(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075930
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240529BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20240529BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240529BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240529BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240529BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G06F3/0482
B41J29/00 E
B41J29/42 F
B41J29/38 701
G03G21/00 386
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187204
(22)【出願日】2022-11-24
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】端山 幸義
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061BB10
2C061CG01
2C061CG15
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ27
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HK05
2C061HK11
2C061HK19
2C061HN08
2C061HN15
2H270NC01
2H270PA81
2H270PA83
2H270QA13
2H270QA23
2H270QA31
2H270QA33
2H270QA46
2H270QA55
2H270QA56
2H270QA62
2H270QB14
2H270QB24
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA37
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC05
5E555AA02
5E555AA04
5E555AA71
5E555AA76
5E555BA27
5E555BB27
5E555BC01
5E555CA12
5E555CA43
5E555CB12
5E555CB22
5E555CB56
5E555CC01
5E555CC03
5E555DB07
5E555DB16
5E555DC26
5E555DC35
5E555DC37
5E555DC72
5E555EA05
5E555EA07
5E555EA11
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】複数のショートカット情報を登録可能な画像処理装置であって、ショートカット情報に関する操作性を改善する技術を提供すること。
【解決手段】MFP1は、機能の1つとその機能のパラメータとを含むショートカットをショートカット情報23に複数記憶可能であり、そのそれぞれにICカードを関連付けることが可能であり、さらに複数のショートカットを1つのICカードと関連付けることが可能である。MFP1は、ICカードがNFC-IF141を介して検知された場合に、検知されたICカードが関連付けられたショートカットを抽出し、複数のショートカットが抽出された場合に、抽出されたショートカットの少なくとも1つが選択されていることを示す選択画面を表示し、ICカードが検知され続けている連続時間が所定時間を超える度に、選択画面での選択対象を別のショートカットに切り替える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザインタフェースと、
近距離通信インタフェースと、
メモリと、
コントローラと、
を備え、画像処理に関する複数の機能を実行可能な画像処理装置であって、
前記メモリには、
複数のショートカット情報を記憶可能であり、前記ショートカット情報は、前記複数の機能の1つと前記1つの機能のパラメータとを含む情報であり、
前記コントローラは、
前記メモリに記憶されている前記ショートカット情報それぞれに対応する選択肢を前記ユーザインタフェースに表示させ、前記選択肢のうちの1つが選択された場合に、ショートカット処理を実行可能であり、前記ショートカット処理では、選択された前記ショートカット情報に含まれる前記機能に基づく前記画像処理を、選択された前記ショートカット情報に含まれる前記パラメータに従って実行し、
前記メモリにはさらに、
記憶されている前記ショートカット情報それぞれに、可搬型無線デバイスを関連付けることが可能であり、さらに複数の前記ショートカット情報を、1つの可搬型無線デバイスと関連付けることが可能であり、
前記コントローラはさらに、
前記可搬型無線デバイスが前記近距離通信インタフェースを介して検知された場合に、前記メモリから、検知された前記可搬型無線デバイスが関連付けられた前記ショートカット情報である特定ショートカット情報を抽出し、複数の前記特定ショートカット情報が抽出された場合に、抽出された前記特定ショートカット情報の少なくとも1つが選択されていることを示す選択画面を前記ユーザインタフェースに表示させ、
前記選択画面にて前記特定ショートカット情報の少なくとも1つが選択されている状態で、前記可搬型無線デバイスが検知され続けている連続時間が所定時間を超える度に、前記選択画面での選択対象を別の前記特定ショートカット情報に切り替えることが可能である、
ように構成される画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載される画像処理装置において、
前記コントローラは、
前記可搬型無線デバイスが前記近距離通信インタフェースを介して検知された場合に、前記メモリから、検知された前記可搬型無線デバイスが関連付けられた前記ショートカット情報である前記特定ショートカット情報を抽出し、複数の前記特定ショートカット情報が抽出された場合に、抽出された前記特定ショートカット情報の1つが選択されていることを示す前記選択画面を前記ユーザインタフェースに表示させ、
前記選択画面にて前記特定ショートカット情報の1つが選択されている状態で、前記可搬型無線デバイスが検知されなくなった場合に、現在選択されている前記特定ショートカット情報に従って、前記ショートカット処理を実行する、
ように構成される画像処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載される画像処理装置において、
前記コントローラは、
前記選択画面に、抽出された複数の前記特定ショートカット情報それぞれに対応するアイコンを前記ユーザインタフェースに表示させ、選択されている前記特定ショートカット情報のアイコンの表示態様を第1表示態様とし、選択されていない前記特定ショートカット情報のアイコンの表示態様を第2表示態様とし、
前記選択画面にて前記特定ショートカット情報のアイコンの1つが前記第1表示態様で表示され、他の前記特定ショートカット情報のアイコンが前記第2表示態様で表示されている状態で、前記可搬型無線デバイスが検知され続けている連続時間が前記所定時間を超える度に、前記選択画面での選択対象を別の前記特定ショートカット情報に切り替えることが可能であり、さらに選択対象の前記特定ショートカット情報が切り替えられることで、切り替え前に選択されていた前記特定ショートカット情報のアイコンを前記第1表示態様から前記第2表示態様に切り替え、選択対象に切り替えられた前記特定ショートカット情報のアイコンを前記第2表示態様から前記第1表示態様に切り替え、
前記選択画面にて前記特定ショートカット情報のアイコンの1つが前記第1表示態様で表示され、他の前記特定ショートカット情報のアイコンが前記第2表示態様で表示されている状態で、前記可搬型無線デバイスが検知されなくなった場合に、現在前記第1表示態様で表示されているアイコンに対応する前記特定ショートカット情報に従って、前記ショートカット処理を実行する、
ように構成される画像処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載される画像処理装置において、
前記メモリには、
記憶されている前記ショートカット情報それぞれに、可搬型無線デバイスの識別情報を関連付けて記憶可能であり、さらに複数の前記ショートカット情報を、1つの可搬型無線デバイスの前記識別情報と関連付けることが可能であり、前記可搬型無線デバイスには、前記識別情報が記憶されており、
前記コントローラは、
前記可搬型無線デバイスが前記近距離通信インタフェースを介して検知された場合に、検知された前記可搬型無線デバイスから前記識別情報を取得し、前記メモリから、取得された前記識別情報が関連付けられた前記特定ショートカット情報を抽出し、抽出された前記特定ショートカット情報の少なくとも1つが選択されていることを示す前記選択画面を前記ユーザインタフェースに表示させ、
前記選択画面にて前記特定ショートカット情報の少なくとも1つが選択されている状態で、前記可搬型無線デバイスが検知され続けている連続時間が前記所定時間を超える度に、前記選択画面での選択対象を、取得された前記識別情報が関連付けられた別の前記特定ショートカット情報に切り替えることが可能である、
