(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075878
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】部品実装システムおよび基板搬送制御方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20240529BHJP
B65G 43/08 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
H05K13/02 U
B65G43/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187103
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】杉山 昂太郎
【テーマコード(参考)】
3F027
5E353
【Fターム(参考)】
3F027AA01
3F027CA01
3F027FA12
5E353EE01
5E353GG11
5E353GG12
5E353GG14
5E353GG24
5E353QQ05
5E353QQ30
(57)【要約】
【課題】隣接する2個のコンベアに跨って残置された基板に対応可能な技術を提供する。
【解決手段】2個のコンベア(コンベア21および22、コンベア22および23あるいはコンベア23および24)に跨る基板Bを境界(境界R1、境界R2あるいは境界R3)から退避させる退避動作(ステップS203~S206あるいはステップS503)の要否が、基板搬送方向X(配列方向)における基板Bの長さLbと、境界センサSr1、Sr2あるいはSr3による基板Bの検出結果とに応じて判定される(ステップS102、S104、ステップS201~S202あるいはステップS501~S502)。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の配列方向に配列されて、前記配列方向に平行な第1方向および当該第1方向と逆の第2方向に基板を搬送するN個(Nは2以上の整数)のコンベアと、
前記コンベアに支持される前記基板に部品を実装する実装ヘッドと、
隣接する2個のコンベアの境界に対応して設けられて、前記境界における前記基板を検出する境界センサと、
前記2個のコンベアを前記第1方向に動作させて当該第1方向に前記基板を搬送することで、前記2個のコンベアに跨る前記基板を前記境界から退避させる退避動作の要否を、前記配列方向における前記基板の長さと、前記境界センサによる前記基板の検出結果とに応じて判定する制御部と
を備える部品実装システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記2個のコンベアのうち、前記第1方向の下流側の前記コンベアの前記配列方向への長さより前記基板の長さが短くて、前記境界センサが前記基板を検出している場合には、前記退避動作が必要と判定する請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項3】
Nは4以上であり、
前記制御部は、前記配列方向において前記基板の長さの1倍以上で2倍未満の長さをそれぞれ有する複数の区間のそれぞれに2個以上の前記コンベアが含まれるように、前記N個のコンベアを前記複数の区間に区分けし、前記区間に含まれる前記境界から前記基板を退避させる前記退避動作を不要と判定する一方、隣接する2個の区間に挟まれた前記境界である区間境界から前記基板を退避させる退避動作の要否を、前記区間境界に対応して配置された前記境界センサによる前記基板の検出結果に応じて判定する請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記退避動作が必要と判定すると、前記N個のコンベアのうちから前記基板を支持するコンベアを検索する検索動作を、前記退避動作を実行した後に実行する一方、前記退避動作が不要と判定すると、前記退避動作を実行せずに前記検索動作を実行する請求項1ないし3のいずれか一項に記載の部品実装システム。
【請求項5】
前記第1方向において前記N個のコンベアの上流端部における前記基板を検出する上流センサをさらに備え、
前記制御部は、前記第2方向に前記N個のコンベアを動作させた際における前記境界センサおよび前記上流センサそれぞれの前記基板の検出結果に基づき、前記N個のコンベアにおける前記基板の有無を判定することで、前記検索動作を実行する請求項4に記載の部品実装システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2方向の下流側の前記基板の端を、前記境界センサあるいは前記上流センサによって検出することで前記検索動作を実行する請求項5に記載の部品実装システム。
【請求項7】
前記第1方向における前記コンベアの両端の間における前記基板を検出する位置決めセンサをさらに備え、
前記制御部は、前記第2方向に前記N個のコンベアを動作させた際における前記位置決めセンサの前記基板の検出結果に基づき、前記N個のコンベアにおける前記基板の有無を判定することで、前記検索動作を実行する請求項4に記載の部品実装システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記第2方向の下流側の前記基板の端を、前記位置決めセンサによって検出することで前記検索動作を実行する請求項7に記載の部品実装システム。
【請求項9】
前記制御部は、複数の基板を前記N個のコンベアにより順番に搬入して、搬入された前記複数の基板に対して前記実装ヘッドにより前記部品を実装することで、複数の部品実装済み基板を生産し、
前記制御部は、前記複数の部品実装済み基板の生産の開始前あるいは中断時に前記検索動作を実行する請求項4に記載の部品実装システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記2個のコンベアのうち、前記第1方向の下流側の前記コンベアの前記配列方向への長さより前記基板の長さが長い場合には、前記境界から前記基板を退避させる前記退避動作を不要と判定する請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項11】
前記配列方向において前記2個のコンベアの両端の間の長さは、前記基板の長さより長く、前記実装ヘッドによって前記部品が実装される前記基板は、前記2個のコンベアの両端の間で支持され、
前記制御部は、前記N個のコンベアに残置された前記基板を検索する検索動作の要否を、前記境界センサの前記基板の検出結果に応じて判定する請求項10に記載の部品実装システム。
【請求項12】
前記2個のコンベアに対して、前記第1方向の上流側における前記基板を検出する上流センサと、
前記2個のコンベアに対して、前記第1方向の下流側における前記基板を検出する下流センサと
をさらに備え、
前記制御部は、前記第2方向に前記N個のコンベアを動作させた際における前記上流センサおよび前記下流センサそれぞれの前記基板の検出結果に基づき、前記N個のコンベアにおける前記基板の有無を判定することで前記検索動作を実行する請求項11に記載の部品実装システム。
【請求項13】
前記制御部は、前記境界センサが前記基板を検出している場合には、前記検索動作が不要と判定し、前記境界センサが前記基板を検出していない場合には、前記検索動作が必要と判定する請求項11に記載の部品実装システム。
【請求項14】
前記2個のコンベアに対して、前記第1方向の下流側における前記基板を検出する下流センサをさらに備え、
前記配列方向において前記2個のコンベアの両端の間の長さは、前記基板の長さより長く、前記実装ヘッドによって前記部品が実装される前記基板は、前記2個のコンベアの両端の間で支持され、
前記制御部は、前記N個のコンベアに残置された前記基板を検索する検索動作の要否を、前記下流センサの前記基板の検出結果に応じて判定する請求項10に記載の部品実装システム。
【請求項15】
前記制御部は、前記下流センサが前記基板を検出している場合には、前記検索動作が不要と判定し、前記下流センサが前記基板を検出していない場合には、前記検索動作が必要と判定する請求項14に記載の部品実装システム。
【請求項16】
前記制御部は、複数の基板を前記N個のコンベアにより順番に搬入して、搬入された前記複数の基板に対して前記実装ヘッドにより前記部品を実装することで、複数の部品実装済み基板を生産し、
前記制御部は、前記複数の部品実装済み基板の生産の開始前あるいは中断時に前記検索動作の要否を判定する請求項11に記載の部品実装システム。
【請求項17】
前記制御部は、前記境界センサが前記基板を検出しなくなるまで前記2個のコンベアを前記第1方向に動作せせることで前記退避動作を実行する請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項18】
所定の配列方向に配列されて、前記配列方向に平行な第1方向および当該第1方向と逆の第2方向に基板を搬送するN個(Nは2以上の整数)のコンベアにおいて、隣接する2個のコンベアの境界から前記基板を退避させる退避動作の要否を判定する工程と、
前記退避動作が必要と判定されると、前記退避動作を実行する工程と
を備え、
前記退避動作の要否は、隣接する2個のコンベアの境界に対応して設けられて、前記境界における前記基板を検出する境界センサによる前記基板の検出結果と、前記配列方向における前記基板の長さとに応じて判定される基板搬送制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、直列に配列された複数のコンベアによって基板を搬送する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
直列に配列された複数のコンベアによって搬入された基板に、実装ヘッドにより部品を実装することで、部品実装済み基板を生産する部品実装システムが知られている。かかる部品実装システムでは、生産の開始前や中断時において、コンベアに残置されている場合がある。この際、隣接する2個のコンベアに基板が跨っていることで、次のような問題が生じうる。
【0003】
つまり、残置された基板の検索を、隣接する2個のコンベアの境界における基板を検出するセンサを用いて実行することができる。この際、コンベアによって基板を所定方向に搬送しつつセンサによって基板を検出することで、基板が検索される。ただし、2個のコンベアに基板が跨っていると、当該2個のコンベアの境界に対して設けられたセンサが基板を検出した後に、当該2個のコンベアの所定方向の下流側に対して設けられたセンサがさらに基板を検出するといった過検出が発生しうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに対して、特許文献1では、複数のコンベアのうち、奇数番目のコンベアを選択的に動作させつつセンサによる基板の検出結果を確認してから、偶数番目のコンベアを選択的に動作させつつセンサによる基板の検出結果を確認することで、過検出の発生を防止している。しかしながら、奇数番目のコンベアを動作させてから偶数番目のコンベアを動作させことで、基板の検索に長い時間を要してしまう。そのため、隣接する2個のコンベアに跨って残置された基板に対応するための別の技術が求められる場合があった。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、隣接する2個のコンベアに跨って残置された基板に対応可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る部品実装システムは、所定の配列方向に配列されて、配列方向に平行な第1方向および当該第1方向と逆の第2方向に基板を搬送するN個(Nは2以上の整数)のコンベアと、コンベアに支持される基板に部品を実装する実装ヘッドと、隣接する2個のコンベアの境界に対応して設けられて、境界における基板を検出する境界センサと、2個のコンベアを第1方向に動作させて当該第1方向に基板を搬送することで、2個のコンベアに跨る基板を境界から退避させる退避動作の要否を、配列方向における基板の長さと、境界センサによる基板の検出結果とに応じて判定する制御部とを備える。
