(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075987
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20240529BHJP
H05K 5/06 20060101ALI20240529BHJP
G03B 17/08 20210101ALI20240529BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240529BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20240529BHJP
【FI】
H05K5/02 L
H05K5/06 E
G03B17/08
G03B15/00 V
H04N23/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187302
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 光一
(72)【発明者】
【氏名】小野 文昭
【テーマコード(参考)】
2H101
4E360
5C122
【Fターム(参考)】
2H101CC52
4E360AB08
4E360AB34
4E360BA08
4E360BB22
4E360BD02
4E360BD03
4E360BD05
4E360BD07
4E360CA02
4E360EA03
4E360EA11
4E360EA24
4E360EA29
4E360EB02
4E360EB03
4E360FA02
4E360FA20
4E360GA12
4E360GA25
4E360GA29
4E360GB06
4E360GB99
5C122DA14
5C122EA02
5C122FJ01
5C122GE01
5C122GE05
5C122GE11
(57)【要約】
【課題】防水シートの損傷を抑えて、防水性を高めること。
【解決手段】電子機器1は、マイクロフォン21と基板23とを含む電子部品と、電子部品を収容する筐体10と、筐体10に形成され、マイクロフォン21に接続された貫通孔31と、貫通孔31に接続された第1溝部32と、一方の端部が第1溝部32に接続された第2溝部33と、筐体10の壁部11と隣り合う壁部13に形成され、第1溝部32に接続された第3溝部34と、貫通孔31の中間部に配置された防水シート22と、を備え、第1溝部32は、貫通孔31から離れるにつれて断面積が広がるように傾斜した斜面32Bを有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロフォンと基板とを含む電子部品と、
前記電子部品を収容する筐体と、
前記筐体の第1壁部に形成され、前記マイクロフォンに接続された貫通孔と、
前記貫通孔に接続された第1溝部と、
一方の端部が前記第1溝部に接続された第2溝部と、
前記筐体の前記第1壁部と隣り合う第2壁部に形成され、前記第1溝部に接続された第3溝部と、
前記貫通孔の中間部に配置された防水シートと、
を備え、
前記第1溝部は、前記貫通孔から離れるにつれて断面積が広がるように傾斜した斜面を有する、
電子機器。
【請求項2】
前記第2溝部は、他方の端部が、前記第2壁部と向かい合って配置された第3壁部に到達している、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記貫通孔の先端部の周囲に配置され、前記第1溝部側に突出した突出部、
を備える、請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第3溝部における前記第1溝部との接続部分と、前記貫通孔との間には、前記突出部が位置する、
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記貫通孔の径は、前記第1溝部の断面において最も狭まっている部分より狭い、
請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、二輪車などに搭載される、マイクロフォンなどが収容されたドライブレコーダのような電子機器が知られている。主に二輪車用のドライブレコーダ本体やこれに用いるカメラ等、屋外で使用する防水機能付録画機器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の技術は、防水措置を施したケース部に通気孔を形成し、この通気孔を通気性と防水性とを兼ね備えた通気防水膜にて閉塞する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
