(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076051
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0362 20130101AFI20240529BHJP
【FI】
G06F3/0362 461
G06F3/0362 463
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187412
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】513296958
【氏名又は名称】東芝産業機器システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 卓也
【テーマコード(参考)】
5B087
【Fターム(参考)】
5B087AA09
5B087BC17
5B087BC34
5B087DD02
(57)【要約】
【課題】大きな目標値でも迅速かつ正確な数値が入力される入力装置を提供する。
【解決手段】本実施形態の入力装置10は、接触部11、検出部12および入力量決定部13を備える。接触部11は、操作者が触れる。検出部12は、操作者が触れた接触部11の位置を接触位置として検出する。入力量決定部13は、検出部12で検出した接触位置から、操作者によって入力される入力量を決定する。入力量決定部13は、操作者が最初に触れた接触位置を基準位置として、接触部11との接触を維持したままで基準位置から移動した接触位置の移動量に応じて入力量の変化量を変更するとともに、接触部11との接触が解除されることで入力量を決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者が触れる接触部と、
前記操作者が触れた前記接触部の位置を接触位置として検出する検出部と、
前記検出部で検出した前記接触位置から、前記操作者によって入力される入力量を決定する入力量決定部と、を備え、
前記入力量決定部は、
前記操作者が最初に触れた前記接触位置を基準位置として、前記接触部との接触を維持したままで前記基準位置から移動した前記接触位置の移動量に応じて前記入力量の変化量を変更するとともに、前記接触部との接触が解除されることで前記入力量を決定する、
入力装置。
【請求項2】
前記入力量決定部は、前記基準位置からの距離が大きくなるにしたがって、前記変化量を大きくする、
請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記接触部は、円形状に設定され、
前記入力量決定部は、前記接触部の円周方向における前記基準位置からの距離に応じて、前記変化量を変更する、
請求項2記載の入力装置。
【請求項4】
前記接触部は、直線形状に設定され、
前記入力量決定部は、前記接触部の長手方向における前記基準位置からの距離に応じて、前記変化量を変更する、
請求項2記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、機器に任意の数値を入力するための入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器をはじめとする各種の機器は、その制御のために数値が入力される。数値の入力は、例えばキーボード、タッチパネルあるいはタッチホイールなどを用いて実施される。特に、タッチパネルやタッチホイールを用いて数値を入力する場合、入力される数値はホイールの回転量によって決定される(特許文献1参照)。
このような入力装置は、大きな数値を入力するとき、ホイールの操作量や操作速度が大きくなると、入力される数値の変化率を大きくするのが一般的である。これにより、入力装置は、大きな数値であっても、より少ない動作での入力を可能としている。
【0003】
しかしながら、このように入力される数値の変化率がホイールの操作量によって変化すると、目標とする数値である目標値に到達しても入力される数値の変化量が大きく、目標値を大幅に超えることになる。そのため、操作者は、例えばホイールを逆回転するなどして、目標値へ戻す操作が必要となる。その結果、数値の入力操作が煩雑になるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、大きな目標値でも迅速かつ正確な数値が入力される入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために本実施形態の入力装置は、接触部、検出部および入力量決定部を備える。接触部は、操作者が触れる。検出部は、前記操作者が触れた前記接触部の位置を接触位置として検出する。入力量決定部は、前記検出部で検出した前記接触位置から、前記操作者によって入力される入力量を決定する。入力量決定部は、前記操作者が最初に触れた前記接触位置を基準位置として、前記接触部との接触を維持したままで前記基準位置から移動した前記接触位置の移動量に応じて前記入力量の変化量を変更するとともに、前記接触部との接触が解除されることで前記入力量を決定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態による入力装置の外観を示す模式図
【
図2】第1実施形態による入力装置およびこれを適用した機器の構成を示すブロック図
【
図3】
