(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024076298
(43)【公開日】2024-06-05
(54)【発明の名称】荷箱移載台車、リヤカー及び荷箱移載システム
(51)【国際特許分類】
B60P 9/00 20060101AFI20240529BHJP
B65G 67/02 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
B60P9/00
B65G67/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187819
(22)【出願日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】黒田 勉
(72)【発明者】
【氏名】嶋 博也
【テーマコード(参考)】
3F076
【Fターム(参考)】
3F076AA02
3F076CA04
3F076DA01
3F076EA07
3F076EB06
3F076GA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡便に荷箱を荷台から移動でき、不使用時の省スペース性に優れる荷箱移載台車を提供する。
【解決手段】荷箱移載台車1は、枠体10、荷箱の載置部20、複数の台車側車輪25、荷箱の幅方向への移動を制限する一対の第1ストッパ部30,30、及び前端側に設けられた左右一対のフラップ40,40を備え、第1ストッパ部30は、枠体10よりも前方側に突出する突出状態、及び非突出状態の間での前後移動と、枠体10よりも上方側に突出して荷箱の車幅方向への移動を制限する制限状態、及び突出しない非制限状態の間での上下移動とが可能であり、フラップ40は、載置部20側を向く後転状態、及び載置部20の外側に突出する展開状態の間での回動が可能である。枠体10は、一対のフレーム枠11,11と、フレーム枠11,11の間に架け渡される梁部材15とを備える。フレーム枠11は、分割フレーム枠12,12に分割できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷箱の底面の少なくとも一部を支持可能に形成された枠体と、
前記枠体の上面側に形成され、前記荷箱を載置可能な載置部と、
前記枠体を走行可能に支持する複数の台車側車輪と、
前記枠体の車幅方向両側に設けられ、前記荷箱の幅方向への移動を制限する一対の第1ストッパ部と、
前記枠体における車幅方向両側に設けられ、前記載置部の前端側に設けられた一対のフラップと、
を備え、
前記第1ストッパ部は、
前記枠体よりも前方側に突出する突出状態、及び前記枠体から前方側に突出しない非突出状態の間での前後移動と、
前記枠体よりも上方側に突出して前記荷箱の車幅方向への移動を制限する制限状態、及び前記枠体よりも上方側に突出しない非制限状態の間での上下移動と、
が可能であり、
前記フラップは、
車幅方向に沿う軸線周りに回動可能に支持されると共に、前記載置部側を向く後転状態、及び前記載置部の外側に突出する展開状態の間での回動が可能であることを特徴とする荷箱移載台車。
【請求項2】
前記枠体は、
矩形状に形成された一対のフレーム枠と、
一対の前記フレーム枠の下端側に設けられた少なくとも2つの前記台車側車輪と、
一対の前記フレーム枠を車幅方向に間隔を空けて配置すると共に、一対の前記フレーム枠の間に車幅方向に沿って架け渡される少なくとも1つの梁部材と、
を備え、
前記フレーム枠及び梁部材が、それぞれ着脱自在に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の荷箱移載台車。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の荷箱移載台車、及び荷台を有する車両の間で前記荷箱を移載する荷箱移載システムであり、
前記車両は、
車幅方向両側に設けられた一対の側方アオリ部材と、
前記側方アオリ部材の後端側に設けられた後方アオリ部材と、
を有し、
前記枠体は、前端側における車幅方向の中央に位置決め部を有しており、
前記位置決め部は、
位置決めの基準となる基準部と、
前記枠体の前端側に設けられたフック部と、
を有し、
前記後方アオリ部材の中央にヒンジ部材が設けられており、
前記フック部は、前記ヒンジ部材の両側端において、前記荷台及び前記後方アオリ部材の間の隙間に係合可能であり、
前記後方アオリ部材を前記荷台の外側に向けて後転させた状態において、前記基準部を前記ヒンジ部材の中央に一致させて前記フック部を、前記隙間に係合させると共に、前記車両と前記荷箱移載台車とを接続することを特徴とする荷箱移載システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷箱を移載する荷箱移載台車及び荷箱移載システム並びに荷箱移載台車を利用したリヤカーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両等の荷台に積載されたコンテナ(荷箱)は、荷台から取り外されて車外で保管されることがある。また、車外において、コンテナを物販等の目的で利用する場合は、大型の専用リフト装置やフォークリフトを使用して、コンテナを専用の載置台に移載している。上述したコンテナの移載には、例えば、左右一対の4台のリフタを用いて、コンテナを荷台から脱着するリフタ装置が用いられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載のリフタ装置は、アクチュエータを用いた昇降機構を有するものであり、大型の専用リフト装置として構成されている。また、上述した特許文献1に記載のリフタ装置は、あくまでコンテナを昇降させて移載させるものであり、コンテナを物販等の目的で利用する場合は、コンテナを専用の載置台に移載する必要がある。そのため、コンテナを載置台に移載するための作業工数やコストが掛かる問題がある。また、載置台は、利用しない場合であっても、コンテナと同等の保管スペースを必要とする問題もある。さらには、上述した特許文献1に記載のリフタ装置は、床面に固定して使用されるものであり、容易に移設することができず、定めた場所でしか使用できない問題がある。また、車両の移動先で、載置台を利用したい場合は、移動先においても別途載置台を準備する必要がある。そのため、簡便に人力のみでコンテナを荷台から移動でき、省スペースで利用可能な荷箱移載台車が求められている。
【0005】
そこで、本発明は、簡便に人力のみで荷箱を荷台から移動でき、不使用時の省スペース性に優れる荷箱移載台車及び荷箱移載システムを提供することを目的とする。また、本発明は、リヤカーとしても利用可能な荷箱移載台車を提供することを目的とする。また、本発明は、車両等の荷台から荷箱を移動させる際に荷箱の位置ずれを抑制することで荷台からの脱落を抑制可能な荷箱移載台車及び荷箱移載システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明の荷箱移載台車は、荷箱の底面の少なくとも一部を支持可能に形成された枠体と、前記枠体の上面側に形成され、前記荷箱を載置可能な載置部と、前記枠体を走行可能に支持する複数の台車側車輪と、前記枠体の車幅方向両側に設けられ、前記荷箱の車幅方向への移動を制限する一対の第1ストッパ部と、前記枠体における車幅方向両側に設けられ、前記載置部の前端側に設けられた一対のフラップと、を備え、前記第1ストッパ部は、前記枠体よりも前方側に突出する突出状態、及び前記枠体から前方側に突出しない非突出状態の間での前後移動と、前記枠体よりも上方側に突出して前記荷箱の幅方向への移動を制限する制限状態、及び前記枠体よりも上方側に突出しない非制限状態の間での上下移動と、が可能であり、前記フラップは、車幅方向に沿う軸線周りに回動可能に支持されると共に、前記載置部側を向く後転状態、及び前記載置部の外側に突出する展開状態の間での回動が可能であることを特徴とするものである。
