(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007634
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】液体注入及び抽出装置
(51)【国際特許分類】
B01J 4/00 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
B01J4/00 103
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108825
(22)【出願日】2022-07-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】518440383
【氏名又は名称】株式会社西村ケミテック
(74)【代理人】
【識別番号】100162536
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 豊
(72)【発明者】
【氏名】兼重 卓爾
【テーマコード(参考)】
4G068
【Fターム(参考)】
4G068AA01
4G068AA07
4G068AB15
4G068AC05
4G068AC16
4G068AD40
4G068AE05
4G068AF25
4G068AF37
4G068AF40
(57)【要約】
【課題】 本発明は、長期間にわたって、容器の開口に導管等の棒状体を自動で挿入することができる液体注入及び抽出装置を提供する。
【解決手段】 本発明の液体注入及び抽出装置100は、上面に開口を有する容器200に棒状体10を自動で挿入して、前記容器200に液体を注入し又は前記容器200から液体を抽出する、液体注入及び抽出装置100であって、前記容器200の開口210の位置を計測することができる計測システム20、前記容器200の上部に存在しており、前記計測システム20によって計測した位置まで前記棒状体10を移動させることができる棒状体提供システム30、及びこれらの動作を制御するための制御システム50を具備し、前記樹棒状体10が、棒状支持体11aによって支持されている樹脂製導管11bを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に開口を有する容器に棒状体を自動で挿入して、前記容器に液体を注入し又は前記容器から液体を抽出する、液体注入及び抽出装置であって、
前記容器の開口の位置を計測することができる計測システム、
前記容器の上部に存在しており、前記計測システムによって計測した位置まで前記棒状体を移動させることができる棒状体提供システム、
及び
これらの動作を制御するための制御システム
を具備し、
前記棒状体が、棒状支持体によって支持されている樹脂製導管を含む、液体注入及び抽出装置。
【請求項2】
前記棒状支持体の少なくとも表面が樹脂製である、請求項1に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項3】
前記樹脂製導管が前記棒状支持体に融着されて支持されている、請求項2に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項4】
前記容器を平面方向及び/又は周方向に移動させることができる容器位置変更システムをさらに具備する、請求項1に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項5】
前記容器の開口が、2つ以上存在しており、それぞれの開口に対応する前記棒状体提供システムを含む、請求項1に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項6】
前記棒状体が、撹拌翼を含む、請求項1に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項7】
前記撹拌翼を傾けるための傾斜機構を具備する、請求項6に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項8】
前記容器が、100リットル以上1000リットル以下の液体を含むことができる、請求項1~7のいずれか一項に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項9】
前記液体が、半導体製造プロセスで用いられる研磨スラリー又は薬液である、請求項8に記載の液体注入及び抽出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製導管を用いた液体注入及び抽出装置に関する。特に、本発明は、容器の開口に樹脂製導管を自動で挿入することができる液体注入及び抽出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な技術分野の工場等において、タンク、ドラム等の容器から液体を自動で抜き出す装置が用いられている。例えば、半導体製造プロセス等で用いられる研磨スラリー、及び洗浄液、めっき液等の薬液(ケミカル)をドラムから自動で抽出する装置が用いられている。これらの装置では、液体導管として、金属製導管を用いることができない場合が多く、ポリエチレン製、フッ素樹脂製等の樹脂製の液体導管が用いられることが多い。
【0003】
例えば、半導体製造プロセス等で用いられる研磨スラリーに関して、特許文献1は、液体を提供できる研磨液供給装置を開示している。
【0004】
