(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075758
(43)【公開日】2024-06-04
(54)【発明の名称】遠位に位置するアクチュエータで動作するペンシルグリップ型ワイヤドライバー
(51)【国際特許分類】
A61B 17/16 20060101AFI20240528BHJP
【FI】
A61B17/16
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024050713
(22)【出願日】2024-03-27
(62)【分割の表示】P 2022184267の分割
【原出願日】2019-04-08
(31)【優先権主張番号】62/654,618
(32)【優先日】2018-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シー ジョン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】マクガーベイ ジェームズ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】骨の中にワイヤを挿入するためのワイヤドライバーを提供する。
【解決手段】近位端および遠位端を有するハウジングを含み、近位端へと延びるハンドピースを有する。ハンドピースは、遠位端へと延びる把持部分に接続されている。チャネルは把持部分を通って延び、また把持機構に接続されている。ハンドピース内の駆動機構はチャネルに接続されている。駆動機構は、ハンドピース上に位置付けられた第一のアクチュエータによって作動された時に、チャネルを回転させるように構成されている。第二のアクチュエータは、把持部分および把持機構に接続されている。第二のアクチュエータは、緩和位置と圧縮位置との間で移動可能である。第一のアクチュエータおよび第二のアクチュエータの両方を同じハンドピースの握りを用いて操作することができる。把持部分および第二のアクチュエータは、ハウジングおよび第一のアクチュエータに対して回転可能である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤドライバーであって、
近位端および遠位端を有するハウジングであって、前記ハウジングが前記近位端から把持部分へと延びるハンドピースを備え、前記把持部分が前記遠位端へと延びる、ハウジングと、
前記把持部分を通って延びるチャネルと、
前記チャネルに接続された把持機構と、
前記ハウジングの前記遠位端および前記把持機構に接続された第一のアクチュエータと、を備え、
前記第一のアクチュエータが、緩和位置と圧縮位置との間で移動可能である、ワイヤドライバー。
【請求項2】
前記緩和位置において、前記把持機構が閉じている、請求項1に記載のワイヤドライバー。
【請求項3】
前記ハンドピース内に位置付けられ、かつ前記チャネルに接続された駆動機構をさらに備え、前記駆動機構が、前記ハンドピースに接続された第二のアクチュエータによって作動された時に前記チャネルを回転させるように構成されている、請求項1に記載のワイヤドライバー。
【請求項4】
前記第二のアクチュエータが、前記ハンドピースと、前記把持部分の少なくとも一部分とに沿って延びる、請求項3に記載のワイヤドライバー。
【請求項5】
前記把持部分が第一の中央長手方向軸に沿って延びる、請求項1に記載のワイヤドライバー。
【請求項6】
前記ハンドピースが、前記第一の中央長手方向軸に対してある角度で前記把持部分に接続されている、請求項5に記載のワイヤドライバー。
【請求項7】
前記ハンドピースが、前記第一の中央長手方向軸に平行な第二の中央長手方向軸に沿って延びる、請求項5に記載のワイヤドライバー。
【請求項8】
前記把持部分内にばね組立品をさらに備え、前記ばね組立品が前記把持機構に接続されている、請求項1に記載のワイヤドライバー。
【請求項9】
前記第一のアクチュエータが前記圧縮位置にある時、前記ばね組立品が圧縮され、かつ前記把持機構が開位置にある、請求項8に記載のワイヤドライバー。
【請求項10】
前記ハウジング内に回転機構をさらに備え、前記把持部分が前記ハンドピースに対して前記回転機構を中心として回転可能である、請求項1に記載のワイヤドライバー。
【請求項11】
動力付き手術ツールであって、
近位端および遠位端を有するハウジングであって、前記ハウジングが前記近位端から把持部分へと延びるハンドピースを備え、前記把持部分が前記遠位端へと延び、
前記把持部分が中央長手方向軸に沿って延び、かつ前記ハンドピースが前記中央長手方向軸に対してある角度で前記把持部分に接続されている、ハウジングと、
前記ハウジング内に位置付けられた回転機構と、を備え、前記把持部分が前記ハンドピースに対して前記回転機構を中心として回転可能である、手術ツール。
【請求項12】
前記把持部分と、前記チャネルに接続された把持機構とを通って延びるチャネルをさらに備える、請求項11に記載の手術ツール。
【請求項13】
