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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075654
(43)【公開日】2024-06-04
(54)【発明の名称】車載充電器およびインバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20240528BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H01L23/36 D
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024041229
(22)【出願日】2024-03-15
(62)【分割の表示】P 2023050349の分割
【原出願日】2015-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山島 篤志
(57)【要約】
【課題】箱型に一体成型され、一面のみに開口部が設けられた放熱機構を用いた場合に、大型化を抑制しつつ、発熱電子部品の放熱に対応できるようにすること。
【解決手段】発熱電子部品の放熱構造1は、回路基板9と、通電によって自己発熱し、回路基板9と接続されるリード線6a、6bを有する電子部品5a、5bと、電子部品5a、5bの放熱面が接触し、電子部品5a、5bが配置されるアルミブロック3と、箱型に一体成型され、アルミブロック3が配置される底面F2と、底面F2に対向する開口面F1とを有し、アルミブロック3からの熱を放熱するヒートシンク2と、を有する。電子部品5a、5bは、底面F2に対する垂直方向D以外の方向からアルミブロック3に固定される。アルミブロック3および回路基板9は、垂直方向Dに沿って、底面F2からアルミブロック3、回路基板9の順に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と、
通電によって自己発熱し、前記回路基板と接続されるリード線を有する発熱電子部品と、
前記発熱電子部品が配置される伝熱体と、
前記伝熱体は、リアクトル部品を収容する空間が設けられた収容部を有し、
前記リアクトル部品は、放熱部品と熱的に接続され、
前記リアクトル部品と前記収容部との間に放熱性を有するポッティング材が充填されていることで、前記リアクトル部品と前記伝熱体とは、前記ポッティング材により熱的に接続され、
前記伝熱体は、第2の面と第3の面とを有し、
前記伝熱体は、前記第2の面を介して前記発熱電子部品と熱的に接続され、
前記伝熱体は、前記第3の面を介して前記ポッティング材により前記リアクトル部品と
熱的に接続される、
車載充電器。
【請求項2】
前記発熱電子部品は、その長手方向が前記放熱部品の第1の面に対して垂直な第1の方向に平行となる状態で前記伝熱体に固定される、
請求項1に記載の車載充電器。
【請求項3】
前記伝熱体は、
接着部材により前記回路基板に接着して固定される、
請求項2に記載の車載充電器。
【請求項4】
前記接着部材は、
絶縁性または放熱性の少なくとも一方を有する、
請求項3に記載の車載充電器。
【請求項5】
前記伝熱体と前記回路基板の間に放熱部材が配置される、
請求項1から4のいずれか1項に記載の車載充電器。
【請求項6】
前記伝熱体と前記回路基板の間に絶縁性および放熱性を有する部材が配置され、
前記回路基板において、前記絶縁性および放熱性を有する部材に対応する箇所に、パターンが形成される、
請求項1から5のいずれか1項に記載の車載充電器。
【請求項7】
前記絶縁性および放熱性を有する部材は、接着性も有する、
請求項6に記載の車載充電器。
【請求項8】
前記リアクトル部品は、高背部品であり、
前記高背部品の前記第1の方向の長さは、前記発熱電子部品の前記第1の方向の長さよりも長い、
請求項2に記載の車載充電器。
【請求項9】
前記リアクトル部品は、前記放熱部品と、放熱性を有する前記ポッティング材により熱的に接続されている、
請求項1に記載の車載充電器。
【請求項10】
前記伝熱体は、前記リアクトル部品を収容する空間が設けられた収容部により前記リアクトル部品を保持する、
請求項1に記載の車載充電器。
【請求項11】
前記リアクトル部品は、前記収容部を介して前記放熱部品と熱的に接続される、
請求項10に記載の車載充電器。
【請求項12】
回路基板と、
通電によって自己発熱し、前記回路基板と接続されるリード線を有する発熱電子部品と、
前記発熱電子部品が配置される伝熱体と、
前記伝熱体は、リアクトル部品を収容する空間が設けられた収容部を有し、
