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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075729
(43)【公開日】2024-06-04
(54)【発明の名称】光コネクタの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/38 20060101AFI20240528BHJP
【FI】
G02B6/38
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024048231
(22)【出願日】2024-03-25
(62)【分割の表示】P 2020566414の分割
【原出願日】2020-01-14
(31)【優先権主張番号】P 2019004071
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森島 哲
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光コネクタの製造コストの低廉化を図る。
【解決手段】光コネクタ1はフェルール10とプラグフレーム20と弾性部材19とを備える。フェルールは光ファイバのガラスファイバを保持する。プラグフレームはフェルールを収容する。弾性部材はフェルールをフェルールの中心軸方向に沿って付勢する。弾性部材は、第一の長さでフェルールをプラグフレーム内の第一位置P1に保持するか、第一の長さより短い第二の長さでフェルールをプラグフレーム内の第二位置P2に保持する。フェルールまたはプラグフレームはテーパ面を有する。フェルールが第一位置の場合、フェルールとプラグフレームとがテーパ面を介して接触し、フェルールのプラグフレームに対する回動が規制され、フェルールが第二位置の場合、フェルールとプラグフレームとは接触せずフェルールはプラグフレームに対して回動可能で、フェルールがプラグフレームに対してフローティング状態になる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側にフランジが設けられて、内側に貫通穴を有し、前記貫通穴内にガラスファイバと、前記ガラスファイバを覆う樹脂被覆とを含む光ファイバの一端部において前記樹脂被覆から露出した前記ガラスファイバを保持可能なフェルールと、
前記フェルールを収容するように構成されたプラグフレームと、
前記フェルールを前記フェルールの中心軸方向に沿って付勢する弾性部材を備えた光コネクタであって、
前記弾性部材は、前記弾性部材の第一の長さで前記フェルールを前記プラグフレーム内の第一位置に保持可能であり、前記第一の長さより短い第二の長さで前記フェルールを前記プラグフレーム内の第二位置に保持可能であり、
前記フェルールまたは前記プラグフレームの少なくとも一方は、前記フェルールの中心軸との距離が、前記弾性部材の付勢方向に向けて減少する少なくとも一つのテーパ面を有し、
前記フェルールが前記第一位置にある場合に、前記フェルールと前記プラグフレームとが前記少なくとも一つのテーパ面を介して接触し、前記フェルールの前記プラグフレームに対する回動が規制され、
前記フェルールが前記第二位置にある場合に、前記フェルールと前記プラグフレームとは接触せず前記フェルールは前記プラグフレームに対して回動可能で、前記フェルールが前記プラグフレームに対してフローティング状態になる、
光コネクタ。
【請求項2】
前記少なくとも一つのテーパ面は、第1テーパ面と第2テーパ面とを有しており、
前記第1テーパ面と前記第2テーパ面とは、前記フェルールの中心軸を挟んで対向するように構成されている、
請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記フェルールの前記フランジは、断面視において多角形状である、
請求項1または請求項2に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記フェルールの前記フランジは、断面視において四角形状である、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記フェルールがジルコニア製である、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記光コネクタは前記光ファイバを備え、
前記光ファイバは、マルチコアファイバ、偏波保持ファイバ、バンドルファイバのいずれかである、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光コネクタ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の前記光コネクタに光ファイバが組み込まれた光コネクタアセンブリと、スリーブを介して前記光コネクタアセンブリに連結される接続対象物と、を備え、前記光ファイバと前記接続対象物内の光ファイバとを光学的に接続する光接続構造であって、
前記フェルールを前記スリーブに挿入し、前記フェルールが前記第二位置にある場合に、前記フェルールは前記プラグフレームに対してフローティング状態になる、光接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光コネクタおよび光接続構造に関する。
本出願は、2019年1月15日出願の日本出願第2019―004071号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0002】
光コネクタは、光ファイバを保持するフェルールや、フェルールを収容するプラグフレームを有している。プラグフレームに外力が加えられた場合でも、各光ファイバのコア同士の光接続状態を維持することが要求される。非特許文献1は、プラグフレーム(プラグハウジング)に加えられた外力がフェルールに及ばないように、フェルールをプラグフレームに対してフローティングさせる構造が開示されている。この構造はオルダム・カップリング機構を採用している。フェルールに設けられたフランジとプラグフレームとの間に結合部品を介在させ、フェルールが結合部品に対してフェルール中心軸に対して垂直な一方向(左右方向)に移動可能であり、かつ、結合部品がプラグフレームに対してフェルール中心軸および前記一方向に対して垂直な方向(上下方向)に移動可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】境目ほか、「MU形マルチコアファイバコネクタ」、電子情報通信学会通信ソサイエティ大会、B-13-9、2012年9月
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様に係る光コネクタは、フェルールと、プラグフレームと、弾性部材とを備える。前記フェルールは、外側にフランジが設けられて、内側に貫通穴を有し、前記貫通穴内にガラスファイバと、前記ガラスファイバを覆う樹脂被覆とを含む光ファイバの一端部において前記樹脂被覆から露出した前記ガラスファイバを保持可能である。前記プラグフレームは、前記フェルールを収容するように構成されている。前記弾性部材は、前記フェルールを前記フェルールの中心軸方向に沿って付勢する。前記弾性部材は、前記弾性部材の第一の長さで前記フェルールを前記プラグフレーム内の第一位置に保持可能であり、前記第一の長さより短い第二の長さで前記フェルールを前記プラグフレーム内の第二位置に保持可能である。
