅速に検証することができた。
【0196】
ニッチ内皮発現のための転写因子結合部位
CHT ECエンハンサーに結合し得る転写因子を同定するため、CHT ECにおいて独特にアクセス可能であった6,848個のクロマチン領域に対してモチーフエンリッチメント分析を行った。この分析は、Ets、Sox(具体的には、SoxF因子)および核ホルモン受容体(具体的には、NR2F2/RORA/RXRA因子;本明細書中、以後、NHRと省略される)結合モチーフが、この6,848領域において最もエンリッチされていることを明らかにした(例えば、
図9A~
図9Cを参照のこと)。これに対して、Ets部位はエンリッチされていたがSoxFまたはNHR結合モチーフはエンリッチされていなかった内皮共通エレメント(すなわち、CHTおよび非CHTの両ECにおいてアクセス可能なクロマチンの領域)が、ゲノムを通じて4,522個存在した(例えば、
図9A~
図9Cを参照のこと)。注目されるのは、インビボレポーターアッセイにおいてGFP発現を誘導した12のCHT-ECエレメントはすべて、Ets、SoxFおよびNHR部位を有しており、GFP発現を誘導しなかった3つのCHT-ECエレメントのうちの1つおよび6つの内皮共通領域のうちの3つが、NHR結合部位を欠いていたことである(例えば、表2を参照のこと)。
【0197】
CHT EC発現を誘導するのに十分な最小配列を決定するため、mrc1aの上流の125塩基対(bp)配列およびseleの上流の158 bp配列をクローン化し、これらの配列を我々独自の導入遺伝子に含めた。そしてこれらは、これらの領域における最も強いATAC-seqシグナルに対応していた(例えば、
図3A、
図10A~
図10Eを参照のこと)。最小プロモーターに連結したとき、これらのエレメントは、注入した胚の44%(125 bp mrc1a配列;356個のうちの155個)および23%(158 bp sele配列;775個のうちの176個)において、CHT EC内でGFP発現を誘導した(例えば、
図3B、
図10A~
図10Eを参照のこと)。胚全体のECでモザイク様の発現が観察されたkdr1:mCherry構築物の注入と比較して、mrc1aおよびseleエンハンサー-GFP構築物の発現は、CHT ECに限定された(例えば、
図3C、
図10A~10Eを参照のこと)。さらに、これらの短い構築物を用いて安定的なトランスジェニック系統を樹立すると、GFPは、CHT ECにおいて特異的に発現された(例えば、
図3D、
図10A~
図10Eを参照のこと)。哺乳類Mrc1は主としてマクロファージおよび静脈類洞ECにより発現される。ゼブラフィッシュは、2つの相同遺伝子mrc1aおよびmrc1bを有している。mrc1aの最近の研究は、プロモーターがmrc1bとの保存を示すイントロン性エンハンサーに連結されたときにマクロファージおよびECの両方において発現されることを報告した(例えば、Jung et al. Development of the larval lymphatic system in zebrafish. Development 144, 2070-2081, 2017を参照のこと)。125 bpエンハンサーエレメントは、これに対して、CHT ECにおいて特異的に発現を誘導し、そのエンハンサーの特異性を示した。
【0198】
125 bp mrc1aおよび158 bp seleの両方の調節配列は、Ets、SoxFおよびNHRモチーフを含んでいた(例えば、
図3E、
図10A~10Eを参照のこと)。これらの転写因子結合部位が発現に必要とされるかどうかを試験するため、各クラスのモチーフを変異により破壊した変種を作製した。各々の例において、Ets、SoxFまたはNHRモチーフの破壊は、CHT ECにおけるGFP発現の有意な減少または完全な消失をもたらした(例えば、
図3Fを参照のこと)。Ets、SoxFおよびNHRモチーフの間の介在配列を変異の標的とした対照構築物において、GFP発現は妨げられなかった(例えば、
図3Fを参照のこと)。ゼブラフィッシュにおける動脈・静脈特化の研究は、COUP-TFIIとしても公知のNHR Nr2f2が静脈内皮細胞運命を促進することを示した(例えば、Aranguren et al. Transcription factor COUP-TFII is indispensable for venous and lymphatic development in zebrafish and Xenopus laevis. Biochemical and biophysical research communications 410, 121-126, 2011を参照のこと)。Nr2f2がエンハンサー配列に直接結合することができるかどうかを試験するため、インビトロゲル電気泳動移動度シフトアッセイを行った。マウスNR2F2-GSTタンパク質と125 bp mrc1aまたは158 bp seleゼブラフィッシュエンハンサーのいずれか由来の標識プローブとのインキュベーションは、NR2F2抗体の添加によりスーパーシフトし、かつ非標識競合プローブにより打ち消すことができたDNA:タンパク質複合体を生じた(例えば、
図10A~
図10Eを参照のこと)。しかし、NHRモチーフを変異させた非標識プローブは、野生型プローブを打ち消すことができず、これによりNR2F2が配列特異的な様式でこれらのNHRモチーフに結合することが示された。
【0199】
決められた因子がニッチ内皮発現を誘導する
転写因子がインビボでCHT ECにおいて発現され、Ets、SoxおよびNHRモチーフに結合し得ることを決定するため、CHT ECからのRNA-seqデータを試験した。最も高度に発現された因子は、fli1a、etv2、ets1、sox18、sox7、nr2f2およびrxraaであった(例えば、表4を参照のこと)。これらの7つの因子がCHT外でニッチ内皮遺伝子の発現を誘導することができるかどうかを試験するため、各転写因子のオルソログをユビキタス(ubi)プロモーターの制御下に置いた構築物を作製した(例えば、
図4Aを参照のこと)。ついで、この7つのubi誘導因子のプールを、単一細胞段階のゼブラフィッシュ胚に注入し、60~72hpfでmrc1aおよびsele発現をWISHにより試験した。注目すべきことに、これらの胚のうちの17%(69個中12個)が、胴部および尾の背側、および卵黄上に、CHT外mrc1a発現の異所性血管区画を有していた(例えば、
図4B、
図11A~
図11Cを参照のこと)。対照を注入した胚は、異所性発現を示さなかった(56個中0個)。同様の結果が、seleに対するWISHにおいてまたは因子をmrc1a:GFP/kdr1:mCherry二重トランスジェニック胚に注入したときに得られた(例えば、
図4B~
図4C、
図11A~
図11Cを参照のこと)。mrc1aを異所的に発現する血管は、しばしば、これらの領域においてそれらの正常な対応物よりも大きく、CHTと類似する類洞様形態を有していた(例えば、
図4Cを参照のこと)。DIC顕微鏡を用いて、これらの領域を通る血流を可視化した(データ示さず)。これらのデータは、少数の転写因子がニッチ内皮遺伝子プログラムを異所的に誘導するのに十分であることを示唆している。
【0200】
この、125 bp mrc1aおよび158 bp seleエンハンサーの変異分析が、Ets、SoxおよびNHRファミリーの各々の因子が発現に必要とされることを示したことから、3つの因子のみ(各ファミリーから1つ)の組み合わせがニッチ内皮遺伝子発現を誘導するのに十分かどうかの実験を行った。ETV2は、初期中胚葉前駆体から血管細胞運命への特化に必要とされる先駆的因子である。非血管細胞におけるETV2の強制的発現は、多くのタイプの血管系を生成することができる初期内皮運命への再プログラムを誘導する。ゼブラフィッシュにおける以前の研究は、動脈・静脈特化の間のSoxF因子(sox7およびsox18)ならびにnr2f2の重要性を示した(例えば、Swift et al. SoxF factors and Notch regulate nr2f2 gene expression during venous differentiation in zebrafish. Developmental biology 390, 116-125, 2014を参照のこと)。これらの因子のうちの3つ - ETV2、SOX7およびNr2f2 - の組み合わせは、異所性ニッチ内皮遺伝子発現を誘導するのに十分であり得た。これと一致して、これらの3つの因子を注入したとき、十分な異所性mrc1a発現が観察された(例えば、
図4D~
図4Fを参照のこと)。3つの因子により生成される異所性血管の出現率は7因子プールよりも高く、これにより、因子の濃度が機能的重要性を有することが示唆された。注入された胚は、sele、gpr182およびlgmnの異所性発現を同様に示し、これにより3因子プールがニッチ内皮プログラムを誘導したことが示された(例えば、
図11A~
図11Cを参照のこと)。
【0201】
個々の転写因子の寄与を評価するため、各因子を単独で注入し、mrc1aについてWISHを行った。SOX7またはNr2f2を単独で注入した胚は、最も少ない異所性発現を示した(例えば、
図4Fを参照のこと)。ETV2単独の注入は、mrc1aの異所性発現をもたらしたが、ETV2をSOX7およびNr2f2と組み合わせて注入したときよりも低頻度であり、これにより、追加の因子が異所性誘導を増大させることが示された(例えば、
図4F、
図12~
図12Dを参照のこと)。ETV2単独の注入は、内因性ゼブラフィッシュsox7遺伝子ならびにsox18、fli1aおよびetv2の異所性発現を誘導し、これによりヒトETV2が、動脈、静脈およびニッチ内皮遺伝子を含む様々なゼブラフィッシュ内皮遺伝子プログラムを誘導することができることが示された(例えば、
図12~
図12Dを参照のこと)。内因性ets1およびnr2f2はCHT外で広く(例えば、脊髄領域において)発現されるので、それらが同様にETV2過剰発現によって誘導されたかどうかを可視化することは困難であった(例えば、
図12~
図12Dを参照のこと)。ETS1は、ピークにおいてエンリッチなコンセンサスETSモチーフに結合する能力を有し、ニッチECにおいて適当なレベルで発現される。ETV2とは対照的に、ETS1単独の過剰発現は、幅広い血管誘導または異所性mrc1a発現をもたらさなかった(例えば、
図4Fを参照のこと)。しかし、ETS1、SOX7およびNr2f2の注入は、mrc1aの有意な異所性発現をもたらし、このことは、これらの転写因子の組み合わせ活性を示している(例えば、
図4E、
図4F、
図12~
図12Dを参照のこと)。特に、この7つの初期転写因子の各々をコードするゼブラフィッシュ遺伝子は、CHT EC画分において独特にアクセス可能であるそれらと結合するクロマチンの領域を有し、かつEts、SoxFおよびNHR部位を有しており(例えば、表5を参照のこと)、これにより、これらの因子が、再プログラム時に確立される自己調節ループと同様に相互を調節することが示された。したがって、ETV2またはETS1のいずれかとSoxおよびNHR因子を含む3つの因子の組み合わせの過剰発現は、72 hpfのニッチECにおけるこれらの因子の内因性発現を模倣し、ニッチ内皮遺伝子プログラムの確実な特化を誘導する。
【0202】
異所性血管領域はHSPCを動員する
次に、異所性CHT EC遺伝子発現領域がHSPCを動員および支援することができるかどうかを試験した。ETV2、SOX7およびNr2f2プールをmrc1a:GFP/runx1:mCherry二重陽性トランスジェニック胚に注入し、runx1:mCherry
+ HSPCの局在を試験した。注目すべきは、mrc1a:GFPの異所性血管区画を有した22個の胚のうちの12個において、HSPCがこれらの領域に局在化することが観察されたことである(例えば、
図5Aを参照のこと)。これに対して、27個の対照胚のうちの0個が、異所的に局在化されたHSPCを有した。runx1
+ HSPCの同様の異所的に局在化が、runx1 WISHによりおよびETS1、SOX7およびNr2f2の組み合わせを注入された胚において観察された(例えば、
図5A、
図5Bを参照のこと)。
【0203】
これらの異所性領域がHSPCの支援環境を提供するかどうかを評価するため、高解像度生細胞共焦点顕微鏡を用いて、これらの部位におけるHSPCの挙動およびECとの相互作用をより詳しく試験した。この分析は、異所性部位においてHSPCがmrc1a:GFP
+ ECに直接付着し、管腔内および血管外の両方の空間で見いだされ得ることを明らかにした。異所性mrc1a:GFP
+ ECは、CHTにおいて観察されるものと同様、しばしばcxcl12a:DsRed2
+間質細胞に付着し、HSPCを囲むポケットを形成した(例えば、
図5A、
図5Cを参照のこと)。経時的顕微鏡検査を用いて、HSPCの初期動員、滞在および分裂がこれらの部位において観察されたことが注目される(例えば、
図5Dを参照のこと)。HSPCが分裂すると、娘細胞は異所性部位から出て移動して循環に入り、おそらくその後のニッチに移動した(例えば、
図5Eを参照のこと)。まとめると、これらのデータは、ニッチ内皮遺伝子プログラムを誘導する3つの因子による再プログラムがHSPCを動員および維持することができる機能的異所性ニッチを生成することを示している。
【0204】
HSPCニッチにおける保存された内皮シグネチャー
類似の内皮発現シグネチャーが成体ゼブラフィッシュニッチに存在するかどうかを決定するため、mrc1a:GFPおよびsele:GFP導入遺伝子を試験し、両方の系統が腎髄のECにおいてGFP発現を有することが見いだされた(例えば、
図13A、
図13Bを参照のこと)。加えて、ゼブラフィッシュ腎髄の単一細胞RNA-seqデータセットを試験した(例えば、Tang et al. Dissecting hematopoietic and renal cell heterogeneity in adult zebrafish at single-cell resolution using RNA sequencing. The Journal of experimental medicine 214, 2875-2887, 2017を参照のこと)。この分析により、29個のCHT EC遺伝子のうちの23個が腎髄の血管ECに高度にエンリッチされていることが見いだされた(例えば、
図6Aを参照のこと)。この造血促進性血管ニッチシグネチャーが哺乳類において保存されているかどうかを決定するため、5つの発生段階(E11~13、E14~15、E16~17、P2~P4および成体)の心臓、腎臓、肝臓、肺および骨髄を含むマウスの複数の器官由来のECについての遺伝子発現を含むRNA-seqデータセットを調査した。29個のCHT EC遺伝子のうちの21個のオルソログが、同じ発生段階の非造血器官由来のECにおけるそれらの発現と比較して、哺乳類造血系器官 - 胎児肝臓および/または成体骨髄 - のECにおいてエンリッチされていた(
図6Bを参照のこと)。特に、発現パターンの一部はHSPC個体発生の時間的ダイナミクスを反映し、E14~17段階の胎児肝臓ECにおいて堅調な発現を示し、その後に成体骨髄ECにおいて増大した発現を示すと共に肝臓EC発現の付随するかつ予想される減少を示した(P2~P4および成体;例えば、
図6Bを参照のこと)。ゼブラフィッシュにおいて明らかになったものと同様の転写プログラムがマウスにおいてこれらの遺伝子を制御できるかどうかを決定するため、Ets、SoxおよびNHRファミリーの転写因子の発現を、同じRNA-seqデータセットを用いて試験した。胎児肝臓EC(E14~17)および成体骨髄ECの両方において、最も高度に発現された因子はEts1、Sox18およびNr2f2であった(例えば、表5を参照のこと)。まとめると、これらのデータは、保存された転写プログラムが、胎児および成体HSPCニッチにおけるECの造血促進的なニッチの特性を調節することを示している。
【0205】
考察
これらのデータは、Ets、SoxFおよびNHRファミリーの因子で構成される転写プログラムが血液幹細胞を維持および拡張する血管ニッチECの特性および固有の能力を決定するというモデルを支持している。これは、複数の発生段階におけるおよび種をまたぐ造血性ニッチの保存された特徴である。本明細書で同定されたニッチ内皮発現シグネチャーは、公知のニッチ機能を有する遺伝子(例えば、骨髄におけるCxcl12のターンオーバーに関連付けられている、接着受容体であるE-セレクチンおよびシステインプロテイナーゼであるカテプシンL)を含む。加えて、mrc1a、stab1/2、dab2、ap1b1、pxkおよびsnx8を含む、スカベンジャー機能またはエンドサイトーシスおよび細胞内取り込みに関連する活性を有する様々な遺伝子を含む、これまでにHSPCニッチと関連付けられていなかった多数の遺伝子が存在する。これらの分子は、ニッチにおいてリガンドおよび受容体のターンオーバーを調節し得る、またはニッチ微小環境由来の潜在的に有害な物質、例えば廃棄物、修飾されたタンパク質またはウイルス、細菌もしくは真菌関連物質を除去するよう機能し得る。CHT ECは、それらの起源が共通するのと同様、lyve1b等の遺伝子を含む遺伝子の発現をリンパ系ECと共有している。マウス骨髄の最近の研究において、SECとAECの間の異なる遺伝子発現が試験された。本明細書に開示されるニッチECシグネチャーは、骨髄の静脈SECと一致する。AECは造血も支援し得るが、本明細書の研究は、血管ニッチ形成を誘導し、幹細胞拡張を促進するのにSECで十分であることを示している。ストレス時に発生する骨髄外造血は、このSECニッチプログラムの限局的誘導を伴い得る。他の転写因子は、tfecおよびklf6aを含む、造血細胞を維持するCHT遺伝子の発現を誘導することが示されたが、これらの因子についてはエンリッチされる結合モチーフが観察されなかった。それらの標的はCHTの異なる細胞におけるものであることまたはこれらの因子は組織特異的血管ニッチの多様な集団を決定する我々のプログラムの下流で作用すると考えられる。
【0206】
