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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075904
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】ズームレンズ及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/20 20060101AFI20240529BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20240529BHJP
【FI】
G02B15/20
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187159
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 敏也
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087NA17
2H087PA13
2H087PA16
2H087PB18
2H087QA02
2H087QA05
2H087QA06
2H087QA07
2H087QA17
2H087QA21
2H087QA25
2H087QA32
2H087QA33
2H087QA34
2H087QA42
2H087QA45
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA44
2H087SA57
2H087SA63
2H087SA65
2H087SA66
2H087SA71
2H087SA72
2H087SA74
2H087SB05
2H087SB15
2H087SB23
2H087SB34
2H087SB44
(57)【要約】
【課題】 明るく高い光学性能を有し、且つ、小型で高変倍比を有するズームレンズ及び撮像装置を提供する。
【解決手段】物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6とを備え、ズーミングに際して隣接するレンズ群の光軸上の間隔が変化し、所定の条件式を満足させたズームレンズとする。また、当該ズームレンズを備えた撮像装置とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群と、負の屈折力を有する第6レンズ群とを備え、
ズーミングに際して隣接するレンズ群の光軸上の間隔が変化し、
以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
(1)3.0 ≦ f3/fw ≦ 20.0
但し、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
fw:広角端における無限遠合焦時の当該ズームレンズの焦点距離
【請求項2】
下記条件式を満足する請求項1に記載のズームレンズ。
(2)4.0 ≦ β2t/β2w ≦ 30.0
但し、
β2t:望遠端における無限遠合焦時の前記第2レンズ群の横倍率
β2w:広角端における無限遠合焦時の前記第2レンズ群の横倍率
【請求項3】
下記条件式を満足する請求項1に記載のズームレンズ。
(3)2.5 ≦ f4/fw ≦ 5.0
但し、
f4:前記第4レンズ群の焦点距離
【請求項4】
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に絞りを備え、
下記条件式を満足する請求項1に記載のズームレンズ。
(4)2.0 ≦ f3/f4 ≦ 5.0
但し、
f4:前記第4レンズ群の焦点距離
【請求項5】
下記条件式を満足する請求項1に記載のズームレンズ。
(5)2.0 ≦ d34w/fw ≦ 8.0
但し、
d34w:広角端における無限遠合焦時の前記第3レンズ群及び前記第4レンズ群の空気間隔
【請求項6】
下記条件式を満足する請求項1に記載のズームレンズ。
(6)0.02 ≦ |f2|/ft ≦ 0.10
但し、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
ft:望遠端における無限遠合焦時の当該ズームレンズの焦点距離
【請求項7】
下記条件式を満足する請求項1に記載のズームレンズ。
(7)1.5 ≦ f1/√(fw×ft) ≦ 2.0
但し、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
ft:望遠端における当該ズームレンズの焦点距離
【請求項8】
広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1レンズ群が像面に対して固定される請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項9】
広角端から望遠端へのズーミングに際し、最も像面側に配置されるレンズ群が像面に対して固定される請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項10】
広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との光軸上の間隔が狭くなるように、前記第3レンズ群及び前記第4レンズ群のうち少なくとも一方のレンズ群が光軸上を移動する請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のズームレンズと、当該ズームレンズの像側に当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件発明は、ズームレンズ及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の固体撮像素子を用いた撮像装置が広く普及している。このような撮像装置として、例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、放送用カメラ/フィルム用カメラ、監視カメラ、車載カメラ等種々のものがある。固体撮像素子を構成する受光素子の高集積化に伴い、いずれの撮像装置においても高機能化と共に小型化が進み、撮像装置の撮像光学系においても一層の高性能化及び小型化が求められている。
【0003】
撮像装置に用いる撮像光学系としては、小型で明るく高変倍比であり、且つ、全ズーム領域で諸収差が良好に補正されたズームレンズが望まれている。ズームレンズにおいて、小型化を実現し、諸収差を良好に補正するには、ズーミングの際に複数のレンズ群を像面に対して可動させる事が有効となる。しかしながら、このように可動させるレンズ群が多いと、レンズ群を可動させるための機構が複雑となり、撮像装置の大型化を招く。したがって、可動群とするレンズ群を適切に選定することが重要になってくる。
【0004】
例えば、特許文献1には、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、開口絞り、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、負の屈折力を有する第5レンズ群及び負の屈折力を有する第6レンズ群から構成され、ズーミングに際して各レンズ群の間隔が変化するズームレンズが提案されている。当該ズームレンズでは複数のレンズ群を可動群とすることで諸収差を良好に補正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-218290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記ズームレンズでは第3レンズ群の屈折力が弱く、そのため高変倍比を実現しつつ明るいズームレンズを得ることが困難である。そこで、本件発明の課題は、明るく高い光学性能を有し、且つ、小型で高変倍比を有するズームレンズ及び撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本件発明に係るズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群と、負の屈折力を有する第6レンズ群とを備え、ズーミングに際して隣接するレンズ群の光軸上の間隔が変化し、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(1)3.0 ≦ f3/fw ≦ 20.0
但し、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
fw:広角端における当該ズームレンズの焦点距離
【0008】
また、上記課題を解決するために本件発明に係る撮像装置は、上記ズームレンズと、当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換にする撮像素子とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本件発明によれば、明るく高い光学性能を有し、且つ、小型で高変倍比を有するズームレンズ及び撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。
図2】実施例1のズームレンズの広角端における諸収差図である。
図3】実施例1のズームレンズの中間焦点位置における諸収差図である。
図4】実施例1のズームレンズの望遠端における諸収差図である。
図5】実施例2のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。
図6】実施例2のズームレンズの広角端における諸収差図である。
図7】実施例2のズームレンズの中間焦点位置における諸収差図である。
図8】実施例2のズームレンズの望遠端における諸収差図である。
図9】実施例3のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。
図10】実施例3のズームレンズの広角端における諸収差図である。
図11】実施例3のズームレンズの中間焦点位置における諸収差図である。
