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特開2024-76213電子部品用カバー組付装置及びカバー組付方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076213
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】電子部品用カバー組付装置及びカバー組付方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/00 20060101AFI20240529BHJP
【FI】
B25J13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187675
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富永 一弥
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS06
3C707AS08
3C707BS12
3C707DS01
3C707ES02
3C707ET08
3C707NS17
(57)【要約】
【課題】 ケースにカバーを自動で組付け可能なカバー組付装置及びカバー組付方法を提供する。
【解決手段】 電子部品用カバー組付装置18は、固定部材31に固定される第1ハンド32、33と、前記第1ハンドと共にカバーを把持可能な、前記固定部材に対し往復移動可能な第2ハンド42、43と、を備え、ケース2の壁外面211側からカバー20の壁内面203を被せて組み付ける。第1ハンド32、33及び第2ハンド42、43がカバー20を把持し、移動して回転し、ケース2の一方の壁外面211にカバー20の一方の壁内面203を係止し、第1ハンド32、33と第2ハンド42、43の把持力を解放する。カバー20に圧縮力の作用しない状態で、第1ハンド32、33及び第2ハンド42、43を逆回転し、ケース2の他方の壁外面212にカバーの他方の壁内面204を被せる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー(20)の壁外面(201、202)を把持し、ケース(2)の壁外面(211)側から前記カバーの壁内面(203)を被せて組み付ける、電子部品用カバー組付装置(18)であって、
固定部材(31)と、
前記固定部材に固定される第1ハンド(32、33)と、
前記第1ハンドと共にカバーを把持可能な、前記固定部材に対し往復移動可能な第2ハンド(42、43)と、を備え、
前記第1ハンド及び前記第2ハンドがカバーを把持し、
前記第1ハンド及び前記第2ハンドを移動して回転し、
ケースの一方の壁外面(211)に前記カバーの一方の壁内面(203)を係止し、
前記第1ハンドと前記第2ハンドの把持力を解放し、
カバーの非把持状態で、前記第1ハンド及び前記第2ハンドを逆回転し、ケースの他方の壁外面(212)にカバーの他方の壁内面(204)を被せる、電子部品用カバー組付装置。
【請求項2】
前記第1ハンド及び/又は前記第2ハンドに、カバーの底外面(206)に接触可能な上抑え治具(35、36、45、46)を設けた請求項1記載の電子部品用カバー組付装置。
【請求項3】
前記第1ハンド及び/又は前記第2ハンドに、カバーの前記壁外面に接触可能なチャック(37)を設けた請求項1記載の電子部品用カバー組付装置。
【請求項4】
前記チャックにゴム材を設けた請求項3記載の電子部品用カバー組付装置。
【請求項5】
前記固定部材に設けられ、前記第2ハンドを駆動する電動アクチュエータ(38)を備える請求項1記載の電子部品用カバー組付装置。
【請求項6】
前記電動アクチュエータは、電流制限による推力の制限が可能である請求項5記載の電子部品用カバー組付装置。
【請求項7】
前記上抑え治具にゴム材(49)を設けた請求項2記載の電子部品用カバー組付装置。
【請求項8】
カバー(20)の壁外面(201、202)を把持し、ケース(2)の壁外面(211、212)側から前記カバーの壁内面(203、204)を被せて組み付ける、電子部品のカバー組付方法であって、
カバー(20)の壁外面(201、202)を両方のチャック(37、47)が把持する工程と、
前記チャックが回転し、カバーの一方をケースの一方に組付ける工程と、