【0008】
本発明に係る基板搬送制御方法は、所定の配列方向に配列されて、配列方向に平行な第1方向および当該第1方向と逆の第2方向に基板を搬送するN個(Nは2以上の整数)のコンベアにおいて、隣接する2個のコンベアの境界から基板を退避させる退避動作の要否を判定する工程と、退避動作が必要と判定されると、退避動作を実行する工程とを備え、退避動作の要否は、隣接する2個のコンベアの境界に対応して設けられて、境界における基板を検出する境界センサによる基板の検出結果と、配列方向における基板の長さとに応じて判定される。
【0009】
このように構成された本発明(部品実装システムおよび基板搬送制御方法)では、2個のコンベアに跨る基板を境界から退避させる退避動作の要否が、配列方向における基板の長さと、境界センサによる基板の検出結果とに応じて判定される。したがって、要否の判定に応じて退避動作を行って、2個のコンベアの境界から基板を退避させるといった動作を実行できる。こうして、隣接する2個のコンベアに跨って残置された基板に対応することが可能となっている。
【0010】
また、制御部は、2個のコンベアのうち、第1方向の下流側のコンベアの配列方向への長さより基板の長さが短くて、境界センサが基板を検出している場合には、退避動作が必要と判定するように、部品実装システムを構成してもよい。これによって、2個のコンベアに跨って残置された基板を、2個のコンベアのうちの第1方向の下流側のコンベアに移動させて、2個のコンベアの境界から退避させるといった動作を実行できる。こうして、隣接する2個のコンベアに跨って残置された基板に対応することが可能となっている。
【0011】
また、Nは4以上であり、制御部は、配列方向において基板の長さの1倍以上で2倍未満の長さをそれぞれ有する複数の区間のそれぞれに2個以上のコンベアが含まれるように、N個のコンベアを複数の区間に区分けし、区間に含まれる境界から基板を退避させる退避動作を不要と判定する一方、隣接する2個の区間に挟まれた境界である区間境界から基板を退避させる退避動作の要否を、区間境界に対応して配置された境界センサによる基板の検出結果に応じて判定するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成は、区間ごとに一の基板を支持するような場合に有効に機能する。つまり、このような場合、区間の途中に含まれる境界に基板が跨っていたとしても、当該境界から基板を退避させる必要はない。一方、隣接する2個の区間に挟まれた境界である区間境界に基板が跨っている場合には、当該区間境界からは基板を退避させる必要がある。これに対して、かかる構成では、退避動作の要否を的確に判定することができる。
【0012】
また、制御部は、退避動作が必要と判定すると、N個のコンベアのうちから基板を支持するコンベアを検索する検索動作を、退避動作を実行した後に実行する一方、退避動作が不要と判定すると、退避動作を実行せずに検索動作を実行するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成では、要否の判定に応じて退避動作を実行して、検索動作における基板の過検出の発生を防止できる。
【0013】
また、第1方向においてN個のコンベアの上流端部における基板を検出する上流センサをさらに備え、制御部は、第2方向にN個のコンベアを動作させた際における境界センサおよび上流センサそれぞれの基板の検出結果に基づき、N個のコンベアにおける基板の有無を判定することで、検索動作を実行するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成では、境界センサおよび上流センサによって基板を検出して、検索動作を速やかに実行できる。
【0014】
また、制御部は、第2方向の下流側の基板の端を、境界センサあるいは上流センサによって検出することで検索動作を実行するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成では、境界センサあるいは上流センサによって基板の端を検出して、検索動作を速やかに実行できる。
【0015】
また、第1方向におけるコンベアの両端の間における基板を検出する位置決めセンサをさらに備え、制御部は、第2方向にN個のコンベアを動作させた際における位置決めセンサの基板の検出結果に基づき、N個のコンベアにおける基板の有無を判定することで、検索動作を実行するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成では、位置決めセンサによって基板を検出して、検索動作を速やかに実行できる。
【0016】
また、制御部は、第2方向の下流側の基板の端を、位置決めセンサによって検出することで検索動作を実行するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成では、位置決めセンサによって基板の端を検出して、検索動作を速やかに実行できる。
【0017】
また、制御部は、複数の基板をN個のコンベアにより順番に搬入して、搬入された複数の基板に対して実装ヘッドにより部品を実装することで、複数の部品実装済み基板を生産し、制御部は、複数の部品実装済み基板の生産の開始前あるいは中断時に検索動作を実行するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成では、基板生産の開始前あるいは中断時において、コンベアに残置された基板を検索することができる。
【0018】
また、制御部は、2個のコンベアのうち、第1方向の下流側のコンベアの配列方向への長さより基板の長さが長い場合には、境界から基板を退避させる退避動作を不要と判定するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成では、退避動作の要否を的確に判定することができる。
【0019】
また、配列方向において2個のコンベアの両端の間の長さは、基板の長さより長く、実装ヘッドによって部品が実装される基板は、2個のコンベアの両端の間で支持され、制御部は、N個のコンベアに残置された基板を検索する検索動作の要否を、境界センサの基板の検出結果に応じて判定するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成では、検索動作の要否を的確に判定することができる。
【0020】
また、2個のコンベアに対して、第1方向の上流側における基板を検出する上流センサと、2個のコンベアに対して、第1方向の下流側における基板を検出する下流センサとをさらに備え、制御部は、第2方向にN個のコンベアを動作させた際における上流センサおよび下流センサそれぞれの基板の検出結果に基づき、N個のコンベアにおける基板の有無を判定することで検索動作を実行するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成では、上流センサおよび下流センサによって基板を検出して、検索動作を速やかに実行できる。
【0021】
また、制御部は、境界センサが基板を検出している場合には、検索動作が不要と判定し、境界センサが基板を検出していない場合には、検索動作が必要と判定するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成では、検索動作の要否を的確に判定することができる。
【0022】
また、2個のコンベアに対して、第1方向の下流側における基板を検出する下流センサをさらに備え、配列方向において2個のコンベアの両端の間の長さは、基板の長さより長く、実装ヘッドによって部品が実装される基板は、2個のコンベアの両端の間で支持され、制御部は、N個のコンベアに残置された基板を検索する検索動作の要否を、下流センサの基板の検出結果に応じて判定するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成では、検索動作の要否を的確に判定することができる。
【0023】
また、制御部は、下流センサが基板を検出している場合には、検索動作が不要と判定し、下流センサが基板を検出していない場合には、検索動作が必要と判定するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成では、検索動作の要否を的確に判定することができる。
【0024】
また、制御部は、複数の基板をN個のコンベアにより順番に搬入して、搬入された複数の基板に対して実装ヘッドにより部品を実装することで、複数の部品実装済み基板を生産し、制御部は、複数の部品実装済み基板の生産の開始前あるいは中断時に検索動作の要否を判定するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成では、基板生産の開始前あるいは中断時において、コンベアに残置された基板を検索することができる。
【0025】
また、制御部は、境界センサが基板を検出しなくなるまで2個のコンベアを第1方向に動作せせることで退避動作を実行するように、部品実装システムを構成してもよい。かかる構成は、2個のコンベアに跨って残置された基板を当該2個のコンベアの境界から退避させる。こうして、隣接する2個のコンベアに跨って残置された基板に対応することが可能となっている。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明によれば、隣接する2個のコンベアに跨って残置された基板に対応することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明に係る部品実装システムの一例である部品実装機を模式的に示す平面図。
【
図2】
図1の部品実装機が備える電気的構成を示すブロック図。
【
図3】基板搬送ユニットによる基板の支持態様を模式的に示す図。
【
図5】
図4の残置基板対応で実行される第1準備の一例を示すフローチャート。
【
図6】
図5の第1準備で実行される動作を模式的に示す図。
【
図7】
図5の第1準備で実行される検索動作の一例を示すフローチャート。
【
図8】
図7の検索動作で実行される動作を模式的に示す図。
【
図9】
図5の第1準備で実行される位置決め動作の一例を示すフローチャート。
【
図10】
図9の位置決め動作で実行される動作を模式的に示す図。
【
図11】
図4の残置基板対応で実行される第2準備の一例を示すフローチャート。
【
図12】
図11の第2準備で実行される動作を模式的に示す図。
【
図13】
図12の第2準備で実行される検索動作(区間)の一例を示すフローチャート。
【
図14】
