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特開2024-7582日本語入力システムのKEARM定型変換
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007582
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】日本語入力システムのKEARM定型変換
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/129 20200101AFI20240112BHJP
【FI】
G06F40/129
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108738
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】505292063
【氏名又は名称】有限会社新英プラナーズ
(72)【発明者】
【氏名】河野 拓治
【テーマコード(参考)】
5B109
【Fターム(参考)】
5B109MJ05
5B109VB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】仮名漢字変換とKEARM変換を同時並行的に処理できる方法を提供する。
【解決手段】本方法は、KEARM定型変換キーを押すだけで仮名漢字変換画面からKEARM変換画面に遷移、またはKEARM変換の正順変換の画面から翻訳変換(KEARM変換の二言語間の変換)による画面に遷移する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ上で動作する応用プログラムに日本語を入力する「仮名漢字変換/KEARM変換式日本語入力システム」(特願2022-017542の完全一致検索型逐次変換式日本語入力システム)に、KEARM定型変換機能を追加するために「KEARM定型変換実行部」を組み込み、さらに操作に必要な論理キーである「KEARM定型変換キー」を追加した日本語入力システムにおいて、
KEARM変換とは、「仮名入力によるカタカナ語(K)、半角英数入力による英語(E)、英略語(A)又はローマ字(R)の3分類(K、E、AまたはR)、4入力(K、E、AおよびR)による相互変換が可能で多言語(M)出力もできる変換」から頭文字をとった固有名称で多言語処理ができる変換方式であり、
KEARM変換には仮名漢字変換を優先させるために、制約(1)「漢字と同じ読みのカタカナ語はKEARM変換しない」と制約(2)「用語属性が初期値のときはKEARM変換は正順変換(入力文字列と変換結果が同じ文字種になる変換)になる」が設けられており、
本発明は、前記の制約(1)および制約(2)のもとで入力して得られた逐次変換画面が応用プログラムの画面上に表示されている状態で「KEARM定型変換」キーを押し下げることにより、「KEARM定型変換実行部」が主となりKEARM変換実施済みの分節またはKEARM変換が可能な文節に関して下記処理を実行し、逐次変換画面から変換候補一覧画面または変換候補簡易表示画面に遷移させる方法であって、
制約(1)に対しては、文節ごとに仮名漢字変換に代わってカタカナ語のKEARM変換(図9のKEARM変換用辞書の用語属性に沿って行う正規のKEARM変換)を実行し、単文節の画面の場合はKEARM変換の変換候補一覧画面または変換候補簡易表示画面を表示し、複文節の画面の場合はKEARM変換を実行した先頭の文節の変換候補一覧画面または変換候補簡易表示画面を表示し、他の文節に関してはそれぞれの文節の変換第1候補が変換結果として表示され、
制約(2)に対しては、文節ごとに新たにKEARM変換の翻訳変換(KEARM変換の二言語間の変換であり、日本語の単語は、英語または選択言語の単語に置き換え、英語の単語は、日本語または選択言語の単語に置き換え、英略語は英語または選択言語の文字列に置き換える変換)を実行し、単文節の画面の場合はKEARM変換の変換候補一覧画面または変換候補簡易表示画面を表示し、複文節の画面の場合は新たにKEARM変換を実行した先頭の文節の変換候補一覧画面または変換候補簡易表示画面を表示し、他の文節に関してはそれぞれの文節の変換第1候補が変換結果として表示される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
「仮名漢字変換/KEARM変換式日本語入力システム」(非特許文献2の完全一致検索型逐次変換式日本語入力システムで、以後、仮名漢字変換/KEARM変換システムとも呼ぶ)は仮名漢字変換とKEARM変換を同時並行的に処理できるが、仮名漢字変換を優先するためKEARM変換には、制約(1)「漢字と同じ読みのカタカナ語はKEARM変換しない」と制約(2)「用語属性が初期値のときはKEARM変換は正順変換になる」が設けられている。本発明は、上記、制約(1)に対しては簡単操作で正規のKEARM変換を実行でき、制約(2)に対しては簡単操作でKEARM変換の正順変換(入力文字列と変換結果が同じ文字種になる変換)に代わり翻訳変換(KEARM変換の二言語間の変換)を実行できる方法である。
【0002】
KEARM変換とは、「仮名入力によるカタカナ語(K)、半角英数入力による英語(E)、英略語(A)又はローマ字(R)の3分類(K、 E、 A又は R)、4入力(K、 E、 A及び R)による相互変換が可能で多言語(M)出力もできる変換」から頭文字をとった固有名称で多言語処理ができる変換方式である。
【0003】
本発明は、非特許文献2の段落番号0025で記述の多機能型日本語入力システムの項目(5)「日本語入力システムのKEARM定型変換」でもあり、本書の図21で示す多機能型日本語入力システムのブロック図において画面中央に位置する「KEARM定型変換」と左上側の「KEARM定型変換キー」(いずれも背景をドットパターンのブロックで示す)に相当する。図21の多機能型日本語入力システムは、仮名漢字変換/KEARM変換システム(背景を灰色のブロックで示す部分)を基幹部として12項目の機能を付加したシステムである。
【背景技術】
【0004】
段落番号0001で記述したKEARM変換の制約(1)「漢字と同じ読みのカタカナ語はKEARM変換しない」に関し、例えば、入力文字列が「まん」だと変換できる漢字が存在するので、カタカナ語「マン」によるKEARM変換はせずに「まん」による仮名漢字変換の逐次変換のみを行う。当該逐次変換画面からKEARM定型変換キー(論理キーであり、物理キーはTabキー)を押すと、本発明のKEARM定型変換で正規のKEARM変換を実行する。このときカタカナ語「マン」の用語属性値が初期値(記号で「/」、数値で-1)の場合は、入力文字列「まん」が翻訳変換(KEARM変換の二言語間の変換)され、出力言語が英語の場合は変換結果が英語のman、出力言語が仏語の場合は変換結果が仏語のhommeになる。漢字と同じ読みを持つカタカナ語「マン」のKEARM変換を行うには、本発明のKEARM定型変換のほかに、次で説明するKEARM優先変換がある。
【0005】
KEARM優先変換は文字通り仮名漢字変換よりKEARM変換を優先するので、入力文字列「まん」でカタカナ語「マン」によるKEARM変換を実行できる。ただし、図21の多機能型日本語入力システムのブロック図で示すとおり「KEARM優先変換実行部」56は、図21の下部の(b)「一括変換部」に属しているので変換開始キーであるKEARM優先変換キーを押すまで変換を開始しない。一方、図21の上部の(a)「逐次変換部」に属している「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33は、「まん」が入力されると直ちに仮名漢字変換を開始し、段落番号0001で記述の制約(1)によりKEARM変換は禁止されるので「まん」を入力した逐次変換では仮名漢字変換のみが行われることになる。逐次変換でKEARM変換を優先させると通常の仮名漢字変換ができなくなるので、逐次変換では仮名漢字変換を優先させることは仕方ないことである。そのためKEARM優先変換は必ずしも仮名漢字変換に優先するとは言えないので、KEARM優先変換の特徴は、前方一致検索や後方一致検索などの部分一致検索を使った予測変換ができることにある。KEARM優先変換は、非特許文献2の段落番号0025で記述の多機能型日本語入力システムの項目(6)「日本語入力システムのKEARM優先変換」のことであり、詳細は別途出願予定の書類で説明する。
【0006】
段落番号0001で記述のKEARM変換の制約(2)「用語属性が初期値のときはKEARM変換は正順変換になる」に対しては、KEARM変換の正順変換で実施した逐次変換画面からKEARM定型変換キーを押すと、KEARM変換の二言語間の変換である翻訳変換を実行できる。KEARM変換の制約(2)に対しては、別の発明である非特許文献3の日本語入力システムのKEARM学習変換で用語属性値を変えれば変換候補の出力順位を変えられるので希望する候補を変換結果にできるが、用語属性値を変えると初期状態の用語設定値-1に戻すには再度属性値を変更しなければならない。本発明のKEARM定型変換は、初期状態のKEARM変換のままで簡単にKEARM変換の二言語間の変換である翻訳変換を実行できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】仮名漢字変換システムの基本機能 JISX4064: 2002
【0008】
【非特許文献2】仮名漢字変換/KEARM変換式日本語入力システム 特願2022-017542(段落番号0085~0087、0104~0105、0118~0119、0123~0124、0127~0129、0131~0133、0135~0136、0138~0139、0180~0181、0197~0218、図23図25図27図28図29図30図31図32図42図46
【0009】
【非特許文献3】日本語入力システムのKEARM学習変換 特願2022-080529
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
仮名漢字変換/KEARM変換システムは、仮名漢字変換と同時並行的にKEARM変換ができる。しかし日本語入力システムは仮名を入力して仮名漢字変換で漢字交じり文に変換することが目的なのでKEARM変換の機能は仮名漢字変換の機能に従属的にならざるを得ない。その結果が、KEARM変換の制約(1)「漢字と同じ読みのカタカナ語はKEARM変換しない」と、制約(2)「用語属性が初期値のときはKEARM変換は正順変換になる」である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
仮名漢字変換/KEARM変換システムにKEARM定型変換機能を追加するために必要な構成部分及び論理キー(KEARM定型変換キー)を追加し、制約(1)または制約(2)のもとで実行した逐次変換画面が表示されている状態でKEARM定型変換キーを押すことにより逐次変換画面の先頭の文節から順次KEARM変換が可能な文節ごとにKEARM定型変換を実行し、制約(1)、制約(2)及びKEARM変換の対象となる用語のKEARM変換用辞書に登録されている属性値に基づき、正規のKEARM変換または翻訳変換(KEARM変換の二言語間の変換)を行う。以上のとおりKEARM定型変換は複数の文節処理を基本に設計をしているが、実際にユーザーが実行するのは単文節での実行が主となると思われる。
【発明の効果】
【0012】
仮名漢字変換/KEARM変換システムはKEARM変換と仮名漢字変換の同時並行処理ができるが、仮名漢字変換とKEARM変換が両方変換可能な場合は、KEARM変換は中止するか、KEARM変換を実行しても変換候補の先頭候補は入力文字列の文字種と同じ変換候補にすることで仮名漢字変換との融和を図っている。本発明は、上記状態の逐次変換画面から操作キーであるKEARM定型変換キーを押すだけで仮名漢字変換画面からKEARM変換画面に遷移、またはKEARM変換の正順変換の画面から翻訳変換(KEARM変換の二言語間の変換)による画面に遷移できる。
【0013】
KEARM変換の正順変換(入力文字列と変換結果が同じ文字種になる変換)に対しては、非特許文献3のKEARM学習変換でKEARM変換用辞書の用語属性値を変更して変換結果になる変換第1候補を選ぶことができるが、本発明は、KEARM変換の初期状態における仮名漢字変換と同等の変換状態を維持しながら操作キーを押すだけで簡単に翻訳変換(KEARM変換の二言語間の変換)ができる特徴を持つ。用語属性値を変更しないので次回以降も仮名漢字変換を優先したKEARM変換の状態を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】仮名漢字変換/KEARM変換システムにおけるKEARM変換の二つの制約(1)および(2)に対処する方法を示す画面である。
図2】仮名漢字変換/KEARM変換システムに、KEARM定型変換機能を追加するために必要な構成部分(点線で囲んだ箇所)を組み込んだシステムのブロック図
図3】KEARM定型変換(翻訳変換)の変換候補の出力順位
図4図2の「KEARM定型変換実行部」55の動作説明図
図5図2の「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33のカタカナ語のKEARM変換動作説明図
図6図2の「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33の英語・英略語・ローマ字のKEARM変換動作説明図
図7図5の「変換部」9の詳細図(カタカナ語のKEARM変換)
図8図6の「変換部」9の詳細図(英語・英略語・ローマ字のKEARM変換)
図9】KEARM変換用辞書の用語属性
図10】KEARM変換用辞書(選択言語用 StdWork0~StdWork9)
図11】実施例1 漢字と同じ読みのカタカナ語のKEARM変換(1)単文節、単独用語、完全一致検索、出力言語が英語、属性値-1の逐次変換画面からKEARM定型変換を実行する画面遷移図
図12】実施例2 漢字と同じ読みのカタカナ語のKEARM変換(2)単文節、単独用語、完全一致検索、仏語、属性値0の逐次変換画面からKEARM定型変換を実行する画面遷移図
図13】実施例3 漢字と同じ読みのカタカナ語のKEARM変換(3)単文節、単独用語、1文字検索、出力言語が仏語、属性値5の逐次変換画面からKEARM定型変換を実行する画面遷移図
図14】実施例4 漢字と同じ読みのカタカナ語のKEARM変換(4)単文節、複数用語、出力言語が英語の逐次変換画面からKEARM定型変換を実行する画面遷移図
図15】実施例5 漢字と同じ読みのカタカナ語のKEARM変換(5)単文節、複数用語、出力言語が仏語の逐次変換画面からKEARM定型変換を実行する画面遷移図
図16】実施例6 漢字と同じ読みのカタカナ語のKEARM変換(6)単文節、単独用語、出力言語が多言語の逐次変換画面からKEARM定型変換を実行する画面遷移図
図17】実施例7 漢字と同じ読みのカタカナ語のKEARM変換(7)単文節、複数用語、出力言語が多言語の逐次変換画面からKEARM定型変換を実行する画面遷移図
図18】実施例8 漢字と同じ読みのカタカナ語のKEARM変換(8)複文節、複数用語、出力言語が英語の逐次変換画面からKEARM定型変換を実行する画面遷移図
図19】実施例9 用語属性が初期値のKEARM変換(1)単文節、各種出力言語の逐次変換画面からKEARM定型変換を実行する複数の画面遷移図
図20】実施例10 用語属性が初期値のKEARM変換(2)複文節、出力言語が独語の逐次変換画面からKEARM定型変換を実行する画面遷移図
図21】多機能型日本語入力システムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本書では各種用語を使うので、先に用語の説明をしておく。JISX4064規定用語及びコンピュータ用語はここには含めない。仮名漢字変換/KEARM変換システムおよび当該システムにKEARM定型変換機能を追加するために必要な構成部分を組み込んだ図2で示すシステムともに段落番号0016の用語説明のレベルでは違いはなく、ここでは限定的に両システムともに本システムと呼ぶ。
【0016】
(A)用語のまとめ
用語は順不同で個別に説明してある。多機能型日本語入力システムの連係機能の用語は本発明とは直接関係ないので題目だけを載せている。
(ア)日本語入力システム
仮名漢字変換式日本語入力システム(JISX4064で規定、又はそれに準じるシステム)であってコンピュータキーボードおよび十分な大きさのモニターと組み合わせるパソコン用日本語入力システムである。検索方式には、完全一致検索による「一括変換式」と前方一致検索による「予測変換型」がある。本システムは一括変換式ではあるが、変換起動部があり1文字入力ごとに完全一致検索による一括変換を繰り返す「逐次変換式」である。「予測変換型」も前方一致検索による逐次変換式ではあるが、ここでは完全一致検索による逐次変換式で、かつ、KEARM変換もできる方式を「逐次変換式」として区別している。
(ア)(a)一括変換式
JISX4064仮名漢字変換システムは、文字列を入力後、利用者が変換キーを押すと、入力文字列を漢字の読みとして文節分けし、文頭から順に完全一致検索・変換を行う。変換後、文節の区切り位置変更や文節単位での別候補の選択などの編集もできる。最後に確定キーを押し各文節の変換候補をまとめて変換結果とし確定文字列として出力する。
(ア)(b)予測変換型
1~3文字入力すると、システムが自動的に変換を開始し、入力文字列を漢字の読みとし、前方一致検索を基にシステムが予測変換候補を複数提示し利用者が希望する候補を順次選択して確定文字列を作成していく方式。ただし、利用者が候補を選択しないで入力し続けるとだんだん予測変換候補が少なくなり、最後は完全一致検索による候補一つになり、(c)逐次変換式と同じような動作になる。ただしKEARM変換や発音出力はできない。
(ア)(c)逐次変換式
本システムの方式であり、JISX4064の完全一致検索・変換方式を踏襲し、かつ、1文字入力ごとに新たに変換を開始する変換起動部の追加、さらに従来の仮名漢字変換に、多言語処理・検索方式の選択・変換候補の出力順位変更・変換後の入力モード変更などの多様な機能を持つKEARM変換および発音機能を付加した完全一致検索型逐次変換式システムである。この方式の特徴は、入力文字列に完全対応した変換候補を逐次出せること及びKEARM変換及び発音出力ができることにある。一括変換式と同様に変換後の編集もできる。
(イ)入力モード
