(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076248
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】音環境調整装置
(51)【国際特許分類】
E04B 1/99 20060101AFI20240529BHJP
E04B 2/72 20060101ALI20240529BHJP
E04B 2/74 20060101ALI20240529BHJP
G10K 11/16 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
E04B1/99 E
E04B2/72 A
E04B2/74 551Z
E04B2/74 561H
G10K11/16 120
E04B1/99 H
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187729
(22)【出願日】2022-11-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】303057365
【氏名又は名称】株式会社安藤・間
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】俣野 祐美
(72)【発明者】
【氏名】駒倉 昌和
(72)【発明者】
【氏名】森 則理
(72)【発明者】
【氏名】吉田 卓彌
(72)【発明者】
【氏名】上田 泰孝
(72)【発明者】
【氏名】星野 賢司
(72)【発明者】
【氏名】橋本 竜一
【テーマコード(参考)】
2E001
5D061
【Fターム(参考)】
2E001DF13
2E001DF14
2E001FA07
2E001GA12
2E001GA42
2E001GA46
2E001HA11
5D061AA03
5D061AA16
5D061AA22
5D061BB11
5D061BB21
5D061BB35
5D061DD06
(57)【要約】
【課題】調音パネルを軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置を提供する。
【解決手段】アルミニウム製又はアルミニウム合金製の外側四周枠30aと、外側四周枠30aの枠内に木質材料により設けられ、各々、互いに平行に延びるように複数の桟材11及び21が配列され、一方の表面側の層における複数の桟材11の延びる方向と、一方の表面側の層に隣り合う層における複数の桟材21の延びる方向とが互いに異なるように構成された複数層の平行桟層10a及び20aとを備えた調音パネル50aを有し、調音パネル50aは、ミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム製又はアルミニウム合金製の外側四周枠と、
上記外側四周枠の枠内に木質材料により設けられ、各々、互いに平行に延びるように複数の桟材が配列され、一方の表面側の層における上記複数の桟材の延びる方向と、該一方の表面側の層に隣り合う層における上記複数の桟材の延びる方向とが互いに異なるように構成された複数層の平行桟層とを備えた調音パネルを有し、
上記調音パネルは、ミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項2】
請求項1に記載された音環境調整装置において、
上記外側四周枠の内周部には、上記複数層の平行桟層に対応するように複数の嵌合溝が上記内周部の全周に亘って設けられ、
上記各平行桟層における上記複数の桟材の両端部は、上記複数の嵌合溝のうちの対応する嵌合溝の内部に嵌合固定されていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項3】
請求項1に記載された音環境調整装置において、
上記外側四周枠の内周部には、上記複数層の平行桟層の合計厚さに対応するように1つの共通嵌合溝が上記内周部の全周に亘って設けられ、
上記各平行桟層における上記複数の桟材の両端部は、全ての層の桟材が重なる箇所において上記共通嵌合溝の内部に該全ての層の桟材だけで嵌合固定され、全ての層の桟材が重ならない箇所において上記共通嵌合溝の内部に厚さ調整材を介して嵌合固定されていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項4】
請求項1に記載された音環境調整装置において、
上記外側四周枠の内周部には、上記複数層の平行桟層の合計厚さに対応するように1つの共通嵌合溝が上記内周部の全周に亘って設けられ、
上記各平行桟層は、該各平行桟層における上記複数の桟材の両端部が固定された内側四周枠を有し、
上記各平行桟層の上記内側四周枠は、上記共通嵌合溝の内部に嵌合固定されていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項5】
請求項1に記載された音環境調整装置において、
上記外側四周枠の内周部には、上記複数層の平行桟層の合計厚さに対応するように1つの共通嵌合溝が上記内周部の全周に亘って設けられ、
上記複数層の平行桟層の一部の層は、該一部の層の平行桟層における上記複数の桟材の両端部が固定された内側四周枠を有し、
上記複数層の平行桟層の一部の層における上記内側四周枠、及び上記複数の平行桟層の他部の層における上記複数の桟材の両端部は、上記共通嵌合溝の内部に嵌合固定されていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1つに記載された音環境調整装置において、
上記複数層の平行桟層の少なくとも1層における上記複数の桟材は、上記外側四周枠に対して斜めに交差するように設けられていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項7】
請求項1に記載された音環境調整装置において、
上記ミーティング室内の壁面は、ガラス製又はスチール製のパーティションを含み、
上記調音パネルを複数有し、
上記各調音パネルの下部には、戸車が設けられ、
上記パーティションが設置された床面には、上記複数の調音パネルに対応して上記パーティションの表面と平行に延びるように複数の下側摺動溝が形成された床レールが設けられ、
上記床レールの上方には、上記複数の調音パネルに対応して上記パーティションの表面と平行に延びるように複数の上側摺動溝が形成された鴨居レールが設けられ、
上記各調音パネルは、対応する上記下側摺動溝及び上記上側摺動溝の間で移動可能に設けられていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項8】
請求項7に記載された音環境調整装置において、
上記床面には、上記床レールと同じ厚さの床仕上げ材が貼り付けられ、
上記床レールは、上記床仕上げ材の対応する部分を除去して設けられていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項9】
請求項1に記載された音環境調整装置において、
上記ミーティング室内の壁面は、ガラス製又はスチール製のパーティションを含み、
上記調音パネルを複数有し、
上記各調音パネルの上部には、吊車が設けられ、
上記パーティションが設置された床面の上方には、上記複数の調音パネルに対応して上記パーティションの表面と平行に延びるように複数の摺動溝が形成された吊レールが設けられ、
上記各調音パネルは、対応する上記摺動溝に沿って移動可能に設けられていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項10】
請求項1に記載された音環境調整装置において、
上記ミーティング室内の壁面は、ガラス製又はスチール製のパーティションを含み、
上記調音パネルは、上記パーティションが設置された床面に自立して移動可能に設けられていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項11】
請求項7~10の何れか1つに記載された音環境調整装置において、
上記調音パネルの上記パーティション側には、開閉可能な遮光部材が設けられていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項12】
請求項1~5の何れか1つに記載された音環境調整装置において、
上記ミーティング室は、平面視で4つの壁面により囲まれた矩形状に形成され、
上記調音パネルは、上記4つの壁面のうちの隣り合う2つの壁面が交わる入隅部において、該2つの壁面に対して斜めに配置するように床面に自立して移動可能に設けられていることを特徴とする音環境調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音環境調整装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築空間において、その用途に応じた良好な音環境の形成は、教育、健康、芸術等の広い分野の質の向上に寄与すると考えられている。ここで、所望の音環境の形成には、音響吸音材や音響拡散材等を用いて、有害な反射音を制御し、室内音響を調整する必要がある。そして、効果的な室内音響の調整を行うには、広範な周波数帯域で吸音性能を有する音響吸音材、又は広範な周波数帯域で拡散性能を有する音響拡散材の使用が望まれている。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数の第1棒材が互いに平行に延びるよう設けられた第1格子枠と、第1格子枠に積層され、複数の第2棒材が互いに平行に延びるよう設けられた第2格子枠とを備え、各第1棒材と各第2棒材26とが所定角度で交差するように配置された調音パネルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載された調音パネルにおいて、例えば、第1格子枠及び第2格子枠が木質材料により構成されている場合には、第1格子枠及び第2格子枠が重くなると共に、反りや捩れ等の変形が発生し易くなってしまう。また、上記調音パネルを建物内の壁面に設置すると、その設置した壁面の表面に対して、拭き掃除等のメンテナンスを行うことが困難になるので、改善の余地がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、調音パネルを軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る音環境調整装置は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の外側四周枠と、上記外側四周枠の枠内に木質材料により設けられ、各々、互いに平行に延びるように複数の桟材が配列され、一方の表面側の層における上記複数の桟材の延びる方向と、該一方の表面側の層に隣り合う層における上記複数の桟材の延びる方向とが互いに異なるように構成された複数層の平行桟層とを備えた調音パネルを有し、上記調音パネルは、ミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられていることを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、調音パネル全体が反りや変形を抑えるための太さ及び厚さを有して剛性の高い木質材料により構成されているのではなく、調音パネルがアルミニウム製又はアルミニウム合金製の(中空の)外側四周枠を備えているので、調音パネルを軽量化すると共に変形し難くすることができる。さらに、調音パネルがミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられているので、ミーティング室内の壁面に対して、拭き掃除等のメンテナンスを容易に行うことができる。したがって、調音パネルを軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置を提供することができる。
