IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友電装株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-コネクタ及びコネクタアセンブリ 図1
  • 特開-コネクタ及びコネクタアセンブリ 図2
  • 特開-コネクタ及びコネクタアセンブリ 図3
  • 特開-コネクタ及びコネクタアセンブリ 図4
  • 特開-コネクタ及びコネクタアセンブリ 図5
  • 特開-コネクタ及びコネクタアセンブリ 図6
  • 特開-コネクタ及びコネクタアセンブリ 図7
  • 特開-コネクタ及びコネクタアセンブリ 図8
  • 特開-コネクタ及びコネクタアセンブリ 図9
  • 特開-コネクタ及びコネクタアセンブリ 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076129
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】コネクタ及びコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20240529BHJP
【FI】
H01R13/52 301E
H01R13/52 301G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187534
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】横井 将太
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE11
5E087EE14
5E087FF03
5E087FF08
5E087HH04
5E087LL02
5E087LL03
5E087LL12
5E087MM05
5E087QQ04
5E087RR25
(57)【要約】
【課題】第1シール部材へ電線部材を取付けるときの作業性悪化を回避できるコネクタ、及びコネクタアセンブリを提供する。
【解決手段】第1シール部材22は、コネクタに取付けられる電線部材において、コネクタのハウジングから外部に引き出される部位をシールする。第1シール部材22は、リップ部42及び凹部51を有する。リップ部42は、電線部材の周囲をシールするために第1挿入孔41に形成されている。凹部51は、ハウジングと接触する面の反対側である第2面52において第1挿入孔41の周りに開口形成されている。また、凹部51は、第1シール部材22の厚み方向においてリップ部42よりも奥まで延びる深さに形成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端子収容室が形成されたハウジングと、電線部材を通すための第1挿入孔が前記端子収容室と組をなすように複数形成され、かつ、前記端子収容室の1つひとつを前記ハウジングの基端において個別防水する第1シール部材と、前記電線部材の先端の第1端子と前記端子収容室で電気接続される第2端子を通す第2挿入孔が複数形成され、かつ、前記端子収容室の1つひとつを前記ハウジングの先端において個別防水する第2シール部材と、を備えたコネクタであって、
前記第1シール部材は、
前記電線部材の周囲をシールするために前記第1挿入孔に形成されたリップ部と、
前記ハウジングと接触する第1面の反対側の第2面において前記第1挿入孔の周りに開口形成され、かつ、前記第1シール部材の厚み方向において前記リップ部よりも奥まで延びる深さに形成された凹部と、を有するコネクタ。
【請求項2】
前記凹部は、前記第1挿入孔を軸方向から見たときの上下左右の4位置において、少なくとも2位置以上に形成されている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1シール部材は、
前記第1挿入孔を内部に有する挿入筒と、
隣に位置する前記挿入筒同士を繋ぐように形成された1つ以上のリブと、を有する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記リブは、同一行において隣同士に位置する前記挿入筒の間と、同一列において隣同士に位置する前記挿入筒の間と、行及び列の両方において1つ隣に位置する挿入筒同士の間と、に形成されている、請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記複数の第1挿入孔は、複数行、及び複数列に配列されるように形成され、
前記凹部は、隣同士の行の間と、隣同士の列の間と、に形成されている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記第1面は、前記第1挿入孔の周囲を平坦状とすることにより形成された当て面である、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第1シール部材を前記ハウジングに押し当てて密着させる第1ホルダと、
相手コネクタが前記ハウジングに固定される場合に、前記第2シール部材を前記ハウジングに押し当てて密着させる第2ホルダと、を備える請求項1に記載のコネクタ。
【請求項8】
