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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007577
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/00 20060101AFI20240112BHJP
   A63H 33/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A63F9/00 509
A63H33/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108728
(22)【出願日】2022-07-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水沼 正憲
(72)【発明者】
【氏名】松山 靖
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150BB01
2C150CA25
2C150DA34
2C150DK17
2C150EB03
2C150EB41
(57)【要約】
【課題】意外性のあるギミックを有するゲーム装置を提供すること。
【手段】水平な第1軸を中心に第1位置と前記第1位置よりも低い第2位置との間で揺動可能で、且つ、中心軸線を中心に回転可能な揺動軸と、前記揺動軸に固定された第1歯車と、前記揺動軸に固定されたアームと、前記アームに設けられ、前記揺動軸の回転に伴って、前記揺動軸よりも下の第3位置と前記揺動軸よりも上の第4位置とを取り得るバスケットと、を備え、バスケットに入った転動体の重さで、操作子に連結される第2の歯車に前記第1の歯車を噛合させるようにした。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
転動体をスタート地点からゴール地点まで運ぶゲーム装置において、
立設された背面パネルに直交する第1軸を中心に第1位置と前記第1位置よりも低い第2位置との間で揺動可能で、且つ、自身の中心軸線を中心に回転可能な揺動軸と、
前記揺動軸に固定された第1歯車と、
前記揺動軸に固定されたアームと、
前記アームに設けられ、前記揺動軸の回転に伴って、前記揺動軸よりも下の第3位置と前記揺動軸よりも上の第4位置とを取り得るバスケットと、
前記揺動軸を前記第1位置に向けて付勢する付勢部材と、
操作子の操作によって回転可能に構成され、前記揺動軸が前記第2位置にあるときに前記第1歯車に噛合するともに、前記揺動軸が前記第1位置にあるときに前記第1歯車との噛合を解除する第2歯車と、
を備え、
前記バスケットは、
前記揺動軸が前記第1位置にあり且つ前記バスケットが前記第3位置にあるときに前記転動体を受入れ可能となり、受入れた前記転動体の重さによって前記揺動軸を前記第2の位置まで揺動させ、前記操作子の操作によって、前記第4位置まで動作して前記転動体を排出する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記揺動軸は、前記第1位置及び前記第2位置にあるとき、基端側から先端側に向けて上り勾配を有するように斜に延在する、ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記操作子は回転摘みである、ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記アーム及び前記バスケットは、前記背面パネルの前面側で動作する、ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記バスケットは、
前記揺動軸に対して直交する方向に延在する第3軸を介して前記アームに取り付けられ、
前記アームが前記揺動軸に対して回転し前記バスケットが第4位置に来たときに、前記背面パネルに設けられた突起に当たって前記第3軸に対して反転する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム盤に障害物となる複数のギミックと、ギミックを操作する複数の操作子とが設けられ、操作子によってギミックを操作等することによって、球体をスタート地点からゴール地点まで運ぶように構成されたゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭57-5009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このゲーム装置によれば、操作子でギミックを上手く操作しないと、球体を前に進めることができないか、或いは、球体が所定位置まで戻ってしまうことから、スリル感のあるゲームを楽しむことができる。
