(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075858
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】トイレ用の液体洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 17/08 20060101AFI20240529BHJP
C11D 1/00 20060101ALI20240529BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20240529BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D1/00
C11D3/20
C11D3/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187062
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】小野 翼
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AC05
4H003AC15
4H003AD04
4H003BA12
4H003DA05
4H003DA06
4H003DB01
4H003DC02
4H003EA03
4H003EA21
4H003EB04
4H003EB06
4H003EB28
4H003EB30
4H003EB32
4H003EB33
4H003ED02
4H003FA04
4H003FA21
4H003FA26
4H003FA28
(57)【要約】
【課題】水洗トイレにおいては、便器内に水を流した際に、便器の表面の広範囲に水が広がること(流水の広がり性に優れる)が求められる。便器の表面に対して、水を広範囲に広げることで、便器に付着した汚れをより良好に洗浄できる。かかる事情に鑑みて、拭き取り性及び洗浄力に優れ、かつ流水の広がり性に優れるトイレ用の液体洗浄剤組成物を目的とする。
【解決手段】(A)成分:界面活性剤と、(B)成分:特定の化合物と、(C)成分:4級アンモニウム基を有するモノマーから誘導される繰り返し単位(c1)を有するポリマーと、を有することよりなる。前記(A)成分/前記(C)成分で表される質量比は0.2~12であることが好ましい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分:界面活性剤と、
(B)成分:下記式(b1)で表される化合物と、
(C)成分:4級アンモニウム基を有するモノマーから誘導される繰り返し単位(c1)を有するポリマーと、
を含む、トイレ用の液体洗浄剤組成物。
【化1】
[式(b1)中、R
1は炭素数2又は3のアルキレン基であり、mは1~6の数である]
【請求項2】
前記(A)成分/前記(C)成分で表される質量比は0.2~12である、請求項1に記載のトイレ用の液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記(A)成分の含有量は、0.5~5質量%であり、
前記(B)成分の含有量は、0.2~4.5質量%であり、
前記(C)成分の含有量は、0.2~4質量%である、
請求項1又は2に記載のトイレ用の液体洗浄剤組成物。
【請求項4】
前記繰り返し単位(c1)は、ジアリルジメチルアンモニウム塩から誘導される繰り返し単位(c1-1)、メタクリルアミドプロピルトリアルキルアンモニウム塩から誘導される繰り返し単位(c1-2)から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のトイレ用の液体洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ用の液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレの便座、床及び壁等の洗浄方法としては、液体洗浄剤組成物を泡状又は霧状にして洗浄剤対象に吹き付け、吹き付けた液体洗浄剤組成物を拭き取る方法が挙げられる。このような洗浄方法に用いられる液体洗浄剤組成物には、洗浄力に加え、拭き取りやすいこと(良好な拭き取り性)が求められる。
例えば、特許文献1には、特定の界面活性剤と特定の溶剤とを特定の質量比で含有するトイレ用の液体洗浄剤組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、水洗トイレにおいては、便器内に水を流した際に、便器の表面の広範囲に水が広がること(流水の広がり性に優れる)が求められる。便器の表面に対して、水を広範囲に広げることで、便器に付着した汚れをより良好に洗浄できる。
そこで、本発明は、拭き取り性及び洗浄力に優れ、かつ流水の広がり性に優れるトイレ用の液体洗浄剤組成物とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の態様を有する。
<1>
(A)成分:界面活性剤と、
(B)成分:下記式(b1)で表される化合物と、
(C)成分:4級アンモニウム基を有するモノマーから誘導される繰り返し単位(c1)を有するポリマーと、
を含む、トイレ用の液体洗浄剤組成物。
【化1】
[式(b1)中、R
1は炭素数2又は3のアルキレン基であり、mは1~6の数である]
