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特開2024-75899ガス遮断装置用設定器及びガス遮断装置用設定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075899
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】ガス遮断装置用設定器及びガス遮断装置用設定システム
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20240529BHJP
   G01F 1/00 20220101ALI20240529BHJP
【FI】
G01F3/22 B
G01F1/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187153
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000222211
【氏名又は名称】東洋ガスメーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100228511
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彩秋
(74)【代理人】
【識別番号】100173462
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 一浩
(74)【代理人】
【識別番号】100194179
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 泰宏
(74)【代理人】
【識別番号】100166442
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋雅
(74)【代理人】
【識別番号】110002996
【氏名又は名称】弁理士法人宮田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】段 祐司
(72)【発明者】
【氏名】水越 靖
(72)【発明者】
【氏名】水越 庸輔
(72)【発明者】
【氏名】和田 雄志
(72)【発明者】
【氏名】寺西 豊
(72)【発明者】
【氏名】白田 雄大
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CC13
2F030CE09
2F030CF11
(57)【要約】
【課題】交換前のガス遮断装置の設定情報を、効率的に交換後のガス遮断装置に設定する。
【解決手段】ガス遮断装置用設定器100は、規格設定部160と、情報取得部150と、情報出力部170とを備える。規格設定部160は、供給する第1ガスの流量に異常が検知されたときに第1ガスの供給を停止する第1ガス遮断装置10-1との通信規格として第1通信規格を設定する。情報取得部150は、第1ガス遮断装置10-1から、設定された第1通信規格を用いて、第1ガスの流量の異常を検知するための第1設定情報300を取得する。情報出力部170は、供給する第2ガスの流量に異常が検知されたときに第2ガスの供給を停止する第2ガス遮断装置10-2に、第2通信規格を用いて、第2ガスの流量の異常を検知するための第2設定情報を出力する。規格設定部160は、さらに、第2ガス遮断装置10-2との通信規格として第2通信規格を設定する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給する第1ガスの流量に異常が検知されたときに前記第1ガスの供給を停止する第1ガス遮断装置との通信規格として第1通信規格を設定する規格設定部と、
前記第1ガス遮断装置から、設定された第1通信規格を用いて、前記第1ガスの流量の異常を検知するための第1設定情報を取得する情報取得部と、
供給する第2ガスの流量に異常が検知されたときに前記第2ガスの供給を停止する第2ガス遮断装置に、第2通信規格を用いて、前記第2ガスの流量の異常を検知するための第2設定情報を出力する情報出力部と、
を備え、
前記規格設定部は、前記第2ガス遮断装置との通信規格として前記第2通信規格を設定し、
前記第2設定情報は、前記第1設定情報に基づき決定される
ガス遮断装置用設定器。
【請求項2】
前記規格設定部は、
前記第1ガス遮断装置に前記第1設定情報を要求したときの応答に基づき、前記第1ガス遮断装置との前記第1通信規格を設定し、
前記第2ガス遮断装置に前記第2設定情報を出力したときの応答に基づき、前記第2ガス遮断装置との前記第2通信規格を設定する
請求項1に記載のガス遮断装置用設定器。
【請求項3】
前記第1設定情報を出力し、前記第1設定情報の出力に対応した応答として前記第2設定情報を取得する端末通信部をさらに備える請求項1または2に記載のガス遮断装置用設定器。
【請求項4】
請求項3に記載のガス遮断装置用設定器と、
