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特開2024-76237充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076237
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/35 20060101AFI20240529BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240529BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240529BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
H02J7/35 K
H02J3/38 110
H02J3/38 130
H02J3/32
H02J7/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187713
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村松 奈美
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066AE03
5G066AE09
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA05
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA06
5G503BA02
5G503BB02
5G503DA16
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】日中における系統電力の買電を抑制する。
【解決手段】充放電制御装置10は、建物が立地する地域の天気予報を取得する天気予報取得部11Aと、基準日夜間に第一制御を実行する制御部11Eと、を備え、第一制御は、基準日翌日の天気予報に関わらず電動車両110Aに充電すると共に、基準日翌日の天気予報が晴れならば、蓄電池40の残電力を建物内負荷へ放電する一方、残電力がない場合は買電した系統電力を建物内負荷へ放電し、基準日翌日の天気予報が雨ならば、蓄電池40の残電力量が所定の第一基準量より多い場合は、第一基準量となるまで、蓄電池40の残電力を建物内負荷へ放電する一方、残電力量が第一基準量未満の場合は、第一基準量となるまで、買電した系統電力を蓄電池40へ充電すると共に、建物内負荷へ放電することにより、第一基準量を温存する制御である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電装置、蓄電池、電動車両及び車両充放電設備を備えた建物における充放電制御装置であって、
前記建物が立地する地域の天気予報を取得する天気予報取得部と、
基準日夜間に第一制御を実行する制御部と、を備え、
前記第一制御は、
基準日翌日の天気予報に関わらず前記電動車両に充電すると共に、
前記基準日翌日の天気予報が晴れならば、前記蓄電池の残電力を建物内負荷へ放電する一方、残電力がない場合は買電した系統電力を前記建物内負荷へ放電し、
前記基準日翌日の天気予報が雨ならば、前記蓄電池の残電力量が所定の第一基準量より多い場合は、前記第一基準量となるまで、前記蓄電池の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力量が前記第一基準量未満の場合は、前記第一基準量となるまで、買電した系統電力を前記蓄電池へ充電すると共に、前記建物内負荷へ放電することにより、前記第一基準量を温存する制御である、
充放電制御装置。
【請求項2】
前記電動車両の利用予定を取得する予定取得部を備え、
前記制御部は、
前記基準日翌日に前記電動車両の利用予定がある場合に前記第一制御を実行し、
前記基準日翌日に前記電動車両の利用予定がない場合には前記基準日夜間に第二制御を実行し、
前記第二制御は、
前記基準日翌日の天気予報が晴れならば、前記蓄電池の残電力を前記建物内負荷へ放電後に前記電動車両の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力がない場合は買電した系統電力を前記建物内負荷へ放電し、
前記基準日翌日の天気予報が雨ならば、前記蓄電池の残電力量が所定の第二基準量より多い場合は、前記第二基準量となるまで、前記蓄電池の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力量が前記第二基準量未満の場合は、前記第二基準量となるまで、買電した系統電力を前記蓄電池へ充電すると共に、買電した前記系統電力を前記建物内負荷へ放電することにより、前記第二基準量を温存し、さらに、前記電動車両の残電力量が所定の第三基準量より多い場合は、前記第三基準量となるまで、前記電動車両の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力量が前記第三基準量未満の場合は、前記第三基準量となるまで、買電した系統電力を前記電動車両へ充電すると共に、買電した前記系統電力を前記建物内負荷へ放電することにより、前記第三基準量を温存する制御である、
請求項1に記載の充放電制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
基準日翌日の日中に電動車両が外出中の場合に第三制御を実施し、
前記第三制御は、
天気が晴れならば、太陽光発電装置で発電した電力を建物内負荷へ放電すると共に蓄電池へ充電し、
天気が雨ならば、前記蓄電池の残電力量が前記第二基準量より多い場合は、前記第二基準量となるまで、前記蓄電池の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力量が前記第二基準量以下の場合は、前記蓄電池には充電しないことにより、前記第二基準量を温存する制御である、
請求項2に記載の充放電制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、
基準日翌日の日中に前記電動車両が前記車両充放電設備に接続されている場合に第四制御を実施し、
前記第四制御は、
天気が晴れならば、太陽光発電装置で発電した電力を建物内負荷へ放電すると共に電動車両に充電した後に蓄電池へ充電し、
天気が雨ならば、前記蓄電池の残電力量が前記第二基準量より多い場合は、前記第二基準量となるまで、前記蓄電池の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力量が前記第二基準量以下の場合は、前記蓄電池には充電せず、さらに、前記電動車両の残電力量が所定の第四基準量より多い場合は、前記第四基準量となるまで、前記電動車両の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力量が前記第四基準量未満の場合は、前記電動車両へ充電しない制御である、
請求項3に記載の充放電制御装置。
【請求項5】
太陽光発電装置で発電された電力の売電単価と、系統電力の買電単価と、を取得する単価取得部を備え、
前記制御部は、
前記売電単価が日中における前記買電単価を上回る場合に、前記太陽光発電装置で発電された電力を売電して前記系統電力を買電し、
前記売電単価が日中における前記買電単価以下である場合に、前記第一制御、前記第二制御、前記第三制御及び前記第四制御を実施する、請求項4に記載の充放電制御装置。
【請求項6】