前記把持部分と前記把持機構とに接続された第一のアクチュエータをさらに備え、前記第一のアクチュエータが緩和位置と圧縮位置との間で移動可能であり、かつ前記緩和位置において前記把持機構が閉じる、請求項12に記載の手術ツール。
【請求項14】
前記ハンドピース内に位置付けられ、かつ前記チャネルに接続された駆動機構をさらに備え、前記駆動機構が、前記ハンドピースに接続された第二のアクチュエータによって作動された時に前記チャネルを回転させるように構成されている、請求項12に記載の手術ツール。
【請求項15】
前記第二のアクチュエータが、前記ハンドピースと、前記把持部分の少なくとも一部分に沿って延びる、請求項14に記載の手術ツール。
【請求項16】
前記第二のアクチュエータがそれを通って延びる開口部を備える、請求項14に記載の手術ツール。
【請求項17】
前記把持部分が、第一の位置と第二の位置との間で回転可能である、請求項16に記載の手術ツール。
【請求項18】
前記第一の位置において前記第二のアクチュエータの前記開口部が、前記把持部分の前記チャネルと整列している、請求項17に記載の手術ツール。
【請求項19】
前記第二の位置において前記第二のアクチュエータの前記開口部が、前記把持部分の前記チャネルと整列していない、請求項18に記載の手術ツール。
【請求項20】
前記第一の位置において、前記把持部分および前記ハンドピースが同一の平面内で延びる、請求項17に記載の手術ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「Pencil-Grip Wire Driver Operated With Distally Located Actuator」と題する2018年4月9日出願の米国仮特許出願第62/654,618号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は一般に、ワイヤを骨に挿入するためのワイヤドライバー、より具体的には、遠位アクチュエータおよび回転機構を有するワイヤドライバーを対象とする。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
ワイヤドライバーは、ワイヤを骨に挿入する手術装置である。ペンシルグリップ型ワイヤドライバーは、装置が典型的に、鉛筆のように保持されるような形状の装置であり、円筒把持、指先把持、変形三面把持、または三面把持などの技法を使用する。ペンシルグリップ型ワイヤドライバーは、ワイヤを把持し、かつワイヤに回転力を提供する内部機構を有する。ワイヤを把持し、また解放する機構は、アクチュエータによって制御される。既存のワイヤドライバー1は、
図1に示すように、その遠位端3から離れて位置する先述のアクチュエータ2を有するか、または
図2に示すように、こうしたアクチュエータ2を動かすために第二の手を必要とする。それ故に、ワイヤを把持する、または解放するために、先述のアクチュエータの作動は、外科医がグリップ位置から指を移動させること、または第二の手を使用してアクチュエータを作動することを必要とし、これは外科医にとって大きな不都合となる可能性がある。
【0004】
従って、外科医がそれを通って延びるワイヤを把持し、そして解放する間、ワイヤドライバー上で好ましい把持を維持することを可能にする、遠位把持アクチュエータおよび回転機構を有するワイヤドライバーに対するニーズがある。
【0005】
背景技術の項の免責条項:特定の特許/刊行物/製品がこの背景技術の項またはこの開示の他の場所で考察されている限り、これらの考察は考察された特許/刊行物/製品が特許法の目的のための先行技術であるという承認として捉えるべきではない。例えば、考察された特許/刊行物/製品の一部または全ては、十分早期でない場合があり、十分早期に開発された主題を反映していない場合があり、かつ/または特許法の目的のために先行技術に相当するほど、十分に授権するものではない場合がある。特定の特許/刊行物/製品が、この先行技術の項および/または出願全体を通して上記で考察されている限り、その記述/開示はそのそれぞれの全体が参照により全て本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、外科医がそれを通って延びるワイヤを把持、および解放する間、ワイヤドライバー上で好ましいグリップを維持することを可能にする、遠位把持アクチュエータおよび回転機構を有するワイヤドライバーを対象とする。一態様によれば、ワイヤドライバーは、近位端および遠位端を有するハウジングを含む。ハウジングは、近位端に延びるハンドピースを有し、またハンドピースは遠位端に延びる把持部分に接続されている。チャネルは把持部分を通って延び、かつ把持機構に接続されている。ワイヤドライバーはまた、ハウジングの遠位端および把持機構に接続された第一のアクチュエータも含む。第一のア
クチュエータは、緩和位置と圧縮位置との間で移動可能である。
【0007】
