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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075740
(43)【公開日】2024-06-04
(54)【発明の名称】冷媒組成物およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C09K 5/04 20060101AFI20240528BHJP
   C10M 105/38 20060101ALI20240528BHJP
   C10M 107/34 20060101ALI20240528BHJP
   C10N 40/30 20060101ALN20240528BHJP
【FI】
C09K5/04 E
C09K5/04 F
C10M105/38
C10M107/34
C10N40:30
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024048878
(22)【出願日】2024-03-26
(62)【分割の表示】P 2021507585の分割
【原出願日】2019-08-14
(31)【優先権主張番号】1813237.3
(32)【優先日】2018-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1901885.2
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】516030797
【氏名又は名称】メキシケム フロー エセ・ア・デ・セ・ヴェ
(74)【代理人】
【識別番号】100113365
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 雅晴
(74)【代理人】
【識別番号】100209336
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 悠
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・イー・ロウ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】冷媒組成物、より具体的には、移動式または自動車用ヒートポンプシステム、特に電気自動車用のシステムにおいて有用である1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a;フッ化ビニリデン)を含む冷媒組成物を提供する。
【解決手段】1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a)と、ジフルオロメタン(R-32)と、1,1-ジフルオロエタン(R-152a)と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234yf)および1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234ze(E))からなる群より選択される少なくとも1つのテトラフルオロプロペン冷媒化合物とを含む、冷媒組成物。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a)と、ジフルオロメタン(R-32)と、1,1-ジフルオロエタン(R-152a)と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234yf)および1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234ze(E))からなる群より選択される少なくとも1つのテトラフルオロプロペン冷媒化合物とを含む、冷媒組成物。
【請求項2】
前記組成物が、
1~20重量%のR-1132a、1~21重量%のR-32および59~98重量%の、R-152aとR-1234ze(E)との混合物;または
1~20重量%のR-1132a、1~21重量%のR-32および59~98重量%の、R-152aとR-1234yfとの混合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a)と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234yf)および1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234ze(E))からなる群より選択される少なくとも1つのテトラフルオロプロペン冷媒化合物と、任意にジフルオロメタン(R-32)とを含む、冷媒組成物。
【請求項4】
R-32が、前記組成物の総重量に基づいて、1~21重量%の量で存在する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、
1~20重量%のR-1132aおよび99~80重量%のR-1234yf;または
1~20重量%のR-1132aおよび99~80重量のR-1234ze(E);または
1~20重量%のR-1132a、1~21重量%のR-32および59~98重量%のR-1234yf;または
