(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007626
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】基礎パッキン
(51)【国際特許分類】
E04B 1/64 20060101AFI20240112BHJP
E04B 1/70 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
E04B1/64 A
E04B1/70 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108811
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】390004145
【氏名又は名称】城東テクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 拓也
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DA01
2E001DB02
2E001FA21
2E001GA01
2E001HD11
2E001NA07
2E001NB01
2E001NC01
2E001ND01
(57)【要約】
【課題】複数のユニットを幅方向に連結して基礎パッキンとした場合であっても、水平方向及び鉛直方向に容易に連結が解けるのを抑制する。
【解決手段】基礎パッキン10は、所定幅を有する2つのユニット11,12を有している。各ユニット11,12は、所定の間隔に配置された複数の壁部をそれぞれ有する2つのブロック体を有している。2つのブロック体は、一方のブロック体の壁部間に他方のブロック体の壁部が配置されるように、鉛直方向Cから組み合わされて、ユニット11,12を構成している。そして、基礎パッキン10は、幅方向Bに2つのユニット11,12が幅方向B及び鉛直方向Cへの移動が互いに規制された状態で連結されて構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定幅を有する複数のユニットを幅方向に連結してなる基礎パッキンであって、
前記ユニットは、所定の間隔に配置された複数の壁部をそれぞれ有する2つのブロック体を有し、
前記2つのブロック体は、一方のブロック体の前記壁部間に他方のブロック体の前記壁部が配置されるように、前記ユニットの厚み方向から組み合わされて前記ユニットを構成し、
前記幅方向に隣接する2つの前記ユニットが、前記幅方向及び前記厚み方向への移動が互いに規制された状態で連結されていることを特徴とする基礎パッキン。
【請求項2】
前記隣接する2つのユニット間に形成され、前記厚み方向に貫通するボルト孔をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の基礎パッキン。
【請求項3】
前記隣接する2つのユニット間に形成され、前記厚み方向に貫通する貫通孔をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基礎パッキン。
【請求項4】
所定幅を有する複数のユニットを幅方向に連結してなる基礎パッキンであって、
前記ユニットは、所定の間隔に配置された複数の壁部をそれぞれ有する2つのブロック体を有し、
前記2つのブロック体のうちの一方のブロック体は、被係止部を有し、
前記2つのブロック体のうちの他方のブロック体は、前記被係止部に係止する係止部を有し、
前記2つのブロック体は、前記一方のブロック体の前記壁部間に前記他方のブロック体の前記壁部が配置されるように前記ユニットの厚み方向から組み合わされることで、前記係止部が前記被係止部に係止し前記厚み方向の移動が互いに規制された前記ユニットを構成し、
前記幅方向に隣接する2つの前記ユニットのうちの第1ユニットの前記一方のブロック体の前記幅方向の側面には、当該一方のブロック体の下面から上面に至るまでの途中に亘って突出する第1突起部又は切り欠かれた第1切り欠き部が形成され、前記第1ユニットの前記他方のブロック体の前記幅方向の側面には、当該他方のブロック体の上面から下面に至るまでの途中に亘って突出する第2突起部又は切り欠かれた第2切り欠き部が形成され、
前記2つのユニットのうちの第2ユニットの前記他方のブロック体の側面には、当該他方のブロック体の下面から上面に至るまでの途中に亘って切り欠かれた第3切り欠き部又は突出する第3突起部が形成され、前記第2ユニットの前記一方のブロック体の前記幅方向の側面には、当該一方のブロック体の上面から下面に至るまでの途中に亘って切り欠かれた第4切り欠き部又は突出する第4突起部が形成されており、
前記第1ユニットと前記第2ユニットは、前記第1突起部又は前記第1切り欠き部が前記第3切り欠き部又は前記第3突起部に下方から係合され、前記第2突起部又は第2切り欠き部が前記第4切り欠き部又は前記第4突起部に上方から係合されて、前記幅方向における移動が互いに規制された状態で連結されていることを特徴とする基礎パッキン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の基礎上に載置されて用いられる基礎パッキンに関し、特にCLT(Cross Laminated Timber:直交集成板)用等の高い鉛直方向の圧縮強度が要求される基礎パッキンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建物の工法において、基礎上に基礎パッキンを載置し、当該基礎パッキンの上に土台、壁材等の構造材を積んでいく工法が広く用いられている。先に、この種の基礎パッキンとして、樹脂製のブロック体からなる建物用樹脂部材がある(特許文献1参照)。この建物用樹脂部材は、複数の壁部をそれぞれ有する2つのブロック体を組み合わせることで1つの無垢のブロック体としたものであり、2つのブロック体のうちの一方のブロック体の壁部間に他方のブロック体の壁部が配置されるように組み合わされてなる。このように、1つの無垢のブロック体とすることで、鉛直方向の圧縮荷重及び水平方向の荷重に対する強度に優れた基礎パッキンとして得ることができ、例えばCLT(直交集成板)といった比較的重たい材料からなる床材や壁材等の構造材を用いた建物において好適なものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、CLTを構造材として利用する場合、基礎の幅に応じた互いに幅の異なる多種の基礎パッキンが必要となる。現在では約90mm~210mmまでの間であって、約30mm刻みの多種の基礎パッキンが使用されている。上記特許文献1に記載の建物用樹脂部材は、金型を用いて射出成形で製造される。このため、2つのブロック体を組み合わせて建物用樹脂部材を製造する場合、1つのブロック体の幅が大きくなるに連れて、溶融樹脂を射出した後の冷却時間が長くなって製造時間が長くなる。さらに幅が大きくなることで、歪みや反りが生じやすく寸法及び形状の品質が低下する。
