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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076202
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】医用情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/40 20180101AFI20240529BHJP
   G16H 20/00 20180101ALN20240529BHJP
【FI】
G16H30/40
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187643
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大保 智喜
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昌史
(72)【発明者】
【氏名】川崎 友寛
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 康典
(72)【発明者】
【氏名】春 雄之介
(72)【発明者】
【氏名】永井 康仁
(72)【発明者】
【氏名】朴 龍勲
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
5L099AA04
5L099AA26
(57)【要約】
【課題】当初に想定されていた検査目的にかかわらず医用画像を活用すること。
【解決手段】医用情報処理システムは、入力部と、抽出部と、解析部と、出力部と、を備える。前記入力部は、医用画像の種類、及び前記医用画像に含まれる患者の部位を含む抽出条件と、患者を特定するための患者特定情報と、当該抽出条件に適合する医用画像に対して実行する解析処理を特定するための解析処理特定情報と、を有する解析要求の入力を受け付ける。前記抽出部は、複数の前記医用画像を記憶する記憶部から、前記患者特定情報により特定される患者の前記医用画像のうち、前記抽出条件に適合する1以上の前記医用画像を抽出する。前記解析部は、前記抽出部により抽出された1以上の前記医用画像に対して、前記解析処理特定情報により特定される前記解析処理を実行する。前記出力部は、前記解析部による解析結果を出力する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像の種類、及び前記医用画像に含まれる患者の部位を含む抽出条件と、患者を特定するための患者特定情報と、当該抽出条件に適合する前記医用画像に対して実行する解析処理を特定するための解析処理特定情報と、を有する解析要求の入力を受け付ける入力部と、
複数の前記医用画像を記憶する記憶部から、前記患者特定情報により特定される患者の前記医用画像のうち、前記抽出条件に適合する1以上の前記医用画像を抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された1以上の前記医用画像に対して、前記解析処理特定情報により特定される前記解析処理を実行する解析部と、
前記解析部による解析結果を出力する出力部と、
を備える医用情報処理システム。
【請求項2】
トリガを検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記トリガに応じて、前記抽出条件、及び前記解析処理特定情報を特定する特定部とを更に備える、
請求項1に記載の医用情報処理システム。
【請求項3】
前記特定部は、前記トリガごとに前記抽出条件及び前記解析処理特定情報が設定されたトリガ一覧情報に基づいて、前記抽出条件及び前記解析処理特定情報を特定する、
請求項2に記載の医用情報処理システム。
【請求項4】
前記抽出部は、ボリューム画像の場合に、少なくとも一つの断面の前記医用画像を抽出する、
請求項1に記載の医用情報処理システム。
【請求項5】
複数の医用施設のそれぞれから前記解析結果を収集する収集部と、
前記収集部により収集された複数の前記解析結果に基づいて、患者の状態を推定する推定部とを更に備える、
請求項1に記載の医用情報処理システム。
【請求項6】
前記推定部は、複数の前記解析結果が示す経時的変化に基づいて、患者の状態を推定する、
請求項5に記載の医用情報処理システム。
【請求項7】
前記推定部により推定された患者の状態を通知する通知部を更に備える、
請求項5に記載の医用情報処理システム。
【請求項8】
前記通知部は、前記推定部により推定された患者の状態に応じて決定される通知先に通知する、
請求項7に記載の医用情報処理システム。
【請求項9】
前記抽出部は、前記医用画像の撮像を依頼する検査オーダ情報に示された検査目的にかかわらずに、前記医用画像を抽出する、
請求項1から請求項8の何れか一項に記載の医用情報処理システム。
【請求項10】
検査オーダ情報に基づいて撮像された複数の医用画像を記憶する第1記憶部と、
トリガと、解析する医用画像の種類と、医用画像に含まれる患者の部位と、解析対象の疾患とが対応付けられた抽出条件を記憶する第2記憶部と、
前記検査オーダ情報に示された検査目的とは異なる検査目的の解析処理の前記トリガを検出する検出部と、