このようなゲーム装置では、意外性のある新たなギミックの出現が要望されている。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、意外性のあるギミックを有するゲーム装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、
転動体をスタート地点からゴール地点まで運ぶゲーム装置において、
立設された背面パネルに直交する第1軸を中心に第1位置と前記第1位置よりも低い第2位置との間で揺動可能で、且つ、自身の中心軸線を中心に回転可能な揺動軸と、
前記揺動軸に固定された第1歯車と、
前記揺動軸に固定されたアームと、
前記アームに設けられ、前記揺動軸の回転に伴って、前記揺動軸よりも下の第3位置と前記揺動軸よりも上の第4位置とを取り得るバスケットと、
前記揺動軸を前記第1位置に向けて付勢する付勢部材と、
操作子の操作によって回転可能に構成され、前記揺動軸が前記第2位置にあるときに前記第1歯車に噛合するともに、前記揺動軸が前記第1位置にあるときに前記第1歯車との噛合を解除する第2歯車と、
を備え、
前記バスケットは、
前記揺動軸が前記第1位置にあり且つ前記バスケットが前記第3位置にあるときに前記転動体を受入れ可能となり、受入れた前記転動体の重さによって前記揺動軸を前記第2の位置まで揺動させ、前記操作子の操作によって、前記第4位置まで動作して前記転動体を排出する、
ことを特徴とする。
【0007】
第2の手段は、第1の手段であって、
前記揺動軸は、前記第1位置及び前記第2位置にあるとき、基端側から先端側に向けて上り勾配を有するように斜に延在する、ことを特徴とする。
【0008】
第3の手段は、第1の手段であって、前記操作子は回転摘みである、ことを特徴とする。
【0009】
第4の手段は、第1の手段であって、前記アーム及び前記バスケットは、前記背面パネルの前面側で動作する、ことを特徴とする。
【0010】
第5の手段は、第1の手段であって、
前記バスケットは、
前記揺動軸に対して直交する方向に延在する第3軸を介して前記アームに取り付けられ、
前記アームが前記揺動軸に対して回転し前記バスケットが第4位置に来たときに、前記背面パネルに設けられた突起に当たって前記第3軸に対して反転する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1の手段によれば、バスケットに転動体が入ったときに第1の歯車が第2の歯車に噛合し、この状態で操作子を操作することで、バスケットを揺動軸に対して略反転させて、その略反転位置で転動体を排出させることができる。つまり、アームがうっちゃりをするような形で動作して転動体を高い位置で排出するので、意外性があり、興趣性の高いゲーム装置を実現できる。
【0012】
第2の手段によれば、第1位置及び第2位置にある揺動軸が基端側から先端側に向けて上り勾配を有するように斜となっているので、バスケットが第3位置から第4位置に動作する際にアームが斜め上方に回転することになり、第1の手段よりもさらに意外性があり、興趣性の高いゲーム装置を実現できる。
【0013】
第3の手段によれば、回転摘みを操作することでアームを回転動作させるので、直感的な操作が可能となり、操作性に優れたゲーム装置が実現できる。
【0014】
第4の手段によれば、アーム及びバスケットが背面パネルの前面側で動作するので、アーム及びバスケットの動きが見易くなり、その動きを見て楽しむことができる。
【0015】
第5の手段によれば、第4位置でバスケットが略反転して転動体を排出するので、より意外性があり、興趣性の高いゲーム装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態のゲーム装置のゲーム盤の斜視図である。
図2】ゲーム盤の背面図である。
図3】ギミックG1が備える螺旋体の斜視図である。
図4】ギミックG2が備える梯子状部材を示す図である。
図5】ギミックG3が備える棚状部材を示す図である。
図6】ギミックG4が備える弧状部材の斜視図である。
