(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076239
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】光学素子駆動装置
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20240529BHJP
G03B 17/55 20210101ALI20240529BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20240529BHJP
H04N 23/54 20230101ALI20240529BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B17/55
G02B7/02 Z
H04N23/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187717
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】村田 隆博
(72)【発明者】
【氏名】安藤 潤
(72)【発明者】
【氏名】安蔵 涼太郎
(72)【発明者】
【氏名】加藤 拓也
【テーマコード(参考)】
2H044
2H104
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AJ06
2H104CC00
2K005CA24
2K005CA34
2K005CA44
2K005CA46
2K005CA53
5C122EA41
5C122EA54
5C122FB03
5C122GE06
5C122GE11
5C122GE17
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】光学素子駆動装置を更に小型化させること。
【解決手段】光学素子駆動装置101は、中間部材3を支持部材18に対してX軸方向へ移動させる第1駆動手段DM1と、光学素子保持部材2を中間部材3に対してY軸方向へ移動させる第2駆動手段DM2とを備える。第1駆動手段DM1は、中間部材3に設けられた第1磁界発生部材と、Z軸方向において第1磁界発生部材と対向するように支持部材18に設けられた第1コイル9Aとを有し、第2駆動手段DM2は、光学素子保持部材2に設けられた第2磁界発生部材と、Z軸方向において第2磁界発生部材と対向するように支持部材18に設けられた第2コイル9Bとを有する。第1磁界発生部材は、Z軸方向において異なる磁極となるように着磁された第1磁石5Aによって構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材を含む固定側部材と、
光学素子を配置可能な上下方向に貫通する貫通孔を有する光学素子保持部材と、
上下方向において前記支持部材と前記光学素子保持部材との間に設けられ、前記支持部材に対して上下方向に垂直な第1方向へ移動可能な中間部材と、
前記支持部材と前記中間部材との間に配置された少なくとも三つの下側ボールと、
前記中間部材と前記光学素子保持部材との間に配置された少なくとも三つの上側ボールと、
前記中間部材を前記支持部材に対して前記第1方向へ移動させる第1駆動手段と、
前記光学素子保持部材を前記中間部材に対して上下方向に垂直で且つ前記第1方向に垂直な第2方向へ移動させる第2駆動手段と、を備え、
前記光学素子保持部材が、前記支持部材に対して上下方向に垂直な平面に沿って移動可能な光学素子駆動装置において、
前記第1駆動手段は、前記中間部材に設けられた第1磁界発生部材と、上下方向において前記第1磁界発生部材と対向するように前記支持部材に設けられた第1コイルとを有し、
前記第2駆動手段は、前記光学素子保持部材に設けられた第2磁界発生部材と、上下方向において前記第2磁界発生部材と対向するように前記支持部材に設けられた第2コイルとを有し、
前記第1磁界発生部材は、上下方向において異なる磁極となるように着磁された第1磁石によって構成されている、
ことを特徴とする光学素子駆動装置。
【請求項2】
前記第1コイルは、上下方向に延びるコイル軸を有するように構成されるとともに、前記コイル軸を挟んで互いに対向して設けられた前記第2方向に沿うように延在する第1一方側延在部及び第1他方側延在部を有し、
前記第1磁石は、前記第1一方側延在部に対向する第1一方側磁石と前記第1他方側延在部に対向する第1他方側磁石とを含み、
第1一方側磁石と前記第1他方側磁石とは、上下方向においてN極とS極の配置が互いに反対になるように構成されている、
請求項1に記載の光学素子駆動装置。
【請求項3】
前記第1一方側磁石と前記第1他方側磁石とは、前記第1方向に離間して配置されている、
請求項2に記載の光学素子駆動装置。
【請求項4】
前記第2磁界発生部材は、前記貫通孔を挟んで互いに対向して設けられた第2一方側磁石及び第2他方側磁石を含んで構成され、
前記第2コイルは、前記第2一方側磁石に対向する第2一方側コイルと、前記第2他方側磁石に対向する第2他方側コイルとを含む、
請求項1から請求項3の何れかに記載の光学素子駆動装置。
【請求項5】
前記第1コイルは、前記第2コイルよりも大きい、
請求項1から請求項3の何れかに記載の光学素子駆動装置。
【請求項6】
前記第2コイルは、上下方向に延びるコイル軸を有するように構成されるとともに、前記コイル軸を挟んで互いに対向して設けられた前記第1方向に沿うように延在する第2一方側延在部及び第2他方側延在部を有し、
前記第2一方側磁石及び前記第2他方側磁石は、前記第2方向において異なる磁極となるように着磁されている、
請求項4に記載の光学素子駆動装置。
【請求項7】
前記支持部材には複数の磁性部材が設けられており、
複数の前記磁性部材は、第1磁性部材、第2一方側磁性部材、及び第2他方側磁性部材を含み、
前記第1磁性部材は、前記第1コイルを挟んで、前記第1磁石とは反対側に配置され、且つ、前記第1磁性部材と前記第1磁石との間で吸引力が作用するように配置され、
前記第2一方側磁性部材は、前記第2一方側コイルを挟んで、前記第2一方側磁石とは反対側に配置され、且つ、前記第2一方側磁性部材と前記第2一方側磁石との間で吸引力が作用するように配置され、
前記第2他方側磁性部材は、前記第2他方側コイルを挟んで、前記第2他方側磁石とは反対側に配置され、且つ、前記第2他方側磁性部材と前記第2他方側磁石との間で吸引力が作用するように配置されている、
請求項4に記載の光学素子駆動装置。
【請求項8】
前記中間部材は、少なくとも前記支持部材側を開放させた第1収容部を有し、
前記第1磁界発生部材は、前記第1収容部内に配置されて前記中間部材に固定されており、
前記光学素子保持部材は、少なくとも前記支持部材側を開放させた第2収容部を有し、
前記第2磁界発生部材は、前記第2収容部内に配置されて前記光学素子保持部材に固定されており、
前記第1磁界発生部材と前記第2磁界発生部材とは、少なくとも一部が上下方向において同じ位置にある、
請求項1から請求項3の何れかに記載の光学素子駆動装置。
【請求項9】
前記固定側部材は、前記第1コイル及び前記第2コイルのそれぞれと接触する放熱部材を有する、
請求項1に記載の光学素子駆動装置。
【請求項10】
前記放熱部材は、前記支持部材と一体的に設けられ、前記第1コイル及び前記第2コイルのそれぞれの少なくとも側面部に接触している、
請求項9に記載の光学素子駆動装置。
【請求項11】
前記支持部材及び前記放熱部材は、ベース部材を構成し、
前記固定側部材は、前記ベース部材に固定される金属製のカバー部材を有し、
前記放熱部材は、前記カバー部材と接続されている、
請求項9又は請求項10に記載の光学素子駆動装置。
【請求項12】
前記放熱部材は、基部と前記基部の外縁部から上方へ突出する立設部とを有し、
前記立設部は、第1面が前記第1コイルと接し、第2面が前記カバー部材と接するように構成されている、
請求項11に記載の光学素子駆動装置。
【請求項13】
前記放熱部材と前記カバー部材とは、熱伝導率が略同じ金属で形成されている、
請求項11に記載の光学素子駆動装置。
【請求項14】
支持部材を含む固定側部材と、
光学素子を配置可能な上下方向に貫通する貫通孔を有する光学素子保持部材と、
上下方向において前記支持部材と前記光学素子保持部材との間に設けられ、前記支持部材に対して上下方向に垂直な第1方向へ移動可能な中間部材と、
前記支持部材と前記中間部材との間に配置された少なくとも三つの下側ボールと、
前記中間部材と前記光学素子保持部材との間に配置された少なくとも三つの上側ボールと、
前記中間部材を前記支持部材に対して前記第1方向へ移動させる第1駆動手段と、
前記光学素子保持部材を前記中間部材に対して上下方向に垂直で且つ前記第1方向に垂直な第2方向へ移動させる第2駆動手段と、を備え、
前記光学素子保持部材が、前記支持部材に対して上下方向に垂直な平面に沿って移動可能な光学素子駆動装置において、
前記第1駆動手段は、前記中間部材に設けられた第1磁界発生部材と、上下方向において前記第1磁界発生部材と対向するように前記支持部材に設けられた第1コイルとを有し、
前記第2駆動手段は、前記光学素子保持部材に設けられた第2磁界発生部材と、上下方向において前記第2磁界発生部材と対向するように前記支持部材に設けられた第2コイルとを有し、
前記固定側部材は、前記第1コイル及び前記第2コイルの少なくとも一方と接触する放熱部材を有する、
ことを特徴とする光学素子駆動装置。
【請求項15】
前記第1コイルを構成する線材の線径は、前記第2コイルを構成する線材の線径よりも大きい、
請求項1又は請求項14に記載の光学素子駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学素子駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁石及びコイルを利用し、スライド部材に取り付けられたレンズをホルダに対して移動させるユニットが知られている(特許文献1参照)。このユニットは、レンズが取り付けられたスライド部材に固定された第1磁石と、別のスライド部材に固定された第2磁石と、ホルダに取り付けられた第1コイル及び第2コイルとを含む。そして、このユニットは、第1磁石と第1コイルとによってスライド部材を移動させ、且つ、第2磁石と第2コイルとによって別のスライド部材を移動させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このユニットでは、第1磁石、第2磁石、第1コイル、及び第2コイルのそれぞれは、各スライド部材の外側(レンズの光軸を中心とする円の径方向の外側)に配置されている。そのため、このユニットは、レンズの光軸を中心とする円の径方向におけるサイズが大きくなってしまうおそれがある。
【0005】
そこで、レンズ等の光学素子を駆動する装置を更に小型化させることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る光学素子駆動装置は、支持部材を含む固定側部材と、光学素子を配置可能な上下方向に貫通する貫通孔を有する光学素子保持部材と、上下方向において前記支持部材と前記光学素子保持部材との間に設けられ、前記支持部材に対して上下方向に垂直な第1方向へ移動可能な中間部材と、前記支持部材と前記中間部材との間に配置された少なくとも三つの下側ボールと、前記中間部材と前記光学素子保持部材との間に配置された少なくとも三つの上側ボールと、前記中間部材を前記支持部材に対して前記第1方向へ移動させる第1駆動手段と、前記光学素子保持部材を前記中間部材に対して上下方向に垂直で且つ前記第1方向に垂直な第2方向へ移動させる第2駆動手段と、を備え、前記光学素子保持部材が、前記支持部材に対して上下方向に垂直な平面に沿って移動可能な光学素子駆動装置において、前記第1駆動手段は、前記中間部材に設けられた第1磁界発生部材と、上下方向において前記第1磁界発生部材と対向するように前記支持部材に設けられた第1コイルとを有し、前記第2駆動手段は、前記光学素子保持部材に設けられた第2磁界発生部材と、上下方向において前記第2磁界発生部材と対向するように前記支持部材に設けられた第2コイルとを有し、前記第1磁界発生部材は、上下方向において異なる磁極となるように着磁された第1磁石によって構成されている。