図13の検索動作(区間)で実行される動作を模式的に示す図。
【
図15】
図11の第2準備で実行される位置決め動作(区間)の一例を示すフローチャート。
【
図16】
図15の位置決め動作(区間)で実行される動作を模式的に示す図。
【
図17】
図4の残置基板対応で実行される第3準備の一例を示すフローチャート。
【
図18】
図17の第3準備で実行される動作を模式的に示す図。
【
図19】
図4の残置基板対応で実行される第4準備の一例を示すフローチャート。
【
図20】
図19の第4準備で実行される動作を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は本発明に係る部品実装システムの一例である部品実装機を模式的に示す平面図であり、
図2は
図1の部品実装機が備える電気的構成を示すブロック図である。
図1では、水平方向である基板搬送方向X、基板搬送方向Xに直交する水平方向である幅方向Yおよび鉛直方向Zを適宜示す。さらに、基板搬送方向Xの順方向X1および逆方向X2を適宜示す。ここで、順方向X1と逆方向X2とは互いに逆を向く。
【0029】
部品実装機1は、基板Bに部品Eを実装することで、部品Eが実装された基板Bである部品実装済み基板を生産する。
図2に示すように、部品実装機1は、部品実装機1の各部を制御する制御ユニット10を備える。この制御ユニット10は、部品実装に要する制御を統括する主制御部11と、部品実装で使用されるプログラムやデータを記憶する記憶部12とを有する。主制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12は、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。記憶部12には、基板Bに部品Eを実装する手順を示す生産プログラム121と、基板Bに関連するデータ(具体的には、基板Bのサイズ等)を示す基板関連データ122とが保存されている。さらに、制御ユニット10は、ヘッド制御部13および基板搬送制御部14を有する。
【0030】
図1の部品実装機1は、基板搬送方向Xの順方向X1および逆方向X2に基板Bを搬送する基板搬送ユニット2を備える。この基板搬送ユニット2は、基板搬送方向Xの順方向X1にこの順で直列に配列された待機コンベア21、実装コンベア22、実装コンベア23および待機コンベア24を有する。つまり、待機コンベア21と実装コンベア22とが境界R1を空けて基板搬送方向Xに互いに隣接し、実装コンベア22と実装コンベア23とが境界R2を空けて互いに隣接し、実装コンベア23と待機コンベア24とが境界R3を空けて互いに隣接する。コンベア21、22、23および24のそれぞれは、並列に配列された2個のベルトコンベア20を有し、ベルトコンベア20を回転させてベルトコンベア20の上面(基板Bを支持する面)を順方向X1に移動させることで基板Bを順方向X1に搬送し、ベルトコンベア20の上面(基板Bを支持する面)を逆方向X2に移動させることで基板Bを逆方向X2に搬送する。なお、本明細書において、コンベアが順方向X1(逆方向X2)に動作するとの表現を、コンベアのベルトコンベア20の上面が順方向X1(逆方向X2)に移動することを示す表現として適宜使用する。
【0031】
待機コンベア21は、順方向X1の上流側から搬入された基板Bを支持して、当該基板Bを待機させる。また、待機コンベア21は、基板Bを順方向X1に搬送することで、当該基板Bを実装コンベア22に受け渡す。実装コンベア22は、待機コンベア21から受け取った基板Bを支持する。こうして実装コンベア22によって支持される基板Bに対して部品Eが実装される。また、実装コンベア22は、基板Bを順方向X1に搬送することで、当該基板Bを実装コンベア23に受け渡す。実装コンベア23は、実装コンベア22から受け取った基板Bを支持する。こうして実装コンベア23によって支持される基板Bに対して部品Eが実装される。また、実装コンベア23は、基板Bを順方向X1に搬送することで、当該基板Bを待機コンベア24に受け渡す。待機コンベア24は、実装コンベア23から受け取った基板Bを支持して、当該基板Bを待機させる。また、待機コンベア24は、基板Bを順方向X1に搬送することで、当該基板Bを順方向X1の下流側へ搬出する。これらコンベア21、22、23および24は、基板搬送制御部14による制御に応じて動作する。
【0032】
また、部品実装機1は、基板搬送ユニット2によって支持される基板Bの位置を基板センサによって検出する基板検出ユニットUdを備える。この基板検出ユニットUdは、基板搬送方向Xの順方向X1にこの順で配列された後端センサSu、境界センサSr1、境界センサSr2、境界センサSr3および前端センサSdのそれぞれを上記基板センサとして有する。これらのセンサSu、Sr1、Sr2、Sr3、Sdは、例えば光学式のセンサであり、基板Bを検出している期間はオン信号を基板搬送制御部14に出力し、基板Bを検出していない期間はオフ信号を基板搬送制御部14に出力する。後端センサSuは、待機コンベア21の順方向X1の上流端に対応して配置され、当該上流端における基板Bの有無を検出する。境界センサSr1は、順方向X1における待機コンベア21と実装コンベア22との境界R1に対応して配置され、当該境界R1における基板Bの有無を検出する。境界センサSr2は、順方向X1における実装コンベア22と実装コンベア23との境界R2に対応して配置され、当該境界R2における基板Bの有無を検出する。境界センサSr3は、順方向X1における実装コンベア23と待機コンベア24との境界R3に対応して配置され、当該境界R3における基板Bの有無を検出する。前端センサSdは、待機コンベア24の順方向X1の下流端に対応して配置され、当該下流端における基板Bの有無を検出する。
【0033】
そして、基板搬送制御部14は、基板検出ユニットUdが検出した基板Bの位置に基づき基板搬送ユニット2を制御することで、基板搬送方向Xにおいて基板Bを位置決めする。つまり、基板搬送ユニット2は、基板Bに当接することで基板Bを位置決めするストッパを具備しない(ストッパレス)。したがって、基板搬送制御部14は、基板検出ユニットUdが基板センサによって検出したタイミングから、所定量だけコンベア21、22、23あるいは24のベルトコンベア20の上面を移動させることで、基板Bを位置決めする。なお、ベルトコンベア20の移動量は、コンベア21、22、23あるいは24のベルトコンベア20を駆動するモータのエンコーダ出力によって。基板搬送制御部14により取得される。
【0034】
また、部品実装機1は、それぞれ基板Bに部品Eを実装する2個のヘッドユニット3と、2個のヘッドユニット3を独立して基板搬送方向Xおよび幅方向Yに駆動するヘッド駆動ユニット4を備える。ヘッド駆動ユニット4は、公知のXY駆動機構を適用することで構成できる。このヘッド駆動ユニット4による各ヘッドユニット3の駆動は、生産プログラム121に基づきヘッド制御部13によって制御される。
【0035】
さらに、部品実装機1は、2個の部品供給ユニット5を備える。2個の部品供給ユニット5は、幅方向Yにおいて基板搬送ユニット2を挟むように、基板搬送ユニット2の両側に配置されている。各部品供給ユニット5では、複数のテープフィーダ51が基板搬送方向Xに配列されており、各テープフィーダ51は、部品Eを収納するキャリアテープを幅方向Yに送り出すことで、幅方向Yにおいて基板搬送ユニット2側の先端に設けられた部品供給位置に部品Eを供給する。なお、部品供給ユニット5が部品Eを供給するために使用するフィーダは、テープフィーダ51に限られず、例えばトレイに載置された部品Eを供給するトレイフィーダでもよい。
【0036】
ヘッドユニット3は、基板搬送方向Xに配列された複数(
図1の例では6本)の実装ヘッド31を有する。実装ヘッド31はZ方向に延設された長尺形状を有し、当該実装ヘッド31の下端に対して着脱可能に装着されたノズルによって部品Eを吸着・保持することができる。そして、実装ヘッド31は、このノズルによってテープフィーダ51から取り出した部品Eを基板Bに移載することで、基板Bに部品Eを実装する。
【0037】
図1に示すように、待機コンベア21および24のそれぞれは、基板搬送方向Xにおいて長さLcwを有し、実装コンベア22および23のそれぞれは、基板搬送方向Xにおいて長さLcmを有する。ここで、実装コンベア22および23それぞれの長さLcmは、待機コンベア21および24それぞれの長さLcwより長い。また、基板搬送方向Xにおいて、実装コンベア22および実装コンベア23の両端の間の長さは、長さLcmmであり、実装コンベア23および待機コンベア24の両端の間の長さ(待機コンベア21および実装コンベア22の両端の間の長さ)は、長さLcmwである。ここで、基板搬送方向Xにおいて複数のコンベアの両端の長さとは、基板搬送方向X(換言すれば、順方向X1)において、当該複数のコンベアのうち、最上流のコンベアの最上流の端と、最下流のコンベアの最下流の端との間の長さである。かかる基板搬送ユニット2では、基板搬送方向Xにおける基板Bの長さLbに応じて、
図3に示す各態様で基板Bを支持することができる。
【0038】
図3は基板搬送ユニットによる基板の支持態様を模式的に示す図である。基板Bの長さLbが、長さLcw以下の長さLb1である場合には、待機コンベア21、実装コンベア22、実装コンベア23および待機コンベア24のそれぞれで基板Bを支持することができる。したがって、実装ヘッド3によって部品Eが実装される2枚の基板Bは、それぞれ実装コンベア22および実装コンベア23に支持される。また、実装ヘッド3による部品Eの実装を待機する基板Bは、待機コンベア21に支持され、実装ヘッド3による部品Eの実装が完了した基板Bは、待機コンベア24に支持される。したがって、基板搬送ユニット2で支持できる基板Bの枚数は、最大で4枚となる。
【0039】
基板Bの長さLbが、長さLcwより長くて長さLcm以下の長さLb2である場合には、実装コンベア22および実装コンベア23のそれぞれに基板Bが収まる一方、待機コンベア21および待機コンベア24のそれぞれに基板Bが収まらない。そのため、「実装時」の欄に示すように、実装ヘッド3によって部品Eが実装される2枚の基板Bは、それぞれ実装コンベア22および実装コンベア23に支持される一方、待機コンベア21および待機コンベア24のそれぞれには、基板Bが支持されない。また、「待機時」の欄に示すように、実装ヘッド3による部品Eの実装後の基板Bは、実装コンベア23および待機コンベア24の両方に跨ってこれらに支持される。同様に、実装ヘッド3による部品Eの実装前の基板Bは、待機コンベア21および実装コンベア22の両方に跨ってこれらに支持される。したがって、基板搬送ユニット2で支持できる基板Bの枚数は、最大で2枚となる。
【0040】
基板Bの長さLbが長さLcmより長くて長さLcmw以下の長さLb3である場合には、待機コンベア21、実装コンベア22、実装コンベア23および待機コンベア24のいずれにも基板Bが収まらない。そのため、「実装時」の欄に示すように、実装ヘッド3によって部品Eが実装される2枚の基板Bは、実装コンベア22および実装コンベア23の両方にまたがってこれらに支持される。また、「待機時」の欄に示すように、実装ヘッド3による部品Eの実装前の基板Bは、待機コンベア21および実装コンベア22の両方に跨ってこれらに支持され、実装ヘッド3による部品Eの実装後の基板Bは、実装コンベア23および待機コンベア24の両方に跨ってこれらに支持される。したがって、基板搬送ユニット2で支持できる基板Bの枚数は、最大で2枚となる。