前記チャックの駆動電流を制限し、カバーの他方を開放する工程と、
前記チャックを逆方向に回転し、前記カバーの他方を前記ケースの他方に組付ける工程と、を含む電子部品用カバー組付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースにカバーを被せて組み付ける電子部品のカバー組付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カバー組付装置として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
この特許文献1に開示されるカバー組付装置は、カバーを把持するための一対のチャック爪をチャック部材に摺動自在に取り付け、各チャック爪をカバー把持方向に付勢する付勢手段をチャック部材に設け、チャック部材をカバー把持方向に移動し、カバーの対応する側面にチャック爪を当接し、付勢手段の付勢力に抗してチャック部材をカバー把持方向に更に移動させてカバーを把持するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-294892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、公知のカバー組付装置によると、カバーを把持する為のチャック推力によりカバーが圧縮されるため、ケースに組付ける時、ケース壁外面とカバー壁内面との隙間が小さくなることがある。ケース壁外面とカバー壁内面との隙間が過小になる状態で組付けを行うと、ケースの上からカバーが組付かない問題が発生する。
【0005】
また量産品では組み立てをする際にワークの寸法の不均一が大きければ組み立てられない場合や形が大きすぎて性能が出ないなどの問題がある。さらにカバーとケースの隙間が小さい部品では、自動機械での組み付けが不成立になりがちである。
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、ケースにカバーを自動で組付け可能なカバー組付装置及びカバー組付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子部品用カバー組付装置は、カバー(20)の壁外面(201、202)を把持し、ケース(2)の壁外面(211)側から前記カバーの壁内面(203)を被せて組み付ける、電子部品用カバー組付装置(18)であって、
固定部材(31)と、前記固定部材に固定される第1ハンド(32、33)と、
前記第1ハンドと共にカバーを把持可能な、前記固定部材に対し往復移動可能な第2ハンド(42、43)と、を備え、
前記第1ハンド及び前記第2ハンドがカバーを把持し、
前記第1ハンド及び前記第2ハンドを移動して回転し、
ケースの一方の壁外面(211)に前記カバーの一方の壁内面(203)を係止し、
前記第1ハンドと前記第2ハンドの把持力を開放し、
カバーの非把持状態で、前記第1ハンド及び前記第2ハンドを逆回転し、ケースの他方の壁外面(212)にカバーの他方の壁内面(204)を被せる、構成を採用する。
【0007】
本発明のカバー組付装置によると、組付時、第1ハンド及び第2ハンドが把持するカバーの壁内面の一方を、ケースの一方の壁外面に係止し、この係止状態を保持した状態で、チャック解除に相当する非把持状態を形成する。このときカバー20に圧縮力の作用しない状態が発生する。
チャック解除(開放)時、カバーの壁内面の一方は組付られており、第1ハンドの下端(チャック)がラフガイドとしても機能しているため、ケースに対しカバーを片持ち支持する位置はズレない。
【0008】
その後、第2ハンドを回転させて、カバーの壁内面の他方(残りの片側)をケースの他方の壁外面に係止し、ケースにカバーを組付ける。
本発明のカバー組付装置によると、カバー把持後にカバーの一方を組み込み、その後、チャックを開放し、カバーへのチャック力をキャンセルし、その後にカバーの他方をケースに組み付ける。
【0009】
ケース壁外面とカバー壁内面との隙間が小さくとも、カバー把持時に前記隙間が過小になることを回避する。したがって、ケースの上からカバーが組付かない問題を解消することができる。
またワークに相当するケース及びカバーの寸法、形状等の不均一があっても、組付に要する寸法及び形状の不均一の許容範囲を拡大することができる。さらに自動組み立て時の高速化や組付品の品質を向上することができる。
