(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007606
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】ルート探索装置、ルート探索プログラム、及びルート探索方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20240112BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20240112BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0969
G09B29/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108777
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】597151563
【氏名又は名称】株式会社ゼンリン
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【弁理士】
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100146916
【弁理士】
【氏名又は名称】廣石 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】澤邊 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】真砂 浩一
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HD16
2C032HD23
2F129AA03
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2F129BB33
2F129BB66
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2F129EE02
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2F129HH12
2F129HH35
5H181AA01
5H181BB04
5H181FF04
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】移動体に応じたルートを設定することができるルート探索装置、ルート探索プログラム、及びルート探索方法を提供する。
【解決手段】基本ルート設定部111は、地図を表す地図データを用いて、車両が通る基本ルートを設定する。ルート変更部114は、地図データと、設定された基本ルートと、災害警戒区域を特定する災害データと、車両の属性を表す車両属性データとに基づいて、基本ルートとは異なる変更ルートを設定する。ルート変更部114は、基本ルートが災害警戒区域と重複を有する場合に、車両属性データが表す車両の属性を考慮して、基本ルートの変更が必要であるかを判断し、基本ルートの変更が必要であると判断した場合に、車両属性データが表す車両の属性を考慮して、変更ルートを設定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を表す地図データを用いて、移動体が通る基本ルートを設定する基本ルート設定部と、
前記地図データと、設定された前記基本ルートと、災害警戒区域を特定する災害データと、前記移動体の属性を表す移動体属性データとに基づいて、前記基本ルートとは異なる変更ルートを設定するルート変更部と、
を備え、
前記ルート変更部は、
前記基本ルートが前記災害警戒区域と重複を有する場合に、前記移動体属性データが表す前記移動体の属性を考慮して、前記基本ルートの変更が必要であるかを判断し、
前記基本ルートの変更が必要であると判断した場合に、前記移動体属性データが表す前記移動体の属性を考慮して、前記変更ルートを設定する、
ルート探索装置。
【請求項2】
前記移動体属性データは、前記移動体の属性として、前記移動体の走破性又は踏破性を表しており、
前記ルート変更部は、
前記移動体が前記走破性又は前記踏破性を有する場合、前記基本ルートにおける前記災害警戒区域と重複する基本ルート災害警戒部分の通過が可能であるかを判断し、
前記基本ルート災害警戒部分の通過が可能であると判断した場合、前記基本ルートの変更が必要であると判断しない、
請求項1に記載のルート探索装置。
【請求項3】
前記ルート変更部は、
前記基本ルートの変更が必要であると判断した場合、前記災害警戒区域と重複する候補ルート災害警戒部分を有するにも関わらず、前記走破性又は前記踏破性を有する前記移動体であれば、前記候補ルート災害警戒部分を通過可能な、前記変更ルートの候補となる候補ルートがあるかを判断し、
前記候補ルートがある場合、前記候補ルートを前記変更ルートとして設定する、
請求項2に記載のルート探索装置。
【請求項4】
前記災害データを取得する災害データ取得部をさらに備え、
前記災害データは、前記災害データ取得部によって繰り返し取得され、
前記ルート変更部は、
前記変更ルートが設定されている場合、前記災害データが取得されるごとに、前記地図データと、設定されている前記変更ルートと、最新の前記災害データと、前記移動体属性データとに基づいて、前記変更ルートを再設定する、
請求項1に記載のルート探索装置。
【請求項5】
前記ルート変更部において前記基本ルートの変更が必要であると判断されない場合に、前記基本ルートを表示させる制御を行い、前記ルート変更部において前記基本ルートの変更が必要であると判断された場合には、前記変更ルートを表示させる制御を行う表示制御部、
をさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載のルート探索装置。
【請求項6】
コンピュータを、
地図を表す地図データを用いて、移動体が通る基本ルートを設定する基本ルート設定手段、
前記地図データと、設定された前記基本ルートと、災害警戒区域を特定する災害データと、前記移動体の属性を表す移動体属性データとに基づいて、前記基本ルートとは異なる変更ルートを設定するルート変更手段、
として機能させ、
前記ルート変更手段は、
前記基本ルートが前記災害警戒区域と重複を有する場合に、前記移動体属性データが表す前記移動体の属性を考慮して、前記基本ルートの変更が必要であるかを判断し、
前記基本ルートの変更が必要であると判断した場合に、前記移動体属性データが表す前記移動体の属性を考慮して、前記変更ルートを設定する、
ルート探索プログラム。
【請求項7】
地図を表す地図データを用いて、移動体が通る基本ルートを設定する基本ルート設定ステップと、
前記地図データと、設定された前記基本ルートと、災害警戒区域を特定する災害データと、前記移動体の属性を表す移動体属性データとに基づいて、前記基本ルートとは異なる変更ルートを設定するルート変更ステップと、
を有し、
前記ルート変更ステップでは、
前記基本ルートが前記災害警戒区域と重複を有する場合に、前記移動体属性データが表す前記移動体の属性を考慮して、前記基本ルートの変更が必要であるかが判断され、
前記基本ルートの変更が必要であると判断された場合に、前記移動体属性データが表す前記移動体の属性を考慮して、前記変更ルートが設定される、
