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特開2024-75719誘導加熱密封デバイス及びパッケージ材料のチューブを横密封するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075719
(43)【公開日】2024-06-04
(54)【発明の名称】誘導加熱密封デバイス及びパッケージ材料のチューブを横密封するための方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/22 20060101AFI20240528BHJP
   B65B 51/30 20060101ALI20240528BHJP
   B65B 51/10 20060101ALI20240528BHJP
   B65B 9/207 20120101ALI20240528BHJP
【FI】
B65B51/22 200
B65B51/30
B65B51/10 W
B65B9/207
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024047020
(22)【出願日】2024-03-22
(62)【分割の表示】P 2021545665の分割
【原出願日】2020-01-31
(31)【優先権主張番号】19155474.0
(32)【優先日】2019-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ペール・カールソン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・パームクイスト
(72)【発明者】
【氏名】マグヌス・リンドヴァール
(72)【発明者】
【氏名】マックス・メリン
(72)【発明者】
【氏名】ホーカン・アンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】カール・イスラエルソン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】パッケージ材料のチューブの横密封を提供するための誘導加熱密封デバイスを提供する。
【解決手段】密封状態中にパッケージ材料に面するように配置された第1及び第2の密封面(314a、314b)を含む本体(302)と、切断状態中にナイフを受けるための、本体内に提供された凹部(308)であって、第1及び第2の密封面は、凹部の対向する側面上に置かれる、凹部と、密封状態中にパッケージ材料内に渦電流を誘導するための、本体内に提供された導電体配置(306a、306b、306c、306d)とを含み、第1及び第2の密封面の少なくとも一部は、傾斜され、且つそれぞれ第1及び第2の上部(316a、316b)を備え、それにより、チューブの内側に保持された製品内の粒子は、チューブの密封帯から、密封帯が第1及び第2の上部に向かって押圧されると押し離される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ材料のチューブ(104)の横密封を提供するための誘導加熱密封デバイス(300)であって、
密封状態(S)中に前記パッケージ材料に面するように配置された第1及び第2の密封面(314a、314b)を含む本体(302)と、
切断状態(C)中にナイフを受けるための、前記本体(308)内に提供された凹部(308)であって、前記第1及び第2の密封面(314a、314b)は、前記凹部(308)の対向する側面上に置かれる、凹部(308)と、
前記密封状態(S)中に前記パッケージ材料内に渦電流を誘導するための、前記本体(302)内に提供された導電体配置(306a、306b、306c、306d)と
を含み、
前記第1及び第2の密封面(314a、314b)の少なくとも一部は、傾斜され、且つそれぞれ第1及び第2の上部(316a、316b)を備え、それにより、前記チューブ(104)の内側に保持された製品内の粒子は、前記チューブの密封帯から、前記第1及び第2の上部(316a、316b)が前記密封帯に向かって押圧されると押し離される、誘導加熱密封デバイス(300)。
【請求項2】
前記導電体配置(306a、306b、306c、306d)を保持する磁束コンセントレータ配置(304a、304b、304c、304d)を更に含み、前記磁束コンセントレータ配置(304a、304b、304c、304d)は、前記第1及び第2の密封面(314a、314b)の一部を形成する1つ又はいくつかの傾斜した磁束コンセントレータ上面(318a、318b、318c、318d)を備える、請求項1に記載の誘導加熱密封デバイス(300)。