【発明の効果】
【0007】
上述の光学素子駆動装置は、全体のサイズを更に小型化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る光学素子駆動装置101について図面を参照して説明する。
図1は、光学素子駆動装置101の斜視図である。
図2は、カバー部材4と下側部材LBとで構成される光学素子駆動装置101の分解斜視図であり、カバー部材4が下側部材LBから分離された状態を示す。
図3は、下側部材LBの分解斜視図であり、可動側部材MBが固定側部材FBから分離された状態を示す。
図4は、可動側部材MBを構成している光学素子保持部材2の下面図である。
図5は、可動側部材MBを構成している中間部材3の下面図である。
図6は、固定側部材FBの分解斜視図である。なお、
図4では、明瞭化のため、光学素子保持部材2に粗いドットパターンが付されている。同様に、
図5では、明瞭化のため、中間部材3に粗いドットパターンが付されている。
【0010】
図1において、X1は、三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2は、X軸の他方向を表す。また、Y1は、三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2は、Y軸の他方向を表す。同様に、Z1は、三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2は、Z軸の他方向を表す。
図1では、光学素子駆動装置101のX1側は、光学素子駆動装置101の前側(正面側)に相当し、光学素子駆動装置101のX2側は、光学素子駆動装置101の後側(背面側)に相当する。また、光学素子駆動装置101のY1側は、光学素子駆動装置101の左側に相当し、光学素子駆動装置101のY2側は、光学素子駆動装置101の右側に相当する。また、光学素子駆動装置101のZ1側は、光学素子駆動装置101の上側に相当し、光学素子駆動装置101のZ2側は、光学素子駆動装置101の下側に相当する。他の図においても同様である。
【0011】
光学素子駆動装置101は、XY平面に平行な仮想平面において
図2に示すような光学素子OEを移動させるための装置である。
図2では、明瞭化のため、光学素子OEは、略円柱形状を有するように表されているが、直方体形状等の他の形状を有していてもよい。また、
図2以外の図では、明瞭化のため、光学素子OEの図示は省略されている。光学素子OEは、レンズ体、ミラー、プリズム、回折格子、発光素子、受光素子、撮像素子、又は光学フィルタ等である。なお、光学素子OEは、複数種類の素子の組み合わせであってもよい。
【0012】
光学素子駆動装置101は、
図1及び
図2に示すように、固定側部材FBの一部であるカバー部材4及び下側部材LBを含んで構成されている。
【0013】
カバー部材4は、下側部材LBを覆うことができるように構成されている。本実施形態では、カバー部材4は、アルミニウム等の非磁性金属で形成された板材に抜き加工及び絞り加工等を施して作製されている。非磁性金属で形成されているため、カバー部材4は、電磁力を利用する駆動手段DM(後述)等に磁気的な悪影響を及ぼすことはない。
【0014】
カバー部材4は、
図2に示すように、収納部4Sを定める有蓋矩形筒状の外形を有する。具体的には、カバー部材4は、略矩形筒状の外周壁部4Aと、外周壁部4Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた略矩形平板状の天板部4Bと、を有する。天板部4Bには、略円形の貫通孔4Kが形成されている。外周壁部4Aは、第1側板部4A1~第4側板部4A4を含む。第1側板部4A1と第3側板部4A3とは互いに対向し、第2側板部4A2と第4側板部4A4とは互いに対向している。また、第2側板部4A2及び第4側板部4A4は、第1側板部4A1及び第3側板部4A3に対して垂直に延びる。また、カバー部材4は、
図1に示すように、接着剤によってベース部材BMに接合されてベース部材BMとともに筐体HSを構成する。
【0015】
下側部材LBは、
図3に示すように、固定側部材FB、下側ボール11、及び、可動側部材MBを含む。固定側部材FBは、
図6に示すように、第1基板7、コイル9、磁気センサ10、磁性部材13、第2基板17、及びベース部材BMを含む。固定側部材FBは、下側ボール11を含んでもよい。ベース部材BMは、支持部材18及び放熱部材19を含む。可動側部材MBは、光学素子保持部材2、中間部材3、磁石5、及び上側ボール12を含む。
【0016】
下側ボール11は、固定側部材FBに対して、X軸に平行な方向に可動側部材MBを移動可能に支持するように構成されている。本実施形態では、下側ボール11は、樹脂、セラミック、又は金属等の硬い材料で形成された球形の転動体であり、第1下側ボール11A~第4下側ボール11Dを含む。下側ボール11は、支持部材18に形成された下側上向き凹部としての凹部18S(
図3参照)と、中間部材3に形成された下側下向き凹部としての凹部3S(
図5の上図参照)との間に配置されている。具体的には、第1下側ボール11Aは、第1凹部18S1(
図3参照)と第1凹部3S1(
図5の上図参照)との間に配置されている。また、第2下側ボール11Bは、第2凹部18S2(
図3参照)と第2凹部3S2(
図5の上図参照)との間に配置されている。また、第3下側ボール11Cは、第3凹部18S3(
図3参照)と第3凹部3S3(
図5の上図参照)との間に配置されている。また、第4下側ボール11Dは、第4凹部18S4(
図3参照)と第4凹部3S4(
図5の上図参照)との間に配置されている。この構成により、可動側部材MBは、下側ボール11によって、X軸に平行な方向に移動可能に支持される。
【0017】
コイル9は、支持部材18に固定される部材である。
図3に示す例では、コイル9は、巻線タイプのコイルであり、第1コイル9A及び第2コイル9Bを含む。第2コイル9Bは、第2左側コイル9B1及び第2右側コイル9B2を含む。第1コイル9Aは、Z軸方向に延びるコイル軸9AXを有し、第2左側コイル9B1は、Z軸方向に延びるコイル軸9B1Xを有し、第2右側コイル9B2は、Z軸方向に延びるコイル軸9B2Xを有する。コイル9を構成する線材は、絶縁コーティングが施されている。コイル9は、積層タイプであってもよく、フィルムタイプであってもよい。また、第1コイル9A及び第2コイル9Bのそれぞれは、複数のコイルの組み合わせで構成されていてもよい。
【0018】
また、コイル9は、直線状に延びる延在部を有するように構成されている。具体的には、
図6に示すように、第1コイル9Aは、Y軸方向に沿って直線状に延びる第1外側延在部9AE及び第1内側延在部9APを有するように構成されている。また、第2左側コイル9B1は、X軸方向に沿って直線状に延びる第2左外側延在部9B1E及び第2左内側延在部9B1Pを有するように構成されている。同様に、第2右側コイル9B2は、X軸方向に沿って直線状に延びる第2右外側延在部9B2E及び第2右内側延在部9B2Pを有するように構成されている。
【0019】
磁性部材13は、磁気吸引手段MA(後述)を構成する部材の一つであり、磁気吸引手段MAを構成する別の部材である磁石5から離れたところに磁石5と磁気的に引き合うように配置される。図示例では、磁性部材13は、
図6に示すように、支持部材18の上面に接着固定された第1磁性部材13A及び第2磁性部材13Bを含む。第1磁性部材13Aは、第1外側磁性部材13A1及び第1内側磁性部材13A2を含む。第2磁性部材13Bは、第2左側磁性部材13B1及び第2右側磁性部材13B2を含む。そして、第2左側磁性部材13B1は、第2左外側磁性部材13B11及び第2左内側磁性部材13B12を含み、第2右側磁性部材13B2は、第2右外側磁性部材13B21及び第2右内側磁性部材13B22を含む。
【0020】
駆動手段DMは、光軸方向(Z軸方向)に垂直な方向に沿って光学素子OEを移動させることができるように構成されている。図示例では、駆動手段DMは、X軸方向に沿って光学素子OEを移動させる第1駆動手段DM1、及び、Y軸方向に沿って光学素子OEを移動させる第2駆動手段DM2を含む。
【0021】
第1駆動手段DM1は、支持部材18に設けられた第1コイル9Aと、Z軸方向において第1コイル9Aと対向するように離間して配置される第1磁石5Aと、を含む。第2駆動手段DM2は、支持部材18に設けられた第2コイル9Bと、Z軸方向において第2コイル9Bと対向するように離間して配置される第2磁石5Bと、を含む。図示例では、第2磁石5Bは、第2左側コイル9B1と対向するように離間して配置される第2左側磁石5B1と、第2右側コイル9B2と対向するように離間して配置される第2右側磁石5B2と、を含む。
【0022】
略直方体形状を有する光学素子駆動装置101は、例えば、メイン基板(図示せず。)の上に取り付けられる。コイル9は、第1基板7及びメイン基板を介して電流供給源(電流供給回路)に接続される。コイル9に電流が流れると、駆動手段DMは、XY平面に平行な方向に沿った電磁力を発生させる。
【0023】
磁石5は、磁界発生部材の一例であり、第1磁石5A及び第2磁石5Bを含む。第2磁石5Bは、第2左側磁石5B1及び第2右側磁石5B2を含む。第1磁石5Aは、第1外側磁石5A1及び第1内側磁石5A2を含む。図示例では、第1外側磁石5A1、第1内側磁石5A2、第2左側磁石5B1、及び第2右側磁石5B2のそれぞれは、二極に着磁された直方体形状の永久磁石である。そして、第1外側磁石5A1は、下側部分がS極に着磁され、上側部分がN極に着磁されている。
図3は、N極に着磁された部分をクロスパターンで示し、S極に着磁された部分をドットパターンで示している。同様に、第1内側磁石5A2は、下側部分がN極に着磁され、上側部分がS極に着磁されている。また、第2左側磁石5B1は、外側部分(左側部分)がN極に着磁され、内側部分(右側部分)がS極に着磁されている。また、第2右側磁石5B2は、外側部分(右側部分)がS極に着磁され、内側部分(左側部分)がN極に着磁されている。
【0024】
第1外側磁石5A1は、下側部分がN極に着磁され、上側がS極部分に着磁されていてもよい。この場合、第1内側磁石5A2は、下側部分がS極に着磁され、上側部分がN極に着磁される。すなわち、第1外側磁石5A1と第1内側磁石5A2とは、上下方向においてN極とS極の配置が互いに反対になるように構成されている。第1コイル9Aに電流が流れたときに発生する推力の向きを揃えるためである。
【0025】
また、磁石5は、磁気吸引手段MAを構成する部材の一つである。図示例では、第1外側磁石5A1は、第1外側磁石5A1と第1外側磁性部材13A1との間で磁気的な吸引力が作用するように、中間部材3に固定されている。また、第1内側磁石5A2は、第1内側磁石5A2と第1内側磁性部材13A2との間で磁気的な吸引力が作用するように、中間部材3に固定されている。また、第2左側磁石5B1は、第2左側磁石5B1と第2左側磁性部材13B1(第2左外側磁性部材13B11及び第2左内側磁性部材13B12)との間で磁気的な吸引力が作用するように、光学素子保持部材2に固定されている。また、第2右側磁石5B2は、第2右側磁石5B2と第2右側磁性部材13B2(第2右外側磁性部材13B21及び第2右内側磁性部材13B22)との間で磁気的な吸引力が作用するように、光学素子保持部材2に固定されている。