ルート探索方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルート探索装置、ルート探索プログラム、及びルート探索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、地図データを用いて目的地までのルートを探索するルート探索装置が知られている。このルート探索装置は、外部からの通知により災害の発生を検出した場合に、ユーザに対して案内中のルートを、より安全に走行できるルートへと変更する機能を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係るルート探索装置では、ルートの探索に際し、そのルート探索装置が搭載されている車両その他の移動体の属性が考慮されない。このため、移動体に応じたルートを設定することができるものではなかった。
【0005】
本発明の目的は、移動体に応じたルートを設定することができるルート探索装置、ルート探索プログラム、及びルート探索方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るルート探索装置は、地図を表す地図データを用いて、移動体が通る基本ルートを設定する基本ルート設定部と、前記地図データと、設定された前記基本ルートと、災害警戒区域を特定する災害データと、前記移動体の属性を表す移動体属性データとに基づいて、前記基本ルートとは異なる変更ルートを設定するルート変更部と、を備え、前記ルート変更部は、前記基本ルートが前記災害警戒区域と重複を有する場合に、前記移動体属性データが表す前記移動体の属性を考慮して、前記基本ルートの変更が必要であるかを判断し、前記基本ルートの変更が必要であると判断した場合に、前記移動体属性データが表す前記移動体の属性を考慮して、前記変更ルートを設定する。
【0007】
本発明に係るルート探索プログラムは、コンピュータを、地図を表す地図データを用いて、移動体が通る基本ルートを設定する基本ルート設定手段、前記地図データと、設定された前記基本ルートと、災害警戒区域を特定する災害データと、前記移動体の属性を表す移動体属性データとに基づいて、前記基本ルートとは異なる変更ルートを設定するルート変更手段、として機能させ、前記ルート変更手段は、前記基本ルートが前記災害警戒区域と重複を有する場合に、前記移動体属性データが表す前記移動体の属性を考慮して、前記基本ルートの変更が必要であるかを判断し、前記基本ルートの変更が必要であると判断した場合に、前記移動体属性データが表す前記移動体の属性を考慮して、前記変更ルートを設定する。
【0008】
本発明に係るルート探索方法は、地図を表す地図データを用いて、移動体が通る基本ルートを設定する基本ルート設定ステップと、前記地図データと、設定された前記基本ルートと、災害警戒区域を特定する災害データと、前記移動体の属性を表す移動体属性データとに基づいて、前記基本ルートとは異なる変更ルートを設定するルート変更ステップと、を有し、前記ルート変更ステップでは、前記基本ルートが前記災害警戒区域と重複を有する場合に、前記移動体属性データが表す前記移動体の属性を考慮して、前記基本ルートの変更が必要であるかが判断され、前記基本ルートの変更が必要であると判断された場合に、前記移動体属性データが表す前記移動体の属性を考慮して、前記変更ルートが設定される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、移動体に応じたルートを設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係るルート探索装置の設置の態様を示す概念図。
【
図2】第1実施形態に係るルート探索装置の構成を示す概念図。
【
図3】第1実施形態に係るルート探索装置の機能を示す概念図。
【
図4】第1実施形態に係る災害データの構成を示す概念図。
【
図5】(A):第1実施形態に係る移動体属性データの構成を示す概念図。(B):第1実施形態に係る移動体属性テーブルの構成を示す概念図。
【
図6】第1実施形態に係る移動体属性データ特定処理のフローチャート。
【
図7】第1実施形態に係る地図データの構成を示す概念図。
【
図8】第1実施形態に係るルート探索案内処理のフローチャート。
【
図9】第1実施形態に係る判断処理のフローチャート。
【
図10】第1実施形態に係る変更探索処理のフローチャート。
【
図11】(A):第1実施形態に係る基本ルートを示す概念図。(B):同基本ルートが災害警戒区域と重複を有する状態を示す概念図。
【
図12】第1実施形態に係る変更ルートの一例を示す概念図。
【
図13】第1実施形態に係る変更ルートの他の例を示す概念図。
【
図14】第2実施形態に係る移動体属性データ特定処理のフローチャート。
【
図15】第3実施形態に係るルート探索装置の構成を示す概念図。
【
図16】第4実施形態に係るルート探索装置の構成を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、第1-第4実施形態に係るルート探索装置について説明する。図中、同一又は対応する部分に同一の符号を付す。
【0012】
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態に係るルート探索装置100Aは、移動体としての車両MVに搭載される。ルート探索装置100Aは、車両MVの運転者によって指定された目的地までのルートを探し出す機能と、探し出されたルートに沿った走行を運転者に案内する機能とを有する。
【0013】
さらに、本実施形態に係るルート探索装置100Aは、災害の発生時に、現在案内中のルートを変更すべきか否かを、車両MVの属性を考慮して判断する機能と、現在案内中のルートを変更すべきと判断した場合に、車両MVの属性を考慮して別のルートを探索し直す機能とを有する。以下、ルート探索装置100Aの構成を具体的に述べる。
【0014】
図2に示すように、ルート探索装置100Aは、運転者が所望の目的地その他の情報を入力するための入力部120と、目的地に至るルート及び車両MVの現在位置が地図に重ねられて表示される表示部130とを備える。入力部120と表示部130とは、グラフィカルユーザインタフェースを構成している。
【0015】
また、ルート探索装置100Aは、GPS(Global Positioning System)受信器140と、車両MVの現在位置の特定に用いる物理量を検出するセンサ群150とを備える。GPS受信器140は、GPS衛星から送信される電波を受信する。センサ群150は、車両MVの進行方向の方角を検出する方角センサ、車両の回転の角速度を検出するジャイロセンサ等を含む。GPS受信器140及びセンサ群150は、車両MVの現在位置を検出する位置検出部としての役割を果たす。
【0016】
また、ルート探索装置100Aは、災害データを受信する災害データ受信器160を備える。災害データは、災害の発生を通知するためのデータであり、災害が発生した場合又は今後災害が発生する可能性が高い場合に発信される。具体的には、災害データ受信器160は、テレビ放送局、ラジオ放送局、FM多重放送局、電波ビーコン発信器、光ビーコン発信器等から災害データを受信する。
【0017】
また、ルート探索装置100Aは、各種のデータを記憶する記憶部180を備える。記憶部180には、車両MVの属性を表す移動体属性データ181と、その移動体属性データ181の特定に用いられる移動体属性テーブル182とが記憶されている。
【0018】
また、ルート探索装置100Aは、車両MVを特定する車両識別コードを車両MVから取得する車体接続インタフェース170も備える。車体接続インタフェース170によって車両MVから取得された車両識別コードと、移動体属性テーブル182とを用いて、移動体属性データ181が特定される。
【0019】