図12】実施例3のズームレンズの望遠端における諸収差図である。
図13】実施例4のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。
図14】実施例4のズームレンズの広角端における諸収差図である。
図15】実施例4のズームレンズの中間焦点位置における諸収差図である。
図16】実施例4のズームレンズの望遠端における諸収差図である。
図17】実施例5のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。
図18】実施例5のズームレンズの広角端における諸収差図である。
図19】実施例5のズームレンズの中間焦点位置における諸収差図である。
図20】実施例5のズームレンズの望遠端における諸収差図である。
図21】実施例6のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。
図22】実施例6のズームレンズの広角端における諸収差図である。
図23】実施例6のズームレンズの中間焦点位置における諸収差図である。
図24】実施例6のズームレンズの望遠端における諸収差図である。
図25】本発明の一実施形態に係る撮像装置の構成の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本件発明に係るズームレンズ及び撮像装置の実施の形態を説明する。但し、以下に説明するズームレンズ及び撮像装置は本件発明に係るズームレンズ及び撮像装置の一態様であって、本件発明に係るズームレンズ及び撮像装置は以下の態様に限定されるものではない。
【0012】
1.ズームレンズ
1-1.光学構成
当該ズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群と、負の屈折力を有する第6レンズ群とを備え、ズーミングに際して隣接するレンズ群の光軸上の間隔が変化する。
【0013】
当該ズームレンズは少なくとも6つのレンズ群を備え、広角端から望遠端へのズーミングに際して隣接するレンズ群の光軸上の間隔が変化することで、高変倍比を実現しつつ、全ズーム領域で諸収差を良好に補正することができ、高い光学性能を得ることができる。第6レンズ群が負の屈折力を有することによって、バックフォーカスを短くしつつ、高性能化が図りやすい。
【0014】
ここで、当該ズームレンズは上記第1レンズ群~第6レンズ群から構成されていてもよいし、第6レンズ群の像側に第7レンズ群、第8レンズ群等、他のレンズ群を備えていてもよい。但し、レンズ群の数が増加すると、当該ズームレンズの光学全長が長くなったり、可動群の数が増えて、駆動機構が複雑になったり大型化するおそれがある。そのため、当該ズームレンズを構成するレンズ群の数は、8以下であることが好ましく、7以下であることがより好ましい。特に、第1レンズ群~第6レンズ群から構成し、最終レンズ群を第6レンズ群とすることが好ましい。本発明に係るズームレンズでは、6群構成としたときも高い光学性能を得つつ、全体を小型に構成することができる。但し、ここでいうレンズ群は実質的な屈折力を有するレンズ群をいい、少なくとも1枚の実質的な屈折力を有するレンズにより構成されるものとする。また、第7レンズ群以降のレンズ群は、正の屈折力を有していてもよく、負の屈折力を有していてもよい。但し、最終レンズ群は負の屈折力を有することが好ましい。最終レンズ群が負の屈折力を有することによって、バックフォーカスを短くしつつ、より高性能化が図りやすい。
【0015】
当該ズームレンズにおいて、高性能化と小型化の観点から、以下の構成を満足することが好ましい。第1レンズ群は少なくとも2枚の正レンズを有することが好ましい。第1レンズ群は少なくとも1枚の負レンズを有することが好ましい。第1レンズ群は3枚以上のレンズから構成されることが好ましい。また、第3レンズ群は少なくとも1枚の負レンズを有することが好ましい。第5レンズ群は3枚以上のレンズから構成されることが好ましい。
【0016】
1-2.ズーミング時の動作
当該ズームレンズにおいて、ズーミングの際に隣接するレンズ群の光軸上の間隔が変化する限り、各レンズ群は像面に対して可動の可動群であってもよいし、像面に対して固定の固定群であってもよい。全てのレンズ群を可動群とすれば、広角端から望遠端へのズーミングに際し、各レンズ群の位置をそれぞれ変化させることができるため、諸収差を補正する上で好ましい。しかしながら、レンズ群を光軸に沿って移動させるためには、アクチュエータやモータ等の駆動機構が必要となり、鏡筒部分を含む当該ズームレンズ全体が大型化する。これらの観点から、当該ズームレンズにおいて、少なくとも3つのレンズ群を可動群とし、少なくとも1つのレンズ群を固定群とすることが好ましい。なお、固定群の前後に配置されるレンズ群は可動群であるものとする。
【0017】
(1)第1レンズ群
第1レンズ群は可動群であってもよいが、固定群であることがより好ましい。広角端から望遠端へのズーミングの際に、第1レンズ群を像面に対して固定させると、上記駆動機構の簡素化を図ることができる。一般に、第1レンズ群を構成するレンズは、他のレンズ群を構成するレンズよりも外径が大きく、重い。このため、第1レンズ群を固定群とすることにより、第1レンズ群を移動させるための上記駆動機構が不要になり、当該ズームレンズ全体の小型化及び軽量化を図ることができる。また、第1レンズ群を固定群とすることにより、ズーミングの際に当該ズームレンズの光学全長が変化せず、鏡筒構成を簡素にすることができる。これらのことから、第1レンズ群を固定群とすることでズームレンズ全体の小型化、軽量化及び機構構成の簡易化ができる。
【0018】
(2)第2レンズ群
第1レンズ群が固定群である場合、第2レンズ群は可動群であることが求められる。複数のレンズ群を有するズームレンズでは、一般に、第2レンズ群をバリエータとして機能させ、第2レンズ群を光軸に沿って移動させることで焦点距離を変化させる。当該ズームレンズでは上記レンズ群構成を採用しつつ、後述する条件式を満足させることで、高変倍比を実現しつつ、当該ズームレンズの小型化を図ることが容易になる。また、第2レンズ群をバリエータとして主に機能させ、第2レンズ群よりも像側に配置される可動群により諸収差を補正するためのコンペンセータとして主に機能させることで、光学性能が高く、且つ、小型のズームレンズを得ることがより容易になる。
【0019】
(3)第3レンズ群及び第4レンズ群
第3レンズ群及び第4レンズ群はそれぞれ固定群であってもよいし、可動群であってもよいが、少なくともいずれか一方は可動群であるものとする。また、広角端から望遠端へのズーミングに際し、第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の間隔が狭くなるように、第3レンズ群及び第4レンズ群のうち少なくとも一方のレンズ群が光軸上を移動することが好ましい。この場合、望遠端よりも広角端の方が第3レンズ群と第4レンズ群間の光軸上の広くなる。したがって、広角端では、第2レンズから射出された発散光を正の屈折力を有する第3レンズ群及び第4レンズ群により効果的に収束させることができるため、第3レンズ群以降のレンズ群の有効径を小さくすることができ、当該ズームレンズの小型化ができる。
【0020】
(4)最終レンズ群
広角端から望遠端へのズーミングに際し、当該ズームレンズにおいて最も像面側に配置されるレンズ群(最終レンズ群)を像面に対して固定することも好ましい。最終レンズ群を固定群とすれば、像面側に当該最終レンズ群を移動させるための上記駆動機構が不要になり、鏡筒径の小型化や軽量化を図ることができる。また、像面側における駆動機構との干渉を考慮せず、最終レンズ群の位置を設定することができる。そのため最終レンズ群を可動群とする場合と比較すると、最終レンズ群を固定群とすることで、特に広角端における最終レンズ群の光軸上の位置を像面により近接させることが可能になるため、当該ズームレンズの光学全長も短くすることが容易になる。また、像側を密閉構造とすることが容易になり、防塵、防水構造とすることも容易になる。
【0021】
1-3.フォーカシング時の動作
当該ズームレンズにおいて、フォーカス群は特に限定されるものではないが、例えば第3レンズ群以降のレンズ群又はその一部を光軸方向に移動させることで無限遠から近距離物体に合焦させることが好ましい。第1レンズ群は上述のとおり外径の大きなレンズで構成されるため、第1レンズ群を可動群とすることは好ましくなく、第2レンズ群は主としてバリエータとしての機能を有する。そのため、第3レンズ群以降をフォーカス群とすることで、フォーカス群の小型化及び軽量化を図ることができ、フォーカシングの際にフォーカス群を光軸方向に移動させるための駆動機構の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0022】
1-4.開口絞り
当該ズームレンズにおいて、絞りの位置は特に限定されるものではないが、第2レンズ群と第3レンズ群との間に配置されることが好ましい。ここで、絞りは、軸上光束の径を決定するための開口絞りをいう。第2レンズ群と第3レンズ群との間に絞りを配置することで、レンズ径を小さくすることができ、当該ズームレンズの小径化を図ることが容易になる。例えば、第3レンズ群の物体側に絞りを配置し、ズーミングの際に第3レンズ群と共に像面に対して固定すること、或いは、第3レンズ群と共に光軸方向に移動させることも好ましい。ズーミングの際に、開口絞りを第3レンズ群と共に像面に対して固定すれば、駆動機構等を簡素化することができ、やはり当該ズームレンズの小型化及び軽量化を図ることができて好ましい。
【0023】
1-5.条件式
当該ズームレンズは、上述した構成を採用すると共に、次に説明する条件式を少なくとも1つ以上満足することが好ましい。
【0024】
1-5-1.条件式(1)
(1)3.0 ≦ f3/fw ≦ 20.0
但し、
f3:第3レンズ群の焦点距離
fw:広角端における無限遠合焦時の当該ズームレンズの焦点距離
【0025】
