(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007573
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】プレスブレーキ、プレスブレーキ制御装置、及びプレスブレーキ制御方法
(51)【国際特許分類】
B21D 5/02 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
B21D5/02 X
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101221
(22)【出願日】2022-06-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】中川 大樹
(72)【発明者】
【氏名】釼持 秀樹
【テーマコード(参考)】
4E063
【Fターム(参考)】
4E063AA01
4E063BA07
4E063GA04
4E063LA17
(57)【要約】
【課題】オペレータが、ワークを突き当てのどの位置に突き当てればよいのかを視覚的に認識しながら、ワークを曲げ加工することができるプレスブレーキを提供する。
【解決手段】NC装置10は、付加画像生成部16と重畳画像生成部17を備える。付加画像生成部16は、ワークの形状を示すワーク形状画像と、ワークを突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成する。重畳画像生成部17は、カメラ20による撮影画像に付加画像を重畳して、表示装置(タブレット端末30)に表示するための重畳画像を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンチを装着する上部テーブルと、
ダイを装着する下部テーブルと、
加工プログラムに基づいて、前記パンチと前記ダイとによるワークの曲げ加工を制御するNC装置と、
前記下部テーブルの裏面側に配置され、前記ワークを前記ダイ上に配置するときの奥行方向の位置を規定する1またはそれ以上の突き当てを含むバックゲージと、
前記上部テーブルの裏面側に配置され、前記下部テーブルの方向を撮影するカメラと、
前記カメラによる撮影画像を表示する表示装置と、
を備え、
前記NC装置は、
前記加工プログラムより抽出した、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、及び前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報と、前記カメラが撮影する実空間上の位置を前記撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む、前記撮影画像に付加されるべき付加画像を生成する付加画像生成部と、
前記撮影画像に前記付加画像を重畳して、前記表示装置に表示するための重畳画像を生成する重畳画像生成部と、
を含むプレスブレーキ。
【請求項2】
前記付加画像生成部は、前記加工プログラムより抽出した、前記ワークの形状情報、前記各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程における前記ワークを曲げ加工する位置を示す曲げ線情報、前記各曲げ工程における前記突き当て特定情報、前記各曲げ工程における前記突き当て座標、及び前記各曲げ工程における前記突き当て箇所情報と、前記座標変換値とに基づいて、前記ワーク形状画像と、前記曲げ線の位置を示す曲げ線画像と、前記突き当て箇所画像とを含む、前記撮影画像に付加されるべき付加画像を生成する請求項1に記載のプレスブレーキ。
【請求項3】
前記カメラは魚眼レンズを含む請求項1または2に記載のプレスブレーキ。
【請求項4】
前記表示装置は、前記上部テーブルの表面に装着されている請求項1または2に記載のプレスブレーキ。
【請求項5】
前記表示装置は、前記上部テーブルの左右方向に移動自在に構成されている請求項4に記載のプレスブレーキ。
【請求項6】
前記重畳画像生成部は、前記カメラの画角に基づく広範囲画像と、前記広範囲画像のうちの一部の領域を拡大して、前記ワーク形状画像と前記曲げ線画像と前記突き当て箇所画像とが重畳された拡大画像との並列画像、または前記広範囲画像と前記拡大画像とが交互に切り替わる交互画像を生成する請求項1または2に記載のプレスブレーキ。
【請求項7】
前記バックゲージにおいて2またはそれ以上の突き当てが用いられるとき、
前記重畳画像生成部は、互いに隣接する2つの突き当ての左右方向の間隔が所定の閾値以内であれば、前記2つの突き当てが含まれるように1つの拡大画像を生成し、互いに隣接する2つの突き当ての左右方向の間隔が前記閾値を超えれば、前記2つの突き当てが別々の拡大画像に含まれるように個別の拡大画像を生成する
請求項6に記載のプレスブレーキ。
【請求項8】
前記突き当ては前記ワークの接触を検出するセンサを含み、
前記付加画像生成部は、前記センサが前記ワークの接触を検出していない状態と前記ワークの接触を検出している状態とで、前記突き当て箇所画像の表示状態を異ならせる請求項1または2に記載のプレスブレーキ。
【請求項9】
前記付加画像生成部は、前記センサが前記ワークの接触を検出していない状態と前記ワークの接触を検出している状態とで、前記突き当て箇所画像の色を異ならせる請求項8に記載のプレスブレーキ。
【請求項10】
加工対象のワークを曲げ加工するための加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、及び前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報を、曲げデータとして抽出する曲げデータ抽出部と、
前記曲げデータ抽出部によって抽出された、前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、予め求められて保持部に保持されている、上部テーブルの裏面側に配置されているカメラが下部テーブルの方向を撮影する実空間上の位置を前記カメラによる撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成する付加画像生成部と、
前記撮影画像に前記付加画像を重畳した重畳画像を生成して、表示装置に表示するための重畳画像を生成する重畳画像生成部と、
を備えるプレスブレーキ制御装置。
【請求項11】
前記曲げデータ抽出部は、前記加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程における前記ワークを曲げ加工する位置を示す曲げ線情報、前記各曲げ工程における前記突き当て特定情報、前記各曲げ工程における前記突き当て座標、及び前記各曲げ工程における前記突き当て箇所情報を、曲げデータとして抽出し、
前記付加画像生成部は、前記曲げデータ抽出部によって抽出された、前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記曲げ線情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、前記座標変換値とに基づいて、前記ワーク形状画像と、前記曲げ線の位置を示す曲げ線画像と、前記突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成する
請求項10に記載のプレスブレーキ制御装置。
【請求項12】
前記重畳画像を前記表示装置に無線送信する無線通信部をさらに備える請求項10または11に記載のプレスブレーキ制御装置。
【請求項13】
ワークの曲げ加工を制御するNC装置が、
加工対象のワークを曲げ加工するための加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報を抽出し、
前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、予め求められて保持部に保持されている、上部テーブルの裏面側に配置されているカメラが下部テーブルの方向を撮影する実空間上の位置を前記カメラによる撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成し、
前記撮影画像に前記付加画像を重畳した重畳画像を生成して、表示装置に表示するための重畳画像を生成する
プレスブレーキ制御方法。
【請求項14】
前記NC装置が、
前記加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程における前記ワークを曲げ加工する位置を示す曲げ線情報、前記各曲げ工程における前記突き当て特定情報、前記各曲げ工程における前記突き当て座標、前記各曲げ工程における前記突き当て箇所情報を抽出し、
前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記曲げ線情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、前記座標変換値とに基づいて、前記ワーク形状画像と、前記曲げ線の位置を示す曲げ線画像と、前記突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成する
