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特開2024-76075放置車両の整理に関わる業務を支援する方法、プログラム及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076075
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】放置車両の整理に関わる業務を支援する方法、プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240529BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187448
(22)【出願日】2022-11-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】522075243
【氏名又は名称】セイブ環境株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】516081917
【氏名又は名称】株式会社SPOT
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】島田 裕章
(72)【発明者】
【氏名】花房 寛
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC13
5L050CC13
(57)【要約】
【課題】放置車両の整理に関わる業務を円滑に進め易くする方法、プログラム及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置1が実行する方法は、一の管理案件に関わる放置車両の所有者に関する情報を取得した場合、取得した情報に応じた所有者情報を生成し、当該一の管理案件に関わる情報として記憶装置2に記憶する所有者情報生成工程と、駐車場情報、放置車両情報及び所有者情報との少なくとも1つに基づいて、放置車両の整理に関わる業務における所有者とのトラブルの生じ易さを示す指標を管理案件ごとに取得する指標取得工程と、取得した指標を含むように所有者情報を更新する所有者情報更新工程とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置が実行する方法であって、
前記情報処理装置は、記憶装置にアクセス可能であり、
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、
前記放置車両に関する放置車両情報と、
前記放置車両の所有者に関する所有者情報と、
前記放置車両が放置された前記駐車場に関する駐車場情報と
を記憶し、
一の前記管理案件に関わる前記放置車両の前記所有者に関する情報を取得した場合、取得した情報に応じた前記所有者情報を生成し、当該一の管理案件に関わる情報として前記記憶装置に記憶する所有者情報生成工程と、
前記駐車場情報、前記放置車両情報及び前記所有者情報の少なくとも1つに基づいて、前記放置車両の整理に関わる前記業務における前記所有者とのトラブルの生じ易さを示す指標を前記管理案件ごとに取得する指標取得工程と、
取得した前記指標を含むように前記所有者情報を更新する所有者情報更新工程とを有する、
方法。
【請求項2】
前記指標取得工程は、前記駐車場に関する情報と、前記放置車両に関する情報と、前記所有者に関する情報との少なくとも1つから前記指標を推定するように生成された学習済みモデルに対して、前記駐車場情報、前記放置車両情報及び前記所有者情報の少なくとも1つを適用することにより、前記指標を推定することを含み、
前記学習済みモデルは、
個別の前記駐車場及び前記駐車場が所在する地域の少なくとも一方と前記指標との相関関係と、
前記放置車両の車種、型式及び年式の少なくとも1つと前記指標との相関関係と、
前記所有者の氏名及び住所の少なくとも一方と前記指標との相関関係と
の少なくとも1つに基づいて、
前記駐車場情報に含まれる個別の前記駐車場及び前記駐車場が所在する地域の少なくとも一方に関する情報と、
前記放置車両情報に含まれる前記放置車両の車種、型式及び年式の少なくとも1つに関する情報と、
前記所有者情報に含まれる前記所有者の氏名及び住所の少なくとも一方に関する情報と
の少なくとも1つから前記指標を推定するように生成されたモデルである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記指標取得工程は、
前記所有者との前記トラブルの発生頻度に応じた数値であって、前記駐車場情報に含まれる個別の前記駐車場及び前記駐車場が所在する地域の少なくとも一方に関する情報に応じた前記数値である第1数値、前記放置車両情報に含まれる前記放置車両の車種、型式及び年式の少なくとも1つに関する情報に応じた前記数値である第2数値、及び、前記所有者情報に含まれる前記所有者の氏名及び住所の少なくとも一方に関する情報に応じた前記数値である第3数値の少なくとも1つを取得することと、
前記第1数値、前記第2数値及び前記第3数値の少なくとも1つと前記指標との対応関係を定める所定の関数に対して、取得した前記第1数値、前記第2数値及び前記第3数値の少なくとも1つを適用することにより、前記指標を算出することとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、前記業務の進行状態に関する状態情報を記憶し、
指定された前記管理案件の前記業務の進行状態に関する情報を表示するように求める表示要求が入力された場合に、当該管理案件についての前記状態情報が示す前記業務の進行状態と、当該管理案件についての前記所有者情報に含まれる前記指標とに基づいて、前記業務において次に進めるべき作業の1以上の候補を判定し、判定した当該1以上の候補に関する情報を表示する第1情報表示工程を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、前記業務の進行状態に関する状態情報を記憶し、
前記業務における複数の前記進行状態の各々には、実施されるべき1以上の作業と、前記作業の実施結果に応じて次に遷移するべき前記進行状態とが予め定められており、
一の前記管理案件についての前記業務の記録が入力されると、入力された前記業務の記録に含まれる前記作業の実施結果を示す情報と、当該一の管理案件の前記状態情報が示す前記進行状態とに基づいて、次に遷移すべき前記進行状態を判定し、判定した前記進行状態を示すように当該一の管理案件の前記状態情報を更新する第1状態情報更新工程を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも一部の前記進行状態については、前記作業の実施結果と前記指標とに応じて次に遷移するべき前記進行状態が定められており、
前記第1状態情報更新工程は、一の前記管理案件の前記状態情報を更新する場合において、当該状態情報の示す前記進行状態が前記少なくとも一部の前記進行状態である場合には、入力された前記業務の記録に含まれる前記作業の実施結果を示す情報と、当該一の管理案件の前記状態情報が示す前記進行状態と、当該一の管理案件の前記所有者情報に含まれる前記指標とに基づいて、次に遷移すべき前記進行状態を判定することを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、
前記放置車両が放置された放置期間に関する放置期間情報と、
前記業務の進行状態に関する状態情報と
を記憶し、
前記駐車場情報と前記放置期間情報とに基づいて、前記放置車両の所有者に請求すべき請求金額であって、前記駐車場における前記放置期間分の駐車料金に応じた前記請求金額を前記管理案件ごとに取得する請求金額取得工程と、
前記放置車両情報に基づいて、前記放置車両の金銭的な価値に応じた車両価額を前記管理案件ごとに取得する車両価額取得工程と、
前記請求金額が前記車両価額を超えたか否かを前記管理案件ごとに判定する判定工程と、
一の前記管理案件について前記請求金額が前記車両価額を超えたと判定した場合であって、当該一の管理案件に関わる前記放置車両の出庫が困難な状態であることを前記状態情報が示している場合に、当該放置車両の処分を進める状態であることを示すように前記状態情報を更新する第2状態情報更新工程とを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
指定された前記管理案件の前記業務の進行状態に関する情報を表示するように求める表示要求が入力された場合に、当該管理案件についての前記状態情報が示す前記業務の進行状態に基づいて、前記業務において次に進めるべき作業の1以上の候補を判定し、判定した当該1以上の候補に関する情報を表示する第1情報表示工程を有する、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記情報処理装置は、前記業務の担当者が操作する担当者端末装置と通信可能であり、
前記放置車両が放置された前記駐車場に位置する前記担当者の前記担当者端末装置から、当該担当者端末装置の位置を示す位置情報若しくは前記駐車場の識別情報を取得する情報取得工程と、
前記担当者端末装置から取得した前記位置情報若しくは前記識別情報と、前記駐車場情報に含まれる前記駐車場の所在地に関する情報若しくは前記識別情報とに基づいて、当該担当者端末装置が位置する前記駐車場に放置された前記放置車両に関わる前記管理案件を特定する案件特定工程と、
前記位置情報若しくは前記識別情報を取得した前記担当者端末装置から、前記業務に関する情報の表示を求める表示要求を受信した場合、特定した前記管理案件について前記記憶装置に記憶される情報の少なくとも一部に応じた情報を前記担当者端末装置において表示する第2情報表示工程とを有する、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第2情報表示工程は、前記業務の進行状態に関する情報を表示するように求める前記表示要求を前記担当者端末装置から受信した場合に、特定した前記管理案件についての前記状態情報が示す前記業務の進行状態に基づいて、前記業務において次に進めるべき作業の1以上の候補を判定し、判定した当該1以上の候補に関する情報を表示することを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置が実行可能な命令を含むプログラムであって、
請求項1~請求項10のいずれか一項に記載された方法を前記情報処理装置に実行させる前記命令を含んだ
プログラム
【請求項12】
駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置であって、
処理部と、
前記処理部が実行可能な命令を含んだプログラムを記憶する記憶部とを有し、
前記プログラムが、請求項1~請求項10のいずれか一項に記載された方法を行う前記命令を含む、
情報処理装置。
【請求項13】
駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置であって、
請求項1~請求項10のいずれか一項に記載された方法を行う手段を備えた
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する方法、プログラム及び情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
時間貸しの駐車場は、不特定の車両に対して一時的に駐車スペースを提供すること想定して運営されている。そのため、駐車場の運営者は、長期間に渡って駐車場に放置された車両(以下「放置車両」と記す場合がある。)に対して、通常の業務にはない対応を迫られることになる。下記の特許文献には、車両のナンバープレート情報を駐車場の入口および出口においてそれぞれ読取ることにより、長期間放置されている放置車両の自動検出を行なうことができるようにした駐車場管理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平04-125794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
放置車両は他人の所有物であるため、原則として所有者の同意を得ずに移動させたり処分したりすることはできない。諸々の事情によって所有者と接触することが困難な場合は、例えば所有者に対して土地の明け渡しや損害賠償を請求する訴訟を起こし、勝訴判決が確定した後の強制執行により放置車両を処分するなどの方法がとられる。訴訟を提起する方法では、時間と費用のかかる面倒な手続が必要になる。そのため、所有者と接触できる状態であれば、可能な限り所有者との交渉によって放置車両の問題を解決することが望ましい。
【0005】
しかしながら、所有者が交渉困難な人物(素行不良な人物など)の場合、放置車両の整理(出庫、処分など)に関わる業務において所有者とのトラブルが発生し易くなる。この場合、経験のある担当者であればトラブルを避けて所有者とやり取りすることができるが、経験の浅い担当者では所有者と無用なトラブルを生じさせてしまい、問題が解決するまでの期間を長引かせてしまい易い。また、所有者が暴力的な人物の場合は、担当者の安全のために、所有者と担当者との直接的な接触を避けて訴訟等の手段を用いた方が望ましいこともある。上述した従来の駐車場管理装置では、放置車両の所有者が交渉困難な人物であるか否かについての情報が得られないため、所有者とやり取りする担当者の選定や、所有者と直接的に接触すべきか否かの判断を適切に行えず、放置車両の整理に関わる業務を円滑に進め難いという問題がある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、放置車両の整理に関わる業務を円滑に進め易くする方法、プログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置が実行する方法であって、情報処理装置は、記憶装置にアクセス可能であり、記憶装置は、それぞれ一の放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、放置車両に関する放置車両情報と、放置車両の所有者に関する所有者情報と、放置車両が放置された駐車場に関する駐車場情報とを記憶し、一の管理案件に関わる放置車両の所有者に関する情報を取得した場合、取得した情報に応じた所有者情報を生成し、当該一の管理案件に関わる情報として記憶装置に記憶する所有者情報生成工程と、駐車場情報、放置車両情報及び所有者情報の少なくとも1つに基づいて、放置車両の整理に関わる業務における所有者とのトラブルの生じ易さを示す指標を管理案件ごとに取得する指標取得工程と、取得した指標を含むように所有者情報を更新する所有者情報更新工程とを有する方法である。
【0008】
本発明の第2の態様は、駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置が実行可能な命令を含むプログラムであって、上記第1の態様に係る方法を情報処理装置に実行させる命令を含んだプログラムである。
【0009】
本発明の第3の態様は、駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置であって、処理部と、処理部が実行可能な命令を含んだプログラムを記憶する記憶部とを有し、プログラムが、上記第1の態様に係る方法を処理部に実行させる命令を含む、業務支援装置である。
【0010】
本発明の第4の態様は、駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置であって、上記第1の態様に係る方法を実行する手段を備えた業務支援装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、放置車両の整理に関わる業務を円滑に進め易くすることができる方法、プログラム及び業務支援装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
図2図2A図2B及び図2Cは、それぞれ依頼者情報、駐車場情報及び管理案件情報に含まれる情報の一例を示す図である。
図3図3は、放置車両の整理に関わる業務を説明するための図である。
図4図4は、業務に関する情報を担当者端末装置において表示する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図5図5は、一の管理案件に関する情報を含んだ画面の一例を示す図である。
図6図6Aは、所有者情報を登録する処理の一例を説明するためのフローチャートである。図6Bは、指標を取得する処理の一例を説明するためのフローチャートである。図6Cは、所定の関数を用いて指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、状態情報を更新する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図8図8は、放置車両の出庫が困難な状態から放置車両の処分を進める状態に遷移する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。図1の例に示すシステムは、LAN(local area network)などの通信ネットワーク9を介して通信可能な情報処理装置1、担当者端末装置3及び弁護士端末装置4を有する。
情報処理装置1は、本発明の情報処理装置の一例である。
担当者端末装置3は、本発明の担当者端末装置の一例である。
【0014】
図1に示すシステムでは、駐車場に放置された放置車両の整理(駐車場からの出庫や処分など)に関わる業務(以下、単に「業務」と記す場合がある。)を支援する処理が行われる。例えば、業務の担当者によって操作される担当者端末装置3において業務に関する情報を表示する処理、担当者端末装置3において入力された業務に関する情報を情報処理装置1の記憶装置2に記憶する処理、弁護士によって操作される弁護士端末装置4と担当者端末装置3との間のビデオ通話を設定する処理などが行われる。
【0015】
[担当者端末装置3]
担当者端末装置3は、放置車両の整理に関わる業務を行う担当者によって操作される装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの情報通信機能を備える。図1に示すシステムは1つの担当者端末装置3が含んでいるが、それぞれ別の担当者によって操作される複数の担当者端末装置3を含んでいてもよい。例えば担当者端末装置3は、情報処理装置1の後述する通信部11、記憶部12、処理部13と同様な処理部、記憶部、通信部を備えるとともに、ユーザの指示を処理部に入力する入力部(タッチパネル、マウス、キーボードなどの入力装置)、情報を表示する表示部(液晶ディスプレイなどの表示装置)、ビデオ通話に用いられるカメラとマイク、地理的な位置情報を取得する手段(GPS測定部など)を備える。また担当者端末装置3は、カメラにより撮像した光学コード(QRコード(登録商標)など)に含まれる情報を読み取る機能を備えていてもよい。
【0016】
[弁護士端末装置4]
弁護士端末装置4は、放置車両の所有者と交渉を行う弁護士によって操作される装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの情報通信機能を備える。図1に示すシステムは1つの弁護士端末装置4が含んでいるが、それぞれ別の弁護士によって操作される複数の弁護士端末装置4を含んでいてもよい。例えば弁護士端末装置4は、情報処理装置1の後述する通信部11、記憶部12、処理部13と同様な処理部、記憶部、通信部を備えるとともに、ユーザの指示を処理部に入力する入力部(タッチパネル、マウス、キーボードなどの入力装置)、情報を表示する表示部(液晶ディスプレイなどの表示装置)、ビデオ通話に用いられるカメラとマイクを備える。
【0017】
[情報処理装置1]
情報処理装置1は、駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う。例えば、情報処理装置1は、担当者端末装置3において入力された業務に関する情報を後述する記憶装置2のデータベース(21~23)に登録する処理、データベースに登録された業務に関する情報を担当者端末装置3において表示する処理、データベースに登録された情報に基づいて業務の進行状態を管理し、現在の状態を示す情報や次に行うべき作業の候補に関する情報を担当者端末装置3において表示する処理などを行う。また、情報処理装置1は、データベースに登録された情報に基づいて、放置車両の整理に関わる業務における所有者とのトラブルの生じ易さを示す指標を取得し、取得した指標に関する情報を担当者端末装置3において表示する処理を行う。
【0018】
例えば情報処理装置1は、通信ネットワーク9に接続された1台若しくは複数台のコンピュータを含んで構成される。図1の例に示す情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、処理部13を有する。
【0019】
通信部11は、通信ネットワーク9を介して他の装置(担当者端末装置3、弁護士端末装置4など)と通信を行う。通信部11は、例えばイーサネット(登録商標)や無線LANなどの所定の通信規格に準拠して通信を行う装置(ネットワークインターフェースカードなど)を含む。