また、記憶部180には、地図を表す地図データ183、並びに地図データ183を用いてルートを探索する機能及びルートを案内する機能を実現するルート探索プログラム184も記憶されている。また、ルート探索装置100Aは、ルート探索プログラム184を実行するプロセッサ110も備える。
【0020】
以下、プロセッサ110がルート探索プログラム184を実行することにより実現される機能について具体的に説明する。
【0021】
図3に示すように、ルート探索装置100Aは、車両MVが通る基本ルートを設定する基本ルート設定部111を備える。基本ルート設定部111は、基本ルートを探し出す基本探索処理を行い、探し出した基本ルートを設定する。
【0022】
運転者は、基本探索処理に先立ち、
図2に示す入力部120を用いて、目的地と、その目的地に至る基本ルートを選出する基準である基本ルート選出基準とを予め入力しておく。基本ルート選出基準とは、具体的には、最短の時間で目的地に到着できること、又は通行料金が最安となること等を表す。
【0023】
基本ルート設定部111は、基本探索処理において、まず、地図データ183を用いて、現在位置から目的地に至るルートを複数探し出す。次に、基本ルート設定部111は、それら探し出したルートのうち、上記基本ルート選出基準に沿うもの1つを、上記基本ルートとして設定する。
【0024】
また、ルート探索装置100Aは、現在位置を特定する現在位置特定部112を備える。現在位置特定部112は、
図2に示すGPS受信器140で受信された電波が表す情報と、センサ群150の検出結果とを用いて、車両MVの現在位置を特定する。
【0025】
また、ルート探索装置100Aは、表示部130に地図を表示させる表示制御部113を備える。表示制御部113は、現在位置特定部112によって特定された現在位置と、基本ルート設定部111によって設定された基本ルートとを、地図データ183が表す地図に重ねて表示部130に表示させる表示制御を行う。これにより、運転者への基本ルートの案内が実現される。
【0026】
また、ルート探索装置100Aは、災害が発生した場合又は災害が発生する場合に、必要に応じて基本ルートを変更するルート変更部114を備える。基本ルートの変更が必要か否かの判断には、既述の災害データが用いられる。そこで、ルート探索装置100Aは、
図2に示す災害データ受信器160を通じて災害データを取得する災害データ取得部115も備える。
【0027】
以下、災害データ取得部115が取得する災害データの構成を述べる。
【0028】
図4に示すように、災害データ185は、災害警戒区域を特定する災害警戒区域特定データ185aを含む。ここで災害警戒区域とは、災害が発生した区域又は今後災害が発生する可能性のある区域を意味する。災害とは、具体的には、大雨、土砂崩れ、洪水、地震、火災、竜巻、強風等である。
【0029】
また、災害データ185は、災害が発生した時刻又は災害の発生が予想される時刻を表す災害発生時間データ185bを含む。また、災害データ185は、災害の程度を表す災害程度データ185cを含む。具体的には、災害程度データ185cは、災害が大雨又は洪水である場合には浸水の深さ、災害が強風の場合には風速、災害が地震の場合には震度等を表す。
【0030】
図3に戻り、説明を続ける。ルート変更部114は、上述した災害データ185を用いて基本ルートの変更が必要か否かを判断する判断処理を行う判断処理部114cを有する。この判断処理には、災害データ185のみならず、既述の移動体属性データ181も用いられる。
【0031】
そこで、ルート変更部114は、移動体属性データ181を特定する移動体属性データ特定部114aを備える。以下、移動体属性データ181の構成、及び移動体属性データ特定部114aによる移動体属性データ181の特定の手法について説明する。
【0032】
図5(A)に示すように、移動体属性データ181は、車両MVの、悪路に対する走破性を表す選択走破性特定データ181aと、車両MVが緊急車両としての走行が可能な緊急走行可能車両であるか否かを表す緊急走行能否データ181bとを含む。本明細書において“緊急車両”とは、災害対策基本法第76条第1項に定める車両を指す。
【0033】
選択走破性特定データ181aは、移動体属性データ特定部114aによって、
図2に示す移動体属性テーブル182から抽出されたものである。そこで、まず、移動体属性テーブル182の構成について説明する。
【0034】
図5(B)に、移動体属性テーブル182の構成を示す。移動体属性テーブル182は、車両を識別する車両識別コード182aごとに、その車両の、悪路に対する走破性を表す走破性特定データ182bが対応付けられたデータ構造を有する。
【0035】
走破性特定データ182bは、車両の車高、車重、駆動方式、車種等といった、悪路に対する走破性に依存する属性を表す。車高とは、水平な路面から車両の最も低い箇所までの垂直距離である。駆動方式とは、FF、FR、4WDといった、エンジンの搭載位置と駆動輪との組み合わせを表す。車種とは、普通乗用車、軽乗用車、大型貨物車等との区別を表す。
【0036】
一例として、車高が高いほど、浸水した路面に対する走破性が高い。また、車重が大きいほど、強風に対する走破性が高い。また、FRよりも、FF、さらには4WDの方が、積雪した路面、ぬかるんだ路面に対する走破性が高い。また、大型貨物車よりも軽自動車の方が、土砂崩れで路幅が狭小化した路面に対する走破性が高い。このような理由で、車高、車重、駆動方式、車種等を表す走破性特定データ182bは、車両の悪路に対する走破性を表していると言える。
【0037】
車両識別コード182aは、具体的には、個々の車両を識別するための車両識別番号(VIN:Vehicle Identification Number)を表す。車両識別番号によって、車両の車高、車重、駆動方式、車種等が特定される。このため、
図5(B)に示す構成の移動体属性テーブル182を予め準備しておくことが可能である。
【0038】
以下、移動体属性テーブル182を用いて移動体属性データ181を特定する移動体属性データ特定処理について説明する。
【0039】
図6に示すように、まず、車体接続インタフェース170が、車両MVから車両識別コード182aを取得する(ステップS11)。
【0040】
次に、移動体属性データ特定部114aが、ステップS11で取得された車両識別コード182aに対応する走破性特定データ182bを、移動体属性テーブル182から抽出する(ステップS12)。
【0041】
次に、移動体属性データ特定部114aは、その抽出した走破性特定データ182bを、表示部130を通じて運転者に提示し、提示された走破性特定データ182bの内容を了承する旨の操作、又は提示された走破性特定データ182bの内容を変更する旨の操作を運転者から受け付ける(ステップS13)。
【0042】
運転者は、上述した了承する旨の操作又は変更する旨の操作を、入力部120を用いて行う。このように、走破性特定データ182bの内容の変更も可能であるため、車両MVがカスタマイズされたものであっても、走破性特定データ182bの内容をカスタマイズ後の内容へと正すことができる。
【0043】
移動体属性データ特定部114aは、以上のようにして、運転者によって了承又は変更された走破性特定データ182bを、
図5(A)に示す選択走破性特定データ181aとして確定する。
【0044】
次に、移動体属性データ特定部114aは、
図5(A)に示す緊急走行能否データ181bの入力を受け付ける(ステップS14)。運転者は、車両MVが緊急車両としての走行が可能な緊急走行可能車両であるか否かを、緊急走行能否データ181bとして入力部120を用いて入力する。これにより、緊急走行能否データ181bが確定する。
【0045】
