IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタホーム株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電力管理システム 図1
  • 特開-電力管理システム 図2
  • 特開-電力管理システム 図3
  • 特開-電力管理システム 図4
  • 特開-電力管理システム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076287
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】電力管理システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20240529BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240529BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20240529BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240529BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20240529BHJP
   B60L 55/00 20190101ALI20240529BHJP
【FI】
G01C21/34
B60L3/00 S
B60L15/20 J
B60L50/60
B60L53/14
B60L55/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187800
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村松 奈美
【テーマコード(参考)】
2F129
5H125
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC16
2F129DD46
2F129DD47
2F129DD49
2F129DD64
2F129EE52
2F129FF02
2F129FF32
2F129FF60
2F129FF63
2F129HH12
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC21
5H125BC24
5H125BE01
5H125CA18
5H125CC04
5H125CD02
5H125EE27
5H125EE51
(57)【要約】
【課題】建物側の電力の供給状態に応じて蓄電部を備えた車両の走行経路を設定することができる電力管理システムを得る。
【解決手段】電力管理システム10は、走行経路設定部68を備えており、この走行経路設定部68は、所定時間における蓄電装置22の貯留電力の建物消費電力による減少率が所定の減少率よりも小さい場合には、走行距離が短い走行経路を設定する。一方、上記減少率が所定の減少率以上の場合には、走行経路設定部68は、走行消費電力が小さい走行経路を設定する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、建物に対して電力を供給可能な蓄電部と、
前記建物に対して設置され、当該建物側から前記蓄電部への電力の供給及び当該蓄電部から当該建物側への電力の供給が可能な充放電装置と、
前記建物内で所定時間内に消費される建物消費電力を推定可能な建物消費電力推定部と、
前記建物内に配置された蓄電装置の貯留電力量を取得可能な建物電力量取得部と、
標高情報を含む地図情報を取得可能な地図情報取得部と、
前記地図情報に基づいて前記建物までの前記車両の走行経路を設定可能な走行経路設定部と、
前記地図情報に基づいて前記車両が前記走行経路を走行することで消費される走行消費電力を推定可能な走行消費電力推定部と、
を備え、
前記走行経路設定部は、前記所定時間において前記蓄電装置における貯留電力の前記建物消費電力による減少率が所定の減少率よりも小さい場合には走行距離が短い前記走行経路を設定し、当該減少率が当該所定の減少率以上の場合には前記走行消費電力が小さい当該走行経路を設定する、
電力管理システム。
【請求項2】
車両に搭載され、建物に対して電力を供給可能な蓄電部と、
前記建物に対して設置され、当該建物側から前記蓄電部への電力の供給及び当該蓄電部から当該建物側への電力の供給が可能な充放電装置と、
前記建物内で所定時間内に消費される建物消費電力を推定可能な建物消費電力推定部と、
前記建物内に配置された蓄電装置の貯留電力量を取得可能な建物電力量取得部と、
標高情報を含む地図情報を取得可能な地図情報取得部と、
前記地図情報に基づいて前記建物までの前記車両の走行経路を設定可能な走行経路設定部と、
前記地図情報に基づいて前記車両が前記走行経路を走行することで消費される走行消費電力を推定可能な走行消費電力推定部と、
を備え、
前記走行経路設定部は、前記所定時間において前記蓄電装置における貯留電力の前記建物消費電力による減少率が所定の減少率以上の場合には走行距離が短い前記走行経路を設定し、当該減少率が当該所定の減少率よりも小さい場合には前記走行消費電力が小さい当該走行経路を設定する、
電力管理システム。
【請求項3】