前記端末通信部から取得された前記第1設定情報を表示し、前記第1設定情報の変更情報を受け付け、受け付けた前記変更情報に基づき、前記第1設定情報を前記第2設定情報に変更することを演算装置に実行させる設定変更プログラムと、
を備えるガス遮断装置用設定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス遮断装置用設定器及びガス遮断装置用設定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭用で使用されているガス遮断装置は、供給するガスの流量に異常を検知したときに、ガスの供給を遮断する。この異常の検知条件は、家庭でのガスの使用状況に応じて更新される。このため、ガス遮断装置を交換するときに、検知条件を表す設定情報が交換前のガス遮断装置から新しく交換するガス遮断装置に引き継がれないとき、ガス遮断装置は、再度、初期状態から検知条件の更新を行う。
【0003】
例えば、特許文献1には、交換前のガス遮断装置と、新しく交換するガス遮断装置とをケーブルで接続することで、設定情報を引き継ぐ技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4846460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ガス遮断装置の通信規格は複数あるため、交換前のガス遮断装置と、新しく交換するガス遮断装置とをケーブルで接続しても、新しく交換するガス遮断装置に設定情報が設定されない場合がある。
【0006】
上記の状況に鑑み、交換前のガス遮断装置の設定情報を、効率的に交換後のガス遮断装置に設定することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
上記目的を達成するための一実施の形態によるガス遮断装置用設定器(100)は、規格設定部(160)と、情報取得部(150)と、情報出力部(170)とを備える。規格設定部(160)は、供給する第1ガスの流量に異常が検知されたときに第1ガスの供給を停止する第1ガス遮断装置(10-1)との通信規格として第1通信規格を設定する。情報取得部(150)は、第1ガス遮断装置(10-1)から、設定された第1通信規格を用いて、第1ガスの流量の異常を検知するための第1設定情報(300)を取得する。情報出力部(170)は、供給する第2ガスの流量に異常が検知されたときに第2ガスの供給を停止する第2ガス遮断装置(10-2)に、第2通信規格を用いて、第2ガスの流量の異常を検知するための第2設定情報を出力する。規格設定部(160)は、さらに、第2ガス遮断装置(10-2)との通信規格として第2通信規格を設定する。また、第2設定情報は、第1設定情報に基づき決定される。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態によるガス遮断装置用設定システム(1000)は、前述のガス遮断装置用設定器(100)と、設定変更プログラム(320)とを備える。設定変更プログラム(320)は、端末通信部(180)から取得された第1設定情報(300)を表示し、第1設定情報(300)の変更情報を受け付け、受け付けた変更情報に基づき、第1設定情報(300)を第2設定情報に変更することを演算装置(220)に実行させる。
【発明の効果】
【0010】
上記の形態によれば、作業者は、交換前のガス遮断装置の設定情報を、効率的に交換後のガス遮断装置に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施の形態におけるガス遮断装置用設定システムの概略図である。
図2】一実施の形態におけるガス遮断装置の機能ブロックを表す図である。
図3】一実施の形態におけるガス遮断装置用設定器の構成図である。
図4】一実施の形態におけるガス遮断装置用設定システムの機能ブロックを表す図である。
図5】一実施の形態における携帯端末の構成図である。
図6】一実施の形態におけるガス遮断装置用設定システムによる処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態)
本実施の形態に係るガス遮断装置用設定システム1000は、図1に示すように、ガス遮断装置用設定器100と、携帯端末200とを備える。ガス遮断装置用設定器100は、家庭に設置された第1ガス遮断装置10-1を第2ガス遮断装置10-2に交換するとき、第1ガス遮断装置10-1に設定された設定情報を読み出し、読み出した設定情報を第2ガス遮断装置10-2に設定する。例えば、ガス遮断装置用設定器100の通信端子101が第1ガス遮断装置10-1の端子13に接続され、ガス遮断装置用設定システム1000は、第1ガス遮断装置10-1から設定情報を読み出す。また、ガス遮断装置用設定器100の通信端子101が第2ガス遮断装置10-2の端子13に接続され、ガス遮断装置用設定システム1000は、第2ガス遮断装置10-2に設定情報を設定する。
【0013】