【0005】
前記フェルールまたは前記プラグフレームの少なくとも一方は、前記フェルールの中心軸との距離が、前記弾性部材の付勢方向に向けて減少する少なくとも一つのテーパ面を有する。前記フェルールが前記第一位置にある場合に、前記フェルールと前記プラグフレームとが前記少なくとも一つのテーパ面を介して接触し、前記フェルールの前記プラグフレームに対する回動が規制され、前記フェルールが前記第二位置にある場合に、前記フェルールと前記プラグフレームとは接触せず前記フェルールは前記プラグフレームに対して回動可能で、前記フェルールが前記プラグフレームに対してフローティング状態になる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は本開示の一態様に係る光コネクタを、光ファイバを組み込んだ状態で示す外観斜視図である。
図2図2図1の光コネクタが含むフェルールの斜視図である。
図3図3図1の光コネクタのプラグフレームを構成するフロントハウジングの斜視図である。
図4A図4A図3のA-A線矢視断面図である。
図4B図4B図3のB-B線矢視断面図である。
図4C図4C図3のC-C線矢視断面図である。
図5図5はフェルールをプラグフレームに収容する前の状態を示す断面図である。
図6図6はフェルールをプラグフレームに収容した後の状態を示す断面図である。
図7図7はフェルールに割りスリーブを装着した後の状態を示す断面図である。
図8図8はバンドルファイバを説明するための図である。
図9A図9Aは他の実施形態によるフェルールの斜視図である。
図9B図9Bは他の実施形態によるフェルールの正面図である。
図10A図10Aは他の実施形態によるフロントハウジングの平面断面図である。
図10B図10Bは他の実施形態によるフロントハウジングの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[本開示が解決しようとする課題]
非特許文献1の構造では、フランジを複数個に分割して上下方向や左右方向に移動させており、光コネクタの部品点数が多くなり、また構造が複雑になるので、光コネクタの製造コストの低廉化を図り難い。
【0008】
最初に本開示の実施態様の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係る光コネクタは、フェルールと、プラグフレームと、弾性部材とを備える。前記フェルールは、外側にフランジが設けられて、内側に貫通穴を有し、前記貫通穴内にガラスファイバと、前記ガラスファイバを覆う樹脂被覆とを含む光ファイバの一端部において前記樹脂被覆から露出した前記ガラスファイバを保持可能である。前記プラグフレームは、前記フェルールを収容するように構成されている。前記弾性部材は、前記フェルールを前記フェルールの中心軸方向に沿って付勢する。前記弾性部材は、前記弾性部材の第一の長さで前記フェルールを前記プラグフレーム内の第一位置に保持可能であり、前記第一の長さより短い第二の長さで前記フェルールを前記プラグフレーム内の第二位置に保持可能である。
【0009】
前記フェルールまたは前記プラグフレームの少なくとも一方は、前記フェルールの中心軸との距離が、前記弾性部材の付勢方向に向けて減少する少なくとも一つのテーパ面を有する。前記フェルールが前記第一位置にある場合に、前記フェルールと前記プラグフレームとが前記少なくとも一つのテーパ面を介して接触し、前記フェルールの前記プラグフレームに対する回動が規制され、前記フェルールが前記第二位置にある場合に、前記フェルールと前記プラグフレームとは接触せず前記フェルールは前記プラグフレームに対して回動可能で、前記フェルールが前記プラグフレームに対してフローティング状態になる。
【0010】
このような光コネクタにおいて、フェルールを第一位置から第二位置に移動させるまでは、フェルールとプラグフレームとが接触状態になるので、フェルールがプラグフレームに対して位置決めされ、回動も規制される。一方、フェルールを第一位置から第二位置に移動させた後は、フェルールとプラグフレームとの接触状態が解除され、フェルールをプラグフレームに対してフローティングさせるため、プラグフレームに外力が加えられた場合でもフェルールには伝わらなくなる。このように、プラグフレームに対してフェルールが位置決めされた状態とフローティング状態をテーパ面だけで達成しており、光コネクタの部品点数が少なくて済み、また光コネクタの構造も簡単になる。加えて、フェルールの高さまたはプラグフレームの高さや幅が付勢方向に向けて次第に短くなっているので、フェルールをプラグフレームの後方から挿入をしやすくなる。さらにフェルールを付勢方向に前進させると、フェルールとプラグフレームとの隙間が小さくなるため、プラグフレームに対するフェルールの位置決めが容易になる。
【0011】
(2)前記光コネクタにおいて、前記少なくとも一つのテーパ面は、第1テーパ面と第2テーパ面とを有している。前記第1テーパ面と前記第2テーパ面とは、前記フェルールの中心軸を挟んで対向するように構成されている。これにより、第一位置におけるプラグフレームとフェルールとの間の回動がより確実に抑制される。
【0012】
(3)前記光コネクタにおいて、前記フェルールの前記フランジは、断面視において多角形状である。これにより、第一位置におけるプラグフレームとフェルールとの間の回動が確実に抑制される。
【0013】
(4)前記光コネクタにおいて、前記フェルールの前記フランジは、断面視において四角形状である。これにより、フランジ付きのフェルールの製造が容易になる。
【0014】
(5)前記光コネクタにおいて、前記フェルールがジルコニア製である。これにより、金属製のフェルールに比べてフェルールの端面の反射を抑えることができる。
【0015】
(6)前記光コネクタは前記光ファイバを備える。前記光ファイバは、マルチコアファイバ、偏波保持ファイバ、バンドルファイバのいずれかである。これにより、マルチコアファイバの他、偏波保持ファイバ、バンドルファイバを用いた場合にも、確実に位置決めできるので、接続損失の低下を防止できる。
【0016】
本開示の一態様に係る光接続構造は、(7)前記光コネクタに光ファイバが組み込まれた光コネクタアセンブリと、スリーブを介して前記光コネクタアセンブリに連結される接続対象物と、を備え、前記光ファイバと前記接続対象物内の光ファイバとを光学的に接続する光接続構造である。前記フェルールを前記スリーブに挿入し、前記フェルールが前記第二位置にある場合に、前記フェルールは前記プラグフレームに対してフローティング状態になる。これにより、光コネクタアセンブリと接続対象物とを連結するまでは、フェルールがプラグフレームに対して位置決めされ、回転も防止される。一方、光コネクタと接続対象物とを連結した後(コネクタ接続時ともいう)は、フェルールは弾性部材を介してのみプラグフレームに保持されることから、プラグフレームに外力が加えられた場合でもコネクタアセンブリ中の光ファイバと接続対象物中の光ファイバによる光接続状態を維持できる。よって、構造が簡単で、光接続状態を維持しやすい光接続構造を提供することができる。
【0017】
[本開示の効果]
本開示の光コネクタによれば、部品点数が少なくて済み、また、構造も簡単になる。
【0018】
[本開示の実施態様]