図1のIII-III線における断面に相当する模式図
【
図4】第1実施形態による入力装置の操作を説明するための模式図
【
図5】第1実施形態による入力装置の操作を説明するための模式図
【
図6】第2実施形態による入力装置の操作を説明するための模式図
【
図7】第2実施形態による入力装置の操作を説明するための模式図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
図1および
図2に示すように入力装置10は、接触部11、検出部12および入力量決定部13を備える。入力装置10は、数値の入力に用いられる。入力装置10は、
図2に示すような表示装置14と組み合わせて、数値を入力する対象となる対象装置15に用いられる。表示装置14は、入力装置10で入力された数値を表示する表示部16を有している。表示部16は、例えば液晶、有機ELや7セグメント表示器などを有しており、入力された数値を電気的または電子的に可視的な画像として表示する。すなわち、入力装置10で入力された数値は、表示装置14で表示される。対象装置15は、入力装置10を通して数値が入力される対象となる装置である。例えば対象装置15としてインバータ装置を用いる場合、インバータ装置は出力する周波数などの設定値が入力装置10によって入力される。このように入力装置10と表示装置14とを組み合わせることにより、操作者は、表示装置14に表示された数値の表示を見ながら、入力装置10を操作して目標となる入力量を対象装置15へ入力する。
【0009】
図1に示すように接触部11は、操作者が触れる部位である。第1実施形態の場合、接触部11は、円形状に形成されている。検出部12は、操作者が触れた接触部11の位置を、接触位置として検出する。具体的には、接触部11および検出部12は、いわゆるタッチパッドやタッチセンサなどであり、操作者の指が触れることによって変化する静電容量に基づいて接触位置を検出する。例えば
図3に示すように接触部11は、絶縁体で形成されている。この接触部11は、裏側つまり操作者が指で触れる面と反対側に多数の電極17が設けられている。これにより、接触部11は、円周方向へ多数のコンデンサを形成する構造である。検出部12は、この接触部11に操作者が触れることにより生じる静電容量の変化から、接触位置を検出する。
【0010】
なお、本明細書および請求の範囲では、操作者の指は、接触部11に接触すると記載している。しかし、静電容量の変化から接触位置を検出する場合、操作者の指と接触部11とは明確な接触を必要としない。つまり、静電容量の変化から接触位置を検出する場合、指と接触部11とが適度に離れていても接触位置の検出が可能である。したがって、本明細書および請求の範囲における「接触」とは、指と接触部11との確実な接触に加え、接触位置が検出可能な程度において適度に離れた状態も含むものとする。
【0011】
図2に示すように入力量決定部13は、検出部12に接続している。入力量決定部13は、CPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータで構成されており、ROMに記憶されたコンピュータプログラムをCPUで実行することによりソフトウェア的に実現されている。入力量決定部13は、ソフトウェア的に限らず、ハードウェア的に実現してもよく、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現してもよい。また、入力量決定部13は、例えば対象装置15を構成する図示しないマイクロコンピュータなどの制御部でソフトウェア的に実現する構成としてもよい。
【0012】
入力量決定部13は、検出部12で検出した接触位置に基づいて、操作者によって入力される入力量を決定する。入力量決定部13は、入力の開始によって操作者が最初に触れた接触位置を基準位置として設定する。すなわち、
図4に示すように操作者の指21が最初に接触部11に触れた接触位置は、基準位置P0である。入力量決定部13は、操作者による接触部11への指21の接触と接触の解除とから入力量を決定する。
【0013】
入力量決定部13は、操作者の指21が最初に接触部11に触れた基準位置P0から接触を維持したまま円周方向へ移動することにより、入力量を増減する。具体的には、入力量決定部13は、基準位置P0から時計回り方向D1に指21が移動すると入力する数値である入力量を増加し、基準位置P0から反時計回り方向D2に指21が移動すると入力量を減少する。つまり、入力量決定部13は、操作者の指21が基準位置P0から時計回り方向D1に移動した位置で接触を維持している間、入力量を大きくしていく。反対に、入力量決定部13は、操作者の指21が基準位置P0から反時計回り方向D2に移動した位置で接触を維持している間、入力量を小さくしていく。そして、入力量決定部13は、操作者の指21と接触部11との接触が解除されると、そのときの入力量を決定入力量として決定する。なお、本実施形態では、入力量の増減は、時計回り方向D1を増加とし、反時計回り方向D2を減少としている。しかし、この方向は任意であり、入力量の増減は逆方向であってもよい。また、
図4に示す指21の位置および方向は、接触部11と指21との重なりを避けて説明の簡単のために示すものであり、発明を限定するものではない。
【0014】