以上で、移動体属性データ特定処理を終える。以上のようにして、移動体属性データ特定部114aによって、
図5(A)に示す移動体属性データ181が特定される。特定された移動体属性データ181は、移動体属性データ特定部114aによって、
図2に示す記憶部180に格納される。
【0046】
図3に戻り、説明を続ける。ルート変更部114は、以上のようにして移動体属性データ特定部114aによって特定された移動体属性データ181を、記憶部180から取得する移動体属性データ取得部114bを有する。
【0047】
判断処理部114cは、移動体属性データ取得部114bによって取得された移動体属性データ181と、災害データ取得部115によって取得された災害データ185とを用いて、基本ルート設定部111によって設定された基本ルートの変更が必要か否かを判断する判断処理を行う。
【0048】
また、ルート変更部114は、基本ルートを変更すべき旨の上記判断処理の結果が与えられる変更探索処理部114dも有する。変更探索処理部114dは、上記判断処理で基本ルートの変更が必要と判断された場合に、基本ルートとは異なる変更ルートを探し出す変更探索処理を行う。上記判断処理と同様、変更探索処理にも、移動体属性データ181及び災害データ185が用いられる。そして、変更探索処理部114dは、変更探索処理で探し出した変更ルートを設定する。
【0049】
以下、
図3に示す各部の協働によって実現されるルート変更探索処理について、具体的に説明する。
【0050】
なお、
図6に示した移動体属性データ特定処理は既に終えていて、記憶部180に移動体属性データ181が格納されているものとする。また、運転者によって、目的地と既述の基本ルート選出基準とが入力部120を用いて既に入力されたものとする。
【0051】
図8に示すように、まず、基本ルート設定部111が、地図データ183を用いて基本ルートを探し出す基本探索処理を行い、探し出した基本ルートを設定する(ステップS21)。なお、このステップS21は、本開示に係る基本ルート設定ステップの一例である。
【0052】
このようにして基本ルートが設定されると、表示制御部113が、表示部130を通じて基本ルートの案内を開始する(ステップS22)。
【0053】
図11(A)に、基本ルートの案内を実現する表示部130の表示態様を例示する。
図11(A)に示すように、表示制御部113は、案内開始位置PSから目的地PGに至る基本ルートRAを表示部130に表示させる。また、表示制御部113は、現在位置特定部112によって特定された現在位置PPも、表示部130に表示させる。なお、案内開始位置PSとは、基本ルートRAの案内を開始したときの現在位置PPである。
【0054】
表示制御部113は、車両MVの進行に伴って、画面における現在位置PPを移動させる。なお、
図11(A)では、基本ルートRAを見やすくするために、地図の図示は省略している。実際には、表示制御部113は、案内開始位置PSから目的地PGに至る基本ルートRAと、現在位置PPとを、地図データ183が表す地図に重ねて表示部130に表示させる。
【0055】
図8に戻り、説明を続ける。以上のようにして基本ルートRAの案内が開始された後(ステップS22)、災害データ取得部115が、災害データ受信器160を通じて災害データ185が受信されたか否かを判定する(ステップS23)。
【0056】
災害データ185を受信していない場合は(ステップS23;NO)、車両MVが目的地PGに到着したか否か、即ち、現在位置PPが目的地PGに一致したか否かが、基本ルート設定部111によって判定される(ステップS28)。現在位置PPが目的地PGに一致していない場合(ステップS28;NO)、処理はステップS23に戻る。現在位置PPが目的地PGに一致した場合は(ステップS28;YES)、本ルート探索処理を終える。
【0057】
一方、災害データ取得部115によって災害データ185が取得された場合は(ステップS23;YES)、判断処理部114cが、まず、災害データ185に含まれる、
図4に示す災害警戒区域特定データ185aを用いて、災害警戒区域を特定する。
【0058】
次に、判断処理部114cは、現在案内中のルート、即ち基本ルートRAが、災害警戒区域と重複を有するか否かを判定する(ステップS24)。基本ルートRAが災害警戒区域と重複を有しない場合(ステップS24;NO)、処理はステップS28に進む。
【0059】
図11(B)には、基本ルートRAが災害警戒区域と重複を有する場合の、表示部130の表示態様を例示している。表示制御部113は、災害警戒区域DAも表示部130に表示させる。なお、
図11(B)でも、
図11(A)と同様、地図の図示は省略している。以下では、基本ルートRAにおける災害警戒区域DAと重複する部分を、基本ルート災害警戒部分RAdと呼ぶ。
【0060】
図8に戻り、説明を続ける。以上のように、基本ルートRAが災害警戒区域DAと重複を有する場合(ステップS24;YES)、判断処理部114cは、車両MVであれば基本ルート災害警戒部分RAdの通行が可能か否かといった観点から、基本ルートRAの変更が必要か否かを判断する判断処理を行う(ステップS25)。
【0061】
上記判断処理で、基本ルートRAの変更が不要であると判断された場合(ステップS25;NO)、処理はステップS28に進む。
【0062】
一方、上記判断処理で基本ルートの変更が必要と判断された場合には(ステップS25;YES)、変更探索処理部114dが、地図データ183を用いて、基本ルートとは異なる変更ルートを探し出す変更探索処理を行い、探し出した変更ルートを設定する(ステップS26)。なお、ステップS26は、本開示に係るルート変更ステップの一例である。
【0063】
次に、表示制御部113が、現在案内中の基本ルートRAに代えて、変更探索処理で探し出されて設定された変更ルートを表示部130に表示させる。これにより、変更ルートの案内が開始される(ステップS27)。
【0064】
その後、車両MVが目的地PGに到着したか否かが、変更探索処理部114dによって判定される(ステップS28)。車両MVがまだ目的地PGに到着していない場合(ステップS28;NO)、処理はステップS23に戻り、車両MVが目的地PGに到着した場合は(ステップS28;YES)、本ルート探索処理を終える。
【0065】
以上説明したステップS21の基本探索処理、ステップS25の判断処理、及びステップS26変更探索処理には、
図2に示す地図データ183が用いられる。本実施形態に係る地図データ183は、判断処理及び変更探索処理に用いるに特に適したデータ構造を有する。そこで、以下、
図7を参照し、地図データ183の構成について説明する。
【0066】
図7に示すように、地図データ183は、地球の表面を模式的に表す基本地図データ183aを含む。基本地図データ183aは、道路網、建造物、山岳、河川等が配置されている地球の表面の地理的状態を縮小して模式的に示す2次元又は3次元のデータである。
【0067】
また、地図データ183は、基本地図データ183aが表す道路における予め定められた各所の、災害を受けた場合の被害の受けやすさを表す物理的道路属性データ183bも含む。
【0068】
具体的には、物理的道路属性データ183bは、道路における予め定められた各所について、海抜、路幅、舗装の有無、傾斜角度、橋の位置であるか否か、トンネル内であるか否か等を表す。
【0069】
一例として、海抜が低い道路ほど大雨の際に浸水が生じやすい。また、路幅の狭い道路ほど土砂崩れの際に通行止めになりやすい。また、舗装されていない道路は、舗装されている道路よりも、大雨、台風の際に悪路となりやすい。また、傾斜角度の大きい道路は、僅かな積雪でも通行不能となりやすい。また、橋を通行する際は、強風の影響を受けやすい。また、トンネル内は、火災の際に通行止めになりやすい。