【請求項3】
前記導電体配置(306a、306b、306c、306d)は、前記第1及び第2の密封面(314a、314b)の一部を形成する1つ又はいくつかの傾斜した導電体配置上面(320a、320b、320c、320d)を備える、請求項1又は2に記載の誘導加熱密封デバイス(300)。
【請求項4】
前記第1及び第2の密封面(314a、314b)の少なくとも一部は、前記誘導加熱密封デバイス(300)が前記密封帯に向かって押圧されるとき、前記パッケージ材料内の溶融ポリマーが移動される方向が制御されるように傾斜される、請求項1~3のいずれか一項に記載の誘導加熱密封デバイス(300)。
【請求項5】
前記加熱密封デバイス(300)の前記第1及び第2の密封面(314a、314b)の傾斜輪郭は、ポリマー層内に特定のタイプのポリマーを有する特定のタイプのパッケージ材料に適合される、請求項1~4のいずれか一項に記載の誘導加熱密封デバイス(300)。
【請求項6】
前記加熱密封デバイス(300)の前記第1及び第2の密封面(314a、314b)の傾斜輪郭は、特定のタイプの粒子を含む特定のタイプの製品に適合される、請求項1~5のいずれか一項に記載の誘導加熱密封デバイス(300)。
【請求項7】
前記加熱密封デバイス(300)の前記第1及び第2の密封面(314a、314b)の傾斜輪郭は、充填機の特定のタイプの動力学に適合される、請求項1~6のいずれか一項に記載の誘導加熱密封デバイス(300)。
【請求項8】
横密封システム(400)であって、
請求項1~7のいずれか一項に記載の誘導加熱密封デバイス(300)と、
前記加熱密封デバイス(300)の反対側に配置された逆圧配置(402a、402b)と
を含み、
前記誘導加熱密封デバイス(300)及び前記逆圧配置(402a、402b)は、動作中、前記チューブ(104)が前記2つの間に送られ得るように配置される、横密封システム(400)。
【請求項9】
前記逆圧配置(402a、402b)は、それぞれ第1及び第2の圧力パッド面(406a、406b)を備えた第1及び第2の逆圧要素(402a、402b)を含み、前記第1及び第2の逆圧パッド面(406a、406b)は、凸形状である、請求項8に記載の横密封システム(400)。
【請求項10】
第1の凸形状圧力パッド(404a)の第1の圧力パッド上部(408a)は、前記誘導加熱密封デバイス(300)の前記第1の密封面(314a)の前記第1の上部(316a)とずれており、及び第2の凸形状圧力パッド(404b)の第2の圧力パッド上部(408b)は、前記誘導加熱密封デバイス(300)の前記第1の密封面(314b)の前記第2の上部(316b)とずれている、請求項9に記載の横密封システム(400)。
【請求項11】
密封状態(S)中にパッケージ材料に面するように配置された第1及び第2の密封面(314a、314b)を含む本体(302)と、切断状態(C)中にナイフを受けるための、前記本体(308)内に提供された凹部(308)であって、前記第1及び第2の密封面(314a、314b)は、前記凹部(308)の対向する側面上に置かれる、凹部(308)と、前記密封状態(S)中に前記パッケージ材料内に渦電流を誘導するための、前記本体(302)内に提供された導電体配置(306a、306b、306c、306d)とを含む誘導加熱密封デバイス(300であって、前記第1及び第2の密封面(314a、314b)の少なくとも一部は、傾斜され、且つそれぞれ第1及び第2の上部(316a、316b)を備える、誘導加熱密封デバイス(300と、前記誘導加熱密封デバイス(300)の反対側に配置された逆圧配置(402a、402b)とを使用することにより、前記パッケージ材料のチューブ(104)を横密封するための方法(500)であって、
前記チューブ(104)を、前記チューブの密封帯が前記誘導加熱密封デバイス(300)及び前記逆圧配置(402a、402b)に面するように置くこと(502)と、
前記チューブの内側に保持された製品の粒子が押し離されるように、前記誘導加熱密封デバイス(300)及び前記逆圧配置(402a、402b)を互いに向かって移動させること(504)と、
前記誘導加熱密封デバイス(300)を使用することにより、前記チューブの前記パッケージ材料内に渦電流を誘導すること(506)と、
前記チューブ(104)の第1及び第2の側面を、前記チューブの前記第1及び第2の側面のポリマー層内の溶融ポリマーが互いに付着するように互いに向かって押圧すること(508)と、
不十分な密封のリスクが低減されるように、前記誘導加熱密封デバイス(300)の前記傾斜した密封面を使用して前記溶融ポリマーを分配すること(510)と