特許文献1のような装置においては、薬液を含むドラムは、開口をその上面に有しており、開口に薬液抽出用の樹脂製導管を挿入することで、樹脂製導管から薬液を抜き出すことができる。なお。ここで用いられるような樹脂製導管は、ドラムの底にまで届くようにある程度の長さを有する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
容器の上面にある開口に樹脂製導管を挿入する工程は手動で行うことができる。しかし、近年、無人搬送車(AGV)等を用いて薬液を含む容器を、薬液を抽出する位置まで搬送する場合があり、この場合、開口に樹脂製導管を挿入する工程も全自動で行われることが望まれている。
【0007】
また、薬液を使用する工場において行われる薬液を抽出する工程だけではなく、薬液を製造する工場において行われる薬液を注入する工程においても、全自動で行われることが好ましく、この場合にも、容器上面の開口に樹脂製導管を挿入する工程が全自動で行われることが望まれている。
【0008】
本発明者らが、容器上面の開口に樹脂製導管を全自動で挿入する装置を検討したところ、その装置を長期間使用しているうちに開口への樹脂製導管の挿入が失敗するようになった。
【0009】
そこで、本発明は、長期間にわたって、容器の開口に導管等の棒状体を自動で挿入することができる液体注入及び抽出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの実施形態において、液体注入及び抽出装置は、上面に開口を有する容器に棒状体を自動で挿入して、前記容器に液体を注入し又は前記容器から液体を抽出する、液体注入及び抽出装置であって、
前記容器の開口の位置を計測することができる計測システム、
前記容器の上部に存在しており、前記計測システムによって計測した位置まで前記棒状体を移動させることができる棒状体提供システム、
及び
これらの動作を制御するための制御システム、
を具備し、
前記棒状体が、棒状支持体によって支持されている樹脂製導管を含む。
【0011】
液体注入及び抽出装置に挿入する樹脂製導管を提供する装置は、工場内の決められた位置に配置され、大きく移動させることができない。例えば、液体を注入又は抽出する樹脂製導管は、工場内の決められた位置にのみ設置される。そのため、樹脂製導管を容器に挿入させるためには、容器を導管提供システムの付近に移動させる必要がある。また、容器には数百キロの液体が含まれている場合があり、容器を人力で移動させることは非常に困難が伴う。そこで、無人搬送車(AGV)等を用いて容器を移動させることが検討されている。
【0012】
容器を樹脂製導管が設置されている場所の付近にまで移動させた後、開口に樹脂製導管を挿入する工程も全自動で行う場合、樹脂製導管の真下に容器の開口を配置して、樹脂製導管を下方向に移動させる必要がある。ここで、容器の開口の径と樹脂製導管の径とがほぼ同一で、ミリ単位で位置合わせをする必要がある場合には、その位置合わせを非常に高い精度で行う必要がある。特に、容器が樹脂製のドラムである場合、成形誤差が大きく、開口の位置が1cm程度ずれることがありうる。
【0013】
そこで、この実施形態においては、容器の開口の位置を計測できる計測システムを用いて容器の開口の位置を計測した上で、開口の真上の位置まで樹脂製導管である棒状体を移動できる棒状体提供システムを組み合わせる。それにより、開口と棒状体との水平方向の位置をミリ単位で位置合わせすることができる。
【0014】
さらに、この実施形態においては、樹脂製導管が、棒状支持体によって支持されているため、長期間にわたって使用したとしても、開口への樹脂製導管の挿入が失敗しない。すなわち、樹脂製導管は、長期間使用していると、
図3に示すように、徐々に反り又は曲がりが発生してくることが分かった。これは、樹脂製導管は、チューブ状であり、通常は製造後に数十メートルから数百メートルの単位でロールにされて保管されるため、切断をしてアニール処理で直線化したとしても、長期間使用していると徐々に反り又は曲がりが発生してくる。また、樹脂製導管が、PVCチューブ等のように射出成形品であったとしても、ドラムの底にまで届くようにある程度の長さがあると、射出成形時の分子配向の影響が無視できなくなって、長期間使用していると、わずかに反り等が発生してくる。それに対して、樹脂製導管が、棒状支持体によって支持されていると、そのような反りの発生を抑えることができる。
【0015】
1つの実施形態において、液体注入及び抽出装置は、棒状支持体の少なくとも表面が樹脂製である。
【0016】
半導体製造プロセス等で用いられる液体は、金属との接触が問題となることがあるため、この場合には、棒状支持体の表面が樹脂製であることが好ましい。棒状支持体は、金属製の芯が樹脂で被覆されているものであってもよい。
【0017】
1つの実施形態において、液体注入及び抽出装置は、樹脂製導管が棒状支持体と融着して支持されている。
【0018】
液体注入及び抽出装置を半導体製造プロセス等で用いる場合には、ホコリ等が発生しないことが望ましい。樹脂製導管が棒状支持体と融着して支持されている場合には、ホコリ等が発生しないため有利である。
【0019】
1つの実施形態において、液体注入及び抽出装置は、容器を平面方向及び/又は周方向に移動させることができる容器位置変更システムをさらに具備する。
【0020】
容器の上部に存在している棒状体提供システムは、例えば、容器に開口が複数存在しておりそれぞれの開口に棒状体を挿入する必要がある場合には、複数の棒状体提供システムが必要になる。例えば、1つの開口に液体抽出用の導管を挿入し、他の1つの開口に撹拌翼を挿入する必要がある場合、少なくとも2つの棒状体提供システムが容器の上部に存在することになる。この場合、それらが互いに衝突するため、棒状体提供システムの水平移動距離に制限ができる場合がある。