前記走行経路設定部は、所定の前記走行経路と当該走行経路における前記走行消費電力とが関連付けられた走行経路消費電力情報を記憶可能とされている、
請求項1又は請求項2に記載の電力管理システム。
【請求項4】
前記走行経路設定部を備えたサーバと、
前記車両に搭載されると共に前記サーバと通信可能とされ、当該サーバから走行経路消費電力情報を取得可能な車両制御装置と、
を備えている、
請求項3に記載の電力管理システム。
【請求項5】
前記車両制御装置は、前記建物電力量取得部と通信することで当該建物電力量取得部から前記貯留電力量を取得可能とされ、当該貯留電力量が所定の値以下の場合に前記車両に搭載された報知部を作動させる、
請求項4に記載の電力管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、情報処理装置に関する発明が開示されている。この情報処理装置では、単位区間の距離、単位区間の勾配及び単位区間の走行実績速度を用いて、単位区間毎に、車両を走行させるためのエネルギー量の推定値である走行エネルギー量を算出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-196295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両が建物側に電力を供給可能な蓄電部を備えている場合、建物側で電力が不足しているときには、車両の蓄電部に蓄えられた電力を建物側で利用することが考えられ、建物側で電力が余っている場合には、建物側の余剰電力で車両の蓄電部を充電することが考えられる。
【0005】
そして、建物側で電力が不足している状態において、車両が建物から離れた位置にあるとき、車両の蓄電部の電力を可能な限り抑制することが好ましい場合や車両の蓄電部の電力を可能な限り早く建物側に供給することが好ましい場合がある。つまり、車両の走行経路を、建物側の電力の供給状態、車両が走行経路を走るのに必要な電力や走行経路の距離に応じて設定できることが好ましい。
【0006】
この点、上記特許文献1に記載の先行技術では、建物側の電力の供給状態を把握することができないため、建物側の電力の供給状態に応じて蓄電部を備えた車両の走行経路を設定するという点においては改善の余地がある。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、建物側の電力の供給状態に応じて蓄電部を備えた車両の走行経路を設定することができる電力管理システムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様に係る電力管理システムは、車両に搭載され、建物に対して電力を供給可能な蓄電部と、前記建物に対して設置され、当該建物側から前記蓄電部への電力の供給及び当該蓄電部から当該建物側への電力の供給が可能な充放電装置と、前記建物内で所定時間内に消費される建物消費電力を推定可能な建物消費電力推定部と、前記建物内に配置された蓄電装置の貯留電力量を取得可能な建物電力量取得部と、標高情報を含む地図情報を取得可能な地図情報取得部と、前記地図情報に基づいて前記建物までの前記車両の走行経路を設定可能な走行経路設定部と、前記地図情報に基づいて前記車両が前記走行経路を走行することで消費される走行消費電力を推定可能な走行消費電力推定部と、を備え、前記走行経路設定部は、前記所定時間において前記蓄電装置における貯留電力の前記建物消費電力による減少率が所定の減少率よりも小さい場合には走行距離が短い前記走行経路を設定し、当該減少率が当該所定の減少率以上の場合には前記走行消費電力が小さい当該走行経路を設定する。
【0009】
第1の態様に係る電力管理システムでは、建物に対して電力を供給可能な蓄電部が、車両に搭載されている。また、建物に対して充放電装置が設置されており、この充放電装置によって、建物側から蓄電部への電力の供給及び当該蓄電部から当該建物側への電力の供給を行うことができる。
【0010】
このため、本態様では、建物側で生じた余剰電力で車両の蓄電部を充電することができる。また、建物側で電力が不足している場合には、蓄電部に蓄えられた電力を建物側に供給することができる。
【0011】
ところで、建物側で電力が不足している状態において、車両が建物から離れた位置にあるとき、車両の蓄電部の電力を可能な限り抑制することが好ましい場合がある。例えば、建物側の電力が車両の蓄電部を充電するのに不十分であるとき、蓄電部に蓄えられた電力が可能な限り消費されないことが好ましい。
【0012】
ここで、本態様では、建物消費電力推定部によって建物内で所定時間内に消費される建物消費電力が推定されると共に、建物電力量取得部によって建物内に配置された蓄電装置の貯留電力量を取得することができる。
【0013】
また、本態様では、地図情報取得部で標高情報を含む地図情報が取得されると共に、この地図情報に基づいて建物までの車両の走行経路が走行経路設定部で設定される。
【0014】
さらに、本態様では、走行消費電力推定部が、車両が走行経路設定部で設定された走行経路を走行することで消費される走行消費電力を地図情報取得部で取得された地図情報に基づいて推定する。
【0015】
そして、本態様では、走行経路設定部は、所定時間における蓄電装置の貯留電力の建物消費電力による減少率が所定の減少率よりも小さい場合には、走行距離が短い走行経路を設定する。一方、上記減少率が所定の減少率以上の場合には、走行経路設定部は、走行消費電力が小さい走行経路を設定する。
