IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社イング二十一の特許一覧

<>
  • 特開-食事遊び玩具 図1
  • 特開-食事遊び玩具 図2
  • 特開-食事遊び玩具 図3
  • 特開-食事遊び玩具 図4
  • 特開-食事遊び玩具 図5
  • 特開-食事遊び玩具 図6
  • 特開-食事遊び玩具 図7
  • 特開-食事遊び玩具 図8
  • 特開-食事遊び玩具 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076131
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】食事遊び玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/00 20060101AFI20240529BHJP
   A63H 3/00 20060101ALI20240529BHJP
   A63H 13/04 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
A63H33/00 302Z
A63H3/00 Z
A63H13/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187536
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】594177472
【氏名又は名称】有限会社イング二十一
(74)【代理人】
【識別番号】100157912
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 健
(74)【代理人】
【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】叶内 茂
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BA05
2C150CA02
2C150CA22
2C150DA26
2C150DA31
2C150DE01
(57)【要約】
【課題】従来よりも面白みのある食事遊び玩具を提供する。
【解決手段】人形体10は、食物体50を投入可能な口部13と、前記口部13から投入した食物体50が通過する通過部20と、前記通過部20を通過する食物体50を検知する食物検知部21と、前記人形体10の腹部15に当たる位置に内蔵されて膨縮可能なエアバッグ30と、前記エアバッグ30に空気を供給するポンプ31と、を備え、食物検知部21が食物体50の通過を検知したときに、ポンプ31から空気が供給され、人形体10の腹部15に内蔵されたエアバッグ30が膨らむようにした。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人形体に対して食べ物を模した食物体を食べさせる遊びができる玩具であって、
前記人形体は、
食物体を投入可能な口部と、
前記口部から投入した食物体が通過する通過部と、
前記通過部を通過する食物体を検知する食物検知部と、
前記人形体の腹部に当たる位置に内蔵されて膨縮可能なエアバッグと、
前記エアバッグに空気を供給するポンプと、
を備え、
前記食物検知部が食物体の通過を検知したときに、前記ポンプから空気が供給されて前記エアバッグが膨らむ、
食事遊び玩具。
【請求項2】
前記エアバッグの空気を排出するための排気弁と、
前記排気弁を開閉するための開閉動力源と、
を備え、
前記人形体に対して所定の動作がなされたことを検知したときに、前記開閉動力源が作動して前記エアバッグが縮む、
請求項1に記載の食事遊び玩具。
【請求項3】
前記食物検知部が食物体の通過を検知したときに、前記口部が開閉動作を行う、
請求項1に記載の食事遊び玩具。
【請求項4】
前記エアバッグは、少なくとも2段階の大きさで膨らむことが可能であり、
前記エアバッグが膨らんでいない状態において、前記食物検知部が食物体の通過を検知したときに、前記エアバッグが1段階目の大きさに膨らみ、
前記エアバッグが1段階目の大きさで膨らんだ状態において、前記食物検知部が食物体の通過を検知したときに、前記エアバッグが2段階目の大きさに膨らむ、
請求項1に記載の食事遊び玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、人形体に疑似食物を食べさせることができる食事遊び玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、擬似動物体と擬似食物からなり、前記擬似動物体は、擬似食物を入れ可能な口部と、この口部に連通している胃部としての収納部と、この収納部を開閉可能な閉じ部を有する食育玩具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3113537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された玩具は、単に擬似動物体に擬似食物を順に食べさせるだけであり、面白みに欠けるという問題があった。