【0021】
また、1つの開口に1つの棒状体を挿入するだけであったとしても、工場内にそのスペースを確保できない等の理由により、棒状体提供システムの水平移動距離に制限ができる場合がある。したがって、このような場合には、開口と棒状体との初期位置が離れすぎてしまうと、自動での位置合わせができなくなることがある。
【0022】
AGV等を用いて容器を移動させる場合には、容器の置き場まで容器を移動させることはできても、容器は任意の方向を向いてしまう。それに対して、この実施形態であれば、容器の向きを意図した位置に容易に配置できるようになるため好ましい。
【0023】
1つの実施形態において、液体注入及び抽出装置に用いられる容器の開口は2つ以上存在しており、液体注入及び抽出装置は、それぞれの開口に対応する前記棒状体提供システムを含む。
【0024】
容器の開口が2つ以上存在しており、棒状体提供システムが複数ある場合には、それらが互いに衝突するため、棒状体提供システムの水平移動距離に制限ができる。それに対して、この液体注入及び抽出装置は、容器位置変更システムが容器を平面方向及び/又は周方向に移動させることができるため、棒状体提供システムの移動距離を最小限にすることができるため好ましい。
【0025】
1つの実施形態において、液体注入及び抽出装置は、その棒状体が、棒状支持体によって支持されている樹脂製導管に加えて、さらに撹拌翼を含む。
【0026】
液体注入及び抽出装置に、挿入する棒状体が撹拌翼である場合、特に液体抽出工程において分散液を抽出する際に非常に有用である。
【0027】
1つの実施形態において、液体注入及び抽出装置は、前記撹拌翼を傾けるための傾斜機構を具備する。
【0028】
このような実施形態においては、特に開口が容器の中央部に存在せず、かつ液体抽出工程において分散液を抽出する際に、容器の中央位置付近にまで撹拌翼を近づけた上で、分散液を撹拌できるようになるため、非常に有用である。
【0029】
1つの実施形態において、液体注入及び抽出装置で用いられる容器は、100リットル以上1000リットル以下の液体を含むことができる。
【0030】
このような実施形態においては、人力での容器の運搬が台車等を用いたとしても非常に困難である一方で、AGV等を用いて容器を移動できる範囲の重量であるため好ましい。
【0031】
1つの実施形態においては、液体注入及び抽出装置で注入又は抽出される液体は、半導体製造プロセスで用いられる研磨スラリー又は薬液(ケミカル)である
【0032】
このような実施形態においては、非常に高いクリーン度が求められ、工程の全自動化が望まれているため、この液体注入及び抽出装置が非常に有用である。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、容器の開口に導管等の棒状体を自動で挿入することができる液体注入及び抽出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、本発明の液体注入及び抽出装置の1つの実施形態の概略図を示している。
【
図2】
図2は、本発明の液体注入及び抽出装置の他の1つの実施形態の概略図を示している。
【
図3】
図3は、樹脂製導管が徐々に反り又は曲がりが発生してくる様子の概略図を示している。
【
図4】
図4は、樹脂製導管が棒状支持体と融着して支持されている実施形態の棒状体の概略図を示している。
【
図5】
図5は、本発明の液体注入及び抽出装置において、容器の中心軸付近で撹拌を行うために、棒状体である撹拌翼を傾斜させた状態を例示している。
【
図6】
図6は、本発明の液体注入及び抽出装置の1つの実施形態において用いることができるターンテーブルの詳細を示している。
【
図7】
図7は、本発明の液体注入及び抽出装置に容器が運搬された直後の状態を表す斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の液体注入及び抽出装置に容器が運搬された後に、容器配置台で容器の開口の位置を適切化した状態を表す斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の液体注入及び抽出装置に容器が運搬された後に、容器配置台で容器の開口の位置を適切化した状態の側面図である。
【
図10】
図10は、本発明の液体注入及び抽出装置において、棒状体が容器の開口に挿入された状態を表す斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の液体注入及び抽出装置において、棒状体が容器の開口に挿入された状態を表す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明を以下の実施形態を例として具体的に説明をするが、本発明はこれによって限定されるものではない。本明細書における各装置、機構、手段等について特に詳細な言及がない場合には、これらについては当業者であれば周知の機械的装置、機構、手段等を用いることができる。各実施形態は、当業者が通常の知識に基づいて組み合わせることが可能であり、各実施形態について特記していない構成については、他の実施形態と同じ構成又はその実施形態に適した構成を有することができる。
【0036】
《液体注入及び抽出装置》
図1は、本発明の液体注入及び抽出装置の1つの実施形態の概略図を示している。
図2は、本発明の液体注入及び抽出装置の他の1つの実施形態の概略図を示している。
【0037】