太陽光発電装置、蓄電池、電動車両及び車両充放電設備を備えた建物における充放電制御装置のプログラムであって、
コンピュータを、
前記建物が立地する地域の天気予報を取得する天気予報取得部と、
基準日夜間に第一制御を実行する制御部と、
して機能させ、
前記第一制御は、
基準日翌日の天気予報に関わらず前記電動車両に充電すると共に、
前記基準日翌日の天気予報が晴れならば、前記蓄電池の残電力を建物内負荷へ放電する一方、残電力がない場合は買電した系統電力を前記建物内負荷へ放電し、
前記基準日翌日の天気予報が雨ならば、前記蓄電池の残電力量が所定の第一基準量より多い場合は、前記第一基準量となるまで、前記蓄電池の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力量が前記第一基準量未満の場合は、前記第一基準量となるまで、買電した系統電力を前記蓄電池へ充電すると共に、前記建物内負荷へ放電することにより、前記第一基準量を温存する制御である、
プログラム。
【請求項7】
太陽光発電装置、蓄電池、電動車両及び車両充放電設備を備えた建物において、
前記建物が立地する地域の天気予報を取得し、
基準日夜間に第一制御を実行し、
前記第一制御は、
基準日翌日の天気予報に関わらず前記電動車両に充電すると共に、
前記基準日翌日の天気予報が晴れならば、前記蓄電池の残電力を建物内負荷へ放電する一方、残電力がない場合は買電した系統電力を前記建物内負荷へ放電し、
前記基準日翌日の天気予報が雨ならば、前記蓄電池の残電力量が所定の第一基準量より多い場合は、前記第一基準量となるまで、前記蓄電池の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力量が前記第一基準量未満の場合は、前記第一基準量となるまで、買電した系統電力を前記蓄電池へ充電すると共に、前記建物内負荷へ放電することにより、前記第一基準量を温存する制御である、
充放電制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、太陽光発電設備、定置型の蓄電池及び電動車両を備えた建物における充電制御システムが開示されている。この充電制御システムにおいては、太陽光発電設備で発電された電力を、定置型の蓄電池及び電動車両の充電池へ充電できる。これにより、電力系統からの買電量を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-118247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の充電制御システムでは、電力系統からの電力で定置型の蓄電池を充電するか否かを、電力系統から供給される商用電力の料金単価が安い夜間であるか否かに基づいて決定できる旨が記載されている。しかしながら、天気が曇りや雨のときなど、太陽光発電設備で発電できない場合もある。このような場合は、料金単価が高い日中に電力系統から買電する必要がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、日中における系統電力の買電を抑制できる充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一態様の充放電制御装置は、太陽光発電装置、蓄電池、電動車両及び車両充放電設備を備えた建物における充放電制御装置であって、前記建物が立地する地域の天気予報を取得する天気予報取得部と、基準日夜間に第一制御を実行する制御部と、を備え、前記第一制御は、基準日翌日の天気予報に関わらず前記電動車両に充電すると共に、前記基準日翌日の天気予報が晴れならば、前記蓄電池の残電力を建物内負荷へ放電する一方、残電力がない場合は買電した系統電力を前記建物内負荷へ放電し、前記基準日翌日の天気予報が雨ならば、前記蓄電池の残電力量が所定の第一基準量より多い場合は、前記第一基準量となるまで、前記蓄電池の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力量が前記第一基準量未満の場合は、前記第一基準量となるまで、買電した系統電力を前記蓄電池へ充電すると共に、前記建物内負荷へ放電することにより、前記第一基準量を温存する制御である。
【0007】
第一態様の充放電制御装置は、以下の第一制御を実施する。
【0008】
まず、基準日夜間に、翌日の天気予報に関わらず、電動車両に充電する。これにより、基準日翌日に電動車両を利用できる。また、基準日翌日に予定が変わって電動車両を使わなければ、電動車両に充電した電力を、建物内負荷へ放電できる。
【0009】
また、制御部は、基準日夜間に、翌日の「天気予報」に応じて蓄電池の残電力の放電及び温存を切り替える。
【0010】
例えば、基準日翌日の天気予報が晴れならば、翌日の日中に太陽光発電装置で発電された電力を建物内負荷へ放電できることが見込めるので、基準日夜間に蓄電池の残電力を建物内負荷へ放電する。一方、基準日が雨で発電できなかった場合など、蓄電池に残電力がない場合は、夜間の安い系統電力を買電して、建物内負荷へ放電する。
【0011】
また例えば、翌日の天気予報が雨ならば、基準日夜間に蓄電池の残電力を温存する。一方、基準日が雨で発電できなかった場合など、蓄電池に残電力が少ない場合は夜間の安い系統電力を買電して、蓄電池へ充電する。これにより、蓄電池の電力として、所定の第一基準量、翌日の日中に持ち越される。翌日の日中には、蓄電池の残電力を建物内負荷へ放電できる。これにより、翌日の日中に高い系統電力を買電することを抑制できる。
【0012】
第二態様の充放電制御装置は、前記電動車両の利用予定を取得する予定取得部を備え、前記制御部は、前記基準日翌日に前記電動車両の利用予定がある場合に前記第一制御を実行し、前記基準日翌日に前記電動車両の利用予定がない場合には前記基準日夜間に第二制御を実行し、前記第二制御は、前記基準日翌日の天気予報が晴れならば、前記蓄電池の残電力を前記建物内負荷へ放電後に前記電動車両の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力がない場合は買電した系統電力を前記建物内負荷へ放電し、前記基準日翌日の天気予報が雨ならば、前記蓄電池の残電力量が所定の第二基準量より多い場合は、前記第二基準量となるまで、前記蓄電池の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力量が前記第二基準量未満の場合は、前記第二基準量となるまで、買電した系統電力を前記蓄電池へ充電すると共に、買電した前記系統電力を前記建物内負荷へ放電することにより、前記第二基準量を温存し、さらに、前記電動車両の残電力量が所定の第三基準量より多い場合は、前記第三基準量となるまで、前記電動車両の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力量が前記第三基準量未満の場合は、前記第三基準量となるまで、買電した系統電力を前記電動車両へ充電すると共に、買電した前記系統電力を前記建物内負荷へ放電することにより、前記第三基準量を温存する制御である。
【0013】
第二態様の充放電制御装置は、以下の第二制御を実施する。
【0014】
基準日翌日に電動車両の利用予定がない場合は、翌日の「天気予報」に応じて蓄電池だけでなく電動車両の残電力の放電及び温存を切り替える。
【0015】
例えば、翌日の天気予報が晴れならば、蓄電池の残電力を建物内負荷へ放電後に電動車両の残電力を建物内負荷へ放電する。これにより、逆の順序で放電する場合と比較して、電動車両の残電力が多くなる。このため、急な予定変更で電動車両を使用する場合でも電動車両を利用し易い。