以下、図面を参照しながら、本開示の光コネクタおよび光接続構造に係る実施形態について説明する。以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。なお、本開示はこれらの実施形態での例示に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された事項の範囲内および均等の範囲内におけるすべての変更を含む。また、複数の実施形態について組み合わせが可能である限り、本開示は任意の実施形態を組み合わせたものを含む。
【0019】
[本開示の光コネクタの一例]
図1は、本開示の一態様に係る光コネクタ1を、光ファイバを組み込んだ状態で示す外観斜視図である。図2は、光コネクタ1が含むフェルール10の斜視図であり、図3は、光コネクタ1のプラグフレーム20を構成するフロントハウジング21の斜視図である。また、図4A図3のA-A線矢視断面図であり、図4B図3のB-B線矢視断面図であり、図4C図3のC-C線矢視断面図である。図5は、フェルール10をプラグフレーム20に収容する前の状態を示す断面図である。なお、以下では、光コネクタをLCコネクタの例で説明する。
【0020】
図1に示すように、光コネクタ1は、フェルール10を収容したプラグフレーム20を備え、プラグフレーム20の後端には、光ファイバFを保護するブーツ34が設けられている。
【0021】
[フェルール]
図2に示すように、フェルール10は、図示のX軸方向に延びたフェルール本体11を有する。フェルール本体11は、例えばジルコニア製で円筒状であり、フェルール本体11の内側に貫通穴を有し、貫通穴には、光ファイバFの先端部分(一端部)の樹脂被覆から露出したガラスファイバが保持される。光ファイバFは、例えば、複数コアを有するマルチコアファイバであり、フェルール本体11の後端13から挿入され、先端面が前端12から露出し、フェルール10の中心軸周りの所定の位置に複数コアが配置された状態で、フェルール10に固定されている。貫通穴の軸の方向を、図面ではX軸で表している。以下では、貫通穴の方向を光ファイバFの光軸方向とも呼ぶ。
【0022】
フェルール本体11の略中央位置の外側には、例えば金属製のフランジ14が設けられている。フランジ14は、例えば、断面視略多角形状(図2では略四角形状)であり、フランジ14の外周面をなす上面15、下面(平坦面)16、左側面17、右側面18を有している。上面15と下面16は、光ファイバFの光軸を挟んで対向しており、図示のZ軸方向で所定距離を置いて互いに平行な平坦面である。左側面17と右側面18は、上面15と下面16に対して直交し共に光ファイバFの光軸を挟んで対向しており、図示のY軸方向で所定距離を置いて互いに平行な平坦面である。なお、上面15と左側面17および右側面18との境界位置や、下面16と左側面17および右側面18との境界位置は面取りされている。上面15に、回転位置の基準を示すためのマーク(図示省略)を付しておけば、フェルール10を正しい向きでプラグフレーム20に挿入できる。
【0023】
[プラグフレームのフロントハウジング]
図3に示すように、プラグフレーム20は、図示のX軸方向に延びた角筒状のフロントハウジング21を有する。フロントハウジング21は、例えば樹脂製であり、フランジ14付きのフェルール10を受け入れ可能な後端開口24と、図2で説明したフェルール本体11の前端12を突出させる前端開口23を有する。フロントハウジング21の外周面には、可撓性を有したラッチアーム22が設けられている。
【0024】
フロントハウジング21の内部は、図4A図4Cに示すように、最も後端開口24側(図示のX軸の負方向、以下同じ)のクリアランス部25、このクリアランス部25の前方の回動規制部26、この回動規制部26の前方略角筒状の開口部27と区画されている。
【0025】
クリアランス部25は、フェルール10のフランジ14に係合せず、図4A図4Cに示すように、上面25a、下面25b、左側面25c、右側面25dを有する。上面25aと下面25bは、図示のZ軸方向で所定距離を置いて互いに平行であり、左側面25cと右側面25dは、図示のY軸方向で所定距離を置いて互いに平行である。したがって、クリアランス部25は、上面25a、下面25b、左側面25c、右側面25dからなる角筒状の内部空間であるが、上面25aから下面25bまでの距離(図示のZ軸方向の長さ、以下同じ)は、フランジ14の厚み(上面15と下面16との間の距離)よりも大きい。これにより、フランジ14付きのフェルール10は、フランジ14がクリアランス部25にあるときはフローティング可能になる。
【0026】
回動規制部26には、図4A図4Cに示すように、フェルール10の回動を規制するテーパ面(第1テーパ面26a、第2テーパ面26b)、左側面26c、右側面26dを有する。テーパ面である第1テーパ面26aと第2テーパ面26bは、図示のZ軸方向で光軸を挟んで距離をおいて対向し、左側面26cと右側面26dは、図示のY軸方向で所定距離を置いて互いに平行である。
【0027】
より具体的には、第1テーパ面26aおよび第2テーパ面26bと光軸との距離はコイルばね19の付勢方向に向けて減少している。コイルばね19については後述する。第1テーパ面26aの前端と第2テーパ面26bの前端との間のZ軸方向の距離はフェルール10のフランジ14の厚み(上面15と下面16との間の距離)よりも小さくなっており、第1テーパ面26aの後端と第2テーパ面26bの後端との間のZ軸方向の距離はフェルール10のフランジ14の厚み(上面15と下面16との間の距離)よりも大きくなっている。
【0028】
このように、フロントハウジング21内の上面下面間の距離をクリアランス部25から回動規制部26に向けて次第に短くしているので、フェルール10をフロントハウジング21の後方からに挿入しやすくなっていると共に、フェルール10をフロントハウジング21に位置決めしやすくなっている。
【0029】
[プラグフレームのリアハウジング]
図5に示すように、プラグフレーム20は、フロントハウジング21の後方に、リアハウジング31を有する。リアハウジング31は、例えば樹脂製であり、フェルール10の後端部分やコイルばね(弾性部材)19を収容可能な円筒状のばね収容部33を有する。コイルばね19は、フェルール10の後方に配置され、フランジ14の後端に当接してフェルール10を前方(図示のX軸の正方向、以下同じ)に付勢する。
【0030】
リアハウジング31の外周面には、ラッチアーム22に係合可能なクリップ32が設けられている。フェルール10の後端部分およびコイルばね19をリアハウジング31に収容し、フェルール10の先端部分をフロントハウジング21に挿入する。フランジ14は、クリアランス部25の位置で、フロントハウジング21の下面25bに載置可能である。
【0031】