【0005】
上記問題を解決するために、本発明者は比較的幅の小さい2つのブロック体の組合せからなる複数のユニットを、幅方向に連結し、所望の幅の基礎パッキンとすることを検討した。しかしながら、従来のように、基礎パッキンの側面において単純な凹凸の組合せにより連結した構成であると、水平方向にも鉛直方向にも簡単に連結が解けてしまう問題が生じる。
【0006】
そこで本発明は、2つのブロック体を組み合わせてなる複数のユニットを幅方向に連結して基礎パッキンとした場合であっても、水平方向及び鉛直方向に容易に連結が解けてしまうことのない基礎パッキンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の基礎パッキンは、第1の観点では、所定幅を有する複数のユニットを幅方向に連結してなる基礎パッキンであって、前記ユニットは、所定の間隔に配置された複数の壁部をそれぞれ有する2つのブロック体を有し、前記2つのブロック体は、一方のブロック体の前記壁部間に他方のブロック体の前記壁部が配置されるように、前記ユニットの厚み方向から組み合わされて前記ユニットを構成し、前記幅方向に隣接する2つの前記ユニットが、前記幅方向及び前記厚み方向への移動が互いに規制された状態で連結されている。
【0008】
これによると、1つのユニットが2つのブロック体により構成され、基礎パッキンは複数のユニットが連結されて所望の幅サイズに構成される。基礎パッキンを構成する複数のユニットのうち、隣接する2つのユニットが幅方向及び厚み方向への移動が互いに規制された状態で連結されている。これにより、基礎パッキンを構成する1つのユニットに隣接する他のユニットが1つのユニットに対して幅方向及び厚み方向に外れにくくなる。このため、所望の幅サイズに構成された基礎パッキンを基礎上に容易に配置することや、当該基礎パッキンを土台や壁材(CLT:直交集成板)の下端に容易に取り付けることができ、その状態で基礎上に載置することもできる。
【0009】
本発明において、前記隣接する2つのユニット間に形成され、前記厚み方向に貫通するボルト孔をさらに備えていることが好ましい。これにより、2つのユニットが連結されて構成された基礎パッキンにボルト孔が形成される。このため、基礎上に基礎パッキンを配置させるときに、基礎に埋め込まれたアンカーボルト等の構造金物を固定するボルトを基礎パッキンのボルト孔に挿通させることが可能となる。
【0010】
また、本発明において、前記隣接する2つのユニット間に形成され、前記厚み方向に貫通する貫通孔をさらに備えていることが好ましい。これにより、2つのユニットが連結されて構成された基礎パッキンに貫通孔が形成される。ここで貫通孔は、例えば、基礎上に基礎パッキンを位置決め固定する釘穴として用いてもよいし、基礎パッキンの上に載置される土台や壁材の下端に取り付けるときの釘穴として用いてもよい。もちろん、基礎上に基礎パッキンを配置させるときに、基礎に埋め込まれたアンカーボルトを挿通させるアンカーボルト孔として用いてもよい。
【0011】
また、本発明の基礎パッキンは、第2の観点では、所定幅を有する複数のユニットを幅方向に連結してなる基礎パッキンであって、前記ユニットは、所定の間隔に配置された複数の壁部をそれぞれ有する2つのブロック体を有し、前記2つのブロック体のうちの一方のブロック体は、被係止部を有し、前記2つのブロック体のうちの他方のブロック体は、前記被係止部に係止する係止部を有し、前記2つのブロック体は、前記一方のブロック体の前記壁部間に前記他方のブロック体の前記壁部が配置されるように前記ユニットの厚み方向から組み合わされることで、前記係止部が前記被係止部に係止し前記厚み方向の移動が互いに規制された前記ユニットを構成し、前記幅方向に隣接する2つの前記ユニットのうちの第1ユニットの前記一方のブロック体の前記幅方向の側面には、当該一方のブロック体の下面から上面に至るまでの途中に亘って突出する第1突起部又は切り欠かれた第1切り欠き部が形成され、前記第1ユニットの前記他方のブロック体の前記幅方向の側面には、当該他方のブロック体の上面から下面に至るまでの途中に亘って突出する第2突起部又は切り欠かれた第2切り欠き部が形成され、前記2つのユニットのうちの第2ユニットの前記他方のブロック体の側面には、当該他方のブロック体の下面から上面に至るまでの途中に亘って切り欠かれた第3切り欠き部又は突出する第3突起部が形成され、前記第2ユニットの前記一方のブロック体の前記幅方向の側面には、当該一方のブロック体の上面から下面に至るまでの途中に亘って切り欠かれた第4切り欠き部又は突出する第4突起部が形成されており、前記第1ユニットと前記第2ユニットは、前記第1突起部又は前記第1切り欠き部が前記第3切り欠き部又は前記第3突起部に下方から係合され、前記第2突起部又は第2切り欠き部が前記第4切り欠き部又は前記第4突起部に上方から係合されて、前記幅方向における移動が互いに規制された状態で連結されている。
【0012】
これによると、1つのユニットは2つのブロック体が厚み方向の移動が規制された状態で組み合わされて構成され、基礎パッキンは複数のユニットが連結されて所望の幅サイズに構成される。基礎パッキンを構成する複数のユニットのうち、第1ユニットの一方のブロック体の第1突起部又は第1切り欠き部が第2ユニットの他方のブロック体の第3切り欠き部又は第3突起部に下方から係合され、第1ユニットの他方のブロック体の第2突起部又は第2切り欠き部が第2ユニットの一方のブロック体の第4切り欠き部又は第4突起部に上方から係合される。これにより、隣接する2つのユニットが幅方向及び厚み方向への移動が互いに規制されて連結し、基礎パッキンを構成する1つのユニットに隣接する他のユニットが1つのユニットに対して幅方向及び厚み方向に外れにくくなる。このため、所望の幅サイズに構成された基礎パッキンを基礎上に容易に配置することや、当該基礎パッキンを土台や壁材(CLT:直交集成板)の下端に容易に取り付けることができ、その状態で基礎上に載置することもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の基礎パッキンの第1の観点によると、1つのユニットが2つのブロック体により構成され、基礎パッキンは複数のユニットが連結されて所望の幅サイズに構成される。基礎パッキンを構成する複数のユニットのうち、隣接する2つのユニットが幅方向及び厚み方向への移動が互いに規制された状態で連結されている。これにより、基礎パッキンを構成する1つのユニットに隣接する他のユニットが1つのユニットに対して幅方向及び厚み方向に外れにくくなる。このため、所望の幅サイズに構成された基礎パッキンを基礎上に容易に配置することや、当該基礎パッキンを土台や壁材(CLT:直交集成板)の下端に容易に取り付けることができ、その状態で基礎上に載置することもできる。