【0070】
このような理由で、海抜、路幅、舗装の有無、傾斜角度、橋の位置であるか否か、トンネル内であるか否か等を表す物理的道路属性データ183bは、災害を受けた場合の被害の受けやすさを表している。
【0071】
また、地図データ183は、基本地図データ183aが表す道路における予め定められた各所の走行に課される交通法規を表す法規的道路属性データ183cも含む。法規的道路属性データ183cが表す交通法規には、緊急車両以外の一般車両には課されるが、緊急車両には免除されるものが含まれる。
【0072】
具体的には、法規的道路属性データ183cは、道路における予め定められた各所について、右折若しくは左折禁止、追越し禁止、一時停止、又は一方通行が課せられているか否か、制限速度、信号機の有無等を表す。緊急車両であれば、これらの交通法規による規制が免除又は緩和される。
【0073】
以下、上述した地図データ183を用いる、
図8のステップS25の判断処理を、
図9を参照して具体的に説明する。
【0074】
図9に示すように、判断処理部114cは、判断処理において、まず、災害が既に発生したのか、又はこれから発生するのかを判定する(ステップS251)。このステップS251の判定は、
図4に示す災害発生時間データ185bが表す時刻と、現在の時刻とを比較することにより行える。
【0075】
災害がこれから発生する場合(ステップS251;NO)、判断処理部114cは、一般車両としての車両MVであれば、災害の発生までに、
図11(B)に示す基本ルート災害警戒部分RAdの通行を終えることができるか否かを判定する(ステップS252)。
【0076】
具体的には、まず、判断処理部114cは、車両MVの平均速度と、基本ルートRAに課されている制限制度とを考慮して、一般車両としての車両MVが基本ルート災害警戒部分RAdの通行を終える時刻を推定する。
【0077】
なお、車両MVの平均速度は、例えば、現在位置PPの変位の速度によって特定してもよいし、車両MVから取得する速度のデータによって特定してもよい。基本ルートRAに課されている制限制度は、
図7に示す法規的道路属性データ183cで特定される。
【0078】
次に、判断処理部114cは、一般車両としての車両MVが基本ルート災害警戒部分RAdの通行を終える時刻が、災害発生時間データ185bが表す時刻(以下、災害が発生する時刻という。)よりも前か否かを判定する。
【0079】
車両MVが基本ルート災害警戒部分RAdの通行を終える時刻が、災害が発生する時刻よりも前であれば、災害の発生までに、基本ルート災害警戒部分RAdの通行を終えることができると言える(ステップS252;YES)。従って、現在案内中の基本ルートRAを変更する必要がない。
【0080】
この場合、判断処理部114cは、災害の発生までに基本ルート災害警戒部分RAdの通行を終えることができる旨を、
図11(B)に示す表示部130を通じて運転者に通知する(ステップS253)。その後、
図11(B)に示す表示部130において、基本ルートRAの案内が継続された状態で、処理は
図8のステップS28に移行する。
【0081】
一方、判断処理部114cは、車両MVが基本ルート災害警戒部分RAdの通行を終える時刻が、災害が発生する時刻よりも後である場合、災害の発生までに、基本ルート災害警戒部分RAdの通行を終えることができるとは言えない(ステップS252;NO)。
【0082】
この場合、判断処理部114cは、
図5(A)に示す緊急走行能否データ181bが緊急走行可能車両であることを表すか否かを判定する(ステップS254)。車両MVが緊急走行可能車両である場合(ステップS254;YES)、判断処理部114cは、緊急車両として走行する車両MVであれば、災害が発生する時刻までに、基本ルート災害警戒部分RAdの通行を終えることができるか否かを判断する(ステップS255)。
【0083】
具体的には、判断処理部114cは、現在位置PPから基本ルート災害警戒部分RAdの通行を終える地点までに定められている交通法規のうち、緊急車両であれば免除又は緩和されるものを、法規的道路属性データ183cを用いて特定する。そして、判断処理部114cは、その特定した交通法規の適用が免除又は緩和される条件で、車両MVが基本ルート災害警戒部分RAdの通行を終える時刻を推定する。
【0084】
このようにして、判断処理部114cは、緊急車両としての車両MVが基本ルート災害警戒部分RAdの通行を終える時刻を推定する。その時刻が、災害が発生する時刻よりも前であれば、災害の発生までに基本ルート災害警戒部分RAdの通行を終えることができると言える(ステップS255;YES)。
【0085】
この場合、判断処理部114cは、緊急車両としての走行を開始すべき旨、及び緊急車両として走行すれば災害の発生までに基本ルート災害警戒部分RAdの通行を終えることができる旨を、
図11(B)に示す表示部130を通じて運転者に通知する(ステップS256)。その後、
図11(B)に示す表示部130において、基本ルートRAの案内が継続された状態で、処理は
図8のステップS28に移行する。
【0086】
一方、判断処理部114cは、緊急車両としての車両MVであっても災害の発生までに基本ルート災害警戒部分RAdの通行を終えることができない場合(ステップS255;NO)、車両MVであれば、被災後の基本ルート災害警戒部分RAdの通行が可能であるか否かを判断する(ステップS257)。また、ステップS254で車両が緊急走行可能車両でない場合(ステップS254;NO)、及びステップS251で既に災害が発生している場合も(ステップS251;YES)、ステップS257に移行する。
【0087】
具体的には、判断処理部114cは、ステップS257では、
図4に示す災害程度データ185cが表す具体的な災害の程度を考慮して、
図5(A)に示す選択走破性特定データ181aが表す走破性を有する車両MVであれば、被災後の基本ルート災害警戒部分RAdの通過が可能であるか否かを判断する。
【0088】
一例として、災害程度データ185cが10cmの浸水深さを表す場合でも、選択走破性特定データ181aが表す車高が10cmよりも充分に高ければ、浸水後の基本ルート災害警戒部分RAdの通過が可能であると判断され得る。
【0089】
他の例として、災害程度データ185cが15m/s以上、20m/s未満の風速を表す場合でも、選択走破性特定データ181aが表す車重が、その風速に充分耐える値であれば、強風の発生後の基本ルート災害警戒部分RAdの通過が可能であると判断され得る。
【0090】
さらに他の例として、災害程度データ185cが5cmの積雪を表す場合でも、選択走破性特定データ181aが表す駆動形式が4WDであれば、積雪後の基本ルート災害警戒部分RAdの通過が可能であると判断され得る。
【0091】
但し、判断処理部114cは、ステップS257では、選択走破性特定データ181aのみならず、
図7に示す物理的道路属性データ183bも用いて、被災後の基本ルート災害警戒部分RAdの通過が可能であるか否かを判断する。
【0092】
つまり、判断処理部114cは、物理的道路属性データ183bを用いて、基本ルート災害警戒部分RAdの、災害を受けた場合の被害の受けやすさを特定する。そして、その被害の受けやすさも考慮に入れて、被災後の基本ルート災害警戒部分RAdの通過が可能であるか否かを判断する。
【0093】