別の態様によれば、本発明は動力付き手術ツールである。手術ツールは、近位端および遠位端を有するハウジングを含む。ハウジングは、把持部分に接続されたハンドピースを有する。ハンドピースは近位端へと延び、また把持部分は遠位端へと延びる。把持部分は中央長手方向軸に沿って延び、またハンドピースは中央長手方向軸に対してある角度で把持部分に接続されている。手術ツールはまた、ハウジング内に回転機構も含む。把持部分は、ハンドピースに対して回転機構を中心として回転可能である。
【0008】
一実施形態によれば、本明細書で特定されるアクチュエータは、(本明細書に要約されるように)その基本的な機能的概念と一致する任意の数多くの方法で作動することができ、絞り作動、反転作動、ひねり/回転作動、押し作動およびこれに類するものを含むことができる(本開示の検討と併せて当業者によって理解されるべきであるように)。こうした作動の方向は、こうした代替的な動きを容易にするための適切な代替的構造に従って、本明細書に記述した実施例(例えば、相対的遠位方向に押すことに対して相対的近位方向に引くこと)で考察および実施されたものからの代替的な方向を含むことができる(本開示の考察と併せて当業者によって理解されるべきであるように)。
【0009】
本発明のこれらおよびその他の態様は、以下に記述される実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一つ以上の態様は、本明細書の最後に特許請求の範囲の例として具体的に指摘され、明確に特許請求される。本発明の前述の、およびその他の目的、特徴、および利点は、添付図面と併せて取り上げられる以下の記述から明らかである。
【0011】
【
図1】
図1は、先行技術のワイヤドライバーである。
【
図2】
図2は、先行技術の別のワイヤドライバーである。
【
図3】
図3は、一実施形態によるワイヤドライバーの断面側面概略図である。
【
図4】
図4は、一実施形態によるワイヤドライバーの側面概略図である。
【
図5】
図5は、代替的な実施形態による、ワイヤドライバーの側面概略図である。
【
図7】
図7は、
図5のワイヤドライバーの断面側面概略図である。
【
図8】
図8は、別の実施形態による、ワイヤドライバーの側面概略図である。
【
図10】
図10は、ワイヤがそれを通って延びている第一の構成にある
図8のワイヤドライバーの側面概略図である。
【
図12】
図12は、ワイヤがそれを通って延びている第二の構成にある
図8のワイヤドライバーの側面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の態様およびその特定の特徴、利点、および詳細は、添付図面に図示した非限定的な例を参照しながらより完全に以下に説明される。本発明の詳細を不必要に不明瞭にしないように、周知の構造の説明は省略される場合がある。しかし、当然のことながら、詳細な説明および特定の非限定的な例は、本発明の態様を示すものであるが、例示のみの目的で与えられ、限定の目的ではない。基礎となる発明の概念の趣旨および/または範囲内
での様々な置換、修正、追加、および/または配設は、本開示から当業者には明らかであろう。
【0013】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号は全体を通して同様の部品を指し、
図3は、一実施形態によるワイヤドライバー100の断面側面概略図である。ワイヤドライバー100は、近位端104および遠位端106を有するハウジング102を備える。図示した実施形態では、ハウジング102は、近位端104に延びるハンドピース108と、遠位端106に延びる把持部分110とを備える。ハンドピース108は、ある角度で把持部分110に接続されている。具体的には、把持部分110は、中央長手方向y-y軸に沿って延び、ハンドピース108は、中央長手方向y-y軸に対して角度を有して把持部分110から近位に延びる。代替的実施形態によれば、ハンドピース108は、ある角度で把持部分110に接続されておらず、かつ把持部分110からy-y軸に沿って、またはy-y軸に少なくとも実質的に平行な軸に沿って近位に延びる(例えば、下記で考察される
図5~7を参照)。
【0014】
図3をさらに参照すると、ハンドピース108は、ワイヤドライバー100が独立型装置として使用されるように、その中に駆動機構112を備える。しかしながら、ワイヤドライバー100はまた別の装置への付属品であってもよい。図示した実施形態では、駆動機構112はモーターおよびギア組立品である。
図3では、モーター114はギア組立品118の第一のギア116を回転し、そして把持部分110を駆動する。代替的な実施形態では、駆動機構112は、電池式、空気圧式、または外部電源に(例えば、コードを介して)接続されてもよい。
【0015】
さらに
図3を参照すると、把持部分110は、第一の端部120および第二の端部122を備え、それを通ってチャネル124が延びている。ギア組立品118は、把持部分110の第一の端部120へと延びる。図示した実施形態では、把持部分110の第一の端部120は、ギア組立品118の第二のギア126を備える。第二のギア126は、モーター114によって動力を与えられる第一のギア116と係合する。モーター114からの動力はギア組立品118を回転させ、チャネル124およびその中のワイヤ(図示せず)の回転を引き起こす。駆動機構112は、駆動アクチュエータ138が起動された時に、チャネル124(およびワイヤ(図示せず))の回転を実行する。
