特開 2024-7563 作業車両

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024007563

(43)【公開日】2024-01-18

(54)【発明の名称】作業車両

(51)【国際特許分類】

   A01D 69/10 20060101AFI20240110BHJP

【ＦＩ】

A01D69/10

【審査請求】有

【請求項の数】2

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023183287

(22)【出願日】2023-10-25

(62)【分割の表示】P 2022104674の分割

【原出願日】2022-06-29

(71)【出願人】

【識別番号】000000125

【氏名又は名称】井関農機株式会社

(72)【発明者】

【氏名】五島 一実

(72)【発明者】

【氏名】奥村 和哉

(72)【発明者】

【氏名】板山 真

(72)【発明者】

【氏名】西崎 宏

【テーマコード（参考）】

2B076

【Ｆターム（参考）】

2B076AA03

2B076BA07

2B076BB03

2B076BC08

2B076CC02

2B076DB09

(57)【要約】

【課題】従来、キャビンの大型化を招いているという課題がある。
【解決手段】キャビン（１５）は、キャビン（１５）の床面であるステップ部（１０）と、キャビン（１５）の左右いずれか一側端の壁面である垂直部（１８）と、垂直部（１８）からキャビン（１５）の左右方向での中央に向かって下り傾斜する傾斜部（１７）と、傾斜部（１７）の中央側端部からステップ部（１０）へ向かう接続部（１６）を有し、傾斜部（１７）の上面の延長線とステップ部（１０）の上下方向での間の空間に、ペダル（１９）が配置されていることを特徴とする作業車両。
【選択図】 図１２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

操縦者が搭乗するキャビン（１５）と、前記キャビン（１５）内の操作席（１１）と、前記操作席（１１）に着座した操縦者が踏み込み操作するペダル（１９）を備えた作業車両において、
前記キャビン（１５）は、
前記キャビン（１５）の床面であるステップ部（１０）と、
前記キャビン（１５）の左右いずれか一側端の壁面である垂直部（１８）と、
前記垂直部（１８）から前記キャビン（１５）の左右方向での中央に向かって下り傾斜する傾斜部（１７）と、
前記傾斜部（１７）の中央側端部から前記ステップ部（１０）へ向かう接続部（１６）を有し、
前記傾斜部（１７）の上面の延長線と前記ステップ部（１０）の上下方向での間の空間に、前記ペダル（１９）が配置されていることを特徴とする作業車両。

【請求項2】

前記傾斜部（１７）の上方に、操縦者の手動操作部材を有するサイド操縦パネル（１３）が配置されている請求項１に記載の作業車両。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、作業車両に係るものである。

【背景技術】

【0002】

従来のコンバインのキャビンは、正面視において、乗降口側から、脱穀装置側に設けられる側部操縦パネルの上面端部までを覆う形状であり、その形状はおおよそ箱状であり、サイド操縦パネルの内側側面は搭乗者が搭乗するステップまで垂直面の板部材で塞がれ、板部材の外側（脱穀装置側）にハーネス等を内蔵させていた構成は、公知である（特許文献１）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１１－２２３８９１号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

前記公知例は、キャビンの大型化を招いているという課題がある。

【0005】

本願は、キャビンの構成を工夫し、キャビンの居住性を向上と、作業者の操作性の向上を目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

請求項１の発明は、操縦者が搭乗するキャビン（１５）と、前記キャビン（１５）内の操作席（１１）と、前記操作席（１１）に着座した操縦者が踏み込み操作するペダル（１９）を備えた作業車両において、前記キャビン（１５）は、前記キャビン（１５）の床面であるステップ部（１０）と、前記キャビン（１５）の左右いずれか一側端の壁面である垂直部（１８）と、前記垂直部（１８）から前記キャビン（１５）の左右方向での中央に向かって下り傾斜する傾斜部（１７）と、前記傾斜部（１７）の中央側端部から前記ステップ部（１０）へ向かう接続部（１６）を有し、前記傾斜部（１７）の上面の延長線と前記ステップ部（１０）の上下方向での間の空間に、前記ペダル（１９）が配置されていることを特徴とする作業車両としたものである。

【0007】

請求項２の発明では、前記傾斜部（１７）の上方に、操縦者の手動操作部材を有するサイド操縦パネル（１３）が配置されている請求項１に記載の作業車両したものである。

【発明の効果】

【0008】

請求項１の発明では、傾斜部（１７）の上面の延長線とステップ部（１０）の上下方向での間の空間に、ペダル（１９）が配置されているので、作業者のキャビン１５内の居住性を向上させられると共に、作業者の操作姿勢の自由度が向上して、操作性が向上する。

