(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076187
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】回路遮断器
(51)【国際特許分類】
H01H 73/16 20060101AFI20240529BHJP
H01H 73/20 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
H01H73/16
H01H73/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187626
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 裕明
【テーマコード(参考)】
5G030
【Fターム(参考)】
5G030CA03
5G030XX20
(57)【要約】
【課題】簡便な構成にて、複数の電力線の接続状態をそれぞれ区別して表示できる回路遮断器を提供する。
【解決手段】
回路遮断器は、移動することで複数の電力線の接続状態を変更する複数の端子と、回動軸を中心に回動可能な本体部、本体部に回動周方向に沿って設けられ、複数の端子の状態を視覚的に表示する表示部、及び、本体部の回転径方向において回動軸とは異なる位置に設けられる第1作用部を有する回動部と、複数の端子の移動に連動する第2作用部を有する出力部と、を備え、第1作用部は、第2作用部と係合し、第2作用部の移動に連動して回動軸を中心に本体部を回動させる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動することで複数の電力線の接続状態を変更する複数の端子と、
回動軸を中心に回動可能な本体部、前記本体部に回動周方向に沿って設けられ、前記複数の端子の状態を視覚的に表示する表示部、及び、前記本体部の回転径方向において前記回動軸とは異なる位置に設けられる第1作用部を有する回動部と、
前記複数の端子の移動に連動する第2作用部を有する出力部と、
を備え、
前記第1作用部は、前記第2作用部と係合し、前記第2作用部の移動に連動して前記回動軸を中心に前記本体部を回動させる、
回路遮断器。
【請求項2】
前記第1作用部及び前記第2作用部のうち何れか一方は、前記回動軸の延在方向に沿って設けられる作用軸を有し、
前記第1作用部及び前記第2作用部のうち前記作用軸が設けられていない他方は、前記作用軸を回動可能に支持する作用軸受部を有する、請求項1に記載の回路遮断器。
【請求項3】
前記第1作用部は、前記作用軸を有し、
前記第2作用部は、前記作用軸受部を有し、
前記作用軸受部は、前記作用軸を、前記作用軸の延在方向及び前記複数の端子の移動方向にそれぞれ交差する方向に移動可能に支持する、請求項2に記載の回路遮断器。
【請求項4】
前記作用軸受部は、前記作用軸の延在方向に沿って貫通した開口である、請求項2又は3に記載の回路遮断器。
【請求項5】
前記表示部の一部を外側から視認可能な表示窓を有し、前記複数の端子、前記回動部及び前記出力部の少なくとも一部を収容する収容部と、
前記回動軸と、
前記回動軸を回動可能に支持する回動軸受部と、
を備え、
前記回動部及び前記収容部のうち何れか一方は、前記回動軸を有し、
前記回動部及び前記収容部のうち前記回動軸が設けられていない他方は、前記回動軸受部を有する、請求項1~3の何れか一項に記載の回路遮断器。
【請求項6】
前記複数の端子として、3箇所に配置可能な2つの端子を備え、
前記複数の端子の状態は、前記複数の電力線の接続状態に基づいて配置された前記複数の端子の位置に関する3つの状態を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の回路遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回路遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電力線の接続状態を視認可能な回路遮断器が知られている。特許文献1に記載の回路遮断器は、表示窓が設けられた筐体と、筐体に対して移動可能な複数の端子と、端子体を有し、上下にそれぞれ設けられた2つの切替つまみと、表示手段と、表示手段を付勢する表示駒スプリングとを備える。表示手段は、ケース体に回動可能に軸支された軸部と、軸部から径方向に突設された表示部及び作用部とを有する。200Vの接続状態では、作用部に力が加わっていない状態であり、表示部が表示窓に臨み、表示部が外部から赤く見えるようになっている。100Vの接続状態では、上側の切替つまみの端子体が上側に回動して中性極の導電バーが挿入されており、端子体が表示駒スプリングの付勢力に抗して作用部を押動し、表示部が表示窓から外れ、表示部が外部から白く見えるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力線に接続可能な複数の端子の位置の組み合わせに関する状態(以下、「電力線の接続状態」と記載)を変えることで、回路遮断器の電源側において電力を流す電力線を変えることができる。特許文献1に記載の回路遮断器では、電力線の接続状態が異なっていても、電路における電圧値が同一の電圧値を示す場合がある。複数の回路遮断器において同一の電力線の接続状態が採用されることで、複数の回路遮断器の電源側において、同一の電力線にのみ電力が流れるようになる。これにより、例えば、同一の電力線の接続状態が採用された回路遮断器の数が所定の数以上に多くなれば、回路遮断器の電源側に設けられた主幹ブレーカがトリップする可能性がある。
【0005】
このため、主幹ブレーカのトリップを抑制するため、電力線の接続状態の偏りを抑制することが求められている。しかしながら、特許文献1の回路遮断器では、電路において同一の電圧値を示す2以上の電力線の接続状態に対しては同一の表示形態となるため、作業者は、何れの電力線の接続状態が採用されているのか容易に判別できない可能性がある。その一方、複数の電力線の接続状態を区別するために、複雑な機構や構造を採用した場合、構造部品の寸法精度の問題が生じ、部品点数、組立工数、及びスペースが増加するという問題が生じる。
【0006】
本開示は、簡便な構成にて、複数の電力線の接続状態をそれぞれ区別して表示可能な回路遮断器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面に係る回路遮断器は、移動することで複数の電力線の接続状態を変更する複数の端子と、回動軸を中心に回動可能な本体部、本体部に回動周方向に沿って設けられ、複数の端子の状態を視覚的に表示する表示部、及び、本体部の回転径方向において回動軸とは異なる位置に設けられる第1作用部を有する回動部と、複数の端子の移動に連動する第2作用部を有する出力部と、を備え、第1作用部は、第2作用部と係合し、第2作用部の移動に連動して回動軸を中心に本体部を回動させる。
【0008】