<2>
前記(A)成分/前記(C)成分で表される質量比は0.2~12である、<1>に記載のトイレ用の液体洗浄剤組成物。
<3>
前記(A)成分の含有量は、0.5~5質量%であり、
前記(B)成分の含有量は、0.2~4.5質量%であり、
前記(C)成分の含有量は、0.2~4質量%である、
<1>又は<2>に記載のトイレ用の液体洗浄剤組成物。
<4>
前記繰り返し単位(c1)は、ジアリルジメチルアンモニウム塩から誘導される繰り返し単位(c1-1)、メタクリルアミドプロピルトリアルキルアンモニウム塩から誘導される繰り返し単位(c1-2)から選ばれる少なくとも1種である、<1>~<3>のいずれかに記載のトイレ用の液体洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明のトイレ用の液体洗浄剤組成物によれば、拭き取り性及び洗浄力に優れ、かつ流水の広がり性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(トイレ用の液体洗浄剤組成物)
本発明のトイレ用の液体洗浄剤組成物(以下、単に「液体洗浄剤組成物」ということがある)は、(A)~(C)成分を含む。
【0008】
<(A)成分>
(A)成分は、界面活性剤である。液体洗浄剤組成物は、(A)成分を含むことで洗浄力に優れ、拭き取り性に優れる。
(A)成分としては、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、アミンオキシド型界面活性剤、カチオン界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、(A)成分としては、両性界面活性剤が好ましい。両性界面活性剤を用いることで、洗浄力をより高め、拭き取り性をより高められる。
【0009】
≪両性界面活性剤≫
両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベタイン系両性界面活性剤、アミノ酸系両性界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、ベタイン系両性界面活性剤が好ましい。
ベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、カルボベタイン系両性界面活性剤、アミドベタイン系両性界面活性剤、スルホベタイン系(ヒドロキシスルホベタイン系、アミドスルホベタイン系)両性界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン系両性界面活性剤、ホスホベタイン系両性界面活性剤、アミノプロピオン酸系両性界面活性剤等が挙げられる。ベタイン系両性界面活性剤としては、カルボベタイン系両性界面活性剤、アミドベタイン系両性界面活性剤が好ましく、アミドベタイン系両性界面活性剤がより好ましい。
【0010】
(1)カルボベタイン系両性界面活性剤としては、ラウリン酸ジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
(2)アミドベタイン系両性界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(コカミドプロピルベタイン)、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン等が挙げられる。
(3)スルホベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルスルホベタイン、ステアリルスルホベタイン、ミリスチルスルホベタイン等が挙げられる。
(4)イミダゾリニウムベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油アルキル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油アルキル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
(5)ホスホベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルヒドロキシホスホベタイン等が挙げられる。
(6)アミノプロピオン酸系両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸トリエタノールアミン等が挙げられる。
(7)アミノ酸系両性界面活性剤としては、ラウリルアミノ脂肪酸塩、ステアリルアミノ脂肪酸塩、ミリスチルアミノ脂肪酸塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタインが好ましく、拭き取り性の面からラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインが特に好ましい。
前記塩の対イオンとしては、例えば、アルカリ金属塩のイオン、アンモニウム塩のイオン、アルカノールアミン塩のイオン等が挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属塩のイオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオンがより好ましい。
【0011】