条件式(1)は第3レンズ群の焦点距離と広角端における当該ズームレンズの焦点距離との比を規定した条件式である。条件式(1)を満足することで、広角端における大口径化と諸収差の良好な補正とが可能となり、明るく高い光学性能を有するズームレンズを得ることができる。
【0026】
これに対して、条件式(1)の数値が上限値を上回ると、第3レンズ群の屈折力が小さくなることで、広角端におけるコマ収差が悪化し、高い光学性能を実現することが困難になる。一方、条件式(1)の数値が下限値を下回ると、第3レンズ群の屈折力が大きくなるため、広角端における球面収差が悪化し、高い光学性能の実現が困難になる。
【0027】
上記効果を得る上で、条件式(1)の下限値は5.0であることがより好ましく、7.0であることがさらに好ましい。また、条件式(1)の上限値は17.0であることがより好ましく、15.0であることがより好ましく、14.0であることがさらに好ましく、10.0であることが一層好ましい。なお、これらの好ましい下限値又は上限値を採用する場合、条件式(1)において等号付不等号(≦)を不等号(<)に置換してもよい。他の式についても同様である。
【0028】
1-5-2.条件式(2)
(2)4.0 ≦ β2t/β2w ≦ 30.0
但し、
β2t:望遠端における無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率
β2w:広角端における無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率
【0029】
条件式(2)は望遠端における無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率と広角端における無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率との比を規定した条件式である。条件式(2)を満足することで、良好な光学性能を得つつ、高変倍比を実現することができる。
【0030】
これに対して、条件式(2)の数値が上限値を上回ると、第2レンズ群の横倍率比が大きくなり、ズーミングの際の第2レンズ群の移動量が増加し、小型化が困難になる。一方、条件式(2)の数値が下限値を下回ると、第2レンズ群の横倍率比が小さくなり、高変倍比を実現することが困難になる。
【0031】
上記効果を得る上で、条件式(2)の下限値は6.0であることがより好ましく、8.0であることがさらに好ましく、10.5であることが一層好ましい。また、条件式(2)の上限値は20.0であることがより好ましく、16.0であることがさらに好ましく、12.1であることが一層好ましい。
【0032】
1-5-3.条件式(3)
(3)2.5 ≦ f4/fw ≦ 5.0
但し、
f4:第4レンズ群の焦点距離
【0033】
条件式(3)は、第4レンズ群の焦点距離と広角端における当該ズームレンズの焦点距離との比を規定した条件式である。条件式(3)を満足することで、高変倍比を実現したときも小型化を図ることができ、より光学性能の高いズームレンズを得ることができる。
【0034】
これに対して、条件式(3)の数値が上限値を上回ると、第3レンズ群の屈折力に対して第4レンズ群の屈折力が小さく、第4レンズ群を可動群としたときの第4レンズ群の移動量が大きくなる。このため、変倍比を高くしたとき、望遠端における当該ズームレンズの光学全長が長くなり、当該ズームレンズの小型化を図ることが困難になる。一方、条件式(3)の数値が下限値を下回ると、第3レンズ群の屈折力に対して第4レンズ群の屈折力が大きくなり過ぎ、球面収差、像面湾曲、非点収差等の補正が困難になる。
【0035】
上記効果を得る上で、条件式(3)の下限値は2.8であることがより好ましく、3.0であることがさらに好ましい。また、条件式(3)の上限値は4.0であることがより好ましく、3.6であることがさらに好ましく、3.3であることが一層好ましい。
【0036】
1-5-4.条件式(4)
(4)2.0 ≦ f3/f4 ≦ 5.0
【0037】
条件式(4)は第3レンズ群の焦点距離と第4レンズ群の焦点距離の比を規定した条件式である。条件式(4)を満足することで、大口径化を図ったときも諸収差を良好に補正することができ、高い光学性能を実現することができる。
【0038】
条件式(4)の数値が上限値を上回ると、大口径化を図るには第4レンズ群の屈折力を大きくする必要があり、広角端におけるコマ収差が悪化し、高い光学性能の実現が困難になる。一方、条件式(4)の下限を下回ると、第3レンズ群の屈折力が過剰に大きくなるため、広角端における球面収差が悪化し、高い光学性能を実現することが困難になる。
【0039】
但し、上記効果を得る上で、開口絞りは、第2レンズ群と第3レンズ群の間に配置されることが好ましく、第3レンズ群の物体側に開口絞りが配置され、ズーミングの際に第3レンズ群と共に開口絞りが像面に対して固定され、或いは、光軸に沿って移動することが好ましい。
【0040】
また、上記効果を得る上で、条件式(4)の下限値は2.2であることがより好ましく、2.4であることがさらに好ましい。また、条件式(4)の上限値は4.9であることがより好ましく、4.7であることがさらに好ましく、4.0であることが一層好ましい。
【0041】
1-5-5.条件式(5)
(5)2.0 ≦ d34w/fw ≦ 8.0
d34w:広角端における無限遠合焦時の第3レンズ群及び第4レンズ群の空気間隔
【0042】
条件式(5)は、広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との空気間隔と当該ズームレンズの広角端での焦点距離の比を規定した条件式である。但し、第3レンズ群と第4レンズ群との空気間隔は、第3レンズ群において最も像側に配置されるレンズの像側面と、第4レンズ群において最も物体側に配置されるレンズの物体側面との間の光軸上の間隔であって、空気換算した値である。条件式(5)を満足することで、全ズーム領域で諸収差を良好に補正しつつ、広角端における当該ズームレンズの広角化を図るとともに、より高変倍比のズームレンズを実現することができる。
【0043】
これに対して、条件式(5)の数値が上限値を上回ると、広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との空気間隔が大きくなり、当該ズームレンズの小型化を図ることが困難になる。一方、条件式(5)の数値が下限値を下回ると、当該ズームレンズの広角化は容易になるが、像面湾曲等の諸収差の補正が困難となり、高い光学性能の実現が困難となる。
【0044】
上記効果を得る上で、条件式(5)の下限値は2.2であることがより好ましく、2.4であることがさらに好ましく、2.6であることが一層好ましく、2.8であることがより一層好ましい。また、条件式(5)の上限値は6.0であることがより好ましく、5.0であることがさらに好ましく、4.0であることが一層好ましい。
【0045】
1-5-6.条件式(6)
(6)0.02 ≦ |f2|/ft ≦ 0.10
但し、
f2:第2レンズ群の焦点距離
ft:望遠端における無限遠合焦時の当該ズームレンズの焦点距離
【0046】
条件式(6)は第2レンズ群の焦点距離と望遠端における当該ズームレンズの焦点距離との比を規定するための条件式である。条件式(6)を満足することで、良好な光学性能を得つつ、高変倍比を実現することができる。
【0047】
これに対して、条件式(6)の上限を上回ると、第2レンズ群の負の屈折力が弱くなり、高変倍比の実現が困難となる。一方、条件式(6)の下限を下回ると、第2レンズ群の負の屈折力が強くなりすぎ、像面湾曲の補正が困難となる。
【0048】
上記効果を得る上で、条件式(6)の下限値は0.025であることがより好ましく、0.03であることがさらに好ましい。また、条件式(6)の上限値は0.07であることがより好ましく、0.05であることがさらに好ましい。
【0049】
1-5-7.条件式(7)
(7)1.5 ≦ f1/√(fw×ft) ≦ 2.0
但し、
f1:第1レンズ群の焦点距離
【0050】
条件式(7)は、第1レンズ群の焦点距離と当該ズームレンズの実効焦点距離の比を規定した条件式である。条件式(7)を満足することで、第1レンズ群の屈折力が適正な範囲となり、良好な光学性能を得つつ、高変倍比を実現することができる。
【0051】
これに対して、条件式(7)の数値が上限値を上回ると、第1レンズ群の屈折力が小さく、変倍比を高くしたときに当該ズームレンズの光学全長が長くなり、当該ズームレンズの小型化を実現することが困難になる。一方、条件式(7)の数値が下限値を下回ると、第1レンズ群の屈折力が大きくなり過ぎ、球面収差や色収差の補正が困難になる。このため、全ズーム領域で良好な光学性能を得るには、収差補正に要するレンズ枚数が増加し、この場合も当該ズームレンズの小型化を実現することが困難になる。
【0052】
上記効果を得る上で、条件式(7)の下限値は1.6であることがより好ましく、1.7であることがさらに好ましい。また、条件式(7)の上限値は2.0であることがより好ましく、1.9であることがさらに好ましい。
【0053】
1-5-8.条件式(8)
0.5 ≦BFw/fw≦ 1.3
但し、
BFw:広角端における当該ズームレンズのバックフォーカス
【0054】
条件式(8)は広角端における当該ズームレンズのバックフォーカスと、広角端における当該ズームレンズの焦点距離との比を規定した式である。条件式(8)を満足することによって、広角端における全長の小型化を図ることが可能となる。ここで、バックフォーカスとは、屈折力を有するレンズのうち、最も像側に配置されたレンズの像側面から像面までの空気換算長のことを指す。
【0055】
上記効果を得る上で、条件式(8)の下限値は0.6であることがより好ましく、0.8であることがさらに好ましい。また、条件式(8)の上限値は1.1であることがより好ましく、1.0であることがさらに好ましい。
【0056】
2.撮像装置