図7】ギミックG5が備える3個の回転体を示す正面図である。
図8】ギミックG7が備える放擲機構を示す正面図である。
図9】ギミックG8が備える揺動通路を示す斜視図である。
図10】ギミックG9が備える鋸歯状部材及び突上げロッドを示す斜視図である。
図11】ギミックG10が備える籠の斜視図である。
図12】ギミックG11が備える揺動通路部品の斜視図である。
図13】ギミックG12が備える階段状通路部材及び突上げロッドの斜視図である。
図14】ギミックG13が備える回転体を示す図である。
図15】ギミックG15が備える漏斗状部材及びスイングアームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施形態のゲーム装置を説明する。
【0018】
図1は、実施形態のゲーム装置100のゲーム盤1の斜視図、図2は、ゲーム盤1の背面図である。
ゲーム装置100は、3つの操作子の操作によって球体B(図3参照)を右下のスタート地点Sから左下のゴール地点Lまで運ぶ、前面が開放されたゲーム装置である。
ここで、球体Bとしては、例えば、磁性体から構成されたものが用いられている。
また、3つの操作子としては、例えば、回転摘みОP1、スライド摘みОP2及びボタンОP3が基台1aの上面に設けられている。一方、基台1aに対して起立する背面パネル1bには、主たるギミックG1~G15が設けられている。背面パネル1bの前面は開放されている。
そして、このゲーム装置100は、回転摘みОP1、スライド摘みОP2及びボタンОP3を適宜操作して、スタート地点Sに置かれた球体Bを、ギミックG1~G15をこの順に経て、ゴール地点Lまで運ぶように構成されている。
以下、ゲーム装置100の詳細を説明する。
【0019】
〈スタート地点S〉
スタート地点Sは、ゲームを開始するにあたり球体Bを置く場所である。
このスタート地点Sにはトレイ1cが設置されている。トレイ1cの上面は傾斜していて、乗せられた球体Bをスタート地点Sまで導く。
【0020】
〈ギミックG1〉
図3は、ギミックG1が備える螺旋体2の拡大斜視図である。
ギミックG1は、螺旋体2の回転によって、スタート地点Sにある球体Bを拾って第1位置まで持ち上げ、排出する。
螺旋体2は、軸2aの周りに螺旋板2bを形成したものである。螺旋板2bは上面視反時計回りに上り勾配となるように軸2aに巻かれている。
図2に示すように、螺旋体2は、回転摘みОP1と歯車列50を介して連結され、回転摘みОP1を上面視時計回りに回転させると、上面視時計回りに回転され、一方、回転摘みОP1を上面視反時計回りに回転させると、上面視反時計回りに回転される。
このギミックG1によれば、回転摘みOP1を上面視時計回りに回転させると、スタート地点Sにある球体Bが螺旋板2bによって掬われ、さらなる螺旋体2の回転に伴って、球体Bが背面パネル1b及びガイド側壁1cに拘束されつつ上昇して第1位置まで上昇する。第1位置ではガイド側壁1cが途切れているので、ガイド側壁1cによる拘束がなくなり、球体Bが排出される。排出された球体Bは下りのスロープ1d(図1参照)を下りギミックG2に至る。
【0021】
(ギミックG2)
図4(A)及び図4(B)は、ギミックG2が備える梯子状部材3を示す図である。
ギミックG2は、横倒し状態の梯子状部材3の上で、球体Bを右から左に運び、落下させる。
ギミックG2では、梯子状部材3が、左側に向けて下り勾配を持つように横倒しされた状態で背面パネル1bに取り付けられている。
梯子状部材3は、互いに略同形の櫛歯状部材3a及び櫛歯状部材3bから構成されている。櫛歯状部材3a及び櫛歯状部材3bの各歯の上面には、球体Bが乗るU字状の凹部(符号省略)が形成されている。この櫛歯状部材3aと櫛歯状部材3bとは、櫛歯状部材3aの歯と櫛歯状部材3bの歯とが交互に並ぶように組み合わされている。
【0022】
このうち櫛歯状部材3aは、2つのボス3d,3eを介して背面パネル1bに固定されている。また、櫛歯状部材3bは、櫛歯状部材3aに対して斜に動作可能となるように、2つのボス3f,3gが背面パネル1bの長孔3h,3i(図2参照)に係合している。
【0023】