パラビオティックなマウスを用いた実験は、ニッチのサイズがHSPCの数を決定することを示した(例えば、Chen et al. Mobilization as a preparative regimen for hematopoietic stem cell transplantation. Blood 107, 3764-3771, 2006を参照のこと)。オシクル(ossicles)と呼ばれる、機能的な異所性ニッチは、マウスに移植されたときに骨髄同等物を構築するために使用され、そしてSECがこれらの構造物中に存在すると考えられる。まとめると、これらの研究および本明細書に示される実施例は、体内の新しい安全域となる場所に異所性血管ニッチを生成することによってインビボでHSPC数を増加させる方法を支持する。このアプローチは、内因性骨髄ニッチが損なわれる疾患(例えば、骨髄線維症)に対する新しい処置の基盤となる。広義の意味で、この実施例は、血液幹細胞のホメオスタシスおよび再生を担う血管ニッチの基礎的理解を前進させ、移植用のHSPCを培養および拡張する新しい治療戦略の手引となり得る。
【0207】
方法
動物モデル
この研究では、野生型AB、casperまたはcasper-EKK、ならびにトランスジェニック系統cd41:EGFP、runx1:mCherry [runx1+23:NLS-mCherry]、kdr1(flk1):GFP [kdr1:GRCFP]、kdr1:mCherry [kdr1:Hsa.hras-mCherry]およびcxcl12a(sdf1a):DsRed2を使用した。別の遺伝子名は丸括弧内に示されており、導入遺伝子のフルネームは角括弧内に示されている。
【0208】
ゲノム分析
RNAトモグラフィー(tomo-seq)のために、72 hpfの胚をトリカイン過剰投与により安楽死させ、CHTを含む尾の一部を、メスを用いて手作業により切り出した。組織を、クリオモールド内の最適切断温度(OCT)組織凍結培地中で、その腹側がモールドの底を向くよう向き合わせした。ドライアイス上での急速冷凍の後、クリオスタットを用いて背腹軸に沿って40枚の個別の8μm厚凍結切片を得た。TRIzol(商標)を用いて個別の凍結切片からRNAを抽出し、ついで逆転写工程の間にバーコード付与し、その後にライブラリ調製および配列決定のためにプールした(例えば、Junker et al. Genome-wide RNA Tomography in the zebrafish embryo. Cell 159, 662-675, 2014を参照のこと)。単一細胞およびバルクRNA-seqについては、Liberase(商標)を用いてkdr1:GFP胚を解体し、FACSによってGFP+細胞を単離した。バルクRNA-seqのために、TRIzol(商標)およびGenElute LPA(商標)キャリアを用いて総RNAを単離した。Ribogone(商標)およびSMARTer Universal Low Input RNA Kit(商標)を用いてインプットとしての50 ngの総RNA/サンプルからライブラリを調製した。単一細胞配列決定のために、およそ2,000細胞を被包化し、ライブラリを配列決定のために調製した。ATAC-seqのために、Liberase(商標)を用いて胚を解体し、FACSによって最低12,000細胞(最大50,000)を単離した。その後に細胞を溶解させ、単離した核を転位反応下でインキュベートした。すべての配列決定を、Illumina Hiseq 2500(商標)を用いて行った。RNA-seqのために、アダプター配列および低品質領域を除去するようFast QC(商標)およびCutadapt(商標)による品質管理を行った。高品質の読み取り値(read)を、Tophat(商標)2.0.1158を用いて、呼び出し値(call)からの新規のスプライシングなしで、ゼブラフィッシュゲノムのUCSCビルドdanRer7に整列させた。転写物量および示差的発現を、Cufflinks(商標)2.2.159を用いて算出した。FPKM値を用いて各転写物を正規化および定量化した。ATAC-seqのために、読み取り値を、以下のパラメータでBowtie2(商標)(バージョン2.2.1)を用いてゼブラフィッシュゲノムのUCSCビルドdanRer7に整列させた:--end-to-end、-N0-、-L20。以下のパラメータでMACS2(商標)(バージョン2.1.0)ピーク発見アルゴリズムを用いてATAC-seqピークの領域を同定した:--nomodel --shift -100 --extsize 200。ピーク呼び出しのために、エンリッチの初期q値しきい値0.05を使用し、異なるサンプル間で相違するピークを同定するためにより厳しいq値14を使用した。ゲノムワイドモチーフエンリッチメント分析を、HOMER(商標)を用いて行い、モチーフアノテーションを、Consite(商標)を用いて行った。成体腎髄のゲノム発現分析を、ワールドワイドウェブ上のmolpath.shinyapps.io/zebrafishblood/で利用可能なデータを用いて行った。
【0209】
ホールマウントインサイチューハイブリダイゼーション(WISH)
インサイチューハイブリダイゼーションは、標準的なプロトコルを用いて行った。胚をその後に採点および画像化のためにグリセロールに転写した。インサイチュープローブは、cDNAまたはプラスミド(他の種由来の転写因子の場合)テンプレートを用いたPCR増幅およびその後のジゴキシゲニン連結ヌクレオチドを用いた逆転写によって作製した。本明細書で使用されたすべてのWISHプローブのプライマー配列が、表7に提供されている。tomo-seqによって同定された35個のCHTエンリッチ遺伝子のWISH画像は、ワールドワイドウェブ上のzfin.orgで見出すことができる。
【0210】
遺伝子導入およびエンハンサー-GFPレポーターアッセイ
トランスジェニック系統を樹立した。mrc1a:GFPおよびsele:GFP導入遺伝子については、それぞれ、転写開始部位の上流の1.3 kbおよび5.3 kbの配列をゲノムDNAからPCR増幅し、ついで、TOPO-TA(商標)でp5E Gateway(商標)ベクターにクローン化し、ついでこれを、すべてTol2部位に隣接するGFPおよびポリAテイルと組み合わせた。125 bp mrc1aおよび158 bp seleエンハンサーについては、これらのエレメントをゲノムDNAからPCR増幅し、TOPO-TA(商標)でp5E Gateway(商標)ベクターにクローン化し、ついでこれを、すべてTol2部位に隣接する、ポリAテイルを有するGFPに融合されたマウスベータ-グロビン最小プロモーターと組み合わせた。Tol2RNAを、単一細胞段階の胚に注入し、同様の発現を示す少なくとも2つの独立した系統を、(Tg(mrc1a(1.3kb):GFP);Tg(sele(5.3kb):GFP);Tg(mrc1a(125bp):GFP);およびTg(sele(158bp):GFP)の各構築物について樹立した。CHT ECおよびEC共通ATAC-seqエレメントを、同様に、ゲノムDNAを用いてPCRにより増幅し、ついで、ベータ-グロビン最小プロモーターおよびGFPに融合した。125 bp mrc1aおよび158 bp seleの変異変種を、重複するオリゴをアニールさせ、その後にT4 DNAポリメラーゼ反応により平滑末端産物を生成し、その後にこれを(ATAC-seqエレメントと同じワークフローを用いたクレノウ断片によるAテイル付加の後に)p5E Gateway(商標)ベクターにクローン化することによって作製した。転写因子結合モチーフを、その中央結合部位のヌクレオチドであるプリンをピリミジンにまたはその逆に交換することによって破壊した。注入されたF0胚を、60~72 hpfの間に採点した。採点前に対照および実験グループを盲検化し、すべての実験を独立した人員により少なくとも3回行った。CHT ECにおけるGFP発現またはEC共通発現は、F0注入胚の少なくとも10%において観察された場合、有意であると採点した。陰性と採点された胚は、GFP発現を有さないまたは筋細胞における少量の異所性発現のみのいずれかであった。mrc1aおよびsele調節エレメントならびに15個のCHT ECおよび6個のEC共通ATAC-seqエレメントを増幅するのに使用したプライマーの配列が、表7に提供される。エンハンサー変種を作製するのに使用した重複オリゴの配列が、表8に提供される。すべての構築物の忠実度を、注入前に配列決定によって確認した。
【0211】
転写因子過剰発現研究
転写因子過剰発現研究のために、ヒト(FLI1、ETV2、ETS1、SOX7およびRXRA)、アフリカツメガエル(Sox18)またはゼブラフィッシュ(Nr2f2)遺伝子のオープンリーディングフレームをpME Gatewayベクター(Invitrogen(商標))にクローン化し、ついで、すべてTol2部位に隣接する、ゼブラフィッシュubiプロモーターおよびポリAテイルと組み合わせた。注入前に、すべての構築物の忠実度を配列決定により確認した。単一細胞段階の胚に、ubiにより誘導される転写因子のプール(25 ng/μl総DNAで1 nl、およびTol2 RNA)を注入し、ついで、24~72 hpfの間に、異所性ニッチ内皮遺伝子発現または異所性HSPC局在化についてスクリーンした。対照および単一因子注入のために、空のTol2 Gateway(商標)輸送ベクターを、注入混合物におけるフィラーDNAとして使用した。転写因子の発現を、種特異的インサイチュープローブを用いるWISHによって確認した。異所性発現を、正常な遺伝子発現ドメイン外の血管染色または血管GFP発現で採点した。採点前に対照および実験サンプルを盲検化し、すべての実験を独立した人員により少なくとも3回行った。
【0212】
顕微鏡検査および画像分析
経時的顕微鏡検査を、複数の検体の同時のタイリングおよび画像化を容易にするようAndor iXon(商標)EMCCDデュアルカメラおよび温度管理(28.5℃で維持)モーター駆動x-yステージを備える倒立型Nikon Eclipse Ti(商標)顕微鏡に設置したYokogawa CSU-X1(商標)スピニングディスクを用いて行った。注入されたエンハンサー-GFP構築物のスクリーニングおよびWISH胚の画像化を、Nikon DS-Ri2(商標)カメラを備えるNikon SMZ18(商標)実体顕微鏡を用いて行った。すべての画像を、NIS-Elements(商標)を用いて取得し、Imaris(商標)またはAdobe Photoshop(商標)ソフトウェアを用いて処理した。胚を、画像化用に設置した。簡潔に説明すると、検体を、ガラス底6ウェルプレートにおいてトリカイン(0.16 mg/ml)を含む0.8% LMPアガロース中に設置し、トリカイン(0.16 mg/ml)を含むE3培地でカバーした。
【0213】
フローサイトメトリー、腎髄の摘出、解体および組織学
胚をFACS用に調製した。簡潔に説明すると、胚を、冷PBS中でカミソリを用いて切り刻み、ついで37℃で20分間、Liberase(商標)中でインキュベートし、その後に40μmメッシュフィルターを通じて解体された細胞を濾過し、2%FBSに移した。FACSを、FACS Aria(商標)機器を用いて行った。導入遺伝子陽性および陰性対照胚を用いてゲートを設定し、SYTOX Blue(商標)を生/死染色として使用した。ATAC-seq実験のためにサンプルあたり少なくとも12,000(最大50,000)個の細胞を収集し、RNA-seq実験のためにサンプルあたり少なくとも10,000(最大300,000)個の細胞を収集した。腎髄は、手作業による摘出により成体ゼブラフィッシュから収集し、ついで、4%PFA中で固定化(組織学用)または穏やかなピペット操作により解体(生細胞画像化用)した。組織学のために、腎髄を切片化前にパラフィン包埋し、切片を交互にH&EまたはGFPに対する抗体で染色した。マウスEC集団を、Cd45-Pdpn-Cd31+細胞として保管した。
【0214】
電気泳動移動度シフトアッセイ
Nr2f2フラグメントをpGEX2TK(商標)ベクターにクローン化してGSTタグ付きNr2f2を生成し、忠実度を配列決定によって検証した。pGEX2TK-Nr2f2タンパク質プラスミドで大腸菌BL21コンピテント細胞を形質転換した。タンパク質を発現させ精製し、精製したタンパク質をBSAに対して定量化した。EMSAを行った。プローブは、100 pmolのセンスおよびアンチセンスオリゴヌクレオチドをアニールさせることによって作製し、各反応で1~2 pmolのプローブを使用した。すべてのプライマーおよびプローブの配列が表9に提供されている。ゲルシフト反応は、20%グリセロール、20 mM Tris(pH 8.0)、10 mM KCl、1 mM DTT、12.5 ngポリdI/C、6.25 pmolのランダム単鎖オリゴヌクレオチド、BSAおよび上記の量のプローブ中、4℃で行った。Nr2f2タンパク質を含むサンプルを6%ゲル上で泳動させ、タンパク質・DNA複合体を分解した。コールド競合物質との反応においては、20x非標識プローブを反応に含めた。スーパーシフトを得るために、抗NR2F2抗体(R&D Biosystems(商標);カタログ番号PP-H7147-00)をNr2f2タンパク質と同量とした。
【0215】
本明細書で報告されている哺乳類ゲノムデータのGEOアクセッション番号は、GSE100910である。本明細書で報告されているゼブラフィッシュゲノムデータは、NCBI(商標)Gene Expression Omnibusに提出された。
【0216】
リアルタイム画像化は、異所性ニッチ内皮遺伝子発現領域を通じた血液循環を示すことができる。72 hpfで、血液細胞は、単一細胞段階で7つの転写因子のプールを注入された72 hpf胚においてmrc1a:GFPを異所的に発現する背側胴部における血管の領域を通じて循環していることを観察することができる。
【0217】
リアルタイム画像化は、異所性ニッチ内皮発現領域へのHSPCの初期動員を示すことができる。runx1
+ HSPCは、当初、単一細胞段階でETV2、SOX7およびNr2f2のプールを注入された72 hpf胚においてmrc1a:GFPを異所的に発現する背側血管(例えば、
図5Dの矢印を参照のこと)に滞在することを観察することができる。黒色矢じり印は、CHTへのHSPCの局在化を示している。経過時間は6.5時間であり、時間間隔は2分である。時系列が
図5Dに示されている。
【0218】
リアルタイム画像化は、HSPCの増殖および異所性のニッチ内皮遺伝子発現領域からの脱出を示すことができる。runx1
+ HSPCは、単一細胞段階でETV2、SOX7およびNr2f2のプールを注入された72 hpf胚においてmrc1a:GFPを異所的に発現する血管(例えば、
図5Eの矢印を参照のこと)に局在化され得る。HSPCは数回分裂し、循環に移動する。黒色矢じり印は、CHTへのHSPCの局在化を示している。経過時間は2.6時間であり、時間間隔は2分である。時系列が
図5Eに示されている。
【0219】
【0220】
(表2)予測されたエンハンサーエレメントのインビボスクリーニング
【0221】
表1は、tomo-seqおよび組織特異的RNA-seqによって同定されたCHT EC遺伝子を示している。アスタリスク(*)は、遺伝子がTSSの100 kb以内にあることを示しており、いくつかの遺伝子は複数のエレメントに関連している。クロス
は、WISHによって発現が観察されなかったことを示している。二重クロス
は、WISHを試みなかったが、zfin.orgで利用可能なワールドワイドウェブ上でCHT発現が報告されていたことを示す。二重S(§)は、WISHが試みられなかったことを示す。
【0222】
表2は、最小プロモーターおよびGFPに融合され、単一細胞段階のゼブラフィッシュ胚に注入されたCHT EC特異的およびEC共通ATAC-seqエレメントを示している。アスタリスク(*)は、MACS2ピークの座標を示している。クロス
は、CHT ECエレメントに関してはCHT EC内での発現、およびEC共通エレメントに関しては胚全体の血管内での発現を示している。二重クロス
は、NHRモチーフの欠如を示している。
【0223】
(表3)tomo-seqによって同定されたCHTエンリッチ遺伝子
【0224】
表3におけるアスタリスク(*)は、WISHによってCHT発現が観察されなかったことを示す。表3におけるダガー記号
は、WISHが試みられなかったことを示す。
【0225】
【0226】
表4は、Ets、SoxおよびNHR転写因子ファミリーの高発現メンバーに関するCHT ECSにおけるFPHM発現値を示している。表4におけるアスタリスク(*)は、TSSの100 kb以内を示しており、いくつかの遺伝子は複数のエレメントに関連している。
【0227】
【0228】
(表6)WISHプローブの合成に使用したプライマー(全てそれぞれ出現順に、SEQ ID NO:16~84として開示された「順方向」プライマー、SEQ ID NO:85~153として開示された「逆方向」プライマー)
【0229】
表6におけるアスタリスク(*)は、T3配列
が各順方向プライマーの5’末端に付加されたことを示している。表6におけるダガー記号
は、T7配列
が各逆方向プライマーの5’末端に付加されたことを示している。
【0230】
(表7)プロモーターおよびエンハンサーエレメントをクローン化するのに使用したプライマー(全てそれぞれ出現順に、SEQ ID NO:154~178として開示された「順方向」プライマー、SEQ ID NO:179~203として開示された「逆方向」プライマー)
【0231】
(表8)125 bp mrc1aおよび158 bp seleエンハンサーエレメントの変異変種用の配列およびプライマー(全てそれぞれ出現順に、SEQ ID NO:204~208、13、および209~212として開示された「全フラグメント配列」、SEQ ID NO:213~222として開示された「順方向プライマー」、SEQ ID NO:223~232として開示された「逆方向プライマー」)
【0232】
表8において、小文字は、転写因子結合モチーフを破壊するために使用された塩基対変化を示している。
【0233】
(表9)クローン化およびEMSAプローブ合成に使用したプライマー(全てそれぞれ出現順に、SEQ ID NO:233~239として開示された「順方向」プライマー、SEQ ID NO:240~246として開示された「逆方向」プライマー)
【0234】
表9は、マウスNr2f2をpGEX2TKベクターにクローン化するのに使用したプライマーならびにゼブラフィッシュmrc1aおよびseleエンハンサー由来のDNAプローブを示している。
【0235】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> THE CHILDREN'S MEDICAL CENTER CORPORATION
<120> ENDOTHELIAL CELL FACTORS AND METHODS THEREOF