1~20重量%のR-1132a、1~21重量%のR-32および59~98重量%のR-1234ze(E)を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記R-1132aが、前記組成物の総重量に基づいて、1~30重量%、好ましくは1~20重量%、例えば、約3~約15重量%の量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が本質的に表記成分からなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、150未満の地球温暖化係数(GWP)を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物がR-1132a単独より可燃性が低く、好ましくは前記冷媒組成物が、R-1132a単独と比べて、
a.より高い可燃限界、
b.より高い発火エネルギー、および/または
c.より低い火炎伝播速度
を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が不燃性である、好ましくは前記冷媒組成物が周囲温度で不燃性である、または前記組成物が60℃で不燃性である、請求項1~9のいずれか一項に記載の冷媒組成物。
【請求項11】
前記組成物が-30℃未満の温度で蒸発し、好ましくは前記冷媒組成物が40℃を超える温度で凝縮もする、および/または前記組成物が、約15K未満、好ましくは約10K未満、例えば約5K未満の、蒸発器または凝縮器中での温度勾配を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、約-15℃より低い、好ましくは-20℃超より低い周囲温度においてヒートポンプモードで動作することができる、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物の、電気自動車中のヒートポンプシステムにおける冷媒としての使用。
【請求項14】
前記ヒートポンプシステムが空調を実行するようにも適合されている、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記ヒートポンプシステムが、潤滑剤、好ましくはポリオールエステル(POE)またはポリアルキレングリコール(PAG)潤滑剤をさらに含む、請求項13または14に記載の使用。
【請求項16】
ヒートポンプシステムおよび請求項1~12のいずれか一項に定義された冷媒組成物を備えた電気自動車。
【請求項17】
電気自動車において冷却を行う方法であって、冷却されるべき物体の近くで請求項1~12のいずれか一項に定義された冷媒組成物を蒸発させることを含む方法。
【請求項18】
電気自動車において加熱を行う方法であって、加熱されるべき物体の近くで請求項1~12のいずれか一項に定義された冷媒組成物を凝縮することを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒組成物、より具体的には、移動式または自動車用ヒートポンプシステム、特に電気自動車用のシステムにおいて有用である1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a;フッ化ビニリデン)を含む冷媒組成物に関する。
先行公開文献の列挙もしくは考察または本明細書におけるいかなる背景技術も、文献もしくは背景技術が技術水準の一部であるか、または通常の一般的な知識であることを認めるものとして必ずしも解釈されるべきではない。
【背景技術】
【0002】
車室内に熱源を供給するための内燃機関が存在しない電気自動車の導入は、寒冷時にヒートポンプとして作動するための車両空調ユニットの使用への注目が高まっていることを意味している。これは、冷媒が周囲の空気からの熱を使用して低温で蒸発し、車室に循環する空気に対して高温で凝縮するように、空調回路を回る冷媒の流れの方向を逆にすることによって実現することができる。このようにして空調システムを使用することにより、流入する車室空気の電気抵抗加熱によって熱を提供するために使用される場合よりも、バッテリーから取り出される電気エネルギーの単位当たりでより多くの熱を車室に供給することが可能である。
【0003】
乗員の空気を加熱する必要性は、外気が最も冷たいときに最も高くなり、空調ユニットをヒートポンプとして動作させることが特に困難となる。特に:
・周囲の大気温は-25~-30℃まで低下することがある、すなわち、これらの条件でヒートポンプを動作させるためには、-30℃未満の温度で冷媒が蒸発する必要がある。
・通気口から車室への乗員の空気は、理想的には40~50℃に加熱される、すなわち、冷媒は40℃より高い温度で凝縮しなければならない。
・システムへの空気の侵入を回避するために、冷媒の蒸発圧力は1気圧を下回らないようにする必要がある。
・同じ冷媒液は、空調およびヒートポンプの動作モードにおいて許容できる性能を発揮すべきである。
・新しい流体がEU F-Gas規制に準拠するためには、地球温暖化係数(GWP)は150未満でなければならない。
・CFCであって、高いオゾン破壊係数を有するジクロロジフルオロメタン(R-12)の段階的廃止後に、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)が、ここ数年、自動車の空調システムにおいて選択される冷媒となった。その後、EU F-Gas指令が実施され、新車の移動式空調(MAC)システムに対して、150の地球温暖化係数(GWP)制限が義務付けられた。その結果、今では、R-134aの使用は、ヨーロッパにおける新しいシステムについては、可燃性の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234yf)の使用によって大幅に置き換えられることとなった。R-1234yfはR-134aよりもわずかに効率が低く、新しいシステム設計には、効率の低下を回復するための追加の機器(内部熱交換器)が含まれるようになっている。