ガス遮断装置10、例えば第1ガス遮断装置10-1と、第2ガス遮断装置10-2は、ガス流入口11から流入されたガス、例えば可燃ガスを、ガス供給口12から排出してガス機器に供給する。例えば、ガス遮断装置10は、図2に示すように、流量計測部15と、異常検知部16と、遮断部17と、通信部18とを備える。流量計測部15は、ガス遮断装置10を通過し、ガス機器に供給されるガスの流量を計測する。
【0014】
異常検知部16は、計測された流量に基づき、ガスの流量の異常を検知する。例えば、異常検知部16は、ガスの流量が閾値、例えば合計流量遮断値を超えたとき、流量の異常を検知する。また、異常検知部16は、ガスの流量の増加量が閾値、例えば増加流量遮断値を超えたとき、流量の異常を検知する。また、異常検知部16は、ガスが所定の時間、例えば使用時間遮断設定値を超えて供給され続けているとき、流量の異常を検知する。各閾値、例えば合計流量遮断値、増加流量遮断値、使用時間遮断設定値などは、設定情報300として記憶される。異常検知部16は、各閾値を、ガス遮断装置10を通過するガスの流量、使用時間に基づき更新する。
【0015】
遮断部17は、異常検知部16により異常が検知されたとき、ガス供給口12からのガスの供給を遮断する。
【0016】
通信部18は、ガス遮断装置用設定器100と通信を行う。例えば、通信部18は、ガス遮断装置用設定器100に設定情報300を出力する。また、通信部18は、ガス遮断装置用設定器100から出力された設定情報300を異常検知部16に転送する。例えば、通信部18は、端子13を含む。通信部18は、予め設定された通信規格に基づき、ガス遮断装置用設定器100と通信を行う。例えば、ガス遮断装置10の通信規格は、Nラインと、Uバスとを含む。Nラインは、回線交換方式を用いて、200bpsの通信速度を有する。Uバスは、パケット交換方式を用いて、9600bpsの通信速度を有する。
【0017】
このため、Nラインの通信規格を有する第1ガス遮断装置10-1を、Uバスの通信規格を有する第2ガス遮断装置10-2に交換するとき、通信規格が異なるため、第1ガス遮断装置10-1の設定情報300は、交換後の第2ガス遮断装置10-2に設定することができなかった。このため、交換された第2ガス遮断装置10-2は、ガスの流量、使用時間に基づき、初期状態から設定情報300を更新する必要があった。また、作業者は、設定情報300以外の情報についても、第2ガス遮断装置10-2に手動で設定する必要があった。
【0018】
ガス遮断装置用設定器100は、第1ガス遮断装置10-1から設定情報300を読み出し、読み出した設定情報300を第1ガス遮断装置10-1と通信規格が異なる第2ガス遮断装置10-2に設定する。このため、ガス遮断装置用設定器100により、第2ガス遮断装置10-2は、第1ガス遮断装置10-1で更新された設定情報300を用いてガスの流量の異常を検知することができる。
【0019】
また、ガス遮断装置用設定器100により読み出された設定情報300は、携帯端末200を用いて変更することができる。このため、第1ガス遮断装置10-1の仕様と第2ガス遮断装置10-2の仕様の違いにより、設定情報300を変更する必要があるとき、作業者は携帯端末200を用いて設定情報300を容易に変更することができる。このように、ガス遮断装置用設定システム1000は、第1ガス遮断装置10-1の情報を第2ガス遮断装置10-2に設定するため、作業者によるガス遮断装置10の交換作業を効率的に支援することができる。
【0020】
(ガス遮断装置用設定システムの構成)
図1に示すように、ガス遮断装置用設定システム1000に含まれるガス遮断装置用設定器100の構成を説明する。ガス遮断装置用設定器100は、図3に示すように、入出力装置110と、演算装置120と、通信装置130と、記憶装置140とを備える。入出力装置110には、演算装置120が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置110は、演算装置120が処理を実行した結果を出力する。入出力装置110は、入力装置として操作ボタン102を含む。また、入出力装置110は、出力装置として液晶モニタを含む。入出力装置110は、タッチパネル、スピーカー、マイクなど任意の入力装置と、出力装置とを含んでもよい。
【0021】
通信装置130は、ガス遮断装置10と、携帯端末200との通信を行う。通信装置130は、ガス遮断装置10、または、携帯端末200から取得する信号を演算装置120に転送する。また、通信装置130は、演算装置120が生成した信号をガス遮断装置10、または、携帯端末200に転送する。通信装置130は、例えば、通信端子101を含む。また、通信装置130は、無線通信、例えばブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信に用いられる送受信機を含む。また、通信装置130は、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含んでもよい。
【0022】