請求項13に記載のプレスブレーキ制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレスブレーキ、プレスブレーキ制御装置、及びプレスブレーキ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プレスブレーキの上部テーブルの少なくとも奥側の上方にカメラを配置し、カメラによる撮影画像に、バックゲージの突き当ての位置または動きを示す作業手引きとしての画像を重畳することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のプレスブレーキにおいては、ワークの各曲げ工程で、オペレータが、ワークを突き当てのどの位置に突き当てればよいのかを視覚的に認識することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1またはそれ以上の実施形態の第1の態様は、パンチを装着する上部テーブルと、ダイを装着する下部テーブルと、加工プログラムに基づいて、前記パンチと前記ダイとによるワークの曲げ加工を制御するNC装置と、前記下部テーブルの裏面側に配置され、前記ワークを前記ダイ上に配置するときの奥行方向の位置を規定する1またはそれ以上の突き当てを含むバックゲージと、前記上部テーブルの裏面側に配置され、前記下部テーブルの方向を撮影するカメラと、前記カメラによる撮影画像を表示する表示装置とを備え、前記NC装置は、前記加工プログラムより抽出した、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、及び前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報と、前記カメラが撮影する実空間上の位置を前記撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む、前記撮影画像に付加されるべき付加画像を生成する付加画像生成部と、前記撮影画像に前記付加画像を重畳して、前記表示装置に表示するための重畳画像を生成する重畳画像生成部とを含むプレスブレーキを提供する。
【0006】
1またはそれ以上の実施形態の第1の態様によれば、カメラによる撮影画像にワーク形状画像と突き当て箇所画像とが重畳された重畳画像を表示装置に表示することができる。従って、オペレータは、ワークを突き当てのどの位置に突き当てればよいのかを視覚的に認識することができる。
【0007】
1またはそれ以上の実施形態の第2の態様は、加工対象のワークを曲げ加工するための加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、及び前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報を、曲げデータとして抽出する曲げデータ抽出部と、前記曲げデータ抽出部によって抽出された、前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、予め求められて保持部に保持されている、上部テーブルの裏面側に配置されているカメラが下部テーブルの方向を撮影する実空間上の位置を前記カメラによる撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成する付加画像生成部と、前記撮影画像に前記付加画像を重畳した重畳画像を生成して、表示装置に表示するための重畳画像を生成する重畳画像生成部とを備えるプレスブレーキ制御装置を提供する。
【0008】
1またはそれ以上の実施形態の第2の態様によれば、表示装置に、カメラによる撮影画像にワーク形状画像と突き当て箇所画像とが重畳された重畳画像を表示するように制御することができる。従って、オペレータは、ワークを突き当てのどの位置に突き当てればよいのかを視覚的に認識することができる。
【0009】
1またはそれ以上の実施形態の第3の態様は、ワークの曲げ加工を制御するNC装置が、加工対象のワークを曲げ加工するための加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報を抽出し、前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、予め求められて保持部に保持されている、上部テーブルの裏面側に配置されているカメラが下部テーブルの方向を撮影する実空間上の位置を前記カメラによる撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成し、前記撮影画像に前記付加画像を重畳した重畳画像を生成して、表示装置に表示するための重畳画像を生成するプレスブレーキ制御方法を提供する。
【0010】
1またはそれ以上の実施形態の第3の態様によれば、表示装置に、カメラによる撮影画像にワーク形状画像と突き当て箇所画像とが重畳された重畳画像を表示するように制御することができる。従って、オペレータは、ワークを突き当てのどの位置に突き当てればよいのかを視覚的に認識することができる。
【発明の効果】
【0011】
1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキ、プレスブレーキ制御装置、及びプレスブレーキ制御方法によれば、ワークの各曲げ工程で、オペレータが、ワークを突き当てのどの位置に突き当てればよいのかを視覚的に認識しながら、ワークを曲げ加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキの全体構成を示す図である。
【
図2】
図2は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキを示すブロック図である。
【
図3】
図3は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキによって曲げ加工されるワークの形状の一例を示す平面図である。
【
図4A】
図4Aは、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキが備えるバックゲージの突き当ての形状の第1の例を示す部分平面図である。
【
図4B】
図4Bは、
図4Aは、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキが備えるバックゲージの突き当ての形状の第2の例を示す部分平面図である。
【
図5A】
図5Aは、
図4Aに示す第1の例の突き当てを用いた場合にワークを突き当てる突き当て箇所を示す部分平面図である。
【
図5B】
図5Bは、
図4Bに示す第2の例の突き当てを用いた場合にワークを突き当てる突き当て箇所の一例を示す部分平面図である。
【
図6】
図6は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキのNC装置が生成してタブレット端末に送信する並列画像の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキのNC装置が生成してタブレット端末に送信する交互画像の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキ制御装置が実行する処理の第1の例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキ制御装置が実行する処理の第2の例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキの好ましい構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、突き当てに設けられているセンサの例を示す部分斜視図である。
【
図12A】
図12Aは、ワークを1つまたは2つの突き当てに接触させる場合の拡大画像の生成の仕方の例を示す図である。
【
図12B】
図12Bは、ワークを3つの突き当てに接触させる場合の拡大画像の生成の仕方の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキは、パンチを装着する上部テーブルと、ダイを装着する下部テーブルと、加工プログラムに基づいて、前記パンチと前記ダイとによるワークの曲げ加工を制御するNC装置と、前記下部テーブルの裏面側に配置され、前記ワークを前記ダイ上に配置するときの奥行方向の位置を規定する1またはそれ以上の突き当てを含むバックゲージと、前記上部テーブルの裏面側に配置され、前記下部テーブルの方向を撮影するカメラと、前記カメラによる撮影画像を表示する表示装置とを備える。
【0014】
前記NC装置は、付加画像生成部と、重畳画像生成部とを含む。前記付加画像生成部は、前記加工プログラムより抽出した、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、及び前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報と、前記カメラが撮影する実空間上の位置を前記撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む、前記撮影画像に付加されるべき付加画像を生成する。
【0015】
前記重畳画像生成部は、前記撮影画像に前記付加画像を重畳して、前記表示装置に表示するための重畳画像を生成する。
【0016】
1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキ制御装置は、曲げデータ抽出部と、付加画像生成部と、重畳画像生成部とを備える。前記曲げデータ抽出部は、加工対象のワークを曲げ加工するための加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、及び前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報を、曲げデータとして抽出する。
【0017】
前記付加画像生成部は、前記曲げデータ抽出部によって抽出された、前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、予め求められて保持部に保持されている、上部テーブルの裏面側に配置されているカメラが下部テーブルの方向を撮影する実空間上の位置を前記カメラによる撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成する。
