(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007616
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】建物
(51)【国際特許分類】
E04H 1/02 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
E04H1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108792
(22)【出願日】2022-07-06
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】山下 登教
【テーマコード(参考)】
2E025
【Fターム(参考)】
2E025AA03
2E025AA22
(57)【要約】
【課題】荷捌き等の作業を行う作業スペースを確保し、居室内における清潔性の確保や、荷物の持ち運びに係る負担を軽減できる使い勝手の良いバックヤードを備えた建物を提供することを目的とする。
【解決手段】居室24と、この居室24に隣接して設けられたバックヤード26を備えた建物1において、バックヤード26を構成する壁のうち居室24とバックヤード26との間に設けられた壁には、居室24とバックヤード26とを連通する第一出入口26aが形成され、バックヤード26を構成する壁のうち屋外に面する外壁6には、宅配ボックス70が設けられており、バックヤード26は、第一出入口26a及び宅配ボックス70に隣接して設けられ、宅配ボックス70に収納される荷物の荷捌き等の作業を行うための作業スペースSと、作業スペースSに隣接して設けられ、水栓及びシンクを備えた作業台66と、を有する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
居室と、この居室に隣接して設けられた小部屋であるバックヤードと、を備えた建物において、
前記バックヤードを構成する壁のうち、前記居室と前記バックヤードとの間に設けられた壁には、前記居室と前記バックヤードとを連通する第一出入口が形成されており、
前記バックヤードを構成する壁のうち、屋外に面する外壁には、屋外側からの荷物の出し入れと前記バックヤード側からの荷物の出し入れが可能な宅配ボックスが設けられており、
前記バックヤードは、
前記第一出入口及び前記宅配ボックスに隣接して設けられ、前記宅配ボックスに収納される荷物の荷捌き等の作業を行うための作業スペースと、
前記作業スペースに隣接して設けられ、水栓及びシンクを備えた作業台と、を有することを特徴とする建物。
【請求項2】
請求項1に記載の建物において、
前記バックヤードは、玄関に隣接して設けられ、
前記バックヤードを構成する壁のうち、前記玄関と前記バックヤードとの間に設けられた壁には、前記玄関と前記バックヤードとを連通する第二出入口が形成されていることを特徴とする建物。
【請求項3】
請求項2に記載の建物において、
前記バックヤードは、
前記作業スペースに隣接して設けられたゴミ置き場と、
前記第一出入口及び前記第二出入口と前記ゴミ置き場との間に立設された遮蔽部と、を更に有することを特徴とする建物。
【請求項4】
請求項3に記載の建物において、
前記バックヤードは、屋外に空気を排出するための換気設備を更に有することを特徴とする建物。
【請求項5】
請求項3に記載の建物において、
前記バックヤードは、前記玄関と連続する廊下に隣接して設けられ、
前記バックヤードを構成する壁のうち、前記廊下と前記バックヤードとの間に設けられた壁には、前記廊下と前記バックヤードとを連通する第三出入口が形成されており、
前記遮蔽部は、前記第三出入口と前記ゴミ置き場との間に立設されていることを特徴とする建物。
【請求項6】
請求項5に記載の建物において、
前記バックヤードは、手洗い器を有する台が設置された手洗い場を更に有し、
前記手洗い場は、前記玄関及び前記廊下に隣接する箇所に配置されていることを特徴とする建物。
【請求項7】
請求項2に記載の建物において、
前記玄関は、床が土間床とされた玄関土間部を有し、
前記バックヤードは、前記第二出入口に隣接し、かつ、床が土間床とされた土間エリアを有し、
前記玄関における前記玄関土間部の前記土間床と、前記バックヤードにおける前記土間エリアの前記土間床は、連続して形成されて略等しい高さに設定されていることを特徴とする建物。
【請求項8】
請求項3に記載の建物において、
前記作業台は、前記水栓及び前記シンクが設けられた天板を備え、
前記天板は、前記遮蔽部に隣接する部位を有し、当該部位の下方に形成された空間が、前記ゴミ置き場とされていることを特徴とする建物。
【請求項9】
請求項1に記載の建物において、
前記宅配ボックスは、荷物を収納する収納部が複数に分かれて形成されており、
前記宅配ボックスが設けられた前記外壁には、屋外側からの荷物の出し入れが行われる開口部が、複数の前記収納部ごとに分かれた状態で形成されるとともに、各々の前記開口部を開閉する扉が設けられていることを特徴とする建物。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の建物において、
前記バックヤードは、前記作業スペースに隣接して設けられた収納部を更に有することを特徴とする建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内においてバックヤードを備えた建物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット通販の拡大や、いわゆるCtoC(Consumer to Consumer:個人間取引)等の増加に伴い、宅配便の物流量が増大しており、戸建て住宅であるか、マンション等の共同住宅であるかなどに関わりなく、宅配ボックスの需要が高まっている。
特許文献1には、外壁の内側に収納部を形成し、この収納部に連通する開口部を外壁に形成するとともに、この開口部に外扉を設けたビルトイン型の宅配ボックスが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば宅配ボックスが玄関にあると、玄関にはシューズクローゼットがあったり傘立てが置いてあったりするため、宅配ボックスに届けられた荷物の開梱作業を行うスペースが無いか、あるいは狭い場合がある。そこで、荷物を広い居室に持って行き、居室内で開梱作業を行う場合があるが、荷物は必ずしも清潔な状態ではないため、極力、荷物を居室に持ち込みたくないという要望がある。また、近年、宅配ボックスは、荷受け設備として用いられるだけでなく、運送業者に集荷依頼をした荷物の保管設備としても用いられる。その際は、居室内で荷物の梱包作業を行い、重い荷物を玄関まで持って行き、宅配ボックス内に収納するという負担もかかる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、荷捌き等の作業を行う作業スペースを確保し、居室内における清潔性の確保や、荷物の持ち運びに係る負担を軽減できる使い勝手の良いバックヤードを備えた建物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、例えば
図4,
図10~
図17に示すように、居室24と、この居室24に隣接して設けられた小部屋であるバックヤード26と、を備えた建物1において、
前記バックヤード26を構成する壁のうち、前記居室24と前記バックヤード26との間に設けられた壁には、前記居室24と前記バックヤード26とを連通する第一出入口26a(出入口用開口部26a)が形成されており、
前記バックヤード26を構成する壁のうち、屋外に面する外壁6(第三正面外壁6)には、屋外側からの荷物の出し入れと前記バックヤード26側からの荷物の出し入れが可能な宅配ボックス70が設けられており、
前記バックヤード26は、
前記第一出入口26a及び前記宅配ボックス70に隣接して設けられ、前記宅配ボックス70に収納される荷物の荷捌き等の作業を行うための作業スペースS(S1,S2)と、
前記作業スペースS(S1,S2)に隣接して設けられ、水栓及びシンクを備えた作業台66と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、バックヤード26は、第一出入口26a及び宅配ボックス70に隣接して設けられ、宅配ボックス70に収納される荷物の荷捌き等の作業を行うための作業スペースS(S1,S2)を有するので、作業スペースS(S1,S2)において荷捌き等の作業を行うことができる。そのため、荷物(梱包するダンボールや荷物の中身)が清潔な状態でない場合であっても、荷物を居室24に持ち込まずに済み、居室24における清潔性を確保できる。さらに、バックヤード26内で荷捌き等の作業を行うことができるので、荷物を持ち運ぶ際の負担を軽減できる。また、荷物の中身が、例えば泥の付いた野菜のように洗浄が必要なものだった場合は、作業台66の水栓及びシンクで洗浄を行うことができるので、居室24だけでなく、バックヤード26内における清潔性も確保できる。これにより、使い勝手の良いバックヤード26を備えた建物1を提供することできる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば
図4,
図10~
図17に示すように、請求項1に記載の建物1において、
前記バックヤード26は、玄関20に隣接して設けられ、
前記バックヤード26を構成する壁のうち、前記玄関20と前記バックヤード26との間に設けられた壁(第三正面外壁6)には、前記玄関20と前記バックヤード26とを連通する第二出入口26bが形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、バックヤード26は、玄関20に隣接して設けられ、玄関20とバックヤード26との間に設けられた壁(第三正面外壁6)には、玄関20とバックヤード26とを連通する第二出入口26bが形成されているので、第二出入口26bを通じて、玄関20とバックヤード26との間の行き来がしやすく、バックヤード26の使い勝手が良い。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば
図4,
図10~
図17に示すように、請求項2に記載の建物1において、
前記バックヤード26は、
前記作業スペースS(S1,S2)に隣接して設けられたゴミ置き場68と、
前記第一出入口26a及び前記第二出入口26bと前記ゴミ置き場68との間に立設された遮蔽部64b(壁部64b)と、を更に有することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、バックヤード26は、作業スペースS(S1,S2)に隣接して設けられたゴミ置き場68を有するので、荷捌き等の作業を行った際に発生したゴミを、居室24に持ち込まずに、バックヤード26内にて保管することができる。そのため、荷物(梱包するダンボールや荷物の中身)が清潔な状態でない場合であっても、荷物を居室24に持ち込まずに済み、居室24における清潔性を確保できる。
さらに、バックヤード26は、第一出入口26a及び第二出入口26bとゴミ置き場68との間に立設された遮蔽部64b(壁部64b)を有するので、居室24及び玄関20からゴミ置き場68が見えにくくなる。そのため、居室24や玄関20から見えるバックヤード26の見栄えを良くすることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば
図4,
図10~
図17に示すように、請求項3に記載の建物1において、
前記バックヤード26は、屋外に空気を排出するための換気設備(例えば窓52a)を更に有することを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、バックヤード26は、屋外に空気を排出するための換気設備(例えば窓52a)を有するので、バックヤード26の換気を行うことができ、特にゴミ置き場68で臭いが発生した場合に、その臭いを屋外に排出することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば
図4,
図10~
図17に示すように、請求項3に記載の建物1において、
前記バックヤード26は、前記玄関20と連続する廊下22に隣接して設けられ、
前記バックヤード26を構成する壁のうち、前記廊下22と前記バックヤード26との間に設けられた壁(壁62c)には、前記廊下22と前記バックヤード26とを連通する第三出入口26cが形成されており、
前記遮蔽部64b(壁部64b)は、前記第三出入口26cと前記ゴミ置き場68との間に立設されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、バックヤード26は、廊下22に隣接して設けられ、廊下22とバックヤード26との間に設けられた壁(壁62c)には、廊下22とバックヤード26とを連通する第三出入口26cが形成されているので、第三出入口26cを通じて、廊下22とバックヤード26との間の行き来がしやすく、バックヤード26の使い勝手が良い。
さらに、遮蔽部64b(壁部64b)は、第三出入口26cとゴミ置き場68との間に立設されているので、廊下22からゴミ置き場68が見えにくくなる。そのため、廊下22から見えるバックヤード26の見栄えを良くすることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、例えば
図4,
図10~
図17に示すように、請求項5に記載の建物1において、
前記バックヤードは、手洗い器62aを有する台62bが設置された手洗い場62(第二エリア62)を更に有し、
前記手洗い場62は、前記玄関20及び前記廊下22に隣接する箇所に配置されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、手洗い器62aを有する台62bが設置された手洗い場62が、玄関20及び廊下22に隣接する箇所に配置されているので、玄関20から手洗い場62を経由して廊下22に進むことができる。これにより、住人や来客は、手洗い場62で手洗い・うがいを行ってから建物1の内部に進むことができるので、感染症予防を図ることができるとともに、居室24、ひいては建物1内における清潔性を確保できる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、例えば
図4,
図10~
図17に示すように、請求項2に記載の建物1において、
前記玄関20は、床が土間床とされた玄関土間部20aを有し、
前記バックヤード26は、前記第二出入口26bに隣接し、かつ、床が土間床とされた土間エリア61(第一エリア61)を有し、
前記玄関20における前記玄関土間部20aの前記土間床と、前記バックヤード26における前記土間エリア61の前記土間床は、連続して形成されて略等しい高さに設定されていることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、玄関20における玄関土間部20aの土間床と、バックヤード26における土間エリア61の土間床は、連続して形成されて略等しい高さに設定されているので、玄関20とバックヤード26との間の移動がしやすく、玄関20とバックヤード26との間での荷物の持ち運びもしやすい。
【0020】
請求項8に記載の発明は、例えば
図4,
図10~
図17に示すように、請求項3に記載の建物1において、
前記作業台66は、前記水栓及び前記シンクが設けられた天板66aを備え、
前記天板66aは、前記遮蔽部64bに隣接する部位(第二部位)を有し、当該部位の下方に形成された空間が、前記ゴミ置き場68とされていることを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、作業台66における天板66aは、遮蔽部64bに隣接する部位(第二部位)を有し、当該部位の下方に形成された空間が、ゴミ置き場68とされているので、ゴミ置き場68は天板66aによって隠されて目立ちにくくなる。これにより、バックヤード26内にいる人からもゴミ置き場68が見えにくくなるので、バックヤード26の見栄えを良くすることができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、例えば
図4,
図10~
図17に示すように、請求項1に記載の建物1において、
前記宅配ボックス70は、荷物を収納する収納部70a,70b(例えば上方収納部70a、下方収納部70b)が複数に分かれて形成されており、
前記宅配ボックス70が設けられた前記外壁(第三正面外壁6)には、屋外側からの荷物の出し入れが行われる開口部が、複数の前記収納部70a,70bごとに分かれた状態で形成されるとともに、各々の前記開口部を開閉する扉72,73が設けられていることを特徴とする。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、宅配ボックス70が設けられた外壁(第三正面外壁6)には、屋外側からの荷物の出し入れが行われる開口部が、複数の収納部70a,70bごとに分かれた状態で形成されるとともに、各々の開口部を開閉する扉72,73が設けられているので、例えば、収納部70a,70bの一つを荷受け用、他の一つを集荷依頼用とするなどして使い分けることができて使い勝手が良い。
【0024】
請求項10に記載の発明は、例えば
図4,
図10~
図17に示すように、請求項1から9のいずれか一項に記載の建物1において、
前記バックヤード26は、前記作業スペースS(S1,S2)に隣接して設けられた収納部63a,63b,66bを更に有することを特徴とする。
【0025】
請求項10に記載の発明によれば、バックヤード26は、作業スペースS(S1,S2)に隣接して設けられた収納部63a,63b,66bを有するので、荷捌き等の作業を行いやすい。特に、荷受けした荷物を開梱して中の物品を収納部63a,63b,66bに収納したり、収納部63a,63b,66bに収納されていた荷物を作業スペースS(S1,S2)で梱包したりする作業が行いやすくなり、使い勝手が良い。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、荷捌き等の作業を行う作業スペースを確保し、居室内における清潔性の確保や、荷物の持ち運びに係る負担を軽減できる使い勝手の良いバックヤードを備えた建物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2】住宅における正面の外観を示す立面図である。
【
図6】キッチンルーム側からダイニングルーム側を見た場合の斜視図である。
【
図7】リビングルーム側からダイニングルーム側を見た場合の斜視図である。
【
図8】半屋外空間側から第一居室及び第二居室側を見た場合の斜視図である。
【
図9】キッチンルーム側から半屋外空間側を見た場合の斜視図である。
【
図10】第一居室におけるコンロ付きキッチン台側の一部を示す斜視図である。
【
図11】住宅の1階におけるバックヤード付近の拡大平断面図である。
【
図12】バックヤードの一部を玄関ホール部側から見た場合の斜視図である。
【
図13】バックヤードの一部を第一居室側から見た場合の斜視図である。
【
図14】バックヤードの一部における内部を玄関ホール部側から見た場合の斜視図である。
【
図15】バックヤードの一部における内部を第一居室側から見た場合の斜視図である。
【
図16】バックヤードの宅配ボックス部分を玄関側から見た場合の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
なお、以下の実施形態及び図示例における方角は、あくまでも説明の便宜上設定したものである。本実施形態においては正面が南に位置し、背面が北に位置し、左側面が西に位置し、右側面が東に位置している。
【0029】
図1~