記憶装置140は、ガス遮断装置10の設定情報300を読み出し、ガス遮断装置10に設定情報300を設定するための様々なデータ、例えばガス遮断装置用設定プログラム310を格納する。記憶装置140は、ガス遮断装置用設定プログラム310を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。ガス遮断装置用設定プログラム310は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0023】
演算装置120は、ガス遮断装置用設定プログラム310を記憶装置140から読み出し実行して、ガス遮断装置10の設定情報300を設定するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置120は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0024】
演算装置120は、ガス遮断装置用設定プログラム310を読み出し実行することで、記憶装置140と協働して、図4に示すように、情報取得部150と、規格設定部160と、情報出力部170と、端末通信部180とを実現する。情報取得部150は、接続されたガス遮断装置10、例えば第1ガス遮断装置10-1から設定情報300を取得する。規格設定部160は、接続されたガス遮断装置10で使用される通信規格を設定する。情報出力部170は、接続されたガス遮断装置10、例えば第2ガス遮断装置10-2に設定情報300を出力する。端末通信部180は、携帯端末200に設定情報300を出力し、携帯端末200から変更された設定情報300を取得する。
【0025】
次に、図1に示す携帯端末200の構成を説明する。携帯端末200は、図5に示すように、入出力装置210と、演算装置220と、通信装置230と、記憶装置240とを備える。携帯端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット、コンピュータなどを含む。入出力装置210には、演算装置220が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置210は、演算装置220が処理を実行した結果を出力する。入出力装置210は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、タッチパネル、スピーカー、マイク、ディプレイ、キーボード、マウスなどを含む。
【0026】
通信装置230は、ガス遮断装置用設定器100との通信を行う。通信装置230は、ガス遮断装置用設定器100から取得する情報を演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号をガス遮断装置用設定器100に転送する。通信装置130は、無線通信、例えばブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信に用いられる送受信機を含む。また、通信装置230は、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含んでもよい。
【0027】
記憶装置240は、ガス遮断装置10の設定情報300を表示して変更するための様々なデータ、例えば設定変更プログラム320を格納する。記憶装置240は、設定変更プログラム320を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。設定変更プログラム320は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0028】
演算装置220は、設定変更プログラム320を記憶装置240から読み出し実行して、ガス遮断装置10の設定情報300を変更するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置220は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0029】
演算装置220は、設定変更プログラム320を読み出し実行することで、記憶装置240と、入出力装置210と協働して、図4に示すように、設定変更部250を実現する。設定変更部250は、ガス遮断装置10の設定情報300を表示して、設定情報300を変更するための変更情報を受け付ける。また、設定変更部250は、受け付けた変更情報に基づき、設定情報300を変更する。
【0030】
(危険領域管理システムの動作)
図1に示すように、ガス遮断装置用設定器100を用いて、第1ガス遮断装置10-1の設定情報300を第2ガス遮断装置10-2に設定する方法を説明する。作業者は、ガス遮断装置用設定器100の通信端子101を、第1ガス遮断装置10-1の端子13に接続する。作業者は、ガス遮断装置用設定器100の操作ボタン102を用いて、第1ガス遮断装置10-1から設定情報300を読み出すための読出操作を行う。ガス遮断装置用設定器100の演算装置120は、読出操作が入力されると、ガス遮断装置用設定プログラム310を読み出し、ガス遮断装置10の設定方法の一部である図6に示す処理を実行する。