【0018】
前記重畳画像生成部は、前記撮影画像に前記付加画像を重畳した重畳画像を生成して、表示装置に表示するための重畳画像を生成する。
【0019】
1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキ制御方法は、ワークの曲げ加工を制御するNC装置が、加工対象のワークを曲げ加工するための加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報を抽出する。
【0020】
前記NC装置は、前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、予め求められて保持部に保持されている、上部テーブルの裏面側に配置されているカメラが下部テーブルの方向を撮影する実空間上の位置を前記カメラによる撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成する。
【0021】
前記NC装置は、前記撮影画像に前記付加画像を重畳した重畳画像を生成して、表示装置に表示するための重畳画像を生成する。
【0022】
以下、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキ、プレスブレーキ制御装置、及びプレスブレーキ制御方法について、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0023】
図1は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキ100の全体構成を示す。
図1に示すように、プレスブレーキ100は、プレスブレーキ制御装置として機能するNC(Numerical Control)装置10を備える。NC装置10には、ネットワークを介して、加工プログラムデータベース50が接続されている。プレスブレーキ100は、上部テーブル1、下部テーブル3、左右の側板5R及び5Lを備える。上部テーブル1には上部金型ホルダ2が取り付けられ、下部テーブル3には下部金型ホルダ4が取り付けられている。上部テーブル1は、左右に設けた油圧シリンダ6L及び6Rによって上下動するように構成されている。
【0024】
上部金型ホルダ2には上部金型であるパンチTpが装着され、下部金型ホルダ4には下部金型であるダイTdが装着されている。
図1においては、上部テーブル1の下端部の全長に渡って上部金型ホルダ2が一体的に取り付けられているモジュラータイプを示しているが、上部テーブル1の下端部の長手方向にパンチTpを装着する複数の中間板が取り付けられる中間板タイプであってもよい。中間板も上部金型ホルダである。
【0025】
上部テーブル1にパンチTpを装着するとは、上部金型ホルダ2または中間板にパンチTpを装着することを意味する。下部テーブル3にダイTdを装着するとは、下部金型ホルダ4にダイTdを装着することを意味する。上部テーブル1に2またはそれ以上のパンチTpが並べて装着されることがあり、下部テーブル3に2またはそれ以上のダイTdが並べて装着されることがある。
【0026】
下部テーブル3の裏面側には、バックゲージ40が配置されている。バックゲージ40は、バックゲージキャレッジ41に沿って左右方向に移動する突き当て42a及び42bを備える。ここでは突き当てを突き当て42a及び42bの2つとしているが、突き当ては1つ、3つ、または4つである場合がある。任意の突き当てを突き当て42と称することとする。突き当て42は高さ方向及び前後方向にも移動するように構成されている。
【0027】
オペレータが加工対象の板金であるワークWをダイTd上に配置してワークWを折り曲げる前に、突き当て42はダイTdと対応する位置に移動する。オペレータは、ワークWの奥側の端部を突き当て42に突き当てるようにしてダイTd上に配置する。即ち、突き当て42は、ワークWをダイTd上に配置するときのワークWの前後方向の位置を決めるよう作用する。
【0028】
プレスブレーキ100の左側の側方には、アーム7aを介して、表示部71と、複数の操作ボタンを含む操作部72とを有する操作ペンダント7が取り付けられている。操作ペンダント7はNC装置10に接続されている。NC装置10には、上部テーブル1を下降させる閉フットスイッチ81と上部テーブル1を上昇させる開フットスイッチ82とを有するフットスイッチ8が接続されている。
【0029】
側板5Rと側板5Lとは連結バー51で連結されている。連結バー51は、上部テーブル1の後方であり、側板5R及び5Lの上方に位置する。連結バー51の左右方向の中央部の下面には、カメラ20が装着されている。カメラ20は上部テーブル1の裏面側に配置されており、下部テーブル3の方向を撮影する。カメラ20は、下部テーブル3の右側端部から左側端部までを撮影できるように、魚眼レンズを備えるのがよい。カメラ20が魚眼レンズを備えると広範囲を撮影することができるので好ましい。
【0030】
カメラ20は、下部テーブル3の右側端部から左側端部までを撮影できれば、魚眼レンズの代わりに、広角レンズまたは超広角レンズを備えてもよい。カメラ20による撮影画像はNC装置10に供給される。
【0031】
上部テーブル1の表面には、表示装置の一例であるタブレット端末30が装着されている。タブレット端末30は、上部テーブル1に対して着脱自在であるのがよい。上部テーブル1には、左右方向に伸びるタブレット端末30の装着部301が形成されている。タブレット端末30は、装着部301に沿って上部テーブル1に対する左右方向の装着位置を変更できるように構成されているのがよい。装着部301は例えば凹部でタブレット端末30を嵌め込むことができるように構成されていてもいし、タブレット端末30を装着部301に例えば磁石で装着できるように構成されていてもよい。タブレット端末30を上部テーブル1に装着する構成、タブレット端末30を左右方向に移動自在にする構成は限定されない。
【0032】
タブレット端末30はNC装置10と接続されている。NC装置10とタブレット端末30とは、一例として無線LANで接続されている。典型的には、通信規格IEEE 802.11に準拠する無線LANであるWi-Fiを用いることができる。NC装置10とタブレット端末30とが、近距離無線通信規格の一例であるブルートゥース(登録商標)で接続されていてもよい。NC装置10とタブレット端末30とが無線通信で互いに接続されていれば、タブレット端末30を移動させやすく、装着部301より取り外して使用することもできるため好ましい。但し、NC装置10とタブレット端末30とが有線で接続されていてもよい。
【0033】
図2は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキ100を示すブロック図である。
図2を用いて、プレスブレーキ100の動作を説明する。NC装置10は、加工プログラム保持部11、加工制御部12、曲げデータ抽出部13、曲げデータ保持部14、座標変換値保持部15、付加画像生成部16、重畳画像生成部17、無線通信部18を備える。加工制御部12は、油圧シリンダ6L及び6Rを制御するスライド制御部121、及びバックゲージ40を制御するバックゲージ制御部122を含む。カメラ20は魚眼レンズ21を備える。タブレット端末30は、無線通信部31、画像表示制御部32、表示部33を備える。無線通信部18及び31は、上記の無線LANまたは近距離無線通信によって互いに通信する。
【0034】
加工プログラム保持部11、曲げデータ保持部14、座標変換値保持部15は、NC装置10が備える記憶部によって構成することができる。加工制御部12、曲げデータ抽出部13、付加画像生成部16、重畳画像生成部17は、NC装置10が備える中央処理装置がソフトウェアを実行することによって機能的に構成することができる。無線通信部18は、無線通信を実行する回路及びアンテナによって構成することができる。無線通信部31は、無線通信を実行する回路及びアンテナによって構成することができる。画像表示制御部32は、タブレット端末30が備える中央処理装置がソフトウェアを実行することによって機能的に構成することができる。表示部33は例えば液晶パネルである。
【0035】
ワークWを加工しようとするとき、加工プログラム保持部11は、NC装置10が加工プログラムデータベース50より読み出した加工プログラムを保持する。加工制御部12は、加工プログラム保持部11に加工プログラムが保持され、ワークWの加工開始が指示されると、加工プログラムに従ったワークWの加工を制御する。バックゲージ制御部122は、加工プログラムに従って突き当て42を動かすようバックゲージ40を制御する。スライド制御部121は、フットスイッチ8の操作に応答し、加工プログラムに従って上部テーブル1をスライドさせるよう油圧シリンダ6L及び6Rを制御する。
【0036】
曲げデータ抽出部13は、加工プログラム保持部11に加工プログラムが保持されると、加工プログラムより以下の曲げデータを抽出する。
【0037】
加工プログラムより抽出する曲げデータは、ワークWの形状情報、ワークWの各曲げ工程におけるワークWを配置する位置情報、各曲げ工程におけるワークWを曲げ加工する位置を示す曲げ線情報を含む。
図3は、プレスブレーキ100によって曲げ加工されるワークWの形状の一例を示す。
図3に示すワークWを例とすると、ワークWの形状情報はワークWの形状を特定する座標値で表される。ワークWの位置情報は、ワークWを下部テーブル3の左右方向及び奥行方向のどこに配置するかを示す位置情報である。ワークWの位置情報は、加工プログラム内の3次元モデルより得ることができる。
図3に示すワークWは曲げ線V1~V4を含み、曲げデータは曲げ線V1~V4を示す曲げ線情報を含む。曲げデータは、曲げ線V1~V4の曲げ順を示す曲げ順情報を含む。
