(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076170
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】位置検出装置
(51)【国際特許分類】
G01D 5/20 20060101AFI20240529BHJP
【FI】
G01D5/20 110H
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187596
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野 司
(72)【発明者】
【氏名】小林 篤史
(72)【発明者】
【氏名】村山 亮介
(72)【発明者】
【氏名】杉戸 達明
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA25
2F077CC02
2F077NN02
2F077NN04
2F077NN16
2F077NN21
2F077PP06
2F077PP21
2F077TT33
2F077TT43
2F077TT49
2F077TT66
2F077TT82
2F077WW04
(57)【要約】
【課題】受信コイルの形成面積を確保可能な位置検出装置を提供すること。
【解決手段】
位置検出装置は、基板100と、基板に形成された送信コイル110と、基板に形成されるとともに、送信コイルへの通電による電磁誘導によって、誘導結合する第1受信コイル120および第2受信コイル130と、を備える。基板は、6個以上の配線層と6個以上の配線層それぞれの間に配置される絶縁層とが交互に積層された多層基板であって、絶縁層の少なくとも1つを貫通して形成されて6個以上の配線層を接続する複数の導電貫通部140を有する。第1受信コイルおよび第2受信コイルは、6個以上の配線層のうち、少なくとも1つの配線層を除く配線層それぞれに複数回巻かれており、複数の導電貫通部を介して接続されている。複数の導電貫通部のうちの少なくとも1つは、第1受信コイルおよび第2受信コイルの内側に配置されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置検出装置であって、
基板(100)と、
前記基板に形成された送信コイル(110)と、
前記基板に形成されるとともに、前記送信コイルへの通電による電磁誘導によって、誘導結合する第1受信コイル(120)および第2受信コイル(130)と、を備え、
前記基板は、6個以上の配線層(102、1001~1010)と前記6個以上の配線層それぞれの間に配置される絶縁層(101)とが交互に積層された多層基板であって、前記絶縁層の少なくとも1つを貫通して形成されて前記6個以上の配線層を接続する複数の導電貫通部(140、1401~1407)を有し、
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、前記6個以上の配線層のうち、少なくとも1つの配線層を除く配線層それぞれに複数回巻かれており、前記複数の導電貫通部を介して接続されており、
前記複数の導電貫通部のうちの少なくとも1つは、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置されている位置検出装置。
【請求項2】
前記基板は、10個の配線層を有し、
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、前記10個の配線層のうち、少なくとも1つの配線層を除く配線層それぞれに複数回巻かれている請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記複数の導電貫通部は、5個の前記絶縁層を貫通して形成される第1導電部(1403、1404、1405)と、1個の前記絶縁層を貫通して形成される第2導電部(1401、1402、1406、1407)とを含み、
前記第1導電部は、前記基板に3個形成されるとともに、少なくとも1つが前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置されており、
前記第2導電部は、前記基板に4個形成されるとともに、少なくとも1つが前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置されている請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記10個の配線層を、前記基板の面方向に対する法線方向における一方側から他方側に向かって、第1配線層(1001)、第2配線層(1002)、第3配線層(1003)、第4配線層(1004)、第5配線層(1005)、第6配線層(1006)、第7配線層(1007)、第8配線層(1008)、第9配線層(1009)、第10配線層(1010)としたとき、
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、前記第5配線層および前記第6配線層を除く前記第1配線層、前記第2配線層、前記第3配線層、前記第4配線層、前記第7配線層、前記第8配線層、前記第9配線層、前記第10配線層それぞれに複数回巻かれており、
前記基板に3個形成される前記第1導電部は、前記第3配線層および前記第4配線層それぞれに形成された前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを接続し、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置される内側3層4層導電部(1403)と、前記第4配線層および前記第7配線層それぞれに形成された前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを接続し、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの外側に配置される外側4層7層導電部(1404)と、前記第7配線層および前記第8配線層それぞれに形成された前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを接続し、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置される内側7層8層導電部(1405)と、を含み、
前記基板に4個形成される前記第2導電部は、前記第1配線層および前記第2配線層それぞれに形成された前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを接続し、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置される内側1層2層導電部(1401)と、前記第2配線層および前記第3配線層それぞれに形成された前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを接続し、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの外側に配置される外側2層3層導電部(1402)と、前記第8配線層および前記第9配線層それぞれに形成された前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを接続し、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの外側に配置される外側8層9層導電部(1406)と、前記第9配線層および前記第10配線層それぞれに形成された前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを接続し、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置される内側9層10層導電部(1407)と、を含む請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記内側1層2層導電部および前記内側9層10層導電部は、前記法線方向において、重なる位置に配置されており、
前記外側2層3層導電部および前記外側8層9層導電部は、前記法線方向において、重なる位置に配置されている請求項4に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記基板は、8個の配線層を有し、
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、前記8個の配線層のうち、少なくとも1つの配線層を除く配線層それぞれに複数回巻かれている請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記複数の導電貫通部は、3個の前記絶縁層を貫通して形成される第1導電部(1403)と、1個の前記絶縁層を貫通して形成される第2導電部(1401、1402、1404、1405)とを含み、
前記第1導電部は、前記基板に1個形成されるとともに、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置されており、
前記第2導電部は、前記基板に4個形成されるとともに、少なくとも1つが前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置されている請求項6に記載の位置検出装置。
【請求項8】
前記基板は、6個の配線層を有し、
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、前記6個の配線層のうち、少なくとも1つの配線層を除く配線層それぞれに複数回巻かれている請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項9】
前記複数の導電貫通部は、3個の前記絶縁層を貫通して形成される第1導電部(1402)と、1個の前記絶縁層を貫通して形成される第2導電部(1401、1403)とを含み、
前記第1導電部は、前記基板に1個形成されるとともに、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置されており、
前記第2導電部は、前記基板に2個形成されるとともに、少なくとも1つが前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置されている請求項8に記載の位置検出装置。
【請求項10】
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、前記6個以上の配線層のうち、中央2個の配線層を除く配線層それぞれに形成されている請求項6ないし9のいずれか1つに記載の位置検出装置。
【請求項11】
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、渦巻状のパターン形状である部分を含む請求項1ないし9のいずれか1つに記載の位置検出装置。
【請求項12】
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルのうちの一方が正弦曲線を描くパターン形状を含み、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルのうち他方が余弦曲線を描くパターン形状を含む請求項1ないし7のいずれか1つに記載の位置検出装置。
【請求項13】
通電する前記送信コイルから影響を受けて電磁誘導による誘導電流を発生させて、発生させた前記誘導電流によって、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルに発生させる誘導起電力を変化させる検出体(30)を備える請求項1ないし9のいずれか1つに記載の位置検出装置。
