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特開2024-7598ブラケット固定システム及びブラケット固定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007598
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】ブラケット固定システム及びブラケット固定方法
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/00 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
B23P19/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108760
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】保富 アンドレ 裕二
(72)【発明者】
【氏名】松家 大介
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雅人
【テーマコード(参考)】
3C030
【Fターム(参考)】
3C030BC04
3C030BC16
3C030BC35
(57)【要約】
【課題】ブラケットを適切な位置に固定することができるブラケット固定システム及びブラケット固定方法を提供する。
【解決手段】ブラケット固定システム100は、ブラケット把持装置13と、ブラケット穴検出部11と、作業装置1と、制御部18と、を備えている。ブラケット穴検出部11は、ブラケット把持装置13に把持されたブラケット7のブラケット穴の位置を検出する。制御部18は、作業装置1を制御し、ブラケット穴検出部11が検出したブラケット穴に作業装置1に設けた工具2又は作業装置1が把持する固定治具5を挿入する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラケットを固定する固定対象物に対して所定の位置で把持するブラケット把持装置と、
前記ブラケット把持装置に把持された前記ブラケットのブラケット穴の位置を検出するブラケット穴検出部と、
前記固定対象物や前記ブラケットに対して作業を行う工具を有する作業装置と、
前記作業装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記作業装置を制御し、前記ブラケット穴検出部が検出した前記ブラケット穴に前記作業装置に設けた工具又は前記作業装置が把持する固定治具を挿入する
ブラケット固定システム。
【請求項2】
前記作業装置の先端部には、前記ブラケットを固定するための下穴を前記固定対象物に穿孔する穴あけ工具が着脱可能に装着され、
前記制御部は、前記作業装置を制御し、前記ブラケット穴検出部が検出した前記ブラケット穴に前記穴あけ工具を挿入する
請求項1に記載のブラケット固定システム。
【請求項3】
前記作業装置の先端部には、前記固定対象物に穿孔された下穴にアンカーボルトを打設及び締め付ける締付工具が着脱可能に装着され、
前記制御部は、前記作業装置を制御し、前記締付工具が把持する前記アンカーボルトを、前記ブラケット穴検出部が検出した前記ブラケット穴に挿入する
請求項1に記載のブラケット固定システム。
【請求項4】
前記工具又は固定治具と前記ブラケットとの接触を検出する接触判定部と、
を備えた請求項1に記載のブラケット固定システム。
【請求項5】
前記作業装置の先端部には、距離測定部が設けられ、
前記制御部は、前記距離測定部が測定した距離情報に基づいて、前記ブラケットを固定する前記固定対象物の状態を判断する
請求項4に記載のブラケット固定システム。
【請求項6】
前記接触判定部は、前記距離測定部が測定した距離情報に基づいて、前記工具又は固定治具と前記ブラケットとの接触を判定する
請求項5に記載のブラケット固定システム。
【請求項7】
前記ブラケット穴検出部は、前記作業装置の先端部に設けられたカメラである
請求項1に記載のブラケット固定システム。
【請求項8】
前記工具又は固定治具が他の部材に接触したか否かを検出する接触検出部を備えた
請求項1に記載のブラケット固定システム。
【請求項9】
前記ブラケット穴検出部は、前記接触検出部である
請求項8に記載のブラケット固定システム。
【請求項10】
ブラケットを固定する固定対象物に対して所定の位置で、ブラケット把持装置で把持する処理と、
前記ブラケット把持装置に把持された前記ブラケットのブラケット穴の位置をブラケット穴検出部で検出する処理と、
制御部により作業装置を制御し、前記ブラケット穴検出部が検出した前記ブラケット穴に前記作業装置に設けた工具又は前記作業装置が把持する固定治具を挿入する処理と、
を含むブラケット固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラケット固定システム及びブラケット固定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、エレベーターの昇降路内には、乗りかごや釣合おもりの移動をガイドするガイドレールが設置されている。また、ガイドレールを昇降路に固定するために、まず昇降路の壁面に下穴を穿孔し、その下穴にアンカーボルトを挿入する。そして、アンカーボルトを用いてレールブラケットを壁面に固定し、このレールブラケットにガイドレールを固定している。