この回路遮断器は、複数の端子と、第1作用部を有する出力部と、本体部、表示部及び第2作用部を有する回動部と、を備える。少なくとも1つの端子が移動することで、電力線の接続状態が変更される。少なくとも1つの端子の移動により第1作用部が連動し、第1作用部に係合する第2作用部も連動する。これにより、第2作用部が回動軸を中心に本体部を回動させるため、本体部に設けられた表示部は、変更後の端子の状態を視覚的に表示することができる。端子の移動に合わせて複数の端子の状態の表示が変化する。したがって、この回路遮断器は、複数の端子の状態、すなわち回路遮断器と電力線との複数の接続状態をそれぞれ区別して表示できる。ここで、回動部は、第1作用部によって回動軸を中心に回動するため、複雑な機構を設けなくとも、出力部と表示部との位置関係に応じて互いを連動させることができる。また、出力部が移動した分に応じて回動部が回動することで、正確に表示部を回動周方向に移動させることができる。そのため、複雑な機構や部品の寸法精度を要することなく、正確に表示部が複数の電力線の接続状態を区別して表示できる。よって、この回路遮断器は、簡便な構成にて、複数の電力線の接続状態をそれぞれ区別して表示できる。
【0009】
一実施形態に係る回路遮断器において、第1作用部及び第2作用部のうち何れか一方は、回動軸の延在方向に沿って設けられる作用軸を有し、第1作用部及び第2作用部のうち作用軸が設けられていない他方は、作用軸を回動可能に支持する作用軸受部を有してもよい。
【0010】
一実施形態に係る回路遮断器において、第1作用部は、作用軸を有し、第2作用部は、作用軸受部を有し、作用軸受部は、作用軸を、作用軸の延在方向及び複数の端子の移動方向にそれぞれ交差する方向に移動可能に支持してもよい。この場合、出力部が動く距離に応じて、作用軸及び作用軸受部は、回動軸を中心とした本体部の回動方向の回転量を適切に変化させることができ、表示部は、複数の端子の状態を適切に表示することができる。また、出力部の移動と回動部の回動とが連動することのみによって、表示部50は、複数の端子の状態を表示できる。このため、この回路遮断器は、複数の端子の状態、すなわち回路遮断器と電力線との複数の接続状態を表示するための部材数の増大を抑えることができ、回路遮断器の製造に係る工数を削減できる。
【0011】
一実施形態に係る回路遮断器において、作用軸受部は、作用軸の延在方向に沿って貫通した開口であってもよい。この場合、作用軸は作用軸受部内に収容されるため、作用軸の揺動を抑制し、回動部及び出力部をより適切に連動させることができる。
【0012】
一実施形態に係る回路遮断器は、表示部の一部を外側から視認可能な表示窓を有し、複数の端子、回動部及び出力部の少なくとも一部を収容する収容部と、回動軸と、回動軸を回動可能に支持する回動軸受部と、を備え、回動部及び収容部のうち何れか一方は、回動軸を有し、回動部及び収容部のうち回動軸が設けられていない他方は、回動軸受部を有してもよい。この場合、作業者は、表示窓内において表示部によって表示される複数の端子の状態を視認できる。
【0013】
一実施形態に係る回路遮断器は、複数の端子として、3箇所に配置可能な2つの端子を備え、複数の端子の状態は、複数の電力線の接続状態に基づいて配置された複数の端子の位置に関する3つの状態を含んでもよい。この場合、少なくとも1つの端子の移動する位置に基づいて端子の状態の表示が変化するため、例えば、電路において同一の電圧値を示す2以上の電力線の接続状態が存在する場合であっても、作業者は、2つの端子の位置に応じた3つの電力線の接続状態をそれぞれ区別して容易に視認できる。したがって、この回路遮断器は、3つの電力線の接続状態をそれぞれ区別して表示できる。
【発明の効果】
【0014】
本開示に係る回路遮断器によれば、簡便な構成にて、複数の電力線の接続状態をそれぞれ区別して表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態に係る回路遮断器の右側ケースが外れた状態の一例を示す側面図である。
【
図2】実施形態に係る収容部及び複数の端子の一例を示す斜視図である。
【
図3】実施形態に係る複数の端子、出力部及び回動部の一例を示す斜視図である。
【
図4】導電バーに対して第1の接続位置に設けられた複数の端子及び出力部の一例を示す正面図である。
【
図5】導電バーに対して第2の接続位置に設けられた複数の端子及び出力部の一例を示す正面図である。
【
図6】導電バーに対して第3の接続位置に設けられた複数の端子及び出力部の一例を示す正面図である。
【
図7】第1の接続位置に設けられた複数の端子に対する表示部の一例を示す斜視図である。
【
図8】第2の接続位置に設けられた複数の端子に対する表示部の一例を示す斜視図である。
【
図9】第3の接続位置に設けられた複数の端子に対する表示部の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。「上」「下」「左」「右」「前」「背」等の語は、図示する状態に基づくものであり、便宜的なものである。
【0017】
図1は、実施形態に係る回路遮断器の右側ケースが外れた状態の一例を示す側面図である。図中のX方向及びY方向が水平方向であり、Z方向が垂直方向である。X方向、Y方向及びZ方向は、3次元空間の直交座標系における互いに直交する軸方向である。以下では、XY平面に沿った方向を水平方向、Z方向を上下方向ともいう。
【0018】
図1に示される回路遮断器1は、電源と負荷装置との間を結ぶ電路に介在する装置であって、後述の接点部80の接触及び離間を制御して、電路の開閉を制御する。ここで、回路遮断器1は、電路の開閉状態として少なくとも開状態及び閉状態の2つの状態を取りうる。開状態とは、作業者が操作する等の外的な動作を含む作用により接点が離間し、電路に電流が流れない状態である。閉状態とは、作業者が操作する等の外的な動作を含む作用により接点が接触し、電路に電流が流れる状態である。回路遮断器1は、トリップ状態を電路の開状態として取ってもよい。トリップ状態とは、電路における過電流、短絡、漏電等の異常状態を検知して、回路遮断器1内の構造の作用により接点が離間し、電路に電流が流れない状態である。
【0019】
回路遮断器1は、例えば、単相三線式の分電盤(不図示)に設けられる。回路遮断器1は、分電盤内に設けられた主幹ブレーカ(不図示)の2次側に設けられる。主幹ブレーカは、その2次側において、3つの導電バー(導電体の一例)が接続可能である。導電バーは、例えば、ブスバーである。分電盤は、3本の板状の導電バーN,L1,L2のうち少なくとも2本備えている。回路遮断器1は、中性極の導電バーN及び一方の電圧極の導電バーL1と接続する場合、並びに、中性極の導電バーN及び他方の電圧極の導電バーL2と接続する場合には100Vの電力を通電可能な回路遮断器として利用可能である。また、回路遮断器1は、両電圧極の導電バーL1及び導電バーL2と接続する場合には200Vの電力を通電可能な回路遮断器として利用可能である。
【0020】
回路遮断器1は、複数の端子20と、出力部30と、回動部40と、を備える。回路遮断器1は、収容部10をさらに備える。回路遮断器1は、例えば、漏電を検出する零相変流器5と、電磁引き外し装置7と、プリント基板9と、複数の負荷側端子70と、複数の接点部80と、接点移動部85と、複数の負荷側係合部90とをさらに備え得る。プリント基板9は、漏電が発生したら電磁引き外し装置7を引き外し動作させる漏電検出回路を組み付けている。なお、プリント基板9に搭載されている素子は省略してある。回路遮断器1は、例えば、3箇所に配置可能な2つの端子20A,20Bと、2つの負荷側端子70と、2つの接点部80とを備える。
【0021】
収容部10は、複数の端子20、出力部30及び回動部40の少なくとも一部を収容する。
図1に示す例では、収容部10は、2つの端子20A,20Bの一部、出力部30、回動部40、零相変流器5、電磁引き外し装置7、プリント基板9、複数の負荷側端子70、複数の接点部80、接点移動部85の一部、及び、負荷側係合部90の一部等の構成を収容する筐体である。収容部10は、これらの構成を収容する空間を内部に形成している。収容部10は、例えば、筐体の長手方向がX方向に沿って延在している。