前記トリガに基づいて、前記第2記憶部に記憶された前記抽出条件に適合する前記医用画像を前記第1記憶部から抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された1以上の前記医用画像に対して、前記検出部により検出された前記トリガに対応付けられた前記解析処理を実行する解析部と、
前記解析部による解析結果を出力する出力部と、
を備える医用情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用情報処理システムに関する。
【0002】
従来、医用画像は、検査目的ごとに撮像される。そして、医用画像は、他の検査を行う場合には別途、撮像される。また、患者は、健康寿命を延ばすためには、疾患を早期に発見するために検査を受ける必要がある。
【0003】
しかしながら、患者は、医用画像による検査を頻繁に受けるのは困難である。そして、医用画像は、当初に想定されていた検査目的以外には使用されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-149093号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】宇野 智子,外14名,”大腰筋断面積、CT値を用いたサルコペニア評価の検討”,[online],[令和4年10月10日検索]<URL:https://sapmed.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=13934&item_no=1&attribute_id=17&file_no=1>
【非特許文献2】秋間 広,外7名,”高齢者の筋肉内への脂肪蓄積はサルコペニアと運動機能低下に関係する”,[online],[令和4年10月10日検索]<URL:https://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20170209_htc.pdf>
【非特許文献3】”日本人の年齢・性別による大腿四頭筋の筋肉量と質の違いが明らかに”,[online],[令和4年10月10日検索]<URL:https://www.ncgg.go.jp/hospital/locomo_frail/news/documents/press20210618.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、当初に想定されていた検査目的にかかわらず医用画像を活用することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る医用情報処理システムは、入力部と、抽出部と、解析部と、出力部と、を備える。前記入力部は、医用画像の種類、及び前記医用画像に含まれる患者の部位を含む抽出条件と、患者を特定するための患者特定情報と、当該抽出条件に適合する医用画像に対して実行する解析処理を特定するための解析処理特定情報と、を有する解析要求の入力を受け付ける。前記抽出部は、複数の前記医用画像を記憶する記憶部から、前記患者特定情報により特定される患者の前記医用画像のうち、前記抽出条件に適合する1以上の前記医用画像を抽出する。前記解析部は、前記抽出部により抽出された1以上の前記医用画像に対して、前記解析処理特定情報により特定される前記解析処理を実行する。前記出力部は、前記解析部による解析結果を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る検査支援システムの一例を示すブロック図である。
図2図2は、第1の実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る解析サーバの構成の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係るユーザ端末が実行する解析要求処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、第1の実施形態に係る解析サーバが実行する解析処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、第1の実施形態に係るユーザ端末が実行する推定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本実施形態に関する医用情報処理システムについて説明する。以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作をおこなうものとして、重複する説明を適宜省略する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る検査支援システム1の一例を示すブロック図である。検査支援システム1は、センサ装置10、ユーザ端末20、表示端末30、第1解析サーバ40a、第1PACS(Picture Archiving and Communication Systems)50a、第2解析サーバ40b、及び第2PACS50bを備える。そして、センサ装置10、ユーザ端末20、表示端末30、第1解析サーバ40a、第1PACS50a、第2解析サーバ40b、及び第2PACS50bは、ネットワーク60を介して通信可能に接続される。
【0011】