図5において符号1は、住宅(建物)を示す。この住宅1は、1階と2階のそれぞれに複数の部屋を有する住宅本体2と、住宅本体2の上端部に設けられた屋根3と、を備えている。なお、住宅本体2には、1階と2階の間に中間階があってもよいし、2階の上にロフトや屋根裏部屋などがあってもよい。
【0030】
住宅本体2の正面(南面)は、1階から2階にかけての範囲で設けられる第一正面外壁4と、第一正面外壁4よりも前方に位置する第二正面外壁5と、第一正面外壁4及び第二正面外壁5に直交し、かつ、第二正面外壁5の左側縁部と第一正面外壁4との間に設けられた第三正面外壁6と、第二正面外壁5の上端部から第一正面外壁4にかけて設けられた第一陸屋根7と、を備えている。第一正面外壁4と、第二正面外壁5と、第三正面外壁6は、住宅1の外周面を構成する外周壁である。
第二正面外壁5及び第三正面外壁6の上端部は、第一陸屋根7の上面よりも上方に突出して、笠木が取り付けられるなどしてパラペットとして形成されている。
第二正面外壁5は、第一正面外壁4の右側縁部よりも側方に延出している。さらに、この第二正面外壁5は、住宅本体2の正面における中央よりもやや左側の位置から右側端部にかけての広い範囲に形成された正面開口部5aを有している。
なお、第一正面外壁4のうち、後述する庇4aよりも上方に位置する部分には、開口部が形成されていない。
【0031】
正面開口部5aは、
図1~
図5に示すように、第二正面外壁5における幅寸法の大部分を占めるほどの広い大開口となっている。このような大開口の形成を可能としているのは、第一陸屋根7が、住宅本体2における2階の床が屋外側に跳ね出した部分によって構成されているためである。
すなわち、第一陸屋根7は、住宅本体2における2階の床と一体形成され、当該2階の床のうち第一正面外壁4よりも前方に跳ね出した部分を本体部分とした状態で構成されている。そのため、第一陸屋根7に連結された第二正面外壁5及び第三正面外壁6には過大な荷重が掛からないようになっている。そのため、第二正面外壁5に、上記のような大開口である正面開口部5aを形成できるようになっている。換言すれば、正面開口部5aのような大開口を形成しても第二正面外壁5や住宅本体2に影響を及ぼしにくい。
【0032】
住宅本体2の左側面は、1階から2階にかけての範囲で設けられた左側面外壁8を備えている。この左側面外壁8は、背面側縁部が、背面外壁9よりも背面側(後方)に延出している。左側面外壁8及び背面外壁9は、住宅1の外周面を構成する外周壁である。
【0033】
住宅本体2の右側面は、1階から2階にかけての範囲で設けられる第一右側面外壁10と、第一右側面外壁10よりも右側方に位置する第二右側面外壁11と、第一右側面外壁10及び第二右側面外壁11に直交し、かつ、第二右側面外壁11の背面側縁部と第一右側面外壁10との間に設けられた第三右側面外壁12と、第二右側面外壁11の上端部から第一右側面外壁10にかけて設けられた第二陸屋根13と、を備えている。第一右側面外壁10と、第二右側面外壁11と、第三右側面外壁12は、住宅1の外周面を構成する外周壁である。
第二右側面外壁11及び第三右側面外壁12の上端部は、第二陸屋根13の上面よりも上方に突出して、笠木が取り付けられるなどしてパラペットとして形成されている。
第二陸屋根13は、上空に向かって開放状態とされた陸屋根開口部13aと、2つのトップライト(天窓)が設けられた採光屋根部13bと、を有している。
また、第一右側面外壁10は、背面側縁部が、背面外壁9よりも背面側(後方)に延出している。第二右側面外壁11は、第一右側面外壁10の正面側縁部よりも正面側に延出しており、第二正面外壁5と直交した状態となっている。さらに、この第二右側面外壁11は、第二陸屋根13に形成された陸屋根開口部13aと同様の正背方向の範囲で形成された右側面開口部11aを有している。
【0034】
なお、第二陸屋根13も、第一陸屋根7と同様に、住宅本体2における2階の床が屋外側に跳ね出した部分によって構成されてもよいが、これに限られるものではない。
また、右側面開口部11aは、陸屋根開口部13aと同様の正背方向の範囲で形成されるものとしたが、より幅広に形成されてもよい。
【0035】
住宅本体2の正面における第一正面外壁4と、住宅本体2の左側面における左側面外壁8と、住宅本体2の右側面における第一右側面外壁10の、三方の外壁の高さは等しく設定されている一方、背面外壁9の高さは、三方の外壁4,8,10よりも低く設定されている。
屋根3は、三方の外壁4,8,10に囲まれた箇所に配置されるとともに、第一正面外壁4から背面外壁9に向かって緩やかな下り勾配に形成された片流れ屋根とされている。三方の外壁4,8,10のうち屋根3よりも上方に位置する部分は、笠木が取り付けられるなどしてパラペットとして形成されている。
また、屋根3は、正面側のパラペット(第一正面外壁4の上端部)と左側面側のパラペット(左側面外壁8の上端部)に面する隅角部に形成され、上空に向かって開放状態とされた屋根開口部3aを有している。この屋根開口部3aの下方には、バルコニー3bが設けられている。
【0036】
第一正面外壁4よりも前方に位置する第二正面外壁5と、第一右側面外壁10よりも右側方に位置する第二右側面外壁11は、上記のように直交した状態となっている。換言すれば、平面視において互いに直交する方向に配置された第二正面外壁5と第二右側面外壁11は、住宅本体2の正面右側のコーナー部にて隣接するとともに一体形成されている。
そして、これら第二正面外壁5及び第二右側面外壁11よりも内側には、第一陸屋根7及び第二陸屋根13の下方に位置し、かつ、正面開口部5a及び右側面開口部11aを通じて屋外空間と連続する半屋外空間50が形成されている。
【0037】
半屋外空間50は、平面視において略L字型に形成されており、住宅本体2における第一居室24(後述する)を囲むようにして配置されている。換言すれば、平面視において略L字型に形成された半屋外空間50の内角部分に、住宅本体2における第一居室24が配置されたような状態となっている。
【0038】
半屋外空間50には、地面よりも高い位置に床51が設けられている。この床51は、住宅本体2における1階の床と床レベルが等しく設定されている。
【0039】
半屋外空間50のうち正面部分の西側端部には、後述するバックヤード26との間に位置する西側端部外壁52が設けられている。この西側端部外壁52は、第二正面外壁5と直交するとともに第一居室24を構成する第一外壁14とも直交する外壁となっており、半屋外空間50の西側端部を構成している。
また、この西側端部外壁52は、第一陸屋根7を支持している。換言すれば、第二正面外壁5に大開口の正面開口部5aを形成するのに貢献している。
なお、西側端部外壁52には窓52aが設けられており、半屋外空間50とバックヤード26との間で物品の授受が可能となっている。
【0040】
半屋外空間50のうち右側面部分の北側端部には、後述する第二居室25との間に位置する北側端部外壁53が設けられている。この北側端部外壁53は、第二右側面外壁11と直交するとともに第一居室24を構成する第二外壁15とも直交する外壁となっており、半屋外空間50の北側端部を構成している。
また、この北側端部外壁53は、第二陸屋根13を支持している。換言すれば、第二右側面外壁11に右側面開口部11aを形成するのに貢献している。
なお、北側端部外壁53には窓53aが設けられている。この窓53aは引き違いの掃き出し窓であり、人の通行が可能となっている。すなわち、半屋外空間50と第二居室25との間で人の行き来や物品の授受が可能となっている。さらに、陸屋根開口部13aとの距離も近いため、陸屋根開口部13aから射し込んだ太陽光を、窓53aから第二居室25内に取り込むこともできる。
【0041】
半屋外空間50では、屋外用のテーブルや椅子を置いたり、植物の栽培を行うスペースを確保したり、動物を飼育したりすることができる。すなわち、屋外空間と同等の活動を行うことができる。
陸屋根開口部13aの下に位置する箇所は、雨も降るし、太陽光も射し込むため、より屋外空間としての活動を行うのに適している。
【0042】
第二正面外壁5に形成された正面開口部5aには、
図2,
図9に示すように、当該正面開口部5aを開閉する複数のスラットを有するブラインド装置54が設けられている。
ブラインド装置54は、
図3に示すように、第一陸屋根7の下面側、すなわち軒天部分に形成された下方に開口する凹部7aに設置されている。
複数のスラットは、東西方向に通った軸の軸周りに回転可能であり、複数のスラットが下がった状態で正面開口部5aを開放したり閉塞したりすることができる。複数のスラットを上げれば、正面開口部5aを完全に開放できる。
なお、本実施形態においては正面開口部5aにブラインド装置54が設けられるものとしたが、右側面開口部11aにブラインド装置54が設けられてもよい。また、ブラインド装置54に代えて、シャッター装置や、横スライドする雨戸のような遮蔽手段を設けてもよい。
【0043】
続いて、
図3~
図10を参照して住宅本体2の内部についてより詳細に説明する。
以上のような外観を有する住宅本体2の正面のうち、第一正面外壁4の1階部分には開口が形成されるとともに、当該開口の上縁部には庇4aが設けられている。庇4aの下方であって、かつ開口の奥は玄関ポーチ4bとされている。そして、玄関ポーチ4bの先には玄関ドア4cが設けられている。
【0044】
玄関ドア4cから屋内に入ると玄関20がある。玄関20は、床が土間床とされた靴の脱ぎ履きを行う玄関土間部20aと、玄関土間部20aの北側に位置する玄関ホール部20cと、を備えている。玄関ホール部20cは、玄関土間部20aよりも床レベルが高く設定されている(すなわち、1階の床レベルである)。
なお、玄関20と、当該玄関20の南側に位置する玄関ポーチ4bの東側には、後述するバックヤード26が設けられている。
また、第三正面外壁6のうち庇4aよりも下方に位置する部位は、玄関ポーチ4bを越えて玄関土間部20aまで延出した状態となっており、この第三正面外壁6のうち玄関ポーチ4bに位置する部位には、後述する宅配ボックス70が設置されている。
【0045】
玄関20の北側には部屋21が設けられ、東側には、玄関ホール部20cと連続する廊下22が設けられている。