【0026】
磁石5は、光学素子OEの変位を検出するための検出用磁石としても機能する。磁気センサ10は、可動側部材MBに取り付けられた検出用磁石が発生させる磁気を検出することによって可動側部材MB(光学素子OE)の変位を検出する。図示例では、第1磁石5Aは、X軸方向における光学素子OEの変位を検出するための第1検出用磁石として機能し、第2左側磁石5B1は、Y軸方向における光学素子OEの変位を検出するための第2検出用磁石として機能する。
【0027】
上側ボール12は、中間部材3に対して、Y軸に平行な方向に光学素子保持部材2を移動可能に支持するように構成されている。図示例では、上側ボール12は、樹脂、セラミック、又は金属等の硬い材料で形成された球形の転動体であり、第1上側ボール12A~第4上側ボール12Dを含む。上側ボール12は、中間部材3に形成された上側上向き凹部としての凹部3T(
図3参照)と、光学素子保持部材2に形成された上側下向き凹部としての凹部2S(
図4の上図参照)との間に配置されている。具体的には、第1上側ボール12Aは、第1凹部3T1(
図3参照)と第1凹部2S1(
図4の上図参照)との間に配置されている。また、第2上側ボール12Bは、第2凹部3T2(
図3参照)と第2凹部2S2(
図4の上図参照)との間に配置されている。また、第3上側ボール12Cは、第3凹部3T3(
図3参照)と第3凹部2S3(
図4の上図参照)との間に配置されている。また、第4上側ボール12Dは、第4凹部3T4(
図3参照)と第4凹部2S4(
図4の上図参照)との間に配置されている。この構成により、光学素子保持部材2は、上側ボール12によって、Y軸に平行な方向に移動可能に支持される。
【0028】
光学素子保持部材2は、光学素子OE及び第2磁石5Bを保持できるように構成されている。図示例では、光学素子保持部材2は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することによって形成されている。また、光学素子保持部材2は、
図3に示すように、Z軸に平行に延びるように形成された貫通孔2Kを含む。光学素子OEは、貫通孔2Kの内周面に接着剤で固定される。
【0029】
図4は、光学素子保持部材2の下面図である。具体的には、
図4の上図は、第2磁石5B及び上側ボール12が配置されていないときの光学素子保持部材2の下面図であり、
図4の下図は、第2磁石5B及び上側ボール12が配置されたときの光学素子保持部材2の下面図である。
【0030】
具体的には、光学素子保持部材2は、略矩形環状の枠体である。枠体を構成する四つの辺部2Eは、第1辺部2E1~第4辺部2E4を含む。そして、四つの辺部2Eのそれぞれの間には角部2Cがあり、角部2Cは、第1角部2C1~第4角部2C4を含む。具体的には、第1辺部2E1と第4辺部2E4との間には第1角部2C1があり、第1辺部2E1と第2辺部2E2との間には第2角部2C2があり、第2辺部2E2と第3辺部2E3との間には第3角部2C3があり、第3辺部2E3と第4辺部2E4との間には第4角部2C4がある。
【0031】
光学素子保持部材2の下側(Z2側)の端面には、
図4の上図に示すように、Z1方向に凹んだ第2収容部2Rが設けられている。第2収容部2Rには、
図4の下図に示すように、第2磁石5Bが収容される。第2磁石5Bは、光学素子保持部材2に接着剤で固定される。図示例では、第2収容部2Rは、第2左側収容部2R1及び第2右側収容部2R2を含み、第2左側収容部2R1には第2左側磁石5B1が収容され、第2右側収容部2R2には第2右側磁石5B2が収容される。なお、第2収容部2Rは、下方側ばかりでなく側方側(径方向側)に開口していてもよい。
【0032】
また、光学素子保持部材2の下側(Z2側)の端面には、
図4の上図に示すように、Z1方向に凹んだ上側下向き凹部としての凹部2Sが設けられている。凹部2Sには、
図4の下図に示すように、上側ボール12の上側部分が収容される。図示例では、凹部2Sは、第1上側ボール12Aの上側部分が収容される第1凹部2S1と、第2上側ボール12Bの上側部分が収容される第2凹部2S2と、第3上側ボール12Cの上側部分が収容される第3凹部2S3と、第4上側ボール12Dの上側部分が収容される第4凹部2S4とを含む。第1凹部2S1は、第1角部2C1の下側(Z2側)の端面に設けられ、第2凹部2S2は第2角部2C2の下側(Z2側)の端面に設けられ、第3凹部2S3は第3角部2C3の下側(Z2側)の端面に設けられ、第4凹部2S4は第4角部2C4の下側(Z2側)の端面に設けられている。なお、第1上側ボール12A~第4上側ボール12Dのそれぞれの下側部分は、中間部材3の上面に形成された上側上向き凹部としての凹部3T(
図3参照)に収容される。
【0033】
中間部材3は、第1磁石5Aを保持できるように構成されている。図示例では、中間部材3は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することによって形成されている。また、中間部材3は、
図3に示すように、Z軸に平行に延びるように形成された貫通孔3Kを含む。貫通孔3Kは、光学素子保持部材2の貫通孔2Kに対応している。そのため、光学素子OEは、中間部材3に対して光学素子保持部材2が移動した場合であっても貫通孔3Kの内周面に接触しないように光学素子保持部材2によって保持される。
【0034】
図5は、中間部材3の下面図である。具体的には、
図5の上図は、第1磁石5A及び下側ボール11が配置されていないときの中間部材3の下面図であり、
図5の下図は、第1磁石5A及び下側ボール11が配置されたときの中間部材3の下面図である。
【0035】
具体的には、中間部材3は、略矩形環状の枠体である。枠体を構成する四つの辺部3Eは、第1辺部3E1~第4辺部3E4を含む。そして、四つの辺部3Eのそれぞれの間には角部3Cがあり、角部3Cは、第1角部3C1~第4角部3C4を含む。具体的には、第1辺部3E1と第4辺部3E4との間には第1角部3C1があり、第1辺部3E1と第2辺部3E2との間には第2角部3C2があり、第2辺部3E2と第3辺部3E3との間には第3角部3C3があり、第3辺部3E3と第4辺部3E4との間には第4角部3C4がある。
【0036】
中間部材3の下側(Z2側)の端面には、
図5の上図に示すように、Z1方向に凹んだ第1収容部3Rが設けられている。第1収容部3Rには、
図5の下図に示すように、第1磁石5Aが収容される。第1磁石5Aは、中間部材3に接着剤で固定される。図示例では、第1収容部3Rは、第1外側収容部3R1及び第1内側収容部3R2を含み、第1外側収容部3R1には第1外側磁石5A1が収容され、第1内側収容部3R2には第1内側磁石5A2が収容される。なお、第1外側収容部3R1と第1内側収容部3R2とは中央部で繋がっているが、完全に分離されていてもよい。また、第1外側収容部3R1は、下方側ばかりでなく側方側(径方向外側)に開口していてもよい。同様に、第1内側収容部3R2は、下方側ばかりでなく側方側(径方向内側)に開口していてもよい。
【0037】
また、中間部材3の下側(Z2側)の端面には、
図5の上図に示すように、Z1方向に凹んだ下側下向き凹部としての凹部3Sが設けられている。凹部3Sには、
図5の下図に示すように、下側ボール11の上側部分が収容される。図示例では、凹部3Sは、第1下側ボール11Aの上側部分が収容される第1凹部3S1と、第2下側ボール11Bの上側部分が収容される第2凹部3S2と、第3下側ボール11Cの上側部分が収容される第3凹部3S3と、第4下側ボール11Dの上側部分が収容される第4凹部3S4とを含む。第1凹部3S1は第1角部3C1の下側(Z2側)の端面に設けられ、第2凹部3S2は第2角部3C2の下側(Z2側)の端面に設けられ、第3凹部3S3は第3角部3C3の下側(Z2側)の端面に設けられ、第4凹部3S4は第4角部3C4の下側(Z2側)の端面に設けられている。なお、第1下側ボール11A~第4下側ボール11Dのそれぞれの下側部分は、支持部材18の上面に形成された下側上向き凹部としての凹部18S(
図3参照)に収容される。また、第1収容部3Rは、Z軸に平行に延びる貫通孔であってもよい。
【0038】
支持部材18は、液晶ポリマー等の合成樹脂を用いた射出成形によって形成される。図示例では、支持部材18は、
図6に示すように、上面視で略矩形状の輪郭を有し、中央に貫通孔18Kを有する。貫通孔18Kは、光学素子保持部材2の貫通孔2K及び中間部材3の貫通孔3Kのそれぞれに対応している。支持部材18のZ1側の面である上面には、接着剤により第1基板7、コイル9、及び磁性部材13が固定され、支持部材18のZ2側の面である下面には、接着剤により第2基板17が固定される。また、第2基板17の上面には磁気センサ10が実装される。
【0039】
支持部材18には、磁気センサ10を収容する貫通部18Bが形成されている。貫通部18Bは、第1磁気センサ10Aを収容する第1貫通部18B1と、第2磁気センサ10Bを収容する第2貫通部18B2とを含む。また、支持部材18の上面には、磁性部材13を収容する凹部18Uが形成されている。図示例では、凹部18Uは、第1磁性部材13Aを収容する第1凹部18U1と、第2磁性部材13Bを収容する第2凹部18U2とを含む。第2凹部18U2は、第2左側磁性部材13B1を収容する第2左側凹部18U21と、第2右側磁性部材13B2を収容する第2右側凹部18U22とを含む。また、支持部材18の上面には、コイル9が固定される凸部18Pが形成されている。凸部18Pは、第1コイル9Aが固定される第1凸部18P1と、第2コイル9Bが固定される第2凸部18P2とを含む。第2凸部18P2は、第2左側コイル9B1が固定される第2左側凸部18P21と、第2右側コイル9B2が固定される第2右側凸部18P22とを含む。また、支持部材18の上面には、第1基板7を収容する凹部18Qが形成されている。
【0040】
磁気センサ10は、光学素子OEの位置を検出できるように構成されている。本実施形態では、磁気センサ10は、光学素子OEが固定された光学素子保持部材2のX軸方向における変位とY軸方向における変位とを検出できるように複数設けられている。
図6に示す例では、磁気センサ10は、第1磁気センサ10Aと第2磁気センサ10Bとを含む。また、磁気センサ10は、四つの端子のそれぞれが第2基板17に接続された状態で貫通部18B内に収容される。具体的には、第1磁気センサ10Aは第1貫通部18B1内に収容され、第2磁気センサ10Bは第2貫通部18B2内に収容される。
【0041】
図6に示す例では、磁気センサ10は、ホール素子で構成され、ホール素子が受ける磁石5からの磁界の大きさに応じて変化するホール素子の出力電圧を測定することで、磁石5を含む可動側部材MBの位置を検出できるように構成されている。但し、磁気センサ10は、巨大磁気抵抗効果(Giant Magneto Resistive effect: GMR)素子、半導体磁気抵抗(Semiconductor Magneto Resistive: SMR)素子、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magneto Resistive: AMR)素子、又はトンネル磁気抵抗(Tunnel Magneto Resistive: TMR)素子等の磁気抵抗素子を利用して光学素子OEの位置を検出するように構成されていてもよい。
【0042】
また、支持部材18の上面には、下側ボール11を収容する下側上向き凹部としての凹部18Sが形成されている。具体的には、支持部材18には、四つの下側ボール11(第1下側ボール11A~第4下側ボール11D)を収容するための四つの凹部18S(第1凹部18S1~第4凹部18S4)が形成されている。