また、本発明の電子部品用カバー組付方法は、カバー(20)の壁外面(201、202)を把持し、ケース(2)の壁外面(211、212)側から前記カバーの壁内面(203、204)を被せて組み付ける、電子部品のカバー組付方法であって、カバー(20)の壁外面(201、202)を両方のチャック(37、47)が把持する工程と、前記チャックが回転し、カバーの一方をケースの一方に組付ける工程と、前記チャックの駆動電流を制限し、カバーの他方を開放する工程と、前記チャックを逆方向に回転し、前記カバーの他方を前記ケースの他方に組付ける工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】(A)第一実施形態に用いたケースとカバー(ワーク)の分解斜視図、(B)ケースとカバーを組付完了した斜視図、
図2】第一実施形態のカバー組付装置の斜視図、
図3】第一実施形態のカバー組付装置の平面図、
図4図3のIV方向矢視図、
図5】第一実施形態のロボットを示す斜視図、
図6】第一実施形態の作用説明図、
図7】第一実施形態の作用説明図、
図8】第一実施形態の作用説明図、
図9】第一実施形態の作用説明図、
図10】比較形態の作用説明図、
図11】比較形態の作用説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態による電子部品のカバー組付装置及びカバー組付方法を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0012】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態について図1から図9に基づいて説明する。
まず、電子部品を組み込むケースにカバーを組み付けるワークについて説明する。
【0013】
図1に示すように、ワーク1はケース2とカバー20からなる。図1(A)はケース2とカバー20が組付け前の分離した状態を示し、(B)は組付け後の状態を示す。
ケース2は、図6に示すように、断面形状コ字状の受皿状の容器形状をしている。図1に示すように、ケース2の上面に矩形状の薄板からなる基板3が載せられる。基板3の側方から外部端子を接続可能な第1コネクタ4、上方から外部端子を接続可能な第2コネクタ5、別の位置で上方から外部端子を接続可能な第3コネクタ6が設けられている。第2コネクタ5および第3コネクタ6と反対側の長辺側の両端にはL字状ブラケット7、8がケース2の底面に固定されている。
【0014】
カバー20は、外底面206を有し、基本形が横断面コ字状の受皿状の形状をしている。前述した第2コネクタ5及び第3コネクタ6に対応する位置に小長孔21及び大長孔22が開口している。またカバー20の外底面206にシール27が貼付されている。カバー20の長辺方向のほぼ中央部にはねじ孔を形成する中央凹部25が形成される。四隅にはねじ孔を形成する角凹部26が形成されている。
【0015】
次に、ケース2にカバー20を組付けるカバー組付装置18を、図2から図5に基づいて説明する。
図5に示すように、ロボット11を含むカバー組付装置18がケースの上方開口側からカバーを組み付ける。本実施形態は六軸ロボットを用いている。
ロボット11は、基台50に対し3次元の任意の位置に任意の傾斜角度に先端の基部56を移動するロボットアーム70を備える。
【0016】
ロボット11は、基台50に固定される固定部51に対し矢印58方向に例えば360度回動可能な支柱52が設けられる。支柱52の上端59に対し矢印61方向に例えば180度回動可能な第1アーム53が設けられる。第1アーム53の先端の支点57に矢印62方向に例えば180度回動可能に第2アーム54が設けられている。第2アーム54の先端に支点63を中心に矢印64方向に例えば180度回動可能な回転体65が設けられ、回転体65に基部56が固定される。
【0017】
ロボットアーム70の先端に固定される基部56は、カバー20を読み取る図示しない画像センサを有する。この画像センサを含むセンサ系のセンサ信号等に基づいて駆動系に操作信号を出力する制御系、制御系の信号を受けて駆動する駆動系の作動によりロボットアーム先端の基部56を任意の3次元位置にかつ任意の傾斜角度に移動できる。
【0018】
