(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076235
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】水切台
(51)【国際特許分類】
A47L 19/04 20060101AFI20240529BHJP
A47L 19/02 20060101ALI20240529BHJP
A47J 47/20 20190101ALI20240529BHJP
【FI】
A47L19/04
A47L19/02
A47J47/20 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187711
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】522462579
【氏名又は名称】株式会社石川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100170449
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英彦
(72)【発明者】
【氏名】多田 健太
(72)【発明者】
【氏名】鹿野 峻
(72)【発明者】
【氏名】磯田 忍
(72)【発明者】
【氏名】大岡 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】三浦 真理那
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 遥
(72)【発明者】
【氏名】安井 規恵
(72)【発明者】
【氏名】日高 和久
(72)【発明者】
【氏名】若山 功一
(72)【発明者】
【氏名】荒川和哉
【テーマコード(参考)】
3B082
4B066
【Fターム(参考)】
3B082KK02
3B082LL01
3B082LL06
4B066FF11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】線材により水切台を構成する場合、通常は外形を規定する枠部と、食器類を支持する支持部とから構成され、枠部が水切台の外形を規定するため、水切台を伸縮させることができないという課題があった。また、伸縮構造を設けると、水切台の構造が複雑になるという課題があった。
【解決手段】水切台Wは、物品を支持できる複数の支持部1と、複数の支持部1の間に設けられ、隣り合う一対の支持部1の間隔を変移する複数の変移部2とを備えることを特徴とする。水切台Wにおいて、各支持部1は、金属線材を屈曲させて仮想的な板面を形成してもよい。支持部1および変移部2は、一本の金属線材を屈曲させて形成されていてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を支持できる複数の支持部と、
前記複数の支持部の間に設けられ、隣り合う一対の前記支持部の間隔を変移する複数の変移部とを備えることを特徴とする、水切台。
【請求項2】
各支持部は、金属線材を屈曲させて仮想的な板面を形成する、請求項1に記載の水切台。
【請求項3】
前記支持部および前記変移部は、一本の金属線材を屈曲させて形成されている、請求項1または2に記載の水切台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器等を乾燥させる際に用いる水切台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シンク上に架け渡して使用する水切台や、シンクの横に設置して使用する水切台がある。このような水切台には、食器の収容部をステンレスなどの線材で立体的且つ格子状に構成したものがある(特許文献1)。
【0003】
また、水切台には、異径のパイプによる伸縮構造を設け、伸縮可能としたものもある(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-101026号公報
【特許文献2】特開2014-012115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のように線材により水切台を構成する場合、通常は外形を規定する枠部と、食器類を支持する支持部とから構成され、枠部が水切台の外形を規定するため、水切台を伸縮させることができないという課題があった。また、特許文献2のように伸縮構造を設けると、水切台の構造が複雑になるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題に対して、本発明の発明者は、アコーディオン構造を用いることで簡易に伸縮可能な水切台を構築できるとの知見を得た。
【0007】
(1)上記の知見に基づき、本願発明に係る水切台は、物品を支持できる複数の支持部と、前記複数の支持部の間に設けられ、隣り合う一対の前記支持部の間隔を変移する複数の変移部とを備えることを特徴とする。
【0008】
そのようにすれば、食器等の物品を支持できる複数の支持部と、前記複数の支持部の間に設けられた複数の変移部とより、変移部が変移することでアコーディオン構造を実現できる。このアコーディオン構造により水切台が伸縮することができ、水切台を設置する場所に応じて、水切台のサイズを調整することができる。また、水切台を使用しないときに、省スペースに収納することができる。
【0009】
(2)前記した水切台において、各支持部は、金属線材を屈曲させて仮想的な板面を形成してもよい。
【0010】