<150> US 62/647,433
<151> 2018-03-23
<160> 246
<170> PatentIn version 3.5
<210> 1
<211> 342
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 1
Met Asp Leu Trp Asn Trp Asp Glu Ala Ser Pro Gln Glu Val Pro Pro
1 5 10 15
Gly Asn Lys Leu Ala Gly Leu Glu Gly Ala Lys Leu Gly Phe Cys Phe
20 25 30
Pro Asp Leu Ala Leu Gln Gly Asp Thr Pro Thr Ala Thr Ala Glu Thr
35 40 45
Cys Trp Lys Gly Thr Ser Ser Ser Leu Ala Ser Phe Pro Gln Leu Asp
50 55 60
Trp Gly Ser Ala Leu Leu His Pro Glu Val Pro Trp Gly Ala Glu Pro
65 70 75 80
Asp Ser Gln Ala Leu Pro Trp Ser Gly Asp Trp Thr Asp Met Ala Cys
85 90 95
Thr Ala Trp Asp Ser Trp Ser Gly Ala Ser Gln Thr Leu Gly Pro Ala
100 105 110
Pro Leu Gly Pro Gly Pro Ile Pro Ala Ala Gly Ser Glu Gly Ala Ala
115 120 125
Gly Gln Asn Cys Val Pro Val Ala Gly Glu Ala Thr Ser Trp Ser Arg
130 135 140
Ala Gln Ala Ala Gly Ser Asn Thr Ser Trp Asp Cys Ser Val Gly Pro
145 150 155 160
Asp Gly Asp Thr Tyr Trp Gly Ser Gly Leu Gly Gly Glu Pro Arg Thr
165 170 175
Asp Cys Thr Ile Ser Trp Gly Gly Pro Ala Gly Pro Asp Cys Thr Thr
180 185 190
Ser Trp Asn Pro Gly Leu His Ala Gly Gly Thr Thr Ser Leu Lys Arg
195 200 205
Tyr Gln Ser Ser Ala Leu Thr Val Cys Ser Glu Pro Ser Pro Gln Ser
210 215 220
Asp Arg Ala Ser Leu Ala Arg Cys Pro Lys Thr Asn His Arg Gly Pro
225 230 235 240
Ile Gln Leu Trp Gln Phe Leu Leu Glu Leu Leu His Asp Gly Ala Arg
245 250 255
Ser Ser Cys Ile Arg Trp Thr Gly Asn Ser Arg Glu Phe Gln Leu Cys
260 265 270
Asp Pro Lys Glu Val Ala Arg Leu Trp Gly Glu Arg Lys Arg Lys Pro
275 280 285
Gly Met Asn Tyr Glu Lys Leu Ser Arg Gly Leu Arg Tyr Tyr Tyr Arg
290 295 300
Arg Asp Ile Val Arg Lys Ser Gly Gly Arg Lys Tyr Thr Tyr Arg Phe
305 310 315 320
Gly Gly Arg Val Pro Ser Leu Ala Tyr Pro Asp Cys Ala Gly Gly Gly
325 330 335
Arg Gly Ala Glu Thr Gln
340
<210> 2
<211> 452
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 2
Met Asp Gly Thr Ile Lys Glu Ala Leu Ser Val Val Ser Asp Asp Gln
1 5 10 15
Ser Leu Phe Asp Ser Ala Tyr Gly Ala Ala Ala His Leu Pro Lys Ala
20 25 30
Asp Met Thr Ala Ser Gly Ser Pro Asp Tyr Gly Gln Pro His Lys Ile
35 40 45
Asn Pro Leu Pro Pro Gln Gln Glu Trp Ile Asn Gln Pro Val Arg Val
50 55 60
Asn Val Lys Arg Glu Tyr Asp His Met Asn Gly Ser Arg Glu Ser Pro
65 70 75 80
Val Asp Cys Ser Val Ser Lys Cys Ser Lys Leu Val Gly Gly Gly Glu
85 90 95
Ser Asn Pro Met Asn Tyr Asn Ser Tyr Met Asp Glu Lys Asn Gly Pro
100 105 110
Pro Pro Pro Asn Met Thr Thr Asn Glu Arg Arg Val Ile Val Pro Ala
115 120 125
Asp Pro Thr Leu Trp Thr Gln Glu His Val Arg Gln Trp Leu Glu Trp
130 135 140
Ala Ile Lys Glu Tyr Ser Leu Met Glu Ile Asp Thr Ser Phe Phe Gln
145 150 155 160
Asn Met Asp Gly Lys Glu Leu Cys Lys Met Asn Lys Glu Asp Phe Leu
165 170 175
Arg Ala Thr Thr Leu Tyr Asn Thr Glu Val Leu Leu Ser His Leu Ser
180 185 190
Tyr Leu Arg Glu Ser Ser Leu Leu Ala Tyr Asn Thr Thr Ser His Thr
195 200 205
Asp Gln Ser Ser Arg Leu Ser Val Lys Glu Asp Pro Ser Tyr Asp Ser
210 215 220
Val Arg Arg Gly Ala Trp Gly Asn Asn Met Asn Ser Gly Leu Asn Lys
225 230 235 240
Ser Pro Pro Leu Gly Gly Ala Gln Thr Ile Ser Lys Asn Thr Glu Gln
245 250 255
Arg Pro Gln Pro Asp Pro Tyr Gln Ile Leu Gly Pro Thr Ser Ser Arg
260 265 270
Leu Ala Asn Pro Gly Ser Gly Gln Ile Gln Leu Trp Gln Phe Leu Leu
275 280 285
Glu Leu Leu Ser Asp Ser Ala Asn Ala Ser Cys Ile Thr Trp Glu Gly
290 295 300
Thr Asn Gly Glu Phe Lys Met Thr Asp Pro Asp Glu Val Ala Arg Arg
305 310 315 320
Trp Gly Glu Arg Lys Ser Lys Pro Asn Met Asn Tyr Asp Lys Leu Ser
325 330 335
Arg Ala Leu Arg Tyr Tyr Tyr Asp Lys Asn Ile Met Thr Lys Val His
340 345 350
Gly Lys Arg Tyr Ala Tyr Lys Phe Asp Phe His Gly Ile Ala Gln Ala
355 360 365
Leu Gln Pro His Pro Thr Glu Ser Ser Met Tyr Lys Tyr Pro Ser Asp
370 375 380
Ile Ser Tyr Met Pro Ser Tyr His Ala His Gln Gln Lys Val Asn Phe
385 390 395 400
Val Pro Pro His Pro Ser Ser Met Pro Val Thr Ser Ser Ser Phe Phe
405 410 415
Gly Ala Ala Ser Gln Tyr Trp Thr Ser Pro Thr Gly Gly Ile Tyr Pro
420 425 430
Asn Pro Asn Val Pro Arg His Pro Asn Thr His Val Pro Ser His Leu
435 440 445
Gly Ser Tyr Tyr
450
<210> 3
<211> 441
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 3
Met Lys Ala Ala Val Asp Leu Lys Pro Thr Leu Thr Ile Ile Lys Thr
1 5 10 15
Glu Lys Val Asp Leu Glu Leu Phe Pro Ser Pro Asp Met Glu Cys Ala
20 25 30
Asp Val Pro Leu Leu Thr Pro Ser Ser Lys Glu Met Met Ser Gln Ala
35 40 45
Leu Lys Ala Thr Phe Ser Gly Phe Thr Lys Glu Gln Gln Arg Leu Gly
50 55 60
Ile Pro Lys Asp Pro Arg Gln Trp Thr Glu Thr His Val Arg Asp Trp
65 70 75 80
Val Met Trp Ala Val Asn Glu Phe Ser Leu Lys Gly Val Asp Phe Gln
85 90 95
Lys Phe Cys Met Asn Gly Ala Ala Leu Cys Ala Leu Gly Lys Asp Cys
100 105 110
Phe Leu Glu Leu Ala Pro Asp Phe Val Gly Asp Ile Leu Trp Glu His
115 120 125
Leu Glu Ile Leu Gln Lys Glu Asp Val Lys Pro Tyr Gln Val Asn Gly
130 135 140
Val Asn Pro Ala Tyr Pro Glu Ser Arg Tyr Thr Ser Asp Tyr Phe Ile
145 150 155 160
Ser Tyr Gly Ile Glu His Ala Gln Cys Val Pro Pro Ser Glu Phe Ser
165 170 175
Glu Pro Ser Phe Ile Thr Glu Ser Tyr Gln Thr Leu His Pro Ile Ser
180 185 190
Ser Glu Glu Leu Leu Ser Leu Lys Tyr Glu Asn Asp Tyr Pro Ser Val
195 200 205
Ile Leu Arg Asp Pro Leu Gln Thr Asp Thr Leu Gln Asn Asp Tyr Phe
210 215 220
Ala Ile Lys Gln Glu Val Val Thr Pro Asp Asn Met Cys Met Gly Arg
225 230 235 240
Thr Ser Arg Gly Lys Leu Gly Gly Gln Asp Ser Phe Glu Ser Ile Glu
245 250 255
Ser Tyr Asp Ser Cys Asp Arg Leu Thr Gln Ser Trp Ser Ser Gln Ser
260 265 270
Ser Phe Asn Ser Leu Gln Arg Val Pro Ser Tyr Asp Ser Phe Asp Ser
275 280 285
Glu Asp Tyr Pro Ala Ala Leu Pro Asn His Lys Pro Lys Gly Thr Phe
290 295 300
Lys Asp Tyr Val Arg Asp Arg Ala Asp Leu Asn Lys Asp Lys Pro Val
305 310 315 320
Ile Pro Ala Ala Ala Leu Ala Gly Tyr Thr Gly Ser Gly Pro Ile Gln
325 330 335
Leu Arg Gln Phe Leu Leu Glu Leu Leu Thr Asp Lys Ser Cys Gln Ser
340 345 350
Phe Ile Ser Trp Thr Gly Asp Gly Trp Glu Phe Lys Leu Ser Asp Pro
355 360 365
Asp Glu Val Ala Arg Arg Trp Gly Lys Arg Lys Asn Lys Pro Lys Met
370 375 380
Asn Tyr Glu Lys Leu Ser Arg Gly Leu Arg Tyr Tyr Tyr Asp Lys Asn
385 390 395 400
Ile Ile His Lys Thr Ala Gly Lys Arg Tyr Val Tyr Arg Phe Val Cys
405 410 415
Asp Leu Gln Ser Leu Leu Gly Tyr Thr Pro Glu Glu Leu His Ala Met
420 425 430
Leu Asp Val Lys Pro Asp Ala Asp Glu
435 440
<210> 4
<211> 384
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 4
Met Gln Arg Ser Pro Pro Gly Tyr Gly Ala Gln Asp Asp Pro Pro Ala
1 5 10 15
Arg Arg Asp Cys Ala Trp Ala Pro Gly His Gly Ala Ala Ala Asp Thr
20 25 30
Arg Gly Leu Ala Ala Gly Pro Ala Ala Leu Ala Ala Pro Ala Ala Pro
35 40 45
Ala Ser Pro Pro Ser Pro Gln Arg Ser Pro Pro Arg Ser Pro Glu Pro
50 55 60
Gly Arg Tyr Gly Leu Ser Pro Ala Gly Arg Gly Glu Arg Gln Ala Ala
65 70 75 80
Asp Glu Ser Arg Ile Arg Arg Pro Met Asn Ala Phe Met Val Trp Ala
85 90 95
Lys Asp Glu Arg Lys Arg Leu Ala Gln Gln Asn Pro Asp Leu His Asn
100 105 110
Ala Val Leu Ser Lys Met Leu Gly Lys Ala Trp Lys Glu Leu Asn Ala
115 120 125
Ala Glu Lys Arg Pro Phe Val Glu Glu Ala Glu Arg Leu Arg Val Gln
130 135 140
His Leu Arg Asp His Pro Asn Tyr Lys Tyr Arg Pro Arg Arg Lys Lys
145 150 155 160
Gln Ala Arg Lys Ala Arg Arg Leu Glu Pro Gly Leu Leu Leu Pro Gly
165 170 175
Leu Ala Pro Pro Gln Pro Pro Pro Glu Pro Phe Pro Ala Ala Ser Gly
180 185 190
Ser Ala Arg Ala Phe Arg Glu Leu Pro Pro Leu Gly Ala Glu Phe Asp
195 200 205
Gly Leu Gly Leu Pro Thr Pro Glu Arg Ser Pro Leu Asp Gly Leu Glu
210 215 220
Pro Gly Glu Ala Ala Phe Phe Pro Pro Pro Ala Ala Pro Glu Asp Cys
225 230 235 240
Ala Leu Arg Pro Phe Arg Ala Pro Tyr Ala Pro Thr Glu Leu Ser Arg
245 250 255
Asp Pro Gly Gly Cys Tyr Gly Ala Pro Leu Ala Glu Ala Leu Arg Thr
260 265 270
Ala Pro Pro Ala Ala Pro Leu Ala Gly Leu Tyr Tyr Gly Thr Leu Gly
275 280 285
Thr Pro Gly Pro Tyr Pro Gly Pro Leu Ser Pro Pro Pro Glu Ala Pro
290 295 300
Pro Leu Glu Ser Ala Glu Pro Leu Gly Pro Ala Ala Asp Leu Trp Ala
305 310 315 320
Asp Val Asp Leu Thr Glu Phe Asp Gln Tyr Leu Asn Cys Ser Arg Thr
325 330 335
Arg Pro Asp Ala Pro Gly Leu Pro Tyr His Val Ala Leu Ala Lys Leu
340 345 350
Gly Pro Arg Ala Met Ser Cys Pro Glu Glu Ser Ser Leu Ile Ser Ala
355 360 365
Leu Ser Asp Ala Ser Ser Ala Val Tyr Tyr Ser Ala Cys Ile Ser Gly
370 375 380
<210> 5
<211> 388
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 5
Met Ala Ser Leu Leu Gly Ala Tyr Pro Trp Pro Glu Gly Leu Glu Cys