櫛歯状部材3bは、当該櫛歯状部材3bの歯の上面と櫛歯状部材3aの歯の上面とが面一となる位置(図4(A))と、当該櫛歯状部材3bの歯の上面と櫛歯状部材3aの歯の上面とが高さ方向及び横方向にずれる位置(図4(B))との間で移動可能となっている。すなわち、櫛歯状部材3bは、高さ方向へは当該櫛歯状部材3bの支柱の厚さ分、横方向へは櫛歯状部材3aの隣り合う歯同士の隙間の間で移動可能となっている。なお、櫛歯状部材3bの歯の上面と櫛歯状部材3aの歯の上面とが面一となったとき、櫛歯状部材3bの各歯は、櫛歯状部材3aの隣り合う歯のうち一方の歯と近接し、他方の歯との間に球体Bが通れる程度の大きな隙間が形成される。
【0024】
図2に示すように、櫛歯状部材3bは、スライド摘みОP2の操作によって軸51を中心に回動する揺動体52に連結されたリンク53によって動作される。この際、櫛歯状部材3bの歯の上面と櫛歯状部材3aの歯の上面とが面一となったとき、櫛歯状部材3bの歯と櫛歯状部材3aの歯との間に球体Bが通れる程度の大きな隙間が形成されるので、球体Bを落とさないように小刻みにスライド摘みОP2を操作する必要が生じ、球体Bの運搬中のスリル感を味わうことができる。
【0025】
このギミックG2では、梯子状部材3で左端まで運ばれた球体Bは梯子状部材3から落下する。
なお、梯子状部材3の下には固定スロープ4(図1参照)が設置されている。この固定スロープ4の頂部は梯子状部材3の左端下より僅かに左に位置し、球体Bが頂部の右に落下したときには、球体Bはスタート地点Sに戻される。一方、球体Bが頂部の左に落下したときには、球体BはギミックG3に導かれる。
【0026】
(ギミックG3)
図5は、ギミックG3が備える棚状部材5を示す図である。
ギミックG3は、固定スロープ4からの球体Bを受け、棚状部材5の動作によって、所定位置まで球体Bを上昇させて排出する。
棚状部材5は5段の棚を備えている。棚数は5段に限定されない。この棚状部材5は、左右の棚半体5a,5bを備え、左右の棚半体5a,5bの棚の先端同士を互いに突き合わせた形となっている。棚状部材5の各棚は2個程度の球体Bを乗せることができる大きさとなっている。また、棚状部材5の各棚の上面は中央が凹となるように湾曲している。
【0027】
加えて、右の棚半体5bは、2つのボス(図示せず)を介して、背面パネル1bに固定され、左の棚半体5aは、図2に示すように、2つのボス5d,5eを介して、棚半体5aに対して上下方向に動作可能となるように背面パネル1bの長孔5f,5gに係合している。そして、棚半体5aは、棚半体5a及び棚半体5bの同じ段の棚同士が同一高さとなる位置(図5(A))と、棚半体5aの棚が棚半体5bの一段上の棚と同一高さとなる位置(図5(B))との間で上下方向に動作可能となっている。
この棚状部材5の棚半体5aは、ボタンOP3に連結され、ボタンOP3の操作によって動作される。例えば、図2に示すように、ボタンOP3の下には、中間部が軸支されたシーソ部材(レバー)54の一端部が設置され、ボタンOP3の押下によってシーソ部材54の一端部が下がって他端部が上がり、これにより他端部に当接されている直立軸55が持ち上がって連結片56を介して棚半体5aが上昇し、ボタンOP3から手を離せば、直立軸55が下降して棚半体5aが下降する。
このギミックG3では、棚状部材5の動作によって、球体Bを一段ずつ持ち上げ、棚半体5aの最上階まで運ばれた球体Bを棚半体5bの上面を通してギミックG4へ排出する。
【0028】
(ギミックG4)
図6は、ギミックG4が備える弧状部材6aの斜視図である。
ギミックG4は、弧状部材6aによって球体Bを左右に転動させ、打撃部材6g(図2参照)によって排出枠6cに球体Bを導き、球体Bを落下させる。
ギミックG4は、左右方向に延在する弧状部材6aを備える。この弧状部材6aは、U字溝状の路面を持つとともに、正面視で下方に膨らむように弧状に形成されている。この弧状部材6aには、左右方向中央に捕捉枠6dが、その左には排出枠6cが前方に張り出して形成されている。捕捉枠6dの内側にはD字状の孔6eが形成され、排出枠6cの内側には円形の孔6fが形成されている。D字状の孔6eは、球体Bが嵌り込むが通り抜けできない大きさとなっている。一方、円形の孔6fは、球体Bが通り抜け可能な大きさとなっている。
【0029】
また、背面パネル1bには、排出枠6cに対応した部分に孔1e(図1参照)が形成されている。この孔1eからは打撃部材6g(図2参照)の先が出没可能となっている。