【0041】
基板Bの長さLbが長さLcmwより長くて長さLcmm以下の長さLb4である場合には、待機コンベア21、実装コンベア22、実装コンベア23および待機コンベア24のいずれにも基板Bが収まらない。そのため、「実装時」の欄に示すように、実装ヘッド3によって部品Eが実装される2枚の基板Bは、実装コンベア22および実装コンベア23の両方にまたがってこれらに支持される。また、「待機時」の欄に示すように、実装ヘッド3による部品Eの実装後の基板Bは、実装コンベア22、実装コンベア23および待機コンベア24に跨ってこれらに支持される。同様に、実装ヘッド3による部品Eの実装前の基板Bは、待機コンベア21、実装コンベア22および実装コンベア23に跨ってこれらに支持される。したがって、基板搬送ユニット2で支持できる基板Bの枚数は、最大で1枚となる。
【0042】
上記のような部品実装機1では、制御ユニット10は、生産プログラム121に基づき記憶部12および基板搬送制御部14を制御することで、複数の基板Bを基板搬送ユニット2により順番に搬入して、搬入された複数の基板Bに対して実装ヘッド3により部品Eを実装することで、複数の部品実装済み基板を生産する基板生産を実行できる。この際、基板生産の開始前あるいは中断時には、基板搬送ユニット2に残置された基板Bが存在する場合がある。このように残置された基板Bに対応するために、主制御部11は
図4の残置基板対応を実行する。
【0043】
図4は残置基板対応の一例を示すフローチャートである。
図4のステップS101では、主制御部11は、残置された基板Bに対応するための各動作を実行する条件が満たされたかを判定する。例えば、基板生産の開始前あるいは基板生産の中断時(すなわち、中断してから再開する前)といった条件が実行条件として定められている。また、実行条件の具体例はこれに限られず、部品実装機1の電源の投入直後、基板搬送ユニット2による基板Bの搬送エラーの発生時、部品実装機1のカバーの開閉時あるいやコンベア21、22、23あるいは24に対する作業者によるマニュアル操作時等を、実行条件として定めてもよい。
【0044】
主制御部11は、実行条件が満たされたと判定すると(ステップS101で「YES」)、ステップS102~S108を実行するように基板搬送制御部14に指令を出し、基板搬送制御部14は、主制御部11から受け取った指令に従って、ステップS102~S108を実行する。特に、基板搬送制御部14は、基板Bの長さLbに応じて実行すべき動作を、第1準備(ステップS103)、第2準備(ステップS105)、第3準備(ステップS107)および第4準備(ステップS108)のうちから選択して実行する。これらの準備は、基板搬送ユニット2が基板生産のために基板Bの搬送を開始する前に実行すべき準備となる。
【0045】
つまり、ステップS102では、基板Bの長さLbが待機コンベア21、24の長さLcw以下であるか、換言すれば、
図3に示す長さLb1に相当するか否かが判定される。そして、基板Bの長さLbが待機コンベア21、24の長さLcw以下である場合(ステップS102で「YES」の場合)には、ステップS103の第1準備が実行される。
【0046】
図5は
図4の残置基板対応で実行される第1準備の一例を示すフローチャートであり、
図6は
図5の第1準備で実行される動作を模式的に示す図であり、
図7は
図5の第1準備で実行される検索動作の一例を示すフローチャートであり、
図8は
図7の検索動作で実行される動作を模式的に示す図であり、
図9は
図5の第1準備で実行される位置決め動作の一例を示すフローチャートであり、
図10は
図9の位置決め動作で実行される動作を模式的に示す図である。
【0047】
図5の第1準備では、基板搬送制御部14は、境界センサSr1、Sr2およびSr3それぞれの出力を確認し(ステップS201)、境界センサSr1、Sr2およびSr3の全ての出力がオフであるか否かを判定する(ステップS202)。そして、境界センサSr1、Sr2およびSr3の少なくとも一つのセンサの出力がオンである場合(ステップS202で「NO」の場合)には、ステップS203~S206が実行される。
図6の「S201」の欄に示す例では、実装コンベア22と実装コンベア23とに跨って基板Bが残置され、実装コンベア23と待機コンベア24に跨って基板Bが残置されている。したがって、境界センサSr2および境界センサSr3がオンを出力し、ステップS202で「NO」と判定される。
【0048】
ステップS203では、境界センサSr1、Sr2およびSr3のうち、オフを出力すると確認されたセンサの上下流のコンベア(すなわち、当該センサに対応する境界を挟んで隣接する2個のコンベア)が動作しているか否かが判定される。
図6の「S201」の欄に示す例では、境界センサSr1がオフを出力するため、当該境界センサSr1の上下流の待機コンベア21および実装コンベア22が動作しているか否かが判定される(ステップS203)。上下流のコンベア(待機コンベア21および実装コンベア22)の両方が停止している場合(ステップS204で「NO」の場合)には、ステップS206に進む。一方、上下流のコンベア(待機コンベア21および実装コンベア22)の少なくとも一つが動作している場合(ステップS204で「YES」の場合)には、当該少なくとも一つを停止させてから(ステップS205)、ステップS206に進む。
【0049】
ステップS206では、基板搬送制御部14は、境界センサSr1、Sr2およびSr3のうち、オンを出力すると確認されたセンサの上下流のコンベアを順方向X1に動作させる。
図6の「S201」の欄に示す例では、境界センサSr2がオンを出力するため、当該境界センサSr2の上下流の実装コンベア22および実装コンベア23が順方向X1に動作する(ステップS206)。また、境界センサSr3がオンを出力するため、当該境界センサSr3の上下流の実装コンベア23および待機コンベア24が順方向X1に動作する(ステップS206)。その結果、
図6の「S206」の欄の矢印に示すように、境界R2に重複する基板Bが順方向X1に移動するとともに、境界R3に重複する基板Bが順方向X1に移動する。
【0050】
ステップS206に続いてステップS201に戻る。つまり、境界センサSr1、Sr2およびSr3それぞれの出力が確認されて(ステップS201)、境界センサSr1、Sr2およびSr3の全ての出力がオフであるか否かを判定される(ステップS202)。
図6の「S201_2」の欄に示す例では、基板Bが実装コンベア22と実装コンベア23とに跨っており、境界センサSr2がオンを出力するため、ステップS202で「NO」と判定される。なお、ステップS206で開始された実装コンベア23および待機コンベア24の順方向X1への動作に伴って、基板Bが境界R3から順方向X1に退避したことから、境界センサSr3の出力はオンからオフに変化する。
【0051】
ステップS203では、境界センサSr1、Sr2およびSr3のうち、オフを出力すると確認されたセンサの上下流のコンベア(すなわち、当該センサに対応する境界を挟んで隣接する2個のコンベア)が動作しているか否かが判定される。
図6の「S201_2」の欄に示す例では、境界センサSr1およびSr3がオフを出力するため、当該境界センサSr1の上下流の待機コンベア21および実装コンベア22が動作しているか否かが判定されるとともに、当該境界センサSr3の上下流の実装コンベア23および待機コンベア24が動作しているか否かが判定される(ステップS203)。ここの例では、実装コンベア23および待機コンベア24が動作しているため(ステップS204で「YES」)、実装コンベア23および待機コンベア24を停止させてから(ステップS205)、ステップS206に進む。
【0052】
ステップS206では、基板搬送制御部14は、境界センサSr1、Sr2およびSr3のうち、オンを出力すると確認されたセンサの上下流のコンベアを順方向X1に動作させる。
図6の「S201_2」の欄に示す例では、境界センサSr2がオンを出力するため、当該境界センサSr2の上下流の実装コンベア22および実装コンベア23が順方向X1に動作する(ステップS206)。
【0053】
ステップS206に続いてステップS201に戻る。つまり、境界センサSr1、Sr2およびSr3それぞれの出力が確認されて(ステップS201)、境界センサSr1、Sr2およびSr3の全ての出力がオフであるか否かを判定される(ステップS202)。
図6の「S201_3」の欄に示す例では、境界R1、R2およびR3の全てから基板Bが順方向X1に退避しており、境界センサSr1、Sr2およびSr3の全てがオフを出力する(ステップS202で「YES」)。したがって、基板搬送制御部14は、コンベア21、22、23および24の全てを停止させる(ステップS207)。
【0054】
こうしてステップS203~S206(退避動作)が実行されることで、第1準備の開始前に、実装コンベア22と実装コンベア23とに跨っていた基板Bが実装コンベア22と実装コンベア23との境界R2から順方向X1に退避し、実装コンベア23と待機コンベア24とに跨っていた基板Bが実装コンベア23と待機コンベア24との境界R3から順方向X1に退避する(
図6の「S201_3」あるいは
図8の「検索動作開始前」の欄)。
【0055】
退避動作(ステップS203~S206)を含むステップS201~S207が完了すると、検索動作が実行される(ステップS208)。
図7に示す検索動作では、基板搬送制御部14は、コンベア21、22、23および24の全てを逆方向X2に動作させる(ステップS301)。これによって、基板搬送ユニット2に支持される基板B(具体的には、待機コンベア21、実装コンベア23および待機コンベア24に支持される3枚の基板B)が逆方向X2に移動する(
図8の「S301」の欄の矢印)。ステップS302では、基板搬送制御部14は、コンベア21、22、23および24のそれぞれが所定距離を動作したか否かを判定する。この所定距離は、コンベア21、22、23および24それぞれの長さに応じて設定される。例えば、待機コンベア21および待機コンベア24に設定される所定距離を長さLcwとし、実装コンベア22および実装コンベア23に設定される所定距離を長さLcmとすることができる。
【0056】
コンベア21、22、23および24のそれぞれが所定距離を動作していない場合(ステップS302で「NO」の場合)、基板搬送制御部14は、コンベア21、22、23および24の全てについて基板Bを検出したか否かを判定する(ステップS303)。ここで、待機コンベア21について基板Bを検出するとは、待機コンベア21の逆方向X2の下流端に設けられた後端センサSuが基板Bを検出することを示し、実装コンベア22について基板Bを検出するとは、実装コンベア22の逆方向X2の下流側の境界R1に対応する境界センサSr1が基板Bを検出することを示し、実装コンベア23について基板Bを検出するとは、実装コンベア23の逆方向X2の下流側の境界R2に対応する境界センサSr2が基板Bを検出することを示し、待機コンベア24について基板Bを検出するとは、待機コンベア24の逆方向X2の下流側の境界R3に対応する境界センサSr3が基板Bを検出することを示す。
【0057】