このため、一例として、車両MVの車高が浸水深さ10cmよりも高い場合でも、物理的道路属性データ183bが表す、基本ルート災害警戒部分RAdの海抜が低い場合には、浸水後の基本ルート災害警戒部分RAdの通過は不可能であると判断され得る。海抜の低い道路においては、10cmを超える浸水が生じる可能性が高いためである。
【0094】
また、車両MVの車重が15m/s以上、20m/s未満の風速に耐え得る値でも、物理的道路属性データ183bが、基本ルート災害警戒部分RAdが橋の位置に存在することを表す場合には、周囲に強風を遮る建造物が少ない。このため、強風の発生後の基本ルート災害警戒部分RAdの通過は不可能であると判断され得る。
【0095】
また、車両MVの駆動形式が、5cm程度積雪した路面であれば通行可能な4WDであっても、物理的道路属性データ183bが表す、基本ルート災害警戒部分RAdの道路の傾斜角度が大きい場合には、スリップが発生する可能性が高い。このため、積雪後の基本ルート災害警戒部分RAdの通過は不可能であると判断され得る。
【0096】
判断処理部114cは、以上説明した要領で、車両MVであれば被災後の基本ルート災害警戒部分RAdの通行が可能であるか否かを判断する(ステップS257)。
【0097】
この結果、車両MVであれば被災後の基本ルート災害警戒部分RAdの通行が可能であると判断した場合(ステップS257;YES)、判断処理部114cは、災害程度データ185cが表す災害の程度、及び車両MVであれば被災後の基本ルート災害警戒部分RAdの通行が可能である旨を、
図11(B)に示す表示部130を通じて運転者に通知する(ステップS258)。その後、
図11(B)に示す表示部130において、基本ルートRAの案内が継続された状態で、処理は
図8のステップS28に移行する。
【0098】
一方、ステップS257で、車両MVであっても被災後の基本ルート災害警戒部分RAdの通行が不可能であると判断された場合は(ステップS257;NO)、基本ルートRAとは異なる変更ルートを探索するために、処理は
図8のステップS26の変更探索処理に移行する。
【0099】
以下、
図8のステップS26の変更探索処理を、
図10を参照して具体的に説明する。
【0100】
図10に示すように、変更探索処理部114dは、まず、基本ルートRAとは異なる変更ルートの候補として、災害警戒区域DAを回避する候補ルートを、基本地図データ183aを用いて探索する(ステップS261)。
【0101】
この結果、災害警戒区域DAを回避する候補ルートが探し出された場合(ステップS262;YES)、変更探索処理部114dは、その候補ルートを変更ルートとして設定する(ステップS263)。なお、変更探索処理部114dは、ステップS261で候補ルートが複数探し出された場合は、目的地PGまでの所要時間が最も短い候補ルートを変更ルートとして設定する。その後、処理は
図8のステップS27に移行する。
【0102】
図12に、
図8のステップS27で表示部130に表示される、災害警戒区域DAを回避する変更ルートRB1を例示する。
図12に示すように、表示制御部113は、災害警戒区域DAを表示するとともに、案内するルートがどのように変更されたかを明示するために、変更ルートRB1と一緒に元の基本ルートRAも表示部130に表示させてもよい。なお、
図12では、
図11(A)及び(B)と同様、地図の図示は省略している。
【0103】
図10に戻り、説明を続ける。変更探索処理部114dは、ステップS262で災害警戒区域DAを回避する候補ルートを探し出すことができなかった場合(ステップS262;NO)、基本ルートRAとは異なる変更ルートの候補として、災害警戒区域DAを通るにも関わらず、車両MVであれば通行可能な候補ルートを探索する(ステップS264)。
【0104】
図13に、災害警戒区域DAを通る候補ルートCAを例示する。上記ステップS264では、このような候補ルートCAの有無が調べられる。以下では、候補ルートCAにおける災害警戒区域DAと重複する部分を、候補ルート災害警戒部分CAdと呼ぶ。
【0105】
図10に戻り、説明を続ける。ステップS264では、変更探索処理部114dは、基本地図データ183aのみならず、物理的道路属性データ183b、法規的道路属性データ183c、選択走破性特定データ181a、及び緊急走行能否データ181bも用いて、候補ルートCAを探索する。
【0106】
第1の例として、変更探索処理部114dは、緊急走行能否データ181bが緊急走行可能車両であることを表し、かつ災害警戒区域DAにまだ災害が発生していない場合、緊急車両として走行する車両MVであれば、災害が発生する時刻までに、候補ルート災害警戒部分CAdの通行を終えることができるような候補ルートCAの有無を調べる。
【0107】
なお、このような候補ルートCAの有無を調べることは、
図9に示したステップS255の判定結果が“NO”であった場合でも行われる。これは、
図13に示した基本ルート災害警戒部分RAdの通行を終える時刻よりも早い時刻に通行を終えることができるような候補ルート災害警戒部分CAdが存在し得るからである。
【0108】
具体的には、変更探索処理部114dは、現在位置PPから候補ルート災害警戒部分CAdの通行を終える地点までに定められている交通法規のうち、緊急車両であれば免除又は緩和されるものを、法規的道路属性データ183cを用いて特定する。
【0109】
そして、変更探索処理部114dは、その特定した交通法規の適用が免除又は緩和される条件で、車両MVが候補ルート災害警戒部分CAdの通行を終える時刻を推定する。その時刻が、災害が発生する時刻よりも前であれば、緊急車両としての車両MVであれば、候補ルート災害警戒部分CAdの通行を終えることができると言える。この場合は、候補ルートCAを探し出すことができたことになる。
【0110】
第2の例として、変更探索処理部114dは、既に災害警戒区域DAに災害が発生している場合であっても、
図4に示す災害程度データ185cが表す具体的な災害の程度を考慮して、
図5(A)に示す選択走破性特定データ181aが表す走破性を有する車両MVであれば、被災後の候補ルート災害警戒部分CAdの通過が可能であるような候補ルートCAの有無を調べる。
【0111】
この場合、変更探索処理部114dは、選択走破性特定データ181aのみならず、物理的道路属性データ183bも用いて、被災後の候補ルート災害警戒部分CAdの通過が可能であるか否かを判断する。つまり、判断処理部114cは、物理的道路属性データ183bを用いて、候補ルート災害警戒部分CAdの、災害を受けた場合の被害の受けやすさを特定する。そして、その被害の受けやすさも考慮に入れて、被災後の候補ルート災害警戒部分CAdの通過が可能であるか否かを判断する。
【0112】
この第2の例での、被災後の候補ルート災害警戒部分CAdの通過が可能であるか否かの判断の要領は、先に述べた
図9のステップS257での、被災後の基本ルート災害警戒部分RAdの通過が可能であるか否かの判断の要領と同様である。
【0113】
変更探索処理部114dは、以上説明した要領で、災害警戒区域DAを通るにも関わらず、車両MVであれば通行可能な候補ルートCAを探し出すことができた場合(ステップS265;YES)、その候補ルートCAを変更ルートに設定すべく、処理をステップS263に進める。
【0114】
ステップS263の後、処理は、
図8のステップS27に進められる。先に参照した
図13には、災害警戒区域DAを通る候補ルートCAが探し出されたため、その候補ルートCAが、
図8のステップS27で、変更ルートRB2として案内されている様子を示す。
【0115】
一方、変更探索処理部114dは、ステップS264で、災害警戒区域DAを通るにも関わらず、車両MVであれば通行可能な候補ルートCAを探し出すことができなかった場合(ステップS265;NO)、安全に目的地PGに到着できるルートが存在しない旨を、