【0031】
ステップS110において、演算装置120により実現される情報取得部150は、第1ガス遮断装置10-1に設定情報300を要求する。例えば、情報取得部150は、第1通信規格、例えばUバスを用いて、第1ガス遮断装置10-1に設定情報300を要求することを表す信号を出力する。情報取得部150が要求する設定情報300は、例えば、第1ガス遮断装置10-1が、供給しているガスの流量の異常を検知するために用いられるパラメータ、例えば合計流量遮断値、増加流量遮断値、使用時間遮断設定値などを含む。
【0032】
ステップS120において、規格設定部160は、設定情報300を要求したときの応答に基づき、第1ガス遮断装置10-1との通信規格を設定する。例えば、第1ガス遮断装置10-1から応答があるとき、規格設定部160は、ステップS110で用いた第1通信規格、例えばUバスを、第1ガス遮断装置10-1との通信規格として設定する。例えば、規格設定部160は、第1ガス遮断装置10-1から第1期間内に応答があるとき、第1通信規格を第1ガス遮断装置10-1との通信規格として設定する。また、設定情報300を要求する信号を出力してから第1期間経過しても第1ガス遮断装置10-1から応答がないとき、規格設定部160は、ステップS110で用いた第1通信規格と異なる第2通信規格、例えばNラインを、第1ガス遮断装置10-1との通信規格として設定する。ここで、第1期間は、第1通信規格を用いて、ガス遮断装置10が設定情報300の要求に対して応答できる期間を表す。
【0033】
ステップS130において、情報取得部150は、設定された通信規格を用いて、第1ガス遮断装置10-1から設定情報300を取得する。例えば、情報取得部150は、第1ガス遮断装置10-1から応答があるとき、ステップS110で用いた第1通信規格で、第1ガス遮断装置10-1から設定情報300を取得する。また、情報取得部150は、第1期間経過しても第1ガス遮断装置10-1から応答がないとき、第2通信規格を用いて、再度、第1ガス遮断装置10-1に設定情報300を要求し、設定情報300を取得する。取得された設定情報300は、端末通信部180により、携帯端末200に出力される。ここで、情報取得部150は、第2通信規格を用いた信号の出力に対して、第2期間経過しても第1ガス遮断装置10-1から応答がないとき、入出力装置110を用いて、設定情報300を取得できないことを作業者に報知してもよい。第2期間は、第2通信規格を用いて、ガス遮断装置10が設定情報300の要求に対して応答できる期間を表し、第1期間と同じでも、異なってもよい。
【0034】
ステップS140において、携帯端末200の設定変更部250は、第1ガス遮断装置10-1の設定情報300に対する変更情報を受け付ける。例えば、設定変更部250は、取得した設定情報300を表示して、入出力装置210に設定情報300を変更するための作業者の操作を受け付ける。例えば、作業者は、表示された設定情報300を変更するための変更情報を、携帯端末200の入出力装置210に入力する。設定変更部250は、入力された変更情報に基づき、第1ガス遮断装置10-1の設定情報300を変更する。変更された新設定情報は、設定変更部250によりガス遮断装置用設定器100に出力される。
【0035】
ステップS150において、ガス遮断装置用設定器100の端末通信部180は、携帯端末200から新設定情報を取得する。
【0036】
ステップS160において、規格設定部160は、第2ガス遮断装置10-2との通信規格を設定する。例えば、作業者は、ガス遮断装置用設定器100の通信端子101を、第1ガス遮断装置10-1の端子13から外し、第2ガス遮断装置10-2の端子13に接続する。その後、作業者は、ガス遮断装置用設定器100に、変更された新設定情報を第2ガス遮断装置10-2に出力するための操作を入出力装置110に入力する。情報出力部170は、第1通信規格を用いて、新設定情報を表す信号を第2ガス遮断装置10-2に出力する。規格設定部160は、ステップS120の処理と同様に、新設定情報の出力に対する応答に基づき、第2ガス遮断装置10-2との通信規格を設定する。
【0037】
例えば、第2ガス遮断装置10-2から応答があるとき、規格設定部160は、新設定情報の出力に用いた第1通信規格、例えばUバスを第2ガス遮断装置10-2との通信規格として設定する。例えば、新設定情報を表す信号を出力してから第3期間内に第2ガス遮断装置10-2から応答があるとき、規格設定部160は、新設定情報の出力に用いた第1通信規格を第2ガス遮断装置10-2との通信規格として設定する。また、新設定情報を表す信号を出力してから第3期間経過しても第2ガス遮断装置10-2から応答がないとき、規格設定部160は、新設定情報の出力に用いた第1通信規格と異なる第2通信規格、例えばNラインを第2ガス遮断装置10-2との通信規格として設定する。ここで、第3期間は、第1通信規格を用いて、ガス遮断装置10が設定情報300の出力に対して応答できる期間を表し、第1期間と同じでも、異なってもよい。