【請求項14】
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルが出力する前記誘導起電力に基づき、前記検出体の位置を算出する信号処理部(210)を備える請求項13に記載の位置検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転可能な検出体の位置を検出する角度位置センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。この角度位置センサは、2つの励磁コイルと2つの感知コイルとを有する。そして、この角度位置センサは、2つの励磁コイルへの通電により検出体との間に磁界を生じさせ、2つの感知コイルと検出体との間における磁界の変化により生じる検出信号に基づいて検出体の回転角度を検出する。
【0003】
ここで、2つの励磁コイルおよび2つの感知コイルは、4層の多層基板に形成されている。具体的には、2つの励磁コイルのうち、一方の励磁コイルは、第1層および第2層に形成され、2つの励磁コイルのうち、他方の励磁コイルは、第3層および第4層に形成されている。
【0004】
また、2つの感知コイルそれぞれは、第1層から第2層および第3層を介して第4層に至るまで直列的に形成されている。そして、2つの感知コイルそれぞれは、各層において時計回りまたは半時計回りに4回ずつ巻かれて、合計16回巻かれて形成される部位を有する。そして、2つの感知コイルそれぞれは、4つの各層において時計回りまたは半時計回りに巻かれて形成される部位が、多層基板の第1層から第4層まで貫通して形成される3つのビアのうちのいずれかを介して電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者らは、励磁コイルとして機能する送信コイルと感知コイルとして機能する受信コイルを用いた位置検出装置において、受信コイルの巻き数の総数を増加可能な位置検出装置を検討した。受信コイルの巻き数の総数とは、多層基板の各層で巻かれる受信コイルの巻き数を全部加えた合計の数である。受信コイルの総数を増加させる方法としては、多層基板の層数を増加させるとともに、層数を増加させた多層基板の各層に形成する受信コイルの巻き数を増加させる方法がある。
【0007】
しかし、発明者らの鋭意検討によれば、多層基板の全層を貫通してビアのような貫通導電部を形成すると、当該貫通導電部によって、各層における受信コイルを形成可能な部位の面積が減少する。すると、各層において、受信コイルの巻き数が制限され、受信コイルの巻き数の総数を所望の巻き数まで増加させることができない可能性が有る。
【0008】
本開示は、受信コイルの形成面積を確保可能な位置検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、
位置検出装置であって、
基板(100)と、
基板に形成された送信コイル(110)と、
基板に形成されるとともに、送信コイルへの通電による電磁誘導によって、誘導結合する第1受信コイル(120)および第2受信コイル(130)と、を備え、
基板は、6個以上の配線層(102、1001~1010)と6個以上の配線層それぞれの間に配置される絶縁層(101)とが交互に積層された多層基板であって、絶縁層の少なくとも1つを貫通して形成されて6個以上の配線層を接続する複数の導電貫通部(140、1401~1407)を有し、
第1受信コイルおよび第2受信コイルは、6個以上の配線層のうち、少なくとも1つの配線層を除く配線層それぞれに複数回巻かれており、複数の導電貫通部を介して接続されており、
複数の導電貫通部のうちの少なくとも1つは、第1受信コイルおよび第2受信コイルの内側に配置されている。
【0010】
これによれば、6個以上の全ての配線層に第1受信コイルおよび第2受信コイルを形成する場合に比較して、第1受信コイルおよび第2受信コイルを接続するための導電貫通部の数量を減少させることができる。このため、第1受信コイルおよび第2受信コイルそれぞれを形成する各配線層において、第1受信コイルおよび第2受信コイルそれぞれを形成可能な面積を拡大することができる。
【0011】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態の位置検出装置を用いて構成した電動化システムのブロック図である。
【
図2】位置検出装置と駆動部との関係を示す図である。
【
図3】回転平板および位置検出装置の平面図である。
【
図5】
図4中のV-V線に沿った位置検出装置の断面図である。
【
図6】
図5のVIで示す矢印の方向から見た第1実施形態に係るプリント基板の平面図である。
【
図8】第1実施形態に係るプリント基板の断面図である。
【
図9】第1実施形態のプリント基板において、配線層と第1受信コイルとビアとの構成を説明するための図である。
【
図10】第1実施形態のプリント基板において、各配線層に形成される第1受信コイルの接続を説明するための図である。
【
図11】比較例のプリント基板において、配線層と第1受信コイルとビアとの構成を説明するための図である。
【
図12】比較例のプリント基板において、ビアを形成可能な面積を説明するための図である。
【
図13】第2実施形態のプリント基板において、配線層と第1受信コイルとビアとの構成を説明するための図である。
【
図14】第2実施形態のプリント基板における
図6に相当する図である。
【
図15】第3実施形態のプリント基板において、配線層と第1受信コイルとビアとの構成を説明するための図である。
【
図16】第3実施形態のプリント基板における
図6に相当する図である。
【
図17】第4実施形態のプリント基板における
図6に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
【0014】
(第1実施形態)
本実施形態について、
図1~
図12を参照して説明する。本実施形態では、位置検出装置として、検出体の回転を検出する位置検出装置を例に挙げて説明する。なお、本実施形態では、車両に搭載される電動化システムに位置検出装置を適用した例について説明する。
【0015】
〔電動化システム〕
電動化システムは、例えば
図1に示すように、アクチュエータ1、ギア2、駆動部3、ECU4(Electronic Control Unitの略)、位置検出装置S1を備えている。そして、この電動化システムは、次のように作動する。すなわち、アクチュエータ1は、ECU4によって制御され、ECU4の制御にしたがってギア2を回転させる。駆動部3は、後述する検出体を含むものであり、ギア2の回転によって動作する部品で構成されている。位置検出装置S1は、駆動部3に備えられている検出体の変位を検出し、検出信号をECU4に出力する。本実施形態では、後述するように、検出体が回転平板30で構成されており、回転平板30の回転角度をECU4に出力する。そして、ECU4は、位置検出装置S1からの検出信号を加味してアクチュエータ1の制御を行う。
【0016】
次に、位置検出装置S1が配置される駆動部3の構成について説明する。本実施形態では、主機モータやインホイールモータ等のモータに位置検出装置S1を配置した例について説明する。
【0017】
駆動部3は、例えば、モータ用ロータ等が想定され、
図2に示すように、回転軸としてのシャフト10、回転平板30および固定台40等を備えている。そして、これらの各部材10、30、40は、シャフト10の軸方向Daを中心とした同軸状に配置されている。以下、シャフト10の軸方向Daを単に軸方向Daとして説明する。なお、
図2では、見易くするため、位置検出装置S1を構成する後述の送信コイル110、第1受信コイル120、第2受信コイル130を簡略化したものを示している。
【0018】
シャフト10は、例えば、ドライブシャフトであり、円柱状の部材で構成されている。そして、シャフト10は、一端部側にタイヤが備えられ、一端部側と反対側の他端部側が車体側となるように配置される。例えば、
図2では、紙面上側がシャフト10の一端部側となり、紙面下側がシャフト10の他端部側となる。なお、シャフト10は、詳細は省略するが、例えば、図示しない回転輪や軸受部材等が取り付けられ、回転輪が回転可能な状態で軸受部材に支持されている。
【0019】
回転平板30は、金属で構成され、貫通孔30aが形成された円環板状とされている。また、本実施形態の回転平板30は、
図3に示すように、外縁部に複数の凹部31が周方向に均等に形成されている。言い換えると、回転平板30は、外縁部に、周方向に沿って複数の凸部32が配置された構成とされている。つまり、回転平板30は、外縁部に凹部31および凸部32を有する凹凸構造33が周方向に沿って形成された構成とされている。
【0020】
そして、回転平板30は、
図2に示すように、シャフト10の回転に伴って回転するように、貫通孔30aにシャフト10の一端部側が挿通された状態でシャフト10に固定されている。なお、本実施形態では、回転平板30が検出体に相当する。
【0021】
固定台40は、貫通孔40aが形成された板状とされている。そして、シャフト10は、他端部側が固定台40の貫通孔40aに挿通され、図示しない回転輪が回転可能な状態で配置されている。また、固定台40には、軸方向Daにて回転平板30の凸部32と対向するように位置検出装置S1が備えられている。なお、位置検出装置S1は、
図3に示すように、回転平板30との間に所定のギャップ(すなわち、間隔)dを有するように配置される。
【0022】
〔位置検出装置〕
次に、本実施形態の位置検出装置S1の構成について説明する。本実施形態の位置検出装置S1は、
図4および
図5に示すように、一面100aおよび他面100bを有するプリント基板100を有している。そして、位置検出装置S1は、プリント基板100の一面100a側に回路基板200およびターミナル400が配置され、これらが封止部材500によって一体的に封止された構成とされている。以下、プリント基板100の面方向に対する法線方向Dsを単に法線方向Dsとして説明する。なお、プリント基板100の法線方向Dsは、位置検出装置S1が固定台40に備えられた場合には軸方向Daと一致する方向となる。また、プリント基板100には、特に図示していないが、例えば、コンデンサや抵抗体等の各種の電子部品も適宜配置されている。
【0023】
本実施形態のプリント基板100は、円弧板状とされている。詳しくは、プリント基板100は、シャフト10を中心とした仮想円の円弧と一致するように構成されている。つまり、プリント基板100は、当該プリント基板100を円弧とする仮想円がシャフト10を中心とする円と一致する形状とされている。
【0024】
そして、プリント基板100には、
図6に示すように、送信コイル110、第1受信コイル120、第2受信コイル130が形成されている。また、プリント基板100には、
図7に示すように、回路基板200と送信コイル110、第1受信コイル120および第2受信コイル130とを接続する接続配線150が形成されている。なお、
図5では、各送信コイル110、第1受信コイル120および第2受信コイル130を簡易的に示している。
【0025】
具体的には、本実施形態のプリント基板100は、