【0038】
また、曲げデータは、各曲げ工程で使用される突き当て42を特定する突き当て特定情報、各曲げ工程で突き当て42を位置させる実空間上の突き当て座標、各曲げ工程でワークWを突き当て42に突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報を含む。突き当て特定情報は各形状の突き当て42を識別する番号で表される。
図4A及び
図4Bは、突き当て42の形状の第1の例及び第2の例を示す。
【0039】
図4Aに示す第1の例の突き当て42は先端側の端部が矩形の板状である。
図4Bに示す第2の例の突き当て42は下段部421及び上段部422を有し、下段部421及び上段部422には半円形の凹部が形成されている。突き当て特定情報によって、どの形状の突き当て42が用いられるかが特定される。
【0040】
突き当て座標は、突き当て42を下部テーブル3の左右方向及び奥行方向のどこに配置するかを示す。
図5A及び
図5Bは、それぞれ、
図4A及び
図4Bに示す第1の例及び第2の例の突き当てを用いた場合にワークWを突き当てる突き当て箇所を示している。
図5Aに太実線で示すように、
図4Aに示す突き当て42の突き当て箇所は突き当て42の先端面420であり、突き当て箇所情報は突き当て42の先端面420の位置を示す情報である。
図5Bに太実線で示すように、
図4Bに示す突き当て42の突き当て箇所は例えば上段部422の先端面4220であり、突き当て箇所情報は上段部422の先端面4220の位置を示す情報である。
【0041】
図2に戻り、曲げデータ保持部14は、曲げデータ抽出部13が抽出した曲げデータを保持する。座標変換値保持部15は、カメラ20が撮影する実空間上の位置をカメラ20による撮影画像上の位置に変換する座標変換値を保持する。座標変換値は、カメラ20が撮影する実空間の2次元座標を撮影画像の2次元座標に変換する2次元的な変換値の集合で構成することができる。
【0042】
付加画像生成部16は、曲げデータ保持部14に保持されている曲げデータと、座標変換値保持部15に保持されている座標変換値とに基づいて、カメラ20による撮影画像に付加されるべき付加画像を生成する。付加画像生成部16は、付加画像を生成するために、ワークWの形状情報と、各曲げ工程における、ワークWを配置する位置情報、ワークWの曲げ線情報、突き当て特定情報、突き当て座標、及び突き当て箇所情報を用いる。付加画像生成部16は、各曲げ工程における付加画像を生成する。
【0043】
付加画像生成部16は、突き当て特定情報ごとに突き当て42の形状を特定する座標値を保持している。よって、付加画像生成部16は、突き当て特定情報に基づいて後述する突き当て画像を生成することができる。
【0044】
重畳画像生成部17には、カメラ20より出力される撮影画像と、付加画像生成部16からの付加画像とが供給される。カメラ20は魚眼レンズ21を備えるから、カメラ20による撮影画像は180度の画角で歪みを有する画像となる。ところが、カメラ20は視覚的な違和感を低減させるよう歪みを補正した状態で撮影画像を出力するように構成されている。従って、重畳画像生成部17に供給される撮影画像は視覚的な違和感がほとんどない画像である。
【0045】
重畳画像生成部17は、撮影画像に付加画像を重畳した重畳画像を生成する。
図6は、NC装置10が生成してタブレット端末30に送信する並列画像の一例である。
図6に示すように、重畳画像生成部17は、カメラ20の画角に基づく広範囲画像171と、広範囲画像171のうちの一部の領域を拡大した拡大画像172とを例えば上下に並べた並列画像170を生成するのがよい。広範囲画像171はカメラ20の画角の全体とするのがよい。広範囲画像171は、下部テーブル3、側板5R及び5L、バックゲージ40、
図1では見えていない後方の扉52の全体を含む。広範囲画像171には、ワークWの形状情報に基づくワーク形状画像Wiが重畳されている。
【0046】
拡大画像172は、ダイTdの全体と、下部テーブル3及び突き当て42a及び42bの一部を含む。拡大画像172には、ワーク形状画像Wi、曲げ線画像V1i、突き当て画像42i、突き当て箇所画像420iが重畳されている。ここでの突き当て画像42iは、突き当て42の先端側の端部の形状を示している。
【0047】
拡大画像172に、ワーク形状画像Wi、曲げ線画像V1i、突き当て画像42i、突き当て箇所画像420iの全てを重畳することは必須ではなく、拡大画像172に少なくともワーク形状画像Wiと突き当て箇所画像420iとを重畳すればよい。拡大画像172にワーク形状画像Wiと突き当て箇所画像420iとを重畳すれば、オペレータは、ワークWを突き当て42のどの位置に突き当てればよいのかを視覚的に認識しながら、ワークをW曲げ加工することが可能となる。
【0048】
拡大画像172に、ワーク形状画像Wi及び突き当て箇所画像420iに加えて、曲げ線画像V1iを重畳することが好ましい。拡大画像172に、ワーク形状画像Wi、曲げ線画像V1i、突き当て箇所画像420iを重畳すれば、オペレータは、ワークWをどの位置で曲げるのか、ワークWを突き当て42のどの位置に突き当てればよいのかを視覚的に認識しながら、ワークをW曲げ加工することが可能となる。
【0049】
拡大画像172に、ワーク形状画像Wi及び突き当て箇所画像420iに加えて、曲げ線画像V1i及び突き当て画像42iを重畳することがさらに好ましい。拡大画像172に突き当て画像42iを重畳すれば、オペレータが突き当て42の位置を認識しやすくなる。拡大画像172に突き当て画像42iと突き当て箇所画像420iとの双方を重畳する場合は、両者の色を異ならせるのがよい。
【0050】
図6に示す並列画像おいては、広範囲画像171にワーク形状画像Wiのみを重畳しているが、突き当て箇所画像420iを重畳してもよい。広範囲画像171に、ワーク形状画像Wi及び突き当て箇所画像420iに加えて、曲げ線画像V1iを重畳してもよい。広範囲画像171に、ワーク形状画像Wi及び突き当て箇所画像420iに加えて、曲げ線画像V1i及び突き当て画像42iを重畳してもよい。
【0051】
拡大画像172(または広範囲画像171)にワーク形状画像Wi及び突き当て箇所画像420iのみを重畳する場合には、曲げデータ抽出部13は、加工プログラムより、ワークWの形状情報、ワークWを配置する位置情報、突き当て特定情報、突き当て座標、突き当て箇所情報を抽出すればよい。
【0052】
無線通信部18は、
図6に示す並列画像170をタブレット端末30の無線通信部31に無線送信する。無線通信部31は並列画像170を受信して、画像表示制御部32に供給する。画像表示制御部32は並列画像170を表示部33に供給して、表示部33に並列画像170を表示するよう表示部33を制御する。
【0053】
上部テーブル1の表面に装着されているタブレット端末30に
図6に示す並列画像170が表示されるので、オペレータは、広範囲画像171と拡大画像172とを確認して、ワークWをどの位置で曲げるのか、ワークWを突き当て42のどの位置に突き当てればよいのかを視覚的に認識しながら、ワークWを曲げ加工することができる。このとき、タブレット端末30はオペレータのほぼ真正面に位置しているので、操作ペンダント7の表示部71に表示されている情報を確認するときのように、オペレータが側方に移動したり、顔を側方に向けたりする必要はない。
【0054】
特に、
図4Bに示す第2の例の突き当て42のように、ワークWを突き当てる箇所が複数存在する場合には、拡大画像172に突き当て箇所画像が重畳されることにより、オペレータがワークWを突き当てる箇所を間違えることを防止することができる。第2の例の突き当て42が用いられ、上段部422の先端面4220が突き当て箇所である場合には、先端面4220の位置に突き当て箇所画像が重畳される。
【0055】
図7は、NC装置10が生成してタブレット端末30に送信する交互画像の一例である。
図7に示すように、重畳画像生成部17は、
図6に示す並列画像170の代わりに、広範囲画像171と拡大画像172とを交互に生成して、無線通信部18が広範囲画像171と拡大画像172とを交互に無線通信部31に送信してもよい。重畳画像生成部17は、広範囲画像171と拡大画像172とを例えば2秒または3秒等の所定時間ごとに切り替える。タブレット端末30の表示部33には、広範囲画像171と拡大画像172とが所定時間ごとに切り替えられる交互画像が表示される。タブレット端末30に並列画像170が表示される場合と同様に、オペレータは、広範囲画像171と拡大画像172とを確認して、ワークWを曲げる位置及び突き当て42に突き当てる位置を視覚的に認識しながら、ワークWを曲げ加工することができる。
【0056】
図3に示すワークWが加工対象であるとき、加工プログラムに従って曲げ線V1~V4の曲げ工程ごとに、重畳画像生成部17は
図6または
図7と同様の並列画像または交互画像を生成し、タブレット端末30に並列画像または交互画像が表示される。よって、オペレータは、全ての曲げ工程で、ワークWを曲げる位置及び突き当て42に突き当てる位置を視覚的に認識しながら、ワークWを曲げ加工することができる。
【0057】
加工プログラムの金型レイアウトによって、曲げ線V1~V4の各曲げ工程に対応して、パンチTp及びダイTdをそれぞれ上部テーブル1及び下部テーブル3に装着する位置が設定されている。即ち、ワークWを上部テーブル1及び下部テーブル3の左右方向のどの位置で曲げ加工するかは金型レイアウトで設定されている。ワークWを曲げ加工する左右方向の位置が中央部で固定されておらず、曲げ加工する位置が左右のいずれかの方向にずれた場合には、タブレット端末30を装着部301に沿ってワークWを曲げ加工する位置に合わせて移動させればよい。このようにすれば、タブレット端末30を常時オペレータのほぼ真正面に位置させることができる。