【0009】

請求項２の発明では、傾斜部（１７）の上方に、操縦者の手動操作部材を有するサイド操縦パネル（１３）が配置されているので、キャビン（１５）の内部空間が広がると共に、部品の配置の自由度が向上する。

【図面の簡単な説明】

【0010】

【図1】コンバインの側面図。

【図2】コンバインの側面図。

【図3】コンバインの平面図。

【図4】キャビンの一部縦断正面図。

【図5】キャビンの平面図。

【図6】キャビンの正面図。

【図7】キャビンの背面図。

【図8】サイド操縦パネル付近の側面図。

【図9】他の実施形態のサイド操縦パネル付近の側面図。

【図10】キャビンの背面図。

【図11】同平面図。

【図12】同背面図。

【図13】同側面図。

【図14】同側面図。

【図15】同側面図。

【図16】同側面図。

【図17】キャビンの一部と後側電装ケースの斜視図。

【図18】同背面図。

【図19】同背面図。

【図20】後側電装ケースの背面図と正面図。

【図21】同正面図。

【図22】同平面図。

【図23】サイド操縦パネル付近の正面図。

【発明を実施するための最良の形態】

【0011】

本発明の一実施形態を図面により説明すると、１はコンバインの機体フレーム、２は走行装置、３は走行装置２の上方の一側に設けた脱穀装置、４は刈取装置、５は脱穀装置４の側方に設けたグレンタンク、６は操縦部である。

【0012】

操縦部６は作業者の立つステップ１０および作業者の着座する操作席１１および操作席１１の前側に設けたスイッチやレバー類を有する前側操縦パネル１２と操作席１１の側方に設けたスイッチやレバー類を有するサイド操縦パネル１３等を有して構成する（図５）。

【0013】

前記操縦部６は、操作席１１と前側操縦パネル１２とサイド操縦パネル１３の周囲をキャビン１５により包囲して構成する。

【0014】

脱穀装置３の側方に操縦者が搭乗するキャビン１５を設け、キャビン１５内に操作席１１を設け、操作席１１の側方にサイド操縦パネル（クラッチパネル）１３を配置し、キャビン１５のステップ部１０の脱穀装置３側（機体内側）に下部垂直部１６（「接続部」とも呼ぶ）を形成し、下部垂直部１６から脱穀装置３側に向かって上方傾斜する傾斜部１７を形成し、傾斜部１７の脱穀装置３の側端部に上部垂直部１８を形成し（図４）、下部垂直部１６の内側方にブレーキペダル１９（「ペダル」とも呼ぶ）を配置し（図７）、上部垂直部１８（「垂直部」とも呼ぶ）の側方にサイド操縦パネル（及びその電装品）１３を配置する。

【0015】

また、サイド操縦パネル１３の下面側と傾斜部１７の上面側との上下間に空間部２０を設ける（図７）。

【0016】

そのため、サイド操縦パネル１３の下方位置に空間部２０を形成することにより、キャビン１５の内部空間が広がると共に、部品の配置の自由度が向上する。

【0017】

キャビン１５周辺の部材の配置を変更することなくキャビン１５の空間容積を広くすることができ、作業者のキャビン１５内の居住性が向上させられると共に、作業者の操作姿勢の自由度が向上して、操作性が向上する。

【0018】

上部垂直部１８にはサイド操縦パネル１３を設け、サイド操縦パネル１３は上部垂直部１８に対して着脱可能に構成する。

【0019】

サイド操縦パネル１３を上下回動可能に配置する。

【0020】

上部垂直部１８の下端部は、下方回動させたサイド操縦パネルの下端部よりも下方に位置するように構成する。

【0021】

サイド操縦パネル１３は、上方回動させると前端部がエンジンカバー２１の前端部２２よりも機体後側に位置させる。

【0022】

傾斜部１７に開口部２５を形成すると共に、開閉フタ（開口部カバー）２６を配置する。

【0023】

傾斜部１７の下方に、ＨＳＴ注油口２７及びミッションケースへの注油口２８を配置する（図７）。

【0024】

上部垂直部１８を着脱可能としたことにより、サイド操縦パネル１３の電装部品３０を容易に取り外すことができるので、メンテナンス性が向上する。サイド操縦パネル１３を上方回動させるとエンジンカバー２１の前端部２２よりも後方に位置することにより、開口部２５の開閉フタ２６の上方を遮るものが無いので、注油作業やメンテナンス作業の能率が向上する。