次に、本件発明に係る撮像装置について説明する。本件発明に係る撮像装置は、上記本件発明に係るズームレンズと、当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。なお、撮像素子はズームレンズの像側に設けられることが好ましい。ここで、撮像素子等に特に限定はなく、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの固体撮像素子等も用いることができる。本件発明に係る撮像装置は、デジタルビデオカメラ、放送用カメラ/フィルム用カメラ、監視カメラ、車載カメラ等のこれらの固体撮像素子を用いた種々の撮像装置に好適である。また、これらの撮像装置はレンズが筐体に固定されたレンズ固定式の撮像装置であってもよいし、レンズ交換式の撮像装置であってもよい。
【0057】
図25は、当該撮像装置の構成の一例を模式的に示す図である。撮像装置1は、撮像装置本体2と、当該撮像装置本体2に対して取り付けられる鏡筒3と、ズームレンズの像側に配置された撮像素子21を有する。鏡筒3内に上記本件発明に係るズームレンズ、開口絞り31、ズーミング時及びフォーカシング時にレンズ群を駆動するための駆動機構等が収容される。
【0058】
次に、実施例を示して本件発明を具体的に説明する。但し、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例0059】
(1)光学構成
図1は、本件発明に係る実施例1のズームレンズの無限遠合焦時の広角端における断面図である。当該ズームレンズは、物体側より順に正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6とから構成される。開口絞りSは、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3との間であって、第3レンズ群G3の物体側に配置されている。以下、各レンズ群の構成を説明する。
【0060】
第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL1及び両凸レンズL2が接合された接合レンズと、両凸レンズL3と、物体側に凸の正メニスカスレンズL4とから構成される。
【0061】
第2レンズ群G2は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL5と、両凹レンズL6及び両凸レンズL7が接合された接合レンズと、両凹レンズL8とから構成される。
【0062】
第3レンズ群G3は、物体側より順に、両凸レンズL9と、物体側に凸の負メニスカスレンズL10とから構成される。
【0063】
第4レンズ群G4は、物体側より順に、両凸レンズL11と、物体側に凸の負メニスカスレンズL12及び両凸レンズL13を接合した接合レンズとから構成される。
【0064】
第5レンズ群G5は、物体側より順に、両凸レンズL14及び両凹レンズL15を接合した接合レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズL16とから構成される。
【0065】
第6レンズ群G6は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL17及び両凸レンズL18を接合した接合レンズとから構成される。
【0066】
広角端から望遠端へのズーミングに際して、図中矢印で示すように、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3及び第6レンズ群G6は像面に対して固定され、第2レンズ群G2は像側へ移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動し、第5レンズ群G5は途中像側に凸の軌跡を描きつつ物体側に移動する。また、開口絞りは第3レンズ群G3と共に像面に対して固定されている。
【0067】
なお、図1において、「IMG」は像面であり、具体的には、CCDセンサ、CMOSセンサなどの撮像素子の撮像面、或いは、銀塩フィルムのフィルム面等を示す。この点は、他の実施例で示す各レンズ断面図においても同様であるため、以後説明を省略する。
【0068】
(2)数値実施例
次に、当該ズームレンズの具体的数値を適用した数値実施例について説明する。以下に、「面データ」、「諸元」、「可変間隔」、「各レンズ群の焦点距離」、「非球面係数」、を示す。また、各条件式に対応する値を表1に示す。表1は実施例6の後に示す。
【0069】
「面データ」において、「面番号」は物体側から数えたレンズ面の順番、「R」はレンズ面の曲率半径、「D」は光軸上のレンズ肉厚又は空気間隔、「Nd」はd線(波長λ=587.5618nm)における屈折率、「ABV」はd線におけるアッベ数である。また、「面番号」の欄において面番号の次に示す「ASPH」はその面が非球面であることを示し、「STOP」は開口絞りであることを示す。また、「D」の欄において、「D(7)」と示すのは、当該レンズ面の光軸上の間隔が変化する可変間隔であることを意味する。また、曲率半径の欄の「∞」は無限大を意味し、その面が平面であることを意味する。
【0070】
「諸元」において、「F」は当該ズームレンズの焦点距離、「Fno」はFナンバー、「W」は半画角を示し、広角端、中間焦点位置、望遠端におけるそれぞれの値を示している。
【0071】
「可変間隔」は、上記面データに示す各可変間隔について、広角端、中間焦点位置、望遠端におけるそれぞれの値を示している。
【0072】
「各レンズ群の焦点距離」は、当該ズームレンズを構成する各レンズ群(実施例1では第1レンズ群G1~第6レンズ群G6)の焦点距離を示している。
【0073】
「非球面係数」は、非球面は次式で定義したときの各係数の値を示している。
z=ch2/[1+{1-(1+k)c2h2}1/2]+A4h4+A6h6+A8h8+A10h10+A12h12・・・
(但し、cは曲率(1/r)、hは光軸からの高さ、kは円錐係数、A4、A6、A8、A10、A12・・・は各次数の非球面係数)
【0074】
これらの各表における事項は他の実施例で示す各表においても同様であるため、以下では説明を省略する。
【0075】
また、図2図4に当該ズームレンズの無限遠合焦時の広角端、中間焦点位置、望遠端における縦収差図をそれぞれ示す。各図に示す縦収差図は、図面に向かって左側から順に、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)である。球面収差図は一点鎖線がC線(656.2725nm)、実線がd線(波長587.5618nm)、破線がF線(波長486.1327nm)の特性を示す。非点収差図は縦軸が半画角(ω)、横軸がデフォーカスであり、実線がd線のサジタル像面(図中、dsで示す)、を示し、破線がd線のメリディオナル像面(図中、dmで示す)をそれぞれ示す。歪曲収差図は、縦軸が半画角(ω)、横軸が歪曲収差である。これらの事項は、他の実施例において示す各収差図においても同じであるため、以下では説明を省略する。
【0076】
(面データ)
面番号 R D Nd ABV
1 191.579 1.300 1.9108 35.25
2 61.860 6.713 1.4970 81.61
3 -397.193 0.150
4 61.042 6.178 1.4970 81.61
5 -887.945 0.150
6 55.430 4.127 1.5935 67.00
7 133.783 D( 7)
8 113.941 0.800 1.9538 32.32
9 14.997 5.176
10 -25.063 0.700 1.7130 53.94
11 22.868 3.726 1.9229 20.88
12 -35.532 0.733
13 ASPH -21.262 1.000 1.6935 53.20
14 ASPH 94.256 D(14)
15 STOP ∞ 0.700
16 ASPH 20.354 4.674 1.6188 63.85
17 ASPH -146.405 0.217
18 315.215 0.700 1.9108 35.25
19 39.911 D(19)
20 ASPH 16.712 5.003 1.6188 63.85
21 ASPH -82.436 1.676
22 32.490 0.838 1.9108 35.25
23 11.119 5.163 1.4970 81.61
24 -30.614 D(24)
25 45.592 2.803 1.8081 22.76
26 -16.525 0.600 1.9108 35.25
27 11.326 0.405
28 ASPH 14.710 2.136 1.5831 59.46
29 ASPH 48.587 D(29)
30 25.907 0.600 1.9108 35.25
31 7.412 3.067 1.6200 36.30
32 -235.416 5.663
33 ∞
【0077】
(諸元)
広角端 中間 望遠端
F 6.64 39.90 225.48
Fno 1.67 3.45 5.11
W 36.31 6.35 1.14
【0078】
(可変間隔)
広角端 中間 望遠端
D( 7) 0.900 30.912 47.049
D(14) 47.532 17.520 1.383
D(19) 20.702 7.610 1.205
D(24) 2.615 4.332 2.917
D(29) 2.916 14.291 22.111
【0079】
(各レンズ群の焦点距離)
群番号 焦点距離
G1 69.489
G2 -9.845
G3 60.488
G4 20.866
G5 -25.543
G6 -980.039
【0080】
(非球面係数)
面番号 k A4 A6 A8 A10 A12
13 0.00 6.6980E-05 -1.2586E-06 1.7469E-08 -8.7691E-11 1.7343E-14
14 0.00 5.6816E-05 -1.3724E-06 1.9815E-08 -9.3675E-11 -3.1109E-14
16 0.00 -1.9868E-05 -7.8967E-09 -6.9339E-10 -3.5744E-12 -2.7583E-15
17 0.00 -7.5740E-06 4.8761E-08 -1.4876E-09 1.3572E-12 -1.1610E-15