【0016】
このため、本態様では、上記減少率が所定の減少率よりも小さい場合、すなわち建物側で電力が不足する可能性が低い場合において、走行経路設定部が、走行距離が短い走行経路を設定することで、車両の乗員が建物に到着するまでの時間を短くすることができる。
【0017】
一方、上記減少率が所定の減少率以上の場合、すなわち建物側で電力が不足する可能性が高い場合において、走行経路設定部が、走行消費電力が小さい走行経路を設定することで、車両の蓄電部に蓄えられた電力が消費されることを抑制することができる。
【0018】
第2の態様に係る電力供給システムは、車両に搭載され、建物に対して電力を供給可能な蓄電部と、前記建物に対して設置され、当該建物側から前記蓄電部への電力の供給及び当該蓄電部から当該建物側への電力の供給が可能な充放電装置と、前記建物内で所定時間内に消費される建物消費電力を推定可能な建物消費電力推定部と、前記建物内に配置された蓄電装置の貯留電力量を取得可能な建物電力量取得部と、標高情報を含む地図情報を取得可能な地図情報取得部と、前記地図情報に基づいて前記建物までの前記車両の走行経路を設定可能な走行経路設定部と、前記地図情報に基づいて前記車両が前記走行経路を走行することで消費される走行消費電力を推定可能な走行消費電力推定部と、を備え、前記走行経路設定部は、前記所定時間において前記蓄電装置における貯留電力の前記建物消費電力による減少率が所定の減少率以上の場合には走行距離が短い前記走行経路を設定し、当該減少率が当該所定の減少率よりも小さい場合には前記走行消費電力が小さい当該走行経路を設定する。
【0019】
第2の態様に係る電力管理システムは、第1の態様に係る電力管理システムと同様に、車両に搭載された蓄電部と、建物に対して配置された充放電装置と、建物消費電力推定部と、建物電力量取得部と、地図情報取得部と、走行経路設定部と、走行消費電力推定部とを備えている。
【0020】
ところで、建物側で電力が不足している状態において、車両が建物から離れた位置にあるとき、車両の蓄電部の電力を可能な限り早く建物側に供給することが好ましい場合がある。例えば、建物内で消費される建物消費電力が、建物内に配置された蓄電装置で賄えなえなくなることが予測される状態では、蓄電部の電力を可能な限り早く建物側に供給できることが好ましい。
【0021】
ここで、本態様では、走行経路設定部は、所定時間における蓄電装置の貯留電力の建物消費電力による減少率が所定の減少率以上の場合には、走行距離が短い走行経路を設定する。一方、上記減少率が所定の減少率よりも小さい場合には、走行経路設定部は、走行消費電力が小さい走行経路を設定する。
【0022】
このため、本態様では、上記減少率が所定の減少率以上の場合、すなわち建物側で電力が不足する可能性が高い場合において、走行経路設定部が、走行距離が短い走行経路を設定することで、車両の蓄電部の電力が建物側に供給されるまでの時間を短くすることができる。
【0023】
一方、上記減少率が所定の減少率よりも小さい場合、すなわち建物側で電力が不足する可能性が低い場合において、走行経路設定部が、走行消費電力が小さい走行経路を設定することで、車両の蓄電部に蓄えられた電力が消費されることを抑制することができる。
【0024】
第3の態様に係る電力管理システムは、第1の態様又は第2の態様に係る電力管理システムにおいて、前記走行経路設定部は、所定の前記走行経路と当該走行経路における前記走行消費電力とが関連付けられた走行経路消費電力情報を記憶可能とされている。
【0025】
第3の態様に係る電力管理システムでは、走行経路設定部に所定の走行経路とこの走行経路における走行消費電力とが関連付けられた走行経路消費電力情報が記憶されている。このため、走行消費電力推定部で走行消費電力の推定を行うことなく、所定の走行経路の走行消費電力量を取得することが可能となる。
【0026】
第4の態様に係る電力供給システムは、第3の態様に係る電力管理システムにおいて、前記走行経路設定部を備えたサーバと、前記車両に搭載されると共に前記サーバと通信可能とされ、当該サーバから走行経路消費電力情報を取得可能な車両制御装置と、を備えている。
【0027】
第4の態様に係る電力管理システムでは、サーバが走行経路設定部を備えると共に、このサーバは、車両に搭載された車両制御装置と通信可能とされている。そして、車両制御装置は、サーバから走行経路消費電力情報を取得することができる。このため、本態様では、複数の車両間において走行経路消費電力情報を共有することができる。
【0028】
第5の態様に係る電力供給システムは、第3の態様に係る電力管理システムにおいて、前記車両制御装置は、前記建物電力量取得部と通信することで当該建物電力量取得部から前記貯留電力量を取得可能とされ、当該貯留電力量が所定の値以下の場合に前記車両に搭載された報知部を作動させる。
【0029】
第5の態様に係る電力管理システムでは、車両制御装置が、建物電力量取得部と通信可能とされており、建物電力量取得部から貯留電力量を取得することができる。そして、貯留電力量が所定の値以下の場合には、車両制御装置が車両に搭載された報知部を作動させる。このため、本態様では、車両の乗員が建物側の電力不足を把握することができる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本発明に係る電力管理システムは、建物側の電力の供給状態に応じて蓄電部を備えた車両の走行経路を設定することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本実施形態に係る電力管理システムの構成を模式的に示す概略図である。