廊下22を東に進んだ先の北側には、1階と2階とを接続する階段23が設けられている。また、廊下22を東に進んだ先の南側には、ダイニングルーム24a及びキッチンルーム24bからなる第一居室24が設けられ、廊下22を東に進んだ先の更に東側には、リビングルームからなる第二居室25が設けられている。
さらに、第一居室24の西側には、小部屋であるバックヤード26が設けられている。すなわち、バックヤード26は、第一居室24と玄関20との間(居室裏)に配置されている。
【0046】
第一居室24は、中央から東側の領域がダイニングルーム24aとされ、中央よりも西側の領域がキッチンルーム24bとされている。
第一居室24は、複数の壁によって囲まれて形成されている。これら複数の壁には、南側に位置する第一外壁14と、東側に位置する第二外壁15と、西側に位置し、バックヤード26との間に配置された内壁16と、が含まれている。第一外壁14には第一窓14aが設けられ、第二外壁15には第二窓15aが設けられ、内壁16には、バックヤード26に通じる出入口用開口部26a(すなわち、第一出入口26a)が形成されている。より詳細には、この出入口用開口部26aは、内壁16と、後述する壁部64bとの間に形成されている。
そして、第一居室24の北側には、第二居室25との間に位置する第一間仕切り装置17(すなわち、第一の可動仕切り手段)と、通路である廊下22との間に位置する第二間仕切り装置18(すなわち、第二の可動仕切り手段)と、が設けられている。
ここで、第二居室25及び廊下22が、第一居室24に対する他の部屋に相当するが、部屋とは、住宅1内を仕切ったときに形成される空間を指し、居室、非居室、どちらも部屋に含まれるものとするため、第二居室25及び廊下22は、第一居室24に対する他の部屋に相当する。また、廊下22は通路として階段23を含んでもよい。
【0047】
第一外壁14は、半屋外空間50に面しており、外壁として仕上げられているものの、第二正面外壁5よりも内側に配置されているため、住宅1の外周面を構成する外周壁としては扱われない。また、第一外壁14は、第一正面外壁4における2階部分の直下に位置している。そのため、
図3に示すように、第一外壁14の上端部と、第一正面外壁4における2階部分との間には跳ね出し床(第一陸屋根7)が介在した状態となっている。
【0048】
このような第一外壁14の窓14aは、サイズの異なる窓ガラスを縦横に複数並べた構成となっており、少なくとも一部(本実施形態では一番左:西)が開き戸の形式で開閉する。そのため、第一居室24と半屋外空間50との間は行き来が可能となっている。また、その他の窓14aも換気のために開閉可能に構成されてもよい。
【0049】
第二外壁15は、半屋外空間50に面しており、第一外壁14と同様に外壁として仕上げられているものの、第二右側面外壁11よりも内側に配置されているため、住宅1の外周面を構成する外周壁としては扱われない。また、第二外壁15は、第一右側面外壁10における2階部分の直下に位置している。
なお、第二外壁15の南側端部(住宅本体2の正面側に位置する第二外壁15の側端部を指す)は、第一外壁14の正面よりも前方に突出しており、第一外壁14よりも前方に突出する跳ね出し床(第一陸屋根7)を支持している。換言すれば、第二正面外壁5に大開口の正面開口部5aを形成するのに貢献している。
【0050】
このような第二外壁15の窓15aは、サイズの異なる窓ガラスを縦横に複数並べた構成となっており、少なくとも一部(本実施形態では一番正面:南)が開き戸の形式で開閉する。そのため、第一居室24と半屋外空間50との間は行き来が可能となっている。また、その他の窓15aも換気のために開閉可能に構成されてもよい。
なお、第一間仕切り装置17及び第二間仕切り装置18の詳細については後述する。
【0051】
第一居室24の内部についてより詳細に説明すると、キッチンルーム24bには、キッチンルームとしての機能を付与するためのシンク付きキッチン台30及びコンロ付きキッチン台31が設置されている。
【0052】
シンク付きキッチン台30は、キッチンルーム24bのダイニングルーム24a側縁部に沿って設置されている。このシンク付きキッチン台30は、アイランドキッチンとされている。換言すれば、シンク付きキッチン台30の位置が、ダイニングルーム24aとキッチンルーム24bとの境界として機能している。
なお、このシンク付きキッチン台30は、補助作業台30aとセットで用いられる。補助作業台30aは、矩形状の天板と、天板の長さ方向一端部のみに設けられた支持脚とを有する。天板の長さ方向他端部は、シンク付きキッチン台30の上面に常に載せられた状態となっている。つまり、天板は、シンク付きキッチン台30と支持脚によって支持された状態となっている。このように構成された補助作業台30aは、シンク付きキッチン台30の上面の範囲内で適宜移動させることができるため、
図4において仮想線にて示すように、例えば廊下22側に突出させた状態に配置したり、ダイニングルーム24a側に突出させた状態に配置したりすることができる。
【0053】
コンロ付きキッチン台31は、シンク付きキッチン台30と平行し、かつ、キッチンルーム24bの西側に位置する上記の内壁16の前面下部に設置されている。つまり、コンロ付きキッチン台31は、壁付けキッチンとされている。
【0054】
コンロ付きキッチン台31の上方には、レンジフード収納部付き吊り戸棚32が設置されている。すなわち、レンジフード収納部付き吊り戸棚32は、内壁16の前面上部に設置されている。
レンジフード収納部付き吊り戸棚32は、コンロ付きキッチン台31のコンロ上方に位置するレンジフードの収納部として使用される部分と、通常の吊り戸棚として使用される部分と、を有しており、複数の前面パネルで内部が見えない状態となっている。
コンロ付きキッチン台31及びレンジフード収納部付き吊り戸棚32は、互いの幅寸法が等しく設定されるとともに、互いの前面部分が同一垂直面上に配置された状態となっている。
【0055】
コンロ付きキッチン台31及びレンジフード収納部付き吊り戸棚32の南側には第一扉33が設けられ、北側には第二扉34が設けられている。
第一扉33の西側には、キッチンルーム24bの西側に位置する上記の内壁16に形成された出入口用開口部26aがあり、この出入口用開口部26aは、キッチンルーム24bとバックヤード26との間を行き来するために用いられる。第一扉33は、通常の開き戸としての開閉動作が可能な可動仕切り手段とされている。つまり、第一扉33を閉めれば、第一居室24をバックヤード26に対して仕切られた状態とすることができ、第一扉33を開ければ、第一居室24とバックヤード26とを空間的に連続する状態とすることができる。
第二扉34の西側は、冷蔵庫格納庫として使用される。
【0056】
なお、第一扉33及び第二扉34の前面は、コンロ付きキッチン台31及びレンジフード収納部付き吊り戸棚32の前面部分と同一垂直面上に配置された状態となっている。そのため、他の部屋(バックヤード26)に通じる出入口用開口部26aを遮蔽する第一扉33は、あたかも隠し扉のように機能することになる。
【0057】
ダイニングルーム24aには、ダイニングルームとしての機能を付与するためのダイニングテーブル35及び椅子が設置されている。ダイニングテーブル35は、シンク付きキッチン台30に接して配置してもよいし、シンク付きキッチン台30から離して配置してもよい。
【0058】
次に、第二居室25の内部についてより詳細に説明する。リビングルームである第二居室25は、北側の背面外壁9及び第三右側面外壁12と、東側の第二右側面外壁11と、南側の半屋外空間50を構成する北側端部外壁53と、第一居室24との間の第一間仕切り装置17と、階段23との間に位置する内壁と、で囲まれた位置に設けられている。
【0059】
第二居室25の床は、
図3に示すように、第一居室24及び廊下22の床よりも2段低く形成されている。すなわち、第二居室25の最も低い位置から第一居室24又は廊下22に移動する場合は、2段の段部25aを登ることになる。
下から数えて1段目の段部25aは、第二居室25の南側縁部と、西側縁部と、東側縁部に沿って設けられて平面視略コ字型に形成されている。下から数えて2段目の段部25aは、隣接する第一居室24及び廊下22の床と一体形成されている。
第二居室25と廊下22との間には引戸19が設けられており、引戸19を開閉することで、第二居室25を廊下22側に開放したり閉塞したりすることができる。なお、引戸19の戸先は、第一間仕切り装置17の側面に接する。
【0060】
また、1段目の段部25aのうち、西側縁部に位置する段部25aにおける北側端部の上面と、東側縁部に位置する段部25aの北側端部の上面との間にはベンチ36が架け渡されて設けられている。ベンチ36の上面には、クッション等が適宜設けられる。
1段目の段部25aのうち西側縁部に位置する段部25aには、壁厚の大きい壁部25bがあり、上記の引戸19が収納される戸袋が設けられている。
ベンチ36の左側端部が隣接する西側壁には、上下方向に長く形成された鏡37が設けられている。換言すれば、鏡37は、壁厚の大きい壁部25bの北側にある西側壁に取り付けられている。
東側縁部に位置する段部25aの背面側(東側)には、上端面が、ベンチ36の上面よりも上方に位置するプランター38が設けられ、植物が栽培される。
【0061】
このような第二居室25のうち東側端部は、上記の第二陸屋根13における採光屋根部13bの下方に位置している。換言すれば、2つのトップライトが設けられた採光屋根部13bは、第二居室25の東側端部の上方に位置している。そして、当該の東側端部の天井は、2つのトップライトが設けられた採光屋根部13bまで達する高天井部25cとされている。高天井部25cを構成する西側壁面と東側壁面との間には、南北方向に間隔を空けて並列する複数のルーバー材25dが架け渡されて設けられている。したがって、2つのトップライトから射し込まれた光は、複数のルーバー材25d同士の間をかいくぐって、あたかも木漏れ日のように第二居室25内に注がれる。