【0009】
上記外側四周枠の内周部には、上記複数層の平行桟層に対応するように複数の嵌合溝が上記内周部の全周に亘って設けられ、上記各平行桟層における上記複数の桟材の両端部は、上記複数の嵌合溝のうちの対応する嵌合溝の内部に嵌合固定されていてもよい。
【0010】
上記の構成によれば、外側四周枠の内周部に複数の嵌合溝がその全周に亘って設けられ、各平行桟層における複数の桟材の両端部が対応する嵌合溝の内部に嵌合固定されているので、外側四周枠の内側に各平行桟層の複数の桟材を確実に固定することができる。
【0011】
上記外側四周枠の内周部には、上記複数層の平行桟層の合計厚さに対応するように1つの共通嵌合溝が上記内周部の全周に亘って設けられ、上記各平行桟層における上記複数の桟材の両端部は、全ての層の桟材が重なる箇所において上記共通嵌合溝の内部に該全ての層の桟材だけで嵌合固定され、全ての層の桟材が重ならない箇所において上記共通嵌合溝の内部に厚さ調整材を介して嵌合固定されていてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、外側四周枠の内周部に1つの共通嵌合溝がその全周に亘って設けられ、各平行桟層における複数の桟材の両端部は、全ての層の桟材が重なる箇所において共通嵌合溝の内部にその全ての層の桟材だけで嵌合固定され、全ての層の桟材が重ならない箇所において共通嵌合溝の内部に厚さ調整材を介して嵌合固定されているので、外側四周枠の内側に各平行桟層の複数の桟材を確実に固定することができる。
【0013】
上記外側四周枠の内周部には、上記複数層の平行桟層の合計厚さに対応するように1つの共通嵌合溝が上記内周部の全周に亘って設けられ、上記各平行桟層は、該各平行桟層における上記複数の桟材の両端部が固定された内側四周枠を有し、上記各平行桟層の上記内側四周枠は、上記共通嵌合溝の内部に嵌合固定されていてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、外側四周枠の内周部に1つの共通嵌合溝がその全周に亘って設けられ、各平行桟層は、対応する複数の桟材の両端部が固定された内側四周枠を有し、各平行桟層の内側四周枠が共通嵌合溝の内部に嵌合固定されているので、外側四周枠の内側に各平行桟層の複数の桟材を確実に固定することができる。
【0015】
上記外側四周枠の内周部には、上記複数層の平行桟層の合計厚さに対応するように1つの共通嵌合溝が上記内周部の全周に亘って設けられ、上記複数層の平行桟層の一部の層は、該一部の層の平行桟層における上記複数の桟材の両端部が固定された内側四周枠を有し、上記複数層の平行桟層の一部の層における上記内側四周枠、及び上記複数の平行桟層の他部の層における上記複数の桟材の両端部は、上記共通嵌合溝の内部に嵌合固定されていてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、外側四周枠の内周部に1つの共通嵌合溝がその全周に亘って設けられ、複数層の平行桟層の一部の層は、複数の桟材の両端部が固定された内側四周枠を有し、複数層の平行桟層の一部の層における内側四周枠、及び複数の平行桟層の他部の層における複数の桟材の両端部が共通嵌合溝の内部に嵌合固定されているので、外側四周枠の内側に各平行桟層の複数の桟材を確実に固定することができる。
【0017】
上記複数層の平行桟層の少なくとも1層における上記複数の桟材は、上記外側四周枠に対して斜めに交差するように設けられていてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、複数層の平行桟層の少なくとも1層における複数の桟材が外側四周枠に対して斜めに交差するように設けられているので、複数の桟材が外側四周枠の四つの辺に分散して固定されることになり、複数の桟材が外側四周枠の対向する一対の辺に直交して固定される場合よりも調音パネル全体の剛性を高めることができる。
【0019】
上記ミーティング室内の壁面は、ガラス製又はスチール製のパーティションを含み、上記調音パネルを複数有し、上記各調音パネルの下部には、戸車が設けられ、上記パーティションが設置された床面には、上記複数の調音パネルに対応して上記パーティションの表面と平行に延びるように複数の下側摺動溝が形成された床レールが設けられ、上記床レールの上方には、上記複数の調音パネルに対応して上記パーティションの表面と平行に延びるように複数の上側摺動溝が形成された鴨居レールが設けられ、上記各調音パネルは、対応する上記下側摺動溝及び上記上側摺動溝の間で移動可能に設けられていてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、各調音パネルの下部に戸車が設けられ、各調音パネルが床レールの対応する下側摺動溝と鴨居レールの対応する上側摺動溝との間で移動可能に設けられているので、引戸仕様の複数の調音パネルを備えた音環境調整装置を構成することができる。これにより、ガラス製又はスチール製のパーティションを含むミーティング室内の壁面に対して各調音パネルを平行に維持した状態で引戸のように適宜移動させることができるので、その壁面に対して、拭き掃除等のメンテナンスを容易に行うことができる。また、ガラス製の透明なパーティションを含むミーティング室内の壁面に対して各調音パネルが設けられている場合には、各調音パネルの桟材で光が遮断されるので、ミーティング室内を室外から見え難くすることができる。
【0021】
上記床面には、上記床レールと同じ厚さの床仕上げ材が貼り付けられ、上記床レールは、上記床仕上げ材の対応する部分を除去して設けられていてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、床面に床レールと同じ厚さの床仕上げ材が貼り付けられ、床レールが床仕上げ材の対応する部分を除去して設けられているので、床面全体に床仕上げ材を貼り付けた後であっても、床仕上げ材を部分的に除去して、その部分に床レールを設置することにより、音環境調整装置の一部を構成することができる。
【0023】
上記ミーティング室内の壁面は、ガラス製又はスチール製のパーティションを含み、上記調音パネルを複数有し、上記各調音パネルの上部には、吊車が設けられ、上記パーティションが設置された床面の上方には、上記複数の調音パネルに対応して上記パーティションの表面と平行に延びるように複数の摺動溝が形成された吊レールが設けられ、上記各調音パネルは、対応する上記摺動溝に沿って移動可能に設けられていてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、各調音パネルの上部に吊車が設けられ、各調音パネルが吊レールの対応する摺動溝に沿って移動可能に設けられているので、吊戸仕様の複数の調音パネルを備えた音環境調整装置を構成することができる。これにより、ガラス製又はスチール製のパーティションを含むミーティング室内の壁面に対して各調音パネルを平行に維持した状態で吊戸のように適宜移動させることができるので、その壁面に対して、拭き掃除等のメンテナンスを容易に行うことができる。また、ガラス製の透明なパーティションを含むミーティング室内の壁面に対して各調音パネルが設けられている場合には、各調音パネルの桟材で光が遮断されるので、ミーティング室内を室外から見え難くすることができる。
【0025】
上記ミーティング室内の壁面は、ガラス製又はスチール製のパーティションを含み、上記調音パネルは、上記パーティションが設置された床面に自立して移動可能に設けられていてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、調音パネルの下部に、例えば、キャスター付きのスタンドを取り付けることにより、調音パネルが床面に自立して移動可能に設けられているので、ガラス製又はスチール製のパーティションを含むミーティング室内の壁面から調音パネルを自立した状態で遠ざけることにより、その壁面に対して、拭き掃除等のメンテナンスを容易に行うことができる。また、ガラス製の透明なパーティションを含むミーティング室内の壁面に対して調音パネルが設けられている場合には、各調音パネルの桟材で光が遮断されるので、ミーティング室内を室外から見え難くすることができる。
【0027】
上記調音パネルの上記パーティション側には、開閉可能な遮光部材が設けられていてもよい。
【0028】
上記の構成によれば、調音パネルとパーティションとの間に開閉可能な遮光部材(例えば、カーテン、ロールスクリーン、ブラインド等)が設けられているので、調音パネルによる吸音効果及び拡散効果を向上させることができる。また、遮光部材の前面に配置する調音パネルがミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられているので、調音パネルを遮光部材の前面から遠ざけることにより、遮光部材の開閉操作を容易に行うことができる。
【0029】
