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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075833
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】半田配置方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/34 20060101AFI20240529BHJP
   H05K 3/12 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
H05K3/34 505A
H05K3/12 610L
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187019
(22)【出願日】2022-11-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】500327625
【氏名又は名称】株式会社エイム
(74)【代理人】
【識別番号】100176256
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 隆敬
(72)【発明者】
【氏名】古家 功一
【テーマコード(参考)】
5E319
5E343
【Fターム(参考)】
5E319AA03
5E319AB05
5E319BB04
5E319CC33
5E319CD04
5E319CD26
5E319GG15
5E343DD03
5E343ER55
5E343FF12
5E343FF24
5E343GG18
(57)【要約】
【課題】半田が配置されていない複数のBGAの半田パターン上に一括して半田を配置するための半田配置方法を提供する。
【解決手段】
半田配置方法は、載置面21上に、シリコンシート3を載置面21内に収まるように載置・固定する工程と、マウンタ4を用いて、シリコンシート3上に複数のBGA1を配置・固定することで、複数のBGA1が載置面21に対して所定の位置に配置されたBGA体13を作成する工程と、第1のマスク5をBGA体13の上方に配置する工程と、第1のマスク5上から各半田パターン上にフラックスを塗布する工程と、第2のマスク6をBGA体13の上方に配置する工程と、第2のマスク6上から上記フラックス上に微小半田ボールを落下配置させる工程と、BGA体13を加熱して、上記微小半田ボールを各半田パターンに溶着させる工程と、を備えている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半田が配置されていない複数のBGAの半田パターン上に一括して半田を配置するための半田配置方法であって、
耐熱性の載置部の水平な載置面上に、耐熱・粘着性のシリコンシートを前記載置面内に収まるように載置・固定する工程と、
マウンタを用いて、前記シリコンシート上にその半田パターンが形成された第1面が上方となる向きで前記複数のBGAを配置・固定することで、前記複数のBGAが前記載置面に対して所定の位置に配置されたBGA体を作成する工程と、
前記BGA体上の半田パターンに対応した複数の第1の貫通孔が形成された第1のマスクを、前記BGA体の上方に、前記複数の第1の貫通孔が前記BGA体上の半田パターンと垂直方向において一致するように配置する工程と、
前記第1のマスク上から前記複数の第1の貫通孔を介して各半田パターン上にフラックスを塗布する工程と、
前記BGA体上の半田パターンに対応した複数の第2の貫通孔が形成された第2のマスクを、前記BGA体の上方に、前記複数の第2の貫通孔が前記BGA体上の半田パターンと垂直方向において一致するように配置する工程と、
前記第2のマスク上から前記複数の第2の貫通孔を介して各半田パターン上に塗布されたフラックス上に微小半田ボールを落下配置させる工程と、
前記BGA体を加熱して、前記微小半田ボールを各半田パターンに溶着させる工程と、
を備えたことを特徴とする半田配置方法。
【請求項2】
前記載置部は、平面視において略長方形状を有しており、
前記第1のマスクを前記BGA体の上方に配置する工程及び前記第2のマスクを前記BGA体の上方に配置する工程では、位置決め装置を用いて、前記BGA体上の半田パターンに対応した複数の第2の貫通孔が形成された第2のマスクを、前記BGA体の上方に、前記複数の第2の貫通孔が前記BGA体上の半田パターンと垂直方向において一致するように配置し、