本システムには、平仮名、片仮名、全角英数、半角片仮名、半角英数及びMPモードの6つのモードと日本語入力システムが介入しない直接入力モードがある。最初の5つのモードは市販のシステムと同じで、MPモードは本発明では使わない。KEARM変換のカタカナ語は平仮名、片仮名または半角片仮名モードで入力し、KEARM変換の英語・英略語及びローマ字は半角英数モードで入力する。半角英数モードでは入力文字の背景色が黄緑になるよう設計している。半角英数モードでKEARM変換をするときは変換モードであり入力の文字列に点線の下線が引かれる。しかし半角英数モードには非変換のモードもある。本システムでは、未入力状態で半角英数モードに切り替えると非変換の入力モードになり、文章の途中で半角英数モードに切り替えると変換モードになる。未入力状態で変換モードにするには、[漢字]キーを押し続けると低い電子音が出て変換可能な半角英数モードになる。
(ウ)出力言語
10か国語のうちの一つの言語を出力言語としてマウスで選択できる。初期設定は英語(英)で英語が標準装備となり、英語以外の言語(韓国語~アラビア語)を選択すると、英語+選択言語が装備される。多言語(多)に設定すると変換候補一覧に10カ国語の単語を列挙する。
(ウ)(a)出力言語選択スイッチ
KEARM変換の出力言語をマウスで選択できるスイッチ。
(ウ)(b)選択言語
(ウ)(a)の出力言語選択スイッチで選ばれた出力言語のうち、多言語(多)以外の英語(英)~アラビア語(ア)の10ヶ国語が選択言語であるが、英語は標準の出力言語なので、英語が別枠になっている場合は、英語以外の他の9ヶ国語を選択言語と呼ぶ。
(エ)辞書
本システムでは仮名漢字変換用辞書、ユーザー辞書、KEARM変換用辞書及び自動生成辞書を使う。仮名漢字変換用辞書は標準的な内容なので変更はできない。ユーザー辞書及びKEARM変換用辞書はツールが用意されており利用者が登録語句を追加・変更・削除できる。自動生成辞書はシステムが必要に応じ自動的に作成・削除する。
(エ)(a)仮名漢字変換用辞書
図2の「仮名漢字変換用辞書」36に位置し、仮名漢字変換で使う辞書。
(エ)(b)ユーザー辞書
図2の「ユーザー辞書」37に位置し、仮名漢字変換の学習機能で使う。KEARM変換の変換候補は定型の候補群なのでユーザー辞書は使わない。
(エ)(c)KEARM変換用辞書
図10で示す構造の辞書でKEARM変換で使う。
(エ)(d)自動生成辞書
KEARM変換用辞書に登録されていない半角英数文字列や複文節の全角英数記号・符号などを処理するため、システムが当該文字列を自動的に専用の辞書に登録する。更新はされず変換終了後、上書き削除される。
(オ)変換モード
逐次変換、新予測変換、KEARM優先変換及びMPモードがあるが、本発明では逐次変換モードのみ使う。
(オ)(a)逐次変換
1文字入力ごとに完全一致検索による変換を行うモードで、仮名漢字変換、ANS変換、KEARM変換及び自動生成辞書変換を行う。KEARM変換の英語入力と仮名入力ではKEARM変換用辞書の用語属性値を4以上に設定すると1文字検索による1文字変換もできる。1文字検索の変換でも1文字の入力文字が変換候補と一対一で対応していることは変わらない。
(カ)動作モード
ND、ADP、AD及びARPモードがある。単語・語句などの単文節の変換はNDモードのみ使い、文章の変換ではND --> ADP --> ADモードの順で変換を行う。ARPモードは本発明であるKEARM定型変換を実行するときに1になり、その他の変換のときは0である。
(カ)(a)ND(Non-Div)
単語・語句などの単文節の変換に使う。複文節となる文字列の変換でも最初は単文節か否かのチェックが必要なためNDモードから変換を始める。
(カ)(b)ADP(AutoDivProcess)
複文節となる文字列を第1文節から順次、文節分けし、仮名漢字変換、ANS変換、KEARM変換または自動生成辞書変換を行う。ADPモードでの変換の目的は、各文節の最も適した変換候補を選ぶこと。
(カ)(c)AD(AutoDiv)
ADPでの変換終了後、ADモードで第1文節に戻り、入力バッファss11[0]を変換用文字列として再度変換する。以後、左右の矢印キーで文節移動した場合も同様に入力バッファss11[n](nは文節番号0~49)を変換用文字列として変換を行う。ADモードでの変換をAD変換と呼ぶ。AD変換の目的は変換候補を最大数得ること。ただし仮名漢字変換では標準では5候補に限定している。
(カ)(c)ARP(AutoRecProcess)
KEARM変換の逐次変換画面が表示されている状態でKEARM定型変換キーを押すと、ARPモードが1になり、同時にADPモードでKEARM定型変換を実行する。入力バッファss11[n](nは文節番号で0~49)を変換用文字列として、KEARM変換が可能な文節(文節情報ArrayAuto[n][3]が1、3または6)の文節番号の若い順にKEARM変換を行い、最後はKEARM変換を行った最初の文節のAD変換を行い、その文節の変換候補一覧を表示し、ADモードで動作を終了する。KEARM定型変換も終了となりARPモードが0になる。
(キ)入出力文字表示
応用プログラムの画面上で入出力文字列を表示する部分。この部分は画面枠はないが表示構造を持つ画面であり、表示する文字列は表示属性に沿って下線表示をする。逐次変換では入力文字列は同じ文字種である表示用文字列となり入力文字表示として使われる。変換候補一覧画面への遷移後は表示用文字列ではなく選択候補である変換結果を表示する。
(キ)(a)入力文字列
キーボードから本システムに入力される文字列であるが、入力処理部で表示用文字列と変換用文字列に分けられ、逐次変換で実際に入力表示に使われるのは同じ文字種の表示用文字列である。
(キ)(b)表示用文字列
入力文字列と同じ文字種で応用プログラムの入出力文字表示の画面で入力文字列の表示用に使われる。
(キ)(c)変換用文字列
変換時の検索用入力として使われる文字列で、入力文字列が仮名の場合は全角片仮名が使われる。英数文字記号・符号では入力文字列がそのまま変換用文字列となる。
(キ)(d)表示属性
入出力文字表示は、表示属性を指定して文字列に特有の下線を引く。標準設定では、逐次変換画面の表示属性は「入力」(点線)で、変換候補一覧画面では、利用者が作業中の分節を「変換済み注目文節」(実線太線)とし、その他の文節を「変換済み文節」(実線細線)で区別する。
(キ)(e)変換結果
逐次変換画面から変換候補一覧画面への遷移後に入出力文字表示に表示される文字列は選択された候補であり変換結果と呼ぶ。変換操作遷移キーによる初動操作では変換第1候補が変換結果になるが、マウスで直接他の候補を選ぶこともできる。複文節では当該文節だけではなく第1文節から最終文節までの出力バッファss12[n](nは文節番号0~49)を組み合わせた文字列になる。確定キーを押すと変換結果が確定文字列となる。
(ク)逐次変換画面
文字列を入力しただけの画面であるが、本システムには変換起動部があるので1文字入力ごとに逐次変換を行い、単文節では変換候補一覧を表示し、複文節では各文節の変換第1候補を組み合わせた文字列を表示する。検索方式は仮名漢字変換では完全一致検索のみであるが、KEARM変換では完全一致検索だけでなく1文字検索による1文字での変換もできる。入出力文字表示は入力文字列と同じ文字種である表示用文字列を表示する。
(ク)(a)1文字検索
図9の「KEARM変換用辞書の用語属性」の(a)および(c)の属性値設定表とおり、KEARM変換用辞書の英語及びカタカナ語の登録用語の属性値を4以上に設定するとKEARM変換実行時の検索方式が1文字検索になる。1文字検索は1文字で検索・変換を行うが検索対象用語は登録用語のみであり通常の前方一致検索による1文字での変換とは異なる。1文字検索の変換でも1文字の入力文字が変換候補と一対一で対応していることは変わらない。
(ク)(b)出力順位(逐次変換画面用)
KEARM変換の逐次変換画面の変換候補の出力順位(変換第1候補を先頭とする配置順)は当該KEARM変換用辞書の用語属性値により図9の(a)~(c)の属性値設定表のとおり変更できる。用語属性値の初期値は-1で、このときのKEARM変換の変換第1候補は、従来の仮名漢字変換システムの変換第1候補と同じになる正順変換になる。属性値は(a)英語、(b)英略語又はローマ字、および(c)カタカナ語の属性値設定表の3分類で別々に設定できる。
(ク)(c)変換出力(逐次変換画面用)
変換出力は変換して得られた文字列出力であり、仮名漢字変換、ANS変換及びKEARM変換では次のように処理する。単数または複数の変換出力を統合し一元化した出力が変換情報szBufzになる。
(1)仮名漢字変換では、仮名漢字変換用辞書及びユーザー辞書を使い、1文字入力ごとに変換用文字列を入力として検索・変換を行う。例えば、変換用文字が「シ」で、得られた変換候補が「し」、「市」、「氏」、「死」・・・の場合、これらの変換候補を時系列順に並べて文字変数に保存し、文字列情報「し 市 氏 シ 死 ・・・」を得る。この文字列情報が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。変換出力は辞書の品詞等により階級分け(項番と呼ぶ)し、副詞・名詞(項番4)は文字変数szBufa、名詞+助詞(項番5)は文字変数szBufb、動詞(項番8)は文字変数szBufc、ユーザー辞書(主として項番2)は文字変数UserDicに保存する。
(2)ANS変換は、仮名漢字変換ができない英数記号・符号の変換であり、JIS規格と同様に広義には仮名漢字変換の機能に含まれる。全角の英数記号・符号はすべて対象である。半角の英数記号・符号のうちKEARM変換用辞書に登録されている半角英数の単語・語句は、次の(3)KEARM変換が行われ、残りがANS変換になる。ANS変換では、ユーザー辞書、自動生成辞書を使うか、または辞書を使わず専用プログラムで変換し、数字・記号は全角/半角変換または半角/全角変換を行い、数字は漢数字変換も行われるが、括弧などの符号は類似の各種符号に変換される。変換された文字列を候補としてまとめた文字列情報が変換出力となる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。名詞(項番4)は文字変数szBufa、名詞+助詞(項番5)は文字変数szBufb、ユーザー辞書(主として項番2)は文字変数UserDic、単文節のプログラム変換(項番1、項番6)による変換出力は文字変数szSymbolに保存する。
(3)KEARM変換の半角英数入力による変換では、KEARM変換用辞書を使い、1文字入力ごとに変換用文字列を検索入力として辞書の登録用語を検索する。当該用語の属性値が-1~3のときは完全一致検索で変換を行い1文字では変換中止、2文字以上の入力で完全一致すれば変換を行う。例えば「rule」の英語属性値が初期値の-1のときは、変換用文字列「rule」で検索・変換し、得られた変換候補を時系列順に文字変数に保存し、文字列情報「rule ルール 規則、支配、定規、解式 ///」を得る。属性値が4~8(英語のみ)の場合は1文字検索による1文字で変換を行い、「r」と入力するだけで「rule」と同等の文字列情報が得られる。また属性値を変えると変換候補の出力順位や変換後の入力モードも変わる。このときの文字列情報が変換出力となる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。変換出力は辞書の品詞別に階級分け(項番と呼ぶ)し、名詞(項番4)はszBufa、名詞+助詞(項番5)はszBufb、サ変活用動詞(項番8)はszBufcに保存する。
(4)KEARM変換の仮名入力によるカタカナ語変換は、(1)の仮名漢字変換による階級別変換(項番2~8)で当該カタカナ語(片仮名と同義)が変換候補として抽出されており、かつ、仮名漢字変換が行われなかったときのみ、当該カタカナ語のKEARM変換を行う。登録用語のカタカナ語属性値が-1~3のときは完全一致検索で変換を行う。例えば「ルール」の属性値が-1のときは、得られた変換候補を時系列順に文字変数に保存し、文字列情報「ルール rule 規則、支配、定規、解式 ///」を得る。このときの文字列情報が変換出力となる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。属性値を4~7にすると1文字検索による1文字での変換となるが1文字の仮名入力では仮名漢字変換が優先されるのでKEARM変換は行われない。この状態から本発明のKEARM定型変換を実行してKEARM変換または翻訳変換(KEARM変換の二言語間の変換)ができる。変換後の入力モードは仮名モードのままとなる。
(ク)(d)逐次変換簡易表示画面
KEARM変換で変換対象となる用語が複数ある場合、出力言語が英語であれば「英語+簡易日本語訳」、その他の選択言語(例えば仏語)であれば「仏語+英語」の1行で表示される文字列情報がそれぞれの用語の変換候補情報になる。これらの複数の用語の変換候補情報を左詰めで候補ごとに改行して順に並べた画面である。
(ク)(e)逐次変換確定キー
逐次変換画面の変換第1候補は、変換時における入力文字列(及び表示用文字列)に対して一対一で対応する出力で、かつ、最も適した変換候補である。また変換第1候補が選択候補になっているので、本システムではこの論理キー(物理キーは、Shift+Enterキー)を押せば変換第1候補を確定文字列に出力できる。予測変換型は入出力が一対一に対応していないので必ず利用者が候補選択するというステップが必要である。
(ク)(f)発音出力キー(逐次変換画面用)
KEARM変換の逐次変換画面では変換第1候補が選択候補になっており、この論理キー(物理キーはCtrl+ ←)を押せば逐次変換の変換第1候補の発音が出る。
(ケ)変換候補一覧画面(変換操作画面とも呼ぶ)
逐次変換画面から変換操作遷移キーを押すとAD変換が行われ、変換操作画面である変換候補一覧を表示する画面になる。単文節の場合は、逐次変換時に得られた変換情報szBufzを使うのでAD変換は行わない。
(ケ)(a)出力順位(変換候補一覧画面用)
変換候補一覧画面の変換候補の出力順位(変換第1候補を先頭とする配置順)は変換操作遷移キーを押して逐次変換画面から変換候補一覧画面に遷移した場合は逐次変換画面の出力順位と同じであるが、KEARM定型変換やKEARM優先変換を実行して変換候補一覧画面に遷移した場合は出力順位が異なる。
(ケ)(b)変換出力(変換候補一覧画面用)
変換候補一覧画面では左右への文節移動またはマウスで任意の文節をクリックしたとき、各文節の入力バッファss11[n](nは0~49)の文字列を入力としてAD変換が行われる。逐次変換画面の変換と同様にAD変換で得られた候補の文字列を時系列順に並べて文字変数に保存し変換出力とする。例えば、仮名漢字変換では「し 市 氏 シ 死 ・・・」のように文字変数に保存し、変換出力とする。ANS変換では全角/半角変換または半角/全角変換、漢数字変換や各種文字種変換による変換出力、KEARM変換では、例えば「rule ルール 規則、支配、定規、解式 ///」のような変換出力になる。いずれの変換出力も各候補の末端には制御文字\0を置く。仮名入力では仮名漢字変換、全角英数記号入力ではANS変換、半角英数入力ではKEARM変換、または辞書に登録されていない文字列は複文節での自動生成辞書によるANS変換になるが、仮名入力によるKEARM変換もある。仮名入力でKEARM変換になるのは逐次変換で得られた文節情報ArrayAuto[n][3]が1のときである。変換出力のまとめ方は、(ク)(a)変換出力(逐次変換画面用)とほぼ同じで、最終の変換出力を文字変数szBufzに保存し変換情報とする。
(ケ)(c)変換操作遷移
逐次変換画面から変換操作画面である変換候補一覧画面に遷移させる操作である。変換操作遷移キーは論理キーであり物理キーは用途で異なる。仮名漢字変換ではSpaceキーなど、KEARM変換では矢印↓キーなどを物理キーとして使う。マウスで直接希望する候補をクリックすれば同様の働きと同時に候補選択もできる。仮名漢字変換の変換候補は標準で逐次変換と同じ最大5つまでの変換候補一覧を表示する。変換候補を最大数表示させるときは物理キーとして[変換]キーを使う。
(ケ)(d)選択候補
変換候補一覧画面で希望する候補を上下矢印キーやマウスで選択できる。選択できる候補は出力言語までで日本語訳と用語属性は発音できる候補ではないので通常操作では選択できない。選択された候補は選択候補と呼ぶ。単独の選択候補の背景色は薄青になり、変換対象となる用語が複数ある場合の簡易表示画面での選択用語の候補の背景色は薄赤になる。
(ケ)(e)変換候補簡易表示画面
逐次変換簡易表示画面から変換操作遷移キーを押して得られる簡易表示の変換候補一覧画面である。表示形態は同じであるが、変換候補簡易表示画面の初期状態では変換第1候補を選択候補として強調表示し、同時に当該選択候補を変換結果として表示する。
(ケ)(f)発音出力キー(変換候補一覧画面用)
KEARM変換の変換候補一覧画面では、この論理キー(物理キーはCtrl+ ←)を押せば選択候補の単語の発音が出る。
(コ)仮名漢字変換
仮名を入力して漢字交じり文に変換すること。本システム以外では再変換機能やKEARM優先変換で仮名漢字変換を行う。JISX4064で規定の仮名漢字変換では英数記号・符号の変換も含むので、広義の仮名漢字変換は(サ)ANS変換も含む。
(サ)ANS変換
英数記号・符号をANS(AlphaNumeric and Symbol)と呼ぶ。ANSの全角英数記号は半角英数記号に変換(全角/半角変換)し、半角英数記号は全角英数記号に変換(半角/全角変換)し、それぞれの変換用文字列と対にして2つの変換候補にする。数字の場合は漢数字にも変換する。括弧などの符号は各種の類似符号に変換する。半角英数の英語、英略語及びローマ字でKEARM変換用辞書に登録されている用語はANS変換ではなくKEARM変換を行う。
(シ)漢字情報変換、(ス)会話文変換、(セ)新予測変換、(ソ)再変換機能、(タ)メモ機能、(チ)漢字仮名変換、(ツ)漢字引き仮名変換、(テ)文章分割・変換
いずれも本システムでは使わない。
(ト)KEARM変換
KEARM変換用辞書を使って検索・変換する方式である。KEARM変換用辞書には多言語用一つと選択言語用(図10)として言語別に1個で計10個、合計11個ある。KEARM変換は「仮名入力によるカタカナ語(K)、半角英数入力による英語(E)、英略語(A)及びローマ字(R)の3分類(K、E、A又はR)、4入力(K、E、A及びR)による相互変換が可能で多言語(M)出力もできる変換」から頭文字を取ったもの。頭文字は、K for Katakana、E for English、A for Acronym、R for Romaji、M for Multilingualである。
(ト)(a)正順変換
KEARM変換用辞書の用語属性が初期状態の-1のときはKEARM変換の変換結果になる変換第1候補が入力文字列(及び表示用文字列)と同じ文字種(平仮名から片仮名への変換はあるがこれは仮名漢字変換と同じ動作)になるように設計している。KEARM変換を実行しても初期状態では従来の仮名漢字変換と同等の変換結果になるようにするためである。
(ナ)用語属性