【0007】
上述した荷箱移載台車は、第1ストッパ部を、枠体よりも上方側に突出して荷箱の幅方向への移動を制限する制限状態とすることができる。これにより、上述した荷箱移載台車は、荷箱の移載時に荷箱が幅方向にずれて脱落等することを抑制できる。また、上述した荷箱移載台車は、第1ストッパ部で荷箱の幅方向への移動の制限を行いながら、荷箱を荷台に移載できるので、車両と荷箱との接触を抑制できる。また、上述した荷箱移載台車は、一対の第1ストッパ部を、上下に移動させて前記枠体よりも上方側に突出しない非制限状態とすることができる。これにより、上述した荷箱移載台車は、ステージや陳列台等として利用する際に、載置部を平坦にして利用できる。また、上述した荷箱移載台車は、かかる構成とすることにより、荷箱の扉開閉を支障なく行うことができ、荷箱側面への用具等の着脱を容易に行うことができる。また、上述した荷箱移載台車は、荷箱を物販に使用中も、第1ストッパを任意の高さに調整でき、ストッパの役目を果たしつつ、物販に支障が生じることを抑制できる。
【0008】
また、上述した荷箱移載台車は、第1ストッパ部を、前記枠体よりも前方側に突出する突出状態、及び前記枠体から前方側に突出しない非突出状態の間で前後に移動させることができる。これにより、上述した荷箱移載台車は、荷箱の移載時に、第1ストッパ部を荷台側に突出させて、荷台にオーバーラップさせることができる。これにより、上述した荷箱移載台車は、荷台と荷箱移載台車との間に隙間が生じていても、第1ストッパ部で荷箱を荷台に横ずれすることなく案内できる。また、上述した荷箱移載台車は、荷箱の移載時に、フラップを、載置部の外側に突出する展開状態とすることにより、荷台にフラップをオーバーラップさせることができる。これにより、上述した荷箱移載台車は、荷台高さ毎に高さの異なる台車の準備や高さ調整をする必要がない。また、上述した荷箱移載台車は、荷台と荷箱移載台車との間に隙間や高低差が生じていても、隙間や高低差を吸収して安定に荷箱の移載を行うことができる。これにより、上述した荷箱移載台車は、荷箱の振動を抑制しながら安定に荷箱の移載を行うことができる。
【0009】
(2)上述した本発明の荷箱移載台車において、前記枠体は、矩形状に形成された一対のフレーム枠と、一対の前記フレーム枠の下端側に設けられた少なくとも2つの前記台車側車輪と、一対の前記フレーム枠を車幅方向に間隔を空けて配置すると共に、一対の前記フレーム枠の間に車幅方向に沿って架け渡される少なくとも1つの梁部材と、を備え、前記フレーム枠及び梁部材が、それぞれ着脱自在に構成されていることを特徴とするとよい。
【0010】
上述した荷箱移載台車は、かかる構成とすることにより、荷箱移載台車を一対のフレーム枠と、少なくとも1つの梁部材とに分解することができる。これにより、上述した荷箱移載台車は、収納スペースを低減できる。また、上述した荷箱移載台車は、例えば、分解した状態で、荷箱に収納しておくことで、移動先において、再度組み立てて使用することができる。そのため、移動先毎に荷箱移載台車を準備しておく必要がないので、荷箱移載台車を複数用意するコストを低減でき、移動先での保管スペースの確保も必要としない。
【0011】
(3)上述した本発明の荷箱移載台車は、前記フレーム枠が、それぞれ少なくとも2つに分割形成された分割フレーム枠で形成されると共に、それぞれの分割フレーム枠が前後方向に隣接するよう着脱自在に構成されており、少なくとも2つの前記台車側車輪が、前記分割フレーム枠のいずれかに割り付けられていることを特徴とするとよい。
【0012】
上述した荷箱移載台車は、かかる構成とすることにより、フレーム枠をより一層小型化できるので、収納スペースをより一層低減できる。ここで、複数の分割フレーム枠は、それぞれ、同一の形状に形成されているとよい。上述した荷箱移載台車は、かかる構成とすることにより、分割フレーム枠のそれぞれを重ねて収容できるので、収納スペースを効率的に利用できる。
【0013】
(4)上述した本発明の荷箱移載台車において、前記枠体は、前端側及び後端側のそれぞれに少なくとも1つの第2ストッパ部を有しており、前記第2ストッパ部は、前記枠体よりも上方側に突出して前記荷箱の前後方向への移動を制限する制限状態、及び前記枠体よりも上方側に突出しない非制限状態の間での上下移動が可能であることを特徴とするとよい。
【0014】
上述した荷箱移載台車は、第2ストッパ部を枠体よりも上方側に突出させた状態とすることにより荷箱の前後方向への移動を制限できる。これにより、上述した荷箱移載台車は、荷箱が不意に前後方向に移動することを抑制できるので、荷箱が荷箱移載台車から脱落することを抑制できる。また、上述した荷箱移載台車は、第2ストッパ部を枠体よりも上方側に突出しない非制限状態とすることにより、荷箱を荷台等に移載する際に円滑に荷箱を移動させることができる。
【0015】
(5)上述した本発明の荷箱移載台車は、前記枠体上の少なくとも一部の領域に天板が設けられていることを特徴とするとよい。
【0016】
上述した荷箱移載台車は、かかる構成とすることにより、例えば、荷箱を降ろした後に、当該荷箱移載台車を商品等の陳列台として利用できる。そのため、上述した荷箱移載台車は、フリーマーケット等での利用が期待できる。また、上述した荷箱移載台車は、フレーム枠を2分割可能なように構成することにより、2台の陳列台としての利用が期待できるので、より一層のフリーマーケット等での利用が期待できる。また、上述した荷箱移載台車は、天板を利用して、ステージなどとしても利用することが可能である。
【0017】
(6)上述した課題を解決すべく提供される本発明のリヤカーは、上述した荷箱移載台車を用い、前記枠体上の少なくとも一部の領域に天板が設けられており、前記枠体の幅方向両側、かつ前記梁部材よりも後方側に少なくとも一対の前記台車側車輪が設けられており、前記梁部材を持ち上げて牽引することにより、移動可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0018】
上述した荷箱移載台車は、かかる構成とすることにより、リヤカーとして利用できる。そのため、上述したリヤカーは、例えば、野外等の移動先において、台車を別途用意することなく、物品の搬送に利用できる。また、上述したリヤカーは、荷箱移載台車におけるフレーム枠を2分割可能なように構成することにより、2台のリヤカーとして利用できるので、より一層の作業効率の向上が期待できる。
【0019】
(7)上述した課題を解決すべく提供される本発明の荷箱移載システムは、上述した荷箱移載台車、及び荷台を有する車両の間で前記荷箱を移載する荷箱移載システムであり、前記車両は、車幅方向両側に設けられた一対の側方アオリ部材と、前記側方アオリ部材の後端側に設けられた後方アオリ部材と、を有し、前記枠体は、前端側における車幅方向の中央に位置決め部を有しており、前記位置決め部は、位置決めの基準となる基準部と、前記枠体の前端側に設けられたフック部と、を有し、前記後方アオリ部材の中央にヒンジ部材が設けられており、前記フック部は、前記ヒンジ部材の両側端において、前記荷台及び前記後方アオリ部材の間の隙間に係合可能であり、前記後方アオリ部材を前記荷台の外側に向けて後転させた状態において、前記基準部を前記ヒンジ部材の中央に一致させて前記フック部を、前記隙間に係合させると共に、前記車両と前記荷箱移載台車とを接続することを特徴とするものである。
【0020】