【0016】
また例えば、翌日の天気予報が雨ならば、基準日夜間に蓄電池の残電力を温存する。一方、基準日が雨で発電できなかった場合など、蓄電池に残電力が少ない場合は夜間の安い系統電力を買電して、蓄電池へ充電する。同様に、基準日夜間に電動車両の残電力を温存する。一方、基準日に電動車両を使用していた場合や基準日が雨で発電できなかった場合など、電動車両に残電力が少ない場合は夜間の安い系統電力を買電して、蓄電池へ充電する。
【0017】
これにより、蓄電池の電力が第二基準量、電動車両の電力が第三基準量、翌日の日中に持ち越される。基準日翌日には電動車両の利用予定がないため、蓄電池だけでなく電動車両から建物内負荷へ放電できる。このため、蓄電池には、第一制御における第一前記基準量より少ない第二基準量を温存すればよい。
これにより、翌日の日中に高い系統電力を買電することを抑制できる。
【0018】
第三態様の充放電制御装置は、前記制御部は、基準日翌日の日中に電動車両が外出中の場合に第三制御を実施し、前記第三制御は、天気が晴れならば、太陽光発電装置で発電した電力を建物内負荷へ放電すると共に蓄電池へ充電し、天気が雨ならば、前記蓄電池の残電力量が前記第二基準量より多い場合は、前記第二基準量となるまで、前記蓄電池の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力量が前記第二基準量以下の場合は、前記蓄電池には充電しないことにより、前記第二基準量を温存する制御である。
【0019】
第三態様の充放電制御装置は、電動車両が外出中の場合に以下の第三制御を実施する。
【0020】
第三制御では、基準日翌日に、「実際の天気」に応じて、蓄電池への充電、残電力の放電及び温存が切り替えられる。
【0021】
翌日の天気が晴れならば、太陽光発電装置で発電した電力を、蓄電池へ充電する。
【0022】
翌日の天気が雨ならば、蓄電池の残電力が第二基準量となるまで建物内負荷へ放電し、残電力が第二基準量以下となった場合は放電を中止する。そして、蓄電池へ充電はしない。
【0023】
ここで、基準日における翌日の天気予報が雨ならば、上述したように蓄電池の残電力が温存されているか基準日夜間に買電しているので、翌日の日中は、蓄電池の残電力を利用できる。これにより、翌日が雨でも、日中に高い系統電力を買電することを抑制できる。
【0024】
一方、基準日における翌日の天気予報が晴れならば、基準日の夜間に蓄電池の残電力を放電しているので、蓄電池の残電力は少ない。それにも関わらず天気予報が外れて雨になった場合は、日中の高い電力を買電する必要がある。この場合、日中には蓄電池へ充電せず、建物負荷へ放電する電力のみを買電する。これにより、日中の買電量を最低限に抑えることができる。
【0025】
第四態様の充放電制御装置は、前記制御部は、基準日翌日の日中に前記電動車両が前記車両充放電設備に接続されている場合に第四制御を実施し、前記第四制御は、天気が晴れならば、太陽光発電装置で発電した電力を建物内負荷へ放電すると共に電動車両に充電した後に蓄電池へ充電し、天気が雨ならば、前記蓄電池の残電力量が前記第二基準量より多い場合は、前記第二基準量となるまで、前記蓄電池の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力量が前記第二基準量以下の場合は、前記蓄電池には充電せず、さらに、前記電動車両の残電力量が所定の第四基準量より多い場合は、前記第四基準量となるまで、前記電動車両の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力量が前記第四基準量未満の場合は、前記電動車両へ充電しない制御である。
【0026】
第四態様の充放電制御装置は、電動車両が車両充放電設備に接続されている場合に、以下の第四制御を実施する。
【0027】
翌日の天気が晴れならば、基準日における翌日の天気予報に関わらず、太陽光発電装置で発電した電力を、電動車両に充電した後に蓄電池へ充電する。電動車両に優先的に充電することにより、電動車両の突発的に利用する必要が生じた場合に対応できる。
【0028】
翌日の天気が雨ならば、電動車両の残電力が第四基準量となるまで建物内負荷へ放電し、残電力が第四基準量以下となった場合は放電を中止する。そして、電動車両及び蓄電池へ充電しない。
【0029】
ここで、基準日における翌日の天気予報が雨ならば、上述したように電動車両の残電力が温存されているか基準日夜間に買電している。また、電動車両を使用予定であったにも関わらず予定が変わったような場合には、基準日夜間に充電されている。このため、翌日の日中は、電動車両の残電力を利用できる。これにより、翌日が雨でも、日中に高い系統電力を買電することを抑制できる。
【0030】
一方、基準日における翌日の天気予報が晴れで、かつ、電動車両の利用予定がなかったならば、基準日の夜間に電動車両及び蓄電池の残電力を放電しているので、電動車両及び蓄電池の残電力は少ない。それにも関わらず天気予報が外れて雨になった場合は、日中の高い電力を買電する必要がある。この場合、日中には電動車両及び蓄電池へ充電せず、建物負荷へ放電する電力のみを買電する。これにより、日中の買電量を少なくできる。
【0031】
第五態様の充放電制御装置は、太陽光発電装置で発電された電力の売電単価と、系統電力の買電単価と、を取得する単価取得部を備え、前記制御部は、前記売電単価が日中における前記買電単価を上回る場合に、前記太陽光発電装置で発電された電力を売電して前記系統電力を買電し、前記売電単価が日中における前記買電単価以下である場合に、前記第一制御、前記第二制御、前記第三制御及び前記第四制御を実施する、請求項4に記載の充放電制御装置。
【0032】
第五態様の充放電制御装置では、太陽光発電装置で発電された電力の売電単価が日中における買電単価以下である場合、すなわち売電単価が安い場合に、第一制御~第四制御を実施する。
【0033】
第一制御では、翌日の天気予報が晴れの場合に、基準日夜間に蓄電池の残電力を建物内負荷へ放電する。第二制御では、翌日の天気予報が晴れの場合に、基準日夜間に蓄電池の及び電動車両の残電力を建物内負荷へ放電する。
【0034】
第三制御では、翌日の天気が雨の場合に、翌日の日中に、蓄電池の残電力を建物内負荷へ放電する。第四制御では、翌日の天気が雨の場合に、翌日の日中に、蓄電池及び電動車両の残電力を建物内負荷へ放電する。
【0035】
このように、売電単価が安い場合には太陽光発電装置で発電されて蓄電池や電動車両に充電された電力は、建物内負荷で消費される。また、電動車両が走行することでも消費される。これにより、比較的高額な系統電力の買い電量を抑制することができる。
【0036】
一方、太陽光発電装置で発電された電力の売電単価が日中における買電単価を上回る場合、すなわち売電単価が高い場合には、太陽光発電装置で発電された電力を売電して系統電力を買電する。これにより差益を得ることができる。
【0037】
第六態様のプログラムは、太陽光発電装置、蓄電池、電動車両及び車両充放電設備を備えた建物における充放電制御装置のプログラムであって、コンピュータを、前記建物が立地する地域の天気予報を取得する天気予報取得部と、基準日夜間に第一制御を実行する制御部と、して機能させ、前記第一制御は、基準日翌日の天気予報に関わらず前記電動車両に充電すると共に、前記基準日翌日の天気予報が晴れならば、前記蓄電池の残電力を建物内負荷へ放電する一方、残電力がない場合は買電した系統電力を前記建物内負荷へ放電し、前記基準日翌日の天気予報が雨ならば、前記蓄電池の残電力量が所定の第一基準量より多い場合は、前記第一基準量となるまで、前記蓄電池の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力量が前記第一基準量未満の場合は、前記第一基準量となるまで、買電した系統電力を前記蓄電池へ充電すると共に、前記建物内負荷へ放電することにより、前記第一基準量を温存する制御である。