第1解析サーバ40a、及び第1PACS50aは、病院やリハビリテーションなどの第1医用施設P1に設置される。第2解析サーバ40b、及び第2PACS50bは、第1医用施設P1とは異なる施設であって、病院やリハビリテーションなどの第2医用施設P2に設置される。第1解析サーバ40aと、第2解析サーバ40bとを区別しない場合には、解析サーバ40と呼称する。第1PACS50aと、第2PACS50bとを区別しない場合には、PACS50と呼称する。
【0012】
また、図1に示す検査支援システム1は、センサ装置10、ユーザ端末20、及び表示端末30を一台ずつ備えているが、一台ずつに限らず、複数台ずつ備えていてもよい。また、図1に示す検査支援システム1では、第1医用施設P1及び第2医用施設P2の2つの医用施設の装置と接続されているが、2つの医用施設の装置に限らず、3つ以上の医用施設の装置と接続されていてもよい。
【0013】
例えば、第1の実施形態に係る検査支援システム1は、加齢により筋肉量が減少している状態を示すサルコペニアや、加齢に伴い予備能力が低下した状態を示すフレイルの検査を支援するシステムである。検査支援システム1は、サルコペニアやフレイルに限らず、他の疾患の検査を支援するものであってもよい。
【0014】
センサ装置10は、ユーザの状態を検出するセンサである。例えば、センサ装置10は、ユーザの転倒や、心拍数や、体重や、活動量などを検出するセンサである。そして、センサ装置10は、検出結果を示す情報をユーザ端末20に送信する。
【0015】
ユーザ端末20は、ユーザが使用する端末である。ユーザ端末20は、スマートフォンやタブレット端末やパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。また、ユーザ端末20のユーザは、例えば患者や医療従事者等である。ユーザ端末20は、センサ装置10又は自装置が取得した情報に基づいて、検査支援システム1による検査のトリガを検出する。そして、ユーザ端末20は、トリガを検出した場合に、各医用施設が有する医用画像に対する解析要求を解析サーバ40に送信する。
【0016】
PACS50は、パーソナルコンピュータや、サーバ装置などのコンピュータ機器である。PACS50は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に適合する医用画像を記憶する。更に詳しくは、PACS50は、検査オーダ情報に基づいて撮像された複数の医用画像を記憶する。PACS50は、第1記憶部の一例である。検査オーダ情報は、医用画像による検査を依頼する検査オーダの情報である。また、医用画像は、例えばDICOMタグにおいて、医用画像に関する情報を有する。
【0017】
医用画像に関する情報とは、ユーザ特定情報、画像種類情報、部位情報、日時情報などを有する。ユーザ特定情報は、ユーザを特定するための識別情報である。画像種類情報は、CT(Computed Tomography)画像、MRI(Magnetic Resonance Imaging)画像、X線画像などの医用画像の種類を示す情報である。部位情報は、医用画像に含まれるユーザの部位を示す情報である。日時情報は、医用画像が撮像された日時を示す情報である。
【0018】
解析サーバ40は、各医用施設に設置されるサーバ装置である。解析サーバ40は、解析要求を受信した場合に、解析要求に示された抽出条件に適合する医用画像をPACS50から1以上抽出する。解析サーバ40は、収集したそれぞれの医用画像に対して、解析要求に示された解析処理を実行する。
【0019】
例えば、解析サーバ40は、サルコペニアやフレイルにおいて、腹部が撮像された医用画像に基づいて、筋力量を解析する。そして、解析サーバ40は、解析結果情報をユーザ端末20に送信する。解析結果情報は、各医用画像に対する解析処理により取得された各医用画像の解析結果と、解析対象のそれぞれの医用画像が撮像された日時を示す日時情報とを有する。例えば、解析サーバ40は、各医用画像を解析することで取得したそれぞれの筋力量を示す情報と、各医用画像が撮像された日時を示す日時情報とを送信する。
【0020】
ユーザ端末20は、複数の医用施設の各解析サーバ40から解析結果情報を受信する。ユーザ端末20は、複数の解析結果情報に基づいて、ユーザの状態を推定する。例えば、ユーザ端末20は、複数の解析結果に基づいて、経時的変化に応じたユーザの筋力の減少量に基づいて、ユーザの状態を推定する。例えば、ユーザ端末20は、所定期間におけるユーザの筋力の減少量が閾値以上であるか否かに基づいて、サルコペニアやフレイルであるか否かを推定する。そして、ユーザ端末20は、推定結果を表示端末30に送信する。
【0021】
表示端末30は、スマートフォンや、タブレット端末や、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ機器である。表示端末30は、ユーザ端末20から受信した推定結果を表示する。これにより、表示端末30は、ユーザがサルコペニアやフレイルの状態にあるか否かの判断を支援することができる。
【0022】
また、解析サーバ40は、解析処理の処理対象となる医用画像について、抽出条件が適合すれば、検査オーダ情報に示された検査目的にかかわらずに、医用画像を抽出する。したがって、検査支援システム1は、医用画像を撮像する当初に想定されていた検査目的にかかわらず医用画像を活用するができる。
【0023】
検査支援システム1の各種装置について詳細に説明する。