そこで、本発明は、従来よりも面白みのある食事遊び玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するため、本発明は、人形体に対して食べ物を模した食物体を食べさせる遊びができる玩具であって、前記人形体は、食物体を投入可能な口部と、前記口部から投入した食物体が通過する通過部と、前記通過部を通過する食物体を検知する食物検知部と、前記人形体の腹部に当たる位置に内蔵されて膨縮可能なエアバッグと、前記エアバッグに空気を供給するポンプと、を備え、前記食物検知部が食物体の通過を検知したときに、前記ポンプから空気が供給されて前記エアバッグが膨らむようになっている。
【発明の効果】
【0006】
本発明は上記の通りであり、食物検知部が食物体の通過を検知したときに、ポンプから空気が供給され、人形体の腹部に内蔵されたエアバッグが膨らむようになっている。このような構成によれば、人形体に食事をさせるとおなかが膨らんでいくので、実際に食事をさせているかのようなリアルな印象を与えることができる。よって、従来よりも面白みのある食事遊び玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】食事遊び玩具の外観図である。
図2】人形体の内部構造を示す斜視図(右斜め正面から見た図)である。
図3】人形体の内部構造を示す斜視図(左斜め正面から見た図)である。
図4】人形体の内部構造を示す斜視図(右斜め背面から見た図)である。
図5】食物体が通過する様子を説明する図であって、食物体を投入する前の図である。
図6】食物体が通過する様子を説明する図であって、食物検知部が食物体を検知しているときの図である。
図7】食物体が通過する様子を説明する図であって、食物体が通過部を通過した後の図である。
図8】人形体の内部構造を示すブロック図である。
図9】遊び方の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
本実施形態に係る食事遊び玩具は、図1に示すような人形体10に対して、食べ物を模した食物体50を食べさせる遊びができる玩具である。人形体10は、図2-4に示すような装置を内蔵しており、これらの装置を布やゴムなどのシートで覆って構成されている。なお、本実施形態の人形体10は動物の形態を模したものとなっているが、人形体10の形態は動物に限らず、他の態様(例えば、人間やアニメーションキャラクターの形態など)であってもよい。
【0009】
この人形体10は、図1に示すように、頭部11と胴体部14とを備える。この人形体10は、頭部11を胴体部14の上にした状態で地面に置くことができる。具体的には、図2等に示すように、人形体10の内部に、人形体10を地面に載置するための土台部19が設けられている。この土台部19は、平坦な底面を有し、この底面が真下を向くように人形体10を地面に置くことで、人形体10が図1に示すような体を起こした状態を維持できるようになっている。
人形体10の頭部11には、目部12、口部13が設けられている。
【0010】
目部12は、人形体10の目を構成する部分である。本実施形態の目部12は、図2および図3に示すように、2つの球形の部材を備えており、この球形の部材が前後に回転することで、目を開いた状態(図2参照)と目を閉じた状態(図3参照)とを表現できるようになっている。
【0011】
口部13は、人形体10の口を構成する部分である。人形体10に食物体50を食べさせる場合には、この口部13から食物体50を投入する。本実施形態の口部13は、図2および図3に示すように、上あご部13a、下あご部13bを備える。上あご部13aは、人形体10のフレームに固定されており、動かない。一方、下あご部13bは、上下に回動するようになっている。この下あご部13bが上下に回動することで、口を閉じた状態(図2参照)と口を開いた状態(図3参照)とを表現できるようになっている。この口部13が閉じた状態では食物体50は投入できない。一方、この口部13が開くことで、食物体50を投入できる状態となる。
【0012】
上記した目部12と口部13とは、同じモータ(後述する目口開閉用モータ34)によって動作する。言い換えると、目部12と口部13とは同じ動力源で連動して作動する。この目部12と口部13とは、互い違いに開閉するように構成されている。すなわち、図2に示すように、目を開いているときは口部13が閉じ、図3に示すように、目を閉じているときは口部13が開くようになっている。
人形体10の胴体部14は、正面側に腹部15が設けられている。また、胴体部14の背面側には、リュック18が設けられている。
【0013】
腹部15は、人形体10のおなかに当たる位置である。この腹部15は、伸縮性のある布やゴム等のシートで覆われており、その内部には膨縮可能なエアバッグ30が内蔵されている。このエアバッグ30は、人形体10に食物体50を食べさせることで、後述するポンプ31によって空気が供給され、膨らむようになっている。エアバッグ30が膨らむと、人形体10の腹部15が膨らむので、おなかが一杯になったことを表現できるようになっている。