本発明の基礎パッキンの第2の観点によると、1つのユニットは2つのブロック体が厚み方向の移動が規制された状態で組み合わされて構成され、基礎パッキンは複数のユニットが連結されて所望の幅サイズに構成される。基礎パッキンを構成する複数のユニットのうち、第1ユニットの一方のブロック体の第1突起部又は第1切り欠き部が第2ユニットの他方のブロック体の第3切り欠き部又は第3突起部に下方から係合され、第1ユニットの他方のブロック体の第2突起部又は第2切り欠き部が第2ユニットの一方のブロック体の第4切り欠き部又は第4突起部に上方から係合される。これにより、隣接する2つのユニットが幅方向及び厚み方向への移動が互いに規制されて連結し、基礎パッキンを構成する1つのユニットに隣接する他のユニットが1つのユニットに対して幅方向及び厚み方向に外れにくくなる。このため、所望の幅サイズに構成された基礎パッキンを基礎上に容易に配置することや、当該基礎パッキンを土台や壁材(CLT:直交集成板)の下端に容易に取り付けることができ、その状態で基礎上に載置することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る基礎パッキンが用いられた建物構造の部分斜視図である。
【
図3】
図2に示す基礎パッキンの分解斜視図である。
【
図4】
図2に示す基礎パッキンを左斜め上から見たときの基礎パッキンの分解斜視図である。
【
図5】
図2に示す2つのユニットのうちの一方のユニットの平面図である。
【
図7】
図6に示す2つのブロック体のうちの一方のブロック体を左斜め上から見たときの斜視図である。
【
図8】
図6に示す2つのブロック体のうちの一方のブロック体を、長手方向の中心を通る幅方向に沿って延在する中心軸を回転軸として、180°回転させたときの斜視図である。
【
図9】
図8に示す一方のブロック体を左斜め上から見たときの斜視図である。
【
図10】第1変形例に係る基礎パッキンの斜視図である。
【
図11】
図10に示す3つのユニットのうちの1つのユニットの斜視図である。
【
図12】
図11に示すユニットを左斜め上から見たときの斜視図である。
【
図14】
図13に示す2つのブロック体のうちの一方のブロック体を左斜め上から見たときの斜視図である。
【
図15】
図13に示す2つのブロック体のうちの一方のブロック体を、長手方向の中心を通る幅方向に沿って延在する中心軸を回転軸として、180°回転させたときの斜視図である。
【
図16】
図15に示す一方のブロック体を左斜め上から見たときの斜視図である。
【
図17】第2変形例に係る基礎パッキンの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係る基礎パッキン10が用いられた建物構造100について、
図1を参照しつつ以下に説明する。
【0016】
本実施形態における建物構造100は、
図1に示すように、長尺な基礎1(例えば、布基礎)と、複数の基礎パッキン10と、木製の土台2と、壁材3とを含んでなる。複数の基礎パッキン10は、基礎1の延在方向に沿って長尺に延在し、基礎1上においてその長手方向Aに並べて配置されている。
【0017】
土台2は、基礎1とで複数の基礎パッキン10を挟むように基礎パッキン10上に配置され、長手方向Aに長尺に形成されている。壁材3は、例えば、CLT(直交集成板)からなり、土台2上に載置されている。なお、壁材3は、基礎パッキン10上に直接載置されていてもよい。
【0018】
基礎1は、フーチング1aと、フーチング1aから上方に立設された立ち上がり部1bとで構成されている。なお、基礎1の立ち上がり部1bは、ベタ基礎の立ち上がり部であってもよい。土台2及び複数の基礎パッキン10は、基礎1に植設されたアンカーボルト、角座金及びナット等による構造金物(ともに図示せず)によって立ち上がり部1b上に土台2とともに固定されている。壁材3は、例えば、接合金物(図示せず)により基礎1や土台2に接合されている。
【0019】
本実施形態における基礎パッキン10は、長さが約245mmであり、幅が約90mmであり、厚さが約20mmであり、換気孔を形成すべく基礎1上に離間して載置される。なお、材質は、合成樹脂製から構成されているが、他の材料で構成されていてもよい。また、基礎パッキンの長手方向Aの長さは特に限定されず、例えば約910mm程度の長尺とされてもよい。また、基礎パッキンの幅方向B(長手方向Aと直交する方向)の幅も特に限定されず、例えば約90~210mm程度とすることができ、基礎1や土台2の幅に基づいて定められる。また、鉛直方向Cの厚さも適宜決定すればよく、例えば約10~50mm程度とされる。
【0020】
基礎パッキン10は、
図2に示すように、板状に形成されており、長手方向Aの中央に鉛直方向C(基礎パッキン10の厚み方向)に貫通する貫通孔10aを有する。貫通孔10aは、アンカーボルト等の構造金物を固定するボルトを挿通させるためのボルト孔である。貫通孔10aは、幅方向Bに長尺な長穴形状とされている。このため、基礎1に植設されたボルトを貫通孔10aに挿通させた状態でも、基礎パッキン10の幅方向Bの位置を調整することが可能となる。
【0021】
基礎パッキン10は、
図2~
図4に示すように、2つのユニット11,12を有している。2つのユニット11,12が幅方向Bに連結されることで、基礎パッキン10が構成されている。これら2つのユニット11,12は、いずれも同じ形状を有している。つまり、
図3に示すユニット11(第1ユニット)は、ユニット12(第2ユニット)を水平面内において180°回転させたものと同様なものである。このため、ユニット11について詳細に説明し、ユニット12の詳細の説明を省略する。基礎パッキン10には、2つのユニット11、12が幅方向Bに連結された境界の貫通孔10aを挟む両側に、厚み方向に貫通する貫通孔10bが2つ形成されている(
図2、10、17参照)。この貫通孔10bは、基礎パッキン10を基礎1(立ち上がり部1b)の天面、土台2の下面等に取り付けるときの釘穴として用いることができる。
【0022】
また、基礎パッキン10の上面には、
図2に示すように、複数の長溝16が形成されている。長溝16は、各ユニット11,12の上面に6つずつ形成されている。これら長溝16は、基礎パッキン10において、各ユニット11,12の幅方向Bの外側端から内側端近傍まで幅方向Bに沿って延びて形成されている。また、これら長溝16は、各ユニット11,12において、長手方向Aに互いに離隔して配置されている。なお、各ユニット11,12は、後述のように同じ形状の2つのブロック体21,22から構成されている。つまり、各ユニット11,12の下面、すなわち、基礎パッキン10の下面にも上面と同様な複数の長溝16が形成されている。このような長溝16が形成されていることで、基礎パッキン10と接触する基礎1、土台2及び壁材3などの接触面から湿気を外部に逃がしやすくなる。