【0022】
収容部10は、例えば、右側ケース10A(
図2参照)と、左側ケース10Bとを有する。Y方向の正方向(左側)に向かって、右側ケース10A、左側ケース10Bが順に配置されている。左側ケース10Bは、右側ケース10Aの左側(Y方向の負方向)において右側ケース10Aと嵌合する。左側ケース10Bと右側ケース10Aとが嵌合することで2つの端子20の一部及び後述の解除レバー93の一部を除く各構成物が収容部10内に収容される。右側ケース10A及び左側ケース10Bは、例えば、ピン等の係止部材によりそれぞれ係止され、嵌合する。右側ケース10Aと左側ケース10Bとは、例えば、略対称の構成を有する。
【0023】
収容部10には、前側(X方向の正方向)を向く面において、負荷装置から延在する負荷側電線LLを差し込むことが可能な複数の電線差込口11が設けられる。本実施形態の収容部10には、2つの電線差込口11が設けられる。各電線差込口11は、後述の右側ケース10A及び後述の左側ケース10BをそれぞれX方向に向かって貫通している開口である。収容部10において、Y方向の左側に向かって、2つの電線差込口11が配置されている。
【0024】
図2は、実施形態に係る収容部及び端子の一例を示す斜視図である。
図1及び
図2に示すように、収容部10は、後述の表示部50の一部を外側から視認可能な表示窓12を有する。表示窓12は、上面視にて矩形状を有する開口である。表示窓12は、例えば、収容部10の上部を上下方向に貫通し、収容部10の内部の空間と収容部10の外部の空間とを連通している開口である。
【0025】
2つの端子20A,20Bは、移動することで複数の電力線の接続状態を変更する。電力線の接続状態は、電力線に接続可能な複数の端子の位置の組み合わせである。2つの端子20A,20Bは、例えば、電源側端子である。2つの端子20A,20Bは、3本の導電バーN,L1,L2の接続状態を変更する。2つの端子20A,20Bは、電源に電気的に接続可能な端子である。本実施形態の2つの端子20A,20Bは、収容部10においてX方向の負方向を向く面(背面)に配置される。2つの端子20A,20Bが設けられた背面は上下方向に沿って延在する面で形成される。例えば、収容部10の背面側の上部において、端子20Aが配置され、収容部10の背面側の下部において、端子20Bが配置されている。収容部10において、上下方向に沿って、端子20A,20Bが並んで配置されている。
図1及び
図2に示す例では、端子20Aは、中性極の導電バーNと接続可能な位置、端子20Bは一方の電圧極の導電バーL1に接続可能な位置にそれぞれ設けられている。以下、2つの端子20A,20Bの位置を第1の接続位置という。2つの端子20A,20Bの詳細については後述する。
【0026】
再び
図1を参照する。複数の負荷側端子70は、負荷装置に電気的に接続可能な端子である。2つの負荷側端子70は、収容部10においてX方向の正方向を向く面(前面)に配置され、Y方向に沿って整列して配置されている。2つの負荷側端子70が設けられた前面の一部は負荷装置から延在する負荷側電線LLの接続操作がしやすいように傾斜して形成されている。一方の負荷側端子70は、端子20Aと電気的に接続可能である。他方の負荷側端子70は、端子20Bと電気的に接続可能である。
【0027】
2つの接点部80は、電源と負荷装置とを電気的に接続可能な電路の開閉を接点移動部85の動きに合わせて切り替え可能な構成である。一方の接点部80は、端子20Aと、一方の負荷側端子70とをそれぞれ電気的に接続する。他方の接点部80は、端子20Bと、他方の負荷側端子70とをそれぞれ電気的に接続する。2つの接点部80は、X方向において、2つの端子20と2つの負荷側端子70との間に配置される。2つの接点部80は、収容部10において、Y方向に沿って整列して配置されている。
【0028】
各接点部80は、電源側接触子81と、負荷側接触子82と、板状部材83とを有する。各電源側接触子81は、端子20A,20Bとそれぞれ電気的に接続している。各負荷側接触子82は、各負荷側端子70と電気的に接続している。各接点部80において、電源側接触子81と負荷側接触子82とが電気的に接続可能である。
【0029】
板状部材83は、接点移動部85に接続され、接点移動部85の開閉動作に合わせてその前端部(X方向の正方向の端部)が上下方向に移動する。電源側接触子81は、板状部材83の前端部であって下面に配置され、下方に向かって露出している。電源側接触子81は、接点移動部85によりそれぞれ負荷側接触子82に対して相対的に移動し、互いに接触又は離間が可能である。負荷側接触子82は、収容部10内において位置が固定されている。負荷側接触子82は、例えば、収容部10の下部において、上方に向かって露出するように後述の端子座91に設けられる。
【0030】
各接点部80において、電源側接触子81と負荷側接触子82とが接触しているとき電路が形成される閉状態となる。2つの接点部80の少なくとも一方において、電源側接触子81と負荷側接触子82とが離間しているとき、電路が形成されていない開状態又はトリップ状態となる。電源側接触子81及び負荷側接触子82において、それぞれの接触又は離間状態が接点移動部85の開閉動作により切り替えられる。閉状態においては、電源と負荷装置とを電気的に接続する電路が形成される。
【0031】
接点移動部85は、収容部10に対して相対的に移動可能に支持され、複数の接点部80における開閉動作を制御する。接点移動部85は、操作レバー86と、板状部材83に接続する開閉機構部87と、を有する。操作レバー86は、電路に対して開閉操作、すなわち通電(オン)操作及び遮断(オフ)操作可能な治具である。操作レバー86が作業者に把持されて回動軸を中心に一方に回転されることで、開閉機構部87が下方に移動することで各板状部材83をそれぞれ下方に移動させ、各電源側接触子81を各負荷側接触子82に接触させ、電路を閉状態にする。操作レバー86が作業者に把持されて回動軸を中心に他方に回転されることで、開閉機構部87が上方に移動することで各板状部材83をそれぞれ上方に移動させ、各電源側接触子81を各負荷側接触子82から離間させ、電路を開状態にする。開閉機構部87は、例えば、セパレータを有する。
【0032】
複数の負荷側係合部90は、負荷側電線LLと係合するユニットである。回路遮断器1は、例えば、2つの負荷側係合部90を有する。2つの負荷側係合部90は、収容部10において、X方向の前面側に配置され、Y方向に沿って整列して配置されている。各負荷側係合部90の一部は、各負荷側端子70を構成する。各負荷側係合部90は、例えば、端子座91と、板ばね92と、解除レバー93とを有する。
【0033】
端子座91は、負荷側電線LLの端部と係合可能な構成である。回路遮断器1において、負荷側電線LLが係合していても負荷側電線LLが係合していなくてもよい。端子座91は、回路遮断器1に接続される負荷側電線LLと負荷側接触子82とを電気的に接続する。端子座91は、板ばね92と共に負荷装置と接続可能な負荷側電線LLと係合し、当該負荷側電線LLと負荷側端子70とを電気的に接続する。端子座91内に挿入された負荷側電線LLの端部は、例えば、X方向に沿って延在する。端子座91は、例えば、1枚の金属板を折り曲げて形成された部材である。端子座91において、板ばね92を内部に収容可能な収容空間と、電源側接触子81と負荷側接触子82との開閉動作が可能な開閉空間とがそれぞれ画成される。
【0034】