【0020】
記憶部12は、処理部13において実行可能な命令を含む1以上のプログラム121や、処理部13による処理の過程で一時的に保存されるデータ、処理部13の処理に利用されるデータ、処理部13の処理の結果として得られたデータなどを記憶する。記憶部12は、例えば、主記憶装置(RAM、ROMなど)と補助記憶装置(フラッシュメモリ、SSD、ハードディスク、メモリカード、光ディスク)を含んでよい。記憶部12は、1つの記憶装置から構成されてもよいし、複数の記憶装置から構成されてもよい。記憶部12が複数の記憶装置から構成される場合、各記憶装置は、コンピュータのバスや他の任意の通信手段を介して処理部13と接続される。
【0021】
処理部13は、情報処理装置1の全体的な動作を統括的に司り、所定の情報処理を実行する。処理部13は、例えば、記憶部12に格納された1以上のプログラム121の命令に応じて処理を実行する1以上のプロセッサ(CPU(central processing unit)、MPU(micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)など)を含む。処理部13は、記憶部12に記憶される1以上のプログラム121の命令を1以上のプロセッサが実行することにより、コンピュータとして動作する。
【0022】
処理部13は、特定の機能を実現するように構成された1つ以上の専用のハードウェア(ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field-programmable gate array)など)を含んでもよい。この場合、処理部13は、本実施形態において説明する全ての処理をコンピュータにおいて実行してもよいし、少なくとも一部の処理を専用のハードウェアにおいて実行してもよい。
【0023】
プログラム121は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体(光ディスク、メモリカード、USBメモリ、その他の非一時的な有形の媒体)に記録されていてもよい。処理部13は、そのような記録媒体に記録された1以上のプログラム121の少なくとも一部を不図示の記録媒体読み取り装置(光ディスク装置など)やインターフェース装置(USBインターフェースなど)により読み込んで、記憶部12に書き込んでもよい。あるいは処理部13は、通信ネットワーク9に接続される他の装置から通信部11により1以上のプログラム121の少なくとも一部をダウンロードして、記憶部12に書き込んでもよい。1以上のプログラム121は、後述する本実施形態に係る処理の少なくとも一部を処理部13において実行させる命令を含む。
【0024】
[記憶装置2]
記憶装置2は、情報処理装置1の処理において使用される種々の情報を記憶する。情報処理装置1と記憶装置2は、任意の通信路(LAN、専用回線網、インターネットなど)介して通信可能である。例えば記憶装置2は、複数の装置からのアクセスを受け付けるファイルサーバやデータベースサーバなどに含まれていてもよいし、情報処理装置1のみアクセス可能な専用の記憶装置でもよい。図1の例において、記憶装置2は、依頼者データベース21と、駐車場データベース22と、管理案件データベース23とを記憶する。以下の説明では、データベースを「DB」と省略して記載する場合がある。
【0025】
[依頼者DB21]
依頼者DB21は、複数の依頼者に対応した複数の依頼者情報を含む。依頼者は、放置車両の整理に関わる業務を依頼する事業者や個人である。図2Aは、依頼者情報に含まれる情報の一例を示す。一の依頼者に対応した一の依頼者情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・個々の依頼者を識別する依頼者ID
・依頼者名(事業者の名称や個人の名前)
・依頼者の連絡先情報(電子メールアドレス、電話番号、住所など)
【0026】
[駐車場DB22]
駐車場DB22は、複数の駐車場に対応した複数の駐車場情報を含む。図2Bは、駐車場情報に含まれる情報の一例を示す。一の駐車場に対応した一の依頼者情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・個々の駐車場を識別する駐車場ID
・個々の駐車場に割り当てられた識別情報
この識別情報は、例えば、駐車場において看板などに掲示された光学コード(二次元コード、バーコードなど)に含まれる情報である。
・駐車場の所在地を示す所在地情報
・駐車場の管理者に関する駐車場管理者情報(管理者名、管理者の連絡先など)
【0027】
[管理案件DB23]
管理案件DB23は、複数の管理案件に対応した複数の管理案件情報を含む。一の管理案件は、一の放置車両を管理の対象とする案件である。図2Cは、管理案件情報に含まれる情報の一例を示す。一の管理案件に対応した一の管理案件情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・個々の案件を識別する管理案件ID
・管理案件の登録日
・放置車両の整理を依頼した依頼書の依頼者ID
・放置車両が放置された駐車場の駐車場ID
・放置車両が放置された期間に関する放置期間情報
放置期間情報は、例えば、放置が始まった日時の情報(放置車両が駐車場に入庫した日時、放置車両の駐車を発見した日時など)と、放置が終わった日時の情報(放置車両が駐車場から出庫した日時など)を含む。
・放置車両に関する放置車両情報
放置車両情報は、例えば、放置車両の車種、型式、年式、車台番号、外観の状態などを含む。
・放置車両の所有者に関する所有者情報
所有者情報は、例えば、所有者の氏名、住所、連絡先の情報などを含む。
・放置車両の使用者に関する使用者情報
使用者情報は、例えば、使用者の氏名、住所、連絡先の情報などを含む。
・業務の進行状態に関する状態情報
状態情報は、例えば、後述する図3に示すような複数の業務の進行状態(P1~P5)において、現在どの状態にあるかを示す情報を含む。
・放置車両の所有者に請求すべき請求金額に関する請求金額情報
請求金額情報が示す請求金額には、例えば、駐車場における放置車両の放置期間分の駐車料金が含まれる。
・放置車両の金銭的な価値に応じた車両価額に関する車両価額情報
車両価額情報が示す車両価額は、例えば、放置車両情報に含まれる放置車両の車種、型式、年式、外観の状態などの情報に基づいて見積もられた金額である。
・業務記録情報
業務記録情報は、担当者により実施された複数の業務の記録を含む。例えば、業務記録情報は、実施された業務ごとに、業務の区分、業務の実施日、業務の実施結果、担当者のコメントなどを含む。
【0028】
ここで、放置車両の整理に関わる業務について、図6を参照して説明する。図6は、放置車両の整理に関わる業務の進行状態の遷移を例示した図である。
【0029】
[状態P1]
依頼者から放置車両の整理を依頼されると、まず放置車両の所有者を特定する状態P1へ業務が移行する。状態P1では、放置車両のナンバープレートに基づいて車両の所有者の情報(氏名、住所など)が取得される。所有者の情報が取得されると、所有者を追跡する状態P2に業務が移行する。また状態P1では、放置車両のナンバープレートを警察に照会することにより、放置車両が盗難車であるか調査される。放置車両が盗難車であった場合、放置車両の管理が警察に移管されて業務が終了する。放置車両のナンバープレートが外されていたり偽造されていたりすることにより所有者を特定できない場合は、放置車両の出庫が困難な状態P4に業務が移行する。
【0030】
[状態P2]
所有者を追跡する状態P2では、所有者に対して放置車両の出庫と駐車料金の支払いを要求する手紙が郵送される。手紙に対する所有者からの返信があった場合、所有者との交渉が行われる状態P3に業務が移行する。手紙によって所有者と連絡を取れない場合(所有者が手紙に返信しない場合、手紙が配達されずに戻ってくる場合など)、状態P1で特定された所有者の情報(氏名、住所など)に基づいて住民票、戸籍謄本などの公的書類が取得され、これらの情報に基づいて所有者の現在の住所(所有者が死亡している場合は相続人の氏名と住所)が更に調査される。所有者の現在の住所が判明した場合は、その住所への訪問が実施され、所有者との接触が試みられる。所有者と接触できた場合は、所有者との交渉が行われる状態P3に業務が移行する。
【0031】
また、手紙によって所有者と連絡を取れない場合、駐車場からの速やかな出庫を要請する書面が放置車両の外面に貼り付けられる。この書面を見た所有者から連絡があった場合は、所有者との交渉が行われる状態P3に業務が移行する。
【0032】
所有者と接触できず(住民票などで調べた住所に所有者が住んでいない場合、所有者が接触を拒否する場合など)、放置車両に貼り付けた書面に対する所有者からの連絡も無い場合には、放置車両の車内に残された物品(残置物)の調査が行われる。残置物の調査は、例えば、警察官や弁護士などの第三者の立ち合いのもとで実施される。残置物から所有者の所在を示す情報が得られた場合は、その情報をもとに所有者の追跡が再度行われる。
【0033】
残置物に所有者の所在を示す情報が無かった場合や、残置物から得た情報によって所有者と接触することができなかった場合は、放置車両の出庫と駐車料金等の費用の支払いを求める書面が内容正面郵便により所有者の住所(調査によって判明した最も新しい住所)へ郵送される。内容正面郵便の書面に対する所有者からの応答があった場合は、所有者との交渉が行われる状態P3に業務が移行する。内容正面郵便の書面でも所有者からの応答が無かった場合は、所有者と接触することができないと最終的に判断され、放置車両の出庫が困難な状態P4に業務が移行する。
【0034】
[状態P3]
所有者との交渉が行われる状態P3では、依頼者からの依頼を受けた弁護士と放置車両の所有者との間で交渉が行われる。例えば、担当者が担当者端末装置3のディスプレイとマイクを交渉相手の所有者に差し向けた状態で、担当者端末装置3と弁護士端末装置4との間のビデオ通話が行われる。このビデオ通話は、例えば情報処理装置1によって制御される。これにより、弁護士が所有者の元に直接赴かなくても、ビデオ通話によって所有者と弁護士との交渉が実現されるため、所有者と弁護士との交渉を効率的に行うことが可能となる。
【0035】
弁護士との交渉において所有者が放置車両の出庫に同意し、駐車場からの出庫と駐車料金の精算が完了すると、この管理案件についての業務は終了する。放置車両の廃棄処分に所有者が同意した場合は、放置車両の処分を進める状態P5に業務が移行する。