二輪車などに搭載される電子機器は、二輪車への設置の都合、屋外に曝露される環境で使用されるため高い防水性が求められるので、防水性を確認する試験が行われる。特許文献1に記載の技術では、例えば、通気孔側から水噴射が吹き付けられたような場合、通気防水膜が損傷するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑み、防水シートの損傷を抑えて、防水性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、マイクロフォンと基板とを含む電子部品と、前記電子部品を収容する筐体と、前記筐体の第1壁部に形成され、前記マイクロフォンに接続された貫通孔と、前記貫通孔に接続された第1溝部と、一方の端部が前記第1溝部に接続された第2溝部と、前記筐体の前記第1壁部と隣り合う第2壁部に形成され、前記第1溝部に接続された第3溝部と、前記貫通孔の中間部に配置された防水シートと、を備え、前記第1溝部は、前記貫通孔から離れるにつれて断面積が広がるように傾斜した斜面を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、防水シートの損傷を抑えて、防水性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係る電子機器の斜視図である。
【
図2】
図2は、第一実施形態に係る電子機器の断面図である。
【
図3】
図3は、
図2の部分拡大図であり、水噴射を吹き付けた状態を示す図である。
【
図4】
図4は、
図2の部分拡大図であり、底面を取付面とした状態を示す図である。
【
図5】
図5は、
図2の部分拡大図であり、側面を取付面とした状態を示す図である。
【
図6】
図6は、従来の電子機器の一例の部分拡大図である。
【
図7】
図7は、従来の電子機器の他の例の部分拡大図である。
【
図8】
図8は、従来の電子機器の他の例の部分拡大図であり、底面を取付面とした状態を示す図である。
【
図9】
図9は、従来の電子機器の一例の部分拡大図であり、側面を取付面とした状態を示す図である。
【
図10】
図10は、従来の電子機器の他の例の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る電子機器1の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
[第一実施形態]
<電子機器>
図1は、第一実施形態に係る電子機器の斜視図である。
図2は、第一実施形態に係る電子機器を後述する壁部12からみて排水構造30に沿って分断した時の断面図である。図において、水の流れを実線の矢印で示している。電子機器1は、例えば、二輪車などに取付られる、カメラと、マイクロフォンを収容した筐体とが別体として形成された二輪車用ドライブレコーダなどに適用される。本実施形態では、一例として、電子機器1が二輪車用ドライブレコーダのマイクロフォンを含む機器であるものとして説明する。以下の説明では、二輪車用ドライブレコーダのカメラについての説明は省略する。電子機器1は、筐体10と、筐体10の内部に収容されたマイクロフォン21と、防水シート22と、基板23と、筐体10に形成された排水構造30とを備える。
【0011】
マイクロフォン21は、外部の音声を収音する。マイクロフォン21は、筐体10の内部に収容されている。マイクロフォン21は、筐体10に配置された貫通孔31に面して配置されている。マイクロフォン21によって収音された音声は、基板23上の回路によって処理される。
【0012】
防水シート22は、マイクロフォン21側へ水が侵入することを抑えるシートである。防水シート22は、防水性および通気性を有する材料で構成されている。防水シート22は、貫通孔31の軸方向の中間部に配置されている。
【0013】
基板23は、電子機器1を制御する。基板23は、筐体10の内部に収容されている。基板23は、マイクロフォン21が収音した音声を処理する回路などが実装されている。基板23は、マイクロフォン21より筐体10の内側に配置されている。
【0014】
<筐体>
筐体10は、直方体状の箱状に形成されている。筐体10の内部には、マイクロフォン21と基板23とを含む電子部品を収容している。本実施形態では、筐体10の内部には、マイクロフォン21と、防水シート22と、基板23とが少なくとも配置されている。筐体10は、壁部(第1壁部)11と、壁部12と、壁部(第2壁部)13と、壁部14と、壁部(第3壁部)15と、壁部16とを備える。筐体10は、壁部11と、壁部12と、壁部13と、壁部14と、壁部15と、壁部16とによって外形が規定される。壁部11は、筐体10の底壁部である。壁部11の表面11Aは、電子機器1の取付面である。壁部12は、壁部11と向かい合って配置されている。壁部12は、筐体10の蓋部である。壁部13と、壁部14と、壁部15と、壁部16とは、筐体10の側壁部である。壁部13と、壁部14と、壁部15と、壁部16とは、筐体10から立設されている。壁部15は、壁部13と向かい合って配置されている。壁部16は、壁部14と向かい合って配置されている。本実施形態では、壁部11と壁部13と壁部14と壁部15と壁部16とは、一体として形成されている。