図5に示す基部56は、図2に示すカバー組付装置18の本体30に機械的に連結されかつ電気的に接続される。図2は、カバー組付装置18の第1ハンド32、33及び第2ハンド42、43がカバー20を把持した状態を示している。
カバー組付装置18は、図2に示すように、本体30の下面にL字状固定部材31の一方の端311がねじ結合されている。固定部材31の他方の端312に第1ハンド32、33が固定されている。固定部材31に対し矢印48方向に往復直線移動可能な可動部材41は第2ハンド42、43を有している。固定部材31に固定される電動アクチュエータ38は可動部材41を矢印48方向に往復移動可能に駆動する。
【0019】
第1ハンド32、33の先端で連結部材34を有し、連結部材34にカバー20の長辺側の一方の壁外面201を押圧可能なチャックに相当する長尺状のゴム板37を設けている。連結部材34の上部の一方の第1ハンド32、33間にカバー20の外底面206を押圧可能な上抑え治具35、36を設けている。上抑え治具35、36の下面に緩衝材としてのゴム板49が貼付されている。
上抑え治具35、36は、ゴム板37、47を開放後に第2ハンド42、43を回転させて他方の片側の長辺側端部を組付ける際に、カバー20の動作を自由落下せずにゴム板47の動きと同様な落下軌道にする。
【0020】
第2ハンド42、43は、下端に両端を張り出す長尺状プレート44を設け、プレート44の両端にカバー20の外底面206の他方の長辺隅部に押圧可能な上抑え治具45、46を設けている。上抑え治具45、46の下面に緩衝材としてのゴム板49が貼付されている。上抑え治具45、46の位置は小長孔21及び大長孔22の位置を考慮したものである。
【0021】
第2ハンド42、43の先端で連結部材39を有し、連結部材39にカバー20の他方の長辺側の壁外面202を押圧可能なチャックに相当する長尺状のゴム板47を設けている。
図5に示すロボットアーム70の先端は、図2に示す第1ハンド32、33と第2ハンド42、43がカバー20の壁外面201、202を把持し、カバー20をケース2の上方開口部の上方位置に近づくようにし、ハンド32、33、42、43を下降させる。
【0022】
電動アクチュエータ38の駆動力を受けてカバー20を把持する第1ハンド32、33と第2ハンド42、43のチャック駆動軸は、電流制限による推力の制御が可能になっている。電流制限は、電動アクチュエータ内蔵のモータに流す電流を制限する。電流を制御することにより、出力トルクの制御が行える。
【0023】
カバー組付工程では、図示しないパレット上に固定された図6に示すケース2に対し上からカバー20を組付する。カバーの外壁を把持したロボットがケースに覆い被さるようハンド32、33、42、43を下降させて組付ける。
【0024】
次に作用について説明する。
図6に示すように、カバー組付装置18の第1ハンド32、33と第2ハンド42、43でカバー20を把持し、図5に示すロボット11の先端の基部56に連結される本体30を図示しないパレット上のケース2の上方へ置く。このとき、ゴム板37、47でカバー20の壁外面201、202をチャックし、ケース2の上方開口にカバー20を被せる位置にロボットアーム70が第1ハンド32、33及び第2ハンド42、43を移動する。
【0025】
すると、図6に示す状態になる。この状態に至るまで第1ハンド32、33と第2ハンド42、43によるカバー20の両壁外面201、202の圧縮は例えば15ニュートン以内にする。カバー20の外底面206は上抑え治具35、36、45、46により抑えられる。このとき、第1ハンド32、33及び第2ハンド42、43によりゴム板37、47を経由してカバー20の壁外面201、202を把持する。
【0026】
次に、図6に示す状態から図7に示す状態にロボットアーム70が本体30を矢印66方向へ回転し、カバー20を例えば2.4度の傾斜角に傾斜する。これにより、第1ハンド32、33側のゴム板37に接触するカバー20の一方の長辺側先端の壁内面203がケース2の一方の壁外面211に係止される。このとき、カバー20の他方の長辺側先端の壁内面204は、ケース2の他方の壁外面212の上端から離れている(図7参照)。
【0027】
次に、図8に示すように、固定部材31に対し可動部材41を矢印66の開放方向に移動し、第1ハンド32、33に対し第2ハンド42、43を開放し、カバー20の長辺側の壁外面201、202を把持していた圧縮力を開放する。