【0014】
なお、本実施形態に係るエアバック30は、後述する制御基板40の制御により、2段階の大きさで膨らむことが可能である。すなわち、エアバック30が縮んだ状態で食物体50を食べさせると、まず1段階の大きさまで膨らむ。そして、この1段階の大きさで食物体50を食べさせると、1段階目よりも更に大きく、2段階の大きさまで膨らむようになっている。
【0015】
リュック18は、人形体10が背負った状態で取り付けられている。このリュック18の内部には、図5等に示すような収容部25が設けられている。この収容部25は、人形体10に投入した食物体50を収容する空間である。この収容部25は、リュック18を開けることで内部が開放されるようになっている。このため、人形体10に食べさせた食物体50を取り出したい場合には、リュック18を開ければ手で取り出すことができる。
この人形体11の内部には、図5-7に示すように、通過部20、食物検知部21が設けられている。
【0016】
通過部20は、口部13から投入した食物体50を通すための管路である。この通過部20は、上流側が口部13と接続し、下流側が収容部25と接続している。通過部20は、食物体50が1つだけ通過できる幅で形成されている。この通過部20は、人形体11を地面に載置したときに、下流側よりも上流側の方が高い位置になるように傾斜している。このため、口部13から投入した食物体50は、通過部20を通過して収容部25へと落下するようになっている。
【0017】
食物検知部21は、通過部20を通過する食物体50を検知するためのものである。本実施形態の食物検知部21は、通過部20と口部13との境界付近(人形体11の喉に当たる部分)に設けられており、検知スイッチ22、スイッチ押し板23を備える。スイッチ押し板23は、通過部20を塞ぐように配置された板状の部材である。このスイッチ押し板23は、上端に設けられた回動軸23aを中心にして、後方に回動可能である。また、このスイッチ押し板23は、背面側に突起23bを有する。
【0018】
このスイッチ押し板23は、バネによって付勢されており、通常時においては図5に示すように下方に垂下した状態となっている。この状態では、スイッチ押し板23が通過部20内に突出している。
【0019】
食物体50を投入すると、図6に示すように、食物体50によってスイッチ押し板23が後方に押され、スイッチ押し板23が上方に回動する。スイッチ押し板23が回動することで、食物体50は通過部20を通過することができる。また、上方に回動したスイッチ押し板23は、突起23bによって検知スイッチ22を押す。検知スイッチ22が押されると、後述する制御基板40に電気信号が出力される。この電気信号により、通過部20を通過する食物体50を検知することができる。
【0020】
食物検知部21を通過した食物体50は、図7に示すように、収容部25へと落下する。また、スイッチ押し板23は、バネによって初期状態に戻り、再び通過部20内に突出した状態となる。
【0021】
なお、このような食物検知部21は一例に過ぎず、他の態様の食物検知部21を使用してもよい。例えば、非接触のセンサで食物検知部21を構成し、このセンサで通過部20を通過する食物体50を検知するようにしてもよい。
【0022】
次に、人形体10の入出力装置について説明する。本実施形態に係る人形体10は、図4に示すように、制御基板40を備えている。この制御基板40は、あらかじめ記憶したプログラムを実行可能な処理部(CPU等)を備え、この処理部がプログラムを読み込むことで、各種の入力装置及び出力装置を制御するように構成されている。
【0023】
人形体10は、図8に示すように、入力装置として、腹部センサ41、検知スイッチ22、開き検出スイッチ42、閉じ検出スイッチ43を備える。また、人形体10は、出力装置として、ポンプ31、排気弁用モータ33、目口開閉用モータ34、スピーカ35を備える。なお、入出力装置としては、この図8に示す装置に限定されず、他の入出力装置を備えていてもよい。
【0024】
腹部センサ41は、人形体10の腹部15が撫でられたことを検知するセンサである。この腹部センサ41は、図2および図3に示すように、エアバッグ30の前面に取り付けられている。この腹部センサ41は、人形体10の腹部15を覆う布やシートの内側に配置されている。この腹部センサ41は、人形体10の腹部15に対する外部からの接触を感知すると、制御基板40に信号を出力する。腹部センサ41としては、例えば静電センサなどが使用可能である。本実施形態に係る制御基板40(処理部)は、この腹部センサ41が一定時間内に所定回数の接触を検知したときに、「腹部15が撫でられている」と判断する。
【0025】
検知スイッチ22は、すでに説明したように、食物検知部21を構成するスイッチである。口部13から食物体50を投入すると、この検知スイッチ22がオンになり、検知スイッチ22が制御基板40に信号を出力する。
【0026】