20 0.00 -2.5073E-05 3.8329E-08 -1.4537E-09 -3.7473E-12 -5.2482E-15
21 0.00 3.2841E-05 1.3375E-08 -2.9736E-09 1.0263E-11 -2.0015E-14
28 0.00 8.0829E-05 4.0993E-06 -1.0751E-07 3.2247E-09 0.0000E+00
29 0.00 2.3173E-05 4.5598E-06 -1.4738E-07 4.1494E-09 0.0000E+00
【実施例0081】
(1)光学構成
図5は、本件発明に係る実施例2のズームレンズの無限遠合焦時の広角端における断面図である。当該ズームレンズは、物体側より順に正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6とから構成される。開口絞りSは、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3との間であって、第3レンズ群G3の物体側に配置されている。以下、各レンズ群の構成を説明する。
【0082】
第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL1及び両凸レンズL2が接合された接合レンズと、両凸レンズL3と、物体側に凸の正メニスカスレンズL4とから構成される。
【0083】
第2レンズ群G2は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL5と、両凹レンズL6及び両凸レンズL7が接合された接合レンズと、両凹レンズL8とから構成される。
【0084】
第3レンズ群G3は、物体側より順に、両凸レンズL9と、両凹レンズL10とから構成される。
【0085】
第4レンズ群G4は、物体側より順に、両凸レンズL11と、物体側に凸の負メニスカスレンズL12及び両凸レンズL13を接合した接合レンズとから構成される。
【0086】
第5レンズ群G5は、物体側より順に、両凸レンズL14及び両凹レンズL15を接合した接合レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズL16とから構成される。
【0087】
第6レンズ群G6は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL17及び両凸レンズL18を接合した接合レンズとから構成される。
【0088】
広角端から望遠端へのズーミングに際して、図中矢印で示すように、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3及び第6レンズ群G6は像面に対して固定され、第2レンズ群G2は像側へ移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動し、第5レンズ群G5は途中像側に凸の軌跡を描きつつ物体側に移動する。また、開口絞りは第3レンズ群G3と共に像面に対して固定されている。
【0089】
(2)数値実施例
次に、当該ズームレンズの具体的数値を適用した数値実施例を以下に示す。また、各条件式に対応する値を後掲の表1に示す。また、図6図8に当該ズームレンズの無限遠合焦時の広角端、中間焦点位置、望遠端における縦収差図をそれぞれ示す。
【0090】
(面データ)
面番号 R D Nd ABV
1 161.019 1.300 1.9108 35.25
2 57.684 6.748 1.4970 81.61
3 -661.913 0.150
4 59.483 6.226 1.4970 81.61
5 -1066.852 0.150
6 58.376 4.119 1.5935 67.00
7 154.454 D( 7)
8 132.328 0.800 1.9538 32.32
9 14.990 4.451
10 -25.730 0.700 1.7130 53.94
11 22.232 3.701 1.9229 20.88
12 -38.055 0.854
13 ASPH -20.494 1.000 1.6935 53.20
14 ASPH 1312.224 D(14)
15 STOP ∞ 0.700
16 ASPH 21.357 4.449 1.6188 63.85
17 ASPH -73.004 0.609
18 -110.612 0.700 1.8061 40.73
19 36.686 D(19)
20 ASPH 16.626 5.401 1.6188 63.85
21 ASPH -67.662 1.585
22 31.453 1.335 1.9108 35.25
23 11.144 5.484 1.4970 81.61
24 -32.100 D(24)
25 29.297 2.553 1.8081 22.76
26 -20.656 0.600 1.9108 35.25
27 9.201 0.961
28 ASPH 10.501 2.403 1.5831 59.46
29 ASPH 28.006 D(29)
30 24.658 0.600 1.9108 35.25
31 7.156 3.179 1.6200 36.30
32 -277.766 6.043
像面 ∞
【0091】
(諸元)
広角端 中間 望遠端
F 6.65 39.90 225.00
Fno 1.69 3.45 5.10
W 36.67 6.33 1.14
【0092】
(可変間隔)
広角端 中間 望遠端
D( 7) 0.900 30.813 47.034
D(14) 47.376 17.463 1.242
D(19) 19.126 7.491 1.200
D(24) 3.269 5.341 1.818
D(29) 2.184 11.747 21.561
【0093】
(各レンズ群の焦点距離)
群番号 焦点距離
G1 69.403
G2 -10.581
G3 92.960
G4 20.061
G5 -27.326
G6 -998.129
【0094】
(非球面係数)
面番号 k A4 A6 A8 A10 A12
13 0.00 7.3046E-05 -1.2181E-06 1.3501E-08 -5.9882E-11 1.2156E-13
14 0.00 6.2185E-05 -1.3224E-06 1.7742E-08 -1.2507E-10 5.4105E-13
16 0.00 -2.0428E-05 -1.6699E-08 -7.4428E-10 -3.8644E-12 -3.1623E-15
17 0.00 -9.7621E-06 3.2458E-08 -1.4457E-09 2.5500E-12 -8.5525E-15
20 0.00 -2.5467E-05 5.3790E-08 -1.1950E-09 -9.2221E-14 1.4316E-14
21 0.00 3.1171E-05 3.0882E-08 -2.3684E-09 1.4495E-11 -2.8294E-14
28 0.00 1.0038E-04 3.9883E-06 -1.5975E-07 7.1663E-09 0.0000E+00
29 0.00 4.3739E-05 5.0884E-06 -2.5721E-07 1.1229E-08 0.0000E+00
【実施例0095】
(1)光学構成
図9は、本件発明に係る実施例3のズームレンズの無限遠合焦時の広角端における断面図である。当該ズームレンズは、物体側より順に正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6とから構成される。開口絞りSは、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3との間であって、第3レンズ群G3の物体側に配置されている。以下、各レンズ群の構成を説明する。
【0096】
第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL1及び両凸レンズL2が接合された接合レンズと、両凸レンズL3と、物体側に凸の正メニスカスレンズL4とから構成される。
【0097】
第2レンズ群G2は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL5と、両凹レンズL6及び両凸レンズL7が接合された接合レンズと、両凹レンズL8とから構成される。
【0098】
第3レンズ群G3は、物体側より順に、両凸レンズL9と、物体側に凸の負メニスカスレンズL10とから構成される。
【0099】
第4レンズ群G4は、物体側より順に、両凸レンズL11と、物体側に凸の負メニスカスレンズL12及び両凸レンズL13を接合した接合レンズとから構成される。
【0100】
第5レンズ群G5は、物体側より順に、両凸レンズL14及び両凹レンズL15を接合した接合レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズL16とから構成される。
【0101】
第6レンズ群G6は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL17及び正レンズL18を接合した接合レンズとから構成される。
【0102】
広角端から望遠端へのズーミングに際して、図中矢印で示すように、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3及び第6レンズ群G6は像面に対して固定され、第2レンズ群G2は像側へ移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動し、第5レンズ群G5は途中像側に凸の軌跡を描きつつ物体側に移動する。また、開口絞りは第3レンズ群G3と共に像面に対して固定されている。
【0103】
(2)数値実施例
次に、当該ズームレンズの具体的数値を適用した数値実施例を以下に示す。また、各条件式に対応する値を後掲の表1に示す。また、図10図12に当該ズームレンズの無限遠合焦時の広角端、中間焦点位置、望遠端における縦収差図をそれぞれ示す。