次いで、クリップ32がラッチアーム22に乗り上がると、フロントハウジング21がリアハウジング31にラッチされる。同時に、フランジ14は、コイルばね19の付勢力によって前方に押され、フランジ14の上面15がフロントハウジング21の第1テーパ面26aに沿って、あるいは、フランジ14の下面16がフロントハウジング21の第2テーパ面26bに沿って、前方に移動する。フランジ14を前方に移動させていくと、図6に示すように、フランジ14の上面15がフロントハウジング21の第1テーパ面26aと接触する、あるいは、フランジ14の下面16がフロントハウジング21の第2テーパ面26bと接触する(以下、このときのフェルール10のプラグフレーム20内における位置を「第一位置P1」という。)と、フェルール10の前端12がフロントハウジング21から突出する。このとき、フランジ14がフロントハウジング21の第1テーパ面26aと第2テーパ面26bとに挟持され、フランジ14が、第一位置P1において、フロントハウジング21に対して回転規制される共にZ軸方向に移動困難な状態で保持される。また、このときのコイルばね19の長さを第一の長さL1とする。
【0032】
[本開示の光接続構造の一例]
次に、光接続構造は、図6に示すように、光コネクタ1と、別の光コネクタ1’とを備えており、割りスリーブ(スリーブ)40を用いて光コネクタ1側の光ファイバFと、光コネクタ1’側の光ファイバF’(図示省略)とを光学的に接続させる。光ファイバF’も、複数コアを有するマルチコアファイバであり、フェルール10’の中心軸周りの所定の位置に複数コアが配置された状態で、フェルール10’に固定されている。光コネクタ(接続対象物)1’については断面図で示していないが、光コネクタ1と同様に構成され、プラグフレーム20’内に、光ファイバF’を保持したフェルール10’や、フェルール10’を付勢する弾性部材(図示省略)を有する。
【0033】
割りスリーブ40は、その内径がフェルール10,10’の直径と略同等、あるいは、フェルール10,10’の直径よりも僅かに小さい。また、割りスリーブ40はスリット(図示省略)を有しており、このスリットを広げて内径を大きくすることが可能である。なお、割りスリーブ40をアダプタ(同種または異種のコネクタ同士を接続する部品、例えば、http://www.optigate.jp/products/connector/adapter.html)に内蔵されていてもよい。
【0034】
図6に示したフェルール10を割りスリーブ40の一端から挿入し、フェルール10’を割りスリーブ40の他端から挿入して、フェルール10側の光ファイバFの端面とフェルール10’側の光ファイバF’の端面と割りスリーブ40内で面接触させる(コネクタ接続ともいう)。図7に示すように、割りスリーブ40がフロントハウジング21内に入り、フェルール10が第一位置P1より後方の第二位置P2に移動した場合(すなわち、コイルばね19が第一の長さL1より短い第二の長さL2になった場合)、フランジ14がコイルばね19の付勢力に抗して後方に移動するので、フロントハウジング21のテーパ面(第1テーパ面26aおよび第2テーパ面26b)とフランジ14の上面15および下面16との接触状態が解除される。このとき、フェルール10は、割りスリーブ40とコイルばね19とにより、プラグフレーム20内の第二位置P2に保持される。
【0035】
そして、フランジ14がクリアランス部25の位置に到達すると、フェルール10は、フロントハウジング21に対して位置決めされていない、フローティング状態になり、X軸、Y軸、Z軸のいずれの方向にも移動可能になり、前記光コネクタ1’側の光ファイバF’とともに光軸回りの回転も可能になる。
【0036】
このように、光コネクタ1と光コネクタ1’を連結するまで(フェルール10を前方から後方に移動させるまで)は、フランジ14の上面15および下面16とフロントハウジング21のテーパ面(第1テーパ面26aおよび第2テーパ面26b)が接触状態になるので、フェルール10がフロントハウジング21に対して位置決めされ、回転も防止される。よって、プラグフレーム20をプラグフレーム20’に対向させることにより、光ファイバFが含む複数のコア各々と光ファイバF’が含む複数のコア各々とを正確に対向させることができる。
【0037】
一方、光コネクタ1と光コネクタ1’を連結した後(フェルール10を後方に移動させた後:コネクタ接続時)は、フランジ14の上面15および下面16とフロントハウジング21のテーパ面(第1テーパ面26aおよび第2テーパ面26b)の接触状態が解除され、フェルール10をフロントハウジング21に対してフローティングさせることから、フロントハウジング21やリアハウジング31に外力が加えられた場合でも外力はフェルール10に伝わらず、2本の光ファイバFと光ファイバF’による光接続状態を維持できる。
【0038】
このように、フロントハウジング21に対してフェルール10が位置決めされた状態とフローティング状態をフランジ14の上面15および下面16とフロントハウジング21のテーパ面(第1テーパ面26aおよび第2テーパ面26b)の設置だけで達成しており、光コネクタ1の部品点数が少なくて済み、また光コネクタ1の構造も簡単になる。この結果、構造が簡単で、光接続状態を維持しやすい光接続構造を提供することができる。
【0039】
ところで、前記実施形態では、フランジ14の上面15および下面16とフロントハウジング21のテーパ面(第1テーパ面26aおよび第2テーパ面26b)が接触した場合に、フランジ14の上面15および下面16をフロントハウジング21のテーパ面(第1テーパ面26aおよび第2テーパ面26b)で狭持する例を挙げて説明した。
しかし、本開示はこの例に限定されず、フロントハウジング21のテーパ面を側面に有してもよい。
すなわち、第1テーパ面26aとしている面および第2テーパ面26bとしている面を単なる平坦面とし、左側面26cを第1テーパ面、右側面26dを第2テーパ面としてもよい。
【0040】
また、前記実施形態では、光コネクタをLCコネクタの例で説明したが、本開示は、例えば、SCコネクタやMUコネクタを含む他の形式の光コネクタにも適用できる。
さらに、光ファイバFをマルチコアファイバの例で説明した。
しかし、本開示の光ファイバは、例えば、シングルモードファイバ、偏波保持ファイバ、あるいはバンドルファイバであってもよい。
マルチコアファイバ、偏波保持ファイバ、バンドルファイバは、光学的に接続させる際に、中心軸周りの回転角度の調整が必要な光ファイバである。
【0041】
バンドルファイバは、マルチコアファイバと光学的に接続させるために、複数のシングルコアファイバを集めたファイバである。
詳しくは、例えばガラス径125μmのシングルコアファイバの先端を化学エッチングして例えばガラス径45μmに細径化にしたものを準備し、図8に示すように、複数本(例えば7本)を接着剤でまとめてフェルール10に挿入している。この例の場合、コア間の距離が45μmになるように配置できる。このように、シングルモードファイバの他、マルチコアファイバ、偏波保持ファイバ、バンドルファイバを用いた場合にも、確実に位置決めできるので、接続損失の低下を防止できる。
【0042】
[他の実施形態]
上述した実施形態では、断面視略四角形状であるフランジ14を有するフェルール10とテーパ面を有するフロントハウジング21を有するプラグフレーム20とからなる光コネクタ1の例を挙げて説明した。しかし、本開示の光コネクタは、フェルールにテーパ面を有し、プラグフレームのフロントハウジングの内部が平坦面であるものであってもよく、以下、具体的に説明する。
【0043】
[フェルール]
図9Aおよび図9Bに示すように、例えば、フェルール10のフランジ14の上面15は、平坦面15aと、この平坦面15aよりも付勢方向側の第1テーパ面15bとを有する。フェルール10のフランジ14の下面16についても上面15と同様に、平坦面16aと、この平坦面16aよりも付勢方向側の第2テーパ面16bとを有する。