【0036】
[状態P4]
放置車両の出庫が困難な状態P4では、放置車両の所有者に請求すべき請求金額(駐車場における放置車両の放置期間分の駐車料金を含む金額)と、放置車両の金銭的な価値に応じた車両価額とが比較され、請求金額が車両価額を超えるまで放置車両の処分が待機される。請求金額が車両価額を超えると、放置車両の処分を進める状態P5に業務が移行する。
【0037】
[状態P5]
放置車両の処分を進める状態P5では、放置車両が廃棄物として処分される。所有者が不明若しくは所有者との接触が困難な場合、例えば、放置車両が所有者のない動産(民法239条第1項)とみなされて放置車両の廃車が実施される。あるいは、この場合、所有者に対して不動産の明け渡しや損害賠償を請求する訴訟が提起され、その勝訴判決に基づく強制執行により放置車両の所有権が得られた上で、放置車両の廃車が実施される。状態P3において所有者から廃車の同意を得られている場合は、その同意に基づいて廃車が実施される。
【0038】
情報処理装置1は、上述した業務に関する情報を担当者端末装置3から取得し、担当者端末装置3のデータベース(21~23)に登録する。例えば新たな放置車両の整理について依頼者から依頼を受けた場合、担当者は、その放置車両を管理対象とする管理案件の情報を担当者端末装置3に入力する。担当者端末装置3は、入力された管理案件の情報を情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、担当者端末装置3から取得した管理案件の情報に基づいて管理案件情報(図2C)を生成し、管理案件DB23に登録する。情報処理装置1は、図3に示すような業務の各状態(P1~P5)において担当者により入力された業務に関する情報(業務の過程で得られた各種の情報)を担当者端末装置3から取得し、取得した情報に基づいて管理案件DB23の管理案件情報を更新する。
【0039】
情報処理装置1は、担当者端末装置3から提供される管理案件の情報に基づいて、業務の進行状態に関する状態情報(図2C)を更新する。例えば情報処理装置1は、担当者端末装置3から提供される一の管理案件についての業務の実施記録に基づいて、現在の状態が図3の状態P1~P5のいずれであるか判定し、その判定結果に応じた状態を示すように当該一の管理案件の状態情報を更新する。具体的には、業務の各状態(P1~P5)において実施され得る1以上の作業が予め定められており、それぞれの作業の実施結果に応じて、次に遷移すべき状態が予め定められている。情報処理装置1は、状態情報が示す現在の状態と、担当者端末装置3から提供された業務の実施記録が示す作業の内容及び結果とに基づいて、次に遷移すべき状態を判定し、その判定結果に応じた状態を示すように状態情報を更新する。
【0040】
なお業務の進行状態は、図3に示す状態P1~P5に限定されるものではなく、例えば状態P1~P5の各々が更に複数の詳細な状態を含んでいてもよい。この場合、情報処理装置1は、複数の詳細な状態のいずれであるかを業務の実施記録に基づいて判定し、その判定結果に応じた状態(詳細な状態)を示すように状態情報を更新してもよい。
【0041】
また情報処理装置1は、記憶装置2のデータベース(21~23)に含まれる各管理案件の業務に関する情報を担当者端末装置3において表示する処理を行う。これにより、担当者は、管理案件ごとに業務の進行状態を把握することが可能になり、業務を円滑に進め易くなる。
【0042】
図4は、業務に関する情報を担当者端末装置において表示する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップST110は、本発明の第1情報表示工程の一例である。
ステップST130は、本発明の情報取得工程の一例である。
ステップST135は、本発明の案件特定工程の一例である。
ステップST140は、本発明の第2情報表示工程の一例である。
【0043】
担当者端末装置3は、担当者による管理案件の選択指示を入力し(ST100)、この指示により選択された一の管理案件の業務に関する情報(業務の進行状態に関する情報など)を表示するように求める表示要求を情報処理装置1に送信する(ST105)。情報処理装置1は、担当者端末装置3からこの表示要求を受信すると、表示要求において指定された一の管理案件についての管理案件情報を管理案件DB23から取得し、取得した管理案件情報に含まれる情報の少なくとも一部を表示する表示情報を生成して、担当者端末装置3に送信する(ST110)。担当者端末装置3は、情報処理装置1から受信した表示情報に応じて、業務に関する情報が含まれた画面を生成し、表示部のディスプレイに表示する(ST115)。
【0044】
情報処理装置1は、ステップST110において表示情報を生成する場合、業務において次に進めるべき作業の1以上の候補を判定する。例えば、情報処理装置1は、表示要求において指定された一の管理案件の状態情報(図2C)が示す業務の進行状態に基づいて、次に進めるべき作業の1以上の候補を判定する。業務の各状態(P1~P5)において実施され得る1以上の作業が予め定められているものとすると、情報処理装置1は、状態情報が示す業務の進行状態について定められた1以上の作業を、次に進めるべき作業の候補として判定する。
【0045】
なお、情報処理装置1は、作業の候補を判定する場合において、所有者情報(図2C)に含まれる指標(放置車両の整理に関わる業務における所有者とのトラブルの生じ易さを示す指標)を参照してもよい。すなわち情報処理装置1は、表示要求において指定された管理案件の状態情報が示す業務の進行状態と、当該管理案件の所有者情報に含まれる指標とに基づいて、次に進めるべき作業の1以上の候補を判定してもよい。例えば、情報処理装置1は、所有者の追跡が行われる状態P2において、所有者とのトラブルが発生し易いことを示す指標が所有者情報に含まれている場合、次に進めるべき作業の候補から所有者との直接的接触を伴う作業を除外する。
【0046】
情報処理装置1は、業務において次に進めるべき作業の1以上の候補を判定すると、判定した当該1以上の候補に関する情報を表示するように表示情報を生成する。
【0047】
このように、業務において次に進めるべき作業の候補が表示されることにより、業務に慣れていない担当者であっても、適切な手順に則って放置車両の整理を進めることが可能となる。また、所有者情報に含まれる指標を参照して次に進めるべき作業の候補が判定されることにより、所有者とのトラブルが回避され易くなるため、業務を円滑に進め易くなる。
【0048】
なお、上述した図4のステップST100~ST115の処理では、担当者端末装置3において担当者が管理案件を直接選択しているが、この管理案件の選択を情報処理装置1が自動的に行うようにしてもよい。例えば、放置車両が放置された現場の駐車場に担当者がいる場合、情報処理装置1は、担当者端末装置3においてGPS測定部などにより測定される位置情報や、予め駐車場の看板などに掲示させておいた光学コードから読み取られる駐車場の識別情報に基づいて、この駐車場に放置された放置車両を管理対象とする管理案件を自動的に特定してもよい。図4のステップST120~ST145は、その場合の処理の一例を示す。
【0049】
担当者端末装置3は、地理的な位置を測定して位置情報を取得する手段(GPS測定部など)や、カメラにより光学コード(QRコード(登録商標)など)を撮像して光学コードに含まれた情報を読み取る機能を有する。担当者端末装置3は、業務に関する情報(業務の進行状態に関する情報など)の表示を情報処理装置1に要求する場合、GPS測定部などによって自機の位置情報を取得するか、若しくは、駐車場の看板などで撮像された光学コードの情報を読み取ることにより駐車場の識別情報を取得する(ST120)。担当者端末装置3は、表示要求を情報処理装置1へ送信する場合、この表示要求に関して取得した位置情報若しくは駐車場の識別情報を情報処理装置1へ送信する(ST125)。情報処理装置1は、担当者端末装置3から表示要求を受信した場合、この表示要求に関わる位置情報若しくは駐車場の識別情報を担当者端末装置3から取得する(ST130)。情報処理装置1は、担当者端末装置3から取得した位置情報若しくは駐車場の識別情報と、駐車場DB22の駐車場情報(図2B)に含まれる駐車場の所在地に関する情報若しくは識別情報とに基づいて、担当者端末装置3が位置する駐車場に放置された放置車両に関わる管理案件を特定する(ST135)。情報処理装置1は、ステップST135において特定した管理案件についての管理案件情報を管理案件DB23から取得し、取得した管理案件情報に含まれる情報の少なくとも一部を表示する表示情報を生成して、担当者端末装置3に送信する(ST140)。この際、情報処理装置1は、特定した管理案件の状態情報(図2C)が示す業務の進行状態に基づいて、次に進めるべき作業の1以上の候補を判定し、判定した当該1以上の候補に関する情報を表示するように表示情報を生成する。担当者端末装置3は、情報処理装置1から受信した表示情報に応じて、業務に関する情報が含まれた画面を生成し、表示部のディスプレイに表示する(ST145)。
【0050】
このように、放置車両が放置された駐車場に位置する担当者端末装置3の位置情報や、駐車場に掲示される光学コードから読み取られた駐車場の識別情報に基づいて、放置車両の管理案件が自動的に特定されるため、業務に関する情報を表示させるために該当する管理案件を探す手間を無くすことができる。これにより、担当者は、放置車両が放置された現場の駐車場において、その放置車両を管理対象とする管理案件の業務に関する情報に素早くアクセスすることが可能となるため、業務を円滑に進め易くなる。
【0051】
図5は、担当者端末装置3において表示される画面の一例を示す図であり、一の管理案件に関する情報を含んだ画面の例を示す。図5に示す画面Aは、一の管理案件に関する情報がそれぞれ表示される複数の欄A1~A13を有する。
【0052】
欄A1には、管理案件を示す番号(例えば管理案件ID)が表示される。
欄A2には、管理案件の登録日が表示される。
欄A3には、放置車両の整理を依頼した依頼者の名前が表示される。
欄A4には、管理案件の現在の進行状態が表示される。欄A4内の右側には、請求金額が車両価額を超えたことを示す通知が表示される。
欄A5には、放置車両を撮影した画像と撮影日が表示される。
欄A6には、駐車場の名前が表示される。
欄A7には、駐車場の所在地が表示される。
欄A8には、放置車両に関する情報(放置車両情報)が表示される。放置車両の車両価額については、その算定日が表示される。
欄A9には、放置期間の情報と請求金額が表示される。請求金額については、その算定日が表示される。