【0024】
図2は、第1の実施形態に係るユーザ端末20の構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、NW(network)インタフェース210と、入力インタフェース220と、ディスプレイ230と、記憶回路240と、処理回路250とを有する。
【0025】
NWインタフェース210は、処理回路250に接続され、ネットワーク60を介して接続された各装置との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、NWインタフェース210は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0026】
入力インタフェース220は、処理回路250に接続され、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路250に出力する。具体的には、入力インタフェース220は、操作者から受け付けた入力操作を電気信号へ変換して処理回路250に出力する。例えば、入力インタフェース220は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。なお、本明細書において、入力インタフェース220は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース220の例に含まれる。
【0027】
ディスプレイ230は、処理回路250に接続され、処理回路250から出力される各種情報及び各種画像データを表示する。例えば、ディスプレイ230は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネル等によって実現される。
【0028】
記憶回路240は、処理回路250に接続され、各種データを記憶する。また、記憶回路240は、処理回路250が読み出して実行することで各種機能を実現するための種々のプログラムを記憶する。例えば、記憶回路240は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
【0029】
また、記憶回路240は、トリガ一覧情報を記憶する。トリガ一覧情報は、トリガ情報ごとに、抽出条件情報と、解析処理特定情報とが対応付けられた情報である。すなわち、記憶回路240は、トリガと、解析する医用画像の種類と、医用画像に含まれる患者の部位と、解析対象の疾患とが対応付けられた抽出条件を記憶する。記憶回路240は、第2記憶部の一例である。
【0030】
トリガ情報は、検査支援システム1による検査を開始するトリガを示す情報である。例えば、トリガ情報は、センサ装置10が検出した検出内容や、自装置が検出した検出内容である。具体的には、トリガ情報は、センサ装置10が検出したユーザの転倒や、センサ装置10が検出した規定期間におけるユーザの活動量や、センサ装置10が検出したユーザの体重や、自装置が検出したSNS(Social Networking Service)に対する文書入力や、自装置が検出したユーザによる検索内容などである。
【0031】
抽出条件情報は、PACS50から1以上の医用画像を抽出する抽出条件を示す情報である。例えば、抽出条件情報は、画像種類情報、及び部位情報が設定される。なお、抽出条件情報は、画像種類情報、部位情報、及び日時情報のこれら全てが設定されていなくてもよいし、これら以外の情報が設定されていてもよい。例えば、抽出条件情報は、医用画像が撮像された期間を示す期間情報や、医用画像が撮像された際に発行された検査オーダ情報に示された検査目的を示す検査目的情報が設定されてもおい。検査目的情報には、例えば検査目的となる疾患が示されてもよい。
【0032】
ここで、サルコペニアやフレイルは、大腰筋などの筋肉量が診断に用いられる。そのため、抽出条件情報は、サルコペニアやフレイルの検査支援のために解析処理を実行する場合、画像種類情報としてCT画像やMRI画像が設定され、部位画像として腹部が設定される。
【0033】
解析処理特定情報は、解析処理を特定するための識別情報である。解析処理特定情報は、トリガ情報に示すトリガが検出された場合に実行する解析処理の処理内容を特定する情報が設定される。例えば、解析処理特定情報は、サルコペニアやフレイルの場合に、大腰筋の筋力量を計測する解析処理を特定する情報が設定される。
【0034】
処理回路250は、ユーザ端末20全体の動作を制御する。処理回路250は、例えば、トリガ取得機能251、判定機能252、指示機能253、収集機能254、推定機能255、及び通知機能256を有する。実施形態では、構成要素であるトリガ取得機能251、判定機能252、指示機能253、収集機能254、推定機能255、及び通知機能256にて行われる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路240へ記憶されている。処理回路250は、プログラムを記憶回路240から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路250は、図2の処理回路250内に示された各機能を有することになる。
【0035】
