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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076027
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】物品収納棚
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/14 20060101AFI20240529BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
B65G1/14 B
H01L21/68 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187368
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】吉本 忠浩
【テーマコード(参考)】
3F022
5F131
【Fターム(参考)】
3F022AA08
3F022EE05
3F022FF01
3F022JJ09
3F022KK02
5F131AA02
5F131CA07
5F131CA37
5F131DA05
5F131DA37
5F131DB02
5F131DB54
5F131DB62
5F131DB72
5F131DB76
5F131FA02
5F131FA14
5F131FA22
5F131FA23
5F131GA14
5F131GA76
5F131GB02
5F131GB13
5F131GB22
5F131GB27
5F131JA05
5F131JA16
5F131JA28
5F131JA32
(57)【要約】
【課題】棚体の支持板部に切欠き部が形成されている場合であっても、比較的簡素な構成で、物品に対する支持の安定性を確保し易い物品収納棚の実現が望まれる。
【解決手段】棚枠2と、収納対象の物品Wを支持する棚体3と、移載装置4と、を備えた物品収納棚であって、移載装置4は、物品Wを支持する支持部41と、駆動機構42と、を備え、棚体3は、棚枠2に取り付けられる取付部31と、取付部31から第1方向第1側X1に突出するように配置される支持板部32と、を備え、支持板部32には、上下方向に貫通すると共に第1方向第1側X1に開放された切欠き部33と、切欠き部33に対して第1方向第2側X2に配置されて上下方向に貫通する貫通開口部34と、が形成され、貫通開口部34は、第3支持ピンP3と取付部31との第1方向Xの間に配置されていると共に、第2方向Yの寸法T2が第1方向Xの寸法T1よりも大きく形成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚枠と、前記棚枠に対して片持ち状態で取り付けられて収納対象の物品を支持する棚体と、前記棚体に支持された前記物品の移載を行う移載装置と、を備えた物品収納棚であって、
水平面に沿う特定の方向を第1方向とし、前記第1方向の一方側を第1方向第1側とし、前記第1方向の他方側を第1方向第2側とし、水平面に沿うと共に前記第1方向に直交する方向を第2方向として、
前記移載装置は、前記物品を支持する支持部と、前記支持部を前記第1方向に出退させると共に上下方向に昇降させる駆動機構と、を備え、
前記棚体は、前記棚枠に取り付けられる取付部と、前記取付部から前記第1方向第1側に突出するように配置されると共に水平面に沿う板状に形成された支持板部と、前記支持板部から上側に突出するように前記支持板部に固定され、前記物品を下方から支持する3つの支持ピンである第1支持ピン、第2支持ピン、及び第3支持ピンと、を備え、
前記支持板部には、前記移載装置の前記支持部が上下方向に通過できるように、上下方向に貫通すると共に前記第1方向第1側に開放された切欠き部と、前記切欠き部に対して前記第1方向第2側に配置されて上下方向に貫通する貫通開口部と、が形成され、
前記第1支持ピンと前記第2支持ピンとは、前記切欠き部に対して前記第2方向の両側に分かれて配置され、
前記第3支持ピンは、前記切欠き部と前記貫通開口部との前記第1方向の間に配置され、
前記貫通開口部は、前記第3支持ピンと前記取付部との前記第1方向の間に配置されていると共に、前記第2方向の寸法が前記第1方向の寸法よりも大きく形成されている、物品収納棚。
【請求項2】
前記切欠き部の前記第1方向の寸法は、前記支持板部の前記第1方向の寸法の半分以上であり、
前記切欠き部の前記第2方向の寸法は、前記支持板部の前記第2方向の寸法の半分以上であり、
前記貫通開口部の前記第2方向の寸法は、前記支持板部の前記第2方向の寸法の半分以上である、請求項1に記載の物品収納棚。
【請求項3】
前記棚枠は、上側を向く上面と、前記第1方向第1側を向く基準面と、を備え、
前記取付部は、前記上面に当接する第1当接部と、前記基準面に当接する第2当接部と、を備え、
前記第1当接部が、前記上面に対して第1締結部材により締結固定され、
前記第2当接部が、前記基準面に対して第2締結部材により締結固定されている、請求項1又は2に記載の物品収納棚。
【請求項4】
前記第2締結部材は、前記第2当接部における上下方向の中央位置よりも上側に配置されている、請求項3に記載の物品収納棚。
【請求項5】
前記棚体は、前記支持板部の前記第2方向の両側縁のそれぞれから下方に屈曲されて形成された支持枠部を更に備え、