前記位置決め装置は、平面視において所定サイズ内の長方形状を有する部材を載置可能な載置台と、前記第1のマスク又は前記第2のマスクが取り付けられるマスク取付部と、を有しており、
前記載置台上に載置されたBGA体が基準位置に配置された際に、前記マスク取付部に取り付けられた前記第1のマスクの複数の第1の貫通孔、又は、前記第2のマスクの複数の第2の貫通孔は、前記BGA体上の半田パターンと垂直方向において一致する位置に予め形成されており、
前記載置部としては、前記所定サイズ内であり、かつ、同一の前記BGAを最大数配置可能なサイズのものを用いることを特徴とする請求項1に記載の半田配置方法。
【請求項3】
前記BGAは、前記半田パターンが形成された第1面と、前記第1面に対向する第2面と、を有しており、
前記BGAの端部には、前記第2面よりも前記第1面の方が外側に突出した段差が設けられており、
前記BGA体を作成する工程の前に、前記段差に対応する位置に前記段差を埋めるためのスペーサブロックが配置されることを特徴とする請求項1に記載の半田配置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半田が配置されていない複数のBGAの半田パターン上に一括して半田を配置するための半田配置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、部品位置決め機構によって、メタルマスク組立と同一の位置決め基準で実装部品を位置決めすることで、メタルマスクと表面実装形パッケージ部品のマッチング作業を効率良く正確に短時間で行うことが出来る半田ボール印刷装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-041697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、1回の作業で1個の実装部品しか位置決めすることができないので、大量の実装部品に半田を配置する場合には大変な時間がかかってしまう。
【0005】
また、上記技術を用いずに、複数の実装部品をそれぞれ嵌め込み可能な複数の嵌め込み孔を有するベース基板を作成し、複数の実装部品上に一括して半田を配置する方法も考えられる。しかしながら、この場合、実装部品を嵌め込み孔に嵌め込むためには多少の公差を持たせる必要があるため、メタルマスクをベース基板に対して位置決めしたとしても、実装部品の半田パターンがメタルマスクのパターンとずれてしまうことが生じ得る。
【0006】
そこで、本発明は、半田が配置されていない複数のBGAの半田パターン上に一括して半田を配置するための半田配置方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、半田が配置されていない複数のBGAの半田パターン上に一括して半田を配置するための半田配置方法であって、耐熱性の載置部の水平な載置面上に、耐熱・粘着性のシリコンシートを前記載置面内に収まるように載置・固定する工程と、マウンタを用いて、前記シリコンシート上にその半田パターンが形成された第1面が上方となる向きで前記複数のBGAを配置・固定することで、前記複数のBGAが前記載置面に対して所定の位置に配置されたBGA体を作成する工程と、前記BGA体上の半田パターンに対応した複数の第1の貫通孔が形成された第1のマスクを、前記BGA体の上方に、前記複数の第1の貫通孔が前記BGA体上の半田パターンと垂直方向において一致するように配置する工程と、前記第1のマスク上から前記複数の第1の貫通孔を介して各半田パターン上にフラックスを塗布する工程と、前記BGA体上の半田パターンに対応した複数の第2の貫通孔が形成された第2のマスクを、前記BGA体の上方に、前記複数の第2の貫通孔が前記BGA体上の半田パターンと垂直方向において一致するように配置する工程と、前記第2のマスク上から前記複数の第2の貫通孔を介して各半田パターン上に塗布されたフラックス上に微小半田ボールを落下配置させる工程と、前記BGA体を加熱して、前記微小半田ボールを各半田パターンに溶着させる工程と、を備えたことを特徴とする半田配置方法を提供している。
【0008】