【0038】
ステップS170において、情報出力部170は、設定された通信規格を用いて、第2ガス遮断装置10-2に新設定情報を出力する。例えば、情報出力部170は、第2ガス遮断装置10-2から応答があるとき、新設定情報の出力に用いた第1通信規格で、第2ガス遮断装置10-2に新設定情報を出力する。また、情報出力部170は、第3期間経過しても第2ガス遮断装置10-2から応答がないとき、第2通信規格を用いて、再度、第2ガス遮断装置10-2に新設定情報を出力する。第2ガス遮断装置10-2の設定情報300は、出力された新設定情報に更新される。ここで、情報出力部170は、第2通信規格を用いた信号の出力に対して、第4期間経過しても第2ガス遮断装置10-2から応答がないとき、入出力装置110を用いて、設定情報300を出力できないことを作業者に報知してもよい。第4期間は、第2通信規格を用いて、ガス遮断装置10が設定情報300の出力に対して応答できる期間を表し、第2期間または第3期間と同じでも、異なってもよい。また、情報出力部170は、携帯端末200にも新設定情報を出力する。
【0039】
ステップS180において、携帯端末200の設定変更部250は、取得した新設定情報を入出力装置210に表示する。作業者は、表示された新設定情報を確認することができる。
【0040】
このように、ガス遮断装置用設定器100は、設定情報300を設定する第2ガス遮断装置10-2の通信規格が設定情報300を取得する第1ガス遮断装置10-1の通信規格と異なっても、第1ガス遮断装置10-1の設定情報300を用いて、第2ガス遮断装置10-2を設定することができる。また、ガス遮断装置用設定システム1000は、ガス遮断装置用設定器100から第1ガス遮断装置10-1の設定情報300を携帯端末200に出力し、携帯端末200において設定情報300の変更情報を受け付ける。このため、作業者は、設定情報300の変更を容易に行うことができる。このように、ガス遮断装置用設定システム1000を用いることで、作業者は、交換前の第1ガス遮断装置10-1の設定情報300を、効率的に交換後の第2ガス遮断装置10-2に設定することができる。
【0041】
(変形例)
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、機能を阻害しない範囲で変更してもよい。また、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。例えば、図6に示すステップS110において、ガス遮断装置用設定器100の情報取得部150は、第1通信規格としてNラインを用いて、第1ガス遮断装置10-1に設定情報300を要求してもよい。この場合、ステップS120において、規格設定部160は、第1ガス遮断装置10-1から応答があるとき、Nラインを第1ガス遮断装置10-1との通信規格として設定する。また、第1ガス遮断装置10-1から応答がないとき、Uバスを第1ガス遮断装置10-1との通信規格として設定する。
【0042】
また、ステップS160においても、ガス遮断装置用設定器100の情報出力部170は、第1通信規格としてNラインを用いて、新設定情報を第2ガス遮断装置10-2に出力してもよい。この場合、規格設定部160は、第2ガス遮断装置10-2から応答があるとき、Nラインを第2ガス遮断装置10-2との通信規格として設定する。また、第2ガス遮断装置10-2から応答がないとき、Uバスを第2ガス遮断装置10-2との通信規格として設定する。
【0043】
また、ガス遮断装置10の通信規格は、3つ以上あってもよい。この場合、ステップS120において、ガス遮断装置用設定器100の規格設定部160は、第1ガス遮断装置10-1から応答があるとき、ステップS110で用いた第1通信規格を第1ガス遮断装置10-1との通信規格として設定する。規格設定部160は、第1ガス遮断装置10-1から応答がないとき、第1通信規格と異なる第2通信規格を用いて、第1ガス遮断装置10-1に設定情報300を要求する。第2通信規格を用いた要求に対して、第1ガス遮断装置10-1から応答があるとき、規格設定部160は、第2通信規格を第1ガス遮断装置10-1との通信規格として設定する。第2通信規格を用いた要求に対して、第1ガス遮断装置10-1から応答がないとき、規格設定部160は、第1通信規格と第2通信規格との両方と異なる第3通信規格を第1ガス遮断装置10-1との通信規格として設定する。同様に、ステップS160において、規格設定部160は、3つ以上の通信規格から、第2ガス遮断装置10-2との通信規格を設定する。
【0044】