図10のKEARM変換用辞書の列番号7の用語属性は「///」が初期設定で、それぞれの「/」は3分類(K、E、A又はR)の初期状態の-1を示しており、左端の第1桁が英語用、中央の第2桁が英略語/ローマ字用、右端の第3桁がカタカナ語用である。
(ナ)(a)用語属性の変更
KEARM変換用辞書の登録用語の用語属性は、KEARM学習変換で簡単に変更できるが、KEARM変換用辞書はユニコードのテキストファイルなので、コンピュータの管理者権限で辞書ファイルを開き、当該用語の属性値を直接変えることもできる。
(ニ)KEARM学習変換
本システムでは使っていない。
(ヌ)KEARM定型変換
KEARM変換の逐次変換画面が表示されている状態でKEARM定型変換キーを押すと、入力バッファss11[n](nは文節番号)を変換用文字列として、KEARM変換が可能な文節(文節情報ArrayAuto[n][3]が1、3または6)の文節番号の若い順にKEARM定型変換を行い、最後はKEARM定型変換を行った最初の文節のAD変換を行い、その文節の変換候補一覧または変換候補簡易表示画面を表示し、ADモードで動作を終了する。
(ヌ)(a)翻訳変換
KEARM変換はKEARM変換用辞書の用語属性の属性値を変えると変換候補一覧の変換候補の出力順位を変えられる。初期値の-1ではKEARM変換をしても入力文字列と変換結果となる変換第1候補が同じ文字種になるので正順変換と呼ぶ。KEARM定型変換は、正順変換の逐次変換画面からKEARM定型変換キーを押すと、二言語間の変換(例えば、日本語のカタカナ語やローマ字の単語を英語や選択言語の単語に変換し、英語の単語は日本語のカタカナ語や選択言語の単語に変換する)を行うので翻訳変換とよぶ。
(ヌ)(b)KEARM定型変換キー
KEARM定型変換を開始する論理キーで物理キーはTabキー。
(ネ)KEARM詳細変換、(ノ)KEARM優先変換
いずれも本システムでは使っていない。
(ハ)用語情報
英数記号・符号は下記のとおりANS(Alpha-Numeric and Symbol)コード1~4で区別している。仮名漢字変換用辞書およびユーザー辞書に登録している用語には、要素情報として下記のとおりa~?のyougoCodeが付けてあり、数値換算で5~33に対応させている。両者を組み合わせた1~33を静的情報とし、さらに変換出力szBufa~szBufcで得られた動的情報(名詞、動詞、形容詞などの判断)を加味した1~256を用語情報として変換候補ごとにszBufzcode[n](nは0~499の候補番号)に保存する。prevCodeは変換第1候補であるszBufzcode[0]の用語情報で次の文節の変換時の情報として使う。次の文節との関係に格助詞が入る場合に使うprevCode1もある。szBufzcode[n]は変換候補を画面に表示させるときに下線を引いたり背景色を変えるために使う。
(ハ)(a)ANSコード(英数記号・符号Alpha-Numeric and Symbol)を数値1~4に対応させる。
1:数字 2:英字 3:記号(#$等)4:符号(「 」等)
(ハ)(b)yougoCode(必要に応じて使うのですべてを使うわけではない)
下記のコード(a ~ ?)を数値5~33に対応させる。
a:名字 b:名前 c:国名or東京の地名 d:東京以外の地名 e:苗字・名前兼用・中性名詞 f:人系名詞1(~監督、~君等)g:人系名詞2(被害者、大工等)h:人間の五体部分 i:食用植物 j: 乗物 k:期間(~週間等) l:動物 m:時期(3月等)n:自然現象 o:地形・古跡 p:連体詞・接続詞 q:中国語r:片仮名の擬態語 s: メモ機能t:漢数字 v:一般動詞w:五段活用音便2の動詞 x:形容詞 y:形容動詞z:動詞系名詞(驚き等)以降省略 ?:旧市町村名(与野市等)
下記のコード(*および+)は、上記コード(a ~ ?)に付加して併用できる。
*: 漢字情報変換で使われ、付加すると数値では+120され、変換候補の背景色を薄黄にする。
+: 仮名漢字変換の確定を2回行うと付加され、付加すると数値で+80され、該当する用語は優先使用される。
(ハ)(c)prevCode(必要に応じて使うのですべてを使うわけではない)
0:無し 1:数字 2:英字 3:記号($等)4:符号(「、{等) 5:名字 6:名前 7:国名or東京の地名 8:その他の地名 9:名字・名前兼用・中性名詞 10:人系名詞1(~さん、~君等)11:人系名詞2(被害者、大工等)12:人間の五体部分 13:食植物 14: 乗物 15:期間(~週間等) 16:動物 17:時期(3月等)18:自然現象 19:地形・古跡 20:連体詞・接続詞 21:第一候補以外の名字 22: メモ機能39:名詞節 40:漢数字 60:動詞(未然形含む)61:動詞(連用形)62:動詞(終止・連体形)70:形容詞1 (次節が名詞形)71:形容詞2(次節が動詞または名詞形)80:副詞相当 81:動詞形副詞(~て、~で)以降省略 94:KEARM変換実施節 97:AR変換実施節102~118:複合動詞の処理(買い続ける等)126:KEARM定型変換実施節 130:漢字仮名変換実施節
(ハ)(d)prevCode1(次節との関係に格助詞が絡む場合に使う。必要時のみ使う)
0:無し 1:人系名詞+格助詞(被害者が通う) 2:数量名詞+格助詞(3枚はある)3:人間の五体部分+格助詞(足を押さえる)5:食用植物+格助詞(みかんの皮 )6:乗物+格助詞(バスの車内)7:地域+格助詞(新潟で地震)8:時間・期間+格助詞(3月に会う)11:無使用 12:地形・古跡+格助詞(城の跡)
(ハ)(e)szBufzcode[n](nは候補番号0~499)
szBufzcode[n]は変換された全候補の用語情報で、n番目の候補の背景色を変えたり下線を引いたりする情報に使う。
(ヒ)変換情報
仮名漢字変換、KEARM変換およびANS変換で得られた逐次変換の変換出力szBufa~szBufc、UserDic、szSymbolの文字列から得られた最終の変換出力が変換情報szBufzとなる。逐次変換後に変換操作遷移キー(Spaceキーや矢印↓キーなど)を押すとAD変換が行われる。逐次変換の結果が複文節であれば左右の矢印キーを押すと文節移動が行われ同様にAD変換を行う。AD変換においても変換出力szBufa~szBufcおよびUserDicの文字列情報から得られた最終の変換出力が変換情報szBufzとなる。変換情報は変換候補一覧を示す文字列情報である。
(フ)出力情報
逐次変換の出力情報は、単文節の変換候補一覧情報を示す変換情報szBufzか、複文節の各文節の変換出力の変換第1候補を並べたss12[0]~ss12[n](nは文節番号0~49)を示す文字列情報かにより異なる。単文節の変換情報か複文節の文字列情報かで判断し、文字変数szBufCanに保存して出力情報とする。このとき仮名漢字変換では標準で変換候補は最大5つに制限する。AD変換の出力情報は、各文節の変換候補一覧情報を示す変換情報szBufzとなる。
(ヘ)文節情報(抜粋のみ)
用語情報はそれぞれの文節の情報であり候補ごとの情報を持つが、文節情報は文節代表としての情報である。文節情報を示す文字変数はArrayAuto[n][m]である。nは文節番号で0~49、mは0~12である。
(ヘ)(a)ArrayAuto[n][2]: 文節情報
用語情報yougoCodeを保存する。
(ヘ)(b)ArrayAuto[n][3]: 文節情報
1: カタカナ語KEARM変換実施済み
3: 英語、英略語またはローマ字KEARM変換実施済み
6: カタカナ語KEARM変換実施可能節
複文節でArrayAuto[n][3]が1または3のときは変換候補表示時に該当する文節の変換第1候補に下線を引き、ArrayAuto[n][3]が6のときは該当する文節の変換第1候補に取り消し線を引く。
(ヘ)(c)ArrayAuto[n][4]: 文節情報
カタカナ語のKEARM変換が可能なとき、カタカナ語の属性nCharKanaAttri(0~8)を保存する。
(ヘ)(d)ArrayAuto[n][5]: 文節情報
用語情報prevCodeを保存する。
(ヘ)(e)ArrayAuto[n][6]: 文節情報
用語情報prevCode1を保存する。
(ヘ)(f)ArrayAuto[n][8]: 文節情報
KEARM変換時の下記入力文字種情報10~12を保存する。
10: 英語入力
11: ローマ字入力
12: 仮名入力
13: 英略語入力
(ホ)入力バッファ/出力バッファ
複文節の変換では各文節の変換用文字列と変換後得られる変換情報の変換第1候補または選択候補を各文節ごとに保存しなければならない。そのための文節ごとに文字列を保存するためのバッファである。入力、出力および補助用にKER用バッファがあり、最大50(nは文節番号0~49)まで文節分けができる。文字列は128まで保存可能。
入力バッファss11[n][128]: 各文節の変換用文字列を保存。
出力バッファss12[n][128]: 各文節の変換第1候補または選択候補を保存。
KERバッファss12k[n][128]: 補助用。本システムでは使っていない。
(マ)関数一覧(抜粋のみ、標準関数は含まず)
ほとんどは新規開発したもので、一部は既存の関数に機能追加したもの。
(a)AlphaPhrase: KEARM変換/複合文字種変換実行用関数
(b)AddCharN: 出力文字表示実行用関数
(c)ChangeDatabaseAttribute: 用語属性値変更用関数
(d)ConvCandidate: 変換候補表示実行用関数
(e)ConvClipboard: クリップボード文字列取込み用関数
(f)ConvPhrase: 仮名漢字変換/ANS変換/KEARM変換/漢字仮名変換/漢字情報変換実行用関数
(g)ConvSound: KEARM発音用ドライブ・文字列指定関数
(h)ConvWord: KEARM単語変換実行用関数
(i)ConvWordSound: KEARM発音言語識別用関数
(j)DatabaseWrite: 辞書変更用関数
(k)DicWrite: ユーザー辞書登録用関数で自動生成辞書の登録にも使う
(l)GetAlphaWord: KEARM変換・会話文変換・漢字情報変換用関数
(m)GetDatabaseWord: KEARM単語検索・変換用関数
(n)GetKanjiWord: 漢字引き仮名変換用関数
(o)GetRefWord: 仮名漢字組合せ情報取得用関数
(p)GetRefaWord: 仮名英語組合せ情報取得用関数
(q)SetDatabaseAttribute: 用語属性値設定用関数
(ミ)変数(抜粋のみ)
(a)ARHenkan: 英語・英略語・ローマ字入力で変換するとき1となる
(b)ARP: ARPモードのとき1となる変数
(c)ArrayStart: 逐次変換画面時は-1、変換操作画面時は注目文節番号(nは0~49)
(d)AutoLevel: KEARM定型変換を開始する文節番号を示す整数でnArray + 1になる
(e)AutoReconv: ARPモード起動時に1となる変数
(f)ChikujiHenkan: 逐次変換モードで1になる変数
(g)KEARMHenkan: KEARM変換実行時に1となる変数
(h)MpxHenkan: 複数の文節のKEARM定型変換実行時に1となる変数
(i)MultiSel: 多言語変換で対応する変換対象用語が複数ある場合に1となる変数
(j)nArray: 文節番号0~49の整数
(k)nKEARMStartArray: KEARM定型変換を実行する先頭の文節番号を示す整数
(l)nEnable: 文書解析用整数
(m)n1: NDモードでの変換用文字変数ss1の文字長
(n)n1Auto: ss1Autoの文字長
(o)Romaji: 変換対象となる用語にローマ字が登録されているときに1となる
(p)ss1: 文字変数として多用途に使う
(q)ss1Auto: ADP及びARPモードでの変換用文字変数
(r)ss1Cand: 出力文字表示用文字変数
(s)ss5[n]: 変換候補表示用文字変数、nは候補番号0~499
(t)szBuf: 変換文字列収集用文字変数(単独情報収集用)
(u)szBuf3: 変換補助情報用文字変数
(v)szBufCan: 変換終了時の出力情報用文字変数
(w)szBufa: 名詞(項番4)の変換出力用文字変数
(x)szBufb: 名詞+助詞(項番5)の変換出力用文字変数
(y)szBufc: 動詞(項番8)の変換出力用文字変数
(z)szBufz: 最終の変換出力用文字変数(変換出力の一元化情報)
(α)szBufzcode[n]: 変換終了時の用語情報、nは候補番号0~499
(β)szSymbol: プログラム変換出力用文字変数
(γ)UserDic: ユーザー辞書変換出力用文字変数
(δ)yougotitle: 書込み文字列代入用文字変数1
(ε)yougo: 書込み文字列代入用文字変数2
(ζ)yougomode: ユーザー辞書書込みモード用整数
(B)動作説明および実施例
【0017】
本発明が動作可能なシステムは、「仮名漢字変換/KEARM変換式日本語入力システム」(非特許文献2の完全一致検索型逐次変換式日本語入力システムで、以後、仮名漢字変換/KEARM変換システムと呼ぶ)に図2に示すとおり、KEARM定型変換を実行するために必要な構成部分(点線で囲んだ箇所)を組み込んだシステムである。
【0018】
仮名漢字変換/KEARM変換システムは日本語だけでなく外国語の単語も扱うソフトウェアであり、本発明の説明においても特許申請時の書類で禁止されている文字や符号も使う。したがって禁止されている文字や符号は暫定的に他の文字や符号に置き換えた。画面上の文字や符号はイメージで扱われ問題ないのでそのまま使用した。置き換えた文字や符号は次のとおりである。
(1)仮名漢字変換/KEARM変換システムではセミコロンを使っているが、カンマに置き換えた。
(2)黒色に相当する中国語の単語「??」を漢字の「黒色」に置き換えた。
(3)複数のフランス語の単語の上付き符号の文字を類似の英語のアルファベット文字に置き換えた。
(4)英語のbrochureに相当するドイツ語の単語の上付き符号の文字を類似の英語のアルファベット文字に置き換えた。
(5)半角片仮名の「???」は全角片仮名の「コンピュータネットワーク」に置き換えた。
【0019】
仮名漢字変換/KEARM変換システムは仮名漢字変換とKEARM変換を同時並行的に処理できるが、日本語入力システムは仮名を入力して仮名漢字変換で漢字交じり文に変換することが目的なのでKEARM変換は仮名漢字変換に従属的にならざるを得ない。そのためKEARM変換には二つの制約を設けている。制約(1)「漢字と同じ読みのカタカナ語はKEARM変換しない」及び、制約(2)「用語属性が初期値のときはKEARM変換は正順変換になる」である。制約(2)の正順変換とは、仮名やローマ字入力でKEARM変換しても変換結果になる変換第1候補は、英語や仏語ではなく、日本語のカタカナ語またはローマ字であり、英語入力でKEARM変換しても変換結果は日本語や仏語ではなく入力文字列と同じ英語であり、さらに英略語入力でKEARM変換しても変換結果は英略語のままになる変換のことである。初期状態でKEARM変換を正順変換にしている理由はKEARM変換と仮名漢字変換を融和させ、初期状態ではKEARM変換と仮名漢字変換の変換結果が同じになるように設計しているためである。これらの制約への対策として、制約(1)の仮名漢字変換の逐次変換画面から操作キーを押すだけでKEARM変換の変換候補一覧画面に遷移させ、制約(2)の正順変換の逐次変換画面から操作キーを押すだけで翻訳変換(KEARM変換の二言語間の変換)の変換候補一覧画面に遷移させるのが本発明のKEARM定型変換である。翻訳変換とは、日本語の仮名またはローマ字で入力した単語は、英語または選択言語の単語に変換され、半角英数で入力した英語の単語は、日本語のカタカナ語または選択言語の単語に変換され、半角英数で入力した英略語は、正規の英語または選択言語の文字列に変換される変換のことである。
【0020】
段落番号0019で説明したKEARM変換の制約(1)および(2)に対する処理方法を示した画面が図1である。図1の上側の画面の制約(1)「漢字と同じ読みのカタカナ語はKEARM変換しない」の下で実行した逐次変換画面(英語)では、入力文字列を示す表示用文字列「まん」80をKEARM変換しようとしても同じ読みの漢字、例えば、「万」や「満」が存在するので、「まん」は仮名漢字変換のみでKEARM変換は行わない。仮名漢字変換用辞書には片仮名の候補も載せており三番目の候補は「マン」である。片仮名表記の言葉はカタカナ語だけでなく擬声語(ドタンやガタガタ)や擬態語(キラキラやピカピカ)もある。そのため、仮名漢字変換用辞書に片仮名が登録されていてもその片仮名が必ずしもKEARM変換ができるカタカナ語になるわけではない。そのため、KEARM変換の候補は表示しなくても当該片仮名がKEARM変換可能か否かのチェックは行う。
【0021】
KEARM変換の制約(1)によりカタカナ語のKEARM変換ができない場合でも仮名漢字変換/KEARM変換システムでは仮名漢字変換と並行してKEARM変換ができるかどうかのチェックを行い、KEARM変換ができる状態であれば図1の「マン」81cのように「マン」に取り消し線を引く。これはKEARM変換はできるが仮名漢字変換を優先するのでKEARM変換はしないという意味である。これにより利用者は当該逐次変換画面はKEARM定型変換が実行できる画面であることが分かる。図1の制約(1)の逐次変換画面(英語)からKEARM定型変換キー(Tabキーを物理キーとする)を押すことによりKEARM定型変換を実行できる。この場合、「マン」の用語属性値が初期値の-1なので、翻訳変換(KEARM変換の二言語間の変換)を実施して、変換結果が英語の「man」87になる変換を行う。一方、「マン」の用語属性値が初期値の-1から変更されていれば、図9のKEARM変換用辞書の用語属性の(c)カタカナ語属性値設定表の属性値の設定により変換結果が決まるので、制約(1)の場合は、必ずしも翻訳変換されて変換結果が英語または選択言語になるわけではない。
【0022】
図1の下側の画面ではKEARM変換の制約(2)の「用語属性が初期値のときはKEARM変換は正順変換になる」の例として、単語ではなく文章の例を挙げている。仮名漢字変換/KEARM変換システムのKEARM変換の文章の変換では、各文節の変換候補のうち変換第1候補である変換結果のみが表示される。逐次変換画面の入力文字列「desktop computerのさんしゅるいのかたろぐをよんだ」84は、KEARM変換に関連するすべての用語の用語属性値が-1のときは「desktop computerの3種類のカタログを読んだ」85になる。すなわち、英語の「desktop」と「computer」は英語のままで、日本語の仮名の「かたろぐ」は日本語のカタカナ語「カタログ」になり、他言語への変換はない。入力文字列と変換結果が同じ文字種になる変換を正順変換と呼ぶ。ここで英語の「desktop」、「computer」とカタカナ語の「カタログ」には下線が引かれている。下線が引かれているのは、実際にKEARM変換が行われ変換結果を表示していることを示している。