【0053】
欄A10には、放置車両の所有者に関する情報(所有者情報)が表示される。欄A10内の右上隅には、所有者について取得された指標が表示される。この例において、指標は「A」「B」「C」…などのランクを示す値で与えられている。
欄A11には、放置車両の使用者に関する情報(使用者情報)が表示される。
【0054】
欄A12には、担当者によって実施された複数の業務の記録(業務記録情報)が表示される。この例において、各業務記録には、業務の実施日、業務区分、業務の実施結果、担当者のコメントなどが含まれる。各業務記録の横には、業務記録の詳細な内容を表示する画面に遷移するためのボタンA20が配置される。欄A12内の右側の縁には、複数の業務記録を上下にスクロールさせるためのスクロールバーA30が配置される。欄A12内の右上の隅には、新規の業務記録を登録する画面に遷移するためのボタンA21が配置される。
【0055】
欄A13には、次に進めるべき作業の候補が表示される。この例において、それぞれの作業候補の横には、その作業を実施した場合において、実施した作業についての業務記録を登録する画面に遷移するためのボタンA22が配置される。
【0056】
次に、所有者についての指標を取得する処理について、図6A及び図6Bを参照して説明する。図6Aは、所有者情報を登録する処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図6Bは、指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップST205は、本発明の所有者情報生成工程の一例である。
ステップST225は、本発明の指標取得工程の一例である。
ステップST230は、本発明の所有者情報更新工程の一例である。
【0057】
一の管理案件の業務において放置車両の所有者が特定されると(図3の状態P1)、情報処理装置1は、この特定された所有者の情報を担当者端末装置3から取得し(ST200)、取得した情報に応じた所有者情報(図2C)を生成する(ST205)。情報処理装置1は、生成した所有者情報を、当該一の管理案件の管理案件情報に含まれる情報として記憶装置2の管理案件DB23に登録する。また情報処理装置1は、所有者の追跡を行う状態P2(図3)の業務において、登録済みの所有者に関する新たな情報を担当者端末装置3から取得した場合(ST200)、取得した情報に応じて所有者情報を更新する(ST205)。
【0058】
情報処理装置1は、所有者が判明したことによって所有者を追跡する状態P2(図3)に遷移する場合、現在の業務の進行状態が状態P2であることを示すように管理案件情報の状態情報を更新する(ST220)。所有者を追跡する状態P2に遷移すると、情報処理装置1は、放置車両の整理に関わる業務における所有者とのトラブルの生じ易さを示す指標を取得する。すなわち、情報処理装置1は、放置車両が放置された駐車場に関する駐車場情報と、放置車両に関する放置車両情報と、所有者に関する所有者情報との少なくとも1つに基づいて指標を取得する(ST225)。例えば、情報処理装置1は、駐車場情報の示す駐車場(特定の駐車場、特定の地域にある駐車場)が素行不良者の利用頻度の高い駐車場である場合、放置車両情報が示す車両の車種、型式が素行不良者の所有率の高い車種等である場合、所有者情報の示す所有者が過去にトラブルの前歴を持つ所有者の場合において、トラブルの生じ易さの程度が相対的に高くなるように指標を取得する。情報処理装置1は、ステップST225において取得した指標を含むように所有者情報(図2C)を更新する。
【0059】
情報処理装置1は、ステップST225において指標を取得する場合、与えられた情報から指標を推定するように生成された学習済みモデルを用いて指標を取得してもよい。例えば、情報処理装置1は、ステップST225において指標を取得する場合、放置車両が放置された駐車場に関する情報と、放置車両に関する情報と、所有者に関する情報との少なくとも1つから指標を推定するように生成された学習済みモデルに対して、駐車場情報、放置車両情報及び所有者情報の少なくとも1つを適用することにより指標を推定する。
【0060】
この学習済みモデルは、具体的には、次に挙げる相関関係の少なくとも1つに基づいて指標を推定するように生成される。
・個別の駐車場及び駐車場が所在する地域の少なくとも一方と指標との相関関係
・放置車両の車種、型式及び年式の少なくとも1つと指標との相関関係
・所有者の氏名及び住所の少なくとも一方と指標との相関関係
【0061】
また、学習済みモデルは、上記の相関関係に基づいて、次に挙げる情報の少なくとも1つから指標を推定するように生成される。
・駐車場情報に含まれる個別の駐車場及び駐車場が所在する地域の少なくとも一方に関する情報
・放置車両情報に含まれる放置車両の車種、型式及び年式の少なくとも1つに関する情報
・所有者情報に含まれる所有者の氏名及び住所の少なくとも一方に関する情報
【0062】
学習済みモデルの生成には、公知の機械学習アルゴリズム(線形回帰、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、決定木、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ナイーブベイズなど)を用いることができる。
【0063】
また、情報処理装置1は、ステップST225において指標を取得する場合、所有者とのトラブルの発生頻度に応じた所定の数値を所定の関数に適用することによって指標を算出してもよい。図6Cは、所定の関数を用いて指標を算出する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0064】
図6Cの例において、情報処理装置1は、駐車場情報、放置車両情報及び所有者情報の少なくとも1つに基づいて、所有者とのトラブルの発生頻度に応じた所定の数値である第1数値、第2数値及び第3数値の少なくとも1つを取得する(ST250)。第1数値は、駐車場情報に含まれる個別の駐車場及び駐車場が所在する地域の少なくとも一方に関する情報に応じた数値である。第2数値は、放置車両情報に含まれる放置車両の車種、型式及び年式の少なくとも1つに関する情報に応じた数値である。第3数値は、所有者情報に含まれる所有者の氏名及び住所の少なくとも一方に関する情報に応じた数値である。第1数値~第3数値は、例えば、過去に発生した所有者との所定のトラブルの統計情報(発生頻度など)に基づいて与えられる数値である。具体的には、第1数値は、個別の駐車場における所定のトラブルの発生頻度や、駐車場が所在する地域における所定のトラブルの発生頻度に応じた値を持つ。第2数値は、車両の車種、型式及び年式の少なくとも1つに対応する所定のトラブルの発生頻度に応じた値を持つ。第3数値は、所有者の氏名及び住所の少なくとも一方に対応する所定のトラブルの発生頻度に応じた値を持つ。
【0065】
情報処理装置1は、ステップST250において取得した所定の数値(第1数値~第3数値)を所定の関数に適用することにより指標を算出する(ST255)。この所定の関数は、第1数値、第2数値及び第3数値の少なくとも1つと指標との対応関係を定める関数である。この所定の関数は、例えば、ステップST250において取得された所定の数値にそれぞれ所定の係数が乗ぜられた積の和を算出する関数でもよい。
【0066】
このように、本実施形態では、放置車両の整理に関わる業務における所有者とのトラブルの生じ易さを示す指標が取得されるため、この指標を担当者端末装置3において表示することにより、所有者の対応にあたる担当者を適切に選定することが可能となる。例えば、所有者とのトラブルが発生し易いことを指標が示している場合、そのような所有者の対応に経験のある担当者を選定して、トラブルの発生を回避することができる。これにより、放置車両の整理に関わる業務を円滑に進め易くすることができる。
【0067】
次に、管理案件情報の状態情報(図2C)を更新する処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。
ステップST305は、本発明の第1状態情報更新工程の一例である。
【0068】
図7の例において、業務における複数の進行状態(例えば図3の状態P1~P5)の各々には、実施されるべき1以上の作業と、作業の実施結果に応じて次に遷移するべき進行状態とが予め定められている。情報処理装置1は、一の管理案件についての業務の記録を担当者端末装置3から取得すると(ST300)、取得した業務の記録に含まれる作業の実施結果を示す情報と、当該一の管理案件の状態情報(図2C)が示す現在の進行状態とに基づいて、次に遷移すべき進行状態を判定し、判定した進行状態を示すように当該一の管理案件の状態情報を更新する(ST305)。例えば情報処理装置1は、状態情報が状態P1を示す場合において、所有者が不明であることを示す作業記録を担当者端末装置3から取得した場合、次に遷移すべき進行状態が状態P4(放置車両の出庫が困難な状態)であると判定し、判定した状態P4を示すように状態情報を更新する。
【0069】
このように、本実施形態では、担当者端末装置3から取得される作業記録に応じて状態情報が更新され、状態情報に基づいて情報処理装置1において業務の進行状態が管理される。これにより、状態情報が示す業務の進行状態を担当者端末装置3において表示させることが可能となり、現在の業務の進行状態を担当者に正しく把握させることができる。従って、放置車両の整理に関わる業務を円滑に進め易くすることができる。
【0070】
なお、業務における特定の進行状態については、作業の実施結果と所有者の指標とに応じて次に遷移するべき進行状態が定められていてもよい。情報処理装置1は、ステップST305において一の管理案件の状態情報を更新する場合において、この状態情報の示す進行状態がこの特定の進行状態である場合には、ステップST300において担当者端末装置3から取得した業務の記録に含まれる作業の実施結果を示す情報と、当該一の管理案件の状態情報が示す進行状態と、当該一の管理案件の所有者情報に含まれる指標とに基づいて、次に遷移すべき前記進行状態を判定してもよい。例えば、情報処理装置1は、トラブルの生じ易さの程度が非常に高い指標を持つ所有者の場合、所有者との直接的な接触が可能になっても、内容証明郵便等による間接的な接触をおこなう状態へ遷移するように状態情報を更新する。これにより、所有者と直接的に接触することに伴う担当者の危険を回避できるとともに、所有者とのトラブルを避けて業務を円滑に進め易くすることができる。
【0071】