前記支持枠部は、前記第1支持ピン及び前記第2支持ピンが配置された前記第1方向の位置から前記取付部までの範囲にわたって形成されている、請求項1又は2に記載の物品収納棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚枠と、前記棚枠に対して片持ち状態で取り付けられて収納対象の物品を支持する棚体と、前記棚体に支持された前記物品の移載を行う移載装置と、を備えた物品収納棚に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2017-121987号公報(特許文献1)には、物品収納棚に関する技術が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1の物品収納棚は、棚枠と、物品(半導体容器B)を支持する複数の棚体(S)と、物品を棚体との間で移載する移載装置(スタッカークレーンC)と、を備えている。複数の棚体(S)のそれぞれは、棚枠に片持ち状態で取り付けられている。棚体(S)は、水平面に沿う支持板部(50)を備えており、支持板部(50)には、上下方向に貫通すると共に、突出方向に向かって開口する切欠き部(50Y)が形成されている。そして、この切欠き部(50Y)は、移載装置の支持部(移動支持体24)が上下方向に通過できるように形成されている。また、支持板部(50)の上面には、物品を下側から支持すると共に、物品の位置決めを行う3つの支持ピン(位置決めピンP)が設けられている。3つの支持ピンのうちの2つの支持ピン(位置決めピンP2)は、切欠き部(50Y)を挟むように棚左右方向に離間して設けられている。残り1つの支持ピン(位置決めピンP1)は、切欠き部(50Y)に対して棚枠側に隣接するように設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-121987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような物品収納棚では、棚体の支持板部の広範囲に切欠き部が形成されている場合がある。そのような棚体では、支持板部の切欠き部が形成された部分の剛性が、切欠き部に対して棚枠側の部分の剛性よりも低いことが多い。そのため、物品を支持している状態で、支持板部における切欠き部が形成された部分が、切欠き部に対して棚枠側の部分に対して大きく撓み易い。そして、支持板部に大きな撓みが生じると、3つの支持ピンの間の支持板部の平面度が低下し、物品に対する支持の安定性が十分に確保できなくなるという問題が生じ得る。そこで、支持板部における3つの支持ピンの間の部分に、補強部材を取り付ける等の補強を行い、支持板部の剛性を高めることで撓みを低減させることが考えられるが、支持板部の大型化や重量増加が生じ、延いては、棚体の大型化や高コスト化という問題が生じ得る。
【0006】
そこで、棚体の支持板部に切欠き部が形成されている場合であっても、比較的簡素な構成で、物品に対する支持の安定性を確保し易い物品収納棚の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る物品収納棚は、棚枠と、前記棚枠に対して片持ち状態で取り付けられて収納対象の物品を支持する棚体と、前記棚体に支持された前記物品の移載を行う移載装置と、を備えた物品収納棚であって、
水平面に沿う特定の方向を第1方向とし、前記第1方向の一方側を第1方向第1側とし、前記第1方向の他方側を第1方向第2側とし、水平面に沿うと共に前記第1方向に直交する方向を第2方向として、
前記移載装置は、前記物品を支持する支持部と、前記支持部を前記第1方向に出退させると共に上下方向に昇降させる駆動機構と、を備え、
前記棚体は、前記棚枠に取り付けられる取付部と、前記取付部から前記第1方向第1側に突出するように配置されると共に水平面に沿う板状に形成された支持板部と、前記支持板部から上側に突出するように前記支持板部に固定され、前記物品を下方から支持する3つの支持ピンである第1支持ピン、第2支持ピン、及び第3支持ピンと、を備え、
前記支持板部には、前記移載装置の前記支持部が上下方向に通過できるように、上下方向に貫通すると共に前記第1方向第1側に開放された切欠き部と、前記切欠き部に対して前記第1方向第2側に配置されて上下方向に貫通する貫通開口部と、が形成され、
前記第1支持ピンと前記第2支持ピンとは、前記切欠き部に対して前記第2方向の両側に分かれて配置され、
前記第3支持ピンは、前記切欠き部と前記貫通開口部との前記第1方向の間に配置され、
前記貫通開口部は、前記第3支持ピンと前記取付部との前記第1方向の間に配置されていると共に、前記第2方向の寸法が前記第1方向の寸法よりも大きく形成されている。
【0008】
本構成によれば、支持板部における第3支持ピンと取付部との第1方向の間に、上下方向に貫通した貫通開口部が形成されている。そして、貫通開口部は、第2方向(支持板部の幅方向)の寸法が、第1方向(支持板部の奥行方向)の寸法より大きくなっている。これにより、貫通開口部が形成されていない場合に比べて、支持板部の第3支持ピンと取付部との第1方向の間の部分の剛性が低くなっており、当該部分に撓みが生じ易くなっている。従って、支持板部における、第1支持ピン及び第2支持ピンと第3支持ピンとの間の部分の剛性を相対的に高めることができ、物品が支持されている状態での第1支持ピン及び第2支持ピンと第3支持ピンとの間の部分の撓みを小さく抑えることが可能となる。これにより、物品が支持されている状態で、第1支持ピン及び第2支持ピンと第3支持ピンとの間における支持板部の平面度が確保され易くなるため、物品に対する支持の安定性を確保し易い。
また本構成によれば、物品収納棚の内部で下方へ向かう気流であるダウンフローが生成されている場合には、当該気流が切欠き部に加えて貫通開口部も通ることができる。すなわち、貫通開口部がない場合に比べて、棚体がダウンフローを妨げにくいようにできる。
このように、本構成によれば、棚体の支持板部に切欠き部が形成されている場合であっても、比較的簡素な構成で、物品に対する支持の安定性を確保し易い。
【0009】
物品収納棚のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】物品収納棚の全体断面図
図2】物品収納棚の正面図
図3】棚体の斜視図
図4】物品が棚体に支持されている状態を模式的に示す側面図
図5】棚体の平面図
図6】棚体が棚枠に支持されている状態を模式的に示す断面図