複数の端子収容室が形成されたハウジングと、電線部材を通すための第1挿入孔が前記端子収容室と組をなすように複数形成され、かつ、前記端子収容室の1つひとつを前記ハウジングの基端において個別防水する第1シール部材と、前記端子収容室と組をなすように第2挿入孔が複数形成され、かつ、前記端子収容室の1つひとつを前記ハウジングの先端において個別防水する第2シール部材と、を有する第1コネクタと、
前記第2挿入孔に通されて前記電線部材の先端の第1端子と前記端子収容室で電気接続される第2端子を複数有する第2コネクタと、を備えたコネクタアセンブリであって、
前記第1シール部材は、
前記電線部材の周囲をシールするために前記第1挿入孔に形成されたリップ部と、
前記ハウジングと接触する第1面の反対側の第2面において前記第1挿入孔の周りに開口形成され、かつ、前記第1シール部材の厚み方向において前記リップ部よりも奥まで延びる深さに形成された凹部と、を有するコネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ及びコネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されるように、個室防水機能を備えた防水コネクタが周知である。この防水コネクタは、雄端子を有する雄ハウジングと、雄ハウジングに取付けられたときに雄端子と接続される電線を有する雌ハウジングと、を備える。雌ハウジングには、電線を雌ハウジングの外部に引き出す部位をシールするための一括ゴム栓が取付けられている。一括ゴム栓には、電線を通すための複数の孔が形成されている。このように、複数の電線は、一括ゴム栓に形成された各孔に通され、そして、雌ハウジングの外部に引き出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-297479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一括ゴム栓の孔の径は、電線の径よりも小さく設定されている。これは、電線の周囲を一括ゴム栓によって隙間無くシールするためである。従って、一括ゴム栓の孔に電線を挿入するとき、小径の孔に電線を押し込むことになるため、一括ゴム栓には弾性変形が生じ、そして、この弾性変形が孔周囲に逃げていくことなる。
【0005】
通常、雌コネクタへの電線の取付けは、例えば、一括ゴム栓の各孔に電線を順番に挿入していくことにより、行われる。このため、一括ゴム栓の孔に電線を順次取付けていく度に、この弾性変形量が一括ゴム栓に蓄積されていくことが想定される。そうすると、最後の方の孔の径が通常よりも小さくなってしまうことが想定される。こうなると、電線を孔に挿入し難くなるため、電線のスムーズな取付作業に支障を来す可能性があった。
【0006】
本開示の目的は、第1シール部材へ電線部材を取付けるときの作業性悪化を回避できるコネクタ及びコネクタアセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するコネクタは、複数の端子収容室が形成されたハウジングと、電線部材を通すための第1挿入孔が前記端子収容室と組をなすように複数形成され、かつ、前記端子収容室の1つひとつを前記ハウジングの基端において個別防水する第1シール部材と、前記電線部材の先端の第1端子と前記端子収容室で電気接続される第2端子を通す第2挿入孔が複数形成され、かつ、前記端子収容室の1つひとつを前記ハウジングの先端において個別防水する第2シール部材と、を備えた構成であって、前記第1シール部材は、前記電線部材の周囲をシールするために前記第1挿入孔に形成されたリップ部と、前記ハウジングと接触する第1面の反対側の第2面において前記第1挿入孔の周りに開口形成され、かつ、前記第1シール部材の厚み方向において前記リップ部よりも奥まで延びる深さに形成された凹部と、を有する。
【0008】
前記課題を解決するコネクタアセンブリは、複数の端子収容室が形成されたハウジングと、電線部材を通すための第1挿入孔が前記端子収容室と組をなすように複数形成され、かつ、前記端子収容室の1つひとつを前記ハウジングの基端において個別防水する第1シール部材と、前記端子収容室と組をなすように第2挿入孔が複数形成され、かつ、前記端子収容室の1つひとつを前記ハウジングの先端において個別防水する第2シール部材と、を有する第1コネクタと、前記第2挿入孔に通されて前記電線部材の先端の第1端子と前記端子収容室で電気接続される第2端子を複数有する第2コネクタと、を備えた構成であって、前記第1シール部材は、前記電線部材の周囲をシールするために前記第1挿入孔に形成されたリップ部と、前記ハウジングと接触する第1面の反対側の第2面において前記第1挿入孔の周りに開口形成され、かつ、前記第1シール部材の厚み方向において前記リップ部よりも奥まで延びる深さに形成された凹部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、第1シール部材へ電線部材を取付けるときの作業性悪化を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態のコネクタアセンブリの分解斜視図である。
図2図2は、コネクタアセンブリの縦断面図である。
図3図3は、第1コネクタの分解斜視図である。
図4図4は、図7に示すIV-IV線断面図である。
図5図5は、第1シール部材の第1挿入孔の拡大図である。