【0003】
また、アンカーボルトを挿入するための下穴の穿孔作業やアンカーボルトの挿入作業は、作業者が昇降路内に設けられた作業床上で行われていた。この作業は労力と工期を要するだけでなく、高所作業となるので、危険も伴う。
【0004】
また、特許文献1には、装置を用いてブラケットを固定する技術が記載されている。特許文献1には、ベースに移動自在に搭載されたドリル及びねじ締機と、ベースを壁面方向に駆動するベース駆動部と、ベースに設けられドリル及びねじ締機を個別に駆動する駆動機構と、この駆動機構とベース駆動部を制御する制御装置を備えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7-151119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、ガイドレールの下端を基準にアンカーボルトを取り付ける位置を決定していた。また、ガイドレールは、自重や製造時の寸法誤差により変形する場合がある。その結果、特許文献1に記載された技術では、アンカーボルトを適切な位置に打設することができず、ブラケットを適切な位置に固定することができない、という問題を有していた。
【0007】
本目的は、上記の問題点を考慮し、ブラケットを適切な位置に固定することができるブラケット固定システム及びブラケット固定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、目的を達成するため、ブラケット固定システムは、ブラケットを固定する固定対象物に対して所定の位置で把持するブラケット把持装置と、ブラケット穴検出部と、作業装置と、制御部と、を備えている。ブラケット穴検出部は、ブラケット把持装置に把持されたブラケットのブラケット穴の位置を検出する。作業装置は、固定対象物やブラケットに対して作業を行う工具を有する。制御部は、作業装置を制御する。そして、制御部は、作業装置を制御し、ブラケット穴検出部が検出したブラケット穴に作業装置に設けた工具又は作業装置が把持する固定治具を挿入する。
【0009】
また、ブラケット固定方法は、以下(1)から(3)に示す処理を含む。
(1)ブラケットを固定する固定対象物に対して所定の位置で、ブラケット把持装置で把持する処理。
(2)ブラケット把持装置に把持されたブラケットのブラケット穴の位置をブラケット穴検出部で検出する処理。
(3)制御部により作業装置を制御し、ブラケット穴検出部が検出したブラケット穴に作業装置に設けた工具又は作業装置が把持する固定治具を挿入する処理。
【発明の効果】
【0010】
上記構成のブラケット固定システム及びブラケット固定方法によれば、ブラケットを適切な位置に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施の形態例にかかるブラケット固定システムの全体構成を示す正面図である。
図2】第1の実施の形態例にかかるブラケット固定システムの全体構成を示す上面図である。
図3】第1の実施の形態例にかかるブラケット固定システムにおける昇降路の壁への下穴の穴あけ作業を示すフローチャートである。
図4】第1の実施の形態例にかかるブラケット固定システムにおける穴あけ作業時における穴あけ工具がブラケットに接触した状態を示す図である。
図5】第1の実施の形態例にかかるブラケット固定システムにおける接触解除動作の一例を示す説明図である。
図6】第1の実施の形態例にかかるブラケット固定システムにおける接触解除動作の一例を示すフローチャートである。
図7】第1の実施の形態例にかかるブラケット固定システムにおけるアンカーボルトの打設及びナットの締め付け作業を示すフローチャートである。
図8】第1の実施の形態例にかかるブラケット固定システムにおける下穴探索動作の一例を示す説明図である。
図9】第1の実施の形態例にかかるブラケット固定システムにおける下穴探索動作の一例を示すフローチャートである。
図10】ブラケット固定システムにおける接触判定部の変形例を示す図である。
図11】ブラケット固定システムにおける接触判定部の変形例を示す回路図である。
図12】第2の実施の形態例にかかるブラケット固定システムの全体構成を示す正面図である。
図13】第2の実施の形態例にかかるブラケット固定システムの全体構成を示す上面図である。
図14】第2の実施の形態例にかかるブラケット固定システムにおけるブラケット固定作業の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態例にかかるブラケット固定システム及びブラケット固定方法について、図1図14を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0013】
1.第1の実施の形態例
1-1.ブラケット固定システムの構成例
まず、第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかる据付装置の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1及び図2は、本例のブラケット固定システムを示す概略構成図である。