上述した荷箱移載システムは、枠体に位置決め部が設けられているので、車両の荷台に対して荷箱移載台車を容易に精度良く位置決めできる。また、上述した荷箱移載システムは、枠体を荷台に対して位置決めした状態で、フック部を荷台及び後方アオリ部材の間の隙間に係合可能であるので、荷台と枠体とを位置決めした状態で固定できる。したがって、上述した荷箱移載システムは、荷箱の移載時に振動等が生じても、荷箱が荷台からずれることを抑制できる。また、後方アオリ部材の中央のヒンジ部材を用いて位置決めすることが可能であるので、車両側に別途位置決め用のマーキング等を施す必要がない。そのため、汎用性の向上が期待できる。
【0021】
(8)上述した本発明の荷箱移載システムは、前記荷台の車幅方向両側に、前記荷台の前後方向に沿って延びるように形成された一対のガイド部材が設けられており、前記ガイド部材は、荷箱側車輪又は前記荷台の下面の少なくとも一部を案内するガイド面と、前記荷箱の車幅方向への移動を制限する第3ストッパ部と、前記荷台及び前記側方アオリ部材の間の隙間に係合可能な係合部と、を有することを特徴とするとよい。
【0022】
上述した荷箱移載システムは、ガイド部材における係合部を荷台及び側方アオリ部材の間の隙間に係合させることで容易に荷台の側面に第3ストッパ部を形成できる。また、第3ストッパ部は、荷箱の車幅方向への移動を制限できるので、荷箱が荷台からずれて転落したり、荷箱が側方アオリ部材等と接触したりすることを抑制できる。また、ガイド部材は、ガイド面を有するので、荷台の表面に凹凸がある場合でも、当該凹凸を覆うことができる。これにより、上述した荷箱移載システムは、荷台に安定して荷箱を積載することができる。また、ガイド部材は、各種の車両に容易に着脱できるので、汎用性の向上が期待できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、簡便に荷箱を荷台から移動でき、不使用時の省スペース性に優れる荷箱移載台車及び荷箱移載システムを提供することができる。また、本発明によれば、リヤカーとしても利用可能な荷箱移載台車を提供することができる。また、本発明によれば、車両等の荷台から荷箱を移動させる際に荷箱の位置ずれを抑制することで荷台からの脱落を抑制可能な荷箱移載台車及び荷箱移載システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態に係る荷箱移載台車の全体斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る荷箱移載台車に荷箱を積載した状態を表す斜視図である。
【
図3】本発明の荷箱移載台車を車両の荷台に接続した状態を表す本発明の荷箱移載システムの全体斜視図である。
【
図4】車両の荷台から本発明の荷箱移載台車に荷箱を移載した状態を表す本発明の荷箱移載システムの全体斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る荷箱移載台車を分解した状態を表す斜視図である。
【
図6】(a)は、本発明の一実施形態に係る荷箱移載装置を構成する第1ストッパ部が前方側に非突出状態にある場合の説明図であり、(b)は、第1ストッパ部が前方側に突出状態にある場合の説明図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る荷箱移載装置を構成する第1ストッパ部を車両の荷台側(前方側)に突出させた状態を表す部分拡大斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る荷箱移載台車を構成するフラップの部分拡大斜視図である。
【
図9】(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る荷箱移載台車を構成するフラップの説明図である。
【
図10】(a)は、本発明の一実施形態に係る荷箱移載台車を構成する位置決め部(フック部)の部分拡大写真であり、(b)は、位置決め部(基準部)の部分拡大写真である。
【
図11】(a)は、本発明の一実施形態に係る荷箱移載台車を構成するガイド部材の斜視図であり、(b)は、ガイド部材を車両の荷台に取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図12】(a)及び(b)は、本発明の荷箱移載台車への荷箱の積み下ろしに用いられるリフト装置の一実施形態を表す正面図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る荷箱移載台車を組み立てる場合のフロー図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る荷箱移載台車を分解する場合のフロー図である。
【
図15】車両から本発明の荷箱移載台車に荷箱を移載する場合のフロー図である。
【
図17】(a)は、本発明の荷箱移載台車を利用した陳列台を移動させる状態を示す説明図であり、(b)は、本発明の荷箱移載台車をリヤカーとして利用する状態を示す説明図である。
【
図18】(a)及び(b)は、本発明の荷箱移載台車を、利用した陳列台及びステージの一実施形態を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る荷箱移載台車1の詳細を説明する。これらの図は模式図であって、必ずしも大きさを正確な比率で記したものではない。また、図中、同様の構成部品は、同様の符号を付して示す。
【0026】
まず、荷箱移載台車1を説明するにあたり、後述する荷箱移載システム100で利用される荷台6を備えた車両5について説明する。
【0027】
図3及び
図4に示すように、車両5は、例えば、自走可能な軽トラック等であり、後方に荷台6を備えている。荷台6は、車幅方向両側に設けられた一対の側方アオリ部材6A,6A(一方側は図示せず)と、後方アオリ部材6Bと、を備えている。
【0028】
側方アオリ部材6A,6Aは、前後方向に長手となる矩形状の板状部材で形成されている。側方アオリ部材6A,6Aは、基端側がヒンジ部材(図示せず)によって回動可能に支持されている。側方アオリ部材6A,6Aは、車両5の外側に向けて横転させることができる。側方アオリ部材6Aと荷台6との間には、隙間Ga(
図7参照及び
図11(a)参照)が形成されており、後述するガイド部材70の係合が可能である。
【0029】
後方アオリ部材6Bは、車幅方向に長手となる矩形状の板状部材で形成されている。後方アオリ部材6Bは、基端側がヒンジ部材6C[
図10(a)参照]によって回動可能に支持されている。後方アオリ部材6Bは、車両5の外側に向けて後転させることができる。後方アオリ部材6Bと荷台6との間には、隙間Gbが形成されており、後述するフック部63の係合が可能である。
【0030】
本実施形態では、荷台6及び側方アオリ部材6A,6Aとの間の隙間Gaに後述する一対のガイド部材70,70が係合されている。ガイド部材70,70の詳細は、後述する。
【0031】
以上が、車両5の例示であり、次に、車両5に積載される荷箱2についての詳細を説明する。
【0032】
荷箱2は、矩形の箱状に形成されており、例えば、後部や側方等に開閉ドア2A(
図18参照)を備えている。
図3及び
図4に示すように、本実施形態では、荷箱2の互いに対向する両側面3,3のそれぞれに一対のリフト装置200,200(図示奥側のリフト装置200,200は図示せず)が設けられている。すなわち、合計4つのリフト装置200が設けられている。
【0033】
図12(a)及び