板ばね92は、端子座91において負荷側電線LLと係合する。板ばね92は、例えば、金属板が湾曲して形成された部材である。板ばね92は、その主面が上方を向き、当該主面の幅方向がY方向に沿っている。板ばね92は、端子座91の収容空間内に収容される。板ばね92は、端子座91の一部と係合して負荷側電線LLを挟み込んで保持する。
【0035】
解除レバー93は、回路遮断器1の収容部10内に挿入された負荷側電線LLの係合を解除するために用いられる。解除レバー93は、例えば、電線差込口11より背面側に設けられ、収容部10内に一部が収容される。端子座91において負荷側電線LLが係合している場合には、解除レバー93が回転軸を中心にX方向の背面側に向けて回転するという機能を発揮することで負荷側電線LLの係合が解除される。
【0036】
以下、収容部10、2つの端子20A,20B、出力部30、回動部40の順に、各構成の詳細について説明する。
図3は、実施形態に係る複数の端子、出力部及び回動部の一例を示す斜視図である。
図2及び
図3に示す収容部10には、端子20A,20Bを上下方向に案内可能なガイド部13を有する。ガイド部13は、一対のガイド部材13A,13Bを有する。収容部10において、一対のガイド部材13A,13BがY方向に沿って並んで配置されている。一対のガイド部材13A,13Bは、例えば、上下方向に沿って延在するガイドレールである。ガイド部材13Aは、例えば、右側に向かって窪み、上下方向に沿って形成された溝部を有する。ガイド部材13Bは、例えば、左側に向かって窪み、上下方向に沿って形成された溝部を有する。
【0037】
収容部10の左側ケース10Bには、壁部14を形成する。壁部14は、Y方向及びZ方向に延在している。右側ケース10Aにおいても、Y方向において壁部14と対称の位置に壁部が設けられる(不図示)。Y方向において、右側ケース10Aの壁部と、左側ケース10Bの壁部14との間には隙間が形成されている。
【0038】
2つの端子20A,20Bのそれぞれは、端子本体部21、移動体22、端子金具23、導体板24を有する。端子本体部21は、収容部10の背面側の外部に設けられる。端子本体部21は、箱状の形状を有し、X方向の背面側及びY方向に向かって開口している開口21pが形成されている。端子本体部21のX方向の背面側において、上部と下部とが開口21pを挟んで対向している。当該上部と当該下部は、X方向の前面側において一体的に接続されている。
【0039】
端子本体部21のX方向の前面側の面には、移動体22が設けられる。移動体22は、ガイド部13に対して上下方向に移動可能に係合する。移動体22は、例えば、Y方向及びZ方向に沿って延在する板状の部材である。移動体22は、一対のガイド部材13A,13Bにそれぞれ形成された溝部に移動可能に嵌合する。
【0040】
端子本体部21には、端子金具23が設けられる。端子金具23は、例えば、端子本体部21のうち、開口21pに露出する部位に設けられる。端子金具23は、例えば、弾性変形可能かつ導電性を有する金属板を折曲又は湾曲して形成されている。端子金具23は、X方向の背面側及びY方向に向かって開口している。端子金具23は、例えば、略C字状の形状を有する。端子金具23は、分電盤内に配設された導電バーN,L1,L2の何れか1本を挿入するだけで接続されるプラグイン式の端子として形成されている。
【0041】
端子20A,20Bの端子金具23,23には導体板24,24が延設されている。導体板24は、X方向及びZ方向に延在する板状の部材である。導体板24,24は、収容部10の右側ケース10Aの壁部と左側ケース10Bの壁部14との間に形成されている隙間に挿通され、壁部14よりX方向の前面側に延在している。
【0042】
再び
図1を参照する。回路遮断器1は、2つのバイメタル片25、2つの可動電磁片26及び引き外し部材27を更に備え得る。2つのバイメタル片25及び2つの可動電磁片26のそれぞれは、収容部10において、Y方向に沿って整列して配置されている。各導体板24は、導体板24のX方向の前面側において、電線を介して各バイメタル片25及び各可動電磁片26と接続している。各バイメタル片25は、過電流を検知する。各可動電磁片26は、短絡を検知する。各バイメタル片25及び各可動電磁片26は、Z方向の上方に向けて配置され、過電流又は短絡電流を検知した際に上方に変形或いは回動動作するよう取り付けられている。なお、各バイメタル片25と各可動電磁片26は、電磁引き外し装置7と合わせて電路の異常を検知する異常検出部を構成している。引き外し部材27は、電磁引き外し装置7、バイメタル片25及び可動電磁片26の動作を接点移動部85に伝達し、接点移動部85のラッチを解除して遮断動作させる。
【0043】
図4は、導電バーに対して第1の接続位置に設けられた複数の端子及び出力部の一例を示す正面図である。
図4に示すように、各端子本体部21は、突起部28を有する。すなわち、複数の端子20A,20Bは、それぞれ突起部28A,28Bを有する。突起部28は、各端子本体部21の上下方向の移動に合わせて移動する。突起部28は、X方向及びY方向に延在する板状の部材である。突起部28は、例えば、端子本体部21の上部のX方向の前面からX方向の前面側に向かって突出する。例えば、突起部28Aの上端面28a及び突起部28Bの上端面28cは、それぞれ端子本体部21,21の上端面に沿って設けられる。例えば、突起部28Aの下端面28b及び突起部28Bの下端面28dは、それぞれ突起部28Aの上端面28a及び突起部28Bの上端面28cに沿って設けられる。
【0044】
出力部30は、複数の端子20A,20Bの移動を回動部40に伝達する機構を有する。
図4に示す例では、出力部30は、例えば、1つの板状の部材から形成されている。出力部30は、複数の端子20A,20BのX方向の前面側であって、壁部14のX方向の背面側に設けられる。出力部30は、壁部14に沿ってZ方向に移動する。出力部30は、例えば、出力本体部31と、出力係合部32とを有する。
【0045】
出力本体部31は、Y方向及びZ方向に沿って延在する板状の部位である。出力本体部31は、複数の端子20A,20Bに設けられた各移動体22の前面に設けられる。出力本体部31は、例えば、一対のガイド部材13A,13Bとの間において、上下方向に移動可能な構成である。出力本体部31は、例えば、一対のガイド部材13A,13Bに設けられた溝部には嵌合していない。
【0046】
出力本体部31には、突起部28Aの少なくとも一部を内部に挿通可能な開口31Aと、突起部28Bの少なくとも一部を内部に収容可能な開口31Bとが形成されている。開口31A及び開口31Bは、それぞれX方向に貫通している。開口31A及び開口31Bは、例えば、それぞれ矩形状の開口である。開口31AのY方向の幅及びZ方向の長さは、それぞれ突起部28AのY方向の幅及びZ方向の長さより大きい。開口31BのY方向の幅及びZ方向の長さは、それぞれ突起部28BのY方向の幅及びZ方向の長さより大きい。
【0047】
出力係合部32は、出力本体部31に設けられ、複数の端子20A,20Bに設けられた突起部28,28の少なくとも一方と係合する。出力係合部32は、突起部28A,28Bの少なくとも一方が上下方向に移動するとき、突起部28A,28Bの少なくとも一方が出力係合部32に当接する。
【0048】