(3)前記支持部および前記変移部は、一本の金属線材を屈曲させて形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡易な構造で伸縮可能な水切台を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る水切台の開いた状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る水切台の開いた状態を示す正面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る水切台の開いた状態を示す背面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る水切台の開いた状態を示す上面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る水切台の開いた状態を示す下面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る水切台の開いた状態を示す左側面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る水切台の開いた状態を示す右側面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る水切台の閉じた状態を示す斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る水切台の閉じた状態を示す正面図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る水切台の閉じた状態を示す背面図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る水切台の閉じた状態を示す上面図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る水切台の閉じた状態を示す下面図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る水切台の閉じた状態を示す左側面図である。
【
図14】本発明の実施形態に係る水切台の閉じた状態を示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る実施形態について図面を用いて詳細に説明する。本実施形態の説明において、図に示す矢印aを上方向、両矢印b水切台Wの前後方向、両矢印cを水切台Wの幅方向として説明する。
【0014】
水切台Wは、洗浄された食器類等の物品が支持され保管される。物品は食器類に保管される前は、水洗されており、水切台Wに保管された状態で物品に付着した水分が落下し、物品が水切されて乾燥される。
【0015】
図1には、水切台Wが開いた状態の斜視図を示し、
図2~
図7には、水切台Wの開いた状態の6面図を示し、
図8には、水切台Wが閉じた状態の斜視図を示し、
図9~14には水切台Wの閉じた状態を示す。
【0016】
図1~
図14に示すように、本実施形態に係る水切台Wは、物品を支持する複数の支持部1と、複数の支持部1のうち各一対の支持部の間に設けられ、隣り合う一対の支持部1の間隔を変移する複数の変移部2とを備える。
【0017】
また、各支持部1は上方向と水切台の前後方向とにより形成される面と平行な仮想的な板面を形成する。各変移部2は上方向と水切台の前後方向とにより形成される面と斜めに交差する仮想的な板面を形成する。また、支持部1および前記変移部2は、一本の金属線材を屈曲させて形成されている。なお、変移部2も支持部1と共同して物品を支持する。
【0018】
水切台Wは、変移部2が変移することにより対応する一対の支持部1の間隔が広がったり、狭まったりする。したがって、複数の変移部2の変移により、水切台W全体が複数の支持部1の対向する方向、すなわち水切台の幅方向に伸縮する。これにより、水切台Wは、開いた状態と閉じた状態を構成する。
【0019】
水切台Wが閉じた状態では、隣り合う支持部1が相互に接する状態となる。また、開いた状態は、変移部2の変移状態により対応する一対の支持部1の間隔が変動することにより、水切台Wの幅方向を所望の寸法変更にすることができる。
【0020】
水切台Wは、複数の支持部1と、複数の変移部2とを備える。変移部2は、隣り合う一対の支持部の間に設けられる。また、水切台Wは、水切台Wが閉じた状態で伸縮を固定する固定部3を有する。本実施形態において、水切台Wは、支持部1および変移部2を1本の線材を変移させて形成されており、固定部3は溶接により端支持部3に取り付けられている。
【0021】
支持部1は、水切台Wの前後方向(以下「支持部の幅方向」とも称する)の両端に上方に延在する角状凸部11と、中央寄りに一対の凸部12を有する。支持部1は、仮想的な板面を形成するように1本の線材を屈曲させて形成されている。
【0022】
変移部2は、一対の支持部1の間に配置され左側の一方の支持部1の前端から右側の他方の支持部1の後端に接続するように延びる。変移部2は、仮想的な板面を形成するように1本の線材を屈曲させて形成されている。変移部2の一方の端部は、変移部2が間に位置する一対の支持部1の一方の端部と連続している。したがって、支持部1と変移部2とは1本の線材を屈曲させて連続的に形成されている。
【0023】
固定部3は、左端の支持部1と右端の支持部1に溶接で取り付けられており、左端の支持部1に設けられた第1の固定部31が、右端の支持部1に設けられた第2の固定部32と連結することにより、水切台Wの形状を閉じた状態で固定する。
【0024】
本実施形態において、水切台Wは支持部1と変移部2とが連続する1本の金属の線材で形成される形態について説明した。しかし、支持部1と変移部2とが、それぞれ、異なる線材で形成されてもよく、また、線材に限らず他の材料により形成されてもよい。
【0025】
本実施形態において、複数の同一形状の支持部1と、複数の同一形状の変移部2とが交互に連続する形態について説明した。しかし、複数の支持部1は、数種類の形状で形成されたものが連続して設けられてもよく、同様に、複数の変移部は、数種類の形状で形成されたものが支持部1に対して連続して設けられてもよい。
【0026】
例えば、水切部は、第1の板面形状の支持部、第2の板面形状の支持部、第3の板面形状の支持部が順に配置されていてもよく、各支持部の間に同一形状の変移部が設けられていてもよい。
【0027】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、食器類などの物品を乾燥させる水切台に利用できる。
【符号の説明】
【0029】
W 水切台
1 支持部
2 変移部
3 固定部