図12(b)に示すように、リフト装置200は、支承部210と、荷箱2と係合可能な係合部215と、回動レバー220と、リンク部230と、荷箱側車輪240等を備えている。なお、説明にあたり、荷箱2の「押し上げ」を「リフトアップ」とも称する場合がある。また、図示における回動レバー220の反時計回り方向への回転をリフトアップ方向とし、回動レバー220の時計回り方向への回転をリフトダウン方向として説明する場合がある。
【0034】
リフト装置200は、非リフト状態(接地状態)にある荷箱2をリフト状態(リフトアップ状態)に押し上げることができる。
【0035】
支承部210は、リフト装置200における各部品を支持するものであり、本実施形態では、板状部材で形成されている。支承部210は、荷箱2に着脱可能なものとされている。具体的には、支承部210の下端両側に設けられた締結孔214,214にボルトや蝶ネジなどの締結部材をねじ込むことにより、支承部210が、荷箱2の側面3,3に着脱される。また、支承部210は、上縁部211から下方側の中間部に向けて拡幅するよう傾斜形成されている。支承部210には、中央付近に回動レバー220の回転中心となる回転軸212が立設されている。また、支承部210の下方側には、円弧孔213が形成されている。円弧孔213は、後述する揺動軸235を中心とした円周の一部として形成されている。
【0036】
係合部215は、支承部210に結合されており、支承部210を荷箱2(側面3,3)に取り付けた際に荷箱2に係合可能である。本実施形態では、係合部215が、支承部210の下端を内側(荷箱2側)に向けて折り曲げることにより形成されている。また、本実施形態では、係合部215が、荷箱2の底面と係合するものとされている。
【0037】
回動レバー220は、支承部210の回転軸212に回動可能に支持されている。回動レバー220は、
図12(a)に示す非リフト状態と、
図12(b)に示すリフト状態との間で、回動操作することができる。回動レバー220は、梃における力点として作用するものであり、荷箱2の荷重に抗して操作可能なように、適宜の長さで形成されている。
【0038】
リンク部230は、回動レバー220に接続され、回動レバー220の回転運動を上下運動に変換するものとされている。リンク部230は、回動レバー220を回動可能に支持する上述の回転軸212と、回転軸212に対して偏心する位置に設けられ、回動レバー220に対して回動可能な偏心軸233と、を備えている。また、リンク部230は、前記の他、第1リンク部材234と、揺動軸235と、第2リンク部材236等を備えている。
【0039】
第1リンク部材234は、縦長の板状部材で形成されている。第1リンク部材234は、一端側(上端側)が偏心軸233に回動可能に支持されている。また、第1リンク部材234は、他端側(下端側)に荷箱側車輪240の車軸241が回動可能に支持されている。また、第1リンク部材234は、上端側に回転軸212と係止可能な係止部237が形成されている。第1リンク部材234は、回動レバー220の回動に伴う偏心運動を上下運動に変換することができる。
【0040】
揺動軸235は、支承部210に支持(立設)されており、車軸241に対して偏心する位置に設けられている。本実施形態では、揺動軸235が、支承部210の右側下方付近に設けられている。
【0041】
第2リンク部材236は、縦長の板状部材で形成されている。第2リンク部材236は、一端側が揺動軸235に回動可能に支持されると共に、他端側に車軸241が回動可能に支持されている。したがって、第2リンク部材236は、揺動軸235を中心として車軸241と一体的に揺動することができる。
【0042】
荷箱側車輪240は、車軸241に回動可能に支持されている。荷箱側車輪240は、支承部210に対して回動可能に支持されると共に、リンク部230を介して上下移動可能に構成されている。
【0043】
車軸241は、円弧孔213に挿し通されており、円弧孔213に沿った移動が許容されている。すなわち、車軸241は、第2リンク部材236の揺動軸235周りの回動に伴って、円弧孔213に沿った揺動運動を行うことができる。言い換えると、荷箱側車輪240は、第2リンク部材236の揺動に伴って、支承部210に対して揺動運動を行うことができる。これにより、回動レバー220の回動に伴って、第1リンク部材234及び第2リンク部材236が連係し、荷箱側車輪240が昇降運動する。
【0044】
また、荷箱側車輪240は、回動レバー220をリフト状態に回動させることにより、支承部210から突出して接地するものとされている。荷箱側車輪240の接地に伴い、係合部215が押し上げられ、荷箱2が押し上げられる。また、荷箱側車輪240が接地されることにより、支承部210の進退動が許容される。
【0045】
上述したように、リンク部230は、回動レバー220を非リフト状態となる位置[
図12(a)参照]からリフト状態となる位置まで回動させることにより、係合部215(荷箱2)を押し上げつつ、荷箱側車輪240を接地させることができる。
【0046】
係止部237は、リンク部230の上端側に設けられている。係止部237は、回動レバー220の回動に伴って、回転軸212と係止可能に構成されている。本実施形態では、係止部237が、回動レバー220の回動方向と反対方向に開口する円弧状の溝として形成されている。係止部237は、荷箱側車輪240が支承部210に対して押し下げられた際に、回転軸212と係止する。すなわち、係止部237は、回動レバー220のリフトアップ方向に向かう回転に伴って偏心回転し、回動レバー220がリフト状態となる位置まで回転した際に回転軸212に係止される。これにより、荷箱2がリフトアップされた状態(荷箱側車輪240が支承部210に対して押し下げられた状態)でリンク部230が固定され、回動レバー220のリフトアップ方向への回動が制限される。したがって、上述したリフト装置200は、荷箱2をリフトアップさせた状態で、荷箱2を安定にリフトアップ状態に保つことができる。
【0047】
一方、係止部237は、荷箱側車輪240の支承部210に対する押し上げに伴って、回転軸212との係止が解除される。すなわち、荷箱2がリフトアップされた状態から回動レバー220をリフトダウン方向(荷箱側車輪240が支承部210に対して押し上げられる方向)に回動させた場合は、係止部237と回転軸212との係止が解除される。したがって、上述したリフト装置200は、荷箱2を降ろす際に、円滑に荷箱2を降ろすことができる。
【0048】
以上が、荷箱2及びリフト装置200の構成であり、次に本発明の一実施形態に係る荷箱移載台車1の詳細について説明する。
【0049】
≪荷箱移載台車≫
図1は、組み立てられた状態の荷箱移載台車1の全体斜視図である。詳細は後述するが、荷箱移載台車1は、部品毎に分解することが可能である(
図5参照)。荷箱移載台車1は、荷箱2の底面の少なくとも一部を支持可能に形成された枠体10と、荷箱2を載置可能な載置部20と、複数(本実施形態では4つ)の台車側車輪25と、一対の第1ストッパ部30,30と、一対のフラップ40,40と、を備えている。荷箱移載台車1は、前記の他、少なくとも1つの第2ストッパ部50と、後述する荷箱移載システム100において利用される位置決め部60等を備えている。なお、位置決め部60の詳細は、後述する荷箱移載システム100において説明する。
【0050】
枠体10は、前後方向が長手となるように矩形状に形成された一対のフレーム枠11,11と、一対のフレーム枠11,11の下端側に設けられた台車側車輪25,25,25,25とを備えている。また、枠体10は、前記の他、一対のフレーム枠11,11の間に車幅方向に沿って架け渡される複数(本実施形態では6本)の梁部材15等を備えている。
【0051】