【0023】
図1の下側の画面である制約(2)「用語属性が初期値のときはKEARM変換は正順変換になる」の画面の出力言語は独語である。変換対象となる単語である「desktop」、「computer」及び、「カタログ」の用語属性値がすべて初期値の-1なので、逐次変換画面(独語)からKEARM定型変換を実行するとすべてのKEARM変換が翻訳変換になる。すなわち、出力言語が独語なので選択言語が独語となり、英語は独語に変換され、カタカナ語も独語に変換される。一方、他の仮名漢字変換された文節はKEARM定型変換は行われずにそのまま表示され、変換候補一覧画面(独語)の変換結果は「Desktop Computerの3種類のBroschureを読んだ」87になる。次は、具体的な実施例でKEARM定型変換の動作を説明する。
【0024】
実施例1~8は、KEARM変換の制約(1)「漢字と同じ読みのカタカナ語はKEARM変換しない」に対する実施例で、実施例9~10は、KEARM変換の制約(2)「用語属性が初期値のときはKEARM変換は正順変換になる」に対する実施例である。最初に、実施例1は、漢字と同じ読みのカタカナ語のKEARM変換(1)として、単文節、単独用語、完全一致検索、出力言語が英語で属性値が初期値-1の逐次変換画面からKEARM定型変換を実行する動作例である。図4図11で説明する。
【0025】
段落番号0019で記述のとおりKEARM変換には制約(1)と(2)がある。制約(1)と(2)で実行された逐次変換画面を特定するための条件として、それぞれ条件(1)と(2)とする。図4の「KEARM変換対象画面の条件」70aで示すとおり、実施例1の実行画面である図11の(1)逐次変換画面(英語)は、条件(1)を満たす画面である。この画面は非特許文献2の図29の(1)逐次変換画面(英語)と同じで、動作説明は非特許文献2の段落番号0127~0129で説明しており、段落番号0129では、変換第3候補である片仮名「マン」に対しカタカナ語変換可否チェックが行われ、結果としてカタカナ語「マン」のKEARM変換が可能なので、同じ画面である本書の図11の(1)逐次変換画面(英語)の「マン」81cに示すとおり取り消し線が引かれている。これで図11の(1)逐次変換画面(英語)はKEARM定型変換が実行できる画面であることが分かる。
【0026】
次に、図4の「KEARM定型変換キー操作」70bでKEARM定型変換キー(論理キーであり、物理キーはTabキー)を押すと、「KEARM定型変換に必要な変数の設定」70cに進み、変数AutoReconv、MpxHenkanおよびKEARMHenkanが1にセットされる。AutoReconvは「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33を構成する関数ConvPhraseにKEARM定型変換を要求する変数である。MpxHenkan は複数の文節対応の変数であるが、KEARM定型変換は複数の文節処理を基本にしているので単文節の場合でも1になる。KEARMHenkanはMpxHenkanとともにKEARM定型変換を行う役目をする。AutoLevelはKEARM定型変換を実行する開始文節番号を示す整数であり、開始する文節を左右の矢印キーやマウスで指定できるが、指定しない場合は第1文節から開始するので文節番号nArray = 0で AutoLevel = nArray+1 となりAutoLevelは1でKEARM定型変換の動作が始まる。nKEARMStartArrayは実際にKEARM定型変換が行われた文節の先頭文節番号を示す整数であり、KEARM定型変換実施後に設定される。KEARM定型変換実施後は実施した文節の先頭の文節の変換候補一覧画面を開いた状態で終了するので、最後はnKEARMStartArrayの番号の文節でADモードでAD変換を行う。最初に「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33を構成する関数ConvPhraseをARPモードで起動する。「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33の動作を、図5および図7で説明する。
【0027】
変数AutoReconvは、図4の「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33をARPモードで開始させるが、ADPモードとの並行動作である。図5のARPモードの「変換開始」から、X1で下側に飛ぶ。下側のX1から二本の平行線で示すORゲートで「次の文字列検出」16に入り、AutoLevelで決められた文節(nArray = 0)において、文節情報ArrayAuto[0][3]が3(英語、英略語又はローマ字)または6(カタカナ語)であればKEARM定型変換が実行可能な文節となる。非特許文献2の段落番号0129の説明のとおりArrayAuto[0][3] = 6なので、入力バッファss11[0]の文字列「マン」を変換用文字列として文字変数ss1Autoに格納し、文字長n1Auto = 2とする。次の「文字種」17に進み、「マン」は仮名なのでOR入力で「仮名文字送り」18に入り、そのままARPから出てX6で上部に飛び、上部のX6からOR入力で「変換部」9に入る。
【0028】
図5の「変換部」9の詳細図である図7の表で、行番1、動作モードARP、項番4、変換用文字列が片仮名、語尾はなし、辞書はKEARM変換用辞書、出力言語は英語でKEARM変換を行う。カタカナ語「マン」の用語属性値が-1なのでKEARM変換は翻訳変換となり、変換結果となる変換第1候補は英語となる。変換候補の出力順位は図3の(a)「出力言語が英語」の表の入力文字列が仮名である1行目の規定どおり、変換第1候補が英語、第2候補がカタカナ語、第3候補の英略語/ローマ字は登録されていないので第3候補が簡易日本語訳、最後が用語属性となり、「man マン 男、人間、夫、恋人 ///」が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4で変換しているので変換出力は文字変数szBufaに保存する。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。
【0029】
図5の「変換部」9の仮名漢字変換の複文節のARPから出て「成功?」10の判断でYから出て、OR入力で「出力選択」14aに入る。ここでszBufaが本文節の変換出力szBufzとなる。次に「カナ?」12に入るがARPモードでは対象外となり、次に「終了?」11の判断に入る。同時に、出力バッファss12[0]には変換第1候補の「man」を保存する。「終了?」11のYからX5に出る。動作モードもADPモードからADモードに変わる。ARPモードは変換終了まで維持される。
【0030】
次に、図5の「終了?」11のYから出てX5で上部に飛び、上部のX5からOR入力で「変換部」9のAD変換に入る。本実施例は単文節の変換なのでnKEARMStartArray = 0になりAD変換は第1文節の変換となる。「変換部」9の詳細説明図である図7の表では、ADPモードのときと同様に、変換第1候補が英語、第2候補がカタカナ語、第3候補が簡易日本語訳、最後が用語属性となり、「man マン 男、人間、夫、恋人 ///」が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4で変換しているので変換出力は文字変数szBufaに保存する。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。「変換部」9のAD変換のADから出てOR入力で「出力選択」14bに入る。ここでszBufaが変換情報szBufzとなる。次の「単/複出力選択」21では逐次変換の結果が単文節なので、変換情報szBufzをそのまま出力情報szBufCanとして保存し「変換成功」で終了となる。次に出力情報szBufCanは、応用プログラムとのインターフェース部である図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入る。
【0031】
図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入り、最初の部門「変換候補表示部」34の「変換候補表示実行部」34aに入る。「変換候補表示実行部」34aは関数ConvCandidateを実行し出力情報をコンピュータ管理の変換候補用構造体に送る。段落番号0030で記述のとおりnKEARMStartArray = 0なので変換候補を表示する文節は第1文節である。「変換候補表示実行部」34aで得られた変換候補表示情報ss5[0]~ss5[n](nは候補数-1)を基に「変換候補表示部」34は、「変換候補一覧表示要求」34cをコンピュータに送り「変換候補一覧表示を描く関数等」48で応用プログラムの画面「変換候補一覧表示」50のサイズや位置を決め、当該画面上に変換候補表示情報ss5[0]~ss5[3]を図11(2)変換候補一覧画面(英語)の「man マン 男、人間、夫、恋人 ///」86のように表示させる。変換候補の末端に制御文字\0があるので変換候補ごとに改行されて表示される。変換第1候補「 man」86aが選択候補となり背景色が薄青となる。
【0032】
次に、図4の第2部門「文字出力部」35の「文字列出力選択」35bに入る。逐次変換の結果が単文節なので「文字列出力選択」35bで変換第1候補ss5[0]のmanを選択し変数ss1Candに格納する。次に「出力文字表示実行部」35cは関数AddCharNを実行しss1Candの選択候補manをコンピュータ管理の編集用構造体に送る。以上の結果を基に「文字出力部」35は、「出力文字表示要求」35dをコンピュータに送り「入出力文字表示を描く関数等」47の諸関数で応用プログラムの画面「入出力文字表示」49のサイズや位置を決めた後、当該画面上に当該選択候補manを図11(2)変換候補一覧画面(英語)の「man」87のように太線の下線付きで変換結果として表示させる。次は実施例2の図12(1)逐次変換画面(仏語)からKEARM定型変換を実行する例を示す。実施例2は、実施例1と同じ逐次変換画面からのKEARM定型変換であるが、出力言語が仏語で属性値が初期値の-1でなく0の場合の実施例である。図4図12で動作説明をする。
【0033】
実施例2の図12の(1)逐次変換画面(仏語)は、出力言語が違うものの仮名漢字変換なので出力言語には関係なく、実施例1の図11(1)逐次変換画面(英語)の逐次変換画面と同様に非特許文献2の図29の(1)逐次変換画面(英語)と同じで、動作説明は非特許文献2の段落番号0127~0129で説明しており、段落番号0129では、変換第3候補である片仮名「マン」に対しカタカナ語変換可否チェックが行われており、結果としてカタカナ語のKEARM変換が可能なので、同じ画面である本書の図12の(1)逐次変換画面(仏語)の「マン」81cに示すとおり取り消し線が引かれている。これで図12の(1)逐次変換画面(仏語)はKEARM定型変換が実行できる画面であることが分かる。
【0034】
図4の「KEARM変換対象画面の条件」70aで示すとおり、実施例2の実行画面である図12の(1)逐次変換画面(仏語)は、条件(1)を満たす画面である。次に、「KEARM定型変換キー操作」70bでKEARM定型変換キー(論理キーであり、物理キーはTabキー)を押すと、「KEARM定型変換に必要な変数の設定」70cに進み、変数AutoReconv、MpxHenkanおよびKEARMHenkanが1にセットされる。整数AutoLevel = nArray+1 でKEARM定型変換の開始文節はnArray = 0なのでAutoLevelは1でKEARM定型変換の動作が始まる。最後はnKEARMStartArrayの番号の文節でADモードでAD変換を行う。最初に「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33を構成する関数ConvPhraseをARPモードで起動する。図4の「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33の動作を、図5および図7で説明する。
【0035】
変数AutoReconvは、「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33をARPモードで開始させるが、ADPモードとの並行動作である。図5のARPモードの「変換開始」から、X1で下側に飛びX1からOR入力で「次の文字列検出」16に入り、AutoLevelで決められた文節(nArray = 0)において、文節情報ArrayAuto[0][3]が3(英語、英略語又はローマ字)または6(カタカナ語)であればKEARM定型変換が実行可能な文節となる。非特許文献2の段落番号0129の説明のとおりArrayAuto[0][3] = 6なので、入力バッファss11[0]の文字列「マン」を変換用文字列として文字変数ss1Autoに格納し、文字長n1Auto = 2とする。次の「文字種」17に進み、「マン」は仮名なのでOR入力で「仮名文字送り」18に入り、そのままARPから出てX6で上部に飛び、上部のX6からOR入力で「変換部」9に入る。
【0036】
図5の「変換部」9の詳細図である図7で、行番1、動作モードARP、項番4、変換用文字列が片仮名、語尾はなし、辞書はKEARM変換用辞書、出力言語は仏語でKEARM変換を行う。カタカナ語「マン」の用語属性値が0なので実施例1とは異なり、変換候補の出力順位は図9の(c)「カタカナ語用語属性値設定表」の属性値0の規定どおり、変換第1候補がカタカナ語、第2候補が英語、第3候補の英略語/ローマ字は登録されていないので第3候補が仏語、第4候補が簡易日本語訳、最後が用語属性となり「マン man homme 男、人間、夫、恋人 //0」が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4で変換しているので変換出力をszBufaに保存する。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。
【0037】
図5の「変換部」9の仮名漢字変換の複文節のARPから出て「成功?」10の判断でYから出て、OR入力で「出力選択」14aに入る。ここでszBufaが本文節の変換出力szBufzとなる。次に「カナ?」12に入るがARPモードでは対象外となり、次に「終了?」11の判断に入る。同時に、出力バッファss12[0]には変換第1候補の「マン」を保存する。「終了?」11のYからX5に出る。動作モードもADPモードからADモードに変わる。ARPモードは変換終了まで維持される。
【0038】
次に、図5の「終了?」11のYから出てX5で上部に飛び、上部のX5からOR入力で「変換部」9のAD変換に入る。本実施例は単文節の変換なのでnKEARMStartArray = 0となりAD変換は第1文節の変換となる。「変換部」9の詳細説明図である図7の表では、ADPモードのときと同様に、変換第1候補がカタカナ語、第2候補が英語、第3候補が仏語、第4候補が簡易日本語訳、最後が用語属性となり「マン man homme 男、人間、夫、恋人 //0」が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4で変換しているので変換出力をszBufaに保存する。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。「変換部」9のAD変換のADから出てOR入力で「出力選択」14bに入る。ここでszBufaが変換情報szBufzとなる。次の「単/複出力選択」21では逐次変換の結果が単文節なので、変換情報szBufzをそのまま出力情報szBufCanとして保存し「変換成功」で終了となる。次に出力情報szBufCanは、応用プログラムとのインターフェース部である図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入る。
【0039】
図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入り、最初の部門「変換候補表示部」34の「変換候補表示実行部」34aに入る。「変換候補表示実行部」34aは関数ConvCandidateを実行し出力情報をコンピュータ管理の変換候補用構造体に送る。段落番号0038で記述のとおりnKEARMStartArray = 0なので変換候補を表示する文節は第1文節である。「変換候補表示実行部」34aで得られた変換候補表示情報ss5[0]~ss5[n](nは候補数-1)を基に「変換候補表示部」34は、「変換候補一覧表示要求」34cをコンピュータに送り「変換候補一覧表示を描く関数等」48で応用プログラムの画面「変換候補一覧表示」50のサイズや位置を決め、当該画面上に変換候補表示情報ss5[0]~ss5[3]を図12(2)変換候補一覧画面(仏語)の「マン man homme 男、人間、夫、恋人 //0」86のように表示させる。変換候補の末端に制御文字\0があるので変換候補ごとに改行されて表示される。変換第1候補「マン」86aが選択候補となり背景色が薄青となる。
【0040】
次に、図4の第2部門「文字出力部」35の「文字列出力選択」35bに入る。逐次変換の結果が単文節なので「文字列出力選択」35bで変換第1候補ss5[0]の「マン」を選択し変数ss1Candに格納する。次に「出力文字表示実行部」35cは関数AddCharNを実行しss1Candの選択候補「マン」をコンピュータ管理の編集用構造体に送る。以上の結果を基に「文字出力部」35は、「出力文字表示要求」35dをコンピュータに送り「入出力文字表示を描く関数等」47の諸関数で応用プログラムの画面「入出力文字表示」49のサイズや位置を決めた後、当該画面上に当該選択候補を図12(2)変換候補一覧画面(仏語)の「マン」87のように太線の下線付きで変換結果として表示させる。次は実施例3の図13(1)逐次変換画面(仏語)からKEARM定型変換を実行する例を示す。実施例3は、KEARM変換用辞書の仏語版のカタカナ語「ブラック」の用語属性値が5に設定されている動作例なので検索方式が1文字検索となり、入力文字列「ぶらっく」の先頭の1文字「ぶ」による仮名漢字変換の逐次変換画面から実行するKEARM定型変換である。図4図13で動作説明をする。
【0041】