図11(B)に示す表示部130を通じて運転者に通知する(ステップS266)。
【0116】
この場合、変更探索処理部114dは、目的地PGを変更すべき旨の通知、又は車両MVの運転を中止すべき旨の通知をさらに行ってもよい。その後、ルート探索案内処理を終える。運転者によって目的地PGが設定し直された場合、
図8のステップS21から改めてルート探索案内処理が再開されるものとする。なお、ステップS266を経てルート探索案内処理を終える流れについては、
図8では図示を省略した。
【0117】
図8を再び参照し、以下、ルート探索案内処理の繰り返しに関して述べる。
【0118】
図8に示すように、ステップS28で、まだ目的地PGに到着していない場合(ステップS28;NO)、処理はステップS23に戻る。このため、災害データ取得部115によって、災害データ185が繰り返し取得され得る。従って、ステップS24の判定も繰り返され得る。
【0119】
また、ステップS25の判断処理も繰り返され得る。2回目以降の判断処理を、再判断処理と呼ぶことにする。つまり、判断処理部114cは、災害データ取得部115によって、最新の変更ルートRB1又はRB2に重複する災害警戒区域を特定する災害データ185が取得されるたびに、移動体属性データ181が表す車両MVの属性を考慮して、最新の変更ルートRB1又はRB2を変更すべきか否かを判断する再判断処理を行う。
【0120】
また、ステップS26の変更探索処理も繰り返され得る。2回目以降の変更探索処理を、再変更探索処理と呼ぶことにする。つまり、変更探索処理部114dは、再判断処理で最新の変更ルートRB1又はRB2を変更すべきと判断された場合に、移動体属性データ181が表す車両MVの属性を考慮して、最新の変更ルートRB1又はRB2とは異なる変更ルートを探し出す再変更探索処理を行う。
【0121】
ルート変更部114は、2回目以降のステップS24で、最新の変更ルートRB1又はRB2が、最新の災害データ185が表す災害警戒区域と重複を有しない場合は、その最新の変更ルートRB1又はRB2と同じ変更ルートを再設定する。また、ルート変更部114は、ステップS25の再判断処理で、最新の変更ルートRB1又はRB2を変更する必要がないと判断した場合も、その最新の変更ルートRB1又はRB2と同じ変更ルートを再設定する。一方、ルート変更部114は、ステップS25の再判断処理で、最新の変更ルートRB1又はRB2を変更する必要があると判断した場合には、再変更探索処理で探し直された変更ルートを再設定する。
【0122】
以上のように、ルート変更部114は、変更ルートが設定されている場合、災害データ185が取得されるごとに、地図データ183と、設定されている変更ルートRB1又はRB2と、最新の災害データ185と、移動体属性データ181とに基づいて、変更ルートを再設定する。
【0123】
以上説明したように、本実施形態によれば、移動体属性データ181が表す車両MVの属性を考慮して、判断処理、再判断処理、変更探索処理、及び再変更探索処理が行われるので、車両MVに応じたルートを設定することができる。
【0124】
一例として、車両MVの属性を考慮して変更探索処理を行うことにより、車両MVに応じたルートとして、
図13に示した変更ルートRB2を設定することができる。また、本実施形態では、基本探索処理では車両MVの属性は考慮されないが、判断処理においては車両MVの属性が考慮される。このため、基本探索処理で探し出され、かつ判断処理で変更が不要と判断された基本ルートRAは、
図11(B)に示したように災害警戒区域DAと重複を有するものであっても、車両MVに応じたルートであると言える。
【0125】
また、本実施形態によれば、案内中の基本ルートRAの途中に災害警戒区域DAが指定された場合であっても、車両MVであれば案内中の基本ルートRAの通行が可能と判断されたときは、その基本ルートRAが変更されることなく、その基本ルートRAの案内が継続される。従って、案内中の基本ルートRAの途中に災害警戒区域DAが指定された場合に、ユーザに案内するルートの無用な変更が生じにくい。
【0126】
一方、案内中の基本ルートRAの変更が必要と判断された場合、たとえ災害警戒区域DAを回避する変更ルートRB1が見い出せなくても、災害警戒区域DAを通る候補ルートCAの有無が調べられる。そして、そのような候補ルートCAが探し出された場合は、それを変更ルートRB2として設定して運転者に提示することができる。このため、災害警戒区域DAを通る候補ルートCAの有無を調べない場合に比べると、変更ルートの探索に失敗する可能性を低減できる。
【0127】
[第2実施形態]
図1には、ルートに沿って移動する移動体が車両MVである場合を例示した。移動体は人であってもよい。つまり、人がウォーキング、ランニンング等によってルートに沿って移動してもよい。以下、移動体が人である場合の具体例を述べる。
【0128】
本実施形態では、移動体が人であるため、第1実施形態で用いられた移動体属性データ181に代えて、人の踏破性を表す移動体属性データが用いられる。以下、本実施形態で移動体属性データ特定部114aが行う移動体属性データ特定処理について述べる。
【0129】
図14に示すように、まず、移動体属性データ特定部114aは、ユーザの年齢の入力を受け付ける(ステップS31)。ユーザは、入力部120を用いて、年齢を入力する。また、移動体属性データ特定部114aは、ユーザの性別の入力を受け付ける(ステップS32)。ユーザは、入力部120を用いて、性別を入力する。
【0130】
また、移動体属性データ特定部114aは、ユーザの健康状態の入力を受け付ける(ステップS33)。ユーザは、入力部120を用いて、健康状態を入力する。ここで健康状態とは、例えば、快調であるか否か、風邪気味であるか否か、腰痛があるか否か等を表す。
【0131】
また、移動体属性データ特定部114aは、福祉用具の使用の有無の入力を受け付ける(ステップS34)。ユーザは、入力部120を用いて、福祉用具の使用の有無を入力する。ここで福祉用具とは、例えば、杖、車いす、歩行器等を指す。
【0132】
また、移動体属性データ特定部114aは、介護の要否の入力を受け付ける(ステップS35)。ユーザは、入力部120を用いて、介護の要否を入力する。
【0133】
以上で、移動体属性データ特定処理を終える。移動体属性データ特定部114aは、ステップS31-35で入力された結果を、本実施形態に係る移動体属性データとして記憶部180に格納する。このように本実施形態では、ユーザの入力操作で移動体属性データが特定されるので、
図2に示した移動体属性テーブル182、車体接続インタフェース170は省かれる。
【0134】
以上のように、本実施形態に係る移動体属性データは、ユーザの年齢、性別、健康状態、福祉用具の使用の有無、及び介護の要否を表す。これらは、ユーザの悪路を通行する能力、即ち踏破性を表す属性である。
【0135】
本実施形態では、
図8のステップS25において判断処理部114cは、災害程度データ185cが表す具体的な災害の程度を考慮して、本実施形態に係る移動体属性データが表す踏破性を有するユーザであれば、被災後の基本ルート災害警戒部分RAdの通行が可能か否かという観点から、基本ルートRAの変更が必要か否かを判断する。
【0136】
また、本実施形態では、
図8のステップS26において変更探索処理部114dは、災害程度データ185cが表す具体的な災害の程度を考慮して、本実施形態に係る移動体属性データが表す踏破性を有するユーザであれば、被災後の候補ルート災害警戒部分CAdの通過が可能であるような候補ルートCAの有無を調べる。