上記ミーティング室は、平面視で4つの壁面により囲まれた矩形状に形成され、上記調音パネルは、上記4つの壁面のうちの隣り合う2つの壁面が交わる入隅部において、該2つの壁面に対して斜めに配置するように床面に自立して移動可能に設けられていてもよい。
【0030】
上記の構成によれば、平面視で4つの壁面により囲まれた矩形状のミーティング室の四隅部に自立した状態の調音パネルを配置することができるので、複数層の平行桟層を備えた調音パネルの吸音効果により、低周波数帯域(50Hz~200Hz程度)において、ミーティング室内の音圧レベルを低くすることができる。なお、グラスウール等の多孔質吸音材では、低周波数帯域(50Hz~200Hz程度)の音波をほとんど吸収することがない。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、調音パネルがアルミニウム製又はアルミニウム合金製の外側四周枠を備え、ミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられているので、調音パネルを軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る音環境調整装置を構成する調音パネルの平面図である。
【
図2】
図1中のII-II線に沿った調音パネルの断面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る音環境調整装置を構成する調音パネルの第1の変形例の断面図であり、
図2に相当する図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る音環境調整装置を構成する調音パネルの第2の変形例の平面図である。
【
図5】
図4中のV-V線に沿った調音パネルの断面図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る音環境調整装置を構成する調音パネルの第3の変形例の平面図である。
【
図7】
図6中のVII-VII線に沿った調音パネルの断面図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係る音環境調整装置の断面図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係る音環境調整装置の断面図である。
【
図10】本発明の第3の実施形態に係る音環境調整装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではない。
【0034】
《第1の実施形態》
図1~
図8は、本発明に係る音環境調整装置の第1の実施形態を示している。ここで、
図1は、本実施形態の音環境調整装置100aを構成する調音パネル50aの平面図である。また、
図2は、
図1中のII-II線に沿った調音パネル50aの断面図である。また、
図3は、調音パネル50aの第1の変形例としての調音パネル50bの断面図であり、
図2に相当する図である。また、
図4は、調音パネル50aの第2の変形例としての調音パネル50cの平面図である。また、
図5は、
図4中のV-V線に沿った調音パネル50cの断面図である。また、
図6は、調音パネル50aの第3の変形例としての調音パネル50dの平面図である。また、
図7は、
図6中のVII-VII線に沿った調音パネル50dの断面図である。また、
図8は、音環境調整装置100aの断面図である。
【0035】
音環境調整装置100aは、後述するように、複数の調音パネル50を備えている(
図8参照)。
【0036】
複数の調音パネル50は、例えば、以下に示す調音パネル50a(
図1及び
図2参照)、調音パネル50b(
図3参照)、調音パネル50c(
図4及び
図5参照)又は調音パネル50d(
図6及び
図7参照)であり、それらの組み合わせであってもよい。なお、
図1~
図7において、同じ部材については同じ符号を付して、2度目以降の詳細な説明を省略する。
【0037】
<調音パネル50a>
調音パネル50aは、
図1及び
図2に示すように、外側四周枠30aと、外側四周枠30aの枠内に設けられた2層の平行桟層10a及び20aとを備えている。
【0038】
外側四周枠30aは、アルミニウム製又はアルミニウム合金製であり、
図2に示すように、中空構造を有し、
図1に示すように、互いに平行に延びるように設けられた一対の長辺部と、それらの一対の長辺部の両端部分に連結すると共に互いに平行に延びるように設けられた一対の短辺部とを備えている。また、外側四周枠30aの内周部には、
図2に示すように、2層の平行桟層10a及び20aに対応するように2つの嵌合溝Gaがその内周部の全周に亘って設けられている。なお、アルミニウム合金としては、例えば、JIS A 6063、JIS A 1100等が挙げられる。
【0039】
平行桟層10aは、
図1及び
図2に示すように、外側四周枠30aの長辺部と直交する方向に互いに平行に延びるように設けられた複数の桟材11を備えている。ここで、桟材11及び後述する桟材21は、例えば、LVL(Laminated Veneer Lumber:単板積層材)、合板、集成材、無垢材、パーティクルボード、繊維板等等の木質材料により構成されている。また、各桟材11の両端部は、
図1及び
図2に示すように、外側四周枠30aの内周部の対応する嵌合溝Gaの内部に嵌合固定されている。
【0040】
平行桟層20aは、
図1及び
図2に示すように、外側四周枠30aに対して斜めに交差する方向に互いに平行に延びるように設けられた複数の桟材21を備えている。ここで、複数の桟材21の延びる方向と複数の桟材11の延びる方向とは、互いに異なっている。また、各桟材21の両端部は、
図1及び
図2に示すように、外側四周枠30aの内周部の対応する嵌合溝Gaの内部に嵌合固定されている。
【0041】
<調音パネル50b>
調音パネル50bは、
図3に示すように、外側四周枠30bと、外側四周枠30bの枠内に設けられた2層の平行桟層10a及び20aとを備えている。
【0042】
外側四周枠30bは、アルミニウム製又はアルミニウム合金製であり、
図3に示すように、中空構造を有し、互いに平行に延びるように設けられた一対の長辺部と、それらの一対の長辺部の両端部分に連結すると共に互いに平行に延びるように設けられた一対の短辺部とを備えている(
図4及び
図5参照)。また、外側四周枠30bの内周部には、
図3に示すように、2層の平行桟層10a及び20aの合計厚さに対応するように1つの共通嵌合溝Gbがその内周部の全周に亘って設けられている。ここで、平行桟層10aにおける複数の桟材11の両端部、並びに平行桟層20aにおける複数の桟材21の両端部は、2つの層の桟材11及び21が重なる箇所において共通嵌合溝Gbの内部に2つの層の桟材11及び21だけで嵌合固定され、
図3に示すように、2つの層の桟材11及び21が重ならない箇所において共通嵌合溝Gbの内部に厚さ調整材16を介して嵌合固定されている。なお、厚さ調整材16は、上記木質材料、樹脂材料、ゴム材料等により構成されている。
【0043】
<調音パネル50c>
調音パネル50cは、
図4及び
図5に示すように、外側四周枠30bと、外側四周枠30bの枠内に設けられた2層の平行桟層10b及び20aとを備えている。なお、
図4では、後述する内側四周枠12を示すために、外側四周枠30bを破線で示している。
【0044】
平行桟層10bは、
図4及び
図5に示すように、外側四周枠30bの長辺部と直交する方向に互いに平行に延びるように設けられた複数の桟材11と、複数の桟材11の両端部が固定された内側四周枠12とを備えている。ここで、平行桟層10bの内側四周枠12、及び平行桟層20aの複数の桟材21の両端部は、
図4及び
図5に示すように、外側四周枠30bの共通嵌合溝Gbの内部に嵌合固定されている。なお、内側四周枠12は、桟材11及び桟材21の同様に、例えば、LVL、合板、集成材、無垢材、パーティクルボード、繊維板等等の木質材料により構成されている。
【0045】
<調音パネル50d>
調音パネル50dは、
図6及び
図7に示すように、外側四周枠30bと、外側四周枠30bの枠内に設けられた2層の平行桟層10b及び20bとを備えている。なお、
図6では、後述する内側四周枠22を示すために、外側四周枠30bを破線で示している。
【0046】
平行桟層20bは、
図6及び
図7に示すように、外側四周枠30bに対して斜めに交差する方向に互いに平行に延びるように設けられた複数の桟材21と、複数の桟材21の両端部が固定された内側四周枠22とを備えている。ここで、平行桟層10bの内側四周枠12、及び平行桟層20bの内側四周枠22は、
図6及び
図7に示すように、外側四周枠30bの共通嵌合溝Gbの内部に嵌合固定されている。なお、内側四周枠22は、桟材11、内側四周枠12及び桟材21の同様に、例えば、LVL、合板、集成材、無垢材、パーティクルボード、繊維板等等の木質材料により構成されている。
【0047】
具体的に音環境調整装置100aは、
図8に示すように、戸車51が下部に設けられた2枚の調音パネル50と、床面Fに設けられた床レール70と、床レール70の上方に設けられた鴨居レール80と、2枚の調音パネル50の後述するパーティション60側に設けられた遮光部材65とを備え、各調音パネル50が床レール70及び鴨居レール80の間に挟まれた状態でミーティング室内の壁面Wに対して移動可能に設けられている。ここで、ミーティング室内の壁面Wは、
図8に示すように、床面Fに直立するように設けられた高さ2500mm程度のガラス製又はスチール製のパーティション60により構成されている。なお、パーティション60の上部には、スチール製の上側フレーム61が設けられ、上側フレーム61が建築物内の躯体や壁等に固定されている。
【0048】
床レール70には、
図8に示すように、2枚の調音パネル50に対応してパーティション60の表面と平行に延びるように2列の下側摺動溝71が設けられている。ここで、床レール70は、
図8に示すように、床面Fに貼り付けられたタイルカーペット等の床仕上げ材95を部分的に除去して設けられている。なお、床レール70の厚さは、床仕上げ材95の厚さと同じであり、それらの段差(厚さの差)が3mm以下であればよい。
【0049】
鴨居レール80には、