を含む方法(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、誘導加熱密封に関する。より詳細には、本発明は、液体食品製品を保持するパッケージ材料のチューブの横密封を提供するためのデバイス及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、液体食品製品を充填したカートンパッケージ、例えば牛乳を充填したTetra Brik(商標)パッケージを生成することが周知である。Tetra Brik(商標)パッケージ機は、ロール供給パッケージ機の一例であり、ロール供給充填機と呼ばれることもある。ロール供給パッケージ機内では、リール上でパッケージ機に供給されたパッケージ材料のウェブは、チューブに形成され、長手方向密封が提供される。チューブが形成されて長手方向密封が提供された後、チューブに、製品が充填される。チューブの下端から横密封が連続して作成される。横密封の作成に関連して、チューブの下端は、液体製品を充填したパッケージが形成されるように切り離される。その後、これらのパッケージは、折畳みデバイスに移され、折畳みデバイスは、パッケージ材料に提供された予め作成された折り畳み線(弱化線と呼ばれることもある)を使用することにより、パッケージをそれらの最終形態に折り畳む。
【0003】
別のタイプのパッケージ機は、いわゆるブランク供給パッケージ機である。ロール供給パッケージ機と異なり、パッケージは、ブランク供給パッケージ機内で1つずつ作成される。2つの間の別の違いは、長手方向密封がパッケージ機内で作成されるのではなく、予め作られていることである。従って、ブランクは、これに関連して、パッケージ材料のスリーブ形状片とみなされるべきである。ブランク供給パッケージ機内では、ブランクは、内部空間が形成されるように組み立てられる、すなわち展開される。組み立てた後、スリーブの一端に横密封を提供することにより閉鎖端部が形成される。次のステップでは、製品は、スリーブ内に充填され、その後、スリーブの別の端部は、閉鎖したパッケージが形成されるように横密封を提供することによって閉鎖される。
【0004】
製品がパッケージ内に安全に留まることを確実にするために、横密封は、信頼できる手法で作成するべきである。信頼できる横密封を提供するための技術は、長年使用されているが、速度、例えば1時間当たりに生成されるパッケージの数、パッケージ内に充填される異なるタイプの製品、例えば高粘性製品並びに種子及び他のタイプの粒子を含有する製品、保守間隔などに関する要件が引き続き増加しているため、横密封技術を改良する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先行技術の上に定義した制限の1つ又は複数を少なくとも部分的に克服することが本発明の目的である。具体的には、改良された誘導加熱密封デバイスを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、パッケージ材料のチューブの横密封を提供するための誘導加熱密封デバイスが提供され、前記誘導加熱密封デバイスは、密封状態中にパッケージ材料に面するように配置された第1及び第2の密封面を含む本体と、切断状態中にナイフを受けるための、本体内に提供された凹部であって、第1及び第2の密封面は、凹部の対向する側面上に置かれる、凹部と、密封状態中にパッケージ材料内に渦電流を誘導するための、本体内に提供された導電体配置とを含み、第1及び第2の密封面の少なくとも一部は、傾斜され、且つそれぞれ第1及び第2の上部を備え、それにより、チューブの内側に保持された製品内の粒子は、チューブの密封帯から、第1及び第2の上部が密封帯に向かって押圧されると押し離される。
【0007】
誘導加熱密封デバイスは、導電体配置を保持する磁束コンセントレータ配置を更に含み得、磁束コンセントレータ配置は、第1及び第2の密封面の一部を形成する1つ又はいくつかの傾斜した磁束コンセントレータ上面を備える。
【0008】
導電体配置は、第1及び第2の密封面の一部を形成する1つ又はいくつかの傾斜した導電体配置上面を備えてもよい。
【0009】
第1及び第2の密封面の少なくとも一部は、誘導加熱密封デバイス(300)が密封帯に向かって押圧されるとき、パッケージ材料内の溶融ポリマーが移動される方向が制御されるように傾斜されてもよい。
【0010】
加熱密封デバイス(300)の第1及び第2の密封面の傾斜輪郭は、ポリマー層内に特定のタイプのポリマーを有する特定のタイプのパッケージ材料に適合されてもよい。
【0011】
更に、加熱密封デバイスの第1及び第2の密封面の傾斜輪郭は、特定のタイプの粒子を含む特定のタイプの製品に適合されてもよい。
【0012】