【0025】

キャビン１５の後部に後側開口部３２を形成し、後側開口部３２には後側電装ケース３３を着脱可能に配置し（図１７）、後側電装ケース３３にはエンジンハーネス３４及び走行車体側の各種ハーネス３５を設け、後側開口部３２を通過させてキャビン１５内に引き込む構成とし、後側電装ケース３３の後部にインシュレータ３６を設ける（図２１）。

【0026】

後側開口部３２に、エンジンハーネス３４及び車体側各種ハーネス３５を装着した後側電装ケース３３を装着可能としたことにより、キャビン１５内で各種ハーネスの着脱作業を行うことができるので、分解作業や組立作業に要する時間の短縮が図られる。

【0027】

後側電装ケース３３の後部にインシュレータ３６を設けたことにより、エンジン音や排熱が伝わりにくくなり、作業の快適性が向上すると共に、別途インシュレータを装着する作業が不要になる。

【0028】

エンジンカバー２１の上部で且つキャビン１５内の脱穀装置３側に、排気浄化装置（ＤＰＦ）４０の吐出口カバー４１を配置する（図５）。排気浄化装置４０の排気はキャビン１５外で脱穀装置３の上方とする。

【0029】

サイド操縦パネル１３を回動可能に支持する回動支柱４３を、吐出口カバー４１の上方に配置する（図５、８）。

【0030】

キャビン１５の前部に、前側操縦パネル１２を配置し、サイド操縦パネル１３を機体前側位置に回動させたとき、回動を規制するか否かを切り替える支持ロック機構４５を前側操縦パネル１２側に配置する（図８）。

【0031】

排気浄化装置４０の吐出口カバー４１を回動支柱４３の装着部分に兼用できるので、部品数の削減が図られる。

【0032】

前側操縦パネル１２に支持ロック機構４５を設けることにより、回動規制状態ではサイド操縦パネル１３が強度メンバーになるので、操縦部６の剛性を向上させられる。

【0033】

支持ロック機構４５は、サイド操縦パネル１３の回動を規制する際、傾斜角度を複数段階、あるいは無段階で調節可能とする。

【0034】

この場合、上下方向に複数の位置決め孔４６、または、上下方向の調整孔４７（図９）にノブボルト４８等で固定する構成としてもよい。

【0035】

なお、ノブボルト４８を緩めて位置決め孔４６または調整孔４７から抜き出すことで、サイド操縦パネル１３が回動軸４４を回動支点として回動可能となり、図５のように地面とほぼ水平な姿勢とすることや、サイド操縦パネル１３を複数の傾斜角度の異なる前上がり傾斜姿勢とすることができる。サイド操縦パネル１３の姿勢を決めたときはノブボルト４８を締め込み、サイド操縦パネル１３の回動をロックする。

【0036】

サイド操縦パネル１３がいずれの傾斜角度でも、サイド操縦パネル１３の上面４９は操作席１１の上面よりも上方に位置するように構成する。

【0037】

回動を規制する際にサイド操縦パネル１３の傾斜角度を多段階、あるいは無段階に調節できることにより、作業者がサイド操縦パネル１３を視認しやすく、また操作しやすい角度に設定することができるので、操作性が向上すると共に、誤操作の発生が減少する。

【0038】

傾斜角度を低く変更しても作業座席面より上方にサイド操縦パネル１３の上面４９が位置することにより、作業者の手が届きやすく、且つ視認性の良い構成とすることができる。

【0039】

回動支柱４３の回動軸４４に抵抗を付与するブレーキ体（座金等）５２を配置し（図１２）、サイド操縦パネル１３の前部にモニタ５０を装着する（図８、１２）。

【0040】

サイド操縦パネル１３を前方（水平状態）に回動させた際、モニタ５０は正背面視で操作席１１と重複する位置に配置される（図１２）。

【0041】

回動支柱４３の回動軸４４にブレーキ体５２を配置したことにより、メンテナンス作業等でサイド操縦パネル１３を上方に回動させている際、作業者との接触や機体の振動等で前方回動することがあってもサイド操縦パネル１３の移動（回動）速度を減速させられるので、作業者への接触（衝突）が防止される。