図7】棚体と横行部材との間に生じ得る隙間の説明図
図8】支持板部に撓みが生じた状態を模式的に示す側面図
図9】別実施形態における棚体の平面図
図10】別実施形態における棚体の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、物品収納棚の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、物品収納棚1は、棚枠2と、棚枠2に対して片持ち状態で取り付けられて収納対象の物品Wを支持する棚体3と、棚体3に支持された物品Wの移載を行う移載装置4と、を備えている。本実施形態では、物品収納棚1は、複数の棚体3を備えている。棚枠2は、複数の棚体3を取り付けられるように構成されている。棚枠2に取り付けられた複数の棚体3のそれぞれに、物品Wが支持される。このように、物品収納棚1は、複数の物品Wを収納できるようになっている。移載装置4は、複数の棚体3と、物品収納棚1の外部との間で物品Wを搬送する。図1の例では、物品収納棚1は、一対の棚枠2を備えている。一対の棚枠2は、移載装置4を挟んで向かい合うように設けられている。物品収納棚1には、物品収納棚1の内外を接続する不図示のコンベヤが設けられており、移載装置4は、棚体3と当該コンベヤとの間で物品Wを搬送する。本例では、物品Wは、半導体基板(ウェハ)を収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)とされている。
【0012】
以下では、水平面に沿う特定の方向を第1方向Xとし、第1方向Xの一方側を第1方向第1側X1とし、第1方向Xの他方側を第1方向第2側X2とし、水平面に沿うと共に第1方向Xに直交する方向を第2方向Yとして説明する。本実施形態では、第1方向Xは、棚枠2に片持ち状態で取り付けられた棚体3の突出方向(延在方向)とされている。そして、第1方向第2側X2が、第1方向Xにおける、棚体3に対して棚枠2が配置されている側とされており、その反対側が第1方向第1側X1とされている。図1及び図5の例では、第1方向第1側X1は、棚体3に対して移載装置4が配置されている側とされている。
【0013】
図1及び図5に示すように、移載装置4は、物品Wを支持する支持部41と、支持部41を第1方向Xに出退させると共に上下方向に昇降させる駆動機構42と、を備えている。本実施形態では、移載装置4は、台車部46を更に備えている。台車部46は、棚枠2の正面に配置された通路5(ここでは、一対の棚枠2の間に配置された通路5)を移動する。支持部41は、駆動機構42を介して台車部46に接続されている。そして、支持部41及び駆動機構42は、台車部46と一体として通路5を移動する。図1の例では、通路5に沿ってレールRが設置されている。台車部46は、レールRに案内されて、通路5を移動するように構成されている。
【0014】
駆動機構42は、台車部46に立設されているマスト45と、マスト45に沿って昇降する昇降台43と、スライド機構44とを備えている。スライド機構44は、昇降台43に設けられている。そして、スライド機構44に支持部41が接続されている。スライド機構44は、支持部41を、第1方向Xに出退可能に構成されている。支持部41は、物品Wを下方から支持するように構成されている。説明を加えると、図5に示すように、支持部41は、物品Wの被係合部Mに下方から係合する複数(ここでは、3つ)の移載用支持ピンQを備えており、これら複数の移載用支持ピンQが物品Wの被係合部Mに下方から係合した状態で、支持部41が物品Wの底面を下方から支持するようになっている。図1及び図5の例では、移載装置4は、スタッカークレーンとされている。すなわち、本例では、移載装置4が備える支持部41及び駆動機構42は、物品Wを搬送する装置(ここでは、スタッカークレーン)に設けられている。また、スライド機構44及び支持部41は、スライドフォーク式とされている。なお、本例では、図4及び図5に示すように、物品Wの下面には、3つの移載用支持ピンQと係合可能な被係合部Mが3つ設けられている。また、3つの被係合部Mは、棚体3が備える後述の3つの支持ピン(第1支持ピンP1、第2支持ピンP2、第3支持ピンP3)にも係合できるようになっている。
【0015】
図1及び図2に示すように、本実施形態では、棚枠2は、上側を向く上面21と、第1方向第1側X1を向く基準面22と、を備えている。そして、上面21と基準面22とによって、棚体3が棚枠2に支持される。本例では、棚枠2は、支柱23と横行部材24とを備えている。横行部材24は、支柱23に支持されていると共に、複数の棚体3を支持するように構成されている。そして、上面21は、横行部材24の上側を向く面とされており、基準面22は、横行部材24の側面(ここでは、第1方向第1側X1を向く面)とされている。図1及び図2の例では、一対の支柱23は、第2方向Yに分かれて配置されている。そして、複数の横行部材24のそれぞれが、第2方向Yに沿う姿勢で、一対の支柱23を連結するように配置されている。具体的には、それぞれの横行部材24は、その両端が一対の支柱23に固定されている。また、複数の横行部材24のそれぞれは、上下方向に互いに離間して並ぶように配置されている。上下方向に並ぶ各横行部材24には、複数(ここでは3つ)の棚体3が第2方向Yに並ぶように支持されている。すなわち、複数の棚体3は、第2方向Yに並ぶと共に、上下方向にも並ぶように配置されている。図1及び図4に示すように、上下方向に隣接する横行部材24の間には、棚体3に支持された状態の物品Wが収納されている。すなわち、上下方向に隣り合う棚体3の間には、物品Wを収納する収容空間Sが形成されており、このような収容空間Sを確保可能な程度に離間して、各横行部材24が上下方向に互いに隣接配置されている。
【0016】