打撃部材6gは、回転摘みОP1の回転操作によって動作される。例えば、図2に示すように、背面パネル1bの裏側には、回転摘みОP1によって回転される直立軸57の回転運動を、それに直交する横軸58の回転運動に変換する機構が設けられ、この横軸58にアーム59を介して打撃部材6gが付設されている。そして、タイミング良く回転摘みОP1を一方向に回転操作すると、孔1eから打撃部材6gの先が突出し、球体Bを排出枠6cに押し出す。
【0030】
このギミックG4では、入ってきた球体Bが弧状部材6aの上を右左に行ったり来たりする。そして、球体Bが排出枠6cに対応する場所に至ったときにタイミング良く回転摘みОP1を回転操作すると、球体Bが排出枠6cに入り、排出枠6cの孔6fに落ちる。
【0031】
(ギミックG5)
図7は、ギミックG5が備える3個の回転体7a,7b,7cを示している。
ギミックG5は、3個の回転体7a,7b,7cの回動によって球体Bを左から右に運ぶ。
3個の回転体7a,7b,7cは、互いに同じ大きさとなっており、一方の端面が前方を向くように横方向に一列に配置されている。3個の回転体7a,7b,7cの隣り合う回転体同士は略外接されている。各回転体7a,7b,7cには前方及び外周に向けて開口するU字状の切欠き7d,7e,7fが形成されている。切欠き7d,7e,7fは球体Bが収まる大きさとなっている。また、3個の回転体7a,7b,7cは、隣り同士が互いに回転方向が異なり、且つ、同速度で回転するようになっていて、回転によって、隣の切欠き同士が互いに対峙するようになっている。
【0032】
3個の回転体7a,7b,7cは、回転摘みОP1の回転操作によって動作される。例えば、図2に示すように、背面パネル1bの裏側には、回転摘みОP1によって回転される直立軸57に付設された歯車60に噛合する冠歯車61が設けられ、冠歯車61の回転動力によって、3個の回転体7a,7b,7cに対応する3個の歯車62a,62b,62cを回転させることで、3個の回転体7a,7b,7cが動作される。3個の歯車62a,62b,62cは同形で同歯数となっており、隣同士が噛合している。
【0033】
このギミックG5によれば、排出枠6cの孔6fに落ちた球体Bが回転体7aの外周によって一旦落下を妨げられる。そして、回転摘みОP1の回転操作により回転体7aを回転させ、回転体7aの切欠き7dが上に来ると、球体Bが切欠き7dに落下する。その後、回転摘みОP1の回転操作により回転体7aを時計方向に回転させ、回転体7aの切欠き7dと回転体7bの切欠き7eとを合致させ、球体Bを切欠き7dから切欠き7eに移す。その後、回転摘みОP1を逆転操作して、回転体7bを時計方向に回転させて、球体Bを回転体7cの切欠き7fに移す。その後に、回転体7cを時計方向に回転させ、切欠き7fを螺旋体2に向けると球体Bが螺旋体2に移される。
【0034】
(ギミックG6)
ギミックG6は、ギミックG1と同様な方法によって、螺旋体2により球体Bを第2位置まで持ち上げて排出する。
このギミックG6によれば、球体Bが背面パネル1b及びガイド側壁1cに拘束されつつ上昇して第2位置まで上昇する。第2位置ではガイド側壁1cが途切れているので、ガイド側壁1cによる拘束がなくなり球体Bが排出される。排出された球体Bは背面パネル1bの裏を通り、背面パネル1bの孔1f(図1参照)から出てギミックG7に至る。
【0035】
(ギミックG7)
図8(A),(B)は、ギミックG7が備える放擲機構8を示している。
ギミックG7は、放擲機構8の動作によって、球体Bを高い位置まで運び、排出する。
放擲機構8は、うっちゃり用のアーム8aを備える。アーム8aは、背面パネル1bに取り付けられた軸8bを中心に揺動可能な揺動軸8cに基端が固定されて設けられている。揺動軸8cは自身の中心軸心を中心として回転可能となっている。アーム8aの自由端には軸8dを介してバスケット8eが取り付けられている。バスケット8eは、背面パネル1bの孔1fからの球体Bを受け取る。
揺動軸8cの自由端には歯車8fが固定して設けられている。また、歯車8fの近くには回転摘みОP1に動力的に連結された歯車8gが設置されている。揺動軸8cは、バネ(図示せず)によって付勢され常態では上側揺動位置を取る(図8(A))。この状態では、歯車8fと歯車8gとは噛合していない。一方、バスケット8eに球体Bを受けると、揺動軸8cがその重さによって軸8bを中心に揺動して下側揺動位置に至り、歯車8fと歯車8gとが噛合する。
【0036】