1 5 10 15
Pro Ala Leu Asp Ala Glu Leu Ser Asp Gly Gln Ser Pro Pro Ala Val
20 25 30
Pro Arg Pro Pro Gly Asp Lys Gly Ser Glu Ser Arg Ile Arg Arg Pro
35 40 45
Met Asn Ala Phe Met Val Trp Ala Lys Asp Glu Arg Lys Arg Leu Ala
50 55 60
Val Gln Asn Pro Asp Leu His Asn Ala Glu Leu Ser Lys Met Leu Gly
65 70 75 80
Lys Ser Trp Lys Ala Leu Thr Leu Ser Gln Lys Arg Pro Tyr Val Asp
85 90 95
Glu Ala Glu Arg Leu Arg Leu Gln His Met Gln Asp Tyr Pro Asn Tyr
100 105 110
Lys Tyr Arg Pro Arg Arg Lys Lys Gln Ala Lys Arg Leu Cys Lys Arg
115 120 125
Val Asp Pro Gly Phe Leu Leu Ser Ser Leu Ser Arg Asp Gln Asn Ala
130 135 140
Leu Pro Glu Lys Arg Ser Gly Ser Arg Gly Ala Leu Gly Glu Lys Glu
145 150 155 160
Asp Arg Gly Glu Tyr Ser Pro Gly Thr Ala Leu Pro Ser Leu Arg Gly
165 170 175
Cys Tyr His Glu Gly Pro Ala Gly Gly Gly Gly Gly Gly Thr Pro Ser
180 185 190
Ser Val Asp Thr Tyr Pro Tyr Gly Leu Pro Thr Pro Pro Glu Met Ser
195 200 205
Pro Leu Asp Val Leu Glu Pro Glu Gln Thr Phe Phe Ser Ser Pro Cys
210 215 220
Gln Glu Glu His Gly His Pro Arg Arg Ile Pro His Leu Pro Gly His
225 230 235 240
Pro Tyr Ser Pro Glu Tyr Ala Pro Ser Pro Leu His Cys Ser His Pro
245 250 255
Leu Gly Ser Leu Ala Leu Gly Gln Ser Pro Gly Val Ser Met Met Ser
260 265 270
Pro Val Pro Gly Cys Pro Pro Ser Pro Ala Tyr Tyr Ser Pro Ala Thr
275 280 285
Tyr His Pro Leu His Ser Asn Leu Gln Ala His Leu Gly Gln Leu Ser
290 295 300
Pro Pro Pro Glu His Pro Gly Phe Asp Ala Leu Asp Gln Leu Ser Gln
305 310 315 320
Val Glu Leu Leu Gly Asp Met Asp Arg Asn Glu Phe Asp Gln Tyr Leu
325 330 335
Asn Thr Pro Gly His Pro Asp Ser Ala Thr Gly Ala Met Ala Leu Ser
340 345 350
Gly His Val Pro Val Ser Gln Val Thr Pro Thr Gly Pro Thr Glu Thr
355 360 365
Ser Leu Ile Ser Val Leu Ala Asp Ala Thr Ala Thr Tyr Tyr Asn Ser
370 375 380
Tyr Ser Val Ser
385
<210> 6
<211> 462
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 6
Met Asp Thr Lys His Phe Leu Pro Leu Asp Phe Ser Thr Gln Val Asn
1 5 10 15
Ser Ser Leu Thr Ser Pro Thr Gly Arg Gly Ser Met Ala Ala Pro Ser
20 25 30
Leu His Pro Ser Leu Gly Pro Gly Ile Gly Ser Pro Gly Gln Leu His
35 40 45
Ser Pro Ile Ser Thr Leu Ser Ser Pro Ile Asn Gly Met Gly Pro Pro
50 55 60
Phe Ser Val Ile Ser Ser Pro Met Gly Pro His Ser Met Ser Val Pro
65 70 75 80
Thr Thr Pro Thr Leu Gly Phe Ser Thr Gly Ser Pro Gln Leu Ser Ser
85 90 95
Pro Met Asn Pro Val Ser Ser Ser Glu Asp Ile Lys Pro Pro Leu Gly
100 105 110
Leu Asn Gly Val Leu Lys Val Pro Ala His Pro Ser Gly Asn Met Ala
115 120 125
Ser Phe Thr Lys His Ile Cys Ala Ile Cys Gly Asp Arg Ser Ser Gly
130 135 140
Lys His Tyr Gly Val Tyr Ser Cys Glu Gly Cys Lys Gly Phe Phe Lys
145 150 155 160
Arg Thr Val Arg Lys Asp Leu Thr Tyr Thr Cys Arg Asp Asn Lys Asp
165 170 175
Cys Leu Ile Asp Lys Arg Gln Arg Asn Arg Cys Gln Tyr Cys Arg Tyr
180 185 190
Gln Lys Cys Leu Ala Met Gly Met Lys Arg Glu Ala Val Gln Glu Glu
195 200 205
Arg Gln Arg Gly Lys Asp Arg Asn Glu Asn Glu Val Glu Ser Thr Ser
210 215 220
Ser Ala Asn Glu Asp Met Pro Val Glu Arg Ile Leu Glu Ala Glu Leu
225 230 235 240
Ala Val Glu Pro Lys Thr Glu Thr Tyr Val Glu Ala Asn Met Gly Leu
245 250 255
Asn Pro Ser Ser Pro Asn Asp Pro Val Thr Asn Ile Cys Gln Ala Ala
260 265 270
Asp Lys Gln Leu Phe Thr Leu Val Glu Trp Ala Lys Arg Ile Pro His
275 280 285
Phe Ser Glu Leu Pro Leu Asp Asp Gln Val Ile Leu Leu Arg Ala Gly
290 295 300
Trp Asn Glu Leu Leu Ile Ala Ser Phe Ser His Arg Ser Ile Ala Val
305 310 315 320
Lys Asp Gly Ile Leu Leu Ala Thr Gly Leu His Val His Arg Asn Ser
325 330 335
Ala His Ser Ala Gly Val Gly Ala Ile Phe Asp Arg Val Leu Thr Glu
340 345 350
Leu Val Ser Lys Met Arg Asp Met Gln Met Asp Lys Thr Glu Leu Gly
355 360 365
Cys Leu Arg Ala Ile Val Leu Phe Asn Pro Asp Ser Lys Gly Leu Ser
370 375 380
Asn Pro Ala Glu Val Glu Ala Leu Arg Glu Lys Val Tyr Ala Ser Leu
385 390 395 400
Glu Ala Tyr Cys Lys His Lys Tyr Pro Glu Gln Pro Gly Arg Phe Ala
405 410 415
Lys Leu Leu Leu Arg Leu Pro Ala Leu Arg Ser Ile Gly Leu Lys Cys
420 425 430
Leu Glu His Leu Phe Phe Phe Lys Leu Ile Gly Asp Thr Pro Ile Asp
435 440 445
Thr Phe Leu Met Glu Met Leu Glu Ala Pro His Gln Met Thr
450 455 460
<210> 7
<211> 414
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 7
Met Ala Met Val Val Ser Thr Trp Arg Asp Pro Gln Asp Glu Val Pro
1 5 10 15
Gly Ser Gln Gly Ser Gln Ala Ser Gln Ala Pro Pro Val Pro Gly Pro
20 25 30
Pro Pro Gly Ala Pro His Thr Pro Gln Thr Pro Gly Gln Gly Gly Pro
35 40 45
Ala Ser Thr Pro Ala Gln Thr Ala Ala Gly Gly Gln Gly Gly Pro Gly
50 55 60
Gly Pro Gly Ser Asp Lys Gln Gln Gln Gln Gln His Ile Glu Cys Val
65 70 75 80
Val Cys Gly Asp Lys Ser Ser Gly Lys His Tyr Gly Gln Phe Thr Cys
85 90 95
Glu Gly Cys Lys Ser Phe Phe Lys Arg Ser Val Arg Arg Asn Leu Ser
100 105 110
Tyr Thr Cys Arg Ala Asn Arg Asn Cys Pro Ile Asp Gln His His Arg
115 120 125
Asn Gln Cys Gln Tyr Cys Arg Leu Lys Lys Cys Leu Lys Val Gly Met
130 135 140
Arg Arg Glu Ala Val Gln Arg Gly Arg Met Pro Pro Thr Gln Pro Thr
145 150 155 160
His Gly Gln Phe Ala Leu Thr Asn Gly Asp Pro Leu Asn Cys His Ser
165 170 175
Tyr Leu Ser Gly Tyr Ile Ser Leu Leu Leu Arg Ala Glu Pro Tyr Pro
180 185 190
Thr Ser Arg Phe Gly Ser Gln Cys Met Gln Pro Asn Asn Ile Met Gly
195 200 205
Ile Glu Asn Ile Cys Glu Leu Ala Ala Arg Met Leu Phe Ser Ala Val
210 215 220
Glu Trp Ala Arg Asn Ile Pro Phe Phe Pro Asp Leu Gln Ile Thr Asp
225 230 235 240
Gln Val Ala Leu Leu Arg Leu Thr Trp Ser Glu Leu Phe Val Leu Asn
245 250 255
Ala Ala Gln Cys Ser Met Pro Leu His Val Ala Pro Leu Leu Ala Ala
260 265 270
Ala Gly Leu His Ala Ser Pro Met Ser Ala Asp Arg Val Val Ala Phe
275 280 285
Met Asp His Ile Arg Ile Phe Gln Glu Gln Val Glu Lys Leu Lys Ala
290 295 300
Leu His Val Asp Ser Ala Glu Tyr Ser Cys Leu Lys Ala Ile Val Leu
305 310 315 320
Phe Thr Ser Asp Ala Cys Gly Leu Ser Asp Val Ala His Val Glu Ser
325 330 335
Leu Gln Glu Lys Ser Gln Cys Ala Leu Glu Glu Tyr Val Arg Ser Gln
340 345 350
Tyr Pro Asn Gln Pro Thr Arg Phe Gly Lys Leu Leu Leu Arg Leu Pro
355 360 365
Ser Leu Arg Thr Val Ser Ser Ser Val Ile Glu Gln Leu Phe Phe Val
370 375 380
Arg Leu Val Gly Lys Thr Pro Ile Glu Thr Leu Ile Arg Asp Met Leu
385 390 395 400
Leu Ser Gly Ser Ser Phe Asn Trp Pro Tyr Met Ala Ile Gln
405 410
<210> 8
<211> 362
<212> PRT
<213> Xenopus tropicalis
<400> 8
Met His Arg Pro Glu Pro Ser Tyr Cys Arg Glu Glu Pro Thr Pro Cys
1 5 10 15
Gln Gly Val Asn Ser Thr Trp Val Pro Pro Ala Asp Thr Val Pro Glu
20 25 30
Thr Ser Pro Thr Pro Ser Ser Pro Pro Ala Pro Asp Ser Pro Thr Pro
35 40 45
Ser Pro Gln Pro Gly Tyr Gly Tyr Ser Pro Cys Glu Glu Lys Pro Gly
50 55 60
Asp Pro Arg Ile Arg Arg Pro Met Asn Ala Phe Met Val Trp Ala Lys
65 70 75 80
Asp Glu Arg Lys Arg Leu Ala Gln Gln Asn Pro Asp Leu His Asn Ala
85 90 95
Val Leu Ser Lys Met Leu Gly Gln Ser Trp Lys Asn Leu Ser Ser Ala
100 105 110
Glu Lys Arg Pro Phe Val Glu Glu Ala Glu Arg Leu Arg Val Gln His
115 120 125
Leu Gln Asp His Pro Asn Tyr Lys Tyr Arg Pro Arg Arg Lys Lys Gln
130 135 140
Ala Lys Lys Leu Lys Arg Val Asp Pro Ser Pro Leu Leu Arg Asn Glu
145 150 155 160
Gly Tyr Arg Gly Gln Ala Met Ala Asn Leu Ser His Phe Arg Asp Leu
165 170 175
His Pro Leu Gly Gly Ser Gly Asp Leu Glu Ser Tyr Gly Leu Pro Thr
180 185 190
Pro Glu Met Ser Pro Leu Asp Val Val Glu Pro Ser Glu Pro Ala Phe
195 200 205
Phe Pro Pro His Met Arg Glu Glu Ala Asp Pro Gly Pro Phe Arg Thr
210 215 220
Tyr Gln His Gly Val Asp Phe Gly Gln Glu Lys Thr Leu Arg Glu Ile
225 230 235 240
Ser Leu Pro Tyr Ser Ser Ser Pro Ser His Met Gly Gly Phe Leu Arg
245 250 255
Thr Pro Thr Ala Ser Ala Phe Tyr Tyr Asn Pro His Gly Gly Ser Pro
260 265 270
Ala Cys Thr Pro Leu Gly Gln Leu Ser Pro Pro Pro Glu Ala Pro Ala
275 280 285
Leu Glu Ala Met Asp His Leu Gly Pro Ala Glu Leu Trp Gly Asp Phe
290 295 300
Asp Arg Asn Glu Phe Asp Gln Tyr Leu Asn Met Ser Arg Thr Gln Gly
305 310 315 320
Pro Gly Tyr Pro Phe Pro Met Ser Lys Leu Gly Ala Pro Arg Thr Ile
325 330 335
Pro Cys Glu Glu Ser Ser Leu Ile Ser Ala Leu Ser Asp Ala Ser Thr
340 345 350
Ala Met Tyr Tyr Thr Pro Cys Ile Thr Gly
355 360
<210> 9
<211> 428
<212> PRT
<213> Danio rerio
<400> 9
Met Ala Met Val Val Trp Arg Gly Ser Gln Asp Asp Val Ala Glu Thr
1 5 10 15
His Gly Thr Leu Ser Ser Gln Thr Gln Gly Gly Leu Ser Leu Pro Thr
20 25 30
Pro Gln Pro Gly Gln Leu Gly Leu Thr Ala Ser Gln Val Ala Pro Pro
35 40 45