【0044】
平坦面15aと平坦面16aは、光ファイバFの光軸を挟んで対向しており、図示のZ軸方向で所定距離を置いて互いに平行である。第1テーパ面15bと第2テーパ面16bとは、光軸を挟んで対向しており、第1テーパ面15bおよび第2テーパ面16bと光軸との距離は付勢方向に向けて減少している。第1テーパ面15bの後端と第2テーパ面16bの後端との間のZ軸方向の距離は、平坦面15aと平坦面16aとの間のZ軸方向の距離より大きくなっている。
【0045】
[プラグフレーム]
また、上述した実施形態では、フロントハウジング21の回動規制部26にテーパ面(第1テーパ面26aおよび第2テーパ面26b)を有する例で説明したが、本実施形態ではフェルール10側にテーパ面を有しているので、フロントハウジング21は、テーパ面に変えて平坦面を有している。具体的には、回動規制部26には、図10Aおよび図10Bに示すように、上面261a、下面261b、左側面26c、右側面26d有している。上面261aと下面261bは、図示のZ軸方向で所定距離を置いて互いに平行であり、左側面25cと右側面25dは、図示のY軸方向で所定距離を置いて互いに平行である。この上面261aと下面261bとの間のZ軸方向の距離は、第1テーパ面26aの前端と第2テーパ面26bの前端との間のZ軸方向の距離より大きく、第1テーパ面26aの後端と第2テーパ面26bの後端との間のZ軸方向の距離より小さくなっている。
【0046】
このように、第1テーパ面26aと第2テーパ面26bとの間のZ軸方向の距離を後端から前端に向けて次第に小さくしているので、フェルール10をフロントハウジング21の後方からに挿入しやすくなっていると共に、フェルール10をフロントハウジング21に位置決めしやすくなっている。
【0047】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、前記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0048】
1,1’…光コネクタ、10,10’…フェルール、11…フェルール本体、12…前端、13…後端、14…フランジ、15…上面、15a…平坦面、15b…第1テーパ面、16…下面、16a…平坦面、16b…第2テーパ面、17…左側面、18…右側面、19…コイルばね、20,20’…プラグフレーム、21…フロントハウジング、22…ラッチアーム、23…前端開口、24…後端開口、25…クリアランス部、25a…上面、25b…下面、25c…左側面、25d…右側面、26…回動規制部、26a…第1テーパ面、261a…上面、26b…第2テーパ面、261b…下面、26c…左側面、26d…右側面、27…開口部、31…リアハウジング、32…クリップ、33…ばね収容部、34…ブーツ、40…割りスリーブ、P1…第一位置、P2…第二位置、L1…第一の長さ、L2…第二の長さ、F…光ファイバ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
【手続補正書】
【提出日】2024-03-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側にフランジが設けられて、内側に貫通穴を有し、前記貫通穴内にガラスファイバと、前記ガラスファイバを覆う樹脂被覆とを含む光ファイバの一端部において前記樹脂被覆から露出した前記ガラスファイバを保持可能なフェルールと、
前記フェルールを収容するように構成されたプラグフレームと、
前記フェルールを前記フェルールの中心軸方向に沿って付勢する弾性部材を備えた光コネクタであって、
前記弾性部材は、前記弾性部材の第一の長さで前記フェルールを前記プラグフレーム内の第一位置に保持可能であり、前記第一の長さより短い第二の長さで前記フェルールを前記プラグフレーム内の第二位置に保持可能であり、
前記フェルールまたは前記プラグフレームのいずれか一方は、前記フェルールの中心軸との距離が、前記弾性部材の付勢方向に向けて減少すると共に互いに対向する少なくとも一対のテーパ面を有し、
前記フェルールが前記第一位置にある場合に、前記フェルールと前記プラグフレームとが前記少なくとも一対のテーパ面を介して接触し、前記フェルールの前記プラグフレームに対する回動が規制され、
前記フェルールが前記第二位置にある場合に、前記フェルールと前記プラグフレームとは接触せず前記フェルールは前記プラグフレームに対して回動可能で、前記フェルールが前記プラグフレームに対してフローティング状態になる、
光コネクタ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光コネクタおよび光接続構造に関する。
本出願は、2019年1月15日出願の日本出願第2019―004071号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0002】
光コネクタは、光ファイバを保持するフェルールや、フェルールを収容するプラグフレームを有している。プラグフレームに外力が加えられた場合でも、各光ファイバのコア同士の光接続状態を維持することが要求される。非特許文献1は、プラグフレーム(プラグハウジング)に加えられた外力がフェルールに及ばないように、フェルールをプラグフレームに対してフローティングさせる構造が開示されている。この構造はオルダム・カップリング機構を採用している。フェルールに設けられたフランジとプラグフレームとの間に結合部品を介在させ、フェルールが結合部品に対してフェルール中心軸に対して垂直な一方向(左右方向)に移動可能であり、かつ、結合部品がプラグフレームに対してフェルール中心軸および前記一方向に対して垂直な方向(上下方向)に移動可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】境目ほか、「MU形マルチコアファイバコネクタ」、電子情報通信学会通信ソサイエティ大会、B-13-9、2012年9月
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様に係る光コネクタは、フェルールと、プラグフレームと、弾性部材とを備える。前記フェルールは、外側にフランジが設けられて、内側に貫通穴を有し、前記貫通穴内にガラスファイバと、前記ガラスファイバを覆う樹脂被覆とを含む光ファイバの一端部において前記樹脂被覆から露出した前記ガラスファイバを保持可能である。前記プラグフレームは、前記フェルールを収容するように構成されている。前記弾性部材は、前記フェルールを前記フェルールの中心軸方向に沿って付勢する。前記弾性部材は、前記弾性部材の第一の長さで前記フェルールを前記プラグフレーム内の第一位置に保持可能であり、前記第一の長さより短い第二の長さで前記フェルールを前記プラグフレーム内の第二位置に保持可能である。
【0005】
前記フェルールまたは前記プラグフレームのいずれか一方は、前記フェルールの中心軸との距離が、前記弾性部材の付勢方向に向けて減少すると共に互いに対抗する少なくとも一対のテーパ面を有する。前記フェルールが前記第一位置にある場合に、前記フェルールと前記プラグフレームとが前記少なくとも一対のテーパ面を介して接触し、前記フェルールの前記プラグフレームに対する回動が規制され、前記フェルールが前記第二位置にある場合に、前記フェルールと前記プラグフレームとは接触せず前記フェルールは前記プラグフレームに対して回動可能で、前記フェルールが前記プラグフレームに対してフローティング状態になる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は本開示の一態様に係る光コネクタを、光ファイバを組み込んだ状態で示す外観斜視図である。