図8に示すように、絶縁層101と配線層102とが交互に積層された多層基板とされている。本実施形態のプリント基板100は、絶縁層101と配線層102とが交互に積層された6層の貫通基板を有する。そして、プリント基板100は、当該貫通基板における法線方向Dsの一方側および他方側それぞれに2層の絶縁層101および配線層102がさらに積層された10層のビルドアップ基板で構成されている。6層の貫通基板は、コア層とも呼ばれる。また、コア層における法線方向Dsの一方側および他方側それぞれに形成される1つの絶縁層101および1つ配線層102から成る層は、ビルド層とも呼ばれる。本実施形態のプリント基板100は、6層で構成されるコア層の法線方向Dsの一方側および他方側それぞれに2層のビルド層が配置された10層のビルドアップ基板である。絶縁層101は、絶縁体の部材で構成され、例えば、エポキシ樹脂で形成される。配線層102は、導電体の部材で構成され、例えば、銅で形成される。
【0026】
そして、本実施形態のプリント基板100は、10層の配線層102のうち、所定の配線層102を除く配線層102に、第1受信コイル120および第2受信コイル130が形成されている。第1受信コイル120および第2受信コイル130は、
図6に示すように、送信コイル110の内側に配置されている。また、本実施形態のプリント基板100には、配線層102を接続するビア140が形成されている。そして、配線層102に形成された送信コイル110、第1受信コイル120および第2受信コイル130は、当該ビア140を介して適宜接続される。ビア140は、10層の配線層102を電気的に接続する導電貫通部として機能する。配線層102に形成された第1受信コイル120および第2受信コイル130の形状および接続の詳細については後述する。また、プリント基板100には、図示しない複数のパッド部が形成されている。そして、
図5に示すように、プリント基板100には、パッド部と接続されるように、棒状のターミナル400の一端部が接続されている。
【0027】
ターミナル400は、例えば、電源用、グランド用、出力用の3本が備えられている。例えば、出力用のターミナル400は、ECU4に接続され、ECU4に検出体の回転角度を出力するのに用いられる。なお、ターミナル400の数は特に限定されるものではなく、その接続先についてはターミナル400の数に応じて適宜変更されうる。
【0028】
回路基板200は、プリント基板100のうちの送信コイル110、第1受信コイル120、第2受信コイル130が形成される部分と異なる部分に、図示しない接合部材を介して配置されている。そして、回路基板200は、プリント基板100に形成される接続配線150を介して送信コイル110、第1受信コイル120、第2受信コイル130と接続されている。
【0029】
回路基板200は、CPUや、ROM、RAM、不揮発性RAM等の記憶部を備えたマイクロコンピュータ等を含んで構成されており、送信コイル110、第1受信コイル120および第2受信コイル130と接続されている。そして、回路基板200は、CPUがROM、または不揮発性RAMからプログラムを読み出して実行することで各種の制御作動を実現する。なお、ROM、または不揮発性RAMには、プログラムの実行の際に用いられる各種のデータ(例えば、初期値、ルックアップテーブル、マップ等)が予め格納されている。また、ROM等の記憶媒体は、非遷移的実体的記憶媒体である。CPUは、Central Processing Unitの略であり、ROMは、Read Only Memoryの略であり、RAMは、Random Access Memoryの略である。
【0030】
具体的には、回路基板200は、
図7に示すように、送信コイル110、第1受信コイル120および第2受信コイル130と接続されて所定の処理を行う信号処理部210を備えている。信号処理部210は、例えば、発振部220、復調部230、AD変換部240、角度算出部250、出力部260および電源部300を有している。なお、以下では、デジタル信号に変換して処理する例を代表例として説明するが、アナログ信号で処理する場合には、信号処理部210は、AD変換部240等を備えていなくてもよい。
【0031】
封止部材500は、
図4および
図5に示すように、ターミナル400のうちのプリント基板100に接続される一端部と反対側の他端部が露出するように、プリント基板100、回路基板200、ターミナル400を一体的に封止している。以下では、封止部材500において、プリント基板100の形状に沿って円弧板状とされた部分を主部510とし、ターミナル400を封止する部分であり、外部のコネクタとの接続を図る部分をコネクタ部520として説明する。主部510は、例えば、プリント基板100の形状に沿って形成されており、少なくとも内縁側の部分がシャフト10を中心した仮想円の円弧と一致するように形成されている。コネクタ部520は、例えば、法線方向Dsに沿って延設された略円筒状とされ、ターミナル400の他端部を主部510とは反対側に露出させる開口部520aが形成されている。封止部材500は、例えば、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂で構成されている。
【0032】
封止部材500は、円弧板状とされた主部510の周方向における両端部の段差部に、固定台40に固定するための締結部材が挿通されるカラー部530が形成されている。カラー部530は、主部510を厚さ方向に貫通する貫通孔531に、金属製のカラー532が配置されることで構成される。なお、主部510の周方向に段差部が形成されていなくてもよく、主部510の両端部の形状は、固定される側の形状に合わせて適宜変更可能である。
【0033】
以上が本実施形態における位置検出装置S1の構成である。そして、このような位置検出装置S1は、
図2に示すように、軸方向Daにおいて回転平板30と対向するように、固定台40に配置される。具体的には、位置検出装置S1は、
図2および
図3に示すように、回転平板30が回転した際、軸方向Daにて各コイル110、120、130と回転平板30の凸部32とが対向する状態および対向しない状態が交互に繰り返されるように配置されている。
【0034】
〔信号処理部〕
次に、上記の回路基板200における信号処理部210の作動について説明する。
【0035】
発振部220は、
図7に示すように、送信コイル110の両端と接続されており、所定の周波数の交流電流を印加する。なお、送信コイル110の両端と発振部220との間には、例えば、2つのコンデンサ161、162が直列に接続されていると共に、各コンデンサ161、162同士を接続する部分がグランドに接続されている。そして、送信コイル110は、第1受信コイル120で囲まれる領域および第2受信コイル130で囲まれる領域を通過する軸方向Daの磁界を発生させる。但し、送信コイル110と発振部220との接続の仕方は適宜変更可能であり、例えば、送信コイル110の両端と発振部220との間に1つのコンデンサを配置するようにしてもよい。
【0036】
復調部230は、第1受信コイル120の両端および第2受信コイル130の両端と接続されている。そして、復調部230は、第1受信コイル120の後述する第1電圧値V1を復調した第1復調信号を生成すると共に、第2受信コイル130の後述する第2電圧値V2を復調した第2復調信号を生成する。
【0037】
AD変換部240は、例えば、復調部230と、角度算出部250と接続されている。そして、AD変換部240は、第1復調信号をAD変換した第1変換信号Sおよび第2復調信号をAD変換した第2変換信号Cを角度算出部250に出力する。
【0038】
角度算出部250は、例えば、第1変換信号Sおよび第2変換信号Cを用いた逆正接関数を演算して回転平板30の回転角度を算出する。
【0039】
出力部260は、例えば、角度算出部250での演算により得られる回転平板30の回転角度を出力用のターミナル400に出力する。
【0040】
電源部300は、信号処理部210の各部220~260と接続されており、各部220~260に電源の供給を行う。
【0041】
以上が、信号処理部210の基本的な構成である。
【0042】
次に、回転平板30が回転した際の第1受信コイル120の第1電圧値V1および第2受信コイル130の第2電圧値V2について説明する。
【0043】
まず、送信コイル110は、発振部220から所定の周波数の交流電流が印加される。これにより、送信コイル110には電磁誘導が生じる。すると、生じる電磁誘導によって、送信コイル110と、第1受信コイル120および第2受信コイル130とが誘導結合する。そして、第1受信コイル120によって囲まれる領域および第2受信コイル130によって囲まれる領域を通過する軸方向Daの磁界が発生する。また、交流電流によって磁界が変化するため、電磁誘導により、第1受信コイル120に発生する誘導起電力である第1電圧値V1および第2受信コイル130に発生する誘導起電力である第2電圧値V2が変化する。
【0044】
そして、回転平板30の凸部32が送信コイル110、第1受信コイル120、第2受信コイル130と対向すると、電磁誘導によって凸部32に誘導電流である渦電流が発生すると共に渦電流に起因する磁界が発生する。このため、第1受信コイル120によって囲まれる領域および第2受信コイル130によって囲まれる領域を通過する軸方向Daの磁界のうちの凸部32と対向する部分を通過する磁界は、渦電流を起因とする磁界によって相殺される。これにより、第1受信コイル120に発生する第1電圧値V1および第2受信コイル130に発生する第2電圧値V2が変化する。
【0045】
そして、上記のように、凸部32は、周方向に間隔を空けて複数並んで配置されており、互いに隣り合う凸部32の間には凹部31が形成されている。これにより、回転平板30の回転に伴って凸部32と対向する面積が変化し、第1受信コイル120によって囲まれる領域および第2受信コイル130によって囲まれる領域を通過する軸方向Daの磁界のうちの凸部32と対向する部分の大きさが周期的に変化する。このため、回転平板30の回転に伴い、第1受信コイル120に発生する第1電圧値V1および第2受信コイル130に発生する第2電圧値V2は、周期的に変化する。このように、本実施形態の回転平板30は、自身の回転位置に応じて第1受信コイル120に発生する第1電圧値V1および第2受信コイル130に発生する第2電圧値V2を変化させる。
【0046】
〔第1受信コイルおよび第2受信コイルの詳細〕
続いて、配線層102に形成された第1受信コイル120および第2受信コイル130の形状および接続の詳細については後述する。本実施形態のプリント基板100は、上述したように、10層のビルドアップ基板で構成されている。第1受信コイル120および第2受信コイル130は、10層の配線層102のうち、所定の配線層102を除く配線層102に形成されている。
【0047】
本実施形態の第1受信コイル120および第2受信コイル130は、
図6に示すように、主に渦巻形状となっている。そして、第1受信コイル120は、第1正渦巻部121および第1反渦巻部122を有する。第1正渦巻部121および第1反渦巻部122は、第1受信コイル120のうち、渦巻形状を形成する部分である。また、本実施形態の第2受信コイル130は、第2正渦巻部131および第2反渦巻部132を有する。第2正渦巻部131および第2反渦巻部132は、第2受信コイル130のうち、渦巻形状を形成する部分である。
【0048】
これら第1正渦巻部121、第1反渦巻部122、第2正渦巻部131および第2反渦巻部132は、円弧板状に延びるプリント基板100の周方向に沿って所定の間隔を空けて並んで形成されている。具体的には、第1正渦巻部121、第2正渦巻部131、第1反渦巻部122および第2反渦巻部132は、プリント基板100の周方向の一方側から他方側に向かってこの順に並んで形成されている。
【0049】