【0058】
図8に示すフローチャートを用いて、NC装置10が実行する処理の第1の例を説明する。
図8において、NC装置10の処理が開始されると、加工制御部12は、ステップS1にて、NC装置10に加工プログラムが読み込まれたか否かを判定する。NC装置10に加工プログラムが読み込まれなければ(NO)、加工制御部12は、ステップS1の処理を繰り返す。NC装置10に加工プログラムが読み込まれれば(YES)、曲げデータ抽出部13は、ステップS2にて、加工プログラムより、ワークWの形状情報、各曲げ工程におけるワークWの位置情報、曲げ線情報、突き当て特定情報、突き当て座標、突き当て箇所情報を抽出する。
【0059】
付加画像生成部16は、ステップS3にて、最初の曲げ工程における付加画像を生成する。重畳画像生成部17は、ステップS4にて、カメラ20による撮影画像に付加画像を重畳した重畳画像を生成する。無線通信部18は、ステップS5にて、重畳画像をタブレット端末30に送信して、処理をステップS7に移行させる。
【0060】
ステップS2~S5と並列的に、加工制御部12(バックゲージ制御部122)は、ステップS6にて、突き当て42を最初の曲げ工程の突き当て座標に移動させて、処理をステップS7に移行させる。
図8では図示していないが、オペレータが操作ペンダント7の操作部72によって所定の操作を実行することによってプレスブレーキ100は加工準備の状態に移行する。加工制御部12は、加工準備の状態でステップS6を実行する。
【0061】
加工制御部12は、ステップS7にて、閉フットスイッチ81による加工指示がなされたか否かを判定する。加工指示がなされなければ(NO)、加工制御部12はステップS7の処理を繰り返す。加工指示がなされれば(YES)、加工制御部12(スライド制御部121)は、ステップS8にて、上部テーブル1を下降させてワークWを曲げ加工して、処理をステップS9に移行させる。加工制御部12は、ステップS9にて、次の曲げ工程があるか否かを判定する。次の曲げ工程がなければ、加工制御部12は処理を終了させる。
【0062】
ステップS9にて次の曲げ工程があれば(YES)、付加画像生成部16は、ステップS10にて、次の曲げ工程における付加画像を生成して、処理をステップS4に移行させる。ステップS10と並列的に、加工制御部12(バックゲージ制御部122)は、ステップS11にて、突き当て42を次の曲げ工程の突き当て座標に移動させて、処理をステップS7に移行させる。
【0063】
付加画像生成部16が全ての曲げ工程で付加画像を生成し、無線通信部18が全ての曲げ工程で重畳画像をタブレット端末30に送信し、加工制御部12が全ての曲げ工程でワークWを曲げ加工すれば、NC装置10は一連の処理を終了させる。
【0064】
図9に示すフローチャートを用いて、NC装置10が実行する処理の第2の例を説明する。
図8に示す第1の例においては、付加画像生成部16は曲げ工程ごとに付加画像を生成している。
図9に示す第2の例においては、付加画像生成部16は全曲げ工程における付加画像を予め生成する。
【0065】
図9において、NC装置10の処理が開始されると、加工制御部12は、ステップS21にて、NC装置10に加工プログラムが読み込まれたか否かを判定する。NC装置10に加工プログラムが読み込まれなければ(NO)、加工制御部12は、ステップS21の処理を繰り返す。NC装置10に加工プログラムが読み込まれれば(YES)、曲げデータ抽出部13は、ステップS22にて、加工プログラムより、ワークWの形状情報、各曲げ工程におけるワークWの位置情報、曲げ線情報、突き当て特定情報、突き当て座標、突き当て箇所情報を抽出する。
【0066】
付加画像生成部16は、ステップS23にて、全曲げ工程における付加画像を生成する。NC装置10は、ステップS24にて、操作部72の操作によってプレスブレーキ100の運転が開始されたか否かを判定する。プレスブレーキ100の運転が開始されなければ(NO)、NC装置10はステップS24の処理を繰り返す。プレスブレーキ100の運転が開始されれば(YES)、重畳画像生成部17は、ステップS25にて、カメラ20による撮影画像に今回の曲げ工程用の付加画像を重畳した重畳画像を生成する。今回の曲げ工程とは、最初の曲げ工程、2回目の曲げ工程、3回目の曲げ工程、…の各曲げ工程である。
【0067】
無線通信部18は、ステップS26にて、重畳画像をタブレット端末30に送信して、処理をステップS28に移行させる。
【0068】
ステップS25及びS26と並列的に、加工制御部12(バックゲージ制御部122)は、ステップS27にて、突き当て42を今回の曲げ工程の突き当て座標に移動させて、処理をステップS28に移行させる。
【0069】
加工制御部12は、ステップS28にて、閉フットスイッチ81による加工指示がなされたか否かを判定する。加工指示がなされなければ(NO)、加工制御部12はステップS28の処理を繰り返す。加工指示がなされれば(YES)、加工制御部12(スライド制御部121)は、ステップS29にて、上部テーブル1を下降させてワークWを曲げ加工して、処理をステップS30に移行させる。
【0070】
加工制御部12は、ステップS30にて、次の曲げ工程があるか否かを判定する。次の曲げ工程があれば(YES)、加工制御部12は、ステップS31にて、次の曲げ工程に移行させて、処理をステップS25及びS27に戻し、ステップS25~S30の処理が繰り返される。次の曲げ工程がなければ、NC装置10は一連の処理を終了させる。
【0071】
図10は、NC装置10のより好ましい構成を示す。
図10において、
図2と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。突き当て42は、ワークWの接触を検出するセンサ43を含む。
図11に示すように、
図4Aに示す第1の例の突き当て42は、先端面に3つのセンサ43を含む。付加画像生成部16には、センサ43の出力が供給される。付加画像生成部16には、センサ43がワークWの接触を検出していない状態とワークWの接触を検出している状態とで、
図6または
図7の突き当て箇所画像420iのような突き当て箇所画像の表示状態を異ならせるとよい。表示状態は例えば突き当て箇所画像としての線の色、線種、または線の太さである。オペレータは、突き当て箇所画像の表示状態によってワークWが突き当て42に接触したか否かを認識することができる。
【0072】
付加画像生成部16には、センサ43がワークWの接触を検出していない状態とワークWの接触を検出している状態とで、突き当て箇所画像の色を異ならせることが好ましい。一例として、付加画像生成部16には、ワークWの先端が突き当て42に到達せずセンサ43がワークWの接触を検出していない状態では突き当て箇所画像を赤色とする。一例として、付加画像生成部16には、ワークWの先端が突き当て42に到達してセンサ43がワークWの接触を検出している状態では突き当て箇所画像を青色とする。オペレータは、突き当て箇所画像の色によってワークWが突き当て42に接触したか否かを容易に認識することができる。
【0073】
図6に示す並列画像170における拡大画像172は、ワークWの奥行方向の位置を規定する突き当て42の数によって次のように異ならせることが好ましい。
図12Aに示すパターンPt1は、突き当て42の数が1つであり、ワークWを1つの突き当て42に接触させる場合を示している。このとき、重畳画像生成部17は、広範囲画像173のうち、一点鎖線で示す領域Ar1の部分を拡大した1つの拡大画像174を生成する。広範囲画像173は、
図6に示す並列画像170における広範囲画像171に相当する画像である。
【0074】
図12A及び
図12Bは、ワークWを1つ、2つ、または3つの突き当て42に接触させる場合の拡大画像の生成の仕方の例を示している。
図12Aに示すパターンPt2は、突き当て42の数が2つであり、ワークWを突き当て42a及び42bに接触させる場合で、突き当て42a及び42bの左右方向の間隔Dが所定の閾値Dth以内である場合を示している。このとき、重畳画像生成部17は、広範囲画像173のうち、一点鎖線で示す領域Ar2の部分を拡大した1つの拡大画像175を生成する。
【0075】
図12Aに示すパターンPt3は、突き当て42の数が2つであり、ワークWを突き当て42a及び42bに接触させる場合で、突き当て42a及び42bの左右方向の間隔Dが閾値Dthを超えている場合を示している。このとき、重畳画像生成部17は、広範囲画像173のうち、突き当て42aを含む一点鎖線で示す領域Ar3aの部分を拡大した左拡大画像176aと、突き当て42bを含む一点鎖線で示す領域Ar3bの部分を拡大した右拡大画像176bを生成する。重畳画像生成部17は、左拡大画像176aと右拡大画像176bとを左右に並べて配置する。
【0076】
図12Bに示すパターンPt4は、突き当て42の数が3つであり、ワークWを突き当て42a~42cに接触させる場合を示している。パターンPt4は、突き当て42a及び42bの左右方向の間隔Dが閾値Dth以内であり、突き当て42b及び42cの左右方向の間隔Dが閾値Dthを超えている場合を示している。このとき、重畳画像生成部17は、広範囲画像173のうち、突き当て42a及び42bを含む一点鎖線で示す領域Ar4aの部分を拡大した左拡大画像177aと、突き当て42cを含む一点鎖線で示す領域Ar4bの部分を拡大した右拡大画像177bを生成する。重畳画像生成部17は、左拡大画像177aと右拡大画像177bとを左右に並べて配置する。
【0077】