【0023】
ユニット11は、
図5に示すように、長手方向Aに沿って長尺な略直方体形状を有する。本実施形態におけるユニット11の幅は、約45mmである。ユニット11の長手方向Aの中央には、鉛直方向Cに沿って貫通し、貫通孔10aの半部を構成する孔半部10a1が形成されている。また、孔半部10a1は、幅方向Bの一方(
図5中右方)に向かって開放されている。
【0024】
ユニット11は、
図6に示すように、上側に配置されたブロック体21(一方のブロック体)と、下側に配置されたブロック体22(他方のブロック体)とを有している。これら2つのブロック体21,22が鉛直方向Cに組み合わされることで、1つのユニット11が構成されている。これら2つのブロック体21,22は、いずれも同じ形状を有している。つまり、ブロック体21は、
図6において、ブロック体22を長手方向Aの中心を通る幅方向Bに沿って延在する中心軸を回転軸として、180°回転させたものと同様なものである。このため、ブロック体21について詳細に説明する。
【0025】
ブロック体21は、
図6~
図9に示すように、長手方向Aに配列された複数の壁部31と、これら壁部31を連結する4つの壁部32a~32dとを有している。壁部31は、幅方向Bに沿って延在し、長手方向Aに所定間隔で離隔して互いに平行に配置されている。これら壁部31の長手方向Aの厚みは、いずれもほぼ同じ厚みに形成されている。各壁部31の下端部には、長手方向Aに貫通する2つの切り欠き31a,31bが形成されている。切り欠き31aは、幅方向Bにおいて、切り欠き31bよりも壁部32a~32dから離れた位置に配置されている。
【0026】
図8及び
図9に示すように、複数の壁部31のうち、ブロック体21の長手方向Aの一方端(
図8及び
図9中、長手方向Aにおいて最も奥側)にある壁部31に形成された2つの切り欠き31a,31bは上端部近傍まで延在する延在部31c,31dを有する。当該壁部31の2つの延在部31c,31dによって挟まれた部分の下端部には、長手方向Aに沿ってブロック体21の内側に向かって突出する突起31e(係止部)が形成されている。
【0027】
また、
図7に示すように、複数の壁部31のうち、ブロック体21の長手方向Aの他方端(
図7中、長手方向Aにおいて最も奥側)にある壁部31の上面(ブロック体21の上面21a)には、凹部31f(被係止部)が形成されている。凹部31fは、上方及び長手方向Aに沿ってブロック体21の外側に向かって開口されている。また、
図8及び
図9に示すように、この壁部31(
図8及び
図9中、長手方向Aにおいて最も手前側)の外側側面には、長手方向Aに突出する2つの突起31g,31hが形成されている。これら2つの突起31g,31hは、鉛直方向Cに沿って延在している。また、これら突起31g,31hは、2つのブロック体21,22が組み合わされたときに延在部31c,31dに挿入可能な幅に形成されている。
【0028】
また、複数の壁部31のうち、突起31eが形成された壁部31以外の壁部31の上端部には、2つの切り欠き31a,31bが形成されることで先端部31iが構成されている。
【0029】
4つの壁部32a~32dは、
図6~
図9に示すように、長手方向Aに沿って延在しており、幅方向Bの厚みが壁部31の長手方向Aの厚みとほぼ同じ厚みとなっている。壁部32aの側面32a1には、
図7及び
図9に示すように、長手方向Aの略中央部分に、切り欠き部32a2が形成されている。切り欠き部32a2は、側面32a1がブロック体21の下面21bから上面21aに至るまでの途中に亘って切り欠かれて形成されている。切り欠き部32a2は、幅方向Bに沿って深くなるに連れて長手方向Aに沿った幅が拡大して形成されている。
【0030】
壁部32cの側面32c1にも、長手方向Aの中央部分に、切り欠き部32c2が形成されている。切り欠き部32c2は、側面32c1がブロック体21の下面21bから上面21aに至るまでの途中に亘って切り欠かれて形成されている。切り欠き部32c2は、幅方向Bに沿って深くなるに連れて長手方向Aに沿った幅が拡大して形成されている。
【0031】
壁部32dの側面32d1には、
図6及び
図8に示すように、長手方向Aの略中央部分に、切り欠き部32d2及び突起部32d3が形成されている。切り欠き部32d2は、側面32d1がブロック体21の下面21bから上面21aに至るまでの途中に亘って切り欠かれて形成されている。切り欠き部32d2は、幅方向Bに沿って深くなるに連れて長手方向Aに沿った幅が拡大して形成されている。突起部32d3は、側面32d1において、ブロック体21の上面21aから下面21bに至るまでの途中に亘って外側に突出して形成されている。突起部32d3は、幅方向Bに突出するに連れて長手方向Aに沿った幅が拡大して形成されている。切り欠き部32d2及び突起部32d3は、鉛直方向Cから嵌合可能に形成されており、互いに嵌合した状態においては幅方向Bの移動が規制される。
【0032】
また、ブロック体21は、
図6及び
図7に示すように、複数の壁部31の上端部を繋ぐ4つの繋ぎ部33a~33dと、対応する壁部32a~32dの上端部に繋がった4つの繋ぎ部34a~34dと、長手方向Aの中央に配置された繋ぎ部35とを有している。繋ぎ部35は、孔半部10a1を構成するように半円弧状に湾曲して形成されており、ブロック体21の長手方向Aの一方側と他方側とを繋いでいる。
【0033】
各繋ぎ部33a~33d,34a~34dは、
図6及び
図7に示すように、長手方向Aに沿って延在している。また、各繋ぎ部33a~33dは、幅方向Bにおいて、各繋ぎ部34a~34dよりも対応する壁部32a~32dから離れて配置されている。ブロック体21の上面21aには、複数の壁部31、4つの繋ぎ部33a~33d、及び、4つの繋ぎ部34a~34dによって囲まれた、鉛直方向Cに貫通する複数の孔21a1が形成されている。これら孔21a1は、壁部31の先端部31iが嵌合可能に形成されている。
【0034】
また、ブロック体21の上面21aには、
図6及び
図7に示すように、凹部21a2が形成されている。凹部21a2は、壁部32dのブロック体21の長手方向Aの中心側の端部に配置されている。ブロック体21の下面21bには、
図8に示すように、凹部21b2が形成されている。凹部21b2は、壁部32bのブロック体21の長手方向Aの外側の端部に配置されている。これら2つの凹部21a2,21b2は、2つのブロック体21,22が組み合わされて1つのユニット11を構成するときに、互いに繋がって半円形状の凹部11a(
図3参照)を構成する。
【0035】