【0014】
図1及び図2に示すブラケット固定システム100は、エレベーターのガイドレールを固定するためのレールブラケット(以下、単に「ブラケット」という)を昇降路1201の固定対象物の一例を示す壁6に固定する装置である。
【0015】
ブラケット固定システム100は、作業装置の一例を示すロボットアーム1と、穴あけ工具2と、締付工具3と、ツールスタンド4と、接触検出部8と、接触判定部9と、距離測定部10と、カメラ11と、を有している。また、ブラケット固定システム100は、ブラケット把持部12と、ブラケット把持装置13と、ブラケットスタンド14と、アンカーボルトスタンド15と、作業床16と、制御部18と、を有している。また、ロボットアーム1及びツールスタンド4、ブラケット把持装置13、ブラケットスタンド14、アンカーボルトスタンド15は、昇降路1201に設置された作業床16に設置される。
【0016】
ブラケットスタンド14には、ブラケット7が載置されており、アンカーボルトスタンド15には、アンカーボルト5が載置されている。そして、ブラケットスタンド14は、後述するブラケット把持装置13にブラケット7を供給する。また、アンカーボルトスタンド15は、後述するロボットアーム1にアンカーボルト5を供給する。
【0017】
ロボットアーム1は、例えば、複数の間接を有するロボットであり、例えば、6軸自由度を有する垂直多関節ロボットである。また、ロボットアーム1は、昇降路1201にアンカーボルト5を差し込むための下穴81(図8参照)を穿孔すると共に、ナットによりアンカーボルト5をブラケット7に締結固定する作業を行う。
【0018】
ロボットアーム1の先端部には、接触検出部8及び接触判定部9、距離測定部10、カメラ11が設けられている。また、ロボットアーム1の先端部には、穴あけ工具2と締付工具3が着脱可能に装着される。穴あけ工具2及び締付工具3は、使用していないとき、すなわちロボットアーム1に装着されていないときは、ツールスタンド4に保持される。
【0019】
締付工具3は、固定治具の一例を示すアンカーボルト5の把持や打設、さらにアンカーボルト5の締付をできる工具である。締付工具3は、把持及び打設、締付動作を実現するために、例えば、打設動作と回転動作を切替可能なドリル系の駆動部を有している。また、締付工具3は、電磁石でアンカーボルト5の把持や解放できるソケットを有している。さらに、締付工具3は、締付トルクの測定ができる。これにより、ロボットアーム1が所定の締付トルクでアンカーボルト5のナットを締め付けることができる。
【0020】
接触検出部8は、例えば、ロボットアーム1の先端部に加わる荷重やモーメントを検出する力覚センサである。そして、接触検出部8は、穴あけ工具2やアンカーボルト5が昇降路1201の壁6やブラケット7に接触したか否かを検出する。接触判定部9は、穴あけ工具2やアンカーボルト5が接触した物体がブラケット7か否かを判定する。距離測定部10は、ロボットアーム1の先端部と壁6との距離を測定する。
【0021】
ブラケット穴検出部の一例を示すカメラ11は、作業を行うロボットアーム1の先端部や、ブラケット7を撮影する。また、カメラ11は、後述するブラケット把持装置13で把持されたブラケット7のブラケット穴17を撮影し、ブラケット穴17の位置を検出する。
【0022】
接触検出部8及び接触判定部9、距離測定部10、カメラ11が取得した情報は、制御部18に出力される。制御部18は、ロボットアーム1及びブラケット把持装置13の動作を制御する。なお、接触判定部9をロボットアーム1の先端部に設けた例を説明したが、これに限定されるものではなく、接触判定部9を制御部18に搭載してもよい。
【0023】
ブラケット把持装置13は、ロボットアーム1と同様に、例えば、複数の間接を有するロボットであり、例えば、6軸自由度を有する垂直多関節ロボットである。ブラケット把持装置13の先端部には、ブラケット把持部12が取り付けられている。ブラケット把持部12は、ブラケット7を把持する。ブラケット把持部12は、例えば、電磁力によりブラケット7を表面に貼り付けるマグネットグリッパである。なお、ブラケット把持部12としては、空気圧を利用した2本の指や、吸着グリッパなどのその他各種の把持機構を適用してもよい。
【0024】
1-2.ブラケット固定システムの動作例
次に、上述した構成を有するブラケット固定システムの動作例について図3から図8を参照して説明する。
[下穴の穴あけ作業]
まず、図3及び図4を参照してアンカーボルト5を挿入するための下穴の穴あけ作業について説明する。図3は、穴あけ作業を示すフローチャート、図4は、穴あけ工具2がブラケット7に接触した状態を示す図である。
【0025】
まず、制御部18は、ブラケット把持装置13を制御し、ブラケット把持部12によりブラケット7を把持する(ステップS300)。次に、ロボットアーム1の先端部に設けた距離測定部10によってブラケット7における固定位置の壁6の傾きや状況を確認する(ステップS301)。ステップS301での確認作業は、ブラケット7を正しく固定できないような段差や穴がないかを確認する。
【0026】