開き検出スイッチ42および閉じ検出スイッチ43は、口部13の開閉動作を検出するためのスイッチである。この開き検出スイッチ42および閉じ検出スイッチ43は、図2および図4に示すように、頭部11に配置されており、口部13および目部12を作動させるリンク機構の動きを検知するようになっている。具体的には、口部13が完全に開いたときに(言い換えると、目部12が完全に閉じたときに)、開き検出スイッチ42が押下されるようになっている。また、口部13が完全に閉じたときに(言い換えると、目部12が完全に開いたときに)、閉じ検出スイッチ43が押下されるようになっている。開き検出スイッチ42または閉じ検出スイッチ43が押下されると、制御基板40に信号が出力される。制御基板40は、この信号を基に、口部13および目部12の開閉状態を検知することができる。
【0027】
ポンプ31は、エアバッグ30に空気を供給するためのものである。このポンプ31は、制御基板40からの信号で動作するモータポンプである。制御基板40は、予め定められた所定の時間だけポンプ31を作動させることで、エアバッグ30に決められた量の空気を供給する。
【0028】
排気弁用モータ33は、排気弁32を開閉するための開閉動力源である。排気弁32は、エアバッグ30の空気を排出するか否かを切り替えるための弁である。排気弁32が閉じた状態では、エアバッグ30の空気が外部に漏れないので、ポンプ31から供給された空気でエアバッグ30を膨らませたり、エアバッグ30を膨らんだ状態で維持したりすることができる。一方、排気弁32が開くと、エアバッグ30の空気が外部に排出されるので、エアバッグ30は縮むことになる。この排気弁32は、排気弁用モータ33を特定の方向に回転させると開き、排気弁用モータ33を特定の方向とは反対方向に回転させると閉じるようになっている。制御基板40は、この排気弁用モータ33の作動を制御することで、エアバッグ30の空気を抜くかどうかを制御することができる。
【0029】
目口開閉用モータ34は、目部12および口部13を作動させるための動力源である。制御基板40は、この目口開閉用モータ34の作動を制御することで、目部12および口部13の開閉動作を制御することができる。具体的には、この目口開閉用モータ34を特定の方向に回転させると、目部12が徐々に閉じるとともに、口部13が徐々に開く。一方、この目口開閉用モータ34を特定の方向とは反対方向に回転させると、目部12が徐々に開くとともに、口部13が徐々に閉じる。この動作を繰り返すことで、目部12および口部13が開閉を繰り返すようになっている。言い換えると、目口開閉用モータ34が、所定の回転数の範囲で正転と逆転とを繰り返すことで、目部12および口部13が開閉を繰り返すようになっている。
【0030】
なお、目口開閉用モータ34の回転範囲は、開き検出スイッチ42および閉じ検出スイッチ43によって制御される。すなわち、口部13を完全に開いた状態で停止させたい場合には、口部13を開く方向に目口開閉用モータ34を作動させ、開き検出スイッチ42が押下されたときに目口開閉用モータ34を停止する制御が実行される。また、口部13を完全に閉じた状態で停止させたい場合には、口部13を閉じる方向に目口開閉用モータ34を作動させ、閉じ検出スイッチ43が押下されたときに目口開閉用モータ34を停止する制御が実行される。また、口部13を開閉動作させたい場合には、開き検出スイッチ42および閉じ検出スイッチ43が押下されたタイミングで目口開閉用モータ34の回転方向を切り替える制御が実行される。
【0031】
スピーカ35は、各種の音声を出力するものである。スピーカ35が出力する音声は、記憶装置に予め記憶されており、これらの音声がプログラムされたタイミングで再生される。例えば、操作を促す音声(後述する「おなかをなでて」など)や、状況を報知する音声(「もっと食べたい」「おなかいっぱい」など)が出力されるようになっている。
次に、上記した食事遊び玩具の具体的な処理の流れについて、図9を参照しつつ、説明する。
【0032】
まず、図9のステップS100に示すように、人形体10の電源がオンに設定される。これにより制御基板40の処理部に電源が供給され、動作が可能となる。このとき、エアバック30は縮んだ状態であり、口部13は閉じた状態(目部12は開いた状態)である。そして、ステップS105に進む。
【0033】
ステップS105では、スピーカ35を使用して「おなかをなでて」という音声が出力される。これにより、ユーザに対して腹部15を撫でる動作を促す。そして、ステップS110に進む。
ステップS110では、腹部センサ41を使用して、腹部15をさする動作を検知する。そして、ステップS115に進む。
【0034】
ステップS115では、エアバック30が2段階目の大きさであるか否かがチェックされる。エアバック30が2段階目の大きさである場合(すなわち、エアバック30を縮むことなく2回膨らませた状態である場合)は、ステップS120に進む。一方、エアバック30が2段階目の大きさでない場合は、ステップS125に進む。
【0035】
ステップS120に進んだ場合、すでにエアバッグ30が最大まで膨らんでいるため、排気弁用モータ33を作動させて排気弁32を開く。これにより、エアバッグ30の空気が抜けて、エアバッグ30が縮む。これにより電源投入時の初期状態に戻る。そして、ステップS105に戻る。