第1正渦巻部121および第1反渦巻部122は、径を変えながら四角形を描くように形成された渦巻状のパターン形状となっている。そして、第1正渦巻部121および第1反渦巻部122は、10層の配線層102のうち、中央2つの配線層102を除く各配線層102において、コイルが3回ずつ同じ方向に巻かれている。ただし、第1正渦巻部121および第1反渦巻部122は、コイルの巻き方向(すなわち、渦巻きの方向)が互いに逆方向となっている。例えば、第1正渦巻部121は、法線方向Dsの一方側から視たコイルの巻き方向が時計回りになっている。これに対し、第1反渦巻部122は、法線方向Dsの一方側から視たコイルの巻き方向が反時計回りになっている。
【0050】
第2正渦巻部131および第2反渦巻部132は、第1正渦巻部121および第1反渦巻部122と同様、径を変えながら四角形を描くように形成された渦巻状のパターン形状となっている。そして、第2正渦巻部131および第2反渦巻部132は、第1正渦巻部121および第1反渦巻部122と同様、10層の配線層102のうち、中央2つの配線層102を除く各配線層102において、3回ずつ巻かれている。ただし、第2正渦巻部131および第2反渦巻部132は、渦巻きの方向が互いに逆方向となっている。例えば、第2正渦巻部131は、時計回りにコイルが巻かれている。これに対し、第2反渦巻部132は、反時計回りにコイルが巻かれている。
【0051】
また、第1正渦巻部121、第1反渦巻部122、第2正渦巻部131および第2反渦巻部132は、10層のビルドアップ基板の配線層102のうち、複数の配線層102に形成されている。そして、第1正渦巻部121、第1反渦巻部122、第2正渦巻部131および第2反渦巻部132それぞれは、各配線層102に形成されるそれぞれの渦巻部が法線方向Dsにおいて重なるように形成されている。
【0052】
例えば、複数の配線層102に形成される第1正渦巻部121は、それぞれの配線層102に形成される各第1正渦巻部121が法線方向Dsにおいて重なるように形成されている。また、複数の配線層102に形成される第1反渦巻部122は、それぞれの配線層102に形成される各第1反渦巻部122が法線方向Dsにおいて重なるように形成されている。そして、複数の配線層102に形成される第2正渦巻部131は、それぞれの配線層102に形成される各第2正渦巻部131が法線方向Dsにおいて重なるように形成されている。さらに、複数の配線層102に形成される第2反渦巻部132は、それぞれの配線層102に形成される各第2反渦巻部132が法線方向Dsにおいて重なるように形成されている。
【0053】
ここで、10層の配線層102を、
図8に示すように、法線方向Dsにおける一方側から他方側に向かって第1配線層1001、第2配線層1002、第3配線層1003、第4配線層1004、第5配線層1005、第6配線層1006、第7配線層1007、第8配線層1008、第9配線層1009、第10配線層1010とする。
【0054】
本実施形態の第1正渦巻部121、第1反渦巻部122、第2正渦巻部131および第2反渦巻部132は、10層の配線層102のうち、同じ配線層102に形成されている。具体的には、第1正渦巻部121、第1反渦巻部122、第2正渦巻部131および第2反渦巻部132は、第1配線層1001、第2配線層1002、第3配線層1003、第4配線層1004、第7配線層1007、第8配線層1008、第9配線層1009および第10配線層1010に形成されている。換言すれば、第1正渦巻部121、第1反渦巻部122、第2正渦巻部131および第2反渦巻部132は、10層の配線層102のうち、第5配線層1005および第6配線層1006を除く配線層102に形成されている。
【0055】
そして、第1正渦巻部121、第1反渦巻部122、第2正渦巻部131および第2反渦巻部132は、第1配線層1001、第2配線層1002、第3配線層1003、第4配線層1004、第7配線層1007、第8配線層1008、第9配線層1009および第10配線層1010それぞれにおいて、3回ずつコイルが巻かれて形成されている。このため、本実施形態の第1正渦巻部121、第1反渦巻部122、第2正渦巻部131および第2反渦巻部132それぞれのコイルの巻き数の総数は、24回となっている。
【0056】
第1配線層1001、第2配線層1002、第3配線層1003、第4配線層1004、第7配線層1007、第8配線層1008、第9配線層1009および第10配線層1010に形成された第1正渦巻部121、第1反渦巻部122、第2正渦巻部131および第2反渦巻部132のそれぞれは、プリント基板100に形成されたビア140によって接続されている。
【0057】
ここで、第1配線層1001、第2配線層1002、第3配線層1003、第4配線層1004、第7配線層1007、第8配線層1008、第9配線層1009および第10配線層1010の各層に形成された第1正渦巻部121の接続方法は、第1反渦巻部122、第2正渦巻部131および第2反渦巻部132それぞれの接続方法と同様である。このため、本実施形態では、第1正渦巻部121の接続方法についてのみ、
図9および
図10を参照してその詳細を説明し、第1反渦巻部122、第2正渦巻部131および第2反渦巻部132それぞれの接続方法の詳細な説明は省略する。
【0058】
まず、第1正渦巻部121を接続するビア140について説明する。本実施形態のプリント基板100には、
図9に示すように、第1配線層1001、第2配線層1002、第3配線層1003、第4配線層1004、第5配線層1005、第6配線層1006、第7配線層1007、第8配線層1008、第9配線層1009および第10配線層1010を接続する7個のビア140が形成されている。具体的には、プリント基板100には、第1配線層1001および第2配線層1002を接続する第1ビア1401と、第2配線層1002および第3配線層1003を接続する第2ビア1402とが形成されている。また、プリント基板100には、第3配線層1003、第4配線層1004、第5配線層1005および第6配線層1006を接続する第3ビア1403と、第4ビア1404と、第5ビア1405とが形成されている。さらに、プリント基板100には、第8配線層1008および第9配線層1009を接続する第6ビア1406と、第9配線層1009および第10配線層1010を接続する第7ビア1407とが形成されている。
【0059】
第1ビア1401は、第1配線層1001と第2配線層1002との間の1個の絶縁層101を法線方向Dsに貫通して形成されている。第2ビア1402は、第2配線層1002と第3配線層1003との間の1個の絶縁層101を法線方向Dsに貫通して形成されている。第3ビア1403、第4ビア1404および第5ビア1405は、第3配線層1003から第8配線層1008までの間の5個の絶縁層101を法線方向Dsに貫通して形成されている。第6ビア1406は、第8配線層1008と第9配線層1009との間の1個の絶縁層101を法線方向Dsに貫通して形成されている。第7ビア1407は、第9配線層1009と第10配線層1010との間の1個の絶縁層101を法線方向Dsに貫通して形成されている。
【0060】
すなわち、ビア140は、1個の絶縁層101を貫通して形成される第1ビア1401、第2ビア1402、第6ビア1406および第7ビア1407を含んでいる。さらに、ビア140は、5個の絶縁層101を貫通して形成される第3ビア1403、第4ビア1404および第5ビア1405を含んでいる。第3ビア1403、第4ビア1404および第5ビア1405は、5個の絶縁層101を貫通して形成される第1導電部として機能する。第1ビア1401、第2ビア1402、第6ビア1406および第7ビア1407は、1個の絶縁層101を貫通して形成される第2導電部として機能する。
【0061】
第1ビア1401、第2ビア1402、第6ビア1406および第7ビア1407は、ビルド層に対して例えばレーザによって絶縁層101に形成した穴に銅メッキが施されて形成されている。第3ビア1403と、第4ビア1404と、第5ビア1405は、6層の貫通基板で構成されるコア層における全ての配線層102および絶縁層101を貫通して形成された貫通穴に、例えば、銅メッキが施されて形成されている。なお、
図9において、図を見やすくするために各配線層102の間の絶縁層101を省略している。
【0062】
図6および
図9に示すように、第1ビア1401および第7ビア1407は、互いに法線方向Dsにおいて重なる位置に形成されている。そして、第1ビア1401および第7ビア1407は、第2ビア1402、第3ビア1403、第4ビア1404、第5ビア1405および第6ビア1406と法線方向Dsにおいて重ならない位置に形成されている。
【0063】
第2ビア1402および第6ビア1406は、互いに法線方向Dsにおいて重なる位置に形成されている。そして、第2ビア1402および第6ビア1406は、第3ビア1403、第4ビア1404および第5ビア1405と法線方向Dsにおいて重ならない位置に形成されている。
【0064】
第3ビア1403、第4ビア1404および第5ビア1405は、互いに法線方向Dsにおいて重ならない位置に形成されている。
【0065】
そして、第1ビア1401、第2ビア1402、第3ビア1403、第4ビア1404、第5ビア1405、第6ビア1406および第7ビア1407は、
図6に示すように、法線方向Dsにおいて第1正渦巻部121に重ならない位置に形成されている。具体的には、第1ビア1401、第3ビア1403、第5ビア1405および第7ビア1407は、第1正渦巻部121の渦巻き形状の内側に形成されている。これに対して、第2ビア1402、第4ビア1404および第6ビア1406は、第1正渦巻部121の渦巻き形状の外側に形成されている。すなわち、第1ビア1401~第7ビア1407は、第1正渦巻部121の内側に形成されたビア1401、1403、1405、1407と外側に形成されたビア1402、1404、1406とが第1正渦巻部121の内側と外側とに交互に形成されている。
【0066】
本実施形態の第1ビア1401は、内側1層2層導電部に対応する。第2ビア1402は、外側2層3層導電部に対応する。第3ビア1403は、内側3層4層導電部に対応する。第4ビア1404は、外側4層7層導電部に対応する。第5ビア1405は、内側7層8層導電部に対応する。第6ビア1406は、外側8層9層導電部に対応する。第7ビア1407は、内側9層10層導電部に対応する。
【0067】
続いて、第1配線層1001、第2配線層1002、第3配線層1003、第4配線層1004、第7配線層1007、第8配線層1008、第9配線層1009および第10配線層1010それぞれに形成された第1正渦巻部121の接続方法について説明する。なお、以下の説明では、第1配線層1001、第2配線層1002、第3配線層1003、第4配線層1004、第7配線層1007、第8配線層1008、第9配線層1009および第10配線層1010それぞれに形成された第1正渦巻部121をそれぞれ、第1渦巻部1201、第2渦巻部1202、第3渦巻部1203、第4渦巻部1204、第7渦巻部1207、第8渦巻部1208、第9渦巻部1209および第10渦巻部1210とも呼ぶ。
【0068】
第1正渦巻部121は、第1ビア1401、第2ビア1402、第3ビア1403、第4ビア1404、第5ビア1405、第6ビア1406および第7ビア1407によって、各配線層102に形成された部位それぞれが電気的に接続されている。具体的に、
図9に示すように、第1渦巻部1201および第2渦巻部1202は、第1ビア1401を介して接続されている。第2渦巻部1202および第3渦巻部1203は、第2ビア1402を介して接続されている。第3渦巻部1203および第4渦巻部1204は、第3ビア1403を介して接続されている。第4渦巻部1204および第7渦巻部1207は、第4ビア1404を介して接続されている。第7渦巻部1207および第8渦巻部1208は、第5ビア1405を介して接続されている。第8渦巻部1208および第9渦巻部1209は、第6ビア1406を介して接続されている。第9渦巻部1209および第10渦巻部1210は、第7ビア1407を介して接続されている。