両性界面活性剤は商業的に入手可能である。ラウリン酸アミドプロピルベタインとしては、例えば、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「エナジコールL-30B」等が挙げられる。ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインとしては、デグサ社製「TEGO BETAIN CK-OK」等が挙げられる。パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタインとしては、ミヨシ油脂(株)製「アンホレックスPB-1」等が挙げられる。ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインとしては、三洋化成工業(株)製「レボンLD-36」、東邦化学工業(株)製「オバゾリンLB-SF」等が挙げられる。ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタインとして花王(株)製「アンヒトール86B」等が挙げられる。
【0012】
(A)成分の総質量に対して、両性界面活性剤の含有量は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。両性界面活性剤の含有量が上記下限値以上であると、洗浄力をより高め、拭き取り性をより高められる。
【0013】
≪アニオン界面活性剤≫
アニオン界面活性剤としては、例えば以下のものが挙げられる。
(1)炭素数8~18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(2)炭素数10~20のアルカンスルホン酸塩。
(3)炭素数10~20のα-オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(4)炭素数10~20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(5)炭素数2~4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9~9.9/0.1)を平均0.5~10モル付加した炭素数10~20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
(6)炭素数2~4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9~9.9/0.1)を、平均3~30モル付加した炭素数10~20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(7)炭素数2~4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9~9.9/0.1)を、平均0.5~10モル付加した炭素数10~20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(8)炭素数10~20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸等のアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(9)長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(10)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(11)炭素数10~20の高級脂肪酸塩(石鹸)。
構成する塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアミン塩(モノエタノールアンモニウム)、ジエタノールアミン塩(ジエタノールアンモニウム)、トリエタノールアミン塩(トリエタノールアンモニウム)等のアルカノールアミン塩;アンモニウム塩等が挙げられ、中でもナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
【0014】
≪ノニオン界面活性剤≫
ノニオン界面活性剤としては、例えば以下のものが挙げられる。
(1)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル。
(2)ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
(4)ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル。
(5)ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル。
(6)ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル。
(7)ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油。
(8)グリセリン脂肪酸エステル。
(9)アルキルポリグリコシド。
【0015】
ノニオン界面活性剤としては、脂肪族アルコールにアルキレンオキサイドを付加したものが好ましい。
脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。脂肪族アルコールのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールの炭素数は、6~22が好ましく、8~18がより好ましい。アルキレンオキサイドの炭素数は2~4が好ましい。アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、3~30モルが好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、炭素数12~18の分岐のアルキル基を有する脂肪族アルコールに、5~9モル(平均付加モル数)のエチレンオキサイドを付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル、炭素数12~16のアルキルポリグルコシドが好ましい。
【0016】
≪半極性界面活性剤≫
半極性界面活性剤としては、アミンオキシド型界面活性剤が挙げられる。
アミンオキシド型界面活性剤としては、アルキルアミンオキサイド、アミドアミンオキサイドが挙げられる。アルキルアミンオキサイドとしては、ドデシルジメチルアミンオキサイド、ミリスチルジメチルアミンオキサイド、ヤシアルキルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。アミドアミンオキサイドとしては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルアミンオキサイド、ラウリン酸アミドプロピルアミンオキサイド等が挙げられる。
中でも、半極性界面活性剤としては、ドデシルジメチルアミンオキシド(AX)が好ましい。
【0017】
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、例えば、0.5~5質量%が好ましく、0.5~3.5質量%が好ましく、0.5~3質量%がより好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲内であれば、拭き取り性をより高められる。
【0018】
<(B)成分>
(B)成分は、下記式(b1)で表される化合物である。いわゆるグリコール系溶剤である(B)成分を含有することで、液体洗浄剤組成物は洗浄力を高められる。
【0019】
【0020】
[式(b1)中、R1は炭素数2又は3のアルキレン基であり、mは1~6の数である]
【0021】
R1は、エチレン基ならびにプロピレン基の双方もしくは一方である。R1は、エチレン基を含むことが好ましい。
mは1~6の数であり、1~3が好ましい。
(B)成分としては、モノエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、モノプロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。中でも、洗浄力向上の観点から、(B)成分としては、モノエチレングリコールモノフェニルエーテルが好ましい。
【0022】
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.2~4.5質量%が好ましく、1~4.5質量%がより好ましい。(B)成分の含有量が上記下限値以上であると、洗浄力をより高められる。(B)成分の含有量が上記上限値以下であると、拭き取り性をより高められる。
【0023】
(A)成分/(B)成分で表される質量比(A/B比)は、0.3~9が好ましく、0.5~5がより好ましく、0.5~3.5がより好ましい。A/B比が上記下限値以上であると、拭き取り性をより高められる。A/B比が上記上限値以下であると、洗浄力をより高められる。
【0024】
<(C)成分>
(C)成分は、4級アンモニウム基を有するモノマーから誘導される繰り返し単位(c1)を有するポリマーである。(C)成分を含有することで、液体洗浄剤組成物は流水の広がり性を高められる。
【0025】
繰り返し単位(c1)としては、例えば、ジアリルジメチルアンモニウム塩から誘導される繰り返し単位(c1-1)、メタクリルアミドプロピルトリアルキルアンモニウム塩から誘導される繰り返し単位(c1-2)が挙げられる。モノマーの塩としては、塩化物等が挙げられる。
繰り返し単位(c1)としては、繰り返し単位(c1-1)、繰り返し単位(c1-2)から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0026】
(C)成分において、繰り返し単位(c1)は(C)成分を構成する繰り返し単位の総モル数に対し、20~100モル%が好ましく、40~100モル%がより好ましい。繰り返し単位(c1)のモル分率が上記範囲内であると、流水の広がり性を高められる。
【0027】
(C)成分は、繰り返し単位(c1)以外の繰り返し単位(任意繰り返し単位)を有してもよい。
任意繰り返し単位としては、繰り返し単位(c2)が好ましい。即ち、(C)成分としては、繰り返し単位(c1)と繰り返し単位(c2)とを有するコポリマー(「c1c2ポリマー」ということがある)が好ましい。c1c2ポリマーを(C)成分として用いることで、流水の広がり性をより高められる。
【0028】