ように構成される画像処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載される画像処理装置において、
前記コントローラは、
前記ショートカット情報の1つである第1ショートカット情報が、前記ユーザインタフェースへの操作によって特定されている状態で、前記可搬型無線デバイスの1つである第1可搬型無線デバイスが前記近距離通信インタフェースを介して検知された場合に、検知された前記第1可搬型無線デバイスから前記識別情報を取得し、取得された前記識別情報を前記第1ショートカット情報に関連付けて前記メモリに記憶させ、
前記ショートカット情報の1つである第2ショートカット情報が、前記ユーザインタフェースへの操作によって特定されている状態で、前記第1可搬型無線デバイスが前記近距離通信インタフェースを介して検知された場合に、検知された前記第1可搬型無線デバイスから前記識別情報を取得し、取得された前記識別情報が前記第1ショートカット情報と関連付けられていても関連付けられていなくても、取得された前記識別情報を前記第2ショートカット情報に関連付けて前記メモリに記憶させ、
前記コントローラはさらに、
前記第1ショートカット情報および前記第2ショートカット情報がそれぞれ前記第1可搬型無線デバイスと関連付けられて前記メモリに記憶されており、かつ前記ショートカット情報が特定されていない状態で、前記第1可搬型無線デバイスが前記近距離通信インタフェースを介して検知された場合に、前記第1ショートカット情報と前記第2ショートカット情報とのいずれか一方が選択されていることを示す前記選択画面を前記ユーザインタフェースに表示させ、
前記選択画面にて前記第1ショートカット情報が選択されている状態で、前記可搬型無線デバイスが検知され続けている連続時間が前記所定時間を超えた場合に、前記選択画面での選択対象を前記第2ショートカット情報に切り替えることが可能であり、
前記選択画面にて前記第2ショートカット情報が選択されている状態で、前記可搬型無線デバイスが検知され続けている連続時間が前記所定時間を超えた場合に、前記選択画面での選択対象を前記第1ショートカット情報に切り替えることが可能である、
ように構成される画像処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載される画像処理装置において、
前記コントローラは、
前記ユーザインタフェースに表示される前記第1ショートカット情報に対応する前記選択肢に対して前記ユーザインタフェースへの所定の操作がされた場合に、前記第1ショートカット情報が特定された状態とし、
前記ユーザインタフェースに表示される前記第2ショートカット情報に対応する前記選択肢に対して前記ユーザインタフェースへの前記所定の操作がされた場合に、前記第2ショートカット情報が特定された状態とし、
前記コントローラはさらに、
前記ユーザインタフェースへの前記所定の操作によって前記ショートカット情報の1つが特定されている状態で、前記第1可搬型無線デバイスが前記近距離通信インタフェースを介して検知された場合に、検知された前記第1可搬型無線デバイスから前記識別情報を取得し、取得された前記識別情報を、前記所定の操作によって特定された前記ショートカット情報に関連付けて前記メモリに記憶させる、
ように構成される画像処理装置。
【請求項7】
請求項4に記載される画像処理装置において、
前記メモリには、
記憶されている前記ショートカット情報それぞれに、複数の可搬型無線デバイスの識別情報を関連付けて記憶可能であり、
前記コントローラは、
第1可搬型無線デバイスと第2可搬型無線デバイスとのいずれにも関連付けられている前記ショートカット情報であるマルチショートカット情報が前記メモリに記憶されている状態で、前記可搬型無線デバイスが前記近距離通信インタフェースを介して検知された場合に、検知された前記可搬型無線デバイスから前記識別情報を取得し、取得された前記識別情報が前記第1可搬型無線デバイスの前記識別情報であっても前記第2可搬型無線デバイスの前記識別情報であっても、前記マルチショートカット情報を抽出し、抽出された前記マルチショートカット情報を前記選択画面に表示させ、
前記選択画面にて前記マルチショートカット情報が選択されていない状態で、前記可搬型無線デバイスが検知され続けている連続時間が前記所定時間を超えた場合に、前記選択画面での選択対象を前記マルチショートカット情報に切り替え、
前記選択画面にて前記マルチショートカット情報が選択されている状態で、前記可搬型無線デバイスが検知され続けている連続時間が前記所定時間を超えた場合に、前記マルチショートカット情報を選択されていない状態に切り替えることが可能である、
ように構成される画像処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載される画像処理装置において、
前記コントローラは、
前記ショートカット情報の1つである第1ショートカット情報が、前記ユーザインタフェースへの操作によって特定されている状態で、前記第1可搬型無線デバイスが前記近距離通信インタフェースを介して検知された場合に、検知された前記第1可搬型無線デバイスから前記識別情報を取得し、前記第1ショートカット情報に前記第2可搬型無線デバイスの前記識別情報が関連付けられている場合であっても関連付けられていない場合であっても、取得された前記第1可搬型無線デバイスの前記識別情報を前記第1ショートカット情報に関連付けて前記メモリに記憶させ、
その後、前記第1可搬型無線デバイスと前記第2可搬型無線デバイスとのいずれにも関連付けられている前記マルチショートカット情報である前記第1ショートカット情報が前記メモリに記憶されており、かつ前記ショートカット情報が特定されていない状態で、前記可搬型無線デバイスが前記近距離通信インタフェースを介して検知された場合に、検知された前記可搬型無線デバイスから前記識別情報を取得し、取得された前記識別情報が前記第1可搬型無線デバイスの前記識別情報であっても前記第2可搬型無線デバイスの前記識別情報であっても、前記第1ショートカット情報を抽出し、抽出された前記第1ショートカット情報を前記選択画面に表示させ、
前記選択画面にて前記第1ショートカット情報が選択されていない状態で、前記可搬型無線デバイスが検知され続けている連続時間が前記所定時間を超えた場合に、前記選択画面での選択対象を前記第1ショートカット情報に切り替え、
前記選択画面にて前記第1ショートカット情報が選択されている状態で、前記可搬型無線デバイスが検知され続けている連続時間が前記所定時間を超えた場合に、前記第1ショートカット情報を選択されていない状態に切り替えることが可能である、
ように構成される画像処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載される画像処理装置において、
前記コントローラは、
前記ユーザインタフェースに表示される前記第1ショートカット情報に対応する前記選択肢に対して前記ユーザインタフェースへの所定の操作がされた場合に、前記第1ショートカット情報が特定された状態とし、
前記コントローラはさらに、
前記ユーザインタフェースへの前記所定の操作によって前記第1ショートカット情報に特定されている状態で、前記第1可搬型無線デバイスが前記近距離通信インタフェースを介して検知された場合に、検知された前記第1可搬型無線デバイスから前記識別情報を取得し、前記第1ショートカット情報に前記第2可搬型無線デバイスの前記識別情報が関連付けられている場合であっても関連付けられていない場合であっても、取得された前記第1可搬型無線デバイスの前記識別情報を前記第1ショートカット情報に関連付けて前記メモリに記憶させる、
ように構成される画像処理装置。
【請求項10】
請求項8に記載される画像処理装置において、
前記メモリには、
記憶されている前記ショートカット情報それぞれに、複数の可搬型無線デバイスの識別情報を関連付けて記憶可能であり、1つの前記ショートカット情報に関連付けられる前記識別情報の数に上限があり、
前記コントローラは、
前記第1ショートカット情報が前記ユーザインタフェースへの操作によって特定されている状態で、前記第1可搬型無線デバイスが前記近距離通信インタフェースを介して検知された場合に、検知された前記第1可搬型無線デバイスから前記識別情報を取得し、前記第1ショートカット情報に前記第2可搬型無線デバイスの前記識別情報が関連付けられている場合であっても関連付けられていない場合であっても、前記第1ショートカット情報に関連付けられている前記識別情報の数が前記上限に達していなければ、取得された前記第1可搬型無線デバイスの前記識別情報を前記第1ショートカット情報に関連付けて前記メモリに記憶させ、前記第1ショートカット情報に関連付けられている前記識別情報の数が前記上限に達していれば、取得された前記第1可搬型無線デバイスの前記識別情報を前記第1ショートカット情報に関連付けて前記メモリに記憶させない、
ように構成される画像処理装置。
【請求項11】
請求項1に記載される画像処理装置において、
前記コントローラは、
前記選択画面にて前記特定ショートカット情報の1つが選択されている状態で、前記可搬型無線デバイスが検知され続けている連続時間が前記所定時間を超える度に、前記選択画面での選択対象を別の前記特定ショートカット情報に切り替えることが可能であり、さらに前記選択画面にて切り替えられる選択対象には、前記特定ショートカット情報の他に、キャンセルを示すキャンセル情報が含まれ、