本例では、物品収納棚1は、区画壁Kと気流発生装置Dとを更に備えている。図1の例では、区画壁Kは、物品Wが保管される物品収納棚1の内部空間と、物品収納棚1の外部空間とを分離するように配置されている。そして、気流発生装置Dは、一対の棚枠2よりも上方に設けられており、内部空間(ここでは、棚枠2及び移載装置4の存在範囲)において、上方から下方に向かう気流(ダウンフロー)を発生させる。
【0017】
図3から図6に示すように、棚体3は、棚枠2に取り付けられる取付部31と、取付部31から第1方向第1側X1に突出するように配置されると共に水平面に沿う板状に形成された支持板部32と、支持板部32から上側に突出するように支持板部32に固定され、物品Wを下方から支持する3つの支持ピンである第1支持ピンP1、第2支持ピンP2、及び第3支持ピンP3と、を備えている。以下では、棚体3の構成について具体的に説明する。
【0018】
棚体3は、取付部31が棚枠2に取り付けられることで、棚枠2(ここでは、横行部材24)に支持される。本実施形態では、取付部31は、上面21に当接する第1当接部35と、基準面22に当接する第2当接部36と、を備えている。本例では、第1当接部35の下面が、上面21と当接する。これにより、棚体3の上下方向に対する位置決めが行われる。また、第2当接部36の第1方向第2側X2を向く面が、基準面22と当接する。これにより、棚体3の第1方向Xに対する位置決めが行われる。また、後に説明するが、棚体3は、取付部31の第1当接部35及び第2当接部36のそれぞれが横行部材24に固定される。
【0019】
第1当接部35は、支持板部32の基端(ここでは、第1方向第2側X2の端部)から第1方向第2側X2に延出するように形成されている。図示の例では、第1当接部35は上下方向視で矩形状に形成されており、第1当接部35の第1方向Xの寸法は、上面21の第1方向Xの寸法に応じた大きさに設定されている。また、第1当接部35の第2方向Yの寸法は、支持板部32の第2方向Yの寸法S2(図5参照)と同じとされている。なお、第1当接部35の第1方向X及び第2方向Yのそれぞれの寸法は、適宜変更できる。更に、第1当接部35の形状は、矩形状に限られない。また、第1当接部35は、複数設けられていてもよい。例えば、複数の第1当接部35のそれぞれが支持板部32の基端から第1方向第2側X2に延出していてもよい。
【0020】
第2当接部36は、後述する支持枠部37の基端(ここでは、第1方向第2側X2の端部)から第1当接部35(ここでは、第1当接部35及び支持板部32)に対して第2方向Yの外側に折り曲げられて形成されている。また、第2当接部36は、上下方向の寸法が、基準面22の上下方向の寸法に応じた大きさに設定されている。また、本例では、第2当接部36は、複数設けられている。具体的には、第2当接部36は、第2方向Yに分かれて一対、形成されている。一対の第2当接部36は、第1当接部35及び支持板部32を挟むように配置されている。
【0021】
なお、第2当接部36の上下方向の寸法は適宜変更できる。また、第2当接部36は、支持板部32の第2方向Yの側縁から下方に折り曲げられて形成されていてもよい。また、第2当接部36は、第1当接部35及び支持板部32に対して第2方向Yの内側に配置されていてもよい。
【0022】
図3図5、及び図6に示すように、本実施形態では、第1当接部35が、上面21に対して第1締結部材8により締結固定されている。また、第2当接部36が、基準面22に対して第2締結部材9により締結固定されている。本例では、第1当接部35は、横行部材24の上面21に対して第1締結部材8により締結固定されている。同様に、第2当接部36は、基準面22に対して第2締結部材9により締結固定されている。
【0023】
図示の例では、第1当接部35は、第2方向Yの両端部において、第1締結部材8により上面21に締結固定されている。すなわち、第1当接部35は、複数個所(ここでは、2個所)において、上面21に締結固定されている。ここで、第1締結部材8は、頭部と雄ねじ部とを備えたボルトである。図6に示すように、第1当接部35の第2方向Yの両端部のそれぞれには、第1締結部材8が挿通される第1貫通孔35aが形成されている。そして、横行部材24には、上面21から第1締結部材8が挿入される第1雌ねじ孔21aが形成されている。そして、頭部が上側となる向きで第1貫通孔35aに挿通された第1締結部材8の雄ねじ部が、上記第1雌ねじ孔21aに螺合することで、第1当接部35が横行部材24の上面21に締結固定される。
【0024】
また、図3図5、及び図6に示すように、第2方向Yに分かれて配置された第2当接部36のそれぞれは、第2締結部材9により、基準面22に締結固定されている。そして、本実施形態では、第2締結部材9は、第2当接部36における上下方向の中央位置よりも上側に配置されている。図示の例では、第2締結部材9は、頭部と雄ねじ部とを備えたボルトである。第2方向Yに分かれて配置されたそれぞれの第2当接部36の上下方向の中央位置よりも上側には、第2締結部材9が挿通される第2貫通孔36aが形成されている。そして、横行部材24には、基準面22(第1方向第1側X1を向く面)から第2締結部材9が挿入される第2雌ねじ孔22aが形成されている。そして、頭部が第1方向第1側X1となる向きで第2貫通孔36aに挿通された第2締結部材9の雄ねじ部が、上記第2雌ねじ孔22aに螺合することで、第2当接部36が、基準面22に締結固定される。このようにして、棚体3は、横行部材24に固定される。従って、棚体3を、棚枠2に対して上下方向及び第1方向Xに位置決めした状態で固定することができる。よって、棚板の位置精度(水平面に対する角度も含む)を高め易くできる。なお、棚体3は、例えば、溶接等の他の公知技術によって横行部材24に固定されていてもよい。
【0025】