【0069】
このように、本実施形態では、第1渦巻部1201、第2渦巻部1202、第3渦巻部1203、第4渦巻部1204、第7渦巻部1207、第8渦巻部1208、第9渦巻部1209および第10渦巻部1210が第1ビア1401、第2ビア1402、第3ビア1403、第4ビア1404、第5ビア1405、第6ビア1406および第7ビア1407を介して電気的に接続されている。
【0070】
そして、第1渦巻部1201および第2渦巻部1202は、第1正渦巻部121の内側に形成された第1ビア1401によって接続されている。第2渦巻部1202および第3渦巻部1203は、第1正渦巻部121の外側に形成された第2ビア1402によって接続されている。第3渦巻部1203および第4渦巻部1204は、第1正渦巻部121の内側に形成された第3ビア1403によって接続されている。第4渦巻部1204および第7渦巻部1207は、第1正渦巻部121の外側に形成された第4ビア1404によって接続されている。第7渦巻部1207および第8渦巻部1208は、第1正渦巻部121の内側に形成された第5ビア1405によって接続されている。第8渦巻部1208および第9渦巻部1209は、第1正渦巻部121の外側に形成された第6ビア1406によって接続されている。第9渦巻部1209および第10渦巻部1210は、第1正渦巻部121の内側に形成された第7ビア1407によって接続されている。
【0071】
このように、各配線層102に形成された第1正渦巻部121は、第1正渦巻部121の内側と外側とに交互に形成された第1ビア1401~第7ビア1407によって電気的に接続されている。
【0072】
また、各配線層102に形成された第1反渦巻部122は、第1反渦巻部122の内側と外側とに交互に形成された第1ビア1401~第7ビア1407によって電気的に接続されている。各配線層102に形成された第2正渦巻部131は、第2正渦巻部131の内側と外側とに交互に形成された第1ビア1401~第7ビア1407によって電気的に接続されている。各配線層102に形成された第2反渦巻部132は、第2反渦巻部132の内側と外側とに交互に形成された第1ビア1401~第7ビア1407によって電気的に接続されている。
【0073】
このように第1ビア1401~第7ビア1407が第1正渦巻部121、第1反渦巻部122、第2正渦巻部131および第2反渦巻部132それぞれの内側と外側とに交互に形成されている理由について第1正渦巻部121を用いて説明する。上述したように、第1渦巻部1201、第2渦巻部1202、第3渦巻部1203、第4渦巻部1204、第7渦巻部1207、第8渦巻部1208、第9渦巻部1209および第10渦巻部1210は、それぞれのコイルの巻き方向が同じ方向(本実施形態では時計回り方向)になっている。そして、第1渦巻部1201、第2渦巻部1202、第3渦巻部1203、第4渦巻部1204、第7渦巻部1207、第8渦巻部1208、第9渦巻部1209および第10渦巻部1210は、法線方向Dsにおいて重なるように形成される。
【0074】
このため、第1渦巻部1201、第2渦巻部1202、第3渦巻部1203、第4渦巻部1204、第7渦巻部1207、第8渦巻部1208、第9渦巻部1209および第10渦巻部1210のうちの互いに隣り合う渦巻部は、
図10に示すように、渦巻きの方向が時計回り方向であって、外側から内側に向かう方向と内側から外側に向かう方向とが交互となって形成されることとなる。
【0075】
例えば、第1渦巻部1201は、外側から内側に向かってコイルが巻かれて形成されるとする。この場合、第1渦巻部1201が形成される第1配線層1001の隣の第2配線層1002に形成される第2渦巻部1202は、内側から外側に向かってコイルが巻かれて形成される。そして、第2渦巻部1202が形成される第2配線層1002の隣の第3配線層1003に形成される第3渦巻部1203は、外側から内側に向かってコイルが巻かれて形成される。
【0076】
そして本実施形態では、第1正渦巻部121は、第1配線層1001~第10配線層1010のうち、第5配線層1005および第6配線層1006を除く第1配線層1001、第2配線層1002、第3配線層1003、第4配線層1004、第7配線層1007、第8配線層1008、第9配線層1009および第10配線層1010に形成されている。
【0077】
なお、
図9では、各配線層102と第1正渦巻部121との電気的な接続を分かり易くするため、各配線層102と、第1正渦巻部121と、ビア140とを模式的に示している。そして、第1正渦巻部121が形成されている配線層102を実線で示し、第1正渦巻部121が形成されていない配線層102を破線で示している。第1渦巻部1201、第2渦巻部1202、第3渦巻部1203、第4渦巻部1204、第7渦巻部1207、第8渦巻部1208、第9渦巻部1209および第10渦巻部1210が電気的に接続している部分を太線で示している。
【0078】
また、
図10では、第1正渦巻部121が形成される各配線層102において、法線方向Dsの一歩うぐぁから視た際に現れるビア140を実線で示し、現れないビア140を破線で示している。また、各ビア140間の電気的接続を一点鎖線で示している。
【0079】
続いて、第1正渦巻部121が第1配線層1001~第10配線層1010のうち、第5配線層1005および第6配線層1006に形成されていない理由について説明する。
【0080】
仮に、第5配線層1005および第6配線層1006に第1正渦巻部121を形成する場合、これら第5配線層1005および第6配線層1006に形成される第1正渦巻部121を接続するビア140をプリント基板100に追加する必要がある。
【0081】
具体的には、第5配線層1005および第6配線層1006に第1正渦巻部121を形成する場合、プリント基板100には、第4渦巻部1204と第5配線層1005に形成される第1正渦巻部121とを接続するためのビア140が必要となる。また、プリント基板100には、第5配線層1005に形成される第1正渦巻部121と第6配線層1006に形成される第1正渦巻部121とを接続するためのビア140が必要となる。さらに、プリント基板100には、第6配線層1006に形成される第1正渦巻部121と第7渦巻部1207とを接続するためのビア140が必要となる。
【0082】
ここで、
図11に示すように、第5配線層1005および第6配線層1006に第1正渦巻部121を形成した基板を比較プリント基板100Aとする。そして、比較プリント基板100Aにおいて第5配線層1005に形成される第1正渦巻部121を第5渦巻部1205、第6配線層1006に形成される第1正渦巻部121を第6渦巻部1206とする。また、第4渦巻部1204と第5渦巻部1205とを接続するためのビア140を第8ビア1408、第5渦巻部1205と第6渦巻部1206とを接続するためのビア140を第9ビア1409とする。なお、第8ビア1408および第9ビア1409が形成される場合、第4ビア1404は、第6渦巻部1206と第7渦巻部1207とを接続するとする。
【0083】
図11に示すように、第4渦巻部1204と第5渦巻部1205とを接続する第8ビア1408は、第3ビア1403と、第4ビア1404とおよび第5ビア1405と同様、6層の貫通基板で構成されるコア層を貫通して形成される。また、第5渦巻部1205と第6渦巻部1206とを接続する第9ビア1409も、第3ビア1403と、第4ビア1404とおよび第5ビア1405と同様、6層の貫通基板で構成されるコア層を貫通して形成される。
【0084】
ここで、第1渦巻部1201~第10渦巻部1210は、法線方向Dsにおいて重なるように形成される必要がある。そして、第1ビア1401~第9ビア1409は、
図12に示すように、法線方向Dsにおいて第1正渦巻部121に重ならない位置に形成される必要がある。
【0085】
さらに、第1ビア1401~第9ビア1409は、上述したように、第1正渦巻部121の内側と外側とに交互に形成される必要がある。このため、第1正渦巻部121の内側に形成される第3ビア1403の次となる第8ビア1408は、
図12に示すように、第1正渦巻部121の外側に形成される。また、第1正渦巻部121の外側に形成される第8ビア1408の次となる第9ビア1409は、第1正渦巻部121の内側に形成される。
【0086】
そして、比較プリント基板100Aの10層全ての配線層102に第1正渦巻部121を形成するにあたり、第1正渦巻部121は、法線方向Dsにおいてこれら第1ビア1401~第9ビア1409に重ならない位置に形成する必要がある。すると、配線層102における第1正渦巻部121を形成可能な表面積が制限されることとなる。具体的には、比較プリント基板100Aに第9ビア1409を追加することによって、配線層102における第1正渦巻部121の内側に、渦巻状のコイルを形成可能な表面積が減少する。換言すれば、本実施形態のプリント基板100に比較して、比較プリント基板100Aは、配線層102における第1正渦巻部121を形成可能な表面積が減少する。
【0087】
これにより、比較プリント基板100Aは、本実施形態のプリント基板100に比較して、第1正渦巻部121の内側に第9ビア1409を追加することによって、第1正渦巻部121の内側に形成可能なコイルの巻き数が減少する。例えば、第9ビア1409を追加することによって、第1正渦巻部121における可能なコイルの巻き数が3回から2回に減少する。すると、比較プリント基板100Aにおける第1正渦巻部121は、20回巻かれたコイルによって構成されることとなる。換言すれば、第1正渦巻部121を構成するコイルの巻き数の総数が20回となる。
【0088】
ところで、回転平板30の回転に伴い、第1受信コイル120に発生する第1電圧値V1および第2受信コイル130に発生する第2電圧値V2は、第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれのコイルの巻き数の総数に応じて変化する。具体的には、第1電圧値V1および第2電圧値V2は、第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれのコイルの巻き数の総数が多いほど大きくなる。
【0089】
このため、第1正渦巻部121を構成するコイルの巻き数の総数が本実施形態のプリント基板100に比較して減少する比較プリント基板100Aは、本実施形態のプリント基板100に比較して第1電圧値V1および第2電圧値V2が小さくなる。
【0090】
これに対して、本実施形態の位置検出装置S1は、10個の配線層102と10個の配線層102それぞれの間に配置される絶縁層101とが交互に積層された多層基板であるプリント基板100を備える。10個の配線層102は、少なくとも1つの絶縁層101を貫通して形成されるビア140によって電気的に接続される。
【0091】
第1受信コイル120および第2受信コイル130は、10個の配線層102のうち、第5配線層1005および第6配線層1006を除く第1配線層1001、第2配線層1002、第3配線層1003、第4配線層1004、第7配線層1007、第8配線層1008、第9配線層1009および第10配線層1010それぞれに3回巻かれている。そして、これら第1配線層1001、第2配線層1002、第3配線層1003、第4配線層1004、第7配線層1007、第8配線層1008、第9配線層1009および第10配線層1010それぞれに形成された第1受信コイル120および第2受信コイル130は、ビア140を介して接続されている。