前記選択画面にて前記特定ショートカット情報の1つが選択されている状態で、前記可搬型無線デバイスが検知されなくなった場合に、現在選択されている前記特定ショートカット情報に従って、前記ショートカット処理を実行し、
前記選択画面にて前記キャンセル情報が選択されている状態で、前記可搬型無線デバイスが検知されなくなった場合に、前記ショートカット処理を実行せず、前記選択画面の表示を終了させる、
ように構成される画像処理装置。
【請求項12】
請求項1に記載される画像処理装置において、
前記コントローラは、
前記可搬型無線デバイスが前記近距離通信インタフェースを介して検知された場合に、前記メモリから前記特定ショートカット情報を抽出し、
複数の前記特定ショートカット情報が抽出された場合、前記選択画面を前記ユーザインタフェースに表示させ、前記選択画面にて前記特定ショートカット情報の1つが選択されている状態で、前記可搬型無線デバイスが検知され続けている連続時間が前記所定時間を超える度に、前記選択画面での選択対象を別の前記特定ショートカット情報に切り替えることが可能であり、前記選択画面にて前記特定ショートカット情報の1つが選択されている状態で、前記可搬型無線デバイスが検知されなくなった場合に、現在選択されている前記特定ショートカット情報に従って、前記ショートカット処理を実行し、
前記特定ショートカット情報が1つのみ抽出された場合、前記選択画面を前記ユーザインタフェースに表示させず、前記可搬型無線デバイスが検知されなくなるのを待たずに、その1つの前記特定ショートカット情報に従って、前記ショートカット処理を実行する、
ように構成される画像処理装置。
【請求項13】
請求項1に記載される画像処理装置において、
前記コントローラは、
前記可搬型無線デバイスが前記近距離通信インタフェースを介して検知された場合に、前記メモリから前記特定ショートカット情報を抽出し、複数の前記特定ショートカット情報が抽出された場合に、抽出された前記特定ショートカット情報の1つが選択されていることを示す前記選択画面を前記ユーザインタフェースに表示させ、前記選択画面には、前記可搬型無線デバイスを前記画像処理装置から離すと、現在選択されている前記ショートカット情報に従って、前記ショートカット処理が実行されることを報知するメッセージを表示する、
ように構成される画像処理装置。
【請求項14】
請求項1に記載される画像処理装置において、
前記コントローラは、
前記選択画面にて選択対象の前記特定ショートカット情報が1回も切り替えられることなく、前記可搬型無線デバイスが検知されなくなった場合に、所定の待機時間を待った後に前記選択画面の表示を終了させ、現在選択されている前記特定ショートカット情報に従って、前記ショートカット処理の実行を開始し、
前記選択画面にて選択対象の前記特定ショートカット情報が少なくとも1回切り替えられた後、前記可搬型無線デバイスが検知されなくなった場合に、前記待機時間を待つことなく前記選択画面の表示を終了させ、現在選択されている前記特定ショートカット情報に従って、前記ショートカット処理の実行を開始する、
ように構成される画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、ショートカット情報を登録可能な画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像処理に関するある機能とその機能のパラメータとが含まれるショートカット情報を登録可能な画像処理装置が知られている。画像処理装置は、登録されたショートカット情報に対応する選択肢をホーム画面等に画面表示し、その画面からその選択肢の選択を受け付けた場合に、例えばそのショートカット情報に含まれる機能の選択とパラメータの設定とを完了させる、そのショートカット情報に含まれる機能に基づく画像処理をそのパラメータに従って実行する、といった処理を自動的に行う。このようなショートカット情報に関する技術として、例えば特許文献1には、異なるコピー条件が割り当てられた複数のキーを操作パネルに表示し、キーの操作によってコピー条件が選択される画像形成装置が開示されている。特許文献1に開示される複数のキーがそれぞれショートカット情報に相当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像処理装置に複数のショートカット情報が登録された場合、複数のショートカット情報それぞれに対応する選択肢の画面表示が煩雑になり、所望のショートカット情報の選択肢を選択し難いことがある。そのため、ショートカット情報を利用する技術には、改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題の解決を目的としてなされた画像処理装置は、ユーザインタフェースと、近距離通信インタフェースと、メモリと、コントローラと、を備え、画像処理に関する複数の機能を実行可能な画像処理装置であって、前記メモリには、複数のショートカット情報を記憶可能であり、前記ショートカット情報は、前記複数の機能の1つと前記1つの機能のパラメータとを含む情報であり、前記コントローラは、前記メモリに記憶されている前記ショートカット情報それぞれに対応する選択肢を前記ユーザインタフェースに表示させ、前記選択肢のうちの1つが選択された場合に、ショートカット処理を実行可能であり、前記ショートカット処理では、選択された前記ショートカット情報に含まれる前記機能に基づく前記画像処理を、選択された前記ショートカット情報に含まれる前記パラメータに従って実行し、前記メモリにはさらに、記憶されている前記ショートカット情報それぞれに、可搬型無線デバイスを関連付けることが可能であり、さらに複数の前記ショートカット情報を、1つの可搬型無線デバイスと関連付けることが可能であり、前記コントローラはさらに、前記可搬型無線デバイスが前記近距離通信インタフェースを介して検知された場合に、前記メモリから、検知された前記可搬型無線デバイスが関連付けられた前記ショートカット情報である特定ショートカット情報を抽出し、複数の前記特定ショートカット情報が抽出された場合に、抽出された前記特定ショートカット情報の少なくとも1つが選択されていることを示す選択画面を前記ユーザインタフェースに表示させ、前記選択画面にて前記特定ショートカット情報の少なくとも1つが選択されている状態で、前記可搬型無線デバイスが検知され続けている連続時間が所定時間を超える度に、前記選択画面での選択対象を別の前記特定ショートカット情報に切り替えることが可能である、ように構成される。
【0006】
本明細書に開示される画像処理装置は、1つの可搬型無線デバイスに複数のショートカット情報を関連付けることが可能であり、可搬型無線デバイスが近距離通信インタフェースにて検知された場合に、その可搬型無線デバイスに関連付けられた特定ショートカット情報を抽出する。画像処理装置は、さらに、複数の特定ショートカット情報が抽出された場合に、その少なくとも1つが選択されている選択画面を表示し、検知され続けて所定時間を超える度に選択対象を切り替える。従って、ユーザは、可搬型無線デバイスを画像処理装置の近距離通信インタフェースに近づけ続ける、という操作だけで、その可搬型無線デバイスに関連付けられている複数のショートカット情報から、選択対象のショートカット情報を切り替えて表示させることができる。これにより、所望のショートカット情報を選択する操作の手間が軽減されている。
【0007】
上記画像処理装置の機能を実現するための画像処理システム、制御方法、コンピュータプログラム、当該プログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0008】
本明細書に開示される技術によれば、複数のショートカット情報を登録可能な画像処理装置であって、ショートカット情報に関する操作性を改善する技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態のMFPの電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】カード登録指示を受け付けるメニュー画面の例を示す説明図である。
【
図4】カード登録処理の手順の例を示すフローチャートである。
【
図6】ショートカット情報の例を示す説明図である。
【
図7】カード近接処理の手順の例を示すフローチャートである。
【
図8】ショートカット選択処理の手順の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、画像処理装置を具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本明細書では、プリント、スキャン等の画像処理に関する複数の機能を実行可能な複合機(以下、「MFP」とする)を開示する。
【0011】
本実施の形態のMFP1は、
図1に示すように、CPU11と、メモリ12と、を含むコントローラ10を備えている。MFP1は、画像処理装置の一例である。また、MFP1は、ユーザインタフェース(以下、「ユーザIF」とする)13と、通信インタフェース(以下、「通信IF」とする)14と、印刷エンジン15と、スキャナ16と、を備え、これらがコントローラ10に電気的に接続されている。
【0012】
CPU11は、メモリ12から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。メモリ12には、
図1に示すように、オペレーティングシステム(以下、「OS」とする)21と、画像処理プログラム22と、ショートカット情報23と、を含む各種のプログラムや各種のデータが記憶されている。メモリ12は、各種の処理が実行される際の作業領域としても利用される。CPU11が備えるバッファも、メモリ12の一例である。