【0015】
突出部17は、貫通孔31の先端部の周囲に位置し、第1溝部32側に突出した部分である。突出部17は、第1溝部32のZ軸方向の最もマイクロフォン21に近い最奥部よりも手前に位置する。突出部17は、壁部11および壁部13と一体に形成されている。
【0016】
<排水構造>
排水構造30は、筐体10に形成されている。排水構造30は、排水構造30は、貫通孔31と、第1溝部32と、第2溝部33と、第3溝部34とを備える。貫通孔31と第2溝部33とは、壁部11に形成されている。第3溝部34は、壁部13に形成されている。
【0017】
貫通孔31は、マイクロフォン21まで貫通している貫通孔である。貫通孔31は、筐体10に形成され、マイクロフォン21に接続されている。貫通孔31は、壁部11に形成されている。貫通孔31は、第1溝部32と接続されている。貫通孔31の径は、第1溝部32の断面において最も狭まっている部分より狭い。
【0018】
第1溝部32は、壁部11に形成されている。第1溝部32は、Z軸方向においてマイクロフォン21側の端部が貫通孔31と接続されている。第1溝部32は、ホーン型に形成されている。第1溝部32は、X軸方向視において、Z軸方向に沿って、言い換えると、貫通孔31に向かって断面積が縮小する。第1溝部32は、X軸方向視において、貫通孔31から離れるにつれて断面積が広がるように傾斜した斜面32Bを有する。第1溝部32は、壁部11の表面11Aに露出している。
【0019】
第1溝部32の壁部13側の端部32Aは、壁部11の表面11Aを取付面として筐体10を、例えば、二輪車の車体などの被取付物Wに取り付けた際に、外部に露出する。第1溝部32の端部32Aは、壁部11の表面11Aを取付面として筐体10を被取付物Wに取り付けた際に、外部の音声を収音可能である。
【0020】
X軸方向視の断面図において、第1溝部32のY軸方向における壁部15側の面を斜面32Bとする。第1溝部32の斜面32Bは、貫通孔31から離れるにつれて、壁部13側から壁部15側へ向かうように傾斜している。
【0021】
第2溝部33は、壁部11に形成されている。第2溝部33は、第1溝部32と接続されている。第2溝部33は、Y軸方向に沿って形成されている。第2溝部33のY軸方向の一方の端部33Aは、第1溝部32に接続されている。第2溝部33は、壁部11のY軸方向の他方の端部まで形成されている。第2溝部33は、壁部13と向かい合って配置された壁部15まで形成されている。第2溝部33のZ軸方向の深さは、第1溝部32より浅い。
【0022】
第2溝部33のY軸方向の他方の端部33Bは、壁部11の表面11Aを取付面として筐体10を被取付物Wに取り付けた際に、外部に露出する。第2溝部33の端部33Bは、壁部11の表面11Aを取付面として筐体10を被取付物Wに取り付けた際に、排水構造30に侵入した水を外部に排水可能である。
【0023】
第3溝部34は、筐体10の壁部11と隣り合う壁部13に形成されている。第3溝部34は、第1溝部32と接続されている。第3溝部34における第1溝部32との接続部分と、貫通孔31との間には、突出部17が位置する。第3溝部34は、壁部11の表面11Aを取付面として筐体10を被取付物Wに取り付けた際に、外部に露出する。
【0024】
第3溝部34は、X軸方向視において、貫通孔31に近づくにつれて、上方から下方に向かい、断面積が狭くなるように傾斜した傾斜面を有する。
【0025】
<排水構造の作用>
次に、このように構成された電子機器1の排水構造30の作用について説明する。
【0026】
電子機器1は、二輪車などに搭載されるので、防水性を確認する試験が行われる。
図3を用いて、電子機器1の防水性の試験において、電子機器1に対して水噴射を行った場合について説明する。
図3は、
図2の部分拡大図であり、水噴射を吹き付けた状態を示す図である。
図3では、下方に向けた壁部11を取付面として筐体10を被取付物Wに取り付けた状態で、太い矢印で示すように、側面13側から筐体10に水噴射を吹き付ける。
図3に示すように、水噴射は、貫通孔31に直接あたることがない。第3溝部34から排水構造30に侵入した水は、第1溝部32に侵入する。第3溝部34が傾斜面を有しているので、第1溝部32に誘導されやすい。第3溝部34から排水構造30に侵入した水の一部は、突出部17に当たって下方に流れて第1溝部32に侵入する。第1溝部32に侵入して下方に流れた水は、水流により第2溝部33を伝って矢印方向に流れて端部33B、または、第1溝部32の端部32Aから外部に排水される。排水構造30に侵入した水は外部に排水されるので、防水シート22が損傷するおそれが低減される。貫通孔31の径は、第1溝部32の径より小さいので、第3溝部34から排水構造30に侵入した水は、貫通孔31に侵入しにくい。