なお、図2においては単一のプロセッサにて、トリガ取得機能251、判定機能252、指示機能253、収集機能254、推定機能255、及び通知機能256を実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路250を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、図2においては、記憶回路240等の単一の記憶回路が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明したが、複数の記憶回路を分散して配置して、処理回路250は、個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。
【0036】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD),及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路240に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路240にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
【0037】
トリガ取得機能251は、検査支援システム1による処理を開始するトリガを取得する。例えば、トリガ取得機能251は、センサ装置10により検出された情報を取得する。また、トリガ取得機能251は、自装置が検出した情報を取得する。
【0038】
判定機能252は、検査支援システム1による処理を開始するトリガが入力されたか否かを判定する。言い換えると、判定機能252は、トリガを検出する。判定機能252は、検出部の一例である。さらに詳しくは、判定機能252は、トリガ取得機能251により取得された情報が、トリガ一覧情報に設定されたトリガ情報に適合するか否かを判定する。
【0039】
ここで、解析サーバ40は、トリガ情報に対応付けられた解析処理特定情報により特定される解析処理を実行するする。言い換えると、判定機能252は、検査オーダ情報に示された検査目的とは異なる検査目的の解析処理のトリガを検出する。
【0040】
指示機能253は、判定機能252によりトリガ情報に適合すると判定された場合に、ユーザの医用画像に対する解析処理を各医用施設の解析サーバ40に指示する。すなわち、指示機能253は、解析処理の実行を要求する解析要求を各医用施設の解析サーバ40に送信する。さらに詳しくは、指示機能253は、判定機能252により検出されたトリガに応じて、抽出条件情報、及び解析処理特定情報を特定する。指示機能253は、特定部の一例である。
【0041】
指示機能253は、判定機能252によりトリガ情報に適合すると判定された場合に、解析処理を生成する。解析要求は、ユーザ特定情報、抽出条件情報、及び解析処理特定情報を有する。ユーザ特定情報は、自装置を所有するユーザを示す情報である。抽出条件情報は、トリガ一覧情報において、判定機能252により適合すると判定されたトリガ情報に対応付けられた抽出条件情報である。解析処理特定情は、トリガ一覧情報において、判定機能252により適合すると判定されたトリガ情報に対応付けられた解析処理特定情報である。すなわち、指示機能253は、トリガ情報ごとに抽出条件情報及び解析処理特定情報が設定されたトリガ一覧情報に基づいて、抽出条件情報、及び解析処理特定情報を特定する。そして、指示機能253は、解析処理を各医用施設の解析サーバ40に送信する。
【0042】
収集機能254は、複数の医用施設のそれぞれの解析サーバ40から解析要求により実行された解析処理の解析結果を収集する。収集機能254は、収集部の一例である。すなわち、収集機能254は、複数の解析サーバ40から解析結果情報を収集する。
【0043】
推定機能255は、収集機能254により収集された複数の解析結果情報に基づいて、ユーザ端末20を所有するユーザの状態を推定する。推定機能255は、推定部の一例である。ここで、解析結果情報は、解析結果、及び解析対象の医用画像が撮像された日時情報を有する。推定機能255は、複数の解析結果情報が示す経時的変化に基づいて、ユーザの状態を推定してもよい。例えば、医療従事者は、時間経過に応じた筋力の減少量に基づいて、サルコペニアやフレイルであるか否かを判断する。そこで、推定機能255は、複数の解析結果が示す、規定期間におけるユーザの筋力の減少量に基づいて、ユーザのサルコペニアやフレイルの状態を推定してもよい。
【0044】
推定機能255は、ユーザの状態を推定した場合に、推定したユーザの状態を示す推定結果情報を生成する。例えば、推定機能255は、ユーザのサルコペニアやフレイルについて推定した場合、サルコペニアやフレイルの可能性を示す推定結果情報を生成する。なお、推定結果情報には、推定機能255による推定の推定理由が含まれていてもよい。例えば、推定結果情報には、時間経過に応じた筋力の減少量を示す情報が含まれていてもよい。
【0045】
通知機能256は、推定機能255により推定されたユーザの状態を表示端末30に通知する。通知機能256は、通知部の一例である。通知機能256は、収集機能254により収集された解析結果情報を表示端末30に送信することにより通知する。例えば、通知機能256は、推定結果がサルコペニアやフレイルの可能性が高いことを示している場合に、表示端末30に通知する。また、通知機能256は、推定結果がサルコペニアやフレイルの可能性が低いことを示している場合に、表示端末30に通知しない。