【0062】
リビングルームである第二居室25には、リビングルームとしての機能を付与するためのテーブルやテレビ等が適宜設置される。
【0063】
続いて、第一間仕切り装置17及び第二間仕切り装置18について説明する。
【0064】
第一間仕切り装置17及び第二間仕切り装置18は、第一居室24と他の部屋(第二居室25、廊下22)とを仕切るための装置であり、本装置17,18の可動部である複数枚の仕切パネル17a,18aと、パネル収納部17b,18bと、開閉蓋17c,18cと、を備えている。
【0065】
仕切パネル17a,18aは、複数の羽板を有するルーバーパネルとされており、複数の羽板の回転により、パネル自体にスリットを形成したり閉塞したりすることができる。
なお、本実施形態の仕切パネル17a,18aはルーバーパネルとしたが、これに限られるものではない。例えば、透光性を有するが透視性を有しないガラスを用いたパネルでもよいし、隙間も透光性もない板材等であってもよい。
また、複数枚の仕切パネル17a,18aは連動して移動させることが可能に構成されてもよい(1枚目の仕切パネル17a,18aをある程度まで引き出すと、2枚目の仕切パネル17a,18aも引き出されるような構成を指す)。
【0066】
パネル収納部17b,18bは、平断面視において略コ字型に形成された戸袋装置であり、仕切パネル17a,18aを遮蔽する三面の側壁と、仕切パネル17a,18aを出し入れするための開口部と、を有している。
開閉蓋17c,18cは、パネル収納部17b,18bの上記開口部を開閉する蓋板であり、パネル収納部17b,18bの一端部に開閉自在に取り付けられている。
【0067】
第一間仕切り装置17は、第一居室24と第二居室25との間に配置されており、第二居室25と階段23との間に設けられた内壁の延長線上に位置している。この第一間仕切り装置17は、パネル収納部17bの開口部が東向きとなるように配置されている。
第一居室24と第二居室25との間を仕切る場合は、開閉蓋17cを開けてパネル収納部17bの開口部を開放し、パネル収納部17bから複数枚の仕切パネル17aを東側に向かって引き出すように移動させる。
複数枚の仕切パネル17aのうち最も東側に位置する仕切パネル17aの側端部は、第二外壁15の内側面に接する。第一間仕切り装置17自体が、半屋外空間50の北側端部外壁53よりも、やや南側に配置されている。
【0068】
なお、第二居室25は、廊下22との間の開口部を、上記の引戸19によって閉塞できるので、第一間仕切り装置17によって第一居室24との間を仕切った状態で、引戸19も閉めると、他の部屋から完全に仕切られた状態となる。しかし、第二居室25は、半屋外空間50との間の北側端部外壁53に窓53aが形成されているし、採光屋根部13bからの採光も可能であるため、閉塞感を覚えにくくなっている。つまり、家族の一人であるホストが第一居室24にてゲストを招いている最中に、他の家族が第二居室25で過ごしていても、他の家族に対して居心地の良さを感じさせることができる。
【0069】
第二間仕切り装置18は、第一居室24と廊下22との間に配置されており、第一間仕切り装置17の西側に間隔を空けて配置されている。すなわち、第一間仕切り装置17と第二間仕切り装置18は、同一直線上に配置されている。そして、第二間仕切り装置18は、パネル収納部18bの開口部が東向きとなるように配置されている。
第一居室24と廊下22との間を仕切る場合は、開閉蓋18cを開けてパネル収納部18bの開口部を開放し、パネル収納部18bから複数枚の仕切パネル18aを東側に向かって引き出すように移動させる。
複数枚の仕切パネル18aのうち最も東側に位置する仕切パネル18aの側端部は、第一間仕切り装置17のパネル収納部18bに接する。
【0070】
住宅1は、第一間仕切り装置17及び第二間仕切り装置18によって第一居室24と他の部屋(第二居室25、廊下22)とを仕切らない場合は、
図6に示すように、第二居室25から、正面開口部5a及び右側面開口部11aを抜けて屋外空間まで視線が通るほどの開放感を生じさせることができる。
一方で、第一間仕切り装置17及び第二間仕切り装置18によって第一居室24と他の部屋(第二居室25、廊下22)とを仕切ると、
図7に示すように、第一居室24は物理的に狭くはなるものの、第一外壁14及び第二外壁15の窓14a,15aから半屋外空間50が見え、さらにその先には、第二正面外壁5の正面開口部5a及び第二右側面外壁11の右側面開口部11aから屋外空間が見えるため開放感を生じさせることができる。
また、
図8(a)は、第一間仕切り装置17及び第二間仕切り装置18によって、第一居室24と他の部屋(第二居室25、廊下22)とを仕切る前の状態を示し、
図8(b)は、第一居室24と他の部屋(第二居室25、廊下22)とを仕切った後の状態を示している。第一居室24と他の部屋(第二居室25、廊下22)とを仕切った後、第一居室24は物理的に狭くはなるものの、第二外壁15の窓15aから半屋外空間50が見え、さらにその先には、第二右側面外壁11の右側面開口部11aから屋外空間が見えるため開放感を生じさせることができる。
さらに、
図9は、正面開口部5aをブラインド装置54によって閉塞した状態(複数のスラット間には隙間・スリットがある状態)を示している。このような状態においては、正面開口部5aがブラインド装置54によって閉塞されるものの、複数のスラット間の隙間から屋外空間を見ることができるので、プライバシー保護を図りつつ、程よい開放感を生じさせることができる。
【0071】
第一居室24は、第一間仕切り装置17、第二間仕切り装置18、第一扉33によって、他の部屋(第二居室25,廊下22,バックヤード26)に対して仕切ることが可能な状態となっている。そのため、第一居室24は、例えば、友人・知人(ゲスト)を招いて料理やお菓子作りをしたり、会員・生徒(ゲスト)を募集して料理教室・フラワーアレンジメント教室などを開催したりするのに好適となる。また、家族の一人であるホストが第一居室24にゲストを招く際は、第一居室24を他の部屋25,22,26に対して仕切られた状態とすることができる。したがって、第一居室24にゲストが招かれている最中は、他の家族は他の部屋25,22,26に居ることができる。これにより、ゲストと家族が第一居室24で鉢合わせすることを防ぎ、ゲストと家族お互いの居心地の良さを向上できる。また、第一居室24を他の部屋25,22,26に対して仕切られた状態とすることで、第一居室24における空調効率を高めることができる。
さらに、第一居室24の屋外側に隣接して屋根7,13付きの半屋外空間50が設けられ、第一居室24を構成する複数の壁14,15,16のうち少なくとも一つの壁14,15が外壁とされ、この外壁14,15に窓14a,15aが設けられているので、窓14a,15aから半屋外空間50が目に入ることとなり、第一居室24を、可動仕切り手段17,18,33によって他の部屋25,22,26に対して仕切られた状態とした場合であっても狭隘感や圧迫感を覚えにくい。しかも、住宅1の外周面を構成する外壁であって、かつ、半屋外空間50を囲んで半屋外空間50と屋外空間とを離隔させる外周壁5,11には開口部5a,11aが形成され、第一居室24の窓14a,15aと外周壁5,11の開口部5a,11aは、正面視において重なる位置に配置されているので、第一居室24にいる人からは、半屋外空間50だけでなく、外周壁5,11よりも更に屋外側の景色が目に入ることとなり、第一居室24を、可動仕切り手段17,18,33によって他の部屋25,22,26に対して仕切られた状態とした場合であっても開放感を得ることができる。
これにより、住宅1における総合的な快適性の向上を図ることができる。
【0072】
次に、バックヤード26の内部について、
図10~
図17を参照し、より詳細に説明する。バックヤード26は、バックルームとも称呼され、第一居室24と玄関20との間に配置され、玄関20の東側に連続し、かつ、廊下22の南側に連続した空間となっている。そして、このバックヤード26は、第二正面外壁5のうち正面開口部5aの西側に位置する部位と、玄関土間部20aまで延出する第三正面外壁6と、西側端部外壁52と、内壁16と、後述する平面視コ字型の壁62cとで、おおよそ囲まれた空間を指しているものとする。
このバックヤード26は、第一エリア61、第二エリア62、第三エリア63、第四エリア64、第五エリア65の、5つのエリアに区分けされている。各エリア61~65間には扉が無く、連続した空間となっている。また、これら各エリアは、南北方向に一直線上に並んで配置された状態となっている。
【0073】
まず、第一エリア61は、床が土間床とされた土間エリアであり、玄関20の玄関土間部20aと連続する空間となっている。すなわち、玄関土間部20aの土間床と、第一エリア61の土間床が、段差なく連続して形成されている。そのため、玄関土間部20aとバックヤード26との間は、昇降せずに靴のまま移動できるようになっている。
玄関土間部20aと第一エリア61との間には出入口26b(すなわち、第二出入口26b)が形成され、当該出入口26bには扉がないが、これに限られるものではなく、扉があってもよい。なお、第二出入口26bは、第三正面外壁6と、後述する壁62cとの間に形成されている。
第一エリア61の東側に位置する上記の内壁16の壁面には、ハンガーパイプ61aが設けられており、例えばコートやレインウェア等を掛けたり、物品を置いて収納したりすることができる。
【0074】
続いて、第二エリア62は、水栓とボウルからなる手洗い器62aを有する台62bが設けられた手洗いエリア(すなわち、手洗い場)である。この第二エリア62は、第一エリア61の北側に位置しているとともに、廊下22の南側に位置しており、廊下22とは連続する空間となっている。
また、第二エリア62は、土間エリアである第一エリア61よりも床レベルが高く設定され、かつ、廊下22と同一の床レベルに設定されている。つまり、第一エリア61から第二エリア62に移動する場合は、一段上がるようにして移動することになる。そして、廊下22との間は段差もなく、昇降せずにそのまま移動できるようになっている。