フレーム枠11,11は、それぞれ車幅方向に間隔を空けて配置されている。フレーム枠11は、例えば、アルミニウムや鉄等を素材として形成されている。フレーム枠11は、本実施形態では、長手方向(前後方向)の中央部分で2つに分割形成された一対の分割フレーム枠12,12で形成されている。
【0052】
分割フレーム枠12,12は、それぞれが前後方向に隣接するよう着脱自在に構成されている。具体的には、分割フレーム枠12,12は、前後方向に長手となるように並べて配置され、前後方向の中央部分で接続されている。また、分割フレーム枠12,12は、前後方向の中央部分の下部に補強部材13が取り付けられている。分割フレーム枠12,12は、例えば、ボルト等により着脱可能に構成するとよい。また、分割フレーム枠12,12のいずれかに対して、少なくとも1つの台車側車輪25が割り付けられている。
【0053】
梁部材15は、例えば、アルミニウムや鉄等を素材として形成されている。梁部材15は、幅方向に間隔を空けて配された一対のフレーム枠11,11の前端側、中央部、及び後端側にそれぞれ2本ずつ配されている。これらにより、枠体10が、上面視において矩形状となるように形成される。また、梁部材15は、枠体10の幅方向の強度を高めるものとされている。また、本実施形態では、梁部材15がフレーム枠11,11に対して着脱可能に構成されている。梁部材15は、フレーム枠11,11に対して、例えばボルトなどで着脱可能に締結すればよい。
【0054】
載置部20は、枠体10の上面側に形成されている。本実施形態では、左右一対のフレーム枠11,11の上面側で、荷箱2の底面が支持される。具体的には、荷箱2の底面における幅方向両端付近が、前後方向に沿って支持されるものとされている。なお、載置部20は、積載する荷箱2の形状や大きさに応じて、各種の形状や大きさに形成することができる。
【0055】
台車側車輪25は、枠体10(フレーム枠11)の下面側に複数(本実施形態では4つ)配置されている。本実施形態では、台車側車輪25が、枠体10の下面側の四隅に配されている。台車側車輪25は、枠体10を走行可能に支持するものとされている。本実施形態では、幅方向両側に配された少なくとも一対の台車側車輪25,25がキャスターとして形成されている。したがって、枠体10は、各種の方向に移動させることができる。また、台車側車輪25には、それぞれストッパが設けられており、ストッパを掛けることで台車側車輪25の回転が抑制される。なお、ストッパは、少なくとも1つの台車側車輪25に設けることができる。
【0056】
図1に示すように、枠体10の車幅方向両側には、一対の第1ストッパ部30,30が設けられている。第1ストッパ部30,30は、荷箱2の幅方向への移動を制限するものとされている。第1ストッパ部30,30は、前後方向に沿って延びる縦長の板状部材(例えば、金属や繊維強化樹脂等)で形成されている。第1ストッパ部30,30には、前後方向に沿って間隔を空けて形成された複数の移動孔31が形成されている。本実施形態では、第1ストッパ部30,30が前後方向の中央部分で分割形成されている。すなわち、本実施形態における第1ストッパ部30,30は、中央部分を境にそれぞれ独立して前後方向に移動させることができる。
【0057】
移動孔31は、前後方向に沿って延びる前後長孔と、上下方向に沿って延びる上下長孔とから形成されており、上下長孔が、前後長孔の前端部で接続されている。第1ストッパ部30,30は、移動孔31に挿通されたボルトを介してフレーム枠11(分割フレーム枠12)に固定されている。第1ストッパ部30,30は、ボルトによる締結を解除することで、前後長孔及び上下長孔に沿った移動が可能なものとされている。本実施形態では、第1ストッパ部30,30を上昇させて固定することにより、荷箱2の車幅方向への移動が制限される。すなわち、第1ストッパ部30は、枠体10よりも上方側に突出して荷箱2の幅方向への移動を制限する制限状態、及び枠体10よりも上方側に突出しない非制限状態の間での上下移動と、が可能なものとされている。
【0058】
また、第1ストッパ部30,30は、
図6(a)に示す、枠体10から前方側に突出しない非突出状態から
図6(b)に示す、枠体10よりも前方側に突出する突出状態へと前後移動させることができる。第1ストッパ部30,30は、
図6(b)及び
図7に示すように、前方側に突出させた突出状態とすることにより、突出部32を荷台6に係合させることができる。具体的には、第1ストッパ部30,30は、荷台6の車幅方向両側に配された後述するガイド部材70,70に係合させることができる。
【0059】
図1及び
図2に示すように、枠体10の車幅方向両側における上部前端側には、一対のフラップ40,40が設けられている。フラップ40,40は、略矩形の板状部材(例えば、金属や繊維強化樹脂等)で形成されている。フラップ40,40は、基端側がヒンジ部材により前後方向に回動可能に支持されている。フラップ40,40は、車幅方向に沿う軸線周りに回動可能に支持されると共に、載置部20側を向く後転状態、及び載置部20の外側に突出する展開状態の間での回動が可能である。また、フラップ40,40は、
図8に示すように、荷台6の後端部分に係合することができる。
【0060】
図1に示すように、第2ストッパ部50は、枠体10の前端側及び後端側のそれぞれに設けられている。本実施形態では、枠体10の四隅に第2ストッパ部50,50,50,50が設けられている。第2ストッパ部50は、枠体10よりも上方側に突出して荷箱2の前後方向への移動を制限する制限状態、及び枠体10よりも上方側に突出しない非制限状態の間での上下移動が可能である。
【0061】
このように、上述した荷箱移載台車1は、第2ストッパ部50を枠体10よりも上方側に突出させた状態とすることにより荷箱2の前後方向への移動を制限できる。これにより、上述した荷箱移載台車1は、荷箱2が不意に前後方向に移動することを抑制できるので、荷箱2が荷箱移載台車1から脱落することを抑制できる。また、上述した荷箱移載台車1は、第2ストッパ部50を枠体10よりも上方側に突出しない非制限状態とすることにより、荷箱2を荷台6等に移載する際に円滑に荷箱2を移動させることができる。
【0062】
以上が、荷箱移載台車1の構成であり、次に荷箱移載台車1の作用効果について、以下に説明する。
【0063】
上述した荷箱移載台車1は、第1ストッパ部30,30を、枠体10よりも上方側に突出して荷箱2の幅方向への移動を制限する制限状態とすることができる。これにより、上述した荷箱移載台車1は、荷箱2の移載時に荷箱2が幅方向にずれて脱落等することを抑制できる。また、上述した荷箱移載台車1は、第1ストッパ部30,30で荷箱2の幅方向への移動の制限を行いながら、荷箱2を荷台6に移載できるので、車両5と荷箱2との接触を抑制できる。また、上述した荷箱移載台車1は、一対の第1ストッパ部30,30を、上下に移動させて枠体10よりも上方側に突出しない非制限状態とすることができる。これにより、上述した荷箱移載台車1は、ステージや陳列台等として利用する際に、載置部20を平坦にして利用できる。そのため、上述した荷箱移載台車1は、荷箱2の扉開閉を支障なく行うことができ、荷箱2の側面3,3への用具等の着脱を容易に行うことができる。また、上述した荷箱移載台車1は、荷箱2を物販に使用中も、第1ストッパ部30,30を任意の高さに調整でき、ストッパの役目を果たしつつ、物販に支障が生じることを抑制できる。
【0064】