Thr Pro Gln Thr Pro Val Gln Gly Pro Pro Asn Asn Asn Asn Asn Thr
50 55 60
Gln Ser Thr Pro Thr Asn Gln Thr Thr Gln Ser Gln Ser Glu Lys Gln
65 70 75 80
Gln Pro Gln His Ile Glu Cys Val Val Cys Gly Asp Lys Ser Ser Gly
85 90 95
Lys His Tyr Gly Gln Phe Thr Cys Glu Gly Cys Lys Ser Phe Phe Lys
100 105 110
Arg Ser Val Arg Arg Asn Leu Thr Tyr Thr Cys Arg Ala Asn Arg Asn
115 120 125
Cys Pro Ile Asp Gln His His Arg Asn Gln Cys Gln Tyr Cys Arg Leu
130 135 140
Lys Lys Cys Leu Lys Val Gly Met Arg Arg Glu Val Ser Leu Phe Thr
145 150 155 160
Ala Ala Val Gln Arg Gly Arg Met Pro Pro Thr Gln Pro His His Gly
165 170 175
Gln Phe Ala Leu Thr Asn Gly Asp Pro Leu His Cys His Ser Tyr Leu
180 185 190
Ser Gly Tyr Ile Ser Leu Leu Leu Arg Ala Glu Pro Tyr Pro Thr Ser
195 200 205
Arg Tyr Gly Ser Gln Cys Met Gln Pro Asn Asn Ile Met Gly Ile Glu
210 215 220
Asn Ile Cys Glu Leu Ala Ala Arg Met Leu Phe Ser Ala Val Glu Trp
225 230 235 240
Ala Arg Asn Ile Pro Phe Phe Pro Asp Leu Gln Ile Thr Asp Gln Val
245 250 255
Ala Leu Leu Arg Leu Thr Trp Ser Glu Leu Phe Val Leu Asn Ala Ala
260 265 270
Gln Cys Ser Met Pro Leu His Val Ala Pro Leu Leu Ala Ala Ala Gly
275 280 285
Leu His Ala Ser Pro Met Ser Ala Asp Arg Val Val Ala Phe Met Asp
290 295 300
His Ile Arg Ile Phe Gln Glu Gln Val Glu Lys Leu Lys Ala Leu His
305 310 315 320
Val Asp Ser Ala Glu Tyr Ser Cys Leu Lys Ala Ile Val Leu Phe Thr
325 330 335
Ser Asp Ala Cys Gly Leu Ser Asp Val Ala His Val Glu Ser Leu Gln
340 345 350
Glu Lys Ser Gln Cys Ala Leu Glu Glu Tyr Val Arg Ser Gln Tyr Pro
355 360 365
Asn Gln Pro Thr Arg Phe Gly Lys Leu Leu Leu Arg Leu Pro Ser Leu
370 375 380
Arg Thr Val Ser Ser Ser Val Ile Glu Gln Leu Phe Phe Val Arg Leu
385 390 395 400
Val Gly Lys Thr Pro Ile Glu Thr Leu Ile Arg Asp Met Leu Leu Ser
405 410 415
Gly Ser Ser Phe Asn Trp Pro Tyr Met Ser Ile Gln
420 425
<210> 10
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
oligonucleotide
<400> 10
cattaaccct cataaaggga a 21
<210> 11
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
oligonucleotide
<400> 11
taatacgact cactataggg 20
<210> 12
<211> 125
<212> DNA
<213> Danio rerio
<400> 12
tgaagcttgt acctttcatt tcctttttgc tgagctttat tttctctaga attgccattg 60
tgtttccatt ctagcaaatc agcatttttt tttcagctga aagaaaaata ccaggaactg 120
agagc 125
<210> 13
<211> 158
<212> DNA
<213> Danio rerio
<400> 13
ccatgaaact gggaagatga aagcattagt tgaattgtta ctggcaacat cttctctgta 60
atgccccctg tgacccatat tgtctcgctc tttcctttat aaacagagct gtagatatcc 120
acaggaaatg ggggtgtttt tgccattatt tcttcctg 158
<210> 14
<211> 820
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polynucleotide
<400> 14
ttgtgggtgc tatttctgta atgaggaagc tggtacaaca ctgagcaaac acactaaaca 60
gagtggcatc ctagaaggtt caaggtctca cgaaatttca taatgagaaa ttcctggaga 120
gcttaacaat aatggctttt aaacaaagca aatataatac caccctattt ttaaattcaa 180
ttaaatggta ttggacatat attattgtca aatacgtctt ctgatctaac gcttgttatt 240
ttggtatgag aaaattttag tttatggttt attttattaa cattttatgg gagtcatatg 300
cttatggcat gtttacatga tgttctcttt ccatgaaact gggaagatga aagcattagt 360
tgaattgtta ctggcaacat cttctctgta atgccccctg tgacccatat tgtctcgctc 420
tttcctttat aaacagagct gtagatatcc acaggaaatg ggggtgtttt tgccattatt 480
tcttcctgct aaagttaatc aggtggtcca aaaattggta taattcattc cttcatttgc 540
ttttcggctt agtccatcag ttaatcaggg gtcgccacag tggaatgaac ctatatccaa 600
tgtatgtttt acgcagcgga tgcccttcca gctgcaaccc aacactggga aacattttag 660
cttactcaat tcacctatac cacgtctttg ggcttgtggg ggaaaccaga gcacccggag 720
gaaacccatg caaacacggg gagaacatga aaactccaaa cagaaacgct aactgaccca 780
gccagggctc gaaccagcaa gcttcctgct gtgaggcgat 820
<210> 15
<211> 405
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polynucleotide
<400> 15
ctgtttcctg gcagctctgg cccgtgtctc aaaatctctg atgttacatt gcacaagata 60
aaaatatatc atcatgaaca ataaaactgt ctgcttacat aaacagtaat acaaggggtg 120
ttatgagcca tattcattta tgaagcttgt acctttcatt tcctttttgc tgagctttat 180
tttctctaga attgccattg tgtttccatt ctagcaaatc agcatttttt tttcagctga 240
aagaaaaata ccaggaactg agagcgcggc tcctggcagc tctggcccgt gtctcaaaat 300
ctctgatgtt acattgcaca agataaaaat atatcatcat gaacaataaa actgtctgct 360
tacataaaca gtaatacaag gggtgttatg agccatattc aacgg 405
<210> 16
<211> 43
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 16
cattaaccct cataaaggga agctccatag tatcgtctga acc 43
<210> 17
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 17
cattaaccct cataaaggga agggagttct tcgggtgact g 41
<210> 18
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 18
cattaaccct cataaaggga atgtgtgatc tcaactgcgc t 41
<210> 19
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 19
cattaaccct cataaaggga accagcaaac cccatggatc t 41
<210> 20
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 20
cattaaccct cataaaggga acgactggag aaccaaggga c 41
<210> 21
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 21
cattaaccct cataaaggga accatgcaac agaggaaggg t 41
<210> 22
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 22
cattaaccct cataaaggga aaagttccgc aggatggact g 41
<210> 23
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 23
cattaaccct cataaaggga aagttatgcc agctcagtgg g 41
<210> 24
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 24
cattaaccct cataaaggga acttcccaca gcagcacaaa c 41
<210> 25
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 25
cattaaccct cataaaggga agaatttgct cgcatgaggg g 41
<210> 26
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 26
cattaaccct cataaaggga aatggaggtc taccacaggc t 41
<210> 27
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 27
cattaaccct cataaaggga attcggcttt aacctgtgcg t 41
<210> 28
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 28
cattaaccct cataaaggga aagttagaat gggcgccacc 40
<210> 29
<211> 42
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 29
cattaaccct cataaaggga aaacttgagc caccgaggat tt 42
<210> 30
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 30
cattaaccct cataaaggga agctacagtc tgcgtagcat 40
<210> 31
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 31
cattaaccct cataaaggga atacccaatg gttcgagtgg c 41
<210> 32
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 32
cattaaccct cataaaggga agtgtcccct catcaatgcc a 41
<210> 33
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 33
cattaaccct cataaaggga atgcccagcc cttgataatc t 41
<210> 34
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 34
cattaaccct cataaaggga aaggcagcac tggactttag c 41
<210> 35
<211> 44
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 35
cattaaccct cataaaggga aacaaagaga tctgcattcc aagc 44
<210> 36
<211> 43
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 36
cattaaccct cataaaggga aaaggcgtac tatgtcctca ggc 43
<210> 37
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 37
cattaaccct cataaaggga attgtggatt acggggttcg g 41
<210> 38
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 38
cattaaccct cataaaggga agagctttac tctgctggcg a 41
<210> 39
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 39
cattaaccct cataaaggga actgttttcc cccaccagtg a 41
<210> 40
<211> 46
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 40
cattaaccct cataaaggga atgggattta tttgtaacta cacgga 46
<210> 41
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 41
cattaaccct cataaaggga accaggaagc gcaaagaaca g 41
<210> 42
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 42
cattaaccct cataaaggga agcagcaaac gactgctaca a 41
<210> 43
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 43
cattaaccct cataaaggga atcatccaca cctgagacgc a 41
<210> 44
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 44
cattaaccct cataaaggga aatccgactg ctggaatgga c 41
<210> 45
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 45
cattaaccct cataaaggga agtgctggtc aacatgtacg c 41
<210> 46
<211> 42
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 46
cattaaccct cataaaggga atccactggg aaaagctgga at 42
<210> 47
<211> 39
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 47
cattaaccct cataaaggga aatggggctg acggatacc 39
<210> 48
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 48
cattaaccct cataaaggga attgtccaga ctaccaaggc g 41
<210> 49
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 49
cattaaccct cataaaggga aatccaaact gaggccggaa g 41
<210> 50
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 50
cattaaccct cataaaggga aggcccaagc atggcagaaa c 41
<210> 51