図8の「S301」の欄に示す例では、コンベア21、22、23および24のいずれについても基板Bを検出していないため(ステップS303で「NO」)、ステップS304に進む。ステップS304では、基板搬送制御部14は、これらセンサSu、Sr1、Sr2およびSr3のうち、オンを出力するセンサ(オン出力センサ)があるかを判定する。オン出力センサがない場合(ステップS304で「NO」の場合)には、ステップS302に戻る。
【0058】
一方、オン出力センサがある場合(ステップS304で「YES」の場合)には、基板搬送制御部14は、オン出力センサに対応するコンベアを停止する(ステップS305)。ここで、後端センサSuに対応するコンベアは待機コンベア21であり、境界センサSr1に対応するコンベアは実装コンベア22であり、境界センサSr2に対応するコンベアは実装コンベア23であり、境界センサSr3に対応するコンベアは待機コンベア24である。つまり、ステップS305では、オン出力センサによって検出された基板Bを停止させる。このステップS305に続いて、ステップS302に戻る。
【0059】
図8の「S304」の例では、境界センサSr2および境界センサSr3のそれぞれがオンを出力するため、実装コンベア23および待機コンベア24が停止される。一方、後端センサSuおよび境界センサSr1はオフを出力するため、待機コンベア21および実装コンベア22は逆方向X2への動作を継続する。
【0060】
ステップS303~S305は、
・コンベア21、22、23および24のそれぞれが所定距離を動作する(ステップS302で「YES」、
・コンベア21、22、23および24の全てについて基板Bを検出する(ステップS303で「YES」)
のいずれかの条件が満たされるまで、実行される。一方、これらのいずれかの条件が満たされるとステップS306において、コンベア21、22、23および24の全てが停止されて、
図7の検索動作が終了する。
【0061】
図8の「S304」の欄に示す例では、コンベア21、22、23および24のそれぞれは所定距離を移動していない(ステップS302で「NO」)。また、待機コンベア21について基板Bが検出されていない(ステップS303で「NO」)。そのため、上述と同様にしてステップS304~S305が実行される。
図8の「S304_2」の欄に示す例のように、後端センサSuがオンを出力すると(ステップS304で「YES」)、基板搬送制御部14は、後端センサSuに対応する待機コンベア21を停止させて、後端センサSuによって検出された基板Bを停止させる(ステップS305)。
【0062】
図8に示す例では、実装コンベア22に対応する基板Bが存在しないことから、ステップS303の条件は満たされることがない。したがって、実装コンベア22が所定距離を動作すると(ステップS302で「YES」)、コンベア21、22、23および24の全てが停止されて(ステップS306)、
図7の検索動作が終了する。
【0063】
こうしてステップS208、S301~S306(検索動作)が実行されることで、各基板Bそれぞれの順方向X1の上流端は、センサSu、Sr1、Sr2およびSr3のいずれかに検出される位置(検出位置)に一致する(
図8の「S304_2」あるいは
図10の「位置決め動作開始前」の欄)。
【0064】
図5に示すようにステップS208の検索動作が完了すると、位置決め動作が実行される(ステップS208)。
図9に示す位置決め動作では、基板搬送制御部14は、コンベア21、22、23および24のうち、順方向X1の下流側のコンベアから順に位置決めを行う。したがって、ステップS401では、コンベア21、22、23および24のうち、順方向X1の最下流の待機コンベア24が対象コンベアに設定される。
【0065】
ステップS402では、基板搬送制御部14は、対象コンベアである待機コンベア24に対応する境界センサSr3が基板Bを検出するか否かを判定する。境界センサSr3が基板Bを検出せずにオフを出力する場合(ステップS402で「NO」の場合)には、ステップS407に進む。一方、境界センサSr3が基板Bを検出してオンを出力する場合(ステップS402で「YES」の場合)には、ステップS403に進む。
図10の「位置決め動作開始前」の例では、検索動作の結果、境界センサSr3の検出位置に待機コンベア24上の基板Bの順方向X1の上流端が一致しており、境界センサSr3が基板Bを検出する(ステップS402で「YES」)。そのため、ステップS403~S406が実行される。
【0066】
ステップS403では、対象コンベアである待機コンベア24が順方向X1に動作して、待機コンベア24上の基板Bが順方向X1に移動する。ステップS404では、基板搬送制御部14は、待機コンベア24に対応するセンサ、すなわち境界センサSr3の出力が変化したかを判定する。
図10の例では、基板Bの移動に伴って、境界センサSr3から基板Bの端が順方向X1に外れるため、境界センサSr3の出力がオンからオフに変化する(ステップS404で「YES」)。基板搬送制御部14は、境界センサSr3の出力が変化したタイミングから、対象コンベアである待機コンベア24を順方向X1に指定距離だけ動作させて(ステップS405)、当該待機コンベア24を停止させる(ステップS406)。その結果、
図10の「S406」の欄に示すように、待機コンベア24上の基板Bは、境界センサSr3から指定距離だけ順方向X1に離れた位置に位置決めされる。
【0067】
ステップS407では、基板搬送制御部14は、対象コンベアが順方向X1の最上流のコンベア、すなわち待機コンベア21であるかを判定する。ここの例では、対象コンベアは待機コンベア24であって、待機コンベア21でない(ステップS407で「NO」)。そのため、ステップS408において、1個上流のコンベア、すなわち実装コンベア23が対象に設定されて、ステップS402に戻る。
【0068】
ステップS402では、基板搬送制御部14は、対象コンベアである実装コンベア23に対応する境界センサSr2が基板Bを検出するか否かを判定する。
図10の「位置決め動作開始前」の例では、検索動作の結果、境界センサSr2の検出位置に実装コンベア23上の基板Bの順方向X1の上流端が一致しており、境界センサSr2が基板Bを検出する(ステップS402で「YES」)。そのため、ステップS403~S406が実行される。
【0069】
ステップS403では、対象コンベアである実装コンベア23が順方向X1に動作して、実装コンベア23上の基板Bが順方向X1に移動する。ステップS404では、基板搬送制御部14は、実装コンベア23に対応するセンサ、すなわち境界センサSr2の出力が変化したかを判定する。
図10の例では、基板Bの移動に伴って、境界センサSr2から基板Bの端が順方向X1に外れるため、境界センサSr2の出力がオンからオフに変化する(ステップS404で「YES」)。基板搬送制御部14は、境界センサSr2の出力が変化したタイミングから、対象コンベアである実装コンベア23を順方向X1に指定距離だけ動作させて(ステップS405)、当該実装コンベア23を停止させる(ステップS406)。その結果、
図10の「S406_2」の欄に示すように、実装コンベア23上の基板Bは、境界センサSr2から指定距離だけ順方向X1に離れた位置に位置決めされる。
【0070】
ちなみに、基板検出ユニットUdは、実装コンベア23に支持される基板Bを検出する位置決めセンサSlaを具備することができる。この位置決めセンサSlaが具備された構成では、実装コンベア23に対応するセンサとして、境界センサSr2に代えて位置決めセンサSlaを用いることができる。つまり、基板搬送制御部14は、ステップS404において位置決めセンサSlaの出力がオフからオンに変化したのを確認したタイミングから、指定距離だけ実装コンベア23を動作させてもよい。
【0071】
ステップS407では、基板搬送制御部14は、対象コンベアが順方向X1の最上流のコンベア、すなわち待機コンベア21であるかを判定する。ここの例では、対象コンベアは待実装コンベア23であって、待機コンベア21でない(ステップS407で「NO」)。そのため、ステップS408において、1個上流のコンベア、すなわち実装コンベア22が対象に設定されて、ステップS402に戻る。
【0072】
ステップS402では、基板搬送制御部14は、対象コンベアである実装コンベア22に対応する境界センサSr1が基板Bを検出するか否かを判定する。
図10の「位置決め動作開始前」の例では、該当の基板Bが存在しないため、境界センサSr2は基板Bを検出しない(ステップS402で「NO」)。そのため、ステップS407に進む。
【0073】
ステップS407では、基板搬送制御部14は、対象コンベアが順方向X1の最上流のコンベア、すなわち待機コンベア21であるかを判定する。ここの例では、対象コンベアは実装コンベア22であって、待機コンベア21でない(ステップS407で「NO」)。そのため、ステップS408において、1個上流のコンベア、すなわち待機コンベア21が対象に設定されて、ステップS402に戻る。
【0074】
ステップS402では、基板搬送制御部14は、対象コンベアである待機コンベア21に対応する後端センサSuが基板Bを検出するか否かを判定する。
図10の「位置決め動作開始前」の例では、検索動作の結果、後端センサSuの検出位置に待機コンベア21上の基板Bの順方向X1の上流端が一致しており、後端センサSuが基板Bを検出する(ステップS402で「YES」)。そのため、ステップS403~S406が実行される。
【0075】
ステップS403では、対象コンベアである待機コンベア21が順方向X1に動作して、待機コンベア21上の基板Bが順方向X1に移動する。ステップS404では、基板搬送制御部14は、待機コンベア21に対応するセンサ、すなわち後端センサSuの出力が変化したかを判定する。
図10の例では、基板Bの移動に伴って、後端センサSuから基板Bの端が順方向X1に外れるため、後端センサSuの出力がオンからオフに変化する(ステップS404で「YES」)。基板搬送制御部14は、後端センサSuの出力が変化したタイミングから、対象コンベアである待機コンベア21を順方向X1に指定距離だけ動作させて(ステップS405)、当該待機コンベア21を停止させる(ステップS406)。その結果、
図10の「S406_3」の欄に示すように、待機コンベア21上の基板Bは、後端センサSuから指定距離だけ順方向X1に離れた位置に位置決めされる。
【0076】
ステップS407では、基板搬送制御部14は、対象コンベアが順方向X1の最上流のコンベア、すなわち待機コンベア21であるかを判定する。ここの例では、対象コンベアが待機コンベア21である(ステップS407で「YES」)。そのため、
図9の位置決め動作が終了し、
図5の第1準備が終了する。
【0077】
図4に戻って説明を続ける。基板Bの長さLbが長さLcwより長い場合(ステップS102で「NO」の場合)には、ステップS104において、基板Bの長さLbが実装コンベア22、23の長さLcm以下であるか、換言すれば、
図3に示す長さLb2に相当するか否かが判定される。そして、基板Bの長さLbが実装コンベア22、23の長さLcm以下である場合(ステップS104で「YES」の場合)には、ステップS105の第2準備が実行される。
【0078】
図11は
図4の残置基板対応で実行される第2準備の一例を示すフローチャートであり、