【0043】
第1基板7は、支持部材18の上面に固定される部材であり、コイル9と外部との通電を実現できるように構成されている。図示例では、第1基板7はフレキシブル配線基板である。第1基板7とコイル9とは、半田又は導電性接着剤等によって互いに接合される。
【0044】
第2基板17は、支持部材18の下面に固定される部材であり、磁気センサ10と外部との通電を実現できるように構成されている。図示例では、第2基板17はリジッド配線基板である。第2基板17と磁気センサ10とは、半田又は導電性接着剤等によって互いに接合される。また、光学素子保持部材2に固定される光学素子OEがレンズ体である場合、第2基板17の上面には、光学素子OEと対向する撮像素子(図示せず)が実装されていてもよい。この構成は、光学素子OEをXY平面に沿って移動させることで、例えば、固定焦点式カメラモジュールの手振れ補正を実現することができる。
【0045】
放熱部材19は、コイル9等が発生させる熱を放熱させる部材である。具体的には、放熱部材19は、
図6に示すように、略矩形環状の枠体である基部19Bと基部19Bの外縁部から上方へ突出する立設部19Eとを有する。図示例では、放熱部材19は、銅又はアルミニウム等の熱伝導率の高い金属を含んで形成されている。基部19Bは、放熱部材19の底部を構成し、第2基板17を収容するための貫通孔19Kを有する。立設部19Eは、前側の辺部に形成される前側立設部19E1、左側の辺部に形成される左側立設部19E2、後側の辺部に形成される後側立設部19E3、及び、右側の辺部に形成される右側立設部19E4を含む。そして、放熱部材19は、支持部材18とともにベース部材BMを構成する。
【0046】
次に、
図7を参照し、固定側部材FBの詳細について説明する。
図7は、カバー部材4を除いた固定側部材FBの上面図である。具体的には、
図7の上図は、コイル9が取り外された状態の固定側部材FBの上面図であり、
図7の下図は、コイル9が取り付けられた状態の固定側部材FBの上面図である。なお、
図7では、明瞭化のため、支持部材18に粗いドットパターンが付され、放熱部材19に細かいドットパターンが付され、第1基板7及び第2基板17にクロスパターンが付されている。
【0047】
図7の上図に示すように、支持部材18の上面には、第1基板7、第1外側磁性部材13A1、第1内側磁性部材13A2、第2左外側磁性部材13B11、第2左内側磁性部材13B12、第2右外側磁性部材13B21、及び第2右内側磁性部材13B22が接着剤によって固定されている。また、支持部材18の下面には、第2基板17及び放熱部材19が接着剤によって固定されている。また、第2基板17の上面には、第1磁気センサ10A及び第2磁気センサ10Bが半田又は導電性接着剤によって固定されている。
【0048】
具体的には、第1外側磁性部材13A1は、Z軸方向において第1コイル9Aの第1外側延在部9AEと対向するように配置され、第1内側磁性部材13A2は、Z軸方向において第1コイル9Aの第1内側延在部9APと対向するように配置されている。なお、図示例では、第1外側磁性部材13A1と第1外側延在部9AEとはZ軸方向において互いに間隔を空けて配置されているが、第1外側磁性部材13A1と第1外側延在部9AEとは接触していてもよい。第1内側磁性部材13A2と第1内側延在部9APとの位置関係についても同様である。
【0049】
また、第2左外側磁性部材13B11は、Z軸方向において第2左側コイル9B1の第2左外側延在部9B1Eと対向するように配置され、第2左内側磁性部材13B12は、Z軸方向において第2左側コイル9B1の第2左内側延在部9B1Pと対向するように配置されている。同様に、第2右外側磁性部材13B21は、Z軸方向において第2右側コイル9B2の第2右外側延在部9B2Eと対向するように配置され、第2右内側磁性部材13B22は、Z軸方向において第2右側コイル9B2の第2右内側延在部9B2Pと対向するように配置されている。なお、図示例では、第2磁性部材13Bと第2コイル9BとはZ軸方向において接触するように配置されているが、第2磁性部材13Bと第2コイル9Bとは互いに間隔を空けて配置されていてもよい。
【0050】
第1磁気センサ10Aは、第1コイル9Aのコイル軸9AXが通過する位置に配置され、第2磁気センサ10Bは、第2左側コイル9B1のコイル軸9B1Xが通過する位置に配置されている。なお、第2磁気センサ10Bは、第2右側コイル9B2のコイル軸9B2Xが通過する位置に配置されていてもよい。
【0051】
前側立設部19E1は、第1面である内側面(X2側の面)が第1コイル9Aの第1外側延在部9AEの外側面(X1側の面)と接し、第2面である外側面(X1側の面)がカバー部材4(
図2参照)の第1側板部4A1の内側面(X2側の面)と接するように構成されている。
【0052】
また、左側立設部19E2は、第1面である内側面(Y2側の面)が第2左側コイル9B1の第2左外側延在部9B1Eの外側面(Y1側の面)と接し、第2面である外側面(Y1側の面)がカバー部材4(
図2参照)の第2側板部4A2の内側面(Y2側の面)と接するように構成されている。
【0053】
また、後側立設部19E3は、第2面である外側面(X2側の面)がカバー部材4(
図2参照)の第3側板部4A3の内側面(X1側の面)と接するように構成されている。
【0054】
また、右側立設部19E4は、第1面である内側面(Y1側の面)が第2右側コイル9B2の第2右外側延在部9B2Eの外側面(Y2側の面)と接し、第2面である外側面(Y2側の面)がカバー部材4(
図2参照)の第4側板部4A4の内側面(Y1側の面)と接するように構成されている。
【0055】
次に、
図3及び
図8を参照し、磁気システムを構成している磁石5、コイル9、磁気センサ10、及び磁性部材13の位置関係について説明する。
図8は、
図1の光学素子駆動装置101に搭載される磁気システムの三面図(正面図、上面図、及び左側面図)である。なお、
図8では、磁気システムと下側ボール11及び上側ボール12との位置関係を示すため、下側ボール11及び上側ボール12が図示されている。
【0056】
磁気システムは、磁力を利用するシステムであり、駆動手段DM、磁気吸引手段MA、及び位置検出手段PDを含む。
【0057】
駆動手段DMは、XY平面において光学素子OEを移動させるための手段である。図示例では、駆動手段DMは、X軸方向に沿って光学素子OEを移動させる第1駆動手段DM1、及び、Y軸方向に沿って光学素子OEを移動させる第2駆動手段DM2を含む。
【0058】
第1駆動手段DM1は、
図3に示すように、支持部材18に設けられた第1コイル9Aと、Z軸方向において第1コイル9Aと対向するように離間して配置される第1磁石5Aと、を含む。第1磁石5Aと第1コイル9Aとは、
図8の正面図及び左側面図に示すように、僅かな間隔を空けて対向するように配置されている。
【0059】
第2駆動手段DM2は、
図3に示すように、支持部材18に設けられた第2コイル9Bと、Z軸方向において第2コイル9Bと対向するように離間して配置される第2磁石5Bと、を含む。第2磁石5Bと第2コイル9Bとは、
図8の正面図及び左側面図に示すように、僅かな間隔を空けて対向するように配置されている。
【0060】
破線矢印AR1で示すように第1コイル9Aに電流が流れると、中間部材3(第1磁石5A)は、下側ボール11を含む後述の下側ボール案内構造によってガイドされながら、支持部材18に対して前方(X1方向)に移動する。また、破線矢印AR2で示すように第1コイル9Aに電流が流れると、中間部材3(第1磁石5A)は、下側ボール案内構造によってガイドされながら、支持部材18に対して後方(X2方向)に移動する。支持部材18に固定された第1コイル9Aを構成している線材内を移動する荷電粒子にローレンツ力が作用し、その反力によって第1磁石5Aが前方又は後方に移動させられるためである。
【0061】
同様に、破線矢印AR3で示すように第2コイル9Bに電流が流れると、光学素子保持部材2(第2磁石5B)は、上側ボール12を含む後述の上側ボール案内構造によってガイドされながら、中間部材3及び支持部材18に対して左方(Y1方向)に移動する。また、破線矢印AR4で示すように第2コイル9Bに電流が流れると、光学素子保持部材2(第2磁石5B)は、上側ボール案内構造によってガイドされながら、中間部材3及び支持部材18に対して右方(Y2方向)に移動する。支持部材18に固定された第2コイル9Bを構成している線材内を移動する荷電粒子にローレンツ力が作用し、その反力によって第2磁石5Bが左方又は右方に移動させられるためである。
【0062】
位置検出手段PDは、光学素子保持部材2に固定された光学素子OEのXY平面に平行な仮想平面における位置を検出するための手段である。図示例では、位置検出手段PDは、光学素子OEのX軸方向における位置を検出するための第1位置検出手段PD1と、光学素子OEのY軸方向における位置を検出するための第2位置検出手段PD2を含む。
【0063】
第1位置検出手段PD1は、
図8に示すように、上下方向において互いに間隔を空けて配置される第1検出用磁石(第1磁石5A)と第1磁気センサ10Aとを含んで構成されている。また、第2位置検出手段PD2は、
図8に示すように、上下方向において互いに間隔を空けて配置される第2検出用磁石(第2磁石5B)と第2磁気センサ10Bとを含んで構成されている。
【0064】
磁気吸引手段MAは、上下方向(Z軸方向)において二つの部材を互いに引き付ける力を発生させる手段である。図示例では、磁気吸引手段MAは、第1磁気吸引手段MA1及び第2磁気吸引手段MA2を含む。第1磁気吸引手段MA1は、中間部材3と支持部材18とを互いに引き付ける力を発生させるように構成されている。具体的には、第1磁気吸引手段MA1は、第1磁石5Aと第1磁性部材13Aとを含んで構成されている。第2磁気吸引手段MA2は、光学素子保持部材2と支持部材18とを互いに引き付ける力を発生させるように構成されている。具体的には、第2磁気吸引手段MA2は、第2磁石5Bと第2磁性部材13Bとを含んで構成されている。
【0065】
より具体的には、第1磁気吸引手段MA1は、上下方向において互いに間隔を空けて配置される第1磁石5Aと第1磁性部材13Aとの間で磁気的な吸引力を作用させるように構成されている。第2磁気吸引手段MA2は、上下方向において互いに間隔を空けて配置される第2磁石5Bと第2磁性部材13Bとの間で磁気的な吸引力を作用させるように構成されている。
【0066】
この構成により、第1磁気吸引手段MA1は、中間部材3と支持部材18とを互いに引き付けることができる。具体的には、中間部材3の下面に形成された凹部3Sは、支持部材18の上面に形成された凹部18Sにその下側部分が収容されている下側ボール11の上側部分に押し付けられる。そのため、第1磁気吸引手段MA1は、中間部材3と下側ボール11の上側部分とが接触し且つ下側ボール11の下側部分と支持部材18とが接触した状態を安定的に維持できる。
【0067】
また、第2磁気吸引手段MA2は、光学素子保持部材2と支持部材18とを互いに引き付けることができる。具体的には、光学素子保持部材2の下面に形成された凹部2Sは、中間部材3の上面に形成された凹部3Tにその下側部分が収容されている上側ボール12の上側部分に押し付けられる。そのため、第2磁気吸引手段MA2は、光学素子保持部材2と上側ボール12の上側部分とが接触し且つ上側ボール12の下側部分と中間部材3とが接触した状態を安定的に維持できる。
【0068】