図1に示す液体注入及び抽出装置100は、容器200の上面に有する開口に、棒状体10を自動で挿入するための装置である。この装置100は、容器200の開口の位置を計測することができる計測システム20、棒状体10のための棒状体提供システム30、容器を平面方向及び/又は周方向に移動させることができる随意の容器位置変更システム40、及びこれらの動作を制御するための制御システム50を具備する。
【0038】
図2に示す液体注入及び抽出装置100は、容器200の上面に有する開口に、第1及び第2の棒状体11,12を自動で挿入するための装置である。この装置100は、容器200の開口の位置を計測することができる計測システム20、第1及び第2の棒状体11,12のための第1及び第2の棒状体提供システム31,32、容器を平面方向及び/又は周方向に移動させることができる容器位置変更システム40、及びこれらの動作を制御するための制御システム50を具備する。
【0039】
図1の実施形態において、棒状体10は、2つ存在しており、少なくとも一方が液体を注入又は抽出するための樹脂製の液体導管であり、他方は、液体導管、気体導管、撹拌翼、温度計等のセンサーであってもよい。例えば、棒状体10は、複数の液体又は気体のための導管、センサー等の棒状体の束であってもよい。また、棒状体10は、内部を加圧するためのガス管であってもよい。
【0040】
樹脂製導管は、
図3に示すように、長期間使用していると徐々に反り又は曲がりが発生してくることが分かった。これは、樹脂製導管は、チューブ状であり、通常は製造後に数十メートルから数百メートルの単位でロールにされて保管されるため、切断をしてアニール処理で直線化したとしても、長期間使用していると徐々に反り又は曲がりが発生してくるためであると考えられる。また、樹脂製導管が、PVCチューブ等のように射出成形品であったとしても、長期間使用していると、わずかに反り等が発生してくる。これは、ドラムの底にまで届くようにある程度の長さがあると、射出成形時の分子配向の影響が無視できなくなるためであると考えられる。
【0041】
樹脂製導管に反り又は曲がりが発生すると、棒状体を容器の開口の真上まで移動させても、棒状体を開口に挿入することができなくなってしまう。そこで、本発明においては、樹脂製導管を棒状の支持体によって支持することで、樹脂製導管が真っ直ぐな状態を維持させる。
【0042】
例えば、そのような棒状体11としては、
図4に示すような棒状支持体11aに樹脂製導管11bが融着部11cで融着されて支持されているものであってもよい。
図4においては、樹脂製導管11bが2本存在し、棒状支持体11aが1本だけ存在しているが、融着部11cは、樹脂製導管11bと棒状支持体11aとの間だけではなく、樹脂製導管11b同士の間にも存在していることが好ましい。この場合、2本の樹脂製導管11bは、処理液の抽出のために液体を抽出するための樹脂製導管と、使用した後の処理液を再利用して容器に戻すために液体を注入するための樹脂製導管とであってもよい。
【0043】
棒状支持体11aとしては、樹脂製導管11bが支持されることで樹脂製導管11bが真っ直ぐな状態を維持できれば特に限定されないが、例えば中実の硬質の棒状体である。例えば、棒状棒状体11aとしては、中実の樹脂製棒状体、金属製棒状体等を挙げることができるが、特に樹脂によって被覆された金属製棒状体を挙げることができる。樹脂によって被覆された金属製棒状体は、金属製棒状体に基づいて高い弾性率を有するために、樹脂製配管を真っ直ぐな状態に維持できる。また、樹脂によって被覆された金属製棒状体は、樹脂に被覆されていることで、半導体製造プロセス等で用いられる液体との接触に問題が生じにくい。
【0044】
棒状支持体11a及びそれによって支持される樹脂製導管11bは、用いられるドラム等の容器の深さと同程度の長さを有していることが好ましい。例えば、これらの長さは、0.5m以上、0.6m以上、0.8m以上、又は1.0m以上であってもよく、2.0m以下、1.5m以下、1.2m以下、又は1.0m以下であってもよい。例えば、樹脂製導管11bは、外径が10mm~30mmで内径が外径より3mm~8mm程度小さいような導管であってもよい。
【0045】
支持の態様は、棒状支持体11aによって樹脂製導管11bが真っ直ぐな状態を維持できれば特に限定されないが、例えばクランプ、ワイヤ等による固定、熱溶接等による融着による固定等を挙げることができるが、長期間使用してもホコリ等の発生が少ない融着による固定が好ましい。
【0046】
なお、樹脂製導管のポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、PTFE、PFA等のフッ素樹脂製等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0047】
例えば、液体注入及び抽出装置100が、何らかの製造プロセスで用いられる処理液の抽出装置である場合、棒状体10は、処理液の抽出のために液体を抽出するための樹脂製導管と、使用した後の処理液を再利用して容器200に戻すために液体を注入するための樹脂製導管とであってもよく、またこれらの束であってもよく、二重配管となっていてもよい。樹脂製導管が束となっている場合、その束を棒状支持体によって支持することができる。
【0048】
図2の実施形態において、第1の棒状体11は、液体抽出用の樹脂製液体導管であり、第2の棒状体12は、撹拌翼である。この場合、第1の棒状体11は、処理液の抽出のために液体を抽出するための樹脂製導管と、使用した後の処理液を再利用して容器200に戻すために液体を注入するための樹脂製導管との束であってもよい。
【0049】