また、ステップS301の確認作業は、例えば、ロボットアーム1の先端部を壁6の面をなす面内において、壁6の手前において少なくとも3つの非整列点に移動させて、距離測定部10でロボットアーム1の先端部と壁6の距離を測定する。そして、この3点の距離を比較することで行われる。なお、3点の距離が大きく異なる場合、制御部18は、壁6に段差や穴があると判断する。
【0027】
次に、制御部18は、壁6に段差があるか否か、すなわち大きく異なる距離が検出されたか否かを判断する(ステップS302)。ステップS302の処理において、壁6に段差がある、すなわち大きく異なる距離が検出されたと判断した場合(ステップS302のYes判定)、制御部18は、ブラケット7の固定位置である壁6に段差や不備が存在すると判断する。そして、制御部18は、新しいブラケット7の固定位置を取得し(ステップS303)、ステップS301の処理に戻る。
【0028】
これに対して、ステップS302の処理において、壁6に段差がない、すなわち大きく異なる距離が検出されないと判断した場合(ステップS302のNo判定)、ブラケット7を対象固定位置に移動させ、ブラケット7を壁6に押し付ける(ステップS304)。すなわち、制御部18は、ステップS301に測定した距離情報に基づいて、壁6の向きを推定する。次に、制御部18は、ブラケット把持装置13を制御し、ブラケット7を壁6の向きに合わせながら、壁6の面にブラケット7の面を完全に接触させる。これにより、ブラケット7が、壁6における目標位置まで移動する。
【0029】
次に、制御部18は、ロボットアーム1を制御し、ロボットアーム1の先端部に設けたカメラ11をブラケット7の対象固定位置までアプローチ(移動)させる(ステップS305)。具体的には、カメラ11をブラケット7の対象固定位置であるブラケット穴17(図5参照)の近傍まで移動させる。
【0030】
そして、カメラ11によりブラケット穴17を撮影し、制御部18は、カメラ11が撮影した情報に基づいて、ブラケット穴17の位置を検出する(ステップS306)。次に、制御部18は、ロボットアーム1を制御し、ロボットアーム1の先端部に穴あけ工具2を取り付ける(ステップS307)。
【0031】
なお、ステップS306の処理において、ブラケット穴17をロボットアーム1に設けたカメラ11で検出する例を説明したが、ブラケット穴検出部は、カメラ11に限定されるものではない。例えば、接触検出部8が、ブラケット穴検出部として作用し、後述するブラケット穴17の探索動作を行うことで、ブラケット穴17を検出してもよい。また、制御部18がブラケット穴検出部として作用し、ブラケット7を把持するブラケット把持装置13の姿勢からブラケット穴17を検出(推定)してもよい。このように、ブラケット穴17を検出する方法は、その他各種の方法が適用できるものである。
【0032】
次に、制御部18は、ロボットアーム1を制御し、穴あけ工具2を、ステップS306で検出したブラケット穴17にアプローチ(接近)させる(ステップS308)。ステップS307の処理の間、制御部18は、接触検出部8により穴あけ工具2の接触を確認する(ステップS309)。そして、制御部18は、接触検出部8からの情報に基づいて、穴あけ工具2が接触したか否かを判断する(ステップS310)。
【0033】
ステップS310の処理において、穴あけ工具2が接触していないと判断した場合(ステップS310のNo判定)、制御部18は、ステップS308及びステップS309を継続させる。また、ステップS310の処理において、穴あけ工具2が接触したと判断した場合(ステップS310のYes判定)、接触判定部9は、接触した部材がブラケット7か否かを判断する(ステップS311)。
【0034】
ステップS311の処理において、ブラケット7との接触ではないと判断した場合(ステップS311のNo判定)、制御部18は、穴あけ工具2がブラケット穴17を通過したと予測する。そして、制御部18は、ロボットアーム1及び穴あけ工具2を制御し、穴あけ作業を実行する(ステップS313)。
【0035】
また、ステップS311の処理において、ブラケット7との接触であると判断した場合(ステップS311のYes判定)、制御部18は、ブラケット7との接触解除動作を実行する(ステップS312)、ステップS312に示す接触解除動作は、ブラケット穴17の探索動作が実行され、ブラケット穴17を発見する。そして、ブラケット穴17を発見したら、制御部18は、ロボットアーム1及び穴あけ工具2を制御し、穴あけ作業を実行する(ステップS313)。なお、ブラケット穴17の探索動作の詳細については、後述する。
【0036】
ここで、ステップS311における穴あけ工具2の接触がブラケット7か否かを判断方法について図4を参照して説明する。
まず、図4に示すように、距離測定部10から壁6及びブラケット7に向けて距離測定用のレーザ光41を照射し、距離測定部10により距離を測定する。そして、接触判定部9は、距離測定部10からの情報に基づいて、距離測定部10の先端部から壁6までの第1距離(d_sensor)を確認する。また、図4に示すように、接触判定部9は、距離測定部10の先端から穴あけ工具2の先端までの第2距離(L_sensor-drill)を確認する。そして、接触判定部9は、下記式1に示すように、第1距離から第2距離を引くことで、穴あけ工具2の先端から壁6までの第3距離(d_drill-wall)を求める。