図12Bに示すパターンPt5は、突き当て42の数が3つであり、ワークWを突き当て42a~42cに接触させる場合を示している。パターンPt5は、突き当て42a及び42bの左右方向の間隔Dと、突き当て42b及び42cの左右方向の間隔Dがいずれも閾値Dthを超えている場合を示している。このとき、重畳画像生成部17は、広範囲画像173のうち、突き当て42aを含む一点鎖線で示す領域Ar5aの部分を拡大した左拡大画像178a、突き当て42bを含む一点鎖線で示す領域Ar5bの部分を拡大した中央拡大画像178b、突き当て42cを含む一点鎖線で示す領域Ar5cの部分を拡大した右拡大画像178cを生成する。
【0078】
重畳画像生成部17は、左拡大画像178a、中央拡大画像178b、右拡大画像178cを左右に並べて配置する。
【0079】
このように、重畳画像生成部17は、互いに隣接する2つの突き当て42の左右方向の間隔Dが閾値Dth以内であれば、その2つの突き当て42が含まれるように1つの拡大画像を生成する。重畳画像生成部17は、互いに隣接する2つの突き当て42の左右方向の間隔Dが閾値Dthを超えれば、その2つの突き当て42が別々の拡大画像に含まれるように個別の拡大画像を生成する。
【0080】
図12A及び
図12Bにおいて、拡大画像174及び175、左拡大画像176a、177a、178a、右拡大画像176b、177b、178c、中央拡大画像178bには、
図6と同様に、少なくとも、ワーク形状画像、曲げ線画像、突き当て箇所画像が重畳されている。
図12A及び
図12Bに示す拡大画像174及び175、左拡大画像176a、177a、178a、右拡大画像176b、177b、178c、中央拡大画像178bは、
図7に示すような交互画像とする場合でも同様に用いられる。
【0081】
図12A及び
図12Bに示す拡大画像の表示方法は、拡大画像にワーク形状画像、曲げ線画像、突き当て箇所画像等を重畳するか否かにかかわらず、オペレータが拡大画像を確認する際に有益な表示方法である。また、
図12A及び
図12Bに示す拡大画像の表示方法は、広範囲画像173を含む並列画像170ではなく、拡大画像のみを単独で表示する場合にも有益な表示方法である。
【0082】
1またはそれ以上の実施形態は、特許請求の範囲の請求項に記載のプレスブレーキの他に、次のプレスブレーキを開示する。
【0083】
パンチを装着する上部テーブルと、
ダイを装着する下部テーブルと、
前記パンチと前記ダイとによるワークの曲げ加工を制御するNC装置と、
前記下部テーブルの裏面側に配置され、前記ワークを前記ダイ上に配置するときの奥行方向の位置を規定する1またはそれ以上の突き当てを含むバックゲージと、
前記上部テーブルの裏面側に配置され、前記下部テーブルの方向を撮影するカメラと、
前記カメラによる撮影画像を表示する表示装置と、
を備え、
前記NC装置は、前記バックゲージにおいて2またはそれ以上の突き当てが用いられるとき、互いに隣接する2つの突き当ての左右方向の間隔が所定の閾値以内であれば、前記2つの突き当てが含まれるように前記撮影画像のうちの一部の領域を拡大した1つの拡大画像を生成して前記表示装置に供給し、互いに隣接する2つの突き当ての左右方向の間隔が前記閾値を超えれば、前記2つの突き当てが別々の拡大画像に含まれるように前記撮影画像のうちの別々の領域を拡大した個別の拡大画像を生成して前記表示装置に供給する
プレスブレーキ。
【0084】
このプレスブレーキによれば、表示装置には、バックゲージにおいて用いられる2またはそれ以上の突き当ての互いに隣接する2つの突き当て位置関係に応じた適切な拡大画像が表示される。従って、オペレータは、拡大画像に基づいてワークと突き当てとが適切な位置関係にあるか否かを良好に確認することができる。
【0085】
本発明は以上説明した1またはそれ以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
図6に示すような並列画像170または
図7に示すような交互画像を表示する表示装置はタブレット端末30に限定されず、プロジェクタであってもよい。表示装置をプロジェクタとする場合、プロジェクタは画像を上部テーブル1の表面に投射すればよい。
【0086】
NC装置10は、カメラ20による撮影画像に基づいて、ワークWが移動している際には段取り中であると判断して上部テーブル1をスライドさせないようにしてもよい。NC装置10は、カメラ20による撮影画像に基づいて、パンチTp及びダイTdの位置が金型レイアウトと異なることを検出したとき、オペレータにその旨を警告してもよい。NC装置10は、カメラ20による撮影画像に基づいて、オペレータが曲げようとするワークWの曲げ線と、そのときに加工プログラムに従って曲げ加工する対象となっている曲げ線とが異なることを検出したとき、オペレータにその旨を警告してもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 上部テーブル
2 上部金型ホルダ
3 下部テーブル
4 下部金型ホルダ
5L,5R 側板
6L,6R 油圧シリンダ
7 操作ペンダント
8 フットスイッチ
10 NC装置
11 加工プログラム保持部
12 加工制御部
13 曲げデータ抽出部
14 曲げデータ保持部
15 座標変換値保持部
16 付加画像生成部
17 重畳画像生成部
18,31 無線通信部
20 カメラ
21 魚眼レンズ
30 タブレット端末(表示装置)
32 画像表示制御部
33 表示部
40 バックゲージ
41 バックゲージキャレッジ
42,42a,42b,42c 突き当て
43 センサ
100 プレスブレーキ
170 並列画像
171 広範囲画像
172 拡大画像
Td ダイ
Tp パンチ
W ワーク
【手続補正書】
【提出日】2023-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
【
図1】
図1は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキの全体構成を示す図である。
【
図2】
図2は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキを示すブロック図である。
【
図3】
図3は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキによって曲げ加工されるワークの形状の一例を示す平面図である。
【
図4A】
図4Aは、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキが備えるバックゲージの突き当ての形状の第1の例を示す部分平面図である。
【
図4B】
図4Bは
、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキが備えるバックゲージの突き当ての形状の第2の例を示す部分平面図である。
【
図5A】
図5Aは、
図4Aに示す第1の例の突き当てを用いた場合にワークを突き当てる突き当て箇所を示す部分平面図である。
【
図5B】
図5Bは、
図4Bに示す第2の例の突き当てを用いた場合にワークを突き当てる突き当て箇所の一例を示す部分平面図である。
【
図6】
図6は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキのNC装置が生成してタブレット端末に送信する並列画像の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキのNC装置が生成してタブレット端末に送信する交互画像の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキ制御装置が実行する処理の第1の例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキ制御装置が実行する処理の第2の例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、1またはそれ以上の実施形態に係るプレスブレーキの好ましい構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、突き当てに設けられているセンサの例を示す部分斜視図である。
【
図12A】
図12Aは、ワークを1つまたは2つの突き当てに接触させる場合の拡大画像の生成の仕方の例を示す図である。
【
図12B】
図12Bは、ワークを3つの突き当てに接触させる場合の拡大画像の生成の仕方の例を示す図である。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンチを装着する上部テーブルと、
ダイを装着する下部テーブルと、
加工プログラムに基づいて、前記パンチと前記ダイとによるワークの曲げ加工を制御するNC装置と、
前記下部テーブルの裏面側に配置され、前記ワークを前記ダイ上に配置するときの奥行方向の位置を規定する1またはそれ以上の突き当てを含むバックゲージと、
前記上部テーブルの裏面側に配置され、前記下部テーブルの方向を撮影するカメラと、
前記カメラによる撮影画像を表示する表示装置と、
を備え、
前記NC装置は、
前記加工プログラムより抽出した、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、及び前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報と、前記カメラが撮影する実空間上の位置を前記撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む、前記撮影画像に付加されるべき付加画像を生成する付加画像生成部と、
前記撮影画像に前記付加画像を重畳して、前記表示装置に表示するための重畳画像を生成する重畳画像生成部と、
を含み、
前記重畳画像生成部は、前記カメラの画角に基づく広範囲画像と、前記広範囲画像のうちの一部の領域を拡大して、前記ワーク形状画像と前記突き当て箇所画像とが重畳された拡大画像との並列画像、または前記広範囲画像と前記拡大画像とが交互に切り替わる交互画像を生成する