【0042】

サイド操縦パネル１３にモニタ５０を設ける際、サイド操縦パネル１３を機体前側に回動させた際にモニタ５０が操作席１１と重複する位置に配置されることにより、操作時に視点を移動させる範囲（距離）が抑えられ、視認性を向上させると共に、誤操作が防止される。

【0043】

操作席１１左側に傾斜部１７を設け、刈取装置４側に空間部２０を設ける。

【0044】

そのため、キャビン１５の空間の拡大が図れる。

【0045】

ステップ部１０から下部垂直部１６を立ち上げ、下部垂直部１６の上部に傾斜部１７を開始する構成とする。

【0046】

そのため、ステップ部１０は機体側に残され、ステップ部１０の上方をキャビン１５により包囲するので、キャビン１５外の構成部品に影響が出ない。

【0047】

キャビン１５の空間部２０の最左側面は上部垂直部１８を構成する。

【0048】

そのため、ステップ部１０は機体側に残し、ステップ部１０の上方をキャビン１５により包囲するので、キャビン１５外の構成部品に影響が出ない。

【0049】

下部垂直部１６にブレーキペダル１９の取付部材を、交差方向に貫通し配置する構成とする。

【0050】

そのため、従来のブレーキペダル１９の配置を変更することなく、キャビン１５を構成することが可能になる。

【0051】

上部垂直部１８に電装部品３０を配置する。

【0052】

そのため、キャビン１５の左壁部（上部垂直部１８）の内側を、電装部品３０の配置場所として利用ができ、空きスペースを有効に活用できる。

【0053】

ブレーキペダル１９に接続する電装部品３０は、傾斜部１７を沿わせて配置する構成とする。

【0054】

そのため、キャビン１５の内部に配置される構成部品にも、外の構成部品にも影響を与えにくい配置とすることができる。また、電装部品３０は、傾斜部１７に沿わせて配置されるので、キャビン１５内に土や葉屑などの夾雑物が滞留することを抑制する。

【0055】

傾斜部１７の下部（下方）に形成される空間部に、ＨＳＴオイルフィルター５４を配置する（図７）。

【0056】

これにより、キャビン１５の室内空間にせり出す部材が無く、空間部２０をより拡大することができると共に、サイド操縦パネル１３の下方の傾斜部１７との間に形成される空間を有効に活用して作業することができる。

【0057】

傾斜部１７の下部（下方）に形成される空間部に、上記のＨＳＴオイルフィルター５４とは別の位置にミッションオイル給油口５５を配置する（図７）。

【0058】

これにより、キャビン１５の室内空間にせり出す部材が無く、空間部２０をより拡大することができると共に、サイド操縦パネル１３の下方の傾斜部１７との間に形成される空間を有効に活用して作業することができる。

【0059】

下部垂直部１６から傾斜部１７の間に開口部２５を設ける。なお、開口部２５を常時開いていると、機外から排気ガスや夾雑物が進入するので、この開口部２５は、作業上必要が無いときは蓋部材（図示省略）で塞ぐ構造とすることが望ましい。

【0060】

そのため、下部垂直部１６から傾斜部１７の間に開口部２５を設けているので、キャビン１５の外側に設けるＨＳＴオイルフィルター５４やミッションオイル給油口５５等の構成部品のメンテナンスを、キャビン１５内から開口部２５を介して行うことができ、メンテナンス作業を容易に行える。

【0061】

下部垂直部１６から上部垂直部１８の上下間に回動可能なサイド操縦パネル１３を設ける。

【0062】

サイド操縦パネル１３を回動可能構成とすることで、サイド操縦パネル１３を含めてサイド操縦パネル１３により隠蔽される部分のメンテナンスがより容易に行えると共に、サイド操縦パネル１３の組立・取付も容易におこなえる。

【0063】

サイド操縦パネル１３と上部垂直部１８の間に電装部品３０を配置する。

【0064】

そのため、サイド操縦パネル１３を回動構成とすることで、従来では利用できなかったサイド操縦パネル１３の左側面と上部垂直部１８との間の空間を、サイド操縦パネル１３の裏側（左側）を利用して電装部品３０の配置が可能となり、空間部の有効活用が可能になる。