次に、放置車両の出庫が困難な状態P4から放置車両の処分を進める状態P5に遷移する処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。
ステップST410は、本発明の請求金額取得工程の一例である。
ステップST415は、本発明の車両価額取得工程の一例である。
ステップST420は、本発明の判定工程の一例である。
ステップST425は、本発明の第2状態情報更新工程の一例である。
【0072】
情報処理装置1は、図8に示す処理を任意のタイミングで(例えば一定の間隔で)繰り返し実行する。まず情報処理装置1は、駐車場からの出庫が困難な状態P4の管理案件を管理案件DB23において特定し(ST400)、特定した管理案件の1つを選択する(ST405)。
【0073】
情報処理装置1は、ステップST405で選択した一の管理案件の駐車場情報と放置期間情報とに基づいて、放置車両の所有者に請求すべき請求金額を取得する(ST410)。この場合、情報処理装置1は、駐車場における放置期間分の駐車料金に応じた請求金額を取得する。例えば情報処理装置1は、管理案件情報に含まれる放置期間情報に基づいて放置期間分の駐車料金を算出し、この駐車料金を含むように請求金額を取得する。情報処理装置1は、放置期間分の駐車料金の他に、放置車両に対して予め定められた割増料金を含むように請求金額を取得してもよいし、現時点までの作業に費やされた費用を含むように請求金額を取得してもよい。
【0074】
また情報処理装置1は、ステップST405で選択した一の管理案件の放置車両情報に基づいて、放置車両の金銭的な価値に応じた車両価額を取得する(ST415)。例えば情報処理装置1は、放置車両情報に含まれる車両の車種、型式、年式、外観の状態などの情報に基づいて、暫定的な車両価額を取得する。情報処理装置1は、記憶装置2に記憶した車両価額算定用のデータテーブルに基づいて車両価額を取得してもよいし、車両価額の見積を行う所定の見積サーバを利用して車両価額を取得してもよい。後者の場合、情報処理装置1は、放置車両情報に含まれる情報(車種、型式、年式、外観の状態など)を見積サーバに送信し、見積サーバから提供される車両価額の見積結果を取得する。
【0075】
情報処理装置1は、ステップST410で取得した請求金額とステップST415で取得した車両価額とを比較し、請求金額が車両価額を超えたか否か判定する(ST420)。請求金額が車両価額を超えていない場合(ST420のNo)、情報処理装置1は後述するステップST430に移行する。他方、情報処理装置1は、請求金額が車両価額を超えた場合(ST420のYes)、放置車両の処分を進める状態P5であることを示すように状態情報を更新した上で(ST425)、ステップST430に移行する。
【0076】
ステップST430に移行すると、情報処理装置1は、ステップST400で特定した全ての管理案件を選択してステップST410~ST425の処理を実行したか判定する(ST430)。まだ選択していない管理案件がある場合(ST430のNo)、情報処理装置1は、選択していない他の一の管理案件を選択し(ST435)、ステップST410~ST425の処理を繰り返す。全ての管理案件を選択してステップST410~ST425の処理を実行した場合(ST430のYes)、情報処理装置1は図8のフローチャートの処理を終了する。
【0077】
このように、本実施形態では、放置車両の出庫が困難な状態P4において請求金額が車両価額を超えた場合、業務の進行状態が放置車両の処分を進める状態P5へ遷移するように状態情報が更新される。これにより、放置車両の処分が完了した後で所有者から処分に対するクレームを受けた場合でも、請求金額が車両価額を超えていることにより、所有者に対して賠償金などを支払わなければならなくなる可能性を低減できる。また、放置車両の出庫が困難な状態P4から放置車両の処分を進める状態P5への遷移が自動的に行われるため、請求金額が車両価額を超えたか否かを担当者が自分でチェックしなくてもよくなり、担当者の業務の負担を軽減することができる。
【0078】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、更に種々のバリエーションを含んでいる。
例えば、上述した実施形態では、情報処理装置1が通信ネットワーク9を介して担当者端末装置3と通信を行う例を挙げたが、本発明はこの例に限定されない。本発明の他の実施形態において、情報処理装置1は担当者が利用できる装置でもよい。例えば、情報処理装置1は、担当者端末装置3として担当者が持ち運び可能な装置であってもよい。
【0079】
以下、本実施形態に関連する付記を記載する。
[付記1]
駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置が実行する方法であって、
前記情報処理装置は、記憶装置にアクセス可能であり、
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、
前記放置車両に関する放置車両情報と、
前記放置車両の所有者に関する所有者情報と、
前記放置車両が放置された前記駐車場に関する駐車場情報と
を記憶し、
一の前記管理案件に関わる前記放置車両の前記所有者に関する情報を取得した場合、取得した情報に応じた前記所有者情報を生成し、当該一の管理案件に関わる情報として前記記憶装置に記憶する所有者情報生成工程と、
前記駐車場情報、前記放置車両情報及び前記所有者情報の少なくとも1つに基づいて、前記放置車両の整理に関わる前記業務における前記所有者とのトラブルの生じ易さを示す指標を前記管理案件ごとに取得する指標取得工程と、
取得した前記指標を含むように前記所有者情報を更新する所有者情報更新工程とを有する、
方法。
[付記2]
前記指標取得工程は、前記駐車場に関する情報と、前記放置車両に関する情報と、前記所有者に関する情報との少なくとも1つから前記指標を推定するように生成された学習済みモデルに対して、前記駐車場情報、前記放置車両情報及び前記所有者情報の少なくとも1つを適用することにより、前記指標を推定することを含み、
前記学習済みモデルは、
個別の前記駐車場及び前記駐車場が所在する地域の少なくとも一方と前記指標との相関関係と、
前記放置車両の車種、型式及び年式の少なくとも1つと前記指標との相関関係と、
前記所有者の氏名及び住所の少なくとも一方と前記指標との相関関係と
の少なくとも1つに基づいて、
前記駐車場情報に含まれる個別の前記駐車場及び前記駐車場が所在する地域の少なくとも一方に関する情報と、
前記放置車両情報に含まれる前記放置車両の車種、型式及び年式の少なくとも1つに関する情報と、
前記所有者情報に含まれる前記所有者の氏名及び住所の少なくとも一方に関する情報と
の少なくとも1つから前記指標を推定するように生成されたモデルである、
付記1に記載の方法。
[付記3]
前記指標取得工程は、
前記所有者との前記トラブルの発生頻度に応じた数値であって、前記駐車場情報に含まれる個別の前記駐車場及び前記駐車場が所在する地域の少なくとも一方に関する情報に応じた前記数値である第1数値、前記放置車両情報に含まれる前記放置車両の車種、型式及び年式の少なくとも1つに関する情報に応じた前記数値である第2数値、及び、前記所有者情報に含まれる前記所有者の氏名及び住所の少なくとも一方に関する情報に応じた前記数値である第3数値の少なくとも1つを取得することと、
前記第1数値、前記第2数値及び前記第3数値の少なくとも1つと前記指標との対応関係を定める所定の関数に対して、取得した前記第1数値、前記第2数値及び前記第3数値の少なくとも1つを適用することにより、前記指標を算出することとを含む、
付記1に記載の方法。
[付記4]
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、前記業務の進行状態に関する状態情報を記憶し、
指定された前記管理案件の前記業務の進行状態に関する情報を表示するように求める表示要求が入力された場合に、当該管理案件についての前記状態情報が示す前記業務の進行状態と、当該管理案件についての前記所有者情報に含まれる前記指標とに基づいて、前記業務において次に進めるべき作業の1以上の候補を判定し、判定した当該1以上の候補に関する情報を表示する第1情報表示工程を有する、
付記1~付記3のいずれか一項に記載の方法。
[付記5]
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、前記業務の進行状態に関する状態情報を記憶し、
前記業務における複数の前記進行状態の各々には、実施されるべき1以上の作業と、前記作業の実施結果に応じて次に遷移するべき前記進行状態とが予め定められており、
一の前記管理案件についての前記業務の記録が入力されると、入力された前記業務の記録に含まれる前記作業の実施結果を示す情報と、当該一の管理案件の前記状態情報が示す前記進行状態とに基づいて、次に遷移すべき前記進行状態を判定し、判定した前記進行状態を示すように当該一の管理案件の前記状態情報を更新する第1状態情報更新工程を有する、
付記1~付記4のいずれか一項に記載の方法。
[付記6]
少なくとも一部の前記進行状態については、前記作業の実施結果と前記指標とに応じて次に遷移するべき前記進行状態が定められており、
前記第1状態情報更新工程は、一の前記管理案件の前記状態情報を更新する場合において、当該状態情報の示す前記進行状態が前記少なくとも一部の前記進行状態である場合には、入力された前記業務の記録に含まれる前記作業の実施結果を示す情報と、当該一の管理案件の前記状態情報が示す前記進行状態と、当該一の管理案件の前記所有者情報に含まれる前記指標とに基づいて、次に遷移すべき前記進行状態を判定することを含む、
付記5に記載の方法。
[付記7]
駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置が実行する方法であって、
前記情報処理装置は、記憶装置にアクセス可能であり、
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、前記業務の進行状態に関する状態情報を記憶し、
前記業務における複数の前記進行状態の各々には、実施されるべき1以上の作業と、前記作業の実施結果に応じて次に遷移するべき前記進行状態とが予め定められており、
一の前記管理案件についての前記業務の記録が入力されると、入力された前記業務の記録に含まれる前記作業の実施結果を示す情報と、当該一の管理案件の前記状態情報が示す前記進行状態とに基づいて、次に遷移すべき前記進行状態を判定し、判定した前記進行状態を示すように当該一の管理案件の前記状態情報を更新する第1状態情報更新工程を有する、
方法。
[付記8]