図12は
図11の第2準備で実行される動作を模式的に示す図であり、
図13は
図12の第2準備で実行される検索動作(区間)の一例を示すフローチャートであり、
図14は
図13の検索動作(区間)で実行される動作を模式的に示す図であり、
図15は
図11の第2準備で実行される位置決め動作(区間)の一例を示すフローチャートであり、
図16は
図15の位置決め動作(区間)で実行される動作を模式的に示す図である。
【0079】
図11の第2準備では、基板搬送制御部14は、複数の区間A1、A2のそれぞれに2個以上のコンベアが含まれるように、基板搬送ユニット2の4個のコンベア21、22、23、24を複数の区間A1、A2に区分けして制御を実行する。ここの例では、4個のコンベア21、22、23、24が2個の区間A1、A2に区分けされ、区間A1に待機コンベア21および実装コンベア22が含まれ、区間A2に実装コンベア23および待機コンベア24が含まれる。そして、基板搬送制御部14は、境界R1、R2およびR3のうち、区間A1と区間A2との境界に相当する境界R2を特に「区間境界」として取り扱うとともに、基板検出ユニットUdの境界センサSr1、Sr2およびSr3のうち、区間A1と区間A2との境界における基板Bを検出する境界センサSr2を特に「区間境界センサ」として取り扱う。
【0080】
基板搬送制御部14は、区間境界センサSr2の出力を確認し(ステップS501)、区間境界センサSr2の出力がオフであるか否かを判定する(ステップS502)。区間境界センサSr2の出力がオンである場合(ステップS502で「NO」の場合)には、ステップS503が実行される。
図12の「S501」の欄に示す例では、区間A1の実装コンベア22と区間A2の実装コンベア23とに跨って基板Bが残置されている。したがって、区間境界センサSr2がオンを出力するため、ステップS502で「NO」と判定されて、ステップS503に進む。
【0081】
ステップS503では、基板搬送制御部14は、オンを出力すると確認された区間境界センサSr2の上下流の実装コンベア22および実装コンベア23を順方向X1に動作させる。その結果、
図12の「S503」の欄の矢印に示すように、区間境界R2に重複する基板Bが順方向X1に移動する。また、実装コンベア22が順方向X1に動作することで、待機コンベア21と実装コンベア22とに跨る基板Bも順方向X1に移動する。
【0082】
ステップS503が実行されると、ステップS501に戻る。つまり、区間境界センサSr2の出力が確認されて(ステップS501)、区間境界センサSr2の出力がオフであるか否かを判定される(ステップS502)。
図6の「S501_2」の欄に示す例では、区間境界R2から基板Bが退避しており、区間境界センサSr2がオフを出力する(ステップS502で「YES」)。したがって、基板搬送制御部14は、コンベア21、22、23および24の全てを停止させる(ステップS504)。
【0083】
こうしてステップS503(退避動作)が実行されることで、第2準備の開始前に、区間A1の実装コンベア22と区間A2の実装コンベア23とに跨っていた基板Bが区間A1と区間A2との区間境界R2から順方向X1に退避する(
図12の「S501_2」あるいは
図14の「検索動作開始前」の欄)。
【0084】
退避動作(ステップS503)を含むステップS501~S504が完了すると、検索動作が実行される(ステップS505)。
図13に示す検索動作(区間)では、基板搬送制御部14は、コンベア21、22、23および24の全てを逆方向X2に動作させる(ステップS601)。これによって、基板搬送ユニット2に支持される基板Bが逆方向X2に移動する(
図14の「S601」の欄の矢印)。ステップS602では、基板搬送制御部14は、区間A1のコンベア21、22および区間A2のコンベア23、24のそれぞれが所定距離を動作したか否かを判定する。この所定距離は、区間A1および区間A2それぞれの長さに応じて設定される。例えば、区間A1および区間A1のそれぞれの長さに相当する長さLcmwを、所定距離とすることができる。
【0085】
区間A1のコンベア21、22および区間A2のコンベア23、24のそれぞれが所定距離を動作していない場合(ステップS602で「NO」の場合)、基板搬送制御部14は、区間A1および区間A2の全てについて基板Bを検出したか否かを判定する(ステップS603)。ここで、区間A1について基板Bを検出するとは、区間A1の逆方向X2の下流端に設けられた後端センサSuおよび区間A1に含まれる境界センサSr1の少なくとも一つが基板Bを検出することを示し、区間A2について基板Bを検出するとは、区間A2の逆方向X2の下流側の区間境界R2に対応する区間境界センサSr2および区間A2に含まれる境界センサSr3の少なくとも一つが基板Bを検出することを示す。
【0086】
図14の「S601」の欄に示す例では、境界センサSr1によって区間A1について基板Bを検出する一方、区間A2については基板Bを検出していないため(ステップS603で「NO」)、ステップS604に進む。ステップS604では、基板搬送制御部14は、これらセンサSu、Sr1、Sr2およびSr3のうち、オンを出力するセンサ(オン出力センサ)があるかを判定する。オン出力センサがない場合(ステップS604で「NO」の場合)には、ステップS602に戻る。
【0087】
一方、オン出力センサがある場合(ステップS604で「YES」の場合)には、基板搬送制御部14は、オン出力センサに対応する区間のコンベアを停止する(ステップS605)。ここで、後端センサSuおよび境界センサSr1に対応する区間は、区間A1であり、当該区間A1のコンベアは、待機コンベア21および実装コンベア22である。また、境界センサSr2および境界センサSr3に対応する区間は、区間A2であり、当該区間A2のコンベアは、実装コンベア23および待機コンベア24である。つまり、ステップS605では、オン出力センサによって検出された基板Bを停止させる。このステップS605に続いて、ステップS602に戻る。
【0088】
図14の「S604」の例では、区間A1に対応する境界センサSr1がオンを出力するため、区間A1の待機コンベア21および実装コンベア22が停止される。一方、区間A2に対応する境界センサSr2および境界センサSr3はオフを出力するため、区間A2の実装コンベア23および待機コンベア24は逆方向X2への動作を継続する。
【0089】
ステップS603~S605は、
・区間A1のコンベア21、22および区間A2のコンベア23、24のそれぞれが所定距離を動作する(ステップS602で「YES」、
・区間A1および区間A2の全てについて基板Bを検出する(ステップS603で「YES」)
のいずれかの条件が満たされるまで、実行される。一方、これらのいずれかの条件が満たされるとステップS606において、コンベア21、22、23および24の全てが停止されて、
図13の検索動作が終了する。
【0090】
図14の「S604」の欄に示す例では、区間A1のコンベア21、22および区間A2のコンベア23、24のそれぞれは所定距離を移動していない(ステップS602で「NO」)。また、区間A2について基板Bが検出されていない(ステップS603で「NO」)。そのため、上述と同様にしてステップS604~S605が実行される。
図14の「S604_2」の欄に示す例のように、区間A2に対応する区間境界センサSr2がオンを出力すると(ステップS604で「YES」)、基板搬送制御部14は、区間境界センサSr2に対応する区間A2の実装コンベア23および待機コンベア24を停止させて、区間境界センサSr2によって検出された基板Bを停止させる(ステップS605)。
【0091】
その結果、区間A1および区間A2の全てについて基板Bが検出されて(ステップS603で「YES」)、コンベア21、22、23および24の全てが停止されて(ステップS606)、
図13の検索動作が終了する。
【0092】
こうしてステップS505、S601~S606(検索動作)が実行されることで、各基板Bは、センサSu、Sr1、Sr2およびSr3のいずれかに検出される位置(検出位置)に重複する(
図14の「S604_2」あるいは
図16の「位置決め動作開始前」の欄)。
【0093】
図11に示すようにステップS505の検索動作(区間)が完了すると、位置決め動作(区間)が実行される(ステップS506)。
図15に示す位置決め動作(区間)では、基板搬送制御部14は、区間A1およびA2のうち、順方向X1の下流側の区間から順に位置決めを行う。つまり、ステップS701では、区間A1およびA2のうち、順方向X1の最下流の区間A2が対象区間に設定される。
【0094】
ステップS702では、基板搬送制御部14は、対象区間である区間A2に対応するセンサが基板Bを検出するか否かを判定する。ここで、対象の区間A2に対する基板Bの検出は、当該区間A2の順方向X1の上流側の区間境界R2に対応する境界センサSr2と、当該区間A2に含まれる位置決めセンサSlaとの出力に基づき実行される。つまり、境界センサSr2および位置決めセンサSlaの少なくとも一つがオンを出力している場合には、ステップS702において対象の区間A2について基板Bを検出した、すなわち「YES」と判定されて、ステップS703に進む。一方、境界センサSr2および位置決めセンサSlaの両方がオフを出力している場合には、ステップS702において対象の区間A2について基板Bを検出しない、すなわち「NO」と判定されて、ステップS708に進む。
図16の「検索動作開始前」の欄の例では、境界センサSr2および位置決めセンサSlaの両方がオンを出力するため、ステップS702で「YES」と判定されて、ステップS703に進む。
【0095】
ステップS703では、基板搬送制御部14は、基板Bの目標位置(すなわち、位置決めする位置)を決定する。この目標位置の決定は、区間A2に対応する境界センサSr2および位置決めセンサSlaの出力に応じて決定される。具体的には、位置決めセンサSlaがオンを出力している場合には、境界センサSr2を基準に指定された指定距離だけ境界センサSr2から順方向X1に離れた位置が目標位置に設定される。一方、位置決めセンサSlaがオフを出力している場合には、位置決めセンサSlaを基準に指定された指定距離だけ位置決めセンサSlaから順方向X1に離れた位置が目標位置に設定される。
図16の「検索動作開始前」の欄の例では、位置決めセンサSlaがオンを出力するため、境界センサSr2を基準に目標位置が設定される。
【0096】
ステップS704では、基板搬送制御部14は、対象の区間A2の実装コンベア23および待機コンベア24を順方向X1に動作させる。その結果、実装コンベア23に支持される基板Bが順方向X1に移動する(
図16の「S704」の欄の矢印)。また、基板搬送制御部14は、対応するセンサ、すなわちステップS703で目標位置の決定の基準となった境界センサSr2の出力の変化を監視する(ステップS705)。そして、境界センサSr2の出力がオンからオフに変化したタイミングから、基板搬送制御部14は、対象の区間A2の実装コンベア23および待機コンベア24を順方向X1に指定距離だけ動作させて(ステップS706)、対象の区間A2の実装コンベア23および待機コンベア24を停止させる(ステップS707)。その結果、
図16の「S707」の欄に示すように、区間A2の基板Bは、境界センサSr2から指定距離だけ順方向X1に離れた位置に位置決めされる。