【0016】
図3に示すように、駆動アクチュエータ138は、ワイヤドライバー100のハンドピース108に接続されている。具体的には、図示した実施形態では、駆動アクチュエータ138は、ワイヤドライバー100の近位端104に取り付けられている。
図3に示す駆動アクチュエータ138は、例えば、ばねレバーなどの付勢されたコネクタ142を介してハンドピース108に接続された長い湾曲したアームである。図示した実施形態では、駆動アクチュエータ138は、駆動アクチュエータ138の遠位部分146が少なくとも部分的にハウジング102の把持部分110の周りおよび/または上に延びるように湾曲している。駆動アクチュエータ138の近位部分144は、駆動アクチュエータ138にハウジング102に沿った任意の点で簡単にアクセスでき、付勢されたコネクタ142に対して近位に延びて、ユーザーに対して多くの把持の選択肢を提供する。
【0017】
図3をさらに参照すると、ワイヤドライバー100の把持部分110は追加的に、ばね組立品128および遠位コレット130を備える。把持部分110内のチャネル124は、図示するように、ばね組立品128および遠位コレット130を通って延びる。チャネル124は、把持機構132を備える。図示した実施形態では、把持機構132は、グリッパ136(例えば、互いに向かって圧縮可能な三つ(またはそれ以上)のプロング様片)を有するスピンドル134である。把持機構132の目的は、チャネル124を通って延びるワイヤ(図示せず)を把持および解放することである。把持および解放の動きは、
把持アクチュエータ140によってワイヤ(図示せず)に対して実行される。
図4に示すように、把持アクチュエータ140は、把持部分110の側部148上のコレットレバーである。
【0018】
図3に示す実施形態では、把持アクチュエータ140はコレット130に接続されている。緩和位置では、
図3および4に示すように、把持アクチュエータ140は、(ばね組立品128によって)遠位方向に付勢されている。言い換えれば、ばね組立品128が緩和状態にある時、把持アクチュエータ140は遠位方向に付勢され、把持機構132を閉位置にして、ワイヤ(図示せず)を把持する。把持アクチュエータ140を係合するために、ユーザーは把持アクチュエータ140を近位方向に引き、これがばね組立品128に対してコレット130を近位に引き込む。コレット130が把持アクチュエータ140によって近位に引かれると、把持機構132(グリッパ136を含む)は、チャネル124内のワイヤ(図示せず)を解放し、ワイヤドライバー100を圧縮位置(図示せず)に置く。
【0019】
ここで
図5~7を参照すると、代替的実施形態によるワイヤドライバー100の様々な概略図が示されている。図示した実施形態では、
図3~4の実施形態に示すように、中央長手方向y-y軸は把持部分110を通って延びる。しかしながら、
図5~7の実施形態では、ハンドピース108は、把持部分110から中央長手方向y-y軸に対してある角度で延びてはいない。
図5に示すように、ハンドピース108は、中央長手方向x-x軸に沿って延び、これは中央長手方向y-y軸にほぼ平行である。
【0020】
図7に示すワイヤドライバー100の実施形態において、チャネル124はまた、把持部分110の第一の端部120を通ってそこから把持部分110の第二の端部122まで延びる。
図7では、チャネル124は、中央長手方向y-y軸に沿ってまたは平行に延びる。さらに、把持部分110は、把持部分110の第一の端部120がハンドピース108に対してある隙間量を有するように、ハンドピース108からわずかにずれている。特に、
図7に示すように、把持部分110を通って延びるチャネル124は、ハンドピース108内のモーター114を迂回する。しかしながら、
図6に示すように、チャネル124は、ハンドピース108の底面152の少なくとも一部分を通して延び、かつスロット150に接続されている。図示した実施形態では、スロット150は、ハウジング102の近位端104に向かって延びる。
【0021】
図5および7でも示すように、ハンドピース108は、駆動アクチュエータ138が係合した(例えば、押された)時に、駆動機構112の動作を選択的に許容または阻害するための摺動機構154を備える。
図5に示すように、トラック(またはチャネル)156は、ハンドピース108の側面158の少なくとも一部分を通って延びる。
図5に示すように、ハンドピース108は、ハンドピース108のトラック156に沿って遠位および近位に摺動するようにサイズ設定され、かつ構成されたスライダー160を備える。それ故に、ユーザーはスライダー160を係止位置から係脱位置に移動することができる。係脱位置では、スライダー160は駆動機構112の動作を許容する。駆動アクチュエータ138が係合し係止位置にある時、スライダー160は、駆動アクチュエータ138が係合している時に、駆動機構112の動作を阻止する。