このような構成によれば、BGA体を構成する複数のBGAに対して一括に半田を配置させることができるので、半田配置にかかる時間を大幅に短縮することが可能となる。また、本発明のように、複数のBGAが配置されたBGA体に対して対応する第1のマスク及び第2のマスクを用いて半田を配置する構成の場合、各BGAの位置がずれると、BGA上に半田を正確に配置させることができなくなってしまう。この問題は、半田間が極小ピッチのBGAの場合に特に顕著となる。しかしながら、本発明では、マウンタを用いることで、複数のBGAを載置面に対して正確な位置に配置することができるので、半田も各BGA上に正確に配置させることが可能となる。また、マウンタを用いてBGAを正確な位置に配置することができても、BGAを載置部に対して固定できなければ意味がない。BGAを接着剤等で固定する方法も考えられるが、この場合、接着剤を塗布する作業や、半田溶着後に接着剤を除去する労力が大幅に増加してしまう。しかしながら、本発明では、BGAは、粘着性を有するシリコンシート上に配置されるので、BGAの固定や取り外しのための複雑な構造や労力が不要となる。更に、本発明では、載置部とシリコンシートを準備するだけで良く、複数の実装部品をそれぞれ嵌め込み可能な複数の嵌め込み孔を有するベース基板のようなものを作成する必要がないため、コストも大幅に低減される。
【0009】
また、前記載置部は、平面視において略長方形状を有しており、前記第1のマスクを前記BGA体の上方に配置する工程及び前記第2のマスクを前記BGA体の上方に配置する工程では、位置決め装置を用いて、前記BGA体上の半田パターンに対応した複数の第2の貫通孔が形成された第2のマスクを、前記BGA体の上方に、前記複数の第2の貫通孔が前記BGA体上の半田パターンと垂直方向において一致するように配置し、前記位置決め装置は、平面視において所定サイズ内の長方形状を有する部材を載置可能な載置台と、前記第1のマスク又は前記第2のマスクが取り付けられるマスク取付部と、を有しており、前記載置台上に載置されたBGA体が基準位置に配置された際に、前記マスク取付部に取り付けられた前記第1のマスクの複数の第1の貫通孔、又は、前記第2のマスクの複数の第2の貫通孔は、前記BGA体上の半田パターンと垂直方向において一致する位置に予め形成されており、前記載置部としては、前記所定サイズ内であり、かつ、同一の前記BGAを最大数配置可能なサイズのものを用いることが好ましい。
【0010】
このような構成によれば、より多くのBGAを載置面上に配置することが可能となる。
【0011】
前記BGAは、前記半田パターンが形成された第1面と、前記第1面に対向する第2面と、を有しており、前記BGAの端部には、前記第2面よりも前記第1面の方が外側に突出した段差が設けられており、前記BGA体を作成する工程の前に、前記段差に対応する位置に前記段差を埋めるためのスペーサブロックが配置されることが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、スキージ等でフラックスを塗布する際に、その印刷圧力によってBGAがシリコンシートから剥がれて位置ずれが生じてしまうが防止される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の半田配置方法によれば、半田が配置されていない複数のBGAの半田パターン上に一括して半田を配置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態によるBGAの配置方法の説明図
図2】本発明の実施の形態によるBGA体の説明図
図3】本発明の実施の形態による第1のマスク及び第2のマスクの説明図
図4】本発明の実施の形態による位置決め装置の説明図
図5】本発明の実施の形態によるBGA体上に配置された微小半田ボールの加熱の説明図
図6】本発明の実施の形態による半田配置方法のフローチャート
図7】本発明の変形例によるスペーサブロックの説明図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態による半田配置方法について、図1図6を参照して説明する。
【0016】
本実施の形態による半田配置方法は、半田が配置されていない複数のBGA1の半田パターン上に一括して半田を配置するためのものであり、半田の配置に当たっては、載置部2と、シリコンシート3と、マウンタ4と、第1のマスク5と、第2のマスク6と、位置決め装置7と、加熱装置8と、を用いる。
【0017】