図示例では、上側ボール12を構成している第1上側ボール12A~第4上側ボール12Dのそれぞれは、Y軸方向に転動可能な状態で光学素子保持部材2と中間部材3との間に挟持されている。そのため、光学素子保持部材2は、X軸回りに回転(傾斜)することなく、且つ、Y軸回りに回転(傾斜)することなく、Y軸に沿って平行移動できる。
【0069】
また、下側ボール11を構成している第1下側ボール11A~第4下側ボール11Dのそれぞれは、X軸方向に転動可能な状態で中間部材3と支持部材18との間に挟持されている。そのため、中間部材3は、X軸回りに回転(傾斜)することなく、且つ、Y軸回りに回転(傾斜)することなく、X軸に沿って平行移動できる。
【0070】
ここで、
図9を参照し、ボール収容構造について説明する。
図9は、ボール収容構造の断面図である。具体的には、
図9の左上図は、
図5の下図における破線L1を含むYZ平面に平行な仮想平面における中間部材3、第1下側ボール11A、及び支持部材18の断面を示す。
図9の右上図は、
図5の下図における破線L2を含むYZ平面に平行な仮想平面における中間部材3、第2下側ボール11B、及び支持部材18の断面を示す。
図9の左下図は、
図4の下図における破線L3を含むXZ平面に平行な仮想平面における光学素子保持部材2、中間部材3、及び第2上側ボール12Bの断面を示す。
図9の右下図は、
図4の下図における破線L4を含むXZ平面に平行な仮想平面における光学素子保持部材2、中間部材3、及び第3上側ボール12Cの断面を示す。
【0071】
ボール収容構造は、ボールを収容する構造である。具体的には、ボール収容構造は、ボールの移動方向を規制しない二対の幅広溝とボールの移動方向を規制する二対の幅狭溝とで構成されている。
【0072】
図示例では、ボール収容構造は、下側ボール11を収容する下側ボール収容構造と、上側ボール12を収容する上側ボール収容構造とを含む。具体的には、下側ボール収容構造は、下側ボール11の移動方向を規制しない二対の幅広溝と下側ボール11の移動方向を規制する二対の幅狭溝とで構成されている。また、上側ボール収容構造は、上側ボール12の移動方向を規制しない二対の幅広溝と上側ボール12の移動方向を規制する二対の幅狭溝とで構成されている。
【0073】
また、ボールの移動方向を規制する二対の幅狭溝は、ボール案内構造を構成している。ボール案内構造は、ボールの移動方向を案内する構造である。図示例では、ボール案内構造は、X軸方向に沿った下側ボール11の移動を案内する下側ボール案内構造と、Y軸方向に沿った上側ボール12の移動を案内する上側ボール案内構造とを含む。
【0074】
具体的には、下側ボール案内構造は、下側ボール11の移動方向を規制する二対の幅狭溝によって構成され、上側ボール案内構造は、上側ボール12の移動方向を規制する二対の幅狭溝によって構成されている。
【0075】
下側ボール収容構造における二対の幅広溝のうちの一対は、
図9の左上図に示すように、支持部材18の上面に形成された下側上向きの第1凹部18S1と、中間部材3の下面に形成された下側下向きの第1凹部3S1との組み合わせである。また、下側ボール収容構造における二対の幅広溝のうちの他の一対(不図示)は、支持部材18の上面に形成された下側上向きの第4凹部18S4と、中間部材3の下面に形成された下側下向きの第4凹部3S4との組み合わせである。
【0076】
また、下側ボール収容構造における二対の幅広溝のうちの一対では、
図9の左上図に示すように、第1下側ボール11Aは、一つの接点CP1で第1凹部3S1と接触し、且つ、一つの接点CP2で第1凹部18S1と接触しながら、第1凹部18S1と第1凹部3S1との間で挟持されている。また、下側ボール収容構造における二対の幅広溝のうちの他の一対(不図示)では、第4下側ボール11Dは、一つの接点で第4凹部3S4と接触し、且つ、一つの接点で第4凹部18S4と接触しながら、第4凹部18S4と第4凹部3S4との間で挟持されている。
【0077】
すなわち、下側ボール収容構造における二対の幅広溝のうちの一対では、
図9の左上図に示すように、Y軸方向における第1凹部3S1の開口の幅、及び、Y軸方向における第1凹部18S1の開口の幅は何れも、第1下側ボール11Aの径D3よりも大きくなるように形成されている。その上で、Y軸方向における第1凹部3S1の底面の幅D1、及び、Y軸方向における第1凹部18S1の底面の幅D2は何れも、第1下側ボール11Aの径D3よりも大きくなるように形成されている。下側ボール収容構造における二対の幅広溝のうちの他の一対(不図示)についても同様である。
【0078】
下側ボール収容構造における二対の幅狭溝のうちの一対は、
図9の右上図に示すように、支持部材18の上面に形成された下側上向きの第2凹部18S2と、中間部材3の下面に形成された下側下向きの第2凹部3S2との組み合わせである。また、下側ボール収容構造における二対の幅狭溝のうちの他の一対(不図示)は、支持部材18の上面に形成された下側上向きの第3凹部18S3と、中間部材3の下面に形成された下側下向きの第3凹部3S3との組み合わせである。
【0079】
また、下側ボール収容構造における二対の幅狭溝のうちの一対では、
図9の右上図に示すように、第2下側ボール11Bは、二つの接点CP11及び接点CP12で第2凹部3S2と接触し、且つ、二つの接点CP13及び接点CP14で第2凹部18S2と接触するように第2凹部18S2と第2凹部3S2との間で挟持されている。また、下側ボール収容構造における二対の幅狭溝のうちの他の一対(不図示)では、第3下側ボール11Cは、二つの接点で第3凹部3S3と接触し、且つ、二つの接点で第3凹部18S3と接触するように第3凹部18S3と第3凹部3S3との間で挟持されている。
【0080】
すなわち、下側ボール収容構造における二対の幅狭溝のうちの一対では、
図9の右上図に示すように、Y軸方向における第2凹部3S2の開口(開放端)の幅、及び、Y軸方向における第2凹部18S2の開口(開放端)の幅は何れも、第2下側ボール11Bの径D13よりも大きくなるように形成されている。その上で、Y軸方向における第2凹部3S2の底面の幅D11、及び、Y軸方向における第2凹部18S2の底面の幅D12は何れも、第2下側ボール11Bの径D13よりも小さくなるように形成されている。換言すれば、第2凹部3S2及び第2凹部18S2は何れも、開放端(開口)に向かうにしたがい、Y軸方向において対向する二つの側面間の距離が大きくなるように構成されている。下側ボール収容構造における二対の幅狭溝のうちの他の一対(不図示)においても同様である。
【0081】
この下側ボール収容構造における二対の幅狭溝、すなわち、下側ボール案内構造により、下側ボール11は、Y軸方向に沿って移動しないように規制されながら、X軸方向に沿って移動するように案内される。
【0082】
上側ボール収容構造における二対の幅広溝のうちの一対は、
図9の左下図に示すように、中間部材3の上面に形成された上側上向きの第2凹部3T2と、光学素子保持部材2の下面に形成された上側下向きの第2凹部2S2との組み合わせである。また、上側ボール収容構造における二対の幅広溝のうちの他の一対(不図示)は、中間部材3の上面に形成された上側上向きの第1凹部3T1と、光学素子保持部材2の下面に形成された上側下向きの第1凹部2S1との組み合わせである。
【0083】
また、上側ボール収容構造における二対の幅広溝のうちの一対では、
図9の左下図に示すように、第2上側ボール12Bは、一つの接点CP21で第2凹部2S2と接触し、且つ、一つの接点CP22で第2凹部3T2と接触しながら、第2凹部2S2と第2凹部3T2との間で挟持されている。また、上側ボール収容構造における二対の幅広溝のうちの他の一対(不図示)では、第1上側ボール12Aは、一つの接点で第1凹部2S1と接触し、且つ、一つの接点で第1凹部3T1と接触しながら、第1凹部2S1と第1凹部3T1との間で挟持されている。
【0084】
すなわち、上側ボール収容構造における二対の幅広溝のうちの一対では、
図9の左下図に示すように、X軸方向における第2凹部2S2の開口の幅、及び、X軸方向における第2凹部3T2の開口の幅は何れも、第2上側ボール12Bの径D23よりも大きくなるように形成されている。その上で、X軸方向における第2凹部2S2の底面の幅D21、及び、X軸方向における第2凹部3T2の底面の幅D22は何れも、第2上側ボール12Bの径D23よりも大きくなるように形成されている。上側ボール収容構造における二対の幅広溝のうちの他の一対(不図示)においても同様である。
【0085】
上側ボール収容構造における二対の幅狭溝のうちの一対は、
図9の右下図に示すように、中間部材3の上面に形成された上側上向きの第3凹部3T3と、光学素子保持部材2の下面に形成された上側下向きの第3凹部2S3との組み合わせである。また、上側ボール収容構造における二対の幅狭溝のうちの他の一対(不図示)は、中間部材3の上面に形成された上側上向きの第4凹部3T4と、光学素子保持部材2の下面に形成された上側下向きの第4凹部2S4との組み合わせである。
【0086】
また、上側ボール収容構造における二対の幅狭溝のうちの一対では、
図9の右下図に示すように、第3上側ボール12Cは、二つの接点CP31及び接点CP32で第3凹部2S3と接触し、且つ、二つの接点CP33及び接点CP34で第3凹部3T3と接触するように第3凹部3T3と第3凹部2S3との間で挟持されている。また、上側ボール収容構造における二対の幅狭溝のうちの他の一対(不図示)では、第4上側ボール12Dは、二つの接点で第4凹部2S4と接触し、且つ、二つの接点で第4凹部3T4と接触するように第4凹部2S4と第4凹部3T4との間で挟持されている。
【0087】
すなわち、上側ボール収容構造における二対の幅狭溝のうちの一対では、
図9の右下図に示すように、X軸方向における第3凹部2S3の開口(開放端)の幅、及び、X軸方向における第3凹部3T3の開口(開放端)の幅は何れも、第3上側ボール12Cの径D33よりも大きくなるように形成されている。その上で、X軸方向における第3凹部2S3の底面の幅D31、及び、X軸方向における第3凹部3T3の底面の幅D32は何れも、第3上側ボール12Cの径D33よりも小さくなるように形成されている。換言すれば、第3凹部2S3及び第3凹部3T3は何れも、開放端(開口)に向かうにしたがい、X軸方向において対向する二つの側面間の距離が大きくなるように構成されている。上側ボール収容構造における二対の幅狭溝のうちの他の一対(不図示)においても同様である。
【0088】
この上側ボール収容構造における二対の幅狭溝、すなわち、上側ボール案内構造により、上側ボール12は、X軸方向に沿って移動しないように規制されながら、Y軸方向に沿って移動するように案内される。
【0089】
また、磁気吸引手段MAは、コイル9に電流が供給されていないときに可動側部材MBが所定位置で保持されるようにする機能を有する。磁石5と磁性部材13との間に作用する磁気的な吸引力によって磁石5が磁性部材13に引き付けられるためである。図示例では、第1磁気吸引手段MA1は、第1磁石5Aと第1磁性部材13Aとの間に作用する磁気的な吸引力を利用し、第1磁石5Aを含む中間部材3が所定位置で保持されるようにする。また、第2磁気吸引手段MA2は、第2磁石5Bと第2磁性部材13Bとの間に作用する磁気的な吸引力を利用し、第2磁石5Bを含む光学素子保持部材2が所定位置で保持されるようにする。
【0090】
上述のように、本発明の実施形態に係る光学素子駆動装置101は、例えば
図2及び