【0004】
R-134aまたはR-1234yfのいずれかを冷媒として使用する移動式空調システムは、周囲温度が約-15~-20℃より低い場合には、必要とされる蒸発温度での蒸発圧力が大気圧を下回って低下するので、ヒートポンプモードにおいて効率的に動作することができない。二酸化炭素(R-744)は、低温ヒートポンプ流体としてうまく機能することができる高圧冷媒である。しかしながら、自動車システム用空調モードでの二酸化炭素の性能は、中程度から高い周囲対気温において、R-134aまたはR-1234yfより劣る(エネルギー効率が低い)ことが知られている。
【0005】
車両、特に電気自動車を加熱するための移動式、例えば自動車用のヒートポンプシステムにおいて効率的に動作することができる冷媒組成物が必要とされている。空調モードで使用されたときに許容される性能(エネルギー効率)も与えつつ、約-30Cの蒸発温度において、正の数で(大気吸気圧より大きい)ヒートポンプサイクルの作動流体として動作することができる、電気自動車の一体化された移動式熱ポンプ/エアコンディショナーシステムにおいて使用するための作動冷媒流体を見出す必要がある。さらに、自動車システム用に開発される全ての新しい冷媒は、ヨーロッパの環境法に準拠するために、150未満の地球温暖化係数(GWP)を有しなければならない。
【発明の概要】
【0006】
本発明者らは、1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a;フッ化ビニリデン)と他のハイドロフルオロカーボン冷媒との組成物は、特に電気自動車のために、自動車のヒートポンプシステムにおいて使用された場合、R-1234yfと比較して性能が向上する可能性があることを発見した。この組成物は、空調モードで使用される場合、許容可能な性能を提供することもできる。この組成物は、R-1234yfまたはR-134a用いて可能であるよりも低い周囲温度で環境から熱を引き抜くことができ、さらに、改善されたエネルギー効率を提供することができる。これは、さもなければ乗客の快適性のために熱を提供するためにバッテリーのエネルギーを使用しなければならない電気自動車で使用するには、特に望ましい特性の組み合わせである。
【0007】
したがって、第1の態様では、本発明は、1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a)と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234yf)、ジフルオロメタン(R-32)、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234ze(E))および1,1-ジフルオロエタン(R-152a)からなる群より選択される少なくとも1つのフルオロカーボン冷媒化合物とを含む組成物の、電気自動車のヒートポンプシステムにおける冷媒としての使用を提供する。
【0008】
好都合なことに、冷媒組成物は、トリフルオロエチレン(R-1123)、トリフルオロヨードメタン(CFI)、二酸化炭素(R-744、CO)および1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)の少なくとも1つをさらに含む。
【0009】
さらなる態様では、本発明は、1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a)およびトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む組成物の、電気自動車のヒートポンプシステムにおける冷媒としての使用を提供する。好ましくは、冷媒組成物は、約1~約30重量%のR-1132aおよび約70~約99重量%のCFIを含む。
【0010】
本発明の好ましい組成物は、冷媒組成物の総重量に基づいて、1~30重量%または1~20重量%、例えば、約3~15重量%の1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a)を含有する。
【0011】
一実施形態では、冷媒組成物は、1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a)と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234yf)および1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234ze(E))からなる群より選択される少なくとも1つのテトラフルオロプロペン冷媒化合物と、任意にジフルオロメタン(R-32)とを含む。この実施形態では、R-1132aは、好ましくは、冷媒組成物の総重量に基づいて、1~20重量%の量で存在する。ジフルオロメタンが含まれる場合、冷媒組成物の総重量に基づいて、1~21重量%の量で存在することが好ましい。この第1の実施形態の組成物が二成分組成物であれ、または三成分組成物であれ、選択されるテトラフルオロプロペンは、冷媒組成物の残余を与える。
【0012】
この第1の実施形態の好ましい組成物には、以下のものが含まれる:
(i)1~20重量%の1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a)および99~80重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234yf)を含む二成分冷媒組成物。
(ii)1~20重量%の1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a)および99~80重量%の1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234ze(E))を含む二成分冷媒組成物。
(iii)1~20重量%の1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a)、1~21重量%のジフルオロメタン(R-32)、および59~98重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234yf)を含む三成分冷媒組成物。
(iv)1~20重量%の1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a)、1~21重量%のジフルオロメタン(R-32)、および59~98重量%の1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234ze(E))を含む三成分冷媒組成物。
【0013】
トリフルオロヨードメタン(CFI)が本発明の組成物中に含まれる場合、典型的には、トリフルオロヨードメタンはR-1234yfまたはR-1234ze(E)より少ない量で存在する。本発明の好ましいCFI含有組成物は、1~20重量%のR-1132a、1~21重量%のR-32、5~40重量%のCFIおよび19~93重量%のR-1234yfなど、R-1132a、R-32、R-1234yfおよびCFIを含む。
【0014】
二酸化炭素(CO)が本発明の組成物に含まれる場合、典型的には、R-1132aとCOの合計含有量は、約20重量%未満など、約30重量%未満である。本発明の好ましいCO含有組成物は、R-1132a、R-32、R-1234yfおよびCOを含む。
【0015】
別の実施形態では、冷媒組成物は、R-1132a、R-152a、および任意にR-32を含む。この実施形態の好ましい組成物には、以下のものが含まれる:
(i)1~30重量%のR-1132aおよび99~70重量%のR-152aを含む二成分冷媒組成物。
(ii)1~20重量%のR-1132a、1~10重量%のR-32、および70から98重量%のR-152aを含む三成分冷媒組成物。
【0016】
さらなる実施形態では、冷媒組成物は、R-1132a、R-152a、およびR-1234yfを含み、任意に、本質的にこれらからなる。典型的には、このような組成物中に存在するR-1132aの量は、1~20重量%の範囲である。この実施形態の好ましい組成物には、2~14重量%のR-1132a(例えば、4~10重量%)、2~96重量%のR-152a、および2~96重量%のR-1234yfを含む組成物が含まれる。好ましくは、R-152aは、このような組成物中に、4~80重量%、例えば5~30重量%の量で存在する。好ましくは、R-1234yfは、このような組成物中に、4~96重量%、60~94重量%のR-1234yfの量で存在する。
【0017】
さらなる実施形態では、冷媒組成物は、R-1132a、R-32、R-152a、ならびにR-1234yfおよびR-1234ze(E)からなる群から選択される少なくとも1つのテトラフルオロプロペン冷媒化合物を含む。この第3の実施形態の好ましい組成物には、以下のものが含まれる:
(i)1~20重量%の1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a)と、1~21重量%のジフルオロメタン(R-32)と、59~98重量%の、任意の比率での1,1-ジフルオロエタン(R-152a)と2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234yf)との混合物とを含む四成分冷媒組成物。
(ii)1~20重量%の1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a)と、1~21重量%のジフルオロメタン(R-32)と、59~98重量%の、任意の比率での1,1-ジフルオロエタン(R-152a)と1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234ze(E))との混合物とを含む四成分冷媒組成物。
【0018】
本発明の冷媒組成物は、冷媒組成物の総重量に基づいて、典型的には約1~約10重量%の量でR-134aも含有し得る。好ましいR-134a含有組成物には、R-1132a、CFIおよびR-134a;R-1132a、R-1234yfおよびR-134a;R-1132a、R-1234ze(E)およびR-134a;R-1132a、R-1234yf、R-32およびR-134a;R-1132a、R-1234ze(E)、R-32およびR-134a;R-1132a、R-1234yf、CFIおよびR-134a;R-1132a、R-1234ze(E)、CFIおよびR-134a;R-1132a、R-152aおよびR-134a;R-1132a、R-152a、R-32およびR-134a;R-1132a、R-1234yf、R-152aおよびR-134a(約1~約20重量%のR-1132a、約5~約25重量%のR-152a、約1~約10重量%のR-134aおよび約93~約45重量%のR-1234yfなど);ならびにR-1132a、R-1234ze(E)、R-152aおよびR-134aを含むものが含まれる。