BGAは、微小半田ボールを並べた電極形状をもった半導体パッケージ基板である。本実施の形態では、BGA1は、図1及び図2に示すように、略長方形状を有し、第1面11(本実施の形態では裏面)と、第1面11に対向する第2面12(本実施の形態では表面)と、を有している。第1面11には、半田パターンが形成されており、半田パターン上には半田が溶着されていないものとする。本実施の形態による半田配置方法は、BGAをリボール(微小半田ボールを再生)する例を用いて説明を行い、BGAから半田が除去された状態から開始するものとする。
【0018】
載置部2は、耐熱性を有しており、水平な載置面21を有している。本実施の形態では、載置部2は、平面視において略長方形状を有している。図1及び図2では、載置部2として、略長方形状の平板を用いた例を示している。
【0019】
シリコンシート3は、耐熱・粘着性を有しており、載置面21上に、載置面21内に収まるように載置固定される。本実施の形態では、シリコンシート3は、載置面21と略同一の長方形状を有しているものとする。なお、シリコンシート3は、少なくとも、載置面21からはみ出さないサイズであれば良い。また、載置面21、シリコンシート3共に、複数のBGA1を配置することができるだけのサイズを有している。
【0020】
マウンタ4は、図1に示すように、シリコンシート3上にその半田パターンが形成された第1面11が上方となる向きで複数のBGA1を配置・固定することで、複数のBGA1が載置面21に対して所定の位置に配置されたBGA体13を作成するために用いられる。
【0021】
すなわち、BGA1は、シリコンシート3上に配置されるが、その位置は、シリコンシート3ではなく載置面21に対して決定されている。
【0022】
なお、シリコンシート3は、粘着性を有しているため、マウンタ4によりシリコンシート3上にBGA1を配置するだけで、BGA1はシリコンシート3上に固定される。
【0023】
第1のマスク5は、図3に示すように、BGA体13上の半田パターンに対応した複数の第1の貫通孔51が形成されている。
【0024】
第2のマスク6は、図3に示すように、BGA体13上の半田パターンに対応した複数の第2の貫通孔61が形成されている。なお、図2では示していないが、各BGA1には、複数の第1の貫通孔51及び第2の貫通孔61に対応する半田パターンが形成されているものとする。
【0025】
位置決め装置7は、平面視において所定サイズ内の長方形状を有する部材の位置決めを行うことが可能である。位置決め装置7としては、例えば、図4に示すように、載置台71上に載置された部材を、第1のマスク5又は第2のマスク6が取り付けられるマスク取付部72に対して所定の位置に配置する構成が考えられる。従って、載置台71上に載置されたBGA体13が基準位置に配置された際に、マスク取付部72に取り付けられた第1のマスク5の複数の第1の貫通孔51、又は、第2のマスク6の複数の第2の貫通孔61は、BGA体13上の半田パターンと垂直方向において一致する位置に予め形成されている必要がある。本実施の形態では、長方形上のBGA体13が、その中心位置が長方形上の載置台71の中心位置と一致し、かつ、BGA体13と載置台71の対応する辺が平行となるように配置された場合に、“基準位置に配置された”ものとする。
【0026】
また、本実施の形態では、載置部2(載置面21)としては、上記所定サイズ内であり、かつ、同一のBGA1を最大数配置可能なサイズのものを用いる。本実施の形態では、図2に示すように、4つの同一のBGA1が配置された例を示している。
【0027】
加熱装置8は、BGA体13上に配置された微小半田ボールを加熱して半田パターン上に溶着させるためのものである。加熱装置8としては、例えば、図5に示すように、内部にベルトコンベア等の移動装置が設けられたリフロー装置等が考えられる。
【0028】
続いて、図6のフローチャートを用いて、本実施による半田配置方法について説明する。
【0029】
まず、載置面21上に、シリコンシート3を載置面21内に収まるように載置・固定する(S1)。
【0030】
続いて、マウンタ4を用いて、シリコンシート3上にその半田パターンが形成された第1面11が上方となる向きで複数のBGA1を配置・固定することで、複数のBGA1が載置面21に対して所定の位置に配置されたBGA体13を作成する(S2)。
【0031】