また、壁部32dのブロック体21の長手方向Aの中心側の端部には、鉛直方向Cに沿って切り欠かれた切り欠き32d4が形成されている。壁部32bのブロック体21の長手方向Aの外側の端部には、鉛直方向Cに沿って切り欠かれた切り欠き32b4が形成されている。これら2つの切り欠き32b4,32d4は、2つのブロック体21,22が組み合わされて1つのユニット11を構成するときに、互いに繋がって半円形状の切り欠き11b(
図3参照)を構成する。切り欠き11bは、後述の突出部21a3内の孔11cと繋がっている。
【0036】
また、ブロック体21の上面21aには、幅方向Bに沿って外側に突出する突出部21a3が形成されている。突出部21a3は、環状に形成されており、その内部に孔11cが形成されている。また、突出部21a3は、壁部32bのブロック体21の長手方向Aの外側の端部に配置されている。また、突出部21a3は、凹部11a内にちょうど配置可能な平面形状を有している。
【0037】
ブロック体22は、
図6に示すように、ブロック体21を長手方向Aの中心を通る幅方向Bに沿って延在する中心軸を回転軸として、180°回転させたものと同様である。このため、ブロック体22は、上下及び長手方向Aの位置関係がブロック体21と逆になるものの、当該ブロック体21と同様な構成を有している。なお、ブロック体22においては、ブロック体21と同様な構成を同符号で示し、詳細の説明を省略する。
【0038】
続いて、基礎パッキン10の組立方法について説明する。まず、一方のユニット11を組み立てるための2つのブロック体21,22と、他方のユニット12を組み立てるための2つのブロック体21,22を準備する。つまり、4つのブロック体21,22を準備する。
【0039】
次に、ユニット11を構成するための2つのブロック体21,22を
図6に示すように鉛直方向Cに対向して配置させる。つまり、ブロック体22(ブロック体21を長手方向Aの中心を通る幅方向Bに沿って延在する中心軸を回転軸として、180°回転させた状態と同じもの)を、
図6に示すブロック体21の鉛直方向Cの下方に対向して配置させる。そして、ブロック体21の複数の壁部31間にブロック体22の複数の壁部31が配置されるように、ブロック体22の複数の壁部31間にブロック体21の複数の壁部31が配置されるように、2つのブロック体21,22を鉛直方向Cに近づけて組み合わせる。こうして、ユニット11が組み合わされて構成される。これにより、一方のユニット11を構成する2つのブロック体21,22が長手方向Aにズレにくくなる。
【0040】
また、ブロック体21の壁部31間に配置されたブロック体22の壁部31は、ユニット11を構成する2つのブロック体21,22が幅方向Bに沿って互いに離れようとしても、ブロック体21の4つの壁部32a~32dのいずれかと当接する。ブロック体22の壁部31間に配置されたブロック体21の壁部31も、ユニット11を構成する2つのブロック体21,22が幅方向Bに沿って互いに離れようとすると、ブロック体22の4つの壁部32a~32dのいずれかと当接する。これにより、ユニット11を構成する2つのブロック体21,22が幅方向Bにズレにくくなる。
【0041】
また、このとき、ブロック体21の壁部31の先端部31iをブロック体22の孔21a1に嵌合させ、ブロック体22の壁部31の先端部31iをブロック体21の孔21a1に嵌合させる。これにより、ユニット11を構成する2つのブロック体21,22が水平方向により一層ズレにくくなる。
【0042】
また、このとき、ブロック体21の突起31eをブロック体22の凹部31fに係止させ、ブロック体22の突起31eをブロック体21の凹部31fに係止させる。これにより、ユニット11を構成する2つのブロック体21,22の鉛直方向Cの移動が互いに規制された状態となる。このため、ユニット11を構成する2つのブロック体21,22が鉛直方向Cに外れにくくなる。
【0043】
このように2つのブロック体21,22が組み合わされてなるユニット11は、鉛直方向Cの圧縮荷重を受けても、2つのブロック体21,22が水平方向にほとんどズレないため、効果的に受けることが可能となる。さらには、ユニット11が1つのブロックとして構成されているため、水平方向の荷重に対する強度も向上させることが可能となる。
【0044】
また、
図3及び
図4に示すように、ユニット11の幅方向Bの外側側面には、4つの切り欠き部32a2,32c2が形成されている。また、ユニット11の幅方向Bの内側側面には、2つの切り欠き部32d2と2つの突起部32d3が形成されている。
【0045】
次に、ユニット12を組み立てる。ユニット12とユニット11は同様な構成であるため、ユニット11と同様にして組み立てる。
図3及び
図4に示すように、ユニット12の幅方向Bの両側の側面には、ユニット11と同様に、4つの切り欠き部32a2,32c2と、2つの切り欠き部32d2及び2つの突起部32d3とが形成されている。なお、ユニット12もユニット11と同様な効果を得ることができる。
【0046】
そして、組み立てた2つのユニット11,12を、
図3に示すように幅方向Bに対向して配置する。つまり、ユニット11を水平面内において180°回転させた状態と同じ状態のユニット12を、ユニット11に対して幅方向Bに並べて配置する。ユニット11(第1ユニット)のブロック体21(一方のブロック体)の側面32d1には、突起部32d3及び切り欠き部32d2(第1切り欠き部)が形成されている。ユニット11のブロック体22(他方のブロック体)の側面32d1には、突起部32d3及び切り欠き部32d2(第2切り欠き部)が形成されている。ユニット12(第2ユニット)のブロック体21の側面32d1には、突起部32d3(第4突起部)及び切り欠き部32d2が形成されている。ユニット12のブロック体22の側面32d1には、突起部32d3(第3突起部)及び切り欠き部32d2が形成されている。
【0047】
この後、ユニット11の長手方向Aの一方側(
図3中奥側)の端部にある切り欠き部32d2(第1切り欠き部)及び突起部32d3がユニット12の長手方向Aの一方側の端部にある突起部32d3(第3突起部)及び切り欠き部32d2に下方から係合され、ユニット11の長手方向Aの他方側(
図3中手前側)の端部にある切り欠き部32d2(第2切り欠き部)及び突起部32d3がユニット12の長手方向Aの他方側の端部にある突起部32d3(第4突起部)及び切り欠き部32d2に上方から係合されるようにして、2つのユニット11,12を組み合わせる。これにより、2つのユニット11,12は、幅方向B及び鉛直方向Cにおける移動が互いに規制された状態で連結される。
【0048】