【0036】
ステップS125に進んだ場合、目口開閉用モータ34を作動させ、口部13を開く。口部13が開くことで、ユーザに対し、食物体50を受け入れ可能な状態となったことを知らせることができる。このとき、スピーカ35から、食物体50の投入を促す音声(例えば「何か食べさせて!」など)を出力してもよい。そして、ステップS130に進む。
【0037】
ステップS130では、食物体50の投入を待つ。食物体50が口部13から投入されて検知スイッチ22がオンになると(すなわち食物検知部21が食物体50の通過を検知すると)、ステップS135に進む。
【0038】
ステップS135では、目口開閉用モータ34を作動させ、口部13と目部12を所定の回数(例えば3回)開閉する。これにより、口を動かして咀嚼している様子を表現することができる。所定回数の開閉動作が終わったら、口部13が閉じた状態で目口開閉用モータ34を停止させる。そして、ステップS140に進む。
【0039】
ステップS140では、エアバック30が1段階目の大きさであるか否かがチェックされる。エアバック30が1段階目の大きさでない場合(すなわち、エアバック30が縮んだ状態である場合)は、ステップS145に進む。一方、エアバック30が1段階目の大きさである場合(すなわち、エアバック30がすでに膨らんでいる場合)は、ステップS150に進む。
【0040】
ステップS145に進んだ場合、ポンプ31を作動させてエアバッグ30に空気を供給する。ポンプ31を一定時間作動させることで、エアバッグ30を1段階目の大きさにまで膨らませる。エアバッグ30を膨らませた後、スピーカ35から、更に食物体50の投入を促す音声(例えば「もっと食べたい」など)を出力してもよい。そして、ステップS105に戻る。なお、この状態で次に腹部センサ41が腹部15をさする動作を検知したときには、最終的にステップS150に進み、エアバッグ30が2段階目の大きさに膨らむことになる。
【0041】
ステップS150に進んだ場合、ポンプ31を作動させてエアバッグ30に空気を供給する。ポンプ31を一定時間作動させることで、エアバッグ30を2段階目の大きさにまで膨らませる。エアバッグ30を膨らませた後、スピーカ35から、食物体50をこれ以上は投入できないことを知らせる音声(例えば「おなかいっぱい。ごちそうさまでした」など)を出力してもよい。そして、ステップS105に戻る。なお、この状態で次に腹部センサ41が腹部15をさする動作を検知したときには、最終的にステップS120に進み、エアバッグ30が縮むことになる。
このようなフローによれば、人形体10のおなかをさする動作と、人形体10に食物体50を食べさせる動作とを繰り返し行い、遊ぶことができる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、食物検知部21が食物体50の通過を検知したときに、ポンプ31から空気が供給され、人形体10の腹部15に内蔵されたエアバッグ30が膨らむようになっている。このような構成によれば、人形体10に食事をさせるとおなかが膨らんでいくので、実際に食事をさせているかのようなリアルな印象を与えることができる。よって、従来よりも面白みのある食事遊び玩具を提供することができる。
【0043】
また、人形体10に対して所定の動作(例えばおなかを撫でる動作)がなされたことを検知したときに、排気弁用モータ33が作動してエアバッグ30が縮むようになっている。このため、消化を促す動作をすることでまた食事をできるようになる、という遊び方ができ、更に面白みを増すことができる。
【0044】
また、食物検知部21が食物体50の通過を検知したときに、口部13が開閉動作を行うようになっている。このため、人形体10が食べ物を咀嚼しているかのように見せることができ、よりリアルで面白みのある玩具を提供できる。
【0045】
また、エアバッグ30は、少なくとも2段階の大きさで膨らむことが可能となっている。このため、食事をさせることで徐々におなかがいっぱいになっていくように見えるので、更に面白みを増すことができる。
【0046】
なお、本実施形態においては、エアバッグ30が2段階の大きさで膨らむようにしたが、これに限らず、食べ物を与えるごとに3段階以上で徐々にエアバッグ30が膨らむようにしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
10 人形体
11 頭部
12 目部
13 口部
13a 上あご部
13b 下あご部
14 胴体部
15 腹部
18 リュック
19 土台部
20 通過部
21 食物検知部
22 検知スイッチ
23 スイッチ押し板
23a 回動軸
23b 突起
25 収容部
30 エアバッグ
31 ポンプ
32 排気弁
33 排気弁用モータ(開閉動力源)
34 目口開閉用モータ
35 スピーカ
40 制御基板
41 腹部センサ
42 開き検出スイッチ
43 閉じ検出スイッチ
50 食物体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9