【0092】
これによれば、10個全ての配線層102に第1受信コイル120および第2受信コイル130を形成する場合に比較して、第1受信コイル120および第2受信コイル130を接続するためのビア140の数量を減少させることができる。このため、第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれを形成する各配線層102において、第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれを形成可能な表面積を拡大することができる。
【0093】
したがって、第1受信コイル120および第2受信コイル130を形成する各配線層102における第1受信コイル120および第2受信コイル130を構成するコイルの巻き数を増加させ易い。そして、第1受信コイル120および第2受信コイル130を構成するコイルの巻き数を増加することによって、プリント基板100全体における第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれのコイルの巻き数の総数を増加させることができる。
【0094】
そして、第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれのコイルの巻き数の総数を増加させることによって、第1受信コイル120に発生する第1電圧値V1および第2受信コイル130に発生する第2電圧値V2を大きくすることができる。
【0095】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、
図13および
図14を参照して説明する。本実施形態では、プリント基板100の構成が第1実施形態と相違している。これ以外は、第1実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
【0096】
本実施形態のプリント基板100は、絶縁層101と配線層102とが交互に積層された4層の貫通基板を有する。そして、プリント基板100は、当該貫通基板における法線方向Dsの一方側および他方側それぞれに2層の絶縁層101および配線層102がさらに積層された8層のビルドアップ基板で構成されている。本実施形態のプリント基板100は、4層で構成されるコア層の法線方向Dsの一方側および他方側それぞれに2層のビルド層が配置された8層のビルドアップ基板である。そして、本実施形態のプリント基板100は、
図13に示すように、第1配線層1001~第8配線層1008を有する。
【0097】
また、プリント基板100には、8層の配線層102のうち、中央2つの配線層102を除く各配線層102において、第1受信コイル120および第2受信コイル130が3回ずつ同じ方向に巻かれている。すなわち、第1受信コイル120および第2受信コイル130は、第4配線層1004および第5配線層1005を除く第1配線層1001、第2配線層1002、第3配線層1003、第6配線層1006、第7配線層1007および第8配線層1008に3回ずつ巻かれて形成されている。
【0098】
また、プリント基板100には、第1配線層1001および第2配線層1002を接続する第1ビア1401と、第2配線層1002および第3配線層1003を接続する第2ビア1402とが形成されている。また、プリント基板100には、第3配線層1003、第4配線層1004、第5配線層1005および第6配線層1006を接続する第3ビア1403が形成されている。さらに、プリント基板100には、第6配線層1006および第7配線層1007を接続する第4ビア1404と、第7配線層1007および第8配線層1008を接続する第5ビア1405とが形成されている。
【0099】
第1ビア1401は、第1配線層1001と第2配線層1002との間の1個の絶縁層101を法線方向Dsに貫通して形成されている。第2ビア1402は、第2配線層1002と第3配線層1003との間の1個の絶縁層101を法線方向Dsに貫通して形成されている。第3ビア1403は、第3配線層1003から第6配線層1006までの間の3個の絶縁層101を法線方向Dsに貫通して形成されている。第4ビア1404は、第6配線層1006と第7配線層1007との間の1個の絶縁層101を法線方向Dsに貫通して形成されている。第5ビア1405は、第7配線層1007と第8配線層1008との間の1個の絶縁層101を法線方向Dsに貫通して形成されている。
【0100】
すなわち、ビア140は、1個の絶縁層101を貫通して形成される第1ビア1401、第2ビア1402、第4ビア1404および第5ビア1405と、3個の絶縁層101を貫通して形成される第3ビア1403を含んでいる。第3ビア1403は、3個の絶縁層101を貫通して形成される第1導電部として機能する。第1ビア1401、第2ビア1402、第4ビア1404および第5ビア1405は、1個の絶縁層101を貫通して形成される第2導電部として機能する。
【0101】
図13および
図14に示すように、第1ビア1401および第5ビア1405は、互いに法線方向Dsにおいて重なる位置に形成されている。そして、第1ビア1401および第5ビア1405は、第2ビア1402、第3ビア1403および第4ビア1404と法線方向Dsにおいて重ならない位置に形成されている。
【0102】
第2ビア1402は、第3ビア1403および第4ビア1404と法線方向Dsにおいて重ならない位置に形成されている。
【0103】
第3ビア1403および第4ビア1404は、法線方向Dsにおいて重ならない位置に形成されている。
【0104】
そして、第1ビア1401、第2ビア1402、第3ビア1403、第4ビア1404および第5ビア1405は、
図14に示すように、法線方向Dsにおいて第1受信コイル120および第2受信コイル130に重ならない位置に形成されている。具体的には、第1ビア1401、第3ビア1403および第5ビア1405は、第1受信コイル120および第2受信コイル130の渦巻き形状の内側に形成されている。これに対して、第2ビア1402および第4ビア1404は、第1受信コイル120および第2受信コイル130の渦巻き形状の外側に形成されている。第1ビア1401~第5ビア1405は、第1受信コイル120および第2受信コイル130の内側に形成されたビア1401、1403、1405と外側に形成されたビア1402、1404とが内側と外側とに交互に形成されている。
【0105】
そして、第1配線層1001、第2配線層1002、第3配線層1003、第6配線層1006、第7配線層1007および第8配線層1008に形成された第1受信コイル120は、第1受信コイル120の内側と外側とに交互に形成された第1ビア1401~第5ビア1405によって電気的に接続されている。また、第1配線層1001、第2配線層1002、第3配線層1003、第6配線層1006、第7配線層1007および第8配線層1008に形成された第2受信コイル130は、第2受信コイル130の内側と外側とに交互に形成された第1ビア1401~第5ビア1405によって電気的に接続されている。
【0106】
例えば、第1配線層1001に形成された第1受信コイル120および第2配線層1002に形成された第1受信コイル120は、第1受信コイル120の内側に形成された第1ビア1401によって接続されている。第2配線層1002に形成された第1受信コイル120および第3配線層1003に形成された第1受信コイル120は、第1受信コイル120の外側に形成された第2ビア1402によって接続されている。第3配線層1003に形成された第1受信コイル120および第6配線層1006に形成された第1受信コイル120は、第1受信コイル120の内側に形成された第3ビア1403によって接続されている。第6配線層1006に形成された第1受信コイル120および第7配線層1007に形成された第1受信コイル120は、第1受信コイル120の外側に形成された第4ビア1404によって接続されている。第7配線層1007に形成された第1受信コイル120および第8配線層1008に形成された第1受信コイル120は、第1受信コイル120の内側に形成された第5ビア1405によって接続されている。
【0107】
これによれば、8個全ての配線層102に第1受信コイル120および第2受信コイル130を形成する場合に比較して、第1受信コイル120および第2受信コイル130を接続するためのビア140の数量を減少させることができる。このため、第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれを形成する各配線層102において、第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれを形成可能な表面積を拡大することができる。
【0108】
したがって、第1受信コイル120および第2受信コイル130を形成する各配線層102における第1受信コイル120および第2受信コイル130を構成するコイルの巻き数を増加させ易い。そして、第1受信コイル120および第2受信コイル130を構成するコイルの巻き数を増加することによって、プリント基板100全体における第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれのコイルの巻き数の総数を増加させることができる。
【0109】
そして、第1受信コイル120および第2受信コイル130を構成するコイルの巻き数の総数を増加させることによって、第1受信コイル120に発生する第1電圧値V1および第2受信コイル130に発生する第2電圧値V2を大きくすることができる。
【0110】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、
図15および
図16を参照して説明する。本実施形態では、プリント基板100の構成が第1実施形態と相違している。これ以外は、第1実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
【0111】
本実施形態のプリント基板100は、絶縁層101と配線層102とが交互に積層された4層の貫通基板を有する。そして、プリント基板100は、当該貫通基板における法線方向Dsの一方側および他方側それぞれに1層の絶縁層101および配線層102がさらに積層された6層のビルドアップ基板で構成されている。そして、本実施形態のプリント基板100は、
図15に示すように、第1配線層1001~第6配線層1006を有する。
【0112】
また、プリント基板100には、6層の配線層102のうち、中央2つの配線層102を除く各配線層102において、第1受信コイル120および第2受信コイル130が3回ずつ同じ方向に巻かれている。すなわち、第1受信コイル120および第2受信コイル130は、第3配線層1003および第4配線層1004を除く第1配線層1001、第2配線層1002、第5配線層1005および第6配線層1006それぞれに3回ずつ巻かれて形成されている。
【0113】
また、プリント基板100には、第1配線層1001および第2配線層1002を接続する第1ビア1401と、第2配線層1002、第3配線層1003、第4配線層1004および第5配線層1005を接続する第2ビア1402が形成されている。さらに、プリント基板100には、第5配線層1005および第6配線層1006を接続する第3ビア1403が形成されている。
【0114】