【0046】
通知機能256は、推定機能255により推定されたユーザの状態に応じて決定される通知先に通知してもよい。すなわち、通知機能256は、ユーザの状態ごとに通知先が設定された情報に基づいて、推定機能255により推定されたユーザの状態に応じた通知先に通知してもよい。
【0047】
例えば、通知機能256は、推定結果がサルコペニアやフレイルの可能性が低いことを示している場合に、ユーザが使用する表示端末30に通知する。また、通知機能256は、推定結果がサルコペニアやフレイルの可能性が高いことを示している場合に、ユーザの家族や、ユーザの主治医が使用する表示端末30に通知する。
【0048】
図3は、第1の実施形態に係る解析サーバ40の構成の一例を示す図である。解析サーバ40は、NW(network)インタフェース410と、入力インタフェース420と、ディスプレイ430と、記憶回路440と、処理回路450とを有する。
【0049】
NWインタフェース410は、処理回路450に接続され、ネットワーク60を介して接続された各装置との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、NWインタフェース410は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0050】
入力インタフェース420は、処理回路450に接続され、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路450に出力する。具体的には、入力インタフェース420は、操作者から受け付けた入力操作を電気信号へ変換して処理回路450に出力する。例えば、入力インタフェース420は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。なお、本明細書において、入力インタフェース420は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース420の例に含まれる。
【0051】
ディスプレイ430は、処理回路450に接続され、処理回路450から出力される各種情報及び各種画像データを表示する。例えば、ディスプレイ430は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネル等によって実現される。
【0052】
記憶回路440は、処理回路450に接続され、各種データを記憶する。また、記憶回路440は、処理回路450が読み出して実行することで各種機能を実現するための種々のプログラムを記憶する。例えば、記憶回路440は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
【0053】
処理回路450は、解析サーバ40全体の動作を制御する。処理回路450は、例えば、指示入力機能451、抽出機能452、解析機能453、及び解析結果出力機能454を有する。実施形態では、構成要素である指示入力機能451、抽出機能452、解析機能453、及び解析結果出力機能454にて行われる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路440へ記憶されている。処理回路450は、プログラムを記憶回路440から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路450は、図3の処理回路450内に示された各機能を有することになる。
【0054】
なお、図3においては単一のプロセッサにて、指示入力機能451、抽出機能452、解析機能453、及び解析結果出力機能454を実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路450を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、図3においては、記憶回路440等の単一の記憶回路が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明したが、複数の記憶回路を分散して配置して、処理回路450は、個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。
【0055】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD),及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路440に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路440にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
【0056】
指示入力機能451は、ユーザ端末20から解析処理の実行を指示する解析要求を受信する。すなわち、指示入力機能451は、CT画像やMRI画像などの医用画像の種類、及び医用画像に含まれる患者の部位を含む抽出条件情報と、ユーザを特定するためのユーザ特定情報と、抽出条件情報に適合する医用画像に対して実行する解析処理を特定するための解析処理特定情報と、を有する解析要求の入力を受け付ける。指示入力機能451は、入力部の一例である。