加えて、加熱密封デバイスの第1及び第2の密封面の傾斜輪郭は、充填機の特定のタイプの動力学に適合されてもよい。
【0013】
第2の態様によれば、第1の態様による誘導加熱密封デバイスと、誘導加熱密封デバイスの反対側に配置された逆圧配置とを含む横密封システムが提供され、誘導加熱密封デバイス及び逆圧配置は、動作中、チューブがその2つの間に送られ得るように配置される。
【0014】
逆圧配置は、それぞれ第1及び第2の圧力パッド面を備えた第1及び第2の逆圧要素を含み得、第1及び第2の逆圧パッド面は、凸形状である。
【0015】
第1の凸形状圧力パッドの第1の圧力パッド上部は、誘導加熱密封デバイスの第1の密封面の第1の上部とずれ得、及び第2の凸形状圧力パッドの第2の圧力パッド上部は、誘導加熱密封デバイスの第1の密封面の第2の上部とずれてもよい。
【0016】
第3の態様によれば、密封状態中にパッケージ材料に面するように配置された第1及び第2の密封面を含む本体と、切断状態中にナイフを受けるための、本体内に提供された凹部であって、第1及び第2の密封面は、凹部の対向する側面上に置かれる、凹部と、密封状態中にパッケージ材料内に渦電流を誘導するための、本体内に提供された導電体配置とを含む誘導加熱密封デバイスであって、第1及び第2の密封面の少なくとも一部は、傾斜され、且つそれぞれ第1及び第2の上部を備える、誘導加熱密封デバイスと、誘導加熱密封デバイスの反対側に配置された逆圧配置とを使用することにより、パッケージ材料のチューブを横密封するための方法が提供され、前記方法は、
チューブを、チューブの密封帯が誘導加熱密封デバイス及び逆圧配置に面するように置くことと、
チューブの内側に保持された製品の粒子が押し離されるように、誘導加熱密封デバイス及び逆圧配置を互いに向かって移動させることと、
誘導加熱密封デバイスを使用することにより、チューブのパッケージ材料内に渦電流を誘導することと、
チューブの第1及び第2の側面を、チューブの第1及び第2の側面のポリマー層内の溶融ポリマーが互いに付着するように互いに向かって押圧することと、
不十分な密封のリスクが低減されるように、誘導加熱密封デバイスの傾斜した密封面を使用して溶融ポリマーを分配することと
を含む。
【0017】
ここで、本発明の実施形態が添付の概略図を参照して例として記載される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ロール供給パッケージ機の一般的な図である。
図2】横密封を提供するために使用する密封装置のより詳細な図である。
図3】加熱誘導密封デバイスの断面図を示す。
図4】横密封システムを示す。
図5】パッケージ材料のチューブを横密封するための方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、概して、パッケージ機100を示す。示された例では、パッケージ機100は、ロール供給カートンパッケージ機である。このような機械の一般原則は、ウェブ102がパッケージ材料のロールから形成されることである。示されていないが、必要に応じて食品安全規制を満たすために、ウェブ102は、過酸化水素槽、低電圧電子ビーム(LVEB)デバイス又は多くの望ましくない微生物を低減することができるあらゆる他の装置を使用して殺菌されてもよい。殺菌後、長手方向密封デバイスを使用することにより、ウェブ102は、チューブ104に形成されてもよい。チューブを形成すると、製品、例えば牛乳は、チューブ104の内側の少なくとも一部に置かれた製品パイプ106を介してチューブ104内に送られてもよい。
【0020】
製品を充填したチューブ104からパッケージ108を形成するために、横密封は、密封装置110を使用することによってチューブの下端に作成されてもよい。概して、密封装置110は、2つの主な機能、すなわち横密封を提供すること、すなわち密封装置の下方に置かれたチューブの下部内の製品が、密封装置の上方に置かれたチューブ内の製品から分離されるように、チューブの2つの対向する側面を一緒に溶着させることと、パッケージ108が形成されるようにチューブの下部を切り離すこととを有する。代わりに、示されているように同一の装置で横密封を提供し、且つ下部を切り離す代わりに、下部を切り離すステップは、異なる機器により又はパッケージがマルチパック内で販売されることを意図する場合に消費者により後続のステップで行われてもよい。
【0021】