図2の実施形態において、液体導管である第1の棒状体11には、液体を注入又は抽出するためのチューブ状配管13がさらに存在している。また、撹拌翼である第2の棒状体12には、撹拌翼を撹拌するための撹拌機14がさらに存在している。
【0050】
図5(a)及び(b)に示されるように、撹拌翼である第2の棒状体12には、撹拌翼を傾けるための傾斜機構15によって、撹拌翼12を傾けられるようになっていてもよい。これによって、撹拌翼12の先端を容器200の中心部に近付けることができ、容器200の内部の液体を効率よく混合することができる。
【0051】
棒状体10は、容器200の開口径よりも小さい径である必要があり、撹拌翼である第2の棒状体12の場合にも径が小さい必要がある。一方で、撹拌翼は通常、径が大きい方が混合性能は高い。そこで、棒状体10として撹拌翼を用いる場合には、撹拌翼がない遠心撹拌機等を使用することが好ましい。また、撹拌翼としては、回転させることで羽が開くことができ、かつ容器200の開口から抜くときには羽が開口に当たって閉じることができる、折りたたみ式の撹拌翼も有用である。
【0052】
計測システム20は、液体注入及び抽出装置100に搬入されてきた容器200の開口の位置を計測することができる。液体注入及び抽出装置100は、計測システム20が開口の位置を計測し、その情報を制御システム50に送信する。
【0053】
図1及び
図2の実施形態において、計測システム20は、搬入される容器200及び棒状体提供システム30の上部に位置している。ただし、計測システム20は、容器200の開口の位置を計測することができれば、その位置は特に限定されない。
図1及び
図2に示されるように、計測システム20は、液体注入及び抽出装置100の架台70に取り付けられていてもよいが、このような実施形態に限定されることはなく、計測システム20は、液体注入及び抽出装置100とは別個に場所に設置されていてもよい。
【0054】
計測システム20は、上記のような機能を提供できれば特に限定されないが、例えば、計測システム20は、カメラ及びカメラで撮影した画像を処理する画像処理装置を含むことができる。このような計測システム20は、市販されており、周知の計測システムを利用することができる。なお、画像処理装置は、制御システム50と共通していてもよく、独立した部品であってもよい。計測システム20が、カメラ及びカメラで撮影した画像を処理する画像処理装置を具備する場合には、非常に高精度の計測が可能であり、このようなシステムは市販されているため入手が容易であり、また棒状体提供システムと制御システムとの接続が容易であるため好ましい。
【0055】
計測システム20においては、例えば、カメラで撮影した画像において、容器の開口は黒色の円形形状になるため、黒色の円形形状部を、画像処理装置によって容器200の開口と画像認識させることができる。
【0056】
棒状体提供システム30は、制御システム50から制御を受けて、計測システムによって計測した容器200の開口の位置の上部まで、棒状体10を移動させることができる。棒状体提供システム30は、
図1又は
図2のように、複数存在する場合には、それぞれが独立して制御されて棒状体10を移動させることができる。
【0057】
棒状体提供システム30が、複数存在する場合は特に、それらが互いに衝突するため、棒状体提供システム30の水平移動距離に制限ができる場合がある。したがって、棒状体提供システム30が、複数ある場合には特に、容器200の開口の位置を移動させることができる容器位置変更システム40を具備する液体注入及び抽出装置100が非常に有利である。
【0058】
棒状体提供システム30は、搬入される容器200の上部に位置している。
図1及び
図2に示されるように、棒状体提供システム30は、液体注入及び抽出装置100の架台70に取り付けられていてもよいが、このような実施形態に限定されることはなく、棒状体提供システム30は、液体注入及び抽出装置100とは別個に場所に設置されていてもよい。
【0059】
棒状体提供システム30は、上記のような機能を提供できれば特に限定されないが、例えば、ラックアンドピニオン機構によって棒状体10と共に移動できるように構成することができる。棒状体提供システム30は、少なくとも上下方向に棒状体10を移動できるように構成されている。例えば、液体注入及び抽出装置100に用いられる容器200が常に同じ形状であり、容器200をその場で回転移動さえすれば、棒状体提供システム10の真下の位置に開口が移動してくるという場合には、棒状体提供システム30は、上下方向のみに棒状体10を移動させればよい。ただし、棒状体提供システム30は、さらに水平方向の一方向又は二方向に移動できるように構成されていてもよい。この場合には、様々な容器の形状に合わせて、液体注入及び抽出装置100を用いることができる。
【0060】
図2の実施形態においては、第1及び第2の棒状体11,12のための第1及び第2の棒状体提供システム31,32が存在している。第1の棒状体提供システム31は、第1の棒状体11のためのチューブ状配管13を、第1の棒状体11と共に移動させることができる。ここで、第1の棒状体11は、
図1の実施形態において説明したような棒状体11であることができ、例えば
図4に示すような、棒状支持体11aに樹脂製導管11bが融着部11cで融着されて支持されているものであってもよい。また、第2の棒状体提供システム32は、撹拌翼である第2の棒状体12のための撹拌機14を、第2の棒状体12と共に移動させることができる。
【0061】