また、上述した荷箱移載台車1は、第1ストッパ部30,30を、枠体10よりも前方側に突出する突出状態、及び枠体10から前方側に突出しない非突出状態の間で前後に移動させることができる。これにより、上述した荷箱移載台車1は、荷箱2の移載時に、第1ストッパ部30,30を荷台6側に突出させて、荷台6にオーバーラップさせることができる。これにより、上述した荷箱移載台車1は、荷台6と荷箱移載台車1との間に隙間が生じていても、第1ストッパ部30,30で荷箱2を荷台6に横ずれすることなく案内できる。また、上述した荷箱移載台車1は、荷箱2の移載時に、フラップ40,40を、載置部20の外側に突出する展開状態とすることにより、荷台6にフラップ40,40をオーバーラップさせることができる。これにより、上述した荷箱移載台車1は、荷台高さ毎に高さの異なる台車の準備や高さ調整をする必要がない。また、上述した荷箱移載台車1は、荷台6と荷箱移載台車1との間に隙間や高低差が生じていても、隙間や高低差を吸収して安定に荷箱2の移載を行うことができる。これにより、上述した荷箱移載台車1は、荷箱2の振動を抑制しながら安定に荷箱2の移載を行うことができる。このように、上述した荷箱移載台車1は、荷箱2を簡便に移載することができる。
【0065】
以上が、荷箱移載台車1の構成及び作用効果であり、次に荷箱移載台車1(枠体10)の組み立て作業及び分解作業について、
図13及び
図14のフロー図を参照しながら説明する。
【0066】
図13に示すように、枠体10の組み立て作業が開始されると、4つの分割フレーム枠12,12,12,12が、それぞれ立設した状態で四方に配置される(ステップS1)。
【0067】
続いて、左右両側(車幅方向両側)における前側の分割フレーム枠12,12が上下2本の梁部材15,15で結合される(ステップS2)。また、左右における後側の分割フレーム枠12,12が、上下2本の梁部材15,15で結合される(ステップS3)。このとき、必要に応じて、左右の分割フレーム枠12,12の中間部が、梁部材15で結合されてもよい。
【0068】
続いて、左右両側において前後の分割フレーム枠12,12の中央部が、それぞれ結合される(ステップS4)。これにより、左右一対のフレーム枠11,11が形成される。続いて、左右両側における前後の分割フレーム枠12,12の中央下部に補強部材13が取り付けられる(ステップS5)。これにより、枠体10の組み立て作業が完了し、荷箱移載台車1が形成される。このように、本発明の荷箱移載台車1は、分割フレーム枠12が梁部材15で結合されて形成されているので、強度も確保できる。また、それぞれの分割フレーム枠12が矩形状に形成されているので、強度が確保できる。
【0069】
以上が、本発明の荷箱移載台車1(枠体10)の組み立て作業であり、次に、荷箱移載台車1(枠体10)の分解作業について
図14のフロー図を参照しながら説明する。
【0070】
分解作業の開始に伴い、まず、前後の分割フレーム枠12,12における中央下部から補強部材13が取り外される(ステップS10)。続いて、前後の分割フレーム枠12,12の結合が解除され、前後の分割フレーム枠12,12が切り離される(ステップS11)。
【0071】
続いて、左右両側(車幅方向両側)における前側の分割フレーム枠12,12の2本の梁部材15,15が取り外される(ステップS12)。また、左右両側における後側の分割フレーム枠12,12の2本の梁部材15,15が取り外される(ステップS13)。以上で荷箱移載台車1の分解作業が完了する。
【0072】
このように、上述した荷箱移載台車1は、荷箱移載台車1を一対のフレーム枠11,11と、少なくとも1つの梁部材15とに分解することができる。これにより、上述した荷箱移載台車1は、収納スペースを低減できる。また、上述した荷箱移載台車1は、例えば、分解した状態で、荷箱2に収納しておくことで、移動先において、再度組み立てて使用することができる。そのため、移動先毎に荷箱移載台車1を準備しておく必要がないので、荷箱移載台車1を複数用意するコストを低減でき、移動先での保管スペースの確保も必要としない。
【0073】
さらに、本実施形態では、フレーム枠11が、2つに分割形成された分割フレーム枠12,12で形成されている。また、分割フレーム枠12,12が前後方向に隣接するよう着脱自在に構成されている。したがって、上述した荷箱移載台車1は、フレーム枠11をより一層小型化できるので、収納スペースをより一層低減できる。ここで、複数の分割フレーム枠12は、それぞれ、同一の形状に形成されているとよい。これにより、上述した荷箱移載台車1は、分割フレーム枠12のそれぞれを重ねて収容できるので、収納スペースを効率的に利用できる。
【0074】
以上が、本発明の荷箱移載台車1の作用効果であり、次に荷箱移載台車1、及び車両5の間で荷箱2を移載する荷箱移載システム100の詳細について説明する。
【0075】
≪荷箱移載システム≫
図1に示すように、位置決め部60は、枠体10の前端側における車幅方向の中央に設けられている。位置決め部60は、直方体形状に形成された支持部61に形成されている。
図10(a)及び
図10(b)に示すように、位置決め部60は、位置決めの基準となる基準部62と、枠体10の前端側に取り付けられるフック部63等を有している。
【0076】
基準部62は、枠体10の前端部における梁部材15の中央に設けられている(
図1参照)。基準部62は、
図10(b)に示すように、支持部61上に位置決めマークとして形成されている。
【0077】
フック部63は、
図8及び
図10(a)に示すように、矩形状の板状部材を中間で折り曲げることにより形成されている。フック部63は、中央部に矩形状の開孔64が形成されている。開孔64は、フック部63を隙間Gbに係合させた際に、フック部63とヒンジ部材6Cとを位置決めするために設けられている。詳細は後述するが、開孔64は、荷台6の中央と、荷箱移載台車1の基準部62を合わせた際の正対状態を判定するために利用される。フック部63は、ヒンジ部材6C[
図10(a)参照]の両側端において、荷台6及び後方アオリ部材6Bの間の隙間Gbに係合可能である。フック部63は、後方アオリ部材6Bを荷台6の外側に向けて後転させた状態において、基準部62をヒンジ部材6Cの中央に一致させた状態で、隙間Gbに係合させるものとされている。これにより、フック部63は、車両5と荷箱移載台車1とを位置決めした状態で接続することができる。
【0078】
ここで、フック部63による位置決めの詳細を説明すると、まず、荷台6の中央と基準部62との位置を合わせることで、仮位置決めが行われる。仮位置決め後、フック部63が、後方アオリ部材6Bの中央のヒンジ部材6Cに挿し込まれる。このとき、フック部63における開孔64にヒンジ部材6Cが収まらなければ、荷台6と荷箱移載台車1とが正対していないと判定され、ヒンジ部材6Cが開孔64の間に収まれば、荷台6と荷箱移載台車1とが正対していると判定される。また、フック部63は、隙間Gbに係合させて固定することにより、荷箱移載台車1の移動時に、荷台6と荷箱移載台車1との正対が崩れることを抑制できる。また、フック部63には、支持部61に取り付けるための長孔63Aが形成されている。したがって、フック部63は、後方アオリ部材6Bに引き当てて固定できる。すなわち、長孔63Aは、各車種に対しての調整機能も担うものとされている。
【0079】
ガイド部材70は、
図11(a)に示すように、長尺の支持部材で形成されており、長手方向に沿って形成されたガイド面71と、第3ストッパ部72と、係合部73と、を備えている。ガイド面71、第3ストッパ部72、及び係合部73は、互いに異なる3方向を向くように互いに直交して形成されている。ガイド部材70は、例えば、金属や繊維強化樹脂等を素材として形成されている。ガイド部材70は、
図11(b)に示すように、荷台6と側方アオリ部材6Aとの間の隙間Gaに係合され、車幅方向への移動が制限される。これにより、ガイド部材70は、荷台6の車幅方向両側に、荷台6の前後方向に沿って延びるように配される。
【0080】