繰り返し単位(c2)は、アクリル酸から誘導される繰り返し単位(c2-1)、アクリルアミドから誘導される繰り返し単位(c2-2)、及びアクリル酸メチルから誘導される繰り返し単位(c2-3)から選ばれ少なくとも1種である。中でも、c1c2ポリマーとしては、繰り返し単位(c2-2)を含むコポリマーが好ましい。
これらの繰り返し単位(c2)は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
【0029】
(C)成分がc1c2ポリマーである場合、繰り返し単位(c1)に対する繰り返し単位(c2)のモル比(c2/c1比)は、0超4以下が好ましく、0超3.5以下がより好ましく、0.05~3がさらに好ましい。c2/c1比が上記下限値以上であると、スプレー性を高めて、作業性をより高められる。c2/c1比が上記上限値以下であると、流水の広がり性をより高められる。
【0030】
c1c2ポリマーにおいて、繰り返し単位(c1)と繰り返し単位(c2)との合計は、100モル%が好ましい。
【0031】
(C)成分としては、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)のポリマー(DADMACポリマー)、アクリル酸・ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミドコポリマー、DADMAC・二酸化硫黄導入コポリマー、マレイン酸・DADMAC・二酸化硫黄導入コポリマー、アクリル酸・メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)・アクリルアミドコポリマー等が挙げられる。
【0032】
アクリル酸・DADMAC・アクリルアミドコポリマーとしては、例えば、下記式(c11)で表される化合物(化合物c11)が挙げられる。
【0033】
【0034】
式(c11)中、n、l、zは、それぞれ繰り返し単位の繰り返し数を表す数である。
化合物(c11)は、ランダムコポリマーでもよいし、ブロックコポリマーでもよい。
【0035】
DADMAC・二酸化硫黄導入コポリマーとしては、例えば、下記式(c12)で表される化合物(化合物c12)が挙げられる。
【0036】
【0037】
式(c12)中、kは、繰り返し単位の繰り返し数を表す数である。
化合物(c12)は、ランダムコポリマーでもよいし、ブロックコポリマーでもよい。
【0038】
マレイン酸・DADMAC・二酸化硫黄導入コポリマーとしては、例えば、下記式(c13)で表される化合物(化合物c13)が挙げられる。
【0039】
【0040】
式(c13)中、w、x、yは、それぞれ繰り返し単位の繰り返し数を表す数である。
化合物(c13)は、ランダムコポリマーでもよいし、ブロックコポリマーでもよい。
【0041】
アクリル酸・メタクリルアミドプロピル-トリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)・アクリルアミドコポリマーとしては、例えば、下記式(c14)で表される化合物(化合物c14)が挙げられる。
【0042】
【0043】
式(c14)中、p、q、r、sは、それぞれ繰り返し単位の繰り返し数を表す数である。
化合物(c14)は、ランダムコポリマーでもよいし、ブロックコポリマーでもよい。
【0044】
DADMACポリマーとしては、Merquat100 Polymer(商品名、重量平均分子量19万、ルーブリゾール社製)等が挙げられる。
【0045】
化合物(c11)としては、Merquat295 Polymer(商品名、重量平均分子量19万、ルーブリゾール社製)、Merquat740 Polymer(商品名、重量平均分子量12万、ルーブリゾール社製)等が挙げられる。
【0046】
化合物(c12)としては、PAS-A-1(商品名、重量平均分子量5千、ニットーボーメディカル社製)等が挙げられる。
【0047】
化合物(c13)としては、PAS-84(商品名、重量平均分子量2万、ニットーボーメディカル社製)等が挙げられる。
【0048】
化合物(c14)としては、Merquat2003(商品名、重量平均分子量120万、ルーブリゾール社製)等が挙げられる。
【0049】
(C)成分の重量平均分子量は、3千~200万が好ましく、4千~150万がより好ましく、5千~130万がさらに好ましい。(C)成分の重量平均分子量が上記下限値以上であると、流水を繰り返し使用した場合でも、流水の広がり性を高められる。(C)成分の重量平均分子量が上記範囲内であると、流水を繰り返し使用した場合でも、流水の広がり性を高められる。
(C)成分の重量平均分子量は、例えば、SEC-MALLS-RIシステム(測定条件:カラム=東ソー株式会社製TSKgelαシリーズ α-Mカラム30cm、溶媒=硝酸ナトリウム0.3M水溶液)により測定される値である。
【0050】
(C)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.2~4質量%が好ましく、0.5~4質量%がより好ましく、0.8~4質量%がさらに好ましい。(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、流水の広がり性をより高められる。(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、流水の広がり性をより高められる。
【0051】