前記リアクトル部品は、放熱部品と熱的に接続され、
前記リアクトル部品と前記収容部との間に放熱性を有するポッティング材が充填されることで、前記リアクトル部品と前記伝熱体とは、前記ポッティング材により熱的に接続され、
前記伝熱体は、第2の面と第3の面とを有し、
前記伝熱体は、前記第2の面を介して前記発熱電子部品と熱的に接続され、
前記伝熱体は、前記第3の面を介して前記ポッティング材により前記リアクトル部品と熱的に接続される、
インバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載充電器およびインバータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放熱部材で形成された略直方体の筐体内に基板や電子部品を格納し、電子部品から発生する熱を、筐体を介して放熱することが知られている。このような略直方体の筐体の構造の製造方法として、上面と側面が箱型に一体成型されるとともに下面が開口された筐体を上方から被せる方法と、下面(底面)と側面が箱型に一体成型されるとともに上面が開口された筐体に蓋部材(上面)を被せる方法の2通りが知られている。
【0003】
上面と側面が箱型に一体成型されるとともに下面が開口された筐体を上方から被せる方法を用いる場合、下面に基板や電子部品を取り付ける際には側面が存在しないため、側方から電子部品をネジ留めすることが可能であるが、一方、筐体内に格納した電子部品を筐体外の電子部品と電気的に接続するための端子(コネクタ)の配置に制約が生じる。
【0004】
一般的に、コネクタを側面に設ける場合には、下面と側面が箱型に一体成型されるとともに上面が開口された筐体に蓋部材(上面)を被せる方法を用いることが好ましい。
【0005】
しかしながら、下面と側面が箱型に一体成型されるとともに上面が開口された筐体に蓋部材(上面)を被せる方法においては、下面と側面が箱型に一体成型されているため、側方から電子部品をネジ留めすることが不可能であり、開口された上面からネジ留めを行う必要がある。
【0006】
開口された上面から電子部品を固定するためのネジ留めを行う方法として、発熱電子部品のリード線を折り曲げることで発熱電子部品の放熱面を底面に直接接触させて配置し、例えば、特許文献1に開示されている弾性部材が放熱面の反対側の面を押さえつけるように弾性部材を上方からネジ留めすることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002-217343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した放熱機構の底面に発熱電子部品を配置する方法では、放熱効果を確保するために、放熱機構の底面において発熱電子部品の放熱面が接触する部分の面積および弾性部材が設置される部分の面積が必要となり、底面積の大型化、ひいては装置全体が大型化してしまうおそれがある。
【0009】
本発明の目的は、箱型に一体成型され、一面のみに開口部が設けられた放熱機構を用いた場合に、大型化を抑制しつつ、発熱電子部品の放熱に対応できる車載充電器およびインバータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る車載充電器は、回路基板と、通電によって自己発熱し、前記回路基板と接続されるリード線を有する発熱電子部品と、前記発熱電子部品が配置される伝熱体と、前記伝熱体は、リアクトル部品を収容する空間が設けられた収容部を有し、前記リアクトル部品は、放熱部品と熱的に接続され、前記リアクトル部品と前記収容部との間に放熱性を有するポッティング材が充填されていることで、前記リアクトル部品と前記伝熱体とは、前記ポッティング材により熱的に接続され、前記伝熱体は、第2の面と第3の面とを有し、前記伝熱体は、前記第2の面を介して前記発熱電子部品と熱的に接続され、前記伝熱体は、前記第3の面を介して前記ポッティング材により前記リアクトル部品と熱的に接続される。
【0011】