【0097】
ステップS708では、基板搬送制御部14は、対象の区間が順方向X1の最上流の区間、すなわち区間A1であるかを判定する。ここの例では、対象の区間は区間A2であって、区間A1でない(ステップS708で「NO」)。そのため、ステップS709において、1個上流の区間、すなわち区間A1が対象に設定されて、ステップS702に戻る。
【0098】
ステップS702では、基板搬送制御部14は、対象区間である区間A1に対応するセンサが基板Bを検出するか否かを判定する。ここで、対象の区間A1に対する基板Bの検出は、当該区間A1に含まれる境界センサSr1と、当該区間A1の実装コンベア22に支持される基板Bを検出する位置決めセンサSlbとの出力に基づき実行される。つまり、境界センサSr1および位置決めセンサSlbの少なくとも一つがオンを出力している場合には、ステップS702において対象の区間A1について基板Bを検出した、すなわち「YES」と判定されて、ステップS703に進む。一方、境界センサSr1および位置決めセンサSlbの両方がオフを出力している場合には、ステップS702において対象の区間A1について基板Bを検出しない、すなわち「NO」と判定されて、ステップS708に進む。
図16の「S706」の欄の例では、境界センサSr1がオンを出力するため、ステップS702で「YES」と判定されて、ステップS703に進む。
【0099】
ステップS703では、基板搬送制御部14は、基板Bの目標位置(すなわち、位置決めする位置)を決定する。この目標位置の決定は、区間A1に対応する境界センサSr1および位置決めセンサSlbの出力に応じて決定される。具体的には、位置決めセンサSlbがオンを出力している場合には、境界センサSr1を基準に指定された指定距離だけ境界センサSr1から順方向X1に離れた位置が目標位置に設定される。一方、位置決めセンサSlbがオフを出力している場合には、位置決めセンサSlbを基準に指定された指定距離だけ位置決めセンサSlbから順方向X1に離れた位置が目標位置に設定される。
図16の「S706」の欄の例では、位置決めセンサSlbがオフを出力するため、位置決めセンサSlbを基準に目標位置が設定される。
【0100】
ステップS704では、基板搬送制御部14は、対象の区間A1の待機コンベア21および実装コンベア22を順方向X1に動作させる。その結果、待機コンベア21および実装コンベア22に支持される基板Bが順方向X1に移動する(
図16の「S704_2」の欄の矢印)。また、基板搬送制御部14は、対応するセンサ、すなわちステップS703で目標位置の決定の基準となった位置決めセンサSlbの出力の変化を監視する(ステップS705)。そして、位置決めセンサSlbの出力がオフからオンに変化したタイミングから、基板搬送制御部14は、対象の区間A1の待機コンベア21および実装コンベア22を順方向X1に指定距離だけ動作させて(ステップS706)、対象の区間A1の待機コンベア21および実装コンベア22を停止させる(ステップS707)。その結果、
図16の「S707_2」の欄に示すように、区間A1の基板Bは、位置決めセンサSlbから指定距離だけ順方向X1に離れた位置に位置決めされる。
【0101】
ステップS708では、基板搬送制御部14は、対象の区間が順方向X1の最上流の区間、すなわち区間A1であるかを判定する。ここの例では、対象の区間は区間A1である(ステップS708で「YES」)。そのため、
図15の位置決め動作(区間)が終了し、
図11の第2準備が終了する。
【0102】
図4に戻って説明を続ける。基板Bの長さLbが長さLcmより長い場合(ステップS104で「NO」の場合)には、ステップS106において、基板Bの長さLbが長さLcmw以下であるか、換言すれば、
図3に示す長さLb3に相当するか否かが判定される。そして、基板Bの長さLbが長さLcmw以下である場合(ステップS106で「YES」の場合)には、ステップS107の第3準備が実行される。
【0103】
図17は
図4の残置基板対応で実行される第3準備の一例を示すフローチャートであり、
図18は
図17の第3準備で実行される動作を模式的に示す図である。第3準備が上記の第1準備および第2準備と異なるのは、境界R1、R2あるいはR3から基板Bを退避させる退避動作が実行されない点である。この点は、後述する第4準備においても同様である。すなわち、基板搬送制御部14は、ステップS104によって基板Bの長さLbが長さLcmより長いと判定したことをもって、退避動作が不要と実質的に判定する。
【0104】
さらに、この第3準備では、検索動作の実行の要否が判定される。つまり、第3準備の対象となる長さLb3を基板Bが有する場合には、
図3の「Lb3」の欄に示すように、実装コンベア22と実装コンベア23とに跨る実装位置に位置決めされた基板Bに対して、部品Eが実装される。これに対して、第3準備のステップS801では、基板搬送制御部14は、当該実装位置に重複する境界R2に対応する中央境界センサSr2、換言すれば、当該実装位置における基板Bの有無を検出する中央境界センサSr2の出力を確認する。
【0105】
そして、中央境界センサSr2の出力がオフである場合(ステップS802で「NO」の場合)には、基板搬送制御部14は、
図13の検索動作(区間)を実行する(ステップS802)。この場合は、例えば、
図18の「検索動作開始前」の欄に示すように、基板Bは、区間A1および区間A2の少なくとも一方に含まれる(
図18の例では、区間A1、A2のそれぞれに基板Bが位置する)。また、基板Bの長さLbは、長さLb3に相当することから、区間A1、A2に含まれる境界センサSr1、Sr3は、基板Bを検出する。したがって、ステップS601でコンベア21、22、23および24の逆方向X2への移動を開始すると、境界センサSr1、Sr3が直ちにオンを出力して(ステップS604で「YES」)、区間A1、A2のコンベア21、22、23、24が停止する(ステップS605)。
【0106】
こうして検索動作(区間)が完了すると、ステップS804で基板Bの位置決めが実行される。具体的には、
図3の「LB3」の「待機時」の欄に示す、待機コンベア21と実装コンベア22に跨る基板Bの位置(上流待機位置)および実装コンベア23と待機コンベア24に跨る基板Bの位置(下流待機位置)のうち、検索動作により確認される基板Bの位置に近い方の一方を目標位置として、
図15の位置決め動作(区間)が実行される(ステップS804)。
【0107】
一方、中央境界センサSr2の出力がオンである場合(ステップS802で「YES」の場合)には、基板搬送制御部14は、検索動作を実行せずに、順方向X1において実装位置の下流に位置する下流境界センサSr3がオフであるか否かを判定する(ステップS805)。下流境界センサSr3がオフである場合(ステップS805で「YES」の場合)には、基板搬送制御部14は、実装位置を目標位置として
図15の位置決め動作(区間)を実行する(ステップS806)。一方、境界センサSr3がオンである場合(ステップS805で「NO」の場合)には、部品Eの実装が完了した後の搬送途中の基板Bが残置されたと推定できることから、基板搬送制御部14は、下流待機位置を目標位置として、
図15の位置決め動作(区間)を実行する(ステップS807)。こうして、
図17の第3準備が終了する。
【0108】
図4に戻って説明を続ける。基板Bの長さLbが長さLcmwより長い場合(ステップS106で「NO」の場合)には、基板Bの長さLbの長さは、
図3に示す長さLb4に相当する。この場合には、ステップS108の第4準備が実行される。
【0109】
図19は
図4の残置基板対応で実行される第4準備の一例を示すフローチャートであり、
図20は
図19の第4準備で実行される動作を模式的に示す図である。第4準備においても、境界R1、R2あるいはR3から基板Bを退避させる退避動作が実行されない点において、上記の第1準備および第2準備と異なる。
【0110】
この第4準備では、基板搬送制御部14は、順方向X1において実装位置の下流に位置する下流境界センサSr3がオフであるか否かを判定する(ステップS901)。下流境界センサSr3がオフである場合(ステップS901で「YES」の場合)には、基板搬送制御部14は、
図13の検索動作(区間)を実行する(ステップS902)。さらに、基板搬送制御部14は、実装位置を目標位置として
図15の位置決め動作(区間)を実行する(ステップS903)。その結果、
図20の「実装位置」の欄に示す位置に基板Bが位置決めされる。一方、境界センサSr3がオンである場合(ステップS901で「NO」の場合)には、部品Eの実装が完了した後の搬送途中の基板Bが残置されたと推定できることから、基板搬送制御部14は、下流待機位置を目標位置として、
図15の位置決め動作(区間)を実行する(ステップS904)。その結果、
図20の「下流待機位置」の欄に示す位置に基板Bが位置決めされる。こうして、
図19の第4準備が終了する。
【0111】
以上に説明する実施形態では、2個のコンベア(コンベア21および22、コンベア22および23あるいはコンベア23および24)に跨る基板Bを境界(境界R1、境界R2あるいは境界R3)から退避させる退避動作(ステップS203~S206あるいはステップS503)の要否が、基板搬送方向X(配列方向)における基板Bの長さLbと、境界センサSr1、Sr2あるいはSr3による基板Bの検出結果とに応じて判定される(ステップS102、S104、ステップS201~S202あるいはステップS501~S502)。したがって、要否の判定に応じて退避動作を行って、2個のコンベア21および22、22および23あるいは23および24の境界R1、R2あるいはR3から基板Bを退避させるといった動作を実行できる。こうして、隣接する2個のコンベア21および22、22および23あるいは23および24に跨って残置された基板Bに対応することが可能となっている。
【0112】
また、制御ユニット10(制御部)は、2個のコンベア21および22、22および23あるいは23および24のうち、順方向X1(第1方向)の下流側のコンベア22、23あるいは24の基板搬送方向Xへの長さLcm、LcmあるいはLcwより基板Bの長さLbが短くて、境界R1、R2あるいはR3が基板Bを検出している場合には、退避動作が必要と判定する(ステップS102~S105)。これによって、2個のコンベア21および22、22および23あるいは23および24に跨って残置された基板Bを、2個のコンベア21および22、22および23あるいは23および24のうちの順方向X1の下流側のコンベア22、23あるいは24に移動させて、2個のコンベア21および22、22および23あるいは23および24の境界R1、R2あるいはR3から退避させるといった動作を実行できる。こうして、隣接する2個のコンベア21および22、22および23あるいは23および24に跨って残置された基板Bに対応することが可能となっている。
【0113】
また、制御ユニット10は、基板搬送方向Xにおいて基板Bの長さLbの1倍以上で2倍未満の長さをそれぞれ有する複数の区間A1、A2のそれぞれに2個以上のコンベア21および22、23および24が含まれるように、4個のコンベア21、22、23,24を複数の区間A1、A2に区分けする。そして、区間A1、A2に含まれる境界R1、R3から基板Bを退避させる退避動作を不要と判定する。すなわち、
