(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007623
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】カードリーダのシャッタ構造
(51)【国際特許分類】
G06K 13/06 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
G06K13/06 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108806
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】敦賀 直明
(72)【発明者】
【氏名】山口 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】都築 一郎
【テーマコード(参考)】
5B023
【Fターム(参考)】
5B023GA06
(57)【要約】
【課題】カード挿入路に形成された開口部からゴミや埃がシャッターの駆動機構側に入ることを防ぐことが可能なカードリーダのシャッタ構造を提供する。
【解決手段】カード出入口3を有するカード挿入路5と、カード挿入路5の壁(板状部9a)に形成された開口部11と、カード挿入路5の壁に揺動自在に支持され、カード2の挿抜を規制する挿入位置と一端部6aがカード挿入路5の外に出る退避位置との間で揺動するシャッタ部材6とを備える。シャッタ部材6を揺動させる駆動機構7と、シャッタ部材6が退避位置に位置している状態で開口部11を塞ぐ閉鎖板12とを備える。閉鎖板12は、シャッタ部材6が挿入位置に移動した状態で一端部6aによって押されて一端部6aとともにカード挿入路5内に入り、シャッタ部材6が挿入位置から退避位置に移動することにより初期の位置に復帰する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードが出し入れされるカード出入口を有するカード挿入路と、
前記カード挿入路の壁に前記カード挿入路の内外を連通するように形成された開口部と、
前記カード挿入路の壁に揺動自在に支持され、一端部が前記開口部を通して前記カード挿入路の中に挿入されて前記カードの挿抜を規制する挿入位置と前記一端部が前記カード挿入路の外に出る退避位置との間で揺動するシャッタ部材と、
前記シャッタ部材を前記挿入位置と前記退避位置との間で揺動させる駆動機構と、
前記シャッタ部材が前記退避位置に位置している状態で前記開口部を塞ぐ閉鎖板とを備え、
前記閉鎖板は、前記シャッタ部材が前記挿入位置に移動した状態で前記一端部によって押されて前記一端部とともに前記カード挿入路内に入り、前記シャッタ部材が前記挿入位置から前記退避位置に移動することにより初期の位置に復帰するものであることを特徴とするカードリーダのシャッタ構造。
【請求項2】
請求項1に記載のカードリーダのシャッタ構造において、
前記閉鎖板は、
ばね性を有するシートによって形成されているとともに、前記挿入位置に移動した前記シャッタ部材の前記一端部を前記退避位置に向かう方向に付勢するものであることを特徴とするカードリーダのシャッタ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード挿入路に出入りするシャッタ部材を備えたカードリーダのシャッタ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からカードリーダには、例えば特許文献1に開示されているように、カード出入口から挿入されたカードが処理中にユーザに抜き取られることを防止する目的でシャッタ構造を備えている。このシャッタ構造は、カード出入口付近に揺動自在に設けられたシャッタと、シャッタを揺動させる駆動機構などによって構成されている。カードが通されるカード挿入路の壁には、シャッタの揺動端部を通すための開口部が形成されている。
【0003】
シャッタは、駆動機構によって駆動されることにより、カード挿入路に開口する開口部に揺動端部である一端部が挿入される挿入位置と、この一端部がカード挿入路の外に出る退避位置との間で揺動する。シャッタの一端部がカード挿入路に挿入されることにより、カードを取り出す際の経路が遮られる。すなわち、カードの処理中にカードを抜き取ろうとしてもシャッタが邪魔になるために、カードが抜き取られることを防止することができる。
【0004】
駆動機構は、カードとともに押し込まれるカード挿入手段と、このカード挿入手段とシャッタとを連動するように連結するリンク機構などを備えている。
リンク機構は、カード挿入手段と一体に移動するリンクと、このリンクに形成された長穴と、この長穴に挿入されたピンなどを備えている。ピンは、シャッタの他端部に立設されている。リンクの長穴は、リンクがカード挿入手段と一体に移動する方向に対して傾斜するカム部を有し、このカム部をピンが通過することによってシャッタが揺動するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来のシャッタ構造では、シャッタを通すためにカード挿入路に形成されている開口部からゴミや埃がリンク機構側に入ることが問題であった。開口部からリンク機構側に入ったゴミや埃は、シャッタを動作させるためのリンク機構の部品に付着して溜まるようになる。このようにゴミや埃がリンク機構に溜まると、リンク機構の動作が阻害され、カード処理が終わってカードを返却させる動作をしてもシャッタをカード挿入路から退避させることができずにカードが取り出せなくなってしまうという問題が生じる。