廊下22と第二エリア62との間の出入口26c(すなわち、第三出入口26c)が形成され、当該出入口26cには扉がないが、これに限られるものではなく、扉があってもよい。なお、第三出入口26cは、廊下22に面する壁として機能する第二間仕切り装置18と、後述する壁62cとの間に形成されている。
【0075】
手洗い器62aを有する台62bは、第二エリア62のうち西側に配置されており、平面視コ字型の壁62cに囲まれている。
平面視コ字型の壁62cは、第二エリア62と第一エリア61との間に位置する壁と、第二エリア62と玄関20との間に位置するとともに上記の第三正面外壁6と同一直線上に位置する壁と、第二エリア62と廊下22との間に位置するとともに第二間仕切り装置18と同一直線上に位置する壁と、からなり、これらの壁はいずれも天井に達する高さに設定されている。すなわち、壁62cは、第二エリア62と他の空間とを仕切る壁として機能している。手洗い器62aを有する台62bは、このような平面視コ字型の壁62cの内側部分が配置されており、玄関20側からは見えにくくなっている。
【0076】
第二エリア62の東側に位置する上記の内壁16の壁面には、複数の棚62dが、上下に間隔を空けて設けられており、例えば靴を置いて収納することができる。これにより、第二エリア62は、手洗い器62aを有する台62bが設けられていることで手洗いエリアとして機能するとともに、シューズクロークとしても機能することとなる。手洗い器62aを有する台62bは、玄関20や廊下22に隣接して設けられるため、住人が普段使用している洗面台とは違って生活感が出にくく、来客も使用しやすい。
第二エリア62のうち、東側に位置する手洗い器62aを有する台62b及び壁62cと、西側に位置する複数の棚62dによる靴の収納部との間は、第一エリア61から廊下22へと続く通路となっている。
【0077】
続いて、第三エリア63は、主に冷蔵の必要がない食材や日用品等のストック品、アウトドア用品などの各種物品を収納するための収納エリアである。この第三エリア63は、第一エリア61の南側に位置している。
また、第三エリア63は、土間エリアである第一エリア61よりも床レベルが高く設定され、かつ、第二エリア62と同一の床レベルに設定されている。つまり、第一エリア61から第三エリア63に移動する場合は、一段上がるようにして移動することになる。
【0078】
第三エリア63の東側に位置する内壁16の壁面には、第三エリア63側に突出する複数の袖壁16aが設けられており、複数の袖壁16a間に、複数の棚63aが上下に間隔を空けた状態で架け渡されて設けられている。複数の棚63a上には、上記の各種物品を置いて収納することができる。これら複数の棚63aを使った収納部は、第三エリア63に開放されており、収納された各種物品が見えるようになっている。
【0079】
第三エリア63の西側に位置する第三正面外壁6の壁面には、第三エリア63側に突出する複数の袖壁6aが設けられており、複数の袖壁6a間に、複数の棚63bが上下に間隔を空けた状態で架け渡されて設けられている。複数の棚63b上には、上記の各種物品を置いて収納することができる。さらに、複数の袖壁6a間には、扉63cが設けられており、扉63cの内側の収納部を開放・閉塞できるようになっている。
【0080】
第三エリア63のうち、東側に位置する複数の棚63aによる収納部と、西側に位置する複数の棚63b及び扉63cによる収納部との間は、第一エリア61から第四エリア64へと続く通路となっている。当該通路は、第二エリア62における通路の延長線上に位置している。
【0081】
続いて、第四エリア64は、宅配ボックス70が設置された荷捌きエリアであり、第三エリア63の南側に位置しているとともに、出入口用開口部26aの西側に位置している。
宅配ボックス70は、第四エリア64の西側端部に配置されており、宅配ボックス70よりも東側が、荷捌き等の作業(荷受けした荷物を開梱して中の物品を出したり、集荷依頼する荷物の梱包を行ったり、宅配ボックス70への荷物の出し入れを行ったり等の、荷物に係る作業全般を指す。)を行うための空間となっている。このような荷捌き等の作業を行うための空間を、以下、第一作業スペースS1と称呼する。
【0082】
この第四エリア64における第一作業スペースS1は、平面視において南北方向よりも東西方向に長く形成され、通路としても機能するようになっている。第四エリア64の通路(第一作業スペースS1)は、第三エリア63の通路と一体となっており、平面視においてL字型の通路として形成された状態となっている。通路の先には、内壁16に形成された出入口用開口部26aがあり、第一扉33を開けて出入口用開口部26aを開放すると第一居室24が見えるようになっている。
なお、この第四エリア64の通路部分における東側端部は、内壁16から突出する袖壁16aと、この袖壁16aに連続するコンロ付きキッチン台31脇の壁部64aと、上記の第一外壁14の同一直線上に連続する壁部64bとの間に位置している。
【0083】
宅配ボックス70は、玄関ポーチ4b側の外壁(第三正面外壁6)に設置されている。つまり、宅配ボックス70は玄関ポーチ4bに面して設けられた状態となっている。より詳細には、第三正面外壁6のうち、庇4aよりも下方に位置して玄関土間部20aまで延出した部位には、玄関ポーチ4bとバックヤード26とを連通する開口部が形成されており、この開口部を利用して宅配ボックス70が設置されている。また、この宅配ボックス70は、第三正面外壁6から突出する二つの袖壁6aと、これら二つの袖壁6a間の空間を利用して構成されている。
二つの袖壁6aにおける高さ方向中央部付近には、仕切床71が、二つの袖壁6a間に架け渡されて設けられており、荷物を収納する収納部が上下二段に分かれた状態となっている。すなわち、宅配ボックス70は、上方収納部70aと下方収納部70bとを備えている。そのため、宅配物は、上下二段で受け取ることができ、例えば上下二段の収納部で宅配業者を分けることもできる。また、上方収納部70a及び下方収納部70bのうち一方を荷受け用、他方を集荷依頼用としてもよい。
仕切床71は、上方収納部70aの床面(荷物を置く面)として機能する。
下方収納部70bの床は、玄関ポーチ4bと連続する土間床とされており、第四エリア64の床よりも一段低く設定されている。下方収納部70bの床は、玄関ポーチ4bの床と連続しているため、屋外用の物品や重量のある物品を収納するのに好適である。
なお、本実施形態において、宅配ボックス70は仕切床71によって上下2つに分かれた状態となっているが、これに限られるものではなく、上下3つ以上に分かれた状態でもよいし、左右2つ以上に分かれた状態に形成されてもよい。
【0084】
宅配ボックス70のうち、上記の第三正面外壁6に形成された開口部は、仕切床71によって上下に分かれた状態になっている。
そして、第三正面外壁6における上下の開口部の開口縁部には、上方の開口部を開閉する上扉72と、下方の開口部を開閉する下扉73がそれぞれ設けられている。これにより、玄関ポーチ4b側からは、上方収納部70aと下方収納部70bを別々に開閉できるようになっている。
上扉72及び下扉73には、当該扉72,73の閉状態を維持するロック機構と、このロック機構を解除する暗証を入力するための暗証入力部と、を備えているものとする。
【0085】
一方、宅配ボックス70のうち、二つの袖壁6aにおける突出側端部には、これら二つの袖壁6aにおける突出側端部間の開口部を開閉する1枚の内扉74が設けられている。すなわち、二つの袖壁6aにおける突出側端部間の開口部は、仕切床71によって上下に分かれた状態になっているものの、1枚の内扉74によって、いっぺんに開閉できるようになっている。要するに、1枚の内扉74を開ければ、上方収納部70a及び下方収納部70bの双方を見ることができる。そのため、上方収納部70a及び下方収納部70bの双方に荷物が入っていても、一枚の内扉74を開ければ済むので利便性が高い。
なお、内扉74は、グレモンハンドル及び錠によって開け閉めされる構成となっており、遮音性や断熱性等に優れる。
【0086】
宅配ボックス70の天井75(上方収納部70aの天井)と仕切床71の各々には、照明75a,71aが埋め込み設置されており、天井75の下方に位置する上方収納部70aと、仕切床71の下方に位置する下方収納部70bを照らすことができる。
【0087】
続いて、第五エリア65は、水栓及びシンクを有する作業台66(流し台)が設置された作業エリアであり、第四エリア64の南側に位置しているとともに、平面視L字型に形成された半屋外空間50における正面部分の西側に位置している。
第五エリア65のうち、作業台66が設けられていない箇所は、荷捌き等の作業を行うための空間として利用することができる。このような荷捌き等の作業を行うための空間を、以下、第二作業スペースS2と称呼する。第五エリア65における第二作業スペースS2は、第四エリア64における第一作業スペースS1と一体の空間として利用できる。つまり、バックヤード26には、第一作業スペースS1と第二作業スペースS2とを合わせた分の一つの大きな作業スペースSが、第四エリア64と第五エリア65に跨って形成された状態となっている。
このような第五エリア65は、第二正面外壁5と、第三正面外壁6と、この第三正面外壁6から突出する袖壁6aと、西側端部外壁52と、第一外壁14の同一直線上に連続する壁部64bとで囲まれた空間を指している。
【0088】
作業台66は、平面視L字型に形成された天板66aと、天板66aを支持する支持台66bと、を備えており、水栓及びシンクは、天板66aに設けられている。なお、シンクは、例えば洗面台の洗面ボウルのような浅型のタイプよりも、サイズの大きい食材や丈の長い植物などを取り扱うのに好適な深型のタイプが望ましい。作業台66では、
例えばキッチンルーム24bで使用する食材や生花の下処理を行ったり、キッチンルーム24bで使用した道具の洗浄を行ったりすることができる。