[式1]
d_drill-wall=d_sensor-L_sensor-drill
【0037】
第3距離d_drill-wallがゼロより大きい場合、接触判定部9は、穴あけ工具2の接触はブラケット7との接触だと判定する。また、第3距離d_drill-wallがゼロと近い場合、接触判定部9は、穴あけ工具2の接触は壁6との接触だと判定する。上述した方法は、穴あけ工具2がすでにブラケット穴17に近いことを考慮しているため、壁6との接触は、穴あけ工具2の先端がブラケット穴17の中にある場合のみとなる。
【0038】
ステップS313による穴あけ作業を実行し、制御部18は、下穴81の深さが所定の深さに到達したか否かを判断する(ステップS314)。ステップS314の処理において、所定の深さに到達したと判断した場合(ステップS314のYes判定)、制御部18は、ロボットアーム1を初期位置に戻し(ステップS316)、穴あけ作業を終了する。
【0039】
また、ステップS314の処理において、所定の深さに到達していないと判断した場合(ステップS314のNo判定)、制御部18は、接触検出部8からの情報に基づいて、鉄筋を検出したか否かを判断する(ステップS315)。すなわち、穴あけ工具2に加わる力が閾値を超えた力を検出した場合、鉄筋が穴あけ工具2に接触したと判断する。
【0040】
ステップS315の処理において、鉄筋を検出したと判断した場合(ステップS315のYes判定)、ステップS303の処理に戻り、別のブラケット7の固定位置を取得する。また、ステップS315の処理において、鉄筋を検出していないと判断した場合(ステップS315のNo判定)、ステップS313の処理に戻り、穴あけ作業を継続させる。
【0041】
このように、本例のブラケット固定システム100によれば、ブラケット7のブラケット穴17を基準に下穴を穿孔している。これにより、後述するアンカーボルト5を打設作業時に壁6に形成された下穴とブラケット穴17の位置がずれることを防止することができる。その結果、ブラケット7を固定対象物である壁6の適切な位置に固定することができる。
【0042】
[接触解除動作]
次に、ステップS312に示す接触解除動作の一例について図5及び図6を参照して説明する。
図5は、接触解除動作の一例を示す説明図、図6は、接触解除動作を示すフローチャートである。
【0043】
図6に示すように、まず制御部18は、ロボットアーム1を制御し、穴あけ工具2をらせん軌道で動かす(ステップS601)。これにより、図5に示すように、穴あけ工具2は、ブラケット7の表面上を初期接触位置51かららせん状軌道52に沿って移動する。
【0044】
次に、穴あけ工具2を移動させている間、接触検出部8からの情報に基づいて、制御部18は、接触が解除されたか否かを判断する(ステップS602)。ステップS602の処理において、接触していると判断した場合(ステップS602のNo判定)、ステップS601の処理を継続させる。また、ステップS602の処理において、接触が解除されたと判断した場合(ステップS602のYes判定)、制御部18は、穴あけ工具2が図5に示すブラケット穴17を臨む位置53にあると判断する。そして、制御部18は、ロボットアーム1を制御し、穴あけ工具2を壁方向にむけて移動させる(ステップS603)。
【0045】
次に、制御部18は、接触検出部8により穴あけ工具2の接触を確認する(ステップ604)。ステップS604の処理において、穴あけ工具2が接触していないと判断した場合(ステップS604のNo判定)、ステップS603の処理を継続させる。また、ステップS604の処理において、穴あけ工具2が接触したと判断した場合(ステップS604のYES判定)、制御部18は、接触した部材がブラケット7か否かを判断する(ステップS605)。ステップS605の処理において、接触した部材がブラケット7であると判断した場合(ステップS605のYes判定)、ステップS601の処理に戻り、接触解除動作を再度行う。
【0046】
また、ステップS605の処理において、接触した部材がブラケット7ではないと判断した場合(ステップS605のNo判定)、制御部18は、穴あけ工具2がブラケット穴17を通過して、壁6に到達したと判断する。これにより、接触解除動作が完了する。
【0047】
[アンカーボルトの打設及びナットの締め付け作業]
次に、図7を参照して、アンカーボルトの打設及びナットの締め付け作業例について説明する。
図7は、アンカーボルトの打設及びナットの締め付け作業の一例を示すフローチャートである。
【0048】
まず、図7に示すように、制御部18は、ロボットアーム1を制御し、カメラ11を以前検出したブラケット穴17の位置まで移動させ、上述した作業で穿孔した下穴81を検出する(ステップS700)。この間、ブラケット7は、ブラケット把持装置13によって対象固定位置に保持されている。
【0049】
次に、ロボットアーム1の先端部から穴あけ工具2を取り外し、先端部に締付工具3を装着する(ステップ701)。なお、ステップS701の処理は、ステップS700の処理、すなわち下穴81の検出の前に行ってもよい。
【0050】