なお、ユニット11の各ブロック体21,22の側面32d1に形成された突起部32d3及び切り欠き部32d2の位置関係が上下逆であってもよい。また、ユニット12の各ブロック体21,22の側面32d1に形成された突起部32d3及び切り欠き部32d2の位置関係が上下逆であってもよい。この場合、ユニット11の長手方向Aの一方側の端部にある切り欠き部32d2及び突起部32d3(第1突起部)がユニット12の長手方向Aの一方側の端部にある突起部32d3及び切り欠き部32d2(第3切り欠き部)に下方から係合され、ユニット11の長手方向Aの他方側の端部にある切り欠き部32d2及び突起部32d3(第2突起部)がユニット12の長手方向Aの他方側の端部にある突起部32d3及び切り欠き部32d2(第4切り欠き部)に上方から係合されるようにして、2つのユニット11,12を組み合わせる。これにより、2つのユニット11,12は、幅方向B及び鉛直方向Cにおける移動が互いに規制された状態で連結される。
【0049】
また、このとき、ユニット11の上下面に形成された2つの凹部11aにユニット12の上下面に形成された突出部21a3が配置させ、ユニット12の上下面に形成された2つの凹部11aにユニット11の上下面に形成された突出部21a3が配置させる。これにより、ユニット11の各突出部21a3の孔11cとユニット12の各突出部21a3の孔11cとが鉛直方向Cに沿って連通する。このため、基礎パッキン10を貫通するように釘などの部材を孔11cに挿通させることで、2つのユニット11,12が幅方向Bに移動するのを効果的に規制することが可能となる。
【0050】
また、2つのユニット11,12が組み合わされることで、ユニット11の孔半部10a1とユニット12の孔半部10a1とが連結されて、2つのユニット11,12間に貫通孔10aが形成される。また、このとき、各ユニット11,12には、凹部11a、切り欠き11b、孔11cからなる2組の部分が長手方向Aにおいて孔半部10a1を挟む両側に形成されている。そして、2つのユニット11,12が組み合わされる際に、これら2組の部分も互いに組み合わされることで、2つのユニット11,12間であって、長手方向Aにおいて貫通孔10aを挟む位置に2つの貫通孔10bが形成される。こうして2つのユニット11,12からなる基礎パッキン10が構成される。
【0051】
以上に述べたように、本実施形態における基礎パッキン10によると、1つのユニット11,12が2つのブロック体21,22により構成され、基礎パッキン10が2つのユニット11,12が連結されて所望の幅サイズに構成される。基礎パッキン10を構成する2つのユニット11,12が幅方向B及び鉛直方向Cへの移動が互いに規制されて連結している。これにより、基礎パッキン10を構成するユニット12がユニット11に対して幅方向B及び鉛直方向Cに外れにくくなる。このため、所望の幅サイズに構成された基礎パッキン10を基礎1上に容易に配置することや、当該基礎パッキン10を土台2や壁材3(CLT)の下端に容易に取り付けることができ、その状態で基礎1上に載置することもできる。
【0052】
基礎パッキン10は、2つのユニット11,12間に形成された貫通孔10aを有している。これにより、2つのユニット11,12が連結されて構成された基礎パッキン10にボルト孔としての貫通孔10aが形成される。このため、基礎1上に基礎パッキン10を配置させるときに、基礎1に埋め込まれたアンカーボルト等の構造金物を固定するボルトを基礎パッキン10の貫通孔10aに挿通させることが可能となる。また、基礎パッキン10には、2つのユニット11、12が幅方向Bに連結された境界部分において、貫通孔10aを挟む位置に2つの貫通孔10bが形成されている。これら貫通孔10bは、基礎パッキン10を基礎1の天面、土台2の下面等に取り付けるときの釘穴として用いることができる。
【0053】
また、各ユニット11,12を構成する2つのブロック体21,22は、ブロック体21の突起31eをブロック体22の凹部31fに係止させ、ブロック体22の突起31eをブロック体21の凹部31fに係止させる。このため、各ユニット11を構成する2つのブロック体21,22の鉛直方向Cの移動が互いに規制された状態となる。したがって、各ユニット11,12を構成する2つのブロック体21,22が鉛直方向Cに外れにくくなる。そして、各ユニット11,12は2つのブロック体21,22が鉛直方向Cの移動が規制された状態で組み合わされて構成され、基礎パッキン10は複数のユニット11,12が連結されて所望の幅サイズに構成される。
【0054】
基礎パッキン10は、ユニット11のブロック体21の突起部32d3及び切り欠き部32d2がユニット12のブロック体22の突起部32d3及び切り欠き部32d2に下方から係合され、ユニット11のブロック体22の突起部32d3及び切り欠き部32d2がユニット12のブロック体21の突起部32d3及び切り欠き部32d2に上方から係合されて構成されている。これにより、隣接する2つのユニット11,12が幅方向B及び鉛直方向Cへの移動が互いに規制されて連結し、基礎パッキン10を構成するユニット12がユニット11に対して幅方向B及び鉛直方向Cに外れにくくなる。このため、所望の幅サイズに構成された基礎パッキン10を基礎1上に容易に配置することや、当該基礎パッキン10を土台2や壁材3の下端に容易に取り付けることができ、その状態で基礎1上に載置することもできる。
【0055】
第1変形例として、
図10に示すように、上述の2つのユニット11,12にさらに別のユニット13を連結し、上述の基礎パッキン10よりも幅広の基礎パッキン210を構成してもよい。本変形例におけるユニット13は、ユニット12と幅方向Bに連結されているが、ユニット11と幅方向Bに連結されていてもよい。基礎パッキン210は、ユニット13を有しているだけでそれ以外は上述の基礎パッキン10と同様であるため、ユニット13について説明し、それ以外は省略する。
【0056】
ユニット13は、
図11及び
図12に示すように、長手方向Aに長尺な直方体形状を有する。ユニット13は、ユニット11よりも幅方向Bの幅が小さい。本実施形態におけるユニット13の幅は、約30mmである。なお、ユニット13の厚み及び長さは、ユニット11と同様である。また、ユニット13の幅は、ユニット11よりも大きくてもよい。
【0057】
また、ユニット13の上面には、
図11及び
図12に示すように、6つの長溝17が形成されている。これら長溝17は、ユニット13において、幅方向Bの一端から他端まで幅方向Bに沿って延びて形成されている。また、これら長溝17は、ユニット13において、長手方向Aに互いに離隔して配置されている。なお、ユニット13は、後述のように同じ形状の2つのブロック体61,62から構成されている。つまり、ユニット13の下面にも上面と同様な6つの長溝17が形成されている。また、これら長溝17は、