図6図6は、第1シール部材の斜視図である。
図7図7は、第1シール部材の部分拡大図である。
図8図8(a)、図8(b)は、第1挿入孔への電線部材の挿入の説明図である。
図9図9は、第1シール部材からハウジングにかかる面圧の説明図である。
図10図10は、別例における第1シール部材の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
[1]本開示のコネクタは、複数の端子収容室が形成されたハウジングと、電線部材を通すための第1挿入孔が前記端子収容室と組をなすように複数形成され、かつ、前記端子収容室の1つひとつを前記ハウジングの基端において個別防水する第1シール部材と、前記電線部材の先端の第1端子と前記端子収容室で電気接続される第2端子を通す第2挿入孔が複数形成され、かつ、前記端子収容室の1つひとつを前記ハウジングの先端において個別防水する第2シール部材と、を備える。前記第1シール部材は、前記電線部材の周囲をシールするために前記第1挿入孔に形成されたリップ部と、前記ハウジングと接触する第1面の反対側の第2面において前記第1挿入孔の周りに開口形成され、かつ、前記第1シール部材の厚み方向において前記リップ部よりも奥まで延びる深さに形成された凹部と、を有する。
【0012】
この構成によれば、電線部材を第1シール部材の第1挿入孔に挿入したとき、第1シール部材に生じ得る弾性変形を、第1シール部材に設けた凹部に逃がすことが可能となる。このため、第1シール部材に生じた弾性変形が、周囲の他の第1挿入孔に影響を及ぼし難くなる。これにより、他の第1挿入孔の径も通常のまま維持される。よって、第1シール部材へ電線部材を取付けるときの作業性悪化を回避可能となる。
【0013】
[2]上記[1]において、前記凹部は、前記第1挿入孔を軸方向から見たときの上下左右の4位置において、少なくとも2位置以上に形成されている。この構成によれば、第1挿入孔の周囲において、偏った位置にのみ凹部が形成されてしまうことがない。このため、挿入された電線部材から第1挿入孔に負荷がかかって第1挿入孔の周囲で弾性変形が生じても、その弾性変形が隣の第1挿入孔に至る状況を生じ難くすることが可能となる。よって、電線部材を取付けるときの作業性悪化の回避に一層寄与する。
【0014】
[3]上記[1]又は[2]において、前記第1シール部材は、前記第1挿入孔を内部に有する挿入筒と、隣に位置する前記挿入筒同士を繋ぐように形成された1つ以上のリブと、を有する。この構成によれば、第1シール部材にリブを設けたので、第1ホルダを第1シール部材とともにハウジングに固定するとき、第1ホルダで第1シール部材をハウジングに強く押し当てる箇所を設けることが可能となる。よって、個別防水の密閉性の確保に寄与する。
【0015】
[4]上記[3]において、前記第1シール部材は、前記第1挿入孔を内部に有する挿入筒と、隣に位置する前記挿入筒同士を繋ぐように形成された1つ以上のリブと、を有し、前記リブは、同一行において隣同士に位置する前記挿入筒の間と、同一列において隣同士に位置する前記挿入筒の間と、行及び列の両方において1つ隣に位置する挿入筒同士の間と、に形成されている。この構成によれば、リブを多数形成することが可能となるので、第1ホルダを第1シール部材とともにハウジングに固定するとき、第1ホルダで第1シール部材をハウジングに強く押し当てる箇所を多くとることが可能となる。よって、個別防水の密閉性の確保に寄与する。
【0016】
[5]上記[1]から[4]のいずれかにおいて、前記複数の第1挿入孔は、複数行、及び複数列に配列されるように形成され、前記凹部は、隣同士の行の間と、隣同士の列の間と、に形成されている。この構成によれば、第1挿入孔の周囲に凹部を形成するので、電線部材を第1挿入孔に挿入するときに第1シール部材が弾性変形しても、弾性変形の逃げ箇所を多くとることが可能となる。このため、電線部材をまだ挿入していない他の第1挿入孔に変形が生じ難くなる。よって、電線部材を取付けるときの作業性悪化の回避に一層寄与する。
【0017】
[6]上記[1]から[5]のいずれかにおいて、前記第1面は、前記第1挿入孔の周囲を平坦状とすることにより形成された当て面である。この構成によれば、第1面を平坦状の当て面としたので、第1シール部材においてハウジングとの接触面積を広くとることが可能となる。よって、個別防水の密閉性の確保に寄与する。
【0018】
[7]上記[1]から[6]のいずれかにおいて、前記コネクタは、前記第1シール部材を前記ハウジングに押し当てて密着させる第1ホルダと、相手コネクタが前記ハウジングに固定される場合に、前記第2シール部材を前記ハウジングに押し当てて密着させる第2ホルダと、を備える。この構成によれば、第1シール部材をハウジング及び第1ホルダで強く挟み込んで保持することが可能となるので、取付け後の第1シール部材に位置ズレを生じ難くすることが可能となる。よって、電線部材を第1シール部材の第1挿入孔に挿入するときの挿入のし易さの確保に寄与する。また、第2シール部材をハウジング及び第2ホルダで強く挟み込んで保持することが可能となるので、取付け後の第2シール部材に位置ズレを生じ難くすることが可能となる。よって、第2端子を第2シール部材の第2挿入孔に挿入し易くすることが可能となる。
【0019】