図2】本実施形態に係る電力管理システムにおいて建物の制御装置のハードウェア構成並びにその周辺機器との関係を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る電力管理システムにおいて車両制御装置のハードウェア構成並びにその周辺機器との関係を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る電力管理システムにおいてデータサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係る電力管理システムの機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図1図5を用いて、本発明に係る電力管理システムの実施形態の一例について説明する。図1に示されるように、本実施形態に係る「電力管理システム10」は、「建物12」に配置された各種機器と、建物12の敷地内に駐車された車両としての「電気自動車14」に搭載された各種機器と、サーバとしての「データサーバ16」とを含んで構成されている。
【0033】
具体的には、建物12側の電力管理システム10の一部を構成する機器としては、建物12に設置された太陽光発電装置18、分電装置20、「蓄電装置22」、建物12の近傍に配置された「充放電装置24」並びに電気自動車14に搭載された蓄電部としての「バッテリパック26」が挙げられる。
【0034】
太陽光発電装置18は、建物12の屋根面に設置されると共に、太陽光が照射されることで発電可能とされている。そして、太陽光発電装置18で発電された電力は、分電装置20を介して、蓄電装置22、バッテリパック26及び建物12内の複数の負荷30に供給されるようになっている。なお、負荷30としては、種々の家電機器等が挙げられる。
【0035】
分電装置20は、図2にも示されるように、制御装置32、計測部34、切替部36、電力変換部38及び分電盤40を備えている。
【0036】
制御装置32は、CPU(Central Processing Unit)32A、ROM(Read Only Memory)32B、RAM(Random Access Memory)32C、ストレージ32D、通信I/F(Inter Face)32E及び入出力I/F32Fを含んで構成されている。そして、CPU32A、ROM32B、RAM32C、ストレージ32D、通信I/F32E及び入出力I/F32Fは、バス32Gを介して相互に通信可能に接続されている。
【0037】
CPU32Aは、中央演算処理ユニットとされており、各種プログラムの実行によって各種機器を制御し、建物12内における電力に関する制御を行っている。具体的には、CPU32Aは、ROM32Bからプログラムを読み出し、RAM32Cを作業領域としてプログラムを実行可能とされている。そして、ROM32Bに記憶された実行プログラムが、CPU32Aで読み出されて実行されることで、制御装置32は、後述するように、種々の機能を発揮することが可能となっている。
【0038】
ストレージ32Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)を含んで構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム及び各種データが記憶されている。また、ストレージ32Dには、後述する建物12の建物消費電力予測モデル及び計測部34による計測結果が記憶されるようになっている。
【0039】
通信I/F32Eは、制御装置32とネットワークNとの接続に用いられるインターフェースとされており、データサーバ16等と通信することが可能とされている。このインターフェースには、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格が用いられる。また、通信I/F32Eは、無線装置を備えていてもよい。
【0040】
入出力I/F32Fは、制御装置32が、計測部34、切替部36及び電力変換部38と通信するためのインターフェースとされている。
【0041】
計測部34は、図示しない検電器等を含んで構成されており、太陽光発電装置18で発電された電力、分電盤40を介して複数の負荷30で消費される電力及び蓄電装置22に蓄積されている電力を計測し、これらの計測結果を計測信号として制御装置32に送信可能とされている。
【0042】
切替部36は、図示しない複数のリレーを含んで構成されており、制御装置32による制御に基づいて、太陽光発電装置18と分電盤40との接続状態、太陽光発電装置18と蓄電装置22との接続状態、太陽光発電装置18と充放電装置24との接続状態、蓄電装置22と分電盤40との接続状態並びに充放電装置24と分電盤40との接続状態を切り替え可能とされている。
【0043】