図2では、密封装置110の一般原則が更に詳細に示されている。チューブ104を上から送ることができるのは、これにより製品をチューブの内側に保持することができるからである。第1段階、密封段階Sでは、密封デバイス200を備えた第1の顎及び逆圧デバイス202を備えた第2の顎は、チューブ104の2つの対向する側面が互いに向かって押圧されるように互いに向かって移動される。横密封を提供するために、2つの対向する側面を一緒に押圧している間、パッケージ材料内に渦電流を誘導することによって熱を提供することができる。熱により、パッケージ材料のポリマー層が溶融され、これにより、次いで、2つの対向する側面が互いに付着して、顎が取り除かれた後に一緒に留まり得ることを確実にするために使用できるポリマー層を提供する。後続のステップ(本明細書では切断段階Cと呼ばれる)では、チューブ104の下部は、パッケージ108が形成されるように切り離すことができる。パッケージが形成される速度を増すために、顎は、密封段階S及び切断段階C中にチューブ供給方向Aにチューブ104と共に移動されてもよい。
【0022】
パッケージ108のより制御された形成工程を提供するために、いわゆる容積形成フラップ204a、204bを使用することができる。より詳細には、これらを使用することにより、円形断面を有するチューブ104は、制御された手法において、長方形断面を有するパッケージ108に進められてもよい。
【0023】
密封デバイスは、第1のインダクタ206a及び第2のインダクタ206bの2つのインダクタを備えることができる。示された例では、第1のインダクタ206aは、第2のインダクタ206bの上に配置されている。横密封を提供した後、ナイフ208は、チューブの下部を切り離すために使用され、従ってパッケージ108を形成することができる。この例では、ナイフ208並びに第1及び第2のインダクタ206a、206bは、密封デバイス内に提供されているが、他の配置も可能である。例えば、ナイフは、逆圧デバイス内でチューブの反対側に提供されてもよいか、又は切断ステップは、密封デバイスの下流の分離デバイスによって行われてもよい。
【0024】
図3では、密封装置110の一部を形成し得る誘導加熱密封デバイス300が例として詳細に示されている。より具体的には、誘導加熱密封デバイス300は、図2に示された密封デバイス200として使用されてもよい。
【0025】
誘導加熱密封デバイス300は、本体302を含んでもよい。本体302内には、磁束コンセントレータ配置304a~dが提供されてもよい。磁束コンセントレータ配置304a~dの目的は、電子伝導体配置306a~d(これらも本体302内に含まれ得る)によって形成された電磁放射線を密封段階S中にパッケージ材料のチューブ102に向けることを可能にすることである。磁束コンセントレータ配置304a~dは、プラストフェライト又は軟磁性複合材料などの様々な材料から作成することができる。
【0026】
誘導加熱密封デバイス300は、様々な方法で設計されてもよい。図3では、いわゆるツインコイルインダクタが例として示されている。ツインコイルインダクタ内では、電子伝導体配置306a~dは、第1のコイル306a~b及び第2のコイル306c~dを含み得、すなわち、1つのコイルは、切断段階C中にナイフを受けるように構成された凹部308のいずれの側面上にも提供される。別の選択肢は、いわゆるシングルコイルインダクタであり、この場合、1つのコイルが提供され、コイルの一部が凹部308の片面上に提供され、コイルの別の部分が凹部308の他方の面上に提供されるように配置される。要するに、凹部308の片面上の本体302の第1の部分及び凹部308の他方の面上の本体302の第2の部分をそれぞれ表す第1のインダクタ310及び第2のインダクタ312は、シングルコイルを共有してもよい、又は図3に示されるようにそれぞれ1つずつコイルを備えてもよい。
【0027】
更に、示されるように、電子伝導体配置306a~dは、電子伝導体配置306a~dが本体302の外面の一部を形成するように、磁束コンセントレータ配置304a~dによって保持されてもよい。別の選択肢は、示されていないが、電子伝導体配置306a~dが、電子伝導体配置306a~dが本体302の外面の一部を形成しないように、磁束コンセントレータ配置304a~d内に完全に保持されることである。更なる選択肢は、磁束コンセントレータ配置304a~dも電子伝導体配置306a~dも外面の一部を形成しないように、表面カバー(示されていない)を有することである。
【0028】