【0007】
本発明の目的は、カード挿入路に形成された開口部からゴミや埃がシャッタの駆動機構側に入ることを防ぐことが可能なカードリーダのシャッタ構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために本発明に係るカードリーダのシャッタ構造は、カードが出し入れされるカード出入口を有するカード挿入路と、前記カード挿入路の壁に前記カード挿入路の内外を連通するように形成された開口部と、前記カード挿入路の壁に揺動自在に支持され、一端部が前記開口部を通して前記カード挿入路の中に挿入されて前記カードの挿抜を規制する挿入位置と前記一端部が前記カード挿入路の外に出る退避位置との間で揺動するシャッタ部材と、前記シャッタ部材を前記挿入位置と前記退避位置との間で揺動させる駆動機構と、前記シャッタ部材が前記退避位置に位置している状態で前記開口部を塞ぐ閉鎖板とを備え、前記閉鎖板は、前記シャッタ部材が前記挿入位置に移動した状態で前記一端部によって押されて前記一端部とともに前記カード挿入路内に入り、前記シャッタ部材が前記挿入位置から前記退避位置に移動することにより初期の位置に復帰するものである。
【0009】
本発明は、前記カードリーダのシャッタ構造において、前記閉鎖板は、ばね性を有するシートによって形成されているとともに、前記挿入位置に移動した前記シャッタ部材の前記一端部を前記退避位置に向かう方向に付勢するものであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、カード挿入路に形成された開口部が閉鎖板によって塞がれる。したがって、本発明によれば、カード挿入路に形成された開口部からゴミや埃がシャッターの駆動機構側に入ることを防ぐことが可能なカードリーダのシャッタ構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明に係るシャッタ構造を備えたカードリーダの概略の構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、シャッタ構造のカード出入口を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、シャッタ部分を拡大して示す断面図である。
【
図4】
図4は、ベース部材の一部を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、カード未挿入状態におけるシャッタ構造の要部を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、カード挿入状態におけるシャッタ構造の要部を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、カード未挿入状態におけるシャッタ部材と駆動機構を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、カード挿入状態におけるシャッタ部材と駆動機構を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、カード未挿入状態におけるシャッタ構造の断面図である。
【
図10】
図10は、カード挿入状態におけるシャッタ構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るカードリーダのシャッタ構造の一実施の形態を
図1~
図10を参照して詳細に説明する。
図1に示すカードリーダ1は、非接触型ICカード2(以下、単にカード2という)が挿入された状態で図示していないカード処理装置によってカード2に対してデータの読み取りと書き込みなどのカード処理を行うものである。カード2は、カードリーダ1の一端部(
図1においては上端部)に形成されたカード出入口3を通して出し入れされる。カード2は、長方形の板状に形成されており、その長手方向とは直交する短手方向を挿入方向としてカード出入口3に挿入される。
【0013】
以下においては、カード2がカードリーダ1に対して出し入れされるときの方向を単に「カード2の出し入れ方向」といい、カード2の長手方向を「カード2の幅方向」という。
このカードリーダ1は、カード処理が行われているときにカード2が取り出されることを防止するシャッタ構造4を備えている。
シャッタ構造4は、カード2が出し入れされるカード出入口3を有するカード挿入路5と、カード出入口3の近傍に設けられたシャッタ部材6と、シャッタ部材6を駆動するための駆動機構7などを備えている。
【0014】
(カード挿入路の説明)
カード挿入路5は、筐体8(
図1参照)の一部を構成する断面コ字状のベース部材9と、このベース部材9の中に挿入された板状の蓋部材10とによって形成されており、ベース部材9と蓋部材10との間の空間をカード2が通るように構成されている。
【0015】