出力係合部32は、第1当接部33、第2当接部34、第3当接部35及び第4当接部36を有する。第1当接部33、第2当接部34、第3当接部35及び第4当接部36は、Y方向に沿って延在している。第1当接部33及び第2当接部34は、開口31Aに面している。Z方向において、第1当接部33と第2当接部34とは、開口31Aを挟んで対向する位置に設けられる。第1当接部33は、出力本体部31の上部に設けられ、開口31Aの上端を構成する部位である。端子20Aの突起部28Aの上端面28aは、第1当接部33に対して下方から当接可能である。第2当接部34は、出力本体部31の中央部に設けられ、開口31Aの下端を構成する部位である。端子20Aの突起部28Aの下端面28bは、第2当接部34に対して上方から当接可能である。
【0049】
第3当接部35及び第4当接部36は、開口31Bに面している。Z方向において、第3当接部35と第4当接部36とは、開口31Bを挟んで対向する位置に設けられる。第3当接部35は、出力本体部31の中央部に設けられ、開口31Bの上端を構成する部位である。第2当接部34及び第3当接部35は、例えば、それぞれ開口31Aと開口31Bとの間に位置する出力本体部31の部位における上端部及び下端部である。端子20Bの突起部28Bの上端面28cは、第3当接部35に対して下方から当接可能である。第4当接部36は、出力本体部31の下部に設けられ、開口31Bの下端を構成する部位である。端子20Bの突起部28Bの下端面28dは、第4当接部36に対して上方から当接可能である。
【0050】
以下、導電バーの接続状態ごとの2つの端子20A,20Bと出力部30との係合について説明する。
図4に示す例では、第1の接続位置に2つの端子20A,20Bが位置するとき、端子20Bの突起部28Bの上端面28cが第3当接部35が当接する。Z方向において、出力部30の下方への移動が、突起部28Bによって規制される。このとき、端子20Aの突起部28Aは、第1当接部33及び第2当接部34に当接していない。開口31Aにおいて、突起部28Aは、第2当接部34より第1当接部33側に位置する。以下、突起部28Aの上端面28aと第1当接部33との距離を距離D1という。以下、このときの出力部30の位置を、第1の移動位置という。
【0051】
図5は、導電バーに対して第2の接続位置に設けられた複数の端子及び出力部の一例を示す正面図である。
図5に示す例では、端子20Aは、中性極の導電バーNと接続可能な位置、端子20Bは他方の電圧極の導電バーL2に接続可能な位置にそれぞれ設けられている。以下、2つの端子20A,20Bの位置を第2の接続位置という。
図5に示す例では、第2の接続位置に2つの端子20A,20Bが位置するとき、端子20Aの突起部28Aの上端面28aが第1当接部33に当接すると共に、端子20Bの突起部28Bの下端面28dが第4当接部36に当接する。Z方向において、出力部30の上方及び下方への移動が、突起部28A,28Bによって規制される。以下、このときの出力部30の位置を、第2の移動位置という。2つの端子20A,20Bが第1の接続位置から第2の接続位置に変化するとき、出力部30は、第1の移動位置から第2の移動位置まで距離D1だけ下方に移動する。
【0052】
図6は、導電バーに対して第3の接続位置に設けられた複数の端子及び出力部の一例を示す正面図である。
図6に示す例では、端子20Aは、一方の電圧極の導電バーL1と接続可能な位置、端子20Bは他方の電圧極の導電バーL2に接続可能な位置にそれぞれ設けられている。以下、2つの端子20A,20Bの位置を第3の接続位置という。
図6に示す例では、第3の接続位置に2つの端子20A,20Bが位置するとき、端子20Aの突起部28Aの下端面28bが第2当接部34に当接する。Z方向において、出力部30の上方への移動が、突起部28Aによって規制される。このとき、端子20Bの突起部28Bは、第3当接部35及び第4当接部36に当接していない。以下、突起部28Bの下端面28dと第4当接部36との距離を距離D3という。以下、このときの出力部30の位置を、第3の移動位置という。2つの端子20A,20Bが第2の接続位置から第3の接続位置に変化するとき、出力部30は、第2の移動位置から第3の移動位置まで距離D3だけ下方に移動する。
【0053】
出力部30は、複数の端子20A,20Bの移動に連動する第2作用部37を有する。第2作用部37は、後述の作用軸61を回動可能に支持する作用軸受部38を有する。作用軸受部38は、例えば、作用軸61の延在方向であるX方向に向かって貫通している開口である。作用軸受部38は、作用軸61の先端部を収容可能な凹部であってもよい。作用軸受部38は、例えば、Y方向に沿って延びている開口である。作用軸受部38は、例えば、開口31A,31Bの上方であって、出力本体部31の上端部に設けられる。
【0054】
図3及び
図4に示すように、回動部40は、端子20A,20Bの上方に設けられる。回動部40は、出力部30の作用軸受部38の背面側に設けられる。回動部40は、回路遮断器1に対する複数の端子20A,20Bの状態をそれぞれ表示する。回動部40は、出力部30の移動に連動して複数の端子20A,20Bの状態に応じた表示をそれぞれ切り替える。複数の端子20A,20Bの状態は、導電バーN,L1,L2(複数の電力線の一例)の接続状態に基づいて配置された複数の端子20A,20Bの位置に関する3つの状態を含む。複数の端子20A,20Bの状態とは、例えば、上述の第1の接続位置、第2の接続位置及び第3の接続位置に関する情報である。
【0055】
回動部40は、本体部41、表示部50及び第1作用部60を有する。本体部41は、例えば、Y方向及びZ方向に沿って延在する板状の部位である。本体部41は、略扇状の形状を有する。本体部41は、Y方向及びZ方向に延在する前面42及び背面43、並びに、Y方向に延在する外周面44、第1面45、第2面46及び第3面47を有する。前面42及び背面43は、それぞれ外周面44、第1面45、第2面46及び第3面47に含まれる辺を共有する。第1面45及び第2面46は、外周面44と第3面47とを結ぶ面である。外周面44の少なくとも一部は、表示窓12に面する。外周面44は、円弧状の面である。第1面45、第2面46及び第3面47は、略平面状の形状を有する。複数の端子20A,20Bが第2の接続位置にあるとき、第3面47は、X方向及びY方向に沿って延在する面である。
【0056】
本体部41は、回動軸49を中心に回動可能である。
図3に示す例では、回動部40は、回動軸49を有する。回動軸49は、本体部41の背面43からX方向の背面側に向かって延在している。回動軸49は、本体部41において、左側の部位、かつ、下部に設けられる。回動軸49は、例えば、背面43において、第1面45と第3面47とによって挟まれた角部に設けられる。回動軸49は、本体部41と一体的に形成されていてもよい。
【0057】
回動軸49は、収容部10に設けられた回動軸受部15(
図3参照)によって回動可能に支持されている。
図3に示す例では、左側ケース10Bに設けられた回動軸受部15として、回動軸49の左部分のみを支持している部分のみが示されているが、右側ケース10Aにおいて回動軸受部15と対称の形状を有した回動軸受部(不図示)が設けられ、回動軸49の右部分を支持している。当該回動軸受部は、Y方向及びZ方向において回動軸49を挟んで対称の位置に設けられる。右側ケース10Aの回動軸受部と、左側ケース10Bの回動軸受部15とは、回動軸49がY方向及びZ方向に移動不能なように、かつ、回動軸49がX方向に沿った軸を中心に回動可能なように支持している。
【0058】
図4~
図6に示すように、表示部50は、本体部41に回動周方向に沿って設けられ、複数の端子20A,20Bの状態を視覚的に表示する。表示部50は、本体部41の外周面44上に設けられ、表示窓12を通じて外部に向かって露出している。