【0027】
これに対して、
図6、
図7を用いて、従来の電子機器に対して水噴射を行った場合について説明する。
図6は、従来の電子機器の一例の部分拡大図である。
図6では、マイクロフォン21に対して、収音用の貫通孔134がY軸方向に沿ってまっすぐに形成されている。貫通孔134は、筐体110の壁部113に形成されている。下方に向けた筐体110の壁部111を取付面として筐体110を被取付物Wに取り付けた状態で、太い矢印で示すように、側面113側から筐体110に水噴射を吹き付ける。第3溝134から侵入した水は、そのまままっすぐ防水シート22に当たる。このため、水噴射の勢いが強い場合、または、水による圧力が高まった場合、防水シート22が損傷するおそれがある。
【0028】
図7は、従来の電子機器の他の例の部分拡大図である。
図7では、マイクロフォン21に対して、収音用の貫通孔131および貫通孔134がL字形状に形成されている。貫通孔131と貫通孔134とは、接続されている。貫通孔131は、マイクロフォン21に対して、Z軸方向に沿ってまっすぐに形成されている。貫通孔131の径は、貫通孔134の径より大きい。貫通孔134は、筐体110の壁部113にY軸方向に沿ってまっすぐ形成されている。下方に向けた筐体110の壁部111を取付面として筐体110を被取付物Wに取り付けた状態で、太い矢印で示すように、側面113側から筐体110に水噴射を吹き付ける。第3溝134から侵入した水は、水流により貫通孔131に侵入して防水シート22に当たる。このため、水噴射の勢いが強い場合、または、水による圧力が高まった場合、防水シート22が損傷するおそれがある。
【0029】
図6、
図7に示すような、従来の電子機器においては、防水シート22に対して、直接、水噴射が当たらないように対策を講じる必要がある。このような対策を講じた場合、マイクロフォン21に通じる収音のための孔および溝の構造が複雑化して、コストが増大する可能性がある。
【0030】
図4を用いて、電子機器1の排水構造30について説明する。
図4は、
図2の部分拡大図である。電子機器1は、二輪車などの形態によっては、
図4に示す向きで取り付けられて使用されることがある。
図4は、側方に向けた壁部11を取付面として筐体10を被取付物Wに取り付けた状態である。
図4では、壁部11は、上下方向に沿って配置している。
図4では、壁部13が上方を向いて、壁部15が下方を向いて配置されている。雨水などの水は、第3溝部34、および、第1溝部32の壁部13側の端部32Aから排水構造30に侵入して、第1溝部32に侵入する。第3溝部34から侵入した水は、第3溝部34の傾斜面に沿って下方に滴下して、第1溝部32に侵入する。第3溝部34から第1溝部32へ滴下する水は、突出部17に当たって下方に滴下して、第1溝部32に侵入する。第1溝部32に侵入した水は、下方に滴下して第2溝部33を伝って矢印方向に流れて端部33Bから外部に排水される。貫通孔31は、排水構造30に侵入した水の経路と異なる方向に延びており、貫通孔31に侵入しにくい。
【0031】
これに対して、
図8を用いて、従来の電子機器の溝構造130について説明する。
図8は、従来の電子機器の一例の部分拡大図であり、底面を取付面とした状態を示す図である。従来の電子機器は、二輪車などの形態によっては、
図8に示す向きで取り付けられて使用されることがある。
図8は、側方に向けた壁部111を取付面として筐体110を被取付物Wに取り付けた状態である。
図8では、壁部111は、上下方向に沿って配置している。
図8では、壁部113が上方を向いて、図示しない壁部115が下方を向いて配置されている。第3溝134は、上方を向いて開口している。雨水などの水は、第3溝134から溝構造130に侵入して、貫通孔131に侵入する。溝構造130に侵入した水は、排水されず内部に留まる。
【0032】
図5を用いて、電子機器1の収音について説明する。
図5は、
図2の部分拡大図であり、側面を取付面とした状態を示す図である。
図5では、側方に向けた壁部13を取付面として筐体10を被取付物Wに取り付けた状態である。
図5では、壁部13は、上下方向に沿って配置している。
図5では、図示しない壁部12が上方を向いて、壁部11が下方を向いて配置されている。この場合、第3溝部34は、被取付物Wによって塞がれている。
図5に示す例では、第1溝部32および第2溝部33から音声を収音可能である。
【0033】