図2図2図1の光コネクタが含むフェルールの斜視図である。
図3図3図1の光コネクタのプラグフレームを構成するフロントハウジングの斜視図である。
図4A図4A図3のA-A線矢視断面図である。
図4B図4B図3のB-B線矢視断面図である。
図4C図4C図3のC-C線矢視断面図である。
図5図5はフェルールをプラグフレームに収容する前の状態を示す断面図である。
図6図6はフェルールをプラグフレームに収容した後の状態を示す断面図である。
図7図7はフェルールに割りスリーブを装着した後の状態を示す断面図である。
図8図8はバンドルファイバを説明するための図である。
図9A図9Aは他の実施形態によるフェルールの斜視図である。
図9B図9Bは他の実施形態によるフェルールの正面図である。
図10A図10Aは他の実施形態によるフロントハウジングの平面断面図である。
図10B図10Bは他の実施形態によるフロントハウジングの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[本開示が解決しようとする課題]
非特許文献1の構造では、フランジを複数個に分割して上下方向や左右方向に移動させており、光コネクタの部品点数が多くなり、また構造が複雑になるので、光コネクタの製造コストの低廉化を図り難い。
【0008】
最初に本開示の実施態様の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係る光コネクタは、フェルールと、プラグフレームと、弾性部材とを備える。前記フェルールは、外側にフランジが設けられて、内側に貫通穴を有し、前記貫通穴内にガラスファイバと、前記ガラスファイバを覆う樹脂被覆とを含む光ファイバの一端部において前記樹脂被覆から露出した前記ガラスファイバを保持可能である。前記プラグフレームは、前記フェルールを収容するように構成されている。前記弾性部材は、前記フェルールを前記フェルールの中心軸方向に沿って付勢する。前記弾性部材は、前記弾性部材の第一の長さで前記フェルールを前記プラグフレーム内の第一位置に保持可能であり、前記第一の長さより短い第二の長さで前記フェルールを前記プラグフレーム内の第二位置に保持可能である。
【0009】
前記フェルールまたは前記プラグフレームのいずれか一方は、前記フェルールの中心軸との距離が、前記弾性部材の付勢方向に向けて減少すると共に互いに対抗する少なくとも一対のテーパ面を有する。前記フェルールが前記第一位置にある場合に、前記フェルールと前記プラグフレームとが前記少なくとも一対のテーパ面を介して接触し、前記フェルールの前記プラグフレームに対する回動が規制され、前記フェルールが前記第二位置にある場合に、前記フェルールと前記プラグフレームとは接触せず前記フェルールは前記プラグフレームに対して回動可能で、前記フェルールが前記プラグフレームに対してフローティング状態になる。
【0010】
このような光コネクタにおいて、フェルールを第一位置から第二位置に移動させるまでは、フェルールとプラグフレームとが接触状態になるので、フェルールがプラグフレームに対して位置決めされ、回動も規制される。一方、フェルールを第一位置から第二位置に移動させた後は、フェルールとプラグフレームとの接触状態が解除され、フェルールをプラグフレームに対してフローティングさせるため、プラグフレームに外力が加えられた場合でもフェルールには伝わらなくなる。このように、プラグフレームに対してフェルールが位置決めされた状態とフローティング状態をテーパ面だけで達成しており、光コネクタの部品点数が少なくて済み、また光コネクタの構造も簡単になる。加えて、フェルールの高さまたはプラグフレームの高さや幅が付勢方向に向けて次第に短くなっているので、フェルールをプラグフレームの後方から挿入をしやすくなる。さらにフェルールを付勢方向に前進させると、フェルールとプラグフレームとの隙間が小さくなるため、プラグフレームに対するフェルールの位置決めが容易になる。
【0011】
[本開示の効果]
本開示の光コネクタによれば、部品点数が少なくて済み、また、構造も簡単になる。
【0012】
[本開示の実施態様]
以下、図面を参照しながら、本開示の光コネクタおよび光接続構造に係る実施形態について説明する。以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。なお、本開示はこれらの実施形態での例示に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された事項の範囲内および均等の範囲内におけるすべての変更を含む。また、複数の実施形態について組み合わせが可能である限り、本開示は任意の実施形態を組み合わせたものを含む。
【0013】
[本開示の光コネクタの一例]
図1は、本開示の一態様に係る光コネクタ1を、光ファイバを組み込んだ状態で示す外観斜視図である。図2は、光コネクタ1が含むフェルール10の斜視図であり、図3は、光コネクタ1のプラグフレーム20を構成するフロントハウジング21の斜視図である。また、図4A図3のA-A線矢視断面図であり、図4B図3のB-B線矢視断面図であり、図4C図3のC-C線矢視断面図である。図5は、フェルール10をプラグフレーム20に収容する前の状態を示す断面図である。なお、以下では、光コネクタをLCコネクタの例で説明する。
【0014】
図1に示すように、光コネクタ1は、フェルール10を収容したプラグフレーム20を備え、プラグフレーム20の後端には、光ファイバFを保護するブーツ34が設けられている。
【0015】
[フェルール]
図2に示すように、フェルール10は、図示のX軸方向に延びたフェルール本体11を有する。フェルール本体11は、例えばジルコニア製で円筒状であり、フェルール本体11の内側に貫通穴を有し、貫通穴には、光ファイバFの先端部分(一端部)の樹脂被覆から露出したガラスファイバが保持される。光ファイバFは、例えば、複数コアを有するマルチコアファイバであり、フェルール本体11の後端13から挿入され、先端面が前端12から露出し、フェルール10の中心軸周りの所定の位置に複数コアが配置された状態で、フェルール10に固定されている。貫通穴の軸の方向を、図面ではX軸で表している。以下では、貫通穴の方向を光ファイバFの光軸方向とも呼ぶ。
【0016】
フェルール本体11の略中央位置の外側には、例えば金属製のフランジ14が設けられている。フランジ14は、例えば、断面視略多角形状(図2では略四角形状)であり、フランジ14の外周面をなす上面15、下面(平坦面)16、左側面17、右側面18を有している。上面15と下面16は、光ファイバFの光軸を挟んで対向しており、図示のZ軸方向で所定距離を置いて互いに平行な平坦面である。左側面17と右側面18は、上面15と下面16に対して直交し共に光ファイバFの光軸を挟んで対向しており、図示のY軸方向で所定距離を置いて互いに平行な平坦面である。なお、上面15と左側面17および右側面18との境界位置や、下面16と左側面17および右側面18との境界位置は面取りされている。上面15に、回転位置の基準を示すためのマーク(図示省略)を付しておけば、フェルール10を正しい向きでプラグフレーム20に挿入できる。