(C)成分に対する(A)成分の質量比であり、(A)成分/(C)成分で表される質量比(A/C比)は、0.2~12が好ましく、0.3~11がより好ましく、0.3~9がさらに好ましい。A/C比が上記下限値以上であると、流水の広がり性をより高められる。(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、流水を繰り返し使用した場合でも、流水の広がり性を高められる。
【0052】
<任意成分>
本発明の液体洗浄剤組成物は、必要に応じて、上記成分以外に、通常、トイレ用の洗浄剤組成物に使用されうる成分を含有することができる。このような任意成分としては、例えば、水、(B)成分以外の有機溶剤、防腐剤、キレート剤、殺菌剤、防腐剤、抗カビ剤、色素、酸化防止剤、増粘剤、紫外線吸収剤、可溶化剤、香料、pH調整剤等が挙げられる。
【0053】
水の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、80~95質量%が好ましく、88~94質量%がより好ましい。
【0054】
有機溶剤としては、1価のアルコール、グリコールエーテル等が挙げられる。1価のアルコールとしては、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエチレングリコール系エーテル類、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコール系エーテル類等のジアルキルグリコールエーテル系溶剤、モノエチレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。
【0055】
防腐剤としては、ベンズイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、ブチルベンズイソチアゾリノン、クロロメチルイソチアゾリノン、オクチルイソチアゾリノン、ジクロロオクチルイソチアゾリノン等のイソチアゾリン系防腐剤が挙げられる。中でも、防腐剤としては、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンが好ましい。
【0056】
キレート剤としては、アミノカルボン酸系キレート剤として、DEG(ジヒドロキシエチルグリシン)、HEIDA(N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸)、HEDTA(ヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、HEDTA(ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸)、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、MGDA(メチルグリシン二酢酸)、GLDA(Lグルタミン酸二酢酸)、ASDA(アスパラギン酸二酢酸)、EDDS(エチレンジアミンコハク酸)、HIDS(ヒドロキシイミノジコハク酸)、IDS(イミノジコハク酸)、及び上記化合物の塩(例えば、アルカリ金属塩)や水和物等、多価カルボン酸系キレート剤(非窒素含有)として、酢酸、アジピン酸、モノクロル酢酸、シュウ酸、コハク酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、グリコール酸、ジグリコール酸、乳酸、酒石酸、カルボキシメチル酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、もしくはグルコン酸、またはそれらの塩等が挙げられる。
【0057】
pH調整剤としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア及びその誘導体、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等から選ばれるアルカリ剤を用いることが好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミンから選ばれるアルカリ剤を用いることがより好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムがさらに好ましい。
pH調整剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上の組み合わせて用いてもよい。
【0058】
<物性>
液体洗浄剤組成物のpH(25℃)は、5~9が好ましく、6~8がより好ましい。pH(25℃)は、25℃で、pHメーター(製品名:HM-30G、東亜ディーケーケー(株)製)により測定される値である。
【0059】
液体洗浄剤組成物の粘度(25℃)は、0.8~50mPa・sが好ましく、0.8~30mPa・sがより好ましく、0.8~10mPa・sがさらに好ましい。粘度が上記上限値以下であると、後述する使用方法において、吐出容器から吐出する際に、狙いを定めやすい。粘度(25℃)は、25℃で、B型粘度計を用いて、ローター番号No.1、ローター回転数60rpmで、ローターの回転の開始から60秒後に測定される値である。
【0060】
(製造方法)
液体洗浄剤組成物は、従来公知の製造方法により製造される。例えば、溶媒である水に、前記(A)~(C)成分を添加し、必要に応じて任意成分を加え、これを混合する方法等が挙げられる。