【0065】

サイド操縦パネル１３の下面側と傾斜部１７の上面側との間を、左側へえぐるように空間部２０を形成し、空間部２０の一部を電装部品３０の一部の配置スペースとする。

【0066】

そのため、キャビン１５の室内空間の広さにほぼ影響を与えることなく、電装部品３０の設置スペースを確保できる。

【0067】

電装部品３０の右側面側には、電装品カバー３１を設け、電装品カバー３１は電装部品３０の右側面側の下位置まで覆う構成とする。

【0068】

そのため、電装部品３０に対する干渉を電装品カバー３１により防止し、作動を安定させられる。

【0069】

電装品カバー３１はキャビン１５の左端の上部垂直部１８の上下幅（範囲）内に設ける。

【0070】

そのため、フィルター等のサービスホール開口部の大きさを犠牲にしない。

【0071】

サイド操縦パネル１３を起立状態に回動させたときは、エンジンカバー２１の前側起立部５６よりも後方まで回動する構成とする。

【0072】

すなわち、サイド操縦パネル１３を起立状態にさせたときは、サイド操縦パネル１３の下面が前面となり、このサイド操縦パネル１３の前面の位置は側面視においてエンジンカバー２１の前側起立部５６よりも後方に位置する構成とする。

【0073】

そのため、サイド操縦パネル１３を上方回動させたとき、傾斜面傾斜部１７の開口部２５の上方にサイド操縦パネル１３は位置しないので、メンテナンス性を向上させ、また、キャビン１５の左側のサイド窓ガラス（図示省略）を開けて、刈取装置４等にアクセスすることも可能になるので、さらにメンテナンス性を向上させられる。

【0074】

後側電装ケース３３をキャビン１５と別部品で構成する。

【0075】

そのため、従来では、電装ケースを操作席１１と一体で構成し、結果、取付構成が複雑になり生産効率が落ちていたが、本発明では、後側電装ケース３３をキャビン１５と別部品で構成しているので、取付・組立が容易となる。

【0076】

後側電装品ケース３３はキャビン１５の後方から取付ける構成とする。

【0077】

そのため、キャビン１５の後方の開かれた場所から取り付けるため取付作業が容易に行える。

【0078】

取り外し可能な後側電装品ケース３３の前方に回動可能なサイド操縦パネル１３を設ける。

【0079】

そのため、サイド操縦パネル１３を回動させることでスペースを確保でき、また、後方からサイド操縦パネル１３を搭載させることも可能なためよりスペースを確保できる。

【0080】

サイド操縦パネル１３を回動させた後も、後側電装品ケース３３の前部にサイド操縦パネル１３が配置される。

【0081】

そのため、後側電装品ケース３３から出たハーネスがサイド操縦パネル１３にも配索されるため、ハーネス経路を自然にでき、組立・接続作業を容易にする。

【0082】

キャビン１５に形成する後側開口部３２の下面は、回動軸４４を回動支点として上方に回動させた状態のサイド操縦パネル１３の下端部と、ほぼ同一の高さとなるように構成する。

【0083】

これにより、後側開口部３２と、サイド操縦パネル１３の後部側の位置が近くなるので、サイド操縦パネル１３を回動させてもハーネスに伸び力や縮み力がかかりにくく、ハーネス経路が無理なく配索できる。

【0084】

取り外し可能な後側電装品ケース３３からキャビン１５内部に入るハーネス３５を機体左側に設ける。

【0085】

そのため、機体左側をハーネス３５が通るため、無理なく配索が可能になる。

【0086】

ハーネス３５の引込部６０は別プレート６１で形成し、ハーネス３５はグロメット６２を固定する構成とする。

【0087】

後側電装品ケース３３内は元々外部からある程度はシールされているが、さらにキャビン１５内と仕分けることで、外部からの埃やエンジン騒音の進入遮断が可能になる。

【0088】

キャビン１５の後後側開口部３２は後面パネル６４の左側に偏って配置する。

【0089】

そのため、右側後部のフレームの構成が容易になる。

【0090】

キャビン１５の後側開口部３２は前面及び上面にかけて開口する。

【0091】

すなわち、キャビン１５の後面パネル６４の上下中間部を、縦板６５と横板６６とにより構成し、縦板６５と横板６６とに跨いで後側開口部３２を開口させて形成する。

【0092】

そのため、後側電装品ケース３３内のメンテナンスが容易になる。

【0093】

取り外し可能な後側電装品ケース３３の全周部にシール６７を設ける。

【0094】

後側電装ケース３３にシール６７を設けることで、後側電装ケース３３の着脱作業の取り付け、または取り外しと、そのためのボルト・ナット等の締付だけとすることができるので、メンテナンス等の作業効率が向上する。