図10に示すように、ユニット13をユニット12に連結し基礎パッキン210を組み立てた際には、ユニット12の長溝16とユニット13の長溝17とが幅方向Bに沿って直線状に繋がるように、ユニット13に形成されている。これにより、基礎パッキン210と接触する基礎1、土台2及び壁材3などの接触面から湿気を外部に逃がしやすくなる。
【0058】
ユニット13は、
図13に示すように、上側に配置されたブロック体61(一方のブロック体)と、下側に配置されたブロック体62(他方のブロック体)とを有している。これら2つのブロック体61,62が鉛直方向Cに連結されることで、1つのユニット13が構成されている。これら2つのブロック体61,62は、いずれも同じ形状を有している。つまり、ブロック体61は、
図13において、ブロック体62を長手方向Aの中心を通る幅方向Bに沿って延在する中心軸を回転軸として、180°回転させたものと同様なものである。このため、ブロック体61について詳細に説明する。また、ユニット13は、
図11、12、17に示すように、長手方向A及び幅方向Bの中央位置において、厚さ方向に貫通する貫通孔10cが形成されている。また、貫通孔10cと上述の貫通孔10aとは、長手方向Aにおいて同じ位置関係に位置している。この貫通孔10cも上述の貫通孔10bと同様に、釘穴として用いることができる。
【0059】
ブロック体61は、
図13~
図16に示すように、長手方向Aに配列された複数の壁部71と、これら壁部71を連結する4つの壁部72a~72dとを有している。壁部71は、幅方向Bに沿って延在し、長手方向Aに所定間隔で離隔して互いに平行に配置されている。これら壁部71の長手方向Aの厚みは、いずれもほぼ同じ厚みに形成されている。各壁部71の下端部には、長手方向Aに貫通する2つの切り欠き71a,71bが形成されている。切り欠き71aは、幅方向Bにおいて、切り欠き71bよりも壁部72a~72dから離れた位置に配置されている。
【0060】
図15及び
図16に示すように、複数の壁部71のうち、ブロック体61の長手方向Aの一方端(
図15及び
図16中、長手方向Aにおいて最も奥側)にある壁部71に形成された切り欠き71aは上端部近傍まで延在している。当該壁部71に形成された切り欠き71bは上端部近傍まで延在する延在部71cを有する。当該壁部71の切り欠き71aと延在部71cとによって挟まれた部分の下端部には、長手方向Aに沿ってブロック体61の内側に向かって突出する突起71e(係止部)が形成されている。
【0061】
また、
図14に示すように、複数の壁部71のうち、ブロック体61の長手方向Aの他方端(
図14中、長手方向Aにおいて最も奥側)にある壁部31の上面(ブロック体61の上面61a)には、凹部71f(被係止部)が形成されている。凹部71fは、上方及び長手方向Aに沿ってブロック体61の外側に向かって開口されている。また、
図15及び
図16に示すように、この壁部71(
図15及び
図16中、長手方向Aにおいて最も手前側)の外側側面には、長手方向Aに突出する突起71gが形成されている。これら突起71gは、鉛直方向Cに沿って延在している。また、突起71gは、2つのブロック体61,62が組み合わされたときに延在部71cに挿入可能な幅に形成されている。
【0062】
また、複数の壁部71のうち、突起71eが形成された壁部71以外の壁部71の上端部には、2つの切り欠き71a,71bが形成されることで先端部71iが構成されている。
【0063】
4つの壁部72a~72dは、
図13~
図16に示すように、長手方向Aに沿って延在しており、幅方向Bの厚みが壁部71の長手方向Aの厚みとほぼ同じ厚みとなっている。壁部72aの側面72a1には、
図14及び
図16に示すように、長手方向Aの略中央部分に、突起部72a2が形成されている。突起部72a2は、側面72a1がブロック体61の上面61aから下面61bに至るまでの途中に亘って突出して形成されている。突起部72a2は、幅方向Bに突出するに連れて長手方向Aに沿った幅が拡大して形成されている。また、突起部72a2は、上述の切り欠き部32a2に対して鉛直方向Cから嵌合可能に形成されており、互いに嵌合した状態においては幅方向Bの移動が規制される。
【0064】
壁部72bの側面72b1には、
図13及び
図15に示すように、長手方向Aの略中央部分に、切り欠き部72b2が形成されている。切り欠き部72b2は、側面72b1がブロック体61の下面61bから上面61aに至るまでの途中に亘って切り欠かれて形成されている。切り欠き部72b2は、幅方向Bに沿って深くなるに連れて長手方向Aに沿った幅が拡大して形成されている。なお、切り欠き部72b2は切り欠き部32c2と同様な形状を有している。
【0065】
壁部72cの側面72c1にも、長手方向Aの中央部分に、突起部72c2が形成されている。突起部72c2は、側面72c1がブロック体61の上面61aから下面61bに至るまでの途中に亘って突出して形成されている。突起部72c2は、幅方向Bに突出するに連れて長手方向Aに沿った幅が拡大して形成されている。また、切り欠き部32c2及び突起部72c2は、鉛直方向Cから嵌合可能に形成されており、互いに嵌合した状態においては幅方向Bの移動が規制される。
【0066】
壁部72dの側面72d1には、
図13及び
図15に示すように、長手方向Aの略中央部分に、切り欠き部72d2が形成されている。切り欠き部72d2は、側面72d1がブロック体61の下面61bから上面61aに至るまでの途中に亘って切り欠かれて形成されている。切り欠き部72d2は、幅方向Bに沿って深くなるに連れて長手方向Aに沿った幅が拡大して形成されている。なお、切り欠き部72d2は切り欠き部32a2と同様な形状を有している。
【0067】
また、ブロック体61は、
図13及び
図14に示すように、複数の壁部31の上端部を繋ぐ4つの繋ぎ部73a~73dと、対応する壁部72a~72dの上端部に繋がった4つの繋ぎ部74a~74dとを有している。
【0068】
各繋ぎ部73a~73d,74a~74dは、
図13及び
図14に示すように、長手方向Aに沿って延在している。また、各繋ぎ部73a~73dは、幅方向Bにおいて、各繋ぎ部74a~74dよりも対応する壁部72a~72dから離れて配置されている。ブロック体61の上面61aには、複数の壁部71、4つの繋ぎ部73a~73d、及び、4つの繋ぎ部74a~74dによって囲まれた、鉛直方向Cに貫通する複数の孔61a1が形成されている。これら孔61a1は、壁部71の先端部71iが嵌合可能に形成されている。
【0069】
ブロック体62は、
図13に示すように、ブロック体61を長手方向Aの中心を通る幅方向Bに沿って延在する中心軸を回転軸として、180°回転させたものと同様である。このため、ブロック体62は、上下及び長手方向Aの位置関係がブロック体61と逆になるものの、当該ブロック体61と同様な構成を有している。なお、ブロック体62においては、ブロック体61と同様な構成を同符号で示し、詳細の説明を省略する。