【0017】
[プラグフレームのフロントハウジング]
図3に示すように、プラグフレーム20は、図示のX軸方向に延びた角筒状のフロントハウジング21を有する。フロントハウジング21は、例えば樹脂製であり、フランジ14付きのフェルール10を受け入れ可能な後端開口24と、図2で説明したフェルール本体11の前端12を突出させる前端開口23を有する。フロントハウジング21の外周面には、可撓性を有したラッチアーム22が設けられている。
【0018】
フロントハウジング21の内部は、図4A図4Cに示すように、最も後端開口24側(図示のX軸の負方向、以下同じ)のクリアランス部25、このクリアランス部25の前方の回動規制部26、この回動規制部26の前方略角筒状の開口部27と区画されている。
【0019】
クリアランス部25は、フェルール10のフランジ14に係合せず、図4A図4Cに示すように、上面25a、下面25b、左側面25c、右側面25dを有する。上面25aと下面25bは、図示のZ軸方向で所定距離を置いて互いに平行であり、左側面25cと右側面25dは、図示のY軸方向で所定距離を置いて互いに平行である。したがって、クリアランス部25は、上面25a、下面25b、左側面25c、右側面25dからなる角筒状の内部空間であるが、上面25aから下面25bまでの距離(図示のZ軸方向の長さ、以下同じ)は、フランジ14の厚み(上面15と下面16との間の距離)よりも大きい。これにより、フランジ14付きのフェルール10は、フランジ14がクリアランス部25にあるときはフローティング可能になる。
【0020】
回動規制部26には、図4A図4Cに示すように、フェルール10の回動を規制するテーパ面(第1テーパ面26a、第2テーパ面26b)、左側面26c、右側面26dを有する。テーパ面である第1テーパ面26aと第2テーパ面26bは、図示のZ軸方向で光軸を挟んで距離をおいて対向し、左側面26cと右側面26dは、図示のY軸方向で所定距離を置いて互いに平行である。
【0021】
より具体的には、第1テーパ面26aおよび第2テーパ面26bと光軸との距離はコイルばね19の付勢方向に向けて減少している。コイルばね19については後述する。第1テーパ面26aの前端と第2テーパ面26bの前端との間のZ軸方向の距離はフェルール10のフランジ14の厚み(上面15と下面16との間の距離)よりも小さくなっており、第1テーパ面26aの後端と第2テーパ面26bの後端との間のZ軸方向の距離はフェルール10のフランジ14の厚み(上面15と下面16との間の距離)よりも大きくなっている。
【0022】
このように、フロントハウジング21内の上面下面間の距離をクリアランス部25から回動規制部26に向けて次第に短くしているので、フェルール10をフロントハウジング21の後方からに挿入しやすくなっていると共に、フェルール10をフロントハウジング21に位置決めしやすくなっている。
【0023】
[プラグフレームのリアハウジング]
図5に示すように、プラグフレーム20は、フロントハウジング21の後方に、リアハウジング31を有する。リアハウジング31は、例えば樹脂製であり、フェルール10の後端部分やコイルばね(弾性部材)19を収容可能な円筒状のばね収容部33を有する。コイルばね19は、フェルール10の後方に配置され、フランジ14の後端に当接してフェルール10を前方(図示のX軸の正方向、以下同じ)に付勢する。
【0024】
リアハウジング31の外周面には、ラッチアーム22に係合可能なクリップ32が設けられている。フェルール10の後端部分およびコイルばね19をリアハウジング31に収容し、フェルール10の先端部分をフロントハウジング21に挿入する。フランジ14は、クリアランス部25の位置で、フロントハウジング21の下面25bに載置可能である。
【0025】
次いで、クリップ32がラッチアーム22に乗り上がると、フロントハウジング21がリアハウジング31にラッチされる。同時に、フランジ14は、コイルばね19の付勢力によって前方に押され、フランジ14の上面15がフロントハウジング21の第1テーパ面26aに沿って、あるいは、フランジ14の下面16がフロントハウジング21の第2テーパ面26bに沿って、前方に移動する。フランジ14を前方に移動させていくと、図6に示すように、フランジ14の上面15がフロントハウジング21の第1テーパ面26aと接触する、あるいは、フランジ14の下面16がフロントハウジング21の第2テーパ面26bと接触する(以下、このときのフェルール10のプラグフレーム20内における位置を「第一位置P1」という。)と、フェルール10の前端12がフロントハウジング21から突出する。このとき、フランジ14がフロントハウジング21の第1テーパ面26aと第2テーパ面26bとに挟持され、フランジ14が、第一位置P1において、フロントハウジング21に対して回転規制される共にZ軸方向に移動困難な状態で保持される。また、このときのコイルばね19の長さを第一の長さL1とする。
【0026】
[本開示の光接続構造の一例]
次に、光接続構造は、図6に示すように、光コネクタ1と、別の光コネクタ1’とを備えており、割りスリーブ(スリーブ)40を用いて光コネクタ1側の光ファイバFと、光コネクタ1’側の光ファイバF’(図示省略)とを光学的に接続させる。光ファイバF’も、複数コアを有するマルチコアファイバであり、フェルール10’の中心軸周りの所定の位置に複数コアが配置された状態で、フェルール10’に固定されている。光コネクタ(接続対象物)1’については断面図で示していないが、光コネクタ1と同様に構成され、プラグフレーム20’内に、光ファイバF’を保持したフェルール10’や、フェルール10’を付勢する弾性部材(図示省略)を有する。
【0027】
割りスリーブ40は、その内径がフェルール10,10’の直径と略同等、あるいは、フェルール10,10’の直径よりも僅かに小さい。また、割りスリーブ40はスリット(図示省略)を有しており、このスリットを広げて内径を大きくすることが可能である。なお、割りスリーブ40をアダプタ(同種または異種のコネクタ同士を接続する部品、例えば、http://www.optigate.jp/products/connector/adapter.html)に内蔵されていてもよい。
【0028】
図6に示したフェルール10を割りスリーブ40の一端から挿入し、フェルール10’を割りスリーブ40の他端から挿入して、フェルール10側の光ファイバFの端面とフェルール10’側の光ファイバF’の端面と割りスリーブ40内で面接触させる(コネクタ接続ともいう)。図7に示すように、割りスリーブ40がフロントハウジング21内に入り、フェルール10が第一位置P1より後方の第二位置P2に移動した場合(すなわち、コイルばね19が第一の長さL1より短い第二の長さL2になった場合)、フランジ14がコイルばね19の付勢力に抗して後方に移動するので、フロントハウジング21のテーパ面(第1テーパ面26aおよび第2テーパ面26b)とフランジ14の上面15および下面16との接触状態が解除される。このとき、フェルール10は、割りスリーブ40とコイルばね19とにより、プラグフレーム20内の第二位置P2に保持される。
【0029】