【0038】
第七態様の充放電制御方法は、太陽光発電装置、蓄電池、電動車両及び車両充放電設備を備えた建物において、前記建物が立地する地域の天気予報を取得し、基準日夜間に第一制御を実行し、前記第一制御は、基準日翌日の天気予報に関わらず前記電動車両に充電すると共に、前記基準日翌日の天気予報が晴れならば、前記蓄電池の残電力を建物内負荷へ放電する一方、残電力がない場合は買電した系統電力を前記建物内負荷へ放電し、前記基準日翌日の天気予報が雨ならば、前記蓄電池の残電力量が所定の第一基準量より多い場合は、前記第一基準量となるまで、前記蓄電池の残電力を前記建物内負荷へ放電する一方、残電力量が前記第一基準量未満の場合は、前記第一基準量となるまで、買電した系統電力を前記蓄電池へ充電すると共に、前記建物内負荷へ放電することにより、前記第一基準量を温存する制御である。
【発明の効果】
【0039】
本発明によると、日中における系統電力の買電を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】実施形態に係る充放電制御装置が適用された充放電制御システムの全体像を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る充放電制御装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る充放電制御装置の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
図4】(A)は実施形態に係る制御情報データベースに記憶された第一制御の内容を示す表であり、(B)は第二制御の内容を示す表である。
図5】(A)は実施形態に係る制御情報データベースに記憶された第三制御の内容を示す表であり、(B)は第二制御の内容を示す表である。
図6】実施形態に係る充放電制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本開示の実施形態に係る充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。但し、明細書中に特段の断りが無い限り、各構成要素は一つに限定されず、複数存在してもよい。
【0042】
また、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。なお、本開示は以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において構成を省略する又は異なる構成と入れ替える等、適宜変更を加えて実施することができる。
【0043】
<充放電制御システム>
(概要)
図1には、本発明の実施形態に係る充放電制御システム80の全体構成が示されている。充放電制御システム80は、蓄電池40及び電動車両110Aを充電する車両充放電設備60が備えられた建物100の電力供給を制御するためのシステムである。
【0044】
充放電制御システム80は、日中における系統電力の買電を抑制することを目的とするシステムである。より具体的には、充放電制御システム80は、基準日翌日の天気予報及び基準日翌日の電動車両110Aの利用予定に基づいて、基準日の夜間及び基準日翌日の日中における蓄電池40及び電動車両110Aへの充電や、蓄電池40及び電動車両110Aからの放電を制御して、基準日翌日の日中における買電を抑制する。
【0045】
なお、「基準日」とは、充放電制御システム80が夜間の充放電制御を実行する日を便宜的に示すものであり、特定の日付を指すものではない。
【0046】
充放電制御システム80は、充放電制御装置10(以下、制御装置10と称す)及び変換装置20を含んで構成されている。また、充放電制御システム80は、太陽光発電装置30、蓄電池40、分電盤50及び車両充放電設備60を含んで構成されている。
【0047】
(建物)
本明細書においては、充放電制御システム80が適用される建物100を、戸建て住宅として説明するが、本発明の実施形態はこれに限らない。充放電制御システム80は、例えば戸建て住宅のほか集合住宅に適用できるし、事務所ビルや商業施設、病院や図書館などの非住戸系施設に適用することもできる。
【0048】
(太陽光発電装置)
太陽光発電装置30は、建物100の屋根面に設けられ、太陽光を受けて発電する太陽電池を備えている。太陽光発電装置30は、季節や日照条件などに応じて、発電電力が時間的に変動する電源である。太陽光発電装置30は変換装置20に接続され、太陽光発電装置30の発電電力は、変換装置20に供給される。
【0049】
(蓄電池)
蓄電池40は、建物100に設けられている定置型蓄電池である。蓄電池40は、例えばリチウムイオン電池等の二次電池を備えている。蓄電池40は変換装置20に接続され、変換装置20から供給された電力により充電される。また、蓄電池40は、放電することにより変換装置20へ電力を供給することもできる。
【0050】
(分電盤)
分電盤50は、電力系統70からの交流電力を、建物100内の電気機器である負荷90に分配する。分電盤50には、電力系統70から交流電力が供給される。また、分電盤50に接続された分岐電路には負荷90が接続されている。分岐電路には、分電盤50から交流電力が供給され、負荷90は、分岐電路に供給される交流電力により動作する。さらに、分電盤50は、変換装置20に接続されており、変換装置20に交流電力を供給することができる。
【0051】
(車両充放電設備)
車両充放電設備60は、太陽光発電装置30で発電された電力、蓄電池40に充電された電力及び電力系統70から買電した系統電力(商用電力)を電動車両110Aに充電するための設備である。
【0052】
車両充放電設備60は、電動車両110Aの充電用のコネクタに着脱自在に接続される接続端子としてのコネクタ60Aを備えている。電動車両110Aは蓄電池112Aを内蔵しており、蓄電池112Aに充電された電気エネルギーを用いて走行する。車両充放電設備60は変換装置20に接続され、変換装置20から供給された電力により蓄電池112Aが充電される。また、蓄電池112Aは、放電することにより車両充放電設備60を介して変換装置20へ電力を供給することもできる。
【0053】
電動車両110Aとしては、電動機の出力によって走行する電気自動車のほか、エンジンの出力と電動機の出力とを組み合わせて走行するプラグインハイブリッド車を適用することができる。
【0054】
(変換装置)
変換装置20の動作は、制御装置10よって制御される。変換装置20は、太陽光発電装置30と接続されている。変換装置20は、太陽光発電装置30からの直流電圧を昇圧することができる。
【0055】
変換装置20は、蓄電池40が出力する直流電力を所定の大きさの直流電力に変換することができる。また、変換装置20は、直流電力を所定の大きさの直流電力に変換し、変換した直流電力を蓄電池40に出力することができる。
【0056】
変換装置20は、蓄電池112Aが出力する直流電力を所定の大きさの直流電力に変換することができる。また、変換装置20は、直流電力を所定の大きさの直流電力に変換し、変換した直流電力を蓄電池112Aに出力することができる。