次に、締付工具3によりアンカーボルト5を把持し(ステップS702)、ロボットアーム1は、アンカーボルト5を検出した下穴81の近傍まで移動させる(ステップS703)。その間、制御部18は、接触検出部8からの情報に基づいて、アンカーボルト5の接触を確認する(ステップS704)。そして、制御部18は、接触検出部8からの情報に基づいて、アンカーボルト5が接触したか否かを判断する(ステップS705)。
【0051】
ステップS705の処理において、アンカーボルト5が接触していないと判断した場合(ステップS705のNo判定)、制御部18は、所定の移動量に到達したか否かを判断する(ステップS706)。ステップS706の処理において、所定の移動量に到達していないと判断した場合(ステップS706のNo判定)、ステップS703の処理に戻り、アンカーボルト5の移動を継続させる。また、ステップS706の処理において、所定の移動量に到達したと判断した場合(ステップS706のYes判定)、後述するステップS710の処理に移行する。
【0052】
また、ステップS705の処理において、アンカーボルト5が接触したと判断した場合(ステップS705のYes判定)、接触判定部9は、接触した部材がブラケット7か否かを判断する(ステップS707)。
【0053】
ステップS707の処理では、下記式2に示すように、距離測定部10の先端とアンカーボルト5の先端との第4距離(L_sensor-anchor)から、第1距離(d_sensor)を引くことで、アンカーボルト5から壁6までの第5距離(d_anchor-wall)を求める。
[式2]
d_anchor-wall=d_sensor-L_sensor-anchor
【0054】
そして、接触判定部9は、第5距離d_anchor-wallがゼロ以下であるか否かを確認する。そして、第5距離d_anchor-wallがゼロ以下である場合には、アンカーボルト5が下穴81に到達したと判断する。
【0055】
ステップS707の処理において、接触した部材がブラケット7ではないと判断した場合(ステップS707のNo判定)、アンカーボルト5は、ブラケット穴17を通過したと判断する。そして、後述するステップS710の処理に移行する。
【0056】
また、ステップS707の処理において、接触した部材がブラケット7であると判断した場合、制御部18は、ブラケット接触解除動作を実行する(ステップS708)。なお、ステップS708のブラケット接触解除動作は、上述した図5及び図6に示す動作と同様であるため、その説明は省略する。
【0057】
ステップ708の解除動作が完了すると、制御部18は、アンカーボルト5が下穴81に挿入されたか否かを判断する(ステップS709)。ステップS709の処理において、アンカーボルト5が下穴81に挿入されていないと判断した場合(ステップS709のNo判定)、制御部18は、下穴探索動作を実行する(ステップS710)。なお、下穴探索動作の詳細については、後述する。そして、ステップS710の処理により、下穴81の探索が完了すると、ステップS711の処理に移行する。
【0058】
また、ステップS709の処理において、アンカーボルト5が下穴81に挿入されたと判断した場合(ステップS709のYes判定)、制御部18は、締付工具3を制御し、アンカーボルト5の打設作業を実行する(ステップS711)。
【0059】
次に、制御部18は、アンカーボルト5の打設が所定の深さまで到達したか否かを判断する(ステップS712)。ステップS712の処理において、アンカーボルト5が所定の深さまで到達していないと判断した場合(ステップS712のNo判定)、ステップS711の処理、すなわちアンカーボルト5の打設作業を継続させる。
【0060】
また、アンカーボルト5が所定の深さまで到達したと判断した場合(ステップS712のYes判定)、アンカーボルト5のナットを締め付けるために、締付工具3のソケットを回転させる(ステップS713)。そして、制御部18は、締付工具3の締付トルクが所定値に到達したか否かを判断する(ステップS714)。ステップS714の処理において、所定値に未到達の場合(ステップS714のNo判定)、ステップS713の締付け作業を継続させる。
【0061】
また、ステップS714の処理において所定値に到達したと判断した場合(ステップS714のYes判定)、締付け作業を終了し、制御部18は、ロボットアーム1を初期位置に戻し(ステップS715)、アンカーボルト5の打設及びナットの締め付け作業を終了する。これにより、ブラケット7を固定対象物である壁6の適切な位置に固定することができる。
【0062】
また、本例のブラケット固定システム100によれば、ブラケット7のブラケット穴17を基準に下穴81を穿孔し、アンカーボルト5を打設している。そのため、ガイドレールが変形した場合や、下穴81を穿孔する位置に鉄筋や段差が見つかった場合でも、ブラケット7を固定する位置を適切に変更することができる。そして、ブラケット7を固定する位置が変更しても、適切な位置に下穴81を穿孔し、アンカーボルト5を打設することができる。このように、本例のブラケット固定システム100によれば、ブラケット7の固定位置の変更の自由度を高めることができる。
【0063】
[下穴探索動作]
次に、ステップS710に示す下穴探索動作の一例について図8及び図9を参照して説明する。