【0061】
(使用方法)
液体洗浄剤組成物の使用方法としては、例えば、液体洗浄剤組成物を吐出容器に収容し、この吐出容器から、適量の液体洗浄剤組成物を便器に塗布し、一定時間経過後に、フラッシュ等ですすぐ、「濯ぎ洗い」をする使用方法が挙げられる。
また、他の液体洗浄剤組成物の使用方法としては、適量の液体洗浄剤組成物を便器に塗布し、これを洗浄ブラシで擦る「擦り洗い」をする使用方法が挙げられる。
あるいは、便座やトイレの床に液体洗浄剤組成物を塗布し、これを布や紙で拭き取る「拭き取り洗い」をする使用方法が挙げられる。
【0062】
液体洗浄剤組成物を収容する吐出容器としては、スプレー容器やスクイズ容器等が挙げられる。中でも、洗浄対象に対する塗布性に優れることから、液体洗浄剤組成物を収容する吐出容器としては、スプレー容器が好ましい。
本発明で用いる吐出容器としては、内溶液(液体洗浄剤)を吐出し得るものであればよく、高圧ガスで吐出するエアゾール型吐出容器、ノンエアゾール型吐出容器等が挙げられる。これらの中でも、使用性や環境への影響の点、から、ノンエアゾール型吐出容器が好ましい。ノンエアゾール型吐出容器としては、例えばスプレー式、スクイズ式、ポンプ式等が挙げられる。これらの中でも、使用性の点で、スプレー式が好ましい。スプレー式としては、例えば、トリガースプレー式、ポンプスプレー式等が挙げられ、中でも狙いやすさの点からトリガースプレー式が好ましい。
【0063】
トリガースプレー式には直圧式と蓄圧式タイプが挙げられるが、狙いやすさ、滞留性の点から蓄圧式が好ましい。
蓄圧タイプのスプレイヤーとは、トリガーを操作しても、シリンダー内の液圧が所定の液圧に達するまではノズル部からの液状物の噴射は生じず、シリンダー内の液圧が所定の液圧以上に高めたときに、液状物が噴射されるように構成したものである。
【0064】
吐出形態は泡、霧状どちらでもよいが、狙いやすさの点から泡状が好ましい。
泡状に吐出させる方式としては内容物を空気と混合することにより泡状にして吐出する容器で、フォーマー容器とも称される。泡吐出容器は、通常、洗浄剤組成物を収容する容器本体と、容器本体の開口に取り付けられ、容器本体内に収容された洗浄剤組成物を泡状にして外部に放出する噴射ノズルとを備えている。噴射ノズルが容器本体内の洗浄剤組成物を泡状にする機構としては、噴射ノズルの先端に組み込まれた造泡筒部分に、容器本体から液体を導入し、液体を造泡筒の壁部で衝突させて乱流を発生させ、空気との混合を促進するもの、噴射ノズルの前面に障壁やメッシュを配置して泡状にするもの等が一般的である。泡を生成するための空気は容器外部から導入される。これらの機構の詳細な構造については、従来公知のものが適用でき、特に限定されない。
トリガースプレー容器の例としては、例えば、特開2005-187601号公報に記載のものが挙げられる。
【0065】
以上の通り、本発明の液体洗浄剤組成物によれば、(A)成分と(B)成分とを含むため、洗浄力に優れかつ拭き取り性に優れる。加えて、本発明の液体洗浄剤組成物は(C)成分を含むため、流水の広がり性に優れる。
【実施例0066】
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
表中の配合量は、純分換算値である。
表中、pH調整剤の配合量「適量」は、液体洗浄剤組成物をpH7とするのに要した量である。水の配合量「バランス」は、液体洗浄剤組成物の総量を100質量%とするのに必要な量である。
【0067】
(使用原料)
<(A)成分>
・A-1:ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、「エナジコールL-30B」。
・A-2:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、三洋化成工業株式会社製、「レボンLD-36」。
・A-3:ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、花王株式会社製、「アンヒトール86B」。
・A-4:12-16アルキルポリグルコシド(APG)、Cognis社製、「PLANTACARE 1200up」。
・A-5:AX、n-ドデシルジメチルアミンオキシド、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、「カデナックスDM12D-W」。
【0068】
<(B)成分>
・B-1:エチレングリコールモノフェニルエーテル(フェノキシエタノール)、日本乳化剤株式会社製、「フェニルグリコール」。
・B-2:ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、日本乳化剤株式会社製、「フェニルグリコール(2モル)」。
・B-3:ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテル、日本乳化剤株式会社製、「フェニルグリコール(5.5モル)」。
【0069】
<(B’)成分>(B)成分の比較品
・B’-1:ジエチレングリコールモノブチルエーテル、日本乳化剤株式会社製、「ブチルジグリコール」。
・B’-2:プロピレングリコール、ダウ・ケミカル社製、「プロピレングリコール」。
【0070】
<(C)成分>