[8]本開示のコネクタアセンブリは、複数の端子収容室が形成されたハウジングと、電線部材を通すための第1挿入孔が前記端子収容室と組をなすように複数形成され、かつ、前記端子収容室の1つひとつを前記ハウジングの基端において個別防水する第1シール部材と、前記端子収容室と組をなすように第2挿入孔が複数形成され、かつ、前記端子収容室の1つひとつを前記ハウジングの先端において個別防水する第2シール部材と、を有する第1コネクタと、前記第2挿入孔に通されて前記電線部材の先端の第1端子と前記端子収容室で電気接続される第2端子を複数有する第2コネクタと、を備える。前記第1シール部材は、前記電線部材の周囲をシールするために前記第1挿入孔に形成されたリップ部と、前記ハウジングと接触する第1面の反対側の第2面において前記第1挿入孔の周りに開口形成され、かつ、前記第1シール部材の厚み方向において前記リップ部よりも奥まで延びる深さに形成された凹部と、を有する。本構成によれば、コネクタの作用効果と同様の作用効果を得ることが可能となる。
【0020】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際とは異なる場合がある。
【0021】
(コネクタアセンブリ1)
図1に示すように、コネクタアセンブリ1は、コネクタ2(以降、第1コネクタ3と記す)と、第1コネクタ3に接続される相手コネクタ4(以降、第2コネクタ5と記す)と、を備える。本例の場合、第1コネクタ3がメスコネクタであり、第2コネクタ5がオスコネクタである。コネクタアセンブリ1は、例えば、二輪車に使用される。このため、二輪車が高圧洗浄されることも想定されるので、コネクタアセンブリ1には高い防水性が必要とされる。
【0022】
第1コネクタ3は、複数の電線部材7が取付けられている。電線部材7は、電気を伝送するための電線8と、電線8の先端に設けられた第1端子9と、を有する。第2コネクタ5は、電線部材7の第1端子9に電気接続される第2端子10を有する。第2端子10は、例えば、第2コネクタ5の第2コネクタ本体11に樹脂モールドによって形成されている。電線部材7及び第2端子10は、例えば、同数、形成される。
【0023】
第1コネクタ3は、第2コネクタ5を固定するためのロックアーム12を上面に有する。第1コネクタ3は、第2コネクタ5が嵌合されたとき、第2コネクタ5の上面に形成された突起13にロックアーム12が係合することにより、第2コネクタ5に固定される。第1端子9及び第2端子10は、第1コネクタ3及び第2コネクタ5を取付けたとき、電気接続される。
【0024】
(電線8)
図2に示すように、電線8は、例えば、導体よりなる芯線16と、芯線16の外周を被覆する絶縁被覆17と、を有する。芯線16は、例えば、複数の金属素線を撚り合わせてなる撚線、内部が中実構造をなす柱状の1本の金属棒からなる単芯線である。芯線16は、例えば、撚線、単芯線等の複数種類の導体を組み合わせたものでもよい。芯線16の材料としては、例えば、銅系やアルミニウム系などの金属材料が使用される。
【0025】
絶縁被覆17は、例えば、芯線16の外周面全周を被覆する。絶縁被覆17は、例えば、合成樹脂などの絶縁材料からなる。絶縁被覆17の材料としては、例えば、架橋ポリエチレンや架橋ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂を主成分とする合成樹脂が用いられる。絶縁被覆17の材料としては、1種の材料を単独で用いてもよいし、2種以上の材料を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0026】
(第1コネクタ3)
図2及び図3に示すように、第1コネクタ3は、ハウジング19、第1ホルダ20、第2ホルダ21、第1シール部材22、及び第2シール部材23を備える。ハウジング19は、電線部材7の先端の第1端子9を収容するための端子収容室24を複数有する。複数の端子収容室24は、複数の行及び列で配列されている。本例の場合、高さ方向(図2等のZ軸方向)を「行」とし、幅方向(図2等のY軸方向)を「列」とすると、本例の端子収容室24は、例えば、3行16列の配列パターンで設けられている。
【0027】
第1ホルダ20は、電線部材7を挿入するための孔26が複数形成されている。孔26は、端子収容室24と対応する個数及び位置、すなわち、端子収容室24と同じ配列パターンで形成されている。第1ホルダ20は、ハウジング19との間に第1シール部材22を位置させてハウジング19の基端に固定される。第1ホルダ20は、例えば、第1ホルダ20に形成された複数の爪27(一部のみ図示)を、ハウジング19に形成された係合孔28(一部のみ図示)に係合することにより、ハウジング19に固定される。
【0028】
第2ホルダ21は、第2コネクタ5の第2端子10を挿入するための孔29が複数形成されている。孔29は、端子収容室24と対応する個数及び位置、すなわち、端子収容室24と同じ配列パターンで形成されている。第2ホルダ21は、ハウジング19との間に第2シール部材23を位置させてハウジング19の先端に固定される。第2ホルダ21は、例えば、ハウジング19に形成された複数の突起30(一部のみ図示)を、自身に形成された係合片31(一部のみ図示)に係合することにより、ハウジング19に固定される。
【0029】