【0057】
変換装置20は、電力系統70と「太陽光発電装置30、蓄電池40及び蓄電池112A」との間において、直流電圧から交流電圧、又は交流電圧から直流電圧への変換を行うことができる。これにより、変換装置20は、「太陽光発電装置30、蓄電池40及び蓄電池112A」からの直流電力を交流電力に変換して「負荷90や電力系統70」へ出力する機能と、電力系統70からの交流電力を直流電力に変換して「蓄電池40及び蓄電池112A」へ出力する機能と、を有している。
【0058】
<制御装置>
本発明における充放電制御装置の一例としての制御装置10は、建物100における電力管理及び制御を実施する装置であり、例えばHEMS(Home Energy Management System)等とも称される。
【0059】
制御装置10は、太陽光発電装置30の発電電力を、変換装置20を介して蓄電池40や蓄電池112Aに充電することができる。あるいは、太陽光発電装置30の発電電力を、変換装置20を介して分電盤50に接続された負荷90や電力系統70に供給することができる。
【0060】
また、制御装置10は、電力系統70から供給された電力を、変換装置20を介して蓄電池40や蓄電池112Aに充電することができる。さらに、制御装置10は、蓄電池40や蓄電池112Aに充電する順序や充電量を制御することができる。
【0061】
また、制御装置10は、蓄電池40に充電された電力を、変換装置20を介して分電盤50に接続された負荷90に供給することができる。また、制御装置10は、蓄電池112Aに充電された電力を、変換装置20を介して分電盤50に接続された負荷90や電力系統70に供給することができる。
【0062】
[制御装置の電気的な構成]
図2には、制御装置10の電気的な構成を示すブロック図が示されている。制御装置10は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16、通信インタフェース(I/F)部18及び外部I/F部19を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16、通信I/F部18及び外部I/F部19はバスB1を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0063】
(記憶部)
記憶部13はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、充放電制御プログラム13Aが記憶されている。充放電制御プログラム13Aは、充放電制御プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの充放電制御プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、充放電制御プログラム13Aを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、充放電制御プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。
【0064】
記憶部13には制御情報データベース13Bが記憶される。この制御情報データベース13Bについては、詳細を後述する。
【0065】
(入力部)
入力部14では、ユーザによって、充放電制御プログラム13Aを開始及び終了するための操作が実行される。ユーザとは、一例として、建物100の居住者であり、充放電制御システム80の管理者である。
【0066】
また、入力部14では、ユーザによって、電動車両110Aの「利用予定情報」が入力される。入力部14を介して入力された「利用予定情報」は、記憶部13における所定の領域に記憶することができる。
【0067】
なお、ユーザによって入力される「利用予定情報」は、ユーザの携帯端末、例えばスマートフォンを介して入力してもよい。また、制御装置10とは異なるコンピュータを介して入力してもよい。ユーザの携帯端末や制御装置10とは異なるコンピュータを介して入力された個人情報は、制御装置10に送信される。
【0068】
(表示部)
表示部15には、充放電制御プログラム13Aを開始及び終了するための情報及び「利用予定情報」を入力するための情報が表示される。また、表示部15には、ユーザが「利用予定情報」を入力するためのインタフェースをタッチパネルにより構成してもよい。すなわち、表示部15と入力部14とは、タッチパネルを用いて一体的に形成することもできる。
【0069】
[制御装置の機能的な構成]
次に、図3を参照して、本実施形態に係る制御装置10の機能的な構成について説明する。図3に示すように、制御装置10は、天気予報取得部11A、予定取得部11B、天気取得部11C、車両検知部11D及び制御部11Eを含む。制御装置10のCPU11は、充放電制御プログラム13Aを実行することで天気予報取得部11A、予定取得部11B、天気取得部11C、車両検知部11D及び制御部11Eとして機能する。
【0070】
(天気予報取得部)
天気予報取得部11Aは、建物100が立地する地域の基準日翌日における天気予報を取得する。「天気情報」には、雨、晴れなどの天候のほか、建物100が立地する地域において予想される日射量[kWh/m2/日]及び一日の平均気温[℃]が含まれる。
【0071】
(予定取得部)
予定取得部11Bは、基準日翌日における電動車両110Aの利用予定情報を取得する。予定取得部11Bは、ユーザが入力部14に利用予定情報を入力することに応じて、当該利用予定情報を取得する。
【0072】
「利用予定情報」とは、少なくとも基準日翌日における電動車両110Aの利用有無情報を含む情報である。この「利用有無情報」とは、ユーザが基準日翌日に電動車両110Aを利用する予定か否かの情報であり、ユーザが入力部14に電動車両110Aの利用予定日を入力することで予定取得部11Bに取得される。
【0073】
また、「利用予定情報」には、走行距離情報を含むことが好ましい。「走行距離情報」とは、走行予定距離を示す情報である。走行距離情報は、ユーザが基準日に電動車両110Aを利用する予定である場合に、走行予定距離を入力することで予定取得部11Bに取得される。
【0074】
走行予定距離としては、必ずしも距離そのものを数値で入力する必要はなく、例えば目的地を入力してもよい。例えば目的地を入力すれば、CPU11が通信I/F部18を介して必要な情報を取得し、建物100から目的地までの往復距離の概算を算出することができる。
【0075】
なお、「利用有無情報」及び「走行距離情報」は必ずしもユーザが入力する必要はない。例えば制御装置10は、通信I/F部18を介して電動車両110Aが備えた通信装置と通信すれば、電動車両110Aの過去の利用日と走行距離とを取得することができる。
【0076】
そして、制御装置10は、過去の利用日と走行距離とを記憶部13に記憶しておくことで、「利用履歴データベース(不図示)」を生成することができる。予定取得部11Bは、このような利用履歴データベースから、基準日翌日における「利用有無情報」及び「走行距離情報」を予測してもよい。
【0077】
また、利用予定情報が記憶部13に記憶されている場合は、予定取得部11Bは、記憶部13から利用予定情報を読み出して取得してもよい。
【0078】
(天気取得部)
一方、天気取得部11Cは、建物100が立地する地域の基準日翌日における実際の天気情報を取得する。
【0079】
(車両検知部)