【0022】
ここで
図8~14を参照すると、また別の実施形態による、ワイヤドライバー100の様々な概略図が示されている。これらの実施形態では、把持アクチュエータ140の自由端部部分は、駆動アクチュエータ138から離れる方を向いており、作動される近位方向に引かれる。
【0023】
図8は、ワイヤドライバー100の側面概略図を示す。ワイヤドライバー100は、回
転(またはインデックス)機構166(
図15)を備え、ワイヤ(図示せず)がハンドピース108の平面軸に対して異なる平面内にあることを可能にする。
図8に示すように、ハンドピース108は、平面z-zに沿って延びる。第一の構成(
図8に示す)では、把持部分110も平面z-zに沿って延びる。
【0024】
回転(インデックス)機構166の実施形態を
図15に示す。把持部分110は、ハンドピース108に対して回転(インデックス)機構166を中心として回転する。
図15では、回転(インデックス)機構166は、把持部分110が回転する際、把持部分110とハンドピース108との間の接続も維持する。図示した実施形態では、回転(インデックス)機構166は、把持部分110とハンドピース108との両方の周りに延び、それらを一緒に保持するリング168を含む。回転(インデックス)機構166はまた、リング168と把持部分110およびハンドピース108の両方との間に一つ以上のボール(または球)170を含む。ボール170は、把持部分110がハンドピース108の周りを回転する際、回転する。それ故に、ボール170は、ハンドピース108を中心とした把持部分110の移動を可能にするが、リング168は、把持部分110がハンドピース108から外れないように移動を制限する。
【0025】
図9は、ワイヤドライバー100の斜視概略図を示す。示すように、駆動アクチュエータ138は、ワイヤ(図示せず)がそれを通って延びてもよいように、開口部162を備える。使用時に、ワイヤ164は、
図10に示すように、駆動アクチュエータ138の開口部162を通り、かつ把持部分110を通って延びる。第一の構成では、
図9および11に示すように、駆動アクチュエータ138の開口部162は、ワイヤ164が開口部162および把持部分110の両方を通って延びてもよいように、把持部分110と整列している。さらに、第一の構成では、駆動アクチュエータ138は、ハンドピース108および把持部分110と同じ平面(平面z-z)内にある。
【0026】
図12~
図14は、第二の構成にあるワイヤドライバー100の様々な概略図を示す。第二の構成では、把持部分110は平面z-zの外にある回転機構(図示せず)を中心として回転する。図示した実施形態では、把持部分110は、平面z-zに対して90°回転している。しかしながら、把持部分110は、平面z-zに対して任意の角度に回転可能であってもよい。回転機構(図示せず)は、ユーザー(例えば、外科医)が自身の個人的好みにより、かつより快適にハンドピース108を把持するための柔軟性を可能にする。さらに、
図10および11に示すように、ユーザーがワイヤドライバー100を保持するために上から手で掴むやり方を選択する場合、ワイヤ164がユーザーの手のひらとまっすぐに一直線状になるため危険である可能性がある。手術用ワイヤ164は典型的に両端に尖った先端を有し、近位先端は外科医の手袋を貫通し、かつ/またはけがを引き起こす可能性がある。それ故に、回転機構(図示せず)は、
図8~14のワイヤドライバー100の安全機能としても働く。
【0027】
本明細書で定義され、かつ使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書内の定義、および/または定義された用語の通常の意味を管理するものと理解されるべきである。
【0028】
本明細書で様々な実施形態が説明され、かつ図示されてきたが、当業者は、本明細書に記載の機能を実施し、かつ/または結果および/または一つ以上の利点を得るための様々な他の手段および/または構造を容易に想起するであろうし、またそのような変形および/または変更の各々は、本明細書に記載の実施形態の範囲内であると見なされる。より一般的に、当業者は、本明細書に記載されるすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が、例示的であり、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、教示が使用される一つ以上の特定の用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、本明