【0013】
画像処理プログラム22は、画像処理に関する各種の機能をMFP1に実行させるためのプログラムである。ショートカット情報23は、ショートカットに関する情報である。ショートカットの詳細については、後述する。なお、ショートカット情報23は、MFP1のユーザによって登録されることで記憶される情報であり、MFP1の工場出荷時にはメモリ12に記憶されていない。
【0014】
メモリ12の一例は、MFP1に内蔵されるROM、RAM、HDD等に限らず、CPU11が読み取り可能かつ書き込み可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0015】
なお、メモリ12は、コントローラ10に含まれなくても良い。また、MFP1は、コントローラ10に含まれるメモリとコントローラ10に含まれないメモリとを、有していても良い。その場合、コントローラ10に含まれるメモリとコントローラ10に含まれないメモリとは、いずれもメモリの一例である。
【0016】
ユーザIF13は、画面の表示機能と操作の受け付け機能とを有するタッチパネル131を含む。ユーザIF13は、さらに、ハードウェアキー、LEDランプ、スピーカ等を含んでもよい。
【0017】
通信IF14は、外部装置と通信を行うためのハードウェアを含む。MFP1は、通信IF14として、NFC(Near Field Communicationの略)規格に準じた近距離無線通信を行うためのNFCインタフェース(以下、「NFC-IF」とする)141を備えている。NFC-IF141は、近距離通信インタフェースの一例である。MFP1は、NFC-IF141を介して、ICカードとの無線通信が可能である。ICカードは、NFC-IF141と通信可能な機能を備えるカードであり、可搬型無線デバイスの一例である。MFP1は、さらに、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、USBなどの通信規格に対応する通信IF14を備えていても良い。MFP1は、複数の通信規格に対応する複数の通信IF14を備えていてもよい。
【0018】
印刷エンジン15は、シート等の印刷媒体に画像データに基づく画像を印刷する構成を含む。印刷エンジン15の画像形成方式は、例えば、電子写真方式、インクジェット方式である。スキャナ16は、原稿の画像を読み取って、画像データを取得する構成を含む。
【0019】
次に、MFP1におけるショートカットに関する動作について、フローチャートを参照して説明する。なお、以下の処理は、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPUの処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPUの処理を表している。CPUによる処理は、ハードウェア制御も含む。CPUによる処理は、OSのAPIを介した処理も含む。本明細書では、OSの記載を省略して各プログラムの動作を説明する。すなわち、以下の説明において、「プログラムBが制御する」という趣旨の記載は、「プログラムBがOSのAPIを介して制御する」ことを指してもよい。また、プログラムに記述された命令に従ったCPUの処理を、省略した文言で記載することがある。例えば、「CPUが行う」のように記載することがある。また、プログラムに記述された命令に従ったCPUの処理を、「プログラムAが行う」のようにCPUを省略した文言で記載することがある。
【0020】
なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPUが要求することなくデータを受信するという処理も、「CPUがデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「要求する」、「指示する」とは、要求していることを示す情報や、指示していることを示す情報を相手に出力することを示す概念である。また、要求していることを示す情報や指示していることを示す情報のことを、単に、「要求」、「指示」とも記載する。
【0021】
また、CPUによる、情報Aは事柄Bであることを示しているか否かを判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか否かを判断する」のように概念的に記載することがある。CPUによる、情報Aが事柄Bであることを示しているか、事柄Cであることを示しているか、を判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか事柄Cであるかを判断する」のように概念的に記載することがある。
【0022】
本実施の形態のMFP1は、電源が投入されると各種の初期化動作を行い、ユーザIF13のタッチパネル131に、例えば、
図2に示すようなホーム画面50を表示して、ユーザの操作を受け付ける待機状態となる。ホーム画面50は、ユーザの操作を受け付け可能な各種のアイコンを含む画面である。MFP1は、画像処理として、例えば、印刷エンジン15による印刷、スキャナ16によるスキャン、FAX送信、を実行可能である。ホーム画面50には、上記の各画像処理について、実行指示を受け付けるためのアイコン51、52、53が含まれる。
【0023】
MFP1は、ショートカットを登録可能である。MFP1は、ショートカットの登録指示を受け付けると、ユーザの指示に基づいて、ショートカットに関する各種の情報をショートカット情報23として、メモリ12に記憶させる。各ショートカットに関する情報には、画像処理プログラム22を利用して実行可能な機能の1つを示す情報と、その機能にて利用されるパラメータの情報と、が含まれる。また、MFP1は、ショートカット情報23として、複数のショートカットを示す情報を記憶可能である。以下では、個々のショートカットに関する情報を、単に、「ショートカット」とも記載する。
【0024】
MFP1は、登録済みのショートカットがショートカット情報23に記憶されている場合、
図2に示すように、そのショートカットに関する指示を受け付けるショートカットアイコンをホーム画面50に表示することができる。
【0025】
図2に示すホーム画面50では、「第1ショートカット」を示すショートカットアイコン54と、「第2ショートカット」を示すショートカットアイコン55と、が表示されている。ショートカットアイコン54、55は、選択肢の一例である。なお、アイコンに付加して表示される「第1ショートカット」、「第2ショートカット」等の文字列は、ショートカットの登録時にユーザによって設定されたショートカットの名称である。
【0026】
MFP1は、ホーム画面50を表示している状態で、表示されている各アイコンへの操作を受け付け可能である。MFP1は、例えば、コピーアイコン52への操作を受け付けた場合、コピーに関する設定を受け付ける画面を表示し、コピーの実行指示を受け付け可能となる。なお、MFP1は、表示中のホーム画面50へのスクロール操作やタブ操作によって、表示されるアイコンを切り替える指示を受け付け可能であっても良い。MFP1は、例えば、ショートカットアイコンを一覧表示する画面を表示可能であっても良い。
【0027】
MFP1は、ホーム画面50に表示されるショートカットアイコン54、55への操作として、短押しと長押しとの2種類の操作を受け付け可能である。MFP1は、ショートカットアイコン54、55へのユーザの操作を検知すると、操作の継続時間の計測を開始する。MFP1は、例えば、アイコンへの操作の継続時間が2秒未満でユーザの操作が検知されなくなった場合には短押し操作であると判断し、操作が2秒以上継続された場合には長押し操作であると判断する。
【0028】
ショートカットアイコンへの短押し操作を受け付けた場合、MFP1は、当該アイコンによって示されるショートカットの実行指示を受け付けたと判断する。MFP1は、例えば、ショートカットアイコン54への短押し操作を受け付けた場合、メモリ12のショートカット情報23に、「第1ショートカット」の名称と関連付けて記憶されている各種の情報に基づいて画像処理を実行する。すなわち、MFP1は、「第1ショートカット」の名称と関連付けて記憶されている機能とパラメータの情報を読み出し、読み出した機能を読み出したパラメータに従って実行する。
【0029】
なお、ショートカット情報23には、ショートカットの種類を示す情報が含まれても良い。例えば、ショートカットの種類として、ワンタッチショートカットと通常ショートカットと、が有っても良い。ワンタッチショートカットは、ショートカット情報23に含まれるパラメータを利用して直ちに画像処理の実行を開始する種類のショートカットである。MFP1は、短押し操作を受け付けたショートカットがワンタッチショートカットであれば、ショートカット情報23に基づいて、画像処理の実行を開始する。
【0030】
通常ショートカットは、ショートカット情報23に含まれるパラメータをユーザIF13に表示させて、画像処理の実行開始指示を受け付け可能となる種類のショートカットである。短押し操作を受け付けたショートカットが通常ショートカットであれば、MFP1は、読み出したパラメータの情報をユーザIF13に表示し、実行開始の指示を受け付けた場合に、画像処理の実行を開始する。なお、通常ショートカットでは、MFP1は、パラメータの変更指示を受け付け可能であっても良い。
【0031】