歯車8gは、回転摘みОP1の回転操作によって動作される。例えば、図2に示すように、回転摘みОP1によって回転される直立軸57に付設された冠歯車64に歯車列(符号省略)を介して歯車8gが連結されており、歯車8fと歯車8gとの噛合時に、回転摘みОP1を上面視反時計方向に回転操作すると、揺動軸8cが回転しアーム8aが背面パネル1bの前側でうっちゃり動作を行う。そして、バスケット8eが背面パネル1bに突設された突起1gに突き当たり、突起1gによって蹴飛ばされたバスケット8eが軸8dを中心に180度回転(反転)し、バスケット8eから球体Bが排出される。その後、アーム8a及びバスケット8eは、揺動軸8c周りのモーメントバランスにより、元位置に復帰する。
【0037】
(ギミックG8)
図9は、ギミックG8が備える揺動通路9a,9bを示す斜視図である。
ギミックG8は、2つの揺動通路9a,9bの揺動によって、下方のギミックG9に球体Bを落下させる。
2つの揺動通路9a,9bは、背面パネル1bに取り付けられている。2つの揺動通路9a,9bは略同じ長さとなっており、揺動通路9aは上段に、一方、揺動通路9bは下段に取り付けられている。また、下段の揺動通路9bは上段の揺動通路9aの左にはみ出して設けられている。
2つの揺動通路9a,9bは、長手方向中間部がボス9c,9dを介して軸支され、シーソ動作可能となっている。
【0038】
この揺動通路9a,9bは、スライド摘みOP2の操作によって動作する。例えば、図2に示すように、揺動通路9a,9bのボス9c,9dは、上記揺動体52との摺接により揺動する揺動部材66と、揺動部材66の揺動によって動作する4節リンク機構67と、に取り付けられている。そして、スライド摘みOP2を右に操作したときには、同時に揺動通路9a,9bの右側が下がるように、一方、スライド摘みOP2を左に操作したときには、同時に揺動通路9a,9bの左側が下がるように動作する。
このギミックG8では、球体Bを下段の揺動通路9bの右まで導き排出させる。排出された球体Bはスロープ10を経てギミックG9に落下する。
【0039】
(ギミックG9)
図10は、ギミックG9が備える鋸歯状通路11a,11b及び突上げロッド11c,11d,11eを示す斜視図である。
ギミックG9は、鋸歯状通路11a,11bの上で、球体Bを右から左へ運搬して排出する。
鋸歯状通路11a,11bは背面パネル1bに右左に並ぶように固定して設けられている。長尺の鋸歯状通路11aには歯(山)が3つ形成され、短尺の鋸歯状通路11bには歯(山)が2つ形成されている。
ギミックG9は、鋸歯状通路11aに対応した2つの突上げロッド11c、11dと、鋸歯状通路11bに対応した1つの突上げロッド11eと、を備える。
突上げロッド11cは、孔11fから突出し球体Bを突き上げて鋸歯状通路11aの中央の歯(山)を飛び越えさせるためのもので、突上げロッド11dは、孔11gから突出し球体Bを突き上げて背面パネル1bの孔1h(図1参照)に入れるためのものである。背面パネル1bの孔1hに入った球体Bは背面パネル1bの裏側の通路を通り、左の孔1iから出てくる。そして、球体Bは左の鋸歯状通路11bの右に乗る。突上げロッド11eは、孔11hから突出し鋸歯状通路11bの左の歯(山)に乗せるためのものである。
この突上げロッド11c、11d,11eは、ボタンOP3に連結され、ボタンOP3の操作によって動作される。例えば、図2に示すように、上記直立軸55の上端には、直立軸55の上昇によって軸68を中心にシーソ動作する第1のシーソ部材69が設けられ、この第1のシーソ部材69には軸70を中心にシーソ動作する第2のシーソ部材71が係合している。そして、この第2のシーソ部材71による押上によって突上げロッド11c、11d,11eが一体的に押し上げられる。
このギミックG9では、鋸歯状通路11bの左に運ばれた球体BはギミックG10に排出される。
【0040】
(ギミックG10)
図11は、ギミックG10が備える籠12aの斜視図である。
ギミックG10は、籠12aを上昇させて、上昇位置で球体Bを排出する。
ギミックG10は、ギミックG9からの球体Bを受け取る籠12aを備えている。
この籠12aは、回転摘みОP1の回転操作によって動作する。例えば、籠12aは、ラック72(図2参照)に取り付けられ、このラック72に噛合するピニオン73を回転摘みОP1の回転動力により回転させることにより、籠12aを昇降させる。
なお、籠12aの背側は開放されており、下降位置で上から球体Bが入り、上昇位置では背側から球体Bが排出される。下降位置から上昇位置までに至るまでは球体Bの籠12aからの脱落が背面パネル1bによって防止される。
