(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076128
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】水回り設備構造
(51)【国際特許分類】
E04H 1/12 20060101AFI20240529BHJP
A47K 4/00 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
E04H1/12 301
A47K4/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187533
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】501186069
【氏名又は名称】清水 秀男
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】清水 秀男
【テーマコード(参考)】
2D132
2E025
【Fターム(参考)】
2D132GA11
2E025BA01
2E025BA05
(57)【要約】
【課題】バス、トイレ、洗面台等の水回り設備を使いやすく効率的に配置させた水回り設備構造を提供する。
【解決手段】水回り設備を1箇所に集約させた水回り設備構造10であって、前後に出入口21,22を有する通路20を有し、通路20を挟んで浴槽30、トイレ40、洗面台50、シャワールーム60、洗濯機70が配置されており、それらが平面視略方形状に配置されている。また、床11、天井12、周壁13~16が共用の構成となっており、それらの内部に通路20、浴槽30、トイレ40、洗面台50、シャワールーム60、洗濯機70が配置されている。また、出入口21,22は、扉23,24を有している。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水回り設備を1箇所に集約させた水回り設備構造であって、
前後に出入口を有する通路を有し、
該通路を挟んで浴槽、トイレ、洗面台、シャワールームが配置されており、
前記通路、前記浴槽、前記トイレ、前記洗面台、前記シャワールームが平面視略方形状に配置されていることを特徴とする水回り設備構造。
【請求項2】
床、天井、周壁が共用の構成となっており、当該床、天井、周壁で囲まれた内部に前記通路、前記浴槽、前記トイレ、前記洗面台、前記シャワールームが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の水回り設備構造。
【請求項3】
前記出入口は、扉を有していることを特徴とする請求項1に記載の水回り設備構造。
【請求項4】
前記通路と前記浴槽及び前記トイレの間に壁がなく、前記通路側に対して前記浴槽及び前記トイレが開放された状態となっていることを特徴とする請求項1に記載の水回り設備構造。
【請求項5】
前記通路に面した洗濯機パンを備えていることを特徴とする請求項1に記載の水回り設備構造。
【請求項6】
前記通路は直線状に配置されており、
前記通路の一方側に前記浴槽と前記シャワールームが配置され、前記通路の他方側に前記トイレと前記洗面台が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の水回り設備構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バス、トイレ、洗面台等の水回り設備を効率的にレイアウトした水回り設備構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バス、トイレ、洗面台等の水回り設備は、それぞれが独立して配置される場合が多かった。これに対し、これらを効率よく配置しようとする提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、水回り設備のさらなる効率化が求められており、特に都心の物件等では限られたスペースをさらに効率よく機能させるように改善が求められていた。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、バス、トイレ、洗面台等の水回り設備を使いやすく効率的に配置させた水回り設備構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成するために、本発明は、水回り設備を1箇所に集約させた水回り設備構造であって、前後に出入口を有する通路を有し、該通路を挟んで浴槽、トイレ、洗面台、シャワールームが配置されており、前記通路、前記浴槽、前記トイレ、前記洗面台、前記シャワールームが平面視略方形状に配置されている水回り設備構造としたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記記載の構成に加えて、床、天井、周壁が共用の構成となっており、当該床、天井、周壁で囲まれた内部に前記通路、前記浴槽、前記トイレ、前記洗面台、前記シャワールームが配置されていることが望ましい。
【0008】
また、本発明は、上記記載の構成に加えて、前記出入口は、扉を有していることが望ましい。
【0009】
また、本発明は、上記記載の構成に加えて、前記通路と前記浴槽及び前記トイレの間に壁がなく、前記通路側に対して前記浴槽及び前記トイレが開放された状態となっていることが望ましい。