そして、フランジ14がクリアランス部25の位置に到達すると、フェルール10は、フロントハウジング21に対して位置決めされていない、フローティング状態になり、X軸、Y軸、Z軸のいずれの方向にも移動可能になり、前記光コネクタ1’側の光ファイバF’とともに光軸回りの回転も可能になる。
【0030】
このように、光コネクタ1と光コネクタ1’を連結するまで(フェルール10を前方から後方に移動させるまで)は、フランジ14の上面15および下面16とフロントハウジング21のテーパ面(第1テーパ面26aおよび第2テーパ面26b)が接触状態になるので、フェルール10がフロントハウジング21に対して位置決めされ、回転も防止される。よって、プラグフレーム20をプラグフレーム20’に対向させることにより、光ファイバFが含む複数のコア各々と光ファイバF’が含む複数のコア各々とを正確に対向させることができる。
【0031】
一方、光コネクタ1と光コネクタ1’を連結した後(フェルール10を後方に移動させた後:コネクタ接続時)は、フランジ14の上面15および下面16とフロントハウジング21のテーパ面(第1テーパ面26aおよび第2テーパ面26b)の接触状態が解除され、フェルール10をフロントハウジング21に対してフローティングさせることから、フロントハウジング21やリアハウジング31に外力が加えられた場合でも外力はフェルール10に伝わらず、2本の光ファイバFと光ファイバF’による光接続状態を維持できる。
【0032】
このように、フロントハウジング21に対してフェルール10が位置決めされた状態とフローティング状態をフランジ14の上面15および下面16とフロントハウジング21のテーパ面(第1テーパ面26aおよび第2テーパ面26b)の設置だけで達成しており、光コネクタ1の部品点数が少なくて済み、また光コネクタ1の構造も簡単になる。この結果、構造が簡単で、光接続状態を維持しやすい光接続構造を提供することができる。
【0033】
ところで、前記実施形態では、フランジ14の上面15および下面16とフロントハウジング21のテーパ面(第1テーパ面26aおよび第2テーパ面26b)が接触した場合に、フランジ14の上面15および下面16をフロントハウジング21のテーパ面(第1テーパ面26aおよび第2テーパ面26b)で狭持する例を挙げて説明した。
しかし、本開示はこの例に限定されず、フロントハウジング21のテーパ面を側面に有してもよい。
すなわち、第1テーパ面26aとしている面および第2テーパ面26bとしている面を単なる平坦面とし、左側面26cを第1テーパ面、右側面26dを第2テーパ面としてもよい。
【0034】
また、前記実施形態では、光コネクタをLCコネクタの例で説明したが、本開示は、例えば、SCコネクタやMUコネクタを含む他の形式の光コネクタにも適用できる。
さらに、光ファイバFをマルチコアファイバの例で説明した。
しかし、本開示の光ファイバは、例えば、シングルモードファイバ、偏波保持ファイバ、あるいはバンドルファイバであってもよい。
マルチコアファイバ、偏波保持ファイバ、バンドルファイバは、光学的に接続させる際に、中心軸周りの回転角度の調整が必要な光ファイバである。
【0035】
バンドルファイバは、マルチコアファイバと光学的に接続させるために、複数のシングルコアファイバを集めたファイバである。
詳しくは、例えばガラス径125μmのシングルコアファイバの先端を化学エッチングして例えばガラス径45μmに細径化にしたものを準備し、図8に示すように、複数本(例えば7本)を接着剤でまとめてフェルール10に挿入している。この例の場合、コア間の距離が45μmになるように配置できる。このように、シングルモードファイバの他、マルチコアファイバ、偏波保持ファイバ、バンドルファイバを用いた場合にも、確実に位置決めできるので、接続損失の低下を防止できる。
【0036】
[他の実施形態]
上述した実施形態では、断面視略四角形状であるフランジ14を有するフェルール10とテーパ面を有するフロントハウジング21を有するプラグフレーム20とからなる光コネクタ1の例を挙げて説明した。しかし、本開示の光コネクタは、フェルールにテーパ面を有し、プラグフレームのフロントハウジングの内部が平坦面であるものであってもよく、以下、具体的に説明する。
【0037】
[フェルール]
図9Aおよび図9Bに示すように、例えば、フェルール10のフランジ14の上面15は、平坦面15aと、この平坦面15aよりも付勢方向側の第1テーパ面15bとを有する。フェルール10のフランジ14の下面16についても上面15と同様に、平坦面16aと、この平坦面16aよりも付勢方向側の第2テーパ面16bとを有する。
【0038】
平坦面15aと平坦面16aは、光ファイバFの光軸を挟んで対向しており、図示のZ軸方向で所定距離を置いて互いに平行である。第1テーパ面15bと第2テーパ面16bとは、光軸を挟んで対向しており、第1テーパ面15bおよび第2テーパ面16bと光軸との距離は付勢方向に向けて減少している。第1テーパ面15bの後端と第2テーパ面16bの後端との間のZ軸方向の距離は、平坦面15aと平坦面16aとの間のZ軸方向の距離より大きくなっている。
【0039】
[プラグフレーム]
また、上述した実施形態では、フロントハウジング21の回動規制部26にテーパ面(第1テーパ面26aおよび第2テーパ面26b)を有する例で説明したが、本実施形態ではフェルール10側にテーパ面を有しているので、フロントハウジング21は、テーパ面に変えて平坦面を有している。具体的には、回動規制部26には、図10Aおよび図10Bに示すように、上面261a、下面261b、左側面26c、右側面26d有している。上面261aと下面261bは、図示のZ軸方向で所定距離を置いて互いに平行であり、左側面25cと右側面25dは、図示のY軸方向で所定距離を置いて互いに平行である。この上面261aと下面261bとの間のZ軸方向の距離は、第1テーパ面26aの前端と第2テーパ面26bの前端との間のZ軸方向の距離より大きく、第1テーパ面26aの後端と第2テーパ面26bの後端との間のZ軸方向の距離より小さくなっている。
【0040】
このように、第1テーパ面26aと第2テーパ面26bとの間のZ軸方向の距離を後端から前端に向けて次第に小さくしているので、フェルール10をフロントハウジング21の後方からに挿入しやすくなっていると共に、フェルール10をフロントハウジング21に位置決めしやすくなっている。
【0041】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、前記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0042】
1,1’…光コネクタ、10,10’…フェルール、11…フェルール本体、12…前端、13…後端、14…フランジ、15…上面、15a…平坦面、15b…第1テーパ面、16…下面、16a…平坦面、16b…第2テーパ面、17…左側面、18…右側面、19…コイルばね、20,20’…プラグフレーム、21…フロントハウジング、22…ラッチアーム、23…前端開口、24…後端開口、25…クリアランス部、25a…上面、25b…下面、25c…左側面、25d…右側面、26…回動規制部、26a…第1テーパ面、261a…上面、26b…第2テーパ面、261b…下面、26c…左側面、26d…右側面、27…開口部、31…リアハウジング、32…クリップ、33…ばね収容部、34…ブーツ、40…割りスリーブ、P1…第一位置、P2…第二位置、L1…第一の長さ、L2…第二の長さ、F…光ファイバ