【0059】
表示部50は、第1表示部51と、第2表示部52と、第3表示部53とを有する。第1表示部51、第2表示部52及び第3表示部53は、本体部41の回動周方向に沿って、左側に向かって順に配置されている。すなわち、外周面44において、第2表示部52は、最も右側に配置された第1表示部51と最も左側に配置された第3表示部53との間に配置されている。第1表示部51、第2表示部52及び第3表示部53は、例えば、外周面44を回動周方向に3分割した領域に設けられる。第1表示部51と第2表示部52と第3表示部53とのそれぞれの境界は、X方向に沿って延在している。
【0060】
第1表示部51、第2表示部52及び第3表示部53は、例えば、外周面44において、互いに異なる色に塗装されて形成されている。なお、
図4~
図6は、構造の理解を容易とするために、第1表示部51、第2表示部52及び第3表示部53の厚みを強調して示している。第1表示部51、第2表示部52及び第3表示部53が、互いに異なる形態で表示されていることを外部から認識可能であれば、形態の相違は色の相違に限定されず、文字又は図形等であってもよい。
【0061】
第1表示部51は、2つの端子20A,20Bが第1の接続位置に位置していることを表示する。第1表示部51は、例えば、外周面44が薄い灰色に塗装されている部位である。第2表示部52は、2つの端子20A,20Bが第2の接続位置に位置していることを表示する。第2表示部52は、例えば、外周面44が第1表示部51より濃い灰色に塗装されている部位である。第3表示部53は、2つの端子20A,20Bが第3の接続位置に位置していることを表示する。第3表示部53は、例えば、外周面44が第2表示部52より濃い灰色に塗装されている部位である。色の種類は限定されない。
【0062】
収容部10に設けられた表示窓12は、第1表示部51、第2表示部52及び第3表示部53のそれぞれの少なくとも一部が露出するような大きさに開口している。作業者は、表示窓12を介して第1表示部51、第2表示部52及び第3表示部53のそれぞれの表示(色)を視認できる。表示窓12のY方向に沿った方向の幅は、例えば、第1表示部51、第2表示部52及び第3表示部53のそれぞれの回動周方向の長さ以下に設定される。表示窓12のX方向に沿った方向の奥行は、例えば、本体部41の厚みであって、外周面44のX方向に沿った方向の幅以下に設定される。
【0063】
第1作用部60は、第2作用部37と係合し、第2作用部37のZ方向への移動に連動して回動軸49を中心に本体部41を回動させる。第1作用部60は、本体部41において回動軸49の位置とは異なる位置に設けられる。異なる位置とは、回動軸49に対して本体部41の回動径方向に離間した位置である。
図3に示す例では、回動部40は、第1作用部60として、作用軸61を有する。作用軸61は、本体部41と一体的に形成されていてもよい。作用軸61は、本体部41の前面42からX方向の前面側に向かって延在している。作用軸61は、本体部41において、右側の部位、かつ、下部に設けられる。作用軸61は、例えば、前面42において、第2面46と第3面47とによって挟まれた角部に設けられる。
【0064】
作用軸61は、本体部41において、回動軸49が設けられた位置とは異なる、回動軸49から見て右側の位置に設けられる。Y方向において、回動軸49と作用軸61とが離間している距離は、本体部41(外周面44)の大きさによって適宜設定される。当該距離が小さければ小さいほど、出力部30が移動する距離に対する本体部41が回動軸49を中心に回動する角度の割合が大きくなる。
【0065】
作用軸61は、出力部30に設けられた作用軸受部38によって回動可能に支持されている。作用軸受部38は、作用軸61を、作用軸61の延在方向であるX方向及び複数の端子20A,20Bの移動方向であるZ方向にそれぞれ交差する方向に移動可能に支持する。
図4に示す例では、作用軸受部38は、Y方向に沿って開口していることで、作用軸61をY方向に移動可能に支持することができる。作用軸61は、作用軸受部38にX方向の背面側から前面側に向けて挿入される。作用軸受部38は、作用軸61がZ方向に移動不能なように、かつ、作用軸61がX方向に沿った軸を中心に回動可能なように支持している。本体部41の回動にしたがって、作用軸61は、Y方向に沿って作用軸受部38内を移動する。
【0066】
収容部10は、表示窓12から外部に向けて表示部50が露出するように回動部40を収容する。回路遮断器1は、回動部40に対して回動周方向に設けられ、回動部40の回動を規制する位置規制部16をさらに備える。位置規制部16は、回動部40の回動周方向において、回動部40の両側に設けられる。位置規制部16は、例えば、回動部40の第1面45、第2面46又は第3面47に対して当接する部位を有する。
図3及び
図4に示す例では、位置規制部16は、例えば、収容部10に設けられる。
【0067】
位置規制部16は、第1規制部17、第2規制部18及び第3規制部19を有する。第1規制部17は、第1面45に当接して回動部40の回動を規制する。第1規制部17は、左側ケース10Bの左側に設けられる。第1規制部17は、例えば、左側ケース10Bの一部であって、X方向に沿って延在する面を有する。当該面は、例えば、左側に向かうにつれて上方に位置するように傾斜している。当該面は、第1面45に当接可能である。
【0068】
第2規制部18は、第3面47に当接して回動部40の回動を規制する。第2規制部18は、左側ケース10Bにおいて、第1規制部17より右側かつ下方に設けられる。第2規制部18は、例えば、左側ケース10Bの一部であって、X方向に沿って延在する面を有する。当該面は、例えば、左側に向かうにつれて上方に位置するように傾斜している。当該面は、第3面47に当接可能である。
【0069】
第3規制部19は、第2面46に当接して回動部40の回動を規制する。第3規制部19は、右側ケース10Aにおいて、Y方向において第2規制部18と対向する位置に設けられる。第3規制部19は、例えば、右側ケース10Aの一部であって、X方向に沿って延在する面を有する。当該面は、例えば、右側に向かうにつれて上方に位置するように傾斜している。当該面は、第2面46に当接可能である。第2規制部18と第3規制部19とは、例えば、Y方向において離間している。すなわち、第2規制部18と第3規制部19との間には開口が設けられる。第2規制部18と第3規制部19とが傾斜している角度は、回動部40の第2面46と第3面47とにより形成される角度に応じて設定される。
【0070】
以下、複数の端子20A,20Bの位置と出力部30の移動とに関連する回動部40の動きについて説明する。
図4に示すように、第1の接続位置に複数の端子20A,20Bが位置するとき、回動部40は、第1規制部17に当接し、左側への回転(
図4における時計回り方向の回転)が規制されている。回動部40は、例えば、作用軸61がZ方向において回動軸49より所定の高さだけ上方になるまで回動できる。以下、表示窓12に第1表示部51が表示されているときの回動部40の位置を、第1の回動位置という。
【0071】
図7は、第1の接続位置に設けられた複数の端子に対する表示部の一例を示す斜視図である。
図7に示すように、第1の接続位置に2つの端子20A,20Bが位置するとき、第1表示部51、第2表示部52及び第3表示部53のうち、第1表示部51が最も上方に位置し、上面視にて、表示窓12内に第1表示部51が表示されている。第1表示部51の表示により、作業者は、電力線の接続状態に関する情報を確認できる。電力線の接続状態に関する情報は、第1の接続位置に2つの端子20A,20Bが位置すること、2つの端子20A,20Bに導電バーN,L1が挿入可能であること、及び、2つの端子20A,20Bに導電バーN,L1が挿入されていることの少なくとも一態様の情報を含む。