天板66aは、平面視L字型に形成されており、第二正面外壁5側に沿う第一部位と、西側端部外壁52側に沿う第二部位と、からなる。水栓及びシンクは、天板66aの第一部位に設けられている。
なお、天板66aの上方には、棚67が設けられている。この棚67は、第二正面外壁5の幅方向に沿って長尺に形成されており、第二正面外壁5と第三正面外壁6と西側端部外壁52とに固定されている。
【0089】
支持台66bは、天板66aの第一部位の下方と、天板66aの第一部位と第二部位とが交差するコーナー部の下方に設けられた状態となっており、内部が収納空間とされている。
また、支持台66bは、天板66aの第二部位のうち、コーナー部を除く部分の下方には設けられておらず、この場所は、第五エリア65に(第二作業スペースS2に向かって)開放された空間となっている。当該開放された空間は、荷捌き等の作業を行った際に出たゴミを一時的に保管するゴミ置き場68とされている。このゴミ置き場68は、壁部64bに隣接しているため、第五エリア65よりも北側からは見えないようになっている。すなわち、壁部64bは、第一出入口26aとゴミ置き場68との間、又は第二出入口26bとゴミ置き場68との間、又は第三出入口26cとゴミ置き場68との間に立設された状態となっており、第一出入口26a、第二出入口26b、第三出入口26cからゴミ置き場68が見えないようにする遮蔽壁(すなわち、遮蔽部)として機能している。なお、本実施形態において遮蔽壁として機能するものは壁部64bであるが、これに限られるものではなく、例えば扉等の建具であってもよいし、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
ゴミ置き場68には、例えば収納ラック等の収納家具を設置して、ゴミを整然と保管できるようにすることが好ましい。
ゴミ置き場68で保管されるゴミは、例えばダンボール箱や粘着テープ類、紐・バンド類、緩衝材類、包装紙や領収書等の紙類など、様々なものが挙げられる。なお、例えば宅配ボックス70を使用したサブスクリプションサービスで用いられる折りたたみコンテナ等のような、ゴミではないものを保管してもよい。
【0090】
第五エリア65には、換気設備が設けられている。本実施形態においては、第五エリア65に面する西側端部外壁52に設けられた窓52aが換気設備として機能するが、これに限られるものではなく、換気扇等の換気装置が用いられてもよい。窓52aが、嵌め殺し窓の場合は、換気装置が積極的に用いられるものとする。
また、このような換気設備は、バックヤード26のうち、第五エリア65以外のエリアに設けられてもよい。
【0091】
なお、バックヤード26の床は、上記のように第一エリア61のみが玄関土間部20aと等しく、その他のエリア62~65の床よりも一段低く設定されて、かつ、その他のエリア62~65の床は等しい高さに設定されているが、これに限られるものではない。すなわち、バックヤード26全体の床が、玄関土間部20aと等しい高さの土間床面とされてもよい。
その場合は、第二エリア62のうち、玄関ホール部20cの上がり框と同一直線上に位置する部位に、廊下22との境界となる上がり框が設けられる。さらに、第四エリア64の東側に位置する出入口用開口部26aの位置に、第一居室24との境界となる上がり框が設けられる。又は、第一居室24の床を、第四エリア64の通路部分における東側端部を構成する一方の壁部64aと他方の壁部64bとの間まで延出した状態とし、当該床の延出部分に上がり框が設けられるものとしてもよい。
【0092】
バックヤード26は、例えば以下のように利用される。
住宅1の住人や来客は、玄関20に入って玄関ホール部20cに直接上がらずに、第一エリア61から第二エリア62に上がって、手洗い器62aで手洗いを済ませ、そのまま廊下22へと進む。なお、第二エリア62の床が、玄関土間部20aから続く土間床である場合は、手洗い器62aで手洗いを済ませた後、玄関土間部20aに戻って、玄関ホール部20cへと進んでもよい。
コートやレインウェアなどは、第一エリア61のハンガーパイプ61aに掛けておく。また、住人の場合は、第二エリア62の棚62dに靴を置いて収納する。
住人は、第一エリア61から第三エリア63側に進んでもよいし、第一居室24から第四エリア64側に進んでもよい。
【0093】
運送業者(宅配業者)は、宅配ボックス70を玄関ポーチ4bから利用する。宅配ボックス70は、上方収納部70aと下方収納部70bに分かれて、上扉72と下扉73で別々に開閉できる。そのため、荷物を住宅1に持ってきた場合は、いずれか一方の収納部70a,70bに荷物を収納し、住宅1から荷物を持って行く場合は、いずれか一方の収納部70a,70bから荷物を取り出す。
【0094】
宅配ボックス70に荷物が収納された場合、住人は、1枚の内扉74を開けて、上方収納部70aと下方収納部70bのいずれか一方もしくは両方から荷物を取り出す。取り出した荷物は、第一居室24に持って行かずに、第四エリア64及び第五エリア65における作業スペースS(S1,S2)で開梱作業を行う。梱包を解いて取り出した物品は、第三エリア63の各棚63a,63b、第五エリア65の棚67や支持台66bの収納部に適宜収納する。第三エリア63や第五エリア65に収納されない物品に関しては、バックヤード26から適宜持ち出す。
荷物の中身が、例えば泥の付いた野菜のように洗浄が必要なものだった場合は、第五エリア65の作業台66ですぐに洗浄を行うことができる。
【0095】
集荷依頼した荷物を宅配ボックス70に収納する場合は、第四エリア64及び第五エリア65における作業スペースS(S1,S2)で梱包作業を行う。梱包作業は、作業台66の天板66a上で行ってもよい。梱包する荷物が、洗浄が必要なものである場合には、第五エリア65の作業台66で洗浄を行ってから梱包作業を行う。
そして、梱包作業が終わった荷物は、1枚の内扉74を開けて、上方収納部70aと下方収納部70bのいずれか一方もしくは両方に収納する。
【0096】
第一居室24で料理教室やフラワーアレンジメント教室を開催する場合には、例えば食材の下ごしらえ、生花の下葉処理や水揚げ(湯揚げ)などの下準備が必要となる。このような下準備は、第五エリア65の作業台66で行うようにする。下準備が終わった食材や生花は、教室の開催までの間、第五エリア65で保管できるものは保管する。
【0097】
荷物の開梱作業や梱包作業、第一居室24で開催する教室の下準備で発生したゴミは、天板66a下のゴミ置き場68にて保管し、ゴミ収集日に適宜ゴミ捨てを行う。また、ゴミに、生ゴミが含まれる場合は、換気設備(本実施形態においては窓52a)にてバックヤード26の換気を行う。
【0098】
バックヤード26は、例えば以上のように利用されるが、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0099】
次に、住宅1の2階について説明する。
まず、1階と2階とを接続する階段23は、踊り場23aを有する折り返し階段とされており、踊り場23aには、北側に位置する背面外壁9に沿って棚23bが設けられている。棚23bは、階段23が設けられた階段室の天井に達する高さに設定されている。
【0100】
階段23を上った先には、東西に伸びる2階の廊下80が配置されている。
この住宅1の2階は、廊下80(後述する壁81)よりも南側のエリアが、廊下80を含む北側のエリアよりも床レベルが高く設定されたスキップフロアとされている。
【0101】
廊下80のうち、階段23と対向して南側に位置する壁81の壁際には、机82が設けられており、机82の利用者は、階段23を背にした状態で椅子に座って作業を行う。
廊下80のうち、机82のあるエリアの西側は、壁81の壁際に棚83が設けられたエリアとなっている。
また、廊下80のうち、棚83のあるエリアの北側であって、かつ、階段23の西側には、部屋84が設けられている。
【0102】
廊下80の東側には、セカンドリビング85が配置されている。
セカンドリビング85は、住宅1における2階の南北に亘って形成されている。そのため、このセカンドリビング85は、南側のエリア85bが、北側のエリア85aよりも床レベルが高く設定された状態となっている。すなわち、セカンドリビング85の南北方向中央には、段差が生じることとなる。
セカンドリビング85における北側のエリア85aは、扉等の無い状態で、廊下80と連続しているため、開放的な空間となっている。
【0103】
北側のエリア85aの北側端部には、ユニット家具86が設置されている。
ユニット家具86は、床の上方に配置される床ユニット86aと、床ユニット86aを支持する複数の脚ユニットと、床ユニット86aの上端部における南側縁部に位置する手摺ユニット86bと、を備えている。床ユニット86aと床との間には下側空間が形成され、床ユニット86aの上方(床ユニット86aと天井との間)には上側空間が形成されている。下側空間の天井高は、例えば0.8m~1.4mに設定され、収納空間として利用することができる。なお、ユニット家具86には階段86cが付属しており、上側空間に上がることができる。また、手摺ユニット86bは、ユニット家具86の前方にいる人が棚として使用できるキャビネット型の手摺ユニット86bとされている。
【0104】
さらに、北側のエリア85aの南側端部には、北側のエリア85aと南側のエリア85bとを接続する階段87が設けられている。この階段87は、下から数えて1段目から4段目まで形成されている。4段目は、南側のエリア85bの床と一体に形成されている。階段の1段目と4段目は、廊下80側端部から第一右側面外壁10に達する幅寸法に設定されており、2段目と3段目は、廊下80側端部から第一右側面外壁10に達しない幅寸法に設定されている。階段87のうち2段目と3段目がない部分の1段目は、主に腰掛けとして利用される。階段87の4段目も腰掛けとして利用できるようになっている。
【0105】
南側のエリア85bには、ソファやテーブル等の家具が適宜設置されている。また、この南側のエリア85bにおける北側端部には、透視性を有するパーティション88が設置されている。