図8における他の処理は、第1実施形態の場合と同様である。
【0137】
[第3実施形態]
図2には、地図データ183を記憶部180に保持したルート探索装置100Aを例示した。ルート探索装置100Aは、必ずしも地図データ183を常に保持していなくてもよい。以下、必要に応じて地図データ183を外部から取得する構成を述べる。
【0138】
図15に示すように、本実施形態に係るルート探索装置100Bは、通信回線CLを介して地図データ提供サーバSDと接続される。ルート探索装置100Bは、移動体と一緒に移動しつつ、既述の基本探索処理、判断処理、変更探索処理に先立って、地図データ提供サーバSDから地図データ183を無線で取得する。
【0139】
このため、ルート探索装置100Bは、地図データ183を常時に保持している必要がない。ルート探索装置100Bは、例えば、スマートフォン、ウェアラブル(wearable)な電子機器、タブレット等によって実現できる。
【0140】
[第4実施形態]
図2には、入力部120及び表示部130を備えるルート探索装置100Aを例示した。ルート探索装置100Aは、必ずしも入力部120、表示部130等を備えなくてもよい。以下、入力部120、表示部130等の機能を他の装置に担わせた構成を述べる。
【0141】
図16に示すように、本実施形態に係るルート探索装置100Cには、通信回線CLを介して端末装置TDが接続される。本実施形態では、端末装置TDが、移動体と一緒に移動される。端末装置TDは、例えば、スマートフォン、ウェアラブルな電子機器、タブレット等によって実現される。
図2に示した入力部120、表示部130、GPS受信器140、センサ群150等は、端末装置TDに備えられる。このため、ルート探索装置100Cはこれらを備える必要がない。
【0142】
本実施形態に係るルート探索装置100Cは、端末装置TDからの依頼を受けて各種処理を遂行し、その処理の結果を端末装置TDに返すサーバの役割を果たす。具体的には、ルート探索装置100Cは、端末装置TDから移動体の現在位置を表すデータを取得すると共に、端末装置TDから既述の基本探索処理、判断処理、変更探索処理の依頼を受ける。そして、ルート探索装置100Cは、基本探索処理、判断処理、変更探索処理を遂行し、処理の結果を端末装置TDに返す。
【0143】
また、ルート探索装置100Cの表示制御部113は、判断処理で基本ルートRAの変更が不要と判断された場合に、基本ルートRAを端末装置TDの表示部130に表示させる表示制御を行う。また、ルート探索装置100Cの表示制御部113は、判断処理で基本ルートRAの変更が必要と判断された場合には、変更ルートRB1又はRB2を端末装置TDの表示部130に表示させる表示制御を行う。
【0144】
以上、第1-第4実施形態について説明した。以下に述べる変形も可能である。
【0145】
図5(A)には、移動体が車両MVである場合の移動体属性データ181として、選択走破性特定データ181aと緊急走行能否データ181bとの双方を含むものを例示した。移動体属性データ181は、選択走破性特定データ181aと緊急走行能否データ181bとのいずれか一方のみを含むものであってもよい。移動体属性データ181が緊急走行能否データ181bを含まない場合は、
図9のステップS254、S255、S256、その他、緊急走行能否データ181bを用いる処理を省略することができる。
【0146】
また、移動体属性データ181を構成するデータは、移動体の属性を表すものであれば特に限定されない。即ち、移動体属性データ181を構成するデータは、
図5(A)に例示した選択走破性特定データ181a、緊急走行能否データ181bに限定されない。
【0147】
他の具体例として、移動体としての車両MVの動力源を識別する動力源識別データを、移動体属性データ181に含めてもよい。ここで動力源とは、例えば、ガソリンエンジン、電気モータ、水素燃料エンジン、ガソリンエンジンと電気モータとを組み合わせたハイブリッド機構等を指す。具体的には、動力源識別データは、車両MVがガソリン自動車なのか、電気自動車なのか、水素自動車なのか、ハイブリッド自動車なのか等の区別を表す。このような動力源識別データも、
図5(A)に例示した選択走破性特定データ181aと同様、車体接続インタフェース170を通じて車両MVから取得することができる。
【0148】
そして、
図8のステップS25の判断処理又は再判断処理、及びステップS26の変更探査処理又は再変更探索処理で、動力源識別データが表す動力源の区別が考慮されてもよい。例えば、電気自動車を充電する充電ステーション、水素自動車に水素を供給する水素ステーションは、ガソリンスタンドに比べると、設置が少ないのが現状である。そこで、ルート変更部114の変更探索処理部114dは、車両MVの動力源に応じた燃料供給所を通る候補ルートが優先的に変更ルートとして選ばれる条件で、変更探査処理又は再変更探索処理をってもよい。
【0149】
図1には、移動体として、4輪車である車両MVを例示したが、車両MVは2輪車であってもよい。また、移動体は、ドローンその他の回転翼機であってもよい。回転翼機の属性を表す移動体属性データとしては、回転翼機の、風雨に耐えて飛行する能力の高さである飛行能力に依存する属性、例えば、備える回転翼の数、回転翼のサイズ、回転翼を回転させる電動機又は原動機の最大出力、機体の重さ等を表すものであってもよい。
【0150】
本明細書において“移動体”とは、ルート探索装置100A、100B、又は100Cによって探し出されたルートに沿って移動する主体を指し、人によって運転されるもの、及び人を含む概念とする。“人によって運転されるもの”の概念には、自動車、自転車その他の人が乗り込むもののみならず、ドローンその他の人に遠隔操作されるものも含まれるものとする。
【0151】
ルート探索装置100A、100B、及び100Cは、既存のコンピュータによって実現できる。即ち、
図2に示すルート探索プログラム184をコンピュータにインストールすることで、そのコンピュータを100A、100B、又は100Cとして機能させることができる。ルート探索プログラム184は、通信ネットワークを介して配布してもよいし、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納して配布してもよい。
【符号の説明】
【0152】
100A,100B,100C…ルート探索装置、110…プロセッサ、111…基本ルート設定部、112…現在位置特定部、113…表示制御部、114…ルート変更部、114a…移動体属性データ特定部、114b…移動体属性データ取得部、114c…判断処理部、114d…変更探索処理部、115…災害データ取得部、120…入力部、130…表示部、140…GPS受信器、150…センサ群、160…災害データ受信器、
170…車体接続インタフェース、180…記憶部、181…移動体属性データ、181a…選択走破性特定データ、181b…緊急走行能否データ、182…移動体属性テーブル、182a…車両識別コード、182b…走破性特定データ、183…地図データ、183a…基本地図データ、183b…物理的道路属性データ、183c…法規的道路属性データ、184…ルート探索プログラム、185…災害データ、185a…災害警戒区域特定データ、185b…災害発生時間データ、185c…災害程度データ、CA…候補ルート、CAd…候補ルート災害警戒部分、CL…通信回線、DA…災害警戒区域、MV…車両(移動体)、PS…案内開始位置、PG…目的地、RA…基本ルート、RAd…基本ルート災害警戒部分、RB1,RB2…変更ルート、PP…現在位置、SD…地図データ提供サーバ、TD…端末装置。