図8に示すように、2枚の調音パネル50に対応してパーティション60の表面と平行に延びるように2列の上側摺動溝81が設けられている。そのため、各調音パネル50は、床レール70の対応する下側摺動溝71及び鴨居レール80の対応する上側摺動溝81の間で引戸のように適宜スライド移動するように構成されている。また、鴨居レール80は、上側フレーム61の表面にねじ止めにより固定されている。なお、本実施形態では、鴨居レール80が上側フレーム61に固定された音環境調整装置100aを例示したが、鴨居レール80は、天井下地材等の構造体に固定されていてもよい。
【0050】
遮光部材65は、例えば、カーテン、ロールスクリーン、ブラインド等により構成され、開閉可能に設けられている。
【0051】
上記構成の音環境調整装置100aは、ミーティング室内の壁面Wに対向して配置された調音パネル50によって、
図8中の右側のミーティング室内で発生した音の音波を散乱反射したり吸収したりすることにより、室内音響を調整するようになっている。
【0052】
なお、本実施形態では、下側摺動溝71及び上側摺動溝81の上下一対の溝に対して1枚ずつの調音パネル50を備え、計2枚の調音パネル50を備えた音環境調整装置100aを例示したが、音環境調整装置100aは、上下一対の溝を3列以上設け、計3枚以上の複数の調音パネル50を備えていてもよく、さらに、上下一対の溝に対して複数枚ずつの調音パネル50を備えていてもよい。
【0053】
以上説明したように、本実施形態の音環境調整装置100aによれば、各調音パネル50全体が反りや変形を抑えるための太さ及び厚さを有して剛性の高い木質材料により構成されているのではなく、各調音パネル50がアルミニウム製又はアルミニウム合金製の中空の外側四周枠30a又は30bを備えているので、各調音パネル50を軽量化すると共に変形し難くすることができる。さらに、各調音パネル50の下部に戸車51が設けられ、各調音パネル50が床レール70の対応する下側摺動溝71と鴨居レール80の対応する上側摺動溝81との間でスライド移動可能に設けられている。そのため、ミーティング室内の壁面Wに対して各調音パネル50を一定の距離で平行に維持した状態で引戸のように適宜移動させることができるので、その壁面Wに対して、拭き掃除等のメンテナンスを容易に行うことができる。したがって、調音パネル50を軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置100aを提供することができる。
【0054】
また、本実施形態の音環境調整装置100aによれば、床面Fに床レール70と同じ厚さの床仕上げ材95が貼り付けられ、床レール70が床仕上げ材95の対応する部分を除去して設けられているので、床面F全体に床仕上げ材95を貼り付けた後であっても、床仕上げ材95を部分的に除去して、その部分に床レール70を後付けで設置することにより、音環境調整装置100aの一部を構成することができる。
【0055】
また、本実施形態の音環境調整装置100aによれば、調音パネル50とパーティション60との間に開閉可能な遮光部材65が設けられているので、調音パネル50による吸音効果及び拡散効果を向上させることができる。さらに、遮光部材65の前面に配置する調音パネル50がミーティング室内の壁面Wに対して移動可能に設けられているので、調音パネル50を遮光部材60の前面から遠ざけることにより、遮光部材65の開閉操作を容易に行うことができる。
【0056】
また、本実施形態の音環境調整装置100aによれば、ガラス製の透明なパーティション60により構成されたミーティング室内の壁面Wに対して各調音パネル50が設けられているので、各調音パネル50の桟材11及び21で光が遮断され、ミーティング室内を室外から見え難くすることができる。
【0057】
《第2の実施形態》
図9は、本発明に係る音環境調整装置の第2の実施形態を示している。ここで、
図9は、本実施形態の音環境調整装置100bの断面図である。なお、以下の各実施形態において、
図1~
図8と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0058】
上記第1の実施形態では、引戸仕様の調音パネル50を備えた音環境調整装置100aを例示したが、本実施形態では、吊戸仕様の調音パネル50を備えた音環境調整装置100bを例示する。
【0059】
音環境調整装置100bは、
図9に示すように、吊車52が上部に設けられた2枚の調音パネル50と、スチール製の上側フレーム61の表面に固定された吊レール90とを備え、各調音パネル50が吊レール90に吊られた状態でミーティング室内の壁面Wに対して移動可能に設けられている。ここで、床面Fには、
図9に示すように、L字状の横断面を有する2列のガイド金具が固定され、各調音パネル50の下部に形成されたガイド溝に対応するガイド金具の上部が嵌合するように設けられている。
【0060】
吊レール90には、
図9に示すように、2枚の調音パネル50に対応してパーティション60の表面と平行に延びるように2列の摺動溝91が設けられている。そのため、各調音パネル50は、吊レール90の対応する摺動溝91に沿って適宜スライド移動するように構成されている。なお、本実施形態では、吊レール90が上側フレーム61に固定された音環境調整装置100bを例示したが、吊レール90は、天井下地材等の構造体に固定されていてもよい。
【0061】
上記構成の音環境調整装置100bは、ミーティング室内の壁面Wに対向して配置された調音パネル50によって、
図9中の右側のミーティング室内で発生した音の音波を散乱反射したり吸収したりすることにより、室内音響を調整するようになっている。
【0062】
以上説明したように、本実施形態の音環境調整装置100bによれば、各調音パネル50全体が反りや変形を抑えるための太さ及び厚さを有して剛性の高い木質材料により構成されているのではなく、各調音パネル50がアルミニウム製又はアルミニウム合金製の中空の外側四周枠30a又は30bを備えているので、各調音パネル50を軽量化すると共に変形し難くすることができる。さらに、各調音パネル50の上部に吊車52が設けられ、各調音パネル50が吊レール90の対応する摺動溝91に沿ってスライド移動可能に設けられている。そのため、ミーティング室内の壁面Wに対して各調音パネル50を一定の距離で平行に維持した状態で吊戸のように適宜移動させることができるので、その壁面Wに対して、拭き掃除等のメンテナンスを容易に行うことができる。したがって、調音パネル50を軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置100bを提供することができる。
【0063】
また、本実施形態の音環境調整装置100bによれば、ガラス製の透明なパーティション60により構成されたミーティング室内の壁面Wに対して各調音パネル50が設けられているので、各調音パネル50の桟材11及び21で光が遮断され、ミーティング室内を室外から見え難くすることができる。
【0064】
《第3の実施形態》
図10は、本発明に係る音環境調整装置の第3の実施形態を示している。ここで、
図10は、本実施形態の音環境調整装置100cの斜視図である。
【0065】
上記第1及び第2の実施形態では、ミーティング室内の壁面Wに対して一定の距離で平行に維持した状態で調音パネル50が移動可能に設けられた音環境調整装置100a及び100cを例示したが、本実施形態では、ミーティング室内の壁面Wに対して離間及び接近するように調音パネル50が移動可能に設けられた音環境調整装置100cを例示する。
【0066】
音環境調整装置100cは、
図10に示すように、調音パネル50と、調音パネル50の下部に取り付けられ、キャスターが底面に設けられた一対のスタンド53とを備え、調音パネル50が床面Fに自立した状態でミーティング室内の壁面Wに対して移動可能に設けられている。ここで、調音パネル50は、ミーティング室内の隣り合う2つの壁面Wが交わる入隅部において、その2つの壁面Wに対して斜めに配置するように床面Fに自立して移動可能に設けられている。
【0067】
上記構成の音環境調整装置100cは、ミーティング室内の壁面Wに斜めに配置された調音パネル50によって、ミーティング室内で発生した音の音波を散乱反射したり吸収したりすることにより、室内音響を調整するようになっている。
【0068】
以上説明したように、本実施形態の音環境調整装置100cによれば、各調音パネル50全体が反りや変形を抑えるための太さ及び厚さを有して剛性の高い木質材料により構成されているのではなく、各調音パネル50がアルミニウム製又はアルミニウム合金製の中空の外側四周枠30a又は30bを備えているので、各調音パネル50を軽量化すると共に変形し難くすることができる。さらに、各調音パネル50の下部にキャスター付きのスタンド53が設けられ、各調音パネル50が床面Fに自立して移動可能に設けられている。そのため、ミーティング室内の壁面Wから調音パネル50を自立した状態で遠ざけることにより、その壁面Wに対して、拭き掃除等のメンテナンスを容易に行うことができる。したがって、調音パネル50を軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置100cを提供することができる。
【0069】
また、本実施形態の音環境調整装置100cによれば、平面視で4つの壁面により囲まれた矩形状のミーティング室の四隅部に自立した状態の調音パネル50を配置することができるので、複数層の平行桟層を備えた調音パネル50の吸音効果により、低周波数帯域(50Hz~200Hz程度)において、ミーティング室内の音圧レベルを低くすることができる。
【0070】
《その他の実施形態》
上記各実施形態では、2層の平行桟層を備えた調音パネルを有する音環境調整装置を例示したが、本発明は、3層以上の複数の平行桟層を備えた調音パネルを有する音環境調整装置等にも適用することができる。なお、上記各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上説明したように、本発明は、調音パネルを軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置を提供することができるので、極めて有用である。
【符号の説明】
【0072】
F 床面
Ga 嵌合溝
Gb 共通嵌合溝
W 壁面
10a,10b,20a,20b 平行桟層
11,21 桟材
12,22 内側四周枠
16 厚さ調整材
30a 外側四周枠