それぞれ第1及び第2のインダクタ310、312の第1及び第2の密封面314a、314bは、図3に示されるように傾斜されてもよい。傾斜した第1及び第2の密封面314a、314bを有することには、いくつかの利点がある。まず、密封段階S中、チューブ104内の食品製品内の粒子は、チューブ104の密封帯、すなわち横密封に形成されるチューブ104の区分から、平坦な表面のインダクタを有する場合と比べてより制御された手法で押し出されてもよい。より具体的には、傾斜した第1及び第2の密封面314a、314bを有する効果は、圧力勾配がチューブ104の内側に問題なく構築できることである。様々な製品は、例えば、粘性に関して且つ製品が粒子を含むかどうかに関して異なり、粒子を含む場合、これらは、様々な特性を有し得るため、様々な製品は、密封帯内の製品の残留を回避するために様々な基準を必要とし得る。チューブ104の内側に保持された製品に基づいて傾斜輪郭をカスタマイズすること、すなわち密封面314a、314bがどのように傾斜するかにより、圧力勾配の構築が製品に最適化され得、一層更に改良された横密封を示唆する。
【0029】
製品の残留が密封段階Sにおいて密封帯から適切に取り除かれる改良に加えて、傾斜した密封面314a、314bを有することは、密封の品質にもよい影響をもたらす。圧力勾配は、すなわち、密封段階S中に溶融するポリマー層内にも形成される。これにより、パッケージ材料内の溶融ポリマーが移動される方法は、平坦な表面のインダクタを使用する場合と比べてより正確な手法で制御することができる。次いで、これにより、パッケージ材料内に溶融ポリマーが凝集するリスクを低減することができる。要するに、溶融ポリマーをより効率的に分配することができる。別のよい影響は、信頼できる横密封を作成するために必要なポリマーが少なくてもよいことである。溶融ポリマーが密封段階S中に分配される方法がより正確な手法で制御されてもよいため、これは、必要とするポリマーが少ないことを示唆し得、これは、コストの視点からだけでなく、環境の視点からも好都合である。
【0030】
図3に示された例では、第1及び第2の密封面314a、314bは、第1及び第2の上部316a、316bをそれぞれ備える。示されるように、この例では、第1及び第2の上部316a、316bは、凹部308の隣に置かれているが、第1及び第2の上部316a、316bの他の配置も可能である。更に、図3に示されるように、磁束コンセントレータ上面318a~dは、傾斜されて、第1及び第2の密封面314a、314bの一部を形成することができる。示されるように、電子伝導体配置上面320a~dも傾斜されて、密封面314a、314bの一部を形成してもよい。更に、第1及び第2の密封面314a、314bは、凹部308を通過する凹部軸RAに対して対称であってもよい。
【0031】
図4は、誘導加熱密封デバイス300、次いで第1及び第2の逆圧要素402a、402bを含む逆圧配置402a、402bを含む、横密封システム400を概して示す。
【0032】
図4に示された誘導加熱密封デバイス300は、第1及び第2の上部316a、316bが、図3に示された例の場合のように凹部308の隣ではなく、第1及び第2の密封面314a、314bのそれぞれの中央部に置かれている点において、図3に示された誘導加熱密封デバイスと異なる。更に、図4に示された例における密封面314a、314bは、一部のみが傾斜されており、すなわち、密封面314a、314bは、傾斜部分及び平坦部分を含む。
【0033】
第1及び第2の逆圧要素402a、402bは、第1及び第2の逆圧パッド404a、404bをそれぞれ含んでもよく、これらは、例えば、ゴム又は他の弾性材料から作成されてもよい。第1及び第2の逆圧パッド404a、404bは、密封段階S中にチューブ104に面するように配置された第1及び第2の逆圧パッド面406a、406bを備えることができる。第1及び第2の逆圧パッド面406a、406bは、凸形状であり、第1及び第2の逆圧パッド上部408a、408bをそれぞれ備えることができる。
【0034】
図4に示されるように、第1及び第2の逆圧パッド上部408a、408bは、第1及び第2の上部316a、316bに対してずれ、本明細書では第1の逆圧パッド上部408aを通過する第1の圧力パッド上部FPPTS軸、第2の逆圧パッド上部408bを通過する第2の圧力パッド上部SPPTS軸、第1の上部316aを通過する第1の上部FTS軸及び第2の上部316bを通過する第2の上部STS軸によって示されている。示されていないが、第1及び第2の上部316a、316bに対して位置合わせされた第1及び第2の逆圧パッド上部408a、408bを有することも可能である。
【0035】
更に、上に表されたように、第1及び第2の密封面314a、314bの傾斜輪郭は、特定の製品、特定のパッケージ材料、特定のタイプの密封装置110、特定のパッケージ機100又はそれらの組合せの要件を満たすように調節されてもよい。加えて、密封特性を一層更に改良するために、第1及び第2の逆圧パッド面406a、406bの傾斜輪郭も上記の要件を満たすように調節されてもよい。
【0036】