図2に示す通り、ハウジング19は、端子収容室24が形成されたハウジング本体32と、ハウジング本体32の基端に形成された筒部33と、を有する。ハウジング本体32は、第2ホルダ21に形成された開口穴34に挿入されている。第1ホルダ20及び第1シール部材22は、筒部33の内部に収容されている。電線8の先端、第1端子9、及び第2端子10の先端は、端子収容室24に収容されている。端子収容室24の各々には、第1端子9を第2端子10に押し当てるためのランス35が形成されている。
【0030】
(第2コネクタ5)
図2に示す通り、第2コネクタ5は、第2ホルダ21(第1コネクタ3)の孔29に挿入される部位として、複数のキャビティタワー38を有する。キャビティタワー38は、第2コネクタ本体11の一部から形成された座39と、この座39に挿通された第2端子10の先端と、を含む。キャビティタワー38は、端子収容室24と対応する個数及び位置に形成されている。キャビティタワー38が第2ホルダ21の孔29に挿し込まれたとき、キャビティタワー38の先端の第2端子10が第1端子9に接触する。
【0031】
(第1シール部材22)
図2及び図3に示す通り、第1シール部材22は、電線部材7を通すための複数の第1挿入孔41が端子収容室24と組をなすように複数形成されている。このように、第1シール部材22は、1つの部材で複数の電線部材7をシールする一括ゴム栓である。複数の第1挿入孔41は、端子収容室24と対応する個数及び位置、すなわち、端子収容室24と同じ配列パターンで形成されている。複数の第1挿入孔41は、複数行、及び複数列に配列されるように形成され、具体的には、3行16列の配列パターンで形成されている。このように、第1シール部材22は、複数の第1挿入孔41が規則的な配列パターンで並び配置されている。
【0032】
図2及び図3に示す通り、第1シール部材22は、電線部材7の周囲をシールするために第1挿入孔41に形成されたリップ部42を有する。リップ部42は、第1シール部材22の厚み方向(図2等のY軸方向)において、2つ並んだ突を有する。リップ部42の開口形状は、例えば、円形状である。第1挿入孔41の開口端縁の形状は、例えば、四角形状である。
【0033】
図4に示すように、第1挿入孔41においてリップ部42の径W1は、第1挿入孔41の開口端縁の径W2よりも小さく形成されている。このように、第1挿入孔41は、例えば、第1挿入孔41の表裏の開口が大きく、かつ、孔中央に向かうに従って徐々に縮径していく形状に形成されている。
【0034】
図2図4に示す通り、第1シール部材22は、ハウジング19と第1シール部材22との間をシールする密封部43を外周面に有する。密封部43は、例えば、リップシールである。密封部43は、第1シール部材22の外周面全周に形成されている。密封部43は、第1シール部材22の厚み方向(図2等のY軸方向)に複数(本例は3つ)並んだ突を有する。
【0035】
第1シール部材22は、ハウジング19に取付けられたとき、端子収容室24の開口端縁全域に密着する形状に形成されている。特に、本例の場合、第1シール部材22においてハウジング19と接触する面を「第1面44」とした場合、この第1面44は、第1挿入孔41の周囲を平坦状とすることにより形成された当て面45となっている。そして、この平坦状の当て面45を端子収容室24の開口端縁全域に密着させることにより、この部位に高いシール性を持たせている。
【0036】
第1シール部材22は、ハウジング19及び第1ホルダ20が固定されるとき、ハウジング19及び第1ホルダ20によって挟み込まれることにより、弾性変形した状態で押さえ付けられる。このように、第1ホルダ20は、第1シール部材22をハウジング19に押し当てて密着させる。これにより、第1シール部材22は、ハウジング19及び第1ホルダ20の両方に強く密着する。
【0037】
以上のように、第1シール部材22は、第1シール部材22において電線8を通す第1挿入孔41をシールするとともに、ハウジング19及び第1シール部材22の間をシールする。このように、第1シール部材22は、端子収容室24の1つひとつをハウジング19の基端において個別防水する。
【0038】
(第2シール部材23)
図2及び図3に示す通り、第2シール部材23は、第2端子10を通す第2挿入孔48が複数形成されている。第2シール部材23は、第1コネクタ3の先端部位において端子収容室24をシールするフェイスシールである。第2挿入孔48は、端子収容室24と対応する個数及び位置、すなわち、端子収容室24と同じ配列パターンで形成されている。具体的には、複数の第2挿入孔48は、例えば、3行16列の配列パターンで形成されている。このように、第2シール部材23は、複数の第2挿入孔48が規則的な配列パターンで並び配置されている。
【0039】
図2に示す通り、第2シール部材23は、キャビティタワー38の周囲に密着して第2挿入孔48をシールする密封部49を有する。密封部49は、例えば、リップシールである。密封部49は、例えば、周方向全周に形成した突である。密封部49は、キャビティタワー38の座39に周囲に密着することにより、第2挿入孔48をシールする。
【0040】
第2シール部材23は、第1コネクタ3及び第2コネクタ5が固定されるとき、ハウジング19及び第2ホルダ21によって挟み込まれることにより、弾性変形した状態で押さえ付けられる。このように、第2ホルダ21は、第2コネクタ5がハウジング19に固定される場合に、第2シール部材23をハウジング19に押し当てて密着させる。これにより、第2シール部材23は、ハウジング19及び第2ホルダ21の両方に強く密着する。