随意の容器位置変更システム40は、計測システム20が計測した容器200の開口の位置の情報に基づいて、制御システム50から制御を受けて、搬入されてきた容器200の位置及び/又は向きを微調整することによって、容器200の開口の水平面上の位置と、棒状体10の水平面上の位置とを近づけることができる。容器200を人力等で運搬する半自動の液体注入及び抽出装置100等の場合には、容器200の開口の位置を一定程度決めてから運搬させることができるため、容器位置変更システム40の設置は必須ではない。
【0062】
容器位置変更システム40は、容器200の位置及び/又は向きを変更できれば、特にその構成は限定されない。例えば、容器位置変更システム40は、容器200を配置して、その位置及び/又は向きを容器200の底部から変更できる容器配置台であってもよく、容器200を把持してその位置及び/又は向きを変更できるシステムであってもよい。例えば、容器位置変更システム40は、容器200の両側面を2つのベルトで挟持してベルトを互いに逆方向に移動させることによって容器200の向きを変更するシステムであってもよい。
【0063】
また、例えば、容器位置変更システム40は、容器を周方向に移動させることができるターンテーブル状の容器配置台であってもよい。AGV等を用いて容器を移動させる場合には、容器の置き場まで容器を移動させることはできても、容器は任意の方向を向いてしまう。それに対して、この実施形態であれば、容器の向きを意図した位置に容易に配置できるようになるため好ましい。
【0064】
例えば、
図6は、容器配置台40が、円形プレート状のターンテーブルを含む例を示している。この容器配置台40は、その全外周の約2/3にわたって側壁41を有している。側壁41は、円形プレート状の容器配置台40の外周において垂直に立設されており、容器配置台40には、側壁のない部分42から容器200が無人搬送車又は台車220によって運搬されてくる。
【0065】
容器配置台40の側壁41には、歯車43が設けられており、モーター44に設けられた歯車(図示せず)と共に、ラックアンドピニオン機構によって、容器配置台40全体が回転運動できるように構成されている。このモーター44が、制御システム50から制御されることによって、搬入されてきた容器200を容器配置台40上で回転運動させて、容器200の開口210の水平面上の位置と棒状体10の水平面上の位置とを近づけることができる。
【0066】
容器配置台40の厚みは小さいことが好ましい。例えば、容器配置台40の厚みは、側壁43を除いて、液体注入及び抽出装置100が設置される地面から、10cm以下、5cm以下、3cm以下、2cm以下、又は1cm以下であってもよい。厚みが小さい場合には、比較的重い容器を用いる場合であっても、AGVを用いて容器を移動させることできる。この場合には、地面から容器配置台40の上に容器を配置するためにスロープを設置してもよい。
【0067】
制御システム50は、液体注入及び抽出装置100の計測システム20、棒状体提供システム30、及び容器位置変更システム40を制御して、上面に開口を有する容器に棒状体を自動で挿入して、容器に液体を注入し又は前記容器から液体を抽出することができる。制御システム50は、そのような機能を発揮できるのであれば、特にその構成は限定されない。
【0068】
制御システム50は、電子制御ユニット(ECU)であってもよく、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備えることができる。
【0069】
例えば、制御システム50には、計測システム20から送信された容器200の開口210の位置に関する情報を信号として入力ポートを介して入力される。制御システム50に入力された開口位置に関する信号に基づいて、制御システム50は、容器200の開口210の水平面上の位置と、棒状体10の水平面上の位置とを近づけるように、容器位置変更システム40を動作させるための信号を、容器位置変更システム40に対して出力する。棒状体10の初期位置は常に一定であってもよく、この場合、制御システム50は、容器200を新たに入れ替えたタイミング等で、棒状体10を初期位置に戻すための信号を棒状体提供システム30に出力する。また、棒状体10の初期位置が一定ではない場合、制御システム50は、容器200の開口210の水平面上の位置と、棒状体10の水平面上の位置とを近づける際に、棒状体10の現在の位置の情報を取得した上で、容器位置変更システム40を動作させるための信号を、容器位置変更システム40に対して出力する。
【0070】
その後、制御システム50は、棒状体提供システム30に対して、棒状体10を容器200の開口210の真上の位置にまで移動させるように信号を出力するが、容器位置変更システム40の動作だけで、棒状体10が容器200の開口210の真上に位置させることができれば、その必要はない。棒状体10が容器200の開口210の真上に位置に移動したら、制御システム50は、棒状体提供システム30に対して、棒状体10を容器200の開口210に挿入するように、棒状体10を真下に移動させるように信号を出力する。
【0071】
液体注入及び抽出装置100において、容器200への液体の注入又は容器200からの液体の抽出が終了したら、制御システム50は、棒状体提供システム30に対して、棒状体10を容器200の開口210から抜き出するように、棒状体10を真上に移動させるように信号を出力する。容器200への液体の注入又は容器200からの液体の抽出の終了は、計量装置60からの容器200の重量の情報に基づいて、制御システム50が判断することができる。また、容器200が液体注入及び抽出装置100に載置され、液体注入及び抽出装置100が動作を開始する判断も、計量装置60からの容器200の重量の情報に基づいて制御システム50が行うことができる。