本発明の一態様に係るインバータは、回路基板と、通電によって自己発熱し、前記回路基板と接続されるリード線を有する発熱電子部品と、前記発熱電子部品が配置される伝熱体と、前記伝熱体は、リアクトル部品を収容する空間が設けられた収容部を有し、前記リアクトル部品は、放熱部品と熱的に接続され、前記リアクトル部品と前記収容部との間に放熱性を有するポッティング材が充填されることで、前記リアクトル部品と前記伝熱体とは、前記ポッティング材により熱的に接続され、前記伝熱体は、第2の面と第3の面とを有し、前記伝熱体は、前記第2の面を介して前記発熱電子部品と熱的に接続され、前記伝熱体は、前記第3の面を介して前記ポッティング材により前記リアクトル部品と熱的に接続される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、箱型に一体成型され、一面のみに開口部が設けられた放熱機構を用いた場合に、大型化を抑制しつつ、発熱電子部品の放熱に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る発熱電子部品の放熱構造の一例を示す斜視図
図2】本発明の実施の形態に係る発熱電子部品の放熱構造の一例を示す正面図
図3】本発明の実施の形態に係る発熱電子部品の放熱構造の一例を示す側面図
図4】本発明の実施の形態に係る発熱電子部品の放熱構造の一例を示す上面斜視図
図5】本発明の変形例1に係る発熱電子部品の放熱構造の構成例を示す上面斜視図
図6】本発明の変形例2に係る発熱電子部品の放熱構造の構成例を示す上面斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
まず、図1~4を用いて、本実施の形態に係る発熱電子部品の放熱構造1の構成例について説明する。図1は、発熱電子部品の放熱構造1の一例を示す斜視図である。図2は、発熱電子部品の放熱構造1の一例を示す正面図である。図3は、発熱電子部品の放熱構造1の一例を示す側面図である。図4は、発熱電子部品の放熱構造1の一例を示す上面斜視図である。なお、図1図2では、ヒートシンク2の前面部分の図示を省略しており、図3では、ヒートシンク2の側面部分の図示を省略している。また、図4では、図1図3に示す回路基板9の図示を省略している。
【0016】
発熱電子部品の放熱構造1は、例えば、車両に搭載される充電器やインバータ等に用いられる。発熱電子部品の放熱構造1は、ヒートシンク2、アルミブロック3、電子部品5a、5b、回路基板9を備える。
【0017】
ヒートシンク2(放熱機構の一例)は、箱型に一体成型され、一面のみに開口部が設けられている。F1は、開口面(第2の面の一例)であり、F2は、開口面F1に対向する底面(第1の面の一例)である。
【0018】
ヒートシンク2の底面F2の四隅には、底面F2に対する垂直方向D(以下、単に「垂直方向」という)に沿って、支柱2a、2b、2c、2dが設けられている。支柱2a~2dには、それぞれ、ネジ穴(図示略)が形成されており、後述する回路基板9がネジ留めされる。
【0019】
アルミブロック3(伝熱体の一例)は、アルミで形成された略直方体の部材である。アルミブロック3は、その長手方向が垂直方向Dに沿うようにヒートシンク2の内部に配置されている。
【0020】
アルミブロック3は、その下部に略直方体の締結部3aを有している。この締結部3aは、ネジ4a、4b(固定部材の一例)により底面F2にネジ留めされる。これにより、アルミブロック3は、底面F2に接触して固定される。
【0021】
電子部品5a、5b(発熱電子部品の一例)は、通電によって自己発熱する電子部品であり、例えば、ディスクリート部品、FET(Field Effect Transistor)等である。電子部品5a、5bは、それぞれ、リード線6a、6bを有する。
【0022】
電子部品5a、5bは、それぞれの放熱面がアルミブロック3の側面に接触するように、アルミブロック3に取り付けられる。例えば、電子部品5a、5bは、それぞれ、バネ7a、7b(保持部材の一例)により、放熱面に対向する面から押さえ付けられ、アルミブロック3の側面に固着して保持される。バネ7a、7bは、それぞれ、ネジ8a、8bによりアルミブロック3の側面にネジ留めされる。
【0023】
アルミブロック3に固着した電子部品5a、5bは、垂直方向Dに沿って直立した状態となる。また、アルミブロック3に固着した電子部品5a、5bは、ヒートシンク2に接触しない。
【0024】
以上のようにアルミブロック3に固着した電子部品5a、5bから発生する熱は、アルミブロック3を介して、ヒートシンク2へ伝熱される。これにより、電子部品5a、5bの放熱が実現される。
【0025】
なお、図1図4では、例として、アルミブロック3に固着する電子部品を2つとしたが、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、複数の電子部品は、アルミブロック3の一面のみならず複数の面に固着されてもよい。
【0026】