図3に示すように、支持部材18を含む固定側部材FBと、光学素子OEを配置可能な上下方向に貫通する貫通孔2Kを有する光学素子保持部材2と、上下方向(Z軸方向)において支持部材18と光学素子保持部材2との間に設けられ、支持部材18に対して上下方向(Z軸方向)に垂直な第1方向(X軸方向)へ移動可能な中間部材3と、支持部材18と中間部材3との間に配置された少なくとも三つの下側ボール11と、中間部材3と光学素子保持部材2との間に配置された少なくとも三つの上側ボール12と、中間部材3を支持部材18に対して第1方向(X軸方向)へ移動させる第1駆動手段DM1と、光学素子保持部材2を中間部材3に対して上下方向(Z軸方向)に垂直で且つ第1方向(X軸方向)に垂直な第2方向(Y軸方向)へ移動させる第2駆動手段DM2と、を備えている。光学素子駆動装置101において、光学素子保持部材2は、支持部材18に対して上下方向(Z軸方向)に垂直な平面(XY平面)に沿って移動可能となるように構成されている。また、第1駆動手段DM1は、中間部材3に設けられた第1磁界発生部材としての第1磁石5Aと、上下方向(Z軸方向)において第1磁石5Aと対向するように支持部材18に設けられた第1コイル9Aとを有し、第2駆動手段DM2は、光学素子保持部材2に設けられた第2磁界発生部材としての第2磁石5Bと、上下方向(Z軸方向)において第2磁石5Bと対向するように支持部材18に設けられた第2コイル9Bとを有するように構成されている。そして、第1磁石5Aは、上下方向において異なる磁極となるように着磁されている。なお、支持部材は、カバー部材4であってもよい。この場合、上側ボールは下側ボールで読み替えられ、下側ボールは上側ボールで読み替えられる。
【0091】
この構成では、磁界発生部材(磁石5)とコイル9とが上下方向において対向している。そのため、この構成は、平面視における光学素子駆動装置101の大きさを抑制できるという効果をもたらす。また、この構成では、中間部材3が第1方向(X軸方向)に移動する際、光学素子保持部材2も一緒に移動するため、第1駆動手段DM1によって移動させられる可動側部材MB(光学素子保持部材2、中間部材3、第1磁石5A、第2磁石5B、及び上側ボール12)の重量は、第2駆動手段DM2によって移動させられる部材(光学素子保持部材2及び第2磁石5B)の重量よりも大きくなる。しかしながら、この構成は、第1磁界発生部材(第1磁石5A)が上下方向(Z軸方向)において異なる磁極となるように着磁されているため、第1磁界発生部材(第1磁石5A)が上下方向に垂直な方向(X軸方向)において異なる磁極となるように着磁されている場合に比べ、第1駆動手段DM1の推力を高めることができるという効果をもたらす。第1コイル9Aを構成する線材を通過する磁界の強さが比較的大きくなるためである。そのため、光学素子駆動装置101は、可動側部材MBを滑らかに移動させるための推力を確保できる。
【0092】
また、この構成では、第1磁石5Aは、中間部材3に設けられている。そのため、光学素子保持部材2が第2方向(Y軸方向)に移動しても、第1磁石5Aと第1コイル9Aとの間の相対的な位置関係は変化しない。したがって、この構成は、第1駆動手段DM1の駆動効率が低下するのを抑制できる。なお、この構成では、中間部材3が第1方向(X軸方向)に移動した場合、第2磁石5Bと第2コイル9Bとの間の相対的な位置関係は変化する。しかしながら、その変化が第2駆動手段DM2に及ぼす影響は、仮に光学素子保持部材2が第2方向(Y軸方向)に移動することによって第1磁石5Aと第1コイル9Aとの間の相対的な位置関係が変化した場合にその変化が第1駆動手段DM1に及ぼす影響に比べて小さい。第1駆動手段DM1は、中間部材3と光学素子保持部材2の両方を移動させるものであるのに対し、第2駆動手段DM2は、光学素子保持部材2のみを移動させるものであるためである。
【0093】
また、第1コイル9Aは、
図3に示すように、上下方向(Z軸方向)に延びるコイル軸9AXを有するように構成されるとともに、
図7の下図に示すように、コイル軸9AXを挟んで互いに対向して設けられた第2方向(Y軸方向)に沿うように延在する第1一方側延在部(第1外側延在部9AE)及び第1他方側延在部(第1内側延在部9AP)を有していてもよい。また、第1磁石5Aは、
図3に示すように、第1一方側延在部(第1外側延在部9AE)に対向する第1一方側磁石(第1外側磁石5A1)と第1他方側延在部(第1内側延在部9AP)に対向する第1他方側磁石(第1内側磁石5A2)とを含んでいてもよい。そして、第1外側磁石5A1と第1内側磁石5A2とは、上下方向においてN極とS極の配置が互いに反対になるように構成されていてもよい。なお、
図3に示す例では、第1外側磁石5A1は、上側部分がN極に着磁され、下側部分がS極に着磁されている。また、第1内側磁石5A2は、上側部分がS極に着磁され、下側部分がN極に着磁されている。
【0094】
この構成は、第1コイル9Aのサイズが大きい場合であっても、上下方向(Z軸方向)において第1磁石5Aと第1コイル9Aとを適切に対向させることができるという効果をもたらす。また、この構成は、第1駆動手段DM1の推力を大きくできるという効果をもたらす。
【0095】
また、第1外側磁石5A1と第1内側磁石5A2とは、
図3に示すように、第1方向(X軸方向)に離間して配置されていてもよい。
【0096】
この構成は、第1磁石5Aとして四極着磁された一つの磁石を用いる場合に比べ、第1磁石5Aの重量を小さくできるという効果をもたらす。第1磁石5Aの全体としてのサイズを小さくできるためである。
【0097】
また、第2磁界発生部材としての第2磁石5Bは、
図3に示すように、貫通孔2Kを挟んで互いに対向して設けられた第2一方側磁石(第2左側磁石5B1)及び第2他方側磁石(第2右側磁石5B2)を含んで構成されていてもよい。この場合、第2コイル9Bは、
図3に示すように、第2一方側磁石(第2左側磁石5B1)に対向する第2一方側コイル(第2左側コイル9B1)と、第2他方側磁石(第2右側磁石5B2)に対向する第2他方側コイル(第2右側コイル9B2)とを含んでいてもよい。
【0098】
この構成は、第2磁石5Bが第2左側磁石5B1及び第2右側磁石5B2の何れか一方で構成される場合に比べ、第2駆動手段DM2の推力を大きくできるという効果をもたらす。また、この構成は、可動側部材MBの重量バランスを向上させることができるという効果をもたらす。
【0099】
また、第1コイル9Aは、第2コイル9Bよりも大きくてもよい。図示例では、第1コイル9Aの巻き数は、第2左側コイル9B1及び第2右側コイル9B2の何れの巻き数よりも多い。また、第1コイル9AのZ軸方向における寸法(高さ)は、第2左側コイル9B1及び第2右側コイル9B2の何れのZ軸方向における寸法(高さ)よりも大きい。また、第1コイル9Aの延在部の長さは、第2左側コイル9B1及び第2右側コイル9B2の何れの延在部の長さよりも大きい。
【0100】
この構成は、可動側部材MBを滑らかに動かすために必要な第1駆動手段DM1の推力を確保できるという効果をもたらす。第1コイル9Aのサイズが大きいほど第1駆動手段DM1の推力は大きくなるためである。
【0101】
また、第2コイル9B(第2左側コイル9B1)は、
図3に示すように、上下方向(Z軸方向)に延びるコイル軸9B1Xを有するように構成されるとともに、
図7の下図に示すように、コイル軸9B1Xを挟んで互いに対向して設けられた第1方向(X軸方向)に沿うように延在する第2一方側延在部(第2左外側延在部9B1E)及び第2他方側延在部(第2左内側延在部9B1P)を有していてもよい。そして、第2一方側磁石(第2左側磁石5B1)及び第2他方側磁石(第2右側磁石5B2)のそれぞれは、
図3に示すように、第2方向(Y軸方向)において異なる磁極となるように着磁されていてもよい。なお、
図3に示す例では、第2左側磁石5B1と第2右側磁石5B2とは、同じ大きさの磁石であり、それぞれ、左側部分がN極に着磁され、右側部分がS極に着磁されている。
【0102】
この構成は、第1磁石5Aのように一つのコイルに二つの磁石が対応するように構成される場合に比べ、部品点数を減らすことができるという効果をもたらす。
【0103】
また、支持部材18には複数の磁性部材13が設けられていてもよい。具体的には、複数の磁性部材13は、
図6に示すように、第1磁性部材13A、第2一方側磁性部材(第2左側磁性部材13B1)、及び第2他方側磁性部材(第2右側磁性部材13B2)を含んでいてもよい。この場合、第1磁性部材13Aは、第1コイル9Aを挟んで第1磁石5Aとは反対側に配置され、且つ、第1磁性部材13Aと第1磁石5Aとの間で吸引力が作用するように配置されていてもよい。また、第2左側磁性部材13B1は、第2左側コイル9B1を挟んで第2左側磁石5B1とは反対側に配置され、且つ、第2左側磁性部材13B1と第2左側磁石5B1との間で吸引力が作用するように配置されていてもよい。また、第2右側磁性部材13B2は、第2右側コイル9B2を挟んで、第2右側磁石5B2とは反対側に配置され、且つ、第2右側磁性部材13B2と第2右側磁石5B2との間で吸引力が作用するように配置されていてもよい。なお、複数の磁性部材13のうちの少なくとも二つは、一つの磁性部材で構成されていてもよい。例えば、第1外側磁性部材13A1及び第1内側磁性部材13A2は、一つの磁性部材として統合されていてもよい。
【0104】
この構成は、光学素子保持部材2と中間部材3との間で上側ボール12を適切に挟持できるという効果をもたらす。また、この構成は、中間部材3と支持部材18の間で下側ボール11を適切に挟持できるという効果をもたらす。また、この構成は、磁性部材13を磁石5のバックヨークとして利用することができるという効果をもたらす。
【0105】
また、中間部材3は、少なくとも支持部材18側(Z2側)を開放させた第1収容部3Rを有していてもよい。この場合、第1磁界発生部材(第1磁石5A)は、第1収容部3R内に配置されて中間部材3に固定されていてもよい。また、光学素子保持部材2は、少なくとも支持部材18側(Z2側)を開放させた第2収容部2Rを有していてもよい。この場合、第2磁界発生部材(第2磁石5B)は、第2収容部2R内に配置されて光学素子保持部材2に固定されていてもよい。そして、第1磁石5Aと第2磁石5Bとは、少なくとも一部が上下方向(Z軸方向)において同じ位置にあるように配置されていてもよい。図示例では、第1磁石5Aと第2磁石5Bとは、
図8の正面図に示すように、Z軸方向において、距離DXだけ重なるように配置されている。
【0106】
この構成は、第1磁界発生部材(第1磁石5A)及び第2磁界発生部材(第2磁石5B)の保持が確実になるという効果をもたらす。また、この構成は、上下方向(Z軸方向)における第1コイル9Aの配置位置と第2コイル9Bの配置位置とを近付けることができ、或いは、同じにすることができ、ひいては光学素子駆動装置101の高さ寸法を小さくできるという効果をもたらす。
【0107】
また、固定側部材FBは、第1コイル9A及び第2コイル9Bのそれぞれと接触する放熱部材19を有していてもよい。
【0108】
この構成は、コイル9への通電によって生成される熱を効率的に放熱させることができるという効果をもたらす。
【0109】
また、放熱部材19は、
図7の下図に示すように、支持部材18と一体的に設けられ、第1コイル9A及び第2コイル9Bの少なくとも一方の少なくとも側面部に接触するように構成されていてもよい。図示例では、放熱部材19は、
図7に示すように、第1コイル9A、第2左側コイル9B1、及び第2右側コイル9B2のそれぞれの側面部に接触するように構成されている。但し、放熱部材19は、第1コイル9Aの一部のみに接触するように構成されていてもよい。
【0110】
この構成は、簡単な構造によってコイル9における熱を効率的に放熱させることができるという効果をもたらす。
【0111】
また、支持部材18及び放熱部材19は、ベース部材BMを構成していてもよい。また、固定側部材FBは、ベース部材BMに固定される金属製のカバー部材4を有していてもよい。この場合、放熱部材19は、カバー部材4と接続されていてもよい。
【0112】