電力変換部38は、太陽光発電装置18から供給された直流電力を蓄電装置22に供給可能な直流電力に変換可能な図示しないDC/DCコンバータと、太陽光発電装置18から供給された直流電力を充放電装置24に供給可能な直流電力に変換可能な図示しないDC/DCコンバータと、太陽光発電装置18や蓄電装置22から供給された直流電力を負荷30に供給可能な交流電力に変換可能な図示しないインバータとを備えている。
【0044】
分電盤40は、複数の負荷30と電力変換部38との間に介在しており、太陽光発電装置18から供給された電力は、分電盤40を介して各負荷30に供給されるようになっている。なお、分電盤40には、図示しない送電施設からも電力が供給されるようになっている。
【0045】
蓄電装置22は、図示しない複数のバッテリモジュールを含んで構成されており、切替部36及び電力変換部38を介して太陽光発電装置18から供給された電力を蓄積可能とされている。また、蓄電装置22に蓄積された電力は、太陽光発電装置18が発電できない状態において、電力変換部38及び分電盤40を介して各負荷30に供給されるようになっている。
【0046】
充放電装置24は、制御装置42と、電力変換部44とを備えている。そして、制御装置42は、電気自動車14のバッテリパック26の充電時において、電力変換部44の図示しないDC/DCコンバータを制御して、分電装置20から供給された直流電力をバッテリパック26に供給可能な直流電力に変換可能とされている。
【0047】
また、制御装置42は、バッテリパック26から分電装置20への電力の供給時において、電力変換部44のDC/DCコンバータを制御して、バッテリパック26から供給された直流電力を分電装置20に供給可能な直流電力に変換可能とされている。
【0048】
次に、図5を用いて、制御装置32の機能構成について説明する。制御装置32は、CPU32AがROM32Bに記憶された実行プログラムを読み出し、これを実行することによって、通信部46、「建物電力量取得部48」、「建物消費電力推定部50」及び充放電切替部52の集合体として機能する。
【0049】
通信部46は、ネットワークNを介して各種機器と通信可能とされており、図1にも示されるように、データサーバ16及び電気自動車14の「車両制御装置54」と種々の情報を送受信可能とされている。
【0050】
建物電力量取得部48は、計測部34から送信される計測信号に基づいて蓄電装置22に蓄積されている貯留電力量を取得可能とされている。そして、この貯留電力量に基づく貯留電力信号が、通信部46を介してデータサーバ16に送信されるようになっている。
【0051】
また、建物電力量取得部48は、計測部34による計測結果に基づき、建物12における1時間毎の消費電力情報を記憶している。さらに、建物電力量取得部48は、蓄電装置22に蓄積されている貯留電力量が所定の値以下であるときに、通信部46を介して車両制御装置54に、蓄電装置22に蓄積されている貯留電力量が所定の値以下であることを示す警報信号を送信するようになっている。
【0052】
建物消費電力推定部50は、建物電力量取得部48で取得された消費電力情報、図示しない温度計で計測された気温、曜日及び時刻等が関連付けられたデータで予め学習された建物消費電力予測モデルを備えている。そして、建物消費電力推定部50は、例えば、建物消費電力予測モデルに現在の日時、気温及び貯留電力量等を入力することで、建物12内で所定時間内に消費される建物消費電力を推定することが可能となっている。そして、建物消費電力推定部50は、上記のように推定された建物消費電力の量に基づく消費電力信号を、通信部46を介してデータサーバ16に送信するようになっている。
【0053】
充放電切替部52は、計測信号に基づいて、太陽光発電装置18で発電された電力量と複数の負荷30で消費される電力量とを比較するようになっている。そして、充放電切替部52が、太陽光発電装置18で発電された電力が、複数の負荷30で消費される電力よりも大きいと判定した場合、充放電切替部52は、切替部36を制御することで、余剰電力を蓄電装置22又は充放電装置24に供給するようになっている。
【0054】
詳しくは、充放電切替部52は、太陽光発電装置18と蓄電装置22とが接続されている第1状態と、太陽光発電装置18と充放電装置24とが接続されている第2接続状態とを切り替えることが可能とされている。
【0055】
そして、充放電切替部52は、計測部34から送信された計測信号に基づいて蓄電装置22が満充電ではないと判定した場合に、切替部36を制御することで上記第1状態に切り替えるようになっている。
【0056】
また、充放電切替部52が、計測信号に基づいて蓄電装置22が満充電であると判定した場合には、充放電切替部52は、切替部36を制御することで上記第2状態に切り替えるようになっている。
【0057】
一方、充放電切替部52が、計測信号に基づいて、太陽光発電装置18で発電された電力が、複数の負荷30で消費される電力よりも小さいと判定した場合、充放電切替部52は、切替部36を制御することで、蓄電装置22に蓄えられた電力又はバッテリパック26に蓄えられた電力を負荷30に対して供給させるようになっている。なお、本実施形態において、充放電切替部52は、蓄電装置22から負荷30への電力の供給よりも、バッテリパック26から負荷30への電力の供給を優先するようになっている。
【0058】
図1に戻り、電気自動車14は、モータ等を含んで構成された図示しないパワーユニットを備えており、このパワーユニットは、バッテリパック26から供給された電力で駆動するようになっている。また、電気自動車14には、車両制御装置54が搭載されている。