細書に記載される特定の実施形態に対する多数の同等物を単に通常の実験を用いて認識することになり、または確認することができる。従って、前述の実施形態は、単に例示的なものとして提示されており、添付した特許請求の範囲およびその等価物の範囲内で、実施形態は、具体的に記述および特許請求された以外の別の方法で、実行されてもよいことが理解されよう。本開示の実施形態は、本明細書に記述される個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。さらに、こうした特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、二つ以上のこうした特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせが、本開示の範囲内に含まれる。
【0029】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記述する目的のためのみのものであり、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。用語「備える(comprise)」(ならびに「備える(comprises)」および「備える(comprising)」などのcompriseの任意の形態)、「有する(have)」(ならびに「有する(has)」および「有する(having)」などのhaveの任意の形態)、「含む(include)」(ならびに「含む(includes)」および「含む(including)」などのincludeの任意の形態)、および「包含する(contain)」(ならびに「包含する(contains)」および「包含する(containing)」などのcontainの任意の形態)は、オープンエンドの連結動詞であることがさらに理解されるだろう。結果として、方法または装置は、一つ以上のステップまたは要素を「備える(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」、または「包含する(contain)」。同様に、一つ以上の特徴を「備える(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」または「包含する(contain)」方法のステップ、または装置の要素は、それらの一つ以上の特徴を有するが、それらの一つ以上の特徴のみを保持することに限定されない。さらに、特定のやり方で構成される装置または構造は、少なくともそのように構成されるが、リストされていない方法で構成されてもよい。
【0030】
以下の特許請求の範囲における全ての手段またはステップに機能要素を加えたものの対応する構造、材料、行為および同等物は、もしあれば、具体的に特許請求される他の特許請求の範囲の要素と組み合わせて、機能を実行するための任意の構造、材料、または行為を含むことを意図している。本発明の記述は、例示および記述の目的で提示されてきたが、網羅的であること、または本発明に開示された形態で限定されることを意図しない。多くの修正および変形は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の一つ以上の態様の原理および実際の応用を最もよく説明し、他の当業者が、考えられる特定の用途に適した様々な修正を有する様々な実施形態について本発明の一つ以上の態様を理解できるように選ばれ、かつ記述された。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤドライバーであって、
近位端および遠位端を有するハウジングであって、前記ハウジングが前記近位端から把持部分へと延びるハンドピースを備え、前記把持部分が前記遠位端へと延びる、ハウジングと、
前記把持部分を通って延びるチャネルと、
前記チャネルに接続された把持機構と、
前記ハウジングの前記遠位端および前記把持機構に接続された第一のアクチュエータと
、を備え、
前記第一のアクチュエータが、緩和位置と圧縮位置との間で移動可能であり、
前記把持部分が、前記把持部分を通って延びる第一の中央長手方向軸に沿って延び、
前記ハンドピースが、前記第一の中央長手方向軸に平行な第二の中央長手方向軸に沿って延びる、ワイヤドライバー。
【請求項2】
前記緩和位置において、前記把持機構が閉じている、請求項1に記載のワイヤドライバー。
【請求項3】
前記ハンドピース内に位置付けられ、かつ前記チャネルに接続された駆動機構をさらに備え、前記駆動機構が、前記ハンドピースに接続された第二のアクチュエータによって作動された時に前記チャネルを回転させるように構成されている、請求項1に記載のワイヤドライバー。
【請求項4】
前記第二のアクチュエータが、前記ハンドピースと、前記把持部分の少なくとも一部分とに沿って延びる、請求項3に記載のワイヤドライバー。
【請求項5】
前記把持部分内にばね組立品をさらに備え、前記ばね組立品が前記把持機構に接続されている、請求項1に記載のワイヤドライバー。
【請求項6】
前記第一のアクチュエータが前記圧縮位置にある時、前記ばね組立品が圧縮され、かつ前記把持機構が開位置にある、請求項5に記載のワイヤドライバー。
【請求項7】
前記ハウジング内に回転機構をさらに備え、前記把持部分が前記ハンドピースに対して前記回転機構を中心として回転可能である、請求項1に記載のワイヤドライバー。