ベース部材9のカード出入口3側となる一端部であって、カード2の幅方向の両側には、
図2に示すように、カード挿入路5の内外を連通する開口部11が形成されている。開口部11は、カード2の主面と平行になるベース部材9の板状部9aを貫通している。
開口部11の開口形状は、
図4(A)に示すように、カード2の出し入れ方向に長い長方形である。ベース部材9の開口部11と対応する位置には、
図4(B)に示すように、閉鎖板12が取付けられている。閉鎖板12は、ばね性を有するプラスチック材料からなるシートによって形成されており、開口部11をカード挿入路5の外側から覆って塞いでいる。閉鎖板12は、長手方向においてカード出入口3とは反対方向の端部が図示していない接着剤によってベース部材9に接着されている。閉鎖板12をベース部材9に接着する接着剤は、
図4(A)中にハッチングを施して示す接着部13に塗布される。なお、閉鎖板12は、接着剤の代わりに両面テープでベース部材9に貼り付けても良い。
【0016】
(シャッタ部材の説明)
閉鎖板12の近傍には、
図1に示すようにシャッタ部材6が配置されている。
シャッタ部材6は、カード2の幅方向においてベース部材9の両端部にそれぞれ設けられている。この実施の形態によるシャッタ部材6は、
図5~
図8に示すように、カード2の出し入れ方向に延びる形状に形成され、カード2の出し入れ方向の中間部に設けられた支軸14を介してベース部材9に揺動自在に支持されている。支軸14は、カード2の幅方向に延びており、ベース部材9に設けられた軸受片15に回動自在に支持されている。
【0017】
シャッタ部材6のカード出入口3側の一端部6aは、カード挿入路5に向かう方向に屈曲している。シャッタ部材6の他端部6bには、円柱状のカムフォロア16が設けられている。カムフォロア16は、後述する駆動機構7の一部を構成するもので、駆動機構7が動作することによりベース部材9の板状部9aに対して接近あるいは離間する方向に移動する。カムフォロア16が板状部9aに接近することにより、
図3(A)に示すようにシャッタ部材6の一端部6aがカード挿入路5の外に位置付けられる。この状態にあるシャッタ部材6の位置を以下においては「退避位置」という。閉鎖板12は、シャッタ部材6が退避位置に位置している状態で開口部11を塞ぐ。
【0018】
一方、カムフォロア16が板状部9aから離間する方向に移動すると、シャッタ部材6の一端部6aが閉鎖板12を押しながら開口部11に向けて進み、閉鎖板12のばね力に抗して
図3(B)に示すように閉鎖板12とともにカード挿入路5の中に入るようになる。この状態にあるシャッタ部材6の位置を以下においては「挿入位置」という。すなわち、シャッタ部材6は、一端部6aが開口部11を通してカード挿入路5の中に挿入された挿入位置と、一端部6aがカード挿入路5の外に出る退避位置との間で揺動する。
【0019】
シャッタ部材6が挿入位置に位置付けられると、カード挿入路5がシャッタ部材6の一端部6aによって遮られ、シャッタ部材6の一端部6aがカード2の挿抜を規制するようになる。このとき、挿入位置に移動したシャッタ部材6の一端部6aは、閉鎖板12のばね力で退避位置に向かう方向に付勢されている。
閉鎖板12は、シャッタ部材6が挿入位置に位置している状態においては弾性変形して屈曲し、シャッタ部材6が挿入位置から退避位置に戻ることにより、自らのばね力で初期の位置に復帰する。
【0020】
(駆動機構の説明)
駆動機構7は、シャッタ部材6を挿入位置と退避位置との間で揺動させるもので、
図5~
図8に示すように、シャッタ部材6のカムフォロア16が通される長穴からなるカム21が一端部に形成されたリンク22と、リンク22の他端部に連結されたスライダ23と、スライダ23を後述するカード処理位置に保持する保持装置(図示せず)などを備えている。
【0021】
リンク22は、シャッタ部材6毎に設けられており、カード2の出し入れ方向に延びる棒状に形成され、ベース部材9に設けられた一対のガイド板24,25によってカード2の出し入れ方向に移動自在に保持されている。
図3(A),(B)に示すように、リンク22の一端部、すなわちカード出入口3に近い方の端部に形成されたカム21は、リンク22がカード2の出し入れ方向においてカード出入口3に向けて(
図5においては上側に)移動することによりカムフォロア16がベース部材9の板状部9aに接近し、リンク22がカード出入口3から遠ざかることによりカムフォロア16がベース部材9の板状部9aから離間するように形成されている。
リンク22の他端部は、スライダ23に一体に移動するように連結されている。
【0022】
スライダ23は、
図5および
図6に示すように、一方のリンク22に連結される第1の腕部23aと、他方のリンク22に連結される第2の腕部23bと、カード2の幅方向の中央部でカード2の出し入れ方向に延びるカード受け部23cとを有している。
スライダ23には、図示してはいないが、スライダ23をカード出入口3に向かう方向へ付勢する復帰機構(図示せず)が接続されている。なお、復帰機構の付勢力によるスライダ23の移動は、スライダ23があらかじめ定めた初期位置に達したときに図示していないストッパによって規制される。
スライダ23が復帰機構の付勢力でカード出入口3に向けて移動することにより、
図3(A)、
図5、