【0019】
トリフルオロエチレン(R-1123)が本発明の組成物中に含まれる場合、典型的には、約20重量%未満など、約30重量%未満で存在する。本発明の好ましいR-1123含有組成物は、R-1132a、R-1123およびR-1234yfを含み、好ましくは、約1~約20重量%のR-1132a、約1~約20重量%のR-1123および約98~約60重量%のR-1234yfを含む。好ましいR-1123含有組成物は、調合されたとおりのブレンド中のおよびブレンドと平衡状態にある蒸気中のR-1123の最大モル含量が、-40℃またはこれより高い温度において約55%未満である組成物である。これは、R-1123の不均化(自己反応)のリスクを軽減するためである。上記組成物および表として記載された組成物(以下の実施例24~27を参照)は、これらの基準を満たすと予測される。
【0020】
本発明の特定の組成物は、R-1132aおよびR-32、好ましくは約68~約99重量%のR-1132aおよび約1~約32重量%のR-32、例えば、約72~約96重量%のR-1132aおよび約4~約28重量%R-32を含み、任意に、本質的にこれらからなる。これらの組成物は、R-1234yfを実質的に含有しないことがあり得る。
【0021】
本発明のさらなる組成物は、R-1132a、R-32およびCO、好ましくは約1~約20重量%のR-1132a、約1~約32重量%のR-32および約50~約95重量%のCO、例えば、約2~約15重量%のR-1132a、約2~約32重量%のR-32および約55~約93重量%のCO2、例えば、約64~約93重量%の二酸化炭素、約2~約25重量%のジフルオロメタンおよび約2~約14重量%のR-1132a、例えば、約65~約93重量%の二酸化炭素、約2~約22重量%のジフルオロメタンおよび約2~約14重量%のR-1132aを含み、任意に、本質的にこれらからなる。これらの組成物は、R-1234yfを実質的に含有しないことがあり得る。
【0022】
「実質的に~ない」によって、本発明者らは、本発明の組成物が、組成物の総重量に基づいて0.5重量%以下、好ましくは0.1%以下の表記成分を含有するという意味を含める。
【0023】
本明細書で使用される場合、特許請求の範囲を含む本明細書の組成物について言及される全ての%量は、特に明記しない限り、組成物の総重量に基づく重量によるものである。
【0024】
一実施形態では、組成物は、本質的に表記成分からなってもよい。「本質的にからなる」という用語によって、本発明者らは、本発明の組成物が他の成分、特に、熱伝達組成物において使用されることが既知のさらなる(ヒドロ)(フルオロ)化合物(例えば、(ヒドロ)(フルオロ)アルカンまたは(ヒドロ)(フルオロ)アルケン)を実質的に含有しないという意味を含める。「からなる」という用語は、「本質的にからなる」の意味に含まれる。
【0025】
疑義を避けるため、本明細書に記載された本発明の組成物中の成分の量の範囲について記載された上限値および下限値は、得られる範囲が本発明の最も広い範囲内に属する限り、任意の様式で置き換えられ得ることを理解すべきである。
【0026】
冷媒組成物は、ヒートポンプまたはヒートポンプと空調システムの組み合わせにおいて使用される場合、典型的には、潤滑剤と組み合わされる。適切な潤滑剤には、ネオペンチルポリオールエステルなどのポリオールエステル、およびポリアルキレングリコールが含まれ、好ましくは、一端または両端がアルキル、例えばC1~4アルキル基で末端キャップされている。
【0027】
本発明の組成物は、オゾン破壊係数がゼロである。
【0028】
典型的には、本発明の組成物は、約150未満、例えば、約100未満、例えば、約50未満のGWPを有する。
【0029】
典型的には、本発明の組成物は、R-1132aと比較した場合、可燃性の危険性が低減されている。
【0030】
可燃性は、2004年付の付録34頁による試験方法を用いたASTM Standard E-681を取り入れたASHRAE Standard 34に従って決定することができ、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
一態様において、組成物は、R-1132a単独と比較して、(a)より高い可燃下限界、(b)より高い発火エネルギー、(c)より高い自然発火温度、または(d)より低い火炎伝播速度の1つまたは複数を有する。好ましくは、本発明の組成物は、23℃での可燃下限界、60℃での可燃下限界、23℃または60℃での燃焼範囲の幅、自然発火温度(熱分解温度)、乾燥空気中での最小発火エネルギー、または燃焼速度のうちの1つ以上において、R-1132aと比較して可燃性が低い。可燃限界および燃焼速度は、ASHRAE 34に規定された方法に従って決定され、自然発火温度は、ASTM E659-78の方法によって500mlガラスフラスコ中で決定される。
【0031】
本発明の好ましい組成物は、10cm/秒未満の層流燃焼速度を有する組成物であり、特に好ましいのは、配合物および「最悪ケース分画配合物」がいずれも10cm/秒未満の燃焼速度を有する、すなわち、ASHRAE Standard 34で、「2L」の可燃性に分類される組成物である。
【0032】
好ましい実施形態では、本発明の組成物は不燃性である。例えば、本発明の組成物は、ASHRAE-34の方法論を用いて、60℃の試験温度で不燃性である。有利には、約-20℃~60℃の任意の温度において本発明の組成物と平衡状態で存在する蒸気の混合物も不燃性である。