第1ビア1401は、第1配線層1001と第2配線層1002との間の1個の絶縁層101を法線方向Dsに貫通して形成されている。第2ビア1402は、第2配線層1002から第5配線層1005までの間の3個の絶縁層101を法線方向Dsに貫通して形成されている。第3ビア1403は、第5配線層1005と第6配線層1006との間の1個の絶縁層101を法線方向Dsに貫通して形成されている。
【0115】
すなわち、ビア140は、1個の絶縁層101を貫通して形成される第1ビア1401および第3ビア1403と、3個の絶縁層101を貫通して形成される第2ビア1402を含んでいる。第2ビア1402は、3個の絶縁層101を貫通して形成される第1導電部として機能する。第1ビア1401および第3ビア1403は、1個の絶縁層101を貫通して形成される第2導電部として機能する。
【0116】
第1ビア1401、第2ビア1402および第3ビア1403は、互いに法線方向Dsにおいて重ならない位置に形成されている。
【0117】
そして、第1ビア1401、第2ビア1402および第3ビア1403は、
図16に示すように、法線方向Dsにおいて第1受信コイル120および第2受信コイル130に重ならない位置に形成されている。具体的には、第1ビア1401および第3ビア1403は、第1受信コイル120および第2受信コイル130の渦巻き形状の内側に形成されている。これに対して、第2ビア1402は、第1受信コイル120および第2受信コイル130の渦巻き形状の外側に形成されている。第1ビア1401~第3ビア1403は、第1受信コイル120の内側に形成されたビア1401、1403と外側に形成されたビア1402とが内側と外側とに交互に形成されている。
【0118】
そして、第1配線層1001、第2配線層1002、第5配線層1005および第6配線層1006に形成された第1受信コイル120および第2受信コイル130は、第1受信コイル120の内側と外側とに交互に形成された第1ビア1401~第3ビア1403によって電気的に接続されている。
【0119】
例えば、第1配線層1001に形成された第1受信コイル120および第2配線層1002に形成された第1受信コイル120は、第1受信コイル120の内側に形成された第1ビア1401によって接続されている。第2配線層1002に形成された第1受信コイル120および第5配線層1005に形成された第1受信コイル120は、第1受信コイル120の外側に形成された第2ビア1402によって接続されている。第5配線層1005に形成された第1受信コイル120および第6配線層1006に形成された第1受信コイル120は、第1受信コイル120の内側に形成された第3ビア1403によって接続されている。
【0120】
これによれば、6個全ての配線層102に第1受信コイル120および第2受信コイル130を形成する場合に比較して、第1受信コイル120および第2受信コイル130を接続するためのビア140の数量を減少させることができる。このため、第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれを形成する各配線層102において、第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれを形成可能な表面積を拡大することができる。
【0121】
したがって、第1受信コイル120および第2受信コイル130を形成する各配線層102における第1受信コイル120および第2受信コイル130を構成するコイルの巻き数を増加させ易い。そして、第1受信コイル120および第2受信コイル130を構成するコイルの巻き数を増加することによって、プリント基板100全体における第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれのコイルの巻き数の総数を増加させることができる。
【0122】
そして、第1受信コイル120および第2受信コイル130を構成するコイルの巻き数の総数を増加させることによって、第1受信コイル120に発生する第1電圧値V1および第2受信コイル130に発生する第2電圧値V2を大きくすることができる。
【0123】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、
図17を参照して説明する。本実施形態では、第1受信コイル120および第2受信コイル130のパターン形状が第1実施形態と相違している。これ以外は、第1実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
【0124】
本実施形態の第1受信コイル120および第2受信コイル130は、
図17に示すように、法線方向Dsにおいて、コイルが4回巻かれて、一方向(すなわち、プリント基板100の周方向)を長手方向とする円弧枠状に形成されている。
【0125】
また、第1受信コイル120および第2受信コイル130は、法線方向Dsにおいて、送信コイル110の内側に配置されている。また、第1受信コイル120および第2受信コイル130は、互いに干渉しない(すなわち、同じ層内で重ならない)ように、ビア140を介して異なる配線層102が適宜接続されることで構成されている。
【0126】
第1受信コイル120は、閉ループの正弦波状となるように正弦曲線を描くパターン形状で形成されている。そしてコイルが4回巻かれて形成される第1受信コイル120は、各巻かれている部分が、一巻き毎にそれぞれ、振幅方向に所定の大きさだけオフセットされて形成されている。そして、4回巻かれて形成される第1受信コイル120は、各巻かれている部分が直列的に接続されており、一筆書きで形成されている。
【0127】
第2受信コイル130は、閉ループの余弦波状となるように余弦曲線を描くパターン形状で形成されている。そしてコイルが4回巻かれて形成される第2受信コイル130は、各巻かれている部分が、一巻き毎にそれぞれ、振幅方向に所定の大きさだけオフセットされて形成されている。そして、4回巻かれて形成される第1受信コイル120は、各巻かれている部分が直列的に接続されており、一筆書きで形成されている。
【0128】
なお、複数回巻かれて形成される第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれは、位相がずれて形成されていてもよい。また、第1受信コイル120は、閉ループの余弦波状となるように余弦曲線を描くパターン形状で形成されていてもよい。この場合、第2受信コイル130は、閉ループの正弦波状となるように正弦曲線を描くパターン形状で形成される。
【0129】
また、第1受信コイル120および第2受信コイル130は、10層の配線層102のうち、第1配線層1001、第2配線層1002、第3配線層1003、第4配線層1004、第7配線層1007、第8配線層1008、第9配線層1009および第10配線層1010に形成されている。換言すれば、第1受信コイル120および第2受信コイル130は、10層の配線層102のうち、第5配線層1005および第6配線層1006を除く配線層102に形成されている。
【0130】
そして、10層の配線層102のうち、第1受信コイル120および第2受信コイル130が形成されて互いに隣り合う配線層102がビア140で接続されている。
【0131】
例えば、第1配線層1001に形成された第1受信コイル120および第2配線層1002に形成された第1受信コイル120は、第1配線層1001と第2配線層1002との間に形成されたビア140によって接続されている。第2配線層1002に形成された第1受信コイル120および第3配線層1003に形成された第1受信コイル120は、第2配線層1002と第3配線層1003との間に形成されたビア140によって接続されている。第3配線層1003に形成された第1受信コイル120および第4配線層1004に形成された第1受信コイル120は、第3配線層1003と第4配線層1004との間に形成されたビア140によって接続されている。
【0132】
第5配線層1005に形成された第1受信コイル120および第7配線層1007に形成された第1受信コイル120は、第5配線層1005から第7配線層1007に至るまで貫通して形成されたビア140によって接続されている。
【0133】
第7配線層1007に形成された第1受信コイル120および第8配線層1008に形成された第1受信コイル120は、第7配線層1007と第8配線層1008との間に形成されたビア140によって接続されている。第8配線層1008に形成された第1受信コイル120および第9配線層1009に形成された第1受信コイル120は、第8配線層1008と第9配線層1009との間に形成されたビア140によって接続されている。第9配線層1009に形成された第1受信コイル120および第10配線層1010に形成された第1受信コイル120は、第9配線層1009と第10配線層1010との間に形成されたビア140によって接続されている。
【0134】
なお、
図17では、見易くするため、第1配線層1001~第10配線層1010のうち、第1受信コイル120および第2受信コイル130が形成されて互いに隣り合う配線層102に形成される第1受信コイル120および第2受信コイル130を実線および破線を用いて示している。
【0135】
これによれば、10個全ての配線層102に第1受信コイル120および第2受信コイル130を形成する場合に比較して、第1受信コイル120および第2受信コイル130を接続するためのビア140の数量を減少させることができる。第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれを形成する各配線層102において、第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれを形成可能な表面積を拡大することができる。
【0136】
したがって、第1受信コイル120および第2受信コイル130を形成する各配線層102における第1受信コイル120および第2受信コイル130を構成するコイルの巻き数を増加させ易い。そして、第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれのコイルの巻き数を増加することによって、プリント基板100全体における第1受信コイル120および第2受信コイル130それぞれのコイルの巻き数の総数を増加させることができる。
【0137】
そして、第1受信コイル120および第2受信コイル130を構成するコイルの巻き数の総数を増加させることによって、第1受信コイル120に発生する第1電圧値V1および第2受信コイル130に発生する第2電圧値V2を大きくすることができる。
【0138】
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
【0139】
上述の実施形態では、位置検出装置S1が車両に搭載される電動化システムに適用される例について説明したが、これに限定されない。例えば、位置検出装置S1は、車両以外に搭載されて用いられてもよい。
【0140】
上述の実施形態では、位置検出装置S1が回転する検出体の回転角度を検出する例について説明したが、これに限定されない。例えば、位置検出装置S1は、直動する検出体の変位量を検出してもよい。
【0141】
上述の実施形態では、第1受信コイル120および第2受信コイル130が2回、または3回巻かれている例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1受信コイル120および第2受信コイル130は、4回以上巻かれていてもよい。
【0142】
上述の実施形態では、プリント基板100が6層、8層または10層のビルドアップ基板で構成されている例について説明したが、これに限定されない。プリント基板100の層の数は適宜変更可能である。
【0143】