【0104】
(面データ)
面番号 R D Nd ABV
1 186.389 1.300 1.9108 35.25
2 61.213 6.762 1.4970 81.61
3 -416.345 0.150
4 61.360 6.178 1.4970 81.61
5 -804.220 0.150
6 56.356 4.129 1.5935 67.00
7 140.215 D( 7)
8 119.378 0.800 1.9538 32.32
9 15.115 4.856
10 -29.573 0.700 1.7130 53.94
11 19.132 3.801 1.9229 20.88
12 -49.495 1.146
13 ASPH -19.655 1.000 1.6935 53.20
14 ASPH 156.473 D(14)
15 STOP ∞ 0.700
16 ASPH 20.429 4.695 1.6188 63.85
17 ASPH -351.045 0.150
18 71.143 0.700 1.9538 32.32
19 33.693 D(19)
20 ASPH 16.467 4.896 1.6188 63.85
21 ASPH -91.804 0.848
22 33.185 0.700 1.9108 35.25
23 11.038 5.905 1.4970 81.61
24 -30.040 D(24)
25 58.146 2.629 1.8081 22.76
26 -14.352 0.600 1.9108 35.25
27 12.447 0.605
28 ASPH 22.341 2.026 1.5831 59.46
29 ASPH 825.488 D(29)
30 23.402 0.600 1.9108 35.25
31 7.195 3.137 1.6200 36.30
32 ∞ 5.669
像面 ∞
【0105】
(諸元)
広角端 中間 望遠端
F 6.64 39.93 225.19
Fno 1.67 3.45 5.10
W 36.40 6.34 1.14
【0106】
(可変間隔)
広角端 中間 望遠端
D( 7) 0.900 30.184 47.181
D(14) 47.593 18.310 1.313
D(19) 20.511 5.512 1.200
D(24) 3.052 3.998 3.109
D(29) 2.105 16.159 21.359
【0107】
(各レンズ群の焦点距離)
群番号 焦点距離
G1 69.341
G2 -9.643
G3 53.120
G4 21.168
G5 -25.726
G6 -998.621
【0108】
(非球面係数)
面番号 k A4 A6 A8 A10 A12
13 0.00 6.9811E-05 -1.2333E-06 1.7336E-08 -9.0378E-11 2.6990E-14
14 0.00 5.6468E-05 -1.3237E-06 2.0047E-08 -1.1834E-10 1.4359E-13
16 0.00 -2.0318E-05 -6.9473E-09 -6.7300E-10 -3.3606E-12 -2.1093E-15
17 0.00 -7.1733E-06 4.8470E-08 -1.4783E-09 1.4285E-12 -1.9767E-15
20 0.00 -2.5680E-05 3.7096E-08 -1.5091E-09 -4.8899E-12 -1.7354E-14
21 0.00 3.3274E-05 4.7474E-09 -3.0978E-09 8.9869E-12 -2.4044E-14
28 0.00 8.9583E-05 4.3838E-06 -1.1494E-07 3.1664E-09 0.0000E+00
29 0.00 2.2340E-05 4.6739E-06 -1.5311E-07 3.8902E-09 0.0000E+00
【実施例0109】
(1)光学構成
図13は、本件発明に係る実施例4のズームレンズの無限遠合焦時の広角端における断面図である。当該ズームレンズは、物体側より順に正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6とから構成される。開口絞りSは、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3との間であって、第3レンズ群G3の物体側に配置されている。以下、各レンズ群の構成を説明する。
【0110】
第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL1及び両凸レンズL2が接合された接合レンズと、両凸レンズL3と、物体側に凸の正メニスカスレンズL4とから構成される。
【0111】
第2レンズ群G2は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL5と、両凹レンズL6及び両凸レンズL7が接合された接合レンズと、両凹レンズL8とから構成される。
【0112】
第3レンズ群G3は、物体側より順に、両凸レンズL9と、物体側に凸の負メニスカスレンズL10とから構成される。
【0113】
第4レンズ群G4は、物体側より順に、両凸レンズL11と、物体側に凸の負メニスカスレンズL12及び両凸レンズL13を接合した接合レンズとから構成される。
【0114】
第5レンズ群G5は、物体側より順に、両凸レンズL14及び両凹レンズL15を接合した接合レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズL16とから構成される。
【0115】
第6レンズ群G6は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL17及び物体側に凸の正メニスカスレンズL18を接合した接合レンズとから構成される。
【0116】
広角端から望遠端へのズーミングに際して、図中矢印で示すように、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3及び第6レンズ群G6は像面に対して固定され、第2レンズ群G2は像側へ移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動し、第5レンズ群G5は途中像側に凸の軌跡を描きつつ物体側に移動する。また、開口絞りは第3レンズ群G3と共に像面に対して固定されている。
【0117】
(2)数値実施例
次に、当該ズームレンズの具体的数値を適用した数値実施例を以下に示す。また、各条件式に対応する値を後掲の表1に示す。また、図14図16に当該ズームレンズの無限遠合焦時の広角端、中間焦点位置、望遠端における縦収差図をそれぞれ示す。
【0118】
(面データ)
面番号 R D Nd ABV
1 264.642 1.300 1.9108 35.25
2 67.158 6.659 1.4970 81.61
3 -244.325 0.150
4 63.248 5.798 1.4970 81.61
5 -1051.341 0.150
6 55.348 4.169 1.5935 67.00
7 140.451 D( 7)
8 119.268 0.800 1.9538 32.32
9 14.808 4.789
10 -29.181 0.700 1.7130 53.94
11 19.505 3.678 1.9229 20.88
12 -51.284 1.122
13 ASPH -21.384 1.000 1.6935 53.20
14 ASPH 331.401 D(14)
15 STOP ∞ 0.700
16 ASPH 20.527 4.427 1.6188 63.85
17 ASPH -263.548 0.405
18 107.594 0.700 1.9095 33.34
19 35.923 D(19)
20 ASPH 16.373 4.926 1.6188 63.85
21 ASPH -106.859 1.498
22 30.748 0.700 1.9108 35.25
23 10.916 5.258 1.4970 81.61
24 -28.894 D(24)
25 44.033 2.874 1.8081 22.76
26 -14.979 0.600 1.9108 35.25
27 10.717 0.472
28 ASPH 14.433 2.079 1.5831 59.46
29 ASPH 50.158 D(29)
30 32.895 0.600 1.9011 27.06
31 7.206 3.565 1.7283 28.32
32 156.217 5.794
像面 ∞
【0119】
(諸元)
広角端 中間 望遠端
F 6.64 39.87 225.01
Fno 1.67 3.45 5.22
W 36.55 6.38 1.15
【0120】
(可変間隔)
広角端 中間 望遠端
D( 7) 0.900 31.192 47.871
D(14) 48.247 17.955 1.276
D(19) 20.996 7.369 1.200
D(24) 2.492 3.643 1.773
D(29) 2.101 14.577 22.616
【0121】
(各レンズ群の焦点距離)
群番号 焦点距離
G1 69.837
G2 -10.112
G3 57.416
G4 20.616
G5 -23.709
G6 -1028.720
【0122】
(非球面係数)
面番号 k A4 A6 A8 A10 A12
13 0.00 7.0180E-05 -1.2114E-06 1.5909E-08 -9.9230E-11 2.2378E-13
14 0.00 6.0797E-05 -1.2996E-06 1.9463E-08 -1.3554E-10 3.4836E-13
16 0.00 -2.0139E-05 -4.5406E-09 -6.8451E-10 -3.4002E-12 6.5228E-16
17 0.00 -7.7764E-06 4.4303E-08 -1.4227E-09 2.0423E-12 -3.9009E-15