一部の用途においては、配合物をASHRAE-34の方法により不燃性と分類する必要がない場合がある。例えば、冷却装置の充填物を周囲に漏洩させることによって可燃性混合物を作ることが物理的に不可能な場合には、その用途で使用するのに安全となるようにするために、空気中でのその可燃限界が十分に低減されている流体を開発することが可能である。
【0033】
一実施形態では、本発明の組成物は、ASHRAE standard 34分類法に従って、不燃性(クラス1)または10cm/秒未満の火炎速度を有する微燃性流体(クラス2L)を示す、1または2Lに分類できる可燃性を有する。
【0034】
本発明の組成物は、好ましくは、約15K未満、さらにより好ましくは、約10K未満、さらにより好ましくは約5K未満の、蒸発器または凝縮器内での温度勾配を有する。
【0035】
本発明の組成物は、移動式、例えば自動車用のヒートポンプ用途において有用であり、移動式空調用途においても許容される性能を示す。組成物は、純粋な電気自動車であるかハイブリッド自動車であるかを問わない電気自動車においてヒートポンプおよび/または空調システムが使用される場合に特定の利益を提供し得る。
【0036】
特に明記しない限り、「電気自動車」という用語は、純粋な電気自動車と、ハイブリッド車などのいくつかの推進手段の1つとして電気を使用する自動車の両方を指すことを理解されたい。
【0037】
好ましくは、本発明の使用において、冷媒組成物は、約-30℃未満の温度で蒸発し、それにより、-25~-30℃という低い周囲大気温度でのヒートポンプ動作を可能にする。
【0038】
したがって、さらなる態様において、本発明は、本発明の第1の態様の冷媒組成物を使用するヒートポンプおよび/または空調システムを備えた電気自動車を提供する。冷媒組成物は、上記の実施形態のいずれかにおいて記載されている通りであり得る。
【0039】
したがって、本発明は、(i)電気自動車において冷却を行う方法であって、冷却されるべき物体の近くで本発明の冷媒組成物を蒸発させることを含む方法、および(ii)電気自動車において加熱を行う方法であって、加熱されるべき物体の近くで本発明の冷媒組成物を凝縮することを含む方法も提供する。
【0040】
以下の非限定的実施例によって、本発明を説明する。
【実施例0041】
ここで、ヒートポンプサイクルおよび空調サイクルにおける本発明の選択された組成物の性能の理論サイクルモデリングによって、本発明を説明する。両サイクルの基準冷媒として、R-1234yfを選択した。
【0042】
モデリングは、熱力学的データ源としてNIST REFPROP10を使用して、Microsoft Excelにおいて実行した。-70C~+40Cの温度範囲にわたってR-1132a/R-32またはR-1132a/R-1234yfの二成分混合物の蒸気圧を測定するために、定容装置を使用して、まず、R-32およびR-1234yfとのR-1132aの混合物の相平衡を調べた。次いで、このデータを回帰して、実験データを再現するREFPROPにおいて使用するための二成分相互作用パラメータを得た
【0043】
ヒートポンプサイクルでは、以下の条件を仮定した。
【表1】
【0044】
モデル化されたサイクルには、サイクル性能を改善するために、冷媒蒸気の中間圧蒸気注入が含まれた。各組成物について、加熱の性能係数(COP)を最大化するために、最適な注入圧力を決定した。
【0045】
本発明の選択された二成分および三成分混合物の結果は、以下の実施例1~8に要約されている。R-1132aを組み込むことによって、R-1234yfと比較して、COP(エネルギー効率)を増加させ、冷媒の蒸発圧を増加させることが発見された。システムを通してポンプで送る必要がある冷媒の体積流量も低下させ、R-1234yfと比較して圧力降下損失が低下することを示している。比較のために、2つの市販のブレンド(R-454CおよびR-516A)のモデル化された性能データも以下の表に示されている。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】
【表9】
【0054】
【表10】
【0055】
次に、高温周囲条件での動作を表す以下の理論サイクルモデリング条件を使用して、空調性能を評価した(実施例9および10)。
【0056】
【表11】
【0057】
改善された加熱モード性能を得ることが可能であること、および冷却の理論COPがR-1234yfで得られた理論COPの約10%以内である冷却モード性能を得ることも可能であることが明らかとなった。本発明の流体は、R-1234yfと比較して、より高い圧力および低下した質量/体積流量で動作する、すなわち、圧力降下効果による実際のシステムでの効率損失も、R-1234yfと比較して低減される。
【0058】
【表12】
【0059】
【表13】
【0060】
ヒートポンプサイクルにおける本発明の選択された二成分、三成分および四成分組成物の性能は、以下の実施例11~34にさらに示されている。同じく、サイクルの基準冷媒としてR-1234yfを選択した。
【0061】
以下の動作条件を仮定した。
【表14】
【0062】
要約すると、モデル化された性能データは、本発明による組成物の以下の利点を実証している。
(a)R-1234yf単独と比較して、加熱モードサイクル動作における本質的に同等または改善されたエネルギー効率(COP)