プレスブレーキ。
【請求項2】
パンチを装着する上部テーブルと、
ダイを装着する下部テーブルと、
加工プログラムに基づいて、前記パンチと前記ダイとによるワークの曲げ加工を制御するNC装置と、
前記下部テーブルの裏面側に配置され、前記ワークを前記ダイ上に配置するときの奥行方向の位置を規定する、前記ワークの接触を検出するセンサを有する1またはそれ以上の突き当てを含むバックゲージと、
前記上部テーブルの裏面側に配置され、前記下部テーブルの方向を撮影するカメラと、
前記カメラによる撮影画像を表示する表示装置と、
を備え、
前記NC装置は、
前記加工プログラムより抽出した、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、及び前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報と、前記カメラが撮影する実空間上の位置を前記撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む、前記撮影画像に付加されるべき付加画像を生成する付加画像生成部と、
前記撮影画像に前記付加画像を重畳して、前記表示装置に表示するための重畳画像を生成する重畳画像生成部と、
を含み、
前記付加画像生成部は、前記センサが前記ワークの接触を検出していない状態と前記ワークの接触を検出している状態とで、前記突き当て箇所画像の表示状態を異ならせる
プレスブレーキ。
【請求項3】
前記付加画像生成部は、前記加工プログラムより抽出した、前記ワークの形状情報、前記各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程における前記ワークを曲げ加工する位置を示す曲げ線情報、前記各曲げ工程における前記突き当て特定情報、前記各曲げ工程における前記突き当て座標、及び前記各曲げ工程における前記突き当て箇所情報と、前記座標変換値とに基づいて、前記ワーク形状画像と、前記曲げ線の位置を示す曲げ線画像と、前記突き当て箇所画像とを含む、前記撮影画像に付加されるべき付加画像を生成する請求項1または2に記載のプレスブレーキ。
【請求項4】
前記カメラは魚眼レンズを含む請求項1または2に記載のプレスブレーキ。
【請求項5】
前記表示装置は、前記上部テーブルの表面に装着されている請求項1または2に記載のプレスブレーキ。
【請求項6】
前記表示装置は、前記上部テーブルの左右方向に移動自在に構成されている請求項5に記載のプレスブレーキ。
【請求項7】
前記バックゲージにおいて2またはそれ以上の突き当てが用いられるとき、
前記重畳画像生成部は、互いに隣接する2つの突き当ての左右方向の間隔が所定の閾値以内であれば、前記2つの突き当てが含まれるように1つの拡大画像を生成し、互いに隣接する前記2つの突き当ての左右方向の間隔が前記閾値を超えれば、前記2つの突き当てが別々の拡大画像に含まれるように個別の拡大画像を生成する
請求項1に記載のプレスブレーキ。
【請求項8】
前記付加画像生成部は、前記センサが前記ワークの接触を検出していない状態と前記ワークの接触を検出している状態とで、前記突き当て箇所画像の色を異ならせる請求項2に記載のプレスブレーキ。
【請求項9】
加工対象のワークを曲げ加工するための加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、及び前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報を、曲げデータとして抽出する曲げデータ抽出部と、
前記曲げデータ抽出部によって抽出された、前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、予め求められて保持部に保持されている、上部テーブルの裏面側に配置されているカメラが下部テーブルの方向を撮影する実空間上の位置を前記カメラによる撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成する付加画像生成部と、
前記撮影画像に前記付加画像を重畳して、表示装置に表示するための重畳画像を生成する重畳画像生成部と、
を備え、
前記重畳画像生成部は、前記カメラの画角に基づく広範囲画像と、前記広範囲画像のうちの一部の領域を拡大して、前記ワーク形状画像と前記突き当て箇所画像とが重畳された拡大画像との並列画像、または前記広範囲画像と前記拡大画像とが交互に切り替わる交互画像を生成する
プレスブレーキ制御装置。
【請求項10】
加工対象のワークを曲げ加工するための加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、及び前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報を、曲げデータとして抽出する曲げデータ抽出部と、
前記曲げデータ抽出部によって抽出された、前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、予め求められて保持部に保持されている、上部テーブルの裏面側に配置されているカメラが下部テーブルの方向を撮影する実空間上の位置を前記カメラによる撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成する付加画像生成部と、
前記撮影画像に前記付加画像を重畳して、表示装置に表示するための重畳画像を生成する重畳画像生成部と、
を備え、
前記突き当ては前記ワークの接触を検出するセンサを含み、
前記付加画像生成部は、前記センサが前記ワークの接触を検出していない状態と前記ワークの接触を検出している状態とで、前記突き当て箇所画像の表示状態を異ならせる
プレスブレーキ制御装置。
【請求項11】
前記曲げデータ抽出部は、前記加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程における前記ワークを曲げ加工する位置を示す曲げ線情報、前記各曲げ工程における前記突き当て特定情報、前記各曲げ工程における前記突き当て座標、及び前記各曲げ工程における前記突き当て箇所情報を、曲げデータとして抽出し、
前記付加画像生成部は、前記曲げデータ抽出部によって抽出された、前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記曲げ線情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、前記座標変換値とに基づいて、前記ワーク形状画像と、前記曲げ線の位置を示す曲げ線画像と、前記突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成する
請求項9または10に記載のプレスブレーキ制御装置。
【請求項12】
前記重畳画像を前記表示装置に無線送信する無線通信部をさらに備える請求項9または10に記載のプレスブレーキ制御装置。
【請求項13】
ワークの曲げ加工を制御するNC装置が、
加工対象のワークを曲げ加工するための加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報を抽出し、
前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、予め求められて保持部に保持されている、上部テーブルの裏面側に配置されているカメラが下部テーブルの方向を撮影する実空間上の位置を前記カメラによる撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成し、
前記撮影画像に前記付加画像を重畳して、表示装置に表示するための重畳画像を生成し、
前記重畳画像として、前記カメラの画角に基づく広範囲画像と、前記広範囲画像のうちの一部の領域を拡大して、前記ワーク形状画像と前記突き当て箇所画像とが重畳された拡大画像との並列画像、または前記広範囲画像と前記拡大画像とが交互に切り替わる交互画像を生成する
プレスブレーキ制御方法。
【請求項14】
ワークの曲げ加工を制御するNC装置が、
加工対象のワークを曲げ加工するための加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報を抽出し、
前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、予め求められて保持部に保持されている、上部テーブルの裏面側に配置されているカメラが下部テーブルの方向を撮影する実空間上の位置を前記カメラによる撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成し、
前記撮影画像に前記付加画像を重畳して、表示装置に表示するための重畳画像を生成し、
前記突き当ては前記ワークの接触を検出するセンサを含み、
前記センサが前記ワークの接触を検出していない状態と前記ワークの接触を検出している状態とで、前記突き当て箇所画像の表示状態を異ならせる
プレスブレーキ制御方法。
【請求項15】
前記NC装置が、
前記加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程における前記ワークを曲げ加工する位置を示す曲げ線情報、前記各曲げ工程における前記突き当て特定情報、前記各曲げ工程における前記突き当て座標、前記各曲げ工程における前記突き当て箇所情報を抽出し、
前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記曲げ線情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、前記座標変換値とに基づいて、前記ワーク形状画像と、前記曲げ線の位置を示す曲げ線画像と、前記突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成する