【0072】
例えば、複数の端子20A,20Bが第1の接続位置から第2の接続位置に移動するとき、出力部30が第1の移動位置から第2の移動位置に移動する。この移動に伴い、作用軸受部38は、距離D1だけ下方に移動するため、作用軸受部38に支持された作用軸61は、距離D1に応じた角度だけ回動軸49を中心に下方に向けて回動する。これにより、回動部40の第1面45は、第1規制部17から離間する。また、このとき、位置規制部16は、回動部40の回動を規制していない。出力部30の上方及び下方への移動が、突起部28A,28Bによって規制されることで、回動部40の回動も規制される。回動部40は、例えば、作用軸61がZ方向において回動軸49と同一の位置(高さ)になるまで回動する。以下、表示窓12に第2表示部52が表示されているときの回動部40の位置を、第2の回動位置という。
【0073】
図8は、第2の接続位置に設けられた複数の端子に対する表示部の一例を示す斜視図である。
図8に示すように、第2の接続位置に2つの端子20A,20Bが位置するとき、第1表示部51、第2表示部52及び第3表示部53のうち、第2表示部52が最も上方に位置し、上面視にて、表示窓12内に第2表示部52が表示されている。第2表示部52の表示により、作業者は、電力線の接続状態に関する情報を確認できる。電力線の接続状態に関する情報は、第2の接続位置に2つの端子20A,20Bが位置すること、2つの端子20A,20Bに導電バーN,L2が挿入可能であること、及び、2つの端子20A,20Bに導電バーN,L2が挿入されていることの少なくとも一態様の情報を含む。
【0074】
例えば、複数の端子20A,20Bが第2の接続位置から第3の接続位置に移動するとき、出力部30が第2の移動位置から第3の移動位置に移動する。この移動に伴い、作用軸受部38は、距離D3だけ下方に移動するため、作用軸受部38に支持された作用軸61は、距離D3に応じた角度だけ回動軸49を中心に下方に向けて回動する。回動部40は、例えば、第2規制部18及び第3規制部19の少なくとも一方に当接して回動が規制されるまで回動する。
図6に示す例では、出力部30が第3の移動位置に移動したとき、例えば、回動部40の第2面46は、第3規制部19に当接し、第3面47は、第2規制部18に当接する。回動部40は、第2規制部18及び第3規制部19に当接し、右側への回転(
図5における反時計回り方向の回転)が規制されている。回動部40は、例えば、作用軸61がZ方向において回動軸49より所定の高さだけ下方になるまで回動できる。以下、表示窓12に第3表示部53が表示されているときの回動部40の位置を、第3の回動位置という。
【0075】
図9は、第3の接続位置に設けられた複数の端子に対する表示部の一例を示す斜視図である。
図9に示すように、第3の接続位置に2つの端子20A,20Bが位置するとき、第1表示部51、第2表示部52及び第3表示部53のうち、第3表示部53が最も上方に位置し、上面視にて、表示窓12内に第3表示部53が表示されている。第3表示部53の表示により、作業者は、電力線の接続状態に関する情報を確認できる。電力線の接続状態に関する情報は、第3の接続位置に2つの端子20A,20Bが位置すること、2つの端子20A,20Bに導電バーL1,L2が挿入可能であること、及び、2つの端子20A,20Bに導電バーL1,L2が挿入されていることの少なくとも一態様の情報を含む。
【0076】
複数の端子20A,20Bの少なくとも一方が所定の位置から第1の接続位置、第2の接続位置及び第3の接続位置に移動するとき、出力部30及び回動部40の動きは、上述の動きを組み合わせる、あるいは逆方向に動くことで実現される。
【0077】
このように、複数の端子20A,20Bが第1の接続位置に位置するとき、出力部30は、第1の移動位置に位置し、回動部40は、第1の回動位置に位置する。複数の端子20A,20Bが第2の接続位置に位置するとき、出力部30は、第2の移動位置に位置し、回動部40は、第2の回動位置に位置する。複数の端子20A,20Bが第3の接続位置に位置するとき、出力部30は、第3の移動位置に位置し、回動部40は、第3の回動位置に位置する。
【0078】
以上のように、本実施形態の回路遮断器1は、複数の端子20A,20Bと、第2作用部37を有する出力部30と、本体部41、表示部50及び第1作用部60を有する回動部40と、を備える。複数の端子20A,20Bのうち少なくとも1つが移動することで、導電バーN,L1,L2(電力線の一例)の接続状態が変更される。導電バーN,L1,L2の接続状態の変更とは、回路遮断器1に対して接続する導電バーを変更することを指す。複数の端子20A,20Bのうち少なくとも1つの移動により第2作用部37が連動し、第2作用部37に係合する第1作用部60も連動する。これにより、第1作用部60が回動軸49を中心に本体部41を回動させるため、本体部41に設けられた表示部50は、変更後の複数の端子20A,20Bの状態を視覚的に表示することができる。複数の端子20A,20Bのうち少なくとも1つの移動に合わせて複数の端子20A,20Bの状態の表示が変化する。
【0079】
ここで、複数の回路遮断器において同一の電力線の接続状態が採用されることで、複数の回路遮断器の電源側において、同一の電力線にのみ電力が流れるようになる。これにより、例えば、同一の電力線の接続状態が採用された回路遮断器の数が所定の数以上に多くなれば、回路遮断器の電源側に設けられた主幹ブレーカがトリップする可能性がある。このため、主幹ブレーカのトリップを抑制するため、電力線の接続状態の偏りを抑制することが求められている。しかしながら、電力線の接続状態が異なっていても、電路における電圧値が同一の電圧値を示す他の回路遮断器では、作業者は、何れの電力線の接続状態が採用されているのか容易に判別できない可能性がある。
【0080】
本実施形態の回路遮断器1を含む電路において同一の電圧値を示す2以上の電力線の接続状態が存在する場合であっても、作業者は、各回路遮断器1の電力線の接続状態を区別して容易に視認できる。したがって、この回路遮断器1は、複数の端子20A,20Bの状態、すなわち回路遮断器1と導電バーN,L1,L2との複数の接続状態をそれぞれ区別して表示できる。作業者は、回路遮断器1の表示部50の表示を確認して、電力線の接続状態の偏りが抑制されるように回路遮断器1と導電バーN,L1,L2とを接続できる。
【0081】
また、第1作用部60は、作用軸61を有し、第2作用部37は、作用軸受部38を有し、作用軸受部38は、作用軸61を、作用軸61の延在方向(X方向)及び複数の端子20A,20Bの移動方向(Z方向)にそれぞれ交差する方向(Y方向)に移動可能に支持する。回動部40は、第1作用部60によって回動軸49を中心に回動するため、複雑な機構を設けなくとも、出力部30と表示部50との位置関係に応じて互いを連動させることができる。また、出力部30が移動した分に応じて回動部40が回動することで、正確に表示部50を回動周方向に移動させることができる。そのため、複雑な機構や部品の寸法精度を要することなく、正確に表示部50が複数の電力線の接続状態を区別して表示できる。具体的には、出力部30が動く距離D1,D3,D1+D3に応じて、作用軸61及び作用軸受部38は、回動軸49を中心とした本体部41の回動方向の回転量を適切に変化させることができ、表示部50は、複数の端子20A,20Bの状態を適切に表示することができる。また、出力部30のZ方向への移動と回動部40の回動とが連動することのみによって、表示部50は、複数の端子20A,20Bの状態を表示できる。このため、この回路遮断器1は、複数の端子20A,20Bの状態、すなわち回路遮断器1と電力線との複数の接続状態を表示するための部材数の増大を抑えると共に、ばね等の組み立て作業の工数のかかる部材の使用を抑えることで、回路遮断器1の製造に係る工数を削減できる。以上のように、この回路遮断器は、簡便な構成にて、複数の電力線の接続状態をそれぞれ区別して表示できる。