【0041】
(ギミックG11)
図12は、ギミックG11が備える揺動通路部品13aの斜視図である。
ギミックG11は、揺動通路部品13a内のトンネル13bを通して、球体Bを左から右に運び、排出する。
ギミックG11は、左右に延在するトンネル13bが形成された揺動通路部品13aを備える。揺動通路部品13aの長手方向中間部はU字状の支持枠13cを介してゲーム盤に軸支されている。揺動通路部品13aのトンネル13bの前壁には、トンネル13b内を見通すための窓13cが形成されている。また、トンネル13bの前壁左側には球体Bを受容する孔13dが形成されている。
【0042】
この揺動通路部品13aは、スライド摘みOP2の操作によって動作する。例えば、図2に示すように、上記4節リンク機構67の動作によって支持枠13cが回動動作されることにより揺動通路部品13aが動作する。
【0043】
このギミックG11では、揺動通路部品13aの左側が下がった位置でギミックG10から球体Bを受け取る。この状態で放置しておくと球体Bがトンネル13b内を左に流れ、揺動通路部品13aの左から零れてしまう。したがって、ギミックG10から球体Bを受け取った後、直ちにスライド摘みОP2を操作して揺動通路部品13aを時計方向に揺動させ揺動通路部品13aの左側を上げる必要がある。タイミング良く揺動通路部品13aの左側を上げることにより、球体Bを揺動通路部品13aの右まで運び、球体Bを排出する。排出された球体Bは図示しない通路を経てギミックG12に至る。
【0044】
(ギミックG12)
図13は、ギミックG12が備える階段状通路部材14a及び突上げロッド14b,14c,14dの斜視図である。
ギミックG12は、球体Bに階段状通路部材14aの階段を上らせ、階上で球体Bを真上にジャンプさせる。
階段状通路部材14aは2段の階段を構成している。階段状通路部材14aの階下部分で球体Bを受け取る。
また、ギミックG12は、階下部分、1段目部分及び階上部分(2段目部分)の孔14e、14f、13gに対応して突上げロッド14b,14c,14dが設けられている。突上げロッド14b,14c,14dは一体的に上下動可能となっている。
突上げロッド14b,14c,14dは、ボタンOP3に連結され、ボタンOP3の操作によって動作される。例えば、図2に示すように、上記第1のシーソ部材69の一端には第3のシーソ部材75が軸74を中心に回動可能に設けられている。そして、第3のシーソ部材75の回動によって、第3のシーソ部材75の他端で突上げロッド14b,14c,14dが押し上げられる。
突上げロッド14b,14cは球体Bを次段の段板に上げるものであり、突上げロッド14dは階上部分で球体Bを真上にジャンプさせるものである。
【0045】
(ギミックG13)
図14は、ギミックG13が備える回転体15aを示している。
ギミックG13は、回転体15aによって、ギミックG12の階上部分でジャンプした球体Bを拾い、軸2aを中心に略1回転させて落下させる。
回転体15aは螺旋体2の軸2aの上端に取り付けられ、螺旋体2の回転に伴って軸2aを中心に回転する。回転体15aには、球体Bを吸着する磁石15bが設けられ、階上部分の真上にあるとき、ジャンプした球体Bを吸着する。吸着された球体Bは回転体15aにぶら下がった状態となる。
また、ギミックG13は、ぶら下がった球体Bを回転体15aの回転に伴って払い落とす当て板15e(図1参照)を備える。
このギミックG13では、ギミックG12の階上部分でジャンプした球体Bを磁石15bで吸着させ、回転摘みОP1を操作して回転体15aを上面視反時計方向に回転させると、回転体15aが略1回転した所で当て板15eに球体Bが当たり、球体Bが落下する。落下した球体Bはスロープ(符号省略)を通ってギミックG14に送られる。
【0046】
(ギミックG14)
ギミックG14は、上記揺動通路部品13aの天井16aを通して、球体Bを右から左に運び、排出する。
ギミックG14は、揺動通路部品13aの天井16aによって構成されている。図12に示すように、揺動通路部品13aの天井16aには、上記トンネル13bの通路幅よりも狭い幅のスリット16bが長手方向全域に亘って形成されている。また、揺動通路部品13aの天井16aの上面は波形となっている。
このギミックG14では、揺動通路部品13aの天井16aに乗った球体Bを、スライド摘みОP2の操作によって揺動通路部品13aの天井16a上で転動させ左まで運び、落下させる。