図8は、下穴探索動作の一例を示す説明図、図9は、下穴探索動作を示すフローチャートである。
【0064】
ここで、昇降路1201の壁6は、一般的にコンクリートで形成されている。そして、コンクリートの摩擦係数は、ブラケット7の摩擦係数よりも大きいため、アンカーボルト5を壁6の面上で滑らすことが困難である。そのため、下穴81を探索する際は、図5及び図6に示すようにアンカーボルト5をらせん状に移動させる方法を適用することが困難である。そのため、下穴81の探索には図8及び図9に示す方法が用いられる。
【0065】
まず、図9に示すように、制御部18は、ロボットアーム1を制御し、アンカーボルト5を壁6に向けて移動させる(ステップS901)。次に、接触検出部8からの情報にもとづいて、制御部18は、アンカーボルト5が接触したか否かを判断する(ステップS902)。
【0066】
ステップS902の処理において、接触を検出しない場合(ステップS902のNo判定)、制御部18は、所定の移動量に到達したか否かを判断する(ステップS903)。ステップS903の処理において、所定の移動量に到達していないと判断した場合(ステップS903のNo判定)、ステップS901の処理に戻り、アンカーボルト5の移動を継続させる。また、ステップS903の処理において、所定の移動量に到達したと判断した場合(ステップS903のYes判定)、制御部18は、アンカーボルト5が下穴81に挿入されたと判断し、下穴の探索処理を終了する。
【0067】
また、ステップS902の処理において、アンカーボルト5が接触したと判断した場合(ステップS902のYes判定)、アンカーボルト5が下穴81に挿入されていないことを意味する。その場合、制御部18は、接触検出部8が検出したアンカーボルト5にかかるモーメント82により穴探索方向83を推定する(ステップS904)。次に、制御部18は、ロボットアーム1を制御し、アンカーボルト5が壁6と接触しなくなる位置まで後退させる(ステップS905)。
【0068】
次に、制御部18は、ロボットアーム1を制御し、アンカーボルト5をステップS904で推定した穴探索方向83に向けて所定のステップ値で移動させる(ステップS906)。これにより、図8に示すように、アンカーボルト5は、初期先端位置84から新しい穴探索位置85に移動する。次に、ステップS901の処理に戻り、アンカーボルト5を再度壁6に向かって移動させる。そして、ステップS901からステップS906の処理を繰り返すことで、下穴81にアンカーボルト5を挿入することができる。これにより、下穴探索動作が終了する。
【0069】
1-3.接触判定部の変形例
次に、図10及び図11を参照して接触判定部の変形例について説明する。
図10は、接触判定部の変形例を示す図、図11は、接触判定部の変形例を示す回路図である。
【0070】
図10に示すように、ロボットアーム1の先端部には、接触判定部9Aが設けられている。また、ロボットアーム1の先端部には、穴あけ工具2が装着される。穴あけ工具2は、金属製のドリルビット102を有している、ドリルビット102と接触判定部9Aは、2つの電極101により接続されている。そして、接触判定部9Aは、2つの電極101によりドリルビット102のインピーダンスを測定する。
【0071】
ここで、ブラケット7も金属製であるため、ドリルビット102がブラケット7に接触すると、ドリルビット102のインピーダンスには、ブラケット7のインピーダンスが加算される。そのため、接触判定部9Aは、このインピーダンスの変化によりドリルビット102がブラケット7に接触したことを推定(判定)することができる。
【0072】
図11に示すように、接触判定部9Aは、電源111と、抵抗112と、電圧測定部113(例えば、マイクロコントローラ)により構成されている。そして、接触判定部9Aは、電圧測定部113で抵抗112を通してかかる電圧の差を測定する。これにより、接触判定部9Aは、ドリルビット102のブラケット7への接触状態を推定することができる。
【0073】
なお、図10及び図11に示す例では、穴あけ工具2のドリルビット102がブラケット7に接触したか否かを検出する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、締付工具3に把持されたアンカーボルト5がブラケット7に接触したか否かを、上述した接触判定部9Aで判定してもよい。なお、この場合、電極101は、アンカーボルト5に接続される。
【0074】
上述したような接触判定部9Aを用いることで、穴あけ工具2やアンカーボルト5におけるブラケット7との接触判定をより正確に行うことができる。
【0075】
2.第2の実施の形態例
次に、図12から図14を参照して第2の実施の形態例にかかるブラケット固定システムについて説明する。
図12及び図13は、第2の実施の形態例にかかるブラケット固定システムを示す概略構成図、図14は、第2の実施の形態例にかかるブラケット固定システムの動作例を示すフローチャートである。
【0076】
この第2の実施の形態例にかかるブラケット固定システム100Bが、第1の実施の形態例にかかるブラケット固定システム100と異なる点は、作業床の構成である。そのため、ここでは作業床について説明し、第1の実施の形態例にかかるブラケット固定システム100と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0077】