(b)増加した蒸発圧力により、より大きな容量容積およびより低い外気温で動作する能力の向上がもたらされる
【0063】
さらに、R-1132aおよびR-32を含む選択された二成分ブレンドならびにR-1132a、R-32およびCOを含む三成分ブレンドの空調サイクルにおける性能が、以下の実施例35~37において実証されている。
【0064】
【表15】
【0065】
【表16】
【0066】
【表17】
【0067】
【表18】
【0068】
【表19】
【0069】
【表20】
【0070】
【表21】
【0071】
【表22】
【0072】
【表23】
【0073】
【表24】
【0074】
【表25】
【0075】
【表26】
【0076】
【表27】
【0077】
【表28】
【0078】
【表29】
【0079】
【表30】
【0080】
【表31】
【0081】
【表32】
【0082】
【表33】
【0083】
【表34】
【0084】
【表35】
【0085】
【表36】
【0086】
【表37】
【0087】
【表38】
【0088】
【表39】
【0089】
【表40】
【0090】
【表41】
【0091】
実施例38は、電気自動車で使用するための移動式ヒートポンプ/エアコンディショナーシステムにおける、8重量%のR-1132a、11重量%のR-32および81重量%のR-1234yfを含む三成分組成物の性能データを示す。
システム性能は、SAE標準J2765に準拠した冷却モード(空調)で、このブレンドに対して、R-1234yfに対するのと同じ冷媒の充填サイズを使用して3つの試験条件で実行された。このブレンドが各試験ポイントにおいてR-1234yfと同じ冷却能力を達成するために、異なる冷媒を比較するための標準的な技法に従って、圧縮器速度を低下させた。
【0092】
結果を以下に示し、図2および3に図示する。試験された組成物は、各試験ポイントにおいて、改善されたエネルギー効率を一貫して提供することができ、性能係数(COP)はR-1234yf値の110%から125%までを変動した。
【0093】
【表42】
【0094】
【表43】
【0095】
本発明は以下の態様を包含するものである。
[態様1]
1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a)と、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234yf)、ジフルオロメタン(R-32)、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R-1234ze(E))および1,1-ジフルオロエタン(R-152a)からなる群より選択される少なくとも1つのフルオロカーボン冷媒化合物とを含む組成物の、電気自動車中のヒートポンプシステムにおける冷媒としての使用。
[態様2]
冷媒組成物が、トリフルオロエチレン(R-1123)、トリフルオロヨードメタン(CFI)、二酸化炭素(R-744、CO)および1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R-134a)のうちの少なくとも1つをさらに含む、態様1に記載の使用。
[態様3]
1,1-ジフルオロエチレン(R-1132a)およびトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む組成物の、電気自動車中のヒートポンプシステムにおける冷媒としての使用であって、好ましくは、前記冷媒組成物が約1~約30重量%のR-1132aおよび約70~約99重量%のCFIを含む使用。
[態様4]
前記冷媒組成物が、R-1132a、R-152aおよびR-1234yf、好ましくは2~14重量%のR-1132a、2~96重量%のR-152aおよび2~96重量%のR-1234yf、例えば、4~10重量%のR-1132a、2~30重量%のR-152aおよび60~94重量%のR-1234yfを含む、態様1に記載の使用。
[態様5]
前記冷媒組成物が、R-1132aと、R-1234yfおよびR-1234ze(E)からなる群から選択される少なくとも1つのテトラフルオロプロペン冷媒化合物と、任意にジフルオロメタン(R-32)とを含む、態様1に記載の使用。
[態様6]
前記R-1132aが、前記冷媒組成物の総重量に基づいて、1~30重量%、好ましくは1~20重量%、例えば、約3~約15重量%の量で存在する、態様1~5のいずれか一つに記載の使用。
[態様7]
R-32が、前記冷媒組成物の総重量に基づいて、1~21重量%の量で存在する、態様5または6に記載の使用。
[態様8]
前記冷媒組成物が、
1~20重量%のR-1132aおよび99~80重量%のR-1234yf;
1~20重量%のR-1132aおよび99~80重量のR-1234ze(E);
1~20重量%のR-1132a、1~21重量%のR-32および59~98重量%のR-1234yf;または
1~20重量%のR-1132a、1~21重量%のR-32および59~98重量%のR-1234ze(E)を含む、態様5に記載の使用。
[態様9]
前記冷媒組成物がCFIをさらに含み、好ましくはCFIがR-1234yfまたはR-1234ze(E)より少ない量で存在する、態様5~8のいずれか一つに記載の使用。
[態様10]
前記冷媒組成物がR-1132a、R-32、R-1234yfおよびCFIを含む、態様9に記載の使用。
[態様11]
前記冷媒組成物がCO(R-744)をさらに含み、好ましくは、COとR-1132aの合計含有量が約30重量%未満、例えば約20重量%未満である、態様5~8のいずれか一つに記載の使用。