図11の第2準備では、境界R1、R3に対応する境界センサSr1、Sr3の出力に依らず、退避動作は実行されない。一方、隣接する2個の区間A1、A2に挟まれた境界R2である区間境界R2から基板Bを退避させる退避動作の要否を、区間境界R2に対応して配置された境界センサSr2による基板Bの検出結果に応じて判定する(ステップS501~S502)。かかる構成は、区間A1、A1ごとに一の基板を支持するような場合(
図3の「Lb2」の欄の場合)に有効に機能する。つまり、このような場合、区間A1あるいはA2の途中に含まれる境界R1あるいはR3に基板Bが跨っていたとしても、当該境界R1あるいはR3から基板Bを退避させる必要はない。一方、隣接する2個の区間A1、A2に挟まれた境界R2である区間境界R2に基板Bが跨っている場合には、当該区間境界R2からは基板Bを退避させる必要がある。これに対して、かかる構成では、退避動作の要否を的確に判定することができる。
【0114】
また、制御ユニット10は、退避動作が必要と判定すると、コンベア21、22、23、24のうちから基板Bを支持するコンベアを検索する検索動作(ステップS208、S505)を、退避動作(ステップS206、S503)を実行した後に実行する。一方、制御ユニット10は、退避動作が不要と判定すると、退避動作を実行せずに検索動作(ステップS208、S505、S803)を実行する。かかる構成では、要否の判定に応じて退避動作(ステップS206、S503)を実行して、検索動作(ステップS208、S505、S803)における基板Bの過検出の発生を防止できる。
【0115】
また、順方向X1においてコンベア21、22、23、24の上流端部における基板Bを検出する後端センサSu(上流センサ)が設けられている。これに対して、制御ユニット10は、逆方向X2(第2方向)にコンベア21、22、23、24を動作させた際における境界センサSr1、Sr2、Sr3および後端センサSuそれぞれの基板Bの検出結果に基づき、コンベア21、22、23、24における基板Bの有無を判定することで、検索動作を実行する(ステップS303~S304、ステップS603~S604)。かかる構成では、境界センサSr1、Sr2、Sr3および後端センサSuによって基板Bを検出して、検索動作(ステップS208、S505、S803)を速やかに実行できる。
【0116】
また、制御ユニット10は、逆方向X2の下流側の基板Bの端を、境界センサSr1、Sr2、Sr3および後端センサSuによって検出することで検索動作(ステップS208、S505、S803)を実行する。かかる構成では、境界センサSr1、Sr2、Sr3および後端センサSuによって基板Bの端を検出して、検索動作(ステップS208、S505、S803)を速やかに実行できる。
【0117】
また、制御ユニット10は、複数の基板Bをコンベア21、22、23、24により順番に搬入して、搬入された複数の基板Bに対して実装ヘッド31により部品Eを実装することで、複数の部品実装済み基板を生産する。これに対して、制御ユニット10は、複数の部品実装済み基板の生産の開始前あるいは中断時に検索動作を実行する(ステップS101)。かかる構成では、基板生産の開始前あるいは中断時において、コンベア21、22、23、24に残置された基板Bを検索することができる。
【0118】
また、制御ユニット10は、2個のコンベア21および22、22および23あるいは23および24のうち、順方向X1の下流側のコンベア22、23あるいは24の基板搬送方向Xへの長さより基板Bの長さLbが長い場合には、境界R1、R2あるいいはR3から基板Bを退避させる退避動作を不要と判定する。すなわち、長さLbが長さLcm以下であるかを判定するステップS104で「NO」と判定されると、退避動作が実行されない。かかる構成では、退避動作の要否を的確に判定することができる。
【0119】
また、基板搬送方向Xにおいて2個の実装コンベア22および23の両端の間の長さLcmmは、基板Bの長さLbより長く、実装ヘッド31によって部品Eが実装される基板Bは、2個の実装コンベア22および23の両端の間で支持される。これに対して、制御ユニット10は、コンベア21、22、23、24に残置された基板Bを検索する検索動作(ステップS803)の要否を、境界センサSr2の基板Bの検出結果に応じて判定する(ステップS801~S802)。かかる構成では、検索動作(ステップS803)の要否を的確に判定することができる。
【0120】
また、2個の実装コンベア22および23に対して、順方向X1の上流側における基板Bを検出する境界センサSr1(上流センサ)と、2個の実装コンベア22および23に対して、順方向X1の下流側における基板Bを検出する境界センサSr3(下流センサ)とが設けられている。これに対して、基板搬送制御部14は、逆方向X2にコンベア21、22、23、24を動作させた際における境界センサSr1、Sr3それぞれの基板Bの検出結果に基づき、コンベア21、22、23、24における基板Bの有無を判定する(ステップS803)。かかる構成では、境界センサSr1およびSr3によって基板Bを検出して、検索動作(ステップS803)を速やかに実行できる。
【0121】
また、制御ユニット10は、境界センサSr2が基板Bを検出している場合には、検索動作(ステップS803)が不要と判定し、境界センサSr2が基板Bを検出していない場合には、検索動作(ステップS803)が必要と判定する(ステップS802)。かかる構成では、検索動作(ステップS803)の要否を的確に判定することができる。
【0122】
また、2個の実装コンベア22および23に対して、順方向X1の下流側における基板Bを検出する境界センサSr3(下流センサ)が設けられている。また、基板搬送方向Xにおいて2個の実装コンベア22および23の両端の間の長さLcmmは、基板Bの長さLbより長く、実装ヘッド31によって部品Eが実装される基板Bは、2個の実装コンベア22および23の両端の間で支持される。これに対して、制御ユニット10は、コンベア21、22、23、24に残置された基板Bを検索する検索動作(ステップS902)の要否を、境界センサSr3の基板Bの検出結果に応じて判定する(ステップS901)。かかる構成では、検索動作(ステップS902)の要否を的確に判定することができる。
【0123】
また、制御ユニット10は、境界センサSr3が基板Bを検出している場合(ステップS301で「NO」の場合)には、検索動作が不要と判定し、境界センサSr3が基板Bを検出していない場合(ステップS901で「YES」)には、検索動作が必要と判定する(ステップS901)。かかる構成では、検索動作(ステップS902)の要否を的確に判定することができる。
【0124】
また、制御ユニット10は、複数の基板Bをコンベア21、22、23、24により順番に搬入して、搬入された複数の基板Bに対して実装ヘッド31により部品Eを実装することで、複数の部品実装済み基板を生産する。これに対して、制御ユニット10は、複数の部品実装済み基板の生産の開始前あるいは中断時に検索動作の要否を判定する(ステップS101,S802、S901)。かかる構成では、基板生産の開始前あるいは中断時において、コンベア21、22、23、24に残置された基板Bを検索することができる。
【0125】
また、制御ユニット10は、境界センサSr1、Sr2あるいはSr3が基板Bを検出しなくなるまで2個のコンベア21および22、22および23あるいは23および24を順方向X1に動作せせることで退避動作を実行する(ステップS206、S503)。かかる構成は、2個のコンベア21および22、22および23あるいは23および24に跨って残置された基板Bを当該2個のコンベア21および22、22および23あるいは23および24の境界R1、R2あるいはR3から退避させる。こうして、隣接する2個のコンベア21および22、22および23あるいは23および24に跨って残置された基板Bに対応することが可能となっている。
【0126】
以上に説明したように本実施形態では、部品実装機1が本発明の「部品実装システム」の一例に相当し、制御ユニット10が本発明の「制御部」の一例に相当し、4個のコンベア21、22、23、24が本発明の「N個のコンベア」の一例に相当し、実装ヘッド31が本発明の「実装ヘッド」の一例に相当し、基板Bが本発明の「基板」の一例に相当し、部品Eが本発明の「部品」の一例に相当し、基板搬送方向Xが本発明の「配列方向」の一例に相当し、順方向X1が本発明の「第1方向」の一例に相当し、逆方向X2が本発明の「第2方向」の一例に相当し、境界センサSr1、Sr2、Sr3のそれぞれが本発明の「境界センサ」の一例に相当し、境界センサSr1が本発明の「上流センサ」の一例に相当し、境界センサSr3が本発明の「下流センサ」の一例に相当し、後端センサSuが本発明の「上流センサ」の一例に相当し、位置決めセンサSla、Slbのそれぞれ本発明の「位置決めセンサ」の一例に相当する。
【0127】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、基板搬送ユニット2が備えるコンベアの個数Nは4に限られず、2以上であればよい。
【0128】
また、部品実装システムを構成する部品実装機1の台数は1台に限られない。例えば、2個の部品実装機1を直列に配列して部品実装システムを構成してもよい。
【0129】
また、退避動作において基板Bを搬送する方向は、順方向X1に限られず、逆方向X2であってもよい。また、退避動作において基板Bを搬送する方向を変更する場合には、これに応じて、検索動作および位置決め動作それぞれで基板Bを搬送する方向を変更すればよい。
【0130】
また、
図10および
図16に示す基板搬送ユニット2では、順方向X1における実装コンベア22あるいは23の両端の間における基板Bを検出する位置決めセンサSlbあるいはSlaが具備されている。そこで、制御ユニット10、逆方向X2にコンベア21、22、23、24を動作させた際における位置決めセンサSlbあるいはSlaの基板Bの検出結果に基づき、コンベア21、22、23、24における基板Bの有無を判定することで、検索動作を実行してもよい。例えば、
図7の検索動作において、ステップS304で位置決めセンサSlbあるいはSlaがオンを出力している場合には、ステップS305で位置決めセンサSlbあるいはSlaに対応する実装コンベア22あるいは23を停止させればよい。かかる構成では、位置決めセンサSlb、Slaによって基板Bを検出して、検索動作を速やかに実行できる。
【0131】
この際、制御ユニット10は、逆方向X2の下流側の基板Bの端を、位置決めセンサSlb、Slaによって検出することで検索動作を実行することができる。かかる構成では、位置決めセンサSlb、Slaによって基板Bの端を検出して、検索動作を速やかに実行できる。
【符号の説明】
【0132】
1…部品実装機(部品実装システム)
10…制御ユニット(制御部)
21…待機コンベア
22…実装コンベア
23…実装コンベア
24…待機コンベア
31…実装ヘッド
B…基板
E…部品
X…基板搬送方向(配列方向)
X1…順方向(第1方向)
X2…逆方向(第2方向)
Sr1…境界センサ(上流センサ)
Sr2…境界センサ
Sr3…境界センサ(下流センサ)
Su…後端センサ(上流センサ)
Sla…位置決めセンサ
Slb…位置決めセンサ