実施例3の図13の(1)逐次変換画面(仏語)は、非特許文献2の図42の(3)逐次変換画面(仏語)と同じで、動作説明は非特許文献2の段落番号0180~0181で説明しており、段落番号0181では、変換第3候補である片仮名「ブ」に対しカタカナ語変換可否チェックが行われており、結果としてカタカナ語のKEARM変換が可能なので「ブ」に取り消し線が引かれている。同じ画面である本書の図13の(1)逐次変換画面(仏語)の「ブ」81cに示すとおりである。これで図13の(1)逐次変換画面(仏語)はKEARM定型変換が実行できる画面であることが分かる。
【0042】
図4の「KEARM変換対象画面の条件」70aで示すとおり、実施例3の実行画面である図13の(1)逐次変換画面(仏語)は、条件(1)を満たす画面である。次に、「KEARM定型変換キー操作」70bでKEARM定型変換キー(論理キーであり、物理キーはTabキー)を押すと、「KEARM定型変換に必要な変数の設定」70cに進み、変数AutoReconv、MpxHenkanおよびKEARMHenkanが1にセットされる。整数AutoLevel = nArray+1 でKEARM定型変換の開始文節はnArray = 0なのでAutoLevelは1でKEARM定型変換の動作が始まる。最後はnKEARMStartArrayの番号の文節でADモードでAD変換を行う。最初に「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33を構成する関数ConvPhraseをARPモードで起動する。「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33の動作を、図5および図7で説明する。
【0043】
変数AutoReconvは、「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33をARPモードで開始させるが、ADPモードとの並行動作である。図5のARPモードの「変換開始」から、X1で下側に飛びOR入力で「次の文字列検出」16に入り、AutoLevelで決められた文節(nArray = 0)において、文節情報ArrayAuto[0][3]が3(英語、英略語又はローマ字)または6(カタカナ語)であればKEARM定型変換が実行可能な文節となる。非特許文献2の段落番号0181の説明のとおりArrayAuto[0][3] = 6なので、入力バッファss11[0]の文字列「ブ」を変換用文字列として文字変数ss1Autoに格納し、文字長n1Auto = 1とする。次の「文字種」17に進み、「ブ」は仮名なのでOR入力で「仮名文字送り」18に入り、そのままARPから出てX6で上部に飛び、上部のX6からOR入力で「変換部」9に入る。
【0044】
図5の「変換部」9の詳細図である図7で、行番1、動作モードARP、項番4、変換用文字列が片仮名、語尾はなし、辞書はKEARM変換用辞書、出力言語は仏語でKEARM変換を行う。カタカナ語「ブラック」の用語属性値が5なので実施例2と同様に、変換候補の出力順位は図9の(c)「カタカナ語用語属性値設定表」属性値5の規定どおり、変換第1候補が英語、第2候補がカタカナ語、第3候補はローマ字、第4候補が仏語、第5候補が簡易日本語訳、最後が用語属性となり「black ブラック kuro, kuroi、黒、黒い、黒人の、不吉な //5」が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4で変換しているので変換出力をszBufaに保存する。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。
【0045】
図5の「変換部」9の仮名漢字変換の複文節のARPから出て「成功?」10の判断でYから出て、OR入力で「出力選択」14aに入る。ここでszBufaが本文節の変換出力szBufzとなる。次に「カナ?」12に入るがARPモードでは対象外となり、次に「終了?」11の判断に入る。同時に、出力バッファss12[0]には変換第1候補の「black」を保存する。「終了?」11のYからX5に出る。動作モードもADPモードからADモードに変わる。ARPモードは変換終了まで維持される。
【0046】
次に、図5の「終了?」11のYから出てX5で上部に飛び、上部のX5からOR入力で「変換部」9のAD変換に入る。本実施例は単文節の変換なのでnKEARMStartArray = 0でありAD変換は第1文節の変換となる。「変換部」9の詳細説明図である図7の表では、ADPモードのときと同様に、変換第1候補が英語、第2候補がカタカナ語、第3候補がローマ字、第4候補が簡易日本語訳、最後が用語属性となり「black ブラック kuro, kuroi、黒、黒い、黒人の、不吉な //5」が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4で変換しているので変換出力をszBufaに保存する。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。「変換部」9のAD変換のADから出てOR入力で「出力選択」14bに入る。ここでszBufaが変換情報szBufzとなる。次の「単/複出力選択」21では逐次変換の結果が単文節なので、変換情報szBufzがそのまま出力情報szBufCanとして保存し「変換成功」で終了となる。次に出力情報szBufCanは、応用プログラムとのインターフェース部である図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入る。
【0047】
図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入り、最初の部門「変換候補表示部」34の「変換候補表示実行部」34aに入る。「変換候補表示実行部」34aは関数ConvCandidateを実行し出力情報をコンピュータ管理の変換候補用構造体に送る。段落番号0046で記述のとおりnKEARMStartArray = 0なので変換候補を表示する文節は第1文節である。「変換候補表示実行部」34aで得られた変換候補表示情報ss5[0]~ss5[n](nは候補数-1)を基に「変換候補表示部」34は、「変換候補一覧表示要求」34cをコンピュータに送り「変換候補一覧表示を描く関数等」48で応用プログラムの画面「変換候補一覧表示」50のサイズや位置を決め、当該画面上に変換候補表示情報ss5[0]~ss5[3]を図13(2)変換候補一覧画面(仏語)の「black ブラック kuro, kuroi、黒、黒い、黒人の、不吉な //5」86のように表示させる。変換候補の末端に制御文字\0があるので変換候補ごとに改行されて表示される。変換第1候補「black」86aが選択候補となり背景色が薄青となる。
【0048】
次に、図4の第2部門「文字出力部」35の「文字列出力選択」35bに入る。逐次変換の結果が単文節なので「文字列出力選択」35bで変換第1候補ss5[0]のblackを選択し変数ss1Candに格納する。次に「出力文字表示実行部」35cは関数AddCharNを実行しss1Candの選択候補blackをコンピュータ管理の編集用構造体に送る。以上の結果を基に「文字出力部」35は、「出力文字表示要求」35dをコンピュータに送り「入出力文字表示を描く関数等」47の諸関数で応用プログラムの画面「入出力文字表示」49のサイズや位置を決めた後、当該画面上に当該選択候補blackを図13(2)変換候補一覧画面(英語)の「black」87のように太線の下線付きで変換結果として表示させる。次は実施例4の図14(1)逐次変換画面(英語)からKEARM定型変換を実行する例を示す。実施例4は、実施例1~3と同様に単文節の変換であるが、出力言語が英語で変換対象となる用語が複数ある。変換対象となる用語が複数ある場合、変換候補一覧画面が、複数の用語の候補を表示する変換候補簡易表示画面になる。図4図14で動作説明をする。
【0049】
実施例4の図14の(1)逐次変換画面(英語)は、非特許文献2の図30の(1)逐次変換画面(英語)と同じで、動作説明は非特許文献2の段落番号0131~0133で説明しており、段落番号0133では、変換第2候補である片仮名「ラン」に対しカタカナ語変換可否チェックが行われ、結果としてカタカナ語のKEARM変換が可能なので「ラン」に取り消し線が引かれている。同じ画面である本書の図14の(1)逐次変換画面(英語)の「ラン」81bに示すとおりである。これで図14の(1)逐次変換画面(英語)はKEARM定型変換が実行できる画面であることが分かる。
【0050】
図4の「KEARM変換対象画面の条件」70aで示すとおり、実施例4の実行画面である図14の(1)逐次変換画面(英語)は、条件(1)を満たす画面である。次に、「KEARM定型変換キー操作」70bでKEARM定型変換キー(論理キーであり、物理キーはTabキー)を押すと、「KEARM定型変換に必要な変数の設定」70cに進み、変数AutoReconv、MpxHenkanおよびKEARMHenkanが1にセットされる。整数AutoLevel = nArray+1 でKEARM定型変換の開始文節はnArray = 0なのでAutoLevelは1でKEARM定型変換の動作が始まる。最後はnKEARMStartArrayの番号の文節でADモードでAD変換を行う。最初に「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33を構成する関数ConvPhraseをARPモードで起動する。「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33の動作を、図5および図7で説明する。
【0051】
変数AutoReconvは、「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33をARPモードで開始させるが、ADPモードとの並行動作である。図5のARPモードの「変換開始」から、X1で下側に飛び、下側のX1からOR入力で「次の文字列検出」16に入り、AutoLevelで決められた文節(nArray = 0)において、文節情報ArrayAuto[0][3]が3(英語、英略語又はローマ字)または6(カタカナ語)であればKEARM定型変換が実行可能な文節となる。非特許文献2の段落番号0133の説明のとおりArrayAuto[0][3] = 6なので、入力バッファss11[0]の文字列「ラン」を変換用文字列として文字変数ss1Autoに格納し、文字長n1Auto = 2とする。次の「文字種」17に進み、「ラン」は仮名なのでOR入力で「仮名文字送り」18に入り、そのままARPから出てX6で上部に飛び、上部のX6からOR入力で「変換部」9に入る。
【0052】
図5の「変換部」9の詳細図である図7の表で、行番1、動作モードARP、項番4、変換用文字列が片仮名、語尾はなし、辞書はKEARM変換用辞書、出力言語は英語でKEARM変換を行う。出力言語が英語で、変換対象となる用語が複数あるのでそれぞれの用語の変換候補を「英語+簡易日本語訳」で示す変換候補簡易表示画面になり「local area network 一施設内程度のコンピュータネットワーク run 走る、去る、点」が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4で変換しているので変換出力をszBufaに保存する。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。
【0053】
図5の「変換部」9の仮名漢字変換の複文節のARPから出て「成功?」10の判断でYから出て、OR入力で「出力選択」14aに入る。ここでszBufaが本文節の変換出力szBufzとなる。次に「カナ?」12に入るがARPモードでは対象外となり、次に「終了?」11の判断に入る。同時に、出力バッファss12[0]には変換第1候補の先頭部分である「local area network」を保存する。「終了?」11のYからX5に出る。動作モードもADPモードからADモードに変わる。ARPモードは変換終了まで維持される。
【0054】
次に、図5の「終了?」11のYから出てX5で上部に飛び、上部のX5からOR入力で「変換部」9のAD変換に入る。本実施例は単文節の変換なのでnKEARMStartArray = 0となりAD変換は第1文節の変換となる。「変換部」9の詳細説明図である図7の表では、ADPモードのときと同様に、「local area network 一施設内程度のコンピュータネットワーク run 走る、去る、点」が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4の変換なので変換出力は文字変数szBufaに保存する。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。「変換部」9のAD変換のADから出てOR入力で「出力選択」14bに入る。ここでszBufaが変換情報szBufzとなる。次の「単/複出力選択」21では逐次変換の結果が単文節なので、変換情報szBufzをそのまま出力情報szBufCanとして保存し「変換成功」で終了となる。次に出力情報szBufCanは、応用プログラムとのインターフェース部である図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入る。
【0055】
図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入り、最初の部門「変換候補表示部」34の「変換候補表示実行部」34aに入る。「変換候補表示実行部」34aは関数ConvCandidateを実行し出力情報をコンピュータ管理の変換候補用構造体に送る。段落番号0054で記述のとおりnKEARMStartArray = 0なので変換候補を表示する文節は第1文節である。「変換候補表示実行部」34aで得られた変換候補表示情報ss5[0]~ss5[n](nは候補数-1)を基に「変換候補表示部」34は、「変換候補一覧表示要求」34cをコンピュータに送り「変換候補一覧表示を描く関数等」48で応用プログラムの画面「変換候補一覧表示」50のサイズや位置を決め、当該画面上に変換候補表示情報ss5[0]~ss5[1]を図14(2)変換候補簡易表示画面(英語)の「local area network 一施設内程度のコンピュータネットワーク run 走る、去る、点」86のように表示させる。変換候補の末端に制御文字\0があるので変換候補ごとに改行されて表示される。変換第1候補が選択候補となり、選択候補の先頭部分「local area network」86aの背景色が薄赤となる。
【0056】
次に、図4の第2部門「文字出力部」35の「文字列出力選択」35bに入る。逐次変換の結果が単文節で、かつ、簡易表示画面なので「文字列出力選択」35bで選択候補である変換第1候補ss5[0]の先頭部分である「local area network」を変数ss1Candに格納する。次に「出力文字表示実行部」35cは関数AddCharNを実行しss1Candの「local area network」をコンピュータ管理の編集用構造体に送る。以上の結果を基に「文字出力部」35は、「出力文字表示要求」35dをコンピュータに送り「入出力文字表示を描く関数等」47の諸関数で応用プログラムの画面「入出力文字表示」49のサイズや位置を決めた後、当該画面上に当該選択候補の先頭部分を図14(2)変換候補簡易表示画面(英語)の「local area network」87のように太線の下線付きで変換結果として表示させる。
【0057】
図14の(2)変換候補簡易表示画面(英語)からKEARM詳細変換を実行すると、「らん」の(カタカナ語のうち英語local area networkに対応する)変換候補一覧画面(英語)を表示できる。KEARM詳細変換は、非特許文献2の段落番号0025で記述の多機能型日本語入力システムの項目(7)「日本語入力システムのKEARM詳細変換」のことであり、詳細は別途出願予定の書類で説明する。次は実施例5の出力言語が仏語の場合のKEARM定型変換の動作例を示す。
【0058】
実施例5の図15の(1)逐次変換画面(仏語)は、出力言語は異なるものの仮名漢字変換なので出力言語は関係せず、実施例4と同様に非特許文献2の図30の(1)逐次変換画面(英語)と同じであり、動作説明は非特許文献2の段落番号0131~0133で説明しており、段落番号0133では、変換第2候補である片仮名「ラン」に対しカタカナ語変換可否チェックが行われ、結果としてカタカナ語のKEARM変換が可能なので「ラン」に取り消し線が引かれている。同じ画面である本書の図15の(1)逐次変換画面(仏語)の「ラン」81bに示すとおりである。これで図15の(1)逐次変換画面(仏語)はKEARM定型変換が実行できる画面であることが分かる。
【0059】
図4の「KEARM変換対象画面の条件」70aで示すとおり、実施例5の実行画面である図15の(1)逐次変換画面(仏語)は、条件(1)を満たす画面である。次に、「KEARM定型変換キー操作」70bでKEARM定型変換キー(論理キーであり、物理キーはTabキー)を押すと、「KEARM定型変換に必要な変数の設定」70cに進み、変数AutoReconv、MpxHenkanおよびKEARMHenkanが1にセットされる。整数AutoLevel = nArray+1 でKEARM定型変換の開始文節はnArray = 0なのでAutoLevelは1でKEARM定型変換の動作が始まる。最後はnKEARMStartArrayの番号の文節でADモードでAD変換を行う。最初に「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33を構成する関数ConvPhraseをARPモードで起動する。「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33の動作を、図5および図7で説明する。
【0060】
変数AutoReconvは、「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33をARPモードで開始させるが、ADPモードとの並行動作である。図5のARPモードの「変換開始」から、X1で下側に飛び、下側のX1からOR入力で「次の文字列検出」16に入り、AutoLevelで決められた文節(nArray = 0)において、文節情報ArrayAuto[0][3]が3(英語、英略語又はローマ字)または6(カタカナ語)であればKEARM定型変換が実行可能な文節となる。非特許文献2の段落番号0133の説明のとおりArrayAuto[0][3] = 6なので、入力バッファss11[0]の文字列「ラン」を変換用文字列として文字変数ss1Autoに格納し、文字長n1Auto = 2とする。次の「文字種」17に進み、「ラン」は仮名なのでOR入力で「仮名文字送り」18に入り、そのままARPから出てX6で上部に飛び、上部のX6からOR入力で「変換部」9に入る。
【0061】