係合部73は、ガイド部材70の長手方向に沿って形成されると共に、ガイド部材70の下面側に向けて突出形成されている。また、係合部73には、車両前後方向に間隔を空けて複数の切欠部73A[
図10(a)参照]が形成されている。切欠部73Aは、側方アオリ部材6Aのヒンジ部材6Cを回避するものとされている。係合部73は、荷台6及び側方アオリ部材6Aの間の隙間Gaに挿し込むことにより荷台6に係合させることができる。これにより、ガイド部材70は、荷台6に対して車幅方向に移動することが制限される。また、係合部73には、切欠部73Aが形成されているので、荷台6の前後方向の動き(ズレ)を抑制することができ、ガイド部材70の取り付け位置決めとしての機能も果たす。
【0081】
ガイド面71は、ガイド部材70の長手方向に沿って形成されると共に、ガイド部材70を隙間Gaに係合させた際に、荷台6の載置面に対して水平となるように形成されている。ガイド面71は、荷箱側車輪240を荷台6上に案内するものとされている。
【0082】
第3ストッパ部72は、ガイド部材70の長手方向に沿って形成されると共に、ガイド部材70を隙間Gaに係合させた際に、上方側に向けて突出するように形成されている。第3ストッパ部72は、荷台6に積載された荷箱2の車幅方向への移動を制限するものとされている。
【0083】
以上が、本発明の一実施形態に係る荷箱移載システム100の構成であり、次に荷箱移載台車1及び荷箱移載システム100を利用した荷箱2の移載作業(積み下ろし作業)について
図15及び
図16のフロー図を参照しながら説明する。
【0084】
図15に示すように、荷箱2の積み下ろし動作の開始に伴い、まず荷箱2の四隅にリフト装置200(荷箱側車輪240)が取り付けられる(ステップS20)。続いて、車両5の荷台6の左右両側(車幅方向両側)の隙間Ga,Gaにガイド部材70,70が設置(係合)される(ステップS21)。
【0085】
続いて、両側の側方アオリ部材6A,6Aが閉じられることにより、ガイド部材70,70が固定される(ステップS22)。すなわち、側方アオリ部材6A,6Aが、立設するように内側に向けて横転されることにより、ガイド部材70,70が固定される。
【0086】
続いて、荷箱移載台車1及び車両5の相対的な移動により、荷箱移載台車1の基準部62が中央のヒンジ部材6Cに対して位置決めされる(ステップS23)。すなわち、車両5の荷台6と荷箱移載台車1とが、正対するように位置決めされる。
【0087】
続いて、荷箱移載台車1のフラップ40,40が、荷台6上に降ろされる(ステップS24)。すなわち、荷箱移載台車1のフラップ40,40が荷台6の後端部に架け渡される[
図6(a)参照]。このとき、
図9(a)及び
図9(c)に示すように、上述した荷箱移載台車1は、荷台6との間に隙間や高低差が生じている場合であっても、フラップ40,40により、隙間や高低差を吸収することができる。
【0088】
ステップS24が完了すると、荷台6及び後方アオリ部材6Bの間の隙間Gbにフック部63が係合され、蝶ネジやボルト等でフック部63と支持部61とが結合される(ステップS25)。
【0089】
続いて、
図16に示すように、左右一対の第1ストッパ部30,30が、上方側に引き出される(ステップS26)。続いて、第1ストッパ部30,30が荷台6までスライドされて、前方側に突出した突出状態とされる(ステップS27)。これにより、第1ストッパ部30,30が荷台6に係合し、荷台6と荷箱移載台車1とが接続される。
【0090】
作業者等が、荷箱移載台車1における後方側(本実施形態では2つ)の第2ストッパ部50を制限状態となるまで上昇させる(ステップS28)。これにより、荷箱2の後方側への移動が制限される。
【0091】
ステップS28が完了すると、リフト装置200により荷箱2がリフトアップされる(ステップS29)。これにより、リフト装置200における荷箱側車輪240が荷台6(ガイド面71)に接地する。続いて、作業者等により荷箱2が押され、車両5から荷箱移載台車1に荷箱2が移載される(ステップS30)。
【0092】
続いて、作業者等が、荷箱移載台車1における前方側(本実施形態では2つ)の第2ストッパ部50を制限状態となるまで上昇させる(ステップS31)。これにより、荷箱2の前後方向への移動が制限される。続いて、作業者等が、リフト装置200を操作して荷箱2を下降させる(ステップS32)。
【0093】
ステップS32での作業が完了すると、フック部63の固定が解除され、車両5と荷箱移載台車1とが切り離される(ステップS33)。以上により、荷箱2の移載に係る一連の作業が完了する。
【0094】
以上が、本発明の一実施形態に係る荷箱移載システム100による荷箱2の移載作業であり、次に、荷箱移載システム100の作用効果についての詳細を説明する。
【0095】
上述したように、荷箱移載システム100は、枠体10に位置決め部60が設けられているので、車両5の荷台6に対して荷箱移載台車1を容易に精度良く位置決めできる。また、上述した荷箱移載システム100は、枠体10を荷台6に対して目視で仮位置決めした状態で、フック部63を荷台6及び後方アオリ部材6Bの間の隙間Gbに係合可能であるので、荷台6と枠体10とを位置決めした状態で精度良く固定できる。また、フック部63の開孔64により、フック部63の車幅方向への移動が、後方アオリ部材6Bのヒンジ部材6Cによって制限される。したがって、上述した荷箱移載システム100は、荷箱2の移載時に振動等が生じても、荷箱移載台車1が荷台6からずれることを抑制できる。また、後方アオリ部材6Bの中央のヒンジ部材6C(
図10(a)参照)を用いて位置決めすることが可能であるので、車両5側に別途位置決め用のマーキング等を施す必要がない。そのため、汎用性の向上が期待できる。
【0096】
また、上述した荷箱移載システム100は、ガイド部材70における係合部73を荷台6及び側方アオリ部材6Aの間の隙間Gaに係合させることで容易に荷台6の側面に第3ストッパ部72を形成できる。また、第3ストッパ部72は、荷箱2の車幅方向への移動を制限できるので、荷箱2が荷台6からずれて転落したり、荷箱2が側方アオリ部材6A等と接触したりすることを抑制できる。また、ガイド部材70は、ガイド面71を有するので、荷台6の表面に凹凸がある場合でも、当該凹凸を覆うことができる。これにより、上述した荷箱移載システム100は、荷台6に安定して荷箱2を積載することができる。また、ガイド部材70は、各種の車両5に容易に着脱できるので、汎用性の向上が期待できる。
【0097】
以上が、荷箱移載システム100の作用効果であり、次に荷箱移載台車1及び荷箱移載システム100を利用したリヤカー1Aや陳列台等の各種の利用方法について以下に説明する。
【0098】
図17(a)は、荷箱移載台車1を各種の物品の搬送台車や陳列台として利用する場合を例示したものである。本例示では、荷箱移載台車1における載置部20(
図1参照)に天板21が載置されている。
【0099】
このように、上述した荷箱移載台車1は、枠体10上の少なくとも一部の領域に天板21が設けられているので、
図18(a)に示すように、例えば、荷箱2を降ろした後に、当該荷箱移載台車1を商品等の陳列台として利用できる。そのため、上述した荷箱移載台車1は、フリーマーケット等での利用が期待できる。また、上述した荷箱移載台車1は、
図18(b)に示すように、荷箱移載台車1は、天板21を利用して、主に陳列台として利用できる。また、図示のように分割フレーム枠12を陳列台として利用する場合は、分割フレーム枠12が2輪で支持されるため、傾斜陳列台として利用できる。これにより、陳列台に陳列した陳列物が購入者から見やすくなる。なお、上述した荷箱移載台車1は、陳列台の他、ステージなどとしても利用することが可能である。また、荷箱2は、内部をステージや陳列台として利用してもよい。また、上述した荷箱移載台車1は、フレーム枠11を2分割可能なように構成することにより、2台の陳列台としての利用が期待できるので、より一層のフリーマーケット等での利用が期待できる。