図7に示すように、リンク22がスライダ23と同じ方向に移動し、カムフォロア16がベース部材9の板状部9aに近付くように移動してシャッタ部材6が退避位置に位置付けられる。
【0023】
スライダ23のカード受け部23cは、ベース部材9の板状部9aの近傍で板状部9aと平行となるように配置されている。このカード受け部23cにおけるカード出入口3に近接する端部には、カード2を受けるための一対の凸片31がカード2の厚み方向に凸設されている。これらの凸片31は、カード2の幅方向においてカード受け部23cの両端部に配設されているとともに、カード2の出し入れ方向において同一位置に形成されている。また、これらの凸片31は、ベース部材9の板状部9aに形成されたスリット32(
図1、
図9、
図10参照)に通されてカード挿入路5をカード2の厚み方向に横切っている。スリット32は、カード2の出し入れ方向に所定の長さだけ延びるように形成されている。
【0024】
このように凸片31がカード挿入路5を横切ることにより、カード出入口3に挿入されたカード2が凸片31に当たるようになる。このカードリーダ1でカード2に対してカード処理を行う際には、カード2を凸片31に当たった状態で復帰機構の付勢力に抗して更に押し込み、カード挿入路5の最奥部のカード処理位置まで進める。カード2がカード処理位置に到達することにより、スライダ23が保持装置によってその位置に保持される。
【0025】
保持装置は、スライダ23に選択的に係合する係合部材をソレノイドによって駆動する構造のものを用いることができる。係合部材がソレノイドによって駆動されてスライダ23に係合することにより、スライダ23の移動が規制され、カード2がカード処理位置に保持される。カード処理が終了した後には、係合部材がソレノイドによって駆動されて係合部材とスライダ3との係合状態が解消され、スライダ23が復帰機構の付勢力で初期位置に戻されてカード2がカード出入口3から突出する。
【0026】
このように構成されたカードリーダ1のシャッタ構造4によれば、カード2がカード挿入路5に挿入されていない状態ではスライダ23がカード出入口3に近付く位置に配置されている。この状態においては、
図9に示すようにリンク22のカム21に係合しているカムフォロア16がベース部材9の板状部9aに接近するようになってシャッタ部材6が後退位置に位置付けられる。このようにシャッタ部材6が後退位置に位置している状態においては、カード挿入路5に対してシャッタ部材6の一端部6aが出入りする際に通る開口部11が閉鎖板12によって塞がれるから、ゴミや埃がカード挿入路5側から開口部11を通って駆動機構7側に入ることを極力防ぐことができる。
【0027】
図10に示すようにカード2がカード挿入路5に挿入されてカード処理が行われるときは、保持装置によってスライダ23の移動が規制される。また、この状態においては、スライダ23とともにリンク22がカード出入口3から離れる方向に移動し、リンク22のカム21に係合しているカムフォロア16が板状部9aから離間する方向に移動する。この結果、シャッタ部材6が挿入位置に位置付けられる。この状態においては、シャッタ部材6の一端部6aが閉鎖板12を弾性変形させながら開口部11を通ってカード挿入路5の中に入る。このため、カード処理が行われるときは、カード挿入路5がシャッタ部材6の一端部6aによって遮られ、カード2をカード挿入路5から取り出すことはできなくなる。
【0028】
カード処理が終了して保持装置によるスライダ23の保持状態が解消されると、スライダ23が復帰機構の付勢力によってカード出入口3に向けて進んで初期位置に復帰する。このようにスライダ23が初期位置に戻るときには、リンク22のカム21に係合しているカムフォロア16がベース部材9の板状部9aに近付く方向に移動し、シャッタ部材6が挿入位置から退避位置に向けて揺動するようになる。
【0029】
この実施の形態によるカードリーダ1においては、カード2がカード挿入路5に挿入されていない状態で開口部11が閉鎖板12によって塞がれているが、カード出入口3の全体を覆っているわけではないから、開口部11とは別の場所からゴミや埃が駆動機構7側に入ってしまうことがある。このゴミや埃が駆動機構7に入ってしまうと、駆動機構7内の摺動部や回転部において抵抗が増し、保持装置による保持状態が解消されたとしても復帰機構の付勢力からなる復帰力だけではスライダ23を初期位置に復帰させることができない場合がある。
【0030】
このとき、閉鎖板12のばね力(反発力)でシャッタ部材6が付勢されているため、スライダ23を戻すための復帰力が無くなった際に閉鎖板12の反発力が復帰機構の付勢力に加勢することでスライダ23が初期位置に復帰するとともにシャッタ部材6がカード挿入路5から退避することを可能にする。
したがって、この実施の形態によれば、カード挿入路5に形成された開口部11からゴミや埃がシャッタ部材6の駆動機構7側に入ることを防ぐことが可能で、しかも、スライダ23やシャッタ部材6を初期位置に確実に復帰させることが可能なカードリーダのシャッタ構造を提供することができる。
【符号の説明】
【0031】
1…カードリーダ、2…カード、3…カード出入口、4…シャッタ構造、5…カード挿入路、6…シャッタ部材、7…駆動機構、11…開口部、12…閉鎖板。