図7(a)は、本実施形態とは異なる第2当接部36の固定態様を示しており、第2当接部36と基準面22とが、第2当接部36における上下方向の中央位置よりも下側で第2締結部材9により締結固定されている。この場合、支持されている物品Wの重量の大きさによっては、支持板部32に作用する上下方向の荷重により第2当接部36に作用する、第2締結部材9による締結箇所を支点とするモーメントにより、第2当接部36と基準面22との間に空隙Fが生じてしまうことがある。図7(b)は、本実施形態の第2当接部36の固定態様を示しており、第2当接部36と基準面22とが、第2当接部36における上下方向の中央位置よりも上側で第2締結部材9により締結固定されている。この場合、第2当接部36における第2締結部材9による締結箇所よりも下側の部分には、棚体3により物品Wを支持している状態で、基準面22に押し付けられる方向の力が作用する。従って、比較的重量の大きい物品Wを支持している状態でも、第2当接部36の全体を基準面22に対して隙間なく当接させることが容易になり、棚体3の位置精度を高め易くできる。なお、図7では、分かり易く説明するために、空隙Fを実際の大きさよりも大きく表している。
【0026】
本実施形態では、図3及び図4に示すように、棚体3は、支持板部32の第2方向Yの両側縁のそれぞれから下方に屈曲されて形成された支持枠部37を更に備えている。また、支持枠部37は、第1支持ピンP1及び第2支持ピンP2が配置された第1方向Xの位置から取付部31までの範囲にわたって形成されている。本例では、支持板部32の第1方向第1側X1の端部(支持板部32の先端部分)から支持板部32の第1方向第2側X2の端部(支持板部32の基端部分)までの範囲にわたって形成されている。
【0027】
本例では、支持枠部37は、第1支持枠37aと、第2支持枠37bと、第3支持枠37cと、を備えている。第1支持枠37a、第2支持枠37b、及び第3支持枠37cは、第1方向第1側X1から順に第1方向Xに沿って配置されている。図4に示すように、第1支持枠37aは、第1方向Xにおける、第3支持ピンP3よりも第1方向第1側X1(支持板部32の先端側)に配置されている。そして、第1支持枠37aが形成されている第1方向Xの範囲には、第1支持ピンP1及び第2支持ピンP2と後述する切欠き部33とが含まれている(図3)。第2支持枠37bは、第1方向Xにおける、第3支持ピンP3から取付部31よりも手前側の間に配置されている。そして、第2支持枠37bが形成されている第1方向Xの範囲には、第3支持ピンP3と後述する貫通開口部34とが含まれている(図3)。第3支持枠37cは、第1方向Xにおける、第2支持枠37bの第1方向第2側X2の端部から第2当接部36の間に配置されている。
【0028】
図3及び図4に示すように、本実施形態では、支持枠部37の上下方向の寸法が、第1方向Xにおける第3支持ピンP3と取付部31との間の領域では、第3支持ピンP3よりも第1方向第1側X1の領域よりも小さくなっている。本例では、第2支持枠37bの上下方向の寸法が、第1支持枠37aの上下方向の寸法よりも小さく形成されている。図示の例では、第2支持枠37bは、上下方向における第1支持枠37aの下端の位置から一部が上側に切り欠かれたように形成されており、これにより、第1支持枠37a及び第3支持枠37cよりも上下方向の寸法が小さくなっている。また、図示の例では、第3支持枠37cの上下方向の寸法は、第1支持枠37a及び第2支持枠37bの上下方向の寸法よりも大きく形成されている。なお、支持枠部37は、第1方向第1側X1の端部から第1方向第2側X2に向かうに従って上下方向の寸法が徐々に小さくなるように形成されていてもよい。その場合であっても、第2当接部36は第3支持枠37cの側縁から屈曲形成されているため、第3支持枠37cの上下方向の寸法は、第2当接部36の上下方向の寸法に応じた大きさになっていると好適である。なお、図示の例では、支持枠部37と支持板部32と第1当接部35と第2当接部36とは、一体的に形成されている。しかし、これらが互いに独立した部材で形成されていてもよい。また、これらのうちの一部が一体的に形成され、残りが独立した部材で形成されていてもよい。
【0029】
図3図4、及び図5に示すように、支持板部32は、第2当接部36から第1方向第1側X1に連続して形成されており、3つの支持ピン(第1支持ピンP1、第2支持ピンP2、第3支持ピンP3)を介して物品Wを下方から支持できるように構成されている。支持板部32には、移載装置4の支持部41が上下方向に通過できるように、上下方向に貫通すると共に第1方向第1側X1に開放された切欠き部33と、切欠き部33に対して第1方向第2側X2に配置されて上下方向に貫通する貫通開口部34と、が形成されている。本実施形態では、切欠き部33は、支持部41の外形に応じた形状となっている。そして、図5に示すように、切欠き部33の第1方向Xの寸法U1は、支持板部32の第1方向Xの寸法S1の半分以上であり、切欠き部33の第2方向Yの寸法U2は、支持板部32の第2方向Yの寸法S2の半分以上となっている。このように、支持板部32は、第1方向X及び第2方向Yのそれぞれにおいて広範囲に切り欠かれている。図示の例では、支持板部32は、上下方向視で矩形状に形成されている。そして、支持板部32の第1方向Xの寸法S1が、支持板部32の第2方向Yの寸法S2よりも大きく形成されている。また、切欠き部33の第1方向Xの寸法U1は、切欠き部33の第2方向Yの寸法U2よりも大きく形成されている。なお、図5の例では、切欠き部33の第1方向Xの寸法U1は、切欠き部33の第1方向Xにおける最大寸法とされており、切欠き部33の第2方向Yの寸法U2は、切欠き部33の第2方向Yにおける最大寸法とされている。
【0030】