一方、ショートカットアイコンへの長押し操作を受け付けた場合、MFP1は、ショートカット情報23に登録済みのショートカットの中から、当該アイコンによって示されるショートカットを特定して、ショートカット情報23に対する編集指示を受け付けたと判断する。長押しは、所定の操作の一例である。ショートカットアイコンへの長押し操作を受け付けた場合、MFP1は、長押し操作によって特定されたショートカットを、編集指示の対象となるショートカットとして読み出す。編集対象のショートカットは、第1ショートカット情報、または、第2ショートカット情報の一例である。
【0032】
さらに、MFP1は、例えば、
図3に示すようなメニュー画面60をユーザIF13のタッチパネル131に表示する。メニュー画面60には、例えば、このショートカットに関連付けてICカードを登録する指示を受け付けるカード登録ボタン61が含まれる。
【0033】
次に、カード登録処理の手順について、
図4のフローチャートを参照して説明する。このカード登録処理は、ユーザIF13に表示中のショートカットアイコンへの長押し操作によって、ショートカット情報23に記憶されているショートカットの1つが特定されている状態で、ICカードの登録指示を受け付けたことを契機に、MFP1のCPU11にて実行される。MFP1は、ICカードの登録指示を、例えば、メニュー画面60のカード登録ボタン61への操作によって受け付ける。
【0034】
CPU11は、登録指示の対象として特定されているショートカットに関連付けて、登録済みのICカードの数が所定の上限より少ないか否かを判断する(S101)。MFP1では、ショートカットごとに登録可能なICカードの数に上限が設けられている。ICカードの数の上限は、例えば、10である。
【0035】
登録済みのICカードの数が上限より少ないと判断した場合(S101:YES)、CPU11は、ユーザIF13に登録確認画面を表示させる(S102)。例えば、
図5に示すように、登録確認画面70は、ICカードをNFC-IF141に近接させることを促す表示と、登録確認指示を受け付ける登録確認ボタン71と、を含む。
【0036】
NFC-IF141は、MFP1の電源がオンである間、常時、ICカードの近接を検知可能な状態となっている。MFP1は、ICカードの近接を検知するか否かの設定を受け付け可能であっても良い。MFP1は、ICカードの近接を検知可能な状態であれば、ICカードがNFC-IF141に対して近距離、例えば、10mm以内に近づけられた場合に、ICカードの近接を検知して、そのICカードから情報を取得することができる。なお、以下では、ICカードをNFC-IF141に近接させるユーザの操作を「かざす」と記載する。ユーザは、ICカードを登録する場合、ショートカットのアイコンを長押しして表示されるメニュー画面60のカード登録ボタン61への操作を行った後、NFC-IF141にICカードをかざすことになる。
【0037】
CPU11は、NFC-IF141を介して、ICカードがかざされたか否かを判断する(S105)。そして、CPU11は、ICカードがかざされるまで(S105:NO)、待機する。
【0038】
ICカードがかざされたら(S105:YES)、CPU11は、かざされたICカードからカードIDを取得する(S106)。各ICカードには、ICカードを識別するカードIDが記憶されている。かざされたカードは、第1可搬型無線デバイスの一例である。カードIDは、可搬型無線デバイスの識別情報の一例である。CPU11は、取得したカードIDを登録確認画面70に表示させても良い。
【0039】
そして、CPU11は、表示中の登録確認画面70にて登録確認ボタン71へのユーザの操作を受け付けたか否かを判断する(S111)。登録確認ボタン71への操作を受け付けたと判断した場合(S111:YES)、CPU11は、S106にて取得したカードIDを登録対象のショートカットに追加して、ショートカット情報23を更新する(S112)。なお、CPU11は、当該ICカードのカードIDが、登録対象のショートカットに既に登録されている場合には、ショートカット情報23を更新せず、エラーメッセージを表示しても良い。
【0040】
ショートカット情報23は、各ショートカットについて、例えば、
図6に示すように、ショートカット名、ショートカットID、機能、パラメータ、カードID、の各情報を記憶する。ショートカット名は、アイコンに表示される名称である。ショートカットIDは、ショートカットを識別する識別情報である。なお、ショートカットIDは、1つの情報で表されるものに限らず、複数の情報の組み合わせ、例えば、アイコンが表示される画面のタブと画面内の位置との情報の組み合わせであっても良い。
【0041】
機能は、そのショートカットの実行指示を受け付けた場合にMFP1にて実行される処理を示す情報である。機能は、画像処理を含み、画像データの送信処理や受信処理を含んでも良い。パラメータは、機能の実行時に利用されるパラメータの情報である。例えば、機能が画像データの送信処理を含む場合、パラメータは、その送信先の情報を含む。カードIDは、そのショートカットに関連付けて登録されているICカードの情報である。
【0042】
MFP1は、1枚のICカードを複数のショートカットに関連付けて登録可能である。つまり、かざされたICカードのカードIDが、特定されているショートカット以外のショートカットに関連付けて記憶されていても記憶されていなくても、MFP1は、特定されているショートカットに、かざされたICカードのカードIDを関連付けることができる。例えば、カードIDが「0110」のICカードが「第2ショートカット」に関連付けて登録されている状態であっても、MFP1は、このカードを「第1ショートカット」に関連付けて登録できる。例えば、
図6に示すショートカット情報23では、カードIDが「0110」のICカードは、「第1ショートカット」と「第2ショートカット」との両方に関連付けられている。
【0043】
また、MFP1は、1つのショートカットに関連付けて、複数のICカードの登録が可能である。つまり、かざされたICカードのカードID以外のカードIDが、特定されているショートカットに関連付けられていても関連付けられていなくても、MFP1は、かざされたICカードのカードIDを特定されているショートカットに関連付けることができる。例えば、
図6に示すショートカット情報23では、「第1ショートカット」には、カードIDが「0110」と「0111」との2枚のICカードが登録されている。この場合、カードIDが「0110」と「0111」との2枚のICカードは、第1可搬型無線デバイスと第2可搬型無線デバイスとの一例である。この場合の「第1ショートカット」は、マルチショートカット情報の一例である。
【0044】
つまり、MFP1は、登録対象として特定されているショートカットに関連付けて既に他のカードIDが登録されている場合であっても、あるいは、取得したカードIDが既に他のショートカットに関連付けられて登録されている場合であっても、取得したカードIDを、特定されているショートカットに関連付けて登録することができる。例えば、
図6に示すショートカット情報23が登録されている状態で、「第1ショートカット」へのカードの登録指示を受け付け、カードIDが「0112」のICカードがかざされた場合、CPU11は、例えば、
図6に破線で示すように、「0112」を追加してショートカット情報23を更新する。
【0045】
一方、登録指示の対象となったショートカットについて、既に上限のICカードが登録済みであると判断した場合(S101:NO)、CPU11は、ICカードの登録数が上限に達していることを報知する(S121)。1つのショートカットについて無限のICカードを関連付け可能にすると、メモリの負荷が大きくなり、他の処理に悪影響を及ぼす可能性がある。また、1つのショートカットについて無限のICカードを関連付け可能にすると、ICカードを用いてショートカットを選択する際の処理にかかる時間や手間が大きくなる可能性がある。MFP1では、1つのショートカットに登録可能なICカードの数に上限を設けているので、他の処理への悪影響や処理の煩雑化の可能性を低減できる。なお、CPU11は、登録済みのカードIDの削除やカードIDの上書きの指示を受け付け可能であっても良い。
【0046】
S112やS121の後、または、登録確認ボタン71への操作を受け付けることなく登録確認画面70がクローズされた場合(S111:NO)、CPU11は、カード登録処理を終了する。CPU11は、例えば、ホーム画面50(
図2参照)をユーザIF13に表示させて、待機状態となる。
【0047】
なお、登録確認画面70には、登録のキャンセルを受け付けるボタンが含まれていても良い。キャンセルを受け付けるボタンへの操作を受け付けた場合に、CPU11は、ショートカット情報23を更新することなく、カード登録処理を終了しても良い。また、CPU11は、登録確認画面70を表示させてから所定の経過時間が経過してもICカードを検知できなかった場合に、カード登録処理を終了しても良い。
【0048】
次に、カード近接処理の手順について、
図7のフローチャートを参照して説明する。カード近接処理は、ICカードの登録指示を受け付けていない状態、例えば、ホーム画面50を表示している状態で、NFC-IF141にてICカードの近接が検知されたことを契機に、MFP1のCPU11にて実行される。
【0049】
カード近接処理では、CPU11は、NFC-IF141を介して、かざされたICカードからカードIDを取得する(S201)。さらに、CPU11は、メモリ12からショートカット情報23を読み出す(S202)。CPU11は、少なくとも、各ショートカットに関連付けて登録されているカードIDの情報を読み出す。