また、南側のエリア85bにおける南西側の一角には、壁に囲まれたテレワークブース89が設けられている。
【0106】
セカンドリビング85における南側のエリア85bの西側には、ベッド90aが設置された主寝室90が設けられている。主寝室90の床と、セカンドリビング85における南側のエリア85bの床は、連続して形成されて同一の高さに設定されている。
主寝室90のうち、壁81の壁際には、クローゼット91が設けられている。
なお、主寝室90の西側には、屋根3の屋根開口部3aの下方に位置するバルコニー3bが設けられている。
また、主寝室90は、東側と西側に出入口が設けられた状態となっているが、これらの出入口には扉が設けられて開閉できるようになっている。
【0107】
主寝室90及び廊下80の西側であって、かつ、バルコニー3bの北側には、洗面所92が配置されている。さらに、洗面所92の北側には、浴室95が配置されている。
洗面所92は、住宅1の2階において、南側のバルコニー3bと北側の浴室95との間に亘って形成されている。そのため、この洗面所92は、南側のエリア92bが、北側のエリア92aよりも床レベルが高く設定された状態となっている。すなわち、洗面所92の南北方向中央には、段差が生じることとなる。
洗面所92における北側のエリア92aは、扉等の無い状態で、廊下80と連続しているため、開放的な空間となっている。
【0108】
北側のエリア92aの南側端部には、北側のエリア92aと南側のエリア92bとを接続する階段93が設けられている。この階段93は、下から数えて1段目から3段目まで形成されている。3段目は、南側のエリア92bの床と一体に形成されている。さらに、主寝室90と洗面所92との間には、主寝室90から洗面所92に向かって突き出た状態に形成された1段の段差90bが設けられている。これにより、洗面所92から主寝室90に至るルートの高低差と、セカンドリビング85における北側のエリア85aから南側のエリア85b(主寝室90)に至るルートの高低差が合致するようになっている。換言すれば、洗面所92における南側のエリア92bは、主寝室90と同じく、スキップフロアとされた2階のうち高い方のエリアに位置していながら、主寝室90よりも床が一段低い状態となっている。
なお、洗面所92における南側のエリア92bの床と、バルコニー3bの床は、略等しい高さに設定されている。
【0109】
洗面所92の西側に位置する左側面外壁8の壁際には、洗面作業台94が設置されている。この洗面作業台94は、北側のエリア92aに設けられて水栓及びボウルを備えた洗面台部94aと、南側のエリア92bに設けられた作業台部94bと、を有している。より詳細には、作業台部94bは、南側のエリア92bの床と洗面台部94aの上面とに跨って設置されている。
なお、洗面所92における南側のエリア92bのうち、主寝室90との間に設けられた段差90bの北側には洗濯機置き場92cが設けられている。作業台部94bは、この洗濯機置き場92cと対向して配置されており、洗濯に係る作業を作業台部94bで行うことができるようになっている。
【0110】
以上のように構成された住宅1の2階は、廊下80の南側に位置する壁81の周囲に、廊下80、セカンドリビング85、主寝室90、洗面所92を含む回遊動線が形成された状態となっている。しかも、この回遊動線は、壁81よりも北側と南側とで床レベルが異なり、階段87,93によって接続されている。住宅1の2階は、このような段差のある回遊動線により、2階全体の移動がしやすく、南北でおおよそのエリア分けが行われた状態となっている。これにより、2階全体の移動のしやすさを実現しつつ、2階の南北で機能を分けたり、南北で雰囲気や環境条件を分けたりしたい、といった要望に対して効果的に対応できることとなる。
また、屋根3は、南側から北側に向かって傾斜する片流れ屋根であるため、2階のうち床レベルの高い南側のエリアの天井高が低くなることを防ぐことができる。さらに、屋根3の傾斜方向下端部側の下方に位置する2階の北側のエリアも、南側のエリアよりも床レベルが低いため、天井高が低くなることを防ぐことができる。
【0111】
本実施形態によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、バックヤード26は、第一出入口26a及び宅配ボックス70に隣接して設けられ、宅配ボックス70に収納される荷物の荷捌き等の作業を行うための作業スペースS(S1,S2)を有するので、作業スペースS(S1,S2)において荷捌き等の作業を行うことができる。そのため、荷物(梱包するダンボールや荷物の中身)が清潔な状態でない場合であっても、荷物を第一居室24に持ち込まずに済み、第一居室24における清潔性を確保できる。さらに、バックヤード26内で荷捌き等の作業を行うことができるので、荷物を持ち運ぶ際に負担を軽減できる。また、荷物の中身が、例えば泥の付いた野菜のように洗浄が必要なものだった場合は、作業台66の水栓及びシンクで洗浄を行うことができるので、第一居室24だけでなく、バックヤード26内における清潔性も確保できる。これにより、使い勝手の良いバックヤード26を備えた住宅1を提供することできる。
【0112】
また、バックヤード26は、玄関20に隣接して設けられ、玄関20とバックヤード26との間に設けられた壁(第三正面外壁6と壁62cとの間)には、玄関20とバックヤード26とを連通する第二出入口26bが形成されているので、第二出入口26bを通じて、玄関20とバックヤード26との間の行き来がしやすく、バックヤード26の使い勝手が良い。
【0113】
また、バックヤード26は、作業スペースS(S1,S2)に隣接して設けられたゴミ置き場68を有するので、荷捌き等の作業を行った際に発生したゴミを、第一居室24に持ち込まずに、バックヤード26内にて保管することができる。そのため、荷物(梱包するダンボールや荷物の中身)が清潔な状態でない場合であっても、荷物を第一居室24に持ち込まずに済み、第一居室24における清潔性を確保できる。
さらに、バックヤード26は、第一出入口26a及び第二出入口26bとゴミ置き場68との間に立設された遮蔽部64b(壁部64b)を有するので、第一居室24及び玄関20からゴミ置き場68が見えにくくなる。そのため、第一居室24や玄関20から見えるバックヤード26の見栄えを良くすることができる。
【0114】
また、バックヤード26は、屋外に空気を排出するための換気設備(例えば窓52a)を有するので、バックヤード26の換気を行うことができ、特にゴミ置き場68で臭いが発生した場合に、その臭いを屋外に排出することができる。
【0115】
また、バックヤード26は、廊下22に隣接して設けられ、廊下22とバックヤード26との間に設けられた壁(第二間仕切り装置18と壁62cとの間)には、廊下22とバックヤード26とを連通する第三出入口26cが形成されているので、第三出入口26cを通じて、廊下22とバックヤード26との間の行き来がしやすく、バックヤード26の使い勝手が良い。
さらに、遮蔽部64b(壁部64b)は、第三出入口26cとゴミ置き場68との間に立設されているので、廊下22からゴミ置き場68が見えにくくなる。そのため、廊下22から見えるバックヤード26の見栄えを良くすることができる。
【0116】
また、手洗い器62aを有する台62bが設置された手洗い場62が、玄関20及び廊下22に隣接する箇所に配置されているので、玄関20から手洗い場62を経由して廊下22に進むことができる。これにより、住人や来客は、手洗い場62で手洗い・うがいを行ってから住宅1の内部に進むことができるので、感染症予防を図ることができるとともに、第一居室24、ひいては住宅1内における清潔性を確保できる。
【0117】
また、玄関20における玄関土間部20aの土間床と、バックヤード26における土間エリア61の土間床は、連続して形成されて略等しい高さに設定されているので、玄関20とバックヤード26との間の移動がしやすく、玄関20とバックヤード26との間での荷物の持ち運びもしやすい。
【0118】
また、作業台66における天板66aは、遮蔽部64bに隣接する部位(第二部位)を有し、当該部位の下方に形成された空間が、ゴミ置き場68とされているので、ゴミ置き場68は天板66aによって隠されて目立ちにくくなる。これにより、バックヤード26内にいる人からもゴミ置き場68が見えにくくなるので、バックヤード26の見栄えを良くすることができる。
【0119】
また、宅配ボックス70が設けられた外壁(第三正面外壁6)には、屋外側からの荷物の出し入れが行われる開口部が、上方収納部70aと下方収納部70bごとに分かれた状態で形成されるとともに、各々の開口部を開閉する上扉72及び下扉73が設けられているので、例えば、上方収納部70a及び下方収納部70bの一つを荷受け用、他の一つを集荷依頼用とするなどして使い分けることができて使い勝手が良い。
【0120】
また、バックヤード26は、作業スペースS(S1,S2)に隣接して設けられた収納部63a,63b,66bを有するので、荷捌き等の作業を行いやすい。特に、荷受けした荷物を開梱して中の物品を収納部63a,63b,66bに収納したり、収納部63a,63b,66bに収納されていた荷物を作業スペースS(S1,S2)で梱包したりする作業が行いやすくなり、使い勝手が良い。
【符号の説明】
【0121】
1 住宅
4b 玄関ポーチ
5 第二正面外壁
6 第三正面外壁
14 第一外壁
16 内壁
18 第二間仕切り装置
20 玄関
22 廊下
24 第一居室
26 バックヤード
26a 第一出入口(出入口用開口部)
26b 第二出入口
26c 第三出入口
31 コンロ付きキッチン台
33 第一扉
52 西側端部外壁
52a 窓
61 第一エリア(土間エリア)
62 第二エリア(手洗いエリア)
62a 手洗い器
62c 壁
63 第三エリア(収納エリア)
64 第四エリア(荷捌きエリア)
64a 壁部
64b 壁部
65 第五エリア(作業エリア)
66 作業台
66a 天板
68 ゴミ置き場
70 宅配ボックス
S 作業スペース
S1 第一作業スペース
S2 第二作業スペース