続いて、第1のマスク5をBGA体13の上方に、複数の第1の貫通孔51がBGA体13上の半田パターンと垂直方向において一致するように配置し(S3)、第1のマスク5上から各半田パターン上にフラックスを塗布する(S4)。
【0032】
本実施の形態では、第1のマスク5をBGA体13の上方に配置する際には、図4に示すように、位置決め装置7を用いる。
【0033】
続いて、第2のマスク6をBGA体13の上方に、複数の第2の貫通孔61がBGA体13上の半田パターンと垂直方向において一致するように配置し(S5)、第2のマスク6上から各半田パターン上に塗布されたフラックス上に微小半田ボールを落下配置させる(S6)。
【0034】
本実施の形態では、第2のマスク6をBGA体13の上方に配置する際には、図4に示すように、位置決め装置7を用いる。
【0035】
なお、S5において、第2のマスク6をBGA体13の上方に配置する前に、第1のマスク5をマスク取付部72から取り外しておくことが好ましい。
【0036】
最後に、BGA体13を加熱して、微小半田ボールを各半田パターンに溶着させる(S7)。本実施の形態では、BGA体13を加熱装置8上に移動し、微小半田ボールを各半田パターンに溶着させる。
【0037】
以上説明したように、本実施の形態による半田配置方法では、マウンタ4を用いて、シリコンシート3上にその半田パターン面が上方となる向きで複数のBGA1を配置・固定することで、複数のBGA1が載置面21に対して所定の位置に配置されたBGA体13を作成した上で、BGA体13に対応する第1のマスク及び第2のマスクを用いて各BGA1の半田パターン上に半田を配置させる。
【0038】
このような構成によれば、BGA体13を構成する複数のBGA1に対して一括に半田を配置させることができるので、半田配置にかかる時間を大幅に短縮することが可能となる。また、本実施の形態のように、複数のBGA1が配置されたBGA体13に対して対応する第1のマスク5及び第2のマスク6を用いて半田を配置する構成の場合、各BGA1の位置がずれると、BGA1上に半田を正確に配置させることができなくなってしまう。この問題は、半田間が極小ピッチのBGA1の場合に特に顕著となる。しかしながら、本実施の形態では、マウンタ4を用いることで、複数のBGA1を載置面21に対して正確な位置に配置することができるので、半田も各BGA1上に正確に配置させることが可能となる。また、マウンタ4を用いてBGA1を正確な位置に配置することができても、BGA1を載置部2に対して固定できなければ意味がない。BGA1を接着剤等で固定する方法も考えられるが、この場合、接着剤を塗布する作業や、半田溶着後に接着剤を除去する労力が大幅に増加してしまう。しかしながら、本実施の形態では、BGA1は、粘着性を有するシリコンシート3上に配置されるので、BGA1の固定や取り外しのための複雑な構造や労力が不要となる。更に、本実施の形態では、載置部2とシリコンシート3を準備するだけで良く、複数の実装部品をそれぞれ嵌め込み可能な複数の嵌め込み孔を有するベース基板のようなものを作成する必要がないため、コストも大幅に低減される。
【0039】
また、本実施の形態による半田配置方法では、位置決め装置7は、平面視において所定サイズ内の長方形状を有する部材を載置可能であり、載置部2としては、上記所定サイズ内であり、かつ、同一のBGA1を最大数配置可能なサイズのものを用いる。
【0040】
このような構成によれば、より多くのBGA1を載置面21上に配置することが可能となる。
【0041】
尚、本発明の半田配置方法は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
【0042】
例えば、図7(a)に示すように、BGAの端部には、第2面12よりも第1面11の方が外側に突出した段差14が設けられている場合があり、このような場合、図7(b)に示すように、スキージ等でフラックスを塗布する際に、その印刷圧力によってBGAがシリコンシート3から剥がれて位置ずれが生じてしまう可能性がある。
【0043】
そこで、本変形例では、図6のS2のBGA体13を作成する工程の前に、図7(c)に示すように、段差14に対応する位置に段差14を埋めるためのスペーサブロック15を配置する。このスペーサブロック15もマウンタ4を用いて配置する。
【0044】