【0059】
バッテリパック26は、図示しない複数のバッテリモジュールを含んで構成されており、その容量は蓄電装置22の容量よりも大きい。そして、このバッテリパック26は、電気自動車14に設けられた図示しない接続部及びこの接続部にケーブル24Aを介して充放電装置24と電気的に接続されることで、建物12側との電力の受け渡しが可能とされている。
【0060】
一方、車両制御装置54は、図3に示されるように、CPU54A、ROM54B、RAM54C、ストレージ54D、通信I/F54E及び入出力I/F54Fを含んで構成されている。また、CPU54A、ROM54B、RAM54C、ストレージ54D、通信I/F54E及び入出力I/F54Fは、バス54Gを介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU54A、ROM54B、RAM54C、ストレージ54D、通信I/F54E及び入出力I/F54Fは、上述した制御装置32を構成しているものと基本的に同様の機能を備えている。そして、ROM54Bに記憶された実行プログラムが、CPU54Aで読み出されて実行されることで、車両制御装置54は、種々の機能を発揮することが可能となっている。
【0061】
詳しくは、CPU54Aは、ROM54Bからバッテリパック26の充放電及び後述する報知部としての「表示装置58」の制御に係る各種プログラムを読み出し、RAM54Cを作業領域として当該プログラムを実行可能とされている。
【0062】
また、通信I/F54Eは、車両制御装置54とネットワークNとの接続に用いられるインターフェースとされており、データサーバ16及び制御装置32等と通信することが可能とされている。そして、通信I/F54Eが受信した各種情報は、ストレージ54Dに記憶されるようになっている。
【0063】
入出力I/F54Fは、車両制御装置54が電気自動車14に搭載された各装置と通信するためのインターフェースとされている。そして、車両制御装置54は、入出力I/F54Fを介して後述する各装置に相互に通信可能に接続されている。
【0064】
車両制御装置54に接続される装置には、上述したバッテリパック26の図示しない制御装置、GPS(Global Positioning System)装置56及び表示装置58が挙げられる。
【0065】
バッテリパック26の制御装置は、バッテリパック26の貯留電力量情報を取得して、この貯留電力量情報に基づく電力残量信号を所定時間毎に車両制御装置54に送信可能とされている。
【0066】
GPS装置56は、図示しないGPS衛星からの信号を受信する図示しないアンテナを備えており、電気自動車14の現在位置を測定可能とされている。そして、GPS装置56で測定された電気自動車14の位置情報は、ストレージ54Dに一時的に記憶されるようになっている。
【0067】
表示装置58は、車両制御装置54による制御に基づき、電気自動車14の運転者(乗員)に対して種々の情報を表示可能とされている。この表示装置58には、例えば、ヘッドアップディスプレイやメーターディスプレイを採用することが可能である。
【0068】
次に、図5を用いて車両制御装置54の機能構成について説明する。車両制御装置54は、CPU54AがROM54Bに記憶された実行プログラムを読み出し、これを実行することによって、通信部60及び情報表示制御部62の集合体として機能する。
【0069】
通信部60は、データサーバ16及び制御装置32と種々の信号を送受信可能とされており、後述するように、これらと電力の輸送に関する情報等の伝達が可能とされている。
【0070】
情報表示制御部62は、表示装置58を制御し、後述するようにデータサーバ16で設定された電気自動車14の走行経路を表示するようになっている。また、情報表示制御部62は、建物電力量取得部48から警報信号を受信したとき、建物12での電力の不足を意味する警告を表示装置58に表示するようになっている。なお、この警告は、電気自動車14に搭載された音響装置等によって行われてもよい。
【0071】
次に、図4及び図5を主に用いて、データサーバ16の構成について説明する。データサーバ16は、CPU16A、ROM16B、RAM16C、ストレージ16D及び通信I/F16Eを含んで構成されている。そして、CPU16A、ROM16B、RAM16C、ストレージ16D及び通信I/F16Eは、バス16Fを介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU16A、ROM16B、RAM16C、ストレージ16D及び通信I/F16Eは、上述した制御装置32を構成しているものと基本的に同様の機能を備えている。そして、ROM16Bに記憶された実行プログラムが、CPU16Aで読み出されて実行されることで、データサーバ16は、種々の機能を発揮することが可能となっている。
【0072】
なお、ストレージ16Dには、建物12の制御装置32や車両制御装置54等から取得した種々の情報が記憶されるようになっている。また、ストレージ16Dには、地図情報及び国土地理院が公開しているDEM(Digital Elevation Model)すなわち数値標高モデルの一部が一時的に記憶されるようになっている。さらに、ストレージ16Dには、後述する車両消費電力予測モデルが記憶されている。なお、上記地図情報は、所定の期間毎に更新されるようになっている。