【0057】
抽出機能452は、複数の医用画像を記憶するPACS50から、解析要求に含まれるユーザ特定情報のユーザの医用画像のうち、解析要求に含まれる抽出条件情報に適合する1以上の医用画像を抽出する。抽出機能452は、抽出部の一例である。抽出機能452は、DICOMタグが示す医用画像に関する情報と、抽出条件情報とが適合する医用画像を抽出する。例えば、抽出機能452は、ユーザを特定するためのユーザ特定情報、医用画像の種類、及び医用画像に含まれるユーザの部位を含む抽出条件が適合する医用画像を抽出する。言い換えると、抽出機能452は、ユーザ端末20の判定機能252により検出されたトリガに基づいて、記憶回路240に記憶されたトリガ一覧情報の抽出条件に適合する医用画像をPACS50から抽出する。この時、抽出機能452は、医用画像の撮像を依頼する検査オーダ情報に示された検査目的にかかわらずに、医用画像を抽出する。
【0058】
また、抽出機能452は、X線CT装置やMRI装置等により撮像されたボリューム画像の場合、予め定められた設定に応じた少なくとも一つの断面の医用画像を抽出する。この場合、抽出機能452は、体軸断の断面の医用画像を抽出してもよいし、矢状断の断面の医用画像を抽出してもよいし、冠状断の断面の医用画像を抽出してもよい。また、抽出機能452は、ボリューム画像の端の断面の医用画像を抽出してもよいし、ボリューム画像の中央の断面の医用画像を抽出してもよいし、ボリューム画像に含まれる解剖学的ランドマークにより特定される位置の断面の医用画像を抽出してもよい。
【0059】
解析機能453は、抽出機能452により抽出された1以上の医用画像に対して、解析要求の解析処理特定情報より特定される解析処理を実行する。解析機能453は、解析部の一例である。言い換えると、解析機能453は、抽出機能452により抽出された1以上の医用画像に対して、判定機能252により検出されたトリガに対応付けられた解析処理特定情報の解析処理を実行する。また、解析機能453は、解析処理の実行結果である解析結果と、解析対象の医用画像が撮像された日時を示す日時情報とを対応付ける。
【0060】
例えば、解析機能453は、サルコペニアやフレイルに対する解析処理の場合、医用画像が示すユーザの筋力量を解析する。そして、解析機能453は、解析結果である筋力量と、解析対象の医用画像が撮像された日時を示す日時情報とを対応付ける。
【0061】
解析結果出力機能454は、解析機能453による解析結果を出力する。解析結果出力機能454は、出力部の一例である。また、解析結果出力機能454は、解析結果に対応付けられた日時情報を出力する。すなわち、解析結果出力機能454は、解析要求を送信したユーザ端末20に対して、解析結果と日時情報とを送信する。
【0062】
次に、検査支援システム1が実行する各種処理について説明する。
【0063】
図4は、第1の実施形態に係るユーザ端末20が実行する解析要求処理の一例を示すフローチャートである。
【0064】
トリガ取得機能251は、検査支援システム1による処理を開始するトリガとなる可能性がある情報を取得する(ステップS1)。すなわち、トリガ取得機能251は、センサ装置10により検出された情報、及び自装置が検出した情報を取得する。
【0065】
判定機能252は、トリガ一覧情報に基づいて、トリガ取得機能251により取得された情報がトリガであるか否かを判定する(ステップS2)。すなわち、判定機能252は、トリガ取得機能251により取得された情報と、トリガ一覧情報に設定されたトリガ情報とが一致するか否かによりトリガであるか否かを判定する。トリガではない場合に(ステップS2;No)、判定機能252は、ステップS1に移行する。
【0066】
トリガの場合に(ステップS2;Yes)、指示機能253は、トリガ一覧情報において、トリガ取得機能251により取得された情報に適合するトリガ情報に対応付けられる抽出条件情報、及び解析処理特定情報を取得する(ステップS3)。
【0067】
指示機能253は、自装置を所有するユーザを示すユーザ情報と、抽出条件情報と、解析処理特定情報とを含む解析要求を各医用施設の解析サーバ40に送信する(ステップS4)。
【0068】
以上により、ユーザ端末20は、解析要求処理を終了する。
【0069】
図5は、第1の実施形態に係る解析サーバ40が実行する解析処理の一例を示すフローチャートである。
【0070】
指示入力機能451は、ユーザ端末20から送信された解析要求を受信する(ステップS11)。
【0071】
抽出機能452は、解析要求が有する抽出条件情報に適合する1以上の医用画像をPACS50から抽出する(ステップS12)。
【0072】
解析機能453は、抽出機能452により抽出された1以上の医用画像に対して、解析要求が有する解析処理特定情報の解析処理を実行する(ステップS13)。すなわち、解析機能453は、医用画像ごとに解析処理を実行する。例えば、解析機能453は、サルコペニアやフレイルについて解析処理を実行する場合、医用画像ごとにユーザの筋力量を測定する解析処理を実行する。
【0073】
解析結果出力機能454は、医用画像ごとの解析結果と、解析対象の医用画像が撮像された日時情報とを対応付けて、解析要求を送信したユーザ端末20に送信する(ステップS14)。
【0074】
以上により、解析サーバ40は、解析処理を終了する。
【0075】