上述の実施形態では、プリント基板100が6層、8層または10層のビルドアップ基板であって、第1受信コイル120および第2受信コイル130が中央2つの配線層102を除く配線層102に形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1受信コイル120および第2受信コイル130は、6層、8層または10層のビルドアップ基板における中央2つの配線層102とは異なる配線層102に形成されていない構成であってもよい。また、第1受信コイル120および第2受信コイル130は、6層、8層または10層のビルドアップ基板における1つまたは3つ以上の配線層102に形成されていない構成であってもよい。
【0144】
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0145】
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
【0146】
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
【0147】
本開示の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータで、実現されてもよい。本開示の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータで、実現されてもよい。本開示の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせで構成された一つ以上の専用コンピュータで、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0148】
(本発明の特徴)
[請求項1]
位置検出装置であって、
基板(100)と、
前記基板に形成された送信コイル(110)と、
前記基板に形成されるとともに、前記送信コイルへの通電による電磁誘導によって、誘導結合する第1受信コイル(120)および第2受信コイル(130)と、を備え、
前記基板は、6個以上の配線層(102、1001~1010)と前記6個以上の配線層それぞれの間に配置される絶縁層(101)とが交互に積層された多層基板であって、前記絶縁層の少なくとも1つを貫通して形成されて前記6個以上の配線層を接続する複数の導電貫通部(140、1401~1407)を有し、
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、前記6個以上の配線層のうち、少なくとも1つの配線層を除く配線層それぞれに複数回巻かれており、前記複数の導電貫通部を介して接続されており、
前記複数の導電貫通部のうちの少なくとも1つは、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置されている位置検出装置。
【0149】
[請求項2]
前記基板は、10個の配線層を有し、
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、前記10個の配線層のうち、少なくとも1つの配線層を除く配線層それぞれに複数回巻かれている請求項1に記載の位置検出装置。
【0150】
[請求項3]
前記複数の導電貫通部は、5個の前記絶縁層を貫通して形成される第1導電部(1403、1404、1405)と、1個の前記絶縁層を貫通して形成される第2導電部(1401、1402、1406、1407)とを含み、
前記第1導電部は、前記基板に3個形成されるとともに、少なくとも1つが前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置されており、
前記第2導電部は、前記基板に4個形成されるとともに、少なくとも1つが前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置されている請求項2に記載の位置検出装置。
【0151】
[請求項4]
前記10個の配線層を、第1配線層(1001)、第2配線層(1002)、第3配線層(1003)、第4配線層(1004)、第5配線層(1005)、第6配線層(1006)、第7配線層(1007)、第8配線層(1008)、第9配線層(1009)、第10配線層(1010)としたとき、
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、前記第5配線層および前記第6配線層を除く前記第1配線層、前記第2配線層、前記第3配線層、前記第4配線層、前記第7配線層、前記第8配線層、前記第9配線層、前記第10配線層それぞれに複数回巻かれており、
前記基板に3個形成される前記第1導電部は、前記第3配線層および前記第4配線層それぞれに形成された前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを接続し、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置される内側3層4層導電部(1403)と、前記第4配線層および前記第7配線層それぞれに形成された前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを接続し、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの外側に配置される外側4層7層導電部(1404)と、前記第7配線層および前記第8配線層それぞれに形成された前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを接続し、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置される内側7層8層導電部(1405)と、を含み、
前記基板に4個形成される前記第2導電部は、前記第1配線層および前記第2配線層それぞれに形成された前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを接続し、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置される内側1層2層導電部(1401)と、前記第2配線層および前記第3配線層それぞれに形成された前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを接続し、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの外側に配置される外側2層3層導電部(1402)と、前記第8配線層および前記第9配線層それぞれに形成された前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを接続し、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの外側に配置される外側8層9層導電部(1406)と、前記第9配線層および前記第10配線層それぞれに形成された前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを接続し、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置される内側9層10層導電部(1407)と、を含む請求項3に記載の位置検出装置。
【0152】
[請求項5]
前記内側1層2層導電部および前記内側9層10層導電部は、前記基板の面方向に対する法線方向Dsにおいて、重なる位置に配置されており、
前記外側2層3層導電部および前記外側8層9層導電部は、前記法線方向において、重なる位置に配置されている請求項4に記載の位置検出装置。
【0153】
[請求項6]
前記基板は、8個の配線層を有し、
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、前記8個の配線層のうち、少なくとも1つの配線層を除く配線層それぞれに複数回巻かれている請求項1に記載の位置検出装置。
【0154】
[請求項7]
前記複数の導電貫通部は、3個の前記絶縁層を貫通して形成される第1導電部(1403)と、1個の前記絶縁層を貫通して形成される第2導電部(1401、1402、1404、1405)とを含み、
前記第1導電部は、前記基板に1個形成されるとともに、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置されており、
前記第2導電部は、前記基板に4個形成されるとともに、少なくとも1つが前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置されている請求項6に記載の位置検出装置。
【0155】
[請求項8]
前記基板は、6個の配線層を有し、
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、前記6個の配線層のうち、少なくとも1つの配線層を除く配線層それぞれに複数回巻かれている請求項1に記載の位置検出装置。
【0156】
[請求項9]
前記複数の導電貫通部は、3個の前記絶縁層を貫通して形成される第1導電部(1402)と、1個の前記絶縁層を貫通して形成される第2導電部(1401、1403)とを含み、
前記第1導電部は、前記基板に1個形成されるとともに、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置されており、
前記第2導電部は、前記基板に2個形成されるとともに、少なくとも1つが前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内側に配置されている請求項8に記載の位置検出装置。
【0157】
[請求項10]
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、前記6個以上の配線層のうち、中央2個の配線層を除く配線層それぞれに形成されている請求項6ないし9のいずれか1つに記載の位置検出装置。
【0158】
[請求項11]
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、渦巻状のパターン形状である部分を含む請求項1ないし10のいずれか1つに記載の位置検出装置。
【0159】
[請求項12]
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルは、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルのうちの一方が正弦曲線を描くパターン形状を含み、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルのうち他方が余弦曲線を描くパターン形状を含む請求項1ないし10のいずれか1つに記載の位置検出装置。
【0160】
[請求項13]
通電する前記送信コイルから影響を受けて電磁誘導による誘導電流を発生させて、発生させた前記誘導電流によって、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルに発生させる誘導起電力を変化させる検出部(30)を備える請求項1ないし9のいずれか1つに記載の位置検出装置。
【0161】
[請求項14]
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルが出力する前記誘導起電力に基づき、前記検出部の位置を算出する信号処理部(210)を備える請求項13に記載の位置検出装置。
【符号の説明】
【0162】
30 検出体
100 基板
101 絶縁層
102 配線層
110 送信コイル
120 第1受信コイル
130 第2受信コイル
140 ビア