【0073】
詳しくは、データサーバ16は、CPU16AがROM16Bに記憶された実行プログラムを読み出し、これを実行することによって、通信部64、「地図情報取得部66」、「走行経路設定部68」及び「走行消費電力推定部70」の集合体として機能する。
【0074】
通信部64は、ネットワークNを介して各種機器と通信可能とされており、制御装置32、車両制御装置54及び国土地理院のデータベース等と種々の情報を送受信可能とされている。
【0075】
地図情報取得部66は、ストレージ16Dに記憶された地図情報から電気自動車14の走行経路に設定可能な道路情報を抽出すると共に、抽出された道路情報とストレージ16Dに記憶された数値標高モデルとを照合し、道路傾斜情報を生成する。
【0076】
詳しくは、地図情報取得部66は、道路情報を所定の大きさのメッシュに分割し、このメッシュ毎に対応する地点の斜度、すなわちこの地点における地表面の水平からの傾斜角度の絶対値を関連付けて記憶することで、道路傾斜情報を生成している。
【0077】
走行経路設定部68は、ストレージ16Dに記憶された地図情報及び電気自動車14の乗員が図示しない入力装置を操作することで設定された電気自動車14の目的地情報に基づいて複数の走行経路候補を設定する。
【0078】
そして、走行経路設定部68は、建物電力量取得部48から送信された蓄電装置22の貯留電力量及び建物消費電力推定部50から送信された建物消費電力の量に基づいて、走行経路設定部68で設定された複数の走行経路候補から電気自動車14が走行する走行経路を設定する。
【0079】
詳しくは、走行経路設定部68は、所定時間内における蓄電装置22の貯留電力の建物消費電力による減少率が、所定の減少率よりも小さい場合には、複数の走行経路候補から走行距離が最も短い走行経路を電気自動車14が走行する走行経路に設定する。
【0080】
一方、所定時間内における蓄電装置22の貯留電力の建物消費電力による減少率が、所定の減少率以上の場合には、走行経路設定部68は、複数の走行経路候補から走行消費電力推定部70で推定された走行消費電力が最も小さい走行経路を電気自動車14が走行する走行経路に設定する。そして、上記のように設定された電気自動車14の走行経路は、通信部64を介して車両制御装置54に送信されるようになっている。
【0081】
また、走行経路設定部68には、所定の走行経路と、後述するように走行消費電力推定部70で算出された当該走行経路の走行消費電力とが関連付けられた走行経路消費電力情報が記憶されるようになっている。
【0082】
さらに、走行経路設定部68は、電気自動車14以外の車両の車両制御装置に通信部64を介して走行経路消費電力情報を送信可能とされている。
【0083】
走行消費電力推定部70は、地図情報取得部66で生成された複数の走行経路候補の道路傾斜情報をストレージ16Dに記憶された車両消費電力予測モデルに入力することで、電気自動車14が各走行経路を走行することで消費される走行消費電力を推定することが可能となっている。
【0084】
詳しくは、車両消費電力予測モデルは、一例として、0度から40度までの所定の傾斜角度毎に設置された試験路において、電気自動車14が平面視において所定距離走行したときの傾斜角度と消費電力とが関連付けられたデータで予め学習された予測モデルとされている。そして、車両消費電力予測モデルは、地図情報取得部66で生成された道路傾斜情報の各メッシュにおける斜度と平面視における距離が入力されると、当該メッシュにおける電気自動車14の走行消費電力を推定すると共に、各メッシュの走行消費電力を積算することで走行経路の走行消費電力の推定値を算出するようになっている。
【0085】
<本実施形態の作用及び効果>
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0086】
本実施形態では、図1に示されるように、建物12に対して電力を供給可能なバッテリパック26が、電気自動車14に搭載されている。また、建物12に対して充放電装置24が設置されており、この充放電装置24によって、建物12側からバッテリパック26への電力の供給及びバッテリパック26から建物12側への電力の供給を行うことができる。
【0087】
このため、本実施形態では、建物12側で生じた余剰電力で電気自動車14のバッテリパック26を充電することができる。また、建物12側で電力が不足している場合には、バッテリパック26に蓄えられた電力を建物12側に供給することができる。
【0088】
ところで、建物12側で電力が不足している状態において、電気自動車14が建物12から離れた位置にあるとき、電気自動車14のバッテリパック26の電力を可能な限り抑制することが好ましい場合がある。例えば、建物12側の電力がバッテリパック26を充電するのに不十分であるとき、バッテリパック26に蓄えられた電力が可能な限り消費されないことが好ましい。
【0089】
ここで、本実施形態では、図5に示されるように、建物消費電力推定部50によって建物12内で所定時間内に消費される建物消費電力が推定されると共に、建物電力量取得部48によって建物12内に配置された蓄電装置22の貯留電力量を取得することができる。
【0090】