回路基板9は、パターンが形成されたり、所定の半導体素子(図示略)が実装されたりするプリント基板である。回路基板9は、上述した支柱2a~2dに載置される。そして、回路基板9は、ネジ10a、10b、10c、10dにより柱2a~2dにネジ留めされる。これにより、回路基板9は、支柱2a~2dに固定される。
【0027】
また、回路基板9は、例えば半田付けにより、電子部品5aのリード線6aおよび電子部品5bのリード線6bと接続する。
【0028】
アルミブロック3および回路基板9は、垂直方向Dに沿って、底面F2からアルミブロック3、回路基板9の順に配置される。
【0029】
また、アルミブロック3と回路基板9は、ボンド11a、11b(接着部材の一例)により互いに接着して固定される。これにより、回路基板9における固定点が多くなり、リード線6a、6bの折れを防止できる。特に支柱2a~2dが高く、振動が多く生じる場合に効果を奏する。
【0030】
また、ボンド11a、11bは、絶縁性または放熱性の少なくとも一方を有することが好ましい。ボンド11a、11bが絶縁性を有する場合、回路基板9においてボンド11a、11bに対応する箇所に、パターンを形成したり、半導体素子を実装したりできる。また、ボンド11a、11bが放熱性を有する場合、回路基板9で発生した熱を、ボンド11a、11bを介してアルミブロック3へ伝熱できる。
【0031】
なお、図1図4では、図示を省略しているが、回路基板9の上方に、開口面F1を閉塞するカバーが設けられてもよい。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態の発熱電子部品の放熱構造1は、ヒートシンク2に接触して配置されたアルミブロック3に対して電子部品5a、5bの放熱面を接触させて配置するため、電子部品5a、5bの放熱面をヒートシンク2の底面F2に接触させて配置する場合に比べて、大型化を抑制しつつ、電子部品の放熱に対応することができる。
【0033】
以上、発熱電子部品の放熱構造1の構成例について説明した。
【0034】
次に、発熱電子部品の放熱構造1の製造方法について、図1図4を用いて説明する。
【0035】
まず、バネ7a、7bおよびネジ8a、8bを用いて、電子部品5a、5bをアルミブロック3に固定して接着させる。このとき、電子部品5a、5bの放熱面をアルミブロック3に接触させる。なお、電子部品5a、5bが、絶縁が必要なタイプの場合であれば、電子部品5a、5bの放熱面とアルミブロック3の間に放熱絶縁シート(図示略)を設けることが好ましい。
【0036】
次に、電子部品5a、5bが固着したアルミブロック3を、ヒートシンク2の開口面F1からヒートシンク2の内部に収容し、アルミブロック3を底面F2に配置する。そして、ネジ4a、4bを用いて締結部3aを底面F2にネジ留めする。
【0037】
次に、回路基板9を、ヒートシンク2の開口面からヒートシンク2の内部に収容し、支柱2a~2dに配置する。このとき、リード線6a、6bを回路基板9に対して半田付けする。そして、ネジ10a~10dを用いて回路基板9を支柱2a~2dにネジ留めする。
【0038】
以上の製造方法により、図1図4に示した発熱電子部品の放熱構造1が製造される。
【0039】
なお、回路基板9のネジ留めの後で、回路基板9の上方に、開口面F1を閉塞するカバー(図示略)を設けてもよい。
【0040】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。以下、変形例について説明する。
【0041】
(変形例1)
本変形例に係る発熱電子部品の放熱構造1について、図5を用いて説明する。図5は、本変形例に係る発熱電子部品の放熱構造1の一例を示す上面斜視図である。なお、図5において、図1図4と同じ構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。また、図5では、図1図3に示した回路基板9の図示を省略している。
【0042】
本変形例では、図5に示すように、ヒートシンク2において、アルミブロック30および電子部品32を備える点が図1図4と異なる。
【0043】
アルミブロック30は、その下部に略直方体の締結部30aを有している。なお、図5では、支柱2aと支柱2bとの間にある締結部30aのみを図示しているが、これと同様に支柱2dと支柱2cの間にも締結部30aが存在する。
【0044】
締結部30aは、ネジ31により底面F2にネジ留めされる。これにより、アルミブロック30は、底面F2に接触して固定される。
【0045】
また、アルミブロック30は、略直方体状の空間が設けられた収容部30bを有する。この収容部30bの空間には、電子部品32(例えば、リアクトル部品。高背部品の一例)が収容される。電子部品32の底面は、ヒートシンク2の底面F2に接触して固定される。なお、図示は省略しているが、電子部品32と収容部30bとの間には、ポッティング材が充填されている。