【0041】
以上のように、第2シール部材23は、第2シール部材23においてキャビティタワー38を通す第2挿入孔48をシールするとともに、ハウジング19及び第2シール部材23の間をシールする。このように、第2シール部材23は、端子収容室24の1つひとつをハウジング19の先端において個別防水する。
【0042】
(第1シール部材22の圧縮逃げ構造)
図4図7に示すように、第1シール部材22は、第1挿入孔41の周りに形成された凹部51を有する。凹部51は、第1シール部材22において第1面44の反対側を「第2面52」とした場合、この第2面52において第1挿入孔41の周りに開口形成されている。第1シール部材22において第1挿入孔41の周囲に凹部51を形成した場合、第1シール部材22には、電線部材7が挿入される挿入筒53が形成される。このように、第1シール部材22は、第1挿入孔41を内部に有する挿入筒53を複数備える。
【0043】
図4に示す通り、凹部51は、非貫通の穴である。凹部51は、第1シール部材22の厚み方向(図4のX軸方向)においてリップ部42より奥まで延びる深さRに形成されている。本例の場合、凹部51は、例えば、凹部51の底が第1シール部材22の第1面44付近に至る程度の深さRに形成されている。
【0044】
図7に示すように、凹部51は、例えば、隣同士の行の間と、隣同士の列の間と、に形成されている。図7に示す通り、第1挿入孔41の群について、紙面上から1行~3行、及び、紙面左から1列~4列を図示した場合、凹部51は、1行目及び2行目の間、2行目及び3行目の間、1列目及び2列目の間、2列目及び3列目の間、3列目及び4列目の間に、それぞれ形成されている。
【0045】
図5に示すように、凹部51は、第1挿入孔41を軸方向から見たときの上下左右の4位置において、少なくとも2位置以上に形成されている。具体的には、第1挿入孔41の各位置を、上位置を「E1」、下位置を「E2」、右位置を「E3」、左位置を「E4」とした場合、これら「E1」~「E4」の少なくとも2位置以上に形成されている。図5に示す例の場合、第1挿入孔41の上下左右の4位置の全てに凹部51が形成されている。
【0046】
(第1シール部材22の当て面45の面圧)
図5図7に示す通り、第1シール部材22は、隣に位置する挿入筒53同士を繋ぐように形成された1つ以上のリブ55を有する。リブ55は、ハウジング19及び第1ホルダ20の間で第1シール部材22が挟持されたときに、第1シール部材22の第1面44(第1シール部材22の当て面45)を、ハウジング19に高い面圧で接触させるために設けられる。すなわち、リブ55は、第1ホルダ20がハウジング19に取付けられるとき、第1ホルダ20によって押されてハウジング19に押し当てられることにより、第1面44を弾性変形させてハウジング19の端面に密着させる。
【0047】
リブ55は、同一行において隣同士に位置する挿入筒53の間と、同一列において隣同士に位置する挿入筒53の間と、行及び列の両方において1つ隣に位置する挿入筒53同士の間と、に形成されている。本例の場合、リブ55は、第1リブ56、第2リブ57、及び第3リブ58を含む。第1リブ56は、同一行において隣同士の挿入筒53を連結する。第2リブ57は、同一列において隣同士の挿入筒53を連結する。第3リブ58は、行及び列の両方において1つ隣に位置する挿入筒53を連結する。第3リブ58は、例えば、英文字X状に形成されている。
【0048】
次に、本実施形態の作用について説明する。
(個別防水構造)
図2に示す通り、各端子収容室24を個別防水構造としたので、端子収容室24の一つひとつを個別の密閉空間とすることが可能となる。このため、例えば車両を高圧水によって洗浄したときに、水が電線8の内部を伝って端子収容室24内に流入しても、この水が隣の端子収容室24に至ることがない。よって、端子収容室24を個別防水構造とすれば、電線8内を伝って流入してくる水に対し、他の正常な端子収容室24が影響を受け難くなる。
【0049】
(第1コネクタ3への電線部材7の挿入)
図8(a)に示すように、電線部材7は、ハウジング19、第1ホルダ20、第2ホルダ21、第1シール部材22、及び第2シール部材23を組立てることにより形成されたアセンブリ60に対し、挿入される。具体的には、電線部材7は、アセンブリ60に対し、第1ホルダ20の孔26から挿入される。電線部材7は、頭部の第1端子9から孔26に挿入される。
【0050】
図8(b)に示すように、第1端子9が第1シール部材22の第1挿入孔41内に至り、そして、更に奥に挿入されると、リップ部42が第1端子9によって押し広げられることにより、径W1が拡径する。このとき、拡径した第1挿入孔41の周囲には、ゴム材が広がっていくような弾性変形が生じてしまう。しかし、本例の場合、第1挿入孔41の周囲に凹部51を形成したので、この弾性変形を凹部51に逃がすことが可能となる。
【0051】