【0095】

後側電装品ケース３３の後部にインシュレータ３６を設ける。

【0096】

そのため、後側電装品ケース３３内にエンジン音、熱が伝わるのを防止できると共に、組付け後に別途インシュレータ３６の貼り付け作業が不要となる。

【0097】

エンジンハーネス３４、車体側ハーネス３５の取出口６８を後側電装ケース３３の背面に設ける。

【0098】

そのため、後側電装品ケース３３内にエンジン音や熱が伝わるのを防止できると共に、組付け作業を容易にする。

【0099】

後側電装品ケース３３のカバー７０に設けたシール７１でグロメット固定プレート６１とキャビン１５の後側開口部３２をシールする構成とする。

【0100】

そのため、キャビン１５側のカバー７０にシール７１を設けることで、さらに遮音性、防塵性の向上が可能となる。

【0101】

サイド操縦パネル１３を独立した状態で構成し、サイド操縦パネル１３の後方の支持を操作席１１面に取り付ける構成とする。

【0102】

そのため、サイド操縦パネル１３の構成部品を完成させた状態で搭載が可能となり、キャビン１５の室内の気密性向上、騒音防止が可能となる。

【0103】

操作席１１を取付けるエンジンカバー２１のシート取付面７３に、上方に突出させた回動支柱４３の下部（基部）を取付け、回動支柱４３の上端部である後方支持部７４に、サイド操縦パネル１３の後部側を装着する（図１２）。

【0104】

そのため、支点となる回動軸４４から固定部となるシート取付面７３までの距離が短くなり曲げモーメントがかかりにくく剛性を向上させられる。

【0105】

サイド操縦パネル１３支持のために突出させた回動支柱４３の部分の下にエンジン（図示省略）の排気浄化装置４０を配置する。

【0106】

そのため、排気浄化装置４０の吐出部を有益に利用できる。

【0107】

サイド操縦パネル１３を独立した状態で構成し、サイド操縦パネル１３の前方部分の支持を前側操縦パネル１２側に取り付ける構成とする。

【0108】

そのため、前側操縦パネル１２に取り付けることで剛性が確保できる。位置のずれも少ない。

【0109】

前側操縦パネル１２に上方に突出させて設けた前側支柱７６にサイド操縦パネル１３の前側支柱（前方支持部材）７７を固定状態で、かつ、着脱自在に取付ける。

【0110】

前側支柱７６を突出させることで前側操縦パネル１２の剛性を上げ、支持ロック機構４５の剛性を向上させられる。

【0111】

すなわち、前側操縦パネル１２側に設けた前側支柱７６に、上下方向に複数の位置決め孔４６または上下方向の調整孔４７を設け、位置決め孔４６または調整孔４７にノブボルト４８等を挿通してサイド操縦パネル１３の前側支柱７７を固定状態で、かつ、着脱自在に取付ける。