【0072】
計量装置60は、容器位置変更システム40の上又は下に位置することができ、容器200の重量を測定することができる。
【0073】
架台70は、例えば液体注入及び抽出装置100の計測システム20、棒状体提供システム30、及び制御システム50を支持することができる。架台70は、工場内の設備の一部であってもよく、独立した設備であってもよい。
【0074】
容器200は、無人搬送車又は台車220によって運搬することができれば特に限定されないが、例えばタンク、ドラム等であってもよく、金属製、樹脂製等であってもよい。ただし、上述したように、容器200が樹脂製である場合には、成形誤差に起因して、容器200の開口の位置にばらつきが大きくなるため、樹脂製の容器を用いる場合には、この液体注入及び抽出装置100は特に有用である。
【0075】
容器200は、例えば、10リットル以上、50リットル以上、100リットル以上、又は200リットル以上の液体を含むことができ、3000リットル以下、2000リットル以下、1000リットル以下、又は500リットル以下の液体を含むことができる。
【0076】
容器200は、1つ又は2つ以上の開口210を有しており、開口210には蓋を取り付けられてもよい。この場合、液体注入及び抽出装置100には、蓋を自動で取り外すシステムを有していてもよい。
【0077】
容器200に含まれる液体は、例えば、半導体製造プロセス等で用いられる研磨スラリー、及び洗浄液、めっき液等の薬液(ケミカル)であってもよく、液体注入及び抽出装置100もこのような分野で用いることができる。
【0078】
さらに、本発明は、上記のような液体注入及び抽出装置100を用いた、容器からの液体抽出方法又は容器への液体の注入方法に関する。なお、本発明の方法の各構成については、本発明の液体注入及び抽出装置に関して説明した各構成を参照することができる。
【0079】
この方法は、開口210を有する容器200を液体注入及び抽出装置100に搬入すること、計測システム20によって容器200の開口210の位置を計測すること、計測システム20によって計測した開口210の位置情報を制御システム50に送信すること、開口210の位置情報及び棒状体10の位置情報に基づいて制御システム50で棒状体提供システム30を作動させて容器の開口210に棒状体10を挿入すること、及び棒状体10によって、容器200から液体を抽出し又は容器200に液体を注入すること、を含む。
【0080】
容器200を液体注入及び抽出装置100に搬入する工程は、容器200を液体注入及び抽出装置100の容器位置変更システム40に搬入する工程であってもよい。また、この場合、開口210の位置情報に基づいて制御システム50で容器配置台40を制御して作動させて容器の開口210の水平面上の位置と棒状体10の水平面上の位置とを近付ける工程を含めることができる。
【0081】
液体注入及び抽出装置100に容器200を搬入した後は、計量装置60によって容器200の重量を計測し、その情報を制御システム50に送信すること、本発明の方法はさらに含むことができる。制御システム50が容器200の重量情報を受信した後で、計測システム20による開口210の位置の計測を行うことができる。
【0082】
開口210の位置情報及び棒状体10の位置情報に基づいて制御システム50で棒状体提供システム30を作動させて容器の開口210に棒状体10を挿入する工程において、棒状体10の位置情報は、棒状体10の初期位置が決まっているのであればその情報を使用することができ、初期位置が決まっていない場合には、棒状体10の位置情報を計測して使用することができる。また、棒状体提供システム30の作動は、水平移動及び垂直移動を含むことができる。
【0083】
容器200から液体を抽出し又は容器200に液体を注入する工程の後に、計量装置60によって容器200の重量を計測し、その情報を制御システム50に送信することを、本発明の方法はさらに含むことができる。これにより、液体を抽出又は液体の注入を止めるタイミングを制御システム50によって制御することができる。
【0084】
液体を抽出又は液体の注入を止めた後は、制御システム50によって棒状体提供システム30を作動させ、棒状体10を容器200の開口210から抜き出すことを、本発明の方法はさらに含むことができる。この場合において、棒状体提供システム30は、棒状体10を初期位置まで移動させることができ、又は棒状体10が容器の搬出のために邪魔にならない位置まで棒状体10を移動させることができる。
【0085】
最終的に、使用した後の容器を無人搬送車又は台車220によって、液体注入及び抽出装置100から、特に容器位置変更システム40から運搬することができる。
【0086】
図7~
図11は、液体注入及び抽出装置100が使用されている場合の各工程を示している。
【0087】
図7は、液体注入及び抽出装置100に容器200が搬送された直後の状態を示している。ここでは、容器200の開口210の位置と、容器200の上部にある棒状体10の位置とが離れている。
【0088】
容器200が運搬されると、計量装置60が容器200の重量を計測し、制御システム50にその信号が送信される。その後、制御システム50は、容器位置変更システム40を作動させる。
【0089】
図8及び
図9は、制御システム50によって作動された容器位置変更システム40によって、容器200を周方向に移動させて、容器200の開口210の位置を適切化した状態、すなわち容器200の開口210の水平面上の位置と、容器200の上部にある棒状体10の水平面上の位置とを近づけた状態を示している。また、ここでは、さらに制御システム50によって棒状体提供システム30を作動させ、棒状体10を容器200の開口210の真上の位置まで移動させた状態も表している。