図5の「変換部」9の詳細図である図7の表で、行番1、動作モードARP、項番4、変換用文字列が片仮名、語尾はなし、辞書はKEARM変換用辞書、出力言語は仏語でKEARM変換を行う。出力言語が仏語で、変換対象となる用語が複数あるのでそれぞれの用語の変換候補を「仏語+英語」で示す変換候補簡易表示画面になり「reseau local, LAN local area network courir run」が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4で変換しているので変換出力をszBufaに保存する。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。「変換部」9の仮名漢字変換の複文節のARPから出て「成功?」10の判断でYから出て、OR入力で「出力選択」14aに入る。ここでszBufaが本文節の変換出力szBufzとなる。次に「カナ?」12に入るがARPモードでは対象外となり、次に「終了?」11の判断に入る。同時に、第1文節の出力バッファss12[0]には変換第1候補の先頭部分である「reseau local」を保存する。「終了?」11のYからX5に出る。動作モードもADPモードからADモードに変わる。ARPモードは変換終了まで維持される。
【0062】
次に、図5の「終了?」11のYから出てX5で上部に飛び、上部のX5からOR入力で「変換部」9のAD変換に入る。本実施例は単文節の変換なのでnKEARMStartArray = 0となりAD変換は第1文節の変換となる。「変換部」9の詳細説明図である図7の表では、ADPモードのときと同様に、「reseau local, LAN local area network courir run」が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4での変換なので変換出力は文字変数szBufaに保存する。変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。「変換部」9のAD変換のADから出てOR入力で「出力選択」14bに入る。ここでszBufaが変換情報szBufzとなる。次の「単/複出力選択」21では逐次変換の結果が単文節なので、変換情報szBufzがそのまま出力情報szBufCanとして保存し「変換成功」で終了となる。次に出力情報szBufCanは、応用プログラムとのインターフェース部である図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入る。
【0063】
図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入り、最初の部門「変換候補表示部」34の「変換候補表示実行部」34aに入る。「変換候補表示実行部」34aは関数ConvCandidateを実行し出力情報をコンピュータ管理の変換候補用構造体に送る。段落番号0062で記述のとおりnKEARMStartArray = 0なので変換候補を表示する文節は第1文節である。「変換候補表示実行部」34aで得られた変換候補表示情報ss5[0]~ss5[n](nは候補数-1)を基に「変換候補表示部」34は、「変換候補一覧表示要求」34cをコンピュータに送り「変換候補一覧表示を描く関数等」48で応用プログラムの画面「変換候補一覧表示」50のサイズや位置を決め、当該画面上に変換候補表示情報ss5[0]~ss5[1]を図15(2)変換候補簡易表示画面(英語)の「reseau local, LAN local area network courir run」86のように表示させる。変換候補の末端に制御文字\0があるので変換候補ごとに改行されて表示される。変換第1候補が選択候補となり、選択候補の先頭部分「reseau local」86aの背景色が薄赤となる。
【0064】
次に、図4の第2部門「文字出力部」35の「文字列出力選択」35bに入る。逐次変換の結果が単文節で、かつ、簡易表示画面なので「文字列出力選択」35bで選択候補である変換第1候補ss5[0]の先頭部分である「reseau local」を選択し変数ss1Candに格納する。次に「出力文字表示実行部」35cは関数AddCharNを実行しss1Candの「reseau local」をコンピュータ管理の編集用構造体に送る。以上の結果を基に「文字出力部」35は、「出力文字表示要求」35dをコンピュータに送り「入出力文字表示を描く関数等」47の諸関数で応用プログラムの画面「入出力文字表示」49のサイズや位置を決めた後、当該画面上に当該選択候補の先頭部分を図15(2)変換候補簡易表示画面(英語)の「reseau local」87のように太線の下線付きで変換結果として表示させる。
【0065】
図15の(2)変換候補簡易表示画面(仏語)からKEARM詳細変換を実行すると、「らん」の(カタカナ語のうち仏語reseau localに対応する)変換候補一覧画面(仏語)を表示できる。次は実施例6の出力言語が多言語の場合のKEARM定型変換の動作例を示す。
【0066】
実施例6の図16の(1)逐次変換画面(多言語)は、出力言語は異なるものの仮名漢字変換なので出力言語は関係せず、実施例1~2と同様に非特許文献2の図29の(1)逐次変換画面(英語)と同じであり、動作説明は非特許文献2の段落番号0127~0129で説明しており、段落番号0129では、変換第3候補である片仮名「マン」に対しカタカナ語変換可否チェックが行われ、結果としてカタカナ語のKEARM変換が可能なので、同じ画面である本書の図16の(1)逐次変換画面(多言語)の「マン」81cに示すとおり取り消し線が引かれている。これで図16の(1)逐次変換画面(多言語)はKEARM定型変換が実行できる画面であることが分かる。
【0067】
図4の「KEARM変換対象画面の条件」70aで示すとおり、実施例6の実行画面である図16の(1)逐次変換画面(多言語)は、条件(1)を満たす画面である。次に、「KEARM定型変換キー操作」70bでKEARM定型変換キー(論理キーであり、物理キーはTabキー)を押すと、「KEARM定型変換に必要な変数の設定」70cに進み、変数AutoReconv、MpxHenkanおよびKEARMHenkanが1にセットされる。整数AutoLevel = nArray+1 でKEARM定型変換の開始文節はnArray = 0なのでAutoLevelは1でKEARM定型変換の動作が始まる。最後はnKEARMStartArrayの番号の文節でADモードでAD変換を行う。最初に「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33を構成する関数ConvPhraseをARPモードで起動する。「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33の動作を、図5および図7で説明する。
【0068】
変数AutoReconvは、「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33をARPモードで開始させるが、ADPモードとの並行動作である。図5のARPモードの「変換開始」から、X1で下側に飛び、下側のX1からOR入力で「次の文字列検出」16に入り、AutoLevelで決められた文節(nArray = 0)において、文節情報ArrayAuto[0][3]が3(英語、英略語又はローマ字)または6(カタカナ語)であればKEARM定型変換が実行可能な文節となる。非特許文献2の段落番号0129の説明のとおりArrayAuto[0][3] = 6なので、入力バッファss11[0]の文字列「マン」を変換用文字列として文字変数ss1Autoに格納し、文字長n1Auto = 2とする。次の「文字種」17に進み、「マン」は仮名なのでOR入力で「仮名文字送り」18に入り、そのままARPから出てX6で上部に飛び、上部のX6からOR入力で「変換部」9に入る。
【0069】
図5の「変換部」9の詳細図である図7で、行番1、動作モードARP、項番4、変換用文字列が片仮名、語尾はなし、辞書はKEARM変換用辞書、出力言語は多言語でKEARM変換を行う。出力言語が多言語なのでカタカナ語「マン」の用語属性値には関係せず、図3の(c)出力言語が多言語の表の入力文字列が仮名である1行目の規定どおり、変換第1候補が英語、第2候補がカタカナ語、第3~11が9カ国語の単語、第12候補が簡易日本語訳となり「man マン・・・ 男、人間、夫、恋人」が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4で変換しているので変換出力をszBufaに保存する。このとき事前に検索のみ行い複数の用語が対象となるか否かチェックする。「まん」の場合変換対象用語が一つだけなので変数MultiSel = 0とする。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。「変換部」9の仮名漢字変換の複文節のARPから出て「成功?」10の判断でYから出て、OR入力で「出力選択」14aに入る。ここでszBufaが本文節の変換出力szBufzとなる。次に「カナ?」12に入るがARPモードでは対象外となり、次に「終了?」11の判断に入る。同時に、出力バッファss12[0]には変換第1候補である「man」を保存する。「終了?」11のYからX5に出る。動作モードもADPモードからADモードに変わる。ARPモードは変換終了まで維持される。
【0070】
次に、図5の「終了?」11のYから出てX5で上部に飛び、上部のX5からOR入力で「変換部」9のAD変換に入る。本実施例は単文節の変換なのでnKEARMStartArray = 0となりAD変換は第1文節の変換となる。「変換部」9の詳細説明図である図7の表では、ADPモードのときと同様に、変換第1候補が英語、第2候補がカタカナ語、第3~11が9カ国語の単語、第12候補が簡易日本語訳となり「man マン・・・ 男、人間、夫、恋人」が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4で変換しているので変換出力をszBufaに保存する。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。「変換部」9のAD変換のADから出てOR入力で「出力選択」14bに入る。ここでszBufaが変換情報szBufzとなる。次の「単/複出力選択」21では逐次変換の結果が単文節なので、変換情報szBufzをそのまま出力情報szBufCanとして保存し「変換成功」で終了となる。次に出力情報szBufCanは、応用プログラムとのインターフェース部である図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入る。
【0071】
図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入り、最初の部門「変換候補表示部」34の「変換候補表示実行部」34aに入る。「変換候補表示実行部」34aは関数ConvCandidateを実行し出力情報をコンピュータ管理の変換候補用構造体に送る。段落番号0070で記述のとおりnKEARMStartArray = 0なので変換候補を表示する文節は第1文節である。「変換候補表示実行部」34aで得られた変換候補表示情報ss5[0]~ss5[n](nは候補数-1)を基に「変換候補表示部」34は、「変換候補一覧表示要求」34cをコンピュータに送り「変換候補一覧表示を描く関数等」48で応用プログラムの画面「変換候補一覧表示」50のサイズや位置を決め、当該画面上に変換候補表示情報ss5[0]~ss5[11]を図16(2)変換候補一覧画面(多言語)の「英. man 日. マン・・・訳. 男、人間、夫、恋人」86のように表示させる。多言語の場合は各候補の先頭に各言語の略号を置く。また変換候補の末端に制御文字\0があるので変換候補ごとに改行されて表示される。変換第1候補が選択候補となり、言語の略号付きの「英. man」86aの背景色が薄青となる。
【0072】
次に、図4の第2部門「文字出力部」35の「文字列出力選択」35bに入る。逐次変換の結果が単文節なので「文字列出力選択」35bで変換第1候補であるss5[0]のmanを選択候補として変数ss1Candに格納する。次に「出力文字表示実行部」35cは関数AddCharNを実行しss1Candの選択候補manをコンピュータ管理の編集用構造体に送る。以上の結果を基に「文字出力部」35は、「出力文字表示要求」35dをコンピュータに送り「入出力文字表示を描く関数等」47の諸関数で応用プログラムの画面「入出力文字表示」49のサイズや位置を決めた後、当該画面上に当該選択候補manを図16(2)変換候補一覧画面(多言語)の「man」87のように太線の下線付きで変換結果として表示させる。次は実施例7の出力言語が多言語で変換対象となる用語が複数ある場合のKEARM定型変換の動作例を示す。
【0073】
実施例7の図17の(1)逐次変換画面(多言語)は、出力言語は異なるものの仮名漢字変換なので出力言語は関係せず、非特許文献2の図30の(1)逐次変換画面(英語)と同じであり、動作説明は非特許文献2の段落番号0131~0133で説明しており、段落番号0133では、変換第2候補である片仮名「ラン」に対しカタカナ語変換可否チェックが行われ、結果としてカタカナ語のKEARM変換が可能なので「ラン」に取り消し線が引かれている。同じ画面である本書の図17の(1)逐次変換画面(多言語)の「ラン」81bに示すとおりである。これで図17の(1)逐次変換画面(多言語)はKEARM定型変換が実行できる画面であることが分かる。
【0074】
図4の「KEARM変換対象画面の条件」70aで示すとおり、実施例7の実行画面である図17の(1)逐次変換画面(多言語)は、条件(1)を満たす画面である。次に、「KEARM定型変換キー操作」70bでKEARM定型変換キー(論理キーであり、物理キーはTabキー)を押すと、「KEARM定型変換に必要な変数の設定」70cに進み、変数AutoReconv、MpxHenkanおよびKEARMHenkanが1にセットされる。整数AutoLevel = nArray+1 でKEARM定型変換の開始文節はnArray = 0なのでAutoLevelは1でKEARM定型変換の動作が始まる。最後はnKEARMStartArrayの番号の文節でADモードでAD変換を行う。最初に「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33を構成する関数ConvPhraseをARPモードで起動する。「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33の動作を、図5および図7で説明する。
【0075】
変数AutoReconvは、「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33をARPモードで開始させるが、ADPモードとの並行動作である。図5のARPモードの「変換開始」から、X1で下側に飛び、下側のX1からOR入力で「次の文字列検出」16に入り、AutoLevelで決められた文節(nArray = 0)において、文節情報ArrayAuto[0][3]が3(英語、英略語又はローマ字)または6(カタカナ語)であればKEARM定型変換が実行可能な文節となる。非特許文献2の段落番号0133の説明のとおりArrayAuto[0][3] = 6なので、入力バッファss11[0]の文字列「マン」を変換用文字列として文字変数ss1Autoに格納し、文字長n1Auto = 2とする。次の「文字種」17に進み、「マン」は仮名なのでOR入力で「仮名文字送り」18に入り、そのままARPから出てX6で上部に飛び、上部のX6からOR入力で「変換部」9に入る。
【0076】
図5の「変換部」9の詳細図である図7の表で、行番1、動作モードARP、項番4、変換用文字列が片仮名、語尾はなし、辞書はKEARM変換用辞書、出力言語は多言語でKEARM変換を行う。出力言語が多言語なのでカタカナ語「ラン」の用語属性値には関係せず、図3の(c)「出力言語が多言語」の表の入力文字列が仮名である1行目の規定どおり、変換第1候補が英語、第2候補がカタカナ語、第3~11が9カ国語の単語、第12候補が簡易日本語訳となる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。このとき事前に検索のみ行い複数の用語が対象となるかチェックする。「らん」の場合複数の変換対象用語があることが分かるので変数MultiSel = 1とする。複数の対象用語がある場合は変換はアルファベット順なので、最初のKEARM変換は「LAN」を対象とした多言語KEARM変換となり「local area network ラン・・・ 一施設内程度のコンピュータネットワーク」が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4での変換なので変換出力は文字変数szBufaに保存する。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。「変換部」9の仮名漢字変換の複文節のARPから出て「成功?」10の判断でYから出て、OR入力で「出力選択」14aに入る。ここでszBufaが本文節の変換出力szBufzとなる。次に「カナ?」12に入るがARPモードでは対象外となり、次に「終了?」11の判断に入る。同時に、出力バッファss12[0]には変換第1候補である「local area network」を保存する。「終了?」11のYからX5に出る。動作モードもADPモードからADモードに変わる。ARPモードは変換終了まで維持される。
【0077】
次に、図5の「終了?」11のYから出てX5で上部に飛び、上部のX5からOR入力で「変換部」9のAD変換に入る。本実施例は単文節の変換なのでnKEARMStartArray = 0となりAD変換は第1文節の変換となる。「変換部」9の詳細説明図である図7の表では、ADPモードのときと同様に、「local area network ラン・・・ 一施設内程度のコンピュータネットワーク」が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4での変換なので変換出力は文字変数szBufaに保存する。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。「変換部」9のAD変換のADから出てOR入力で「出力選択」14bに入る。ここでszBufaが変換情報szBufzとなる。次の「単/複出力選択」21では逐次変換の結果が単文節なので、変換情報szBufzがそのまま出力情報szBufCanとして保存し「変換成功」で終了となる。次に出力情報szBufCanは、応用プログラムとのインターフェース部である図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入る。