【0010】
また、本発明は、上記記載の構成に加えて、前記通路に面した洗濯機パンを備えていることが望ましい。
【0011】
また、本発明は、上記記載の構成に加えて、前記通路は直線状に配置されており、前記通路の一方側に前記浴槽と前記シャワールームが配置され、前記通路の他方側に前記トイレと前記洗面台が配置されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、水回り設備を集約させる際に、通路を有し、その通路の前後に住居内の他の部屋等への出入口を確保した平面視略方形状の構成としたため、住居内のどの位置にも配置することが可能となり、利便性が良く、効率的な水回り設備の配置状態とすることができる。
【0013】
また、本発明において、床、天井、周壁が共用となっており、当該床、天井、周壁で囲まれた内部に通路、浴槽、トイレ、洗面台、シャワールームが配置されていれば、施工の作業を効率よく行うことができ、かつ、水回り設備の一体感を醸成することができる。
【0014】
また、本発明において、出入口に扉を有していれば、外部と遮断することができ、水回り設備の独自空間を醸し出すことができると共に、水回り設備の湿気や臭気等を外部に出さない効果や外部の臭気等を水回り設備内に入れない効果も奏することができる。
【0015】
また、本発明において、通路と浴槽及びトイレの間に壁がなく、通路側に対して浴槽及びトイレが開放された状態となっていれば、水回り設備を集約させた限られた空間において、開放感のある状態を作り出すことができる。
【0016】
また、本発明において、通路に面した洗濯機パンを備えていれば、より利便性の高い水回り設備とすることができる。
【0017】
また、本発明において、通路が直線状に配置されており、当該通路の一方側に浴槽とシャワールーム、通路の他方側にトイレと洗面台という配置となっていれば、コンパクト、かつ、使いやすく利便性の高い配置状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態に係る水回りユニットを示す斜視図である。
【
図2】同実施の形態に係る水回りユニットの下方側からの斜視図である。
【
図3】同実施の形態に係る水回りユニットの扉を開けた状態の斜視図である。
【
図4】同実施の形態に係る水回りユニットの扉を開けた状態の下方側からの斜視図である。
【
図5】同実施の形態に係る水回りユニットの天井透過斜視図である。
【
図6】同実施の形態に係る水回りユニットの別角度からの天井透過斜視図である。
【
図7】同実施の形態に係る水回りユニットの扉を開けた状態の天井透過斜視図である。
【
図8】同実施の形態に係る水回りユニットの扉を開けた状態の別角度からの天井透過斜視図である。
【
図9】同実施の形態に係る水回りユニットの天井透過平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
図1~
図9には、本発明の実施の形態を示す。なお、この実施の形態では、本発明の水回り設備構造をユニット化させた水回りユニット10について説明する。
【0021】
この実施の形態の水回りユニット10は、バス、トイレ、洗面台等の水回り設備を1箇所に集約させたものであり、
図1~
図4に示すように、床11、天井12、四方に設けられた周壁13~16の中に水回り設備が配設されており、全体として略直方体形状、平面視略方形状となるように構成されている。また、この実施の形態では、
図5~
図9に示すように、浴槽30、トイレ40、洗面台50、シャワールーム60、洗濯機70が配設されたものとなっている。
【0022】
また、この実施の形態では、床11、天井12、周壁13~16が共用の構成となっており、これにより、床11、天井12、周壁13~16のそれぞれを、浴槽30、トイレ40、洗面台50、シャワールーム60で別々に設ける場合よりも施工し易く、作業効率を良くすることができ、かつ、水回り設備の統一感が得られるようになっている。
【0023】
また、この実施の形態では、前後に出入口21,22を有する直線状の通路20を有しており、その通路20を挟んで浴槽30、トイレ40、洗面台50、シャワールーム60、洗濯機70が配置されている。ここでは、通路20の一方側(
図9の通路20の下方側)に浴槽30とシャワールーム60が配置され、通路20の他方側(
図6の通路20の上方側)にトイレ40と洗面台50と洗濯機70が配置された構成となっている。これは、浴槽30、トイレ40、洗面台50、シャワールーム60、洗濯機70の大きさ、形状を考慮して、配置バランスと使い勝手が良い構成となるように考えられた結果の構成である。
【0024】
また、この実施の形態では、通路20と浴槽30、通路20とトイレ40の間に壁や扉が設けられておらず、浴槽30及びトイレ40が開放された開放感のある状態となっている。
【0025】
なお、図示は省略したが、洗濯機70の位置には洗濯機パンを備えており、ここに洗濯機70が載置されて、排水が可能となるように構成されている。また、洗濯機70がなく、洗濯機パンのみが配置されるようになっていても良い。さらに、洗濯機70、洗濯機パンが配置されるようになっていないパターンがあっても良い。また、洗濯機70、洗濯機パンの配置位置としては、洗面台50の隣の水回りユニット10の隅部が邪魔になり難く好ましいが、他の箇所に配置するようになっていても良い。
【0026】