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 51
cattaaccct cataaaggga aacatgggac atggagcgaa g 41
<210> 52
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 52
cattaaccct cataaaggga agactctctg cggatgtcag g 41
<210> 53
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 53
cattaaccct cataaaggga acatgtccac ccctgaagct g 41
<210> 54
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 54
cattaaccct cataaaggga aggcgtctct ttttctgctg c 41
<210> 55
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 55
cattaaccct cataaaggga accctagtgt ccgaggtctc a 41
<210> 56
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 56
cattaaccct cataaaggga agataccgtg ctgggcgatt a 41
<210> 57
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 57
cattaaccct cataaaggga atcccggtgc aaaatctgag g 41
<210> 58
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 58
cattaaccct cataaaggga agtttattgc tggcgcctac g 41
<210> 59
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 59
cattaaccct cataaaggga agctgccgaa caacgaaaca t 41
<210> 60
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 60
cattaaccct cataaaggga aagtacactc cggacccaag a 41
<210> 61
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 61
cattaaccct cataaaggga atccagagcg attcagcatc a 41
<210> 62
<211> 42
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 62
cattaaccct cataaaggga aagtctccta cttcgagtgg ct 42
<210> 63
<211> 43
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 63
cattaaccct cataaaggga aaactgttct ttctcccggt ccc 43
<210> 64
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 64
cattaaccct cataaaggga aactggtcaa ccacctcctc t 41
<210> 65
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 65
cattaaccct cataaaggga atgcctttca aagtggaccg t 41
<210> 66
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 66
cattaaccct cataaaggga aagcctgttc ctggaccatt g 41
<210> 67
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 67
cattaaccct cataaaggga aggttcgcca gaaggacaag a 41
<210> 68
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 68
cattaaccct cataaaggga aaagctgtca tcaaagccgg a 41
<210> 69
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 69
cattaaccct cataaaggga atgaaagccc tgaacgagac c 41
<210> 70
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 70
cattaaccct cataaaggga aaggagtttg gcttcgacca g 41
<210> 71
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 71
cattaaccct cataaaggga atcgctctga tgctcagctt g 41
<210> 72
<211> 43
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 72
cattaaccct cataaaggga atacacattt tctgccccac tga 43
<210> 73
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 73
cattaaccct cataaaggga actcaccctc ggtccagaac t 41
<210> 74
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 74
cattaaccct cataaaggga aacagccatc agttcctctg c 41
<210> 75
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 75
cattaaccct cataaaggga aggaagccac tcctgatacg g 41
<210> 76
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 76
cattaaccct cataaaggga aggtcacgca ccaaatgaac c 41
<210> 77
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 77
cattaaccct cataaaggga atctgcatct cgcaagctga t 41
<210> 78
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 78
cattaaccct cataaaggga aagaactacg acagcgactg c 41
<210> 79
<211> 46
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 79
cattaaccct cataaaggga aacagactct gtacgtttga atgcgt 46
<210> 80
<211> 43
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 80
cattaaccct cataaaggga atatgactgc agtggtgaag acc 43
<210> 81
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 81
cattaaccct cataaaggga acagacccgt ctctgtggtc 40
<210> 82
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 82
cattaaccct cataaaggga aacccccgaa caacaataac a 41
<210> 83
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 83
cattaaccct cataaaggga atatagccct tcgttccccc a 41
<210> 84
<211> 43
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 84
cattaaccct cataaaggga atccttggac gctgtggacc aac 43
<210> 85
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 85
taatacgact cactataggg aaaccattgc cattttgcca 40
<210> 86
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 86
taatacgact cactataggg gcttgcaaca aaaagcgcag 40
<210> 87
<211> 42
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 87
taatacgact cactataggg ggtgcaatct agtctgatcg gt 42
<210> 88
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 88
taatacgact cactataggg aaccgagtac aggacacacg 40
<210> 89
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 89
taatacgact cactataggg tggaggctaa tcgagtgtgc 40
<210> 90
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 90
taatacgact cactataggg tactgggcgg gtctccttta 40
<210> 91
<211> 43
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 91
taatacgact cactataggg tcgcttgtgt gatcaagtat gac 43
<210> 92
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 92
taatacgact cactataggg ggcctcccca agaaaccatt 40
<210> 93
<211> 43
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 93
taatacgact cactataggg gaaagttgtt gttgaagtga acg 43
<210> 94
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 94
taatacgact cactataggg cggcagtggc caacaaatag 40
<210> 95
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 95
taatacgact cactataggg agtgcaggta tgtgtccgtg 40
<210> 96
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 96
taatacgact cactataggg cctgacgcga gtagtgttgt 40
<210> 97
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 97
taatacgact cactataggg ggcaagacca ctggcatttg 40
<210> 98
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 98
taatacgact cactataggg ccctaactcc agcacacact 40
<210> 99
<211> 42
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 99
taatacgact cactataggg tggaagcagc tctaagtgac ag 42
<210> 100
<211> 44
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 100
taatacgact cactataggg gcttaggtga tcaattttgg gaca 44
<210> 101
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 101
taatacgact cactataggg acggcattcc acaaaccaga 40
<210> 102
<211> 43
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 102
taatacgact cactataggg acccaaactg actttatatg tgc 43
<210> 103
<211> 45
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 103
taatacgact cactataggg aggtacaaat gcaagtacaa cactg 45
<210> 104
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 104
taatacgact cactataggg agcctgtcag ctcactttat t 41
<210> 105
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 105
taatacgact cactataggg cgccgttcta taatgcaccg 40
<210> 106
<211> 39
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 106
taatacgact cactataggg aaagagagct gcaccgact 39
<210> 107
<211> 42
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 107
taatacgact cactataggg acaaatgatg tctgtctccg ct 42
<210> 108
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 108
taatacgact cactataggg caaaggattg gcagggacca 40
<210> 109
<211> 44
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 109
taatacgact cactataggg ttttaagcac atttctgaag caca 44
<210> 110
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 110
taatacgact cactataggg acattaggcg ggcaaaacaa a 41
<210> 111
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 111
taatacgact cactataggg cccacttcgc tgctctttac 40
<210> 112
<211> 39
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 112
taatacgact cactataggg acaccttaaa accgcagcc 39
<210> 113
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 113
taatacgact cactataggg gctttgagga gcttaagagg c 41
<210> 114
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 114
taatacgact cactataggg cgtcactttt cacccccaga 40
<210> 115
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 115
taatacgact cactataggg tttcagatgc agcacaggca 40
<210> 116
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 116
taatacgact cactataggg gcacaggaaa cgcacatgat 40
<210> 117
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 117
taatacgact cactataggg ttacttcact gccagtcggc 40
<210> 118
<211> 45
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 118
taatacgact cactataggg agaaaataca gtgcatacat gtcaa 45
<210> 119
<211> 43
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 119
taatacgact cactataggg cctacaagcc tcattcagac agt 43
<210> 120
<211> 43
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 120