【0050】
CPU11は、S202にて読み出した情報に基づいて、S201にて取得したカードIDが登録されているショートカットが有るか否かを判断する(S205)。当該カードIDが登録されているショートカットが有ると判断した場合(S205:YES)、CPU11は、当該カードIDが登録されているショートカットを全て抽出し、複数のショートカットが抽出されたか否かを判断する(S206)。
【0051】
当該カードIDが登録されているショートカットが1つのみであると判断した場合(S206:NO)、CPU11は、そのショートカットを実行する(S207)。S207は、ショートカット処理の一例である。例えば、前述したショートカット情報23(
図6参照)が登録されているMFP1にて、カードIDが「0112」のICカードがかざされた場合、このICカードが登録されているショートカットが「第1ショートカット」のみであることから、MFP1は、「第1ショートカット」の実行を開始する。この場合、「第1ショートカット」は、特定ショートカット情報の一例である。
【0052】
MFP1では、1枚のICカードを複数のショートカットに関連付けて記憶可能であることから、複数のショートカットが関連付けられているICカードがかざされた場合には、実行対象のショートカットを決定する必要がある。しかし、かざされたICカードに登録されているショートカットが1つのみであれば、選択する必要が無い。そのため、選択のための手順を行わずに、即時にショートカット処理の実行を開始する方が、ユーザの手間が少なく、そのショートカット処理を早期に完了できる可能性が高い。
【0053】
一方、当該カードIDが登録されているショートカットが複数抽出されたと判断した場合(S206:YES)、CPU11は、ショートカット選択処理を実行する(S211)。例えば、前述したショートカット情報23が登録されているMFP1にて、カードIDが「0110」のICカードがかざされた場合、「第1ショートカット」と「第2ショートカット」とがこのカードIDに関連付けられていることから、MFP1は、ショートカット選択処理を実行する。この場合、「第1ショートカット」と「第2ショートカット」とは、特定ショートカット情報の一例である。
【0054】
ショートカット選択処理の手順について、
図8のフローチャートを参照して説明する。ショートカット選択処理は、抽出された複数のショートカットから、実行対象とするショートカットを決定するための処理である。
【0055】
ショートカット選択処理では、CPU11は、まず、抽出された複数のショートカットについて、選択順を決定する(S301)。CPU11は、抽出されたすべてのショートカットに対して選択対象となる順序を決定する。CPU11は、例えば、ショートカット情報23にカードIDが登録された日時を記憶しておき、選択順を、登録日時が新しいものから順としても良い。また、CPU11は、選択順を、例えば、利用された回数順としても良いし、直近に利用された順でも良いし、ランダムに決定しても良いし、ユーザによる指定を予め受け付けて記憶可能であっても良い。
【0056】
CPU11は、選択順が1位のショートカットを選択対象として、選択画面をユーザIF13に表示させる(S302)。CPU11は、例えば、
図9(A)に示すように、選択順が1位のショートカットを示すアイコン81が選択対象となっている初回の選択画面80を表示させる。CPU11は、選択対象となっているショートカットのアイコン81と、選択対象となっていないショートカットのアイコン82、83と、を異なる表示態様で表示させる。
【0057】
図9(A)の例は、カードIDが「0110」のICカードがかざされた場合であって、「第2ショートカット」の選択順が1位である場合の初回の選択画面80である。この選択画面80では、「第2ショートカット」のアイコン81が、他のアイコン82、83よりも強調して表示されている。例えば、「第2ショートカット」のアイコン81は、中央付近に配置され、「第1ショートカット」のアイコン82に比較して大きく、さらに選択枠が付与されて表示される。この場合、アイコン81の表示態様は、第1表示態様の一例であり、アイコン82の表示態様は、第2表示態様の一例である。なお、CPU11は、選択対象ではないアイコン82を表示させず、選択対象のアイコン81のみを表示させても良い。
【0058】
CPU11は、選択画面80にてさらに、実行報知情報85を表示させる。実行報知情報85は、ICカードをMFP1から離すと、選択画面80にて選択対象となっているアイコン81によって示されるショートカットが実行される、ことを示す内容をユーザに報知するためのメッセージである。ICカードを離すと選択されているショートカットが実行されることを報知することで、ユーザの意図しないショートカットが選択されて実行される可能性を低減できる。
【0059】
そして、CPU11は、ICカードが離されたか否かを判断する(S303)。離されていない、つまり、同じICカードを検知し続けていると判断した場合(S303:NO)、CPU11は、当該ICカードが検知され続けている連続時間が所定時間を超えたか否かを判断する(S304)。所定時間は、例えば、2秒であり、固定時間でも良いし、ユーザの設定を受け付け可能であっても良い。所定時間を超えていないと判断した場合(S304:NO)、CPU11は、ICカードが離されるか、所定時間を超えるか、のいずれかとなるまで待機する。
【0060】
初回の選択画面80を表示させた後、ICカードが離されることなく、所定時間を超えたと判断した場合(S304:YES)、CPU11は、選択対象を次順のショートカットに切り替えて、各アイコンの表示態様を変更した選択画面80を表示する(S311)。CPU11は、選択対象を選択順が2位の「第1ショートカット」に切り替え、切り替え前に選択されていた選択順が1位の「第2ショートカット」を、選択対象から外す。そして、CPU11は、例えば、
図9(B)に示すように、各アイコンの表示位置をスクロールして、アイコン82を中央付近に位置させる。さらに、CPU11は、アイコン82を強調した表示態様で表示させ、アイコン81を強調しない表示態様で表示させる。この場合、アイコン82の表示態様は、第1表示態様の一例であり、アイコン81の表示態様は、第2表示態様の一例である。
【0061】
そして、CPU11は、ICカードが離されたか(S312)、または、選択対象を切り替えた選択画面80の表示を開始した後の連続時間が所定時間を超えたか(S313)、のいずれかとなるまで待機する。所定時間を超えたと判断した場合(S313:YES)、CPU11は、S311に進んで、選択対象をさらに次順のショートカットに切り替えて選択画面80を表示させる。CPU11は、選択画面80に選択対象として表示可能な全てのアイコンを選択対象として表示させた後のS311では、選択順が1位のショートカットを再度、選択対象とする。
【0062】
選択画面80には、
図9の例に示すように、キャンセルを示すアイコン83が含まれていても良い。MFP1は、キャンセルを示すアイコン83を、例えば、S301にて、最下位の選択順として選択対象に加える。そして、S311~S313では、CPU11は、抽出された全てのショートカットを順に選択対象として選択画面80を表示した後、再度切り替える場合に、選択順が1位のショートカットを選択対象とする前に、アイコン83を選択対象とした選択画面80を表示する。
【0063】
また、選択順が最下位のショートカットを選択対象とした選択画面80を表示させた後、連続時間が所定時間を超えた場合(S313:YES)、CPU11は、1位のショートカットに戻る代わりに、S316に進んでキャンセルに決定しても良い。
【0064】
MFP1は、選択画面80の表示を開始した後の連続時間が所定時間を超える度に自動的に選択対象を切り替え、選択対象のアイコンとその他のアイコンとを異なる表示形態で表示する。従って、選択画面80にて選択対象となっているショートカットが分かり易い。また、MFP1は、選択対象となっていないショートカットのアイコンを、選択対象のアイコンとは異なる表示形態で表示させる。従って、選択可能なショートカットが分かり易い。さらに、MFP1は、例えば、次に選択対象となるショートカットのアイコンを、選択対象のアイコンに隣接して表示させれば、次に選択対象となるショートカットが分かり易い。これにより、ユーザは、所望のショートカットを選択し易い。
【0065】
いずれかの選択画面80を表示させている状態で、ICカードが離された場合、CPU11は、選択画面80にて選択対象となっているアイコンに決定されたと判断する。選択対象を1度以上切り替えた後の選択画面80を表示している状態で、ICカードが離されたと判断した場合(S312:YES)、CPU11は、その時点での選択対象が、キャンセルを示すアイコン83であるか否かを判断する(S315)。キャンセルを示すアイコン83が選択対象となっている選択画面80の表示中にICカードが離された場合(S315:YES)、CPU11は、ショートカットの選択をキャンセルすると決定する(S316)。アイコン83は、キャンセル情報の一例である。
【0066】
キャンセルを選択すれば、ショートカットが選択されないので、無駄なショートカット処理を回避できる。選択画面80にてキャンセルを示すアイコン83も選択できることで、誤操作によってICカードをかざしてしまった場合や、間違ったICカードをかざしてしまった場合に、ショートカットの選択をキャンセルできる。特に、ワンタッチショートカットが登録されている場合には、選択されたショートカットの実行が自動的に開始されてしまうので、キャンセルできることは有効である。