そして、図2に示す通り、電線部材7を第1コネクタ3の奥まで挿入したときには、電線8がリップ部42によってシールされた状態をとる。このとき、リップ部42の径W1は、電線8によって拡径された状態をとる。このときも、拡径した第1挿入孔41の周囲には広がりの弾性変形が生じるが、この弾性変形を凹部51に逃がすことが可能となる。よって、第1挿入孔41に電線8が挿入されても、隣のリップ部42の径W1は、通常の大きさが維持される。
【0052】
このように、本例の場合、第1挿入孔41の周りに凹部51を設けたので、第1挿入孔41に電線8(電線部材7)が挿入されて拡径しても、その隣に位置する第1挿入孔41の径サイズに影響を及ぼし難くすることが可能となる。このため、第1コネクタ3に複数の電線部材7を順次取付けていくときに、空いている他の第1挿入孔41の径サイズが徐々に小さくなってしまうことがない。よって、電線部材7を順次取付けていくとき、途中から電線部材7を挿入し難くなることがない。
【0053】
また、第1挿入孔41の径サイズ(リップ部42の径W1)が小さくなってしまうと、電線部材7の挿入時に第1挿入孔41が切れてしまうことも想定される。しかし、本例の場合、電線部材7を順次取付けていっても、空いている他の第1挿入孔41の径サイズは、通常の大きさに維持されるため、電線部材7の挿入途中で第1挿入孔41が切れてしまうことも生じ難い。
【0054】
(当て面45の面圧の確保)
図9に示すように、第1ホルダ20を第1シール部材22とともにハウジング19に取付けるとき、第1ホルダ20が第1シール部材22を奥に強く押し込む。このとき、第1ホルダ20から第1シール部材22に付与される荷重F1により、第1シール部材22を高い面圧「F2」でハウジング19に押し当てることが可能となる。このため、ハウジング19と第1シール部材22との間の高い面圧を確保することが可能となる。よって、ハウジング19の基端の高いシール性も維持される。
【0055】
(実施形態の効果)
上記実施形態の構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)コネクタ2(第1コネクタ3)は、ハウジング19、第1シール部材22、及び第2シール部材23を備える。ハウジング19は、複数の端子収容室24が形成されている。第1シール部材22は、電線部材7を通すための複数の第1挿入孔41が端子収容室24と組をなすように複数形成され、かつ、端子収容室24の1つひとつをハウジング19の基端において個別防水する。第2シール部材23は、電線部材7の先端の第1端子9と端子収容室24で電気接続される第2端子10を通す第2挿入孔48が複数形成され、かつ、端子収容室24の1つひとつをハウジング19の先端において個別防水する。第1シール部材22は、リップ部42及び凹部51を有する。リップ部42は、電線部材7の周囲をシールするために第1挿入孔41に形成されている。凹部51は、ハウジング19と接触する第1面44の反対側の第2面52において第1挿入孔41の周りに開口形成され、かつ、第1シール部材22の厚み方向においてリップ部42よりも奥まで延びる深さRに形成されている。
【0056】
この構成によれば、電線部材7を第1シール部材22の第1挿入孔41に挿入したとき、第1シール部材22に生じ得る弾性変形を、第1シール部材22に設けた凹部51に逃がすことが可能となる。このため、第1シール部材22に生じた弾性変形が、周囲の他の第1挿入孔41に影響を及ぼし難くなる。これにより、他の第1挿入孔41の径サイズ(具体的には、リップ部42の径W1)も通常のまま維持される。よって、第1シール部材22へ電線部材7を取付けるときの作業性悪化を回避できる。
【0057】
(2)凹部51は、第1挿入孔41を軸方向から見たときの上下左右の4位置(「E1」~「E4」)において、少なくとも2位置以上に形成されている。この構成によれば、第1挿入孔41の周囲において、偏った位置にのみ凹部51が形成されてしまうことがない。このため、挿入された電線部材7から第1挿入孔41に負荷がかかって第1挿入孔41の周囲で弾性変形が生じても、その弾性変形が隣の第1挿入孔41に至る状況を生じ難くすることが可能となる。よって、電線部材7を取付けるときの作業性悪化の回避に一層寄与する。
【0058】
(3)第1シール部材22は、第1挿入孔41を内部に有する挿入筒53と、隣に位置する挿入筒53同士を繋ぐように形成された1つ以上のリブ55と、を有する。この構成によれば、第1シール部材22にリブ55を設けたので、第1ホルダ20を第1シール部材22とともにハウジング19に固定するとき、第1ホルダ20で第1シール部材22をハウジング19に強く押し当てる箇所を設けることが可能となる。よって、個別防水の密閉性の確保に寄与する。
【0059】
(4)リブ55は、同一行において隣同士に位置する挿入筒53の間と、同一列において隣同士に位置する挿入筒53の間と、行及び列の両方において1つ隣に位置する挿入筒53同士の間と、に形成されている。この構成によれば、リブ55を多数形成することが可能となるので、第1ホルダ20を第1シール部材22とともにハウジング19に固定するとき、第1ホルダ20で第1シール部材22をハウジング19に強く押し当てる箇所を多くとることが可能となる。よって、個別防水の密閉性の確保に寄与する。
【0060】