【0078】
図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入り、最初の部門「変換候補表示部」34の「変換候補表示実行部」34aに入る。「変換候補表示実行部」34aは関数ConvCandidateを実行し出力情報をコンピュータ管理の変換候補用構造体に送る。段落番号0077で記述のとおりnKEARMStartArray = 0なので変換候補を表示する文節は第1文節である。「変換候補表示実行部」34aで得られた変換候補表示情報ss5[0]~ss5[n](nは候補数-1)を基に「変換候補表示部」34は、「変換候補一覧表示要求」34cをコンピュータに送り「変換候補一覧表示を描く関数等」48で応用プログラムの画面「変換候補一覧表示」50のサイズや位置を決め、当該画面上に変換候補表示情報ss5[0]~ss5[11]を図17(2)変換候補一覧画面(多言語)の「英. local area network 日. ラン・・・ 一施設内程度のコンピュータネットワーク」86のように表示させる。多言語の場合は各候補の先頭に各言語の略号を置く。また変換候補の末端に制御文字\0があるので変換候補ごとに改行されて表示される。段落番号0076で記述のとおり変換対象用語が複数あり変数MultiSel = 1なので、当該画面の最下行の左端に「Tab(1)・・・」91が表示される。変換第1候補が選択候補となり、言語の略号付きの「英. local area network」86aの背景色が薄青となる。
【0079】
次に、図4の第2部門「文字出力部」35の「文字列出力選択」35bに入る。逐次変換の結果が単文節なので「文字列出力選択」35bで変換第1候補であるss5[0]の「local area network」を選択候補として変数ss1Candに格納する。次に「出力文字表示実行部」35cは関数AddCharNを実行しss1Candの選択候補「local area network」をコンピュータ管理の編集用構造体に送る。以上の結果を基に「文字出力部」35は、「出力文字表示要求」35dをコンピュータに送り「入出力文字表示を描く関数等」47の諸関数で応用プログラムの画面「入出力文字表示」49のサイズや位置を決めた後、当該画面上に当該選択候補「local area network」を図17(2)変換候補一覧画面(多言語)の「local area network」87のように太線の下線付きで変換結果として表示させる。
【0080】
図17の(2)変換候補一覧画面(多言語)からKEARM詳細変換を実行すると、「らん」の(カタカナ語のうち二番目の用語である英語runに対応する)変換候補一覧画面(多言語)を表示できる。次は実施例8の逐次変換画面が複文節の場合のKEARM定型変換の動作例を示す。
【0081】
実施例8の図18の(1)逐次変換画面(英語)は、非特許文献2の図31の(1)逐次変換画面(英語)と同じであり、動作説明は非特許文献2の段落番号0135~0136で説明しており、第2文節の変換第2候補である片仮名「ラン」に対するカタカナ語変換可否チェックは、別の動作例である非特許文献2の段落番号0133で説明があり、結果としてカタカナ語「ラン」のKEARM変換は可能であるが、「ラン」は第2文節の変換第1候補ではないので、代わりに第2文節の変換第1候補である「欄」に取り消し線が引かれている。同じ図である本書の図18の(1)逐次変換画面(英語)の「文芸欄」81に示すとおりである。これで図18の(1)逐次変換画面(英語)はKEARM定型変換が実行できる画面であることが分かる。
【0082】
図4の「KEARM変換対象画面の条件」70aで示すとおり、実施例8の実行画面である図18の(1)逐次変換画面(英語)は、条件(1)を満たす画面である。次に、「KEARM定型変換キー操作」70bでKEARM定型変換キー(論理キーであり、物理キーはTabキー)を押すと、「KEARM定型変換に必要な変数の設定」70cに進み、変数AutoReconv、MpxHenkanおよびKEARMHenkanが1にセットされる。整数AutoLevel = nArray+1 でKEARM定型変換の開始文節はnArray = 0なのでAutoLevelは1でKEARM定型変換の動作が始まる。最後はnKEARMStartArrayの番号の文節でADモードでAD変換を行う。最初に「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33を構成する関数ConvPhraseをARPモードで起動する。「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33の動作を、図5および図7で説明する。
【0083】
変数AutoReconvは、「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33をARPモードで開始させるが、ADPモードとの並行動作である。図5のARPモードの「変換開始」から、X1で下側に飛び、下側のX1からOR入力で「次の文字列検出」16に入り、AutoLevelで決められた文節(nArray = 0)において、文節情報ArrayAuto[0][3]が3(英語または英略語/ローマ字)または6(カタカナ語)かチェックする。第1文節の「ぶんげい」には該当するカタカナ語がないのでArrayAuto[0][3] = 0であり第2文節に進み、第2文節の「らん」に関しては、非特許文献2の段落番号0133で記述のとおり、第2文節は「欄 ラン 乱 蘭 卵・・・」の変換出力であり変換出力のニ番目の変換候補「ラン」が片仮名なので、KEARM変換でカタカナ語変換可否のチェックを行い、「ラン」がKEARM変換可能であることを確認し、「ラン」の代わりに変換第1候補である「欄」に取り消し線が引かれている。これによりArrayAuto[1][3] = 6となりKEARM定型変換が可能なので、入力バッファss11[1]の文字列「ラン」を変換用文字列として文字変数ss1Autoに格納し、文字長n1Auto = 2とする。次の「文字種」17に進み、「ラン」は仮名なのでOR入力で「仮名文字送り」18に入り、そのままARPから出てX6で上部に飛び、上部のX6からOR入力で「変換部」9に入る。
【0084】
図5の「変換部」9の詳細図である図7の表で、行番1、動作モードARP、項番4、出力言語が英語で変換用文字列を「ラン」としてKEARM変換用辞書により変換する。KEARM変換用辞書のカタカナ語「ラン」には変換対象となる用語が2つあるので簡易表示となる。出力言語が英語なので「英語+簡易日本語訳」の文字列「local area network 一施設内程度のコンピュータネットワーク run 走る、さる、点」が変換出力となる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4での変換なので変換出力は文字変数szBufaに保存する。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。「変換部」9の仮名漢字変換の複文節のARPから出て「成功?」10の判断でYから出て、OR入力で「出力選択」14aに入る。ここでszBufaが本文節の変換出力szBufzとなる。次に「カナ?」12に入るがARPモードでは対象外となり、次に「終了?」11の判断に入る。同時に、第2文節の出力バッファss12[1]には変換第1候補の先頭部分である「local area network」を保存する。「終了?」11のYからX5に出る。動作モードもADPモードからADモードに変わる。ARPモードは変換終了まで維持される。
【0085】
次に、図5の「終了?」11のYから出てX5で上部に飛び、上部のX5からOR入力で「変換部」9のAD変換に入る。本実施例ではnKEARMStartArray = 1でありAD変換は第2文節の変換となる。「変換部」9の詳細説明図である図7の表では、ADPモードのときと同様に、変換対象となる用語が2つあるので簡易表示となり、出力言語が英語なので「英語+簡易日本語訳」の文字列「local area network 一施設内程度のコンピュータネットワーク run 走る、さる、点」が変換出力となる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4での変換なので変換出力は文字変数szBufaに保存する。変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。「変換部」9のAD変換のADから出てOR入力で「出力選択」14bに入る。ここでszBufaが変換情報szBufzとなる。次の「単/複出力選択」21では逐次変換の結果が単文節なので、変換情報szBufzがそのまま出力情報szBufCanとして保存し「変換成功」で終了となる。次に出力情報szBufCanは、応用プログラムとのインターフェース部である図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入る。
【0086】
図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入り、最初の部門「変換候補表示部」34の「変換候補表示実行部」34aに入る。「変換候補表示実行部」34aは関数ConvCandidateを実行し出力情報をコンピュータ管理の変換候補用構造体に送る。段落番号0085で記述のとおりnKEARMStartArray = 1なので変換候補を表示する文節は第2文節である。「変換候補表示実行部」34aで得られた変換候補表示情報ss5[0]~ss5[n](nは候補数-1)を基に「変換候補表示部」34は、「変換候補一覧表示要求」34cをコンピュータに送り「変換候補一覧表示を描く関数等」48で応用プログラムの画面「変換候補一覧表示」50のサイズや位置を決め、当該画面上に変換候補表示情報ss5[0]~ss5[1]を図18(2)変換候補簡易表示画面(英語)の「local area network 一施設内程度のコンピュータネットワーク run 走る、さる、点」86のように表示させる。変換候補の末端に制御文字\0があるので変換候補ごとに改行されて表示される。選択候補である変換第1候補の先頭部分「local area network」86aの背景色が薄赤となる。
【0087】
次に、図4の第2部門「文字出力部」35の「文字列出力選択」35bに入る。逐次変換の結果が複文節なので「文字列出力選択」35bでの文字列出力は出力バッファss12[0]~ss12[1]を組み合わせた「文芸local area network」となり、変数ss1Candに格納される。次に「出力文字表示実行部」35cは関数AddCharNを実行し、文字列出力「文芸local area network」をコンピュータ管理の編集用構造体に送る。以上の結果を基に「文字出力部」35は、「出力文字表示要求」35dをコンピュータに送り「入出力文字表示を描く関数等」47の諸関数で応用プログラムの画面「入出力文字表示」49のサイズや位置を決めた後、当該画面上にss12[0]~ss12[1]の文字列出力を図18(2)変換候補簡易表示画面の「文芸local area network」87のように変換結果として表示させる。表示属性は「文芸」が変換済みで実線細線の下線付きであり、「local area network」が注目文節となり実線太線の下線付きとなる。次は実施例9~10としてKEARM定型変換のもう一つの制約である(2)「用語属性が初期値のときはKEARM変換は正順変換になる」の場合のKEARM定型変換を実行する例を示す。実施例9では、単文節で入力文字列や出力言語を変えた場合の複数のKEARM定型変換の動作例を示す。
【0088】
実施例9の図19(1)逐次変換画面(仏語)は、非特許文献2の図23(1)逐次変換画面(仏語)と同じ画面で、非特許文献2の段落番号0085~0087で動作説明してある。この画面は、仮名で「ぶらっく」と入力し、出力言語が仏語、カタカナ語「ブラック」の用語属性値が初期値の-1の場合の逐次変換の画面である。この画面からKEARM定型変換を実行して得た画面が図19(1a)変換候補一覧画面(仏語)である。図19(1)逐次変換画面(仏語)の変換第1候補であるカタカナ語「ブラック」85aが図19(1a)変換候補一覧画面(仏語)の変換第1候補である仏語の「noir」86aに変わると同時に変換結果も「noir」87に変わる。図4で動作を説明する。
【0089】
図4の「KEARM定型変換対象画面の条件」70aの条件は図1の制約(2)「用語属性が初期値のときはKEARM変換は正順変換になる」に該当する条件(2)用語属性が初期値の逐次変換画面である。次に、図4の「KEARM定型変換キー操作」70bでKEARM定型変換キー(論理キーであり、物理キーはTabキー)を押すと、「KEARM定型変換に必要な変数の設定」70cに進み、変数AutoReconv、MpxHenkanおよびKEARMHenkanが1にセットされる。整数AutoLevel = nArray+1 でnArray = 0なのでAutoLevelは1でKEARM定型変換の動作が始まる。最後はnKEARMStartArrayの番号の文節でADモードでAD変換を行う。最初に「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33を構成する関数ConvPhraseをARPモードで起動する。「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33の動作を図5および図7で説明する。
【0090】
変数AutoReconvは、「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33をARPモードで開始させるが、ADPモードとの並行動作である。図5のARPモードで「変換開始」から、X1で下側に飛び、下側のX1からOR入力で「次の文字列検出」16のところに入り、AutoLevelで決められた文節(nArray = 0)において、文節情報ArrayAuto[0][3]が3(英語または英略語・ローマ字)または1(カタカナ語)かチェックする。非特許文献2の段落番号0086で記述のとおりArrayAuto[0][3] = 1なので、入力バッファss11[0]の文字列「ブラック」を変換用文字変数ss1Autoに格納し、文字長n1Auto = 4とする。次の「文字種」17に進み、「ブラック」は仮名なのでOR入力で「仮名文字送り」18に入り、そのままARPから出てX6で上部に飛び、上部のX6からOR入力で「変換部」9に入る。
【0091】
図5の「変換部」9の詳細図である図7の表で、行番1、動作モードARP、項番4、変換用文字列が片仮名、語尾はなし、辞書はKEARM変換用辞書、出力言語は仏語でKEARM変換を行う。カタカナ語「ブラック」の用語属性値が初期値の-1なのでKEARM変換は翻訳変換となり、変換候補の出力順位は図3の(b)「出力言語が英語以外の言語」の表の入力文字列が仮名である1行目の規定どおり、変換第1候補が仏語、第2候補がカタカナ語、第3候補が英語、第4候補がローマ字、第5候補が簡易日本語訳、最後が用語属性となり「noir ブラック black、kuro, kuroi、男、人間、夫、恋人 ///」が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4で変換しているので変換出力は文字変数szBufaに保存する。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。「変換部」9を出る。
【0092】
図5の「変換部」9の仮名漢字変換の複文節のARPから出て「成功?」10の判断でYから出て、OR入力で「出力選択」14aに入る。ここでszBufaが本文節の変換出力szBufzとなる。次に「カナ?」12に入るがARPモードでは対象外となり、次に「終了?」11の判断に入る。同時に、出力バッファss12[0]には変換第1候補の「noir」を保存する。「終了?」11のYからX5に出る。動作モードもADPモードからADモードに変わる。ARPモードは変換終了まで維持される。
【0093】
次に、図5の「終了?」11のYから出てX5で上部に飛び、上部のX5からOR入力で「変換部」9のAD変換に入る。本実施例は単文節の変換なのでnKEARMStartArray = 0になりAD変換は第1文節の変換となる。「変換部」9の詳細説明図である図7の表では、ADPモードのときと同様に、変換第1候補が仏語、第2候補がカタカナ語、第3候補が英語、第4候補がローマ字、第5候補が簡易日本語訳、最後が用語属性となり「noir ブラック black、kuro, kuroi、男、人間、夫、恋人 ///」が変換出力になる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。ADPモードのときと同様に変換出力は文字変数szBufaに保存する。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。「変換部」9のAD変換のADから出てOR入力で「出力選択」14bに入る。ここでszBufaが変換情報szBufzとなる。次の「単/複出力選択」21では逐次変換の結果が単文節なので、変換情報szBufzをそのまま出力情報szBufCanとして保存し「変換成功」で終了となる。次に出力情報szBufCanは、応用プログラムとのインターフェース部である図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入る。
【0094】
図4の「変換候補表示部・文字出力部」34~35に入り、最初の部門「変換候補表示部」34の「変換候補表示実行部」34aに入る。「変換候補表示実行部」34aは関数ConvCandidateを実行し出力情報をコンピュータ管理の変換候補用構造体に送る。逐次変換の画面が単文節なのでnKEARMStartArray = 0となり変換候補を表示する文節は第1文節である。「変換候補表示実行部」34aで得られた変換候補表示情報ss5[0]~ss5[n](nは候補数-1)を基に「変換候補表示部」34は、「変換候補一覧表示要求」34cをコンピュータに送り「変換候補一覧表示を描く関数等」48で応用プログラムの画面「変換候補一覧表示」50のサイズや位置を決め、当該画面上に変換候補表示情報ss5[0]~ss5[5]を図19(1a)変換候補一覧画面(英語)の「noir ブラック black、kuro, kuroi、男、人間、夫、恋人 ///」86のように表示させる。変換候補の末端に制御文字\0があるので変換候補ごとに改行されて表示される。選択候補である変換第1候補「noir」86aの背景色が薄青となる。