請求項13または14に記載のプレスブレーキ制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
1またはそれ以上の実施形態の第1の態様は、パンチを装着する上部テーブルと、ダイを装着する下部テーブルと、加工プログラムに基づいて、前記パンチと前記ダイとによるワークの曲げ加工を制御するNC装置と、前記下部テーブルの裏面側に配置され、前記ワークを前記ダイ上に配置するときの奥行方向の位置を規定する1またはそれ以上の突き当てを含むバックゲージと、前記上部テーブルの裏面側に配置され、前記下部テーブルの方向を撮影するカメラと、前記カメラによる撮影画像を表示する表示装置とを備え、前記NC装置は、前記加工プログラムより抽出した、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、及び前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報と、前記カメラが撮影する実空間上の位置を前記撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む、前記撮影画像に付加されるべき付加画像を生成する付加画像生成部と、前記撮影画像に前記付加画像を重畳して、前記表示装置に表示するための重畳画像を生成する重畳画像生成部とを含み、前記重畳画像生成部は、前記カメラの画角に基づく広範囲画像と、前記広範囲画像のうちの一部の領域を拡大して、前記ワーク形状画像と前記突き当て箇所画像とが重畳された拡大画像との並列画像、または前記広範囲画像と前記拡大画像とが交互に切り替わる交互画像を生成するプレスブレーキを提供する。
1またはそれ以上の実施形態の第2の態様は、パンチを装着する上部テーブルと、ダイを装着する下部テーブルと、加工プログラムに基づいて、前記パンチと前記ダイとによるワークの曲げ加工を制御するNC装置と、前記下部テーブルの裏面側に配置され、前記ワークを前記ダイ上に配置するときの奥行方向の位置を規定する、前記ワークの接触を検出するセンサを有する1またはそれ以上の突き当てを含むバックゲージと、前記上部テーブルの裏面側に配置され、前記下部テーブルの方向を撮影するカメラと、前記カメラによる撮影画像を表示する表示装置とを備え、前記NC装置は、前記加工プログラムより抽出した、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、及び前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報と、前記カメラが撮影する実空間上の位置を前記撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む、前記撮影画像に付加されるべき付加画像を生成する付加画像生成部と、前記撮影画像に前記付加画像を重畳して、前記表示装置に表示するための重畳画像を生成する重畳画像生成部とを含み、前記付加画像生成部は、前記センサが前記ワークの接触を検出していない状態と前記ワークの接触を検出している状態とで、前記突き当て箇所画像の表示状態を異ならせるプレスブレーキを提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
1またはそれ以上の実施形態の第1及び第2の態様によれば、カメラによる撮影画像にワーク形状画像と突き当て箇所画像とが重畳された重畳画像を表示装置に表示することができる。従って、オペレータは、ワークを突き当てのどの位置に突き当てればよいのかを視覚的に認識することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
1またはそれ以上の実施形態の第3の態様は、加工対象のワークを曲げ加工するための加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、及び前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報を、曲げデータとして抽出する曲げデータ抽出部と、前記曲げデータ抽出部によって抽出された、前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、予め求められて保持部に保持されている、上部テーブルの裏面側に配置されているカメラが下部テーブルの方向を撮影する実空間上の位置を前記カメラによる撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成する付加画像生成部と、前記撮影画像に前記付加画像を重畳して、表示装置に表示するための重畳画像を生成する重畳画像生成部とを備え、前記重畳画像生成部は、前記カメラの画角に基づく広範囲画像と、前記広範囲画像のうちの一部の領域を拡大して、前記ワーク形状画像と前記突き当て箇所画像とが重畳された拡大画像との並列画像、または前記広範囲画像と前記拡大画像とが交互に切り替わる交互画像を生成するプレスブレーキ制御装置を提供する。
1またはそれ以上の実施形態の第4の態様は、加工対象のワークを曲げ加工するための加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、及び前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報を、曲げデータとして抽出する曲げデータ抽出部と、前記曲げデータ抽出部によって抽出された、前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、予め求められて保持部に保持されている、上部テーブルの裏面側に配置されているカメラが下部テーブルの方向を撮影する実空間上の位置を前記カメラによる撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成する付加画像生成部と、前記撮影画像に前記付加画像を重畳して、表示装置に表示するための重畳画像を生成する重畳画像生成部とを備え、前記突き当ては前記ワークの接触を検出するセンサを含み、前記付加画像生成部は、前記センサが前記ワークの接触を検出していない状態と前記ワークの接触を検出している状態とで、前記突き当て箇所画像の表示状態を異ならせるプレスブレーキ制御装置を提供する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
1またはそれ以上の実施形態の第3及び第4の態様によれば、表示装置に、カメラによる撮影画像にワーク形状画像と突き当て箇所画像とが重畳された重畳画像を表示するように制御することができる。従って、オペレータは、ワークを突き当てのどの位置に突き当てればよいのかを視覚的に認識することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
1またはそれ以上の実施形態の第5の態様は、ワークの曲げ加工を制御するNC装置が、加工対象のワークを曲げ加工するための加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報を抽出し、前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、予め求められて保持部に保持されている、上部テーブルの裏面側に配置されているカメラが下部テーブルの方向を撮影する実空間上の位置を前記カメラによる撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成し、前記撮影画像に前記付加画像を重畳して、表示装置に表示するための重畳画像を生成し、前記重畳画像として、前記カメラの画角に基づく広範囲画像と、前記広範囲画像のうちの一部の領域を拡大して、前記ワーク形状画像と前記突き当て箇所画像とが重畳された拡大画像との並列画像、または前記広範囲画像と前記拡大画像とが交互に切り替わる交互画像を生成するプレスブレーキ制御方法を提供する。
1またはそれ以上の実施形態の第6の態様は、ワークの曲げ加工を制御するNC装置が、加工対象のワークを曲げ加工するための加工プログラムより、前記ワークの形状情報、前記ワークの各曲げ工程における前記ワークを配置する位置情報、前記各曲げ工程で使用される突き当てを特定する突き当て特定情報、前記各曲げ工程で前記突き当てを位置させる実空間上の突き当て座標、前記各曲げ工程で前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所情報を抽出し、前記ワークの形状情報、前記ワークの位置情報、前記突き当て特定情報、前記突き当て座標、及び前記突き当て箇所情報と、予め求められて保持部に保持されている、上部テーブルの裏面側に配置されているカメラが下部テーブルの方向を撮影する実空間上の位置を前記カメラによる撮影画像上の位置に変換する座標変換値とに基づいて、前記ワークの形状を示すワーク形状画像と、前記ワークを前記突き当てに突き当てる箇所を示す突き当て箇所画像とを含む付加画像を生成し、前記撮影画像に前記付加画像を重畳して、表示装置に表示するための重畳画像を生成し、前記突き当ては前記ワークの接触を検出するセンサを含み、前記センサが前記ワークの接触を検出していない状態と前記ワークの接触を検出している状態とで、前記突き当て箇所画像の表示状態を異ならせるプレスブレーキ制御方法を提供する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
1またはそれ以上の実施形態の第5及び第6の態様によれば、表示装置に、カメラによる撮影画像にワーク形状画像と突き当て箇所画像とが重畳された重畳画像を表示するように制御することができる。従って、オペレータは、ワークを突き当てのどの位置に突き当てればよいのかを視覚的に認識することができる。