(5)複数の第1挿入孔41は、複数行、及び複数列に配列されるように形成されている。凹部51は、隣同士の行の間と、隣同士の列の間と、に形成されている。この構成によれば、第1挿入孔41の周囲に凹部51を形成するので、電線部材7を第1挿入孔41に挿入するときに第1シール部材22が弾性変形しても、弾性変形の逃げ箇所を多くとることが可能となる。このため、電線部材7をまだ挿入していない他の第1挿入孔41に変形が生じ難くなる。よって、電線部材7を取付けるときの作業性悪化の回避に一層寄与する。
【0061】
(6)第1面44は、第1挿入孔41の周囲を平坦状とすることにより形成された当て面45である。この構成によれば、第1面44を平坦状の当て面45としたので、第1シール部材22においてハウジング19との接触面積を広くとることが可能となる。よって、個別防水の密閉性の確保に寄与する。
【0062】
(7)コネクタ2(第1コネクタ3)は、第1ホルダ20及び第2ホルダ21を備える。第1ホルダ20は、第1シール部材22をハウジング19に押し当てて密着させる。第2ホルダ21は、相手コネクタ4(第2コネクタ5)がハウジング19に固定される場合に、第2シール部材23をハウジング19に押し当てて密着させる。
【0063】
この構成によれば、第1シール部材22をハウジング19及び第1ホルダ20で強く挟み込んで保持することが可能となるので、取付け後の第1シール部材22に位置ズレを生じ難くすることが可能となる。よって、電線部材7を第1シール部材22の第1挿入孔41に挿入するときの挿入のし易さの確保に寄与する。また、第2シール部材23をハウジング19及び第2ホルダ21で強く挟み込んで保持することが可能となるので、取付け後の第2シール部材23に位置ズレを生じ難くすることが可能となる。よって、第2端子10を第2シール部材23の第2挿入孔48に挿入し易くすることができる。
【0064】
(他の実施形態)
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0065】
図10に示すように、リブ55は、同一行において隣同士に位置する挿入筒53の間と、同一列において隣同士に位置する挿入筒53の間と、の間にのみ設けられた構成でもよい。リブ55をこのような形状とした場合でも、第1シール部材22を高い面圧でハウジング19の基端に接触させることができる。また、凹部51の領域、すなわち、肉抜き部位も多くなるので、第1シール部材22を軽量化することもできる。
【0066】
・第1リブ56、第2リブ57、及び第3リブ58の形状は、実施例以外の形状に適宜変更できる。
・第1リブ56、第2リブ57、及び第3リブ58の個数は、必要に応じて適宜変更できる。
【0067】
・挿入筒53は、第1リブ56、第2リブ57、及び第3リブ58の全てを有することに限定されない。例えば、第1リブ56~第3リブ58の少なくとも1つを有する挿入筒53を適宜組み合わせた構成としてもよい。このように、リブ55の配置パターンを適宜変更してもよい。
【0068】
・挿入筒53の全てにリブ55を設けることに限らず、特定の挿入筒53にのみリブ55を設けてもよい。
・凹部51の深さRは、リップ部42よりも奥に設定されていればよい。
【0069】
・凹部51は、第1挿入孔41の周囲の一部分に形成されていればよい。
・凹部51の開口形状は、必要に合わせて適宜変更できる。
・第1シール部材22及び第2シール部材23は、複数部品から構成されてもよい。
【0070】
・第1シール部材22において第1挿入孔41の配列パターンは、行及び列の線が格子状に並んだパターンに限定されない。例えば、行の群が列方向にずれた配置パターンや、列の群が行方向にずれたパターンとしてもよい。
【0071】
・第1挿入孔41の開口形状は、四角形状に限定されず、例えば、丸形状としてもよい。
・コネクタアセンブリ1及びコネクタ2(第1コネクタ3)は、車両用に限定されず、他の機器や装置に使用されてもよい。
【0072】
・本開示において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本開示において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本開示において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0073】
・本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0074】
1 コネクタアセンブリ
2 コネクタ
3 第1コネクタ
4 相手コネクタ
5 第2コネクタ
7 電線部材
8 電線
9 第1端子
10 第2端子
11 第2コネクタ本体
12 ロックアーム
13 突起
16 芯線
17 絶縁被覆
19 ハウジング
20 第1ホルダ
21 第2ホルダ
22 第1シール部材
23 第2シール部材
24 端子収容室
26 孔
27 爪
28 係合孔
29 孔
30 突起
31 係合片
32 ハウジング本体
33 筒部
34 開口穴
35 ランス
38 キャビティタワー
39 座
41 第1挿入孔
42 リップ部
43 密封部
44 第1面
45 当て面
48 第2挿入孔
49 密封部
51 凹部
52 第2面
53 挿入筒
55 リブ
56 第1リブ
57 第2リブ
58 第3リブ
60 アセンブリ
R 深さ
F1 荷重
F2 面圧
W1 径
W2 径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10