【0028】
次に、図9に示すように、第2アーム42、43を下降するように本体30を矢印71方向に逆回転し、傾斜角を元のゼロ角に戻す。このとき、上抑え治具45、46は、カバー20の他方の壁外面202をゴム板47の落下軌道の動作と同様な落下軌道の動作をとる。これにより、ケース2の上方開口部を形成する壁外面212に対してカバー20の壁内面204が外側から被さるように嵌合する。
【0029】
本実施形態によると、組付工程においてカバー20にチャック力の影響を受けない状態を作る。組付時、ケース2の一方の壁外面211にカバー20の壁内面203を係止した後にカバー20を把持していない状態(開放状態)を形成する。この状態を通過すると、ケース2にカバー20の一方を係止する位置が決まり、圧縮力が働かないから、カバー20の他方の位置がズレない。
【0030】
したがって、カバーを組む際、ハンドを回転し、カバーの幅方向の一方の片側だけ組付けた後、チャックを開放し、カバーへのチャック力をキャンセルし、ハンドを逆回転し、カバーの他方の片側を回転して組付ける。チャック開放時、カバーの片側は組付られており、チャックがラフガイドとしても機能している為、カバーの位置はズレない。よって、ケース壁外面とカバー壁内面との隙間が小さくとも、ケースの上からカバーが組付かない問題を解消することができる。
【0031】
比較形態を図10及び図11に示す。比較形態はカバー組付装置のカバー20の両端をチャック81、82により把持し、組付ける装置を示す。この装置ではカバー20の両端から、図11に示すように、カバー20の両側の壁外面から圧縮力が働く。
このため、カバーを把持する為のチャック推力によりカバー20が圧縮されるため、ケースに組付ける時、ケース外壁面とカバー内壁面との隙間が小さくなってしまうことがある。隙間が過小になる状態で組付けを行うと、ケースの上からカバーが組付かない。
【0032】
これに対し、上記実施形態によると、ケース壁外面とカバー壁内面との隙間や、カバー20とケース2の組付寸法交差がある場合も、ケース2にカバー20を組み付ける支障となる要因を低減することができる。
【0033】
(その他の実施形態)
第1実施形態では、ワークに相当するカバーをケースに組み付ける例を示したが、
本発明は、ケースの形状が上方開口部を有しない形状のケース、例えば平板状のケースにも適用することができる。
本発明は、カバーとケースの形状は上記実施形態に限定されるものでない。ケースに対しカバーを組付けるものであれば、ケース及びカバーの形状は限定されるものでない。
【0034】
本実施形態は、カバー20が平行な2辺の壁外面201、202を有するものをケース2に組付ける装置に本発明を適用した形態について説明した。しかし本発明は第1ハンド及び第2ハンドにより把持する箇所を有するワークであれば、本発明を適用することはできる。
本発明の実施形態は、矩形状カバーの第1の長辺の中央に位置する2カ所、第1の長辺に平行な第2の長辺の両端に位置する2カ所において、カバー20の外底面206を上抑え治具35、36、45、46により支持する装置について説明した。しかし、本発明では、上抑え治具の位置はこの位置に限られない。また上抑え治具の個数は限定されるものでない。
【0035】
本発明を適用可能なワーク(カバー)の材料は限定されるものでない。本発明は、カバーの材料がゴム、鉄その他の金属であっても適用できることはもちろんである。
本実施形態は、六軸ロボットを用いたが、本発明の動作を可能とするものであれば、本発明の実施に用いるロボットの構成ないし形態は限られない。またロボットを用いることなしに本発明は成立し得る。
【0036】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0037】
2 ケース
11 六軸ロボット(ロボット)
18 カバー組付装置
20 カバー
30 本体
31 L字状固定部材(固定部材)
32、33 第1ハンド(チャック)
35、36、45、46 上抑え治具
37、47 ゴム板(チャック、ゴム板、ゴム材)
41 可動部材
42、43 第2ハンド(可動部材、チャック)
49 ゴム板(ゴム材)
56 基部
70 ロボットアーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11