taatacgact cactataggg acactagaaa accgatcgtg tca 43
<210> 121
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 121
taatacgact cactataggg ggtcatgccc ttttggcttg 40
<210> 122
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 122
taatacgact cactataggg gggttctgtt gtggagtgct 40
<210> 123
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 123
taatacgact cactataggg tgacgcttaa acagagcggt 40
<210> 124
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 124
taatacgact cactataggg tttcccctgt gtggatgagc 40
<210> 125
<211> 42
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 125
taatacgact cactataggg ccaccactca ctcattcaga ca 42
<210> 126
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 126
taatacgact cactataggg agtcatgcac aaaatctgcg g 41
<210> 127
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 127
taatacgact cactataggg ttcttggggt agttgcagcc 40
<210> 128
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 128
taatacgact cactataggg taggacgcgt cattgtgctt 40
<210> 129
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 129
taatacgact cactataggg caccagaaag aatgtcaccg t 41
<210> 130
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 130
taatacgact cactataggg cagtccctca gtattccccg 40
<210> 131
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 131
taatacgact cactataggg acgcctgaga ttcatcctgc 40
<210> 132
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 132
taatacgact cactataggg cctctggctg aacaggaagg 40
<210> 133
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 133
taatacgact cactataggg acacaatcag gcaaggtctc 40
<210> 134
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 134
taatacgact cactataggg accagtcaca ccagccattc 40
<210> 135
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 135
taatacgact cactataggg agctacaacc attgagggct 40
<210> 136
<211> 42
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 136
taatacgact cactataggg agcatccaaa agtactcggt gt 42
<210> 137
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 137
taatacgact cactataggg ttctcgacct gtcagctgtt 40
<210> 138
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 138
taatacgact cactataggg cgtcagcatc caaacgcaat 40
<210> 139
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 139
taatacgact cactataggg gtgacgctgg aatatcccgt 40
<210> 140
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 140
taatacgact cactataggg cactcggcga cagtattccc 40
<210> 141
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 141
taatacgact cactataggg aatggggcaa gagtccatct 40
<210> 142
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 142
taatacgact cactataggg acagacacac ttgccagtca 40
<210> 143
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 143
taatacgact cactataggg agctttgcat ccccatcact 40
<210> 144
<211> 43
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 144
taatacgact cactataggg gtacaacatt tacttgctgt cca 43
<210> 145
<211> 45
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 145
taatacgact cactataggg aacagttctg attggatttt gctca 45
<210> 146
<211> 42
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 146
taatacgact cactataggg catgtgtagt gcagacagaa ca 42
<210> 147
<211> 43
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 147
taatacgact cactataggg ggttttggat aagagctgtg tca 43
<210> 148
<211> 44
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 148
taatacgact cactataggg gtccagactt tactcgtccg tgtc 44
<210> 149
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 149
taatacgact cactataggg ctttcccgcc gttttgtgaa 40
<210> 150
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 150
taatacgact cactataggg ccagtatggg gttgtgggac 40
<210> 151
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 151
taatacgact cactataggg agagggcaag cgcagtaata 40
<210> 152
<211> 40
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 152
taatacgact cactataggg accgaaaccg gctaaactga 40
<210> 153
<211> 41
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 153
taatacgact cactataggg tcaaagcgct gctttcctcg c 41
<210> 154
<211> 19
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 154
cttttggcca ttactgccg 19
<210> 155
<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 155
gctctcagtt cctggtattt ttct 24
<210> 156
<211> 22
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 156
tcgttactgc acttgaaagc gt 22
<210> 157
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 157
ccatgaaact gggaagatga a 21
<210> 158
<211> 19
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 158
gaagctctcc agcagctca 19
<210> 159
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 159
gctgtcagca cattcttttc c 21
<210> 160
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 160
actgctcctc accaatcgtc 20
<210> 161
<211> 26
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 161
tttatataat cggaaggaac cttttt 26
<210> 162
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 162
ggcaaaatgc ttagatgcag a 21
<210> 163
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 163
tagccttgtg caatgcttgt 20
<210> 164
<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 164
cacttctggt accaaatgat caac 24
<210> 165
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 165
gcggcaaact ttttgagtgt 20
<210> 166
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 166
cgcgtgatga ggatctgatt 20
<210> 167
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 167
aaaattaaga gcgggcagac t 21
<210> 168
<211> 22
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 168
aaagcacttg attgagaatt gc 22
<210> 169
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 169
cagtttccca agcttcaagg 20
<210> 170
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 170
aatggttgca gcattgtgtt 20
<210> 171
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 171
gttacctggc aaccaccaac 20
<210> 172
<211> 22
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 172
acgttaacaa aggcgatgtt tt 22
<210> 173
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 173
tgacaggact catcagcacg 20
<210> 174
<211> 22
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 174
tgggaaaaat accaggaagc gt 22
<210> 175
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 175
agatcaatga gagcgaggcg 20
<210> 176
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 176
cggacagtaa tgtctggatg g 21
<210> 177
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 177
tcatcatggc caacagaatg 20
<210> 178
<211> 23
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 178
tgactcaacc aatcaatcag cct 23
<210> 179
<211> 23
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 179
ttctgtcttt taatcagcaa tcc 23
<210> 180
<211> 23
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 180
tgaagcttgt acctttcatt tcc 23
<210> 181
<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 181
tatcagtgat gttctgcagt ggtc 24
<210> 182
<211> 22
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 182
caggaagaaa taatggcaaa aa 22
<210> 183
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 183
catttccacc agctgtctga t 21
<210> 184
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 184
ccctgctgat cacacatgac 20
<210> 185
<211> 22
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 185
tgcactaaat ctgtgccaag tc 22
<210> 186
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 186
tcctgtcagc tgttttcatc c 21
<210> 187
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 187
tgcgaggagg acataaacaa 20
<210> 188
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 188
tgctgaattc aaaagccact t 21
<210> 189
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 189
gagggttaaa cgtggcctta 20
<210> 190
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 190
gccagcctca aagtttgttc t 21
<210> 191
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 191
ggtgttgaaa ggtgatgctg 20
<210> 192
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 192
tggaaacaac aacagcctga 20
<210> 193
<211> 23
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 193
tgtttggttc agttacacgt ttt 23
<210> 194
<211> 23
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 194
tgtgattaca cattcccaca cat 23
<210> 195
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 195
gcttttgttt ggtgatgtgc 20
<210> 196
<211> 22
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 196
tggtcagaat aagcacgttt ca 22
<210> 197
<211> 27