50,50a,50b,50c,50d 調音パネル
51 戸車
52 吊車
60 パーティション
65 遮光部材
70 床レール
71 下側摺動溝
80 鴨居レール
81 上側摺動溝
90 吊レール
91 摺動溝
95 床仕上げ材
100a,100b,100c 音環境調整装置
【手続補正書】
【提出日】2024-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音環境調整装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築空間において、その用途に応じた良好な音環境の形成は、教育、健康、芸術等の広い分野の質の向上に寄与すると考えられている。ここで、所望の音環境の形成には、音響吸音材や音響拡散材等を用いて、有害な反射音を制御し、室内音響を調整する必要がある。そして、効果的な室内音響の調整を行うには、広範な周波数帯域で吸音性能を有する音響吸音材、又は広範な周波数帯域で拡散性能を有する音響拡散材の使用が望まれている。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数の第1棒材が互いに平行に延びるよう設けられた第1格子枠と、第1格子枠に積層され、複数の第2棒材が互いに平行に延びるよう設けられた第2格子枠とを備え、各第1棒材と各第2棒材26とが所定角度で交差するように配置されたパネルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載されたパネルにおいて、例えば、第1格子枠及び第2格子枠が木質材料により構成されている場合には、第1格子枠及び第2格子枠が重くなると共に、反りや捩れ等の変形が発生し易くなってしまう。また、上記パネルを建物内の壁面に設置すると、その設置した壁面の表面に対して、拭き掃除等のメンテナンスを行うことが困難になるので、改善の余地がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、パネルを軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る音環境調整装置は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の外側四周枠と、上記外側四周枠の枠内に木質材料により設けられ、各々、互いに平行に延びるように複数の桟材が配列され、一方の表面側の層における上記複数の桟材の延びる方向と、該一方の表面側の層に隣り合う層における上記複数の桟材の延びる方向とが互いに異なるように構成された複数層の平行桟層とを備えたパネルを有し、上記パネルは、ミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられ、上記外側四周枠の内周部には、上記複数層の平行桟層に対応するように複数の嵌合溝が上記内周部の全周に亘って設けられ、上記各平行桟層における上記複数の桟材の両端部は、上記複数の嵌合溝のうちの対応する嵌合溝の内部に嵌合固定されていることを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、パネル全体が反りや変形を抑えるための太さ及び厚さを有して剛性の高い木質材料により構成されているのではなく、パネルがアルミニウム製又はアルミニウム合金製の(中空の)外側四周枠を備えているので、パネルを軽量化すると共に変形し難くすることができる。さらに、パネルがミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられているので、ミーティング室内の壁面に対して、拭き掃除等のメンテナンスを容易に行うことができる。したがって、パネルを軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置を提供することができる。さらに、外側四周枠の内周部に複数の嵌合溝がその全周に亘って設けられ、各平行桟層における複数の桟材の両端部が対応する嵌合溝の内部に嵌合固定されているので、外側四周枠の内側に各平行桟層の複数の桟材を確実に固定することができる。
【0009】
また、本発明に係る音環境調整装置は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の外側四周枠と、上記外側四周枠の枠内に木質材料により設けられ、各々、互いに平行に延びるように複数の桟材が配列され、一方の表面側の層における上記複数の桟材の延びる方向と、該一方の表面側の層に隣り合う層における上記複数の桟材の延びる方向とが互いに異なるように構成された複数層の平行桟層とを備えたパネルを有し、上記パネルは、ミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられ、上記外側四周枠の内周部には、上記複数層の平行桟層の合計厚さに対応するように1つの共通嵌合溝が上記内周部の全周に亘って設けられ、上記各平行桟層における上記複数の桟材の両端部は、全ての層の桟材が重なる箇所において上記共通嵌合溝の内部に該全ての層の桟材だけで嵌合固定され、全ての層の桟材が重ならない箇所において上記共通嵌合溝の内部に厚さ調整材を介して嵌合固定されていることを特徴とする。
【0010】
上記の構成によれば、パネル全体が反りや変形を抑えるための太さ及び厚さを有して剛性の高い木質材料により構成されているのではなく、パネルがアルミニウム製又はアルミニウム合金製の(中空の)外側四周枠を備えているので、パネルを軽量化すると共に変形し難くすることができる。さらに、パネルがミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられているので、ミーティング室内の壁面に対して、拭き掃除等のメンテナンスを容易に行うことができる。したがって、パネルを軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置を提供することができる。さらに、外側四周枠の内周部に1つの共通嵌合溝がその全周に亘って設けられ、各平行桟層における複数の桟材の両端部は、全ての層の桟材が重なる箇所において共通嵌合溝の内部にその全ての層の桟材だけで嵌合固定され、全ての層の桟材が重ならない箇所において共通嵌合溝の内部に厚さ調整材を介して嵌合固定されているので、外側四周枠の内側に各平行桟層の複数の桟材を確実に固定することができる。
【0011】
また、本発明に係る音環境調整装置は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の外側四周枠と、上記外側四周枠の枠内に木質材料により設けられ、各々、互いに平行に延びるように複数の桟材が配列され、一方の表面側の層における上記複数の桟材の延びる方向と、該一方の表面側の層に隣り合う層における上記複数の桟材の延びる方向とが互いに異なるように構成された複数層の平行桟層とを備えたパネルを有し、上記パネルは、ミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられ、上記外側四周枠の内周部には、上記複数層の平行桟層の合計厚さに対応するように1つの共通嵌合溝が上記内周部の全周に亘って設けられ、上記複数層の平行桟層の一部の層は、該一部の層の平行桟層における上記複数の桟材の両端部が固定された内側四周枠を有し、上記複数層の平行桟層の一部の層における上記内側四周枠、及び上記複数の平行桟層の他部の層における上記複数の桟材の両端部は、上記共通嵌合溝の内部に嵌合固定されていることを特徴とする。
【0012】
上記の構成によれば、パネル全体が反りや変形を抑えるための太さ及び厚さを有して剛性の高い木質材料により構成されているのではなく、パネルがアルミニウム製又はアルミニウム合金製の(中空の)外側四周枠を備えているので、パネルを軽量化すると共に変形し難くすることができる。さらに、パネルがミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられているので、ミーティング室内の壁面に対して、拭き掃除等のメンテナンスを容易に行うことができる。したがって、パネルを軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置を提供することができる。さらに、外側四周枠の内周部に1つの共通嵌合溝がその全周に亘って設けられ、複数層の平行桟層の一部の層は、複数の桟材の両端部が固定された内側四周枠を有し、複数層の平行桟層の一部の層における内側四周枠、及び複数の平行桟層の他部の層における複数の桟材の両端部が共通嵌合溝の内部に嵌合固定されているので、外側四周枠の内側に各平行桟層の複数の桟材を確実に固定することができる。
【0013】
上記複数層の平行桟層の少なくとも1層における上記複数の桟材は、上記外側四周枠に対して斜めに交差するように設けられていてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、複数層の平行桟層の少なくとも1層における複数の桟材が外側四周枠に対して斜めに交差するように設けられているので、複数の桟材が外側四周枠の四つの辺に分散して固定されることになり、複数の桟材が外側四周枠の対向する一対の辺に直交して固定される場合よりもパネル全体の剛性を高めることができる。
【0015】
上記ミーティング室内の壁面は、ガラス製又はスチール製のパーティションを含み、上記パネルを複数有し、上記各パネルの下部には、戸車が設けられ、上記パーティションが設置された床面には、上記複数のパネルに対応して上記パーティションの表面と平行に延びるように複数の下側摺動溝が形成された床レールが設けられ、上記床レールの上方には、上記複数のパネルに対応して上記パーティションの表面と平行に延びるように複数の上側摺動溝が形成された鴨居レールが設けられ、上記各パネルは、対応する上記下側摺動溝及び上記上側摺動溝の間で移動可能に設けられていてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、各パネルの下部に戸車が設けられ、各パネルが床レールの対応する下側摺動溝と鴨居レールの対応する上側摺動溝との間で移動可能に設けられているので、引戸仕様の複数のパネルを備えた音環境調整装置を構成することができる。これにより、ガラス製又はスチール製のパーティションを含むミーティング室内の壁面に対して各パネルを平行に維持した状態で引戸のように適宜移動させることができるので、その壁面に対して、拭き掃除等のメンテナンスを容易に行うことができる。また、ガラス製の透明なパーティションを含むミーティング室内の壁面に対して各パネルが設けられている場合には、各パネルの桟材で光が遮断されるので、ミーティング室内を室外から見え難くすることができる。