【0112】

前記回動支柱４３には回動軸４４を設け、サイド操縦パネル１３を回動軸４４中心に回転させ持ち上げることができる構成とする。

【0113】

そのため、メンテナンス性を向上させられる。

【0114】

支持ロック機構４５の前側支柱７６には調整孔４７を設け、サイド操縦パネル１３の前側部の高さ調節が可能とする構成とする（図９）。

【0115】

そのため、サイド操縦パネル１３の前部を上下させることで、サイド操縦パネル１３に設けたＨＳＴレバー（図示省略）の高さ調整が可能になる。

【0116】

サイド操縦パネル１３を独立した状態で構成し、その中にモニタ５０も含める構成とする。

【0117】

すなわち、前記したモニタ５０をサイド操縦パネル１３側に取付け、サイド操縦パネル１３と共にモニタ５０を一体化移動する構成とする。

【0118】

そのため、メンテナンス時モニタ５０も上方に逃がすことができる。

【0119】

支持ロック機構４５の前側支柱７６にモニタ５０を取り付ける。

【0120】

そのため、サイド操縦パネル１３の前方固定部となる支持ロック機構４５にモニタ５０を取り付けすることで、モニタ５０の揺れを最小限に抑えることが可能なる。

【0121】

サイド操縦パネル１３の後部を支持する回動支柱４３の位置よりも後方までサイド操縦パネル１３の後部を延長する。

【0122】

そのため、サイド操縦パネル１３の後部により回動支柱４３が見えなくなりデザイン性が向上する。手が当たったりすることもなく、安全性を向上させられる。

【0123】

サイド操縦パネル１３の回動支柱４３の回動支点となる回動軸４４よりも上方に、サイド操縦パネル１３の下カバー８０の底面がある構成とする（図１３）。

【0124】

そのため、回動支点の回動軸４４よりも上げることで下カバー８０の切り欠きを最小にできる。

【0125】

サイド操縦パネル１３の回動支点の回動軸４４よりも前方のサイド操縦パネル１３の下カバー８０の底面は、回動支点の回動軸４４よりも下方に配置する。

【0126】

下カバー８０の前方部は回動軸４４よりも下に膨らませることで、サイド操縦パネル１３の回動に支障をきたすことなく、内容物を構成できる。

【0127】

独立した状態で構成したサイド操縦パネル１３の回動軸４４はキャビン１５のエンジンカバ－２１のシート後方パネル６３よりも前方に配置する。

【0128】

そのため、シート後方パネル６３に回動用の溝などを構成する必要がなく、また、キャビン１５の気密性向上させられる。

【0129】

サイド操縦パネル１３の左側下部にスイッチパネル８１を設け、スイッチパネル８１の下部をカットする。

【0130】

そのため、パネルの抜き勾配による幅方向の増大を防止できる。

【0131】

サイド操縦パネル１３のカット部８２によりできたスペースに電装部品３０を配置する。

【0132】

そのため、カットによるスペースを有効に利用できる。

【0133】

サイド操縦パネル１３の回動支点となる回動軸４４には、サイド操縦パネル１３の回動に抵抗を付与するブレーキ体５２を設ける。

【0134】

そのため、起立状態に回動させたサイド操縦パネル１３が不用意に前方回動するのを防止でき、また、ガタなくサイド操縦パネル１３を保持ししていながら回動が可能に構成できる。

【0135】

回動するサイド操縦パネル１３に取り付けるモニタ５０は、正面視において、操作席１１と重なる位置に配置する。

【0136】

そのため、操作時に視点をあまり動かさずにモニタ５０の視認が可能となる。

【0137】

独立した状態で構成したサイド操縦パネル１３のスイッチやレバーなどの操作部８３は操作席１１のシート座面よりも上方に配置する。

【0138】

そのため、操作席１１に着座した作業者の手元に近いため、操作が容易になる。視認性も向上する。

【0139】

独立した状態で構成したサイド操縦パネル１３の最下部は、エンジンカバー２１のシート取付面７３より上方とする。

【0140】

そのため、サイド操縦パネル１３をコンパクトに構成できる。

【0141】

回動するサイド操縦パネル１３は平面視において操作席１１よりも左側に配置する。

【0142】

そのため、操作席１１の位置に関わらずサイド操縦パネル１３を回動させることが可能となる。

【符号の説明】

【0143】

１…機体フレーム、２…走行装置、３…脱穀装置、４…刈取装置、５…グレンタンク、６…操縦部、１０…ステップ、１１…操作席、１２…前側操縦パネル、１３…サイド操縦パネル、１５…キャビン、１６…下部垂直部、１７…傾斜部、１８…上部垂直部、１９…ブレーキペダル、２０…空間部、２１…エンジンカバー、２２…前端部、２５…開口部、２６…開閉フタ、２７…ＨＳＴ注油口、２８…注油口、３０…電装部品、３１…電装品カバー、３２…後側開口部、３３…後側電装ケース、３４…エンジンハーネス、３５…ハーネス、３６…インシュレータ、４０…排気浄化装置、４１…吐出口カバー、４３…回動支柱、４４…回動軸、４５…支持ロック機構、４６…位置決め孔、４７…調整孔、４８…ノブボルト、４９…上面、５０…モニタ、５２…ブレーキ体、５４…ＨＳＴオイルフィルター、５５…ミッションオイル給油口、５６…前側起立部、６０…引込部、６１…プレート、６２…グロメット、６３…シート後方パネル、６４…後面パネル、６５…縦板、６６…横板、６７…シール、６８…取出口、６９…ハーネス貫通部、７０…カバー、７１…シール、７３…シート取付面、７４…後方支持部材、７６…前側支柱、８０…下カバー、８１…スイッチパネル、８２…カット部、８３…操作部。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】