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 197
tctaaacaat ttttaaggta aaccaaa 27
<210> 198
<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 198
aatagtctct ggtctgctgt taaa 24
<210> 199
<211> 23
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 199
aagcagcgag ctctcataat aaa 23
<210> 200
<211> 22
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 200
ggagcagatg aggttaagtc ct 22
<210> 201
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 201
ccacaactcc atactgggaa a 21
<210> 202
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 202
gtgcaggaaa tgagcacaga 20
<210> 203
<211> 19
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 203
tagcaaagct ctcaggccc 19
<210> 204
<211> 158
<212> DNA
<213> Danio rerio
<400> 204
ccatgaaact gggaagatga aagcattagt tgaattgtta ctggcaacat cttctctgta 60
atgccccctg tgacccatat tgtctcgctc tttcctttat aaacagagct gtagatatcc 120
acaggaaatg ggggtgtttt tgccattatt tcttcctg 158
<210> 205
<211> 125
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polynucleotide
<400> 205
tgaagcttgt acctttcatt taaattttgc tgagctttat tttctctaga attgccattg 60
tgtttccatt ctagcaaatc agcatttttt tttcagctga aagaaaaata ccatttactg 120
agagc 125
<210> 206
<211> 124
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polynucleotide
<400> 206
tgaagcttgt acctttcatt tcctttttgc tgagcgggcg gggatctaga attgcacggt 60
ggtttccatt ctagcaaatc agccgggggg tttcagctaa agaaaaatac caggaactga 120
gagc 124
<210> 207
<211> 126
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polynucleotide
<400> 207
attagcagat ttaatttcat ttcctttttg cattaattta ttttctctag aattgccatt 60
gtgtttccat tctagcaaat cagcattttt ttttcagctg aaagaaaaat accaggaact 120
gagagc 126
<210> 208
<211> 125
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polynucleotide
<400> 208
tgaagcttgt acctttcatt tcctttttgc tgagctttat tttctctaga attgccattg 60
tgtttccatt ccggcaaatc agcatttttt tttcagctga ccgaaaaata ccaggaactg 120
agagc 125
<210> 209
<211> 158
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polynucleotide
<400> 209
ccatgaaact gggaagatga aagcattagt tgaattgtta ctggcaacat cttctctgta 60
atgccccctg tgacccatat tgtctcgctc tttaaattat aaacagagct gtagatatcc 120
acatttaatg ggggtgtttt tgccattatt tctaaatg 158
<210> 210
<211> 158
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polynucleotide
<400> 210
ccatgaaact gggaagatga aagcattagt tgaaggtgga ctggcaacat cttctctgta 60
atgccccctg tgacccatag gtgatcgctc tttcctttat aaacagagct gtagatatcc 120
acaggaaatg ggggtgtttt tgccattatt tcttcctg 158
<210> 211
<211> 158
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polynucleotide
<400> 211
ccatgaaact gggaagatga aagcattagt tgaattgtta ctggcaacat cttctctgta 60
atgccccctg attaacatat tgtctcgctc tttcctttat aaacagagct gtagatatcc 120
acaggaaatg ggggtgtttt tgccattatt tcttcctg 158
<210> 212
<211> 158
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
polynucleotide
<400> 212
ccatgaaact gggaatctga aagcattagt tgaattgtta ctggcaacat cttctctgta 60
atgccccctg tgacccatat tgtctcgctc tttcctttat aaacagagag gtagatatcc 120
acaggaaatg ggggactttt tgccattatt tcttcctg 158
<210> 213
<211> 74
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 213
tgaagcttgt acctttcatt tcctttttgc tgagctttat tttctctaga attgccattg 60
tgtttccatt ctag 74
<210> 214
<211> 74
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 214
tgaagcttgt acctttcatt taaattttgc tgagctttat tttctctaga attgccattg 60
tgtttccatt ctag 74
<210> 215
<211> 74
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 215
tgaagcttgt acctttcatt tcctttttgc tgagcgggcg gggatctaga attgcacggt 60
ggtttccatt ctag 74
<210> 216
<211> 74
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 216
attagcagat ttaatttcat ttcctttttg cattaattta ttttctctag aattgccatt 60
gtgtttccat tcta 74
<210> 217
<211> 74
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 217
tgaagcttgt acctttcatt tcctttttgc tgagctttat tttctctaga attgccattg 60
tgtttccatt ctag 74
<210> 218
<211> 91
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 218
ccatgaaact gggaagatga aagcattagt tgaattgtta ctggcaacat cttctctgta 60
atgccccctg tgacccatat tgtctcgctc t 91
<210> 219
<211> 91
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 219
ccatgaaact gggaagatga aagcattagt tgaattgtta ctggcaacat cttctctgta 60
atgccccctg tgacccatat tgtctcgctc t 91
<210> 220
<211> 91
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 220
ccatgaaact gggaagatga aagcattagt tgaaggtgga ctggcaacat cttctctgta 60
atgccccctg tgacccatag gtgatcgctc t 91
<210> 221
<211> 91
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 221
ccatgaaact gggaagatga aagcattagt tgaattgtta ctggcaacat cttctctgta 60
atgccccctg attaacatat tgtctcgctc t 91
<210> 222
<211> 91
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 222
ccatgaaact gggaatctga aagcattagt tgaattgtta ctggcaacat cttctctgta 60
atgccccctg tgacccatat tgtctcgctc t 91
<210> 223
<211> 75
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 223
gctctcagtt cctggtattt ttctttcagc tgaaaaaaaa atgctgattt gctagaatgg 60
aaacacaatg gcaat 75
<210> 224
<211> 75
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 224
gctctcagta aatggtattt ttctttcagc tgaaaaaaaa atgctgattt gctagaatgg 60
aaacacaatg gcaat 75
<210> 225
<211> 75
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 225
gctctcagtt cctggtattt ttctttcagc tgaaaccccc cggctgattt gctagaatgg 60
aaaccaccgt gcaat 75
<210> 226
<211> 75
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 226
gctctcagtt cctggtattt ttctttcagc tgaaaaaaaa atgctgattt gctagaatgg 60
aaacacaatg gcaat 75
<210> 227
<211> 75
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 227
gctctcagtt cctggtattt ttcggtcagc tgaaaaaaaa atgctgattt gccggaatgg 60
aaacacaatg gcaat 75
<210> 228
<211> 91
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 228
caggaagaaa taatggcaaa aacaccccca tttcctgtgg atatctacag ctctgtttat 60
aaaggaaaga gcgagacaat atgggtcaca g 91
<210> 229
<211> 91
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 229
catttagaaa taatggcaaa aacaccccca ttaaatgtgg atatctacag ctctgtttat 60
aatttaaaga gcgagacaat atgggtcaca g 91
<210> 230
<211> 91
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 230
caggaagttt attaggcaaa aacaccccca tttcctgtgg atatctacag ctctgtttat 60
aaaggaaaga gcgatcacct atgggtcaca g 91
<210> 231
<211> 91
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 231
caggaagaaa taatggcaaa aacaccccca tttcctgtgg atatctacag ctctgtttat 60
aaaggaaaga gcgagacaat atgttaatca g 91
<210> 232
<211> 91
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 232
caggaagaaa taatggcaaa aagtccccca tttcctgtgg atatctacct ctctgtttat 60
aaaggaaaga gcgagacaat atgggtcaca g 91
<210> 233
<211> 29
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 233
cgggatccat ggcaatggta gtcagcacg 29
<210> 234
<211> 33
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 234
tttatgaagc ttgtaccttt catttccttt ttg 33
<210> 235
<211> 34
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 235
tttaattagc agatttaatt tcatttcctt tttg 34
<210> 236
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 236
ttcatttcct ttttgctgag ctttattttc 30
<210> 237
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 237
ttcatttcct ttttgcatta atttattttc 30
<210> 238
<211> 44
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 238
gtaatgcccc ctgtgaccca tattgtctcg ctctttcctt tata 44
<210> 239
<211> 44
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 239
gtaatgcccc ctgattaaca tattgtctcg ctctttcctt tata 44
<210> 240
<211> 31
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 240
ccggaattcc ggttgaattg ccatatatgg c 31
<210> 241
<211> 33
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 241
caaaaaggaa atgaaaggta caagcttcat aaa 33
<210> 242
<211> 34
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 242
caaaaaggaa atgaaattaa atctgctaat taaa 34
<210> 243
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 243
gaaaataaag ctcagcaaaa aggaaatgaa 30
<210> 244
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 244
gaaaataaat taatgcaaaa aggaaatgaa 30
<210> 245
<211> 44
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 245
tataaaggaa agagcgagac aatatgggtc acagggggca ttac 44
<210> 246
<211> 44
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic
primer
<400> 246
tataaaggaa agagcgagac aatatgttaa tcagggggca ttac 44