・C-1:アクリル酸、DADMACコポリマー、ルーブリゾール社製、商品名「Merquat295 Polymer」、アクリル酸モノマー5モル%、ジアリルジメチルアンモニウムモノマー95モル%(c2/c1比=0.05)。
・C-2:DADMACポリマー、ルーブリゾール社製、商品名「Merquat100 Polymer」、ジアリルジメチルアンモニウムモノマー100モル%。
・C-3:DADMAC・アクリルアミドコポリマー、ルーブリゾール社製、商品名「Merquat740」、アクリルアミドモノマー76モル%、ジアリルジメチルアンモニウムモノマー24モル%(c2/c1比=3.2)。
・C-4:DADMAC・二酸化硫黄コポリマー、ニットーボーメディカル社製、商品名「PAS-a-1」。
・C-5:マレイン酸・DADMAC・二酸化硫黄コポリマー、ニットーボーメディカル社製、商品名「PAS-84」。
・C-6:アクリル酸・MAPTAC・アクリルアミドコポリマー、ルーブリゾール社製、商品名「Merquat2003」、アクリル酸10モル%、MAPTAC40モル%、アクリルアミド50モル%(c2/c1比=1.5)。
【0071】
<(C’)成分>(C)成分の比較品
・C’-1:ポリエチレンイミン、株式会社日本触媒製、商品名「SP-003」、質量平均分子量(Mw)300。
・C’-2:カチオン化セルロース、ダウ・ケミカル社製、商品名「RBC-227」、カチオン化セルロース2.625質量%水溶液。
・C’-3:ジメチルアミン-アンモニア-エピクロルヒドリンコポリマー、センカ株式会社製、商品名「ユニセンスKHE1000L」、分子量2万~10万。
【0072】
<任意成分>
・pH調整剤:硫酸(関東化学株式会社)、水酸化カリウム(液体苛性カリ、旭硝子株式会社製)。
・ポリビニルアルコール:株式会社クラレ製、商品名「PVA-217」。
・エタノール:日本アルコール販売株式会社製、「合成95」。
・香料:特開2003-183697の香料組成物A。
・水:イオン交換水。
【0073】
(評価方法)
<拭き取り性>
各例の液体洗浄剤組成物10gを陶器板の上に乗せ、これをトイレットペーパー(5cm×5cm)で、1回擦った。陶器板を乾燥した後、表面の拭き取り跡を確認し、下記評価基準に基づいて評価した。
【0074】
≪評価基準≫
5点:ベタつきが全くない。
4点:かなりベタつきがない。
3点:液体洗浄剤組成物がやや残り、ベタつきはわずかにあるが気にならない。
2点:部分的に液体洗浄剤組成物の残りがある。
1点:全体に液体洗浄剤組成物の残りがある。
【0075】
<洗浄力>
25mm×100mmの陶器板上に、成人男性5名から採取し混合した尿100μLを乗せ、28℃で18時間放置し、乾燥させた。乾燥後、陶器板上に各例の液体洗浄剤組成物1mLを滴下し、60秒間放置した。陶器板を水道水(流量10mL/s)で20秒間洗った後、下記評価基準に基づいて、専門パネラー5名が汚れの残り具合を目視で評価した。専門パネラーの評価点の平均値を求めた。
【0076】
≪洗浄力≫
5点:極めて汚れが落ちている。
4点:非常に汚れが落ちている。
3点:かなり汚れが落ちている。
2点:やや汚れが落ちている。
1点:汚れが落ちていない。
【0077】
<流水の広がり性>
50mm×100mmの陶器板上に、各例の液体洗浄剤組成物500μLを塗布した。液体洗浄剤組成物を塗布した面を流量10mL/sの水道水で20秒間すすいだ。すすいだ陶器板を25℃で8時間乾燥させた。乾燥後の陶器板を45℃に傾け、水道水を陶器板の一端へ流量5mL/sで20秒間流した(流水操作)。流水操作において、φ5mmのチューブから水道水を陶器板の面上に流した。流水操作を5回行い、1回目の直後と5回目の直後に、目視で水の広がり具合を確認し、下記評価基準にて評価した。
【0078】
≪評価基準≫
5点:チューブの出口幅に比べ、流水が陶器板上で極めて濡れ広がる。
4点:チューブの出口幅に比べ、流水が陶器板上で非常に濡れ広がる。
3点:チューブの出口幅に比べ、流水が陶器板上でかなり濡れ広がる。
2点:チューブの出口幅に比べ、流水が陶器板上でやや濡れ広がる。
1点:チューブの出口幅に比べ、流水が陶器板上で濡れ広がらない。
【0079】
(実施例1~31、比較例1~8)
表1~4に示す組成に従い、(A)~(C)成分及び任意成分を水に加え、混合して各例の液体洗浄剤組成物を調製した。
なお、表中の配合量は純分換算値である。また、表中に配合量が記載されていない成分は、配合されていない。
各例の液体洗浄剤組成物について、拭き取り性、洗浄力及び流水の広がり性を評価し、その結果を表中に示す。
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
表1~4に示すように、本発明を適用した実施例1~31は、拭き取り性、洗浄力、流水の広がり性(1回及び5回)の評価が、いずれも3以上であった。
(A)成分を含有しない比較例1は、拭き取り性の評価が1点であった。
(B)成分を含有しない比較例2、(B)成分に代えて(B’)成分を含有する比較例3~4は、洗浄力の評価が1~2点であった。
(C)成分を含有しない比較例5、(C)成分に代えて(C’)成分を含有する比較例6~8は、流水の広がり性(1回及び5回)が2点であった。
以上の結果から、本発明を適用することで、拭き取り性及び洗浄力に優れ、かつ流水の広がり性に優れることが確認された。