車両検知部11Dは、ユーザが車両充放電設備60のコネクタ60Aを電動車両110Aと接続及び接続解除することに応じて、コネクタ60Aが電動車両110Aに接続されているか否かを示す「接続情報」を取得する。コネクタ60Aが電動車両110Aに接続されているか否かは、記憶部13の所定領域に記憶される。
【0080】
(制御部)
制御部11Eは、天気予報取得部11Aによって取得された「天気情報」、及び、予定取得部11Bによって取得された「利用予定情報」に基づいて変換装置20を制御して、基準日における蓄電池40及び電動車両110Aへの充電、蓄電池40及び電動車両110Aからの放電や電力系統70からの買電を実行する(後述する第一制御及び第二制御)。
【0081】
また、制御部11Eは、天気取得部11Cによって取得された実際の「天気情報」、及び、車両検知部11Dによって取得された電動車両110Aの「接続情報」に基づいて変換装置20を制御して、基準日翌日の日中における蓄電池40及び電動車両110Aへの充電、蓄電池40及び電動車両110Aからの放電や電力系統70からの買電を実行する(後述する第三制御及び第四制御)。
【0082】
具体的には、制御部11Eは、記憶部13に記憶された制御情報データベース13Bを読み出して、この制御情報データベース13Bに記憶された情報を用いて、後述する充放電制御プログラム13Aを実行する。
【0083】
(制御情報データベース)
制御情報データベース13Bには、図4(A)、(B)、図5(A)、(B)に示す第一制御~第四制御が記憶されている。各制御において、基準日または基準日翌日が「晴れ」の場合と「雨」の場合とに分けて説明している。本発明においては、「晴れ」と「雨」との場合分けに代えて、太陽光発電装置30の発電量が所定の閾値以上である場合と閾値未満の場合とに分けてもよい。
【0084】
(第一制御)
第一制御は、基準日の夜間、系統電力の料金単価が日中と比較して安い夜間に実行される制御である。また、第一制御は、基準日翌日に電動車両110Aの利用予定が「ある」場合に実行される制御である。
【0085】
図4(A)には、説明の便宜上、基準日の日中が晴れていた場合と雨だった場合とに分けて制御内容を記載している。しかし、基準日の日中の天候に関わらず、制御内容は同一である。
【0086】
この第一制御においては、制御部11Eは、基準日翌日の天気予報に関わらず、電動車両100Aの蓄電池112Aに充電する。
【0087】
ここで、図4(A)等における「A1%」とは、基準日の日中が晴れていた場合における、蓄電池112Aの残電力である。この残電力には、太陽光発電装置30によって発電されて蓄電池112Aに充電された電力が含まれる。
【0088】
一方、図4(A)等における「B1%」とは、基準日の日中が雨だった場合における、蓄電池112Aの残電力である。日中が雨だと太陽光発電装置30で発電できないので、この残電力には、太陽光発電装置30によって発電された電力は含まれない。
【0089】
また、図4(A)においては、蓄電池112Aに満充電するものとしているが、電動車両110Aの「利用予定情報」に、走行距離情報が含まれる場合は、当該走行距離を走行するために必要な電力を充電するものとしてもよい。
【0090】
また、第一制御においては、基準日翌日の天気予報が「晴れ」ならば、蓄電池40の残電力を建物内負荷へ放電する。残電力がない場合は、買電した系統電力を建物100内の負荷90へ放電する。
【0091】
ここで、図4(A)等における「A2%」とは、基準日の日中が晴れていた場合における、蓄電池40の残電力である。この残電力には、太陽光発電装置30によって発電されて蓄電池40に充電された電力が含まれる。
【0092】
一方、図4(A)等における「B2%」とは、基準日の日中が雨だった場合における、蓄電池40の残電力である。日中が雨だと太陽光発電装置30で発電できないので、この残電力には、太陽光発電装置30によって発電された電力は含まれない。
【0093】
また、第一制御においては、基準日翌日の天気予報が「雨」ならば、蓄電池40の残電力として所定の第一基準量(一例として、満充電量の50%)を温存する。
【0094】
このとき、残電力が第一基準量より大きい場合は、第一基準量となるまで、蓄電池40の残電力を負荷90へ放電する。その後、買電した系統電力を負荷90へ放電する。一方、残電力が第一基準量未満の場合は、第一基準量となるまで、買電した系統電力を蓄電池へ充電する。また、買電した系統電力を負荷90へ放電する。残電力が第一基準量の場合は、買電した系統電力を負荷90へ放電する。
【0095】
(第二制御)
第二制御は、第一制御と同様に、基準日の夜間、系統電力の料金単価が日中と比較して安い夜間に実行される制御である。また、第二制御は、基準日翌日に電動車両110Aの利用予定が「ない」場合に実行される制御である。
【0096】
図4(B)には、説明の便宜上、基準日の日中が晴れていた場合と雨だった場合とに分けて制御内容を記載している。しかし、基準日の日中の天候に関わらず、制御内容は同一である。
【0097】
第二制御においては、基準日翌日の天気予報が「晴れ」ならば、蓄電池40の残電力を負荷90へ放電後に電動車両110Aの蓄電池112Aの残電力を前記建物内負荷へ放電する。すなわち、蓄電池40の残電力を優先放電する。蓄電池40及び蓄電池112Aの残電力がなくなった場合、及び元々ない場合は、買電した系統電力を負荷90へ放電する。
【0098】
また、第二制御においては、基準日翌日の天気予報が「雨」ならば、蓄電池40の残電力として所定の第二基準量(一例として、満充電量の30%)を温存する。一方、蓄電池112Aの残電力として所定の第三基準量(一例として、満充電量の50%)を温存する。第二基準量は第一基準量より少ない値である。
【0099】
このとき、蓄電池40の残電力が第二基準量より大きい場合は、第二基準量となるまで、蓄電池40の残電力を負荷90へ放電する。その後、買電した系統電力を負荷90へ放電する。一方、残電力が第二基準量未満の場合は、第二基準量となるまで、買電した系統電力を蓄電池40へ充電する。また、買電した系統電力を負荷90へ放電する。残電力が第二基準量の場合は、買電した系統電力を負荷90へ放電する。
【0100】
また、蓄電池112Aの残電力が第三基準量より大きい場合は、第三基準量となるまで、蓄電池112Aの残電力を負荷90へ放電する。その後、買電した系統電力を負荷90へ放電する。一方、残電力が第三基準量未満の場合は、第三基準量となるまで、買電した系統電力を蓄電池112Aへ充電する。また、買電した系統電力を負荷90へ放電する。残電力が第三基準量の場合は、買電した系統電力を負荷90へ放電する。
【0101】
(第三制御)
図5(A)に示す第三制御は、基準日翌日の日中に実行される制御である。また、第三制御は、基準日翌日に電動車両110Aのコネクタ60Aが電動車両110Aに接続されていない場合に実行される制御である。
【0102】
第三制御においては、基準日翌日の日中の実際の天気が「晴れ」ならば、太陽光発電装置30で発電した電力を負荷90へ放電すると共に、蓄電池40へ可能な限り充電する。
【0103】
ここで、基準日前日において電動車両110Aの利用予定がありだった場合は、蓄電池40に第一基準量が温存されているので、第一基準量から可能な限り蓄電池40へ充電する。
【0104】
一方、基準日前日において電動車両110Aの利用予定がなしだった場合は、蓄電池40には第二基準量しか温存されていないので、第二基準量から可能な限り蓄電池40へ充電する。
【0105】
また、第三制御においては、基準日翌日の日中の実際の天気が「雨」ならば、蓄電池40の残電力量が第二基準量より多い場合は、蓄電池40の残電力が第二基準量となるまで負荷90へ放電する一方、残電力量が第二基準量以下の場合は、蓄電池40には充電しないで、第二基準量を温存する。