【0070】
続いて、基礎パッキン210の組立方法について説明する。まず、上述した基礎パッキン10と、ユニット13を組み立てるための2つのブロック体61,62を準備する。なお、基礎パッキン10は、上述のようにして組み立てる。
【0071】
基礎パッキン10のユニット12にブロック体61を連結する。つまり、ユニット12のブロック体22の2つの切り欠き部32a2,32c2が、ブロック体61の2つの突起部72a2,72c2に上方から係合され、ブロック体61がユニット12の幅方向Bに連結される。
【0072】
次に、ブロック体62を、
図13に示すように、ユニット12に連結されたブロック体61に対して下方から対向するように配置させる。つまり、ブロック体62(ブロック体61を長手方向Aの中心を通る幅方向Bに沿って延在する中心軸を回転軸として、180°回転させた状態と同じもの)を、
図13に示すブロック体61の鉛直方向Cの下方に対向して配置させる。そして、ブロック体61の複数の壁部71間にブロック体62の複数の壁部71が配置されるように、ブロック体62の複数の壁部71間にブロック体61の複数の壁部71が配置されるように、2つのブロック体61,62を鉛直方向Cに近づけて組み合わせる。こうして、ユニット13が組み合わされて構成される。これにより、ユニット13を構成する2つのブロック体61,62が長手方向Aにズレにくくなる。
【0073】
また、ブロック体61の壁部71間に配置されたブロック体62の壁部71は、ユニット13を構成する2つのブロック体61,62が幅方向Bに沿って互いに離れようとしても、ブロック体61の4つの壁部72a~72dのいずれかと当接する。ブロック体62の壁部71間に配置されたブロック体61の壁部71も、ユニット13を構成する2つのブロック体61,62が幅方向Bに沿って互いに離れようとすると、ブロック体62の4つの壁部72a~72dのいずれかと当接する。これにより、ユニット13を構成する2つのブロック体61,62が幅方向Bにズレにくくなる。
【0074】
また、このとき、ブロック体61の壁部71の先端部71iをブロック体62の孔61a1に嵌合させ、ブロック体62の壁部71の先端部71iをブロック体61の孔61a1に嵌合させる。これにより、ユニット13を構成する2つのブロック体61,62が水平方向により一層ズレにくくなる。
【0075】
また、このとき、ブロック体61の突起71eをブロック体62の凹部71fに係止させ、ブロック体62の突起71eをブロック体61の凹部71fに係止させる。これにより、ユニット13を構成する2つのブロック体61,62の鉛直方向Cの移動が互いに規制された状態となる。このため、ユニット13を構成する2つのブロック体61,62が鉛直方向Cに外れにくくなる。
【0076】
このように2つのブロック体61,62が組み合わされてなるユニット13は、鉛直方向Cの圧縮荷重を受けても、2つのブロック体61,62が水平方向にほとんどズレないため、効果的に受けることが可能となる。さらには、ユニット13が1つのブロックとして構成されているため、水平方向の荷重に対する強度も向上させることが可能となる。
【0077】
また、このとき、ユニット12のブロック体21の2つの切り欠き部32a2,32c2にブロック体62の2つの突起部72a2,72c2を下方から係合させる。これにより、ブロック体62がユニット12の幅方向Bに連結される。こうして、ユニット12に連結されたユニット13は、ユニット12に対して幅方向B及び鉛直方向Cにおける移動が規制された状態となる。こうして3つのユニット11~13からなる基礎パッキン210が構成される。
【0078】
以上に述べたように、本変形例における基礎パッキン210においても、上述の基礎パッキン10と同様な構成においては、同じ効果を得ることができる。
【0079】
第2変形例として、
図17に示すように、上述の3つのユニット11~13にさらに別のユニット14を連結し、上述の基礎パッキン210よりも幅広の基礎パッキン310を構成してもよい。本変形例におけるユニット14は、ユニット13と同様の構成を有しており、当該ユニット13を水平面内において180°回転させた状態と同じものである。つまり、ユニット14も、2つのブロック体61,62が鉛直方向Cに組み合わされて構成されている。また、ユニット14にもユニット13と同様に中央部に厚さ方向に貫通する貫通孔10cが形成されている。
【0080】
基礎パッキン310は、上述したように連結された3つのユニット11~13のユニット11に、ユニット14が連結されることで構成される。つまり、ユニット11に対して、まず、ブロック体61を連結させる。そして、当該ブロック体61に対してブロック体62を下方から連結させる。なお、ユニット11に対するユニット14の連結方法と、ユニット12に対するユニット13の連結方法は同様である。このため、詳細については省略する。こうして、基礎パッキン310が組み立てられる。
【0081】
また、ユニット14をユニット11に連結し基礎パッキン210よりも幅広の基礎パッキン310を組み立てた際には、
図17に示すように、ユニット11の長溝16とユニット14の長溝17とが同様に繋がる。これにおいても、基礎パッキン310と接触する基礎1、土台2及び壁材3などの接触面から湿気を外部に逃がしやすくなる。
【0082】
以上に述べたように、本変形例における基礎パッキン310においても、上述の基礎パッキン10,210と同様な構成においては、同じ効果を得ることができる。なお、基礎パッキン210を構成する3つのユニット11~13のユニット13に対して、ユニット14を幅方向Bに連結して、基礎パッキン210よりも幅広の基礎パッキンを構成してもよい。これにおいても上述と同様な効果を得ることができる。
【0083】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態及び各変形例における基礎パッキン10,210,310において、長手方向Aの中央に貫通孔10aが形成されているが、当該貫通孔は形成されていなくてもよい。また、基礎パッキンの平面形状が長方形平面形状以外(例えば、正方形など)の形状を有していてもよい。
【符号の説明】
【0084】
10,210,310 基礎パッキン
10a 貫通孔(ボルト孔)
10b 貫通孔
11 ユニット(第1ユニット)
12 ユニット(第2ユニット)
13 ユニット
14 ユニット
21,61 ブロック体(一方のブロック体)
22,62 ブロック体(他方のブロック体)
31,71 壁部
31e,71e 突起(係止部)
31f,71f 凹部(被係止部)
32d1 側面
32d2 切り欠き部(第1~第4切り欠き部)
32d3 突起部(第1~第4突起部)