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、
前記放置車両に関する放置車両情報と、
前記放置車両が放置された前記駐車場に関する駐車場情報と、
前記放置車両が放置された放置期間に関する放置期間情報と、
前記業務の進行状態に関する状態情報と
を記憶し、
前記駐車場情報と前記放置期間情報とに基づいて、前記放置車両の所有者に請求すべき請求金額であって、前記駐車場における前記放置期間分の駐車料金に応じた前記請求金額を前記管理案件ごとに取得する請求金額取得工程と、
前記放置車両情報に基づいて、前記放置車両の金銭的な価値に応じた車両価額を前記管理案件ごとに取得する車両価額取得工程と、
前記請求金額が前記車両価額を超えたか否かを前記管理案件ごとに判定する判定工程と、
一の前記管理案件について前記請求金額が前記車両価額を超えたと判定した場合であって、当該一の管理案件に関わる前記放置車両の出庫が困難な状態であることを前記状態情報が示している場合に、当該放置車両の処分を進める状態であることを示すように前記状態情報を更新する第2状態情報更新工程とを有する、
付記1~付記7のいずれか一項に記載の方法。
[付記9]
駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置が実行する方法であって、
前記情報処理装置は、記憶装置にアクセス可能であり、
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、
前記放置車両に関する放置車両情報と、
前記放置車両の所有者に関する所有者情報と、
前記放置車両が放置された前記駐車場に関する駐車場情報と、
前記放置車両が放置された放置期間に関する放置期間情報と、
前記業務の進行状態に関する状態情報と
を記憶し、
前記駐車場情報と前記放置期間情報とに基づいて、前記放置車両の所有者に請求すべき請求金額であって、前記駐車場における前記放置期間分の駐車料金に応じた前記請求金額を前記管理案件ごとに取得する請求金額取得工程と、
前記放置車両情報に基づいて、前記放置車両の金銭的な価値に応じた車両価額を前記管理案件ごとに取得する車両価額取得工程と、
前記請求金額が前記車両価額を超えたか否かを前記管理案件ごとに判定する判定工程と、
一の前記管理案件について前記請求金額が前記車両価額を超えたと判定した場合であって、当該一の管理案件に関わる前記放置車両の出庫が困難な状態であることを前記状態情報が示している場合に、当該放置車両の処分を進める状態であることを示すように前記状態情報を更新する第2状態情報更新工程とを有する、
方法。
[付記10]
指定された前記管理案件の前記業務の進行状態に関する情報を表示するように求める表示要求が入力された場合に、当該管理案件についての前記状態情報が示す前記業務の進行状態に基づいて、前記業務において次に進めるべき作業の1以上の候補を判定し、判定した当該1以上の候補に関する情報を表示する第1情報表示工程を有する、
付記8又は付記9に記載の方法。
[付記11]
前記情報処理装置は、前記業務の担当者が操作する担当者端末装置と通信可能であり、
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、前記放置車両が放置された前記駐車場に関する駐車場情報を含んだ前記管理案件に関連する情報を記憶し、
前記放置車両が放置された前記駐車場に位置する前記担当者の前記担当者端末装置から、当該担当者端末装置の位置を示す位置情報若しくは前記駐車場の識別情報を取得する情報取得工程と、
前記担当者端末装置から取得した前記位置情報若しくは前記識別情報と、前記駐車場情報に含まれる前記駐車場の所在地に関する情報若しくは前記識別情報とに基づいて、当該担当者端末装置が位置する前記駐車場に放置された前記放置車両に関わる前記管理案件を特定する案件特定工程と、
前記位置情報若しくは前記識別情報を取得した前記担当者端末装置から、前記業務に関する情報の表示を求める表示要求を受信した場合、特定した前記管理案件について前記記憶装置に記憶される情報の少なくとも一部に応じた情報を前記担当者端末装置において表示する第2情報表示工程とを有する、
付記1~付記10のいずれか一項に記載の方法。
[付記12]
駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置が実行する方法であって、
前記情報処理装置は、記憶装置にアクセス可能であり、
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、前記放置車両が放置された前記駐車場に関する駐車場情報を含んだ前記管理案件に関連する情報を記憶し、
前記情報処理装置は、前記業務の担当者が操作する担当者端末装置と通信可能であり、
前記放置車両が放置された前記駐車場に位置する前記担当者の前記担当者端末装置から、当該担当者端末装置の位置を示す位置情報若しくは前記駐車場の識別情報を取得する情報取得工程と、
前記担当者端末装置から取得した前記位置情報若しくは前記識別情報と、前記駐車場情報に含まれる前記駐車場の所在地に関する情報若しくは前記識別情報とに基づいて、当該担当者端末装置が位置する前記駐車場に放置された前記放置車両に関わる前記管理案件を特定する案件特定工程と、
前記位置情報若しくは前記識別情報を取得した前記担当者端末装置から、前記業務に関する情報の表示を求める表示要求を受信した場合、特定した前記管理案件について前記記憶装置に記憶される情報の少なくとも一部に応じた情報を前記担当者端末装置において表示する第2情報表示工程とを有する、
方法。
[付記13]
前記第2情報表示工程は、前記業務の進行状態に関する情報を表示するように求める前記表示要求を前記担当者端末装置から受信した場合に、特定した前記管理案件についての前記状態情報が示す前記業務の進行状態に基づいて、前記業務において次に進めるべき作業の1以上の候補を判定し、判定した当該1以上の候補に関する情報を表示することを含む、
付記11又は付記12に記載の方法。
[付記14]
駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置が実行可能な命令を含むプログラムであって、
付記1~付記13のいずれか一項に記載された方法を前記情報処理装置に実行させる前記命令を含んだ
プログラム
[付記15]
駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置であって、
処理部と、
前記処理部が実行可能な命令を含んだプログラムを記憶する記憶部とを有し、
前記プログラムが、付記1~付記13のいずれか一項に記載された方法を行う前記命令を含む、
情報処理装置。
[付記16]
駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置であって、
付記1~付記13のいずれか一項に記載された方法を行う手段を備えた
情報処理装置。
【符号の説明】
【0080】
1…情報処理装置、11…通信部、12…記憶部、121…プログラム、13…処理部、2…記憶装置、21…、22…、23…、3…担当者端末装置、4…弁護士端末装置、9…通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-06-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置が実行する方法であって、
前記情報処理装置は、記憶装置にアクセス可能であり、
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、
前記放置車両に関する放置車両情報と、
前記放置車両の所有者に関する所有者情報と、
前記放置車両が放置された前記駐車場に関する駐車場情報と
を記憶し、
一の前記管理案件に関わる前記放置車両の前記所有者に関する情報を取得した場合、取得した情報に応じた前記所有者情報を生成し、当該一の管理案件に関わる情報として前記記憶装置に記憶する所有者情報生成工程と、
前記駐車場情報が示す特定の前記駐車場又は前記駐車場情報が示す特定の地域にある前記駐車場を素行不良者が利用する利用頻度の高さ、前記放置車両情報が示す前記放置車両の車種又は型式を素行不良者が所有する所有率の高さ、及び前記所有者情報が示す前記所有者が過去にトラブルの前歴を持つかどうか、の少なくとも1つに基づいて、前記放置車両の整理に関わる前記業務における前記所有者とのトラブルの生じ易さを示す指標を前記管理案件ごとに取得する指標取得工程と、
取得した前記指標を含むように前記所有者情報を更新する所有者情報更新工程とを有し、
前記指標取得工程は、
前記駐車場情報が示す特定の前記駐車場又は前記駐車場情報が示す特定の地域にある前記駐車場が素行不良者の前記利用頻度の高い前記駐車場である場合、
前記放置車両情報が示す前記車種又は前記型式が素行不良者の前記所有率の高い前記車種又は前記型式である場合、又は、
前記所有者情報が示す前記所有者が過去にトラブルの前歴を持つ前記所有者である場合において、
前記トラブルの生じ易さが相対的に高くなるように前記指標を取得することを含む、
方法。
【請求項2】
前記指標取得工程は、前記駐車場に関する情報と、前記放置車両に関する情報と、前記所有者に関する情報との少なくとも1つから前記指標を推定するように生成された学習済みモデルに対して、前記駐車場情報、前記放置車両情報及び前記所有者情報の少なくとも1つを適用することにより、前記指標を推定することを含み、
前記学習済みモデルは、
個別の前記駐車場及び前記駐車場が所在する地域の少なくとも一方と前記指標との相関関係と、
前記放置車両の車種、型式及び年式の少なくとも1つと前記指標との相関関係と、
前記所有者の氏名及び住所の少なくとも一方と前記指標との相関関係と
の少なくとも1つに基づいて、
前記駐車場情報に含まれる個別の前記駐車場及び前記駐車場が所在する地域の少なくとも一方に関する情報と、
前記放置車両情報に含まれる前記放置車両の車種、型式及び年式の少なくとも1つに関する情報と、
前記所有者情報に含まれる前記所有者の氏名及び住所の少なくとも一方に関する情報と
の少なくとも1つから前記指標を推定するように生成されたモデルである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置が実行する方法であって、
前記情報処理装置は、記憶装置にアクセス可能であり、
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、
前記放置車両に関する放置車両情報と、
前記放置車両の所有者に関する所有者情報と、