これに対して、
図9、
図10を用いて、従来の電子機器1の収音について説明する。
図9は、従来の電子機器の他の例の部分拡大図であり、側面を取付面とした状態を示す図である。
図9は、
図6と同様に構成されている。
図9では、側方に向けた壁部113を取付面として筐体110を被取付物Wに取り付けた状態である。この場合、第3溝134は、被取付物Wによって塞がれているので、収音しにくくなる。このように、従来の電子機器は、取り付け向きに制約があった。
【0034】
図10は、従来の電子機器の他の例の部分拡大図である。従来の電子機器では、貫通孔131が露出する筐体110の面が被取付物Wによって塞がれないように、被取付物Wと筐体110との間にスペーサSを配置する必要がある。このように、従来の電子機器は、取り付けに制約があった。
【0035】
<効果>
上述したように、本実施形態は、壁部13に形成された第3溝部34が傾斜面を有しているので、第3溝部34から侵入した水を、第1溝部32に誘導することができる。本実施形態では、第3溝部34から排水構造30に侵入した水の一部は、突出部17に当たって下方に流れて第1溝部32に侵入するよう誘導することができる。本実施形態では、第1溝部32に侵入して下方に流れた水は、水流により第2溝部33を伝って矢印方向に流れて端部33B、または、第1溝部32の端部32Aから外部に排水することができる。本実施形態では、排水構造30に侵入した水は外部に排水されるので、防水シート22が損傷するおそれを低減することができる。このように、本実施形態によれば、
図3に示すように、下方に向けた壁部11を取付面として筐体10を被取付物Wに取り付けて、側面13側から筐体10に水噴射を吹き付ける防水性の試験において、防水シート22が損傷することを抑えることができる。本実施形態によれば、防水シートの損傷を抑えて、防水性を高めることができる。
【0036】
本実施形態では、第1溝部32に侵入した水は、第2溝部33の端部33B、または、第1溝部32の端部32Aから外部に排水することができる。本実施形態は、排水構造30における水圧の上昇を抑えることができる。本実施形態によれば、排水構造30に水が留まらないので、筐体10の取り付け面の向きを制限しないようにすることができる。
【0037】
本実施形態では、貫通孔31の先端部の周囲に突出部17が設けられている。本実施形態によれば、第3溝部34から排水構造30に侵入した水を、突出部17に当たって下方に滴下させることができる。本実施形態によれば、第3溝部34から排水構造30に侵入した水が、貫通孔31に侵入することを抑えることができる。本実施形態によれば、電子機器1の防水性を高めることができる。
【0038】
本実施形態では、貫通孔31の径は、第1溝部32の径より小さい。本実施形態によれば、第3溝部34から排水構造30に侵入した水が、貫通孔31に侵入することを抑えることができる。
【0039】
本実施形態では、
図4に示すように、側方に向けた壁部11を取付面として筐体10を被取付物Wに取り付けた場合、貫通孔31は、排水構造30に侵入した水の経路と異なる方向に延びている。本実施形態によれば、排水構造30に侵入した水が貫通孔31に侵入することを抑えることができる。本実施形態によれば、壁部11を上下方向に沿って配置させた状態で取り付けた場合でも、水が防水シート22へ到達することを抑えることができる。
【0040】
本実施形態では、
図5に示すように、側方に向けた壁部13を取付面として筐体10を被取付物Wに取り付けた場合、第3溝部34が被取付物Wによって塞がれていても、第1溝部32および第2溝部33から音声を収音することができる。本実施形態によれば、筐体10の取り付け面の向き、および、被取付物Wからの距離によらず、適切に収音することができる。本実施形態によれば、スペーサを配置せずに、適切に収音することができる。
【0041】
本実施形態では、壁部11に形成された第1溝部32と第2溝部33と、壁部13に形成された第3溝部34とを備える。本実施形態によれば、たとえ第1溝部32と第2溝部33とに水がたまった場合でも、第3溝部34から収音することができる。本実施形態によれば、たとえ第3溝部34に水がたまった場合でも、第1溝部32と第2溝部33とから収音することができる。
【0042】
さて、これまで本発明に係る電子機器1について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【符号の説明】
【0043】
1 電子機器
10 筐体
11 壁部(第1壁部)
12 壁部
13 壁部(第2壁部)
14 壁部
15 壁部(第3壁部)
16 壁部
21 マイクロフォン
22 防水シート
23 基板
31 貫通孔
32 第1溝部
32B 斜面
33 第2溝部
34 第3溝部
W 被取付物