【0082】
また、作用軸受部38は、作用軸61の延在方向(X方向)に沿って貫通した開口である。この場合、作用軸61は作用軸受部38内に収容されるため、作用軸61の揺動を抑制し、出力部30及び回動部40をより適切に連動させることができる。
【0083】
また、回路遮断器1は、表示部50の一部を外側から視認可能な表示窓12を有し、複数の端子20A,20B、回動部40及び出力部30の少なくとも一部を収容する収容部10と、回動軸49と、回動軸49を回動可能に支持する回動軸受部15と、を備える。この場合、作業者は、表示窓12内において表示部50によって表示される複数の端子20A,20Bの状態を視認できる。
【0084】
回路遮断器1は、複数の端子として、3箇所に配置可能な2つの端子20A,20Bを備え、複数の端子20A,20Bの状態は、複数の導電バーN,L1,L2(電力線)の接続状態に基づいて配置された複数の端子20A,20Bの位置に関する3つの状態を含む。3つの状態とは、第1の接続位置、第2の接続位置及び第3の接続位置に関する3つの状態を含む。この場合、複数の端子20A,20Bのうち少なくとも1つの移動する位置に基づいて複数の端子20A,20Bの状態の表示が変化するため、複数の回路遮断器1を含む電路において同一の電圧値を示す2以上の電力線の接続状態が存在する場合であっても、作業者は、2つの端子の位置に応じた3つの電力線の接続状態をそれぞれ区別して容易に視認できる。したがって、この回路遮断器は、3つの電力線の接続状態をそれぞれ区別して表示できる。
【0085】
[変形例]
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、本開示は、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。例えば、回路遮断器1の他に、電源及び負荷装置の少なくとも1つを備える回路遮断器システムを一体的に形成してもよい。例えば、収容部10は、複数の端子20A,20B、出力部30及び回動部40の少なくとも一部を収容する構成であればよく、他の部材を収容しなくてもよい。
【0086】
例えば、回路遮断器1において、複数の端子20、負荷側端子70及び接点部80の数は限定されない。回路遮断器1は、3以上の端子20を有していてもよく、1又は3以上の負荷側端子70を有していてもよく、1又は3以上の接点部80を有していてもよい。このとき、表示部50は、複数の端子の状態として、4以上の状態を表示してもよい。
【0087】
例えば、出力部30及び回動部40の少なくとも一方は、一部材で構成されなくてもよい。出力部30の第2作用部37は、開口でなくてもよく、作用軸受部38を有さなくてもよい。この場合、例えば、出力部30の第2作用部37は、作用軸を有し、回動部40の第1作用部60は、作用軸61を有さなくてもよく、作用軸受部を有してもよい。当該作用軸は、回動部40の右側において、出力本体部31からX方向の背面側に延在する。回動部40は、例えば、第1作用部60の作用軸受部として、回動軸49とは異なる位置において、本体部41の第2面46から右側に向けて延在する突出部を有してもよい。
【0088】
このとき、第2作用部37の作用軸が第1作用部60の突出部を載置するように下方から支持する。第2作用部37の作用軸が第1作用部60の突出部を上方に押すことで、回動部40を左側(
図4における時計回り方向)に回転させる。第2作用部37の作用軸が下方に下がることで、当該作用軸上の第1作用部60の突出部が追従して下方に移動することで、回動部40を右側(
図4における反時計回り方向)に回転させる。
【0089】
例えば、出力部30及び回動部40は、スライダクランク機構を有していてもよい。この場合、出力部30及び回動部40は、それぞれ軸受部を有し、リンク機構を機能させるように構成されていてもよい。例えば、出力部30の作用軸受部38は開口でなくてもよい。作用軸受部38は、例えば、出力本体部31の上端部であってもよい。当該上端部は、回動部40の作用軸61を載置するように下方から支持する。
【0090】
回動部40は、回動軸49を有さなくてもよい。この場合、収容部10は、回動軸受部15を有さなくてもよい。収容部10が回動軸を有し、回動部40が回動軸受部を有してもよい。
【0091】
ここで、本開示に含まれる種々の例示的実施形態を、以下の[形態1]~[形態6]に記載する。
【0092】
[形態1]
移動することで複数の電力線の接続状態を変更する複数の端子と、
回動軸を中心に回動可能な本体部、前記本体部に回動周方向に沿って設けられ、前記複数の端子の状態を視覚的に表示する表示部、及び、前記本体部の回転径方向において前記回動軸とは異なる位置に設けられる第1作用部を有する回動部と、
前記複数の端子の移動に連動する第2作用部を有する出力部と、
を備え、
前記第1作用部は、前記第2作用部と係合し、前記第2作用部の移動に連動して前記回動軸を中心に前記本体部を回動させる、
回路遮断器。
[形態2]
前記第1作用部及び前記第2作用部のうち何れか一方は、前記回動軸の延在方向に沿って設けられる作用軸を有し、
前記第1作用部及び前記第2作用部のうち前記作用軸が設けられていない他方は、前記作用軸を回動可能に支持する作用軸受部を有する、[形態1]に記載の回路遮断器。
[形態3]
前記第1作用部は、前記作用軸を有し、
前記第2作用部は、前記作用軸受部を有し、
前記作用軸受部は、前記作用軸を、前記作用軸の延在方向及び前記複数の端子の移動方向にそれぞれ交差する方向に移動可能に支持する、[形態2]に記載の回路遮断器。
[形態4]
前記作用軸受部は、前記作用軸の延在方向に沿って貫通した開口である、[形態2]又は[形態3]に記載の回路遮断器。
[形態5]
前記表示部の一部を外側から視認可能な表示窓を有し、前記複数の端子、前記回動部及び前記出力部の少なくとも一部を収容する収容部と、
前記回動軸と、
前記回動軸を回動可能に支持する回動軸受部と、
を備え、
前記回動部及び前記収容部のうち何れか一方は、前記回動軸を有し、
前記回動部及び前記収容部のうち前記回動軸が設けられていない他方は、前記回動軸受部を有する、[形態1]~[形態4]の何れか一項に記載の回路遮断器。
[形態6]
前記複数の端子として、3箇所に配置可能な2つの端子を備え、
前記複数の端子の状態は、前記複数の電力線の接続状態に基づいて配置された前記複数の端子の位置に関する3つの状態を含む、[形態1]~[形態5]の何れか一項に記載の回路遮断器。
【符号の説明】
【0093】
1…回路遮断器、10…収容部、12…表示窓、15…回動軸受部、20,20A,20B…端子、30…出力部、37…第2作用部、38…作用軸受部、40…回動部、41…本体部、49…回動軸、50…表示部、51…第1表示部、52…第2表示部、53…第3表示部、60…第1作用部、61…作用軸、L1、L2、N…導電バー。