この構成は、カバー部材4にも放熱部材としての機能を持たせることができるという効果をもたらす。そのため、この構成は、コイル9における熱をより効率的に放熱させることができるという効果をもたらす。
【0113】
また、放熱部材19は、
図6に示すように、基部19Bと基部19Bの外縁部から上方(Z1方向)へ突出する立設部19Eとを有していてもよい。この場合、立設部19Eは、第1面としての内側面が第1コイル9Aと接し、第2面としての外側面がカバー部材4と接するように構成されていてもよい。
【0114】
この構成は、放熱効率を更に高めることができるという効果をもたらす。コイル9と放熱部材19との間の接触面積を大きくできるためであり、且つ、カバー部材4と放熱部材19との間の接触面積を大きくできるためである。
【0115】
また、放熱部材19とカバー部材4とは、熱伝導率が略同じ金属で形成されていてもよい。また、放熱部材19とカバー部材4とは溶接又は接着剤によって接合されていてもよい。図示例では、アルミニウムで形成された放熱部材19とアルミニウムで形成されたカバー部材4とは、接着剤によって接合される。なお、放熱部材19及びカバー部材4は何れも銅によって形成されていてもよい。また、放熱部材19は、アルミニウム又は銅で形成され、カバー部材4はオーステナイト系ステンレス鋼で形成されていてもよい。
【0116】
また、第1コイル9Aを構成する線材の線径は、第2コイル9Bを構成する線材の線径よりも大きくてもよい。
【0117】
この構成は、第1コイル9Aを構成する線材の線径が第2コイル9Bを構成する線材の線径以下の場合に比べ、第1駆動手段DM1の推力を高めることができる。第1コイル9Aを構成する線材の抵抗が小さくなるためである。そのため、光学素子駆動装置101は、可動側部材MBを滑らかに移動させるための推力を確保できる。
【0118】
また、中間部材3は、
図5の上図に示すように、支持部材18の側(下側)を開放させた第1収容部3Rを有していてもよい。この場合、第1磁石5Aは、
図5の下図に示すように、第1収容部3R内に配置されて中間部材3に固定される。また、光学素子保持部材2は、
図4の上図に示すように、支持部材18の側(下側)を開放させた第2収容部2Rを有していてもよい。この場合、第2磁石5Bは、
図4の下図に示すように、第2収容部2R内に配置されて光学素子保持部材2に固定される。なお、下方側に開口している第2収容部2R及び第1収容部3Rのそれぞれは、下方側に加えて側方側(径方向外側)に開口していてもよい。
【0119】
この構成は、第1磁石5A及び第2磁石5Bのそれぞれの保持が確実なものになるという効果をもたらす。
【0120】
また、第1磁石5A及び第2磁石5Bは、上下方向(Z軸方向)において、少なくとも部分的に同じ位置となるように配置されていてもよい。すなわち、第1磁石5A及び第2磁石5Bは、
図8の正面図及び左側面図に示すように、上下方向(Z軸方向)において、距離DXだけ重なるように配置されていてもよい。この場合、第1コイル9A及び第2コイル9Bも、上下方向(Z軸方向)において、少なくとも部分的に同じ位置となるように配置され得る。すなわち、第1コイル9A及び第2コイル9Bも、
図8の正面図及び左側面図に示すように、上下方向(Z軸方向)において、所定距離だけ重なるように配置されていてもよい。
【0121】
この構成は、上下方向における光学素子駆動装置101の寸法を小さくできるという効果をもたらす。
【0122】
また、光学素子駆動装置101は、
図3に示すように、上下方向(Z軸方向)において光学素子保持部材2と支持部材18とを互いに引き付ける力を発生させる磁気吸引手段MAを備えていてもよい。この場合、磁気吸引手段MAは、可動側部材MBに設けられた磁石5と支持部材18に設けられた磁性部材13とを有していてもよい。そして、磁性部材13は、磁石5と磁性部材13との間で吸引力が作用するように支持部材18に設けられていてもよい。
【0123】
この構成は、板ばね又はコイルばね等の付勢部材を用いることなく、磁力によって下側ボール11を中間部材3と支持部材18とで挟持でき、且つ、磁力によって上側ボール12を光学素子保持部材2と中間部材3とで挟持できるという効果をもたらす。
【0124】
また、図示例では、光学素子駆動装置101は、四つの下側ボール11を有するように構成されているが、三つの下側ボール11又は五つ以上の下側ボール11を有するように構成されていてもよい。また、図示例では、光学素子駆動装置101は、四つの上側ボール12を有するように構成されているが、三つの上側ボール12又は五つ以上の上側ボール12を有するように構成されていてもよい。
【0125】
三つ以上の下側ボール11を有する構成は、X軸回りに回転(傾斜)させることなく、且つ、Y軸回りに回転(傾斜)させることなく、X軸に沿って可動側部材MB(光学素子保持部材2及び中間部材3)を平行移動させることができるという効果をもたらす。また、三つ以上の上側ボール12を有する構成は、X軸回りに回転(傾斜)させることなく、且つ、Y軸回りに回転(傾斜)させることなく、Y軸に沿って光学素子保持部材2を平行移動させることができるという効果をもたらす。
【0126】
また、光学素子駆動装置101は、
図8に示すように、上下方向(Z軸方向)から見た平面視において、四つの下側ボール11と四つの上側ボール12のそれぞれが互いに異なる位置に配置されるように構成されていてもよい。
【0127】
この構成は、上下方向(Z軸方向)において下側ボール11と上側ボール12とが重ならないため、上下方向(Z軸方向)における光学素子駆動装置101の寸法を小さくできるという効果をもたらす。
【0128】
また、光学素子保持部材2は、
図4に示すように、第1辺部2E1、第2辺部2E2、第3辺部2E3、及び第4辺部2E4を有する枠形状に形成されていてもよい。この場合、第2辺部2E2は、貫通孔2Kを挟んで第4辺部2E4と対向するように配置され、第2辺部2E2及び第4辺部2E4のそれぞれには第1方向(X軸方向)に延在する第2磁石5Bが配置されていてもよい。また、
図3及び
図6に示すように、上下方向(Z軸方向)において第1検出用磁石(第1磁石5A)に対向して第1磁気センサ10Aが支持部材18(第2基板17)に設けられ、上下方向(Z軸方向)において第2検出用磁石(第2磁石5B)に対向して第2磁気センサ10Bが支持部材18(第2基板17)に設けられていてもよい。
【0129】
この構成は、第1磁石5A及び第2磁石5Bをバランス良く配置できるという効果をもたらす。
【0130】
また、光学素子駆動装置101は、
図8に示すように、下側ボール11を挟んで中間部材3と支持部材18とを互いに引き付ける力を発生させる第1磁気吸引手段MA1を備えていてもよい。この場合、第1磁気吸引手段MA1は、中間部材3に設けられた第1磁石5Aを含んでいてもよい。この構成は、板ばね又はコイルばね等の付勢部材を用いることなく、磁力によって下側ボール11を中間部材3と支持部材18とで挟持できるという効果をもたらす。
【0131】
また、光学素子駆動装置101は、
図8に示すように、上側ボール12を挟んで光学素子保持部材2と中間部材3とを互いに引き付ける力を発生させる第2磁気吸引手段MA2を備えていてもよい。この場合、第2磁気吸引手段MA2は、光学素子保持部材2に設けられた第2磁石5Bを含んでいてもよい。この構成は、板ばね又はコイルばね等の付勢部材を用いることなく、磁力によって上側ボール12を光学素子保持部材2と中間部材3とで挟持できるという効果をもたらす。
【0132】
また、光学素子駆動装置101において、光学素子保持部材2は、
図4に示すように、貫通孔2Kを挟んで互いに対向する第1辺部2E1及び第3辺部2E3と、第1辺部2E1と第3辺部2E3とが対向する方向(X軸方向)と交差する方向(Y軸方向)において貫通孔2Kを挟んで互いに対向する第2辺部2E2及び第4辺部2E4とを有する枠形状に形成されていてもよい。この場合、第3辺部2E3が延在する方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)における第3辺部2E3の幅寸法W3は、第1辺部2E1の幅寸法W1、第2辺部2E2の幅寸法W2、及び第4辺部2E4の幅寸法W4の何れよりも小さくてもよい。また、中間部材3は、
図5に示すように、上下方向(Z軸方向)において光学素子保持部材2の第1辺部2E1、第2辺部2E2、及び第4辺部2E4にそれぞれ対向する第1辺部3E1、第2辺部3E2、及び第4辺部3E4を有していてもよい。例えば、中間部材3が移動する第1方向をX軸方向と定め、且つ、光学素子保持部材2が移動する第2方向をY軸方向と定めた場合には、第1磁石5Aを中間部材3の第1辺部3E1に配置し、第2磁石5B(第2右側磁石5B2)を光学素子保持部材2の第4辺部2E4に配置してもよい。そして、光学素子駆動装置101は、第1磁石5A及び第2磁石5B(第2右側磁石5B2)のそれぞれと支持部材18に設けられた磁性部材13との間で磁気的な吸引力が発生するように構成されていてもよい。また、光学素子駆動装置101では、第2磁石5B(第2左側磁石5B1)は、
図4に示すように、光学素子保持部材2の第2辺部2E2に設けられていてもよい。また、光学素子駆動装置101において、第2磁石5Bは、光学素子保持部材2の第2辺部2E2及び第4辺部2E4のそれぞれに設けられていてもよい。例えば、中間部材3が移動する第1方向をX軸方向と定めて第1磁石5Aを中間部材3の第1辺部3E1に配置し、光学素子保持部材2が移動する第2方向をY軸方向と定めて第2磁石5Bを光学素子保持部材2の第2辺部2E2及び第4辺部2E4のそれぞれに配置してもよい。
【0133】
この構成は、光学素子保持部材2の第3辺部2E3の幅寸法が小さいため、光学素子駆動装置101によって駆動される光学素子OEと、光学素子駆動装置101のX2側(後側)に隣接して配置される別の装置との間の距離を小さくできるという効果をもたらす。
【0134】
また、光学素子駆動装置101では、光学素子保持部材2の第3辺部2E3には、少なくともX軸方向における貫通孔2Kの形成領域に対応する部分において、上側ボール12を含めて何も配置されていない。
【0135】
この構成は、光学素子保持部材2の第3辺部2E3の幅寸法W3を更に小さくすることができるため、光学素子駆動装置101によって駆動される光学素子OEと、光学素子駆動装置101のX2側(後側)に隣接して配置される別の装置との間の距離を一層小さくできるという効果をもたらす。
【0136】
また、光学素子駆動装置101では、
図5に示すように、中間部材3の第1辺部3E1には、第1磁石5Aが固定されていてもよい。この場合、第1磁気吸引手段MA1は、
図8に示すように、第1磁石5Aと第1磁性部材13Aとを含んで構成されていてもよい。そして、第1磁性部材13Aは、上下方向(Z軸方向)において第1磁石5Aと第1磁性部材13Aとの間に吸引力が作用するように支持部材18に固定されていてもよい。また、光学素子駆動装置101では、
図4に示すように、光学素子保持部材2の第2辺部2E2には、第2左側磁石5B1が固定され、光学素子保持部材2の第4辺部2E4には、第2右側磁石5B2が固定されていてもよい。この場合、第1磁気吸引手段MA1は、
図8に示すように、第1磁石5Aと第1磁性部材13Aとを含んで構成されていてもよい。また、第2磁気吸引手段MA2は、
図8に示すように、第2磁石5B(第2左側磁石5B1及び第2右側磁石5B2)と第2磁性部材13B(第2左側磁性部材13B1及び第2右側磁性部材13B2)とを含んで構成されていてもよい。
【0137】
この構成は、二箇所で発生する磁力によって上側ボール12を光学素子保持部材2と中間部材3とでより安定的に挟持でき、且つ、三箇所で発生する磁力によって下側ボール11を中間部材3と支持部材18とでより安定的に挟持できるという効果をもたらす。