[態様12]
前記冷媒組成物がR-1132a、R-32、R-1234yfおよびCOを含む、態様11に記載の使用。
[態様13]
前記冷媒組成物がR-1132a、R-152aおよび任意にR-32を含む、態様1、2または6に記載の使用。
[態様14]
前記冷媒組成物が、
1~30重量%のR-1132aおよび99~70重量%のR-152a;または
1~20重量%のR-1132a、1~10重量%のR-32および70~98重量%のR-152aを含む、態様13に記載の使用。
[態様15]
前記冷媒組成物が、R-1132aと、R-32と、R-152aと、R-1234yfおよびR-1234ze(E)からなる群より選択される少なくとも1つのテトラフルオロプロペン冷媒化合物とを含む、態様1、2または6に記載の使用。
[態様16]
前記冷媒組成物が、
1~20重量%のR-1132a、1~21重量%のR-32および59~98重量%の、R-152aとR-1234yfとの混合物;または
1~20重量%のR-1132a、1~21重量%のR-32および59~98重量%の、R-152aとR-1234ze(E)との混合物を含む、態様15に記載の使用。
[態様17]
前記冷媒組成物がR-134aを、好ましくは約1~約10重量%のR-134aの量でさらに含む、態様3~9または13~16のいずれか一つに記載の使用。
[態様18]
前記冷媒組成物が、R-1132a、R-1123およびR-1234yf、好ましくは、約1~約20重量%のR-1132a、約1~約20重量%のR-1123および約98~約60重量%のR-1234yfを含む、態様2に記載の使用。
[態様19]
前記冷媒組成物が、R-1132a、R-152a、R-134aおよびR-1234yf、好ましくは、約1~約20重量%のR-1132a、約5~約25重量%のR-152a、約1~約10重量%のR-134aおよび約93~約45重量%のR-1234yfを含む、態様2に記載の使用。
[態様20]
前記冷媒組成物が、R-1132aおよびR-32、好ましくは、約68~約99重量%のR-1132aおよび約1~約32重量%のR-32、例えば約72~約96重量%のR-1132aおよび約4~約28重量%のR-32を含む、態様1に記載の使用。
[態様21]
前記冷媒組成物が、R-1132a、R-32およびCO、好ましくは、約1~約20重量%のR-1132a、約1~約32重量%のR-32および約50~約95重量%のCO、例えば、約2~約15重量%のR-1132a、約2~約32重量%のR-32および約55~約93重量%のCO2、例えば、約64~約93重量%の二酸化炭素、約2~約25重量%のジフルオロメタンおよび約2~約14重量%のR-1132a、例えば、約65~約93重量%の二酸化炭素、約2~約22重量%のジフルオロメタンおよび約2~約14重量%のR-1132aを含む、態様2に記載の使用。
[態様22]
前記冷媒組成物が、150未満の地球温暖化係数(GWP)を有する、態様1~21のいずれか一つに記載の使用。
[態様23]
前記ヒートポンプシステムが空調を実行するようにも適合されている、態様1~22のいずれか一つに記載の使用。
[態様24]
前記組成物が本質的に表記成分からなる、態様1~23のいずれか一つに記載の使用。
[態様25]
前記冷媒組成物がR-1132a単独より可燃性が低く、好ましくは前記冷媒組成物が、R-1132a単独と比べて、
a.より高い可燃限界、
b.より高い発火エネルギー、および/または
c.より低い火炎伝播速度
を有する、態様1~24のいずれか一つに記載の使用。
[態様26]
前記冷媒組成物が不燃性である、好ましくは前記冷媒組成物が周囲温度で不燃性である、または前記組成物が60℃で不燃性である、態様1~25のいずれか一つに記載の使用。
[態様27]
前記ヒートポンプシステムが、潤滑剤、好ましくはポリオールエステル(POE)またはポリアルキレングリコール(PAG)潤滑剤をさらに含む、態様1~26のいずれか一つに記載の使用。
[態様28]
前記冷媒組成物が-30℃未満の温度で蒸発し、好ましくは前記冷媒組成物が40℃を超える温度で凝縮もする、態様1~27のいずれか一つに記載の使用。
[態様29]
前記冷媒組成物が、約-15℃より低い、好ましくは-20℃超より低い周囲温度においてヒートポンプモードで動作することができる、態様1~28のいずれか一つに記載の使用。
[態様30]
前記冷媒組成物が、約15K未満、好ましくは約10K未満、例えば約5K未満の、蒸発器または凝縮器中での温度勾配を有する、態様1~29のいずれか一つに記載の使用。
[態様31]
態様1~30のいずれか一つに定義されたヒートポンプシステムおよび冷媒組成物を備えた電気自動車。
[態様32]
電気自動車において冷却を行う方法であって、冷却されるべき物体の近くで態様1~30のいずれか一つに定義された冷媒組成物を蒸発させることを含む方法。
[態様33]
電気自動車において加熱を行う方法であって、加熱されるべき物体の近くで態様1~30のいずれか一つに定義された冷媒組成物を凝縮することを含む方法。
【図面の簡単な説明】
【0096】
図1】ヒートポンプシステムを示す。
図2】R-1234yfと比較したR-1132a/R-32/R-1234yf(8/11/81%)の三成分ブレンドの冷却モード性能を示す。
図3】R-1234yfと比較したR-1132a/R-32/R-1234yf(8/11/81%)の三成分ブレンドの冷却モード性能を示す。
図1
図2
図3
【外国語明細書】