【0100】
図17(b)は、荷箱移載台車1に係る枠体10を利用したリヤカー1Aを例示したものである。本実施形態におけるリヤカー1Aは、枠体10における車幅方向両側の一対のフレーム枠11,11を、前後方向の中央で2分割することにより形成されている。言い換えると、左右のフレーム枠11,11が、それぞれ前後の分割フレーム枠12,12に分割されることにより、2台のリヤカー1A,1Aが形成される。また、リヤカー1Aは、枠体10上の一部の領域に天板21が設けられている。したがって、リヤカー1Aは、天板21上に各種の物品を載置できる。また、リヤカー1Aは、枠体10の幅方向両側、かつ梁部材15よりも後方側に一対の台車側車輪25,25が設けられているので、梁部材15を持ち上げて牽引することにより、自在に移動させることができる。なお、本実施形態では、フレーム枠11が分割フレーム枠12,12に2分割されているが、フレーム枠11が分割されていないものとしてもよい。また、フレーム枠11が2つ以上に分割されていてもよい。
【0101】
このように、上述した構成を採用することにより、荷箱移載台車1は、リヤカー1Aとして利用できる。そのため、上述したリヤカー1Aは、例えば、野外等の移動先において、台車を別途用意することなく、物品の搬送に利用できる。また、上述したように、リヤカー1Aは、荷箱移載台車1におけるフレーム枠11を分割フレーム枠12,12として2分割可能なように構成することにより、2台のリヤカー1A,1Aとして利用できるので、より一層の作業効率の向上が期待できる。
【0102】
以上が、本発明の荷箱移載台車1、荷箱移載システム100及びリヤカー1Aの構成及び作用効果であるが、本発明の荷箱移載台車1、荷箱移載システム100、及びリヤカー1Aは、上述した実施形態には限定されず、各種の変形を行うことができる。
【0103】
本実施形態では、枠体10が上面視において矩形状となるように形成されているが、枠体10は、各種の形状や大きさに形成できる。また、本実施形態では、枠体10が、分割フレーム枠12や梁部材15として分解可能に形成されているが、枠体10は、分解可能なものだけではなく、分解できないものや一部の分解が可能なものとして形成されていてもよい。また、載置部20は、荷箱2の形状や大きさに合わせて、各種の形状や大きさに形成できる。例えば、載置部20が、全面で荷箱2を支持するものとして形成されていてもよい。また、台車側車輪25は、各種の位置に配置することができ、設ける個数も荷箱移載台車1を移動させることが可能な範囲で適宜変更することができる。また、第1ストッパ部30は、各種の形状や大きさに形成できる。例えば、第1ストッパ部30が複数に分割可能に形成されていてもよい。また、本実施形態では、第1ストッパ部30が上下方向に移動可能に構成されているが、第1ストッパ部30が上昇した制限位置に固定されていてもよい。また、第1ストッパ部は、前後方向に移動可能なものだけではなく、前後方向の所定の位置に固定されていてもよい。また、フラップ40は、各種の形状や大きさに形成できる。また、本実施形態では、フラップ40が、車幅方向に沿う軸線周りに回動可能に支持されているが、荷箱2の荷箱側車輪240を案内可能な各種の形態のフラップ40の利用が可能である。
【0104】
本実施形態では、枠体10における一対のフレーム枠11,11が、それぞれ2つの分割フレーム枠12、12に分割可能に形成されているが、本発明は、これには限定されない。例えば、フレーム枠11が分割不能に形成されているものや、2つ以上の分割フレーム枠12に分割可能なものなど、利用の態様に応じて各種の形状や大きさに分割可能に構成することができる。また、梁部材15も各種の本数のものが利用でき、形状や大きさも各種のものが利用できる。また、分割フレーム枠12は、同一の形状に形成されていることが、収納上望ましいが、これには限定されず、各種の形状や大きさに形成することができる。また、分割フレーム枠12、梁部材15、台車側車輪25は、各種の単位で着脱可能に構成できる。
【0105】
また、本実施形態では、荷箱2を、リフト装置200を用いてリフトアップさせているが、本発明は、これには限定されない。例えば、荷箱2に車輪が設けられているものや、リフト装置200とは、異なる手段で、荷箱2が移送可能にリフトアップされるものなど、荷箱2のリフトアップや移動には、各種の手段が利用できる。また、本実施形態では、複数のリフト装置200の回動レバー220が、それぞれ単独に駆動されるものとしたが、複数のリフト装置200の回動レバー220が、リンク機構等を介して、まとめて操作されるものとしてもよい。
【0106】
また、本実施形態では、枠体10の車幅方向両側における前端側及び後端側のそれぞれに第2ストッパ部50が設けられているが、本発明は、これには限定されない。第2ストッパ部50は、必要に応じて設ければよく、第2ストッパ部50を設けない構成とすることもできる。また、第2ストッパ部50は、荷箱2が前後方向に移動することを抑制できる各種の形状や大きさのものが利用でき、各種の位置に配することができる。
【0107】
また、天板21は、必要に応じて設ければよく、形状や大きさも各種のものが利用できる。また、リヤカー1Aは、枠体10、フレーム枠11、分割フレーム枠12等の形状や大きさに応じて、適宜の形状や大きさに形成できる。
【0108】
また、荷箱移載システム100で利用される車両5は、軽トラックだけではなく、荷台6を備えた各種の車両を利用することができる。例えば、本発明の荷箱移載システム100は、大型・中型・小型トラックなどにも利用できる。また、本実施形態では、後方アオリ部材6Bにおける中央のヒンジ部材6Cを利用して、位置決めが行われるものとしたが、位置決めは、各種の手段を用いて行うことが可能である。また、フック部63は、各種の形状や大きさに形成することができる。また、基準部62には、位置決めに利用できる各種のマーカー等が利用できる。
【0109】
本実施形態では、荷台6の車幅方向両側に、荷台6の前後方向に沿って延びるように形成された一対のガイド部材70,70が設けられているが、ガイド部材70,70は必要に応じて設ければよく、ガイド部材70を有しない構成とすることもできる。また、ガイド部材70には、荷箱側車輪240を案内可能な各種の形状や大きさのものが利用できる。
【0110】
以上が、本発明に係る荷箱移載台車1、荷箱移載システム100、及びリヤカー1Aの各種の実施形態や変形例であるが、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明の荷箱移載台車及び荷箱移載システムは、各種の荷箱の移動に利用することができる。また、本発明の荷箱移載台車及び荷箱移載システムは、トラック等の車両、船舶、航空機、台車等への荷箱の積み下ろし作業に利用することができる。また、本発明のリヤカーは、各種の物品の搬送に利用することができる。
【符号の説明】
【0112】
1 :荷箱移載台車
1A:リヤカー
2 :荷箱
5 :車両
6 :荷台
6A:側方アオリ部材
6B:後方アオリ部材
10 :枠体
11 :フレーム枠
12 :分割フレーム枠
15 :梁部材
20 :載置部
25 :台車側車輪
30 :第1ストッパ部
40 :フラップ
50 :第2ストッパ部
60 :位置決め部
62 :基準部
63 :フック部
70 :ガイド部材
100 :荷箱移載システム
200 :リフト装置
220 :回動レバー
240 :荷箱側車輪