図6は、第1の実施形態に係るユーザ端末20が実行する推定処理の一例を示すフローチャートである。
【0076】
収集機能254は、各医用施設の解析サーバ40から解析結果を受信する(ステップS21)。
【0077】
収集機能254は、各医用施設の解析サーバ40から解析結果の受信が完了したか否かを判定する(ステップS22)。解析結果の受信が完了していない場合に(ステップS22;No)、収集機能254は、ステップS21に移行する。
【0078】
解析結果の受信が完了した場合に(ステップS22;Yes)、推定機能255は、各解析サーバ40から受信した1以上の解析結果に基づいて、ユーザの状態を推定する(ステップS23)。例えば、推定機能255は、1以上の解析結果が示す経時的変化に基づいて、ユーザの状態を推定する。例えば、サルコペニアやフレイルの場合、推定機能255は、設定期間内における筋力の減少量に基づいて、ユーザのサルコペニアやフレイルの状態について推定する。
【0079】
通知機能256は、推定機能255による推定結果を通知する(ステップS24)。例えば、通知機能256は、推定結果が示すユーザのサルコペニアやフレイルの状態について、予め定められた表示端末30に通知する。
【0080】
以上により、解析サーバ40は、推定処理を終了する。
【0081】
以上のように、第1の実施形態に係る検査支援システム1は、医用画像に対する解析要求の入力を受け付ける。また、検査支援システム1は、PACS50から患者の医用画像のうち、解析要求に含まれる抽出条件に適合する1以上の医用画像を抽出する。また、検査支援システム1は、PACS50から抽出した1以上の医用画像に対して、解析要求で指定された解析処理を実行する。そして、検査支援システム1は、解析結果を出力する。
【0082】
例えば、検査支援システム1は、サルコペニアやフレイルについて解析する場合、過去に撮像された患者の医用画像のうち、腹部の医用画像をPACS50から抽出する。また、検査支援システム1は、抽出した1以上の医用画像に対して、筋力量を測定する解析処理を実行する。そして、検査支援システム1は、解析処理により測定した各医用画像の筋力量を出力する。これにより、ユーザ等は、筋力量を把握することができるため、サルコペニアやフレイルについての診断に活用することができる。
【0083】
このように、検査支援システム1は、医用画像の撮像を依頼する検査オーダ情報に示された検査目的にかかわらずに、PACS50から医用画像を抽出する。したがって、検査支援システム1は、当初に想定されていた検査目的にかかわらず医用画像を活用することができる。
【0084】
(変形例1)
上記実施形態においてユーザ端末20は、トリガ取得機能251、判定機能252、指示機能253、収集機能254、推定機能255、及び通知機能256を有すると説明した。しかしながら、トリガ取得機能251、判定機能252、指示機能253、収集機能254、推定機能255、及び通知機能256の全部又は一部は、サーバ装置が有していてもよい。この場合、ユーザ端末20は、サーバ装置と、他の装置との間においてデータを中継すればよい。
【0085】
(変形例2)
上記実施形態において解析サーバ40は、指示入力機能451、抽出機能452、解析機能453、及び解析結果出力機能454を有すると説明した。しかしながら、指示入力機能451、抽出機能452、解析機能453、及び解析結果出力機能454の全部又は一部は、他の装置が有していてもよい。例えば、指示入力機能451、抽出機能452、解析機能453、及び解析結果出力機能454の全部又は一部は、電子カルテ装置が有していてもよい。または、各医用施設に設置された他のサーバ装置が有していてもよい。
【0086】
(変形例3)
上記実施形態においてユーザ端末20は、トリガ取得機能251、判定機能252、指示機能253、収集機能254、推定機能255、及び通知機能256を有すると説明した。また、解析サーバ40は、指示入力機能451、抽出機能452、解析機能453、及び解析結果出力機能454を有すると説明した。すなわち、これら各機能は、複数の装置に分けられていると説明した。
【0087】
しかしながら、トリガ取得機能251、判定機能252、指示機能253、収集機能254、推定機能255、通知機能256、指示入力機能451、抽出機能452、解析機能453、及び解析結果出力機能454は、一の装置が有していてもよい。例えば、複数の医用施設の解析サーバ40のうち、代表となる1の解析サーバ40がこれら機能を有していてもよい。また、解析サーバ40に限らず、電子カルテ装置などの他の装置がこれら機能を有していてもよい。
【0088】
以上説明した少なくとも1つの実施形態等によれば、当初に想定されていた検査目的にかかわらず医用画像を活用することができる。
【0089】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0090】
1 検査支援システム
10 センサ装置
20 ユーザ端末
30 表示端末
40 解析サーバ
50 PACS
240、440 記憶回路
250、450 処理回路
251 トリガ取得機能
252 判定機能
253 指示機能
254 収集機能
255 推定機能
256 通知機能
451 指示入力機能
452 抽出機能
453 解析機能
454 解析結果出力機能
図1
図2
図3
図4
図5
図6