このような構成によれば、スキージ等でフラックスを塗布する際に、その印刷圧力によってBGA1がシリコンシート3から剥がれて位置ずれが生じてしまうが防止される。なお、隣り合うBGA1間には、図7(c)に示すように、共通のスペーサブロック15を用いることで、スペーサブロック15を配置する労力が低減される。
【0045】
また、上記実施の形態では、略長方形上のBGA1を用いて説明を行ったが、本発明の“長方形”には“正方形”も含まれることはもちろんである。
【0046】
また、上記実施の形態では、図面の複雑化を避けるためにシリコンシート3(載置面21)には4つのBGA1が配置されたが、載置台71が大きい場合や、BGA1が小さい場合には、より多くのBGA1を配置可能である。
【0047】
また、上記実施の形態では、載置台71とマスク取付部72を有する位置決め装置7を用いて、複数の第1の貫通孔51、又は、複数の第2の貫通孔61を、BGA体13上の半田パターンと垂直方向において一致させたが、他の構成によって一致させても良い。
【符号の説明】
【0048】
1 BGA
2 載置部
3 シリコンシート
4 マウンタ
5 第1のマスク
6 第2のマスク
7 位置決め装置
8 加熱装置
11 第1面
12 第2面
13 BGA体
14 段差
15 スペーサブロック
21 載置面
51 第1の貫通孔
61 第2の貫通孔
71 載置台
72 マスク取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-10-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半田が配置されていない複数のBGAの半田パターン上に一括して半田を配置するための半田配置方法であって、
耐熱性の載置部の水平な載置面上に、耐熱・粘着性のシリコンシートを前記載置面内に収まるように載置・固定する工程と、
マウンタを用いて、前記シリコンシート上にその半田パターンが形成された第1面が上方となる向きで前記複数のBGAを配置・固定することで、前記複数のBGAが前記載置面に対して所定の位置に配置されたBGA体を作成する工程と、
前記BGA体上の半田パターンに対応した複数の第1の貫通孔が形成された第1のマスクを、前記BGA体の上方に、前記複数の第1の貫通孔が前記BGA体上の半田パターンと垂直方向において一致するように配置する工程と、
前記第1のマスク上から前記複数の第1の貫通孔を介して各半田パターン上にフラックスを塗布する工程と、
前記BGA体上の半田パターンに対応した複数の第2の貫通孔が形成された第2のマスクを、前記BGA体の上方に、前記複数の第2の貫通孔が前記BGA体上の半田パターンと垂直方向において一致するように配置する工程と、
前記第2のマスク上から前記複数の第2の貫通孔を介して各半田パターン上に塗布されたフラックス上に微小半田ボールを落下配置させる工程と、
前記BGA体を加熱して、前記微小半田ボールを各半田パターンに溶着させる工程と、
を備え、
前記BGAは、前記半田パターンが形成された第1面と、前記第1面に対向する第2面と、を有しており、
前記BGAの端部には、前記第2面よりも前記第1面の方が外側に突出した段差が設けられており、
前記BGA体を作成する工程の前に、前記段差に対応する位置に前記段差を埋めるためのスペーサブロックが配置されることを特徴とする半田配置方法。
【請求項2】
前記載置部は、平面視において略長方形状を有しており、
前記第1のマスクを前記BGA体の上方に配置する工程及び前記第2のマスクを前記BGA体の上方に配置する工程では、位置決め装置を用いて、前記BGA体上の半田パターンに対応した複数の第2の貫通孔が形成された第2のマスクを、前記BGA体の上方に、前記複数の第2の貫通孔が前記BGA体上の半田パターンと垂直方向において一致するように配置し、
前記位置決め装置は、平面視において所定サイズ内の長方形状を有する部材を載置可能な載置台と、前記第1のマスク又は前記第2のマスクが取り付けられるマスク取付部と、を有しており、
前記載置台上に載置されたBGA体が基準位置に配置された際に、前記マスク取付部に取り付けられた前記第1のマスクの複数の第1の貫通孔、又は、前記第2のマスクの複数の第2の貫通孔は、前記BGA体上の半田パターンと垂直方向において一致する位置に予め形成されており、
前記載置部としては、前記所定サイズ内であり、かつ、同一の前記BGAを最大数配置可能なサイズのものを用いることを特徴とする請求項1に記載の半田配置方法。