図12及び図13に示すように、ブラケット固定システム100Bは、ロボットアーム1と、穴あけ工具2と、締付工具3と、ツールスタンド4と、接触検出部8と、接触判定部9と、距離測定部10と、カメラ11と、を有している。また、ブラケット固定システム100Bは、ブラケット把持部12と、ブラケット把持装置13と、ブラケットスタンド14と、アンカーボルトスタンド15と、作業床121と、制御部18と、を有している。さらに、ブラケット固定システム100Bは、揚重機123と、複数の伸縮機構124とを有している。
【0078】
作業床121は、昇降路1201内に設置されている。また、揚重機123は、昇降路1201の頂部に設置されている。そして、作業床121は、ロープ122を介して揚重機123に昇降路1201内に吊り下げられている。揚重機123を駆動することで、作業床121は、昇降路1201内を昇降移動する。
【0079】
図13に示すように、作業床121の四隅には、伸縮機構124が設置されている。伸縮機構124は、例えば、リニアアクチュエータにより構成され、伸縮可能に形成されている。そして、伸縮機構124が伸びることで、昇降路1201の壁6に接触する。すなわち、伸縮機構124が壁6に突っ張ることで、作業床121は、昇降路1201内の所定の位置で固定される。その結果、ロボットアーム1やブラケット把持装置13が作業する際に、作業床121が振動したり、変位したりすることを防止できる。
【0080】
次に、図14を参照して上述した構成を有するブラケット固定システム100Bの動作例について説明する。
図14に示すように、まず制御部18は、揚重機123を駆動し、作業床121を所定の高さまで上昇させる(ステップS1401)。次に、伸縮機構124を伸ばし、壁6に接触させて、作業床121を所定の高さで固定する(ステップS1402)。
【0081】
そして、ロボットアーム1やブラケット把持装置13を駆動し、壁6に対して所定の位置にブラケット7を固定する作業を実施する(ステップS1403)。なお、ステップS1403におけるブラケット7の固定作業は、第1の実施の形態例にかかるブラケット固定システム100による固定作業と同様であるため、その説明は省略する。
【0082】
所定の高さでのブラケット7の固定作業が終了すると、制御部18は、伸縮機構124を縮ませ、壁6と作業床121との固定を解除する(ステップS1404)。次に、制御部18は、全ての階でのブラケット7の固定作業が完了したか否かを判断する(ステップS1405)。ステップS1405の処理において、ブラケット7の固定作業が完了していない階があると判断した場合(ステップS1405のNo判定)、ステップS1401の処理に戻り、作業床121の次の高さまで移動させる。
【0083】
また、ステップS1405の処理において、全ての階でのブラケット7の固定作業が完了したと判断した場合(ステップS1405のYes判定)、ブラケット固定システム100Bの動作が完了する。
【0084】
その他の構成は、第1の実施の形態例にかかるブラケット固定システム100と同様であるため、それらの説明は省略する、このような構成を有する第2の実施の形態例にかかるブラケット固定システム100Bにおいても、上述した第1の実施の形態例にかかるブラケット固定システム100と同様の作用効果を得ることができる。
【0085】
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0086】
また、上述した実施の形態例では、作業装置及びブラケット把持装置13として、多関節ロボットを適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、リニアアクチュエータ等その他各種の装置を適用してもよい。
【0087】
また、上述した実施の形態例では、エレベーターのガイドレールを固定するレールブラケットを固定する例を説明したが、これに限定されるものではない。本例のブラケット固定システム及びブラケット固定方法は、例えば、ドアハンガーや、ドアハンガーを固定するハンガーブラケット等その他各種のブラケットの固定に適用できるものである。
【0088】
さらに、ブラケット固定システム及びブラケット固定方法としては、エレベーターに限定されるものではなく、例えば、原子炉内等の人が入り込めない場所でブラケットを固定する作業等その他各種の作業に適用できるものである。
【符号の説明】
【0089】
1…ロボットアーム(作業装置)、 2…穴あけ工具、 3…締付工具、 4…ツールスタンド、 5…アンカーボルト(固定治具)、 6…壁(固定対象物)、 7…ブラケット、 8…接触検出部、 9、9A…接触判定部、 10…距離測定部、 11…カメラ(ブラケット穴検出部)、 12…ブラケット把持部、 13…ブラケット把持装置、 14…ブラケットスタンド、 15…アンカーボルトスタンド、 16、121…作業床、 17…ブラケット穴、 81…下穴、 100、100B…ブラケット固定システム、 123…揚重機、 124…伸縮機構、 1201 昇降路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14