また、ステップS120または/およびステップS160において、ガス遮断装置用設定器100の規格設定部160は、作業者による入出力装置110、例えば操作ボタン102への入力に基づき、ガス遮断装置10との通信規格を設定してもよい。例えば、作業者によりガス遮断装置10との通信規格としてUバスが入力されると、規格設定部160は、ガス遮断装置10との通信規格としてUバスを設定する。また、作業者によりガス遮断装置10との通信規格としてNラインが入力されると、規格設定部160は、ガス遮断装置10との通信規格としてNラインを設定する。この場合、ステップS110の処理は、ステップS120の処理の後に実行され、ステップS110において、情報取得部150は、設定された通信規格を用いて、第1ガス遮断装置10-1から設定情報300を取得する。ステップS170において、情報出力部170は、設定された通信規格を用いて、第2ガス遮断装置10-2に設定情報300を出力する。
【0045】
ステップS140において、設定情報300は、市販のソフトウェアを用いて変更されてもよい。例えば、ステップS140において、携帯端末200の設定変更部250は、設定情報300を市販のソフトウェアで編集できる形式、例えばCSV(Comma Separated Values)形式のファイルを出力する。作業者は、出力されたファイルを市販のソフトウェアを用いて変更する。設定変更部250は、変更された設定情報300を表すファイルを読み出し、読み出した設定情報300を新設定情報としてガス遮断装置用設定器100に出力する。
【0046】
また、ステップS140において、携帯端末200の設定変更部250は、ガス遮断装置用設定器100に設定情報300を要求してもよい。例えば、作業者は、携帯端末200の入出力装置210に、ガス遮断装置用設定器100の設定情報300を表示するための表示操作を入力する。入出力装置210に表示操作が入力されると、携帯端末200の設定変更部250は、ガス遮断装置用設定器100に設定情報300を要求する。ガス遮断装置用設定器100の端末通信部180は、携帯端末200からの要求に応じて、第1ガス遮断装置10-1の設定情報300を携帯端末200に出力する。
【0047】
また、ステップS140において、携帯端末200の設定変更部250は、作業者により入力された変更情報をガス遮断装置用設定器100に出力してもよい。この場合、端末通信部180は、変更情報に基づき、変更された新設定情報を取得する。例えば、端末通信部180は、変更前の設定情報300に、変更情報に表された変更を行うことで、新設定情報を取得する。
【0048】
また、設定情報300の変更は、ガス遮断装置用設定器100を用いて行われてもよい。例えば、携帯端末200の設定変更部250は、ガス遮断装置用設定器100で実現される。例えば、ステップS140において、作業者は、ガス遮断装置用設定器100の入出力装置110に第1ガス遮断装置10-1の設定情報300を表示する操作を入力する。ガス遮断装置用設定器100の設定変更部250は、第1ガス遮断装置10-1の設定情報300を表示する。作業者は、表示された設定情報300を確認し、設定情報300を変更する操作を入出力装置110に入力する。ガス遮断装置用設定器100の設定変更部250は、入力された操作に応じて、設定情報300を変更し、変更された設定情報300を表示する。
【0049】
また、ステップS180において、ガス遮断装置用設定器100が入出力装置110に新設定情報を表示してもよい。例えば、ガス遮断装置用設定器100の情報出力部170が入出力装置110に新設定情報を表示してもよい。
【0050】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、必要に応じて、一部の機構、機能を省略してもよい。また、実施の形態および変形例を組み合わせてもよい。例えば、ガス遮断装置用設定システム1000は、携帯端末200を含まなくてもよい。また、ガス遮断装置用設定システム1000は、外部の端末に設定情報300を表示させ、変更させてもよい。この場合、外部の端末は、設定変更プログラム320を記憶媒体1やサーバなどから取得する。外部の端末は、取得した設定変更プログラム320を実行して、図4に示す設定変更部250を実現する。また、第1ガス遮断装置10-1の設定情報300は、変更されずに第2ガス遮断装置10-2に設定されてもよい。この場合、図6に示すステップS140の処理は省略されてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1、2:記憶媒体、10:ガス遮断装置、11:ガス流入口、12:ガス供給口、13:端子、15:流量計測部、16:異常検知部、17:遮断部、18:通信部、100:ガス遮断装置用設定器、101:通信端子、102:操作ボタン
110:入出力装置、120:演算装置、130:通信装置、140:記憶装置、150:情報取得部、160:規格設定部、170:情報出力部、180:端末通信部、200:携帯端末、210:入出力装置、220:演算装置、230:通信装置、240:記憶装置、250:設定変更部、300:設定情報、310:ガス遮断装置用設定プログラム、320:設定変更プログラム、1000:ガス遮断装置用設定システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6