【0095】
次に、図4の第2部門「文字出力部」35の「文字列出力選択」35bに入る。逐次変換の結果が単文節なので「文字列出力選択」35bで変換第1候補であるss5[0]のnoirを選択候補として変数ss1Candに格納する。次に「出力文字表示実行部」35cは関数AddCharNを実行し、ss1Candの選択候補noirをコンピュータ管理の編集用構造体に送る。以上の結果を基に「文字出力部」35は、「出力文字表示要求」35dをコンピュータに送り「入出力文字表示を描く関数等」47の諸関数で応用プログラムの画面「入出力文字表示」49のサイズや位置を決めた後、当該画面上に当該選択候補noirを図19(1a)変換候補一覧表示画面の「noir」87のように太線の下線付きで変換結果として表示させる。以降の動作例も同様の説明になるので、入力文字列に対応するKEARM変換用辞書の用語属性値が初期値の-1のKEARM変換の逐次変換画面からKEARM定型変換を実行すればどのような結果になるかを中心に説明する。
【0096】
実施例9の図19(2)逐次変換画面(中国語)は、非特許文献2の図25(1)の逐次変換画面(中国語)と同じ画面で、非特許文献2の段落番号0104~0105で動作説明してある。この画面は、半角英数で「black」と入力し、出力言語が中国語、英語「black」の用語属性値が初期値の-1の場合の逐次変換の画面である。この画面からKEARM定型変換を実行して得た画面が図19(2a)変換候補一覧画面(中国語)である。図19(2)逐次変換画面(中国語)の変換第1候補である英語「black」85aが図19(2a)変換候補一覧画面(中国語)の変換第1候補である中国語の「黒色」86aに変わると同時に変換結果も「黒色」87に変わる。
【0097】
実施例9の図19(3)逐次変換画面(仏語)は、非特許文献2の図27(1)の逐次変換画面(仏語)と同じ画面で、非特許文献2の段落番号0118~0119で動作説明してある。この画面は、半角英数で「ALS」と入力し、出力言語が仏語、英略語「ALS」の用語属性値が初期値の-1の場合の逐次変換の画面である。この画面からKEARM定型変換を実行して得た画面が図19(3a)変換候補一覧画面(仏語)である。図19(3)逐次変換画面(仏語)の変換第1候補である英略語「ALS」85aが図19(3a)変換候補一覧画面(仏語)の変換第1候補である仏語の「sclerose laterale amyotrophique」86aに変わると同時に変換結果も「sclerose laterale amyotrophique」87に変わる。
【0098】
実施例9の図19(4)逐次変換画面(西語)は、非特許文献2の図28(1)の逐次変換画面(西語)と同じ画面で、非特許文献2の段落番号0123~0124で動作説明してある。この画面は、半角英数で「kuro」と入力し、出力言語が西語、ローマ字「kuro」の用語属性値が初期値の-1の場合の逐次変換の画面である。この画面からKEARM定型変換を実行して得た画面が図19(4a)変換候補一覧画面(西語)である。図19(4)逐次変換画面(西語)の変換第1候補であるローマ字「kuro」85aが図19(4a)変換候補一覧画面(西語)の変換第1候補である西語の「negro」86aに変わると同時に変換結果も「negro」87に変わる。
【0099】
実施例9の図19(5)逐次変換画面(多言語)は、非特許文献2の図32(1)の逐次変換画面(多言語)と同じ画面で、非特許文献2の段落番号0138~0139で動作説明してある。この画面は、仮名で「てれび」と入力し、出力言語が多言語、カタカナ語「テレビ」の用語属性値が初期値の-1の場合の逐次変換の画面である。この画面からKEARM定型変換を実行して得た画面が図19(5a)変換候補一覧画面(多言語)である。図19(5)逐次変換画面(多言語)の変換第1候補であるカタカナ語「テレビ」に言語別略号を付加した「日. テレビ」85aが図19(5a)変換候補一覧画面(多言語)の変換第1候補である英語「television」に言語別略号を付加した「英. television」86aに変わる。一方、変換結果は、言語別略号を除いた「television」87に変わる。次は実施例10として、KEARM変換対象となるすべての用語の属性値が初期値-1である単語を含む文章のKEARM変換の逐次変換画面から実行するKEARM定型変換の実施例を示す。
【0100】
実施例10も実施例9と同様に図4の「KEARM定型変換対象画面の条件」70aの条件(2)「用語属性が初期値の逐次変換画面」の画面である。図20(1)逐次変換画面(独語)は、非特許文献2の図46(1)逐次変換画面(独語)と同じ画面で非特許文献2の段落番号0197~0218で動作説明してある。この画面は用語属性が初期値の-1である二つの英単語とカタカナ語を含む複文節の逐次変換画面である。この画面からKEARM定型変換キーを押してKEARM定型変換を行い、図20(2)変換候補一覧画面(独語)のように翻訳変換し、二つの英単語およびカタカナ語を独語に変換する実施例を示す。
【0101】
図4の「KEARM変換対象画面の条件」70aで示すとおり、実施例10の実行画面である図20の(1)逐次変換画面(独語)は、条件(2)を満たす画面である。次に、「KEARM定型変換キー操作」70bでKEARM定型変換キー(論理キーであり、物理キーはTabキー)を押すと、「KEARM定型変換に必要な変数の設定」70cに進み、変数AutoReconv、MpxHenkanおよびKEARMHenkanが1にセットされる。整数AutoLevel = nArray+1 でKEARM定型変換の開始文節はnArray = 0なのでAutoLevelは1でKEARM定型変換の動作が始まる。最後はnKEARMStartArrayの番号の文節でADモードでAD変換を行う。最初に「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33を構成する関数ConvPhraseをARPモードで起動する。「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33の動作を、図5図8で説明する。
【0102】
変数AutoReconvは、図4の「仮名漢字変換/KEARM変換実行部」4~33をARPモードで動作を開始させるが、ADPモードとの並行動作である。図5のARPモードの「変換開始」から、X1で下側に飛び、下側のX1からOR入力で「次の文字列検出」16に入り、AutoLevelで決められた文節(nArray = 0)において、文節情報ArrayAuto[0][3]が3(英語、英略語またはローマ字)か1(カタカナ語)かチェックする。非特許文献2の段落番号0199にあるとおり、ArrayAuto[0][3]は3なので、第1文節の入力バッファss11[0]の文字列「desktop」を変換用文字変数ss1Autoに格納し、文字長n1Auto = 7とする。次の「文字種」17に進み、「desktop」は英語なので英数記号から出て「全角/半角」17a or 17bの判断に入り、半角から出る。以降図6で説明する。次に「英語組合せ情報取得」29に入り、ここでは情報は得られず、OR入力で「英単語送り」30に入る。そのままARP側から出てX7を介して上部に飛び、上部のX7からOR入力で「変換部」9のARPからKEARM/ANS変換に入る。
【0103】
図6の「変換部」9の詳細図である図8の表で、行番1、動作モードARP、項番4、変換用文字列が半角英数、語尾なし、KEARM変換用辞書でKEARM変換を行う。KEARM変換用辞書に登録されている「computer」の用語属性値が初期値の-1なのでKEARM変換は翻訳変換となり、変換候補の出力順位は図3の(b)「出力言語が英語以外の言語」の表の入力文字列が英語である2行目の規定となる。したがって「desktop」のKEARM変換の変換第1候補は独語、第2候補は英語、第3候補はカタカナ語となり「Desktop desktop デスクトップ・・・」の変換出力を得る。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4で変換しているので変換出力をszBufaに保存する。ここで終了となり、図6に戻り「変換部」9のKEARM/ANS変換の複文節のARPから出てOR入力で「出力選択」14aに入る。ここでszBufaが本文節の変換出力szBufzとなる。次に「カナ?」12の判断に入るがARPモードでは対象外となり、次に「終了?」11の判断に入る。同時に、第1文節の出力バッファss12[0]に変換第1候補の「Desktop」を保存し、「終了?」のNから出て「prevCode判定」15に入る。KEARM定型変換を実施した節はprevCode = 126になる。
【0104】
次にOR入力で「次の文字列検出」16に入る。次の第2文節 nArray = 1でArrayAuto[1][3] が3か1かチェックする。次の文節はNo-break spaceなのでArrayAuto[1][3] = 0であり次の第3文節に進み nArray = 2でArrayAuto[2][3] が3か1かチェックする。非特許文献2の段落番号0201にあるとおり、ArrayAuto[2][3]は3なので、ss1Autoに第3文節の入力バッファss11[2]の「computerノ」を格納し、文字長n1Auto = 9とする。次に「文字種」17の判断に入り、英数記号から出て「全角/半角」17bの判断に入り、半角から出て「英語組合せ情報取得」29に入る。ここで情報は得られずOR入力で「英単語送り」30に入り、そのままARPから出てX7を介して上部のX7に飛び、上部のX7からOR入力で「変換部」9のARPからKEARM/ANS変換に入る。
【0105】
図6の「変換部」9の詳細図である図8の表で、行番1、動作モードARP、項番5、変換用文字列が半角英数、語尾は助詞、KEARM変換用辞書でKEARM変換を行う。KEARM変換用辞書に登録されている「computer」の用語属性値が初期値の-1なのでKEARM変換は翻訳変換となり、変換候補の出力順位は図3の(b)「出力言語が英語以外の言語」の表の入力文字列が英語である2行目の規定となる。したがって「computerノ」のKEARM変換の変換第1候補は独語、第2候補は英語、第3候補はカタカナ語となり
「Computerの computerの コンピュータ, コンピューターの・・・」が変換出力となる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番5の変換なので変換出力は文字変数szBufbに保存する。ここで変換終了となり図6に戻り「変換部」9のKEARM/ANS変換の複文節のARPから出てOR入力で「出力選択」14aに入り、ここでszBufbが本文節の変換出力szBufzとなる。次に「カナ?」12の判断に入るがARPモードでは対象外となり、次に「終了?」11の判断に入る。同時に、第3文節の出力バッファss12[3]に「Computerの」を保存し、終了ではないのでNから出て「prevCode判定」15に入る。KEARM定型変換を実行した場合、prevCode = 126となる。
【0106】
次にOR入力で「次の文字列検出」16に入る。次の第4文節 nArray = 3および第5文節nArray = 4ともにArrayAuto[nArray][3]が3または1でないので、第6文節のnArray = 5に移動し、非特許文献2の段落番号0216で記述のとおり、 ArrayAuto[5][3] = 1なので、文字変数ss1Autoに第6文節の入力バッファss11[5]の文字列「カタログヲ」を格納し、文字長n1Auto = 5とする。次の「文字種」17の判断に入る。半角英数文字列の処理が終わったので、仮名入力対応の説明図である図5に戻る。「文字種」17の仮名から出てOR入力で「仮名文字送り」18入り、そのままARPから出てX6を介して上部に飛び、上部のX6からOR入力でARPから「変換部」9の仮名漢字変換に入る。
【0107】
図5の「変換部」9の詳細図である図7の表で、行番1、動作モードARP、項番5、変換用文字列が片仮名、語尾は助詞、KEARM変換用辞書でKEARM変換を行う。第1節および第3節と同様にKEARM変換用辞書に登録されているカタカナ語「カタログ」の属性値が-1なので、KEARM変換は翻訳変換となり、図3の(b)「出力言語が英語以外の言語」の表の入力文字列が仮名である1行目の規定となり、変換第1候補が独語、第2候補がカタカナ語、第3候補が英語となり「Broschure カタログ brochure, pamphlet ・・・」の変換出力となる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番5で変換したので変換出力をszBufbに保存する。ここで変換終了となり、図5に戻り「変換部」9を出る。「変換部」9の仮名漢字変換の複文節のARPから出て「成功?」10の判断に入り、Yから出てOR入力で「出力選択」14aに入る。ここでszBufbが変換情報szBufzとなる。次に「カナ?」18の判断に入るがARPモードでは対象外となり、「終了?」11のYからX5に出る。同時に第6文節の出力バッファss12[5]に変換第1候補の「Broschure」を保存する。最終の第7文節のArrayAuto[6][3]が3または1かのチェックし、KEARM定型変換対象の文節ではないのでここで終了となる。
【0108】
次に、図5の「終了?」11のYから出てX5を介して上部に飛び、上部のX5からOR入力で「変換部」9のADからAD変換に入る。KEARM定型変換を行った最初の文節がnKEARMStartArrayとなる。本実施例ではnKEARMStartArray = 0で第1文節なのでss11[0]の「desktop」を変換用文字列としてAD変換を行う。半角英数入力なので「変換部」9の変換部詳細図である図8の表で、行番1、動作モードAD、項番4のKEARM変換を行い、ADPモードでの変換と同様にKEARM変換は翻訳変換となり、図3の(b)「出力言語が英語以外の言語」の入力文字列が英語である2行目の規定となり、変換第1候補が独語、第2候補が英語、第3候補がカタカナ語となり「Desktop desktop デスクトップ 卓上用 ///」が変換出力となる。変換出力の各候補の末端には制御文字\0を置く。項番4での変換なので変換出力は文字変数szBufaに保存する。ここで変換終了となり図5に戻り「変換部」9を出る。AD変換のADから出てOR入力で「出力選択」14bに入る。ここでszBufaが変換情報szBufzとなる。次の「単/複出力選択」21では、ADモードでの変換なので第1文節の出力情報szBufCanは「Desktop desktop デスクトップ 卓上用 ///」になり、「変換成功」を出る。
【0109】
次に出力情報szBufCanは図4の「変換候補表示部・文字出力」34~35に入り、最初の部門「変換候補表示部」34の「変換候補表示実行部」34aに入る。「変換候補表示実行部」34aは関数ConvCandidateを実行し出力情報をコンピュータ管理の変換候補用構造体に送る。「変換候補表示実行部」34aで得られた変換候補表示情報ss5[0]~ss5[n](nは候補数-1)を基に「変換候補表示部」34は、「変換候補一覧表示要求」34cをコンピュータに送り「変換候補一覧表示を描く関数等」48の諸関数で応用プログラムの画面「変換候補一覧表示」50のサイズや位置を決めた後、当該画面上に変換候補表示情報ss5[0]~ss5[4]を図20(2)変換候補一覧画面(独語)の「Desktop desktop デスクトップ 卓上用の ///」86のように表示させる。変換候補の末端に制御文字\0があるので変換候補ごとに改行されて表示される。「Desktop」86aが変換第1候補となり背景色が薄青となる。
【0110】
次に図4の第2部門「文字出力部」35の「文字列出力選択」35bに入る。逐次変換の結果が複文節なので「文字列出力選択」35bで文字列出力はss12[0]~ss12[6]の「Desktop Computerの3種類のBroschureを読んだ」となり変数ss1Candに格納される。次に「出力文字表示実行部」35cは関数AddCharNを実行し、ss1Candの文字列出力をコンピュータ管理の編集用構造体に送る。以上の結果を基に「文字出力部」35は、「出力文字表示要求」35dをコンピュータに送り「入出力文字表示を描く関数等」47の諸関数で応用プログラムの画面「入出力文字表示」49のサイズや位置を決めた後、当該画面上にss12[0]~ss12[6]の文字列出力を図20(2)変換候補一覧画面(独語)の「Desktop Computerの3種類のBroschureを読んだ」87のように変換結果として表示させる。「Desktop」の表示属性が「注目文節」の実線太線の下線付きであり、その他の文節の表示属性は変換済み属性である実線細線の下線付きである。
【符号の説明】
【0111】
1~62は構成番号
1~3 入力部
4~33 仮名漢字変換/KEARM変換実行部
34~35 変換候補表示部・文字出力部
34 変換候補表示部
34a 変換候補表示実行部
34b 上下矢印キー操作(変換候補選択)
34c 変換候補一覧表示要求
35 文字出力部
35a 本発明では使用しない
35b 文字列出力選択
35c 出力文字表示実行部
35d 出力文字表示要求
36 仮名漢字変換用辞書
37 ユーザー辞書
38 KEARM変換用辞書
39 出力言語選択スイッチ
40 KEARM変換音声出力部
41~46 本発明では使用しない
47 入出力文字表示を描く関数等
48 変換候補一覧表示を描く関数等
49 入出力文字表示
50 変換候補一覧表示
51~54 本発明では使用しない
55 KEARM定型変換実行部
56 KEARM優先変換実行部(本発明では使用しない)
57~62 本発明では使用しない
63~69 空き番号
70~79 操作説明・動作説明用番号
70a KEARM定型変換対象画面の条件
70b KEARM定型変換キー操作
70c KEARM定型変換に必要な変数の設定
71~79 空き番号
80~91 画面説明用番号
80~83 仮名漢字変換の画面番号
80 表示用文字列
81 変換候補一覧(逐次変換画面)
81b 変換第2候補
81c 変換第3候補
82~83 本発明では使用しない
84~91 KEARM変換の画面番号
84 表示用文字列
85 変換候補一覧(逐次変換画面)
85a 変換第1候補
85b 変換第2候補
85c 変換第3候補
86 変換候補一覧(変換候補一覧画面)
86a 選択候補(変換第1候補)
87 変換結果
88 簡易日本語訳
89 用語属性
90 発音言語略号表示(本発明では使用しない)
91 複数の変換対象用語表示
図1
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