【0106】
ここで、基準日前日において電動車両110Aの利用予定がありだった場合は、蓄電池40に第一基準量が温存されているので、第二基準量となるまで蓄電池40から負荷90へ放電する。
【0107】
一方、基準日前日において電動車両110Aの利用予定がなしだった場合は、蓄電池40には第二基準量しか温存されていないので、蓄電池40から負荷90へ放電しない。
【0108】
(第四制御)
図5(B)に示す第四制御は、基準日翌日の日中に実行される制御である。また、第四制御は、基準日翌日に電動車両110Aのコネクタ60Aが電動車両110Aに接続されている場合に実行される制御である。
【0109】
第四制御においては、基準日翌日の日中の実際の天気が「晴れ」ならば、太陽光発電装置30で発電した電力を負荷90へ放電すると共に、電動車両110Aの蓄電池112Aに満充電した後、蓄電池40へ充電する。
【0110】
ここで、基準日前日において電動車両110Aの利用予定がありだった場合で、蓄電池40が満充電されている場合は、蓄電池112Aに充電しないで、可能な限り蓄電池40へ充電する。蓄電池40が満充電されていない場合は、蓄電池112Aに満充電したあと、可能な限り蓄電池40へ充電する。
【0111】
一方、基準日前日において電動車両110Aの利用予定がなしだった場合は、蓄電池112Aには第三基準量しか温存されていないので、第三基準量から満充電したあと、可能な限り蓄電池40へ充電する。蓄電池40には第二基準量しか温存されていないので、第二基準量から可能な限り蓄電池40へ充電する。
【0112】
また、第四制御においては、基準日翌日の日中の実際の天気が「雨」ならば、蓄電池40の残電力量が第二基準量より多い場合は、蓄電池40の残電力が第二基準量となるまで負荷90へ放電する一方、残電力量が第二基準量以下の場合は、蓄電池40には充電しない。
【0113】
また、蓄電池112Aの残電力量が所定の第四基準量(一例として30%)より多い場合は、蓄電池40の残電力が第四基準量となるまで負荷90へ放電する一方、残電力量が第四基準量以下の場合は、蓄電池112Aには充電しない。
【0114】
ここで、基準日前日において電動車両110Aの利用予定がありだった場合は、蓄電池40に第一基準量が温存されているので、第二基準量となるまで蓄電池40から負荷90へ放電できる。また、蓄電池112Aは満充電されているので、第四基準量となるまで蓄電池112Aから負荷90へ放電できる。
【0115】
一方、基準日前日において電動車両110Aの利用予定がなしだった場合は、蓄電池40には第二基準量しか温存されていないので、蓄電池40から負荷90へ放電しない。また、蓄電池112Aには第三基準量が温存されているので、第四基準量となるまで蓄電池112Aから負荷90へ放電できる。
【0116】
<作用>
次に、図6を参照して、本実施形態に係る充放電制御システム80の作用を説明する。ユーザからの入力部14を介した実行指示等に応じて、制御装置10のCPU11が充放電制御プログラム13Aを実行することにより、図5に示す電力制御処理が実行される。
【0117】
錯綜を避けるため、ここでは、制御情報データベース13Bが予め構築されている場合について説明する。
【0118】
(充放電制御処理)
充放電制御プログラム13Aの実行が開始されると、ステップ104で、CPU11は、基準日における所定時刻の到来待ちを実行する。「所定時刻」とは、電力系統70からの買電単価が、昼間の買電単価より安くなる時刻である。すなわち、買電単価として夜間の割引単価が適用される時間帯が始まる時刻である。この所定時刻は、建物100の電力契約内容に応じて決定される。CPU11は、所定時刻が到来するまで、ステップ104を繰り返し実行する。所定時刻が到来すると、ステップ106へ移行する。
【0119】
ステップ106で、CPU11は、基準日翌日の天気情報(天気予報)及び基準日翌日の電動車両利用予定を取得する。ステップ106の後は、ステップ108へ移行する。
【0120】
ステップ108で、CPU11は、ステップ106で得られた情報に基づき、上述した第一制御または第二制御を実行する。ステップ108の後は、ステップ110へ移行する。
【0121】
ステップ110で、CPU11は、所定時刻の到来待ちを実行する。ここでの「所定時刻」とは、電力系統70からの買電単価が、昼間の買電単価となる時刻である。すなわち、買電単価として夜間の割引単価が適用される時間帯が終了する時刻である。この所定時刻は、建物100の電力契約内容に応じて決定される。CPU11は、所定時刻が到来するまで、ステップ104を繰り返し実行する。所定時刻が到来すると、ステップ112へ移行する。
【0122】
ステップ112で、CPU11は、基準日翌日の実際の天気情報と、電動車両110Aの接続情報を取得する。ステップ112の後は、ステップ114へ移行する。
【0123】
ステップ114で、CPU11は、ステップ112で得られた情報に基づき、上述した第三制御または第四制御を実行する。ステップ114の後は、ステップ116へ移行する。
【0124】
ステップ116で、CPU11は、充放電制御処理の終了タイミングが到来したか否かを判定し、肯定判定となった場合は充放電制御処理を終了する。この終了タイミングは、一例として、ユーザの入力部14を介した入力によって到来する。ステップ116で否定判定となった場合はステップ104へ戻る。
【0125】
<効果>
以上説明したように、本発明の実施形態に係る充放電制御装置及びプログラムでは、基準日夜間に、図4(A)に示す第一制御を実施する。
【0126】
まず、基準日夜間に、翌日の天気予報に関わらず、電動車両110Aに充電する。これにより、基準日翌日に電動車両110Aを利用できる。また、図5(B)の第四制御にも示すように、基準日翌日に予定が変わって電動車両110Aを使わなければ、電動車両110Aの蓄電池112Aに充電した電力を、建物100内の負荷90へ放電できる。
【0127】
また、制御部11Eは、基準日夜間に、翌日の天気情報(天気予報)に応じて蓄電池40の残電力の放電及び温存を切り替える。
【0128】
例えば、基準日翌日の天気予報が晴れならば、翌日の日中に太陽光発電装置30で発電された電力を負荷90へ放電できることが見込めるので、基準日夜間に蓄電池40の残電力を負荷90へ放電する。一方、基準日が雨で発電できなかった場合など、蓄電池40に残電力がない、または少ない場合は、夜間の安い系統電力を買電して、負荷90へ放電する。
【0129】
また例えば、翌日の天気予報が雨ならば、基準日夜間に蓄電池40の残電力を温存する。一方、基準日が雨で発電できなかった場合など、蓄電池40に残電力が少ない場合は夜間の安い系統電力を買電して、蓄電池40へ充電する。
【0130】
これにより、蓄電池40の電力として、所定の第一基準量、翌日の日中に持ち越される。翌日の日中には、蓄電池40の残電力を負荷90へ放電できる。これにより、翌日の日中に高い系統電力を買電することを抑制できる。
【0131】
また、本発明の実施形態に係る充放電制御装置及びプログラムでは、基準日夜間に、図4(B)に示す第二制御を実施する。
【0132】
基準日翌日に電動車両110Aの利用予定がない場合は、天気情報(天気予報)に応じて蓄電池40だけでなく電動車両110Aにおける蓄電池112Aの残電力の放電及び温存を切り替える。
【0133】