【0017】
上記床面には、上記床レールと同じ厚さの床仕上げ材が貼り付けられ、上記床レールは、上記床仕上げ材の対応する部分を除去して設けられていてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、床面に床レールと同じ厚さの床仕上げ材が貼り付けられ、床レールが床仕上げ材の対応する部分を除去して設けられているので、床面全体に床仕上げ材を貼り付けた後であっても、床仕上げ材を部分的に除去して、その部分に床レールを設置することにより、音環境調整装置の一部を構成することができる。
【0019】
上記ミーティング室内の壁面は、ガラス製又はスチール製のパーティションを含み、上記パネルを複数有し、上記各パネルの上部には、吊車が設けられ、上記パーティションが設置された床面の上方には、上記複数のパネルに対応して上記パーティションの表面と平行に延びるように複数の摺動溝が形成された吊レールが設けられ、上記各パネルは、対応する上記摺動溝に沿って移動可能に設けられていてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、各パネルの上部に吊車が設けられ、各パネルが吊レールの対応する摺動溝に沿って移動可能に設けられているので、吊戸仕様の複数のパネルを備えた音環境調整装置を構成することができる。これにより、ガラス製又はスチール製のパーティションを含むミーティング室内の壁面に対して各パネルを平行に維持した状態で吊戸のように適宜移動させることができるので、その壁面に対して、拭き掃除等のメンテナンスを容易に行うことができる。また、ガラス製の透明なパーティションを含むミーティング室内の壁面に対して各パネルが設けられている場合には、各パネルの桟材で光が遮断されるので、ミーティング室内を室外から見え難くすることができる。
【0021】
上記ミーティング室内の壁面は、ガラス製又はスチール製のパーティションを含み、上記パネルは、上記パーティションが設置された床面に自立して移動可能に設けられていてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、パネルの下部に、例えば、キャスター付きのスタンドを取り付けることにより、パネルが床面に自立して移動可能に設けられているので、ガラス製又はスチール製のパーティションを含むミーティング室内の壁面からパネルを自立した状態で遠ざけることにより、その壁面に対して、拭き掃除等のメンテナンスを容易に行うことができる。また、ガラス製の透明なパーティションを含むミーティング室内の壁面に対してパネルが設けられている場合には、各パネルの桟材で光が遮断されるので、ミーティング室内を室外から見え難くすることができる。
【0023】
上記パネルの上記パーティション側には、開閉可能な遮光部材が設けられていてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、パネルとパーティションとの間に開閉可能な遮光部材(例えば、カーテン、ロールスクリーン、ブラインド等)が設けられているので、パネルによる吸音効果及び拡散効果を向上させることができる。また、遮光部材の前面に配置するパネルがミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられているので、パネルを遮光部材の前面から遠ざけることにより、遮光部材の開閉操作を容易に行うことができる。
【0025】
上記ミーティング室は、平面視で4つの壁面により囲まれた矩形状に形成され、上記パネルは、上記4つの壁面のうちの隣り合う2つの壁面が交わる入隅部において、該2つの壁面に対して斜めに配置するように床面に自立して移動可能に設けられていてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、平面視で4つの壁面により囲まれた矩形状のミーティング室の四隅部に自立した状態のパネルを配置することができるので、複数層の平行桟層を備えたパネルの吸音効果により、低周波数帯域(50Hz~200Hz程度)において、ミーティング室内の音圧レベルを低くすることができる。なお、グラスウール等の多孔質吸音材では、低周波数帯域(50Hz~200Hz程度)の音波をほとんど吸収することがない。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、パネルがアルミニウム製又はアルミニウム合金製の外側四周枠を備え、ミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられているので、パネルを軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る音環境調整装置を構成す
るパネルの平面図である。
【
図2】
図1中のII-II線に沿ったパネルの断面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る音環境調整装置を構成す
るパネルの第1の変形例の断面図であり、
図2に相当する図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る音環境調整装置を構成す
るパネルの第2の変形例の平面図である。
【
図5】
図4中のV-V線に沿っ
たパネルの断面図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る音環境調整装置を構成す
るパネルの第3の変形例の平面図である。
【
図7】
図6中のVII-VII線に沿っ
たパネルの断面図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係る音環境調整装置の断面図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係る音環境調整装置の断面図である。
【
図10】本発明の第3の実施形態に係る音環境調整装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではない。
【0030】
《第1の実施形態》
図1~
図8は、本発明に係る音環境調整装置の第1の実施形態を示している。ここで、
図1は、本実施形態の音環境調整装置100aを構成す
るパネル50aの平面図である。また、
図2は、
図1中のII-II線に沿っ
たパネル50aの断面図である。また、
図3は
、パネル50aの第1の変形例として
のパネル50bの断面図であり、
図2に相当する図である。また、
図4は
、パネル50aの第2の変形例として
のパネル50cの平面図である。また、
図5は、
図4中のV-V線に沿っ
たパネル50cの断面図である。また、
図6は
、パネル50aの第3の変形例として
のパネル50dの平面図である。また、
図7は、
図6中のVII-VII線に沿っ
たパネル50dの断面図である。また、
図8は、音環境調整装置100aの断面図である。
【0031】
音環境調整装置100aは、後述するように、複数
のパネル50を備えている(
図8参照)。
【0032】
複数
のパネル50は、例えば、以下に示
すパネル50a(
図1及び
図2参照)
、パネル50b(
図3参照)
、パネル50c(
図4及び
図5参照)又
はパネル50d(
図6及び
図7参照)であり、それらの組み合わせであってもよい。なお、
図1~
図7において、同じ部材については同じ符号を付して、2度目以降の詳細な説明を省略する。
【0033】
<パネル50a>
パネル50aは、
図1及び
図2に示すように、外側四周枠30aと、外側四周枠30aの枠内に設けられた2層の平行桟層10a及び20aとを備えている。
【0034】
外側四周枠30aは、アルミニウム製又はアルミニウム合金製であり、
図2に示すように、中空構造を有し、
図1に示すように、互いに平行に延びるように設けられた一対の長辺部と、それらの一対の長辺部の両端部分に連結すると共に互いに平行に延びるように設けられた一対の短辺部とを備えている。また、外側四周枠30aの内周部には、
図2に示すように、2層の平行桟層10a及び20aに対応するように2つの嵌合溝Gaがその内周部の全周に亘って設けられている。なお、アルミニウム合金としては、例えば、JIS A 6063、JIS A 1100等が挙げられる。
【0035】
平行桟層10aは、
図1及び
図2に示すように、外側四周枠30aの長辺部と直交する方向に互いに平行に延びるように設けられた複数の桟材11を備えている。ここで、桟材11及び後述する桟材21は、例えば、LVL(Laminated Veneer Lumber:単板積層材)、合板、集成材、無垢材、パーティクルボード、繊維板等等の木質材料により構成されている。また、各桟材11の両端部は、
図1及び
図2に示すように、外側四周枠30aの内周部の対応する嵌合溝Gaの内部に嵌合固定されている。
【0036】
平行桟層20aは、
図1及び
図2に示すように、外側四周枠30aに対して斜めに交差する方向に互いに平行に延びるように設けられた複数の桟材21を備えている。ここで、複数の桟材21の延びる方向と複数の桟材11の延びる方向とは、互いに異なっている。また、各桟材21の両端部は、
図1及び
図2に示すように、外側四周枠30aの内周部の対応する嵌合溝Gaの内部に嵌合固定されている。
【0037】
<パネル50b>
パネル50bは、
図3に示すように、外側四周枠30bと、外側四周枠30bの枠内に設けられた2層の平行桟層10a及び20aとを備えている。
【0038】
外側四周枠30bは、アルミニウム製又はアルミニウム合金製であり、
図3に示すように、中空構造を有し、互いに平行に延びるように設けられた一対の長辺部と、それらの一対の長辺部の両端部分に連結すると共に互いに平行に延びるように設けられた一対の短辺部とを備えている(
図4及び
図5参照)。また、外側四周枠30bの内周部には、
図3に示すように、2層の平行桟層10a及び20aの合計厚さに対応するように1つの共通嵌合溝Gbがその内周部の全周に亘って設けられている。ここで、平行桟層10aにおける複数の桟材11の両端部、並びに平行桟層20aにおける複数の桟材21の両端部は、2つの層の桟材11及び21が重なる箇所において共通嵌合溝Gbの内部に2つの層の桟材11及び21だけで嵌合固定され、