【0067】
選択対象がキャンセルを示すアイコン83ではないと判断した場合(S315:NO)、CPU11は、選択対象のショートカット、すなわち、選択画面80にて現在選択されているショートカットを実行すると決定する(S308)。S308またはS316の後、CPU11は、表示中の画面である選択画面80の表示を終了させる(S321)。そして、CPU11は、ショートカット選択処理を終了して、カード近接処理に戻る。なお、S303にてYESと判断した場合の処理については、後述する。
【0068】
MFP1は、複数のショートカットに関連付けられているICカードがかざされた場合、かざされた後に離されたタイミングで選択対象であったショートカットを、実行対象に決定する。ユーザは、ICカードをかざす、離すという操作だけで、1つのショートカットを選択して、そのショートカットの実行指示までを行うことができ、操作の手間が軽減されている。
【0069】
図7のカード近接処理の説明に戻る。CPU11は、S211のショートカット選択処理にて、キャンセルすると決定したか否かを判断する(S212)。キャンセルしない、すなわち、ショートカットの1つが選択されたと判断した場合(S212:NO)、CPU11は、選択されたショートカットを実行する(S213)。S213は、ショートカット処理の一例である。
【0070】
CPU11は、S213では、まず、選択されたショートカットが、ワンタッチショートカットであるか、通常ショートカットであるか、を判断すると良い。ワンタッチショートカットであるか否かを示す情報は、ショートカットごとに、ショートカット情報23に含まれる。あるいは、ワンタッチショートカットであるか否かを示す情報は、ショートカット情報23とは別に、メモリ12に記憶されていても良い。
【0071】
通常ショートカットであると判断した場合、CPU11は、例えば、
図10に示すように、当該ショートカットのパラメータの情報を含む確認画面100を、ユーザIF13に表示させる。確認画面100には、表示中のショートカットの実行指示を受け付ける実行ボタン101が含まれる。実行ボタン101への操作を受け付けたと判断した場合、CPU11は、表示中のパラメータを利用してショートカットの機能の実行を開始する。一方、選択されたショートカットが、ワンタッチショートカットであると判断した場合、CPU11は、確認画面を表示させない。CPU11は、ショートカット情報23に記憶されている情報に基づいて、機能の実行を開始する。
【0072】
なお、MFP1は、かざされたICカードが離されたことで選択対象のショートカットに決定する代わりに、ユーザIF13を介して、ショートカットを決定する指示を受け付け可能であっても良い。MFP1は、例えば、抽出されたショートカットの1つが選択対象となっている選択画面80などを表示中に、タッチパネル131やハードウェアキーへの操作を受け付け可能であっても良い。MFP1は、例えば、選択画面80などを表示中にユーザIF13を介してユーザの操作を受け付けた場合には、選択対象のショートカットを実行すると決定しても良い。
【0073】
また、例えば、MFP1は、ICカードがかざされている間に、選択画面80などに表示中の各アイコンに対するタッチパネル131への操作を受け付け可能であっても良い。その場合、MFP1は、選択対象として表示されているショートカットにかかわらず、操作されたアイコンによって示されるショートカットに決定しても良い。
【0074】
図8のショートカット選択処理の残りの部分について説明する。選択順が1位のショートカットを示すアイコン81が選択対象となっている初回の選択画面80を表示している状態で、所定時間を超えないうちにICカードがNFC-IF141から離されたと判断した場合(S303:YES)、CPU11は、実行中画面をユーザIF13に表示させる(S305)。例えば、
図11に示すように、実行中画面90は、選択対象のショートカットを実行することを報知する画面である。
【0075】
選択対象が切り替えられるほどの時間、継続してICカードをかざしているということは、ユーザが選択対象のショートカットを示すアイコンを意識して見ている可能性が高い。つまり、選択画面80にて選択対象となっているショートカットが切り替えられた後にICカードが離された場合には、ユーザが意図的に選択した可能性が高い。MFP1は、選択対象が切り替えられた後は実行中画面90を表示させず、直ちにショートカットを決定するので、ショートカットの実行を早期に完了できる可能性が高い。
【0076】
ところが、選択対象が一度も切り替えられることなくICカードが離された場合、どのショートカットが選択されたのかを、ユーザが意識していない可能性が十分にある。あるいは、ショートカットが決定されたことにすらユーザが気付いていない可能性も、十分にある。この場合に実行中画面90を表示させることで、MFP1は、選択順が1位のショートカットに決定されたことをユーザに報知して、意識させる。
【0077】
なお、CPU11は、選択順が1位のショートカットがワンタッチショートカットである場合には、実行中画面90を表示させ、選択順が1位のショートカットが通常ショートカットである場合は、実行中画面90を表示させる代わりにショートカットの実行を開始して、確認画面100(
図10参照)を表示させる、としても良い。
【0078】
CPU11は、実行中画面90の表示を開始してから、所定の待機時間が経過したか否かを判断する(S306)。所定の待機時間は、例えば、1秒であり、固定時間でも良いし、ユーザの設定を受け付け可能であっても良い。所定の待機時間が経過していないと判断した場合(S306:NO)、CPU11は、実行中画面90の表示を継続する。
【0079】
実行中画面90の表示を開始した後、所定の待機時間が経過したと判断した場合(S306:YES)、CPU11は、S308に進んで、選択順が1位のショートカットを実行すると決定する(S308)。実行中画面90は、選択画面80と同じ画面であっても良い。S308の後、CPU11は、実行中画面90の表示を終了させる(S321)。そして、CPU11は、ショートカット選択処理を終了して、カード近接処理に戻る。以後、CPU11は、前述したように、カード近接処理のS212~S213を実行する。
【0080】
なお、MFP1は、待機時間中にユーザIF13を介して、ショートカットの実行をキャンセルする指示を受け付け可能であっても良い。例えば、実行中画面90にキャンセルボタンがあっても良い。実行中画面90を表示中にキャンセルの指示を受け付け可能な構成であれば、MFP1は、キャンセルの指示を受け付けた場合には、ショートカットを実行しない。なお、実行中画面90では、MFP1は、選択対象のショートカット以外のショートカットの選択指示は受け付けない。
【0081】
図7のカード近接処理の残りの部分について説明する。かざされたICカードのカードIDが登録されているショートカットが無いと判断した場合(S205:NO)、CPU11は、登録されていないICカードであることを示す報知画面をユーザIF13に表示させる(S221)。CPU11は、S221に代えて、登録方法を報知しても良いし、何も表示しなくても良い。そして、S207、S213、S221のいずれかの後、または、キャンセルすると決定したと判断した場合(S212:YES)、CPU11は、カード近接処理を終了する。
【0082】
なお、ショートカットの選択を受け付ける選択画面は、
図9に示したようにアイコンをスクロール表示する例に限らない。MFP1は、例えば、
図12に示すように、ICカードを検知した場合に、抽出されたショートカットアイコンを一覧表示する選択画面110を表示して、選択対象のショートカットを示すアイコンを強調表示させても良い。そして、ICカードがかざし続けられた場合には、MFP1は、選択対象であるアイコンを切り替え、新たに選択対象となったアイコンを強調表示するとしても良い。また、MFP1は、例えば、ショートカットアイコンを含むホーム画面50(
図2参照)を表示中にICカードを検知した場合、ホーム画面50中のショートカットアイコンを順に選択対象として強調表示しても良い。
【0083】
この構成の場合でも、MFP1は、選択対象であるアイコンが切り替わることなくカードが離されたら、ショートカット選択処理のS303にてYESの場合と同様の処理を行うと良い。また、MFP1は、選択対象であるアイコンが1回以上切り替わった後にカードが離されたら、ショートカット選択処理のS312にてYESの場合と同様の処理を行うと良い。いずれの場合も、MFP1は、表示中の選択画面110またはホーム画面50の表示を終了し、カード近接処理のS213と同様に、選択されたショートカットを実行すると良い。
【0084】
また、この構成の場合でも、MFP1は、かざされたICカードが離されたことで選択対象のショートカットに決定する代わりに、ユーザIF13を介して、ショートカットを決定する指示を受け付け可能であっても良い。MFP1は、例えば、選択画面110を表示中にユーザIF13を介してユーザの操作を受け付けた場合には、選択対象のショートカットを実行すると決定しても良い。
【0085】
また、例えば、MFP1は、ICカードがかざされている間に、選択画面110に表示中の各アイコンに対するタッチパネル131への操作を受け付け可能であっても良い。その場合、MFP1は、選択対象として表示されているショートカットにかかわらず、操作されたアイコンによって示されるショートカットに決定しても良い。