例えば、翌日の天気予報が晴れならば、蓄電池40の残電力を負荷90へ放電後に蓄電池112Aの残電力を負荷90へ放電する。これにより、逆の順序で放電する場合と比較して、蓄電池112Aの残電力が多くなる。このため、急な予定変更で電動車両110Aを使用する場合でも電動車両110Aを利用し易い。
【0134】
また例えば、翌日の天気予報が雨ならば、基準日夜間に蓄電池40の残電力を温存する。一方、基準日が雨で発電できなかった場合など、蓄電池40に残電力が少ない場合は夜間の安い系統電力を買電して、蓄電池40へ充電する。同様に、基準日夜間に蓄電池112Aの残電力を温存する。一方、基準日に電動車両110Aを使用していた場合や基準日が雨で発電できなかった場合など、蓄電池112Aに残電力が少ない場合は夜間の安い系統電力を買電して、蓄電池112Aへ充電する。
【0135】
これにより、蓄電池40の電力が第二基準量、蓄電池112Aの電力が第三基準量、翌日の日中に持ち越される。
【0136】
基準日翌日には電動車両110Aの利用予定がないため、蓄電池40だけでなく蓄電池112Aから負荷90へ放電できる。このため、蓄電池40には、第一制御における第一前記基準量より少ない第二基準量を温存すればよい。これにより、翌日の日中に高い系統電力を買電することを抑制できる。
【0137】
また、本発明の実施形態に係る充放電制御装置及びプログラムでは、基準日翌日の日中、電動車両110Aが外出中の場合に、図5(A)に示す第三制御を実施する。
【0138】
第三制御では、基準日翌日に、「実際の天気」に応じて、蓄電池40への充電、残電力の放電及び温存が切り替えられる。
【0139】
基準日翌日の天気が晴れならば、太陽光発電装置30で発電した電力を、蓄電池40へ可能な限り充電する。
【0140】
翌日の天気が雨ならば、蓄電池40の残電力が第二基準量となるまで負荷90へ放電し、残電力が第二基準量以下となった場合は放電を中止する。そして、蓄電池40へ充電はしない。
【0141】
ここで、基準日における翌日の天気予報が雨ならば、上述したように蓄電池40の残電力が温存されているか基準日夜間に買電しているので、翌日の日中は、蓄電池40の残電力を利用できる。これにより、翌日が雨でも、日中に高い系統電力を買電することを抑制できる。
【0142】
一方、基準日における翌日の天気予報が晴れならば、基準日の夜間に蓄電池40の残電力を放電しているので、蓄電池40の残電力は少ない。それにも関わらず天気予報が外れて雨になった場合は、日中の高い電力を買電する必要がある。この場合、日中には蓄電池40へ充電せず、負荷90へ放電する電力のみを買電する。これにより、日中の買電量を最低限に抑えることができる。
【0143】
また、本発明の実施形態に係る充放電制御装置及びプログラムでは、基準日翌日の日中、電動車両110Aが車両充放電設備60に接続されている場合に、図5(B)に示す第四制御を実施する。
【0144】
基準日翌日の天気が晴れならば、基準日における翌日の天気予報に関わらず、太陽光発電装置30で発電した電力を、電動車両110Aの蓄電池112Aに充電した後に蓄電池40へ充電する。蓄電池112Aに優先的に充電することにより、電動車両110Aの突発的に利用する必要が生じた場合に対応できる。
【0145】
翌日の天気が雨ならば、電動車両110Aの残電力が第四基準量となるまで負荷90へ放電し、残電力が第四基準量以下となった場合は放電を中止する。そして、電動車両及び蓄電池へ充電はしない。
【0146】
ここで、基準日における翌日の天気予報が雨ならば、上述したように蓄電池112Aの残電力が温存されているか基準日夜間に買電している。また、電動車両110Aを使用予定であったにも関わらず予定が変わったような場合には、基準日夜間に充電されている。このため、翌日の日中は、蓄電池112Aの残電力を利用できる。これにより、翌日が雨でも、日中に高い系統電力を買電することを抑制できる。
【0147】
一方、基準日における翌日の天気予報が晴れで、かつ、電動車両110Aの利用予定がなかったならば、基準日の夜間に蓄電池112A及び蓄電池40の残電力を放電しているので、蓄電池112A及び蓄電池40の残電力は少ない。それにも関わらず天気予報が外れて雨になった場合は、日中の高い電力を買電する必要がある。この場合、日中には蓄電池112A及び蓄電池40へ充電せず、負荷90へ放電する電力のみを買電する。これにより、日中の買電量を少なくできる。
【0148】
<その他の実施形態>
充放電制御装置10は、太陽光発電装置30で発電された電力の売電単価と、系統電力の買電単価と、を取得する「単価取得部」を備えていてもよい。
【0149】
この場合、制御部11Eは、売電単価が日中における買電単価を上回る場合に、太陽光発電装置30で発電された電力を売電して系統電力を買電する。一方、売電単価が日中における買電単価以下である場合に、上述した第一制御、第二制御、第三制御及び第四制御を実施する。
【0150】
なお、太陽光発電装置30で発電された電力を売電する際には、変換装置20の電力変換効率によって影響を受ける電力ロスが発生する。制御部11Eは、この電力ロスを加味したうえで売電単価を算出して買電単価と比較することが好ましい。
【0151】
充放電制御装置10が単価取得部を備えている場合においては、太陽光発電装置30で発電された電力の売電単価が日中における買電単価以下である場合、すなわち売電単価が安い場合に、第一制御~第四制御を実施する。
【0152】
第一制御では、翌日の天気予報が晴れの場合に、基準日夜間に蓄電池40の残電力を負荷90へ放電する。第二制御では、翌日の天気予報が晴れの場合に、基準日夜間に蓄電池40及び電動車両110Aの蓄電池112Aの残電力を負荷90へ放電する。
【0153】
第三制御では、翌日の天気が雨の場合に、翌日の日中に、蓄電池40の残電力を建物内負荷へ放電する。第四制御では、翌日の天気が雨の場合に、翌日の日中に、蓄電池40及び蓄電池112Aの残電力を建物内負荷へ放電する。
【0154】
このように、売電単価が安い場合には太陽光発電装置30で発電されて蓄電池40や蓄電池112Aに充電された電力は、負荷90で消費される。また、電動車両110Aが走行することでも消費される。これにより、比較的高額な系統電力の買い電量を抑制することができる。
【0155】
一方、太陽光発電装置30で発電された電力の売電単価が日中における買電単価を上回る場合、すなわち売電単価が高い場合には、太陽光発電装置30で発電された電力を売電して系統電力を買電する。これにより差益を得ることができる。
【0156】
上記実施形態において、例えば、天気予報取得部11A、予定取得部11B、天気取得部11C、車両検知部11D及び制御部11Eの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0157】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0158】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0159】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。このように、本発明は様々な態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0160】
10 制御装置(充放電制御装置)
11A 天気予報取得部
11B 予定取得部
11D 制御部
13A 充放電制御プログラム(プログラム)
30 太陽光発電装置
40 蓄電池
60 充放電設備
100 建物
110A 電動車両
112A 蓄電池(電動車両)
図1
図2
図3
図4
図5
図6