【0090】
図10及び
図11は、棒状体提供システム30によって棒状体10を垂直移動させて、容器200の開口210に棒状体10を挿入した状態を表している。
【符号の説明】
【0091】
10,11,12…棒状体
11a…棒状支持体
11b…樹脂製導管
11c…融着部
13…チューブ状配管
14…撹拌機
15…傾斜機構
20…計測システム
30,31,32…棒状体提供システム
40…容器位置変更システム
41…側壁
42…側壁のない部分
43…歯車
44…モーター
50…制御システム
60…計量装置
70…架台
100…液体注入及び抽出装置
200…容器
210…開口
220…無人搬送車又は台車
【手続補正書】
【提出日】2022-11-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に開口を有する容器に棒状体を自動で挿入して、前記容器に液体を注入し又は前記容器から液体を抽出する、液体注入及び抽出装置であって、
前記容器の開口の位置を計測することができる計測システム、
前記容器の上部に存在しており、前記計測システムによって計測した位置まで前記棒状体を移動させることができる棒状体提供システム、
及び
これらの動作を制御するための制御システム
を具備し、
前記棒状体が、棒状支持体によって支持されている樹脂製導管を含み、前記樹脂性導管の長手方向の外周に沿って、前記棒状支持体の外周により前記樹脂性導管が支持されている、液体注入及び抽出装置。
【請求項2】
前記棒状支持体の少なくとも表面が樹脂製である、請求項1に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項3】
前記樹脂製導管が前記棒状支持体に融着されて支持されている、請求項2に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項4】
前記容器を平面方向及び/又は周方向に移動させることができる容器位置変更システムをさらに具備する、請求項1に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項5】
前記容器の開口が、2つ以上存在しており、それぞれの開口に対応する前記棒状体提供システムを含む、請求項1に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項6】
前記棒状体が、撹拌翼を含む、請求項1に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項7】
前記撹拌翼を傾けるための傾斜機構を具備する、請求項6に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項8】
前記容器が、100リットル以上1000リットル以下の液体を含むことができる、請求項1~7のいずれか一項に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項9】
前記液体が、半導体製造プロセスで用いられる研磨スラリー又は薬液である、請求項8に記載の液体注入及び抽出装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に開口を有する容器に棒状体を自動で挿入して、前記容器に液体を注入し又は前記容器から液体を抽出する、液体注入及び抽出装置であって、
前記容器の開口の位置を計測することができる計測システム、
前記容器の上部に存在しており、前記計測システムによって計測した位置まで前記棒状体を移動させることができる棒状体提供システム、
及び
これらの動作を制御するための制御システム
を具備し、
前記棒状体が、棒状支持体によって支持されている樹脂製導管を含み、前記樹脂製導管の長手方向の外周に沿って、前記棒状支持体の外周により前記樹脂製導管が支持されている、液体注入及び抽出装置。
【請求項2】
前記棒状支持体の少なくとも表面が樹脂製である、請求項1に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項3】
前記樹脂製導管が前記棒状支持体に融着されて支持されている、請求項2に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項4】
前記容器を平面方向及び/又は周方向に移動させることができる容器位置変更システムをさらに具備する、請求項1に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項5】
前記容器の開口が、2つ以上存在しており、それぞれの開口に対応する前記棒状体提供システムを含む、請求項1に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項6】
前記棒状体が、撹拌翼を含む、請求項1に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項7】
前記撹拌翼を傾けるための傾斜機構を具備する、請求項6に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項8】
前記容器が、100リットル以上1000リットル以下の液体を含むことができる、請求項1~7のいずれか一項に記載の液体注入及び抽出装置。
【請求項9】
前記液体が、半導体製造プロセスで用いられる研磨スラリー又は薬液である、請求項8に記載の液体注入及び抽出装置。