加えて、第1及び第2の逆圧要素402a、402bは、第1及び第2の逆圧パッド面406a、406bが異なる傾斜輪郭を有するように異なる形状であってもよい。これらが異なる形状を有する1つの理由は、横密封システム400の上流に置かれたチューブ104が、チューブ104内に保持された食品製品によってもたらされた圧力を横密封システム400の上に提供することである。第1及び第2の逆圧要素402a、402b及び任意選択的にまた又は代わりに異なる形状の第1及び第2のインダクタ310、312を有することにより、食品製品によってもたらされた圧力を補償することができる。
【0037】
図5は、誘導加熱密封デバイス300を使用することにより、パッケージ材料のチューブ104を横密封するための方法を示すフローチャート500である。方法は、チューブ104を、チューブの密封帯が誘導加熱密封デバイス300及び逆圧配置402a、402bに面するように置くこと502と、チューブの内側に保持された製品の粒子が押し離されるように、誘導加熱密封デバイス300及び逆圧配置402a、402bを互いに向かって移動させること504と、誘導加熱密封デバイス300を使用することにより、チューブのパッケージ材料内に渦電流を誘導すること506と、チューブ104の第1及び第2の側面を、チューブの第1の側面及び第2の側面のポリマー層内の溶融ポリマーが互いに付着するように互いに向かって押圧すること508と、不十分な密封のリスクが低減されるように、誘導加熱密封デバイス300の傾斜した密封面を使用して溶融ポリマーを分配すること510とを含んでもよい。
【0038】
上記から、本発明の様々な実施形態が記載され、示されているが、本発明は、それらに限定されるのではなく、以下の特許請求の範囲に定義された主題の範囲内の他の方法で具現化されてもよいことになる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ材料のチューブ(104)の横密封を提供するための誘導加熱密封デバイス(300)であって、
密封状態(S)中に前記パッケージ材料に面するように配置された第1の密封面(314a)及び第2の密封面(314b)を含む本体(302)と、
切断状態(C)中にナイフを受けるための、前記本体(308)内に提供された凹部(308)であって、前記第1の密封面(314a)及び前記第2の密封面(314b)は、前記凹部(308)の対向する側面上に置かれる、凹部(308)と、
前記密封状態(S)中に前記パッケージ材料内に渦電流を誘導するための、前記本体(302)内に提供された導電体配置(306a、306b、306c、306d)と
を備え、
前記第1の密封面(314a)は、前記凹部(308)に隣接する第1の上部(316a)を含み、
前記第2の密封面(314b)は、前記凹部(308)に隣接する第2の上部(316b)を含む、
誘導加熱密封デバイス(300)。
【請求項2】
前記第1の密封面(314a)及び前記第2の密封面(314b)は、前記凹部(308)から離れるように下方に傾斜している、
請求項1に記載の誘導加熱密封デバイス(300)。
【請求項3】
前記第1の密封面(314a)と前記第2の密封面(314b)は、前記凹部(308)に対して対称である、
請求項1に記載の誘導加熱密封デバイス(300)。
【請求項4】
パッケージ材料のチューブ(104)の横密封を提供するための誘導加熱密封デバイス(300)であって、
密封状態(S)中に前記パッケージ材料に面するように配置された第1の密封面(314a)及び第2の密封面(314b)を含む本体(302)と、
切断状態(C)中にナイフを受けるための、前記本体(308)内に提供された凹部(308)であって、前記第1の密封面(314a)及び前記第2の密封面(314b)は、前記凹部(308)の対向する側面上に置かれる、凹部(308)と、
前記密封状態(S)中に前記パッケージ材料内に渦電流を誘導するための、前記本体(302)内に提供された導電体配置(306a、306b、306c、306d)と、
を備え、
前記第1の密封面(314a)は、第1の斜面と、前記第1の斜面とは異なる傾斜角度を有する第2の斜面と、前記第1の斜面及び前記第2の斜面との間に位置する第1の上部(316a)と、を含む、
誘導加熱密封デバイス(300)。
【請求項5】
前記第2の密封面(314b)は、第3の斜面と、前記第3の斜面とは異なる傾斜角度を有する第4の斜面と、前記第3の斜面と前記第4の斜面との間に位置する第2の上部(316b)とを含む、
請求項に記載の誘導加熱密封デバイス(300)。
【請求項6】
前記第1の密封面(314a)と前記第2の密封面(314b)は、前記凹部(308)に対して対称である、
請求項に記載の誘導加熱密封デバイス(300)。