【0138】
また、光学素子駆動装置101は、
図3に示すように、四つの下側ボール11と四つの上側ボール12とを備えていてもよい。この場合、支持部材18は、下側ボール11が配置される上方が開放された四つの下側上向き凹部としての凹部18Sを有していてもよい。また、中間部材3は、下側ボール11が配置される下方が開放された四つの下側下向き凹部としての凹部3S(
図5の上図参照)と、上側ボール12が配置される上方が開放された四つの上側上向き凹部としての凹部3Tとを有していてもよい。また、光学素子保持部材2は、上側ボール12が配置される下方が開放された四つの上側下向き凹部としての凹部2S(
図4の上図参照)を有していてもよい。
【0139】
四つの凹部18Sのそれぞれ(例えば第1凹部18S1)と四つの凹部3Sのうちの対応する一つ(第1凹部3S1)とは、四つの下側ボール11のうちの対応する一つ(第1下側ボール11A)を挟んで対向するように配置されていてもよい。
【0140】
また、四つの凹部18Sのうちの一つ(第2凹部18S2)と四つの凹部3Sのうちの一つ(第2凹部3S2)と四つの凹部18Sのうちの別の一つ(第3凹部18S3)と四つの凹部3Sのうちの別の一つ(第3凹部3S3)とは、支持部材18に対して中間部材3が第1方向(X軸方向)へ移動可能となるように、下側ボール11を案内する下側ボール案内構造を構成していてもよい。
【0141】
第1凹部3S1及び第1凹部18S1のそれぞれは、
図9の左上図に示すように、Y軸方向における幅D1及び幅D2が下側ボール11(第1下側ボール11A)の径D3よりも大きくなるように構成されていてもよい。第4凹部3S4及び第4凹部18S4についても同様である。
【0142】
この構成は、支持部材18に対して中間部材3を第1方向(X軸方向)に直線的に移動させることができるという効果をもたらす。
【0143】
また、四つの凹部3Tのそれぞれ(例えば第1凹部3T1)と四つの凹部2Sのうちの対応する一つ(第1凹部2S1)とは、四つの上側ボール12のうちの対応する一つ(第1上側ボール12A)を挟んで対向するように配置されていてもよい。
【0144】
また、四つの凹部3Tのうちの一つ(第3凹部3T3)と四つの凹部2Sのうちの一つ(第3凹部2S3)と四つの凹部3Tのうちの別の一つ(第4凹部3T4)と四つの凹部2Sのうちの別の一つ(第4凹部2S4)とは、中間部材3に対して光学素子保持部材2が第2方向(Y軸方向)へ移動可能となるように、上側ボール12を案内する上側ボール案内構造を構成していてもよい。
【0145】
また、第2凹部3T2及び第2凹部2S2のそれぞれは、
図9の左下図に示すように、X軸方向における幅D21及び幅D22が上側ボール12(第2上側ボール12B)の径D23よりも大きくなるように構成されていてもよい。第1凹部3T1及び第1凹部2S1についても同様である。
【0146】
この構成は、中間部材3に対して光学素子保持部材2を第2方向(Y軸方向)に直線的に移動させることができるという効果をもたらす。
【0147】
また、光学素子駆動装置101では、固定側部材FBは、
図1に示すように、支持部材18とともに筐体HSを構成する金属製のカバー部材4を有していてもよい。この場合、光学素子保持部材2及び中間部材3は、筐体HS内に収容されていてもよい。光学素子保持部材2は、
図3に示すように、平面視において中間部材3よりも小さくなるように構成されているが、平面視において中間部材3よりも大きくなるように構成されていてもよい。
【0148】
また、光学素子駆動装置101は、可動側部材MBの移動範囲を制限するための構造である当接部STを備えていてもよい。図示例では、当接部STは、第1当接部ST1及び第2当接部ST2を含む。そして、第1当接部ST1は、
図5に示すように、中間部材3の前側(X1側)の側面に形成された第1右前側当接部ST11及び第1左前側当接部ST12と、中間部材3の後側(X2側)の側面に形成された第1左後側当接部ST13及び第1右後側当接部ST14とを含む。また、第2当接部ST2は、
図4に示すように、光学素子保持部材2の左側(Y1側)の側面に形成された第2左前側当接部ST21及び第2左後側当接部ST22と、光学素子保持部材2の右側(Y2側)の側面に形成された第2右後側当接部ST23及び第2右前側当接部ST24とを含む。
【0149】
第1右前側当接部ST11及び第1左前側当接部ST12は、可動側部材MB(中間部材3)が前方(X1方向)へ所定距離だけ移動した際にカバー部材4の第1側板部4A1の内側面と当接するように構成されている。第1左後側当接部ST13及び第1右後側当接部ST14は、可動側部材MB(中間部材3)が後方(X2方向)へ所定距離だけ移動した際にカバー部材4の第3側板部4A3の内側面と当接するように構成されている。第2左前側当接部ST21及び第2左後側当接部ST22は、可動側部材MB(光学素子保持部材2)が左方(Y1方向)へ所定距離だけ移動した際にカバー部材4の第2側板部4A2の内側面と当接するように構成されている。第2右後側当接部ST23及び第2右前側当接部ST24は、可動側部材MB(光学素子保持部材2)が右方(Y2方向)へ所定距離だけ移動した際にカバー部材4の第4側板部4A4の内側面と当接するように構成されている。
【0150】
この構成は、簡単な構成で可動側部材MBの移動範囲を規制できるという効果をもたらす。すなわち、この構成は、簡単な構成で可動側部材MBのストッパ機構を実現できるという効果をもたらす。
【0151】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形及び置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
【0152】
例えば、上述した実施形態では、第2駆動手段DM2は、Y軸方向において異なる磁極となるように着磁された一つの二極磁石(第2左側磁石5B1)と一つのコイル(第2左側コイル9B1)との組み合わせ、及び、Y軸方向において異なる磁極となるように着磁された一つの二極磁石(第2右側磁石5B2)と一つのコイル(第2右側コイル9B2)との組み合わせによって構成されている。しかしながら、第2左側磁石5B1と第2左側コイル9B1との組み合わせは、第1駆動手段DM1のように、Z軸方向において異なる磁極となるように着磁された一対の二極磁石と一つのコイルとの組み合わせであってもよい。第2右側磁石5B2と第2右側コイル9B2との組み合わせについても同様である。
【0153】
また、上述した実施形態では、コイル9は、接着剤によって支持部材18に固定されているが、接着剤によって放熱部材19に固定されていてもよい。或いは、コイル9は、第1基板7、第2基板17、又は、他の基板に実装され、その基板が接着剤によって支持部材18に固定されていてもよい。すなわち、コイル9は、間接的に支持部材18に固定されていてもよい。このような構成であっても、コイル9は、支持部材18と一体的に設けられるためである。また、コイル9を実装した基板も支持部材18とともに支持部材を構成することになる。また、上述した実施形態では、放熱部材19は、接着剤によって支持部材18に固定されている。しかしながら、放熱部材19は、インサート成形によって支持部材18と一体化されていてもよい。
【符号の説明】
【0154】
2・・・光学素子保持部材 2C・・・角部 2C1・・・第1角部 2C2・・・第2角部 2C3・・・第3角部 2C4・・・第4角部 2E・・・辺部 2E1・・・第1辺部 2E2・・・第2辺部 2E3・・・第3辺部 2E4・・・第4辺部 2K・・・貫通孔 2R・・・第2収容部 2R1・・・第2左側収容部 2R2・・・第2右側収容部 2S・・・凹部 2S1・・・第1凹部 2S2・・・第2凹部 2S3・・・第3凹部 2S4・・・第4凹部 3・・・中間部材 3C・・・角部 3C1・・・第1角部 3C2・・・第2角部 3C3・・・第3角部 3C4・・・第4角部 3E・・・辺部 3E1・・・第1辺部 3E2・・・第2辺部 3E3・・・第3辺部 3E4・・・第4辺部 3K・・・貫通孔 3R・・・第1収容部 3R1・・・第1外側収容部 3R2・・・第1内側収容部 3S・・・凹部 3S1・・・第1凹部 3S2・・・第2凹部 3S3・・・第3凹部 3S4・・・第4凹部 3T・・・凹部 3T1・・・第1凹部 3T2・・・第2凹部 3T3・・・第3凹部 3T4・・・第4凹部 4・・・カバー部材 4A・・・外周壁部 4A1・・・第1側板部 4A2・・・第2側板部 4A3・・・第3側板部 4A4・・・第4側板部 4B・・・天板部 4K・・・貫通孔 4S・・・収納部 5・・・磁石 5A・・・第1磁石 5A1・・・第1外側磁石 5A2・・・第1内側磁石 5B・・・第2磁石 5B1・・・第2左側磁石 5B2・・・第2右側磁石 7・・・第1基板 9・・・コイル 9A・・・第1コイル 9AE・・・第1外側延在部 9AP・・・第1内側延在部 9AX・・・コイル軸 9B・・・第2コイル 9B1・・・第2左側コイル 9B1E・・・第2左外側延在部 9B1P・・・第2左内側延在部 9B1X・・・コイル軸 9B2・・・第2右側コイル 9B2E・・・第2右外側延在部 9B2P・・・第2右内側延在部 9B2X・・・コイル軸 10・・・磁気センサ 10A・・・第1磁気センサ 10B・・・第2磁気センサ 11・・・下側ボール 11A・・・第1下側ボール 11B・・・第2下側ボール 11C・・・第3下側ボール 11D・・・第4下側ボール 12・・・上側ボール 12A・・・第1上側ボール 12B・・・第2上側ボール 12C・・・第3上側ボール 12D・・・第4上側ボール 13・・・磁性部材 13A・・・第1磁性部材 13A1・・・第1外側磁性部材 13A2・・・第1内側磁性部材 13B・・・第2磁性部材 13B1・・・第2左側磁性部材 13B11・・・第2左外側磁性部材 13B12・・・第2左内側磁性部材 13B2・・・第2右側磁性部材 13B21・・・第2右外側磁性部材 13B22・・・第2右内側磁性部材 17・・・第2基板 18・・・支持部材 18B・・・貫通部 18B1・・・第1貫通部 18B2・・・第2貫通部 18K・・・貫通孔 18P・・・凸部 18P1・・・第1凸部 18P2・・・第2凸部 18P21・・・第2左側凸部 18P22・・・第2右側凸部 18Q・・・凹部 18S・・・凹部 18S1・・・第1凹部 18S2・・・第2凹部 18S3・・・第3凹部 18S4・・・第4凹部 18U・・・凹部 18U1・・・第1凹部 18U2・・・第2凹部 18U21・・・第2左側凹部 18U22・・・第2右側凹部 19・・・放熱部材 19B・・・基部 19E・・・立設部 19E1・・・前側立設部 19E2・・・左側立設部 19E3・・・後側立設部 19E4・・・右側立設部 19K・・・貫通孔 101・・・光学素子駆動装置 BM・・・ベース部材 CP1、CP2、CP11~CP14、CP21、CP22、CP31~CP34・・・接点 DM・・・駆動手段 DM1・・・第1駆動手段 DM2・・・第2駆動手段 FB・・・固定側部材 HS・・・筐体 LB・・・下側部材 MA・・・磁気吸引手段 MA1・・・第1磁気吸引手段 MA2・・・第2磁気吸引手段 MB・・・可動側部材 OE・・・光学素子 PD・・・位置検出手段 PD1・・・第1位置検出手段 PD2・・・第2位置検出手段 ST・・・当接部 ST1・・・第1当接部 ST11・・・第1右前側当接部 ST12・・・第1左前側当接部 ST13・・・第1左後側当接部 ST14・・・第1右後側当接部 ST2・・・第2当接部 ST21・・・第2左前側当接部 ST22・・・第2左後側当接部 ST23・・・第2右後側当接部 ST24・・・第2右前側当接部