前記放置車両が放置された前記駐車場に関する駐車場情報と
を記憶し、
一の前記管理案件に関わる前記放置車両の前記所有者に関する情報を取得した場合、取得した情報に応じた前記所有者情報を生成し、当該一の管理案件に関わる情報として前記記憶装置に記憶する所有者情報生成工程と、
前記駐車場情報、前記放置車両情報及び前記所有者情報の少なくとも1つに基づいて、前記放置車両の整理に関わる前記業務における前記所有者とのトラブルの生じ易さを示す指標を前記管理案件ごとに取得する指標取得工程と、
取得した前記指標を含むように前記所有者情報を更新する所有者情報更新工程とを有し、
前記所有者との前記トラブルの発生頻度に応じた数値であって、前記駐車場情報に含まれる個別の前記駐車場及び前記駐車場が所在する地域の少なくとも一方に関する情報に応じた前記数値を第1数値と呼び、
前記所有者との前記トラブルの発生頻度に応じた前記数値であって、前記放置車両情報に含まれる前記放置車両の車種、型式及び年式の少なくとも1つに関する情報に応じた前記数値を第2数値と呼び、
前記所有者との前記トラブルの発生頻度に応じた前記数値であって、前記所有者情報に含まれる前記所有者の氏名及び住所の少なくとも一方に関する情報に応じた前記数値を第3数値と呼び、
前記指標取得工程は、
前記第1数値、前記第2数値及び前記第3数値の少なくとも1つを取得することと、
前記第1数値、前記第2数値及び前記第3数値の少なくとも1つと前記指標との対応関係を定める所定の関数に対して、取得した前記第1数値、前記第2数値及び前記第3数値の少なくとも1つを適用することにより、前記指標を算出することとを含む、
方法。
【請求項4】
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、前記業務の進行状態に関する状態情報を記憶し、
指定された前記管理案件の前記業務の進行状態に関する情報を表示するように求める表示要求が入力された場合に、当該管理案件についての前記状態情報が示す前記業務の進行状態と、当該管理案件についての前記所有者情報に含まれる前記指標とに基づいて、前記業務において次に進めるべき作業の1以上の候補を判定し、判定した当該1以上の候補に関する情報を表示する第1情報表示工程を有する、
請求項1又は請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、前記業務の進行状態に関する状態情報を記憶し、
前記業務における複数の前記進行状態の各々には、実施されるべき1以上の作業と、前記作業の実施結果に応じて次に遷移するべき前記進行状態とが予め定められており、
一の前記管理案件についての前記業務の記録が入力されると、入力された前記業務の記録に含まれる前記作業の実施結果を示す情報と、当該一の管理案件の前記状態情報が示す前記進行状態とに基づいて、次に遷移すべき前記進行状態を判定し、判定した前記進行状態を示すように当該一の管理案件の前記状態情報を更新する第1状態情報更新工程を有する、
請求項1又は請求項3に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも一部の前記進行状態については、前記作業の実施結果と前記指標とに応じて次に遷移するべき前記進行状態が定められており、
前記第1状態情報更新工程は、一の前記管理案件の前記状態情報を更新する場合において、当該状態情報の示す前記進行状態が前記少なくとも一部の前記進行状態である場合には、入力された前記業務の記録に含まれる前記作業の実施結果を示す情報と、当該一の管理案件の前記状態情報が示す前記進行状態と、当該一の管理案件の前記所有者情報に含まれる前記指標とに基づいて、次に遷移すべき前記進行状態を判定することを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記記憶装置は、それぞれ一の前記放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、
前記放置車両が放置された放置期間に関する放置期間情報と、
前記業務の進行状態に関する状態情報と
を記憶し、
前記駐車場情報と前記放置期間情報とに基づいて、前記放置車両の所有者に請求すべき請求金額であって、前記駐車場における前記放置期間分の駐車料金に応じた前記請求金額を前記管理案件ごとに取得する請求金額取得工程と、
前記放置車両情報に基づいて、前記放置車両の金銭的な価値に応じた車両価額を前記管理案件ごとに取得する車両価額取得工程と、
前記請求金額が前記車両価額を超えたか否かを前記管理案件ごとに判定する判定工程と、
一の前記管理案件について前記請求金額が前記車両価額を超えたと判定した場合であって、当該一の管理案件に関わる前記放置車両の出庫が困難な状態であることを前記状態情報が示している場合に、当該放置車両の処分を進める状態であることを示すように前記状態情報を更新する第2状態情報更新工程とを有する、
請求項1又は請求項3に記載の方法。
【請求項8】
指定された前記管理案件の前記業務の進行状態に関する情報を表示するように求める表示要求が入力された場合に、当該管理案件についての前記状態情報が示す前記業務の進行状態に基づいて、前記業務において次に進めるべき作業の1以上の候補を判定し、判定した当該1以上の候補に関する情報を表示する第1情報表示工程を有する、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記情報処理装置は、前記業務の担当者が操作する担当者端末装置と通信可能であり、
前記放置車両が放置された前記駐車場に位置する前記担当者の前記担当者端末装置から、当該担当者端末装置の位置を示す位置情報若しくは前記駐車場の識別情報を取得する情報取得工程と、
前記担当者端末装置から取得した前記位置情報若しくは前記識別情報と、前記駐車場情報に含まれる前記駐車場の所在地に関する情報若しくは前記識別情報とに基づいて、当該担当者端末装置が位置する前記駐車場に放置された前記放置車両に関わる前記管理案件を特定する案件特定工程と、
前記位置情報若しくは前記識別情報を取得した前記担当者端末装置から、前記業務に関する情報の表示を求める表示要求を受信した場合、特定した前記管理案件について前記記憶装置に記憶される情報の少なくとも一部に応じた情報を前記担当者端末装置において表示する第2情報表示工程とを有する、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第2情報表示工程は、前記業務の進行状態に関する情報を表示するように求める前記表示要求を前記担当者端末装置から受信した場合に、特定した前記管理案件についての前記状態情報が示す前記業務の進行状態に基づいて、前記業務において次に進めるべき作業の1以上の候補を判定し、判定した当該1以上の候補に関する情報を表示することを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置が実行可能な命令を含むプログラムであって、
請求項1又は請求項3に記載された方法を前記情報処理装置に実行させる前記命令を含んだ
プログラム
【請求項12】
駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置であって、
処理部と、
前記処理部が実行可能な命令を含んだプログラムを記憶する記憶部とを有し、
前記プログラムが、請求項1又は請求項3に記載された方法
前記所有者情報生成工程と、
前記指標取得工程と、
前記所有者情報更新工程と
を前記処理部に行わせる前記命令を含み、
前記処理部が前記プログラムの前記命令を実行する、
情報処理装置。
【請求項13】
駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置であって、
請求項1又は請求項3に記載された方法
前記所有者情報生成工程を行う手段と、
前記指標取得工程を行う手段と、
前記所有者情報更新工程を行う手段と
を備えた情報処理装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の第1の態様は、駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置が実行する方法であって、情報処理装置は、記憶装置にアクセス可能であり、記憶装置は、それぞれ一の放置車両を管理の対象とする1以上の管理案件の各々について、放置車両に関する放置車両情報と、放置車両の所有者に関する所有者情報と、放置車両が放置された駐車場に関する駐車場情報とを記憶し、一の管理案件に関わる放置車両の所有者に関する情報を取得した場合、取得した情報に応じた所有者情報を生成し、当該一の管理案件に関わる情報として記憶装置に記憶する所有者情報生成工程と、駐車場情報が示す特定の駐車場又は駐車場情報が示す特定の地域にある駐車場を素行不良者が利用する利用頻度の高さ、放置車両情報が示す放置車両の車種又は型式を素行不良者が所有する所有率の高さ、及び所有者情報が示す所有者が過去にトラブルの前歴を持つかどうか、の少なくとも1つに基づいて、放置車両の整理に関わる業務における所有者とのトラブルの生じ易さを示す指標を管理案件ごとに取得する指標取得工程と、取得した指標を含むように所有者情報を更新する所有者情報更新工程とを有し、指標取得工程は、駐車場情報が示す特定の駐車場又は駐車場情報が示す特定の地域にある駐車場が素行不良者の利用頻度の高い駐車場である場合、放置車両情報が示す車種又は型式が素行不良者の所有率の高い車種又は型式である場合、又は、所有者情報が示す所有者が過去にトラブルの前歴を持つ所有者である場合において、トラブルの生じ易さが相対的に高くなるように指標を取得することを含む、方法である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の第3の態様は、駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置であって、処理部と、処理部が実行可能な命令を含んだプログラムを記憶する記憶部とを有し、プログラムが、上記第1の態様に係る方法の所有者情報生成工程と、指標取得工程と、所有者情報更新工程とを処理部に行わせる命令を含み、処理部がプログラムの命令を実行する、情報処理装置である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明の第4の態様は、駐車場に放置された放置車両の整理に関わる業務を支援する処理を行う情報処理装置であって、上記第1の態様に係る方法の所有者情報生成工程を行う手段と、指標取得工程を行う手段と、所有者情報更新工程を行う手段とを備えた情報処理装置である。