図3に示すように、2つの層の桟材11及び21が重ならない箇所において共通嵌合溝Gbの内部に厚さ調整材16を介して嵌合固定されている。なお、厚さ調整材16は、上記木質材料、樹脂材料、ゴム材料等により構成されている。
【0039】
<パネル50c>
パネル50cは、
図4及び
図5に示すように、外側四周枠30bと、外側四周枠30bの枠内に設けられた2層の平行桟層10b及び20aとを備えている。なお、
図4では、後述する内側四周枠12を示すために、外側四周枠30bを破線で示している。
【0040】
平行桟層10bは、
図4及び
図5に示すように、外側四周枠30bの長辺部と直交する方向に互いに平行に延びるように設けられた複数の桟材11と、複数の桟材11の両端部が固定された内側四周枠12とを備えている。ここで、平行桟層10bの内側四周枠12、及び平行桟層20aの複数の桟材21の両端部は、
図4及び
図5に示すように、外側四周枠30bの共通嵌合溝Gbの内部に嵌合固定されている。なお、内側四周枠12は、桟材11及び桟材21の同様に、例えば、LVL、合板、集成材、無垢材、パーティクルボード、繊維板等等の木質材料により構成されている。
【0041】
<パネル50d>
パネル50dは、
図6及び
図7に示すように、外側四周枠30bと、外側四周枠30bの枠内に設けられた2層の平行桟層10b及び20bとを備えている。なお、
図6では、後述する内側四周枠22を示すために、外側四周枠30bを破線で示している。
【0042】
平行桟層20bは、
図6及び
図7に示すように、外側四周枠30bに対して斜めに交差する方向に互いに平行に延びるように設けられた複数の桟材21と、複数の桟材21の両端部が固定された内側四周枠22とを備えている。ここで、平行桟層10bの内側四周枠12、及び平行桟層20bの内側四周枠22は、
図6及び
図7に示すように、外側四周枠30bの共通嵌合溝Gbの内部に嵌合固定されている。なお、内側四周枠22は、桟材11、内側四周枠12及び桟材21の同様に、例えば、LVL、合板、集成材、無垢材、パーティクルボード、繊維板等等の木質材料により構成されている。
【0043】
具体的に音環境調整装置100aは、
図8に示すように、戸車51が下部に設けられた2枚
のパネル50と、床面Fに設けられた床レール70と、床レール70の上方に設けられた鴨居レール80と、2枚
のパネル50の後述するパーティション60側に設けられた遮光部材65とを備え、
各パネル50が床レール70及び鴨居レール80の間に挟まれた状態でミーティング室内の壁面Wに対して移動可能に設けられている。ここで、ミーティング室内の壁面Wは、
図8に示すように、床面Fに直立するように設けられた高さ2500mm程度のガラス製又はスチール製のパーティション60により構成されている。なお、パーティション60の上部には、スチール製の上側フレーム61が設けられ、上側フレーム61が建築物内の躯体や壁等に固定されている。
【0044】
床レール70には、
図8に示すように、2枚
のパネル50に対応してパーティション60の表面と平行に延びるように2列の下側摺動溝71が設けられている。ここで、床レール70は、
図8に示すように、床面Fに貼り付けられたタイルカーペット等の床仕上げ材95を部分的に除去して設けられている。なお、床レール70の厚さは、床仕上げ材95の厚さと同じであり、それらの段差(厚さの差)が3mm以下であればよい。
【0045】
鴨居レール80には、
図8に示すように、2枚
のパネル50に対応してパーティション60の表面と平行に延びるように2列の上側摺動溝81が設けられている。そのため、
各パネル50は、床レール70の対応する下側摺動溝71及び鴨居レール80の対応する上側摺動溝81の間で引戸のように適宜スライド移動するように構成されている。また、鴨居レール80は、上側フレーム61の表面にねじ止めにより固定されている。なお、本実施形態では、鴨居レール80が上側フレーム61に固定された音環境調整装置100aを例示したが、鴨居レール80は、天井下地材等の構造体に固定されていてもよい。
【0046】
遮光部材65は、例えば、カーテン、ロールスクリーン、ブラインド等により構成され、開閉可能に設けられている。
【0047】
上記構成の音環境調整装置100aは、ミーティング室内の壁面Wに対向して配置され
たパネル50によって、
図8中の右側のミーティング室内で発生した音の音波を散乱反射したり吸収したりすることにより、室内音響を調整するようになっている。
【0048】
なお、本実施形態では、下側摺動溝71及び上側摺動溝81の上下一対の溝に対して1枚ずつのパネル50を備え、計2枚のパネル50を備えた音環境調整装置100aを例示したが、音環境調整装置100aは、上下一対の溝を3列以上設け、計3枚以上の複数のパネル50を備えていてもよく、さらに、上下一対の溝に対して複数枚ずつのパネル50を備えていてもよい。
【0049】
以上説明したように、本実施形態の音環境調整装置100aによれば、各パネル50全体が反りや変形を抑えるための太さ及び厚さを有して剛性の高い木質材料により構成されているのではなく、各パネル50がアルミニウム製又はアルミニウム合金製の中空の外側四周枠30a又は30bを備えているので、各パネル50を軽量化すると共に変形し難くすることができる。さらに、各パネル50の下部に戸車51が設けられ、各パネル50が床レール70の対応する下側摺動溝71と鴨居レール80の対応する上側摺動溝81との間でスライド移動可能に設けられている。そのため、ミーティング室内の壁面Wに対して各パネル50を一定の距離で平行に維持した状態で引戸のように適宜移動させることができるので、その壁面Wに対して、拭き掃除等のメンテナンスを容易に行うことができる。したがって、パネル50を軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置100aを提供することができる。
【0050】
また、本実施形態の音環境調整装置100aによれば、床面Fに床レール70と同じ厚さの床仕上げ材95が貼り付けられ、床レール70が床仕上げ材95の対応する部分を除去して設けられているので、床面F全体に床仕上げ材95を貼り付けた後であっても、床仕上げ材95を部分的に除去して、その部分に床レール70を後付けで設置することにより、音環境調整装置100aの一部を構成することができる。
【0051】
また、本実施形態の音環境調整装置100aによれば、パネル50とパーティション60との間に開閉可能な遮光部材65が設けられているので、パネル50による吸音効果及び拡散効果を向上させることができる。さらに、遮光部材65の前面に配置するパネル50がミーティング室内の壁面Wに対して移動可能に設けられているので、パネル50を遮光部材60の前面から遠ざけることにより、遮光部材65の開閉操作を容易に行うことができる。
【0052】
また、本実施形態の音環境調整装置100aによれば、ガラス製の透明なパーティション60により構成されたミーティング室内の壁面Wに対して各パネル50が設けられているので、各パネル50の桟材11及び21で光が遮断され、ミーティング室内を室外から見え難くすることができる。
【0053】
《第2の実施形態》
図9は、本発明に係る音環境調整装置の第2の実施形態を示している。ここで、
図9は、本実施形態の音環境調整装置100bの断面図である。なお、以下の各実施形態において、
図1~
図8と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0054】
上記第1の実施形態では、引戸仕様のパネル50を備えた音環境調整装置100aを例示したが、本実施形態では、吊戸仕様のパネル50を備えた音環境調整装置100bを例示する。
【0055】
音環境調整装置100bは、
図9に示すように、吊車52が上部に設けられた2枚
のパネル50と、スチール製の上側フレーム61の表面に固定された吊レール90とを備え、
各パネル50が吊レール90に吊られた状態でミーティング室内の壁面Wに対して移動可能に設けられている。ここで、床面Fには、
図9に示すように、L字状の横断面を有する2列のガイド金具が固定され、
各パネル50の下部に形成されたガイド溝に対応するガイド金具の上部が嵌合するように設けられている。
【0056】
吊レール90には、
図9に示すように、2枚
のパネル50に対応してパーティション60の表面と平行に延びるように2列の摺動溝91が設けられている。そのため、
各パネル50は、吊レール90の対応する摺動溝91に沿って適宜スライド移動するように構成されている。なお、本実施形態では、吊レール90が上側フレーム61に固定された音環境調整装置100bを例示したが、吊レール90は、天井下地材等の構造体に固定されていてもよい。
【0057】
上記構成の音環境調整装置100bは、ミーティング室内の壁面Wに対向して配置され
たパネル50によって、
図9中の右側のミーティング室内で発生した音の音波を散乱反射したり吸収したりすることにより、室内音響を調整するようになっている。
【0058】
以上説明したように、本実施形態の音環境調整装置100bによれば、各パネル50全体が反りや変形を抑えるための太さ及び厚さを有して剛性の高い木質材料により構成されているのではなく、各パネル50がアルミニウム製又はアルミニウム合金製の中空の外側四周枠30a又は30bを備えているので、各パネル50を軽量化すると共に変形し難くすることができる。さらに、各パネル50の上部に吊車52が設けられ、各パネル50が吊レール90の対応する摺動溝91に沿ってスライド移動可能に設けられている。そのため、ミーティング室内の壁面Wに対して各パネル50を一定の距離で平行に維持した状態で吊戸のように適宜移動させることができるので、その壁面Wに対して、拭き掃除等のメンテナンスを容易に行うことができる。したがって、パネル50を軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置100bを提供することができる。
【0059】
また、本実施形態の音環境調整装置100bによれば、ガラス製の透明なパーティション60により構成されたミーティング室内の壁面Wに対して各パネル50が設けられているので、各パネル50の桟材11及び21で光が遮断され、ミーティング室内を室外から見え難くすることができる。