図3及び図5に示すように、第1支持ピンP1と第2支持ピンP2とは、切欠き部33に対して第2方向Yの両側に分かれて配置されている。本実施形態では、第1支持ピンP1と第2支持ピンP2とは、第1方向Xにおける切欠き部33が形成された範囲内に配置されている。本例では、第1支持ピンP1と第2支持ピンP2とは、切欠き部33に対して第2方向Yの両側に分かれていると共に、切欠き部33の第1方向Xの中央位置よりも第1方向第1側X1(ここでは、支持板部32の先端領域)に配置されている。また、図3から図5に示すように、第3支持ピンP3は、切欠き部33と貫通開口部34との第1方向Xの間に配置されている。本実施形態では、第3支持ピンP3は、更に、支持板部32の第2方向Yの中央領域に配置されている。そして、物品Wが移載装置4により棚体3に移載される場合には、これら3つの支持ピンが、物品Wの下面に設けられた3つの被係合部Mに係合する。これにより、3つの支持ピンは、物品Wを下方から支持する。より具体的に説明すると、物品Wを載置した移載装置4の支持部41が、駆動機構42により、棚体3の切欠き部33の真上に配置される。その後、昇降台43の下降に伴い、支持部41が、切欠き部33を通過して、切欠き部33の真下に配置される。これにより、物品Wは、支持部41の3つの移載用支持ピンQから、支持板部32の第1支持ピンP1、第2支持ピンP2、及び第3支持ピンP3に載せ替えられる。なお、移載装置4が、物品Wを棚体3から取り出して搬送する場合は、支持部41を切欠き部33の真下から真上に移動させることで、3つの支持ピンに支持されている物品Wを掬い取る。
【0031】
図3及び図5に示すように、貫通開口部34は、第3支持ピンP3と取付部31との第1方向Xの間に配置されていると共に、第2方向Yの寸法T2が第1方向Xの寸法T1よりも大きく形成されている。本実施形態では、支持板部32に、単一の貫通開口部34が形成されている。そして、貫通開口部34の第2方向Yの寸法T2は、支持板部32の第2方向Yの寸法S2の半分以上になっている。また、貫通開口部34の第1方向Xの寸法T1は、支持板部32の第1方向Xの寸法S1の半分未満になっている。本例では、貫通開口部34は、上下方向視で矩形状とされている。なお、ここでの「矩形状」とは、四角形における4つの頂点部分が直角形状である必要はなく、例えば、貫通開口部34よりも外側に向けて丸みを帯びた形状も含んでいる。このような貫通開口部34の形状は、矩形状に限られず、例えば多角形や楕円等の形状であってもよく、必要に応じて適宜形状を変更できると好適である。なお、図5の例では、貫通開口部34の第1方向Xの寸法T1は、貫通開口部34の第1方向Xにおける最大寸法とされており、貫通開口部34の第2方向Yの寸法T2は、貫通開口部34の第2方向Yにおける最大寸法とされている。支持板部32に、上記のような貫通開口部34が形成されているため、例えば、物品Wが支持されていない状態では、上方から下方に流れる気流が、切欠き部33に加えて、貫通開口部34を通過することができる。以下では、図8を用いて、支持板部32に貫通開口部34が形成されていることによる効果について、別の観点から説明する。
【0032】
図8(a)は、比較例として、支持板部32に貫通開口部34が形成されていない場合の棚体3を模式的に表している。貫通開口部34が形成されていない場合には、支持板部32における切欠き部33が形成された部分(ここでは、支持板部32の第3支持ピンP3と取付部31との第1方向Xの間の部分)の剛性が、切欠き部33に対して第1方向第2側X2(支持板部32の基端側)の部分の剛性よりも低くなる。そのため、図8(a)に示すように、棚体3により物品Wを支持している状態では、切欠き部33が形成された部分が、切欠き部33に対して第1方向第2側X2の部分よりも大きく撓みやすい。そして、物品Wを支持している状態で大きな撓みが生じると、第1支持ピンP1及び第2支持ピンP2と第3支持ピンP3との間の支持板部32の平面度が低下して、物品Wの被係合部Mに、支持板部32に設けられた3つの支持ピンを適切に係合させることが困難となる。
【0033】
図8(b)は、本開示に係る技術のように、支持板部32に貫通開口部34が形成されている場合の棚体3を模式的に表している。貫通開口部34が形成されている場合には、支持板部32における貫通開口部34が形成された部分(ここでは、切欠き部33に対して第1方向第2側X2の部分)の剛性が、貫通開口部34が形成されていない場合と比べて低下し、当該部分に撓みが生じ易くなる。従って、支持板部32における、第1支持ピンP1及び第2支持ピンP2と第3支持ピンP3との間の支持板部32の剛性を相対的に高めることができ、これにより、棚体3により物品Wを支持している状態における第1支持ピンP1及び第2支持ピンP2と第3支持ピンP3との間の部分の撓みを小さく抑えることができる。従って、物品Wが支持されている状態で、第1支持ピンP1及び第2支持ピンP2と第3支持ピンP3との間における支持板部32の平面度の低下を小さく抑えることができる。そのため、物品Wの被係合部Mに、支持板部32に設けられた3つの支持ピンを適切に係合させ易く、物品Wに対する支持の安定性を確保し易い。なお、図8では、分かり易く説明するために、支持板部32の撓みを実際の撓みよりも大きく表している。
【0034】
また、本例では、上記の通り、第2支持枠37bの上下方向の寸法が、第1支持枠37aの上下方向の寸法よりも小さく形成されている。そのため、貫通開口部34が形成されている、支持板部32の第3支持ピンP3と取付部31との第1方向Xの間の部分の剛性を低くすることができ、当該部分に撓みが生じやすくできる。そのため、支持板部32における、第1支持ピンP1及び第2支持ピンP2と第3支持ピンP3との間の撓みをより小さく抑えることができ、第1支持ピンP1及び第2支持ピンP2と第3支持ピンP3との間の平面度を確保し易くなる。よって、物品Wの支持の安定性を効果的に確保し易くできる。