20 0.00 -2.6138E-05 3.6593E-08 -1.5523E-09 -5.2611E-12 -1.2883E-14
21 0.00 3.3274E-05 2.1672E-09 -3.0654E-09 7.2469E-12 -1.1723E-14
28 0.00 9.7421E-05 4.8338E-06 -1.2738E-07 3.4749E-09 0.0000E+00
29 0.00 2.4490E-05 4.6910E-06 -1.4546E-07 3.7682E-09 0.0000E+00
【実施例0123】
(1)光学構成
図17は、本件発明に係る実施例5のズームレンズの無限遠合焦時の広角端における断面図である。当該ズームレンズは、物体側より順に正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6とから構成される。開口絞りSは、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3との間であって、第3レンズ群G3の物体側に配置されている。以下、各レンズ群の構成を説明する。
【0124】
第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL1及び両凸レンズL2が接合された接合レンズと、両凸レンズL3と、物体側に凸の正メニスカスレンズL4とから構成される。
【0125】
第2レンズ群G2は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL5と、両凹レンズL6及び両凸レンズL7が接合された接合レンズと、両凹レンズL8とから構成される。
【0126】
第3レンズ群G3は、物体側より順に、両凸レンズL9と、物体側に凸の負メニスカスレンズL10とから構成される。
【0127】
第4レンズ群G4は、物体側より順に、両凸レンズL11と、物体側に凸の負メニスカスレンズL12及び両凸レンズL13を接合した接合レンズとから構成される。
【0128】
第5レンズ群G5は、物体側より順に、両凸レンズL14及び両凹レンズL15を接合した接合レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズL16とから構成される。
【0129】
第6レンズ群G6は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL17及び正レンズL18を接合した接合レンズとから構成される。
【0130】
広角端から望遠端へのズーミングに際して、図中矢印で示すように、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3及び第6レンズ群G6は像面に対して固定され、第2レンズ群G2は像側へ移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動し、第5レンズ群G5は途中像側に凸の軌跡を描きつつ物体側に移動する。また、開口絞りは第3レンズ群G3と共に像面に対して固定されている。
【0131】
(2)数値実施例
次に、当該ズームレンズの具体的数値を適用した数値実施例を以下に示す。また、各条件式に対応する値を後掲の表1に示す。また、図18図20に当該ズームレンズの無限遠合焦時の広角端、中間焦点位置、望遠端における縦収差図をそれぞれ示す。
【0132】
面番号 R D Nd ABV
1 195.886 1.300 1.9108 35.25
2 62.653 7.503 1.4970 81.61
3 -379.898 0.150
4 61.692 6.187 1.4970 81.61
5 -927.479 0.150
6 55.374 4.162 1.5935 67.00
7 135.383 D( 7)
8 114.917 0.800 1.9538 32.32
9 14.654 5.741
10 -20.285 0.700 1.6204 60.34
11 28.366 2.867 1.9459 17.98
12 -59.642 0.691
13 ASPH -28.783 1.000 1.6935 53.20
14 ASPH 124.629 D(14)
15 STOP ∞ 0.700
16 ASPH 20.486 4.771 1.6188 63.85
17 ASPH -159.336 0.150
18 130.799 0.700 1.9108 35.25
19 35.270 D(19)
20 ASPH 16.574 4.967 1.6188 63.85
21 ASPH -88.507 1.514
22 32.375 0.748 1.9108 35.25
23 11.092 5.531 1.4970 81.61
24 -29.364 D(24)
25 52.312 2.702 1.8081 22.76
26 -15.340 0.600 1.9108 35.25
27 11.697 0.365
28 ASPH 15.041 2.195 1.5831 59.46
29 ASPH 92.892 D(29)
30 29.234 0.600 1.9108 35.25
31 6.990 3.869 1.6200 36.30
32 -18539.958 6.057
像面 ∞
【0133】
(諸元)
広角端 中間 望遠端
F 6.64 39.89 225.49
Fno 1.67 3.45 5.11
W 36.59 6.33 1.13
【0134】
(可変間隔)
広角端 中間 望遠端
D( 7) 0.900 31.482 47.468
D(14) 47.907 17.325 1.338
D(19) 19.541 7.267 1.200
D(24) 2.499 4.040 2.008
D(29) 2.103 12.837 20.935
【0135】
(各レンズ群の焦点距離)
群番号 焦点距離
G1 69.453
G2 -9.681
G3 58.697
G4 20.792
G5 -28.779
G6 -99.980
【0136】
(非球面係数)
面番号 k A4 A6 A8 A10 A12
13 0.00 6.6072E-05 -1.3406E-06 1.6746E-08 -8.2626E-11 -1.3692E-14
14 0.00 5.7638E-05 -1.3712E-06 1.8317E-08 -8.7971E-11 -6.4123E-14
16 0.00 -2.0073E-05 -7.6632E-09 -6.7586E-10 -3.4423E-12 -2.6658E-15
17 0.00 -7.4263E-06 4.8893E-08 -1.4714E-09 1.5386E-12 -2.4573E-15
20 0.00 -2.5131E-05 3.8485E-08 -1.4632E-09 -3.7223E-12 -5.2541E-15
21 0.00 3.2918E-05 9.5801E-09 -2.9635E-09 1.0575E-11 -2.1746E-14
28 0.00 8.3642E-05 4.1822E-06 -1.2797E-07 3.4030E-09 0.0000E+00
29 0.00 2.3767E-05 4.2150E-06 -1.4400E-07 3.6729E-09 0.0000E+00
【実施例0137】
(1)光学構成
図21は、本件発明に係る実施例6のズームレンズの無限遠合焦時の広角端における断面図である。当該ズームレンズは、物体側より順に正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6とから構成される。開口絞りSは、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3との間であって、第3レンズ群G3の物体側に配置されている。以下、各レンズ群の構成を説明する。
【0138】
第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL1及び両凸レンズL2が接合された接合レンズと、両凸レンズL3と、物体側に凸の正メニスカスレンズL4とから構成される。
【0139】
第2レンズ群G2は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL5と、両凹レンズL6及び両凸レンズL7が接合された接合レンズと、両凹レンズL8とから構成される。
【0140】
第3レンズ群G3は、物体側より順に、両凸レンズL9と、物体側に凸の負メニスカスレンズL10とから構成される。
【0141】
第4レンズ群G4は、物体側より順に、両凸レンズL11と、物体側に凸の負メニスカスレンズL12及び両凸レンズL13を接合した接合レンズとから構成される。
【0142】
第5レンズ群G5は、物体側より順に、両凸レンズL14及び両凹レンズL15を接合した接合レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズL16とから構成される。
【0143】
第6レンズ群G6は、物体側より順に、物体側に凸の負メニスカスレンズL17及び物体側に凸の正メニスカスレンズL18を接合した接合レンズとから構成される。
【0144】
広角端から望遠端へのズーミングに際して、図中矢印で示すように、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3及び第6レンズ群G6は像面に対して固定され、第2レンズ群G2は像側へ移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動し、第5レンズ群G5は途中像側に凸の軌跡を描きつつ物体側に移動する。また、開口絞りは第3レンズ群G3と共に像面に対して固定されている。
【0145】
(2)数値実施例
次に、当該ズームレンズの具体的数値を適用した数値実施例を以下に示す。また、各条件式に対応する値を後掲の表1に示す。また、図21図24に当該ズームレンズの無限遠合焦時の広角端、中間焦点位置、望遠端における縦収差図をそれぞれ示す。
【0146】
(面データ)
面番号 R D Nd ABV
1 184.931 1.300 1.9108 35.25