入力量決定部13は、上記のように入力量を決定するのに加え、基準位置P0から移動した接触位置の移動量Dxによって、入力量の変化量を変更する。移動量Dxとは、基準位置P0から接触位置までの距離である。操作者は、入力装置10を用いて数値の入力を行なうとき、接触部11に接触を開始すると、接触を維持したまま接触部11の円周方向に沿って指21を滑らせつつ指を移動する。つまり、接触位置は、基準位置P0から接触部11の円周方向へ移動する。移動量Dxは、このときの基準位置P0から接触位置までの距離である。
【0015】
入力量決定部13は、この移動量Dxに応じて、入力量の変化量を変更する。具体的には、入力量決定部13は、移動量Dxが大きくなるほど、入力量の変化量を増大する。一例として、
図5において接触位置が時計回り方向D1で位置Aにあるとき入力量の変化量をSaとし、接触位置が位置Bにあるとき入力量の変化量をSbとし、接触位置が位置Cにあるとき入力量の変化量をScとすると、入力量の変化量はSa<Sb<Scである。例えば接触位置が位置Aにあるとき入力される数値が1ずつ増加するとすれば、位置Bにあるとき入力される数値は50ずつ増加し、位置Cにあるとき入力される数値は100ずつ増加する。
図5において接触位置が基準位置P0から反時計回り方向D2へ移動する場合でも同様である。接触位置が位置Dにあるときの変化量をSd、位置Eにあるときの変化量をSe、位置Fにあるときの変化量をSfとすると、入力量の変化量はSd<Se<Sfである。すなわち、接触位置が位置Dにあるとき入力される数値が1ずつ減少するとすれば、位置Eにあるとき入力される数値は50ずつ減少し、位置Fにあるとき入力される数値は100ずつ減少する。このように、入力量決定部13は、基準位置P0から接触位置までの移動量Dxに応じて、基準位置P0からの距離が大きくなるほど入力量の変化量が大きくなるように変更する。なお、変化量は、移動量Dxに応じて連続的に変化する構成としてもよく、移動量Dxの特定の範囲ごとに段階的に変化する構成としてもよい。
【0016】
入力装置10は、上記の構成に加え、
図1に示すように決定ボタン25を有している。第1実施形態の場合、決定ボタン25は、円環形状に形成されている接触部11の内周側に配置されている。入力装置10は、操作者によって決定ボタン25が操作されると、入力量決定部13において決定された決定入力量を対象装置15へ提供する。なお、入力装置10は、決定ボタン25を備えていなくてもよい、この場合、入力装置10は、操作者の指21と接触部11との接触が解除されると、他の操作を必要とすることなく入力量決定部13で決定された決定入力量を対象装置15へ提供する。
【0017】
以下、第1実施形態による入力装置10の操作について説明する。
操作者は、入力装置10から入力量を入力するとき、指21で接触部11に触れる。この指21が最初に触れた接触位置が基準位置P0となる。なお、基準位置P0は、
図5に示すような上端の「0時」の位置に限らない。基準位置P0は、操作者の指21が最初に触れた任意の位置とすることができる。入力量を変更するとき、操作者は、指21と接触部11との接触を維持したまま接触部11の円周方向に沿って指21を滑らせる。指21が時計周り方向D1へ移動したとき、入力装置10は入力量を増大するとともに、表示装置14は入力装置10から入力された入力量に応じた数値を表示する。そのため、表示装置14は、刻々と増加する入力量に応じた数値を表示する。
【0018】
このとき、数値の変化量は、基準位置P0からの移動量Dx、つまり基準位置P0から最新の接触位置までの距離応じて変化する。例えば、最新の接触位置が基準位置P0から遠い位置Cにあるとき、移動量Dxは大きくなる。そのため、入力量決定部13は入力する入力量の変化量を大きくするとともに、表示装置14が表示する数値も大きな変化量で変化する。数値の入力の初期は、目標とする目標値へ迅速に到達することが望ましい。そこで、操作者は、基準位置P0から指21を大きく移動して移動量Dxを大きくし、数値の変化量も大きくする。
【0019】
一方、入力量の大きな変化によって目標値に近づくと、入力量は精密に調整することが望まれる。そこで、操作者は、目標値に近づくにつれて、基準位置P0から遠ざかっていた指21を基準位置P0に近づけて移動量Dxを小さくする。これにより、最新の接触位置が基準位置P0から近い位置Aまたは位置Bとなり、移動量Dxは小さくなる。そのため、入力量決定部13は入力する入力量の変化量を小さくするとともに、表示装置14が表示する数値も小さな変化量で変化する。そして、操作者は、入力装置10で入力する数値、およびこれに基づいて表示装置14に表示される数値を精密に調整しながら目標値に合わせる。入力装置10で入力する数値、およびこれに基づいて表示装置14に表示される数値が目標値になると、操作者は指21と接触部11との接触を解除する。その結果、入力量決定部13は、この指21との接触が解除されたときの数値を決定入力量とする。入力装置10は、操作者によって決定ボタン25が操作されると、入力量決定部13において決定した決定入力量を対象装置15へ提供する。
【0020】