【0035】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、貫通開口部34が、支持板部32に1つだけ形成されている構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、貫通開口部34は、支持板部32に複数形成されていてもよい。具体的には、複数の貫通開口部34が、第1方向X及び第2方向Yの少なくとも一方に複数並ぶように配置させることもできる。このように支持板部32に複数の貫通開口部34が形成される場合に、貫通開口部34の第1方向Xや第2方向Yの寸法を、1つの貫通開口部34の寸法ではなく、平面視(上下方向に沿う方向視)で複数の貫通開口部34の集合に外接する矩形(第1方向Xに沿う2辺と第2方向Yに沿う2辺とを有する矩形)の寸法と定義してもよい。すなわち、複数の貫通開口部34が形成された領域の第1方向Xや第2方向Yの寸法を、貫通開口部34の第1方向Xや第2方向Yの寸法と定義してもよい。このような一例を図9に示している。図9では、複数(ここでは、3つ)の貫通開口部34が、第2方向Yに並ぶように配置されている。そして、貫通開口部34の第2方向Yの寸法T2は、複数の貫通開口部34の集合に外接する矩形の第2方向Yの寸法とされている。そして、第2方向Yに並ぶ複数の貫通開口部34の集合に外接する矩形の第2方向Y(ここでは、貫通開口部34の第2方向Yの寸法T2)が、貫通開口部34の第1方向Xの寸法T1よりも大きく形成されている。なお、図9の例では、複数の貫通開口部34のそれぞれは、第1方向X及び第2方向Yの寸法を互いに同じになるように形成されているが、第1方向X及び第2方向Yの寸法を、互いに異ならせてもよい。
【0036】
(2)上記の実施形態では、貫通開口部34の第2方向Yの寸法T2は、支持板部32の第2方向Yの寸法S2の半分以上である構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、貫通開口部34の第2方向Yの寸法T2が、支持板部32の第2方向Yの寸法S2の半分未満であってもよい。また、切欠き部33の第1方向Xの寸法U1に応じて、貫通開口部34の第1方向Xの寸法T1を適宜変更することもできる。このように、貫通開口部34の寸法(第1方向Xの寸法T1、第2方向Yの寸法T2)は、必要に応じて変更可能である。
【0037】
(3)上記の実施形態では、切欠き部33の第1方向Xの寸法U1は、支持板部32の第1方向Xの寸法S1の半分以上であり、切欠き部33の第2方向Yの寸法U2は、支持板部32の第2方向Yの寸法S2の半分以上となっている構成を例として説明したが、これには限定されず、切欠き部33の第1方向Xの寸法U1及び第2方向Yの寸法S2は、適宜変更可能である。また、切欠き部33の形状も適宜変更可能である。
【0038】
(4)上記の実施形態では、取付部31は、上面21に当接する第1当接部35と、基準面22に当接する第2当接部36と、を備えている構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、取付部31は、第1当接部35を補強するためのリブ部38を更に備えていてもよく、そのような一例を図10に示している。図10では、第1当接部35にリブ部38が設けられている。具体的には、第1当接部35の第1方向第2側X2の端部から上方に折り曲げられるようにリブ部38が設けられている。また、リブ部38は、第2方向Y及び上下方向に沿う帯状部材で形成されている。図示の例では、リブ部38は、第1当接部35の上面21から連続しており、第1当接部35と一体的に形成されている。なお、リブ部38は、第1当接部35とは別の部材で構成されていてもよい。
【0039】
(5)上記の実施形態では、第1当接部35が、横行部材24の上面21に対して第1締結部材8により締結固定され、第2当接部36が、基準面22(ここでは、横行部材24の第1方向第1側X1を向く面)に対して第2締結部材9により締結固定され、これにより、棚体3が棚枠2に支持されている構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、第1当接部35及び第2当接部36のいずれか一方のみが、棚枠2(ここでは、横行部材24)に締結固定されていてもよい。また、例えば、棚体3が、横行部材24の下面に対して当接する第3当接部を更に備え、第3当接部が、横行部材24の下面に対して第1締結部材8及び第2締結部材9とは異なる別の締結部材により締結固定されていてもよい。
【0040】
(6)上記の実施形態では、第2締結部材9は、第2当接部36における上下方向の中央位置よりも上側に配置されている構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、第2締結部材9は、第2当接部36における上下方向の中央位置に配置されていてもよく、当該中央位置よりも下側に配置されていてもよい。また、上下方向の互いに異なる位置に配置された複数の第2締結部材9により、第2当接部36が基準面22に対して締結固定される構成としてもよい。
【0041】
(7)上記の実施形態では、棚体3は、支持板部32の第2方向Yの両側縁のそれぞれから下方に屈曲されて形成された支持枠部37を備えている構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、棚体3は、このような支持枠部37を備えていなくてもよい。また、例えば、棚体3は、支持枠部37を第2方向Yの一方側にのみ備えている構成とすることもできる。
【0042】
(8)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0043】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品収納棚の概要について説明する。
【0044】
本開示に係る物品収納棚は、棚枠と、前記棚枠に対して片持ち状態で取り付けられて収納対象の物品を支持する棚体と、前記棚体に支持された前記物品の移載を行う移載装置と、を備えた物品収納棚であって、
水平面に沿う特定の方向を第1方向とし、前記第1方向の一方側を第1方向第1側とし、前記第1方向の他方側を第1方向第2側とし、水平面に沿うと共に前記第1方向に直交する方向を第2方向として、
前記移載装置は、前記物品を支持する支持部と、前記支持部を前記第1方向に出退させると共に上下方向に昇降させる駆動機構と、を備え、