【0046】
電子部品32は、底面F2と回路基板9(図1図3参照)の間において、電子部品32の長手方向が垂直方向D(図1図3参照)に沿うように直立して配置される。また、電子部品32の垂直方向Dの長さ(電子部品32の長手方向の長さ)は、電子部品5a、5bの垂直方向Dの長さ(電子部品5a、5bの長手方向の長さ)よりも長い。
【0047】
このように、電子部品32を底面F2に配置することにより、回路基板9と底面F2との間に空間が設けられ、その空間にアルミブロック3を配置できる。よって、発熱電子部品の放熱構造1がその高さ方向(垂直方向D)に大型化することはない。
【0048】
本変形例によれば、実施の形態1で述べた効果に加え、ヒートシンク2の底面F2に配置された電子部品32の固定(振動対策)も行うことができる。また、ポッティング材が放熱性のポッティング材である場合には、電子部品32の固定(振動対策)と放熱も行うことができる。
【0049】
(変形例2)
本変形例に係る発熱電子部品の放熱構造1について、図6を用いて説明する。図6は、本変形例に係る発熱電子部品の放熱構造1の一例を示す上面斜視図である。なお、図6において、図1図4と同じ構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。また、図6では、図1図3に示した回路基板9の図示を省略している。
【0050】
本変形例では、図6に示すように、ヒートシンク2において、電子部品33、34を備える点が図1図4と異なる。
【0051】
電子部品33、34(例えば、リアクトル部品。高背部品の一例)は、それぞれ、ヒートシンク2の底面F2に接触して固定される。
【0052】
電子部品33、34は、底面F2と回路基板9(図1図3参照)の間において、電子部品33、34の長手方向が垂直方向D(図1図3参照)に沿うように直立して配置される。また、電子部品33、34の垂直方向Dの長さ(電子部品33、34の長手方向の長さ)は、電子部品5a、5bの垂直方向Dの長さ(電子部品5a、5bの長手方向の長さ)よりも長い。
【0053】
このように、電子部品33、34を底面F2に配置することにより、回路基板9と底面F2との間に空間が設けられ、その空間にアルミブロック3を配置できる。よって、発熱電子部品の放熱構造1がその高さ方向(垂直方向D)に大型化することはない。
【0054】
本変形例では、実施の形態1で述べた効果に加え、ヒートシンク2の底面F2に配置された電子部品33、34の放熱も行うことができる。
【0055】
(変形例3)
実施の形態では、ヒートシンク2を用いて空冷を行う場合を例に挙げて説明したが、空冷の代わりに、水冷を適用してもよい。
【0056】
(変形例4)
実施の形態では、アルミブロック3の底面F2への締結、バネ7a、7bのアルミブロック3への締結、回路基板9の支柱2a~2dへの締結にネジを用いる場合を例に挙げて説明したが、ネジの代わりに、ボンドを用いてもよい。また、実施の形態では、電子部品5a、5bのアルミブロック3への固着にバネを用いる場合を例に挙げて説明したが、バネの代わりに、ネジを用いてもよい。
【0057】
(変形例5)
また、アルミブロック3と回路基板9は、ボンド11a、11b(接着部材の一例)により互いに接着して固定される場合を例に挙げて説明したが、グリスやギャップフィラー(放熱部材の一例)等の接着性を有しない放熱性部材をアルミブロック3と回路基板9の間に設けてもよい。これにより、回路基板9で発生した熱を、グリスやギャップフィラー等を介してアルミブロック3へ伝熱できる。また、グリスやギャップフィラーが絶縁性を有する場合、回路基板9においてグリスやギャップフィラーに対応する箇所に、パターンを形成したり、半導体素子を実装したりできる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、車載充電器およびインバータに有用である。
【符号の説明】
【0059】
1 発熱電子部品の放熱構造
2 ヒートシンク
2a、2b、2c、2d 支柱
3、30 アルミブロック
3a、30a 締結部
4a、4b、8a、8b、10a、10b、10c、10d、31 ネジ
5a、5b 電子部品
6a、6b リード線
7a、7b バネ
9 回路基板
30b 収容部
32、33、34 電子部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6