以上説明したように第1実施形態の入力装置10は、基準位置P0から最新の接触位置までの移動量Dxに応じて入力される入力値の変化量を変更する。具体的には、基準位置P0から最新の接触位置までの移動量Dxが大きくなると、入力値の変化量は大きくなる。これにより、目標値が大きいとき、操作者は、基準位置P0から指21を大きく移動して移動量をL大きくすることにより、入力量の変化量を大きくする。これにより、入力値は、目標値に向けて迅速に変更される。一方、目標値に近づくと、操作者は、指21を基準位置P0に近づけて移動量を小さくすることにより、入力量の変化量を小さくする。これにより、入力値は、目標値に向けて精密に変更される。したがって、大きな目標値でも迅速かつ正確な数値を入力することができる。
【0021】
(第2実施形態)
第2実施形態による入力装置10について、
図6に基づいて説明する。
第2実施形態による入力装置10は、第1実施形態と同様に接触部11、検出部12および入力量決定部13を備える。第2実施形態の場合、接触部11は、
図6に示すように直線形状に形成されている。具体的には、入力装置10の接触部11は、長方形の帯状に形成されている。これにより、第2実施形態の場合、接触部11は、長方形の長手方向へ多数のコンデンサを形成する構造である。検出部12は、この接触部11に操作者が触れることにより生じる静電容量の変化から、接触位置を検出する。
【0022】
第2実施形態の場合も、第1実施形態と同様に、入力量決定部13は、検出部12で検出した接触位置に基づいて、操作者によって入力される入力量を決定する。入力量決定部13は、操作者の指21が最初に接触部11に触れた基準位置P0から接触を維持したまま長手方向へ移動することにより、入力量を増減する。具体的には、入力量決定部13は、基準位置P0から右方向D3へ指21が移動すると入力量を増加し、基準位置P0から左方向D4へ指21が移動すると入力量を減少する。つまり、入力量決定部13は、操作者の指21が基準位置P0から右方向D3へ移動した位置で接触を維持している間、入力量を大きくしていく。反対に、入力量決定部13は、操作者の指21が基準位置P0から左方へ移動した位置で接触を維持している間、入力量を小さくしていく。そして、入力量決定部13は、操作者の指21と接触部11との接触が解除されると、そのときの入力量を決定入力量として決定する。
【0023】
入力量決定部13は、基準位置P0から移動した接触位置の移動量Dxによって入力量の変化量を変更する。入力量決定部13は、移動量Dxが大きくなるほど、入力量の変化量を増大する。
図7において、接触位置が右方向D3へ移動して位置Hにあるとき入力量の変化量をShとし、接触位置が位置Iにあるとき入力量の変化量をSiとし、接触位置が位置Jにあるとき入力量の変化量をSjとすると、入力量の変化量はSh<Si<Sjである。また、
図7において接触位置が基準位置P0から左方向D4へ移動する場合でも同様である。接触位置が位置Kにおける変化量をSk、位置Lにおける変化量をSl、位置Mにおける変化量をSmとすると、入力量の変化量Sk<Sl<Smである。
【0024】
第2実施形態の場合、接触部11の操作可能な範囲は、円形状の第1実施形態と異なり、左右両端までの有限となる。そのため、例えば指21が最初に触れた基準位置P0が位置Lにあるとき、接触部11の長手方向において基準位置P0の左右で残存する接触部11の長さが異なり、操作範囲が異なることがある。また、操作者は、接触部11の中央を最初に触れるとは限らない。この場合、入力量決定部13は、既に説明しているように単に基準位置P0からの移動量に応じて変化量を変更してもよく、基準位置P0から端部までの残りの長さに対する割合で変化量を変更する構成としてもよい。また、入力量決定部13は、変化量に上限を設定し、基準位置P0からの移動量がある程度の大きさに達すると変化量が変化しないようにしてもよい。このように、移動量と変化量との関係は、上記の例に限らず任意に設定することができる。
【0025】
以上説明した第2実施形態のように、接触部11は、直線に沿った形状である帯状であってもよい。また、第2実施形態の場合も、入力装置10は、第1実施形態と同様に決定ボタン25に相当する入力部を備えていてもよい。上述のように決定ボタン25に相当する入力部がない場合、入力装置10は、操作者の指21と接触部11との接触が解除されると、他の操作を必要とすることなく、入力量決定部13で決定された決定入力量を対象装置15へ提供する。
【0026】
第2実施形態でも、目標値が大きいとき、操作者は、基準位置P0から指21を大きく移動して移動量Dxを大きくすることにより、入力量の変化量を大きくする。これにより、入力値は、目標値に向けて迅速に変更される。一方、目標値に近づくと、操作者は、指21を基準位置に近づけて移動量を小さくすることにより、入力量の変化量を小さくする。これにより、入力値は、目標値に向けて精密に変更される。したがって、大きな目標値でも迅速かつ正確な数値を入力することができる。
【0027】
(その他の実施形態)
上述の複数の実施形態では、接触部11を円環形状または帯状に形成する例について説明した。しかし、接触部11は、例えば円弧環状、扇形、V字形状、多角形状など、任意の形状とすることができる。また、決定入力量を対象装置15へ提供するとき、決定ボタン25に代えて、例えば接触部11を続けて2回以上触れたり、別途のスイッチを操作したりするなど、任意の操作を用いてもよい。
【0028】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
図面中、10は入力装置、11は接触部、12は検出部、13は入力量決定部を示す。