また、この実施の形態では、通路20の出入口21,22には、扉23,24を有しており、ここでは、双方とも内開きの開き戸となっている。このように通路20の前後の出入口21,22に扉23,24が設けられていると、水回りユニット10の内部の一体感や特別な空間としての雰囲気を醸し出すことができると共に、水回りユニット10の湿気や臭気が外部に出ないようにし、外部の臭気等が水回りユニット10の内部に入らないようにすることができる。
【0027】
また、この実施の形態では、
図5~
図8に示すように、シャワールーム60の扉61は引き戸で構成されている。そして、
図7及び
図8に示すように、扉61は開けると浴槽30側に突出するようになっており、また、通路20の一方の出入口21の扉23は、開くと浴槽30の一部を覆うように構成されている。これにより、浴槽30を扉23と扉61とで覆うことができる(少なくとも一部を覆うことができる)ようになり、その扉23,61が浴槽30の壁代わりとなって、浴槽30からの水はね防止や閉鎖的な空間を作り出したいときに、対応することができる。
【0028】
以上のように、この実施の形態の水回りユニット10によれば、水回り設備を集約させる際に、直線状の通路20を有し、その通路20の前後に住居内の他の部屋等への出入口21,22を確保した平面視略方形状の構成としたため、住居内のどの位置にも配置することが可能となり、利便性が良く、効率的な水回り設備の配置状態とすることができる。
【0029】
また、この実施の形態の水回りユニット10によれば、床11、天井12、周壁13~16が共用となっており、当該床11、天井12、周壁13~16で囲まれた内部に通路20、浴槽30、トイレ40、洗面台50、シャワールーム60、洗濯機70が配置されているため、施工の作業を効率よく行うことができ、かつ、水回り設備の一体感を醸成することができる。
【0030】
また、この実施の形態の水回りユニット10によれば、出入口21,22に扉23,24を有しているため、外部と遮断することができ、水回りユニット10内の独自空間を醸し出すことができると共に、水回りユニット10内の湿気や臭気等を外部に出さない効果や外部の臭気等を水回りユニット10内に入れない効果も奏することができる。
【0031】
また、この実施の形態の水回りユニット10によれば、通路20と浴槽30及びトイレ40の間に壁がなく、通路20側に対して浴槽30及びトイレ40が開放された状態となっているため、水回り設備を集約させた限られた空間において、開放感のある状態を作り出すことができる。
【0032】
また、この実施の形態の水回りユニット10によれば、洗濯機70、洗濯機パンを備えているため、より利便性の高い水回り設備とすることができる。
【0033】
また、この実施の形態の水回りユニット10によれば、通路20が直線状に配置されており、当該通路20の一方側に浴槽30とシャワールーム60、通路20の他方側にトイレ40と洗面台50と洗濯機70という配置となっているため、コンパクト、かつ、使いやすく利便性の高い配置状態とすることができる。
【0034】
なお、本発明の水回りユニットは、前記した実施の形態のような構造に限るものではなく、他の構造のものにも適用することができる。例えば、前記した実施の形態では、浴槽30やトイレ40と通路20との間に壁や扉がなく、開放された状態となっていたが、これに限るものではなく、浴槽と通路の間、トイレと通路の間に壁や扉を設ける構成となっていても良い。
【0035】
また、前記した実施の形態では、通路20の前後の出入口21,22に開き戸の扉23,24が設けられていたが、これに限るものではなく、扉がない開放された出入口のみの構成となっていても良い。また、開き戸ではなく、他の扉、例えば引き戸の扉が設けられていても良い。
【0036】
また、前記した実施の形態では、水回りユニット10の周囲に周壁13~16が設けられていたが、これに限るものではなく、周壁がないパターンでの水回りユニットも考えられる。
【0037】
また、前記した実施の形態では、天井、床、周壁が共用となっていたが、これに限るものではなく、天井、床、周壁の全部又は一部が共用でない、所謂ユニット化していないパターンがあっても良い。
【0038】
また、前記した実施の形態では、水回りユニット10の通路20は、直線状で前後に出入口を有し、水回りユニット10の中央部に形成されるような構成となっていたが、これに限るものではなく、他のパターン、例えば通路がL字状に形成されていてその前後2箇所に出入口を有しているものや、通路がT字に形成されていてその端部3箇所のそれぞれに出入口を有しているもの、通路が十字に形成されていてその前後左右4箇所のそれぞれに出入口を有しているものであっても良い。
【0039】
また、前記した実施の形態では、通路20を挟んで一方側に浴槽30とシャワールーム60、他方側にトイレ40と洗面台50と洗濯機70が配置された構成となっていたが、これに限るものではなく、これらが異なる配置位置となっているパターンがあっても良い。また、洗濯機70、洗濯機パンが配置されない構成となっているパターンがあっても良い。
【符号の説明】
【0040】
10 水回りユニット(水回り設備構造)
11 床
12 天井
13 周壁
14 周壁
15 周壁
16 周壁
20 通路
21 出入口
22 出入口
23 扉(開き戸)
24 扉(開き戸)
30 浴槽
40 トイレ
50 洗面台
60 シャワールーム
61 扉(引き戸)
70 洗濯機