【0047】
(ギミックG15)
図15は、ギミックG15が備える漏斗状部材17a及びスイングアーム17bを示している。
ギミックG15は、ギミックG14から落下してきた球体Bを受けて、ゴール地点Lに向けて放り投げる。
漏斗状部材17aは、落下してきた球体Bを受ける受け口17cと、受け口17cで受けた球体Bを真下に排出させる足17dを備える。一方、スイングアーム17bは中央の軸17eを中心に回動するもので、一端には錘17fが、他端にはバスケット17gが設けられている。常態では、錘17fの側が下となっている。そして、バスケット17gに、漏斗状部材17aの足17dからの球体Bが乗ると、スイングアーム17bが回転し、バスケット17gにある球体Bをゴール地点Lに向けて放り投げる。
【0048】
〈ゴール地点L〉
ゴール地点Lには、ギミックG15により放り投げられた球体Bを受容する筒18aが設置されている。また、ゴール地点Lには、鐘18bが設置され、球体Bが筒18aに入ると球体Bが当たって鐘18bが打ち鳴らされる。
【0049】
(実施例の効果)
以上のように構成されたゲーム装置100によれば、次のような効果を奏する。
【0050】
バスケット8eに球体が入ったときに歯車8fが歯車8gに噛合し、この状態で回転摘みOP1を操作することで、バスケット8eを揺動軸8cに対して略反転させて、その略反転位置で球体Bを排出させるに際し、アーム8aがうっちゃりをするような形で動作して球体Bを高い位置で排出するので、意外性があり、興趣性の高いゲーム装置100が実現できる。
【0051】
また、歯車8fと歯車8gとが噛合する際、揺動軸8cが基端側から先端側に向けて上り勾配を有するように斜となっており、バスケット8e及びアーム8aが斜め上方に振り上げられるので、より意外性があるゲーム装置100が実現できる。
【0052】
さらに、回転摘みOP1を操作することでアーム8aを回転動作させるので、直感的な操作が可能となり、操作性に優れたゲーム装置100が実現できる。
【0053】
また、アーム8a及びバスケット8eが背面パネル1bの前面側で動作するので、アーム8a及びバスケット8eの動きが見易くなり、その動きを見て楽しむことができる。
【0054】
また、バスケット8eが初期位置から略反転して球体Bを排出するので、より意外性があるゲーム装置100が実現できる。
【0055】
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を変更しない範囲で、種々の変形が可能である。
【0056】
例えば、上記実施形態では、ギミックG7の放擲機構8で、アーム8aに軸8dを介してバスケット8eを取り付けたものについて説明したが、アーム8aにバスケット8eが固定されていてもよい。要は、球体Bの重さによって歯車8fを歯車8gに噛合させアーム8aを揺動軸8cに対して反転させて球体Bを排出できる構造とすることである。この場合、バスケット8eの開口を球体Bが出やすくなるように外側に向けて拡開させたり、バスケット8eの向きを変更させたりしてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、歯車8fと歯車8gとの噛合時に、揺動軸8cが水平軸に対して略45度の上方向に傾斜させたが、揺動軸8cの角度はこれに限定されない。要は、アーム8aが動作したときにバスケット8eから球体Bが排出可能となっていることである。例えば、バスケット8eがアーム8aに固定されたものでは揺動軸8cが水平であってもよい。また、歯車8fと歯車8gとの噛合時に、揺動軸8cが水平軸に対して略45度の下方向に傾斜するものであってもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、転動体として球体Bを用いたが、球体Bに限定されず、人形等の転がして動くものであればよい。
【符号の説明】
【0059】
1 ゲーム盤
1a 基台
1b 背面パネル
1g 突起
2 螺旋体
8 放擲機構
8a アーム
8b 軸
8c 揺動軸
8d 軸
8e バスケット
8f 歯車
8g 歯車
18a 筒
18b 鐘
100 ゲーム装置
B 球体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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