前記棚体は、前記棚枠に取り付けられる取付部と、前記取付部から前記第1方向第1側に突出するように配置されると共に水平面に沿う板状に形成された支持板部と、前記支持板部から上側に突出するように前記支持板部に固定され、前記物品を下方から支持する3つの支持ピンである第1支持ピン、第2支持ピン、及び第3支持ピンと、を備え、
前記支持板部には、前記移載装置の前記支持部が上下方向に通過できるように、上下方向に貫通すると共に前記第1方向第1側に開放された切欠き部と、前記切欠き部に対して前記第1方向第2側に配置されて上下方向に貫通する貫通開口部と、が形成され、
前記第1支持ピンと前記第2支持ピンとは、前記切欠き部に対して前記第2方向の両側に分かれて配置され、
前記第3支持ピンは、前記切欠き部と前記貫通開口部との前記第1方向の間に配置され、
前記貫通開口部は、前記第3支持ピンと前記取付部との前記第1方向の間に配置されていると共に、前記第2方向の寸法が前記第1方向の寸法よりも大きく形成されている。
【0045】
本構成によれば、支持板部における第3支持ピンと取付部との第1方向の間に、上下方向に貫通した貫通開口部が形成されている。そして、貫通開口部は、第2方向(支持板部の幅方向)の寸法が、第1方向(支持板部の奥行方向)の寸法より大きくなっている。これにより、貫通開口部が形成されていない場合に比べて、支持板部の第3支持ピンと取付部との第1方向の間の部分の剛性が低くなっており、当該部分に撓みが生じ易くなっている。従って、支持板部における、第1支持ピン及び第2支持ピンと第3支持ピンとの間の部分の剛性を相対的に高めることができ、物品が支持されている状態での第1支持ピン及び第2支持ピンと第3支持ピンとの間の部分の撓みを小さく抑えることが可能となる。これにより、物品が支持されている状態で、第1支持ピン及び第2支持ピンと第3支持ピンとの間における支持板部の平面度が確保され易くなるため、物品に対する支持の安定性を確保し易い。
また本構成によれば、物品収納棚の内部で下方へ向かう気流であるダウンフローが生成されている場合には、当該気流が切欠き部に加えて貫通開口部も通ることができる。すなわち、貫通開口部がない場合に比べて、棚体がダウンフローを妨げにくいようにできる。
このように、本構成によれば、棚体の支持板部に切欠き部が形成されている場合であっても、比較的簡素な構成で、物品に対する支持の安定性を確保し易い。
【0046】
ここで、前記切欠き部の前記第1方向の寸法は、前記支持板部の前記第1方向の寸法の半分以上であり、
前記切欠き部の前記第2方向の寸法は、前記支持板部の前記第2方向の寸法の半分以上であり、
前記貫通開口部の前記第2方向の寸法は、前記支持板部の前記第2方向の寸法の半分以上であると好適である。
【0047】
切欠き部が支持板部の全面積のうちの大きな面積を占める場合には、特に第1支持ピン及び第2支持ピンと第3支持ピンとの間における支持板部の平面度が低下し易い。しかし、本構成によれば、貫通開口部の前記第2方向の寸法が支持板部の前記第2方向の寸法の半分以上とされているため、支持板部の第3支持ピンと取付部との第1方向の間の部分の剛性を十分に低くでき、当該部分に撓みが生じ易くすることができる。そのため、第1支持ピン及び第2支持ピンと第3支持ピンとの間における支持板部の平面度を確保し易く、物品の支持の安定性も確保し易い。
【0048】
また、前記棚枠は、上側を向く上面と、前記第1方向第1側を向く基準面と、を備え、
前記取付部は、前記上面に当接する第1当接部と、前記基準面に当接する第2当接部と、を備え、
前記第1当接部が、前記上面に対して第1締結部材により締結固定され、
前記第2当接部が、前記基準面に対して第2締結部材により締結固定されていると好適である。
【0049】
本構成によれば、棚体を、棚枠に対して上下方向及び第1方向に位置決めした状態で固定することができる。従って、棚板の位置精度を高め易い。
【0050】
また、前記第2締結部材は、前記第2当接部における上下方向の中央位置よりも上側に配置されていると好適である。
【0051】
本構成によれば、第2当接部の上側の部分を基準面に対して隙間なく当接させることが容易となる。また、棚体により物品を支持している状態では、第2当接部の下側の部分には、基準面に押し付けられる方向の力が作用する。従って、本構成によれば、第2当接部の全体を基準面に対して隙間なく当接させることが容易となる。これにより、棚体の位置精度を高め易くできる。
【0052】
また、前記棚体は、前記支持板部の前記第2方向の両側縁のそれぞれから下方に屈曲されて形成された支持枠部を更に備え、
前記支持枠部は、前記第1支持ピン及び前記第2支持ピンが配置された前記第1方向の位置から前記取付部までの範囲にわたって形成されていると好適である。
【0053】
本構成によれば、支持板部の上下方向の撓みを少なく抑え易いため、支持板部の平面度を高め易い。
【0054】
本開示に係る物品収納棚は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。
【符号の説明】
【0055】
1 :物品収納棚
2 :棚枠
3 :棚体
4 :移載装置
8 :第1締結部材
9 :第2締結部材
21 :上面
22 :基準面
31 :取付部
32 :支持板部
33 :切欠き部
34 :貫通開口部
35 :第1当接部
36 :第2当接部
37 :支持枠部
41 :支持部
42 :駆動機構
P1 :第1支持ピン
P2 :第2支持ピン
P3 :第3支持ピン
S1 :支持板部の第1方向の寸法
S2 :支持板部の第2方向の寸法
T1 :貫通開口部の第1方向の寸法
T2 :貫通開口部の第2方向の寸法
U1 :切欠き部の第1方向の寸法
U2 :切欠き部の第2方向の寸法
W :物品
X :第1方向
X1 :第1方向第1側
X2 :第1方向第2側
Y :第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10