2 60.709 6.626 1.4970 81.61
3 -387.254 0.150
4 59.893 5.894 1.4970 81.61
5 -1499.076 0.150
6 58.384 3.934 1.5935 67.00
7 148.090 D( 7)
8 130.188 0.800 1.9538 32.32
9 14.691 4.344
10 -29.210 0.700 1.7130 53.94
11 20.082 3.736 1.9229 20.88
12 -45.418 0.948
13 ASPH -21.159 1.000 1.6935 53.20
14 ASPH 164.403 D(14)
15 STOP ∞ 0.700
16 ASPH 20.573 4.652 1.6188 63.85
17 ASPH -175.381 0.150
18 157.720 0.700 1.9108 35.25
19 37.896 D(19)
20 ASPH 16.184 5.163 1.6188 63.85
21 ASPH -114.784 1.650
22 32.750 0.702 1.9108 35.25
23 10.920 5.676 1.4970 81.61
24 -28.384 D(24)
25 51.988 2.874 1.8081 22.76
26 -14.399 0.600 1.9108 35.25
27 12.313 0.440
28 ASPH 16.863 2.133 1.5831 59.46
29 ASPH 147.215 D(29)
30 26.717 0.600 2.0010 29.13
31 7.045 3.985 1.6990 30.05
32 137.863 5.742
像面 ∞
【0147】
(諸元)
広角端 中間 望遠端
F 6.71 40.26 220.80
Fno 1.67 3.45 5.09
W 36.19 6.27 1.16
【0148】
(可変間隔)
広角端 中間 望遠端
D( 7) 0.902 32.180 47.904
D(14) 48.317 17.039 1.315
D(19) 20.609 8.325 1.200
D(24) 2.332 3.983 1.651
D(29) 2.163 12.796 22.252
【0149】
(各レンズ群の焦点距離)
群番号 焦点距離
G1 70.153
G2 -9.996
G3 58.650
G4 21.241
G5 -30.413
G6 -99.995
【0150】
(非球面係数)
面番号 k A4 A6 A8 A10 A12
13 0.00 7.1259E-05 -1.2682E-06 1.5808E-08 -7.6973E-11 4.2554E-14
14 0.00 6.0838E-05 -1.3290E-06 1.8212E-08 -1.0189E-10 1.4940E-13
16 0.00 -1.9893E-05 -3.2760E-09 -6.3729E-10 -2.9291E-12 2.3838E-15
17 0.00 -8.5439E-06 4.8798E-08 -1.3601E-09 2.4980E-12 -3.7633E-15
20 0.00 -2.5245E-05 3.5930E-08 -1.4919E-09 -3.4679E-12 -5.4315E-15
21 0.00 3.3186E-05 9.4590E-09 -2.9925E-09 9.4145E-12 -1.0912E-14
28 0.00 8.2777E-05 4.5707E-06 -1.2139E-07 3.4786E-09 0.0000E+00
29 0.00 2.3881E-05 4.7379E-06 -1.4699E-07 4.0381E-09 0.0000E+00
【0151】
[表1]
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6
fw 6.64 6.65 6.64 6.64 6.64 6.71
ft 225.48 225.00 225.19 225.01 225.49 220.80
f1 69.489 69.403 69.341 69.837 69.453 70.153
f2 -9.845 -10.581 -9.643 -10.112 -9.681 -9.996
f3 60.488 92.960 53.120 57.416 58.697 58.650
f4 20.866 20.061 21.168 20.616 20.792 21.241
f5 -25.543 -27.326 -25.726 -23.709 -28.779 -30.413
f6 -980.039 -998.129 -998.621 -1028.720 -99.980 -99.995
f3/fw 9.111 13.988 7.995 8.646 8.834 8.741
β2t/β2w 10.970 12.017 11.530 11.457 11.490 10.866
f4/fw 3.143 3.019 3.186 3.105 3.129 3.166
f3/f4 2.899 4.634 2.509 2.785 2.823 2.761
d34w/fw 3.118 2.878 3.087 3.162 2.941 3.071
|f2|/ft 0.044 0.047 0.043 0.045 0.043 0.045
f1/√(fw×ft) 1.796 1.795 1.793 1.807 1.794 1.823
BFw/fw 0.853 0.909 0.853 0.873 0.912 0.856
【0152】
[まとめ]
本発明の第一の態様に係るズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群と、負の屈折力を有する第6レンズ群とを備え、
ズーミングに際して隣接するレンズ群の光軸上の間隔が変化し、
以下の条件式を満足することを特徴とする。
(1)3.0 ≦ f3/fw ≦ 20.0
但し、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
fw:広角端における無限遠合焦時の当該ズームレンズの焦点距離
【0153】
本発明の第二の態様に係るズームレンズは、第一の態様において下記の条件式を満足していてもよい。
(2)4.0 ≦ β2t/β2w ≦ 30.0
但し、
β2t:望遠端における無限遠合焦時の前記第2レンズ群の横倍率
β2w:広角端における無限遠合焦時の前記第2レンズ群の横倍率
【0154】
本発明の第三の態様に係るズームレンズは、第一の態様又は第二の態様において下記の条件式を満足していてもよい。
(3)2.5 ≦ f4/fw ≦ 5.0
但し、
f4:前記第4レンズ群の焦点距離
【0155】
本発明の第四の態様に係るズームレンズは、第一の態様から第三の態様のいずれかの態様において、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に絞りを備え、下記の条件式を満足していてもよい。
(4)2.0 ≦ f3/f4 ≦ 5.0
但し、
f4:前記第4レンズ群の焦点距離
【0156】
本発明の第五の態様に係るズームレンズは、第一の態様から第四の態様のいずれかの態様において下記の条件式を満足していてもよい。
(5)2.0 ≦ d34w/fw ≦ 8.0
但し、
d34w:広角端における無限遠合焦時の前記第3レンズ群及び前記第4レンズ群の空気間隔
【0157】
本発明の第六の態様に係るズームレンズは、第一の態様から第五の態様のいずれかの態様において下記の条件式を満足していてもよい。
(6)0.02 ≦ |f2|/ft ≦ 0.10
但し、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
ft:望遠端における無限遠合焦時の当該ズームレンズの焦点距離
【0158】
本発明の第七の態様に係るズームレンズは、第一の態様から第六の態様のいずれかの態様において下記の条件式を満足していてもよい。
(7)1.5 ≦ f1/√(fw×ft) ≦ 2.0
但し、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
ft:望遠端における無限遠合焦時の当該ズームレンズの焦点距離
【0159】
本発明の第八の態様に係るズームレンズは、第一の態様から第七の態様のいずれかの態様において、
広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1レンズ群が像面に対して固定されることが好ましい。
【0160】
本発明の第九の態様に係るズームレンズは、第一の態様から第八の態様のいずれかの態様において、
広角端から望遠端へのズーミングに際し、最も像面側に配置されるレンズ群が像面に対して固定されることが好ましい。
【0161】
本発明の第十の態様に係るズームレンズは、第一の態様から第九の態様のいずれかの態様において、
広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との光軸上の間隔が狭くなるように、前記第3レンズ群及び前記第4レンズ群のうち少なくとも一方のレンズ群が光軸上を移動することが好ましい。
【0162】
本発明の第十一の態様に撮像装置は、第一の態様から第十の態様のいずれかの態様のズームレンズと、当該ズームレンズの像側に当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本件発明によれば、明るく高い光学性能を有し、且つ、小型で高変倍比を有するズームレンズ及び撮像装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0164】
1 :撮像装置
2 :撮像装置本体
3 :鏡筒
21 :撮像素子
31 :開口絞り
G1 :第1レンズ群
G2 :第2レンズ群
G3 :第3レンズ群
G4 :第4レンズ群
G5 :第5レンズ群
G6 :第6レンズ群
S :開口絞り
IMG :像面

図1
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