【0086】
また、かざされたICカードに関連付けて多数のショートカットが登録されており、抽出されたすべてのショートカットのアイコンを1画面に表示できない場合、MFP1は、例えば、
図13に示すように、抽出されたうちの一部のショートカットのアイコンを含む選択画面120を表示しても良い。そして、ICカードがかざし続けられた場合、MFP1は、抽出されたうちの残りのショートカットのアイコンを含む選択画面120に切り替えて表示するとしても良い。この選択画面120は、複数のショートカットを選択していることを示す画面である。MFP1は、例えば、ICカードがかざされている間、所定時間ごとに選択画面120を切り替えて表示しても良い。
【0087】
なお、複数のショートカットが選択対象となっている選択画面を切り替えて表示している状態では、MFP1は、ユーザの操作に応じて表示中の選択画面に決定する。例えば、
図13に示す選択画面120のいずれかを表示中にICカードが離された場合、MFP1は、選択画面120の切り替えを停止する。MFP1は、その後、その時点で表示中の選択画面120に含まれる複数のショートカットのうちから、1つに決定する操作をさらに受け付ける。
【0088】
例えば、MFP1は、複数のショートカットが選択対象となっている選択画面120に含まれる個別のアイコンへの選択操作を、例えば、タッチパネル131を介して受け付け可能であっても良い。例えば、MFP1は、選択画面120に表示中の各アイコンに対するタッチパネル131への操作を受け付けた場合、操作されたアイコンによって示されるショートカットに決定して、決定したショートカットを実行するとしても良い。
【0089】
また、MFP1は、切り替えを停止して選択画面120を表示している状態で、同じICカードが再度かざされた場合に、表示中の各アイコンを順に選択対象とした選択画面を表示しても良い。MFP1は、例えば、選択画面120中に表示されているアイコンの1つを選択対象とした選択画面を表示させ、前述したショートカット選択処理(
図8参照)と同様の処理を行うとしても良い。具体的には、MFP1は、同じICカードがかざされたままで所定時間が経過したら、選択対象を切り替えて選択画面を表示させ、ICカードが離されたら、選択対象のショートカットに決定するとしても良い。
【0090】
以上、詳細に説明したように、本実施の形態のMFP1は、複数のショートカットの情報を1つのICカードに関連付けることができる。そして、MFP1は、ICカードがかざされた場合、そのICカードに関連付けられているショートカットを抽出し、複数のショートカットが抽出された場合、そのうちの少なくとも1つが選択された選択画面80、110、120を表示する。MFP1は、所定時間を超えてICカードがかざされ続けている場合に、自動的に選択対象を切り替える。従って、ユーザは、ICカードをかざす、離すという操作だけで、登録されている複数のショートカットの中から、所望のショートカットを選択し易い。これにより、所望のショートカットの実行指示までの、ユーザの操作の手間が軽減されている。
【0091】
さらに、MFP1は、登録指示を受け付けていない状態でICカードがかざされた場合、そのICカードが登録されているショートカットの1つを選択対象として表示し、ICカードが離されたことで選択対象のショートカットを実行する。ユーザは、ICカードをかざし、離す、という操作で、タッチパネル131に触れることなくショートカットを実行させることができる。従って、タッチパネル131との接触の機会を減らすことができ、衛生面の向上が図られる。
【0092】
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。従って本明細書に開示される技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、画像処理装置の一例は、MFPに限らず、プリンタ、スキャナ、FAX装置等、画像処理機能を備えるものであれば適用可能である。また、可搬型無線デバイスの一例は、ICカードに限らず、スマートフォン、タブレット端末等、NFC-IFとの近距離通信機能を備えるものであれば適用可能である。また、近距離通信インタフェースの一例は、NFC-IF141に限らず、ZigBee規格などの他の規格に準拠した近距離無線通信インタフェースであっても良い。
【0093】
また、本実施の形態にて図示した各種の画面の表示態様は、いずれも一例であり、各画面に表示されるアイコンの個数、種類や配置、表示される文言等は、図示の例に限るものではない。例えば、ホーム画面50(
図2参照)に表示されるアイコンの数は、6個に限らない。また、ユーザIF13は、表示画面と操作キーとを含み、タッチパネル131を含まないものであっても良い。
【0094】
また、例えば、選択対象のアイコンの表示形態と選択対象でないアイコンの表示形態とは、異なっていればよく、実施の形態の例に限らない。例えば、選択対象のアイコンを点滅表示して選択対象でないアイコンを点滅しない表示としても良いし、選択対象のアイコンを他のアイコンとは異なる色で表示しても良い。また、選択画面80(
図9参照)に実行報知情報85は含まれなくても良い。
【0095】
また、実施の形態では、かざされたICカードに関連付けられているショートカットの数が1つであれば、選択画面を表示せずに実行するとしたが、MFP1は、選択画面80(
図9参照)または実行中画面90(
図11参照)を表示しても良い。また、選択対象が一度も切り替えられることなくICカードが離された場合であっても、実行中画面90の表示は行わなくても良い。つまり、ショートカット選択処理(
図8参照)のS305とS306とは、無くても良い。
【0096】
また、実施の形態では、MFP1は、かざされたICカードに関連付けられているショートカットを全て抽出して、複数のショートカットが抽出されたか否かを判断するとした(カード近接処理のS206)が、これに限らない。MFP1は、例えば、2以上のショートカットが抽出されたらS211のショートカット選択処理に進み、ショートカット選択処理の実行と並行して、継続してショートカットの抽出を行っても良い。
【0097】
また、実施の形態では、MFP1は、選択されたショートカットが通常ショートカットである場合、確認画面100(
図10参照)を表示するとしたが、これに限らない。例えば、ICカードをかざす操作によってショートカットが選択された場合(カード近接処理のS207やS213)では、通常ショートカットであっても確認画面100を表示させない、としても良い。その場合、MFP1は、確認画面を表示させる代わりに、
図11に示したような実行中画面を表示させるとしても良い。また、通常ショートカットであっても確認画面を表示させない構成では、MFP1は、選択画面80中に、アイコンに代えて各ショートカットのパラメータを示す画像を表示させても良い。
【0098】
また、ICカードの登録指示は、ショートカットアイコンの長押しによって、ショートカットが特定された後に表示されるメニュー画面60(
図3参照)から受け付けるとしたが、これに限らない。例えば、所定の操作は、長押しに限らず、例えば、複数回の連続した短押し、操作キーとの同時押し、であっても良い。また、例えば、ショートカットの編集指示を受け付けるボタンがあっても良く、MFP1は、そのボタンへの操作を受け付けた場合に、ショートカットの一覧から編集対象のショートカットの選択を受け付けるとしても良い。また、ショートカットの作成時に連続して、そのショートカットへのICカードの登録を受け付け可能であっても良い。
【0099】
また、実施の形態では、ICカードを登録させる際、登録確認画面70(
図5参照)中の登録確認ボタン71への操作を必要とするとしたが、操作を必要としない構成であっても良い。MFP1は、登録確認画面70を表示させた後にICカードを検知した場合、そのICカードを自動的に登録するとしても良い。つまり、カード登録処理(
図4参照)のS111は、無くても良い。
【0100】
また、実施の形態では、各ショートカットに関連付けて登録可能なICカードの数に上限があるとしたが、上限はなくても良い。また、MFP1は、上限を設けるか否かのユーザによる設定を受け付け可能であっても良いし、上限の数についてユーザによる設定を受け付け可能であっても良い。
【0101】
また、1枚のICカードに関連付けて登録できるショートカットの数に、上限があっても良い。その場合、カード登録処理では、CPU11は、カード登録処理(
図4参照)のS106にてカードIDを取得した後、ショートカット情報23に基づいて、当該カードIDが登録されているショートカットが所定の数を超えている場合には、登録確認画面70を表示しないとしても良い。また、ショートカット情報23に記憶可能なショートカットの数にも、上限があっても良い。
【0102】
また、実施の形態では、工場出荷時にはショートカット情報23は記憶されていないとしたが、予めいくつかのショートカットが登録されていても良い。例えば、MFP1は、予め登録されているショートカットへの編集指示や、ショートカットの追加登録の指示を受け付け可能であっても良い。
【0103】
また、実施の形態に開示されている任意のシーケンス図において、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0104】
また、実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0105】
1 MFP
11 CPU
12 メモリ
13 ユーザIF
141 NFC-IF