また、本実施形態では、地図情報取得部66で標高情報を含む地図情報が取得されると共に、電気自動車14の目的地(本実施形態では建物12)と、地図情報とに基づいて電気自動車14の走行経路が走行経路設定部68で設定される。
【0091】
さらに、本実施形態では、走行消費電力推定部70が、電気自動車14が走行経路設定部68で設定された走行経路を走行することで消費される走行消費電力を地図情報取得部66で取得された地図情報に基づいて推定する。
【0092】
そして、本実施形態では、走行経路設定部68は、所定時間における蓄電装置22の貯留電力の建物消費電力による減少率が所定の減少率よりも小さい場合には、走行距離が短い走行経路を設定する。一方、上記減少率が所定の減少率以上の場合には、走行経路設定部68は、走行消費電力が小さい走行経路を設定する。
【0093】
このため、本実施形態では、上記減少率が所定の減少率よりも小さい場合、すなわち建物12側で電力が不足する可能性が低い場合において、走行経路設定部68が、走行距離が短い走行経路を設定することで、電気自動車14の乗員が帰宅にかかる時間を短くすることができる。
【0094】
一方、上記減少率が所定の減少率以上の場合、すなわち建物12側で電力が不足する可能性が高い場合において、走行経路設定部68が、走行消費電力が小さい走行経路を設定することで、電気自動車14のバッテリパック26に蓄えられた電力が消費されることを抑制することができる。
【0095】
また、本実施形態では、走行経路設定部68に所定の走行経路とこの走行経路における走行消費電力とが関連付けられた走行経路消費電力情報が記憶されている。このため、走行消費電力推定部70で走行消費電力の推定を行うことなく、所定の走行経路の走行消費電力量を取得することが可能となる。
【0096】
また、本実施形態では、データサーバ16が走行経路設定部68を備えると共に、このデータサーバ16は、電気自動車14に搭載された車両制御装置54と通信可能とされている。そして、車両制御装置54は、データサーバ16から走行経路消費電力情報を取得することができる。このため、本実施形態では、複数の車両間において走行経路消費電力情報を共有することができる。
【0097】
加えて、本実施形態では、車両制御装置54が、建物電力量取得部48と通信可能とされており、建物電力量取得部48から蓄電装置22の貯留電力量を取得することができる。そして、貯留電力量が所定の値以下の場合には、車両制御装置54が電気自動車14に搭載された表示装置58を作動させて、建物12での電力の不足を意味する警告を表示装置58に表示する。このため、本実施形態では、電気自動車14の乗員が建物12側の電力不足を把握することができる。
【0098】
以上説明したように、本実施形態に係る電力管理システム10は、建物12側の電力の供給状態に応じてバッテリパック26を備えた電気自動車14の走行経路を設定することができる。
【0099】
<変形例>
次に、上述した実施形態の変形例について説明する。
【0100】
この変形例は、基本的に上述した実施形態と同様の構成とされているものの、走行経路設定部68は、所定時間において蓄電装置22における貯留電力の建物消費電力による減少率が所定の減少率以上の場合には、電気自動車14の走行経路を走行距離が最も短い走行経路に設定するようになっている。また、上記減少率が所定の減少率よりも小さい場合には、走行経路設定部68は、電気自動車14の走行経路を走行消費電力が最も小さい走行経路に設定するようになっている。
【0101】
このため、本変形例では、上記減少率が所定の減少率以上の場合、すなわち建物12側で電力が不足する可能性が高い場合において、走行経路設定部68が、走行距離が短い走行経路を設定することで、電気自動車14のバッテリパック26の電力が建物12側に供給されるまでの時間を短くすることができる。
【0102】
一方、上記減少率が所定の減少率よりも小さい場合、すなわち建物12側で電力が不足する可能性が低い場合において、走行経路設定部68が、走行消費電力が小さい走行経路を設定することで、電気自動車14のバッテリパック26に蓄えられた電力が消費されることを抑制することができる。
【0103】
このように、本変形例によっても、建物12側の電力の供給状態に応じてバッテリパック26を備えた電気自動車14の走行経路を設定することができる。
【0104】
<上記実施形態の補足説明>
(1) 上述した実施形態では、電気自動車14が手動運転によって走行していたが、これに限らない。例えば、電気自動車14は、自動運転可能な車両とされていてもよい。
【0105】
(2) また、上述した実施形態では、電気自動車14の目的地が建物12とされていたが、電気自動車14の目的地は、例えば、電気自動車のレンタカーステーション等の電気自動車への給電が可能な施設であってもよい。この場合、この施設内で所定時間内に消費される建物消費電力には、当該施設による電気自動車の充電に消費される電力も含まれる。
【符号の説明】
【0106】
10 電力管理システム
12 建物
14 電気自動車
16 データサーバ(サーバ)
22 蓄電装置
24 充放電装置
26 バッテリパック(蓄電部)
48 建物電力量取得部
50 建物消費電力推定部
54 車両制御装置
58 表示装置(報知部)
66 地図情報取得部
68 走行経路設定部
70 走行消費電力推定部
図1
図2
図3
図4
図5