【0060】
《第3の実施形態》
図10は、本発明に係る音環境調整装置の第3の実施形態を示している。ここで、
図10は、本実施形態の音環境調整装置100cの斜視図である。
【0061】
上記第1及び第2の実施形態では、ミーティング室内の壁面Wに対して一定の距離で平行に維持した状態でパネル50が移動可能に設けられた音環境調整装置100a及び100cを例示したが、本実施形態では、ミーティング室内の壁面Wに対して離間及び接近するようにパネル50が移動可能に設けられた音環境調整装置100cを例示する。
【0062】
音環境調整装置100cは、
図10に示すように
、パネル50と
、パネル50の下部に取り付けられ、キャスターが底面に設けられた一対のスタンド53とを備え
、パネル50が床面Fに自立した状態でミーティング室内の壁面Wに対して移動可能に設けられている。ここで
、パネル50は、ミーティング室内の隣り合う2つの壁面Wが交わる入隅部において、その2つの壁面Wに対して斜めに配置するように床面Fに自立して移動可能に設けられている。
【0063】
上記構成の音環境調整装置100cは、ミーティング室内の壁面Wに斜めに配置されたパネル50によって、ミーティング室内で発生した音の音波を散乱反射したり吸収したりすることにより、室内音響を調整するようになっている。
【0064】
以上説明したように、本実施形態の音環境調整装置100cによれば、各パネル50全体が反りや変形を抑えるための太さ及び厚さを有して剛性の高い木質材料により構成されているのではなく、各パネル50がアルミニウム製又はアルミニウム合金製の中空の外側四周枠30a又は30bを備えているので、各パネル50を軽量化すると共に変形し難くすることができる。さらに、各パネル50の下部にキャスター付きのスタンド53が設けられ、各パネル50が床面Fに自立して移動可能に設けられている。そのため、ミーティング室内の壁面Wからパネル50を自立した状態で遠ざけることにより、その壁面Wに対して、拭き掃除等のメンテナンスを容易に行うことができる。したがって、パネル50を軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置100cを提供することができる。
【0065】
また、本実施形態の音環境調整装置100cによれば、平面視で4つの壁面により囲まれた矩形状のミーティング室の四隅部に自立した状態のパネル50を配置することができるので、複数層の平行桟層を備えたパネル50の吸音効果により、低周波数帯域(50Hz~200Hz程度)において、ミーティング室内の音圧レベルを低くすることができる。
【0066】
《その他の実施形態》
上記各実施形態では、2層の平行桟層を備えたパネルを有する音環境調整装置を例示したが、本発明は、3層以上の複数の平行桟層を備えたパネルを有する音環境調整装置等にも適用することができる。なお、上記各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上説明したように、本発明は、パネルを軽量化すると共に変形し難くして、メンテナンス性に優れた音環境調整装置を提供することができるので、極めて有用である。
【符号の説明】
【0068】
F 床面
Ga 嵌合溝
Gb 共通嵌合溝
W 壁面
10a,10b,20a,20b 平行桟層
11,21 桟材
12,22 内側四周枠
16 厚さ調整材
30a 外側四周枠
50,50a,50b,50c,50d パネル
51 戸車
52 吊車
60 パーティション
65 遮光部材
70 床レール
71 下側摺動溝
80 鴨居レール
81 上側摺動溝
90 吊レール
91 摺動溝
95 床仕上げ材
100a,100b,100c 音環境調整装置
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム製又はアルミニウム合金製の外側四周枠と、
上記外側四周枠の枠内に木質材料により設けられ、各々、互いに平行に延びるように複数の桟材が配列され、一方の表面側の層における上記複数の桟材の延びる方向と、該一方の表面側の層に隣り合う層における上記複数の桟材の延びる方向とが互いに異なるように構成された複数層の平行桟層とを備えたパネルを有し、
上記パネルは、ミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられ、
上記外側四周枠の内周部には、上記複数層の平行桟層に対応するように複数の嵌合溝が上記内周部の全周に亘って設けられ、
上記各平行桟層における上記複数の桟材の両端部は、上記複数の嵌合溝のうちの対応する嵌合溝の内部に嵌合固定されていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項2】
アルミニウム製又はアルミニウム合金製の外側四周枠と、
上記外側四周枠の枠内に木質材料により設けられ、各々、互いに平行に延びるように複数の桟材が配列され、一方の表面側の層における上記複数の桟材の延びる方向と、該一方の表面側の層に隣り合う層における上記複数の桟材の延びる方向とが互いに異なるように構成された複数層の平行桟層とを備えたパネルを有し、
上記パネルは、ミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられ、
上記外側四周枠の内周部には、上記複数層の平行桟層の合計厚さに対応するように1つの共通嵌合溝が上記内周部の全周に亘って設けられ、
上記各平行桟層における上記複数の桟材の両端部は、全ての層の桟材が重なる箇所において上記共通嵌合溝の内部に該全ての層の桟材だけで嵌合固定され、全ての層の桟材が重ならない箇所において上記共通嵌合溝の内部に厚さ調整材を介して嵌合固定されていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項3】
アルミニウム製又はアルミニウム合金製の外側四周枠と、
上記外側四周枠の枠内に木質材料により設けられ、各々、互いに平行に延びるように複数の桟材が配列され、一方の表面側の層における上記複数の桟材の延びる方向と、該一方の表面側の層に隣り合う層における上記複数の桟材の延びる方向とが互いに異なるように構成された複数層の平行桟層とを備えたパネルを有し、
上記パネルは、ミーティング室内の壁面に対して移動可能に設けられ、
上記外側四周枠の内周部には、上記複数層の平行桟層の合計厚さに対応するように1つの共通嵌合溝が上記内周部の全周に亘って設けられ、
上記複数層の平行桟層の一部の層は、該一部の層の平行桟層における上記複数の桟材の両端部が固定された内側四周枠を有し、
上記複数層の平行桟層の一部の層における上記内側四周枠、及び上記複数の平行桟層の他部の層における上記複数の桟材の両端部は、上記共通嵌合溝の内部に嵌合固定されていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1つに記載された音環境調整装置において、
上記複数層の平行桟層の少なくとも1層における上記複数の桟材は、上記外側四周枠に対して斜めに交差するように設けられていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項5】
請求項1~3の何れか1つに記載された音環境調整装置において、
上記ミーティング室内の壁面は、ガラス製又はスチール製のパーティションを含み、
上記パネルを複数有し、
上記各パネルの下部には、戸車が設けられ、
上記パーティションが設置された床面には、上記複数のパネルに対応して上記パーティションの表面と平行に延びるように複数の下側摺動溝が形成された床レールが設けられ、
上記床レールの上方には、上記複数のパネルに対応して上記パーティションの表面と平行に延びるように複数の上側摺動溝が形成された鴨居レールが設けられ、
上記各パネルは、対応する上記下側摺動溝及び上記上側摺動溝の間で移動可能に設けられていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項6】
請求項5に記載された音環境調整装置において、
上記床面には、上記床レールと同じ厚さの床仕上げ材が貼り付けられ、
上記床レールは、上記床仕上げ材の対応する部分を除去して設けられていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項7】
請求項1~3の何れか1つに記載された音環境調整装置において、
上記ミーティング室内の壁面は、ガラス製又はスチール製のパーティションを含み、
上記パネルを複数有し、
上記各パネルの上部には、吊車が設けられ、
上記パーティションが設置された床面の上方には、上記複数のパネルに対応して上記パーティションの表面と平行に延びるように複数の摺動溝が形成された吊レールが設けられ、
上記各パネルは、対応する上記摺動溝に沿って移動可能に設けられていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項8】
請求項1~3の何れか1つに記載された音環境調整装置において、
上記ミーティング室内の壁面は、ガラス製又はスチール製のパーティションを含み、
上記パネルは、上記パーティションが設置された床面に自立して移動可能に設けられていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項9】
請求項5に記載された音環境調整装置において、
上記パネルの上記パーティション側には、開閉可能な遮光部材が設けられていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項10】
請求項7に記載された音環境調整装置において、
上記パネルの上記パーティション側には、開閉可能な遮光部材が設けられていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項11】
請求項8に記載された音環境調整装置において、
上記パネルの上記パーティション側には、開閉可能な遮光部材が設けられていることを特徴とする音環境調整装置。
【請求項12】
請求項1~3の何れか1つに記載された音環境調整装置において、
上記ミーティング室は、平面視で4つの壁面により囲まれた矩形状に形成され、
上記パネルは、上記4つの壁面のうちの隣り合う2つの壁面が交わる入隅部において、該2つの壁面に対して斜めに配置するように床面に自立して移動可能に設けられていることを特徴とする音環境調整装置。